2009年12月15日
フェデラーのスイスでの人気
今日はスイスの話題を少し。今スイスは、最優秀アスリート賞の結果にちょっとした衝撃を受けています。
今年は何といってもフェデラーの年でしたので、当然フェデラーが受賞すると信じられていたのですが・・・全仏とウィンブルドン優勝、全豪と全米は準優勝。しかもキャリア・グランドスラムを達成した上、サンプラスを追い抜いて15のGSタイトル。記録につづく記録を樹立したフェデラーでしたから、彼がスイスで毎年行われる投票、「2009年のベストアスリート」に選出されなかったことは大きなショックでした。
Sportler des Jahresは、スイスでその年に最も活躍したアスリートに与えられる最高権威の賞ですが、これは一般の人の投票によって決められるいわば人気投票なようなもので、今年は35才のスキーヤーのディディエ・キュシェDidier Cucheに決まったのです。彼は今年のスーパG(ジャイアント・スラロム)のワールドカップの優勝者ですが、フェデラーの業績に比べればかなり差があるのは明らか。誰もがフェデラーが圧倒的な投票数で選ばれると思っていましたので、そのショックは隠しきれないようです。
どうしてスイス人はフェデラーを選ばなかったのか?
「フェデラーはスイスの国民にそれほど人気がないのか?」と早合点してしまいそうですが、ここでオンラインに掲載されたコメントをいくつか紹介して、スイス人の気持ちに迫ってみたいと思います。
フェデラーの故郷、バーゼルの新聞Basler Zeitungに載せられた代表的なコメントを拾ってみました。
http://bazonline.ch/sport/weitere/Roger-Federer-ist-der-wahre-Sportler-des-Jahres/story/29430414
「フェデラーはスイスの大きな誇りなのに、この結果はまことに残念だ。」
(本当に遺憾である。)
「フェデラーは今まで4度も受賞しているのだから(2003年、2004年、2006年、2007年)もう沢山じゃないの。キュシェはあの歳でよくがんばったから、まあよく頑張ったで賞みたいなものよ。」
(フェデラーはもらいすぎ。)
「クッヒェには個人的なうらみはないが、フェデラーの業績の足もとにも及ばないのに考えられない結果だ。この賞は全くいい加減で嫌になるよ。」
(あの投票はいい加減であるから、結果がいい加減になっても仕方がない。)
「フェデラーはスイスの大使みたいなもんだけれど、スイスにほとんどいないしね。それにテニスはスイスの国民競技じゃないし。」
(スキーはスイスの国民競技。)
「フェデラーは肝心のデ杯には欠場するし、スイスよりドバイにいる時間の方が長いしね。彼は個人の記録の方が大切で、スイスは彼にとっては二の次なんだ。 Federer, world's best athletes, yes, Switzerland-no フェデラーは世界一のアスリートだ。でもスイスではそうじゃないのさ。」
(スイスを忘れて国際スターになりすぎた。)
これらのコメントのどれもが真実のような気がします。スイスの小さな国を超えて世界のフェデラーになってしまったフェデラー。あまりにもスーパスターになってしまった彼に、なかなか振り返ってもらえないスイス人のちょっとした抵抗とでもいいましょうか。
スイスはテニスの国ではないことは確かです。私はスイスの隅々まで旅をしていますが、ほとんど公共のテニスコートは見た事がありません。テニスはまだまだ一般のスポーツにはほど遠い存在のような気がします。
ヒンギスの人気はスイスでは最悪でした。パティー・シュニーダーもほとんど無視されたようなもので、「スイスなんて未練もないわ」なんてアンチ・スイスを剥き出しにしています。小国にしてはこれほど多くのトップ選手を生んでいる割には、テニスがまだまだポピュラーなスポーツとして浸透しないのは不思議です。スキー、ハイキング、サッカーに国民のアイデンティティーを見いだしても、なかなかテニスには馴染めない、スイスのお国柄とでもいいましょうか。
今年は何といってもフェデラーの年でしたので、当然フェデラーが受賞すると信じられていたのですが・・・全仏とウィンブルドン優勝、全豪と全米は準優勝。しかもキャリア・グランドスラムを達成した上、サンプラスを追い抜いて15のGSタイトル。記録につづく記録を樹立したフェデラーでしたから、彼がスイスで毎年行われる投票、「2009年のベストアスリート」に選出されなかったことは大きなショックでした。
Sportler des Jahresは、スイスでその年に最も活躍したアスリートに与えられる最高権威の賞ですが、これは一般の人の投票によって決められるいわば人気投票なようなもので、今年は35才のスキーヤーのディディエ・キュシェDidier Cucheに決まったのです。彼は今年のスーパG(ジャイアント・スラロム)のワールドカップの優勝者ですが、フェデラーの業績に比べればかなり差があるのは明らか。誰もがフェデラーが圧倒的な投票数で選ばれると思っていましたので、そのショックは隠しきれないようです。
どうしてスイス人はフェデラーを選ばなかったのか?
「フェデラーはスイスの国民にそれほど人気がないのか?」と早合点してしまいそうですが、ここでオンラインに掲載されたコメントをいくつか紹介して、スイス人の気持ちに迫ってみたいと思います。
フェデラーの故郷、バーゼルの新聞Basler Zeitungに載せられた代表的なコメントを拾ってみました。
http://bazonline.ch/sport/weitere/Roger-Federer-ist-der-wahre-Sportler-des-Jahres/story/29430414
「フェデラーはスイスの大きな誇りなのに、この結果はまことに残念だ。」
(本当に遺憾である。)
「フェデラーは今まで4度も受賞しているのだから(2003年、2004年、2006年、2007年)もう沢山じゃないの。キュシェはあの歳でよくがんばったから、まあよく頑張ったで賞みたいなものよ。」
(フェデラーはもらいすぎ。)
「クッヒェには個人的なうらみはないが、フェデラーの業績の足もとにも及ばないのに考えられない結果だ。この賞は全くいい加減で嫌になるよ。」
(あの投票はいい加減であるから、結果がいい加減になっても仕方がない。)
「フェデラーはスイスの大使みたいなもんだけれど、スイスにほとんどいないしね。それにテニスはスイスの国民競技じゃないし。」
(スキーはスイスの国民競技。)
「フェデラーは肝心のデ杯には欠場するし、スイスよりドバイにいる時間の方が長いしね。彼は個人の記録の方が大切で、スイスは彼にとっては二の次なんだ。 Federer, world's best athletes, yes, Switzerland-no フェデラーは世界一のアスリートだ。でもスイスではそうじゃないのさ。」
(スイスを忘れて国際スターになりすぎた。)
これらのコメントのどれもが真実のような気がします。スイスの小さな国を超えて世界のフェデラーになってしまったフェデラー。あまりにもスーパスターになってしまった彼に、なかなか振り返ってもらえないスイス人のちょっとした抵抗とでもいいましょうか。
スイスはテニスの国ではないことは確かです。私はスイスの隅々まで旅をしていますが、ほとんど公共のテニスコートは見た事がありません。テニスはまだまだ一般のスポーツにはほど遠い存在のような気がします。
ヒンギスの人気はスイスでは最悪でした。パティー・シュニーダーもほとんど無視されたようなもので、「スイスなんて未練もないわ」なんてアンチ・スイスを剥き出しにしています。小国にしてはこれほど多くのトップ選手を生んでいる割には、テニスがまだまだポピュラーなスポーツとして浸透しないのは不思議です。スキー、ハイキング、サッカーに国民のアイデンティティーを見いだしても、なかなかテニスには馴染めない、スイスのお国柄とでもいいましょうか。
投稿者 Tennisnakama 11:28 | コメント(0)| トラックバック(0)
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