2009年01月30日
感動のドラマに涙
ナダルとべルダスコの試合は5時間以上の激闘の結果、ナダルが勝ちましたね。人間の限界に挑戦するかのごとく、想像を絶するbrutalな試合でした。
Nadal def Verdasco 6-7, 6-4, 7-6, 6-7, 6-4
ベルダスコは3回目のダブルフォルトで5セットの末負けてしました。ナダルは勝った瞬間、ネットを飛び超えてベルダスコに駆け寄りハグしました。何かごめんねといったような感じの申し訳ない勝ち方に、ナダルの心のやさしさが伝わってきます。ナダルはべルダスコの退場に拍手を送りました!
このようなドラマが観れたことは本当にテニスを愛していてよかったと涙です。
この二人の最後まで戦いぬく魂にどれだけ多くの人が感動し、力をもらったことでしょう。
私も彼らから元気をもらいました。2日間一睡もしていないので、しばらく休憩しますが、このエントリーに感想を後ほど書きたいと思っています。
いよいよナダルとフェデラーの世紀の戦いの幕が切られようとしています。スポーツは残酷ですね。どちらかが勝ち、どちらかが負けなくてはならないのですから。再び感動のドラマが観れることは嬉しいのですが、また5セットになってしまったら私の心臓が持ちません。
Nadal def Verdasco 6-7, 6-4, 7-6, 6-7, 6-4
ベルダスコは3回目のダブルフォルトで5セットの末負けてしました。ナダルは勝った瞬間、ネットを飛び超えてベルダスコに駆け寄りハグしました。何かごめんねといったような感じの申し訳ない勝ち方に、ナダルの心のやさしさが伝わってきます。ナダルはべルダスコの退場に拍手を送りました!
このようなドラマが観れたことは本当にテニスを愛していてよかったと涙です。
この二人の最後まで戦いぬく魂にどれだけ多くの人が感動し、力をもらったことでしょう。
私も彼らから元気をもらいました。2日間一睡もしていないので、しばらく休憩しますが、このエントリーに感想を後ほど書きたいと思っています。
いよいよナダルとフェデラーの世紀の戦いの幕が切られようとしています。スポーツは残酷ですね。どちらかが勝ち、どちらかが負けなくてはならないのですから。再び感動のドラマが観れることは嬉しいのですが、また5セットになってしまったら私の心臓が持ちません。
2009年01月30日
自作自演説のミステリー
本当に多くの方々からの心暖まる励ましのコメントをいただいて、感激しています。が、少々疲れてきております。
皆さんがフェデラーvsロディック戦やナダルvsべルダスコ戦についての記事を楽しみされているのに、このエントリーのタイトルをみて一体どういうことなのか訳が分からず戸惑っていらっしゃるのではないでしょうか。 実はフェデラー戦はESPNとテニスチャンネルで2度も観戦して、メモもしっかりととりましたが、どうしても記事を書く気になれないのです。すみませんが今回はミステリーの話をさせてください。
昨日のコメントに「通りすがり」さん(「とおりすがり」さんではありません)のコメントを不思議に思われた方も多いと思います。以下がそのコメントです。
「自演はやめましょうよ。みんなもう分かってることなのですから、みっともないだけですよ。」
この意味がお分かりですか? 最初私は、訳がよくわからなかったのですが、過去にも「自作自演はやめろ」といったコメントが残されていたのを思い出したのです。
そして今日、スポーツナビの『男子テニスがキター』のブログを読んで謎が解けてきました。
このブログはとてもすばらしく毎日読むのを楽しみにしていたのですが、突然ブログを閉鎖されてしまいました。その理由が長文にわたって書かれていますが、どうも理由が釈然としません。それはある特定の管理人が「自作自演」をしていると決めつけた内容で、その行為を批判するためにブログを閉鎖すると言った内容でした。以下がその管理人に向けての文章の一部です。
「読者の皆さんを、決して自分より愚かな人間だと思わないでください。
あなたより見識を持っている読者がいるのは、自作自演をしなければならなかったあなたが誰よりも知っている筈です。
この記事を読むまでもなく、知っている人はすでに知っているのです。
自作自演をやめれば、あなたが考えを改めたと思って、よりあなたの記事を真剣に読んでくれる人も増えると思います。」
これだけ読まれても分からないと思いますが、ここで使われている「自作自演」と、私のブログに再三現れる「自作自演」とどうも無関係ではないような気がします。
『男子テニスがキター』の記事によると、「自作自演」とは、コメントをいろいろ工作するために別名で投稿し、自分の有利になるようにコメントを操作しているというもので、一体どういう根拠からそういう発想がでるのか分かりませんが、極度の睡眠不足に陥っている私としては、そんなことなど想像もつかない世界です。
また、< 読者の皆さんを、決して自分より愚かな人間だと思わないでください>のところでひっかかるものがあります。
ジョコの件で、私は日本と世界との平和観にズレがあるとコメントしたことがあります。それは戦争のない平和な日本と、絶えず国境で紛争が起きている多くの国々との間では、平和観の違いがあって当然で、ズレというのはバカにした言葉ではなく、違うという意味で書きました。
このブログの作者が、誰のことを批判しているのか分かりませんが、テニスのブログであり、最近議論が沸騰しているブログといえば、それはtennisnakamaではないかと憶測されても仕方がない書き方です。「自作自演をするな!」という激しい批判には、証拠を出して、名指しで堂々と批判をしてほしかったと思います。それでないと根拠のないただ悪質なゴシップになってしまい、その余波で私のように被害を被る人達がでてきます。
「自演はやめましょうよ。みんなもう分かってることなのですから、みっともないだけですよ。」これは便乗して面白がった悪質なコメントです。
しかしこのような悪質デマは放っておくことはできません。真相追求のためいろいろ調べてみました。
スポーツナビのコメント管理は「削除」か「非公開」の機能しかなく、誰がコメントを書いているのか分かりません。しかしtennis365ではすべてのコメント者のIPナンバーが分かりますので、同じ人間が別名で投稿してきたとしても、すべてこちらのほうでその情報が手に入ります。この機能はまさにブロガーにとっては絶対に必要な機能で、さすが tennis365です。
最初に「自作自演」の言葉を発見したのは、1月26日の『ジョコヴィッチはルーザーだ・・・』の記事のコメントです。しかも投稿者名が「自作自演をするな!」となっています。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/159239.html
「聞き捨てならないコメントを目にしたので発言させていただきます。
日本は島国であるために独特の平和観があるのでズレがあるというのは、本当に無知な日本人の発言です。・・・」
これは「自作自演をするな!」さんのコメントです。
しかし調べて分かったことですが、この「自作自演をするな!」さんは実は「通りすがり」さんと同一人物だったのです。
「通りすがり」さんは『民族の対立の暴力事件に思う』に3つコメントを残されています。いずれも管理人の意見に反対のコメントです。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/158860.html
皮肉なことに、この自作自演説で、コメント者が別名で操作する人たちがいることもわかりました。この問題は由々しき問題なので、さらに追求していきたいと思います。
(追記)
念のためにこの今日の「通りすがり」さんのIPを調べてみることにしました。実はスポーツナビではいろんな「通りすがり」さんが登場しましたので。
しかしこの通りすがりさんのIPと「通りすがり/自作自演をやめろ!」さんのIPとは番号が一致しません。一体どうなってるの?どうしてそういうややこしいことになるのか、真面目にブログに取り組んでいるtennisnakamaは、もう頭がクラクラどころかガンガンと頭痛がしてきました。
皆さんがフェデラーvsロディック戦やナダルvsべルダスコ戦についての記事を楽しみされているのに、このエントリーのタイトルをみて一体どういうことなのか訳が分からず戸惑っていらっしゃるのではないでしょうか。 実はフェデラー戦はESPNとテニスチャンネルで2度も観戦して、メモもしっかりととりましたが、どうしても記事を書く気になれないのです。すみませんが今回はミステリーの話をさせてください。
昨日のコメントに「通りすがり」さん(「とおりすがり」さんではありません)のコメントを不思議に思われた方も多いと思います。以下がそのコメントです。
「自演はやめましょうよ。みんなもう分かってることなのですから、みっともないだけですよ。」
この意味がお分かりですか? 最初私は、訳がよくわからなかったのですが、過去にも「自作自演はやめろ」といったコメントが残されていたのを思い出したのです。
そして今日、スポーツナビの『男子テニスがキター』のブログを読んで謎が解けてきました。
このブログはとてもすばらしく毎日読むのを楽しみにしていたのですが、突然ブログを閉鎖されてしまいました。その理由が長文にわたって書かれていますが、どうも理由が釈然としません。それはある特定の管理人が「自作自演」をしていると決めつけた内容で、その行為を批判するためにブログを閉鎖すると言った内容でした。以下がその管理人に向けての文章の一部です。
「読者の皆さんを、決して自分より愚かな人間だと思わないでください。
あなたより見識を持っている読者がいるのは、自作自演をしなければならなかったあなたが誰よりも知っている筈です。
この記事を読むまでもなく、知っている人はすでに知っているのです。
自作自演をやめれば、あなたが考えを改めたと思って、よりあなたの記事を真剣に読んでくれる人も増えると思います。」
これだけ読まれても分からないと思いますが、ここで使われている「自作自演」と、私のブログに再三現れる「自作自演」とどうも無関係ではないような気がします。
『男子テニスがキター』の記事によると、「自作自演」とは、コメントをいろいろ工作するために別名で投稿し、自分の有利になるようにコメントを操作しているというもので、一体どういう根拠からそういう発想がでるのか分かりませんが、極度の睡眠不足に陥っている私としては、そんなことなど想像もつかない世界です。
また、< 読者の皆さんを、決して自分より愚かな人間だと思わないでください>のところでひっかかるものがあります。
ジョコの件で、私は日本と世界との平和観にズレがあるとコメントしたことがあります。それは戦争のない平和な日本と、絶えず国境で紛争が起きている多くの国々との間では、平和観の違いがあって当然で、ズレというのはバカにした言葉ではなく、違うという意味で書きました。
このブログの作者が、誰のことを批判しているのか分かりませんが、テニスのブログであり、最近議論が沸騰しているブログといえば、それはtennisnakamaではないかと憶測されても仕方がない書き方です。「自作自演をするな!」という激しい批判には、証拠を出して、名指しで堂々と批判をしてほしかったと思います。それでないと根拠のないただ悪質なゴシップになってしまい、その余波で私のように被害を被る人達がでてきます。
「自演はやめましょうよ。みんなもう分かってることなのですから、みっともないだけですよ。」これは便乗して面白がった悪質なコメントです。
しかしこのような悪質デマは放っておくことはできません。真相追求のためいろいろ調べてみました。
スポーツナビのコメント管理は「削除」か「非公開」の機能しかなく、誰がコメントを書いているのか分かりません。しかしtennis365ではすべてのコメント者のIPナンバーが分かりますので、同じ人間が別名で投稿してきたとしても、すべてこちらのほうでその情報が手に入ります。この機能はまさにブロガーにとっては絶対に必要な機能で、さすが tennis365です。
最初に「自作自演」の言葉を発見したのは、1月26日の『ジョコヴィッチはルーザーだ・・・』の記事のコメントです。しかも投稿者名が「自作自演をするな!」となっています。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/159239.html
「聞き捨てならないコメントを目にしたので発言させていただきます。
日本は島国であるために独特の平和観があるのでズレがあるというのは、本当に無知な日本人の発言です。・・・」
これは「自作自演をするな!」さんのコメントです。
しかし調べて分かったことですが、この「自作自演をするな!」さんは実は「通りすがり」さんと同一人物だったのです。
「通りすがり」さんは『民族の対立の暴力事件に思う』に3つコメントを残されています。いずれも管理人の意見に反対のコメントです。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/158860.html
皮肉なことに、この自作自演説で、コメント者が別名で操作する人たちがいることもわかりました。この問題は由々しき問題なので、さらに追求していきたいと思います。
(追記)
念のためにこの今日の「通りすがり」さんのIPを調べてみることにしました。実はスポーツナビではいろんな「通りすがり」さんが登場しましたので。
しかしこの通りすがりさんのIPと「通りすがり/自作自演をやめろ!」さんのIPとは番号が一致しません。一体どうなってるの?どうしてそういうややこしいことになるのか、真面目にブログに取り組んでいるtennisnakamaは、もう頭がクラクラどころかガンガンと頭痛がしてきました。
2009年01月30日
大人の会話を続けることの意味
最近ジョコヴィッチのことを書くとかならずブログが騒々しくなるので、本当はあまり触れたくないのですが、彼の言動は私の関心の深いテーマに関わることが多いので、誤解(ジョコバッシング)を受けるのを覚悟で書いてきました。
私のブログでは、話題になった事件については、日本では紹介されないことが多いために、世界のメディアの反応も知っていただきたいという願いから、記事にする場合があります。
ですから今回の『フェデラーが直言』では、彼が決してジョコ批判をしているのではなくて、ジョコが今までとってきた「リタイアとMTOの取り方に疑問あり」の世論の背景があることを理解していただきたくて書きました。あのジョコヴィッチの「暴力事件に対するコメントなし」の記事でかなり反撃を受けたあとだけに、この記事を書くと、tennisnakamaがジョコバッシングをしているととられても仕方がないという危険な記事であることは百も承知の上でした。
「tennisnakamaの評判の方が大切」なのか、「フェデラーの真意とメディアの記事の背景を伝える方が大切」なのか。私は迷わず後者を選びました。
私はテニスを心から愛しているものですから、限られた選手だけを応援する気持にはなれないのです。彼らのそれぞれにすばらしい才能、技術、精神を見いだしたときは宝物を発見したような嬉しい気持になります。しかし「違うんじゃないの?」と思ったことは正直に言える自分でありたいと思います。ファンだから、自分の応援する選手には盲目的になることは賛成しかねます。
私が嫌悪するのは、手段を選ばず「勝つためにはアンフェアなこともやる」行為です。残念ながらこのような行為は子供のレベル、大人のクラブ対抗戦レベル、プロのレベルでも見られます。2年ほど前まで、テニスクラブ同士が行うリーグ戦のチームのキャプテンをしていましたが、毎週試合に出てトラブルの多さに辟易してしまったのです。
「勝つためには手段を選ばず」はラインコールだけに及ばず、人種問題まで波及してきます。あるとき、私のパートナーの日本人の英語をバカして大笑いした相手チームがありました。パートナーの言った「アウト」が「アウトって何? 英語をしゃべってよ。」という訳です。いわゆるOut のtがうまく言えず「ト」と言ったため、今のコールは正当なコールではないと言い出す始末。それからは毎回彼女がOutという度に、「分からない」とバカにします。これはほんの一例です。
私は一本気な性分ですので、卑怯なやり方は見過ごすことはできず、大げんかになりました。あまりに腹が立つので、その後プロテストのアクションをおこしました。委員会の会議にかけ、この試合が不当な行為(わざと試合を妨害する)のもとで行われたとして、私たちの勝利となりましたが。このようなプロテストシステムが日本にあるのかどうか分かりませんが、これは民主的にトーナメントが運営される根本的なシステムだと思います。
4年ほどキャプテンをやっているうちに、汚いやり方で試合をする人間があまりにも多く、このままだとテニスが嫌いになりそうな危機感におそわれてチームを解散してしまいました。
ですからこのような経験のもとで、不正行為やルールの乱用(MTOメディカルタイムアウトやトイレットブレーク)には、許しがたい気持が人一倍強いのかもしれません。そういう背景があるものですから、特にMTOについては、自分の疲労回復のためのマッサージなどに使われるべきでないという意見は変わっておりません。
しかし、そのことを言う度に大変なコメントの攻撃に合います。「ルールを利用して何が悪い」という反対意見はウェルカムなのですが、どうも感情に走って関係のない個人攻撃が始まってしまうことがあります。
ジョコヴィッチの「なぜ記者会見で、ファンのおこした暴動事件についてNo violenceの一言がいえなかったか」という記事に対して、さまざまな意見をいただきました。私の記事はtennisnakama365とスポーツナビに掲載していますが、特にスポーツナビでの、攻撃は過激なものがあり、しばらく静観することにしました。そのときにイスラエルに住んでいらっしゃる読者の方から熱いコメントが入ってきました。彼(彼女)は戦争中という政治事情のまっただなかで、きっと私のNo violenceという主張に賛同せずにはおれなかったのだろうと思います。しかしそれ以降は私の手を離れてしまって、イスラエルの方との討論に発展し、事態は険悪になっていったのです。ここではとてもご紹介できないような罵倒と個人攻撃のコメントが寄せられてきたため(これらは削除しました)、収拾のつかない事態が予想されましたので、 tennisnakama365とスポーツナビで、とりあえずこの記事に関するコメントの締め切りを決断しました。
締め切りと言っているにも拘らず、コメントが寄せられましたが、その中に「お前は自作自演をしている」など訳の分からないコメントや「イスラエルに住んでいながら呑気にコメント書いてよいのか」など悪意に満ちた個人攻撃のコメントが寄せられました。真面目にコメントを残そうとされた方々には申し訳なかったのですが、あの時点でコメントを締め切らざるを得なかった状況をご理解していただければと願います。
自分と違った意見に出会うと感情に走り、理性的な会話ができない。悲しいことです。
私がブログを始めて一年になりますが、最初は「あなたはアメリカが好きな嫌らしい方ですね」とか「お前は非国民だ」とか罵られました。特に日本について書くとかならずバッシングに合います。これは錦織選手にも当てはまります。日本批判とニシコリ批判は一切できない風潮にあります。
US Openで圭君のトイレットブレークの取り方がおかしいと指摘した事がありました。(ウォームアップのあと、ショーツを履き替えに行ったり、帽子を忘れたので取りに行ったこと)私の意図は、US Openはジュニアのレベルではないのだから、そういったことは、汚い作戦のひとつと誤解されると、彼のことを思って書いた記事でした。しかし読者の猛反撃に合い「錦織選手の批判は許されぬ」の合唱でした。
そういった状況は、真に圭君のことを思った助言も受け付けつけない裸の王さまの世界があります。皮肉だったのは、このトイレットブレークの件について、松岡修造氏がAIG Openで圭君に注意したことです。その松岡氏の言葉に皆「そうですよね~」とあっさりOK。権威のある者には従うが一市民の声には耳を傾けない。あのときに私に猛反撃した彼らは、一体どこに行ってしまったのでしょうか?音沙汰なしの行方不明です。
私はコメントをいただく方々に心から感謝をしています。いそがしい毎日の中、記事を読みコメントを残すということは大変な時間とエネルギーを要します。本当にありがたい気持で一杯です。世界はいろんな意見があって当然ですし、それでないと皆一緒になってしまって気持悪い世界となってしまいます。
これからも「ちょっと変?」と疑問に思ったことはブログで書いていきたいと思っています。その私の意見に「その考えはおかしい。賛成できない。」と思われた方は遠慮なく意見を発表していただきたいと思います。しかし社会にはルールがあります。感情論に走らないルールにのっとった大人の会話が続けられればと願っております。
(追記)フェデラーvsロディック戦を見逃しましたので、のちほど録画をみてコメントしたいと思います。
私のブログでは、話題になった事件については、日本では紹介されないことが多いために、世界のメディアの反応も知っていただきたいという願いから、記事にする場合があります。
ですから今回の『フェデラーが直言』では、彼が決してジョコ批判をしているのではなくて、ジョコが今までとってきた「リタイアとMTOの取り方に疑問あり」の世論の背景があることを理解していただきたくて書きました。あのジョコヴィッチの「暴力事件に対するコメントなし」の記事でかなり反撃を受けたあとだけに、この記事を書くと、tennisnakamaがジョコバッシングをしているととられても仕方がないという危険な記事であることは百も承知の上でした。
「tennisnakamaの評判の方が大切」なのか、「フェデラーの真意とメディアの記事の背景を伝える方が大切」なのか。私は迷わず後者を選びました。
私はテニスを心から愛しているものですから、限られた選手だけを応援する気持にはなれないのです。彼らのそれぞれにすばらしい才能、技術、精神を見いだしたときは宝物を発見したような嬉しい気持になります。しかし「違うんじゃないの?」と思ったことは正直に言える自分でありたいと思います。ファンだから、自分の応援する選手には盲目的になることは賛成しかねます。
私が嫌悪するのは、手段を選ばず「勝つためにはアンフェアなこともやる」行為です。残念ながらこのような行為は子供のレベル、大人のクラブ対抗戦レベル、プロのレベルでも見られます。2年ほど前まで、テニスクラブ同士が行うリーグ戦のチームのキャプテンをしていましたが、毎週試合に出てトラブルの多さに辟易してしまったのです。
「勝つためには手段を選ばず」はラインコールだけに及ばず、人種問題まで波及してきます。あるとき、私のパートナーの日本人の英語をバカして大笑いした相手チームがありました。パートナーの言った「アウト」が「アウトって何? 英語をしゃべってよ。」という訳です。いわゆるOut のtがうまく言えず「ト」と言ったため、今のコールは正当なコールではないと言い出す始末。それからは毎回彼女がOutという度に、「分からない」とバカにします。これはほんの一例です。
私は一本気な性分ですので、卑怯なやり方は見過ごすことはできず、大げんかになりました。あまりに腹が立つので、その後プロテストのアクションをおこしました。委員会の会議にかけ、この試合が不当な行為(わざと試合を妨害する)のもとで行われたとして、私たちの勝利となりましたが。このようなプロテストシステムが日本にあるのかどうか分かりませんが、これは民主的にトーナメントが運営される根本的なシステムだと思います。
4年ほどキャプテンをやっているうちに、汚いやり方で試合をする人間があまりにも多く、このままだとテニスが嫌いになりそうな危機感におそわれてチームを解散してしまいました。
ですからこのような経験のもとで、不正行為やルールの乱用(MTOメディカルタイムアウトやトイレットブレーク)には、許しがたい気持が人一倍強いのかもしれません。そういう背景があるものですから、特にMTOについては、自分の疲労回復のためのマッサージなどに使われるべきでないという意見は変わっておりません。
しかし、そのことを言う度に大変なコメントの攻撃に合います。「ルールを利用して何が悪い」という反対意見はウェルカムなのですが、どうも感情に走って関係のない個人攻撃が始まってしまうことがあります。
ジョコヴィッチの「なぜ記者会見で、ファンのおこした暴動事件についてNo violenceの一言がいえなかったか」という記事に対して、さまざまな意見をいただきました。私の記事はtennisnakama365とスポーツナビに掲載していますが、特にスポーツナビでの、攻撃は過激なものがあり、しばらく静観することにしました。そのときにイスラエルに住んでいらっしゃる読者の方から熱いコメントが入ってきました。彼(彼女)は戦争中という政治事情のまっただなかで、きっと私のNo violenceという主張に賛同せずにはおれなかったのだろうと思います。しかしそれ以降は私の手を離れてしまって、イスラエルの方との討論に発展し、事態は険悪になっていったのです。ここではとてもご紹介できないような罵倒と個人攻撃のコメントが寄せられてきたため(これらは削除しました)、収拾のつかない事態が予想されましたので、 tennisnakama365とスポーツナビで、とりあえずこの記事に関するコメントの締め切りを決断しました。
締め切りと言っているにも拘らず、コメントが寄せられましたが、その中に「お前は自作自演をしている」など訳の分からないコメントや「イスラエルに住んでいながら呑気にコメント書いてよいのか」など悪意に満ちた個人攻撃のコメントが寄せられました。真面目にコメントを残そうとされた方々には申し訳なかったのですが、あの時点でコメントを締め切らざるを得なかった状況をご理解していただければと願います。
自分と違った意見に出会うと感情に走り、理性的な会話ができない。悲しいことです。
私がブログを始めて一年になりますが、最初は「あなたはアメリカが好きな嫌らしい方ですね」とか「お前は非国民だ」とか罵られました。特に日本について書くとかならずバッシングに合います。これは錦織選手にも当てはまります。日本批判とニシコリ批判は一切できない風潮にあります。
US Openで圭君のトイレットブレークの取り方がおかしいと指摘した事がありました。(ウォームアップのあと、ショーツを履き替えに行ったり、帽子を忘れたので取りに行ったこと)私の意図は、US Openはジュニアのレベルではないのだから、そういったことは、汚い作戦のひとつと誤解されると、彼のことを思って書いた記事でした。しかし読者の猛反撃に合い「錦織選手の批判は許されぬ」の合唱でした。
そういった状況は、真に圭君のことを思った助言も受け付けつけない裸の王さまの世界があります。皮肉だったのは、このトイレットブレークの件について、松岡修造氏がAIG Openで圭君に注意したことです。その松岡氏の言葉に皆「そうですよね~」とあっさりOK。権威のある者には従うが一市民の声には耳を傾けない。あのときに私に猛反撃した彼らは、一体どこに行ってしまったのでしょうか?音沙汰なしの行方不明です。
私はコメントをいただく方々に心から感謝をしています。いそがしい毎日の中、記事を読みコメントを残すということは大変な時間とエネルギーを要します。本当にありがたい気持で一杯です。世界はいろんな意見があって当然ですし、それでないと皆一緒になってしまって気持悪い世界となってしまいます。
これからも「ちょっと変?」と疑問に思ったことはブログで書いていきたいと思っています。その私の意見に「その考えはおかしい。賛成できない。」と思われた方は遠慮なく意見を発表していただきたいと思います。しかし社会にはルールがあります。感情論に走らないルールにのっとった大人の会話が続けられればと願っております。
(追記)フェデラーvsロディック戦を見逃しましたので、のちほど録画をみてコメントしたいと思います。
2009年01月29日
Winning Ugly
ナダルvsシモンの試合は期待したように見応えのある試合でした。ブラッド・ギルバートは試合の始まる前に、シモンの勝つチャンスは0.00%だと言ってました。このようにまず勝ち目はないとみなされた試合に、全身全霊を傾けてたとえストレートで負けたとはいえ、シモンの2-6, 5-7, 5-7のスコアは立派でした。この魂がデルポトロには欠けていたように思います。この差はメンタルの差だとよく言われますが、ではメンタルとはどういうことなのでしょうか?
最近はメンタルという言葉ですべてを片付けてしまいがちですが、このメンタルという言葉は様々なlayer(日本語では層ですが、的訳が見つからないので英語のまま書きます)を含んでいます。シモンとデルポの差は、メンタルの一つ「勝つ事への執念」だったと思います。デルポは試合前からフェデラーにすでに負けていました。「彼にはどうせ勝てないのだから」といった気持が、最後にはむくむくと膨れ上がってしまって、打つ手を失ってしまったように思います。
私がシモンを好きなのは、あの今にも死にそうな顔をしながら、球を追い続け、最後まで諦めず、作戦をねりつづける魂にみせられるからです。この魂が不可能と思われた、ナダル、フェデラー、ジョコの打倒を可能にしました。
ナダルはシモンはとてもやり辛い選手だと述べていました。パワーで圧倒していけないシモンは「相手にリズムを与えないテニス」で徐々に駒を進めていくしぶとさがあります。この「しぶとさ」もひとつのメンタルです。しかも42のウィナーを打っています。トロトロとラリーを続けているかと思えば、突如打ち放たれる爆発的なインサイドアウト(日本では逆クロス)のフォアハンドはスリリングでした。
しかしナダルはますます強くなってきましたね。もうオールラウンドプレーヤーです。それに新しいフォアハンド(ワイパー)もウィナーが気持よく決まっています。昔はあまり作戦には興味ないといっていましたが、最近の彼は頭を使ったテニスをしていて(すみません)ますます魅力を増してきました。
ギルバートの有名な著書に「Winning Ugly」がありますが、「どんなみっともないことをしても勝つ」ことの重要性を説いています。「美しいテニス」をすることに喜びを見いだす、つまり芸術派タイプは、勝っても勝ち方が気に入らないときは素直に喜べない。このタイプがサフィンです。しかしWinning is Everythingと試合の勝敗にすべてをかける選手は、テニスは勝つためにプレーをするのであって、美しさのためにプレーするのではない。このタイプがナダルです。
フェデラーはなぜ世界中のテニスファンを魅了するかといえば、この両者のテニスをフェデラーが持ち合わせているからだと思います。バーディッチ戦ではフェデラーはいわゆるWinning Uglyでした。フェデラーがNo.1の座をナダルに奪われた瞬間、芸術家でありつづけなければならないフェデラーの宿命に別れを告げる事ができたと思います。「完璧なテニス」を期待され続けてきたフェデラーは、この自分のイメージから解放されました。今でももちろんNo.1を狙うフェデラーではありますが、一度陥落したフェデラー王はWinning Uglyで這い上がるカムバックキッドのフェデラーが許されるのです。
これからどれだけ「フェデラーらしくないテニス」をして勝っていけるか、新しい挑戦がフェデラーには待ち受けています。
最近はメンタルという言葉ですべてを片付けてしまいがちですが、このメンタルという言葉は様々なlayer(日本語では層ですが、的訳が見つからないので英語のまま書きます)を含んでいます。シモンとデルポの差は、メンタルの一つ「勝つ事への執念」だったと思います。デルポは試合前からフェデラーにすでに負けていました。「彼にはどうせ勝てないのだから」といった気持が、最後にはむくむくと膨れ上がってしまって、打つ手を失ってしまったように思います。
私がシモンを好きなのは、あの今にも死にそうな顔をしながら、球を追い続け、最後まで諦めず、作戦をねりつづける魂にみせられるからです。この魂が不可能と思われた、ナダル、フェデラー、ジョコの打倒を可能にしました。
ナダルはシモンはとてもやり辛い選手だと述べていました。パワーで圧倒していけないシモンは「相手にリズムを与えないテニス」で徐々に駒を進めていくしぶとさがあります。この「しぶとさ」もひとつのメンタルです。しかも42のウィナーを打っています。トロトロとラリーを続けているかと思えば、突如打ち放たれる爆発的なインサイドアウト(日本では逆クロス)のフォアハンドはスリリングでした。
しかしナダルはますます強くなってきましたね。もうオールラウンドプレーヤーです。それに新しいフォアハンド(ワイパー)もウィナーが気持よく決まっています。昔はあまり作戦には興味ないといっていましたが、最近の彼は頭を使ったテニスをしていて(すみません)ますます魅力を増してきました。
ギルバートの有名な著書に「Winning Ugly」がありますが、「どんなみっともないことをしても勝つ」ことの重要性を説いています。「美しいテニス」をすることに喜びを見いだす、つまり芸術派タイプは、勝っても勝ち方が気に入らないときは素直に喜べない。このタイプがサフィンです。しかしWinning is Everythingと試合の勝敗にすべてをかける選手は、テニスは勝つためにプレーをするのであって、美しさのためにプレーするのではない。このタイプがナダルです。
フェデラーはなぜ世界中のテニスファンを魅了するかといえば、この両者のテニスをフェデラーが持ち合わせているからだと思います。バーディッチ戦ではフェデラーはいわゆるWinning Uglyでした。フェデラーがNo.1の座をナダルに奪われた瞬間、芸術家でありつづけなければならないフェデラーの宿命に別れを告げる事ができたと思います。「完璧なテニス」を期待され続けてきたフェデラーは、この自分のイメージから解放されました。今でももちろんNo.1を狙うフェデラーではありますが、一度陥落したフェデラー王はWinning Uglyで這い上がるカムバックキッドのフェデラーが許されるのです。
これからどれだけ「フェデラーらしくないテニス」をして勝っていけるか、新しい挑戦がフェデラーには待ち受けています。
2009年01月28日
ナダル打倒 - シモンの作戦とは?
いよいよナダルvsシモン戦が始まります。二人ともお気に入りの選手ですのでワクワクします。シモンが勝てるとは思っていませんが、見応えのある試合をみせてほしいと思います。
作戦は足
記者会見でシモンは、ナダル作戦はという質問に、一言「足」と答えました。ナダルのレベルは作戦を練ったりショットメイキングを考えたりするレベルではなく、もうとりまくるしかないのです。私も今のナダルを観ていると、あらゆる点でシモンは劣りますから、足で拾いまくり、ナダルをいらつかせる、彼のミスをさそう手段しかないと思います。あの今にも倒れそうな苦しそうなシモンの表情が浮かんできます。
しかし最後のナダルとの試合、マドリッドマスターズは、シモンが3-6 7-5 7-6(6) で勝っています。ですから打倒ナダルは不可能ではないはず。そこでシモンが勝ったマドリッドの試合のスタッツを分析してみることにしました。
不思議なスタッツ
下のスタッツでも分かるように、サーヴィスにおいてもリターンにおいても、ナダルはシモンに優っています。しかも総合ポイント数もナダルの方が多いのに、どうしてナダルはシモンに負けてしまったのでしょうか?
それはシモンはブレークポイントを22回もとられながら17回も逃れることを可能にした彼のサーヴと足力だと思います。サーヴは決して強力とはいえませんが、ここぞという大切なときにウィナーがとれるメンタルの強さがあります。そしてナダルのショットを拾いまくってしまうことから、ナダルはぎりぎりのショットを狙いエラーを犯します。それに反して、ナダルは8回ブレークポイントをとられていますが、ブレークを逃れたのは半分の4回です。つまりシモンは危ういところを何度もセーヴしながら、効率よくブレークしていったといえるでしょう。
マドリッド・マスターズ
シモン def ナダル 3-6 7-5 7-6(6)
シモン ナダル
1st サーヴ確率 61% 61%
1st サーヴポイント獲得 63% 65%
2nd サーヴポイント獲得 49% 58%
1st リターンポイント獲得 34% 36%
2nd リターンポイント獲得 41% 50%
サーヴィスポイント総数 57% 62%
リターンポイント総数 37% 42%
ポイント総数 49% 50%
Nadal vs Simon戦はナイトゲームです。球はスローになり気温も下がりシモンの有利になります。もしシモンがマドリッドを再現すれば? 大アプセット事件が起こるかもしれません。
(注記)夜がスローというのは?
一般に速い、遅いとテニスでいっているのは、サーフェスの違い、バウンスの違い、摩擦の違いなどから生ずる球の速さを言っています。
私がここで言っているslowは、同じサーフェスで温度の違いから生まれるバウンドの違いの表現です。全豪オープンでは、アメリカの解説者がよく「夜はスローだから」という表現を使っています。空気の一杯入ったボールを打つのと、空気の抜けたボールを打つのと比較してください。固いボールは高くバウンドしスピードも速いですね。
メルボルンは昼夜の気温の差が激しく日中は温度があがり球の中の空気も膨張し気圧が高くなり、バウンドが高く跳ね上がります。ですから温度差の激しいところでは日中に比べて夜は温度が下がり、バウンドがゆるやかになるので、スローと言っています。
作戦は足
記者会見でシモンは、ナダル作戦はという質問に、一言「足」と答えました。ナダルのレベルは作戦を練ったりショットメイキングを考えたりするレベルではなく、もうとりまくるしかないのです。私も今のナダルを観ていると、あらゆる点でシモンは劣りますから、足で拾いまくり、ナダルをいらつかせる、彼のミスをさそう手段しかないと思います。あの今にも倒れそうな苦しそうなシモンの表情が浮かんできます。
しかし最後のナダルとの試合、マドリッドマスターズは、シモンが3-6 7-5 7-6(6) で勝っています。ですから打倒ナダルは不可能ではないはず。そこでシモンが勝ったマドリッドの試合のスタッツを分析してみることにしました。
不思議なスタッツ
下のスタッツでも分かるように、サーヴィスにおいてもリターンにおいても、ナダルはシモンに優っています。しかも総合ポイント数もナダルの方が多いのに、どうしてナダルはシモンに負けてしまったのでしょうか?
それはシモンはブレークポイントを22回もとられながら17回も逃れることを可能にした彼のサーヴと足力だと思います。サーヴは決して強力とはいえませんが、ここぞという大切なときにウィナーがとれるメンタルの強さがあります。そしてナダルのショットを拾いまくってしまうことから、ナダルはぎりぎりのショットを狙いエラーを犯します。それに反して、ナダルは8回ブレークポイントをとられていますが、ブレークを逃れたのは半分の4回です。つまりシモンは危ういところを何度もセーヴしながら、効率よくブレークしていったといえるでしょう。
マドリッド・マスターズ
シモン def ナダル 3-6 7-5 7-6(6)
シモン ナダル
1st サーヴ確率 61% 61%
1st サーヴポイント獲得 63% 65%
2nd サーヴポイント獲得 49% 58%
1st リターンポイント獲得 34% 36%
2nd リターンポイント獲得 41% 50%
サーヴィスポイント総数 57% 62%
リターンポイント総数 37% 42%
ポイント総数 49% 50%
Nadal vs Simon戦はナイトゲームです。球はスローになり気温も下がりシモンの有利になります。もしシモンがマドリッドを再現すれば? 大アプセット事件が起こるかもしれません。
(注記)夜がスローというのは?
一般に速い、遅いとテニスでいっているのは、サーフェスの違い、バウンスの違い、摩擦の違いなどから生ずる球の速さを言っています。
私がここで言っているslowは、同じサーフェスで温度の違いから生まれるバウンドの違いの表現です。全豪オープンでは、アメリカの解説者がよく「夜はスローだから」という表現を使っています。空気の一杯入ったボールを打つのと、空気の抜けたボールを打つのと比較してください。固いボールは高くバウンドしスピードも速いですね。
メルボルンは昼夜の気温の差が激しく日中は温度があがり球の中の空気も膨張し気圧が高くなり、バウンドが高く跳ね上がります。ですから温度差の激しいところでは日中に比べて夜は温度が下がり、バウンドがゆるやかになるので、スローと言っています。
2009年01月28日
フェデラーが直言
フェデラーはデルポトロを完全にノックアウトしてしまいました。フェデラー王朝の復活を思わせる自信に満ちたテニスで、6-3, 6-0, 6-0で理想的な試合を見せてくれました。
デルポは反面、フェデラーのオフェンスにリズムが最後までつかめず、第3セットの後半はすでに試合を諦めた感じがありました。「早くホテルに帰りたい」といった気持が顔に出ていて、デルポファンにとっては、もう少し粘ってくいついてほしかったという残念な試合でもありました。
ベーグル2つという完敗に、解説者は「このスコアはランキング100位の選手のスコアならわかるが、6位のスコアじゃない」となかなかきびしいことを言ってました。 こういう屈辱的な敗北を通して、選手は鍛え上げられていくのですから、これを踏み台にしてデルポが大きく成長してくれることを期待します。
フェデラーの心の準備
フェデラーのインターヴューをいろいろ読んでると、二つのフェデラーの顔が見えてきます。「バーディッチに負けそうになった弱気のフェデラー」と「デルポに圧勝した自信満々のフェデラー」です。バーディッチ戦は彼は5セットになることを予期していたといいます。心のどこかで5セットになっても仕方がないという弱気のフェデラーがありました。しかしデルポ戦では反対に、「デルポの試合はたやすい」という自信でもって最初から自分のリズムをつかんでいます。
カニアスとの対戦がよい例ですよね。3度も負けるような選手でないレベルの選手にフェデラーは負けています。今回の試合で、試合前の心の準備がいかに大切かを物語る意味でも興味深い試合となりました。
フェデラーが直言
さて、ジョコヴィッチvsロディック戦で、ジョコヴィッチがリタイアしたことについて、フェデラーは歯に衣着せないコメントをしています。
(BBCの録音)
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/tennis/7853693.stm
「リタイアは前にあったことだし。彼(ジョコヴィッチ)は試合を絶対最後まで諦めないで戦う選手ではないのだし、トップの選手が途中で棄権してしまうのは残念なことだ。彼は昨年の僕とのモナコの試合でも、喉が痛いとかでリタイアしてるしね。そういうことがあればちょっと考えるよ。僕は今までのキャリアでリタイアしたのは、パリでのブレイクとの試合で腰が痛くて動けなくなった時だけなんだから。」
このフェデラーの発言は誤解を生みそうなので、(前のようにマレーの本命に関する発言の例もありましたので)、ジョコヴィッチの主なリタイアの歴史を調べてみました。
フューチャーズのリタイアは含んでおりませんが、一年に2回のペースはやはり多いかもしれません。しかし、なぜMTOやリタイアのイメージが強いかと言えば、その回数ではなくて、その試合の重要性にあります。デ杯で2回、グランドスラムで4回のリタイアはイメージとして与えるインパクトが大きいのです。
ジョコヴィッチのリタイアの歴史
2005 フレンチオープン(vsコリア)
2006 フレンチオープン(vsナダル)
2006 クロチア(vsヴァヴリンカ)
2007 デ杯(vsジョージア)
2007 ウィンブルドン(vsナダル)
2008 デ杯(vsロシア)
2008 モンテカルロ(vsフェデラー)
2009 オーストラリアンオープン(vsロディック)
フェデラーは昨日の記者会見で、MTO(メディカル・タイムアウト)についても次のように答えています。
(記者会見)
http://www.australianopen.com/en_AU/news/interviews/2009-01-27/200901271232977497765.html
Q:(ジョコがトレーナーを呼んだことと関連して)トレーナーを呼ぶことによって、試合の流れが変わってしまうことがありますが、そのことについては?
(概要)
「これは微妙な問題だと思う。僕はトレーナーは呼ばないからね。
昔は僕の様な選手に対して、若い選手はMTOを乱用していると思ったよ。試合に自信がなくなってセットを落としたりすると、トイレに行ったり、トレーナーを呼んで足首をテーピングしたり。
センターコートでプレーするようになってから、尊敬してもらえるのか、そういうことはなくなったけれど。
もしフィットしていないのなら、コートを出るべきだという意見に僕はほぼ賛成だね。」
今回のロディック戦では、ジョコは最後まで戦おうと努力しましたが、体がついてこなかったのは残念です。彼なりに最後まで頑張ったことは評価されてよいと思います。しかしジョコに関していつも問題にとりあげられるのは、彼のフィットネスの問題です。このような猛暑の中では、最後はいかにフィットしているかにかかってくるのですから。ロディックの準備は正解でした。あたらしいコーチのもとで、ロディックは6kg減量して、猛烈にトレーニングを積んだ成果が明らかに出ていました。
マレーを破ったべルダスコも、ホリデー返上でラスベガスに飛び、元アガシのトレーナーのジル・レエスのもとでトレーニングを積みました。彼の体をみて驚いたのは、デ杯の彼とすっかり体つきが変わってきたことです。
マレー、ロディック、べルダスコにみられるフィットネスの確固たるコミットメントがテニスの結果として如実に現れてきています。ジョコヴィッチを破ったあと、ロディックはテニスチャンネルのインターヴューで、「これからのテニスはショットメイキングよりも、フィットネスと足だ」と断言しました。
ジョコのナイトセッションのリクエストが受け入れられなかったことについて、フェデラーは以下のように答えています。
Q:ジョコヴィッチがナイトセッションにならなかったことについて不満を言っていますが、彼の言う事が正しいと思いますか?(2日前の試合が深夜に長引いたことから、ジョコヴィッチはナイトセッションをリクエストしたが却下されたことについて)
(要約)
「ディレクターの仕事は不可能な仕事だね。何百人という選手がいろんなリクエストをしてくるだろうし。
ジョコヴィッチは前にリクエストをして受け入れられたからじゃないかな。
僕は夜プレイできてラッキーだったけれど、日中でも準備はできてたよ。僕の試合はむしろ日中の方がいいんだ。夜は球が遅いからね。
ジョコヴィッチは中休みが一日あったのだから、最悪の状態ではないと思うけど。」
ESPNの記事では、ラヴィ・ウバー記者がジョコヴィッチのリクエストの却下について、このように述べています。
http://sports.espn.go.com/sports/tennis/aus09/columns/story?columnist=ubha_ravi&id=3863194
「昨年はR16で朝の4時半まで行ったヒューイットと翌日当たって、その恩恵にあずかったのは、皮肉にも不平を言ったジョコヴィッチ当人だった。」
また同記事にモンフィスのコーチ、ラシードは、「もし僕が昨年のチャンピオンだったら、昼間のスケジュールにがっかりしただろうね。でもどの選手もスケジュールに関しては、一度は信じ難いことを経験するもんだよ。」と同情的なコメントを残しています。
デルポは反面、フェデラーのオフェンスにリズムが最後までつかめず、第3セットの後半はすでに試合を諦めた感じがありました。「早くホテルに帰りたい」といった気持が顔に出ていて、デルポファンにとっては、もう少し粘ってくいついてほしかったという残念な試合でもありました。
ベーグル2つという完敗に、解説者は「このスコアはランキング100位の選手のスコアならわかるが、6位のスコアじゃない」となかなかきびしいことを言ってました。 こういう屈辱的な敗北を通して、選手は鍛え上げられていくのですから、これを踏み台にしてデルポが大きく成長してくれることを期待します。
フェデラーの心の準備
フェデラーのインターヴューをいろいろ読んでると、二つのフェデラーの顔が見えてきます。「バーディッチに負けそうになった弱気のフェデラー」と「デルポに圧勝した自信満々のフェデラー」です。バーディッチ戦は彼は5セットになることを予期していたといいます。心のどこかで5セットになっても仕方がないという弱気のフェデラーがありました。しかしデルポ戦では反対に、「デルポの試合はたやすい」という自信でもって最初から自分のリズムをつかんでいます。
カニアスとの対戦がよい例ですよね。3度も負けるような選手でないレベルの選手にフェデラーは負けています。今回の試合で、試合前の心の準備がいかに大切かを物語る意味でも興味深い試合となりました。
フェデラーが直言
さて、ジョコヴィッチvsロディック戦で、ジョコヴィッチがリタイアしたことについて、フェデラーは歯に衣着せないコメントをしています。
(BBCの録音)
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/tennis/7853693.stm
「リタイアは前にあったことだし。彼(ジョコヴィッチ)は試合を絶対最後まで諦めないで戦う選手ではないのだし、トップの選手が途中で棄権してしまうのは残念なことだ。彼は昨年の僕とのモナコの試合でも、喉が痛いとかでリタイアしてるしね。そういうことがあればちょっと考えるよ。僕は今までのキャリアでリタイアしたのは、パリでのブレイクとの試合で腰が痛くて動けなくなった時だけなんだから。」
このフェデラーの発言は誤解を生みそうなので、(前のようにマレーの本命に関する発言の例もありましたので)、ジョコヴィッチの主なリタイアの歴史を調べてみました。
フューチャーズのリタイアは含んでおりませんが、一年に2回のペースはやはり多いかもしれません。しかし、なぜMTOやリタイアのイメージが強いかと言えば、その回数ではなくて、その試合の重要性にあります。デ杯で2回、グランドスラムで4回のリタイアはイメージとして与えるインパクトが大きいのです。
ジョコヴィッチのリタイアの歴史
2005 フレンチオープン(vsコリア)
2006 フレンチオープン(vsナダル)
2006 クロチア(vsヴァヴリンカ)
2007 デ杯(vsジョージア)
2007 ウィンブルドン(vsナダル)
2008 デ杯(vsロシア)
2008 モンテカルロ(vsフェデラー)
2009 オーストラリアンオープン(vsロディック)
フェデラーは昨日の記者会見で、MTO(メディカル・タイムアウト)についても次のように答えています。
(記者会見)
http://www.australianopen.com/en_AU/news/interviews/2009-01-27/200901271232977497765.html
Q:(ジョコがトレーナーを呼んだことと関連して)トレーナーを呼ぶことによって、試合の流れが変わってしまうことがありますが、そのことについては?
(概要)
「これは微妙な問題だと思う。僕はトレーナーは呼ばないからね。
昔は僕の様な選手に対して、若い選手はMTOを乱用していると思ったよ。試合に自信がなくなってセットを落としたりすると、トイレに行ったり、トレーナーを呼んで足首をテーピングしたり。
センターコートでプレーするようになってから、尊敬してもらえるのか、そういうことはなくなったけれど。
もしフィットしていないのなら、コートを出るべきだという意見に僕はほぼ賛成だね。」
今回のロディック戦では、ジョコは最後まで戦おうと努力しましたが、体がついてこなかったのは残念です。彼なりに最後まで頑張ったことは評価されてよいと思います。しかしジョコに関していつも問題にとりあげられるのは、彼のフィットネスの問題です。このような猛暑の中では、最後はいかにフィットしているかにかかってくるのですから。ロディックの準備は正解でした。あたらしいコーチのもとで、ロディックは6kg減量して、猛烈にトレーニングを積んだ成果が明らかに出ていました。
マレーを破ったべルダスコも、ホリデー返上でラスベガスに飛び、元アガシのトレーナーのジル・レエスのもとでトレーニングを積みました。彼の体をみて驚いたのは、デ杯の彼とすっかり体つきが変わってきたことです。
マレー、ロディック、べルダスコにみられるフィットネスの確固たるコミットメントがテニスの結果として如実に現れてきています。ジョコヴィッチを破ったあと、ロディックはテニスチャンネルのインターヴューで、「これからのテニスはショットメイキングよりも、フィットネスと足だ」と断言しました。
ジョコのナイトセッションのリクエストが受け入れられなかったことについて、フェデラーは以下のように答えています。
Q:ジョコヴィッチがナイトセッションにならなかったことについて不満を言っていますが、彼の言う事が正しいと思いますか?(2日前の試合が深夜に長引いたことから、ジョコヴィッチはナイトセッションをリクエストしたが却下されたことについて)
(要約)
「ディレクターの仕事は不可能な仕事だね。何百人という選手がいろんなリクエストをしてくるだろうし。
ジョコヴィッチは前にリクエストをして受け入れられたからじゃないかな。
僕は夜プレイできてラッキーだったけれど、日中でも準備はできてたよ。僕の試合はむしろ日中の方がいいんだ。夜は球が遅いからね。
ジョコヴィッチは中休みが一日あったのだから、最悪の状態ではないと思うけど。」
ESPNの記事では、ラヴィ・ウバー記者がジョコヴィッチのリクエストの却下について、このように述べています。
http://sports.espn.go.com/sports/tennis/aus09/columns/story?columnist=ubha_ravi&id=3863194
「昨年はR16で朝の4時半まで行ったヒューイットと翌日当たって、その恩恵にあずかったのは、皮肉にも不平を言ったジョコヴィッチ当人だった。」
また同記事にモンフィスのコーチ、ラシードは、「もし僕が昨年のチャンピオンだったら、昼間のスケジュールにがっかりしただろうね。でもどの選手もスケジュールに関しては、一度は信じ難いことを経験するもんだよ。」と同情的なコメントを残しています。
2009年01月27日
「負けの弁解はしたくない」とマレー
べルダスコに残念ながらマレーは5セットの激戦のすえ負けてしまいました。べルダスコはフォアハンドの武器を生かしてマレーを攻め抜け、すばらしい試合展開をしました。
べルダスコ def マレー 6-2, 1-6, 6-1, 3-6, 4-6
しかしマレーの試合がどうも彼らしくなかったことから、記者が質問をしたことによって、マレーが病気からまだ完全に回復していないことが分かりました。後で調べてみると、3回戦でメルツァーと戦った後、マレーは頭痛と喉痛に病んでいたという記事を英国の新聞で読みました。
これでマレーの口元の吹き出物が原因がわかりました。
最初の2セットくらいまでは口元に吹き出物がなかったので、最初左に現れてきたとき、私はコートチェンジのときに食べたスポーツバーが口のまわりについたのかと思っていました。ところが最後の5セットになると、今度は口元の右側にも発疹がでてきました。あれは体が弱ってきたときにできるshinglesだったのですね。(後で解説者がそういっていました)
そういえばボディーラングエージにもしんどい感じが出ていました。最後の方は明らかに動きが鈍くなってましたし、ベストのコンディションでなかったのは明らかでした。
でも彼はそんなコンディションでも病気であることを認めようとはしませんでした。それは勝ったべルダスコへの配慮もあったと思います。ここでマレーはとてもよいことを言ってますので紹介したいと思います。
Q. You said you've been sick the last couple of days. Are you saying that had no impact whatsoever on today's performance?
Q:ここ2~3日病気だと言ってましたが、今日の試合に何の影響もなかったんですか?
ANDY MURRAY: No, I mean, if you're sick, there's some things you can't do as well as you might like. But you just have to deal with it. If you go on the court and play, then, you know, you do everything that you can with what you've got. ・・・・・if I say that I'm sick and it affected me, I know it's going to be like, Well, he's making excuses for losing. I don't feel that was the reason why I lost. I definitely did have my chances, and he played too well.
マレー:
「もし病気だとしたら、自分のやりたいようにうまくできないよね。でも(そのよくないコンディションに)対応していかなければならなんだ。コートに立てば、自分の持ってるものをすべて出し切らなくちゃならない。・・・・・でも僕が病気だと言えばそれは自分に返ってくるんだ。それは負けの言い訳になるからね。敗北の原因はそうじゃないと思う。自分にもチャンスはあったんだ。彼(べルダスコ)が上手すぎたんだ。」
私がスポーツが好きなのは、選手の戦い方や考え方に力づけられるからです。「失敗しても言い訳をしない」「コンディションが悪ければその中で最大の努力をする」当たり前のことのようで、なかなか実行できないでいます。言い訳をせず、痛みを超えて、戦い抜く不屈の選手たちをみていると、「私もがんばらなくっちゃ」とエネルギーをもらい受けるのです。
べルダスコ def マレー 6-2, 1-6, 6-1, 3-6, 4-6
しかしマレーの試合がどうも彼らしくなかったことから、記者が質問をしたことによって、マレーが病気からまだ完全に回復していないことが分かりました。後で調べてみると、3回戦でメルツァーと戦った後、マレーは頭痛と喉痛に病んでいたという記事を英国の新聞で読みました。
これでマレーの口元の吹き出物が原因がわかりました。
最初の2セットくらいまでは口元に吹き出物がなかったので、最初左に現れてきたとき、私はコートチェンジのときに食べたスポーツバーが口のまわりについたのかと思っていました。ところが最後の5セットになると、今度は口元の右側にも発疹がでてきました。あれは体が弱ってきたときにできるshinglesだったのですね。(後で解説者がそういっていました)
そういえばボディーラングエージにもしんどい感じが出ていました。最後の方は明らかに動きが鈍くなってましたし、ベストのコンディションでなかったのは明らかでした。
でも彼はそんなコンディションでも病気であることを認めようとはしませんでした。それは勝ったべルダスコへの配慮もあったと思います。ここでマレーはとてもよいことを言ってますので紹介したいと思います。
Q. You said you've been sick the last couple of days. Are you saying that had no impact whatsoever on today's performance?
Q:ここ2~3日病気だと言ってましたが、今日の試合に何の影響もなかったんですか?
ANDY MURRAY: No, I mean, if you're sick, there's some things you can't do as well as you might like. But you just have to deal with it. If you go on the court and play, then, you know, you do everything that you can with what you've got. ・・・・・if I say that I'm sick and it affected me, I know it's going to be like, Well, he's making excuses for losing. I don't feel that was the reason why I lost. I definitely did have my chances, and he played too well.
マレー:
「もし病気だとしたら、自分のやりたいようにうまくできないよね。でも(そのよくないコンディションに)対応していかなければならなんだ。コートに立てば、自分の持ってるものをすべて出し切らなくちゃならない。・・・・・でも僕が病気だと言えばそれは自分に返ってくるんだ。それは負けの言い訳になるからね。敗北の原因はそうじゃないと思う。自分にもチャンスはあったんだ。彼(べルダスコ)が上手すぎたんだ。」
私がスポーツが好きなのは、選手の戦い方や考え方に力づけられるからです。「失敗しても言い訳をしない」「コンディションが悪ければその中で最大の努力をする」当たり前のことのようで、なかなか実行できないでいます。言い訳をせず、痛みを超えて、戦い抜く不屈の選手たちをみていると、「私もがんばらなくっちゃ」とエネルギーをもらい受けるのです。
2009年01月26日
「ジョコヴィッチはルーザーだ」の記事の背景
オーストラリアン・オープンでセルビア人とボスニア人の起こした暴動事件は、世界中に報道されました。そのなかから約20紙にわたる記事をオンラインで調べ,記事の内容について調べてみました。
記事のほとんどが、事件の概略だけでなく、ボスニアのデリックとセルビアのジョコヴィッチのコメントを載せています。それは彼らの試合の直後に起こった事件で、この試合について罵り合いが高じて椅子をなげたり、殴り合ったりする暴力事件に発展したために、二人のコメントを載せたことは当然のことだと思います。
二人のコメントについては、前回の記事に詳しく書きましたのでご覧いただきたいと思います。私が一番危惧していたことがやっぱり起こりました。それはジョコヴィッチの発言です。メディアは彼の言ったことをそのまま掲載しました。
記事の内容は大半が、ジョコヴィッチはこの事件に関して「テニスに集中できなくなるから」という理由で、暴動を起こしたセルビアファンへのコメントを拒否した・・・となっています。
これはジョコヴィッチにとって大変マイナスなイメージを与えました。私が予想したように、彼の言葉が彼の意思とは関係なく一人歩きしてしまいました。
「テニスを応援してくれるのは嬉しいが、暴力行為は認められない」の一言がなぜなかったのか、と私はブログで書きました。もしあの場で言いそびれたのなら、彼の公式サイトでコメントを残す配慮があってもよかったのでは、とも書きました。
この事件を報道した代表的なメディアを紹介します。
ニューヨークタイムズ:『テニス・フーリガンズ?』
http://thelede.blogs.nytimes.com/2009/01/23/tennis-hooligans/
チャイナポスト:
http://www.chinapost.com.tw/sports/other/2009/01/25/193563/Security-heightened.htm
オーストラリアズ・ヘラルド・サン:
http://www.news.com.au/heraldsun/story/0,21985,24954790-661,00.html
最もジョコヴィッチに厳しい記事を掲載したのは、オーストラリアのメジャーな新聞、The Australianです。
Djokovic a Loser 『ジョコヴィッチはルーザーだ』という大変てきびしいタイトルの記事を掲載しています。
http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,25197,24955563-7583,00.html
このLoserの言葉は「ダメな奴」というニュアンスがあり、普段は新聞の見出しには見られない軽蔑の意味が含まれています。彼がこの事件についてコメントを控えたことについて、パトリック・スミス記者は以下のように書いています。
As a sportsman proudly representing his country and idolised by people linked in whatever tenuous ways to Serbia, Djokovic had a duty to speak out and show leadership to a small group intent on mayhem if given the slightest opportunity, never mind provocation. He failed.
「セルビアを代表するスポーツマンとして、またセルビアの国民のアイドルとしてジョコヴィッチは発言する義務があり、暴力を目的としたグループを諌めるリーダーシップをとる義務がある。たとえそれがどんな小さな機会であっても、それが彼らを怒らせるようなことがあっても、彼には行動をとる義務があった。しかしジョコヴィッチはそれをしなかった。」
Djokovic should have spoken out loudly and bravely, condemning the reckless, spiteful behaviour that is becoming so frequent that is in danger of smearing the Australian Open permanently. News and vision of the incident made international websites within minutes.
「ジョコヴィッチはオーストラリアン・オープンの名を汚すような、あまりにもたびたび繰り返されるこのような無謀で悪意に満ちた行動を、勇気をもって大声で非難するべきだった。この暴動事件のニュースや映像は世界中にウェブサイトを通して数分で伝わってしまった。」
ここで理解しなくてはならないのは、このような厳しい記事が書かれる社会的背景と暴力事件を起こした若者達の実態です。彼らのほとんどがオーストリアへ移住した三世のジェネレーションだと聞きます。バルカン戦争の経験していないオーストラリア生まれの彼らは、Hooligan(ごろつき)の集団として、サッカーの観戦にやってきては暴力事件を起こすことでも知られ、オーストラリアでは社会問題になっているのです。あまりにも暴力事件が重なり治安のために、サッカーリーグをエスニックにかたまらないよう解体して再編成をしたとききます。喧嘩を求めてスポーツイヴェントにくる彼らの行動は、政治活動ではなく、社会の治安を乱すアンチ社会行動であることから、彼らを批判しなかったジョコヴィッチが厳しく非難されたのです。
ヨーロッパでもセルビア人の過激なフーリガンは有名です。良識のあるセルビア人たちのためにも、彼らの行為は非難されるべきです。それが影響力の大きいジョコヴィッチがしなかったことに記者は失望したのだと思います。
民族の対立を装った卑劣な行動は断じて許されるべきではなく、その意味でも、クロチア人のリュビチッチの発言は評価されてよいと思います。また、同じセルビア人のイヴァノヴィッチも「暴力はゆるされない」というコメントを発表したそうです。このように国を代表する選手たちが声を大にして訴えていくことが、平和への大きな貢献につながり、とても大切なことではないかと思うのです。
記事のほとんどが、事件の概略だけでなく、ボスニアのデリックとセルビアのジョコヴィッチのコメントを載せています。それは彼らの試合の直後に起こった事件で、この試合について罵り合いが高じて椅子をなげたり、殴り合ったりする暴力事件に発展したために、二人のコメントを載せたことは当然のことだと思います。
二人のコメントについては、前回の記事に詳しく書きましたのでご覧いただきたいと思います。私が一番危惧していたことがやっぱり起こりました。それはジョコヴィッチの発言です。メディアは彼の言ったことをそのまま掲載しました。
記事の内容は大半が、ジョコヴィッチはこの事件に関して「テニスに集中できなくなるから」という理由で、暴動を起こしたセルビアファンへのコメントを拒否した・・・となっています。
これはジョコヴィッチにとって大変マイナスなイメージを与えました。私が予想したように、彼の言葉が彼の意思とは関係なく一人歩きしてしまいました。
「テニスを応援してくれるのは嬉しいが、暴力行為は認められない」の一言がなぜなかったのか、と私はブログで書きました。もしあの場で言いそびれたのなら、彼の公式サイトでコメントを残す配慮があってもよかったのでは、とも書きました。
この事件を報道した代表的なメディアを紹介します。
ニューヨークタイムズ:『テニス・フーリガンズ?』
http://thelede.blogs.nytimes.com/2009/01/23/tennis-hooligans/
チャイナポスト:
http://www.chinapost.com.tw/sports/other/2009/01/25/193563/Security-heightened.htm
オーストラリアズ・ヘラルド・サン:
http://www.news.com.au/heraldsun/story/0,21985,24954790-661,00.html
最もジョコヴィッチに厳しい記事を掲載したのは、オーストラリアのメジャーな新聞、The Australianです。
Djokovic a Loser 『ジョコヴィッチはルーザーだ』という大変てきびしいタイトルの記事を掲載しています。
http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,25197,24955563-7583,00.html
このLoserの言葉は「ダメな奴」というニュアンスがあり、普段は新聞の見出しには見られない軽蔑の意味が含まれています。彼がこの事件についてコメントを控えたことについて、パトリック・スミス記者は以下のように書いています。
As a sportsman proudly representing his country and idolised by people linked in whatever tenuous ways to Serbia, Djokovic had a duty to speak out and show leadership to a small group intent on mayhem if given the slightest opportunity, never mind provocation. He failed.
「セルビアを代表するスポーツマンとして、またセルビアの国民のアイドルとしてジョコヴィッチは発言する義務があり、暴力を目的としたグループを諌めるリーダーシップをとる義務がある。たとえそれがどんな小さな機会であっても、それが彼らを怒らせるようなことがあっても、彼には行動をとる義務があった。しかしジョコヴィッチはそれをしなかった。」
Djokovic should have spoken out loudly and bravely, condemning the reckless, spiteful behaviour that is becoming so frequent that is in danger of smearing the Australian Open permanently. News and vision of the incident made international websites within minutes.
「ジョコヴィッチはオーストラリアン・オープンの名を汚すような、あまりにもたびたび繰り返されるこのような無謀で悪意に満ちた行動を、勇気をもって大声で非難するべきだった。この暴動事件のニュースや映像は世界中にウェブサイトを通して数分で伝わってしまった。」
ここで理解しなくてはならないのは、このような厳しい記事が書かれる社会的背景と暴力事件を起こした若者達の実態です。彼らのほとんどがオーストリアへ移住した三世のジェネレーションだと聞きます。バルカン戦争の経験していないオーストラリア生まれの彼らは、Hooligan(ごろつき)の集団として、サッカーの観戦にやってきては暴力事件を起こすことでも知られ、オーストラリアでは社会問題になっているのです。あまりにも暴力事件が重なり治安のために、サッカーリーグをエスニックにかたまらないよう解体して再編成をしたとききます。喧嘩を求めてスポーツイヴェントにくる彼らの行動は、政治活動ではなく、社会の治安を乱すアンチ社会行動であることから、彼らを批判しなかったジョコヴィッチが厳しく非難されたのです。
ヨーロッパでもセルビア人の過激なフーリガンは有名です。良識のあるセルビア人たちのためにも、彼らの行為は非難されるべきです。それが影響力の大きいジョコヴィッチがしなかったことに記者は失望したのだと思います。
民族の対立を装った卑劣な行動は断じて許されるべきではなく、その意味でも、クロチア人のリュビチッチの発言は評価されてよいと思います。また、同じセルビア人のイヴァノヴィッチも「暴力はゆるされない」というコメントを発表したそうです。このように国を代表する選手たちが声を大にして訴えていくことが、平和への大きな貢献につながり、とても大切なことではないかと思うのです。
2009年01月26日
成功恐怖症?
オーストラリアン・オープン Day 6
フェデラー def バーディッチ 4-6, 6-7, 6-4, 6-4, 6-2
フェデラーが5セットまで戦わなければならなかったこのR16のバーディッチ戦は、全く違った2試合の展開をみせ、その意味ではとても興味深い試合となりました。
(日本ではベルディフと呼ばれていますが、海外では一般にバーディッチと呼ばれていますので、この呼び方を採用しています。同じチェコ人のマティナ・ナルヴァティロヴァは彼のことをバーディックと呼んでいます。)
前半はバーディッチの完璧ともいえる攻撃のテニスで、技術的にはバーディッチがフェデラーを上回るテニスでした。後半はフェデラーがメンタルで上回り、結局メンタルの強いフェデラーが5セット目を勝ち取りR16はフェデラーの勝利に終わりました。
このゲームをメンタルゲームへと変化させたのは、第3セットの7ゲーム目(33)バーディッチのサーヴィスゲームです。ブレークポイントをサーヴィスエースで免れたバーディッチは、武器のフォアハンドと豪快なサーヴをフルに駆使してフェデラーからポイントを奪っていきます。しかしバーディッチは取り返しのつかないミスを犯してしまったのです。フワッと上がってきた球をスマッシュしようとして、ネットしてしまいました。こんな簡単なスマッシュを!しかもこの大切なポイントで!バーディッチは信じられない顔をしました。
この瞬間が、ゲーム展開を技からメンタルに流れを変えてしまいました。ここで興味深いのは、二人の抱いた本能的な直感です。フェデラーは「5セットに持ち込まれても勝つ自信があった」と、揺るぎない勝つという信念と自信によって、リズムを取り返していきます。
反面、過去に勝っていながら、最後に勝利を逃がしてしまった多くの苦い経験をもつバーディッチには、「やっぱり」という気持が湧いてきたのではないでしょうか。今まであれほど鋭いショットを見せていたバーディッチに冴えがなくなってきました。「やっぱり僕は勝てない」「今まで有利だったのは運がよかったからだ。」と自分が信じられないバーディッチが顔を覗き出してきたような印象を受けます。
2004年にフェデラーを倒して、センセーションナルに突然出現した、あの透き通るグリーンの目をしたチェコの18才の青年に、世界が魅せられました。彼のフラット気味のフォアハンドは、爆発的な威力でもってコーナーを突抜け、長身から叩き付けられるサーヴは、フェデラーもリターンができないほどの威力を持ちます。この才能に溢れるバーディッチがまだトップ5にも入れず20番台をウロウロしているのは、ガスケと並んでテニスの七不思議にあげれれるほど理解に苦しむ現象なのです。
今回の試合を再度観て感じたのは、有利に試合を展開させても、最後に負けてしまうのは、単なるメンタルで片付けられない問題があるのではないかという点です。ひょっとしたら彼の問題は緊張して固くなるだけでなく、もっと奥深いものがあるのではないかと思うのです。
(これから私の独断的で大胆な分析にはいります)
この繰り返されるバーディッチのメンタルの問題は、「成功恐怖症」Success Syndrome に似ています。この成功恐怖症は特に才能のある人によく見られる症状で、「自分の成功はまぐれだった」という自分への過小評価と不信感からきています。そして成功するのが恐くなってしまい(テニスでは優勝)、途中で投げ出してしまうのです。
なぜこのような印象を受けたかというと、第5セットの8ゲーム(2-5)でフッと見せたバーディッチの笑顔が、実に不釣り合いに見えたからでした。せっかくデュースにもっていったのですから、ここから取り返すぜという顔ではなく、何となくホッとした表情を見せたのです。「僕はフェデラーには勝てないことは分かってるんだ。自分に過大な期待をかけないでよかった。」といったプレッシャーから逃れた安堵感だったような気がするのです。
勝てる試合を何度も落としてきたバーディッチには、勝てる自分を信じていないように思えます。優勢だった状況から、一挙に崩れだしたバーディッチをみていると、成功恐怖症(テニスでは勝利を恐れる)から抜け出せない彼を垣間みたような気がするのです。スポーツサイコロジーで読んだことがありますが、かなり多くの選手にみられる現象だということでした。
強いメンタルで知られるフェデラーは、「2セットダウンからでも自分は勝てると信じていた」と記者会見で言っています。どんな窮地に陥っても、最後には勝てるという自分に対する信念と自信は、13タイトルを勝ち得たチャンピオンでしか持ち得ないアセットかもしれません。
果たしてこのアセットでもって、フェデラーは次の試合をメンタルゲームに持ち込み、ゲームを有利に展開できるでしょうか?
対戦相手はバーディッチと違い、ショットにミスの少ないデルポトロです。ディフェンスがうまく、一発勝負をやらないデルポトロだけに、フェデラーのエラーは大禁物です。
アガシが言っていた「エラーを15以下に押さえたら僕はどんな試合でも勝てる」まさにこの言葉が今後のフェデラーの課題ではないかと思います。
QFのデルポトロ戦を注目したいと思います。
フェデラー def バーディッチ 4-6, 6-7, 6-4, 6-4, 6-2
フェデラーが5セットまで戦わなければならなかったこのR16のバーディッチ戦は、全く違った2試合の展開をみせ、その意味ではとても興味深い試合となりました。
(日本ではベルディフと呼ばれていますが、海外では一般にバーディッチと呼ばれていますので、この呼び方を採用しています。同じチェコ人のマティナ・ナルヴァティロヴァは彼のことをバーディックと呼んでいます。)
前半はバーディッチの完璧ともいえる攻撃のテニスで、技術的にはバーディッチがフェデラーを上回るテニスでした。後半はフェデラーがメンタルで上回り、結局メンタルの強いフェデラーが5セット目を勝ち取りR16はフェデラーの勝利に終わりました。
このゲームをメンタルゲームへと変化させたのは、第3セットの7ゲーム目(33)バーディッチのサーヴィスゲームです。ブレークポイントをサーヴィスエースで免れたバーディッチは、武器のフォアハンドと豪快なサーヴをフルに駆使してフェデラーからポイントを奪っていきます。しかしバーディッチは取り返しのつかないミスを犯してしまったのです。フワッと上がってきた球をスマッシュしようとして、ネットしてしまいました。こんな簡単なスマッシュを!しかもこの大切なポイントで!バーディッチは信じられない顔をしました。
この瞬間が、ゲーム展開を技からメンタルに流れを変えてしまいました。ここで興味深いのは、二人の抱いた本能的な直感です。フェデラーは「5セットに持ち込まれても勝つ自信があった」と、揺るぎない勝つという信念と自信によって、リズムを取り返していきます。
反面、過去に勝っていながら、最後に勝利を逃がしてしまった多くの苦い経験をもつバーディッチには、「やっぱり」という気持が湧いてきたのではないでしょうか。今まであれほど鋭いショットを見せていたバーディッチに冴えがなくなってきました。「やっぱり僕は勝てない」「今まで有利だったのは運がよかったからだ。」と自分が信じられないバーディッチが顔を覗き出してきたような印象を受けます。
2004年にフェデラーを倒して、センセーションナルに突然出現した、あの透き通るグリーンの目をしたチェコの18才の青年に、世界が魅せられました。彼のフラット気味のフォアハンドは、爆発的な威力でもってコーナーを突抜け、長身から叩き付けられるサーヴは、フェデラーもリターンができないほどの威力を持ちます。この才能に溢れるバーディッチがまだトップ5にも入れず20番台をウロウロしているのは、ガスケと並んでテニスの七不思議にあげれれるほど理解に苦しむ現象なのです。
今回の試合を再度観て感じたのは、有利に試合を展開させても、最後に負けてしまうのは、単なるメンタルで片付けられない問題があるのではないかという点です。ひょっとしたら彼の問題は緊張して固くなるだけでなく、もっと奥深いものがあるのではないかと思うのです。
(これから私の独断的で大胆な分析にはいります)
この繰り返されるバーディッチのメンタルの問題は、「成功恐怖症」Success Syndrome に似ています。この成功恐怖症は特に才能のある人によく見られる症状で、「自分の成功はまぐれだった」という自分への過小評価と不信感からきています。そして成功するのが恐くなってしまい(テニスでは優勝)、途中で投げ出してしまうのです。
なぜこのような印象を受けたかというと、第5セットの8ゲーム(2-5)でフッと見せたバーディッチの笑顔が、実に不釣り合いに見えたからでした。せっかくデュースにもっていったのですから、ここから取り返すぜという顔ではなく、何となくホッとした表情を見せたのです。「僕はフェデラーには勝てないことは分かってるんだ。自分に過大な期待をかけないでよかった。」といったプレッシャーから逃れた安堵感だったような気がするのです。
勝てる試合を何度も落としてきたバーディッチには、勝てる自分を信じていないように思えます。優勢だった状況から、一挙に崩れだしたバーディッチをみていると、成功恐怖症(テニスでは勝利を恐れる)から抜け出せない彼を垣間みたような気がするのです。スポーツサイコロジーで読んだことがありますが、かなり多くの選手にみられる現象だということでした。
強いメンタルで知られるフェデラーは、「2セットダウンからでも自分は勝てると信じていた」と記者会見で言っています。どんな窮地に陥っても、最後には勝てるという自分に対する信念と自信は、13タイトルを勝ち得たチャンピオンでしか持ち得ないアセットかもしれません。
果たしてこのアセットでもって、フェデラーは次の試合をメンタルゲームに持ち込み、ゲームを有利に展開できるでしょうか?
対戦相手はバーディッチと違い、ショットにミスの少ないデルポトロです。ディフェンスがうまく、一発勝負をやらないデルポトロだけに、フェデラーのエラーは大禁物です。
アガシが言っていた「エラーを15以下に押さえたら僕はどんな試合でも勝てる」まさにこの言葉が今後のフェデラーの課題ではないかと思います。
QFのデルポトロ戦を注目したいと思います。
2009年01月24日
民族対立の暴力事件に思う
今日はテニスの歴史に汚点が残る残念な事件が起きてしまいました。
約30人のセルビア人とボスニア人の小競り合いが、椅子を投げ合う暴力事件に発展し、女性が投げられた椅子にあたって怪我をするなど被害がでました.
2年前は、約150人のセルビア人とクロチア人が衝突(赤と白のシャツがクロチア)して暴力事件に発展、会場から強制退場となりました。
セルビア、クロチア、ボスニアが内紛や戦争の長い歴史を引きずっているとはいえ、スポーツの領域に政治を持ち込むことは許されないことです。政治といえば聞こえがよいですが、彼らはフラストレーションのはけ口として、スポーツを利用しているだけで、これらの暴力事件は紳士淑女の最後のスポーツであるテニスのトーナメントで行われたことは遺憾にたえません。
ヨーロッパでよくサッカーを観にいきますが、私のとなりに座っていたスイスの将校が突然ピストルを出して、空に向けて射ち放ったときは、もうひっくりかえるほどびっくりしてしまいました。あのスイスでの出来事です。ヨーロッパのサッカーファンは喧嘩を求めていく問題のグループがいろいろあり、彼らのエントリーをチェックするために、昨年のヨーロピアンカップは、入場者はすべてパスポートが必要になりました。
ナショナリズムの発露として、スポーツが汚されるのは大きな問題です。イスラエルがパレスチナに爆弾を落とし多くの死傷者を出した最近の事件直後でも、私の友人のユダヤ人とパレスチナ人たちはテニスを共にしています。
ニューヨークの住民は、世界のあらゆる人種がスペースをシェアしながら生活をしていますので、racial tolerance (人種に寛容)がなければ生活していけません。ですから愛国心とナショナリズムと区別することをわきまえています。それでないと、あらゆる街角で争いや暴力事件が発生してしまいますから。
セルビアとボスニアの椅子投げ事件は、ジョコヴィッチ(セルビア)とデリック(ボスニア生まれのアメリカ人)の試合の直後に発生しました。この事件に関して、二人に対照的な発言がありましたので、興味深いのでここで簡単に概要を紹介したいと思います。
デリックの言葉
デリックは5才のときにボスニアからアメリカに移住していますので、純粋のボスニア人とは言えませんが、ボスニア人の応援が過激になることを予想して、彼のウェブサイトですでに警告してきました。
Q:この事件についてどう思いますか?
「2~3日前にも僕のサイトで、喧嘩は絶対認めないことを書いたので、このような事件が発生して本当に残念だ。悲しいことだ。僕はノヴァク(ジョコヴィッチ)に負けたけれど、僕たちは友達で友好な関係には変わりないんだ。」
「コート内では応援は盛んで、フェアなマッチで観客は楽しんでいたんだ。誰が始めたことか知らないけれど、両サイド(セルビアとボスニア)の中に、問題を起こそうとしてやってきた者がいるのは確かで、このような事件が世界の至る所で起こっている。そして残念ながら今日この大会で起こってしまったのは実に悲しいことだ。」
ジョコヴィッチの発言
Q:このトラブルについてどう思いますか?
「選手である僕たちにとってコントロールできないことなんだ。彼らは自分たちの国の選手を観る機会が少ないので、熱狂的な応援になってしまんだ。」
Q:このような暴力事件が発生したことについて、関わったファンに何か言う事はありませんか?
「前に言ったように僕にはどうしようもないことなんだ。僕はコートで試合をしているんだから、この試合に勝たなくてはならない。警備員や関係者がいるんだから。」
Q:デリックは彼のサイトで態度を慎むよう呼びかけていますが、同じように何かすることを考えていますか?
「僕はコートに立ってベストのテニスをするためにここにいるんだ。他のことでエネルギーを費やすとフォーカスが薄れてしまう。だからこの問題は考えないようにしている。」
「もうこの問題は十分に話したよ。他の話題にしてくれないかな。」
tennisnakamaからジョコヴィッチに一言
ここでジョコファンの非難を覚悟で私の意見を述べさせていただきます。
ジョコヴィッチはセルビアのヒーローです。国民のアイドルであり、セルビアの子供たちは、彼のようになりたいと願っています。ここにデリックとの根本的な違いがあります。ジョコヴィッチの一挙一動を国民が見守っているのです。
ジョコにはセルビアを背負って立つ重い責任があります。べルグラードにトーナメントを開き、壮大なスポーツセンターの建設の計画中です。彼の発言は多くのセルビア人、特にヤングジェネレーションに影響を与えます。彼が政治には関わりたくないという気持ちは分かります。しかしこのような紛争、暴力事件が起こってしまった現在、彼はこのような行為については、絶対みとめないという確固たる姿勢が必要だと思います。
「僕はスポーツマンなんだから、テニスのことを心配していればよい。」というわけにはいかないのです。
タイガーウッドが以前、「僕はあらゆる政治活動には関わりをもちたくない」と同じようなことを言っていました。そしてどんな政治的な集まりにも姿を見せなかった彼が、オバマの大統領就任式には、スピーチをしています。タイガーはオバマのように黒人との混血です。同じ境遇にある人間として、ある時点で「政治には関わらない」モットーを破りました。スポーツ選手だけでない人間としての責任に目覚めたのです。このことによって、タイガーは偉大なゴルファーだけでなく、偉大な人間に成長したと思います。
ジョコにはテニスさえしてればよいという次元は過去のものになりました。彼はテニス選手だけではないのです。セルビアの国民のヒーローとして、世界の平和の大使としてのミッションがあります。もし彼がそのことを自覚すれば、セルビアの選手から、世界の選手に飛翔することができると思うのですが。
(訂正)
セルビア人とクロチア人との暴力事件は、2007年の事件でした。お詫びいたします。訂正記事を掲載させていただきました。
約30人のセルビア人とボスニア人の小競り合いが、椅子を投げ合う暴力事件に発展し、女性が投げられた椅子にあたって怪我をするなど被害がでました.
2年前は、約150人のセルビア人とクロチア人が衝突(赤と白のシャツがクロチア)して暴力事件に発展、会場から強制退場となりました。
セルビア、クロチア、ボスニアが内紛や戦争の長い歴史を引きずっているとはいえ、スポーツの領域に政治を持ち込むことは許されないことです。政治といえば聞こえがよいですが、彼らはフラストレーションのはけ口として、スポーツを利用しているだけで、これらの暴力事件は紳士淑女の最後のスポーツであるテニスのトーナメントで行われたことは遺憾にたえません。
ヨーロッパでよくサッカーを観にいきますが、私のとなりに座っていたスイスの将校が突然ピストルを出して、空に向けて射ち放ったときは、もうひっくりかえるほどびっくりしてしまいました。あのスイスでの出来事です。ヨーロッパのサッカーファンは喧嘩を求めていく問題のグループがいろいろあり、彼らのエントリーをチェックするために、昨年のヨーロピアンカップは、入場者はすべてパスポートが必要になりました。
ナショナリズムの発露として、スポーツが汚されるのは大きな問題です。イスラエルがパレスチナに爆弾を落とし多くの死傷者を出した最近の事件直後でも、私の友人のユダヤ人とパレスチナ人たちはテニスを共にしています。
ニューヨークの住民は、世界のあらゆる人種がスペースをシェアしながら生活をしていますので、racial tolerance (人種に寛容)がなければ生活していけません。ですから愛国心とナショナリズムと区別することをわきまえています。それでないと、あらゆる街角で争いや暴力事件が発生してしまいますから。
セルビアとボスニアの椅子投げ事件は、ジョコヴィッチ(セルビア)とデリック(ボスニア生まれのアメリカ人)の試合の直後に発生しました。この事件に関して、二人に対照的な発言がありましたので、興味深いのでここで簡単に概要を紹介したいと思います。
デリックの言葉
デリックは5才のときにボスニアからアメリカに移住していますので、純粋のボスニア人とは言えませんが、ボスニア人の応援が過激になることを予想して、彼のウェブサイトですでに警告してきました。
Q:この事件についてどう思いますか?
「2~3日前にも僕のサイトで、喧嘩は絶対認めないことを書いたので、このような事件が発生して本当に残念だ。悲しいことだ。僕はノヴァク(ジョコヴィッチ)に負けたけれど、僕たちは友達で友好な関係には変わりないんだ。」
「コート内では応援は盛んで、フェアなマッチで観客は楽しんでいたんだ。誰が始めたことか知らないけれど、両サイド(セルビアとボスニア)の中に、問題を起こそうとしてやってきた者がいるのは確かで、このような事件が世界の至る所で起こっている。そして残念ながら今日この大会で起こってしまったのは実に悲しいことだ。」
ジョコヴィッチの発言
Q:このトラブルについてどう思いますか?
「選手である僕たちにとってコントロールできないことなんだ。彼らは自分たちの国の選手を観る機会が少ないので、熱狂的な応援になってしまんだ。」
Q:このような暴力事件が発生したことについて、関わったファンに何か言う事はありませんか?
「前に言ったように僕にはどうしようもないことなんだ。僕はコートで試合をしているんだから、この試合に勝たなくてはならない。警備員や関係者がいるんだから。」
Q:デリックは彼のサイトで態度を慎むよう呼びかけていますが、同じように何かすることを考えていますか?
「僕はコートに立ってベストのテニスをするためにここにいるんだ。他のことでエネルギーを費やすとフォーカスが薄れてしまう。だからこの問題は考えないようにしている。」
「もうこの問題は十分に話したよ。他の話題にしてくれないかな。」
tennisnakamaからジョコヴィッチに一言
ここでジョコファンの非難を覚悟で私の意見を述べさせていただきます。
ジョコヴィッチはセルビアのヒーローです。国民のアイドルであり、セルビアの子供たちは、彼のようになりたいと願っています。ここにデリックとの根本的な違いがあります。ジョコヴィッチの一挙一動を国民が見守っているのです。
ジョコにはセルビアを背負って立つ重い責任があります。べルグラードにトーナメントを開き、壮大なスポーツセンターの建設の計画中です。彼の発言は多くのセルビア人、特にヤングジェネレーションに影響を与えます。彼が政治には関わりたくないという気持ちは分かります。しかしこのような紛争、暴力事件が起こってしまった現在、彼はこのような行為については、絶対みとめないという確固たる姿勢が必要だと思います。
「僕はスポーツマンなんだから、テニスのことを心配していればよい。」というわけにはいかないのです。
タイガーウッドが以前、「僕はあらゆる政治活動には関わりをもちたくない」と同じようなことを言っていました。そしてどんな政治的な集まりにも姿を見せなかった彼が、オバマの大統領就任式には、スピーチをしています。タイガーはオバマのように黒人との混血です。同じ境遇にある人間として、ある時点で「政治には関わらない」モットーを破りました。スポーツ選手だけでない人間としての責任に目覚めたのです。このことによって、タイガーは偉大なゴルファーだけでなく、偉大な人間に成長したと思います。
ジョコにはテニスさえしてればよいという次元は過去のものになりました。彼はテニス選手だけではないのです。セルビアの国民のヒーローとして、世界の平和の大使としてのミッションがあります。もし彼がそのことを自覚すれば、セルビアの選手から、世界の選手に飛翔することができると思うのですが。
(訂正)
セルビア人とクロチア人との暴力事件は、2007年の事件でした。お詫びいたします。訂正記事を掲載させていただきました。
2009年01月23日
マレーは脳トレーニング中
オーストラリアン・オープン 2回戦
マレー def グラノエール 6-4, 6-2, 6-2
「もしエラーが15以下だったら僕はその試合に勝てる。」とアガシがいってるように、試合を決定するのはウィナーの数ではなくてエラー(unforced errors)の数だ。アガシのコーチだったギルバートはこう述べています。
マレーが強くなってきたのは、メンタルの面で感情の起伏を押さえられるようになったことで、そのための起きていたエラーがすくなくなったことだと思います。しかし今日のマレーは第1セットでブレークされたり、すこしもたつきがあって、エラーも37と多かったのですが、しかしポイントをとるところはしっかり押さえ、ストレートでグラノエールを破ったところはさすがでした。
そのマレーの記者会見で、彼が脳トレをやっていることがわかりました。
スパイスガールやベッカムのマネージメントをし、アメリカンアイドルのクリエーターとして世界的に有名なサイモン・フラーからマレーはプレゼントを受けました。フラーの経営するエージェント, 19 Entertainmentに新しく所属することになったマレーにプレゼントしたのが、任天堂のDS、脳トレのゲームだったそうで、これで試合に集中できるように頭のトレーニングをやれということなんでしょうか。
マレーはこのゲームを毎日友達とやっているそうで、記者会見での質問に以下のように答えています。
Q:頭のトレーニングの成果はあがっているの?
「残念だけど、一夜で頭が悪くなってしまったよ。」
Q:夜通しでやってるの?
「毎日一回、頭脳の年齢をチェックすることになっているんだけど、初めてやったときは38才か36才だった。でも今日は44才になってしまって、ホントよくないよね。」
Q:年をとっていく気分はどう?
「まずいよね。コートにそれが出ないことを祈ってるよ。」
なかなか冗談のうまいマレーです。でも正直に頭脳の年齢をいうなんてかわいいですね。
マレー def グラノエール 6-4, 6-2, 6-2
「もしエラーが15以下だったら僕はその試合に勝てる。」とアガシがいってるように、試合を決定するのはウィナーの数ではなくてエラー(unforced errors)の数だ。アガシのコーチだったギルバートはこう述べています。
マレーが強くなってきたのは、メンタルの面で感情の起伏を押さえられるようになったことで、そのための起きていたエラーがすくなくなったことだと思います。しかし今日のマレーは第1セットでブレークされたり、すこしもたつきがあって、エラーも37と多かったのですが、しかしポイントをとるところはしっかり押さえ、ストレートでグラノエールを破ったところはさすがでした。
そのマレーの記者会見で、彼が脳トレをやっていることがわかりました。
スパイスガールやベッカムのマネージメントをし、アメリカンアイドルのクリエーターとして世界的に有名なサイモン・フラーからマレーはプレゼントを受けました。フラーの経営するエージェント, 19 Entertainmentに新しく所属することになったマレーにプレゼントしたのが、任天堂のDS、脳トレのゲームだったそうで、これで試合に集中できるように頭のトレーニングをやれということなんでしょうか。
マレーはこのゲームを毎日友達とやっているそうで、記者会見での質問に以下のように答えています。
Q:頭のトレーニングの成果はあがっているの?
「残念だけど、一夜で頭が悪くなってしまったよ。」
Q:夜通しでやってるの?
「毎日一回、頭脳の年齢をチェックすることになっているんだけど、初めてやったときは38才か36才だった。でも今日は44才になってしまって、ホントよくないよね。」
Q:年をとっていく気分はどう?
「まずいよね。コートにそれが出ないことを祈ってるよ。」
なかなか冗談のうまいマレーです。でも正直に頭脳の年齢をいうなんてかわいいですね。
2009年01月22日
ナダルのニューファッション
ナダル vs カラヌシッチ 6-2, 6-3, 6-2
今日のナダルはブルーと白のコンビ。胸にピンクのラインが入ってかわいいです。chartreuse シャトルーズ。オリーヴ色といいましょうか。イエローグリーンのヘッドバンドとリストバンド、それにシューズもおそろいでおしゃれです。(前回は白と黒のシャツにブルーのライン。ヘッドバンドは同じ。)
1回戦の写真
2回戦の写真
私は実はこのシャトルーズの色が流行る前から凝っていて、服、バッグ、手袋、財布、スカーフ、靴と全部そろえてあります。一度森の中で写真を撮ったとき、息子は大笑いをしていました。まるでカメレオンのごとく私が森に消えてしまったのでした。(これ全く関係のない話ですみません)
さてナダルの進化がみられるのは、サーヴとフォアハンドです。フォアハンドは今まではほとんどバキーウィップだったのが、ウィナーを狙う時間があるときは、ワイパーへと変化をつけてきています。これでスピードとペースが増え、ほぼリターン不可能になりました。
サーヴですが、すべての面(パワー、スピン、プレースメント)で向上してきています。打った瞬間のリストの使い方も効果的でエースの数も増えてきました。サーヴがよくなった分ハードコートでのプレイがブレークされ難くなり、確実に勝てる試合ができるようになってきています。
ただ、まだまだベースラインにいる方が心地よいようで、浮いた球もネットダッシュしてヴォレーで決めていないのが気になります。トップ選手との試合では、ベースラインのラリーでは勝てません。ネットダッシュが今後の勝敗を決めるカギになると思います。
記者会見
Q:フォアハンドがずっとフラットになってきましたね。これは意識してフォーカスしてやってることですか?
ナダル「そんなこと知らないよ(爆笑)初めて聞いたよ。」
ラファはなかなかとぼけるのがうまいですね。こうやって質問をはぐらかすなんて、なかなか鋭い政治家の面もそなえています。ラファに座布団3枚!
今日のナダルはブルーと白のコンビ。胸にピンクのラインが入ってかわいいです。chartreuse シャトルーズ。オリーヴ色といいましょうか。イエローグリーンのヘッドバンドとリストバンド、それにシューズもおそろいでおしゃれです。(前回は白と黒のシャツにブルーのライン。ヘッドバンドは同じ。)
1回戦の写真
2回戦の写真
私は実はこのシャトルーズの色が流行る前から凝っていて、服、バッグ、手袋、財布、スカーフ、靴と全部そろえてあります。一度森の中で写真を撮ったとき、息子は大笑いをしていました。まるでカメレオンのごとく私が森に消えてしまったのでした。(これ全く関係のない話ですみません)
さてナダルの進化がみられるのは、サーヴとフォアハンドです。フォアハンドは今まではほとんどバキーウィップだったのが、ウィナーを狙う時間があるときは、ワイパーへと変化をつけてきています。これでスピードとペースが増え、ほぼリターン不可能になりました。
サーヴですが、すべての面(パワー、スピン、プレースメント)で向上してきています。打った瞬間のリストの使い方も効果的でエースの数も増えてきました。サーヴがよくなった分ハードコートでのプレイがブレークされ難くなり、確実に勝てる試合ができるようになってきています。
ただ、まだまだベースラインにいる方が心地よいようで、浮いた球もネットダッシュしてヴォレーで決めていないのが気になります。トップ選手との試合では、ベースラインのラリーでは勝てません。ネットダッシュが今後の勝敗を決めるカギになると思います。
記者会見
Q:フォアハンドがずっとフラットになってきましたね。これは意識してフォーカスしてやってることですか?
ナダル「そんなこと知らないよ(爆笑)初めて聞いたよ。」
ラファはなかなかとぼけるのがうまいですね。こうやって質問をはぐらかすなんて、なかなか鋭い政治家の面もそなえています。ラファに座布団3枚!
2009年01月22日
やっぱりシモンは強かった
オーストラリアン・オープン 2回戦
シモン def グチオーネ 6-7(5), 6-4, 6-1, 6-2
シモンの対戦相手はオーストラリア版カーロヴィッチとでもいいましょうか。彼の名はグチオーネ。身長は2mのビッグサーヴァーです。しかも左ききときています。数少ないサーヴ&ヴォレーのプレーヤーの一人で、ランキングは132位ですが、今日の試合はベスト30くらいに入るほどすばらしいテニスをしていました。彼のランキングの低さに驚いたのですが、本人もいっているように、いつもこのようなプレイができるとは限らないということで、トップ10のシモンから第1セットを奪ったグチオーネは、彼の故郷メルボルンで最高の日となったようです。
第1セットは二人のサーヴがよくてお互いブレークできずに、55シモンのサーヴとなりました。シモンは昔のディフェンステニスで相手の出方を伺っているうちにグチオーネにウィナーをねらわれポイントをうしなうパターンです。そしてタイブレークとなり、57でグチオーネが勝利です。実力の5割しか出してないシモンの消極テニスが気になります。 明らかにグチオーネのネットダッシュに戸惑いがちで、リターンがうまく決まりません。
第2セットに入っても、グチオーネのサーヴが崩れずブレークチャンスがやってきません。しかし辛抱強く待って、5-4の10ゲーム目で2ndサーヴのリターンウィナーをとってやっとブレークをして第2セットをとりました。まだシモンはグチオーネのサーヴ&ヴォレーに手こずっています。
第3セット
シモンはグチオーネのサーヴを破って20 すばらしいリターンです。慎重に、しかし攻めるチャンスを逃さず、ショットが安定しているので、安心してみていられます。ショットの組み立てでオープンスペースを徐々に作り上げていく作業は、チェスの楽しさがあります。一球一球に無駄なショットがありません。
第4セット
ますます調子が上がってきたシモンは第1ゲームからブレーク。バックハンドのダウンザラインで最後はウィナーを決めて快勝でした。
シモンのすばらしいフォアハンドのパッシングショットの勝利でした。どんなに振られてもそこからウィナーが打てるフォアハンドクロスはダイナミックでスリルに溢れるテニスでした。そしてシモンの強みはサーヴでエースがとれること。エースの数は14でグチオーネの12を上回りました。
「今日の試合はむずかしいことは予期していたよ。僕にとってはベースラインから打ってくる選手のほうがやりやすいから。会場全体が彼を応援しているからとてもフォーカスするのがむずかしかった。サーヴで0-30になると、もうこのゲームは取られてしまうかもしれない、それだけでなくセットも失うかもしれないと思ったりするからね。今日は勝てて本当に嬉しいよ。」
シモンに一言。
今日の自分のあのイヤーな気持ち(ネットダッシュされたとき)を忘れず、今度は自分もネットダッシュしてみればどうでしょう。いくらベースラインが好きとはいえ、一度もネットにこなかったシモンはこれからが勝負です。
シモン def グチオーネ 6-7(5), 6-4, 6-1, 6-2
シモンの対戦相手はオーストラリア版カーロヴィッチとでもいいましょうか。彼の名はグチオーネ。身長は2mのビッグサーヴァーです。しかも左ききときています。数少ないサーヴ&ヴォレーのプレーヤーの一人で、ランキングは132位ですが、今日の試合はベスト30くらいに入るほどすばらしいテニスをしていました。彼のランキングの低さに驚いたのですが、本人もいっているように、いつもこのようなプレイができるとは限らないということで、トップ10のシモンから第1セットを奪ったグチオーネは、彼の故郷メルボルンで最高の日となったようです。
第1セットは二人のサーヴがよくてお互いブレークできずに、55シモンのサーヴとなりました。シモンは昔のディフェンステニスで相手の出方を伺っているうちにグチオーネにウィナーをねらわれポイントをうしなうパターンです。そしてタイブレークとなり、57でグチオーネが勝利です。実力の5割しか出してないシモンの消極テニスが気になります。 明らかにグチオーネのネットダッシュに戸惑いがちで、リターンがうまく決まりません。
第2セットに入っても、グチオーネのサーヴが崩れずブレークチャンスがやってきません。しかし辛抱強く待って、5-4の10ゲーム目で2ndサーヴのリターンウィナーをとってやっとブレークをして第2セットをとりました。まだシモンはグチオーネのサーヴ&ヴォレーに手こずっています。
第3セット
シモンはグチオーネのサーヴを破って20 すばらしいリターンです。慎重に、しかし攻めるチャンスを逃さず、ショットが安定しているので、安心してみていられます。ショットの組み立てでオープンスペースを徐々に作り上げていく作業は、チェスの楽しさがあります。一球一球に無駄なショットがありません。
第4セット
ますます調子が上がってきたシモンは第1ゲームからブレーク。バックハンドのダウンザラインで最後はウィナーを決めて快勝でした。
シモンのすばらしいフォアハンドのパッシングショットの勝利でした。どんなに振られてもそこからウィナーが打てるフォアハンドクロスはダイナミックでスリルに溢れるテニスでした。そしてシモンの強みはサーヴでエースがとれること。エースの数は14でグチオーネの12を上回りました。
「今日の試合はむずかしいことは予期していたよ。僕にとってはベースラインから打ってくる選手のほうがやりやすいから。会場全体が彼を応援しているからとてもフォーカスするのがむずかしかった。サーヴで0-30になると、もうこのゲームは取られてしまうかもしれない、それだけでなくセットも失うかもしれないと思ったりするからね。今日は勝てて本当に嬉しいよ。」
シモンに一言。
今日の自分のあのイヤーな気持ち(ネットダッシュされたとき)を忘れず、今度は自分もネットダッシュしてみればどうでしょう。いくらベースラインが好きとはいえ、一度もネットにこなかったシモンはこれからが勝負です。
2009年01月22日
天才少年トミックとは?
ムラー def トミック 3-6, 6-1, 6-4, 6-2
トミックはセンターコートで堂々とプレイしました。まだ16才です。2回戦でムラーに負けてしまいましたが、あの度胸は目を見張るものがあります。アガシのコーチ、カヒルが「昔のサンプラスのような天才的なテニスをする」と絶賛していました。圭君の後にこのような少年選手たちがワッサワッサと追っかけてきています。恐ろしいですね。
見かけは大きくてもまだ少年ですから、16才の年齢によくありがちな、窮地におちいるとじっくりとチャンスを待つことをしない欠点がありますが、対戦相手のムラーが褒めているように、終始平静さを失わずプレイしていたのは感心してしまいました。しかし負けてくると自信がなくなってくるので、長いラリーができなくなり、試合を早く終わらせようと勝ち急ぎミスが続きました。これは圭君の初戦でも観られました。
でもすごいと思ったのは、センターコートでも上がらないタフな神経です。オーストラリアの国民が観ているのですから、プレッシャーは想像もできないほど大きかったと思いますが、本人はあがった様子もなく第1セットを勝ち取ったのは見事でした。
武器はフォアハンド。少しでもムラーがショートボールを打つと、回り込んでフォアでウィナーを打つオフェンステニスです。
「試合中、多くの選手がボックス席を見上げるなかで、全く父親(コーチ)の方を向かないのが新鮮だね。」とパトリックマッケンローがコメントしていました。
確かにコーチの方を見て承認をいちいち伺っている選手を多く見かけます。もっとも記憶に残っているのがロディック。US Open でジミーコナーズがロディックのコーチをしていたときに、たまたま彼のとなりのボックスにすわることになったのですが、エラーをおかすごとにコートからコナーズに向かって叫んでいました。ヤンコヴィッチもお母さんの方をよく見てますね。前のGSでついにお母さんは「コーチングをした」として罰金を課されてました。
トミックのお父さんはコーチでもあるわけですが、ジョコヴィッチやシャラポヴァのお父さんのように、激っしてこぶしを振り上げ大声を出す過激な応援はやっていませんでした。昨年アンパイアに不満を理由に、息子を試合の途中で棄権させて猛非難されただけに、どんな熱血コーチなのかと興味津々でしたので意外でした。でもあの事件で懲りてぐっと我慢をしていたのかもしれません。
ムラーに負けてしまいましたが、16才のトミックの2回戦デビューは、テニス界に新しい刺激と興奮をもたらし、ますますテニスが面白くなってきました。
トミックはセンターコートで堂々とプレイしました。まだ16才です。2回戦でムラーに負けてしまいましたが、あの度胸は目を見張るものがあります。アガシのコーチ、カヒルが「昔のサンプラスのような天才的なテニスをする」と絶賛していました。圭君の後にこのような少年選手たちがワッサワッサと追っかけてきています。恐ろしいですね。
見かけは大きくてもまだ少年ですから、16才の年齢によくありがちな、窮地におちいるとじっくりとチャンスを待つことをしない欠点がありますが、対戦相手のムラーが褒めているように、終始平静さを失わずプレイしていたのは感心してしまいました。しかし負けてくると自信がなくなってくるので、長いラリーができなくなり、試合を早く終わらせようと勝ち急ぎミスが続きました。これは圭君の初戦でも観られました。
でもすごいと思ったのは、センターコートでも上がらないタフな神経です。オーストラリアの国民が観ているのですから、プレッシャーは想像もできないほど大きかったと思いますが、本人はあがった様子もなく第1セットを勝ち取ったのは見事でした。
武器はフォアハンド。少しでもムラーがショートボールを打つと、回り込んでフォアでウィナーを打つオフェンステニスです。
「試合中、多くの選手がボックス席を見上げるなかで、全く父親(コーチ)の方を向かないのが新鮮だね。」とパトリックマッケンローがコメントしていました。
確かにコーチの方を見て承認をいちいち伺っている選手を多く見かけます。もっとも記憶に残っているのがロディック。US Open でジミーコナーズがロディックのコーチをしていたときに、たまたま彼のとなりのボックスにすわることになったのですが、エラーをおかすごとにコートからコナーズに向かって叫んでいました。ヤンコヴィッチもお母さんの方をよく見てますね。前のGSでついにお母さんは「コーチングをした」として罰金を課されてました。
トミックのお父さんはコーチでもあるわけですが、ジョコヴィッチやシャラポヴァのお父さんのように、激っしてこぶしを振り上げ大声を出す過激な応援はやっていませんでした。昨年アンパイアに不満を理由に、息子を試合の途中で棄権させて猛非難されただけに、どんな熱血コーチなのかと興味津々でしたので意外でした。でもあの事件で懲りてぐっと我慢をしていたのかもしれません。
ムラーに負けてしまいましたが、16才のトミックの2回戦デビューは、テニス界に新しい刺激と興奮をもたらし、ますますテニスが面白くなってきました。
2009年01月21日
Who is Lu?
無名のルーがナルバンディアンをノックアウトしました!
ルー def ナルバンディアン 6-4 5-7 4-6 6-4 6-2
オーストラリアン・オープン Day3のビッグニュースは、イェンスーン・ルーのナルバンディアン打倒です。ルーは台湾出身。とても25才には見えない童顔でセンセーションを起こしました。アジア近辺のチャレンジャーでポイントをかせいで61位となった典型的なアジアの選手ですが、好調のナルバンディアンをノックアウトして、世界をアッと驚かせました。
ナルバンディアンは先週シドニーで優勝したばかりで、コンディションはトップレベルにあったにも拘らず、猛暑のメルボルンではやはりフィットネスが足を引っぱったようです。ロディックは6kg減量してフォットワークが軽く、スタミナもついてきました。ナルバンディアンもやはりGSで戦っていくには、減量が第1の課題ではないかと思います。特に痩せているルーとの対戦では、ナルのふくらみが気になりました。
ルーは1月初旬のホップマンカップで怪我をしており、コンディションが万全ではないにも拘らず、サーヴは実によく決まっていました。それに冷静な判断でナルバンディアンの予想の裏をついた作戦で(バックハンド側にサーヴを入れる)、ブレークポイントを獲得するなど、あらゆる点でナルを上回った試合でした。
以下はルーのインターヴューの概要です。
Q:サーヴがよく決まってましたね。
「ナルバンディアンのバックハンドはベストだというのは皆が知っているから、彼はフォアハンドにサーヴがくるのを予想していたと思う。だから僕は彼のバックハンドにサーヴを入れてみたんだ。バックハンドに6回入れたかな。それが全部ポイントになった。」
Q:普段はどこで練習しているの?
「ドイツでシュトラーのコーチのホルドルフのもとでトレーニングをしています。2003年にプロになってから彼に助けてもらってます。今日もボックス席にいて観てくれてますので、この後彼に会ってミーティングを開きます。」
Q:どうして皆 Randyって呼んでるの?
「学校の英語の授業で、英語の名前をつけることになったとき、選んだ名前がランディーだったんです。外国では僕の名前のイェンスーンが言い辛いので、ニックネームがランディーになっちゃった。」
Q:じゃこれから君のことをランディーと呼んでいいの?
「Yes」
ランディーはいよいよ3回戦に挑戦です。次の対戦相手は21位のロブレド。錦織選手の敗退でアジアの選手がルー一人となってしまったオーストラリアン・オープンですが、ぜひともエイジアンパワーを発揮してがんばってほしいと思います。
ルー def ナルバンディアン 6-4 5-7 4-6 6-4 6-2
オーストラリアン・オープン Day3のビッグニュースは、イェンスーン・ルーのナルバンディアン打倒です。ルーは台湾出身。とても25才には見えない童顔でセンセーションを起こしました。アジア近辺のチャレンジャーでポイントをかせいで61位となった典型的なアジアの選手ですが、好調のナルバンディアンをノックアウトして、世界をアッと驚かせました。
ナルバンディアンは先週シドニーで優勝したばかりで、コンディションはトップレベルにあったにも拘らず、猛暑のメルボルンではやはりフィットネスが足を引っぱったようです。ロディックは6kg減量してフォットワークが軽く、スタミナもついてきました。ナルバンディアンもやはりGSで戦っていくには、減量が第1の課題ではないかと思います。特に痩せているルーとの対戦では、ナルのふくらみが気になりました。
ルーは1月初旬のホップマンカップで怪我をしており、コンディションが万全ではないにも拘らず、サーヴは実によく決まっていました。それに冷静な判断でナルバンディアンの予想の裏をついた作戦で(バックハンド側にサーヴを入れる)、ブレークポイントを獲得するなど、あらゆる点でナルを上回った試合でした。
以下はルーのインターヴューの概要です。
Q:サーヴがよく決まってましたね。
「ナルバンディアンのバックハンドはベストだというのは皆が知っているから、彼はフォアハンドにサーヴがくるのを予想していたと思う。だから僕は彼のバックハンドにサーヴを入れてみたんだ。バックハンドに6回入れたかな。それが全部ポイントになった。」
Q:普段はどこで練習しているの?
「ドイツでシュトラーのコーチのホルドルフのもとでトレーニングをしています。2003年にプロになってから彼に助けてもらってます。今日もボックス席にいて観てくれてますので、この後彼に会ってミーティングを開きます。」
Q:どうして皆 Randyって呼んでるの?
「学校の英語の授業で、英語の名前をつけることになったとき、選んだ名前がランディーだったんです。外国では僕の名前のイェンスーンが言い辛いので、ニックネームがランディーになっちゃった。」
Q:じゃこれから君のことをランディーと呼んでいいの?
「Yes」
ランディーはいよいよ3回戦に挑戦です。次の対戦相手は21位のロブレド。錦織選手の敗退でアジアの選手がルー一人となってしまったオーストラリアン・オープンですが、ぜひともエイジアンパワーを発揮してがんばってほしいと思います。
2009年01月21日
We Are One
オバマ大統領が誕生しました!
アメリカが生まれ変わろうとしています!
世界が待ちにまった平和への新しい動きが生まれようとしています!
人種を超えた私たち。肌の色を超えた私たち。文化と宗教を超えた私たち。
大統領就任式のテーマとなったWe Are Oneは、アフリカ黒人と白人との混血児であり、インドネシアとハワイで育ったマルチカルチャーの落とし子、オバマ新政権のふさわしいスローガンとして、世界にメッセージを送りました。
20年前、子供が苦手な私たち夫婦が子供をもうけた大きな理由に、世界平和を願う強い願いがありました。
「もし世界の子供たちが様々な国の混血児であれば・・・国家間の戦争は起こらない。」
この単純な願いのもとで生まれた息子は3カ国籍をもち、ヨーロッパ、アメリカそして日本の立場から、文化の違い、政治の違い、人々の考え方の違いを理解できる青年に成長しました。高校ではTeen Political Coalitionを結成し、若者に政治に関心をもつように呼びかける運動をはじめたことも、オバマに通ずるものがあったと思います。
「あなたの母国は地球なのよ」と育てられてきた息子は混血児としての宿命を負っています。
人種・宗教の対立が絶えない世界にむかってオバマが就任式でうたったWe Are Oneは、まさにオバマの、そして息子の、そして世界を背負って立つネクスト・ジェネレーションの悲願でもあるのです。
アメリカが生まれ変わろうとしています!
世界が待ちにまった平和への新しい動きが生まれようとしています!
人種を超えた私たち。肌の色を超えた私たち。文化と宗教を超えた私たち。
We Are One 私たちはひとつ
大統領就任式のテーマとなったWe Are Oneは、アフリカ黒人と白人との混血児であり、インドネシアとハワイで育ったマルチカルチャーの落とし子、オバマ新政権のふさわしいスローガンとして、世界にメッセージを送りました。
We Are One 世界はひとつ
20年前、子供が苦手な私たち夫婦が子供をもうけた大きな理由に、世界平和を願う強い願いがありました。
「もし世界の子供たちが様々な国の混血児であれば・・・国家間の戦争は起こらない。」
この単純な願いのもとで生まれた息子は3カ国籍をもち、ヨーロッパ、アメリカそして日本の立場から、文化の違い、政治の違い、人々の考え方の違いを理解できる青年に成長しました。高校ではTeen Political Coalitionを結成し、若者に政治に関心をもつように呼びかける運動をはじめたことも、オバマに通ずるものがあったと思います。
「あなたの母国は地球なのよ」と育てられてきた息子は混血児としての宿命を負っています。
We Are One 世界はひとつ
人種・宗教の対立が絶えない世界にむかってオバマが就任式でうたったWe Are Oneは、まさにオバマの、そして息子の、そして世界を背負って立つネクスト・ジェネレーションの悲願でもあるのです。
2009年01月21日
熱暑はマレーに有利
マレー def パヴェル 6-2, 3-1 (retire)
初戦のマレーの対戦相手、パヴェルが2セット目に腰の痛みでリタイアしてしまいましたので、マレーにとっては拍子抜けの初戦となってしまいました。私は錦織選手を観戦していましたので、マレーの試合は観ていませんが、パヴェルがマレーついて大変興味深いコメントを残しています。
Q:今日のマレーは4年前に US Openで対戦したときとどう違ってましたか?
パヴェル「(2005年US Openの初戦で5セットを戦いマレーが勝利した試合)あの時の方が上手だったかな。なぜかっていうと、マレーは僕がこの大会が最後(パヴェルは35才)となることを知っているし、怪我でほとんど練習ができてないことも知っていたし・・・しかし今日の僕たちはひどいテニスだったよ。
マレーはすばらしいグレイトプレーヤーだ。4年前に戦ったときそう思ったよ。5セットもやったので、そ試合中はごちゃごちゃと言っていたけれど(笑い)、本当はすごい好い奴だよ。今年は彼の年になるかもしれないね。」
このパヴェルの発言は、「引退する僕に手加減をしてくれたかも」というニュアンスがあります。果たしてそうでしょうか?ナダルが記者会見で「いつ試合が逆転するかもしれないので、グランドスラムは一時も集中をきらすことなど不可能なことだ」と言っていましたね。いくら相手が引退をするからって、パヴェルの発言はちょっと甘いかも。
マレーはパヴェルとの試合についてこのように答えています。
「今日は少し風がきつくて油断できないコンディションだったよ。二人ともボールをいろいろミスってしまった。サーヴのときに太陽の光線がバーンと入ってくるし・・・本当はもうちょっと長くプレイができるとよかったんだけど。パヴェルの腰があんなに具合が悪かったとは知らなかったよ。」
つまり手加減ではなくて、マレーはすごくミスが多かったのです。
さて、マレーは35度以上にものぼる「猛暑は僕に有利だと」と断言しました。
Q:いつも暑い気候のもとではよいプレーをしているようだけど、暑いのが好きなの?
「多分僕のスタイルが暑い土地での試合に向いているからだと思う。球のペースを変えたり、ドロップショットをやったり、相手をネットにおびき寄せたり、いろいろやるから相手がイライラするのかもしれない。暑ければ暑いほど相手の動きを制止しやすいし、疲れてきたときは、ゲームを短縮することができるから有利だと思うよ。」
Q:ちょっと前まで夜も曇りの日も野球帽をかぶっていたのに、今はこんなに日が照っているのに、帽子をかぶらなくなったのはなぜ?
「帽子をかぶったからって、太陽の光は入ってくるからね。あんまり関係ないんだ。髪が長いときは、目に髪がはいらない利点があったけど。別に深い意味はないよ。どうしてやめたか覚えていないけど、かぶらなくなってから、勝ち出したからね。そのほうが調子がいいみたい。」
初戦のマレーの対戦相手、パヴェルが2セット目に腰の痛みでリタイアしてしまいましたので、マレーにとっては拍子抜けの初戦となってしまいました。私は錦織選手を観戦していましたので、マレーの試合は観ていませんが、パヴェルがマレーついて大変興味深いコメントを残しています。
Q:今日のマレーは4年前に US Openで対戦したときとどう違ってましたか?
パヴェル「(2005年US Openの初戦で5セットを戦いマレーが勝利した試合)あの時の方が上手だったかな。なぜかっていうと、マレーは僕がこの大会が最後(パヴェルは35才)となることを知っているし、怪我でほとんど練習ができてないことも知っていたし・・・しかし今日の僕たちはひどいテニスだったよ。
マレーはすばらしいグレイトプレーヤーだ。4年前に戦ったときそう思ったよ。5セットもやったので、そ試合中はごちゃごちゃと言っていたけれど(笑い)、本当はすごい好い奴だよ。今年は彼の年になるかもしれないね。」
このパヴェルの発言は、「引退する僕に手加減をしてくれたかも」というニュアンスがあります。果たしてそうでしょうか?ナダルが記者会見で「いつ試合が逆転するかもしれないので、グランドスラムは一時も集中をきらすことなど不可能なことだ」と言っていましたね。いくら相手が引退をするからって、パヴェルの発言はちょっと甘いかも。
マレーはパヴェルとの試合についてこのように答えています。
「今日は少し風がきつくて油断できないコンディションだったよ。二人ともボールをいろいろミスってしまった。サーヴのときに太陽の光線がバーンと入ってくるし・・・本当はもうちょっと長くプレイができるとよかったんだけど。パヴェルの腰があんなに具合が悪かったとは知らなかったよ。」
つまり手加減ではなくて、マレーはすごくミスが多かったのです。
さて、マレーは35度以上にものぼる「猛暑は僕に有利だと」と断言しました。
Q:いつも暑い気候のもとではよいプレーをしているようだけど、暑いのが好きなの?
「多分僕のスタイルが暑い土地での試合に向いているからだと思う。球のペースを変えたり、ドロップショットをやったり、相手をネットにおびき寄せたり、いろいろやるから相手がイライラするのかもしれない。暑ければ暑いほど相手の動きを制止しやすいし、疲れてきたときは、ゲームを短縮することができるから有利だと思うよ。」
Q:ちょっと前まで夜も曇りの日も野球帽をかぶっていたのに、今はこんなに日が照っているのに、帽子をかぶらなくなったのはなぜ?
「帽子をかぶったからって、太陽の光は入ってくるからね。あんまり関係ないんだ。髪が長いときは、目に髪がはいらない利点があったけど。別に深い意味はないよ。どうしてやめたか覚えていないけど、かぶらなくなってから、勝ち出したからね。そのほうが調子がいいみたい。」
2009年01月21日
ナダルが理想的なスタート
ナダル def ローカス 6-0, 6-2, 6-2
もう子供とテニスをやっているようなものでした。ローカスは小柄ながらも、よく走りいろんなショットを使って選手を惑わせることのできるオールランダーですが、ナダルの炸裂するフォアハンドに全く手も足もできず、ちょっとかわそうなくらい一方的な試合となりました。試合のあとに、ぼろ負けしたローカスは冗談で、「もう職業を変えるよ」と言ってましたが。でもこれ結構本音が混じってるかもしれません。テニス残酷物語の一話となりました。
それにしても、『ナダル改造論』にも書きましたが、彼のフォアハンドが着実に進化をみせています。スピンが減った分、スピードが増しました。トラジェクトリー(球の軌道)も、以前のように山なりになることがなく、適度なスピンでパーフェクトなショットを打ってました。特にウィナーを狙うショットは、ショートアングルが多いのですが、スピンが減ったにも拘らず、ショットは実に正確で人間業ではないような気がします。
ビッグ4(ナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ、マレー)の予想を、パトリックマッケンロー、ギルバート、カヒールの解説者たちがやってましたが、全員がナダルを第1候補にあげるほど彼のテニスをほめちぎってました。ジョコは残念ながらこのレースからすでに抜けてしまったようです。やはりラケットのチェンジが原因で、慣れるまでにはかなりの時間がかかるのではと悲観的でした。
リュビチッチが昔のレベルに戻れなくなったのは、2007年にバボラからヘッドにラケットを変えてからと言われていますが、ランキングがそのころから4位から現在の55位に落下してしまったことは事実です。ラケットを変えるというのは、心臓手術のように大手術だと思いますが、ぜひとも早くアジャストして自信を回復してほしいと思います。ジョコのキャラクターはテニス界にとって貴重なのですから。
ではナダルのインターヴューの概略です。(省略している部分もありますのでご了解ください)
Q:初戦としては、今日よりベターな試合はなかったのでは?
「今日はとてもよくプレイできたと思う。サーヴもファオハンドもよかった。フォーカスもできたし、ボールもコート中におさめることができたからね。」
Q:サーヴはさらに上達したと思いますか?
「よいときもあればよくないときもあるからね。今日のサーヴはよかった。肝心なときによいサーヴが打てることが大切なんだ。だからもっと練習を重ねるつもりだ。」
Q:こんなにやさしい試合だと集中が途切れませんか?
「もし集中力が途切れてしまったら危ないね。グランドスラムでフォーカスが途切れるなんて不可能だよ。No?」
Q:袖無しのシャツはもう着ないの?
「今のところはこの袖付きのシャツでいくよ。着た感じはいいよ。でも将来はどうなるか分からないけれど。今のところはこのウェアでfeel fine」
Q:膝のテープは?
「これは予防のために昔からやってることだから。今はfeeling goodだよ」
もう子供とテニスをやっているようなものでした。ローカスは小柄ながらも、よく走りいろんなショットを使って選手を惑わせることのできるオールランダーですが、ナダルの炸裂するフォアハンドに全く手も足もできず、ちょっとかわそうなくらい一方的な試合となりました。試合のあとに、ぼろ負けしたローカスは冗談で、「もう職業を変えるよ」と言ってましたが。でもこれ結構本音が混じってるかもしれません。テニス残酷物語の一話となりました。
それにしても、『ナダル改造論』にも書きましたが、彼のフォアハンドが着実に進化をみせています。スピンが減った分、スピードが増しました。トラジェクトリー(球の軌道)も、以前のように山なりになることがなく、適度なスピンでパーフェクトなショットを打ってました。特にウィナーを狙うショットは、ショートアングルが多いのですが、スピンが減ったにも拘らず、ショットは実に正確で人間業ではないような気がします。
ビッグ4(ナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ、マレー)の予想を、パトリックマッケンロー、ギルバート、カヒールの解説者たちがやってましたが、全員がナダルを第1候補にあげるほど彼のテニスをほめちぎってました。ジョコは残念ながらこのレースからすでに抜けてしまったようです。やはりラケットのチェンジが原因で、慣れるまでにはかなりの時間がかかるのではと悲観的でした。
リュビチッチが昔のレベルに戻れなくなったのは、2007年にバボラからヘッドにラケットを変えてからと言われていますが、ランキングがそのころから4位から現在の55位に落下してしまったことは事実です。ラケットを変えるというのは、心臓手術のように大手術だと思いますが、ぜひとも早くアジャストして自信を回復してほしいと思います。ジョコのキャラクターはテニス界にとって貴重なのですから。
ではナダルのインターヴューの概略です。(省略している部分もありますのでご了解ください)
Q:初戦としては、今日よりベターな試合はなかったのでは?
「今日はとてもよくプレイできたと思う。サーヴもファオハンドもよかった。フォーカスもできたし、ボールもコート中におさめることができたからね。」
Q:サーヴはさらに上達したと思いますか?
「よいときもあればよくないときもあるからね。今日のサーヴはよかった。肝心なときによいサーヴが打てることが大切なんだ。だからもっと練習を重ねるつもりだ。」
Q:こんなにやさしい試合だと集中が途切れませんか?
「もし集中力が途切れてしまったら危ないね。グランドスラムでフォーカスが途切れるなんて不可能だよ。No?」
Q:袖無しのシャツはもう着ないの?
「今のところはこの袖付きのシャツでいくよ。着た感じはいいよ。でも将来はどうなるか分からないけれど。今のところはこのウェアでfeel fine」
Q:膝のテープは?
「これは予防のために昔からやってることだから。今はfeeling goodだよ」
2009年01月20日
ますます強くなったシモン
シモン(8位) def アンデュヤール(98位) 6-4, 6-1, 6-1
アグレッシヴさが加わった今年のシモンはますます強くなりました。
昨年と同じく相変わらず走りまくっていますが、どんなに振られても確実にコートに入れるだけでなく、コーナーに入れることができる技は目を見張るものがあります。なぜ私がシモンのテニスに魅かれるか、その答えをこの試合でみせてくれたような気がします。
非常に高い精度のショットをどんな場所からも打てる力
綿密に計算されたシナリオにもとづいたショットの組み立て
相手のショットを読む力に長け、そのため対応が早い
テニスのIQが大変高く、絶えず頭を使ったテニスをするインテリジェントテニス
以前はミスが少なく安全なディフェンステニスをしていましたが、昨年の後半からミスを恐れないオフェンステニスに変わりました。今日は1stサーヴの確率が48%と低いにもかかわらず、サーヴィスゲームが強かったのは、2ndサーヴのレベルの高さにあります。しかもエースが8本とれるサーヴは強みです。しかし圧倒的に強さを見せたのは、フォアハンドのウィナーです。42にものぼるウィナーを打てる爆発的なショットを持つシモンは、エラーも少なくほとんど弱点がなくなってきました。
テニスにリズムがあって、躍動的で、ダイナミックなシモンのテニスはますますファンを増やすことになると思います。
(追加です)
シモンの記者会見から:
暑さは大丈夫?
「20度くらいならいいんだけど。でも簡単じゃないけど猛暑のなかでも長い間プレイは出来る自信はある。」(よかった。何しろ彼は走りまくりますから)
オフシーズンでは何に的を当てて練習していたの?
「もっとアグレッシヴになること。今日は第1セットでは3mもベースラインから下がって打ってたけれど、やっと第3セットで調子がでてきて攻撃的になれたと思う。」
フランス選手の同世代のついて一言。
「皆仲のよい友達だよ。ツォンガはいつも自信に溢れている。それが彼の強いところだ。モンフィスはアメイジング(笑う) ガスケは皆がいつも彼に信じられないことをやってもらおうと期待しているから、プレッシャーが大きくて大変だと思う。でも彼はとてもナイスガイだ。」
じゃシモン、あなたについては?
「僕については、分かんないよ。それはあなたたちが決める事じゃないの(笑)」
私が記者だったら、誰が一番モテるの?と聞いてみたかったですね。これはそれぞれ好みの問題でしょうが。
アグレッシヴさが加わった今年のシモンはますます強くなりました。
昨年と同じく相変わらず走りまくっていますが、どんなに振られても確実にコートに入れるだけでなく、コーナーに入れることができる技は目を見張るものがあります。なぜ私がシモンのテニスに魅かれるか、その答えをこの試合でみせてくれたような気がします。
非常に高い精度のショットをどんな場所からも打てる力
綿密に計算されたシナリオにもとづいたショットの組み立て
相手のショットを読む力に長け、そのため対応が早い
テニスのIQが大変高く、絶えず頭を使ったテニスをするインテリジェントテニス
以前はミスが少なく安全なディフェンステニスをしていましたが、昨年の後半からミスを恐れないオフェンステニスに変わりました。今日は1stサーヴの確率が48%と低いにもかかわらず、サーヴィスゲームが強かったのは、2ndサーヴのレベルの高さにあります。しかもエースが8本とれるサーヴは強みです。しかし圧倒的に強さを見せたのは、フォアハンドのウィナーです。42にものぼるウィナーを打てる爆発的なショットを持つシモンは、エラーも少なくほとんど弱点がなくなってきました。
テニスにリズムがあって、躍動的で、ダイナミックなシモンのテニスはますますファンを増やすことになると思います。
(追加です)
シモンの記者会見から:
暑さは大丈夫?
「20度くらいならいいんだけど。でも簡単じゃないけど猛暑のなかでも長い間プレイは出来る自信はある。」(よかった。何しろ彼は走りまくりますから)
オフシーズンでは何に的を当てて練習していたの?
「もっとアグレッシヴになること。今日は第1セットでは3mもベースラインから下がって打ってたけれど、やっと第3セットで調子がでてきて攻撃的になれたと思う。」
フランス選手の同世代のついて一言。
「皆仲のよい友達だよ。ツォンガはいつも自信に溢れている。それが彼の強いところだ。モンフィスはアメイジング(笑う) ガスケは皆がいつも彼に信じられないことをやってもらおうと期待しているから、プレッシャーが大きくて大変だと思う。でも彼はとてもナイスガイだ。」
じゃシモン、あなたについては?
「僕については、分かんないよ。それはあなたたちが決める事じゃないの(笑)」
私が記者だったら、誰が一番モテるの?と聞いてみたかったですね。これはそれぞれ好みの問題でしょうが。
2009年01月20日
錦織、勝ち急いで敗退
メルツァー def 錦織 7-5, 6-2, 6-1
最初からノートをとりながらストリーミングで観戦していましたが、そのノートを捨てることにしました。
というのは選手にはUps and Downsの日が必ずあり、ここが悪い、あそこがおかしいとメモっている自分の原稿に疑問が出てきたのです。調子が悪いときの試合を事細かく書いても仕方がないのではないか。
調子の悪い理由はいろいろあるのでしょうが、今日の試合は最悪の部類に入る試合展開でした。これは私の想像ですが、腕の怪我のために十分な準備ができていなかったのが最大の敗因ではないかと思います。とにかく彼の武器であるフォアハンドがオーヴァーヒットではなく、ネットにかかってしまうのが気になりました。これは右腕の怪我と関係あるのでは。ときどき当たりはずれのバカ打ちを打ってましたが、タイミングが合わないのかもしれません。
しかし圭君のサーヴはかなり好い線をいっていたと思います。1stも2nd サーヴもなかなかプレースメントがよく、特にボディサーヴはとても有効でした。
US Openでデルポトロと戦ったときは、どのように攻めてよいのか分からなくて途方にくれてしまった、といったようなコメントを残していましたが、今日の試合もそのような感じがしました。メルツァーのサーヴとネットダッシュは圭君にリズムを与えませんでした。そしてサウスポーのメルツァーに慣れず、圭君がエラーを重ねているうちに、メルツァーはギアアップをして圭君をノックアウトしてしまいました。焦れば焦るほどエラーが続出してしまった圭君のメンタルのエリアの問題なのかもしれません。
自分の武器が弱点になってしまったときはどうしたらよいのか? ボレテリ氏も言ってましたが、武器は多ければ多いほど勝てる確率は高くなります。今回はその意味でもバックハンドでもっとウィナーをとれれば、フォアに頼らなくでも済んだかもしれません。
さぞかし圭君はがっかりしたことと思いますが、これを踏み台にさらに大きく成長してくれると思います。
ここで圭君の記者会見が発表されましたので、概要をお伝えします。
今日の試合は勝たねばならないというプレッシャーが大きかったですか?
「いいえ、そんなプレッシャーはなかったです。彼は強い選手でしかもシードのついたプレーヤーですから。ちょっと風もきつかったし。今日は自分がうまくプレイできなかっただけです。」
5-3でリードしていたのに、その後は何が起こった?
「ちょっと早く勝とうと焦りすぎた。エラーも多かったし。チャンスを逃してしまった。」
暑さが原因の一つでもあった?
「少しはそれもあると思うけど、何しろあっという間だったので」
最初のセットで負けてしまったから、メンタル的にもダウンしてしまった? あと3セットもとらなくてはならないと思ったから?
「それも少しはあると思うけど、それほどダウンしたわけではなかった。」
今日の試合から得ることが出来る点は?
「第1セットでは5-3, 5-4勝てるチャンスがあった。もしこのチャンスをいかしていたら、違った結果になっていたかもしれない。」
プロジェクト45はプレッシャーになってますか?
「いや、あれは僕のゴールの一つだけれど、でも僕の最終ゴールじゃないです。だからプレッシャーにはなってないですよ。」
日本ではメディアが大騒ぎして大変なプレッシャーじゃない?
「そんなに多くの選手がそういうチャンスに恵まれることがないので、結構楽しんでます。」
最初からノートをとりながらストリーミングで観戦していましたが、そのノートを捨てることにしました。
というのは選手にはUps and Downsの日が必ずあり、ここが悪い、あそこがおかしいとメモっている自分の原稿に疑問が出てきたのです。調子が悪いときの試合を事細かく書いても仕方がないのではないか。
調子の悪い理由はいろいろあるのでしょうが、今日の試合は最悪の部類に入る試合展開でした。これは私の想像ですが、腕の怪我のために十分な準備ができていなかったのが最大の敗因ではないかと思います。とにかく彼の武器であるフォアハンドがオーヴァーヒットではなく、ネットにかかってしまうのが気になりました。これは右腕の怪我と関係あるのでは。ときどき当たりはずれのバカ打ちを打ってましたが、タイミングが合わないのかもしれません。
しかし圭君のサーヴはかなり好い線をいっていたと思います。1stも2nd サーヴもなかなかプレースメントがよく、特にボディサーヴはとても有効でした。
US Openでデルポトロと戦ったときは、どのように攻めてよいのか分からなくて途方にくれてしまった、といったようなコメントを残していましたが、今日の試合もそのような感じがしました。メルツァーのサーヴとネットダッシュは圭君にリズムを与えませんでした。そしてサウスポーのメルツァーに慣れず、圭君がエラーを重ねているうちに、メルツァーはギアアップをして圭君をノックアウトしてしまいました。焦れば焦るほどエラーが続出してしまった圭君のメンタルのエリアの問題なのかもしれません。
自分の武器が弱点になってしまったときはどうしたらよいのか? ボレテリ氏も言ってましたが、武器は多ければ多いほど勝てる確率は高くなります。今回はその意味でもバックハンドでもっとウィナーをとれれば、フォアに頼らなくでも済んだかもしれません。
さぞかし圭君はがっかりしたことと思いますが、これを踏み台にさらに大きく成長してくれると思います。
ここで圭君の記者会見が発表されましたので、概要をお伝えします。
今日の試合は勝たねばならないというプレッシャーが大きかったですか?
「いいえ、そんなプレッシャーはなかったです。彼は強い選手でしかもシードのついたプレーヤーですから。ちょっと風もきつかったし。今日は自分がうまくプレイできなかっただけです。」
5-3でリードしていたのに、その後は何が起こった?
「ちょっと早く勝とうと焦りすぎた。エラーも多かったし。チャンスを逃してしまった。」
暑さが原因の一つでもあった?
「少しはそれもあると思うけど、何しろあっという間だったので」
最初のセットで負けてしまったから、メンタル的にもダウンしてしまった? あと3セットもとらなくてはならないと思ったから?
「それも少しはあると思うけど、それほどダウンしたわけではなかった。」
今日の試合から得ることが出来る点は?
「第1セットでは5-3, 5-4勝てるチャンスがあった。もしこのチャンスをいかしていたら、違った結果になっていたかもしれない。」
プロジェクト45はプレッシャーになってますか?
「いや、あれは僕のゴールの一つだけれど、でも僕の最終ゴールじゃないです。だからプレッシャーにはなってないですよ。」
日本ではメディアが大騒ぎして大変なプレッシャーじゃない?
「そんなに多くの選手がそういうチャンスに恵まれることがないので、結構楽しんでます。」
2009年01月20日
伊達選手のこむらがえりの謎
TNミニ情報:Day1
日本のメディアでは報道されなかった面白そうなコメントや情報を集めて、オーストラリアン・オープンを追ってみたいと思います。名付けて TN(Tennis Nakama)ミニ情報です。
伊達選手にこむらがえりの謎
記者会見で、「トレーナーがきてトリートメントを受けたけれど、足の具合は大丈夫?」の質問に、
「右足のふくらはぎにこむらがえりをおこしたのでトレーナーを呼びました。でも今日だけじゃないんです。予選からこむらがえりはあったんです。予選の1回戦と3回戦で。毎日トレーナーと話をしてますし、日本にも電話をして聞いているんですがよくわからなんですよ。なぜ起こるのか。アーモンドやタンパク質をとったり、またバナナやミルクをとったりしてるんですが。どうもミネラルカルシウムのバランスがよくないみたいですね。だからいろんなことを試みているんです。でも今日のは、熱さや本戦ということで、ちょっと事情が違うようですが。」
ゼロ
ヴァヴリンカとカーロヴィッチはベースラインが居心地よすぎて、ネットへのアプローチの回数はゼロでした。
「引退のことについては聞かないでくれ」
ナヴァロをストレートセットで破ったサフィンは調子がよかったです。あのバカ打ちもなくなり、コースをついたショットがよく決まりました。記者会見で、「それでも引退するの?」と聞かれたサフィンは、うんざりして「もうその質問にはあきあきしたからこれからは答えないことにしたよ。」私もうんざりしていますので、当分はそっとしておいてあげましょう。
「プレッシャーは楽しい」
16才のオーストラリア選手、トミックが初勝利をとげたことはお伝えしましたが、トミックの記者会見で未来のスターは豪語しました。
「今日の観衆はすごい応援でしたね。あれほどすごい応援だとプレッシャーに感じませんか?」との質問に、
「オーストラリアが僕に期待していることには、それほどプレッシャーには感じていないよ。今日も、もし僕を応援してくれる彼らがいなかったら、最後は勝てたかどうか分からない。次の試合はもっと応援してほしいね。このようなプレッシャーは楽しいから。」とは恐れいりました。
10年ぶりにカムバックしたドキッチ
いろいろ父親の件で苦しんだドキッチでしたが、パスゼックを倒して初勝利。見事なカムバックをとげました。
ロディックの課題はネットプレイ
「新しいコーチのもとでロディックのテニスに変化がおこるとしたら?」この質問は世界のテニスファンがもっとも聞きたいところ。でも何度も同じ質問をされるロディックは少々辟易した様子です。
「新コーチのステファンキは、ロディックはネットのアプローチの際に、もっとバランスのとれた動きをする必要がある。ヴォレーももっと効果的に打てるようになる必要がある。と言ってますが、それについてどう思いますか?」の質問に、
「まあね。ボスは彼だから。」の一言で終わりでした。
デルポトロはあと数ヶ月でトップ4の仲間入り?
「現在6位でビッグ4(ナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ、マレー)のすぐ後に現在いるわけですが、このグループに参加できる実力があると思いますか?」の問いに、
「いや、まだいける段階じゃない。サーヴとヴォレーを向上させなくてはまだ無理。でも数ヶ月でいけるかもしれないよ。」
「じゃ、今はその方向に向かって進んでいると思いますか?」
「もちろんだよ。去年は強い選手を倒したからね。先週もオークランドで優勝したし。好い線をいっていると思うよ。」
ということは、US Openごろにはトップ4の誰かを抜いて、彼がトップ4の仲間いりになってる? いよいよランキングの予想がつかなくなってきました。
日本のメディアでは報道されなかった面白そうなコメントや情報を集めて、オーストラリアン・オープンを追ってみたいと思います。名付けて TN(Tennis Nakama)ミニ情報です。
伊達選手にこむらがえりの謎
記者会見で、「トレーナーがきてトリートメントを受けたけれど、足の具合は大丈夫?」の質問に、
「右足のふくらはぎにこむらがえりをおこしたのでトレーナーを呼びました。でも今日だけじゃないんです。予選からこむらがえりはあったんです。予選の1回戦と3回戦で。毎日トレーナーと話をしてますし、日本にも電話をして聞いているんですがよくわからなんですよ。なぜ起こるのか。アーモンドやタンパク質をとったり、またバナナやミルクをとったりしてるんですが。どうもミネラルカルシウムのバランスがよくないみたいですね。だからいろんなことを試みているんです。でも今日のは、熱さや本戦ということで、ちょっと事情が違うようですが。」
ゼロ
ヴァヴリンカとカーロヴィッチはベースラインが居心地よすぎて、ネットへのアプローチの回数はゼロでした。
「引退のことについては聞かないでくれ」
ナヴァロをストレートセットで破ったサフィンは調子がよかったです。あのバカ打ちもなくなり、コースをついたショットがよく決まりました。記者会見で、「それでも引退するの?」と聞かれたサフィンは、うんざりして「もうその質問にはあきあきしたからこれからは答えないことにしたよ。」私もうんざりしていますので、当分はそっとしておいてあげましょう。
「プレッシャーは楽しい」
16才のオーストラリア選手、トミックが初勝利をとげたことはお伝えしましたが、トミックの記者会見で未来のスターは豪語しました。
「今日の観衆はすごい応援でしたね。あれほどすごい応援だとプレッシャーに感じませんか?」との質問に、
「オーストラリアが僕に期待していることには、それほどプレッシャーには感じていないよ。今日も、もし僕を応援してくれる彼らがいなかったら、最後は勝てたかどうか分からない。次の試合はもっと応援してほしいね。このようなプレッシャーは楽しいから。」とは恐れいりました。
10年ぶりにカムバックしたドキッチ
いろいろ父親の件で苦しんだドキッチでしたが、パスゼックを倒して初勝利。見事なカムバックをとげました。
ロディックの課題はネットプレイ
「新しいコーチのもとでロディックのテニスに変化がおこるとしたら?」この質問は世界のテニスファンがもっとも聞きたいところ。でも何度も同じ質問をされるロディックは少々辟易した様子です。
「新コーチのステファンキは、ロディックはネットのアプローチの際に、もっとバランスのとれた動きをする必要がある。ヴォレーももっと効果的に打てるようになる必要がある。と言ってますが、それについてどう思いますか?」の質問に、
「まあね。ボスは彼だから。」の一言で終わりでした。
デルポトロはあと数ヶ月でトップ4の仲間入り?
「現在6位でビッグ4(ナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ、マレー)のすぐ後に現在いるわけですが、このグループに参加できる実力があると思いますか?」の問いに、
「いや、まだいける段階じゃない。サーヴとヴォレーを向上させなくてはまだ無理。でも数ヶ月でいけるかもしれないよ。」
「じゃ、今はその方向に向かって進んでいると思いますか?」
「もちろんだよ。去年は強い選手を倒したからね。先週もオークランドで優勝したし。好い線をいっていると思うよ。」
ということは、US Openごろにはトップ4の誰かを抜いて、彼がトップ4の仲間いりになってる? いよいよランキングの予想がつかなくなってきました。
2009年01月19日
フェデラー辛勝
ブラッドギルバートがコメントで言っています。
「僕の時代の100番台の選手が今の500番台のレベルだ。それほど今の選手のレベルは拮抗している。」
そんな大変な時代を迎えたテニスの今日。勝つことのむずかしさをフェデラーは初戦で味わうことになりました。
フェデラー (2位)def セピ(35位) 6-1, 7-6, 7-5
第2セットからフェデラーのエラーが目立ってきました。フェデラーは第2サーヴのリターンがそれほどアグレッシヴでなくなかなかブレークできません。逆にセピは積極的に攻めネットプレーも増やしアグレッシヴになってきました。セピは今までみせたことのないような、正確なショットと軽いフットワークのパーフォーマンスを見せ始めました。
フェデラーはまだブレークができず5-5。
これまでフェデラーは17回ネットダッシュして14回まで成功していますが、18回目のネットダッシュでセピからロブをあげられ、ポイントを落としました。
第12ゲーム(6-5)でフェデラーのサーヴ。30-40でセピがブレークポイントを握ります。しかしこの肝心なときのフェデラーは、ダブルフォルトをしても焦らず、サーヴィスゲームをフォアハンドとサーヴでキープしました。メンタルのフェデラーの本領が発揮されました。
タイブレークへ。
セピがフェデラーの第1サーヴをアタック。大胆なリターンで3-3とフェデラーを追い上げます。しかしいつものフェデラーで、強烈なキックサーヴで第2サーヴでもしっかりポイントをとり7-4で第2セットを勝ち取りました。
しかし、セピはますますギアを上げてきます。第3セットの3ゲーム目(1-1)でフェデラーはまたもやブレークポイントを許してしまいます。フェデラーは相手がアグレッシヴになってくると、守りに入るところがあり、ますます相手のアグレッシヴな攻撃を許してしまうゲーム展開です。
試合のレベルはQFのレベルです。フェデラーに焦りが見えてきました。セピの第2サーヴもアタックできるところを、またもや無難にリターンしてチャンスを逃しています。フェデラーは9回も今までブレークポイントを許しているのは課題が残ります。ネットダッシュを繰り返しますが、成功率がもうひとつ上がりません。10ゲーム目のブレークポイントのチャンスも逃してしまいました。
しかしセピとの違いはメンタルです。肝心なポイントをセピは逃し始めました。マッチポイントが近づいてくると、固くなってエラーが増えフェデラーにブレークを許してしまいフェデラーは辛勝となりました。
ブラッド・ギルバートのコメント
「フェデラーはまだ不安定な部分があるが、動きが昨年よりもずっと向上したことがプラス。」
パトリック・マッケンローのコメント
「セピとの試合はフェデラーはラッキーだった。それほどセピはハイレベルのテニスをした。フェデラーはこれからがテストだといえる。」
今後のフェデラーの課題は、「10回もブレークポイントをとりながら、3回しかブレークできなかった」点にあると思います。今後のカギは相手の第2サーヴを今までのように、センターに返すのではなく、思い切ってウィナーを狙っていくアグレッシヴさも必要ではないかと思いました。スムーズにはいきませんでしたが、とりあえずフェデラーは初戦をクリアしました。
(これから速報をモットーに、このGSは試合と同時進行で原稿を書くことにしました。しかし前回の記事は主催者側が誤った記録を提供したため、「最長時間の記録」の誤報となってしまいました。この誤りは後に分かりましたので訂正しましたが、このような誤りの訂正はできるだけ迅速に対処していきたいと思っています。)
「僕の時代の100番台の選手が今の500番台のレベルだ。それほど今の選手のレベルは拮抗している。」
そんな大変な時代を迎えたテニスの今日。勝つことのむずかしさをフェデラーは初戦で味わうことになりました。
フェデラー (2位)def セピ(35位) 6-1, 7-6, 7-5
第2セットからフェデラーのエラーが目立ってきました。フェデラーは第2サーヴのリターンがそれほどアグレッシヴでなくなかなかブレークできません。逆にセピは積極的に攻めネットプレーも増やしアグレッシヴになってきました。セピは今までみせたことのないような、正確なショットと軽いフットワークのパーフォーマンスを見せ始めました。
フェデラーはまだブレークができず5-5。
これまでフェデラーは17回ネットダッシュして14回まで成功していますが、18回目のネットダッシュでセピからロブをあげられ、ポイントを落としました。
第12ゲーム(6-5)でフェデラーのサーヴ。30-40でセピがブレークポイントを握ります。しかしこの肝心なときのフェデラーは、ダブルフォルトをしても焦らず、サーヴィスゲームをフォアハンドとサーヴでキープしました。メンタルのフェデラーの本領が発揮されました。
タイブレークへ。
セピがフェデラーの第1サーヴをアタック。大胆なリターンで3-3とフェデラーを追い上げます。しかしいつものフェデラーで、強烈なキックサーヴで第2サーヴでもしっかりポイントをとり7-4で第2セットを勝ち取りました。
しかし、セピはますますギアを上げてきます。第3セットの3ゲーム目(1-1)でフェデラーはまたもやブレークポイントを許してしまいます。フェデラーは相手がアグレッシヴになってくると、守りに入るところがあり、ますます相手のアグレッシヴな攻撃を許してしまうゲーム展開です。
試合のレベルはQFのレベルです。フェデラーに焦りが見えてきました。セピの第2サーヴもアタックできるところを、またもや無難にリターンしてチャンスを逃しています。フェデラーは9回も今までブレークポイントを許しているのは課題が残ります。ネットダッシュを繰り返しますが、成功率がもうひとつ上がりません。10ゲーム目のブレークポイントのチャンスも逃してしまいました。
しかしセピとの違いはメンタルです。肝心なポイントをセピは逃し始めました。マッチポイントが近づいてくると、固くなってエラーが増えフェデラーにブレークを許してしまいフェデラーは辛勝となりました。
ブラッド・ギルバートのコメント
「フェデラーはまだ不安定な部分があるが、動きが昨年よりもずっと向上したことがプラス。」
パトリック・マッケンローのコメント
「セピとの試合はフェデラーはラッキーだった。それほどセピはハイレベルのテニスをした。フェデラーはこれからがテストだといえる。」
今後のフェデラーの課題は、「10回もブレークポイントをとりながら、3回しかブレークできなかった」点にあると思います。今後のカギは相手の第2サーヴを今までのように、センターに返すのではなく、思い切ってウィナーを狙っていくアグレッシヴさも必要ではないかと思いました。スムーズにはいきませんでしたが、とりあえずフェデラーは初戦をクリアしました。
(これから速報をモットーに、このGSは試合と同時進行で原稿を書くことにしました。しかし前回の記事は主催者側が誤った記録を提供したため、「最長時間の記録」の誤報となってしまいました。この誤りは後に分かりましたので訂正しましたが、このような誤りの訂正はできるだけ迅速に対処していきたいと思っています。)
2009年01月19日
ロペスが史上最長マッチ?
1月19日オーストラリアンオープン第1日目の観戦報告です。
カネピ def 伊達クルム 6-4, 4-6, 8-6
残念の一言です。
この試合はライヴスコアでしか観戦できませんでしたので、詳しい試合の状況はわかりませんが、スタッツを見る限り二人の実力の差はあまりないように見えました。
伊達選手の粘りはすごいものがありますね。ブレークされてもブレーク仕返す。伊達選手の第1サーヴの確率は68%で悪くなかったと思います。でも二人ともエラーの数が多く(伊達選手は46、カネピが55)、ダブルフォルトも伊達10、カネピ7とミスの多い試合だったようですね。今回は残念ながら伊達選手の初勝利とはいきませんでしたが、25位の選手と対等に戦えたことは、「年は言い訳にしかならない」ことを身を以て世界に証明したことになり感動です。次のフレンチ・オープンもぜひ挑戦してほしいと思います。
イヴァノヴィッチ def ゴージス 7-5, 6-3
イヴァノヴィッチのサーヴが変です。
パワーがなくなり、サイドからときどき打っています。トスが決まらないということは、かなり緊張している様子。ショットもミスが多いです。彼女はコーチがいないので細かいフォームの矯正ができていないので、悪い癖が出てきたのでしょうか。第1セットを7-5で辛うじて逃げきったあと、やっと徐々に調子をあげサーヴが安定してきました。最後は2つのサーヴィスエースで勝利です。しかし何度もトスをやり直すのは、ちょっと問題が残ります。
「今日はものすごく暑かったし、初めての対戦相手で調子がでなかった。サーヴ? 始めはちょっとリズムが合わなくて、トスをやりなおしただけよ。」と涼しい顔をしていました。
ロッディク def レンキスト 6-0, 6-2, 6-2
痩せたロディック
ロディックは2000年に、レンキストは1996年にジュニアの全豪オープンで優勝した二人のマッチは、圧倒的な強さでロディックが勝利を得ました。
レンキストはジャーニーマンに属する選手(いつまでたってもチャレンジャーレベルから這い上がれず大会を転戦する選手)で、ジュニアとの対戦のようでした。ロディックは新しいコーチ、ステファンキのもとで、何が変わったか? まわりこんでフォアハンドで打つことが多かったのが、バックハンドで打つ割合が多くなっています。その分攻撃性は減っていますが、リカヴァリーがよくなり、コートカヴァリングが大分よくなってきました。
長時間の試合をこなすには、体重を減らして動きを軽くすること。「まず15ポンド(6.8kg)を減らさないといけない。」という命令を新コーチから受けたロディックは確かに痩せてみえます。しかし本人はお腹がすくことに慣れていないようで、このダイエットがどのようにロディックの試合に反映されるのか興味のあるところです。
デルポトロ def ツヴェレフ 6-3 6-4 6-2
気持ちよくデルポトロはテニスを楽しんでいました。ショットも、フットワークも、サーヴも申し分なく、このままいけばSFくらいいけそうな勢いでした。要マークです。
ジョコヴィッチ def ストピーニ 6-2 6-3 7-5
まだまだ不安定なジョコヴィッチ
ジョコヴィッチのテニスが一段とアグレッシヴになりましたが、相変わらず不安定です。リターンダッシュの練習をかなりしていた、とブラッドギルバートは言っていましたが、練習の成果が現れたのか、リターンウィナーをねらったアグレッシヴなプレイがみられました。第2セットでは5ゲーム目でブレークされましたが、そのあと一発勝負的なフォアハンドで40-0でブレークしなおすなど、徹底したオフェンシヴなテニスは印象的でした。しかしオフェンシヴであればあるほど、エラーが増えるのは仕方がないのかもしれませんが、第3セットで0-4と危うくセットを落としそうになったり、不安定なプレイがあり、もう少しミスを減らし、ヴァラエティに富んだショットがほしかった。
進歩したのはジョコの第2サーヴです。思い切ったワイドを狙うプレースメントがよく決まりました。
試合を終えた二人は、握手を交わし、イタリアとセルビアのサッカー選手のように、シャツを脱いで交換しました。多分これは史上初めての出来事ではないかと思います。なかなか洒落たことをやってくれます。
トミック def スタラーチェ 7-6, 1-6, 7-6, 7-6
未来のオージー(オーストリア人)のスター誕生です。
会場全体が16才のオーストリア人のトミックを応援するのですから、スタラーチェもやり辛かったと思います。まるでデ杯の雰囲気です。トミックは年齢的には少年なのですが、ショートヘアに青のヘッドバンドを巻き、サングラスをかけた姿はちょっとそのへんのあんちゃん的なムードがあってとても16才とはみえないふてぶてしさ。度胸があるというか、ノリにノリまくってました。
サーヴはスピードというよりプレースメントのよさが印象的でした。フォアハンドのショートクロス、バックハンドのダウンザラインは武器でポイントがどんどん決まっていきます。フラット気味の深いショットをFHとBHで打てるのはすごい技術です。それに3つのタイブレークをすべて勝ち取ったメンタルも恐るべきものがあります。トミックのワイルドカードが問題になりましたが、これで誰も文句をいう人はいないでしょう。トミックのスケールの大きいテニスは、圭君のネクストジェネレーションのパワーを象徴しているかのようでした。
ロペス def ミュラー 6-3 7-6(5) 4-6 4-6 16-14
オーストラリアンオープン史上、5時間34分の最長時間を記録しました。
US Open以外の3GSは5セット目はタイブレークではありません。2ゲームの差がつくまで永遠に続けられていく残酷なゲームとなり、結局16-14まで続いたデスマッチでした。32度を超す熱暑の中、歩くのも辛そうな二人です。フェリのあの美しい顔がゆがんでみえます。これだけ死にそうな目にあって負けてしまったロペス。本当にかわいそうでしたが記録男となりました。
(訂正)更新後に分かったことですが、この最長時間に誤りがあったと発表があり、記録係が70分余分に計算していたそうです。ということで、実際は4時間24分のマッチで最長にはなりませんでした。
カネピ def 伊達クルム 6-4, 4-6, 8-6
残念の一言です。
この試合はライヴスコアでしか観戦できませんでしたので、詳しい試合の状況はわかりませんが、スタッツを見る限り二人の実力の差はあまりないように見えました。
伊達選手の粘りはすごいものがありますね。ブレークされてもブレーク仕返す。伊達選手の第1サーヴの確率は68%で悪くなかったと思います。でも二人ともエラーの数が多く(伊達選手は46、カネピが55)、ダブルフォルトも伊達10、カネピ7とミスの多い試合だったようですね。今回は残念ながら伊達選手の初勝利とはいきませんでしたが、25位の選手と対等に戦えたことは、「年は言い訳にしかならない」ことを身を以て世界に証明したことになり感動です。次のフレンチ・オープンもぜひ挑戦してほしいと思います。
イヴァノヴィッチ def ゴージス 7-5, 6-3
イヴァノヴィッチのサーヴが変です。
パワーがなくなり、サイドからときどき打っています。トスが決まらないということは、かなり緊張している様子。ショットもミスが多いです。彼女はコーチがいないので細かいフォームの矯正ができていないので、悪い癖が出てきたのでしょうか。第1セットを7-5で辛うじて逃げきったあと、やっと徐々に調子をあげサーヴが安定してきました。最後は2つのサーヴィスエースで勝利です。しかし何度もトスをやり直すのは、ちょっと問題が残ります。
「今日はものすごく暑かったし、初めての対戦相手で調子がでなかった。サーヴ? 始めはちょっとリズムが合わなくて、トスをやりなおしただけよ。」と涼しい顔をしていました。
ロッディク def レンキスト 6-0, 6-2, 6-2
痩せたロディック
ロディックは2000年に、レンキストは1996年にジュニアの全豪オープンで優勝した二人のマッチは、圧倒的な強さでロディックが勝利を得ました。
レンキストはジャーニーマンに属する選手(いつまでたってもチャレンジャーレベルから這い上がれず大会を転戦する選手)で、ジュニアとの対戦のようでした。ロディックは新しいコーチ、ステファンキのもとで、何が変わったか? まわりこんでフォアハンドで打つことが多かったのが、バックハンドで打つ割合が多くなっています。その分攻撃性は減っていますが、リカヴァリーがよくなり、コートカヴァリングが大分よくなってきました。
長時間の試合をこなすには、体重を減らして動きを軽くすること。「まず15ポンド(6.8kg)を減らさないといけない。」という命令を新コーチから受けたロディックは確かに痩せてみえます。しかし本人はお腹がすくことに慣れていないようで、このダイエットがどのようにロディックの試合に反映されるのか興味のあるところです。
デルポトロ def ツヴェレフ 6-3 6-4 6-2
気持ちよくデルポトロはテニスを楽しんでいました。ショットも、フットワークも、サーヴも申し分なく、このままいけばSFくらいいけそうな勢いでした。要マークです。
ジョコヴィッチ def ストピーニ 6-2 6-3 7-5
まだまだ不安定なジョコヴィッチ
ジョコヴィッチのテニスが一段とアグレッシヴになりましたが、相変わらず不安定です。リターンダッシュの練習をかなりしていた、とブラッドギルバートは言っていましたが、練習の成果が現れたのか、リターンウィナーをねらったアグレッシヴなプレイがみられました。第2セットでは5ゲーム目でブレークされましたが、そのあと一発勝負的なフォアハンドで40-0でブレークしなおすなど、徹底したオフェンシヴなテニスは印象的でした。しかしオフェンシヴであればあるほど、エラーが増えるのは仕方がないのかもしれませんが、第3セットで0-4と危うくセットを落としそうになったり、不安定なプレイがあり、もう少しミスを減らし、ヴァラエティに富んだショットがほしかった。
進歩したのはジョコの第2サーヴです。思い切ったワイドを狙うプレースメントがよく決まりました。
試合を終えた二人は、握手を交わし、イタリアとセルビアのサッカー選手のように、シャツを脱いで交換しました。多分これは史上初めての出来事ではないかと思います。なかなか洒落たことをやってくれます。
トミック def スタラーチェ 7-6, 1-6, 7-6, 7-6
未来のオージー(オーストリア人)のスター誕生です。
会場全体が16才のオーストリア人のトミックを応援するのですから、スタラーチェもやり辛かったと思います。まるでデ杯の雰囲気です。トミックは年齢的には少年なのですが、ショートヘアに青のヘッドバンドを巻き、サングラスをかけた姿はちょっとそのへんのあんちゃん的なムードがあってとても16才とはみえないふてぶてしさ。度胸があるというか、ノリにノリまくってました。
サーヴはスピードというよりプレースメントのよさが印象的でした。フォアハンドのショートクロス、バックハンドのダウンザラインは武器でポイントがどんどん決まっていきます。フラット気味の深いショットをFHとBHで打てるのはすごい技術です。それに3つのタイブレークをすべて勝ち取ったメンタルも恐るべきものがあります。トミックのワイルドカードが問題になりましたが、これで誰も文句をいう人はいないでしょう。トミックのスケールの大きいテニスは、圭君のネクストジェネレーションのパワーを象徴しているかのようでした。
ロペス def ミュラー 6-3 7-6(5) 4-6 4-6 16-14
オーストラリアンオープン史上、5時間34分の最長時間を記録しました。
US Open以外の3GSは5セット目はタイブレークではありません。2ゲームの差がつくまで永遠に続けられていく残酷なゲームとなり、結局16-14まで続いたデスマッチでした。32度を超す熱暑の中、歩くのも辛そうな二人です。フェリのあの美しい顔がゆがんでみえます。これだけ死にそうな目にあって負けてしまったロペス。本当にかわいそうでしたが記録男となりました。
(訂正)更新後に分かったことですが、この最長時間に誤りがあったと発表があり、記録係が70分余分に計算していたそうです。ということで、実際は4時間24分のマッチで最長にはなりませんでした。
2009年01月19日
伊達選手の嬉しいカムバック
さあいよいよ2009年オーストラリアンオープンが始まりますね。
試合はメルボルン時間11時から一斉に開始されますが、日本時間は2時間早い9時からWOWOWで放送されます。よかったですね。でもWOWOWをとっていない方でもストリーミングで観れます。(しかし錦織選手のは観れないと思いますが)
伊達クルム選手の1回戦はいよいよあと30分で始まります。予選3回戦を勝ち抜いて本戦エントリーは、すごいパワーです。元4位のエリート選手が予選から戦うのは、プライドの面で厳しいアジャストが必要です。トップの選手がゼロからやりなおすことのむずかしさは想像を絶するものがあると思います。「昔のことは忘れて戦った」と彼女は言ってましたが、本当に頭が下がる思いです。
オーストラリアンオープン 第1日:1月19日(月)の試合予定
伊達クルム(184位) vs カネピ(25位)
日本時間午前9時から始まります。これはアメリカでは放送してくれないと思いますので、皆さんのコメント報告お待ちしています! 私はこの時間はロディックとイヴァノヴィッチを同時観戦することにします。
伊達選手は予選を突破して本戦入りで約200万円獲得です!
まず本戦入りをしないことには、すべて自腹をきっての挑戦ですのできついものがあります。本当にこれですこしは経費をカヴァーできてよかったですね。
「予選3戦を戦ってきたけれど、体のほうは大丈夫です。テーピングもしなかったし。昔はときどきトレーナーを呼ばなくちゃならない時もあったけど、カムバックしてから一度もそれはないから。」と38才の気丈なコメントを残した伊達クルム選手は、世界から全豪の最長年者のカムバックとして注目されています。
(”Kimiko Date back in Grand Slams at 38” International Herald Tribune 1/17/09)
ニューヨークでの観戦は昼夜がひっくりかえり、夜7時から翌朝7時までぶっ通しの観戦となります。(どうしょう、体がもたない!)ディレクトTV(サテライト)の受信者には、TVスクリーンを分割して数コートが同時に観戦できることになり、主な選手の試合はほとんど観ることができるようになりました。今日は初日からデフェラー、ジョコヴィッチと盛り沢山できつい睡眠不足になりそうです。
試合はメルボルン時間11時から一斉に開始されますが、日本時間は2時間早い9時からWOWOWで放送されます。よかったですね。でもWOWOWをとっていない方でもストリーミングで観れます。(しかし錦織選手のは観れないと思いますが)
伊達クルム選手の1回戦はいよいよあと30分で始まります。予選3回戦を勝ち抜いて本戦エントリーは、すごいパワーです。元4位のエリート選手が予選から戦うのは、プライドの面で厳しいアジャストが必要です。トップの選手がゼロからやりなおすことのむずかしさは想像を絶するものがあると思います。「昔のことは忘れて戦った」と彼女は言ってましたが、本当に頭が下がる思いです。
オーストラリアンオープン 第1日:1月19日(月)の試合予定
伊達クルム(184位) vs カネピ(25位)
日本時間午前9時から始まります。これはアメリカでは放送してくれないと思いますので、皆さんのコメント報告お待ちしています! 私はこの時間はロディックとイヴァノヴィッチを同時観戦することにします。
伊達選手は予選を突破して本戦入りで約200万円獲得です!
まず本戦入りをしないことには、すべて自腹をきっての挑戦ですのできついものがあります。本当にこれですこしは経費をカヴァーできてよかったですね。
「予選3戦を戦ってきたけれど、体のほうは大丈夫です。テーピングもしなかったし。昔はときどきトレーナーを呼ばなくちゃならない時もあったけど、カムバックしてから一度もそれはないから。」と38才の気丈なコメントを残した伊達クルム選手は、世界から全豪の最長年者のカムバックとして注目されています。
(”Kimiko Date back in Grand Slams at 38” International Herald Tribune 1/17/09)
ニューヨークでの観戦は昼夜がひっくりかえり、夜7時から翌朝7時までぶっ通しの観戦となります。(どうしょう、体がもたない!)ディレクトTV(サテライト)の受信者には、TVスクリーンを分割して数コートが同時に観戦できることになり、主な選手の試合はほとんど観ることができるようになりました。今日は初日からデフェラー、ジョコヴィッチと盛り沢山できつい睡眠不足になりそうです。
2009年01月17日
錦織の対戦相手メルツァーとは?
圭君のオーストラリアン・オープンの初戦対戦相手は、オーストリア人のユルゲン・メルツァーです。彼の特徴は左利き。身長は182cmで27才。ランキングは32位。ドロップショット、スライス、ネットダッシュなどいろんな技をつかって攻めてきます。昨年は4つのGSに出場して、いずれも3回戦くらいまで進出していますので手強いですが、圭君の腕が痛くなければ、勝てる相手だと思います。
熱い二人
メルツァーは今、とてもホットな女子選手、スロヴァキアのシブルコヴァ(19位)と熱々の仲で、新カップルが誕生しました。モンフィスと別れてすぐ新しくボーイフレンドを見つけるなんて。なかなか恋愛にも腕のたつシブルコヴァです。
フェデラーはNo.1にはなれない
「フェデラーが毎トーナメントに勝つ時代は終わった。サンプラスやアガシのようにメジャーでは勝つかもしれないが、No.1に戻るのはむずかしいと思う。僕はそれは起こらないと思う。」と言ったのは、ジョン・マッケンローでした。
理想的なスタートをきったフェデラー
「去年は1回戦で負けるのが恐かったけれど、今年はそんな気持ちは起こっていない。今年は自信があるしメンタルではもっとタフになったよ。」と答えたフェデラーは、見事クーヨンのエグジビションでヴァヴリンカを6-1, 6-3で破り優勝しました。彼のいうとおり、自信に溢れたフェデラーのショットはウィナーにつぐウィナーが決まり、まさにフェデラーテニスのエグジビションのようでした。
最初はなぜ1月に2度もエグジビションをやるのか不思議でしたが、このクーヨンがいかに彼にとって重要なのかが分かってきました。リラックスした中で自分の調子を上げていくのは、やはりエグジビションに限るようです。それにナルバンディアンが言ってましたが、クーヨンの利点は、全豪のメルボルンにあり、当会場で練習ができること。それにいろんな選手がすでに集まっているので、練習相手に不足しない点などあげていました。フェデラーのあの楽しそうな顔を見ていると、サンプラスとタイになる14個のタイトルは、オーストラリアかも。
4kg太ったアンディー・マレー
猛烈なトレーニングをマイアミで行ったマレーは、毎日のトレーニングをこなすのに、6000カロリーをとり体重を4kg増やしました。食事のメニューは寿司、ステーキ、卵、タンパク質ドリンク、カップケーキ、ピーナッツバターなど。でも熱いオーストリアではすぐ元にもどってしまうらしく必死で食べているとか。
ジョコヴィッチの新しいラケットについて
「僕はラケットのことについてはもう話たくない。今はオーストリア・オープンにフォーカスするのみ。」
ナルバンディアンのゴールはいつも同じ
「今年のゴールは何か?いつもと変わらないよ。デ杯とグランドスラムだよ」
バグダティスの恐れ
「毎朝起きたら体が痛いんだ。恐いよ。今僕に必要なのは、健康な体と自信なんだ。」ヴァヴリンカにクーヨンのエグジビションに負けてしまったバグダティスの心細い記者会見でした。
熱い二人
メルツァーは今、とてもホットな女子選手、スロヴァキアのシブルコヴァ(19位)と熱々の仲で、新カップルが誕生しました。モンフィスと別れてすぐ新しくボーイフレンドを見つけるなんて。なかなか恋愛にも腕のたつシブルコヴァです。
フェデラーはNo.1にはなれない
「フェデラーが毎トーナメントに勝つ時代は終わった。サンプラスやアガシのようにメジャーでは勝つかもしれないが、No.1に戻るのはむずかしいと思う。僕はそれは起こらないと思う。」と言ったのは、ジョン・マッケンローでした。
理想的なスタートをきったフェデラー
「去年は1回戦で負けるのが恐かったけれど、今年はそんな気持ちは起こっていない。今年は自信があるしメンタルではもっとタフになったよ。」と答えたフェデラーは、見事クーヨンのエグジビションでヴァヴリンカを6-1, 6-3で破り優勝しました。彼のいうとおり、自信に溢れたフェデラーのショットはウィナーにつぐウィナーが決まり、まさにフェデラーテニスのエグジビションのようでした。
最初はなぜ1月に2度もエグジビションをやるのか不思議でしたが、このクーヨンがいかに彼にとって重要なのかが分かってきました。リラックスした中で自分の調子を上げていくのは、やはりエグジビションに限るようです。それにナルバンディアンが言ってましたが、クーヨンの利点は、全豪のメルボルンにあり、当会場で練習ができること。それにいろんな選手がすでに集まっているので、練習相手に不足しない点などあげていました。フェデラーのあの楽しそうな顔を見ていると、サンプラスとタイになる14個のタイトルは、オーストラリアかも。
4kg太ったアンディー・マレー
猛烈なトレーニングをマイアミで行ったマレーは、毎日のトレーニングをこなすのに、6000カロリーをとり体重を4kg増やしました。食事のメニューは寿司、ステーキ、卵、タンパク質ドリンク、カップケーキ、ピーナッツバターなど。でも熱いオーストリアではすぐ元にもどってしまうらしく必死で食べているとか。
ジョコヴィッチの新しいラケットについて
「僕はラケットのことについてはもう話たくない。今はオーストリア・オープンにフォーカスするのみ。」
ナルバンディアンのゴールはいつも同じ
「今年のゴールは何か?いつもと変わらないよ。デ杯とグランドスラムだよ」
バグダティスの恐れ
「毎朝起きたら体が痛いんだ。恐いよ。今僕に必要なのは、健康な体と自信なんだ。」ヴァヴリンカにクーヨンのエグジビションに負けてしまったバグダティスの心細い記者会見でした。
2009年01月16日
錦織の対戦相手はメルツァー
錦織(59位)の初戦はドイツのメルツァー(31位)と決まりました。もしメルツァーに勝って、2回戦も勝ち進めば、3回戦でマレーと対戦することになります。二人とも戦略家ですのでぜひこの試合は実現させてほしいですね。
ここから圭君のファンタジー予想です。圭君は絶好調のマレーを破り世界をアッといわせました。
QFではブレイクと対戦です。ブレイクには最後のヒューストンでは負けていますので、ここでリベンジです。
ブレークのあとは、SFでナダルです。膝の痛いナダルにはかわいそうですが、ドロップショットでポイントをかぜぎ、最後はAir-Kでマッチポイントをとりました。
そしていよいよ決勝。対戦相手はフェデラーです。圭君の夢「一度はフェデラーと試合をしてみたい!」が実現しました!
フーッ(ため息)
ドロー発表
主な選手の1回戦は以下となります。
ナダル vs ローカス
フェデラー vs セピ
ジョコヴィッチ vs クウォリファイアー(未定)
マレー vs パヴェル
ツォンガ vs モナコ
ヒューイット vs ゴンザレス
グルビス vs モンタネス
ロディック vs クウォリファイアー(未定)
ナルバンディアン vs ジケル
デルポトロ vs ツヴェレフ
トミック vs スタラーチェ
フェデラー優勝のシナリオ
さてドローですが、もしトップ選手が順調に勝っていけば、以下が3回戦のドローとなります。便宜上4つのグループに分けてみましたが、フェデラーに有利なドローとなりました。
私の勝手な予想では、準決勝は、ナダルvsマレー、フェデラーvsジョコヴィッチ。問題のジョコヴィッチですが、新しいラケットのせいか調子が今いちで、今日もニーミネンにストレートで負けています。このままジョコの調子が回復できなければ、フェデラーはジョコを破って決勝進出です。
一方、ナダルとマレーの試合は、ラリー戦で5セットまでもつれこんで長時間の試合となる可能性が強く、どちらが勝っても決勝時点でガス欠です。熱暑のオーストラリアン・オープンはスタミナが勝利の絶対条件ですから、省エネでいけるフェデラーに軍パイが上がって優勝です。
こんなことを書くとナダルファンに突き上げられそうですね。バグダティスやツォンガのように突然現れてくる選手がオーストラリアン・オープンの面白さですので、私の予想は多分当たらないと思います。それでもしつこく全体の予想をたててみました。
3回戦の予想ドロー
(第1グループ)
ナダル vs ツルスノフ
ガスケ vs ゴンザレス
モンフィス vs アルマグロ
カーロヴィッチ vs シモン
ナダルの膝がもちこたえれば問題なし
今日のガスケはもうひとつショットの確実性に欠け、ナルバンディアンに敗退。
モンフィスはいつまでアグレッシヴなプレイを持続させることができるかがカギ。
シモンはグランドスラムでは好成績を残せていない。5セットまでのスタミナに欠けるかも。
カーロヴィッチは第2サーヴを攻められると弱い。
(第2グループ)
マレー vs メルツァー
ステパネック vs べルダスコ
ブレイク vs アンドレエヴ
シュトラー vs ツォンガ(?)
ツォンガの腰痛でマレーはイージードロー
昨年のオーストラリアン・オープン準優勝のツォンガが、シドニー大会から腰の痛みが激しく欠場となりました。「とても痛くてプレイできる状態じゃないんだ。ATPのフィジオ(physiotherapist)と医者にも診てもらったけれど、この状態ではプレイするのはむずかしいという結論だった。」
ツォンガはボレリに6-4, 6-1で勝ったものの、2回のメディアカル・タイムアウトをとり、マッサージを受けましたが、とりあえず試合は勝ったものの、痛みが激しくオーストラリアン・オープンの出場が危ぶまれています。
(第3グループ)
ロディック vs コールシュライバー
ロブレド vs ナルバンディアン
ソダーリング vs フィッシュ
ジョコヴィッチ vs マテュー
ジョコヴィッチはタフなドロー
ロディックとナルバンディアンの調子がよく、しかもジョコヴィッチがまだ自分のショットに自信がもてないのか、ショットが安定していない。この3人の誰が残ってもの不思議でないタフなドロー
(第4グループ)
デルポトロ vs フィッシュ
シリッチ vs フェレール
ヴァヴリンカ vs バーディッチ
フェデラー vs サフィン
フェデラーはデルポ以外はイージードロー
フェデラーの強敵はデルポトロ。今日のソダーリングとの試合も6-4, 6-3で問題なく快勝して調子がよいので要注意。
ここから圭君のファンタジー予想です。圭君は絶好調のマレーを破り世界をアッといわせました。
QFではブレイクと対戦です。ブレイクには最後のヒューストンでは負けていますので、ここでリベンジです。
ブレークのあとは、SFでナダルです。膝の痛いナダルにはかわいそうですが、ドロップショットでポイントをかぜぎ、最後はAir-Kでマッチポイントをとりました。
そしていよいよ決勝。対戦相手はフェデラーです。圭君の夢「一度はフェデラーと試合をしてみたい!」が実現しました!
フーッ(ため息)
ドロー発表
主な選手の1回戦は以下となります。
ナダル vs ローカス
フェデラー vs セピ
ジョコヴィッチ vs クウォリファイアー(未定)
マレー vs パヴェル
ツォンガ vs モナコ
ヒューイット vs ゴンザレス
グルビス vs モンタネス
ロディック vs クウォリファイアー(未定)
ナルバンディアン vs ジケル
デルポトロ vs ツヴェレフ
トミック vs スタラーチェ
フェデラー優勝のシナリオ
さてドローですが、もしトップ選手が順調に勝っていけば、以下が3回戦のドローとなります。便宜上4つのグループに分けてみましたが、フェデラーに有利なドローとなりました。
私の勝手な予想では、準決勝は、ナダルvsマレー、フェデラーvsジョコヴィッチ。問題のジョコヴィッチですが、新しいラケットのせいか調子が今いちで、今日もニーミネンにストレートで負けています。このままジョコの調子が回復できなければ、フェデラーはジョコを破って決勝進出です。
一方、ナダルとマレーの試合は、ラリー戦で5セットまでもつれこんで長時間の試合となる可能性が強く、どちらが勝っても決勝時点でガス欠です。熱暑のオーストラリアン・オープンはスタミナが勝利の絶対条件ですから、省エネでいけるフェデラーに軍パイが上がって優勝です。
こんなことを書くとナダルファンに突き上げられそうですね。バグダティスやツォンガのように突然現れてくる選手がオーストラリアン・オープンの面白さですので、私の予想は多分当たらないと思います。それでもしつこく全体の予想をたててみました。
3回戦の予想ドロー
(第1グループ)
ナダル vs ツルスノフ
ガスケ vs ゴンザレス
モンフィス vs アルマグロ
カーロヴィッチ vs シモン
ナダルの膝がもちこたえれば問題なし
今日のガスケはもうひとつショットの確実性に欠け、ナルバンディアンに敗退。
モンフィスはいつまでアグレッシヴなプレイを持続させることができるかがカギ。
シモンはグランドスラムでは好成績を残せていない。5セットまでのスタミナに欠けるかも。
カーロヴィッチは第2サーヴを攻められると弱い。
(第2グループ)
マレー vs メルツァー
ステパネック vs べルダスコ
ブレイク vs アンドレエヴ
シュトラー vs ツォンガ(?)
ツォンガの腰痛でマレーはイージードロー
昨年のオーストラリアン・オープン準優勝のツォンガが、シドニー大会から腰の痛みが激しく欠場となりました。「とても痛くてプレイできる状態じゃないんだ。ATPのフィジオ(physiotherapist)と医者にも診てもらったけれど、この状態ではプレイするのはむずかしいという結論だった。」
ツォンガはボレリに6-4, 6-1で勝ったものの、2回のメディアカル・タイムアウトをとり、マッサージを受けましたが、とりあえず試合は勝ったものの、痛みが激しくオーストラリアン・オープンの出場が危ぶまれています。
(第3グループ)
ロディック vs コールシュライバー
ロブレド vs ナルバンディアン
ソダーリング vs フィッシュ
ジョコヴィッチ vs マテュー
ジョコヴィッチはタフなドロー
ロディックとナルバンディアンの調子がよく、しかもジョコヴィッチがまだ自分のショットに自信がもてないのか、ショットが安定していない。この3人の誰が残ってもの不思議でないタフなドロー
(第4グループ)
デルポトロ vs フィッシュ
シリッチ vs フェレール
ヴァヴリンカ vs バーディッチ
フェデラー vs サフィン
フェデラーはデルポ以外はイージードロー
フェデラーの強敵はデルポトロ。今日のソダーリングとの試合も6-4, 6-3で問題なく快勝して調子がよいので要注意。
2009年01月16日
飛行機がハドソン河に!
多分ニュースが入っているかもしれませんが、ただ今私の家からそれほど遠くない地点での大事故が起こりました!
飛行機がハドソン河にクラッシュランディングしました。155人の乗客が救出されいています。鳥の群れが飛行機に衝突、エンジンが破損して急遽ハドソン河へ緊急着陸しました。もしこの飛行機がマンハッタンの街のど真ん中に落ちていたら?! 想像しただけでも身震いがします! しかし乗客も乗務員も全員無事だったとか。本当によかったです!
そういえば2年前にヤンキーズの投手が自家用の飛行機を操縦していて、私の友達のマンションビルのとなりのビルに激突したことがあります。幸い彼女の家は大丈夫でしたが、突然飛行機が飛び込んできた家の人たちはどんな恐怖の一瞬だったでしょう。
(追記)
実は、あの飛行機事故の15分前に私は事故現場に近いハドソン河沿いを車で走っていたのです。試合のあとニュージャー州から帰る途中、いつもハドソン河沿いを走ります。想像してみてください。155人の乗客を載せた飛行機が自分に向かって落ちてきたら?! たったの15分の差でした。
それにしてもすばらしいパイロットのおかげで奇跡的に大惨事にいたらずにすみました。
飛行機がハドソン河にクラッシュランディングしました。155人の乗客が救出されいています。鳥の群れが飛行機に衝突、エンジンが破損して急遽ハドソン河へ緊急着陸しました。もしこの飛行機がマンハッタンの街のど真ん中に落ちていたら?! 想像しただけでも身震いがします! しかし乗客も乗務員も全員無事だったとか。本当によかったです!
そういえば2年前にヤンキーズの投手が自家用の飛行機を操縦していて、私の友達のマンションビルのとなりのビルに激突したことがあります。幸い彼女の家は大丈夫でしたが、突然飛行機が飛び込んできた家の人たちはどんな恐怖の一瞬だったでしょう。
(追記)
実は、あの飛行機事故の15分前に私は事故現場に近いハドソン河沿いを車で走っていたのです。試合のあとニュージャー州から帰る途中、いつもハドソン河沿いを走ります。想像してみてください。155人の乗客を載せた飛行機が自分に向かって落ちてきたら?! たったの15分の差でした。
それにしてもすばらしいパイロットのおかげで奇跡的に大惨事にいたらずにすみました。
2009年01月15日
全豪オープンまで秒読み
いよいよ片手の指で数えられるまでオーストラリアン・オープンが近づいてきました。予選はすでに始まっていて、残念ながら添田豪選手(111位)はオーストラリアのシリアーニに6-3 3-6 6-8で惜敗となりました。
それでは主な選手のアップデイト最新情報です。
マレー(4位)
2008年のAOはR128でツォンガに敗れる
ドーハできっちりストレートにロディックを破って優勝したマレーは、フェデラーが何を言おうと、ブッキーが彼を本命に選ぼうと、関係ないといった涼しいコメントを残しています。
「AOの本命No.1だといってもそんなにプレッシャーには感じてないよ。今までウィンブルドンで毎年プレッシャー攻めにあってきたからね。フェデレラーと試合をやればやるほど恐さは薄れていくよ。若いときは、トップ選手と戦って勝ちそうになるとすごく緊張するもんだけど、今は緊張することがなくなったよ。もし僕がベストのテニスをすればフェデラーには勝てると思う。」
これはイギリスのDaily Telepraphに豪語したマレーの言葉ですが、フェデラーのコメントのように世界を駆け巡りませんでしたが、すごい自信です。
「年をとって経験を積んでくると、コートに一旦でれば、ブッキーが何を言おうと関係ないのさ。」となかなかクールな発言をしていました。
ジョコヴィッチ(3位) (Djokovic def Mathieu:6-1, 6-2)
2008年のAO優勝
ブリスベインの初戦で、グルビスに4-6, 4-6で負けてしまったジョコヴィッチで慌てましたが、シドニーにワイルドカードで入ったジョコヴィッチはかなり好調といえる出来でマテューを倒しました。この試合は第2セットからしか観ていませんが、むしろ絶好調だったマテュー(ブリスベインでグルビス、錦織を破る)の調子がもう一つという感じもあり、ジョコヴィッチは6-1, 6-2で快勝しました。
「サーヴが試合を通してよかった。テニスはまあ安定していたと思う。それほどアップダウンがなかったからね。今日はレベルの高い試合で、彼(マテュー)がカムバックできるチャンスはなかったと思う。」という自信に溢れたコメントを残しました。次の対戦相手は、ロブレドを6-2, 6-1で倒したアンチッチです。
ガスケ(25位) (Gasquet def Simon: 6-4, 6-4)
2008年の AOはR16でツォンガに敗れる。
ガスケとシモンの試合は残念ながら見過ごしてしまいましたが、ガスケの調子がいいようですね。先週はブリスベインで優勝したステパネックには敗れたものの、QFでツォンガを倒していますし、調子が上がってきているようです。フランスで最も期待されていたヤングでしたので、この25位は不本意なところ。フランスの同胞のツォンガ(6位)とシモン(7位)まずやっつけてから、これから本領を発揮してくれればよいのですが。次の対戦相手はまたもやフランスのシャーディ(73位)です。
シモン(7位)
2008 年のAOはR32でナダルに敗れる
昨年は、ナダル、フェデラー、ジョコヴィッチの3強を倒し、ランキングも30位から7位に駆け上がったシモンは、今年は少し中堅どころの選手との試合につまづきを見せ始めました。まずエグジビションのホップマンカップでは、イタリアのボレリ(38位)にストレートの3-6, 3-6で負けてしまいました。これで土をつけたシモンは、ガスケにも負け、負け星が続いています。どの試合も観戦できていないのでコメントは差し控えますが、今年はなんとかトップ10を維持して頑張ってほしいと思います。
デルポトロ(9位) (Del Potro def Gulbis: 4-6, 6-4, 6-1)
2008 年のAOはR64でフェレールに敗れる
昨年の目覚ましい活躍がまだ記憶に新しいので、グルビス戦は意外でした。感情にかなりムラがあります。この試合が今年初めてなので緊張しているのか、体がフィットできていないのか、第1セットは楽に勝てる試合なのに4-5のゲームで0-40までポイントを落としてしまいました。ミスの連続で何かヤケクソみたいな態度があって、とても今までのデルポトロらしくない彼でした。かなり汗をかいて肩で息をしています。真夏ですものね。でも2セット目からは、ようやくショットにミスが少なくなり落ち着いてきました。やはり調子が全然でなかったようです。第3セットは問題なく6-1でまったくグルビスを寄せ付けず勝利をおさめました。
グルビスはテニスが荒く感じました。ブリスベインでジョコヴィッチを倒したときは、ジョコの自滅のようなところがあったと聞きますが、それにしてもウィナーを狙っちゃいかんのに、ガーンとやってしまうものですから、ポイントが決まらない。せっかく豪快なサーヴとフォアハンドをもちながら、それをうまく生かせていないところが伸び悩みとなって、まだ51位をウロウロしています。ぼんぼんらしくくったくのないテニスですが、このままではコンスタントに勝てるのはちょっとむずかしそう。
バーナード・トミック(16才)
今日ナダルはオーストラリアの未来の星、昨年のAOジュニアのチャンピオンのトミック君をヒッティングパートナーとしてプラクティスをやったそうです。トミックはまだ16才の少年。現在世界ジュニアランキング4位ですが、「ゴランのサーヴと、ヒューイットのハート、サンプラスのメンタル、フェデラーのグランドストロークで世界一になる!」と宣言したのは14才。 ナダルとヒッティングの練習では、打ち遅れや打負けしていなかったとか。昨年3月にフューチャーズでWCをもらって日本にきています。しかし石井選手に2回戦で敗れていますが、フューチャーズで稼いでますので、すでにランキングは767位です。 恐るべき子供がどんどん出現してきています。錦織選手も大変です。
それでは主な選手のアップデイト最新情報です。
マレー(4位)
2008年のAOはR128でツォンガに敗れる
ドーハできっちりストレートにロディックを破って優勝したマレーは、フェデラーが何を言おうと、ブッキーが彼を本命に選ぼうと、関係ないといった涼しいコメントを残しています。
「AOの本命No.1だといってもそんなにプレッシャーには感じてないよ。今までウィンブルドンで毎年プレッシャー攻めにあってきたからね。フェデレラーと試合をやればやるほど恐さは薄れていくよ。若いときは、トップ選手と戦って勝ちそうになるとすごく緊張するもんだけど、今は緊張することがなくなったよ。もし僕がベストのテニスをすればフェデラーには勝てると思う。」
これはイギリスのDaily Telepraphに豪語したマレーの言葉ですが、フェデラーのコメントのように世界を駆け巡りませんでしたが、すごい自信です。
「年をとって経験を積んでくると、コートに一旦でれば、ブッキーが何を言おうと関係ないのさ。」となかなかクールな発言をしていました。
ジョコヴィッチ(3位) (Djokovic def Mathieu:6-1, 6-2)
2008年のAO優勝
ブリスベインの初戦で、グルビスに4-6, 4-6で負けてしまったジョコヴィッチで慌てましたが、シドニーにワイルドカードで入ったジョコヴィッチはかなり好調といえる出来でマテューを倒しました。この試合は第2セットからしか観ていませんが、むしろ絶好調だったマテュー(ブリスベインでグルビス、錦織を破る)の調子がもう一つという感じもあり、ジョコヴィッチは6-1, 6-2で快勝しました。
「サーヴが試合を通してよかった。テニスはまあ安定していたと思う。それほどアップダウンがなかったからね。今日はレベルの高い試合で、彼(マテュー)がカムバックできるチャンスはなかったと思う。」という自信に溢れたコメントを残しました。次の対戦相手は、ロブレドを6-2, 6-1で倒したアンチッチです。
ガスケ(25位) (Gasquet def Simon: 6-4, 6-4)
2008年の AOはR16でツォンガに敗れる。
ガスケとシモンの試合は残念ながら見過ごしてしまいましたが、ガスケの調子がいいようですね。先週はブリスベインで優勝したステパネックには敗れたものの、QFでツォンガを倒していますし、調子が上がってきているようです。フランスで最も期待されていたヤングでしたので、この25位は不本意なところ。フランスの同胞のツォンガ(6位)とシモン(7位)まずやっつけてから、これから本領を発揮してくれればよいのですが。次の対戦相手はまたもやフランスのシャーディ(73位)です。
シモン(7位)
2008 年のAOはR32でナダルに敗れる
昨年は、ナダル、フェデラー、ジョコヴィッチの3強を倒し、ランキングも30位から7位に駆け上がったシモンは、今年は少し中堅どころの選手との試合につまづきを見せ始めました。まずエグジビションのホップマンカップでは、イタリアのボレリ(38位)にストレートの3-6, 3-6で負けてしまいました。これで土をつけたシモンは、ガスケにも負け、負け星が続いています。どの試合も観戦できていないのでコメントは差し控えますが、今年はなんとかトップ10を維持して頑張ってほしいと思います。
デルポトロ(9位) (Del Potro def Gulbis: 4-6, 6-4, 6-1)
2008 年のAOはR64でフェレールに敗れる
昨年の目覚ましい活躍がまだ記憶に新しいので、グルビス戦は意外でした。感情にかなりムラがあります。この試合が今年初めてなので緊張しているのか、体がフィットできていないのか、第1セットは楽に勝てる試合なのに4-5のゲームで0-40までポイントを落としてしまいました。ミスの連続で何かヤケクソみたいな態度があって、とても今までのデルポトロらしくない彼でした。かなり汗をかいて肩で息をしています。真夏ですものね。でも2セット目からは、ようやくショットにミスが少なくなり落ち着いてきました。やはり調子が全然でなかったようです。第3セットは問題なく6-1でまったくグルビスを寄せ付けず勝利をおさめました。
グルビスはテニスが荒く感じました。ブリスベインでジョコヴィッチを倒したときは、ジョコの自滅のようなところがあったと聞きますが、それにしてもウィナーを狙っちゃいかんのに、ガーンとやってしまうものですから、ポイントが決まらない。せっかく豪快なサーヴとフォアハンドをもちながら、それをうまく生かせていないところが伸び悩みとなって、まだ51位をウロウロしています。ぼんぼんらしくくったくのないテニスですが、このままではコンスタントに勝てるのはちょっとむずかしそう。
バーナード・トミック(16才)
今日ナダルはオーストラリアの未来の星、昨年のAOジュニアのチャンピオンのトミック君をヒッティングパートナーとしてプラクティスをやったそうです。トミックはまだ16才の少年。現在世界ジュニアランキング4位ですが、「ゴランのサーヴと、ヒューイットのハート、サンプラスのメンタル、フェデラーのグランドストロークで世界一になる!」と宣言したのは14才。 ナダルとヒッティングの練習では、打ち遅れや打負けしていなかったとか。昨年3月にフューチャーズでWCをもらって日本にきています。しかし石井選手に2回戦で敗れていますが、フューチャーズで稼いでますので、すでにランキングは767位です。 恐るべき子供がどんどん出現してきています。錦織選手も大変です。
2009年01月14日
フェデラーが失言?
マレーに負け続けた後だけに、「彼(マレー)がオーストラリアン・オープンの本命と聞いて驚いたよ」なんて言ってしまったものですから、フェデラーはメディアにいろいろ書かれてしまいました。でも彼の言っていることはある程度真理をついているのですが、正直に意見をいうと、このように取り沙汰されてしまうので(叩かれるとは言いませんが)ちょっと気の毒なような気もします。
以下が「マレーがAOの本命」についてフェデラーのコメントです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「彼(マレー)は以前は調子がよい時や悪い時があってアップダウンしていたけれど、今は確実に安定してきていることは明らかだし、動きはいいし、オールラウンドプレーヤーで、よい作戦も立てられるし、とにかく、彼は自信に満ちてそれが毎回試合に出ているよ。」
.'Before, he was very up and down,' he said. 'But I think he has shown now he is knocking on the door, he has been able to make his move, he is a good all-round player, he has good tactics, he has become very confident and you can see that every time.'
「彼(マレー)は今はとてもいい位置にいるよ。スタートがよかったし、ドーハでもよいプレーをしたし、昨年の終わり方は強かったしね。でもブッキー(賭元)がマレーがAOの本命だと言ってると聞いて驚いたね。だって彼はまだグランドスラムに勝っていないのだから。ナヴァク(ジョコヴィッチ)は昨年度のチャンピオンだし、ラファはすごいシーズンだったし、僕はシーズン最後のGSに勝っているし。」
''But look, he has put himself into a great position. He started off well, playing well in Doha, finished strong last year, but it still does surprise me that the bookies say that, because he has never won a slam. Novak (Djokovic) is the defending champion here. Rafa (Nadal) had an incredible season last year. I won the last slam of last season.”
「確かに彼(マレー)は勝てる位置にいると思うけれど、グランドスラムに勝つということは別物なんだ。そんなに多くの選手が勝てていないからね。」
'Sure, he has put himself into a winning position, but still, winning a grand slam is a different animal. Not many guys have been able to win grand slams in the last years.'
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなに大したことは言っていないのですが、「驚いたよ」の表現がよくなかったようです。口は災いのもと、「マレーが本命だって?それは面白いね That's interesting.」くらいに言っておけばよかったかもしれませんね。(interestingという言葉は、否定的な意見を避けるときに使われる便利な言葉です。) そういえば昨年もドバイで負けたときに、「マレーのプレーはそれほど印象的じゃなかったよ。」なんて言って、イギリスのメディアから叩かれてました。後で慌てて誤っていましたが。そのような背景があるために、メディアは面白がって書き立ててるようです。
忘れてはいけないのは、フェデラーは、1月のカタールでマレーに負けたときは、「マレーはグランドスラムに勝てるかという質問には、僕の答えはYesだ。月日が経つにつれてそのチャンスは大きくなるだろうね。彼はますますベターな選手になっているから。」とちゃんとマレーの可能性について肯定的な意見を述べていることです。しかし、フェデラーにとっては、その時期は今年のオーストラリアン・オープンではないということをいいたかったのでしょう。
ジョコヴィッチの発言もそうですが、いくら彼らの英語が堪能であっても、ニュアンスを表現するのは大変むずかしいことなのです。私も息子にときどき注意されますが、外国人の選手にはお手柔らかに願いたいものです。
ちなみに昨年のAOの成績は、マレーは初戦でツォンガに敗退、ジョコヴィッチは優勝、フェデラーは準決勝でジョコヴィッチに敗退しています。
果たして初戦で敗退してしまったマレーは、今年は優勝することができるでしょうか?
「僕にいくら何度も勝ったからってGSに勝てるとはいえないよ。」とスイスのマスターは言いたがってるようです。
ところでマレーのことはこれくらいにして、今日フェデラーvsモヤのエグジビションを観ましたが、フェデラーはモヤに6-2, 6-3で勝ちましたが、ミスの多い、何かすっきりしないテニスでした。何かを試しているのか、単純なミスなのか、意図があってのショットなのか、よく分からないショットが多く理解に苦しみましたが、フェデラーのすごさは、第2セットの5ゲーム目で0-40の大ピンチにもかかわらず、きっちりとサーヴでポイントを押さえブレークを逃れることができるメンタルと技でした。
フェデラーが1月に2度もエグジビションを入れた意図がどのようなものであるのか計りかねますが、安心して彼の試合が観れるように早くコンディションを調整して、オーストラリアン・オープンに臨んでほしいと思います。
以下が「マレーがAOの本命」についてフェデラーのコメントです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「彼(マレー)は以前は調子がよい時や悪い時があってアップダウンしていたけれど、今は確実に安定してきていることは明らかだし、動きはいいし、オールラウンドプレーヤーで、よい作戦も立てられるし、とにかく、彼は自信に満ちてそれが毎回試合に出ているよ。」
.'Before, he was very up and down,' he said. 'But I think he has shown now he is knocking on the door, he has been able to make his move, he is a good all-round player, he has good tactics, he has become very confident and you can see that every time.'
「彼(マレー)は今はとてもいい位置にいるよ。スタートがよかったし、ドーハでもよいプレーをしたし、昨年の終わり方は強かったしね。でもブッキー(賭元)がマレーがAOの本命だと言ってると聞いて驚いたね。だって彼はまだグランドスラムに勝っていないのだから。ナヴァク(ジョコヴィッチ)は昨年度のチャンピオンだし、ラファはすごいシーズンだったし、僕はシーズン最後のGSに勝っているし。」
''But look, he has put himself into a great position. He started off well, playing well in Doha, finished strong last year, but it still does surprise me that the bookies say that, because he has never won a slam. Novak (Djokovic) is the defending champion here. Rafa (Nadal) had an incredible season last year. I won the last slam of last season.”
「確かに彼(マレー)は勝てる位置にいると思うけれど、グランドスラムに勝つということは別物なんだ。そんなに多くの選手が勝てていないからね。」
'Sure, he has put himself into a winning position, but still, winning a grand slam is a different animal. Not many guys have been able to win grand slams in the last years.'
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなに大したことは言っていないのですが、「驚いたよ」の表現がよくなかったようです。口は災いのもと、「マレーが本命だって?それは面白いね That's interesting.」くらいに言っておけばよかったかもしれませんね。(interestingという言葉は、否定的な意見を避けるときに使われる便利な言葉です。) そういえば昨年もドバイで負けたときに、「マレーのプレーはそれほど印象的じゃなかったよ。」なんて言って、イギリスのメディアから叩かれてました。後で慌てて誤っていましたが。そのような背景があるために、メディアは面白がって書き立ててるようです。
忘れてはいけないのは、フェデラーは、1月のカタールでマレーに負けたときは、「マレーはグランドスラムに勝てるかという質問には、僕の答えはYesだ。月日が経つにつれてそのチャンスは大きくなるだろうね。彼はますますベターな選手になっているから。」とちゃんとマレーの可能性について肯定的な意見を述べていることです。しかし、フェデラーにとっては、その時期は今年のオーストラリアン・オープンではないということをいいたかったのでしょう。
ジョコヴィッチの発言もそうですが、いくら彼らの英語が堪能であっても、ニュアンスを表現するのは大変むずかしいことなのです。私も息子にときどき注意されますが、外国人の選手にはお手柔らかに願いたいものです。
ちなみに昨年のAOの成績は、マレーは初戦でツォンガに敗退、ジョコヴィッチは優勝、フェデラーは準決勝でジョコヴィッチに敗退しています。
果たして初戦で敗退してしまったマレーは、今年は優勝することができるでしょうか?
「僕にいくら何度も勝ったからってGSに勝てるとはいえないよ。」とスイスのマスターは言いたがってるようです。
ところでマレーのことはこれくらいにして、今日フェデラーvsモヤのエグジビションを観ましたが、フェデラーはモヤに6-2, 6-3で勝ちましたが、ミスの多い、何かすっきりしないテニスでした。何かを試しているのか、単純なミスなのか、意図があってのショットなのか、よく分からないショットが多く理解に苦しみましたが、フェデラーのすごさは、第2セットの5ゲーム目で0-40の大ピンチにもかかわらず、きっちりとサーヴでポイントを押さえブレークを逃れることができるメンタルと技でした。
フェデラーが1月に2度もエグジビションを入れた意図がどのようなものであるのか計りかねますが、安心して彼の試合が観れるように早くコンディションを調整して、オーストラリアン・オープンに臨んでほしいと思います。
2009年01月14日
「ナダル改造論」とは?
今日はalalaさんがTimeに掲載されたナダルの記事を訳して、まとめていただいた原稿をアップさせていただきます。
この記事は今後のナダルの動向を理解する上で、とても興味深い記事となっています。「ナダルはこれからどのように変化をとげていくのか?」alalaさんに「ナダル改造論」と名付けていただきました。
それにしても、英仏西の3カ国語を訳することができるなんて、なんてすばらしい! alalaさんの才能と寛大さにあらためて畏敬の念を払うと共に感謝深謝です。
........................................................................
by alala
2ヶ月ぶりの実戦に戻ったラファエル・ナダル。
トレードマークだったパイレーツ・スタイルを捨て去り、半そでのポロシャツにこれまでより短めのパンツで、新しいラファを打ち出してきました。
「Time」誌(2009年1月19日号)に、この新しいラファについての記事が載っていました。この記事は去年ベルシーで取材されたもので、見開き2ページにわたるものですが、後半に「ニュー・ラファ」に関する記述がありましたので、その部分をまとめてみました。
ラファ・ファンとしては、新しいラファがこれからどうなっていくのか、とても興味があります。今までの彼でもいて欲しいし、惜しげもなく古いイメージを捨てて新しい自分を見せてくれる彼には頼もしさも感じます。今までどおり全身全霊を込めたプレイをして欲しいとも思うし、少しでも長く現役で活躍する彼を見たい、とも思います。彼のような選手を好きになってしまったファンの幸せと不安を、この記事は伝えてくれているような気がします。
(以下、記事の翻訳とまとめです)
ナダルはコートを離れればシンプルな男だが、コート上では悪党役にキャストされてきた。テニスの純粋主義者たちは、彼の激しく、かつディフェンシブなテニスが愉快なものではないとずっと思ってきたし、フェデラーの流れるようなテニスに比べて、効率が悪いと思ってきた。ところが最近になって、伝説的な名選手たちがナダルに対する考え方を変え始めたのだ。エドバーグは、「現代の選手がナダルを倒すのは不可能だろう」と言っているし、ピート・サンプラスに至っては「自分の14回のグランドスラム優勝記録を抜くのはフェデラーではなく、ナダルだろう」とまで言っている(ナダルの優勝回数は5回。彼より5歳年上のフェデラーが13回)。
しかし、これには諸手をあげて賛成するわけにはいかない。
彼のように激しいゲームをする選手が、この記録を全て塗り替えるだけの長いキャリアを積むことができるだろうか?テニス選手の寿命は、その選手のプレイスタイルによって決まる。一点を取り、一試合を勝つためにかかる時間が長いほど、選手の寿命は短くなるのだ。ナダルの重たいトップスピンは、裏を返せば彼に激しいラリーを強要することになる。筋骨隆々な彼の身体が生み出す爆発的な力は、彼の身体に相当な負担を与えている。クレイやグラスに比べ弾力のないハードコートでのグランドスラム大会で彼がまだ一度も決勝に残ったことがないのは、このことと関係あるだろう。トレイナーのラファ・マイモに「プレイ後ナダルの身体のどこに張りがあるか」と聞いてみた。答えは、「肩、足全体、そして背中」。つまり身体中だ。サンプラスはもっとはっきりと言っている。「ナダルのように1ポイント1ポイント力をこめていたら、いつかどこかが壊れてしまう」。(中略)
ナダルにとっては、一番の問題はあまりにも過密なツアー・スケジュールだ。「来年(2009年)は大変な一年になると思うよ。だって僕は今年すでに相当大変な思いをしたから」と忙し過ぎた一年に不平をもらすナダルの横で、おじのトニーはいかに甥の身体的な負担を軽くして試合をさせるかについて考えている。この数ヶ月ふたりは、少しでもエースを取れるようにサーブのスピードあげ、試合展開を早めるためにネットプレイを改善することに集中してきた。だが一番大きな変化は、ナダルのトレードマークともいえるフォアハンドを徹底的に変えようとしたことである。
パリでナダルの練習を2時間見たが、その時ナダルは今までのように鞭を振るうように腕を頭の後ろまで振り上げるのではなく、身体の前に斜めに出すトラディショナルなフォロースルーの練習をしていた。ナダルがついうっかり今までのように振り上げてしまうとトニーは怒って怒鳴った。ある時など、甥のフォロースルーに不満だったトニーは、コートの上にある大画面にうつった大会のポスターを指差した。そこでは、スイスの選手がフォアハンドを打った後のポーズを決めていて、「打ち返せるものなら、やってみろ」(訳者註:大会のキャッチコピー)と書いてあった。「見ろ!!こういう風に打つんだ!」トニーは「フェデラーは素晴らしい選手だ」と言い、画家のように上下に筆を振る手つきをして、「彼はこんな風にプレイするんだ。本当に軽やかなんだ」と言った。
トニーは甥のナダルに、フェデラーの真似をするように言っているのだろうか?「いや、違う。だってフェデラーは素晴らしすぎるよ」。トニーは言う。「ラファエルは自分らしくプレイをするべきだ。だが、もっとうまくならなくてはならない。(スピンを減らして)もっとはやい展開で点を取らないといけない」。(中略)
ナダルのプレイスタイルを変えることは、より大きな「ナダル改造計画」の一部に過ぎない。この改造計画の核となるのは、ナダルのより成熟したイメージを作ることだ。これがナダル自身の中から自然に出てきたものかどうか言うのは難しい。多くの選手が十代半ばでプロになるため、キャリアを通して大人に成長せずにいることもよくある。
十代後半から二十代前半の選手たちが集まるプレイヤーズ・レストランで一番人気があるのは、キャンディの入った大きなびんが並んでいる一角だ。全体的にこのような状況だとはいえ、それでもナダルだけに見られる子供っぽさというものがある。試合前にミネラルウォーターのびんをきっちり置くルーティンや、ポイントごとにお尻をさわる癖、優勝トロフィーにかみつくいつものポーズなどなど。
ナダルのマネージャーのカルロス・コスタによれば、彼はもう大人になる準備ができている、ということである。お手本となるモデルは、もちろんロジャー・フェデラー。(中略)コスタは言う。「フェデラーとナダルは全く違うタイプの人間です。フェデラーが大人なのに対して、ナダルはもっと子供っぽい。けれど、ナダルがフェデラー並みのものを稼ぐようになれば、このイメージは変えていかなくてはならない。ナダルのスポンサーは若者をターゲットにしているけれど、それでも彼はいつかそういったブランドが、会社を代表する顔として認めてくれるような存在にならなければいけないのです。子供でなくひとりの大人に」。
現にナイキは去年の夏、USオープンでナダルが新しいスタイルのウェアを着ることを発表した。ナイキによるとそれは、テニスのオールドファンにも受けの良さそうな「より成熟した」スタイルだということだったが、大会数日前になってナダルが着心地が悪いと訴えたため、お蔵入りとなった。
このナダルの改造計画は、裏目に出ないだろうか?
たとえ何を変えたとしても、彼の決してへこたれない精神力や自分より秀でた選手すらも圧倒する力など、決して変わらないナダルらしさは残るだろう。が、今の彼を作り上げたのは、伝統を壊そうとする反逆児としての精神に他ならない。だとすれば、よりオーソドックスなテニスを目指すトニーのプランは、他の選手たちの中でも際立ったナダルのオーラをぼやけさせてしまうことにはならないだろうか?
現にこの改革について知ったアンディ・ロディックは、ナダルがスピンを減らすなんて信じられない、と言う。「ナダルと戦う時に一番厄介なのはあのものすごいトップスピンなんです。それを減らすことが良いことだとは思えない」。彼はタイム誌にそう語った。
スポンサーが彼に大人になって欲しいと思おうが、彼は彼であるべきである。ナダルのファンが彼に夢中になるのは、それが彼のリアルな姿だからだ。右利きの彼が左手でラケットを握り、今まで誰も打たなかったような打ち方をするといった、かなり計算され作り上げられた彼の特徴でさえも、破壊本能から生まれたものではないかと思える。テニス界のアンチヒーロー(少なくともコート上では)にとって、「普通」というのはなかなかたどりつくのが難しいものかもしれない。
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by tennisnakama
「ナダルは変化していかなければならないのだろうか?」という提議はとても興味のある提議だと思います。
私はテニスにおいては、「ナダルを変える」のでなく「ナダルを進化」させる必要は、これからのナダルにとって不可欠だと思います。イメージの点では、あの野性的なナダルを殺してしまうことは、彼の個性を殺すことになり残念なことです。新しいウェアについては、袖無しでなくとも、カプリのパンツでなくとも、もう少し彼らしいテニスウェアがあってもよかったかなと思います。野性的であることは、年齢と関係のない個性で、マヨルカの自然児ナダルの本質だと思います。シンプルで自然を愛するナダル。フェデラーはソフィスティケートの象徴。ナダルはシンプリシティーの象徴。彼らの個性をナイキは大切にしてほしいと思います。
テニスの進化ですが、ナダルの今のプレイスタイルは、ナダルのテニス生命を脅かすスタイルであることは、議論の余地がない事実だと思います。今日のテニスは余りにもフィジカルで、ラリーを続けていくベースラインのテニスは再検討が迫られています。早く試合を終わらせるゲーム展開として、ネットプレイの他に、ウィナーがベースラインからとれるショットが必要となってきます。このウィナーショットに欠かせないのが、フラットに近いスピンの軽い速球のダウンザラインとクロスのフォアハンドです。ナダルのスピンのかかりすぎたショットは、サーヴィスラインに落ちることが多く、いくらスピンがかかっていたとしてもウィナーになり辛いからです。
トニーはナダルをマレーのように、武器の多い選手に育てあげようとしているのだと思います。ナダルのスピンを減らすのではなく、スピンの少ないフラット系も打てる選手に育てあげようとしているのではないでしょうか。
2008年のナダルのNo.1とGS2タイトルの偉業のかげには、絶えず「ナダルを完璧な選手」にするための努力がありました。サーヴ、スライス、ヴォレー、深いストロークの向上によって、ナダルのテニスは今までの一面的テニスから、立体的なテニスへと脱皮しつつあります。
フラットのウィナーでゲームポイントを決め・・・
サーヴィスエースでブレークポイントを免れ・・・
ネットプレーで試合を短縮させる・・・
もしこのようなテニスをナダルが身につけることができれば?
サンプラス、フェデラーに優る「史上最強のナダル帝国」の獲物に向かって、牙をむき吠えながら進化し続けるナダル。
すでに現代のテニスをフィジカルに変えてしまったナダルの次の挑戦は、弱点のない、豊富な武器を駆使した完成されたテニスではないかと思います。
この挑戦は短期では実現不可能な挑戦です。オーストラリアン・オープンでナダルが早退してしまったとしても、それは彼が今偉大な構想に向かって試行錯誤の段階にあるとして、失望するのはやめたいと思います。現状に満足せず、絶えず向上をめざす勇気のあるナダルの行為に大きな拍手を送りたいと思います。
この記事は今後のナダルの動向を理解する上で、とても興味深い記事となっています。「ナダルはこれからどのように変化をとげていくのか?」alalaさんに「ナダル改造論」と名付けていただきました。
それにしても、英仏西の3カ国語を訳することができるなんて、なんてすばらしい! alalaさんの才能と寛大さにあらためて畏敬の念を払うと共に感謝深謝です。
........................................................................
by alala
2ヶ月ぶりの実戦に戻ったラファエル・ナダル。
トレードマークだったパイレーツ・スタイルを捨て去り、半そでのポロシャツにこれまでより短めのパンツで、新しいラファを打ち出してきました。
「Time」誌(2009年1月19日号)に、この新しいラファについての記事が載っていました。この記事は去年ベルシーで取材されたもので、見開き2ページにわたるものですが、後半に「ニュー・ラファ」に関する記述がありましたので、その部分をまとめてみました。
ラファ・ファンとしては、新しいラファがこれからどうなっていくのか、とても興味があります。今までの彼でもいて欲しいし、惜しげもなく古いイメージを捨てて新しい自分を見せてくれる彼には頼もしさも感じます。今までどおり全身全霊を込めたプレイをして欲しいとも思うし、少しでも長く現役で活躍する彼を見たい、とも思います。彼のような選手を好きになってしまったファンの幸せと不安を、この記事は伝えてくれているような気がします。
(以下、記事の翻訳とまとめです)
ナダルはコートを離れればシンプルな男だが、コート上では悪党役にキャストされてきた。テニスの純粋主義者たちは、彼の激しく、かつディフェンシブなテニスが愉快なものではないとずっと思ってきたし、フェデラーの流れるようなテニスに比べて、効率が悪いと思ってきた。ところが最近になって、伝説的な名選手たちがナダルに対する考え方を変え始めたのだ。エドバーグは、「現代の選手がナダルを倒すのは不可能だろう」と言っているし、ピート・サンプラスに至っては「自分の14回のグランドスラム優勝記録を抜くのはフェデラーではなく、ナダルだろう」とまで言っている(ナダルの優勝回数は5回。彼より5歳年上のフェデラーが13回)。
しかし、これには諸手をあげて賛成するわけにはいかない。
彼のように激しいゲームをする選手が、この記録を全て塗り替えるだけの長いキャリアを積むことができるだろうか?テニス選手の寿命は、その選手のプレイスタイルによって決まる。一点を取り、一試合を勝つためにかかる時間が長いほど、選手の寿命は短くなるのだ。ナダルの重たいトップスピンは、裏を返せば彼に激しいラリーを強要することになる。筋骨隆々な彼の身体が生み出す爆発的な力は、彼の身体に相当な負担を与えている。クレイやグラスに比べ弾力のないハードコートでのグランドスラム大会で彼がまだ一度も決勝に残ったことがないのは、このことと関係あるだろう。トレイナーのラファ・マイモに「プレイ後ナダルの身体のどこに張りがあるか」と聞いてみた。答えは、「肩、足全体、そして背中」。つまり身体中だ。サンプラスはもっとはっきりと言っている。「ナダルのように1ポイント1ポイント力をこめていたら、いつかどこかが壊れてしまう」。(中略)
ナダルにとっては、一番の問題はあまりにも過密なツアー・スケジュールだ。「来年(2009年)は大変な一年になると思うよ。だって僕は今年すでに相当大変な思いをしたから」と忙し過ぎた一年に不平をもらすナダルの横で、おじのトニーはいかに甥の身体的な負担を軽くして試合をさせるかについて考えている。この数ヶ月ふたりは、少しでもエースを取れるようにサーブのスピードあげ、試合展開を早めるためにネットプレイを改善することに集中してきた。だが一番大きな変化は、ナダルのトレードマークともいえるフォアハンドを徹底的に変えようとしたことである。
パリでナダルの練習を2時間見たが、その時ナダルは今までのように鞭を振るうように腕を頭の後ろまで振り上げるのではなく、身体の前に斜めに出すトラディショナルなフォロースルーの練習をしていた。ナダルがついうっかり今までのように振り上げてしまうとトニーは怒って怒鳴った。ある時など、甥のフォロースルーに不満だったトニーは、コートの上にある大画面にうつった大会のポスターを指差した。そこでは、スイスの選手がフォアハンドを打った後のポーズを決めていて、「打ち返せるものなら、やってみろ」(訳者註:大会のキャッチコピー)と書いてあった。「見ろ!!こういう風に打つんだ!」トニーは「フェデラーは素晴らしい選手だ」と言い、画家のように上下に筆を振る手つきをして、「彼はこんな風にプレイするんだ。本当に軽やかなんだ」と言った。
トニーは甥のナダルに、フェデラーの真似をするように言っているのだろうか?「いや、違う。だってフェデラーは素晴らしすぎるよ」。トニーは言う。「ラファエルは自分らしくプレイをするべきだ。だが、もっとうまくならなくてはならない。(スピンを減らして)もっとはやい展開で点を取らないといけない」。(中略)
ナダルのプレイスタイルを変えることは、より大きな「ナダル改造計画」の一部に過ぎない。この改造計画の核となるのは、ナダルのより成熟したイメージを作ることだ。これがナダル自身の中から自然に出てきたものかどうか言うのは難しい。多くの選手が十代半ばでプロになるため、キャリアを通して大人に成長せずにいることもよくある。
十代後半から二十代前半の選手たちが集まるプレイヤーズ・レストランで一番人気があるのは、キャンディの入った大きなびんが並んでいる一角だ。全体的にこのような状況だとはいえ、それでもナダルだけに見られる子供っぽさというものがある。試合前にミネラルウォーターのびんをきっちり置くルーティンや、ポイントごとにお尻をさわる癖、優勝トロフィーにかみつくいつものポーズなどなど。
ナダルのマネージャーのカルロス・コスタによれば、彼はもう大人になる準備ができている、ということである。お手本となるモデルは、もちろんロジャー・フェデラー。(中略)コスタは言う。「フェデラーとナダルは全く違うタイプの人間です。フェデラーが大人なのに対して、ナダルはもっと子供っぽい。けれど、ナダルがフェデラー並みのものを稼ぐようになれば、このイメージは変えていかなくてはならない。ナダルのスポンサーは若者をターゲットにしているけれど、それでも彼はいつかそういったブランドが、会社を代表する顔として認めてくれるような存在にならなければいけないのです。子供でなくひとりの大人に」。
現にナイキは去年の夏、USオープンでナダルが新しいスタイルのウェアを着ることを発表した。ナイキによるとそれは、テニスのオールドファンにも受けの良さそうな「より成熟した」スタイルだということだったが、大会数日前になってナダルが着心地が悪いと訴えたため、お蔵入りとなった。
このナダルの改造計画は、裏目に出ないだろうか?
たとえ何を変えたとしても、彼の決してへこたれない精神力や自分より秀でた選手すらも圧倒する力など、決して変わらないナダルらしさは残るだろう。が、今の彼を作り上げたのは、伝統を壊そうとする反逆児としての精神に他ならない。だとすれば、よりオーソドックスなテニスを目指すトニーのプランは、他の選手たちの中でも際立ったナダルのオーラをぼやけさせてしまうことにはならないだろうか?
現にこの改革について知ったアンディ・ロディックは、ナダルがスピンを減らすなんて信じられない、と言う。「ナダルと戦う時に一番厄介なのはあのものすごいトップスピンなんです。それを減らすことが良いことだとは思えない」。彼はタイム誌にそう語った。
スポンサーが彼に大人になって欲しいと思おうが、彼は彼であるべきである。ナダルのファンが彼に夢中になるのは、それが彼のリアルな姿だからだ。右利きの彼が左手でラケットを握り、今まで誰も打たなかったような打ち方をするといった、かなり計算され作り上げられた彼の特徴でさえも、破壊本能から生まれたものではないかと思える。テニス界のアンチヒーロー(少なくともコート上では)にとって、「普通」というのはなかなかたどりつくのが難しいものかもしれない。
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by tennisnakama
「ナダルは変化していかなければならないのだろうか?」という提議はとても興味のある提議だと思います。
私はテニスにおいては、「ナダルを変える」のでなく「ナダルを進化」させる必要は、これからのナダルにとって不可欠だと思います。イメージの点では、あの野性的なナダルを殺してしまうことは、彼の個性を殺すことになり残念なことです。新しいウェアについては、袖無しでなくとも、カプリのパンツでなくとも、もう少し彼らしいテニスウェアがあってもよかったかなと思います。野性的であることは、年齢と関係のない個性で、マヨルカの自然児ナダルの本質だと思います。シンプルで自然を愛するナダル。フェデラーはソフィスティケートの象徴。ナダルはシンプリシティーの象徴。彼らの個性をナイキは大切にしてほしいと思います。
テニスの進化ですが、ナダルの今のプレイスタイルは、ナダルのテニス生命を脅かすスタイルであることは、議論の余地がない事実だと思います。今日のテニスは余りにもフィジカルで、ラリーを続けていくベースラインのテニスは再検討が迫られています。早く試合を終わらせるゲーム展開として、ネットプレイの他に、ウィナーがベースラインからとれるショットが必要となってきます。このウィナーショットに欠かせないのが、フラットに近いスピンの軽い速球のダウンザラインとクロスのフォアハンドです。ナダルのスピンのかかりすぎたショットは、サーヴィスラインに落ちることが多く、いくらスピンがかかっていたとしてもウィナーになり辛いからです。
トニーはナダルをマレーのように、武器の多い選手に育てあげようとしているのだと思います。ナダルのスピンを減らすのではなく、スピンの少ないフラット系も打てる選手に育てあげようとしているのではないでしょうか。
2008年のナダルのNo.1とGS2タイトルの偉業のかげには、絶えず「ナダルを完璧な選手」にするための努力がありました。サーヴ、スライス、ヴォレー、深いストロークの向上によって、ナダルのテニスは今までの一面的テニスから、立体的なテニスへと脱皮しつつあります。
フラットのウィナーでゲームポイントを決め・・・
サーヴィスエースでブレークポイントを免れ・・・
ネットプレーで試合を短縮させる・・・
もしこのようなテニスをナダルが身につけることができれば?
サンプラス、フェデラーに優る「史上最強のナダル帝国」の獲物に向かって、牙をむき吠えながら進化し続けるナダル。
すでに現代のテニスをフィジカルに変えてしまったナダルの次の挑戦は、弱点のない、豊富な武器を駆使した完成されたテニスではないかと思います。
この挑戦は短期では実現不可能な挑戦です。オーストラリアン・オープンでナダルが早退してしまったとしても、それは彼が今偉大な構想に向かって試行錯誤の段階にあるとして、失望するのはやめたいと思います。現状に満足せず、絶えず向上をめざす勇気のあるナダルの行為に大きな拍手を送りたいと思います。
2009年01月13日
速報:錦織早期回復の見通し
圭君のマネージャーから以下のようなメールが入り、オーストラリアン・オープンには腕の故障は問題なく完治する予定という、嬉しいニュースが入りました!
プライベートのメールですので、彼のメールは掲載できませんが、できるだけ忠実に翻訳しました。
from オリヴァー・ヴァンリンドンク
「 Keiの最新情報をお知らせします。
(1)ブリスベインでのマテューとの試合で、Keiの右腕はすこしタイトになりました。ATPのトレーナーと、同行しているボレテリのフィジカル・セラピストのケヴン・マードックから検査をうけ、治療期間4~5日の炎症であることに意見が一致しました。この痛みはシーズン始めによく起こる軽い炎症からくるもので、8週間休んでいた選手が、シーズン前に激しいトレーニングをすることによって起こる典型的な炎症だということです。
この腕の怪我は軽症で、2~3日のセラピーで、オーストラリアン・オープンには支障がないと思います。 Keiのメディカルチームの判断では、 長期に長引く兆候はみられないので、来週の月曜から直ちに試合ができそうだということです。
(2) Keiは3月の中国とのデ杯をとても楽しみにしています。 今朝 Keiはこのようにデ杯について語ってくれました。
「デ杯は僕にとってはとても大切な大会です。日本から離れてフロリダのボレテリでトレーニングをうけているけれど、母国の日本の代表になって戦えることは僕にとって大きな誇りです。日本でプレイがあまりできないので、日本のファンの皆さんの前でプレイできるのが楽しみです。」
尚、デ杯は大阪で3月6、7、8日の3日間行われます。」
よかった、よかった! これでホッとしましたね。
余談ですが、圭君がブリスベイン前のインターヴュービデオで( http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/155747.html )、ステパネックと5セットマッチをやって、コテンパテンに負けてしまった話をしてましたが、あの話を聞いたとき、一瞬大丈夫かな?5セットなんてと気になっていたんです。トレーニングのやりすぎだったのかもしれませんね。圭君にボロ勝ちしたステパネックは、圭君によるとすごいフィットしていたということですから、ブリスベインでべルダスコを破って優勝してしまいました。
(追記)
マネージャーからリンクのお願いです。
ボレテリのテニスアカデミーの短期、長期の留学に興味のある方は、以下のウェブサイトをご覧になってください。
もしアカデミーについて質問のある場合は、日本語でのお問い合わせは、IMGのNakajimaさんの以下のアドレスにお願いいたします。
Mr. Sato Nakajima
Tel: (+1)941 962 9060.
Email: snakajim@verizon.net
留学案内サイト:
http://www.imgacademies.com/nick-bollettieri-tennis-academy/
プライベートのメールですので、彼のメールは掲載できませんが、できるだけ忠実に翻訳しました。
from オリヴァー・ヴァンリンドンク
「 Keiの最新情報をお知らせします。
(1)ブリスベインでのマテューとの試合で、Keiの右腕はすこしタイトになりました。ATPのトレーナーと、同行しているボレテリのフィジカル・セラピストのケヴン・マードックから検査をうけ、治療期間4~5日の炎症であることに意見が一致しました。この痛みはシーズン始めによく起こる軽い炎症からくるもので、8週間休んでいた選手が、シーズン前に激しいトレーニングをすることによって起こる典型的な炎症だということです。
この腕の怪我は軽症で、2~3日のセラピーで、オーストラリアン・オープンには支障がないと思います。 Keiのメディカルチームの判断では、 長期に長引く兆候はみられないので、来週の月曜から直ちに試合ができそうだということです。
(2) Keiは3月の中国とのデ杯をとても楽しみにしています。 今朝 Keiはこのようにデ杯について語ってくれました。
「デ杯は僕にとってはとても大切な大会です。日本から離れてフロリダのボレテリでトレーニングをうけているけれど、母国の日本の代表になって戦えることは僕にとって大きな誇りです。日本でプレイがあまりできないので、日本のファンの皆さんの前でプレイできるのが楽しみです。」
尚、デ杯は大阪で3月6、7、8日の3日間行われます。」
よかった、よかった! これでホッとしましたね。
余談ですが、圭君がブリスベイン前のインターヴュービデオで( http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/155747.html )、ステパネックと5セットマッチをやって、コテンパテンに負けてしまった話をしてましたが、あの話を聞いたとき、一瞬大丈夫かな?5セットなんてと気になっていたんです。トレーニングのやりすぎだったのかもしれませんね。圭君にボロ勝ちしたステパネックは、圭君によるとすごいフィットしていたということですから、ブリスベインでべルダスコを破って優勝してしまいました。
(追記)
マネージャーからリンクのお願いです。
ボレテリのテニスアカデミーの短期、長期の留学に興味のある方は、以下のウェブサイトをご覧になってください。
もしアカデミーについて質問のある場合は、日本語でのお問い合わせは、IMGのNakajimaさんの以下のアドレスにお願いいたします。
Mr. Sato Nakajima
Tel: (+1)941 962 9060.
Email: snakajim@verizon.net
留学案内サイト:
http://www.imgacademies.com/nick-bollettieri-tennis-academy/
2009年01月13日
錦織が59位へ
テニス仲間の皆様、
しばらく更新するのを休んでしまってご心配をおかけしました。
金曜の夜のパーティあとダウンしてしまいました。風邪気味な上に、時差の関係で試合観戦が夜中になり、 一週間睡眠時間をほとんどとらなかったことは、ちょっときつかったようです。私の休筆中に、コメントを書き続けてくださった方々に心からお礼を申し上げます。大変助かりました。
錦織選手は、残念ながら予想していた通り、オークランドの初戦、対フェレーロ戦を第1セットでリタイアしましたね。あのマテュー戦でみせた痛そうな顔は2~3日で治る怪我ではないような感じでしたので、オークランドには出ない方がよいと思っていましたが・・・腕の調子を試したかったのでしょうね。
MTOについて:
私は今までメディカル・タイムアウトについて何度か書いてきましたが、MTOをとること自体に批判的ではありません。問題はMTOの取り方です。ボクシングのラウンドの合間のマッサージのような感じで、カジュアルに受ける選手が多く、その後まったく何の問題もなく走りまわるパーフォーマンスをみると、彼らの怪我に疑問を抱かざるを得ないときがあるからです。昨年はUS Openでジョコヴィッチが何度もMTOをとってロブレドに勝ってしまった試合で、多くの人がフェアでないと感じたのは、彼のMTO の取り方にあったと思います。
しかし今回の圭君のMTOは、あの時点でベストな判断だったと思います。痛みが激しいときは、トレーナーを呼びアドヴァイスを受けるのは賢明な判断で、3-4の MTO の後、再度トライした態度も彼なりにベストを尽くしたことで、観客も納得してくれたと思います。
あとはオーストラリアン・オープンへの調整ですが、圭君のドクターも言っているように、ここ2年は怪我との戦いになることが予想され要注意です。
ではどのようにして圭君が59位に上がったのでしょうか?
今年から新しくシステムが変わり、ポイント数も倍ちかくが与えられることになり戸惑いますが、これから圭君の試合を追っていきながら、新しいポイント計算とランキングの仕組みについて徐々に述べていきたいと思っています。
圭君は先週のブリスベインで、バーディッチを倒してQFに進出しましたが、残念ながら腕の痛みもあって、マテューに負けてしまったことは記憶に新しいと思います。
ブリスベイン大会はATPワールドツアー250に属し、優勝者には250ポイントが与えられます。ポイントの配分は以下のようになります。
W(優勝)- 250
F(準優勝)- 150
SF- 90
QF- 45
R16- 20
R32- 0
圭君はQF(準々決勝)まで進出しましたので、45ポイントを獲得しました。
63位
2008年12月29日のポイントは640でランキングは63位でした。
61位
2009年1月5日には、ポイントが新システムのもとで、640の2倍の1280へ。ランキングは61位へアップしました。
59位
2009年の第2週、1月12日には、ブリスベインの45ポイントが加わって1325に。昨年の差し引かれるポイントがなく、総合ポイントは1325のままとなり、ランキングは59位へ。
圭君のランキングを例に用いたのは、新しいシステムを理解する上で、もっとも分かり易いと思ったからで、決して彼のランキングに一喜一憂をしているのではありません。もちろん上がれば嬉しいですが、彼がどのような状態に立たされているのか、また大会の選択の背景にはどのような事情があるのかなど、よりよく理解できればという視点から、しばらく彼のランキングを追いながら新システムについて書いてみたいと思います。
しばらく更新するのを休んでしまってご心配をおかけしました。
金曜の夜のパーティあとダウンしてしまいました。風邪気味な上に、時差の関係で試合観戦が夜中になり、 一週間睡眠時間をほとんどとらなかったことは、ちょっときつかったようです。私の休筆中に、コメントを書き続けてくださった方々に心からお礼を申し上げます。大変助かりました。
錦織選手は、残念ながら予想していた通り、オークランドの初戦、対フェレーロ戦を第1セットでリタイアしましたね。あのマテュー戦でみせた痛そうな顔は2~3日で治る怪我ではないような感じでしたので、オークランドには出ない方がよいと思っていましたが・・・腕の調子を試したかったのでしょうね。
MTOについて:
私は今までメディカル・タイムアウトについて何度か書いてきましたが、MTOをとること自体に批判的ではありません。問題はMTOの取り方です。ボクシングのラウンドの合間のマッサージのような感じで、カジュアルに受ける選手が多く、その後まったく何の問題もなく走りまわるパーフォーマンスをみると、彼らの怪我に疑問を抱かざるを得ないときがあるからです。昨年はUS Openでジョコヴィッチが何度もMTOをとってロブレドに勝ってしまった試合で、多くの人がフェアでないと感じたのは、彼のMTO の取り方にあったと思います。
しかし今回の圭君のMTOは、あの時点でベストな判断だったと思います。痛みが激しいときは、トレーナーを呼びアドヴァイスを受けるのは賢明な判断で、3-4の MTO の後、再度トライした態度も彼なりにベストを尽くしたことで、観客も納得してくれたと思います。
あとはオーストラリアン・オープンへの調整ですが、圭君のドクターも言っているように、ここ2年は怪我との戦いになることが予想され要注意です。
ではどのようにして圭君が59位に上がったのでしょうか?
今年から新しくシステムが変わり、ポイント数も倍ちかくが与えられることになり戸惑いますが、これから圭君の試合を追っていきながら、新しいポイント計算とランキングの仕組みについて徐々に述べていきたいと思っています。
圭君は先週のブリスベインで、バーディッチを倒してQFに進出しましたが、残念ながら腕の痛みもあって、マテューに負けてしまったことは記憶に新しいと思います。
ブリスベイン大会はATPワールドツアー250に属し、優勝者には250ポイントが与えられます。ポイントの配分は以下のようになります。
W(優勝)- 250
F(準優勝)- 150
SF- 90
QF- 45
R16- 20
R32- 0
圭君はQF(準々決勝)まで進出しましたので、45ポイントを獲得しました。
63位
2008年12月29日のポイントは640でランキングは63位でした。
61位
2009年1月5日には、ポイントが新システムのもとで、640の2倍の1280へ。ランキングは61位へアップしました。
59位
2009年の第2週、1月12日には、ブリスベインの45ポイントが加わって1325に。昨年の差し引かれるポイントがなく、総合ポイントは1325のままとなり、ランキングは59位へ。
圭君のランキングを例に用いたのは、新しいシステムを理解する上で、もっとも分かり易いと思ったからで、決して彼のランキングに一喜一憂をしているのではありません。もちろん上がれば嬉しいですが、彼がどのような状態に立たされているのか、また大会の選択の背景にはどのような事情があるのかなど、よりよく理解できればという視点から、しばらく彼のランキングを追いながら新システムについて書いてみたいと思います。
2009年01月09日
ナダルに勝ったモンフィスとは?
ドーハの大会のQFで、モンフィスがナダルを倒しました。
以前ツォンガが「トップ10の選手は誰でもNo.1になれると思っているよ。」と語っていましたが、13位のモンフィスは、2セットのストレートで世界No.1のナダルを6-4, 6-4で倒して準決勝に進出となりました。
22才のモンフィスは、 2004年に世界ジュニア No.1になっています。その年には、全豪、全仏、ウィンブルドンのGS3冠をとり、ガスケと並んでフランスの輝ける未来の星でした。しかしプロになってからは怪我が頻発し、しかもベースラインから3mほど下がったカウンターパンチャーでは限界があり、なかなか実力が発揮できず、フランスの期待を裏切ってトップ10の仲間入りも実現できないでいます。マッケンローが解説で「なぜもっとベースライン近くで打たない!」とよくこぼしていましたが、長い間50~60位をウロウロするもったいない選手の一人だったのです。
サフィンが一度モンフィスと練習試合をして、彼にコテンパテンに負けてしまったとき、「なんでこんな順位なんだい? 君ならトップ選手になれる実力があるのに!」とびっくりしたという記事を読んだことがあります。
モンフィスの最大の武器 は、あの長い手と長身の体から生まれる220kmの炸裂するミサイルサーヴです。ロディックのスタイルに似て(ジュニア時代にロディックの真似をしていたという噂)、サーヴがよいときはブレークされにくく、そのために試合が長引くこともあり、2006年の全仏では3試合連続5セットにもつれ込んだこともあります。抜群の運動神経と、長い手足によるコートカヴァリングで、どんなに振られても球をコートに返してしまうためか、つい長いラリーになってしまうようです。
そのモンフィスのplaying styleが変わりました。デフェンスプレーヤーだったモンフィスがオフェンスプレーヤーに生まれ変わったのです。今までの武器であった両手バックハンドのクロスコートに、爆発的なフォアハンドのインサイドアウト(日本では逆クロス)が加わって、なんと35ものウィナーを決めました(ナダルのウィナーは10)。ナダルの調子の良い日は、深いショットが入りますが、今日はスピンがかかりすぎたショートボールが多かったせいか、モンフィスから叩かれました。
ナダルのもう一つの問題はサーヴです。上達したとはいえ、まだ武器にはなっていません。ナダルの第1サーヴの確率は73%と高いですが、実はこの数字はあまりあてにならないのです。大切なのはサーヴの質です。ナダルはモンフィスのサーヴがよいために、リターンの得点率はわずか18%、これではなかなかリターンでポイントがとれなかったことを意味しています。ということはブレークできるチャンスが少なかったわけで、ナダルはたったの1回しかブレークポイントを取れておれません。逆にナダルの第1サーヴの37%をリターンの得点に結びつけたモンフィスは、7回もブレークポイントをナダルから奪っています。
フランスの選手はガスケのようなオールラウンダーが多く、いろんなショットを披露してくれるので好きなのですが、今日のモンフィスは攻撃と守備をうまく混合させ、しかも信じられないような超アングルのハーフヴォレーなども見せてくれて、ダイナミックなテニスの醍醐味を味わせてくれました。
「今日は自然なテニスができた。それにものすごくフォーカスできてパーフェクトなスタートを切れた。ラファはラファだよ。僕は十分競争していける自分を信じている。」とモンフィスは自信に満ちて語っています。
「今日は良い出来じゃなかった。チャンスもあったけれど逃してしまったし。今日のモンフィスはすごくアグレッシヴでサーヴもよかった。シーズンの始めはむずかしい。2~3日ドーハにいるけど其のあとはオーストラリアに飛んで、トレーニングをしっかりやるつもりだ。」とナダルは決意をあたらにしました。
(追記)ナダルはシングルスで負けてしまったものの、ダブルスではマークロペスと組んで決勝まであがってしまいました。決勝ではダブルスの世界No.1ペアのネスター/ジモニッチと戦います。これってすごくナダルにプラスですし、気分転換になってよかったと思います。
以前ツォンガが「トップ10の選手は誰でもNo.1になれると思っているよ。」と語っていましたが、13位のモンフィスは、2セットのストレートで世界No.1のナダルを6-4, 6-4で倒して準決勝に進出となりました。
22才のモンフィスは、 2004年に世界ジュニア No.1になっています。その年には、全豪、全仏、ウィンブルドンのGS3冠をとり、ガスケと並んでフランスの輝ける未来の星でした。しかしプロになってからは怪我が頻発し、しかもベースラインから3mほど下がったカウンターパンチャーでは限界があり、なかなか実力が発揮できず、フランスの期待を裏切ってトップ10の仲間入りも実現できないでいます。マッケンローが解説で「なぜもっとベースライン近くで打たない!」とよくこぼしていましたが、長い間50~60位をウロウロするもったいない選手の一人だったのです。
サフィンが一度モンフィスと練習試合をして、彼にコテンパテンに負けてしまったとき、「なんでこんな順位なんだい? 君ならトップ選手になれる実力があるのに!」とびっくりしたという記事を読んだことがあります。
モンフィスの最大の武器 は、あの長い手と長身の体から生まれる220kmの炸裂するミサイルサーヴです。ロディックのスタイルに似て(ジュニア時代にロディックの真似をしていたという噂)、サーヴがよいときはブレークされにくく、そのために試合が長引くこともあり、2006年の全仏では3試合連続5セットにもつれ込んだこともあります。抜群の運動神経と、長い手足によるコートカヴァリングで、どんなに振られても球をコートに返してしまうためか、つい長いラリーになってしまうようです。
そのモンフィスのplaying styleが変わりました。デフェンスプレーヤーだったモンフィスがオフェンスプレーヤーに生まれ変わったのです。今までの武器であった両手バックハンドのクロスコートに、爆発的なフォアハンドのインサイドアウト(日本では逆クロス)が加わって、なんと35ものウィナーを決めました(ナダルのウィナーは10)。ナダルの調子の良い日は、深いショットが入りますが、今日はスピンがかかりすぎたショートボールが多かったせいか、モンフィスから叩かれました。
ナダルのもう一つの問題はサーヴです。上達したとはいえ、まだ武器にはなっていません。ナダルの第1サーヴの確率は73%と高いですが、実はこの数字はあまりあてにならないのです。大切なのはサーヴの質です。ナダルはモンフィスのサーヴがよいために、リターンの得点率はわずか18%、これではなかなかリターンでポイントがとれなかったことを意味しています。ということはブレークできるチャンスが少なかったわけで、ナダルはたったの1回しかブレークポイントを取れておれません。逆にナダルの第1サーヴの37%をリターンの得点に結びつけたモンフィスは、7回もブレークポイントをナダルから奪っています。
フランスの選手はガスケのようなオールラウンダーが多く、いろんなショットを披露してくれるので好きなのですが、今日のモンフィスは攻撃と守備をうまく混合させ、しかも信じられないような超アングルのハーフヴォレーなども見せてくれて、ダイナミックなテニスの醍醐味を味わせてくれました。
「今日は自然なテニスができた。それにものすごくフォーカスできてパーフェクトなスタートを切れた。ラファはラファだよ。僕は十分競争していける自分を信じている。」とモンフィスは自信に満ちて語っています。
「今日は良い出来じゃなかった。チャンスもあったけれど逃してしまったし。今日のモンフィスはすごくアグレッシヴでサーヴもよかった。シーズンの始めはむずかしい。2~3日ドーハにいるけど其のあとはオーストラリアに飛んで、トレーニングをしっかりやるつもりだ。」とナダルは決意をあたらにしました。
(追記)ナダルはシングルスで負けてしまったものの、ダブルスではマークロペスと組んで決勝まであがってしまいました。決勝ではダブルスの世界No.1ペアのネスター/ジモニッチと戦います。これってすごくナダルにプラスですし、気分転換になってよかったと思います。
2009年01月08日
錦織、腕を痛めて敗退
NY時間の朝5時半から錦織選手のブリスベインのQFが始まるのは分かっていましたが、ついに起きることができず、コンピューターをオンにしたときは、すでに圭君が1-3でブレークされておりました。
途中からですが、錦織 vs マテュー戦を、圭君を中心に簡単に再現してみます。
Brisbane: QF Nishikori vs Mathieu
第1セット
1-3 マテューのサーヴ
圭君の華麗なドロップショットがでました!解説者も褒め讃える簡単そうにみえるむずかしいショットです。
マテューのダブルフォルトでラッキーなブレークでした。
2-3 錦織のサーヴ
圭君のフォアハンドのアングルクロスが見事に決まりました。
圭君は大胆にもコート内に入って、ライジングでフォアハンドのクロスでウィナーを決めます。このフォアハンドクロスはバーディッチを苦しめた恐るべき武器です。
しかし圭君の第2サーヴが狙われ、マテューからリターンウィナーをとられます。
幾度かデュースを重ねて、サーヴィスゲームを守りきれずブレークされてしまいました。
2-4 マテューのサーヴ
マテューのキックサーヴがよく、圭君はなかなかリターンができません。
2-5 錦織のサーヴ
圭君のサーヴがよくなり、コースが決まって40-0でゲームをホールドしました。
3-5 マテューのサーヴ
マテューの精度の高いフォアハンドとバックハンドで圭君は左右に振られてとれず。
振られながらも、走りこんで圭君は15-30で大胆なフォアハンドのアングルクロスでウィナーを決めました。(拍手)
しかしマテューのサーヴは鋭く、圭君はリターンができずに3-6で第1セットが終わりました。
第2セット
汗びっしょりの圭君はシャツを着替えます。US Openでもそうでしたが、ちかくでみるとすごい汗をかいて、ショーツまで着替えにトイレに行くほどでした。
0-0 錦織のサーヴ
圭君はベースラインからフォアハンドでチップ。このヴォレーはネットすれすれに入ってマテューの足下に。マテューはとれずにネット。
バーディッチ戦ではバックハンドにミスが多かった圭君でしたが、今日はみちがえるほど安定して、特にダウンザラインが決まってサーヴィスゲームをホールドしました。
1-0 マテューのサーヴ
マテューのサーヴがよく、また圭君が勝ち急ぎでミスがつづいて40-0でゲーム終了。
1-1 錦織のサーヴ
しかし圭君も負けていません。フォアハンドのアングルクロスのウィナーです。そしてフェデラーのようなハーフヴォレーをベースラインから決めて観客は大喜び。あとの2ポイントはサーヴィスウィナーで40-0でサーヴィスゲームをホールドしました。
2-1 マテューのサーヴ
ここで圭君はメディカル・タイムアウトをとってトレーナーを呼びます。
右肘が痛いようでマッサージを受けますが、とても痛そうな顔をしています。大丈夫でしょうか。あれほど痛いのなら、ここでリタイアしてもよいのにと心配です。
圭君は右腕を使いたくないのかバックハンドが増えてきました。今日のバックハンドは好調でクロスでウィナーをとりデュースに持ち込みます。ブレークチャンスがでてきました。
Air-Kがでました!(腕は大丈夫? 汗)解説者は待ってましたとばかり、「まるでサンプラスのジャンピング・スマッシュのようですね!」と嬉しそうです。とにかく華があって観客も大喜び(大拍手)
この4ゲーム目は圭君のねばり根性で、息を飲むような激しいラリーのすえ、2度にわたるスペクタキュラーなバックハンドのダウンザラインでデュースに挽回しましたが、マテューのサーヴがリターンできずにブレークチャンスを逃してしまいました。
2-2 錦織のサーヴ
ここから圭君は第1サーヴが入らなくなってきました。第2サーヴをマテューにアタックされ続けています。しかしバックハンドでウィナーを決めながら圭君は、最後はデュースからサーヴィスウィナーを決め、とりあえずサーヴィスゲームをホールドできました。が・・・
再びトレーナーがやってきました。今度は女性もやってきました。(医者?)同じ箇所ではメディカル・タイムアウトがとれないので、今度は肩をマッサージしてもらってます。本当に大丈夫でしょうか? 薬をもらって試合再開です。解説者も「ひどくならなければよいが」と心配しています。
3-2 マテューのサーヴ
ネットダッシュしたマテューにトップスピンで完璧なロブで圭君のポイント。
30-30で圭君のバックハンドのダウンザラインが、しかしミスってしまったときは、会場が「あ~あ !」という深いため息。怪我を押して頑張る圭君に、頑張ってほしいという皆の気持ちが会場に満ちています。
4-4 錦織のサーヴ
8ゲームまでブレークなしの緊張した試合がつづきます。試合を早く終わらせたいのか、圭君はサーヴ&ヴォレーを試みましたが、パッシングショットで抜かれてしまいました。ブレークされてしまいました。
4-5 マテューのサーヴ
圭君は最後まで戦いぬきデュースにまで持ち込みます。ドロップショットも決まり、バックハンドでウィナーも決めましたが、マテューのサーヴがよくブレークできませんでした。圭君が失敗すると会場から「あ~あ !」というため息が漏れ、皆圭君を応援してくれる気持ちが伝わってジーンと胸を打たれました。
第2セットは腕の痛みを押さえながら、4-6と本当によく頑張りました。マテューは今までの中で最高のテニスをみせ、圭君の怪我がなければ勝っていたかどうか分かりませんが、それにしても圭君のがんばりには脱帽です。
12日からはじまるオークランド大会までに、じっくり休養して腕と肩の全快を祈るばかりです。
途中からですが、錦織 vs マテュー戦を、圭君を中心に簡単に再現してみます。
Brisbane: QF Nishikori vs Mathieu
第1セット
1-3 マテューのサーヴ
圭君の華麗なドロップショットがでました!解説者も褒め讃える簡単そうにみえるむずかしいショットです。
マテューのダブルフォルトでラッキーなブレークでした。
2-3 錦織のサーヴ
圭君のフォアハンドのアングルクロスが見事に決まりました。
圭君は大胆にもコート内に入って、ライジングでフォアハンドのクロスでウィナーを決めます。このフォアハンドクロスはバーディッチを苦しめた恐るべき武器です。
しかし圭君の第2サーヴが狙われ、マテューからリターンウィナーをとられます。
幾度かデュースを重ねて、サーヴィスゲームを守りきれずブレークされてしまいました。
2-4 マテューのサーヴ
マテューのキックサーヴがよく、圭君はなかなかリターンができません。
2-5 錦織のサーヴ
圭君のサーヴがよくなり、コースが決まって40-0でゲームをホールドしました。
3-5 マテューのサーヴ
マテューの精度の高いフォアハンドとバックハンドで圭君は左右に振られてとれず。
振られながらも、走りこんで圭君は15-30で大胆なフォアハンドのアングルクロスでウィナーを決めました。(拍手)
しかしマテューのサーヴは鋭く、圭君はリターンができずに3-6で第1セットが終わりました。
第2セット
汗びっしょりの圭君はシャツを着替えます。US Openでもそうでしたが、ちかくでみるとすごい汗をかいて、ショーツまで着替えにトイレに行くほどでした。
0-0 錦織のサーヴ
圭君はベースラインからフォアハンドでチップ。このヴォレーはネットすれすれに入ってマテューの足下に。マテューはとれずにネット。
バーディッチ戦ではバックハンドにミスが多かった圭君でしたが、今日はみちがえるほど安定して、特にダウンザラインが決まってサーヴィスゲームをホールドしました。
1-0 マテューのサーヴ
マテューのサーヴがよく、また圭君が勝ち急ぎでミスがつづいて40-0でゲーム終了。
1-1 錦織のサーヴ
しかし圭君も負けていません。フォアハンドのアングルクロスのウィナーです。そしてフェデラーのようなハーフヴォレーをベースラインから決めて観客は大喜び。あとの2ポイントはサーヴィスウィナーで40-0でサーヴィスゲームをホールドしました。
2-1 マテューのサーヴ
ここで圭君はメディカル・タイムアウトをとってトレーナーを呼びます。
右肘が痛いようでマッサージを受けますが、とても痛そうな顔をしています。大丈夫でしょうか。あれほど痛いのなら、ここでリタイアしてもよいのにと心配です。
圭君は右腕を使いたくないのかバックハンドが増えてきました。今日のバックハンドは好調でクロスでウィナーをとりデュースに持ち込みます。ブレークチャンスがでてきました。
Air-Kがでました!(腕は大丈夫? 汗)解説者は待ってましたとばかり、「まるでサンプラスのジャンピング・スマッシュのようですね!」と嬉しそうです。とにかく華があって観客も大喜び(大拍手)
この4ゲーム目は圭君のねばり根性で、息を飲むような激しいラリーのすえ、2度にわたるスペクタキュラーなバックハンドのダウンザラインでデュースに挽回しましたが、マテューのサーヴがリターンできずにブレークチャンスを逃してしまいました。
2-2 錦織のサーヴ
ここから圭君は第1サーヴが入らなくなってきました。第2サーヴをマテューにアタックされ続けています。しかしバックハンドでウィナーを決めながら圭君は、最後はデュースからサーヴィスウィナーを決め、とりあえずサーヴィスゲームをホールドできました。が・・・
再びトレーナーがやってきました。今度は女性もやってきました。(医者?)同じ箇所ではメディカル・タイムアウトがとれないので、今度は肩をマッサージしてもらってます。本当に大丈夫でしょうか? 薬をもらって試合再開です。解説者も「ひどくならなければよいが」と心配しています。
3-2 マテューのサーヴ
ネットダッシュしたマテューにトップスピンで完璧なロブで圭君のポイント。
30-30で圭君のバックハンドのダウンザラインが、しかしミスってしまったときは、会場が「あ~あ !」という深いため息。怪我を押して頑張る圭君に、頑張ってほしいという皆の気持ちが会場に満ちています。
4-4 錦織のサーヴ
8ゲームまでブレークなしの緊張した試合がつづきます。試合を早く終わらせたいのか、圭君はサーヴ&ヴォレーを試みましたが、パッシングショットで抜かれてしまいました。ブレークされてしまいました。
4-5 マテューのサーヴ
圭君は最後まで戦いぬきデュースにまで持ち込みます。ドロップショットも決まり、バックハンドでウィナーも決めましたが、マテューのサーヴがよくブレークできませんでした。圭君が失敗すると会場から「あ~あ !」というため息が漏れ、皆圭君を応援してくれる気持ちが伝わってジーンと胸を打たれました。
第2セットは腕の痛みを押さえながら、4-6と本当によく頑張りました。マテューは今までの中で最高のテニスをみせ、圭君の怪我がなければ勝っていたかどうか分かりませんが、それにしても圭君のがんばりには脱帽です。
12日からはじまるオークランド大会までに、じっくり休養して腕と肩の全快を祈るばかりです。
圭君お疲れさまでした!
2009年01月07日
錦織バーディッチを破りQFへ!
バーディッチとの戦いは、軽快で、ダイナミックで、スリリングで、パワーフルで、遊び心のある圭君テニスのすべてが凝縮された試合でした。
最初はバーディッチ側についていた観客もだんだん圭君テニスの魅力に引き込まれていき、Air-Kやベースラインからの見事なドロップショットに大歓声。エンターテイナーNISHIKORIの誕生を思わせるほど、会場は圭君の華麗なテニスに沸き上がりました。プロスポーツはエンターテイメントなのですから、エキサイティングな試合であればあるほど、私たちは魅せられファンになります。圭君は確実に日本のテニス選手の枠から、世界のKeiに飛翔しました。
今日のバーディッチは調子が悪いとは言えませんでしたが、負けそうになると、どうしても勝ちたいという気持ちが強まって、確率の低いショットを選んだり、ミスが増えてくる、いつもの悪い癖が出てしまったようです。
二人のスタッツを比較してみると、以下の点が圭君が優っていることに気づきます。
バーディッチを上回るサーヴの得点率
第1サーヴの入る確率は圭君は54%で、バーディッチの61%よりも低いものの、サーヴの質がよく得点率が高くなっています。
錦織:第1サーヴ77%、第2サーヴ64%
バーディッチ:第1サーヴ66%、第2サーヴ57%
メンタルは圭君のほうが優る
いかにブレークポイントを逃れるかは、まさにメンタルの領域です。ここで圭君は5回ブレークポイントをとられていますが、4回セーヴすることができました。
これはすごいメンタル力です。一方、バーディッチは逆に5回もブレークポイントをとりながら、焦りや緊張で1回しかブレークに成功していません。
第1セットはまさに圭君の粘り根性のテニスで2-5からカムバックをみせてくれました。バーディッチはサーヴもよく、ときにはサーヴ&ヴォレーも混ぜながら、ネットダッシュをはかりますが、圭君のミサイルのようなパッシングショットに合って唖然。それにしても圭君のフォアハンドのクロスはナダルのようにすごいですね。しかしナダルとの違いは、フォア側に振られてしまっても、ナダルほどベースラインから下がってしまわないでリターンできること。そのために相手に時間をあたえず、コーナーを狙ったクロスショットはまずとれないウィナーになってました。
このフォアハンドでバーディッチをブレークして、4-5とスコアを元のイーヴンにもどします。圭君のサーヴです。ここで圭君のサーヴがエース2本(球が相手のラケットに触れない)、サーヴィスウィナーが2本(相手のラケットにボールが触れるがリターンできない)と圭君のサーヴのすごさを物語っていました。
二人ともサーヴがよくゲームをホールドして6-6のタイブレークです。タイブレークは何度もミニブレークが続き予想のつかないゲーム展開でした。しかし圭君の冷静さとメンタルで小差9-7で第1セットを勝ち取りました。
第1セットタイブレーク
錦織 vs バーディッチ
0-1 バーチッチのサーヴから始まります。キックサーヴで圭君はリターンできず。
1-1 バーディッチは圭君の豪速球にリターンできず、大声で叫びます。
2-1 圭君のサーヴィスエースが決まりました!
3-1 バーディッチがダブルフォルト。 彼の例のビビリが出てきました。
4-1 バーディッチは圭君の超特急のフォアハンドに振り遅れてサイドアウト
4-2 圭君のバックハンドのエラーでミニブレークされる
4-3 またもやミニブレークされて、スコアはイーヴンに
5-3 2回もブレークされた圭君は長いラリーの上、バーディッチのミスをさそってミニブレーク成功
5-4 再び長いラリーとなり、バーディッチがサーヴィスゲームをホールド
5-5 圭君の第1サーヴがなかなか入らず、第2サーヴをアタックされてミニブレークされる
6-5 出ました!圭君のフォアハンドのミサイルクロスでミニブレークとなり、セットポイントです。あと1ポイントです。
6-5 しかし冷静さをとりもどしたバーディッチは、スピードをおとしたストロークでラリーを続け、圭君のエラーをさそいます。
6-6 圭君はバックハンドをネットにひっかけエラー。これで2回エラーの連続です。
6-7 今度はバーディッチのセットポイント。これで取られると圭君の負けです。サーヴは圭君です。やりました!サーヴィスウィナーで窮地を逃れました。
7-7 またもや圭君のサーヴです。今度はバーディッチにボディーサーヴを。リターンできずに、今度は圭君がセットポイントをとりました!
8-7 ここでまたバーディッチの悪い癖が出て、ショットはベースラインの外へ。
9-7 ヒヤヒヤするきわどいタイブレークでした。
第1セットの勝利で余裕が出てきた圭君は第2セットは圭君祭りのように賑やかにいろんなショットを見せてくれました。
Air-K
初っ端の1ゲーム目からAir-Kが飛び出し、観客は待ってましたとばかり大喜び。
ドロップショット
2-0では、ベースラインからのむずかしいドロップショットをいとも簡単にやってのけ、これも観客に大受けです。
サーヴ&ヴォレー
4-2でバーディッチのバックハンドにサーヴをいれ、ネットダッシュしてヴォレーできめました。もっとこのS&Vを取り入れてもよいのでは。お見本のごとくきれいでした。
ミラージュショット(これは私が勝ってにつけた名称です)
4-2のデュースのときです。圭君の武器たるフォアハンドのクロスでバーディッチのフォアハンド側のサイドラインぎりぎりに落とします。これは圭君の得意のショットですが、落ちたあとの跳ね返りかたがすごいのです。ものすごいサイドスピンがかかっていて、120度くらいの角度で右の方に飛び去ってしまったのです。よく説明できませんが、とにかくバウンドに異常な角度がついているため、一瞬ボールが消えてしまったかのような錯覚を覚えました。バーディッチも唖然としています。そして何度もボールのコートについた跡を確かめながら信じられないといった顔をしていました。あれは何なんでしょうか。
第2セットはブレークされることもなく、強い圭君を十分楽しませてくれる試合展開で6-3で勝利です。
それにしても、圭君のフォアハンドはベースラインぎりぎりに落ち、相手に攻撃のチャンスを与えません。US Openのときはそのフォアハンドはそれほど確実ではなかったのですが、今日の精度の高いショットは目を見張るものがありました。
あらゆる点で進歩をみせている圭君は、 膝、腰、エネルギーの面で問題がなければ、明日のQFのマテューは問題なくクリアすると思います。十分休みをとってベストコンディションでのぞんでほしいですね。さあ、明日も寝ずにがんばるぞ!
最初はバーディッチ側についていた観客もだんだん圭君テニスの魅力に引き込まれていき、Air-Kやベースラインからの見事なドロップショットに大歓声。エンターテイナーNISHIKORIの誕生を思わせるほど、会場は圭君の華麗なテニスに沸き上がりました。プロスポーツはエンターテイメントなのですから、エキサイティングな試合であればあるほど、私たちは魅せられファンになります。圭君は確実に日本のテニス選手の枠から、世界のKeiに飛翔しました。
今日のバーディッチは調子が悪いとは言えませんでしたが、負けそうになると、どうしても勝ちたいという気持ちが強まって、確率の低いショットを選んだり、ミスが増えてくる、いつもの悪い癖が出てしまったようです。
二人のスタッツを比較してみると、以下の点が圭君が優っていることに気づきます。
バーディッチを上回るサーヴの得点率
第1サーヴの入る確率は圭君は54%で、バーディッチの61%よりも低いものの、サーヴの質がよく得点率が高くなっています。
錦織:第1サーヴ77%、第2サーヴ64%
バーディッチ:第1サーヴ66%、第2サーヴ57%
メンタルは圭君のほうが優る
いかにブレークポイントを逃れるかは、まさにメンタルの領域です。ここで圭君は5回ブレークポイントをとられていますが、4回セーヴすることができました。
これはすごいメンタル力です。一方、バーディッチは逆に5回もブレークポイントをとりながら、焦りや緊張で1回しかブレークに成功していません。
第1セットはまさに圭君の粘り根性のテニスで2-5からカムバックをみせてくれました。バーディッチはサーヴもよく、ときにはサーヴ&ヴォレーも混ぜながら、ネットダッシュをはかりますが、圭君のミサイルのようなパッシングショットに合って唖然。それにしても圭君のフォアハンドのクロスはナダルのようにすごいですね。しかしナダルとの違いは、フォア側に振られてしまっても、ナダルほどベースラインから下がってしまわないでリターンできること。そのために相手に時間をあたえず、コーナーを狙ったクロスショットはまずとれないウィナーになってました。
このフォアハンドでバーディッチをブレークして、4-5とスコアを元のイーヴンにもどします。圭君のサーヴです。ここで圭君のサーヴがエース2本(球が相手のラケットに触れない)、サーヴィスウィナーが2本(相手のラケットにボールが触れるがリターンできない)と圭君のサーヴのすごさを物語っていました。
二人ともサーヴがよくゲームをホールドして6-6のタイブレークです。タイブレークは何度もミニブレークが続き予想のつかないゲーム展開でした。しかし圭君の冷静さとメンタルで小差9-7で第1セットを勝ち取りました。
第1セットタイブレーク
錦織 vs バーディッチ
0-1 バーチッチのサーヴから始まります。キックサーヴで圭君はリターンできず。
1-1 バーディッチは圭君の豪速球にリターンできず、大声で叫びます。
2-1 圭君のサーヴィスエースが決まりました!
3-1 バーディッチがダブルフォルト。 彼の例のビビリが出てきました。
4-1 バーディッチは圭君の超特急のフォアハンドに振り遅れてサイドアウト
4-2 圭君のバックハンドのエラーでミニブレークされる
4-3 またもやミニブレークされて、スコアはイーヴンに
5-3 2回もブレークされた圭君は長いラリーの上、バーディッチのミスをさそってミニブレーク成功
5-4 再び長いラリーとなり、バーディッチがサーヴィスゲームをホールド
5-5 圭君の第1サーヴがなかなか入らず、第2サーヴをアタックされてミニブレークされる
6-5 出ました!圭君のフォアハンドのミサイルクロスでミニブレークとなり、セットポイントです。あと1ポイントです。
6-5 しかし冷静さをとりもどしたバーディッチは、スピードをおとしたストロークでラリーを続け、圭君のエラーをさそいます。
6-6 圭君はバックハンドをネットにひっかけエラー。これで2回エラーの連続です。
6-7 今度はバーディッチのセットポイント。これで取られると圭君の負けです。サーヴは圭君です。やりました!サーヴィスウィナーで窮地を逃れました。
7-7 またもや圭君のサーヴです。今度はバーディッチにボディーサーヴを。リターンできずに、今度は圭君がセットポイントをとりました!
8-7 ここでまたバーディッチの悪い癖が出て、ショットはベースラインの外へ。
9-7 ヒヤヒヤするきわどいタイブレークでした。
第1セットの勝利で余裕が出てきた圭君は第2セットは圭君祭りのように賑やかにいろんなショットを見せてくれました。
Air-K
初っ端の1ゲーム目からAir-Kが飛び出し、観客は待ってましたとばかり大喜び。
ドロップショット
2-0では、ベースラインからのむずかしいドロップショットをいとも簡単にやってのけ、これも観客に大受けです。
サーヴ&ヴォレー
4-2でバーディッチのバックハンドにサーヴをいれ、ネットダッシュしてヴォレーできめました。もっとこのS&Vを取り入れてもよいのでは。お見本のごとくきれいでした。
ミラージュショット(これは私が勝ってにつけた名称です)
4-2のデュースのときです。圭君の武器たるフォアハンドのクロスでバーディッチのフォアハンド側のサイドラインぎりぎりに落とします。これは圭君の得意のショットですが、落ちたあとの跳ね返りかたがすごいのです。ものすごいサイドスピンがかかっていて、120度くらいの角度で右の方に飛び去ってしまったのです。よく説明できませんが、とにかくバウンドに異常な角度がついているため、一瞬ボールが消えてしまったかのような錯覚を覚えました。バーディッチも唖然としています。そして何度もボールのコートについた跡を確かめながら信じられないといった顔をしていました。あれは何なんでしょうか。
第2セットはブレークされることもなく、強い圭君を十分楽しませてくれる試合展開で6-3で勝利です。
それにしても、圭君のフォアハンドはベースラインぎりぎりに落ち、相手に攻撃のチャンスを与えません。US Openのときはそのフォアハンドはそれほど確実ではなかったのですが、今日の精度の高いショットは目を見張るものがありました。
あらゆる点で進歩をみせている圭君は、 膝、腰、エネルギーの面で問題がなければ、明日のQFのマテューは問題なくクリアすると思います。十分休みをとってベストコンディションでのぞんでほしいですね。さあ、明日も寝ずにがんばるぞ!
おめでとう!圭君!
2009年01月07日
ジョコヴィッチがWCをもらってシドニーへ
錦織:59分で初勝利(錦織 def レイノルズ:6-3, 6-2)
錦織選手がわずが一時間足らずでクウォリファイアーのレイノルズを打倒しました。ストリーミングでは観戦できませんでしたが、スタッツから判断すると、サーヴがますますよくなってきてるようですね。第1サーヴの得点率が83%、第2サーヴが64%というのは、サーヴのよさを物語っています。
リターンでも、第2サーヴのリターンの得点率は67%で、8回のブレークポイントをとっています。しかし、そのうちの半分の4回しかブレークできてないところがもったいなかった。効率よくブレークしていくことがこれからの課題といえるでしょうね。(フェデラーの今日のスコアはよく似た6-2, 6-2で、ブレークポイントは5回、そのうち4回はブレークに成功しています。)
7日(水)はバーディッチと対戦します。ビッグサーヴにビッグフォアハンドのバーディッチにどれだけ迫る事ができるか。
楽しみですね。
ジョコヴィッチ:慌ててシドニー大会にWCで出場
ウィルソンからヘッドにラケットを切り替えて、ブリスベインに登場したジョコヴィッチは、新しいラケットのせいかどうか分かりませんが、リズムがとれずグルビスに6-4, 6-4で初戦で敗退するというアプセットが起こりました。
「僕はパニックに陥ってないよ。オーストラリアン・オープンは僕の最大のゴールだけど、まだ最初の試合だし、あまり悲観的にならないようにしてるんだ。世の終わりじゃないよ。まだ AO までに時間があるからね。」
でもこの後19日のAO(Australian Open)までポッカリと空いてしまったジョコヴィッチは、慌てて12日から始まるシドニー大会に連絡。急遽WCをもらって調整のやりなおしです。しかし、調子がよくなってシドニーで優勝してしまったらどうするのでしょう? そうなると直ぐさま AO となり休む暇なしとなります。それでなくてもスタミナに疑問がもたれるジョコヴィッチですので、激暑に激スケジュール。今年のAOの優勝はきびしいものになるかもしれません。
なぜトッププレーヤーがGS直前の大会に出場する理由が分かりませんが、とにかくこのジョコヴィッチのWCで迷惑するのは、ナルバンディアン、シモン、ツォンガ、ヒューイット、ガスケなどのシドニー大会のシードプレーヤー達。シード1の選手がWCとは! ますますAOがスリルに満ちてきました。
グルビス:次のポイントしか考えなかったのが勝利に 6-4, 6-4
「昨年はマッチポイントになりながら負けてしまった試合があるけど、それは「勝とう」という気持ちが強くなりすぎていたんだ。今回は、勝ち負けは考えないで、次のポイントだけにフォーカスするようにしたんだ。今日は最後までサーヴに集中できた。」
「今日の試合は勝った試合の中ではベストに入るかもしれないが、最もビューティフルな試合は他の試合だった。負け試合だったけれどね。」
グルビスは昨年シンシナティとフレンチ・オープンでジョコヴィッチと対戦し、いずれも負けていますが、今日の勝利にそれほど興奮することなく、淡々としています。
このインターヴューで、面白いと思った部分を紹介します。
「12才でミュンヘンのテニスアカデミーに行ったけれど、ホームシックには全然かからなかった。」
「ノヴァック(ジョコヴィッチ)は僕より年上でうまかったから、同じアカデミーでもあまり一緒に練習したことはなかった。試合のレベルも違っていたし。今のほうがよく大会で会うよ。」
「特別にアイドルといった選手はいないけど、アガシ、サフィン、フェデラー、ナダルが好きな選手かな。」
「昨年は膝の怪我やら、いろいろ問題があって結果が出せなかった。今年のゴールは上達すること。ランキングは二の次に考えている。でもマスターズに出たいので、本戦にエントリーできるランキングくらいにはあがりたい。」
ナダル:完全にお手本のテニスでした (ナダル def サントロ:6-0, 6-1)
サントロはいくらマジシャンとはいえ、あのグリグリのトップスピンのきいたナダルのショットは打ち返せませんでした。ナダルは36才の老兵を自由自在に左右前後に振りまくり、好きな様に遊んでいました。でも二人とも和気あいあいとしてとてもよい雰囲気でした。
この試合と対照的だったのは、US Openのサントロvsロディック戦です。サントロは2ヶ月の夏休みをとって完全に練習不足。全くロディックに手も足もでない状態でロディックに臨んだのは、今回のナダル戦と似ています。ロディックは簡単に勝てる状況にあったのですが、豪速サーヴをサントロ目がけて打ちこみました。炸裂するサーヴは危うくサントロの体にぶち当たりそうになり、サントロはムッとしてロディックを睨みつけます。「俺にぶち当てるようなことをしなくても勝てるだろうが!」といわんばかりの怒りのサントロは、次のサーヴをわざとリターンせず険悪なムードに・・・
この二人の態度にテニスファンの意見が真っ二つに分かれました。
「試合なんだから、ルール違反でなければ、勝つためには何をしようが構わない。そんなことで腹を立てるサントロはプロ根性に欠けている。」
「絶対勝てる弱い相手に見せびらかすような危険なサーヴをやって何の得もなし。自分の株を落とすような真似(弱い者を威喝する)は自分にマイナスなだけ。」
ナダルの場合は弄ばれても、友好ムード一杯。この違いはとても面白いと思いました。第1セットは団子。そして第2セットも団子になるかとヒヤヒヤしましたが(これはあまりにも屈辱ですから)、二人のドロップショット合戦のすえ、サントロはスーパードロップショットが決まってニッコリ。思わずネット越しにナダルの握手を求めました。ナダルもニコニコ。まだ試合が終わっていないのに、二人は賞賛の握手をしています。観ていてとても気持ちのよいものでした。
解説者がナダルのことを、”Complete controlled aggression”(完全にコントロールされた攻撃性)といってましたが、この言葉が気に入りました。アグレッションとは、「むやみに攻撃する」といったニュアンスがありますが、「コントロールされた攻撃」というところがナダルの本質だと思います。私のコーチは攻撃できるときは、「Kill them!」と怒鳴ります。しかし「殺ってやる!」という 興奮したaggressionによって、バカ打ちをやったり、凡ミスをやったりしてしまいますよね。理性を失わず絶えず攻撃をかけることは大変むずかしいことだと思います。
ナダルは最初から最後までほとんどのポイントはネットでとっていました。これは無理してネットに行っているわけではなく、オープンコートをつくるのが実に確実でうまいのです。サイドライン近くにガンガン落とす球はサントロにはとても追いつけず残酷でしたが、ナダルにとってネットプレーの最高の練習になりました。
フェデラー:新戦略のネットプレーとは?(フェデラースタラーチェ:6-2, 6-2)
フェデラーは自信に満ち、フォアハンドもバックハンドも申し分なく、サイドラインの10cm内にきっちり決まっておりました。この正確なショットのために、unforced errorsも9つと少なく、今までアウトになっていた球も決まってウィナーが26。気持ちのよいテニスでした。
彼の新戦略の一つ、ネットプレーはヴァラエティに富んでいました。以下が気がついた点です。
第1セットの1ゲーム目から、スタラーチェのサーヴィスゲームにもかかわらず、すべてネットダッシュという超攻撃リターンですべてが得点につながりました。
第2セットの3ゲーム目はチップ&チャージのサーヴスリターンでネットダッシュ。しかも意表を突くドロップショットのリターンでポイント獲得。
セリーナ・ウィリアムズの好きなSwinging Volleyを、アプローチショットで2度ばかり使ってウィナーを決めました。ノーバウンドで打つこのスウィンギング・ヴォレーは、ダイナミックな攻撃テニスで私の好きなショットでもあります。
攻撃を目的としたネットダッシュは合計で17回でした。(この中にはドロップショットやショートボールで強いられたネットダッシュは含んでいません)感じとしてはそれほど多いとは思いませんが、13回も成功していますので、成功率は以前にくらべてはるかに上がったと思います。
錦織選手がわずが一時間足らずでクウォリファイアーのレイノルズを打倒しました。ストリーミングでは観戦できませんでしたが、スタッツから判断すると、サーヴがますますよくなってきてるようですね。第1サーヴの得点率が83%、第2サーヴが64%というのは、サーヴのよさを物語っています。
リターンでも、第2サーヴのリターンの得点率は67%で、8回のブレークポイントをとっています。しかし、そのうちの半分の4回しかブレークできてないところがもったいなかった。効率よくブレークしていくことがこれからの課題といえるでしょうね。(フェデラーの今日のスコアはよく似た6-2, 6-2で、ブレークポイントは5回、そのうち4回はブレークに成功しています。)
7日(水)はバーディッチと対戦します。ビッグサーヴにビッグフォアハンドのバーディッチにどれだけ迫る事ができるか。
楽しみですね。
ジョコヴィッチ:慌ててシドニー大会にWCで出場
ウィルソンからヘッドにラケットを切り替えて、ブリスベインに登場したジョコヴィッチは、新しいラケットのせいかどうか分かりませんが、リズムがとれずグルビスに6-4, 6-4で初戦で敗退するというアプセットが起こりました。
「僕はパニックに陥ってないよ。オーストラリアン・オープンは僕の最大のゴールだけど、まだ最初の試合だし、あまり悲観的にならないようにしてるんだ。世の終わりじゃないよ。まだ AO までに時間があるからね。」
でもこの後19日のAO(Australian Open)までポッカリと空いてしまったジョコヴィッチは、慌てて12日から始まるシドニー大会に連絡。急遽WCをもらって調整のやりなおしです。しかし、調子がよくなってシドニーで優勝してしまったらどうするのでしょう? そうなると直ぐさま AO となり休む暇なしとなります。それでなくてもスタミナに疑問がもたれるジョコヴィッチですので、激暑に激スケジュール。今年のAOの優勝はきびしいものになるかもしれません。
なぜトッププレーヤーがGS直前の大会に出場する理由が分かりませんが、とにかくこのジョコヴィッチのWCで迷惑するのは、ナルバンディアン、シモン、ツォンガ、ヒューイット、ガスケなどのシドニー大会のシードプレーヤー達。シード1の選手がWCとは! ますますAOがスリルに満ちてきました。
グルビス:次のポイントしか考えなかったのが勝利に 6-4, 6-4
「昨年はマッチポイントになりながら負けてしまった試合があるけど、それは「勝とう」という気持ちが強くなりすぎていたんだ。今回は、勝ち負けは考えないで、次のポイントだけにフォーカスするようにしたんだ。今日は最後までサーヴに集中できた。」
「今日の試合は勝った試合の中ではベストに入るかもしれないが、最もビューティフルな試合は他の試合だった。負け試合だったけれどね。」
グルビスは昨年シンシナティとフレンチ・オープンでジョコヴィッチと対戦し、いずれも負けていますが、今日の勝利にそれほど興奮することなく、淡々としています。
このインターヴューで、面白いと思った部分を紹介します。
「12才でミュンヘンのテニスアカデミーに行ったけれど、ホームシックには全然かからなかった。」
「ノヴァック(ジョコヴィッチ)は僕より年上でうまかったから、同じアカデミーでもあまり一緒に練習したことはなかった。試合のレベルも違っていたし。今のほうがよく大会で会うよ。」
「特別にアイドルといった選手はいないけど、アガシ、サフィン、フェデラー、ナダルが好きな選手かな。」
「昨年は膝の怪我やら、いろいろ問題があって結果が出せなかった。今年のゴールは上達すること。ランキングは二の次に考えている。でもマスターズに出たいので、本戦にエントリーできるランキングくらいにはあがりたい。」
ナダル:完全にお手本のテニスでした (ナダル def サントロ:6-0, 6-1)
サントロはいくらマジシャンとはいえ、あのグリグリのトップスピンのきいたナダルのショットは打ち返せませんでした。ナダルは36才の老兵を自由自在に左右前後に振りまくり、好きな様に遊んでいました。でも二人とも和気あいあいとしてとてもよい雰囲気でした。
この試合と対照的だったのは、US Openのサントロvsロディック戦です。サントロは2ヶ月の夏休みをとって完全に練習不足。全くロディックに手も足もでない状態でロディックに臨んだのは、今回のナダル戦と似ています。ロディックは簡単に勝てる状況にあったのですが、豪速サーヴをサントロ目がけて打ちこみました。炸裂するサーヴは危うくサントロの体にぶち当たりそうになり、サントロはムッとしてロディックを睨みつけます。「俺にぶち当てるようなことをしなくても勝てるだろうが!」といわんばかりの怒りのサントロは、次のサーヴをわざとリターンせず険悪なムードに・・・
この二人の態度にテニスファンの意見が真っ二つに分かれました。
「試合なんだから、ルール違反でなければ、勝つためには何をしようが構わない。そんなことで腹を立てるサントロはプロ根性に欠けている。」
「絶対勝てる弱い相手に見せびらかすような危険なサーヴをやって何の得もなし。自分の株を落とすような真似(弱い者を威喝する)は自分にマイナスなだけ。」
ナダルの場合は弄ばれても、友好ムード一杯。この違いはとても面白いと思いました。第1セットは団子。そして第2セットも団子になるかとヒヤヒヤしましたが(これはあまりにも屈辱ですから)、二人のドロップショット合戦のすえ、サントロはスーパードロップショットが決まってニッコリ。思わずネット越しにナダルの握手を求めました。ナダルもニコニコ。まだ試合が終わっていないのに、二人は賞賛の握手をしています。観ていてとても気持ちのよいものでした。
解説者がナダルのことを、”Complete controlled aggression”(完全にコントロールされた攻撃性)といってましたが、この言葉が気に入りました。アグレッションとは、「むやみに攻撃する」といったニュアンスがありますが、「コントロールされた攻撃」というところがナダルの本質だと思います。私のコーチは攻撃できるときは、「Kill them!」と怒鳴ります。しかし「殺ってやる!」という 興奮したaggressionによって、バカ打ちをやったり、凡ミスをやったりしてしまいますよね。理性を失わず絶えず攻撃をかけることは大変むずかしいことだと思います。
ナダルは最初から最後までほとんどのポイントはネットでとっていました。これは無理してネットに行っているわけではなく、オープンコートをつくるのが実に確実でうまいのです。サイドライン近くにガンガン落とす球はサントロにはとても追いつけず残酷でしたが、ナダルにとってネットプレーの最高の練習になりました。
フェデラー:新戦略のネットプレーとは?(フェデラースタラーチェ:6-2, 6-2)
フェデラーは自信に満ち、フォアハンドもバックハンドも申し分なく、サイドラインの10cm内にきっちり決まっておりました。この正確なショットのために、unforced errorsも9つと少なく、今までアウトになっていた球も決まってウィナーが26。気持ちのよいテニスでした。
彼の新戦略の一つ、ネットプレーはヴァラエティに富んでいました。以下が気がついた点です。
第1セットの1ゲーム目から、スタラーチェのサーヴィスゲームにもかかわらず、すべてネットダッシュという超攻撃リターンですべてが得点につながりました。
第2セットの3ゲーム目はチップ&チャージのサーヴスリターンでネットダッシュ。しかも意表を突くドロップショットのリターンでポイント獲得。
セリーナ・ウィリアムズの好きなSwinging Volleyを、アプローチショットで2度ばかり使ってウィナーを決めました。ノーバウンドで打つこのスウィンギング・ヴォレーは、ダイナミックな攻撃テニスで私の好きなショットでもあります。
攻撃を目的としたネットダッシュは合計で17回でした。(この中にはドロップショットやショートボールで強いられたネットダッシュは含んでいません)感じとしてはそれほど多いとは思いませんが、13回も成功していますので、成功率は以前にくらべてはるかに上がったと思います。
2009年01月06日
フェデラーの新戦略とは?
2009年にむかって調整をしているフェデラーは、新しい戦略のもとで、サンプラスと同じ14個目のGSのタイトル獲得と、No.1のランキングが達成できそうだとドーハで語りました。
(T:これは私の独り言ですので無視してください)
「今年はよい年になると思う。プレッシャーが少ないし、攻防の両刃を使い分ける技術も持っているし、メンタルや技術面でも強いと思っている・・・長年トップでいたのだから、再び戻れないということはないと思ってるよ。今年はできればもっと多くのタイトルが取れればと願っている。」
(T:欲張るとまたプレッシャーになるから、ほどほどにお願いしますよ。)
「昨年との大きな違いは、昨年は病気だったけれど、今年は完全にフィットしている点だ。」
(T:グッドニュースです)
「最近は練習をよくやっている。アブダビはエグジビションだから、いろんな新しいことが試すことができてよかったと思っている。ヴォレーやネットへのチャージのやり方、それにデフェンスのテニスなど、マレーのときはいろいろトライしてみることができた。立ってる位置とか、小さなことだけれど、いろいろアジャストするところがあった。」
(T:かなりネットプレーに重点をおいているようですね。昨年はヴォレーでかなりミスってましたから、今年は華麗なネットプレーが楽しめそう)
「今年はゴールが一杯ある。No.1に戻るとか、グランドスラムのタイトルを最低1個はとるとかね。昨年はよくもあり悪くもある年だった。でもテニスに対するぼくの考え方は変わっていない。」
(T:このモチベーションを持ち続けてほしい。)
「今年はナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ、マレーの4人が優位に立って多の選手の追随を許さないと思う。でもこの4選手のランキングはよくチェンジしていくと思う。」
(T:ということは、ジョコやマレーが1位になることも予想しているのでしょうか。思っていたより過激なレースとなりそうです。)
「(3位のジョコヴィッチとの差がわずか20ポイントのことについては)僕はそんなに心配していないよ。とられるといってもNo.1じゃないんだからね。(笑)」
(T:「2位以下は皆同じ」と誰かが言ってましたけど、2位も3位も変わらない、そんなもんなんでしょうか。サンプラスの13個目(ウィンブルドン)は彼が3位のとき、そして2年後の14個目(US Open)は、17位まで下がって勝ち取ったタイトルです。しかも彼は31才という選手としてはぎりぎりの年齢でした。毎回記者会見でまだ引退しないの?と聞かれて辛いかった(応援する方も)長い2年を思い出します。)
パートタイムコーチのホセ・イゲラスがアメリカのエリート選手を育てるため、USTAのコーチを受け持つことが決まってフェデラーのもとを去りましたので、再びコーチなしのフェデラーですが、これほどやる気があるのなら、フルタイムのコーチはいらないと思います。)
(T:これは私の独り言ですので無視してください)
「今年はよい年になると思う。プレッシャーが少ないし、攻防の両刃を使い分ける技術も持っているし、メンタルや技術面でも強いと思っている・・・長年トップでいたのだから、再び戻れないということはないと思ってるよ。今年はできればもっと多くのタイトルが取れればと願っている。」
(T:欲張るとまたプレッシャーになるから、ほどほどにお願いしますよ。)
「昨年との大きな違いは、昨年は病気だったけれど、今年は完全にフィットしている点だ。」
(T:グッドニュースです)
「最近は練習をよくやっている。アブダビはエグジビションだから、いろんな新しいことが試すことができてよかったと思っている。ヴォレーやネットへのチャージのやり方、それにデフェンスのテニスなど、マレーのときはいろいろトライしてみることができた。立ってる位置とか、小さなことだけれど、いろいろアジャストするところがあった。」
(T:かなりネットプレーに重点をおいているようですね。昨年はヴォレーでかなりミスってましたから、今年は華麗なネットプレーが楽しめそう)
「今年はゴールが一杯ある。No.1に戻るとか、グランドスラムのタイトルを最低1個はとるとかね。昨年はよくもあり悪くもある年だった。でもテニスに対するぼくの考え方は変わっていない。」
(T:このモチベーションを持ち続けてほしい。)
「今年はナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ、マレーの4人が優位に立って多の選手の追随を許さないと思う。でもこの4選手のランキングはよくチェンジしていくと思う。」
(T:ということは、ジョコやマレーが1位になることも予想しているのでしょうか。思っていたより過激なレースとなりそうです。)
「(3位のジョコヴィッチとの差がわずか20ポイントのことについては)僕はそんなに心配していないよ。とられるといってもNo.1じゃないんだからね。(笑)」
(T:「2位以下は皆同じ」と誰かが言ってましたけど、2位も3位も変わらない、そんなもんなんでしょうか。サンプラスの13個目(ウィンブルドン)は彼が3位のとき、そして2年後の14個目(US Open)は、17位まで下がって勝ち取ったタイトルです。しかも彼は31才という選手としてはぎりぎりの年齢でした。毎回記者会見でまだ引退しないの?と聞かれて辛いかった(応援する方も)長い2年を思い出します。)
パートタイムコーチのホセ・イゲラスがアメリカのエリート選手を育てるため、USTAのコーチを受け持つことが決まってフェデラーのもとを去りましたので、再びコーチなしのフェデラーですが、これほどやる気があるのなら、フルタイムのコーチはいらないと思います。)
2009年01月06日
錦織が61位へアップ
1月5日に新しいランキングシステムのもとで、錦織選手が63位から61位に上がりました!
(インターヴューの内容の概要です)
2009年の目標は?
「早くトップ50になること。グランドスラムで良い結果を残す事。特にフレンチオープンは僕の大好きなGSなのでがんばりたいです。」
デルレイビーチの優勝は驚いた?
「もうびっくり。すごく嬉しかった。一番大きな出来事でした。」
オフシーズンのトレーニングは?
「10月と11月に猛烈にやりました。体のほうは大丈夫だし、ヘルシーになりました。練習相手は、ハースやマリース、ステパネックなどです。」
ステパネックに5セットの練習試合をやったんだって?
「そうなんです。でもステパネックにコテンパテンに負けてしまって、もう自信喪失ですよ(笑)彼は30才くらいだと思うんだけど、スピードはあるし、すごいフィットしてるんです。」
オフコートのトレーニングは?
「ジムでは一週間に2日、ベンチプレスやスクウォッドなどのあらゆるウェイトトレーニングをします。メディシンボールのようなものも使ってトレーニングしていますし。名前はよく分からないけれど、いろんなトレーニングはやってますよ。それに毎日30分は走っています。」
ステパネックに全セット負けたそうですが、彼は26位ですし、今ヴァイディソヴァと恋をしているみたいだし(愛の力は大きいのです)、でも圭君はとてもリラックスしたいい感じですね。
新しいランキングシステムは錦織選手にとって有利か?
フェデラー、ジョコヴィッチ、マレーの順位は不動ですが、7位のシモンが6位のツォンガと順位が入れ替わりました。大きな移動は14位も下がったリュービチッチとロードラです。試合をしていないのに、どうしてこういうことが起こるのか? 新システムは、エリートに有利なシステムと批判が集まっていて、この新ランキングシステムの与える影響などについては、別の記事で述べたいと思います。
GSやマスターズなどの大きな大会はポイント数が倍増されましたので、ビッグトーナメントで活躍できるポテンシャルのある錦織選手のようなタイプには有利なシステムかもしれません。しかし明日6日の圭君のブリスベインの初戦の対戦者、ボビー・レイノルズのようなタイプの選手にとっては、ブレークするのがむずかしく不利なシステムになっています。
レイノルズはクウォリファイアー(予選者)で勝ち抜いてきた選手で、圭君が優勝したデルレイビーチで対戦しています。あのときはレイノルズが111位、圭君が244位でした。現在のランキングはレイノルズが68位、圭君が61位となっていますので、ランキングの差はあまりせんが、過去のポイントの取り方が相当違います。
レイノルズは典型的なチャレンジャー稼ぎタイプです。チャレンジャーでは3度優勝したり活躍しましたが、ATP ツアーレベルでは1~2回戦止まりが多くパッとしませんでした。今回のブリスベインも予選から上がってきています。チャレンジャーでは勝てるが、ツアーでは勝てない選手は、大きな武器に欠けるのと、ショットにミスが多いように思います。このような選手は今年の新しいランキングシステムでは、小規模の大会で勝っても与えられるポイントが少ないので、ますますランキングを上げるのがむずかしいと予想されます。
ナダルがダブルスで勝ちました
ナダル/Mロペス def モンタネス/エルナンデス: 6-3, 6-3
ドーハで行われているダブルスにナダルはマーク・ロペスと組んでモンタネスチームに勝ちました。M.ロペスは243位の選手ですので、このダブルスは完全にナダルのチューニング用にペアアップしたようです。ストリーミングで観ましたが、ナダルはサフィンと違ってダブルスに慣れていて、サーヴもよく圧倒的に強さをを発揮。ネットプレーも過激で、彼の一人舞台でした。膝が心配でしたが、ダブルスで走る量は限られてますし、ウォーミングアップによかったようです。でももし勝ち続けるとどうするのでしょうね。
シングルスのためにダブルスを捨てるケースがありますが、(ウィンブルドンで、マッケンローがステフィグラフに捨てられて、マックは怒っていたことを思い出します。あと杉山愛ちゃんがクライスターズに途中で捨てられたときもありましたね。)このへんのルールはどうなっているのでしょうね。
ホプマンカップの話題を追って
男女混合の国別エグジビションのホップマンカップが始まっています。フォーマットは、男子シングルス、女子シングルス、ミックスダブルスで勝った国が勝ち上がるシステムとなっています。今年は、サフィン/サフィナ、シモン、ヒューイットの参加で話題を呼んでいますが、テニスチャンネルではほとんど観れません。(最近のテニスチャンネルはほとんど生放送しなくなってショックです)
勝つ自信満々のシモン
6位になったシモンは鼻息荒く、試合前にAOタイトルをとる自信があると豪語しましたが、現地の熱さに苦労したようで、フォーカスがとぎれて、危うく2セット目を落としそうになりました。AOに勝つには熱暑に慣れなくてはなりません。熱さに強くスタミナのある選手が有利ですが、あの貧血を起こしそうなシモンをみているとちょっと心配です。
しかしフランスは3試合とも勝って次はイタリア戦です。
サフィンが引退発表
この大会で最も注目されるのは、サフィン/サフィナ兄妹のダブルスです。サフィンは以前にもミスキーナと組んでダブルス向きでないテニスをやってましたが、今回こんなに強い二人なのに3セットの末、7-5, 4-6, 6-7 (2/10)でイタリアに負けてしまいました。しかしとりあえず気性の激しい二人は、喧嘩することなく仲良くプレーをやっていたようで安心しました。
記者会見でサフィンが来年引退することを発表しました。
「引退してもこのスポーツ(テニス)はそんなにもミスすることはないと思うよ。テニスは好きだけど、もっと人生を楽しみたいんだ。今年はプレッシャーがないので、よいテニスができると思う。」
それにしても、右の目の上に傷、左目の下にパンチをくらったような黒いアザのサフィンに、「どうしたの?」という質問にサフィンは以下のように答えたのでした。
「たいしたことはないよ。モスクワでちょっとね。グッドファイトだったよ。」
どこまでが本当でどこまでが冗談なのか分かりませんが、相変わらず人生を満喫しているようです。
サフィンは調子の悪いときは引退したいとときどきこぼしてきましたので、この引退の話は彼の調子次第ということにしたいと思います。1月下旬に28才になりますがまだまだ若く、彼のようなカリスマ性をもった選手はいないので、30才くらいまで頑張ってほしいと思うのですが。現在のランキングは29位。リラックスしたサフィンはどこまで勝てるか。ホプマンカップでは、38位のボレリを倒してまずまずのスタートです。
ヒューイットの回復度は合格点
腰の手術をして以来146日後の初めての試合となったヒューイットは、長いブランクにも拘らず、キーファーを6-7(6), 6-3, 6-2で破ってまずまずのスタートを切りました。しかし、オーストラリアはドイツに女子シングルスとミックスダブルスで負けてドイツに敗北です。
オーストラリアにいる錦織選手最新インターヴューです
爽やかな19才。ますます男らしく逞しくなりましたね。
(インターヴューの内容の概要です)
2009年の目標は?
「早くトップ50になること。グランドスラムで良い結果を残す事。特にフレンチオープンは僕の大好きなGSなのでがんばりたいです。」
デルレイビーチの優勝は驚いた?
「もうびっくり。すごく嬉しかった。一番大きな出来事でした。」
オフシーズンのトレーニングは?
「10月と11月に猛烈にやりました。体のほうは大丈夫だし、ヘルシーになりました。練習相手は、ハースやマリース、ステパネックなどです。」
ステパネックに5セットの練習試合をやったんだって?
「そうなんです。でもステパネックにコテンパテンに負けてしまって、もう自信喪失ですよ(笑)彼は30才くらいだと思うんだけど、スピードはあるし、すごいフィットしてるんです。」
オフコートのトレーニングは?
「ジムでは一週間に2日、ベンチプレスやスクウォッドなどのあらゆるウェイトトレーニングをします。メディシンボールのようなものも使ってトレーニングしていますし。名前はよく分からないけれど、いろんなトレーニングはやってますよ。それに毎日30分は走っています。」
ステパネックに全セット負けたそうですが、彼は26位ですし、今ヴァイディソヴァと恋をしているみたいだし(愛の力は大きいのです)、でも圭君はとてもリラックスしたいい感じですね。
新しいランキングシステムは錦織選手にとって有利か?
フェデラー、ジョコヴィッチ、マレーの順位は不動ですが、7位のシモンが6位のツォンガと順位が入れ替わりました。大きな移動は14位も下がったリュービチッチとロードラです。試合をしていないのに、どうしてこういうことが起こるのか? 新システムは、エリートに有利なシステムと批判が集まっていて、この新ランキングシステムの与える影響などについては、別の記事で述べたいと思います。
GSやマスターズなどの大きな大会はポイント数が倍増されましたので、ビッグトーナメントで活躍できるポテンシャルのある錦織選手のようなタイプには有利なシステムかもしれません。しかし明日6日の圭君のブリスベインの初戦の対戦者、ボビー・レイノルズのようなタイプの選手にとっては、ブレークするのがむずかしく不利なシステムになっています。
レイノルズはクウォリファイアー(予選者)で勝ち抜いてきた選手で、圭君が優勝したデルレイビーチで対戦しています。あのときはレイノルズが111位、圭君が244位でした。現在のランキングはレイノルズが68位、圭君が61位となっていますので、ランキングの差はあまりせんが、過去のポイントの取り方が相当違います。
レイノルズは典型的なチャレンジャー稼ぎタイプです。チャレンジャーでは3度優勝したり活躍しましたが、ATP ツアーレベルでは1~2回戦止まりが多くパッとしませんでした。今回のブリスベインも予選から上がってきています。チャレンジャーでは勝てるが、ツアーでは勝てない選手は、大きな武器に欠けるのと、ショットにミスが多いように思います。このような選手は今年の新しいランキングシステムでは、小規模の大会で勝っても与えられるポイントが少ないので、ますますランキングを上げるのがむずかしいと予想されます。
ナダルがダブルスで勝ちました
ナダル/Mロペス def モンタネス/エルナンデス: 6-3, 6-3
ドーハで行われているダブルスにナダルはマーク・ロペスと組んでモンタネスチームに勝ちました。M.ロペスは243位の選手ですので、このダブルスは完全にナダルのチューニング用にペアアップしたようです。ストリーミングで観ましたが、ナダルはサフィンと違ってダブルスに慣れていて、サーヴもよく圧倒的に強さをを発揮。ネットプレーも過激で、彼の一人舞台でした。膝が心配でしたが、ダブルスで走る量は限られてますし、ウォーミングアップによかったようです。でももし勝ち続けるとどうするのでしょうね。
シングルスのためにダブルスを捨てるケースがありますが、(ウィンブルドンで、マッケンローがステフィグラフに捨てられて、マックは怒っていたことを思い出します。あと杉山愛ちゃんがクライスターズに途中で捨てられたときもありましたね。)このへんのルールはどうなっているのでしょうね。
ホプマンカップの話題を追って
男女混合の国別エグジビションのホップマンカップが始まっています。フォーマットは、男子シングルス、女子シングルス、ミックスダブルスで勝った国が勝ち上がるシステムとなっています。今年は、サフィン/サフィナ、シモン、ヒューイットの参加で話題を呼んでいますが、テニスチャンネルではほとんど観れません。(最近のテニスチャンネルはほとんど生放送しなくなってショックです)
勝つ自信満々のシモン
6位になったシモンは鼻息荒く、試合前にAOタイトルをとる自信があると豪語しましたが、現地の熱さに苦労したようで、フォーカスがとぎれて、危うく2セット目を落としそうになりました。AOに勝つには熱暑に慣れなくてはなりません。熱さに強くスタミナのある選手が有利ですが、あの貧血を起こしそうなシモンをみているとちょっと心配です。
しかしフランスは3試合とも勝って次はイタリア戦です。
サフィンが引退発表
この大会で最も注目されるのは、サフィン/サフィナ兄妹のダブルスです。サフィンは以前にもミスキーナと組んでダブルス向きでないテニスをやってましたが、今回こんなに強い二人なのに3セットの末、7-5, 4-6, 6-7 (2/10)でイタリアに負けてしまいました。しかしとりあえず気性の激しい二人は、喧嘩することなく仲良くプレーをやっていたようで安心しました。
サフィンとサフィナのミックスダブルス
記者会見でサフィンが来年引退することを発表しました。
「引退してもこのスポーツ(テニス)はそんなにもミスすることはないと思うよ。テニスは好きだけど、もっと人生を楽しみたいんだ。今年はプレッシャーがないので、よいテニスができると思う。」
それにしても、右の目の上に傷、左目の下にパンチをくらったような黒いアザのサフィンに、「どうしたの?」という質問にサフィンは以下のように答えたのでした。
「たいしたことはないよ。モスクワでちょっとね。グッドファイトだったよ。」
どこまでが本当でどこまでが冗談なのか分かりませんが、相変わらず人生を満喫しているようです。
サフィンは調子の悪いときは引退したいとときどきこぼしてきましたので、この引退の話は彼の調子次第ということにしたいと思います。1月下旬に28才になりますがまだまだ若く、彼のようなカリスマ性をもった選手はいないので、30才くらいまで頑張ってほしいと思うのですが。現在のランキングは29位。リラックスしたサフィンはどこまで勝てるか。ホプマンカップでは、38位のボレリを倒してまずまずのスタートです。
ヒューイットの回復度は合格点
腰の手術をして以来146日後の初めての試合となったヒューイットは、長いブランクにも拘らず、キーファーを6-7(6), 6-3, 6-2で破ってまずまずのスタートを切りました。しかし、オーストラリアはドイツに女子シングルスとミックスダブルスで負けてドイツに敗北です。
2009年01月05日
錦織、シーズン開幕の1回戦
ブリスベインのドローがきまりましたね。いよいよ錦織選手のテニスについて語れるときがきました。長い冬でした。いよいよオーストラリアのブリスベインにて、ワールドツアー250の大会が始まります。
ドローです。
男子シングルス
女子シングルス
圭君の1回戦は6日(火曜)になると思います。圭君の予想をたててみました。
Brisbane 1回戦:対戦相手はクウォリファイアー
さて圭君の1回戦の対戦相手はクウォリファイアーですので、今の段階では誰だか分かりません。 長い間試合から離れていたので、圭君はいつもよりさらに立ち上がりが遅くなると思います。ひょっとしてクウォリファイアーとの初戦で3セット戦となるかもしれません。(2008年は半数が初戦では3セットとなっています)US Openでは初戦のモナコの調子が悪かったり、また2回戦のカラヌシックがリタイアしてくれたりして、ラッキーなドローでしたが、最初は観ていても決して圭君は調子がよかったとはいえませんでした。しかしフェレール戦では、彼の最高のテニスを見せてくれましたが、自分の調子を上げるのにちょっと時間がかかるみたいです。
Brisbane 2回戦:バーディッチに勝つか?
初戦に勝つと、次はバーディッチです。AIGオープンでデルポトロを下して優勝したノッポの彼ですから覚えていらっしゃる方も多いと思います。
彼のプレースタイルは, 身長からくる利点を生かした豪速サーヴ、フォアハンドのフラット系速球。プロになって2年後、アテネのオリンピックで無敵のフェデラーを破って彗星のごとく登場したチェコの青年です。デカイ体形(195cm 90kg)に似合わず、甘いマスクとソフトなしゃべり方で人気がある選手ですが、常時トップ10に入れる実力がありながら、20位をうろうろして伸び悩んでいます。彼は見た目とおりの線が細い選手で、肝心な瞬間にビビってしまうことでも知られていて、そのメンタルの弱さが彼のランキングにも反映しているようです。
バーディッチは圭君より約20cmも背丈が違う巨大男です。ここで2008年の巨大男との対戦成績をみてみると:
クェリー(198cm)を破る(デルレイビーチ)
シリッチ(198cm)に敗れる(インディアンウェルズ)
グルビス(190cm)を破る(バミューダ)
デルポトロ(198cm)に敗れる(US Open)
ソダーリング(190cm)に敗れる(ストックホルム)
デルポトロはガス欠と腰痛、ソダーリングは膝の怪我というハンディのもとで負けていますので、決して大男に特別弱いとは思えません。ただ彼らに共通していえるのは、ビッグサーヴァーであること。しかし2nd サーヴをアタックできれば、バーディッチに勝てる採算はあります。
3回戦:ジョコヴィッチとの対戦は?
「この試合に勝てばジョコヴィッチと試合ができる」というモチベーションのもとで、圭君はdangerous floaterとなって、バーディッチをsting like a beeのように刺してくれると、ジョコヴィッチとの対戦が実現すると思います。
以下が5日のスケジュールです。
1月5日試合のみどころをひろってみました。
杉山愛(31位):ストーサー(52位)と対戦。
愛ちゃんはすでに33才ですか。信じられない若さですね。愛ちゃんとストーサーとの対戦成績は3勝0敗で問題ないと思います。
バグダティス(96位):ニーミネン(41位)と対戦。
9月から1回戦で3大会とも敗退の不調で、96位まで下がってしまいました。10月以降は体調不調のため休養して久しぶりのカムバックです。2006年にはAOでフェデラーと決勝戦を争って、世界のファンをつかみました。あのバグダティスを期待したいものです。
ドキッチ(179位):モレーズモ(24位)と対戦
過激な父親のために、アーストラリアとの関係が悪化してしまい、苦労の絶えなかったドキッチですが、今回は暖かくWCをもらってカムバックを狙っています。モレーズモは引退の噂も流れましたが、10月24日の最後のブログでは、「新しいコーチを迎えて2009年は頑張ります」とのこと。好きなワインと犬の話が大好きだというモレーズモ。でもワインはほどほどに。
1月4日結果
ガスケ def ジケル 46 62 62
デント def ダーシス 76(0) 62
ソダーリング def クェリー 63 63
ベネトー def ジネプリー 36 63 75
ドローです。
男子シングルス
女子シングルス
圭君の1回戦は6日(火曜)になると思います。圭君の予想をたててみました。
Brisbane 1回戦:対戦相手はクウォリファイアー
さて圭君の1回戦の対戦相手はクウォリファイアーですので、今の段階では誰だか分かりません。 長い間試合から離れていたので、圭君はいつもよりさらに立ち上がりが遅くなると思います。ひょっとしてクウォリファイアーとの初戦で3セット戦となるかもしれません。(2008年は半数が初戦では3セットとなっています)US Openでは初戦のモナコの調子が悪かったり、また2回戦のカラヌシックがリタイアしてくれたりして、ラッキーなドローでしたが、最初は観ていても決して圭君は調子がよかったとはいえませんでした。しかしフェレール戦では、彼の最高のテニスを見せてくれましたが、自分の調子を上げるのにちょっと時間がかかるみたいです。
Brisbane 2回戦:バーディッチに勝つか?
初戦に勝つと、次はバーディッチです。AIGオープンでデルポトロを下して優勝したノッポの彼ですから覚えていらっしゃる方も多いと思います。
彼のプレースタイルは, 身長からくる利点を生かした豪速サーヴ、フォアハンドのフラット系速球。プロになって2年後、アテネのオリンピックで無敵のフェデラーを破って彗星のごとく登場したチェコの青年です。デカイ体形(195cm 90kg)に似合わず、甘いマスクとソフトなしゃべり方で人気がある選手ですが、常時トップ10に入れる実力がありながら、20位をうろうろして伸び悩んでいます。彼は見た目とおりの線が細い選手で、肝心な瞬間にビビってしまうことでも知られていて、そのメンタルの弱さが彼のランキングにも反映しているようです。
バーディッチは圭君より約20cmも背丈が違う巨大男です。ここで2008年の巨大男との対戦成績をみてみると:
クェリー(198cm)を破る(デルレイビーチ)
シリッチ(198cm)に敗れる(インディアンウェルズ)
グルビス(190cm)を破る(バミューダ)
デルポトロ(198cm)に敗れる(US Open)
ソダーリング(190cm)に敗れる(ストックホルム)
デルポトロはガス欠と腰痛、ソダーリングは膝の怪我というハンディのもとで負けていますので、決して大男に特別弱いとは思えません。ただ彼らに共通していえるのは、ビッグサーヴァーであること。しかし2nd サーヴをアタックできれば、バーディッチに勝てる採算はあります。
3回戦:ジョコヴィッチとの対戦は?
「この試合に勝てばジョコヴィッチと試合ができる」というモチベーションのもとで、圭君はdangerous floaterとなって、バーディッチをsting like a beeのように刺してくれると、ジョコヴィッチとの対戦が実現すると思います。
以下が5日のスケジュールです。
1月5日試合のみどころをひろってみました。
杉山愛(31位):ストーサー(52位)と対戦。
愛ちゃんはすでに33才ですか。信じられない若さですね。愛ちゃんとストーサーとの対戦成績は3勝0敗で問題ないと思います。
バグダティス(96位):ニーミネン(41位)と対戦。
9月から1回戦で3大会とも敗退の不調で、96位まで下がってしまいました。10月以降は体調不調のため休養して久しぶりのカムバックです。2006年にはAOでフェデラーと決勝戦を争って、世界のファンをつかみました。あのバグダティスを期待したいものです。
ドキッチ(179位):モレーズモ(24位)と対戦
過激な父親のために、アーストラリアとの関係が悪化してしまい、苦労の絶えなかったドキッチですが、今回は暖かくWCをもらってカムバックを狙っています。モレーズモは引退の噂も流れましたが、10月24日の最後のブログでは、「新しいコーチを迎えて2009年は頑張ります」とのこと。好きなワインと犬の話が大好きだというモレーズモ。でもワインはほどほどに。
1月4日結果
ガスケ def ジケル 46 62 62
デント def ダーシス 76(0) 62
ソダーリング def クェリー 63 63
ベネトー def ジネプリー 36 63 75
2009年01月04日
マレーがナダルを倒して優勝!
(英語の発音ではどちらかというとマリーに聞こえるのですが、イタリア語放送を聞いていてマレーと呼んでましたし、日本テニス界がマレーと呼んでいるので、マレーにすることにしました。)
結果はマレーが6-4, 5-7, 6-3で割とすんなりと優勝です。
アンディ・マレーがすばらしいテニスをしました。ナダルも決して調子が悪いのではなかったのですが、どんなショットにも食らいつくマレーに苛立ったり、またぎりぎりを狙わなければならないので、ミスが増えました。まんまとマレーの罠にかかってしまったようです。サーヴよし、ネットプレーよし、ドロップショット、ロブ、ループボールなどヴァラエティに富んだ技術と柔軟な作戦はナダルを超していたように思います。フィジカルトレーニングを積んだせいか、体つきがさらに頑丈になってきていますが、スタミナの点では怪物に近いナダルには及ばず、かなり最後の方は肩で息をしていました。
ナダルは膝の怪我もあり、それほど必死に動き回ることはなかったように思います。目立ったのは今までになくネットにくる回数が多かったこと。膝のためにも速く勝負をつけるテニスをする方向に向かっているのではないかと思います。これで彼のテニスにも前後の幅のある面白いより立体的なテニスになってきました。
二人ともいつもよりはドロップショットとネットダッシュの数が多く、うまくネットプレーを利用したテニスをみせてくれました。これはテニスの新しい傾向といえるかもしれません。しかしマレーの方がドロップショットの成功率は高く、わざとナダルをネットにおびき寄せ、打たせて決める戦法は有効でした。ネットダッシュは、二人ともサーヴ&ヴォレーとはいかなくても、チャンスがあればできるだけネットに近づいてウィナーを決めるネットプレーを展開して、かなりのポイントを稼いでいましたので、これから楽しめそうです。
レベルが大変高い試合で見応え十分。赤のスペインの旗と青地に白のコットランドの旗の応援合戦が盛り上がり、エグジビションにはめずらしくまるでデ杯のような雰囲気でした。
おかしいのは、マレーはイギリス人なのに、誰もイギリスの旗は振らないのですね。スコットランドの誇りはあくまでも高く。このあたりにも未だに長い闘争の歴史を引きずっていて面白いですね。
さてトップランカーたちがどのようにオーストラリアン・オープンにむけてコンディションを整えていくか? フェデラー、ナダル、マレー、ロディックはドーハで顔を再び会わせることになり、ワールドツアー250にしては(新しく呼び名が変わり優勝者は250ポイントが与えられます)、マスターズカップのような豪華なメンバーですので、ついがんばりすぎてしまう可能性があります。最終目的はAO(Australian Open)ですから、ここでやりすぎてしまうと怪我をしたりガス欠になるので要注意です。
一方ジョコヴィッチは錦織選手と同じブリスベインに出場します。これも同じくワールドツアー250ですが、トップ10の選手はツォンガのみで、ドーハにくらべかなり楽なことは確か。ジョコヴィッチの最初の対戦相手はグルビスですが、テニスアカデミー時代から知り抜いた仲で、過去の対戦成績はジョコの2勝0敗ですので、手強い相手ですが、ジョコは切り抜けて、決勝はツォンガになる可能性が高いと思います。そうなると、deja vuでまたもやAO決勝戦に。ツォンガは昨年ジョコに決勝で負けたリベンジを計るでしょうし、面白くなりそうです。
結果はマレーが6-4, 5-7, 6-3で割とすんなりと優勝です。
アンディ・マレーがすばらしいテニスをしました。ナダルも決して調子が悪いのではなかったのですが、どんなショットにも食らいつくマレーに苛立ったり、またぎりぎりを狙わなければならないので、ミスが増えました。まんまとマレーの罠にかかってしまったようです。サーヴよし、ネットプレーよし、ドロップショット、ロブ、ループボールなどヴァラエティに富んだ技術と柔軟な作戦はナダルを超していたように思います。フィジカルトレーニングを積んだせいか、体つきがさらに頑丈になってきていますが、スタミナの点では怪物に近いナダルには及ばず、かなり最後の方は肩で息をしていました。
ナダルは膝の怪我もあり、それほど必死に動き回ることはなかったように思います。目立ったのは今までになくネットにくる回数が多かったこと。膝のためにも速く勝負をつけるテニスをする方向に向かっているのではないかと思います。これで彼のテニスにも前後の幅のある面白いより立体的なテニスになってきました。
二人ともいつもよりはドロップショットとネットダッシュの数が多く、うまくネットプレーを利用したテニスをみせてくれました。これはテニスの新しい傾向といえるかもしれません。しかしマレーの方がドロップショットの成功率は高く、わざとナダルをネットにおびき寄せ、打たせて決める戦法は有効でした。ネットダッシュは、二人ともサーヴ&ヴォレーとはいかなくても、チャンスがあればできるだけネットに近づいてウィナーを決めるネットプレーを展開して、かなりのポイントを稼いでいましたので、これから楽しめそうです。
レベルが大変高い試合で見応え十分。赤のスペインの旗と青地に白のコットランドの旗の応援合戦が盛り上がり、エグジビションにはめずらしくまるでデ杯のような雰囲気でした。
おかしいのは、マレーはイギリス人なのに、誰もイギリスの旗は振らないのですね。スコットランドの誇りはあくまでも高く。このあたりにも未だに長い闘争の歴史を引きずっていて面白いですね。
スコットランドの旗
さてトップランカーたちがどのようにオーストラリアン・オープンにむけてコンディションを整えていくか? フェデラー、ナダル、マレー、ロディックはドーハで顔を再び会わせることになり、ワールドツアー250にしては(新しく呼び名が変わり優勝者は250ポイントが与えられます)、マスターズカップのような豪華なメンバーですので、ついがんばりすぎてしまう可能性があります。最終目的はAO(Australian Open)ですから、ここでやりすぎてしまうと怪我をしたりガス欠になるので要注意です。
一方ジョコヴィッチは錦織選手と同じブリスベインに出場します。これも同じくワールドツアー250ですが、トップ10の選手はツォンガのみで、ドーハにくらべかなり楽なことは確か。ジョコヴィッチの最初の対戦相手はグルビスですが、テニスアカデミー時代から知り抜いた仲で、過去の対戦成績はジョコの2勝0敗ですので、手強い相手ですが、ジョコは切り抜けて、決勝はツォンガになる可能性が高いと思います。そうなると、deja vuでまたもやAO決勝戦に。ツォンガは昨年ジョコに決勝で負けたリベンジを計るでしょうし、面白くなりそうです。
2009年01月03日
錦織は危険なフローター?
しも(下)の話になりますので、上品な方は飛ばしてください。
Tennistalk.comの12月30日の記事は、錦織選手について書かれた記事ですが、David Cox記者の言う“he's a very dangerous floater”のfloaterとはどういう意味ですか?というコメントの質問がありましたのでお答えしたいと思います。
この記事は錦織選手がオークランドのワイルドカードを手に入れたニュースの中で使われた表現です。http://tennistalk.com/en/news/20081230/Nishikori_gets_Auckland_wildcard
floaterとは、ぷかぷか浮いてる物のことで、水洗で流せないほど大きなウンコ(汚い話でスミマセン!)を指します。あとは、あっち側についたり、こっち側についたりする優柔不断者のことも指しますが、余り日常では使いません。floaterとは要するに余りよい感じを与える言葉ではないのです。
“Float like a butterfly, sting like a bee.” (蝶々のごとく浮遊し、蜂のごとく刺す)
これは伝説のボクサー、モハメッド・アリの有名な言葉です。この言葉にかけて、フェデラーの軽いフットワークのことを「バタフライのようだ」と解説者やジャーナリストは表現することがあります。
つまりここのfloaterには、蝶々のように軽い、流れるような動きといったニュアンスが含まれていると思いますが、耳にしない表現です。
(とおりすがりさんからの下記のコメントから、dangerous floaterについて教えていただきました。これ以降は私の解釈が間違っていましたので、削除させていただきました。知らないことは、ちゃんと調べてから書くという根本のルールを守らず、申し訳ありませんでした。)
よい機会なので、dangerous floaterを調べてみました。
2008年1月15日付けのThe Australian紙の記事に"Smokin' Jo a dangerous floater"というタイトルを見つけました。
http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,25197,23052496-2722,00.html
サブキャプションに、「モハメッド・アリに似ているツォンガは果たしてヒーローになれるだろうか?」とあります。つまりSmokin' Joとは、アリの宿敵の伝説のボクサー、ジョー・フレージャーのことで、ツォンガのファーストネームもジョーであることから、気の利いたキャプションとなってます。
この記事は1回戦でアンディー・マレーを破ったツォンガをdangerous floaterと呼んでいます。このマレーの敗戦はショッキングな出来事で記者はこのように書いています。
「マレーはツォンガがsting like a bee蜂のように刺すことができることをしっていた。」
記者の予想があたり、dangerous floaterとなって「調子にのれば手に付けられない」選手、ツォンガはマレーを破ったあと、ガスケやナダルを破って決勝戦まで勝ち進んでしまったのでした。
このdangerous floater(floaterという言葉にひっかかりますが)という言葉が気にいりました。とおりすがりさんのおっしゃる「決してトップクラスではないが、はまるとトップクラスに勝ってしまうような選手」について、特集してみるのも面白いと思います。そういった意味では錦織選手も立派なdangerous floaterといえますね。
Tennistalk.comの12月30日の記事は、錦織選手について書かれた記事ですが、David Cox記者の言う“he's a very dangerous floater”のfloaterとはどういう意味ですか?というコメントの質問がありましたのでお答えしたいと思います。
この記事は錦織選手がオークランドのワイルドカードを手に入れたニュースの中で使われた表現です。http://tennistalk.com/en/news/20081230/Nishikori_gets_Auckland_wildcard
floaterとは、ぷかぷか浮いてる物のことで、水洗で流せないほど大きなウンコ(汚い話でスミマセン!)を指します。あとは、あっち側についたり、こっち側についたりする優柔不断者のことも指しますが、余り日常では使いません。floaterとは要するに余りよい感じを与える言葉ではないのです。
“Float like a butterfly, sting like a bee.” (蝶々のごとく浮遊し、蜂のごとく刺す)
これは伝説のボクサー、モハメッド・アリの有名な言葉です。この言葉にかけて、フェデラーの軽いフットワークのことを「バタフライのようだ」と解説者やジャーナリストは表現することがあります。
つまりここのfloaterには、蝶々のように軽い、流れるような動きといったニュアンスが含まれていると思いますが、耳にしない表現です。
(とおりすがりさんからの下記のコメントから、dangerous floaterについて教えていただきました。これ以降は私の解釈が間違っていましたので、削除させていただきました。知らないことは、ちゃんと調べてから書くという根本のルールを守らず、申し訳ありませんでした。)
よい機会なので、dangerous floaterを調べてみました。
2008年1月15日付けのThe Australian紙の記事に"Smokin' Jo a dangerous floater"というタイトルを見つけました。
http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,25197,23052496-2722,00.html
サブキャプションに、「モハメッド・アリに似ているツォンガは果たしてヒーローになれるだろうか?」とあります。つまりSmokin' Joとは、アリの宿敵の伝説のボクサー、ジョー・フレージャーのことで、ツォンガのファーストネームもジョーであることから、気の利いたキャプションとなってます。
この記事は1回戦でアンディー・マレーを破ったツォンガをdangerous floaterと呼んでいます。このマレーの敗戦はショッキングな出来事で記者はこのように書いています。
「マレーはツォンガがsting like a bee蜂のように刺すことができることをしっていた。」
記者の予想があたり、dangerous floaterとなって「調子にのれば手に付けられない」選手、ツォンガはマレーを破ったあと、ガスケやナダルを破って決勝戦まで勝ち進んでしまったのでした。
このdangerous floater(floaterという言葉にひっかかりますが)という言葉が気にいりました。とおりすがりさんのおっしゃる「決してトップクラスではないが、はまるとトップクラスに勝ってしまうような選手」について、特集してみるのも面白いと思います。そういった意味では錦織選手も立派なdangerous floaterといえますね。
2009年01月03日
波乱のシーズンの始まり?
明けましておめでとうございます!
本年もよろしくお付き合いください!
New Year's Eve Dinnerで親しい友人と元旦を迎えました
(私はビデオを撮ってますので映っておりません)
元旦早々から、常夏の石油王国、アラブ首長国連邦(7つの首長国からなる)の一つ、アブダビでエクジビションが6選手(ナダル、フェデラー、マリー、ロディック、ダヴィデンコ、ブレイク)によって行われています。優勝した選手には280万円の賞金が当たるわけですが、どれだけ多額のギャラが各選手に払われたかのか詳しい数字はわかりませんが、桁はずれのオイルマネーが払われているとの噂です。
スイスの新聞で得た情報ですが、選手の総収入の7割が税金や経費で飛んでしまうのだそうです。ですから、こういう楽で手っ取り早く稼げるエクジビションに、これだけのトップランカーが集まるのでしょうね。
さて、元旦はマリーvsブレイク、ダヴィデンコvsロディックの対戦でした。結果は予想どおり以下の通りです。
1月1日の結果
マリー def ブレイク 6-2 6-2
ダヴィデンコ def ロディック 6-4 6-4
ナダルとフェデラーは1回戦がbyeとなり、ちょっと他の選手にとっては不公平だと思いますが2回戦から参戦します。
今日の2日はナダルvsダヴィデンコ、フェデラーvsマリーの試合となります。
ここで注目されるのが、フェデラーvsマリー戦です。
マリーはブレイクをいとも簡単に下し、ますます快調。フェデラーにとっては本当に手強い相手になってきました。フェデラーは昨年4回マリーと対戦し、ドバイ、マドリッド、上海で3回も負けています。US Openの決勝で勝ったものの、過去の対戦成績は2勝4敗と負けが多いフェデラーにとって最も苦手な選手の一人なのです。
過去の勝利者
2008年 マリー (上海/マスターズカップ)4-6 7-6(3) 7-5
2008年 マリー (マドリッド/マスターズ:3-6 6-3 7-5 )
2008年 フェデラー (US Open:6-2 7-5 6-2)
2008年 マリー (ドバイ:6-7(6) 6-3 6-4)
2006年 マリー (シンシナティ/マスターズ 7-5 6-4)
2005年 フェデラー (バンコック: 6-3 7-5)
アメリカはロディックとブレイクの2選手が出場しましたが、アブダビの試合の放送はありません。1回戦で負けてしまったので文句はいえませが。イギリスではスカイスポーツのチャンネルで放送し、マリーへの力の入れようが分かります。
ここまで書いているうちに、ニュースが入りフェデラーがマリーに負けてしまいました。PCの調子がおかしく、この2日間streamingで試合が観れておりませんので、Sky Sportsの記事を要約します。
マリー def フェデラー 4-6, 6-2, 7-6 (6)
「フェデラーは第1セットは3-0のリードで、簡単に勝ちそうにみえたが、フェデラーの心の弛みをマリーがうまくとらえ、3-3とマリーがカムバック。しかしフェデラーはチップ&チャージでマリーの攻撃をくいとめ、しかもマリーはダブルトフォルトをおかして、フェデラーが第1セットを6-4で勝ち取った。
第2セットはマリーの攻撃的な攻めで4-0とリードをとり、フェデラーは信じられない様子。しかしフェデラーはブレークして4-2ともちなおしたものの、マリーにブレークされなおして、6-2でマリーが第2セットを勝ち取った。
第3セットも、マリーのサーヴの切れとグランドストロークの精度は落ちることなく、フェデラーを苦しめフェデラーは4-1とリードを許してしまう。しかしフェデラーの上げたロブがマリーのミスをさそってから、フェデラーに勢いがつき、2回ブレークに成功してタイブレークに持ち込んだ。」
フェデラーの3セット目の劇的カムバックもあえなく、タイブレークのわずかな差で負けてしまうという残念な試合になりました。
マリーは記者会見でこのように述べています。
「僕の課題は、いかに過去の3~4ヶ月のテニスをキープしていけるかにあると思う。次はドーハで、このままの感じでいけたらと願っている。ロジャーとの試合は自分にとっていつもチャレンジだ。過去に勝ったといっても、US Openで負けているからね。いつかGSでこのお返しができたらと思うよ。」
一方フェデラーは記者会見でこのように答えています。( )は私のコメントです。
「僕はことしはなかなか好いスタートを切っているよ(どこが?)
ちょっと残念な結果になってしまったけれどね。去年のアンディーはすばらしい成績を残したし、今年もグレイトシェイプみたいだね。(呑気なことを)
僕は今年もGSが一つしかとれないひどい年であっても、一つだけでも十分ハッピーだよ。(冗談?皮肉?)」
冗談(皮肉)っぽいフェデラーですが、この結果がどのようにフェデラーの今後の大会に影響を与えていくのか? サーヴ&ヴォレーが多かったようですが、このスタイルを続けていけるのか? 興味のあるところです。
(フェデラーファンに誤解があるといけないので付け足します。私はこの「GSが一つしかとれないひどい年」という言葉はとても面白いと思いました。フェデラーがGSを一つだけとっても、ひどい年にされてしまうジャーナリストを皮肉っているわけですが、これくらい言えるようになったフェデラーは気持ちの上で余裕がでてきたように思います。)
ナダル def ダヴィデンコ 6-2 6-3
ナダルは最初は本調子でなかったようですが、後半は圧倒的に強かったそうです。膝の具合もよいようで胸をなでおろしました。
明日3日はいよいよ決勝戦でナダルvsマリーの対決となります。自信を得たマリーがもしナダルに勝ってしまえば?
ツォンガは以下のように言っています。「僕の2009年の目標はまずAOのタイトルをとること。そしてNo.1になること。トップ10の選手は誰でもNo.1になれると思っているし、誰がなってもおかしくないよ。戦争なんだ。」
ということは、トップランカーたちは、マジにナダルやフェデラーを倒せると信じていることになります。まさに戦国時代に突入です。
1月の大会スケジュールは以下のとおりです。
新しいポイントシステムになり、ランキングにどのようにひびいてくるのかが大いに興味のあるところです。来週早々に新しいランキングが発表されますが、そのときにでも新しいシステムを説明したいと思います。
1月の大会スケジュールは以下のとおりです。
(主な出場選手を列記しましたが、シード順ではありません。)
1月1日
アブダビ(エグジビション)
ナダル
フェデラー
マリー
ダヴィデンコ
ロディック
ブレイク
1月4日
ブリスベイン Brisbane (Australia)
http://www.brisbaneinternational.com.au/
(男子)
錦織
ジョコヴィッチ 3位
ツォンガ 6位
べルダスコ 16位
ソダーリング 17位
バーディッチ 20位
フィッシュ 24位
ガスケ 25位
(女子)
イヴァノヴィッチ
ハンチュコヴァ
1月5日
ドーハ Doha (Qatar)
http://www.qataropen.org/
ナダル
フェデラー
マリー
ロディック
アンドレエヴ
ツルスノフ
1月5日
チェンナイ Chennai (India)
http://www.chennaiopen.org/
ダヴィデンコ
ヴァヴリンカ
シリッチ
カーロヴィッチ
モヤ
添田豪
1月12日
オークランド Auckland (New Zealand)
http://www.heinekenopen.co.nz/1/home/
錦織(WC)
デルポトロ
フェレール
ソダーリング
グルビス
1月12日
シドニー Sydney (Australia)
http://www.medibankinternational.com.au/
(男子)
ナルバンディアン
シモン
ツォンガ
ヒューイット
ガスケ
(女子)
モレーズモ
サフィーナ
ディメンティエヴァ
セリーナ・ウィリアムズ
1月14日(エグジビション)
クーヨン Kooyong/Melbourne (Australia)
http://www.aamiclassic.com.au/Home
フェデラー
ヴァヴリンカ
バグダティス
サフィン
ゴンザレス
ベルダスコ
シリッチ
モヤ
1月19日
アーストラリアン・オープン Melbourne
http://www.australianopen.com/en_AU/index.html