2009年03月31日
マイアミ大会4回戦にむけて
マイアミマスターズ(ソニーエリクソン・オープン)は、ボトムハーフが3回戦(R32)を終了していよいよ4回戦R16です。以下の選手が対戦します。
Simon vs Tsonga
(過去の対戦成績:シモン1勝、ツォンガ0勝)
Simon
メディアに対して不服なのは、誰もシモンについて語っていないこと。テレビの放送のなかでも勝った選手のリストにも加えていなかったのはどういうこと?2回戦はヒューイット3-6, 6-4, 6-3 、3回戦はシュトラー3-6, 6-1, 6-1 とむずかしい相手に勝ったというのに。最近は負けが多いし、8位とはいえ地味なんでしょうか。インタービューもなし(記者会見はしているのでしょうが、ソニーエリクソン・オープンのサイトには掲載されず)。ですから最近のシモンの様子がわかりませんが、2試合とも第1セットを落としています。ツォンガのことを以前シモンは、「彼はどんなに負けていても自信満々だから、GSは優勝してもおかしくない」と語っていましたが、ツォンガの底力を知っているだけに、作戦男で知られるシモンの対ツォンガ作戦がみものです。
Djokovic vs Berdych
(過去の対戦成績:ジョコヴィッチ1勝、バーチッチ0勝)
Djokovic
ジョコヴィッチは2月ドバイで優勝したものの、デ杯ではフェレールとナダルにストレート負け。インディアンウェルズではロディックにあっさりとストレート負けしてしまったため、ジョコは大丈夫か?という疑問が持たれていました。しかしマイアミでは2回戦、3回戦を順調に勝ちこし、安定したパーフォーマンスをみせています。特に昨夜の3回戦の対マテュー戦では、サーヴの得点確率が1stサーヴが82%、2ndサーヴが79%とソリッドなサーヴィスゲームで快勝しました。ゲーム展開も得意のバックハンドのダウンザラインが決まり、以前のように左右のサイドラインに振り分けるジョコテニスをみせてくれました。
今までは試合の準備が十分にできていなかったと述べていますが、これは新しいラケットに慣れることと、ジョコファミリーが中心となって5月2日から始まる、セルビア最初のATPトーナメント、セルビア・オープンが影響していたと思います。昨年ジョコファミリーがオランダのトーナメントのライセンスを買い取り、セルビアにもってくることに成功。ジョコのおじさんがトーナメント・ディレクターとなって、順々に準備が整っているようですが、ジョコヴィッチのリクルートが効いてワールドツアー250のスケールにしては、なかなかの大物選手が集まりました。という訳でジョコは5月まではどうもフォーカスがむずかしそうです。
セルビア・オープンに、ジョコヴィッチ、ステパネック、アンドレェヴ、カーロヴィッチ、アメリカからはクェリーが参加します。
Federer vs Dent
(過去の対戦はなし)
Federer
初戦でキムを 6-3, 6-2で倒し、3回戦ではキーファーを6-4, 6-1で破ったフェデラーは快調な滑り出しでR16を迎えます。昨日の対キーファー戦では、フェデラーの1stサーヴが80%の割で成功。この試合ではサーヴ&ヴォレーやフォアの練習をしていたようなゆとりがありました。デントは2006年2月のロッテルダムで怪我をして以来、2年以上のブランクがあった元トップ20の選手です。絶滅寸前のサーヴ&ヴォレー選手のカムバックはテニス界にとっては嬉しいニュース。二人は今回が初めての対戦となりますが、いつも初対面の選手には手こずるフェデラー。アグレッシヴなデントにどう迫るか? 楽しみな対戦です。
フェデラーの赤ちゃんニュースですが、ミルカはテニス関係の仕事を一切やめるそうです。しかしツアーにはできるだけ一緒についてまわるようですが、産婦人科との定期的検査などいろいろ準備があり、トーナメント会場とスイスを往復するのでしょうか。くれぐれも体のコンディションに気をつけてほしいですね。
Roddick vs Monfils
(過去の対戦成績:ロディック2勝、モンフィス3勝)
Roddick
3回戦のツルスノフ戦の第1セットでは、ロディックの弱点が出てしまい苦戦となりました。肝心な時に決められないことと、試合がタイトになってくるとディフェンスになりがち。つまり大切なポイントで、ガッツのあるテニスができないのがロディックの弱点。ロディックは11ゲーム目(5-5)で、8回のデュースを重ね、5回のブレークチャンスを逃してしまいました。タイブレークでも11-9でシーソーゲーム。トータルで10回のブレークポイントをとりながら、得点に結びつけたのはたったの3回。このようなもったいない試合展開では、球をとりまくるモンフィスでは苦戦が予想されます。サーヴは悪くないのですから、ディフェンスのモンフィスに強気で対戦してほしいものです。
残念な二人
Nalbandian
マイアミマスターズ(ソニーエリクソン・オープン)は、シード選手ですでに初戦で敗退してしまったのは、ナルバンディアン、フィッシュ、メルツァーの3人。ナルバンディアンは、トロイッキとの対戦では、インディアンウェルズのナダル戦にみせたあの華麗なテニスの片鱗もなく、6-1, 6-3のストレートで負けてしまいました。1stサーヴが30%ではどうがんばっても勝ちようがありませんが、ブレークポイントも6回も得ながら一度もブレークできず、今年最悪の試合になってしまいました。
Safin
初戦を勝ち越して2回戦はモンフィスと対戦したサフィンですが、勝てた試合を放棄してしまいました。第3セットで5-2と勝利を目前にしたサフィンは、フォーカスを失って、モンフィスにあれよあれよと連続ブレークを許して、6-2, 6-7(5), 6-3で敗退してしまいました。引退を宣言して最後のサフィンらしい試合をみせてくれるはずだったのですが、やはり浮き沈みの激しい気性ではメンタルをコントロールするのがむずかしく、これも残念な試合となってしまいました。
Simon vs Tsonga
(過去の対戦成績:シモン1勝、ツォンガ0勝)
Simon
メディアに対して不服なのは、誰もシモンについて語っていないこと。テレビの放送のなかでも勝った選手のリストにも加えていなかったのはどういうこと?2回戦はヒューイット3-6, 6-4, 6-3 、3回戦はシュトラー3-6, 6-1, 6-1 とむずかしい相手に勝ったというのに。最近は負けが多いし、8位とはいえ地味なんでしょうか。インタービューもなし(記者会見はしているのでしょうが、ソニーエリクソン・オープンのサイトには掲載されず)。ですから最近のシモンの様子がわかりませんが、2試合とも第1セットを落としています。ツォンガのことを以前シモンは、「彼はどんなに負けていても自信満々だから、GSは優勝してもおかしくない」と語っていましたが、ツォンガの底力を知っているだけに、作戦男で知られるシモンの対ツォンガ作戦がみものです。
Djokovic vs Berdych
(過去の対戦成績:ジョコヴィッチ1勝、バーチッチ0勝)
Djokovic
ジョコヴィッチは2月ドバイで優勝したものの、デ杯ではフェレールとナダルにストレート負け。インディアンウェルズではロディックにあっさりとストレート負けしてしまったため、ジョコは大丈夫か?という疑問が持たれていました。しかしマイアミでは2回戦、3回戦を順調に勝ちこし、安定したパーフォーマンスをみせています。特に昨夜の3回戦の対マテュー戦では、サーヴの得点確率が1stサーヴが82%、2ndサーヴが79%とソリッドなサーヴィスゲームで快勝しました。ゲーム展開も得意のバックハンドのダウンザラインが決まり、以前のように左右のサイドラインに振り分けるジョコテニスをみせてくれました。
今までは試合の準備が十分にできていなかったと述べていますが、これは新しいラケットに慣れることと、ジョコファミリーが中心となって5月2日から始まる、セルビア最初のATPトーナメント、セルビア・オープンが影響していたと思います。昨年ジョコファミリーがオランダのトーナメントのライセンスを買い取り、セルビアにもってくることに成功。ジョコのおじさんがトーナメント・ディレクターとなって、順々に準備が整っているようですが、ジョコヴィッチのリクルートが効いてワールドツアー250のスケールにしては、なかなかの大物選手が集まりました。という訳でジョコは5月まではどうもフォーカスがむずかしそうです。
セルビア・オープンに、ジョコヴィッチ、ステパネック、アンドレェヴ、カーロヴィッチ、アメリカからはクェリーが参加します。
Federer vs Dent
(過去の対戦はなし)
Federer
初戦でキムを 6-3, 6-2で倒し、3回戦ではキーファーを6-4, 6-1で破ったフェデラーは快調な滑り出しでR16を迎えます。昨日の対キーファー戦では、フェデラーの1stサーヴが80%の割で成功。この試合ではサーヴ&ヴォレーやフォアの練習をしていたようなゆとりがありました。デントは2006年2月のロッテルダムで怪我をして以来、2年以上のブランクがあった元トップ20の選手です。絶滅寸前のサーヴ&ヴォレー選手のカムバックはテニス界にとっては嬉しいニュース。二人は今回が初めての対戦となりますが、いつも初対面の選手には手こずるフェデラー。アグレッシヴなデントにどう迫るか? 楽しみな対戦です。
フェデラーの赤ちゃんニュースですが、ミルカはテニス関係の仕事を一切やめるそうです。しかしツアーにはできるだけ一緒についてまわるようですが、産婦人科との定期的検査などいろいろ準備があり、トーナメント会場とスイスを往復するのでしょうか。くれぐれも体のコンディションに気をつけてほしいですね。
Roddick vs Monfils
(過去の対戦成績:ロディック2勝、モンフィス3勝)
Roddick
3回戦のツルスノフ戦の第1セットでは、ロディックの弱点が出てしまい苦戦となりました。肝心な時に決められないことと、試合がタイトになってくるとディフェンスになりがち。つまり大切なポイントで、ガッツのあるテニスができないのがロディックの弱点。ロディックは11ゲーム目(5-5)で、8回のデュースを重ね、5回のブレークチャンスを逃してしまいました。タイブレークでも11-9でシーソーゲーム。トータルで10回のブレークポイントをとりながら、得点に結びつけたのはたったの3回。このようなもったいない試合展開では、球をとりまくるモンフィスでは苦戦が予想されます。サーヴは悪くないのですから、ディフェンスのモンフィスに強気で対戦してほしいものです。
残念な二人
Nalbandian
マイアミマスターズ(ソニーエリクソン・オープン)は、シード選手ですでに初戦で敗退してしまったのは、ナルバンディアン、フィッシュ、メルツァーの3人。ナルバンディアンは、トロイッキとの対戦では、インディアンウェルズのナダル戦にみせたあの華麗なテニスの片鱗もなく、6-1, 6-3のストレートで負けてしまいました。1stサーヴが30%ではどうがんばっても勝ちようがありませんが、ブレークポイントも6回も得ながら一度もブレークできず、今年最悪の試合になってしまいました。
Safin
初戦を勝ち越して2回戦はモンフィスと対戦したサフィンですが、勝てた試合を放棄してしまいました。第3セットで5-2と勝利を目前にしたサフィンは、フォーカスを失って、モンフィスにあれよあれよと連続ブレークを許して、6-2, 6-7(5), 6-3で敗退してしまいました。引退を宣言して最後のサフィンらしい試合をみせてくれるはずだったのですが、やはり浮き沈みの激しい気性ではメンタルをコントロールするのがむずかしく、これも残念な試合となってしまいました。
2009年03月27日
トップ選手のナダル分析
マイアミマスターズに再びトップクラスの選手が大集合しました。3月26日からすでに激しい戦いが始まっておりますが、シードプレーヤー(32選手)は今日の2回戦(Round 64)から初戦となります。フェデラーが出ますね。この大会に大なる期待をかけていますので、密着観戦をしていきたいと思います。28日からTennisTV.comで観戦できますので(多分観戦できるのは、StadiumとGrandstandの2コートだけだと思いますが)、今週末はゆっくりStreaming観戦といきましょう。
Simon vs Hewitt
今日27日の試合に、フェデラー、ジョコヴィッチ、ロディックが初戦で出場します。今日の試合で一番気になるのが、シモンとヒューイットです。昨日のテニスチャンネルで昨年のナダルvsシモンのマドリッドマスターズの再放送を観ましたが、あのときのシモンはすごかった。ナダルの足でも追いつけない、シモンのフォアのミサイルショットを堪能しました。ナダルがシモンのファオ側にワイドにふったときに、シモンがみせたラニングダウンザラインのウィナーはテニスの究極ともいえる技で観客を魅了しました。しかし最近のシモンは、フォアに自信がなくなったのか、あの華麗なショットが影をひそめてしまっています。ぜひヒューイット戦で、リズムを取り戻して、あのしびれるウィナーをみせてほしいと思います。
Nadalについて語る
さて、大会にそなえて記者会見で質問が多かったのは、ナダルについてです。特にサフィンがインディアンウェルズで「ナダルの技が進歩したことに驚いた」とコメントしたこともあって、ナダルについてトッププレーヤーたちに質問が集中しました。(コメントは記者会見を要約したものです)
Roddickのコメント
Safin is 100% spot on. (spot onは正しいという意味)
ナダルのチップ(ヴォレーのように球を斜めに切るショット)について誰も述べてないようだけれど、このチップのおかげで彼はトラブルを切り抜けることができるようになった。いつも彼のラニングとヘヴィーなトップスピンが取り沙汰されるけれど、ヴォレーもうまくなっている。誰も言わないけれど、ナダルはベースラインから一歩中に入ってサーヴィスリターンができる。皆まだナダルがベースラインから深く下がったままだと勘違いしているようだけれど、それは5年前の話。今の彼はいろんなポジションからミックスして打つことができる。いろんなトランジションができるんだ。彼は今いかに完全なプレーヤーになっているか、まだ十分に評価されていないように思う。
Murrayのコメント
ナダルはもう何年もNo.2だったし、いつも信じられないくらいすばらしい選手だった。しかし最近はハードコートで、もっとアグレッシヴになってきて、ベースライン近くで打つようになってきている。彼のヘヴィーな球はハードコートでは強みだ。ウィンブルドンで優勝して以来、彼のテニスはそれほど変わったとは思わないが、ネットを低く超せるショットができ、速いコートではナダルはさらに強くなった。
ナダルやフェデラーに勝つには、いつも信じられないテニスをしなければならないと思われているようだけれど、そうではなくて大切なのはショットの選択なんだ。ラインを狙った正しいショットの選択と、大切なポイントでの強いメンタル。試合がタイトになってくると、ナダルはフリーポイントを与えれくれないから、メンタルが強くなければ彼には勝てない。
Federerのコメント
ナダルとの対戦でいろんなことを試みてきた。作戦にはコンディションの違いも大きく影響することも忘れてはならない。インディアンウェルズのナダルvsマレーの決勝では、強風のため二人とも通常のテニスができなかった。高温、強風、寒冷、デイゲーム、ナイトゲーム、このようないろんな要素が重要な意味をもってくる。
ラファを倒すには、アグレッシヴなプレースタイルが有効だ。特にハードコートではね。でも過去を振り返ってみると、クレーではもっとチャンスがあったのに、ハードコートではあまりそのチャンスがなかったように思う。ハードコートでは彼に勝つにはアグレッシヴでなければならない。それは今までの経験で分かりきったことなんだ。
Djokovicのコメント
フェデラーとナダルは、長年1位と2位を保持してきた世界のベストなプレーヤーだ。過去の二人のマッチはちょっとしたポイントの違いが勝敗を決定してきたように思う。この2-3のポイントがナダルを勝者にしている。ナダルはオーストラリアン・オープンでは辛抱強く粘りがあり、大切なときにフェデラーよりベターなテニスをしたのが優勝につながった。
Federer vs Nadal 戦を期待しましょう
フェデラーがナダルを倒すにはアグレッシヴでなければならないと断言しています。しかしなかなかアグレッシヴにさせてくれないのがナダルのテニスです。フェデラーのバックハンドに集中攻撃を受けてしまう試合で、果たしてフェデラーがどれだけアグレッシヴに試合を展開することができるのか? リスキーなショットの成功は、ヒッティングゾーンに入れるフットワークが必須条件です。アグレッシヴなテニスはエラーを伴います。そして勝ち急ぎの焦りも。果たしてフェデラーは強烈なメンタルで冷静さを保ちながら、アグレッシヴに攻撃しつづけることができるのか? マイアミこそは決勝でフェデラーvsナダルを期待したいと思います。
Simon vs Hewitt
今日27日の試合に、フェデラー、ジョコヴィッチ、ロディックが初戦で出場します。今日の試合で一番気になるのが、シモンとヒューイットです。昨日のテニスチャンネルで昨年のナダルvsシモンのマドリッドマスターズの再放送を観ましたが、あのときのシモンはすごかった。ナダルの足でも追いつけない、シモンのフォアのミサイルショットを堪能しました。ナダルがシモンのファオ側にワイドにふったときに、シモンがみせたラニングダウンザラインのウィナーはテニスの究極ともいえる技で観客を魅了しました。しかし最近のシモンは、フォアに自信がなくなったのか、あの華麗なショットが影をひそめてしまっています。ぜひヒューイット戦で、リズムを取り戻して、あのしびれるウィナーをみせてほしいと思います。
Nadalについて語る
さて、大会にそなえて記者会見で質問が多かったのは、ナダルについてです。特にサフィンがインディアンウェルズで「ナダルの技が進歩したことに驚いた」とコメントしたこともあって、ナダルについてトッププレーヤーたちに質問が集中しました。(コメントは記者会見を要約したものです)
Roddickのコメント
Safin is 100% spot on. (spot onは正しいという意味)
ナダルのチップ(ヴォレーのように球を斜めに切るショット)について誰も述べてないようだけれど、このチップのおかげで彼はトラブルを切り抜けることができるようになった。いつも彼のラニングとヘヴィーなトップスピンが取り沙汰されるけれど、ヴォレーもうまくなっている。誰も言わないけれど、ナダルはベースラインから一歩中に入ってサーヴィスリターンができる。皆まだナダルがベースラインから深く下がったままだと勘違いしているようだけれど、それは5年前の話。今の彼はいろんなポジションからミックスして打つことができる。いろんなトランジションができるんだ。彼は今いかに完全なプレーヤーになっているか、まだ十分に評価されていないように思う。
Murrayのコメント
ナダルはもう何年もNo.2だったし、いつも信じられないくらいすばらしい選手だった。しかし最近はハードコートで、もっとアグレッシヴになってきて、ベースライン近くで打つようになってきている。彼のヘヴィーな球はハードコートでは強みだ。ウィンブルドンで優勝して以来、彼のテニスはそれほど変わったとは思わないが、ネットを低く超せるショットができ、速いコートではナダルはさらに強くなった。
ナダルやフェデラーに勝つには、いつも信じられないテニスをしなければならないと思われているようだけれど、そうではなくて大切なのはショットの選択なんだ。ラインを狙った正しいショットの選択と、大切なポイントでの強いメンタル。試合がタイトになってくると、ナダルはフリーポイントを与えれくれないから、メンタルが強くなければ彼には勝てない。
Federerのコメント
ナダルとの対戦でいろんなことを試みてきた。作戦にはコンディションの違いも大きく影響することも忘れてはならない。インディアンウェルズのナダルvsマレーの決勝では、強風のため二人とも通常のテニスができなかった。高温、強風、寒冷、デイゲーム、ナイトゲーム、このようないろんな要素が重要な意味をもってくる。
ラファを倒すには、アグレッシヴなプレースタイルが有効だ。特にハードコートではね。でも過去を振り返ってみると、クレーではもっとチャンスがあったのに、ハードコートではあまりそのチャンスがなかったように思う。ハードコートでは彼に勝つにはアグレッシヴでなければならない。それは今までの経験で分かりきったことなんだ。
Djokovicのコメント
フェデラーとナダルは、長年1位と2位を保持してきた世界のベストなプレーヤーだ。過去の二人のマッチはちょっとしたポイントの違いが勝敗を決定してきたように思う。この2-3のポイントがナダルを勝者にしている。ナダルはオーストラリアン・オープンでは辛抱強く粘りがあり、大切なときにフェデラーよりベターなテニスをしたのが優勝につながった。
Federer vs Nadal 戦を期待しましょう
フェデラーがナダルを倒すにはアグレッシヴでなければならないと断言しています。しかしなかなかアグレッシヴにさせてくれないのがナダルのテニスです。フェデラーのバックハンドに集中攻撃を受けてしまう試合で、果たしてフェデラーがどれだけアグレッシヴに試合を展開することができるのか? リスキーなショットの成功は、ヒッティングゾーンに入れるフットワークが必須条件です。アグレッシヴなテニスはエラーを伴います。そして勝ち急ぎの焦りも。果たしてフェデラーは強烈なメンタルで冷静さを保ちながら、アグレッシヴに攻撃しつづけることができるのか? マイアミこそは決勝でフェデラーvsナダルを期待したいと思います。
2009年03月27日
フェデラーがダブルウィナー
2008 ATP World Tour Awardsが発表されました。
HTTP://WWW.ATPWORLDTOUR.COM/TENNIS/1/EN/AWARDS/2008WINNERS.ASP
この賞についての詳しい情報(投票の仕組みなど)を調べましたが、まだリサーチ段階です。分かっていることは、スポーツマンシップ賞はATPの選手が投票、選手の人気投票はファンがATPのサイトに投票。その二つのカテゴリーで、フェデラーが見事にダブルウィナーとなりました。
「二つの受賞を与えられて嬉しい。スポーツマンシップは僕にとって大切なことで、いつもコートではよきスポーツマンでありたいと努力してきましたので、他の選手の模範になれば幸いです。それに次の世代に少しでもインスピレーションとなれば嬉しい。」
それにしてもフェデラーの調子にかかわらず、ナダルを倒した根強いフェデラーの人気には驚かされます。
「6年続けてFavorite Playerに選ばれたことに感激しています。世界中のテニスファンからこのようなサポートを受けて、モチベーションがあがり頑張りたいと思います。」
ランキングでは2位になってしまったフェデラーですが、人気投票ではまだまだ王者の貫禄を示してくれました。この投票結果がフェデラーカムバックの最良のメディシンになってくれますように。
Player Of The Year: Nadal
これは誰もが予期していたナダルの受賞となりました。No.1ランキングだけでなく、オリンピックゴールド、ウィンブルドンとフレンチオープンの2タイトルの獲得など、2008年のナダルの快挙はセンセーションを呼びました。
Doubles Player Of The Year: Zimonjic & Nestor
ブライアン兄弟を押さえて、ジモンジックとネスターの新しいダブルスチームが栄誉に輝きました。ハンブルグ、ロンドン、ウィンブルドン、トロントの4タイトルにフレンチオープンの準優勝の快挙。2008年度の最終ランキングは、ジモンジックが1位、ネスターが2位で不滅のブライアン兄弟の壁が崩れ去りましたが、今年はめでたく1位にカムバックしています。
Stefan Edberg Sportsmanship Award: Federer
5回連続してスポーツマンシップ賞をとったエドバーグを記念してこの名がつきましたが、フェデラーはこれで5年連続受賞となりました。もしフェデラーがエドバーグをこして6度目の受賞をすれば、Roger Federer Sportsmanship Awardと名付けてほしいですね。今のテニスファンの中でどれほどの人たちがエドバーグを覚えているのか疑問ですので、この大切な賞はアップデートする必要があると思います。チームスポーツと違って、テニスはスポーツマンシップが重視される貴重なスポーツ。Winning is everythingの風潮のプロスポーツの中で、絶滅寸前のスポーツマンシップのスピリットの救世主、フェデラーの貢献は計り知れないものがあります。
ナダルもスポーツマンシップに溢れた選手といえますが、ときどきウォーニング(サーヴに時間がかかりすぎ)を受けるのが玉にきず。これさえなくなればフェデラーの後継者となること間違いなし。
Most Improved: Tsonga
右膝の手術で3ヶ月のブランクがありながら、ランキングを43位から6位へアップさせた実力が買われたもの。オーストラリアン・オープンでは決勝進出、9月のバンコック優勝、10月のパリマスターズ優勝と大活躍の2008年でした。
Newcomer of the Year: Nishikori
ランキングが281位から63位へジャイアンツジャンプ。しかもトップ100入りを果たした最年少選手として評価されたもの。この輝かしい栄誉が圭君のモチベーションとなっていることは疑いもありません。プレッシャーとならず元気な圭君のカムバックを期待しましょう。
Comeback Player of the Year: Schuettler
2007年の155位から30位へ。シュトラーの過去最高のランキング5位(2004年)には及びませんが、もうすぐ33歳になるテニス高齢者のカムバックは、おおくの中堅選手にインスピレーションを与えました。テニスの若年化が進むなか、30歳以上の選手にこの賞が与えられたことは嬉しい限りです。
シュトラーは膝の怪我とフェデラーのかかったモノの後遺症で3年以上のスランプが続きました。引退の噂を吹っ飛ばす、すばらしいカムバックです。
Arthur Ashe Humanitarian Of The Year: Blake
福祉事業や世界平和への貢献度が最も高かった選手に与えられる栄誉です。
ブレイクは父を胃ガンで亡くして、ガンの研究に役立つよう Thomas Blake Sr. Memorial Research Fundを設立しました。1億円のゴールを設定してその基金をニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリング・ガンセンターに寄付することになりました。
Fans' Favourite: Federer
ATPWorldTour.comで行われた人気投票で6年連続1位にフェデラーが輝きました。
フェデラーは26.6%、 ナダル22.8% 、 ジョコヴィッチ7.8% 、 ゴンザレス6.2%
ホットなスーパースターのナダルを引き離しての堂々1位です。マレーの人気ランキングは分かりませんが、それにしても3位のジョコヴィッチと4位のマレーにもう少し人気を上げてもらわねば。
余談ですが、中国の最大新聞のオンライン、sina.comが行った2008年の人気投票で1位になったのは、なんとロディックです。Why? 彼は昨年の北京のチャイナオープンで優勝していますが、これだけが原因ではなさそう。ロディックは中国の大地震で壊滅してしまったテニスコートを再建するために、中国テニス協会に500万円も寄付しているのです。このような人道的貢献が評価された結果だと思いますが、ロディックは偉い!(アメリカにおいても、彼はいろんな慈善事業のためにエグジビションに出ています。)
HTTP://WWW.ATPWORLDTOUR.COM/TENNIS/1/EN/AWARDS/2008WINNERS.ASP
この賞についての詳しい情報(投票の仕組みなど)を調べましたが、まだリサーチ段階です。分かっていることは、スポーツマンシップ賞はATPの選手が投票、選手の人気投票はファンがATPのサイトに投票。その二つのカテゴリーで、フェデラーが見事にダブルウィナーとなりました。
「二つの受賞を与えられて嬉しい。スポーツマンシップは僕にとって大切なことで、いつもコートではよきスポーツマンでありたいと努力してきましたので、他の選手の模範になれば幸いです。それに次の世代に少しでもインスピレーションとなれば嬉しい。」
それにしてもフェデラーの調子にかかわらず、ナダルを倒した根強いフェデラーの人気には驚かされます。
「6年続けてFavorite Playerに選ばれたことに感激しています。世界中のテニスファンからこのようなサポートを受けて、モチベーションがあがり頑張りたいと思います。」
ランキングでは2位になってしまったフェデラーですが、人気投票ではまだまだ王者の貫禄を示してくれました。この投票結果がフェデラーカムバックの最良のメディシンになってくれますように。
Player Of The Year: Nadal
これは誰もが予期していたナダルの受賞となりました。No.1ランキングだけでなく、オリンピックゴールド、ウィンブルドンとフレンチオープンの2タイトルの獲得など、2008年のナダルの快挙はセンセーションを呼びました。
Doubles Player Of The Year: Zimonjic & Nestor
ブライアン兄弟を押さえて、ジモンジックとネスターの新しいダブルスチームが栄誉に輝きました。ハンブルグ、ロンドン、ウィンブルドン、トロントの4タイトルにフレンチオープンの準優勝の快挙。2008年度の最終ランキングは、ジモンジックが1位、ネスターが2位で不滅のブライアン兄弟の壁が崩れ去りましたが、今年はめでたく1位にカムバックしています。
Stefan Edberg Sportsmanship Award: Federer
5回連続してスポーツマンシップ賞をとったエドバーグを記念してこの名がつきましたが、フェデラーはこれで5年連続受賞となりました。もしフェデラーがエドバーグをこして6度目の受賞をすれば、Roger Federer Sportsmanship Awardと名付けてほしいですね。今のテニスファンの中でどれほどの人たちがエドバーグを覚えているのか疑問ですので、この大切な賞はアップデートする必要があると思います。チームスポーツと違って、テニスはスポーツマンシップが重視される貴重なスポーツ。Winning is everythingの風潮のプロスポーツの中で、絶滅寸前のスポーツマンシップのスピリットの救世主、フェデラーの貢献は計り知れないものがあります。
ナダルもスポーツマンシップに溢れた選手といえますが、ときどきウォーニング(サーヴに時間がかかりすぎ)を受けるのが玉にきず。これさえなくなればフェデラーの後継者となること間違いなし。
Most Improved: Tsonga
右膝の手術で3ヶ月のブランクがありながら、ランキングを43位から6位へアップさせた実力が買われたもの。オーストラリアン・オープンでは決勝進出、9月のバンコック優勝、10月のパリマスターズ優勝と大活躍の2008年でした。
Newcomer of the Year: Nishikori
ランキングが281位から63位へジャイアンツジャンプ。しかもトップ100入りを果たした最年少選手として評価されたもの。この輝かしい栄誉が圭君のモチベーションとなっていることは疑いもありません。プレッシャーとならず元気な圭君のカムバックを期待しましょう。
Comeback Player of the Year: Schuettler
2007年の155位から30位へ。シュトラーの過去最高のランキング5位(2004年)には及びませんが、もうすぐ33歳になるテニス高齢者のカムバックは、おおくの中堅選手にインスピレーションを与えました。テニスの若年化が進むなか、30歳以上の選手にこの賞が与えられたことは嬉しい限りです。
シュトラーは膝の怪我とフェデラーのかかったモノの後遺症で3年以上のスランプが続きました。引退の噂を吹っ飛ばす、すばらしいカムバックです。
Arthur Ashe Humanitarian Of The Year: Blake
福祉事業や世界平和への貢献度が最も高かった選手に与えられる栄誉です。
ブレイクは父を胃ガンで亡くして、ガンの研究に役立つよう Thomas Blake Sr. Memorial Research Fundを設立しました。1億円のゴールを設定してその基金をニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリング・ガンセンターに寄付することになりました。
Fans' Favourite: Federer
ATPWorldTour.comで行われた人気投票で6年連続1位にフェデラーが輝きました。
フェデラーは26.6%、 ナダル22.8% 、 ジョコヴィッチ7.8% 、 ゴンザレス6.2%
ホットなスーパースターのナダルを引き離しての堂々1位です。マレーの人気ランキングは分かりませんが、それにしても3位のジョコヴィッチと4位のマレーにもう少し人気を上げてもらわねば。
余談ですが、中国の最大新聞のオンライン、sina.comが行った2008年の人気投票で1位になったのは、なんとロディックです。Why? 彼は昨年の北京のチャイナオープンで優勝していますが、これだけが原因ではなさそう。ロディックは中国の大地震で壊滅してしまったテニスコートを再建するために、中国テニス協会に500万円も寄付しているのです。このような人道的貢献が評価された結果だと思いますが、ロディックは偉い!(アメリカにおいても、彼はいろんな慈善事業のためにエグジビションに出ています。)
2009年03月25日
春です!
インディアンウェルズが終わったと思ったら、もうすでにマイアミマスターズが始まってしまいました。
圭君はマイアミだけでなく次のデ杯も欠場となりそうです。6週間の治療とは、無理がたたりました。シャラポヴァもまたマイアミに欠場です。圭君もくれぐれも怪我を軽視しないで、デ杯はやめて、フレンチに間に合わなくてもゆっくり治療に専念してほしいと思います。
圭君の欠場となってしまった寂しいマイアミに、インドの星、16歳のユキ・バンブリ君 Yuki Bhambri がWCで出場です。ユキ君は日本人との混血ではありませんが、ユキの名前は日本語からとったそうです。彼は圭君と同じボレテリでトレーニングを積み、今年はオーストラリアン・オープンのジュニアで堂々優勝しました。もちろん世界ジュニアNo.1です。今日ユキ君が73位のユンケイラと対戦します。圭君の分もがんばって!
さて、やっと春がニューヨークにもやって来ました!
我が家から歩いて5分でセントラルパーク。10分でハドソンリヴァー・パーク。すばらしい公園に恵まれた環境にありながら、散歩の苦手な私は公園を利用しておりません。
もったいない!
公園の利用方法には、歩く(嫌い)、走る(手術した両膝がもたない)、サイクリング(昔やったため興味が薄れている)、ローラーブレード(誰もやっていないので捨ててしまった)、あと残るはスケートボード。
ミドルエイジ人間のスケボー挑戦に、
「年甲斐もなく恥ずかしい」これは多分日本の反応。
「Wow! That's cool!」これはニューヨークの反応。
犬だってニューヨークでやっている!
よーし! そこでスケボーをレンタルして挑戦です!
息子が夏休みに戻ってきます。息子をあっと驚かす! 母の新しいゴールはダウンヒル・スケートボード。 やったるでェ!
母はグリーンのヘアも考慮中。
夏に母と息子の上達ぶりの違いをupdateしたいと思います。
圭君はマイアミだけでなく次のデ杯も欠場となりそうです。6週間の治療とは、無理がたたりました。シャラポヴァもまたマイアミに欠場です。圭君もくれぐれも怪我を軽視しないで、デ杯はやめて、フレンチに間に合わなくてもゆっくり治療に専念してほしいと思います。
圭君の欠場となってしまった寂しいマイアミに、インドの星、16歳のユキ・バンブリ君 Yuki Bhambri がWCで出場です。ユキ君は日本人との混血ではありませんが、ユキの名前は日本語からとったそうです。彼は圭君と同じボレテリでトレーニングを積み、今年はオーストラリアン・オープンのジュニアで堂々優勝しました。もちろん世界ジュニアNo.1です。今日ユキ君が73位のユンケイラと対戦します。圭君の分もがんばって!
Go Yuki!
さて、やっと春がニューヨークにもやって来ました!
我が家から歩いて5分でセントラルパーク。10分でハドソンリヴァー・パーク。すばらしい公園に恵まれた環境にありながら、散歩の苦手な私は公園を利用しておりません。
もったいない!
公園の利用方法には、歩く(嫌い)、走る(手術した両膝がもたない)、サイクリング(昔やったため興味が薄れている)、ローラーブレード(誰もやっていないので捨ててしまった)、あと残るはスケートボード。
ミドルエイジ人間のスケボー挑戦に、
「年甲斐もなく恥ずかしい」これは多分日本の反応。
「Wow! That's cool!」これはニューヨークの反応。
犬だってニューヨークでやっている!
よーし! そこでスケボーをレンタルして挑戦です!
息子が夏休みに戻ってきます。息子をあっと驚かす! 母の新しいゴールはダウンヒル・スケートボード。 やったるでェ!
母はグリーンのヘアも考慮中。
夏に母と息子の上達ぶりの違いをupdateしたいと思います。
2009年03月24日
トップ4の準決勝への道のり
マイアミマスターズのドローが発表になっていますが、以下が予想される準決勝ベスト4です。
セクション1:Nadal
R64: ボレリ
R32: カーロヴィッチ
R16: ヴァヴリンカ
Q: デルポトロ
今のナダルは多分どんなドローであっても準決勝に残ると思いますが、ここで要注意は2m男のカーロヴィッチです。過去2試合ともナダルが勝っていますが勝ち方が問題。カーロヴィッチのサーヴがよければブレーク不可能でタイブレークとなります。ナダルは2試合とも1セットをタイブレークで落としています。2試合の合計6セットのうち、5セットがタイブレークでナダルが辛うじて勝っています。ナダル勝利のカギは、カーロヴィッチの2ndサーヴをいかにアタックするかにかかっていると思います。
セクション2:Djokovic
R64: コールシュライバー
R32: マテゥー
R16: バーディッチ or ブレイク
Q: ツォンガ or シモン
今のジョコヴィッチは調子のよいときと悪いときとの差がはげしく、はっきりいって予測できません。彼は昨年のUS Openですっかりケチをつけてしまってから(ロブレド戦であまりの多くのMTOメディカル・タイムアウトをとって批判を浴びる。)
、彼のメンタルは動揺し始めています。Quitter(困難に出会うと途中で投げ出す人)というあだ名がついてしまったことに対して、ジョコヴィッチは抗議をしていますが、彼の評判が下落していることも、彼のパーフォーマンスに与えている影響が大きいと思います。インディアンウェルズもあっさりロディックに3-6 2-6で敗退。特にコンディショニングに問題があり、熱さに弱くスタミナがないのが負けの大きな原因となっているようですが、ここはぜひ頑張ってほしいところ。
セクション3:Murray
R64: ジケル or モナコ
R32: フィッシュ
R16: ナルバンディアン
Q: べルダスコ or ゴンザレス
トップ4の中で最もタフなドローはマレーです。フィッシュ以降は毎回準決勝のようなむずかしさで同情します。
マレーはインディアンウェルズの決勝でナダルに完敗しものの、彼の自信はフェデラーを破りSky-high。しかし最も危ないのはナルバンディアン戦で、過去の対戦成績はマレーが2連敗しています。ナルバンディアンはインディアンウェルズで、(第3セット目はガス欠してしまいましたが)ナダルに迫るすばらしいテニスをみせてくれましたので油断は禁物。ナルバンディアンがフィットしていれば、大激戦になる可能性あり。しかしマレーはこのタフなドローで、準決勝にたどりつくまでにエネルギーを消費してしまいそうな気がします。
セクション4:Federer
R64: ロードラ
R32: キーファー
R16: ロブレド or アルマグロ
Q: ロディック or モンフィス
フェデラーの問題がメンタルのみであるとすれば、過去の対戦成績が大きく影響してきます。
ロードラ:
初めての対戦となります。彼はダブルスのエキスパートですので、trickyなショットが多くて楽しめそうです。
キーファー: フェデラーの11勝3敗。しかも2003年以来フェデラーは負けておりませんので、メンタルへの影響はなし。
ロブレド: フェデラーの8勝0敗
アルマグロ: フェデラーの5勝0敗
ロディック: フェデラーの16勝2敗 しかし昨年のマイアミでは7-6(4) 4-6 6-3でロディックが勝っています。最近のロディックはスライスをうまく使い、ディフェンスが進歩しましたので油断できません。
モンフィス:フェデラーの4勝0敗
モンフィスはアップダウンの激しい予測しにくい選手。インディアンウェルズも初戦でイズナーにまけてしまっていますので、問題ないと思います。
トップ4のなかで、最もイージーなドローはフェデラー。これでナダルとの決勝の可能性が高くなってきました。ぜがひでもナダルまでたどり着き、ここでナダルを倒さなければなりません。(ナダルファンの方にお詫びします)ここで負けてしまうと、ウィンブルドンが危ない! 昨年の手に汗を握る死闘のウィンブルドンの再現に向かって、私は大声で(ほぼ絶叫に近い)Go Roger!
セクション1:Nadal
R64: ボレリ
R32: カーロヴィッチ
R16: ヴァヴリンカ
Q: デルポトロ
今のナダルは多分どんなドローであっても準決勝に残ると思いますが、ここで要注意は2m男のカーロヴィッチです。過去2試合ともナダルが勝っていますが勝ち方が問題。カーロヴィッチのサーヴがよければブレーク不可能でタイブレークとなります。ナダルは2試合とも1セットをタイブレークで落としています。2試合の合計6セットのうち、5セットがタイブレークでナダルが辛うじて勝っています。ナダル勝利のカギは、カーロヴィッチの2ndサーヴをいかにアタックするかにかかっていると思います。
セクション2:Djokovic
R64: コールシュライバー
R32: マテゥー
R16: バーディッチ or ブレイク
Q: ツォンガ or シモン
今のジョコヴィッチは調子のよいときと悪いときとの差がはげしく、はっきりいって予測できません。彼は昨年のUS Openですっかりケチをつけてしまってから(ロブレド戦であまりの多くのMTOメディカル・タイムアウトをとって批判を浴びる。)
、彼のメンタルは動揺し始めています。Quitter(困難に出会うと途中で投げ出す人)というあだ名がついてしまったことに対して、ジョコヴィッチは抗議をしていますが、彼の評判が下落していることも、彼のパーフォーマンスに与えている影響が大きいと思います。インディアンウェルズもあっさりロディックに3-6 2-6で敗退。特にコンディショニングに問題があり、熱さに弱くスタミナがないのが負けの大きな原因となっているようですが、ここはぜひ頑張ってほしいところ。
セクション3:Murray
R64: ジケル or モナコ
R32: フィッシュ
R16: ナルバンディアン
Q: べルダスコ or ゴンザレス
トップ4の中で最もタフなドローはマレーです。フィッシュ以降は毎回準決勝のようなむずかしさで同情します。
マレーはインディアンウェルズの決勝でナダルに完敗しものの、彼の自信はフェデラーを破りSky-high。しかし最も危ないのはナルバンディアン戦で、過去の対戦成績はマレーが2連敗しています。ナルバンディアンはインディアンウェルズで、(第3セット目はガス欠してしまいましたが)ナダルに迫るすばらしいテニスをみせてくれましたので油断は禁物。ナルバンディアンがフィットしていれば、大激戦になる可能性あり。しかしマレーはこのタフなドローで、準決勝にたどりつくまでにエネルギーを消費してしまいそうな気がします。
セクション4:Federer
R64: ロードラ
R32: キーファー
R16: ロブレド or アルマグロ
Q: ロディック or モンフィス
フェデラーの問題がメンタルのみであるとすれば、過去の対戦成績が大きく影響してきます。
ロードラ:
初めての対戦となります。彼はダブルスのエキスパートですので、trickyなショットが多くて楽しめそうです。
キーファー: フェデラーの11勝3敗。しかも2003年以来フェデラーは負けておりませんので、メンタルへの影響はなし。
ロブレド: フェデラーの8勝0敗
アルマグロ: フェデラーの5勝0敗
ロディック: フェデラーの16勝2敗 しかし昨年のマイアミでは7-6(4) 4-6 6-3でロディックが勝っています。最近のロディックはスライスをうまく使い、ディフェンスが進歩しましたので油断できません。
モンフィス:フェデラーの4勝0敗
モンフィスはアップダウンの激しい予測しにくい選手。インディアンウェルズも初戦でイズナーにまけてしまっていますので、問題ないと思います。
トップ4のなかで、最もイージーなドローはフェデラー。これでナダルとの決勝の可能性が高くなってきました。ぜがひでもナダルまでたどり着き、ここでナダルを倒さなければなりません。(ナダルファンの方にお詫びします)ここで負けてしまうと、ウィンブルドンが危ない! 昨年の手に汗を握る死闘のウィンブルドンの再現に向かって、私は大声で(ほぼ絶叫に近い)Go Roger!
2009年03月24日
真の王者になったナダル
2009年のインディアン・ウェルズの決勝は、マレーに6-1, 6-2でナダルの完勝に終わりました。
強風が斜め横から吹き荒れるセンターコートでの戦いは、まさにメンタルゲームに始まりメンタルゲームで終ったといえます。風でボールがアウトになろうと、ゴミがコートに舞い上がろうと、集中力を崩さなかったナダルは実に見事でした。
(決勝戦)
ナダルのサーヴから第1ゲームがはじまりましたが、両選手とも強風のためか慎重なラリーです。試し打ちのような感じでミスのない堅実なウォームアップのサーヴィスゲームをナダルがホールドしました。しかし第2ゲームに入ると突如ナダルのギアがアップし始めます。
先制攻撃をかけるがごとく、ナダルがウィナーを狙いましたがアウト。しかしこれにもめげず、ナダルは2度目のウィナーに挑戦。フォアのダウンザラインが見事に成功しました。
第1セットを決定したのは、第4ゲームだと思います。マレーが最初にブレークされたゲームです。ナダルはネットダッシュなどペースを変えながら、マレーの執拗なディフェンスの壁を破ろうとします。
長いラリーが続きました。しかし風の向きや強さの関係で、ウィナー狙いは50cmくらいラインの内側を狙った安全圏となります。しかしこれではマレーの俊足で追いつかれリターンされてしまいます。マレーのディフェンスの壁が厚く、ナダルがいらついてエラーとなることもありましたが、二人とも手堅くカウントはデュースに。
その時です。突然大きな紙がコートに舞い降りてきました。ゆっくりと観客席から舞い落ちる紙切れにマレーは集中力を失い、アンパイアーに「これは試合妨害なのだから、replayとするべきだ。」とクレームをつけましたが、アンパイアはこの紙切れを見なかったとして受け付けてくれません。このアンパイアの判定を不服にマレーはぶつぶつ文句を言い続けます。これでますますマレーは集中できない危ない状況に自分を陥れてしまいました。
それでもなんとかマレーは4回のデュースを辛抱強く繰り返したあと、ネットダッシュを試みます。しかしナダルのバックハンドのダウンザラインのパッシングショットがみごとに決まってブレークされてしまいました。
ここでナルバンディアン戦で5回のマッチポイントに耐えぬいて勝った、ナダルのウィニングレシピを思い出します。デュースではガッツのあるウィナーを狙うが、勝負を決定するポイントでは決して無理をせず自分の得意なショットで攻める。前にも書きましたが、ナダルの「ほどよいガッツと堅実さの微妙なコンビ」が今回も試合を決めるキーファクターになったように思います。
ブレークを許してしまったマレーは、ラケットを替えたり、怒鳴りちらしたり、ネットダッシュを試みたりと、様々な手をつかって挽回しようとしますが、時はすでに遅し。試合の流れは完全にナダルサイドとなり、第2セットもマレーがナダルの大河に打ち勝つことができず、ナダルの勝利に終わりました。
(ナダルのコメント)
「試合中はずっと足を動かし続けていたんだ。それがぼくがよいプレーができたキーだと思う。ラインすれすれは狙わなかった。今日のような日(風の強い)はできるだけコートの内側に入るようにしたんだ。結果的に悪いコンディションの受け入れ方が僕のほうがよかったのかも。アンディよりポジティヴだったのかもね。」
(マレーのコメント)
「ラファは悪いコンディションによく適応したと思う。球も僕よりもっとクリーンに打っていたし。打つときのポジションの入り方が僕よりよかった。だから彼がポイントのほとんどを得ることができたのだと思う。」
マレーとの試合では、ナダルは今までにないネットダッシュとロブをふんだんに使った立体的テニスを披露してくれました。 コートの前後左右を隅々まで球を追っかける二人のテニスは、マレーが完敗した試合であっても結構楽しませてくれる試合でした。実際ナダルのネットプレーにおける成功率は高く、11回のうち8回成功してポイントをとっています。一方マレーは10回のうち5回成功ですから、この調子でネットプレーをもっと増やせば、さらにナダルは強くなっていきますね。ますますフェデラーとの距離が離れていくようで、ため息が出てしまいます。
(Who is Nadal?)
裕福な家庭に生まれ、何の苦労もなくすくすくと育ってきたナダルに、あのような強靭な精神が培われてきたこと自体奇跡のような気がします。ナダルにはいろんな選択があったはず。テニスがだめならサッカー選手になりたかったと言っていますが、プロのアスリートにならなくても、家業を継いでビジネスマンになることもできます。アメリカのテニスの停滞は、あまりにもいろんなチョイスに恵まれていて、テニスにコミットする子供が少なくなってきていることが主な原因とよく言われますが、ナダルのケースを考えると、言い訳に聞こえてきます。
いくらコーチが優れていても、いくらサポート態勢が完璧でも、いくら肉体的な条件に恵まれていても、ナダルのような青年をつくりあげることは不可能なような気がします。あの不撓不屈の精神、あの燃えるような勝つことへの執念、あの不動の集中力は、周りがどんなにやっきとなって与えようとしても与えられない天性のものだからです。彼がこのまま膝や体の故障に悩まされることがなければ、世紀の偉大なアスリートとなることは間違いありません。
ナダルは現役の選手の中では、まだ自分はベストプレーヤーではない、ベストは13個の最高記録の保持者であるフェデラーだと言っています。いつも向上したい、もっと強くなりたいと望むナダルには、フェデラーの記録を破り、そしてサンプラスの記録を破って、そしてロッド・レイヴァー以降誰もが実現できなかった「年間グランドスラム」を獲得して初めて、自分がベストプレーヤーと呼ばれるにふさわしいと思っているのかもしれません。
(ここからはtennisnakamaの勝手な想像による独り言です)
「テニス史上最も偉大な選手になる」
ナダルは今まで一度もそのような野心を語ったことはありません。しかし彼の胸にだけ秘められた燃え続ける野望があるはずです。ジョコヴィッチが「世界一になってみせる」と豪語した後は、自分がかけたプレッシャーに負けてしまっています。フェデラーもしかり。「サンプラスを超す」ことをゴールにしてしまった彼も、大きな敵は実はナダルではなくて、プレッシャーをかける自分であることに気づいたはずです。
ナダルが賢明なのは、この危険な「自分」という怪物と上手に付き合ってきたこと。奢る心を持たず、いつも謙遜と感謝の気持ちを忘れない。
迷いのない心。ひたすら前人未到のゴールに向かってばく進を続けるナダルに、果たしてフェデラーが勝つことができるのか? 果たしてフェデラーはウィンブルドンでナダルに勝つことができるのか?
この質問の答えのカギはマイアミ大会が握っているような気がします。
強風が斜め横から吹き荒れるセンターコートでの戦いは、まさにメンタルゲームに始まりメンタルゲームで終ったといえます。風でボールがアウトになろうと、ゴミがコートに舞い上がろうと、集中力を崩さなかったナダルは実に見事でした。
(決勝戦)
ナダルのサーヴから第1ゲームがはじまりましたが、両選手とも強風のためか慎重なラリーです。試し打ちのような感じでミスのない堅実なウォームアップのサーヴィスゲームをナダルがホールドしました。しかし第2ゲームに入ると突如ナダルのギアがアップし始めます。
先制攻撃をかけるがごとく、ナダルがウィナーを狙いましたがアウト。しかしこれにもめげず、ナダルは2度目のウィナーに挑戦。フォアのダウンザラインが見事に成功しました。
第1セットを決定したのは、第4ゲームだと思います。マレーが最初にブレークされたゲームです。ナダルはネットダッシュなどペースを変えながら、マレーの執拗なディフェンスの壁を破ろうとします。
長いラリーが続きました。しかし風の向きや強さの関係で、ウィナー狙いは50cmくらいラインの内側を狙った安全圏となります。しかしこれではマレーの俊足で追いつかれリターンされてしまいます。マレーのディフェンスの壁が厚く、ナダルがいらついてエラーとなることもありましたが、二人とも手堅くカウントはデュースに。
その時です。突然大きな紙がコートに舞い降りてきました。ゆっくりと観客席から舞い落ちる紙切れにマレーは集中力を失い、アンパイアーに「これは試合妨害なのだから、replayとするべきだ。」とクレームをつけましたが、アンパイアはこの紙切れを見なかったとして受け付けてくれません。このアンパイアの判定を不服にマレーはぶつぶつ文句を言い続けます。これでますますマレーは集中できない危ない状況に自分を陥れてしまいました。
それでもなんとかマレーは4回のデュースを辛抱強く繰り返したあと、ネットダッシュを試みます。しかしナダルのバックハンドのダウンザラインのパッシングショットがみごとに決まってブレークされてしまいました。
ここでナルバンディアン戦で5回のマッチポイントに耐えぬいて勝った、ナダルのウィニングレシピを思い出します。デュースではガッツのあるウィナーを狙うが、勝負を決定するポイントでは決して無理をせず自分の得意なショットで攻める。前にも書きましたが、ナダルの「ほどよいガッツと堅実さの微妙なコンビ」が今回も試合を決めるキーファクターになったように思います。
ブレークを許してしまったマレーは、ラケットを替えたり、怒鳴りちらしたり、ネットダッシュを試みたりと、様々な手をつかって挽回しようとしますが、時はすでに遅し。試合の流れは完全にナダルサイドとなり、第2セットもマレーがナダルの大河に打ち勝つことができず、ナダルの勝利に終わりました。
(ナダルのコメント)
「試合中はずっと足を動かし続けていたんだ。それがぼくがよいプレーができたキーだと思う。ラインすれすれは狙わなかった。今日のような日(風の強い)はできるだけコートの内側に入るようにしたんだ。結果的に悪いコンディションの受け入れ方が僕のほうがよかったのかも。アンディよりポジティヴだったのかもね。」
(マレーのコメント)
「ラファは悪いコンディションによく適応したと思う。球も僕よりもっとクリーンに打っていたし。打つときのポジションの入り方が僕よりよかった。だから彼がポイントのほとんどを得ることができたのだと思う。」
マレーとの試合では、ナダルは今までにないネットダッシュとロブをふんだんに使った立体的テニスを披露してくれました。 コートの前後左右を隅々まで球を追っかける二人のテニスは、マレーが完敗した試合であっても結構楽しませてくれる試合でした。実際ナダルのネットプレーにおける成功率は高く、11回のうち8回成功してポイントをとっています。一方マレーは10回のうち5回成功ですから、この調子でネットプレーをもっと増やせば、さらにナダルは強くなっていきますね。ますますフェデラーとの距離が離れていくようで、ため息が出てしまいます。
(Who is Nadal?)
裕福な家庭に生まれ、何の苦労もなくすくすくと育ってきたナダルに、あのような強靭な精神が培われてきたこと自体奇跡のような気がします。ナダルにはいろんな選択があったはず。テニスがだめならサッカー選手になりたかったと言っていますが、プロのアスリートにならなくても、家業を継いでビジネスマンになることもできます。アメリカのテニスの停滞は、あまりにもいろんなチョイスに恵まれていて、テニスにコミットする子供が少なくなってきていることが主な原因とよく言われますが、ナダルのケースを考えると、言い訳に聞こえてきます。
いくらコーチが優れていても、いくらサポート態勢が完璧でも、いくら肉体的な条件に恵まれていても、ナダルのような青年をつくりあげることは不可能なような気がします。あの不撓不屈の精神、あの燃えるような勝つことへの執念、あの不動の集中力は、周りがどんなにやっきとなって与えようとしても与えられない天性のものだからです。彼がこのまま膝や体の故障に悩まされることがなければ、世紀の偉大なアスリートとなることは間違いありません。
ナダルは現役の選手の中では、まだ自分はベストプレーヤーではない、ベストは13個の最高記録の保持者であるフェデラーだと言っています。いつも向上したい、もっと強くなりたいと望むナダルには、フェデラーの記録を破り、そしてサンプラスの記録を破って、そしてロッド・レイヴァー以降誰もが実現できなかった「年間グランドスラム」を獲得して初めて、自分がベストプレーヤーと呼ばれるにふさわしいと思っているのかもしれません。
(ここからはtennisnakamaの勝手な想像による独り言です)
「テニス史上最も偉大な選手になる」
ナダルは今まで一度もそのような野心を語ったことはありません。しかし彼の胸にだけ秘められた燃え続ける野望があるはずです。ジョコヴィッチが「世界一になってみせる」と豪語した後は、自分がかけたプレッシャーに負けてしまっています。フェデラーもしかり。「サンプラスを超す」ことをゴールにしてしまった彼も、大きな敵は実はナダルではなくて、プレッシャーをかける自分であることに気づいたはずです。
ナダルが賢明なのは、この危険な「自分」という怪物と上手に付き合ってきたこと。奢る心を持たず、いつも謙遜と感謝の気持ちを忘れない。
迷いのない心。ひたすら前人未到のゴールに向かってばく進を続けるナダルに、果たしてフェデラーが勝つことができるのか? 果たしてフェデラーはウィンブルドンでナダルに勝つことができるのか?
この質問の答えのカギはマイアミ大会が握っているような気がします。
2009年03月23日
フェデラーのメンタルは何処へ?
インディアンウェルズの準決勝でフェデラーがアンディー・マレーに敗退しました。3-6, 6-4, 1-6の敗北の結果は、フェデラーの今後に暗い影を残すことになったと思います。
それにしても不思議な試合でした。あれほどメンタルのフェデラーと言われた彼でしたが、肝心のメンタルはロッカールームに忘れてきたような試合となりました。この準決勝で、フェデラーは、やってはいけないテニスのお手本を示してくれました。一体どうしちゃったのでしょう。赤ちゃん誕生の新しい出来事で、フォーカスがどこかに飛んで行ってしまったのでしょうか。
過去8試合のうち、マレーに6試合も負けてしまったフェデラーは、昨日の試合を振り返って以下のように述べています。
「今日の試合はエラーが多すぎた。第1セットで何とかよいプレーをしたかったが出来なかった。」
「今日はリズムがとれなかった。第3セットが特にそうだ。第3セットのアンディーはすばらしいテニスだった。僕はミスが多すぎた。」
「過去の負けた続けた3試合では、試合が進むにつれてアンディーはだんだん強くなってくるテニスだったが、今日のテニスは違っていた。僕は第2セットでよいプレーをできたので、このまま勝てるテニスを続けていこうとして、ショッキングな3セット目になってしまった。」
「今日の試合は、僕もアンディーも多くのアップ&ダウンがあった。結果的はよいプレーをした選手が勝った試合だった。」
フェデラーが言うように、マレーも何かぎくしゃくした浮き沈みのあるパーフォーマンスでした。
しかしフェデラーとの差は、ブレークポイントの取り方です。フェデラーは10回もブレークポイントをとりながら8回もブレークチャンスを逃しています。マレーは6回のうち逃したのは1回のみ。「ここぞという時にみせる集中力」はフェデラーの看板だったはず?
マレー戦の敗因は、フェデラーも言っているように、一言で言ってエラー(unforced error)が多すぎたことです。
マレーのエラーの19に比べて、フェデラーのエラーの数は何と46もあります。これでは27ポイントもマレーにプレゼントしていることになります。特に第3セットの後半は、やけくそのようなところもみられ、全く冷静なフェデラーが観られませんでした。
今までメンタルのフェデラーと言われたフェデラーの姿はありません。リズムにのれないときはすぐにイライラしてフォーカスがプッツンです。昔の粘りもなくなりました。
フェデラーにぜひがんばってほしいと、今まで打倒ナダルの作戦記事を書いてきましたが、ナダル作戦の以前の根本的問題があるような気がしてきました。
フェデラーは本当に勝ちたいのか?
燃えるような「勝つ」ことへの執念があるのか?
この私の疑問は以下のフェデラーの「やってはいけないテニス」でお分かりいただけると思います。
絶好のブレークチャンスを逃してしまう
第1セット4ゲーム目(フェデラーvsマレー:2-1)でマレーのサーヴィスゲームの時です。フェデラーは早くも40-0と3ポイントブレークチャンスを迎えます。以下のように5回のフェデラーのエラーの連続で、このゴールデン・ブレークチャンスを失ってしまいました。(unforced errorは長い言葉ですので、ここではエラーとします)
40-0 Fのエラー
40-15 Fのパッシングショットのエラー
40-30 長いラリーのあと、Fのバックハンドのエラー
40-40 Fのバックハンドがネットする
40-Ad Fのファオがアウト
簡単にブレークされてしまう
続いて5ゲーム目(フェデラーvsマレー:2-2)、フェデラーはエラーに続くエラーで、15-40で簡単にブレークされてしまいました。
失った流れを取り戻せない
第2セットはフェデラーらしい試合展開で、アグレッシヴなショットメイキングでマレーをディフェンシヴにとどめます。フェデラーはネットダッシュを積極的に繰り返して16回のうち12回成功。(マレーは3回のうち1回のみ。)ウィナーを決めたときは、フェデラーは拳を握りながらカモーンと叫び、熱がこもってきました。上がり調子で6-4で第2セットを勝ち取りました。このままいけば第3セットはフェデラー優勢で勝利です。しかしマレーの転倒で勝利の流れを失った後は、流れをとりもどすことができず、あせりまくってエラーの連続で第3セットを失ってしまいました。
対戦相手の怪我に動揺してしまう(?)
第2セットまでは、ちぐはぐなテニスをしていた両選手でしたが、第3セットに入るとスコアもタイトな接戦となり、両選手ともサーヴィスゲームをホールドしていきます。4ゲーム目(フェデラーvsマレー:1-2)、フェデラーのサーヴィスゲームのときです。 マレーが逆方向に走ろうとして足をくじいたようなモーションで転倒しました。一瞬ドキッとする転び方でしたので、フェデラーはネットにかけよって心配そうにマレーの様子を伺います。しかしマレーはメディカル・タイムアウトをとらないで試合を続行しました。
そこから不思議なことがフェデラーに起こりました。
マレーの足の怪我が頭から離れないのか、フェデラーのフォーカスがプッツンになってしまったのです。考えられないようなイージーミスの連続で、フェデラーは15-40で簡単にブレークされてしまったのです。
このフェデラーの急激な変化は D〓j〓 vuでした。昨年のナダルとの死闘のハンブルグの決勝がダブってきます。第1セットでフェデラーは5-2とセット獲得を目前にしたときです。ナダルはメディカル・タイムアウトをとりました。ナダルの足にマメができていることは今までの試合で紹介されていましたので、トニーコーチも心配でナダルにリタイアせよというサインを送っています。このタイムアウトのすぐ後にフェデラーのテニスがガラッと変わってしまったのです。しかもナダルは故障があるなど全く想像もさせない快適なフットワークでフェデラーを攻めていきます。一度フォーカスを失ったフェデラーはナダルの流れを変えることが出来ず優勝を逃してしまいました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
以上のように、フェデラーにとって情けない試合となってしまいましたが、フェデラーにはぜひ14個のGSタイトルを獲得してもらうために、応援しつづけようと思います。
そこでぜひとも以下の二点を強調したいと思います。
気持ちの切り替えることの大切さ
勝負の世界は「勝つ」か「負ける」かのどちらかです。前のセットを完勝したとしても、タイになれば試合を決定する第3セットのみがカウントされます。過去のセットは存在しないのです。ナダルとの全豪の決勝でも、このdeciding setの第5セットで、フェデラーがもろく崩れさってしまいました。フェデラーの頭の中はいろんな情報が混じりすぎているような気がします。長い試合の中では必ずups & downsがつきものです。でもそれに引きずられてしまってはなりません。毎回頭と気持ちを真っ白にして、ゼロからスタートする気持ちの切り替えができるかどうか? 考えすぎるフェデラー、こだわりすぎるフェデラーから卒業です。
最後まで粘る気持ちの強さ
最後の粘りに必要なのは、ナダルのように「最後まで自分を信じ続けられる自信」です。それが負け続けている相手にはなかなか持てず、苦手意識が先走って勝てる試合でもまた負けてしまうフェデラー。
フェデラーの傷が深まらないうちに、まずはマイアミでナダルに勝つことが先決問題。自分を信じられるテニスができて初めてGS14個が達成です。
最近「ナダルを倒す」記事が増えて、ナダルファンには申し訳ないと思っています。私はナダルのファンですし、もちろん彼には勝ってほしいと思いますが、フェデラーには引退まであと数年しか残されていません。ですから今のうちに早く14個をとって、後はゆっくりナダルの応援をしたいと願っているのです。このへんの微妙なファン心理をご理解お願いします。
それにしても不思議な試合でした。あれほどメンタルのフェデラーと言われた彼でしたが、肝心のメンタルはロッカールームに忘れてきたような試合となりました。この準決勝で、フェデラーは、やってはいけないテニスのお手本を示してくれました。一体どうしちゃったのでしょう。赤ちゃん誕生の新しい出来事で、フォーカスがどこかに飛んで行ってしまったのでしょうか。
過去8試合のうち、マレーに6試合も負けてしまったフェデラーは、昨日の試合を振り返って以下のように述べています。
「今日の試合はエラーが多すぎた。第1セットで何とかよいプレーをしたかったが出来なかった。」
「今日はリズムがとれなかった。第3セットが特にそうだ。第3セットのアンディーはすばらしいテニスだった。僕はミスが多すぎた。」
「過去の負けた続けた3試合では、試合が進むにつれてアンディーはだんだん強くなってくるテニスだったが、今日のテニスは違っていた。僕は第2セットでよいプレーをできたので、このまま勝てるテニスを続けていこうとして、ショッキングな3セット目になってしまった。」
「今日の試合は、僕もアンディーも多くのアップ&ダウンがあった。結果的はよいプレーをした選手が勝った試合だった。」
フェデラーが言うように、マレーも何かぎくしゃくした浮き沈みのあるパーフォーマンスでした。
しかしフェデラーとの差は、ブレークポイントの取り方です。フェデラーは10回もブレークポイントをとりながら8回もブレークチャンスを逃しています。マレーは6回のうち逃したのは1回のみ。「ここぞという時にみせる集中力」はフェデラーの看板だったはず?
マレー戦の敗因は、フェデラーも言っているように、一言で言ってエラー(unforced error)が多すぎたことです。
マレーのエラーの19に比べて、フェデラーのエラーの数は何と46もあります。これでは27ポイントもマレーにプレゼントしていることになります。特に第3セットの後半は、やけくそのようなところもみられ、全く冷静なフェデラーが観られませんでした。
今までメンタルのフェデラーと言われたフェデラーの姿はありません。リズムにのれないときはすぐにイライラしてフォーカスがプッツンです。昔の粘りもなくなりました。
フェデラーにぜひがんばってほしいと、今まで打倒ナダルの作戦記事を書いてきましたが、ナダル作戦の以前の根本的問題があるような気がしてきました。
フェデラーは本当に勝ちたいのか?
燃えるような「勝つ」ことへの執念があるのか?
この私の疑問は以下のフェデラーの「やってはいけないテニス」でお分かりいただけると思います。
絶好のブレークチャンスを逃してしまう
第1セット4ゲーム目(フェデラーvsマレー:2-1)でマレーのサーヴィスゲームの時です。フェデラーは早くも40-0と3ポイントブレークチャンスを迎えます。以下のように5回のフェデラーのエラーの連続で、このゴールデン・ブレークチャンスを失ってしまいました。(unforced errorは長い言葉ですので、ここではエラーとします)
40-0 Fのエラー
40-15 Fのパッシングショットのエラー
40-30 長いラリーのあと、Fのバックハンドのエラー
40-40 Fのバックハンドがネットする
40-Ad Fのファオがアウト
簡単にブレークされてしまう
続いて5ゲーム目(フェデラーvsマレー:2-2)、フェデラーはエラーに続くエラーで、15-40で簡単にブレークされてしまいました。
失った流れを取り戻せない
第2セットはフェデラーらしい試合展開で、アグレッシヴなショットメイキングでマレーをディフェンシヴにとどめます。フェデラーはネットダッシュを積極的に繰り返して16回のうち12回成功。(マレーは3回のうち1回のみ。)ウィナーを決めたときは、フェデラーは拳を握りながらカモーンと叫び、熱がこもってきました。上がり調子で6-4で第2セットを勝ち取りました。このままいけば第3セットはフェデラー優勢で勝利です。しかしマレーの転倒で勝利の流れを失った後は、流れをとりもどすことができず、あせりまくってエラーの連続で第3セットを失ってしまいました。
対戦相手の怪我に動揺してしまう(?)
第2セットまでは、ちぐはぐなテニスをしていた両選手でしたが、第3セットに入るとスコアもタイトな接戦となり、両選手ともサーヴィスゲームをホールドしていきます。4ゲーム目(フェデラーvsマレー:1-2)、フェデラーのサーヴィスゲームのときです。 マレーが逆方向に走ろうとして足をくじいたようなモーションで転倒しました。一瞬ドキッとする転び方でしたので、フェデラーはネットにかけよって心配そうにマレーの様子を伺います。しかしマレーはメディカル・タイムアウトをとらないで試合を続行しました。
そこから不思議なことがフェデラーに起こりました。
マレーの足の怪我が頭から離れないのか、フェデラーのフォーカスがプッツンになってしまったのです。考えられないようなイージーミスの連続で、フェデラーは15-40で簡単にブレークされてしまったのです。
このフェデラーの急激な変化は D〓j〓 vuでした。昨年のナダルとの死闘のハンブルグの決勝がダブってきます。第1セットでフェデラーは5-2とセット獲得を目前にしたときです。ナダルはメディカル・タイムアウトをとりました。ナダルの足にマメができていることは今までの試合で紹介されていましたので、トニーコーチも心配でナダルにリタイアせよというサインを送っています。このタイムアウトのすぐ後にフェデラーのテニスがガラッと変わってしまったのです。しかもナダルは故障があるなど全く想像もさせない快適なフットワークでフェデラーを攻めていきます。一度フォーカスを失ったフェデラーはナダルの流れを変えることが出来ず優勝を逃してしまいました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
以上のように、フェデラーにとって情けない試合となってしまいましたが、フェデラーにはぜひ14個のGSタイトルを獲得してもらうために、応援しつづけようと思います。
そこでぜひとも以下の二点を強調したいと思います。
気持ちの切り替えることの大切さ
勝負の世界は「勝つ」か「負ける」かのどちらかです。前のセットを完勝したとしても、タイになれば試合を決定する第3セットのみがカウントされます。過去のセットは存在しないのです。ナダルとの全豪の決勝でも、このdeciding setの第5セットで、フェデラーがもろく崩れさってしまいました。フェデラーの頭の中はいろんな情報が混じりすぎているような気がします。長い試合の中では必ずups & downsがつきものです。でもそれに引きずられてしまってはなりません。毎回頭と気持ちを真っ白にして、ゼロからスタートする気持ちの切り替えができるかどうか? 考えすぎるフェデラー、こだわりすぎるフェデラーから卒業です。
最後まで粘る気持ちの強さ
最後の粘りに必要なのは、ナダルのように「最後まで自分を信じ続けられる自信」です。それが負け続けている相手にはなかなか持てず、苦手意識が先走って勝てる試合でもまた負けてしまうフェデラー。
フェデラーの傷が深まらないうちに、まずはマイアミでナダルに勝つことが先決問題。自分を信じられるテニスができて初めてGS14個が達成です。
最近「ナダルを倒す」記事が増えて、ナダルファンには申し訳ないと思っています。私はナダルのファンですし、もちろん彼には勝ってほしいと思いますが、フェデラーには引退まであと数年しか残されていません。ですから今のうちに早く14個をとって、後はゆっくりナダルの応援をしたいと願っているのです。このへんの微妙なファン心理をご理解お願いします。
2009年03月20日
女子テニス選手の水着特集
インディアンウェルズもいよいよ終盤戦を迎え、フェデラーとマレーが準決勝に進出を決めました。
今晩のナダルvsデルポトロとジョコヴィッチvsロディックの準決勝も、予断を許さない試合となりそうで、あまりの贅沢な盛り沢山の試合の数々に疲れが出ているテニスファンの皆様に、ここで楽しい、そしてちょっとセクシーな話題を提供したいと思います。
アメリカの人気のスポーツ雑誌、スポーツ・イラストレイティッドSports Illustrated は、日本では「スポイラ」「SI」「SI誌」などとも呼ばれてその存在も知られていますが、毎年水着特集号を発表して大人気を呼んでいます。その水着特集に今年からテニスプレーヤー3人が仲間入りをすることになりました。その3選手とは、ハンチュコヴァ、キリレンコ、ゴロヴァン。本職のモデルさんとは一味違った清楚なセクシーさが好評です。
テニスは特殊なスポーツとなりつつあり、アメリカでは完全にマイナーなスポーツとなってしまいました。テニスのファン層を広げるためにも、選手たちの存在をPRする必要があり、この SI誌の新しい試みは嬉しい限りです。
美の定義は時代とともに変化してきています。一昔前まではあのふくよかなマリリン・モンローが女神とあがめられ、彼女のような体に女性が憧れたものです(日本では好みが違うようですが)。今は? たぶん彼女の胸以外はNo thank you。現代の女性の美は贅肉のない、トーンアップされた肉体です。SI誌の読者はほとんどが男性ですので、新しい女性の美しさをアピールする上でも、このテニス選手の水着特集は歓迎したいと思います。
長い前置きはこのくらいにして、この3人のビデオとフォトをお楽しみください。
そしてロディックのフィアンセ、スーパーモデルのブルックリン・デッカーの超セクシーなビデオもお忘れなく。
Hantuchovaの水着
Kirilenkoの水着
Golovinの水着
ロディックのフィアンセブルックリンのダイナマイトな水着
今晩のナダルvsデルポトロとジョコヴィッチvsロディックの準決勝も、予断を許さない試合となりそうで、あまりの贅沢な盛り沢山の試合の数々に疲れが出ているテニスファンの皆様に、ここで楽しい、そしてちょっとセクシーな話題を提供したいと思います。
アメリカの人気のスポーツ雑誌、スポーツ・イラストレイティッドSports Illustrated は、日本では「スポイラ」「SI」「SI誌」などとも呼ばれてその存在も知られていますが、毎年水着特集号を発表して大人気を呼んでいます。その水着特集に今年からテニスプレーヤー3人が仲間入りをすることになりました。その3選手とは、ハンチュコヴァ、キリレンコ、ゴロヴァン。本職のモデルさんとは一味違った清楚なセクシーさが好評です。
テニスは特殊なスポーツとなりつつあり、アメリカでは完全にマイナーなスポーツとなってしまいました。テニスのファン層を広げるためにも、選手たちの存在をPRする必要があり、この SI誌の新しい試みは嬉しい限りです。
美の定義は時代とともに変化してきています。一昔前まではあのふくよかなマリリン・モンローが女神とあがめられ、彼女のような体に女性が憧れたものです(日本では好みが違うようですが)。今は? たぶん彼女の胸以外はNo thank you。現代の女性の美は贅肉のない、トーンアップされた肉体です。SI誌の読者はほとんどが男性ですので、新しい女性の美しさをアピールする上でも、このテニス選手の水着特集は歓迎したいと思います。
長い前置きはこのくらいにして、この3人のビデオとフォトをお楽しみください。
そしてロディックのフィアンセ、スーパーモデルのブルックリン・デッカーの超セクシーなビデオもお忘れなく。
Hantuchovaの水着
Kirilenkoの水着
Golovinの水着
ロディックのフィアンセブルックリンのダイナマイトな水着
2009年03月20日
ナダルを打倒するには?
(前の記事:「ナダルvsナルバンディアンを観る」の続きです)
「ナダルに果たして勝つことができるのか?」 このテーマは14のGSタイトルを獲得するために、フェデラーが超えなくてはならない第1テーマです。
インディアンウェルズの対ナルバンディアン戦は、ナダルの打倒のヒントを与えてくれた意味で、とても興味ぶかい試合となりました。ナダルは進化しているとはいえ、まだまだ昔のプレースタイルをひきずっているところがあります。ナルバンディアンが第1・第2セットでみせたようなプレーをすれば、ひょっとしてナダルを破ることができるかもしれません。以下がナルバンディアンが見せた打倒ナダルのウィニングレシピです。
(ナダルファンの皆さん、気分を害しないでください。これはナダルが勝ち続けていくためには、彼が調整していかなければならない点とお考えください。)
(1)ナダルに時間の余裕を与えないon-the-rise(ライジング)のショット
ナダルを最も苦しめたのは、ナルバンディアンの on-the-riseのショットです。ナダルに勝っているナルバンディアン、ダヴィデンコ、ブレイクなどの選手は、すべてベースライン近くでon-the-riseを得意とする選手です。ナダルの足でも追いつけないこの on-the-rise で左右のワイドにナダルを振れば、ナダルのカウンターショットが浮いてきます。そこでネットダッシュによってヴォレーで決めます。
(2)フォアハンドとバックハンドのダウンザライン
ナダルの基本はクロスです。ですからラリーの最中は、立ってるポジションがどうしてもクロスよりになり、逆サイドがより空いています。そこをナルバンディアンはうまく両サイドのダウンザラインを使ってポイントを稼ぎました。しかしこのダウンザラインはあくまでも on-the-rise で打ち込まなければナダルからカウンターされてしまいます。
(3)ワイドに切れるサーヴとアングルショット
いくらナダルが超人的な脚力をもってしても、ワイドに極端に切れるサーヴやショットは、手が届きません。届いたとしても球が浮いてきます。ナルバンディアンがさかんに使ったのが、バックハンドのアングルクロス。(ナダルはフォアハンドでよく使うショットです。)デュースコートのワイドなサーヴはナダルのバックハンドになり、角度をつければサーヴィスウィナーとなります。
(4)ショートボールを叩く
ナダルは、スピンがかかりすぎたショートボールをよく打つことがあります。このショートボールを逃さず、ベースラインから一歩中に入ってコーナーに叩きます。これもナダルに時間を与えないショットとして有効です。
(5)ディープショットを打つ
ナダルをベースラインの3mにとどめておくには、ディープショットが不可欠です。特にナダルの苦手なのが、体の正面に打ち込まれるディープなボディショットです。体格がでかいのでジャムってしまいます。
(6)ネットダッシュでラリーを短縮
いくらナダルがパッシングショットの達人であってもネットダッシュされるとプレッシャーになります。また不意をつくといった効果もあります。このネットダッシュでナルバンディアンは重要なポイントをいくつか獲得しました。ラリーを続ければナダルにリズムを与えてしまいますので、できるだけ早くゲームを終わらせることがキーファクターとなります。
とりあえずこの6点がナルバンディアンが与えてくれた打倒ナダルのヒントでした。もしフェデラーvsナダルの決勝戦となれば、フェデラーがどのような打倒ナダル作戦を繰り広げるか楽しみですね。
「ナダルに果たして勝つことができるのか?」 このテーマは14のGSタイトルを獲得するために、フェデラーが超えなくてはならない第1テーマです。
インディアンウェルズの対ナルバンディアン戦は、ナダルの打倒のヒントを与えてくれた意味で、とても興味ぶかい試合となりました。ナダルは進化しているとはいえ、まだまだ昔のプレースタイルをひきずっているところがあります。ナルバンディアンが第1・第2セットでみせたようなプレーをすれば、ひょっとしてナダルを破ることができるかもしれません。以下がナルバンディアンが見せた打倒ナダルのウィニングレシピです。
(ナダルファンの皆さん、気分を害しないでください。これはナダルが勝ち続けていくためには、彼が調整していかなければならない点とお考えください。)
(1)ナダルに時間の余裕を与えないon-the-rise(ライジング)のショット
ナダルを最も苦しめたのは、ナルバンディアンの on-the-riseのショットです。ナダルに勝っているナルバンディアン、ダヴィデンコ、ブレイクなどの選手は、すべてベースライン近くでon-the-riseを得意とする選手です。ナダルの足でも追いつけないこの on-the-rise で左右のワイドにナダルを振れば、ナダルのカウンターショットが浮いてきます。そこでネットダッシュによってヴォレーで決めます。
(2)フォアハンドとバックハンドのダウンザライン
ナダルの基本はクロスです。ですからラリーの最中は、立ってるポジションがどうしてもクロスよりになり、逆サイドがより空いています。そこをナルバンディアンはうまく両サイドのダウンザラインを使ってポイントを稼ぎました。しかしこのダウンザラインはあくまでも on-the-rise で打ち込まなければナダルからカウンターされてしまいます。
(3)ワイドに切れるサーヴとアングルショット
いくらナダルが超人的な脚力をもってしても、ワイドに極端に切れるサーヴやショットは、手が届きません。届いたとしても球が浮いてきます。ナルバンディアンがさかんに使ったのが、バックハンドのアングルクロス。(ナダルはフォアハンドでよく使うショットです。)デュースコートのワイドなサーヴはナダルのバックハンドになり、角度をつければサーヴィスウィナーとなります。
(4)ショートボールを叩く
ナダルは、スピンがかかりすぎたショートボールをよく打つことがあります。このショートボールを逃さず、ベースラインから一歩中に入ってコーナーに叩きます。これもナダルに時間を与えないショットとして有効です。
(5)ディープショットを打つ
ナダルをベースラインの3mにとどめておくには、ディープショットが不可欠です。特にナダルの苦手なのが、体の正面に打ち込まれるディープなボディショットです。体格がでかいのでジャムってしまいます。
(6)ネットダッシュでラリーを短縮
いくらナダルがパッシングショットの達人であってもネットダッシュされるとプレッシャーになります。また不意をつくといった効果もあります。このネットダッシュでナルバンディアンは重要なポイントをいくつか獲得しました。ラリーを続ければナダルにリズムを与えてしまいますので、できるだけ早くゲームを終わらせることがキーファクターとなります。
とりあえずこの6点がナルバンディアンが与えてくれた打倒ナダルのヒントでした。もしフェデラーvsナダルの決勝戦となれば、フェデラーがどのような打倒ナダル作戦を繰り広げるか楽しみですね。
2009年03月20日
ナダルvsナルバンディアン戦を観る
インディアンウェルズでは2試合とも、ベストコンディションで進撃を続けるナルバンディアンは、私たちの持つような中サイズのテニスバッグを持った身軽な格好でコートに現れました。ダークブルーの上下のウェアで少しほっそりとして見えます。減量に成功したのでしょうか、以前よりフィットしているようです。 新しいコーチをつけてから(モヤのコーチ:ルイス・ロボ)調子がよいナルバンディアンは、手強い相手となりそうな嫌な予感がします。
ナダルはオレンジのジャケットに大きなバッグ二つ。ブルーと白のシャツに白パンツ。いつものように、まずはチューブ入りのエネルギー源をとり、二本のウォーターボトルを例の場所に置き準備完了です。
ナダルがコイントスに勝ってレシーヴを選びました。
ニューヨークは夜中の2時。前から気になっていた二つの質問の答えを見いだすために、今日はたとえ試合が夜明けまで続こうと頑張って観ようと決心しました。
まずはナダルのこの2年間の進化です。
2年前にナルバンディアンに完敗しているナダルは、どのような進化をとげているのか? ナダルの弱点は何か?
次に世界最強の実力がありながら、なぜナルバンディアンが今だにGSのタイトルがとれないのか?
第1セットが始まりました。
ナルバンディアンのサーヴです。二人とも最初は様子を伺うペースを落としたラリーを続けます。ナダルは対ナルバンディアン作戦として「ラリーを長くつづけたい」と言っていましたが、早く決められてしまわないように、ラリーにもっていくという意味だったと思いますが、果たしてこの作戦がナルバンディアンに通じるかどうか?
2ゲーム目はナダルのサーヴィスゲームです。ナルバンディアンはベースラインから下がらず、オン・ザ・ライズon-the-rise(球がバウンスしたすぐ後に打つ)でカウンターショットを打ってきます。ナルバンディアンのフォアのクロスがナダルの左コーナーを突いてウィナーが決まりました。ナルバンディアンはいつものようにクリーンな当たりのショットメイキングをしています。どうしてあのような美しい澄んだ打球音で打てるのか。一方ナダルは緊張しているのか、いつもの悪い癖が出て、スピンのかかりすぎたショートボールを打っています。彼の打球音は擦った雑音の混じった音がしています。
悪い予感がすでに2ゲーム目で的中。15-40でナダルが早くもブレークされてしまいました。
ナダルはベースラインからかなり下がって打っています。ウーム。いけません!これって完全に昔のディフェンスのモードです。ナルバンディアンのショットが深くなかなかベースラインに来ることがむずかしいのでしょうが、それにしてもナルバンディアンの思う壷といった試合展開になっています
ナダルは片手バックハンドのスライスと、フォアのルーピーボール(ループボールに近い山なりのボール)をふんだんに使っています。ナルバンディアンの見事なサイドライン近くのショットメイキングでコートの外に追いやられるナダルが、ポジションに戻るにはこの二つのショットが有効なのですが、あくまでもつなぎのディフェンスのテニスです。
それぞれサーヴィスゲームをキープして5ゲーム目に入りました(ナダルvsナルバンディアン:1-3) しかしナルバンディアンのミスも手伝って、ナダルはやっとブレークしなおしました。
二人とも豪快なサーヴで決めていくテニスではなく、リターンでブレークしていくテニスですので、いつひっくり返るか分からないスリルが二人の試合にはあります。しかしナルバンディアンはますます好調で、見事なバックハンドが左右のサイドラインに落ち、ウィナーを決めていくテニスは魅力的です。
まさに危惧された「ナルバンディアンのコントロール」の下で 走り回るのはナダル。ナルバンディアンはナダルのパターンを知っているので、ナダルほど走っておりませんが、フットワークがよく、落ち着いたテニスをしています。彼はラケットの準備が早いので、オン・ザ・ライズの球があれほど正確に打てるのですね。
ナダルのブレークでスコアは元のイーヴンに戻りましたが、どうみてもナダルが劣勢です。8ゲーム目は、「やっちゃいかん」テニスの連続でナダルがブレークされてしまいました。このゲームの展開はナダルの弱点を露呈したゲームでした。以下は私のメモです。
(ナダルvsナルバンディアン:ナダルのサーヴ)
0-0
ナルはナダルのショートボールにネットダッシュしてヴォレーで決める。
0-15
ナダルのポジションがまた3m奥に下がってしまった。完全にディフェンスの悪いパターン。
15-30
ナダルが思い切りの悪いショットが多く、ナルにチャンスを与える。ナルはフォアのダウンザラインのウィナー
15-40(ブレークポイント)
ナルがミス
30-40
ナダルのサーヴィスウィナー
40-40
ナダルのショートボールをナルがフォアで叩く
40-アド(ブレークポイント)
2ndサーヴをナルがバックハンドのクロスリターンでナダルのエラーをさそう。ナダルがブレークされる。
このように何となく煮え切らないナダルのパーフォーマンスで、第1セットは3-6でナルバンディアンが勝ち取りました。
第1セットが終わるとナダルはトレーナーを呼びました。右足の靴をナダルが脱いで、テーピングのやり直しをトレーナーにしてもらっています。足の裏にマメができているのかも知れません。あれでは走るのは痛いでしょうね。
第2セットに入ってから、ナダルは気持ちの切り替えができたのでしょうか。1ゲーム目からナルバンディアンを左右に走らせ、速攻でウィナーを連打。40-0でナルバンディアンにメッセージを送りました。このアグレッシヴなナダルの変化に戸惑ったのか、ナルバンディアンのテニスが安全圏を狙う守りのテニスへ。
この変化は面白いと思います。テニスはまさにメンタル。攻めるか、攻められるかの戦いの中で試合が変化していきます。
4ゲーム目は、ナダルは40-15と3ポイントのブレークポイントをとりながら、6回もデュースを繰り返し、果てはブレークできなかった残念なゲームとなりました。なぜ、ブレークできなかったのか? ナルが何度もネットダッシュしてアグレッシヴなテニスを展開し始めたからです。ナダルは攻撃的になったとはいえ、ネットダッシュはナルバンディアンの球がショートでない限り前に出てきません。ナダルはネットプレーに格段の進歩をみせているのですから、もっとネットダッシュしてナルバンディアンを揺さぶる必要があったと思います。
さて辛うじてサーヴィスゲームをキープしたナルバンディアンが、彼のテニスの本領を発揮したのは5ゲーム目、2-2でナダルのサーヴィスゲームです。ナダルは作戦通り、長いラリーによってリズムをつかみ、アグレッシヴなショットを打ち込んできます。しかしナルバンディアンは、ネットダッシュ、ロブ、などいろいろショットを混ぜながら、ナダルの攻撃を中和。特にブレークポイントでは、ネットのナダルにロブを何度が打ってブレークに成功。実にうまいテニスです。
この試合のハイライトは何と言ってもナダルが4回のマッチポイントを免れた第9ゲームです。
ナルバンディアンは勝利を目の前に少し固くなってきました。ダブルフォルトを合計8回もしています。ここでナダルがすごいのは、デュースでは守りに入ったナルバンディアンに、ネットダッシュ、サイドライン上のワイドのウィナーなどのアグレッシヴなショットで攻撃し始めました。しかしマッチポイントではミスをしません。そしてマッチポイント#4でサーヴィスウィナーを取りました。このガッツのよさと堅実さの見事なコンビネーションは、ナダルのメンタルの財産だと思います。そのフォーカスを切らさない強靭なメンタルによって、パニックに陥ることなく、危機を突破することができたのだと思います。
第3セットではナルバンディアンの弱点が露呈しました。彼のメンタルがいつも問題にされますが、これは彼のフィットネス次第ではないかという気がしてきました。ナダルと第3セットをこなすには、相当なコンディショニングが必要です。ナダルの強烈なトップスピンを対等に打つには、相当なエネルギーを使い果たし、たいていの選手はナダルにスタミナ負けをしてしまうのだそうです。ナルバンディアンも3セット目は完全にガス欠状態。フォーカスも途切れて無惨なベーグルになってしまいました。
結局フォーカスとフィットネスが上回ったナダルが、3-6, 7-6, 6-0でナルバンディアンを倒してQFに進むことになりました。
ナルバンディアンがGSのタイトルをとるためには、まずロディックのように身軽になり、相当なコンディショニングをすることが不可欠条件ではないかと思います。マレーが強くなったのはまさに彼の体力つくりの努力の賜物であって、ナルバンディアンも悲願のタイトル獲得のためにがんばってほしいものです。
ナダルはオレンジのジャケットに大きなバッグ二つ。ブルーと白のシャツに白パンツ。いつものように、まずはチューブ入りのエネルギー源をとり、二本のウォーターボトルを例の場所に置き準備完了です。
ナダルがコイントスに勝ってレシーヴを選びました。
ニューヨークは夜中の2時。前から気になっていた二つの質問の答えを見いだすために、今日はたとえ試合が夜明けまで続こうと頑張って観ようと決心しました。
まずはナダルのこの2年間の進化です。
2年前にナルバンディアンに完敗しているナダルは、どのような進化をとげているのか? ナダルの弱点は何か?
次に世界最強の実力がありながら、なぜナルバンディアンが今だにGSのタイトルがとれないのか?
第1セットが始まりました。
ナルバンディアンのサーヴです。二人とも最初は様子を伺うペースを落としたラリーを続けます。ナダルは対ナルバンディアン作戦として「ラリーを長くつづけたい」と言っていましたが、早く決められてしまわないように、ラリーにもっていくという意味だったと思いますが、果たしてこの作戦がナルバンディアンに通じるかどうか?
2ゲーム目はナダルのサーヴィスゲームです。ナルバンディアンはベースラインから下がらず、オン・ザ・ライズon-the-rise(球がバウンスしたすぐ後に打つ)でカウンターショットを打ってきます。ナルバンディアンのフォアのクロスがナダルの左コーナーを突いてウィナーが決まりました。ナルバンディアンはいつものようにクリーンな当たりのショットメイキングをしています。どうしてあのような美しい澄んだ打球音で打てるのか。一方ナダルは緊張しているのか、いつもの悪い癖が出て、スピンのかかりすぎたショートボールを打っています。彼の打球音は擦った雑音の混じった音がしています。
悪い予感がすでに2ゲーム目で的中。15-40でナダルが早くもブレークされてしまいました。
ナダルはベースラインからかなり下がって打っています。ウーム。いけません!これって完全に昔のディフェンスのモードです。ナルバンディアンのショットが深くなかなかベースラインに来ることがむずかしいのでしょうが、それにしてもナルバンディアンの思う壷といった試合展開になっています
ナダルは片手バックハンドのスライスと、フォアのルーピーボール(ループボールに近い山なりのボール)をふんだんに使っています。ナルバンディアンの見事なサイドライン近くのショットメイキングでコートの外に追いやられるナダルが、ポジションに戻るにはこの二つのショットが有効なのですが、あくまでもつなぎのディフェンスのテニスです。
それぞれサーヴィスゲームをキープして5ゲーム目に入りました(ナダルvsナルバンディアン:1-3) しかしナルバンディアンのミスも手伝って、ナダルはやっとブレークしなおしました。
二人とも豪快なサーヴで決めていくテニスではなく、リターンでブレークしていくテニスですので、いつひっくり返るか分からないスリルが二人の試合にはあります。しかしナルバンディアンはますます好調で、見事なバックハンドが左右のサイドラインに落ち、ウィナーを決めていくテニスは魅力的です。
まさに危惧された「ナルバンディアンのコントロール」の下で 走り回るのはナダル。ナルバンディアンはナダルのパターンを知っているので、ナダルほど走っておりませんが、フットワークがよく、落ち着いたテニスをしています。彼はラケットの準備が早いので、オン・ザ・ライズの球があれほど正確に打てるのですね。
ナダルのブレークでスコアは元のイーヴンに戻りましたが、どうみてもナダルが劣勢です。8ゲーム目は、「やっちゃいかん」テニスの連続でナダルがブレークされてしまいました。このゲームの展開はナダルの弱点を露呈したゲームでした。以下は私のメモです。
(ナダルvsナルバンディアン:ナダルのサーヴ)
0-0
ナルはナダルのショートボールにネットダッシュしてヴォレーで決める。
0-15
ナダルのポジションがまた3m奥に下がってしまった。完全にディフェンスの悪いパターン。
15-30
ナダルが思い切りの悪いショットが多く、ナルにチャンスを与える。ナルはフォアのダウンザラインのウィナー
15-40(ブレークポイント)
ナルがミス
30-40
ナダルのサーヴィスウィナー
40-40
ナダルのショートボールをナルがフォアで叩く
40-アド(ブレークポイント)
2ndサーヴをナルがバックハンドのクロスリターンでナダルのエラーをさそう。ナダルがブレークされる。
このように何となく煮え切らないナダルのパーフォーマンスで、第1セットは3-6でナルバンディアンが勝ち取りました。
第1セットが終わるとナダルはトレーナーを呼びました。右足の靴をナダルが脱いで、テーピングのやり直しをトレーナーにしてもらっています。足の裏にマメができているのかも知れません。あれでは走るのは痛いでしょうね。
第2セットに入ってから、ナダルは気持ちの切り替えができたのでしょうか。1ゲーム目からナルバンディアンを左右に走らせ、速攻でウィナーを連打。40-0でナルバンディアンにメッセージを送りました。このアグレッシヴなナダルの変化に戸惑ったのか、ナルバンディアンのテニスが安全圏を狙う守りのテニスへ。
この変化は面白いと思います。テニスはまさにメンタル。攻めるか、攻められるかの戦いの中で試合が変化していきます。
4ゲーム目は、ナダルは40-15と3ポイントのブレークポイントをとりながら、6回もデュースを繰り返し、果てはブレークできなかった残念なゲームとなりました。なぜ、ブレークできなかったのか? ナルが何度もネットダッシュしてアグレッシヴなテニスを展開し始めたからです。ナダルは攻撃的になったとはいえ、ネットダッシュはナルバンディアンの球がショートでない限り前に出てきません。ナダルはネットプレーに格段の進歩をみせているのですから、もっとネットダッシュしてナルバンディアンを揺さぶる必要があったと思います。
さて辛うじてサーヴィスゲームをキープしたナルバンディアンが、彼のテニスの本領を発揮したのは5ゲーム目、2-2でナダルのサーヴィスゲームです。ナダルは作戦通り、長いラリーによってリズムをつかみ、アグレッシヴなショットを打ち込んできます。しかしナルバンディアンは、ネットダッシュ、ロブ、などいろいろショットを混ぜながら、ナダルの攻撃を中和。特にブレークポイントでは、ネットのナダルにロブを何度が打ってブレークに成功。実にうまいテニスです。
この試合のハイライトは何と言ってもナダルが4回のマッチポイントを免れた第9ゲームです。
ナルバンディアンは勝利を目の前に少し固くなってきました。ダブルフォルトを合計8回もしています。ここでナダルがすごいのは、デュースでは守りに入ったナルバンディアンに、ネットダッシュ、サイドライン上のワイドのウィナーなどのアグレッシヴなショットで攻撃し始めました。しかしマッチポイントではミスをしません。そしてマッチポイント#4でサーヴィスウィナーを取りました。このガッツのよさと堅実さの見事なコンビネーションは、ナダルのメンタルの財産だと思います。そのフォーカスを切らさない強靭なメンタルによって、パニックに陥ることなく、危機を突破することができたのだと思います。
第3セットではナルバンディアンの弱点が露呈しました。彼のメンタルがいつも問題にされますが、これは彼のフィットネス次第ではないかという気がしてきました。ナダルと第3セットをこなすには、相当なコンディショニングが必要です。ナダルの強烈なトップスピンを対等に打つには、相当なエネルギーを使い果たし、たいていの選手はナダルにスタミナ負けをしてしまうのだそうです。ナルバンディアンも3セット目は完全にガス欠状態。フォーカスも途切れて無惨なベーグルになってしまいました。
結局フォーカスとフィットネスが上回ったナダルが、3-6, 7-6, 6-0でナルバンディアンを倒してQFに進むことになりました。
ナルバンディアンがGSのタイトルをとるためには、まずロディックのように身軽になり、相当なコンディショニングをすることが不可欠条件ではないかと思います。マレーが強くなったのはまさに彼の体力つくりの努力の賜物であって、ナルバンディアンも悲願のタイトル獲得のためにがんばってほしいものです。
2009年03月19日
必見!ナダルvsナルバンディアン戦
今日インディアンウェルズにて、ナダルvsナルバンディアン戦が始まります。トッププレーヤーの中で、ナルバンディアンのみがナダルに無敗な選手ですので、この試合は見逃せません。
二人の過去の対戦は2回。いずれも2007年で、パリのマスターズでは6-4 6-0, マドリッドのマスターズでは6-1 6-2と、ナルバンディアンがナダルに圧勝しています。いずれもサーフェスはハードコートです。当時のナダルはまだクレーのテニスをハードコートでやっておりましたので、今のナダルとは比較にならないと思います。そういった意味でも、ナダルの進化をみるには、このナルバンディアン戦が最適だと思います。
ナダルはナルバンディアンについて以下のように述べています。
「勝つためには第1によいプレーをすること。第2は準備が出来上がっていること。そうでないと彼にポイントのコントロールされてしまう。彼はミスが少ないし、動きがよいし、コントロールがとてもよいからね。早く決められてしまわないよう、リズムとインテンシティでもってプレーを長くすることかな。」
いかにナダルが強くなってきているか? トップ10の選手との過去の対戦成績をみてみたいと思います。
2位 フェデラー(13勝6敗)
3位 ジョコヴィッチ(11勝4敗)
4位 マレー(5勝2敗)
5位 ダヴィデンコ(3勝2敗)
6位 デルポトロ(3勝0敗)
7位 ロディック(4勝2敗)
8位 シモン(3勝1敗)
9位 モンフィス(4勝1敗)
10位 べルダスコ(7勝0敗)
では、ナダルがNo.1になった昨年8月18日以降、負けた選手は?
2008年 US Open: 準決勝でマレーに
2008年 マドリッドマスターズ: 準決勝でシモンに
2008年 パリマスターズ: 準々決勝でダヴィデンコに
2009年 ドーハ: 準々決勝でモンフィスに
2009年 ロッテルダム: 決勝でマレーに
今年に入って負けているのはマレーとモンフィスの二人です。しかしこの2戦はナダルにとってはさほどの影響を与えてはいないと思います。ロッテルダムの決勝でマレーに敗退しましたが、これはナダルの膝が痛くて最後はほとんどプレーできなかった試合でした。モンフィスとの試合は、1月上旬のATP最初のトーナメントですから、ヴァーケーションあがりの選手にとっては、チューニングアップの大会でもあり、そういった意味でもナダルにとっては調整のための大会でした。
ウィンブルドンの速い芝で勝てるのですから、ハードでも比較的スローなオーストラリアン・オープンの優勝は、ナダルにとっては時間の問題でした。
これで3つのサーフェスを征服したナダルは、次の課題は苦手な選手をなくすること。フェデラーがナダルに勝てなくなってきているのは、まさにこのメンタルの負け意識なのですから、負け続けているナルバンディアンにはぜひとも勝ち星をつけなくてはなりません。
ナルバンディアン以外に負け越している選手は、ブレイクの2勝3敗、ハーバティの1勝3敗です。ハーバティとは2005年以前の記録ですし、ブレイクも2006年以前の試合です。ナダルのプレースタイルが進化してきていますので、2006年以前の試合を比較するのは適切ではないと思います。ですから2007年以降に負け越しているのは、唯一ナルバンディアンのみとなります。
今のナルバンディアンは好調ですし、フットワークも軽くナダルにとっては手強い相手です。彼とどのような試合を行うか?これはインディアンウェルズのハイライトの一つですのでぜひお見逃しのないように。(放送時間は日本時間の木曜午後1時からです。TennisTV.comに登録すれば有料でみることができます。登録の仕方は記事にしておりますので参考にしてください。)
二人の過去の対戦は2回。いずれも2007年で、パリのマスターズでは6-4 6-0, マドリッドのマスターズでは6-1 6-2と、ナルバンディアンがナダルに圧勝しています。いずれもサーフェスはハードコートです。当時のナダルはまだクレーのテニスをハードコートでやっておりましたので、今のナダルとは比較にならないと思います。そういった意味でも、ナダルの進化をみるには、このナルバンディアン戦が最適だと思います。
ナダルはナルバンディアンについて以下のように述べています。
「勝つためには第1によいプレーをすること。第2は準備が出来上がっていること。そうでないと彼にポイントのコントロールされてしまう。彼はミスが少ないし、動きがよいし、コントロールがとてもよいからね。早く決められてしまわないよう、リズムとインテンシティでもってプレーを長くすることかな。」
いかにナダルが強くなってきているか? トップ10の選手との過去の対戦成績をみてみたいと思います。
2位 フェデラー(13勝6敗)
3位 ジョコヴィッチ(11勝4敗)
4位 マレー(5勝2敗)
5位 ダヴィデンコ(3勝2敗)
6位 デルポトロ(3勝0敗)
7位 ロディック(4勝2敗)
8位 シモン(3勝1敗)
9位 モンフィス(4勝1敗)
10位 べルダスコ(7勝0敗)
では、ナダルがNo.1になった昨年8月18日以降、負けた選手は?
2008年 US Open: 準決勝でマレーに
2008年 マドリッドマスターズ: 準決勝でシモンに
2008年 パリマスターズ: 準々決勝でダヴィデンコに
2009年 ドーハ: 準々決勝でモンフィスに
2009年 ロッテルダム: 決勝でマレーに
今年に入って負けているのはマレーとモンフィスの二人です。しかしこの2戦はナダルにとってはさほどの影響を与えてはいないと思います。ロッテルダムの決勝でマレーに敗退しましたが、これはナダルの膝が痛くて最後はほとんどプレーできなかった試合でした。モンフィスとの試合は、1月上旬のATP最初のトーナメントですから、ヴァーケーションあがりの選手にとっては、チューニングアップの大会でもあり、そういった意味でもナダルにとっては調整のための大会でした。
ウィンブルドンの速い芝で勝てるのですから、ハードでも比較的スローなオーストラリアン・オープンの優勝は、ナダルにとっては時間の問題でした。
これで3つのサーフェスを征服したナダルは、次の課題は苦手な選手をなくすること。フェデラーがナダルに勝てなくなってきているのは、まさにこのメンタルの負け意識なのですから、負け続けているナルバンディアンにはぜひとも勝ち星をつけなくてはなりません。
ナルバンディアン以外に負け越している選手は、ブレイクの2勝3敗、ハーバティの1勝3敗です。ハーバティとは2005年以前の記録ですし、ブレイクも2006年以前の試合です。ナダルのプレースタイルが進化してきていますので、2006年以前の試合を比較するのは適切ではないと思います。ですから2007年以降に負け越しているのは、唯一ナルバンディアンのみとなります。
今のナルバンディアンは好調ですし、フットワークも軽くナダルにとっては手強い相手です。彼とどのような試合を行うか?これはインディアンウェルズのハイライトの一つですのでぜひお見逃しのないように。(放送時間は日本時間の木曜午後1時からです。TennisTV.comに登録すれば有料でみることができます。登録の仕方は記事にしておりますので参考にしてください。)
2009年03月17日
ナダルのグランドスラムなるか?
バーゼル紙によると、フェデラーの赤ちゃんの出産予定日はぎりぎりまで発表しないそうです。というのは、出産の時期に重なるトーナメントは欠場という可能性が大きくなってきているからで、これは今の段階では極秘ということになっています。ということはウィンブルドンかUS Openあたりでしょうか?
ナダルのさらなる進化について:
インディアンウェルズ2回戦TV観戦より
フェデラー、ジョコヴィッチなどトップ選手の2回戦を観て、パーフォーマンスが一番安定していたのはナダルでした。それにプラクティス時間にも一番時間をかけていたようで真剣そのもの。驚いたのはプラクティスの後、何百人ものファンに取り囲まれたナダルは全く身動きもできず、思わず解説者も危ない!という声を上げたほど無防備だっとことです。ナダルの取り巻きもさっさと彼を残して去ってしまいましたし、ナダルは一人ぽっち。セキュリティーは二人だけ。とてもハンドルできる状況ではありません。頭のおかしいファンがいて、ナダルに危害を与えることも簡単にできる状態です。モニカ・セレスの刺傷事件が思い出されます。あの無防備なナダルは近づきやすくて魅力がありますが、何が起こっても不思議でない状態はやはり心配です。それにしてもラファは一人でも多くのファンにサインをしてあげようとする心やさしい行動にいつも感心します。
さて対戦相手のベラーBerrerは、ランキング112位のチャレンジャーのサーキットをまわるドイツ選手。インディアンウェルズでは予選を突破したあと、本戦でアンダーソンを破ってナダルとの対戦です。トップ選手の多くは、最初のラウンドはなかなか本調子になれず、デルポのように1セットを落としたり、ジョコヴィッチのように1セットを落としそうになったりと、まだまだ調整中といったプレイが観られるのですが、ナダルだけは違っていました。調整はプラクティスでやってしまうので、試合はいつも真剣勝負です。予想通り6-2, 6-1でナダルの完勝でしたが、ナダルがまたさらに進化しているのを目撃しました。
(1)サーヴィスの向上
解説者の説明では、サーヴが一年前のインディアンウェルズでは平均108マイルだったのが、今は113マイルに速くなっているそうです。この5マイル(8km)は大きな進歩で、しかもプレースメントがよくなったので、サーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)が多くなりました。このようにサーヴ向上で、サーヴィスゲームがチープポイント(簡単にとれるポイントのこと)によって、昔にくらべて比較的楽にとれるようになってきています。
(2)ネットプレーの向上
相手の浮いたボールの処理の仕方が変わってきています。今までは浮いたボールは、一度ボールをコートにバウンドさせてから、ベースラインから打っていましたのでなかなか決められなかったのですが、最近はネットダッシュして、アングルヴォレーで決められるようになりました。ダブルスをやめなかった彼の努力の成果がこのネットプレーに現れ、ネットダッシュのタイミングといい、立つポジションも実にうまくなりました。
(3)フォアハンドの新しい武器
前までは集中的に相手のバックハンドを狙ったフォアハンドのクロスが多く、ナダルの攻撃は比較的予期しやすいパターンが多かったのです。しかし最近のナダルは、相手のフォアハンド側に打つインサイドアウトでも得点できるようになりました。相手のフォアハンドに打つショットですから、どんなに強力なショットでもカウンターを食らってしまいます。しかし角度をつけてサーヴィスラインとサイドラインの交差点あたりに打てば、まずこれは絶対とれない。とれても球が浮いてきます。このアングルインサイドアウトのフォアハンドが確実にきめらるようになって、ナダルの攻撃にバリエーションがでてきました。
(4)予期せぬ速攻スタイル
3月にデ杯でナダルと戦って3セットストレートで敗退したジョコヴィッチが「ナダルは突然攻撃モードになるので予期できない」というコメントを残していました。これはサーヴの向上を始め、以上にあげた進歩があらゆるポジションからの攻撃を可能にする選手に進化した結果だと思います。
このようにナダルの進化は止むところがなく、ますますフェデラーのNo.14のタイトル獲得がむずかしくなってきたように思います。もしフェデラーがUS Openを欠場すれば、ナダルが一番苦手なUS Openに勝つ可能性もあるわけで、そうなると今年はナダルのグランドスラムの年となる可能性が出てきました。
グランドスラムとは、一年の間に全豪、全仏、全英、全米の4GSのタイトルをとることで、正確にはカレンダーイヤー・グランドスラムと呼ばれています。もしナダルのグランドスラムが実現すれば、ロッド・レイヴァー以来で、これはとんでもない偉業となります。サンプラス、フェデラーの彼らでも実現できなかったこのグランド・スラムがナダルによって実現するかどうか! 2009年のテニスはますます面白くなってきました。
(余談)
ところでフェデラー/アレグロのダブルスチームは、あっさりとブライアン兄弟に6-2, 6-0で抹殺されてしまいました。ライヴスコアを観ていましたが、あまりにもあっさりと負けてしまってのでがっかりです。ブライアン兄弟のオリンピックのリベンジの意地があったのか。アレグロが足を引っ張ったのか。フェデラーが赤ちゃんの件で集中できなかったのか。センターコート(スタジアム1)にもかかわらず、どこのTVも放送しませんでしたが、これは今から思えば正解だったかも。いくらダブルスとはいえ、あまりにも簡単に負けてしまうフェデラーの姿は観たくないファンが多いでしょうから。
ナダルのさらなる進化について:
インディアンウェルズ2回戦TV観戦より
フェデラー、ジョコヴィッチなどトップ選手の2回戦を観て、パーフォーマンスが一番安定していたのはナダルでした。それにプラクティス時間にも一番時間をかけていたようで真剣そのもの。驚いたのはプラクティスの後、何百人ものファンに取り囲まれたナダルは全く身動きもできず、思わず解説者も危ない!という声を上げたほど無防備だっとことです。ナダルの取り巻きもさっさと彼を残して去ってしまいましたし、ナダルは一人ぽっち。セキュリティーは二人だけ。とてもハンドルできる状況ではありません。頭のおかしいファンがいて、ナダルに危害を与えることも簡単にできる状態です。モニカ・セレスの刺傷事件が思い出されます。あの無防備なナダルは近づきやすくて魅力がありますが、何が起こっても不思議でない状態はやはり心配です。それにしてもラファは一人でも多くのファンにサインをしてあげようとする心やさしい行動にいつも感心します。
さて対戦相手のベラーBerrerは、ランキング112位のチャレンジャーのサーキットをまわるドイツ選手。インディアンウェルズでは予選を突破したあと、本戦でアンダーソンを破ってナダルとの対戦です。トップ選手の多くは、最初のラウンドはなかなか本調子になれず、デルポのように1セットを落としたり、ジョコヴィッチのように1セットを落としそうになったりと、まだまだ調整中といったプレイが観られるのですが、ナダルだけは違っていました。調整はプラクティスでやってしまうので、試合はいつも真剣勝負です。予想通り6-2, 6-1でナダルの完勝でしたが、ナダルがまたさらに進化しているのを目撃しました。
(1)サーヴィスの向上
解説者の説明では、サーヴが一年前のインディアンウェルズでは平均108マイルだったのが、今は113マイルに速くなっているそうです。この5マイル(8km)は大きな進歩で、しかもプレースメントがよくなったので、サーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)が多くなりました。このようにサーヴ向上で、サーヴィスゲームがチープポイント(簡単にとれるポイントのこと)によって、昔にくらべて比較的楽にとれるようになってきています。
(2)ネットプレーの向上
相手の浮いたボールの処理の仕方が変わってきています。今までは浮いたボールは、一度ボールをコートにバウンドさせてから、ベースラインから打っていましたのでなかなか決められなかったのですが、最近はネットダッシュして、アングルヴォレーで決められるようになりました。ダブルスをやめなかった彼の努力の成果がこのネットプレーに現れ、ネットダッシュのタイミングといい、立つポジションも実にうまくなりました。
(3)フォアハンドの新しい武器
前までは集中的に相手のバックハンドを狙ったフォアハンドのクロスが多く、ナダルの攻撃は比較的予期しやすいパターンが多かったのです。しかし最近のナダルは、相手のフォアハンド側に打つインサイドアウトでも得点できるようになりました。相手のフォアハンドに打つショットですから、どんなに強力なショットでもカウンターを食らってしまいます。しかし角度をつけてサーヴィスラインとサイドラインの交差点あたりに打てば、まずこれは絶対とれない。とれても球が浮いてきます。このアングルインサイドアウトのフォアハンドが確実にきめらるようになって、ナダルの攻撃にバリエーションがでてきました。
(4)予期せぬ速攻スタイル
3月にデ杯でナダルと戦って3セットストレートで敗退したジョコヴィッチが「ナダルは突然攻撃モードになるので予期できない」というコメントを残していました。これはサーヴの向上を始め、以上にあげた進歩があらゆるポジションからの攻撃を可能にする選手に進化した結果だと思います。
このようにナダルの進化は止むところがなく、ますますフェデラーのNo.14のタイトル獲得がむずかしくなってきたように思います。もしフェデラーがUS Openを欠場すれば、ナダルが一番苦手なUS Openに勝つ可能性もあるわけで、そうなると今年はナダルのグランドスラムの年となる可能性が出てきました。
グランドスラムとは、一年の間に全豪、全仏、全英、全米の4GSのタイトルをとることで、正確にはカレンダーイヤー・グランドスラムと呼ばれています。もしナダルのグランドスラムが実現すれば、ロッド・レイヴァー以来で、これはとんでもない偉業となります。サンプラス、フェデラーの彼らでも実現できなかったこのグランド・スラムがナダルによって実現するかどうか! 2009年のテニスはますます面白くなってきました。
(余談)
ところでフェデラー/アレグロのダブルスチームは、あっさりとブライアン兄弟に6-2, 6-0で抹殺されてしまいました。ライヴスコアを観ていましたが、あまりにもあっさりと負けてしまってのでがっかりです。ブライアン兄弟のオリンピックのリベンジの意地があったのか。アレグロが足を引っ張ったのか。フェデラーが赤ちゃんの件で集中できなかったのか。センターコート(スタジアム1)にもかかわらず、どこのTVも放送しませんでしたが、これは今から思えば正解だったかも。いくらダブルスとはいえ、あまりにも簡単に負けてしまうフェデラーの姿は観たくないファンが多いでしょうから。
2009年03月15日
今ダブルスが熱い!
すごいメンバーがインディアンウェルズのダブルスに出場しています! フェデラーが出ます! それにロディックも! なんと仲が悪いと噂される(昨年のデ杯決勝のとき大喧嘩したとの噂)あのデルポトロとナルバンディアンがペアを組みました! ダブルスのドローをご覧ください。
ダブルスをさらにポピュラーにするためには、トップのシングルス選手の参加が必要であるとして、2006年にダブルスのルールが改正になりました。シングルスに出場する選手に負担にならないように、時間を短縮することを第1の目的に、デュースのかわりにNo Ad、第3セットを10ポイントタイブレークとしたため試合時間は大幅に短縮されたのです。
昨年あたりからでしょうか。ダブルスに関心を示すのシングルスプレーヤーが目立って増えるようになりました。このダブルスの人気は二つの原因が考えられます。
(1)ベースラインテニスがメジャーとなってしまった現在のテニスに、ネットプレーが再評価され始め、ダブルスの効果が再認識されている。
(2)試合時間の短縮により、シングルスプレーヤーのウォームアップに効果がある。
Nadalはルール改正前からダブルスに出ていますが、私が最初にナダルのダブルスを観たのは、2004年のUS Open、彼が17歳のときです。シングルスではロディックに2回戦で負けてしまいましたが、ダブルスはロブレドと組んでセミファイナルまで進みました。
ナダルのダブルスランキングは80位でシングルスのトッププレーヤーの中では3番目に高いランキングです。このインディアンウェルズでは、ナダルはパートナーにマーク・ロペスを選びました。この二人は、今年1月のドーハで世界No.1のダブルスチーム、ジモニックとネスターに打ち勝って優勝をとげています。心配なのはこの二人は結構強いので勝ち残っていく可能性が大なのです。そうするとナダルの膝への負担が大きく、あまり勝ってほしくないという複雑な気持ちなのです。
Verdascoはシングルス10位でダブルスは33位。トップ20のシングルスプレーヤーのなかで、トップランキングです。このダブルスの高ランキングを得るためには、べルダスコは2倍近くの試合をこなしていかなければなりません。彼は1月のブリスベインでは決勝まで残りましたし、オーストラリアン・オープンではQFまで進んでいます。シングルスの準決勝、ナダルとのすざましい死闘を覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、このオーストラリアン・オープンでは、べルダスコは何と単複で計10回も試合をやりました。
トップ20のダブルスランキング
べルダスコ 33位(シングルス10位)
フィッシュ 48位(シングルス20位)
ナダル 80位(シングルス1位)
Federerが、今日スイスのアレグロと組んで、ブライアン兄弟とダブルス1回戦を行います。昨日フェデラーのジケルとのシングルス1回戦を観ましたが、まだまだ調整中という感じでした。全豪でも徐々に調子をあげていくテニスでしたので、今回のダブルスの挑戦は、チューニングアップの上でもよい選択だと思います。それにジケル戦を観ても、もっとネットダッシュで決められたポイントが多かったと思うので、フェデラーのネットプレーを増やす意味でも、ダブルス参戦はきっとよい効果を生むと思います。
ではフェデラーはなぜオリンピックの金メダルペアのヴァヴリンカと組まないのか? 勝ちすぎると体への負担がかかりすぎるので、ほどほどの相手、アレグロあたりを選択したのだと思います。それにアレグロとは古い仲で、何度かダブルスを組んで気心が知れていますし。オリンピックではブライアン兄弟を負かしたフェデラーですから、ブライアン兄弟にとってはリベンジの日です。絶対放送してほしいですね。
豪華なダブルスメンバーは以下の通りです:
フェデラー/アレグロ(スイス)
ブライアン兄弟と今日対戦します
デルポトロ/ナルバンディアン
デ杯で仲が悪いという噂がたった二人がペアと聞いて皆びっくり。仲直りしてデ杯へ向けて再出発という噂も。マレーの兄、ジェイミー・マレーのチームを75 64で下して、2回戦はダブルスのベテラン、インドのパエスです。
ナダル/マーク・ロペス
1回戦を勝ち越し、フェデラーかブライアンのどちらかのチームと2回戦です。
フェレール/モンタネス
1回戦に勝ち越し、F・ロペス/べルダスコが1回戦を勝てば対戦することになります。こうなるとすべてスペイン選手の仲良しグループの戦いできっと楽しい試合となりそうです。
マレー/ハッチンズ(英)
バーディッチ/キーファー を64 06 10-7で破りました。
ツォンガ/アンチッチ
アンチッチがリュービチッチとの試合でリタイアしていますので、残念ながらこのペアは解散となると思います。それにしてもアンチッチは病気のリタイアが多いですね。モノは完治したと聞いていますが、かわいそうに体の免疫が落ちてしまったようです。
ロディック/フィッシュ
仏チームのシモン/シャーディを63 64で勝って、2回戦は単複プレーヤーチームのロードラ/ステパネックです。ロードラとステパネックはもともとダブルス選手。これはぜひ観てみたいのですが、果たして放送してくれるかどうか?
敗退してしまったダブルスチーム:
1回戦で敗退したのは、シモン/シャーディとモンフィス/ツヴェレフたち。シングルスのランキングがいかに高くても、ダブルスに勝つのはむずかしいことを物語っています。
だからダブルスは面白い。もっとダブルスの放送が増えますように。(祈)
ダブルスをさらにポピュラーにするためには、トップのシングルス選手の参加が必要であるとして、2006年にダブルスのルールが改正になりました。シングルスに出場する選手に負担にならないように、時間を短縮することを第1の目的に、デュースのかわりにNo Ad、第3セットを10ポイントタイブレークとしたため試合時間は大幅に短縮されたのです。
昨年あたりからでしょうか。ダブルスに関心を示すのシングルスプレーヤーが目立って増えるようになりました。このダブルスの人気は二つの原因が考えられます。
(1)ベースラインテニスがメジャーとなってしまった現在のテニスに、ネットプレーが再評価され始め、ダブルスの効果が再認識されている。
(2)試合時間の短縮により、シングルスプレーヤーのウォームアップに効果がある。
Nadalはルール改正前からダブルスに出ていますが、私が最初にナダルのダブルスを観たのは、2004年のUS Open、彼が17歳のときです。シングルスではロディックに2回戦で負けてしまいましたが、ダブルスはロブレドと組んでセミファイナルまで進みました。
ナダルのダブルスランキングは80位でシングルスのトッププレーヤーの中では3番目に高いランキングです。このインディアンウェルズでは、ナダルはパートナーにマーク・ロペスを選びました。この二人は、今年1月のドーハで世界No.1のダブルスチーム、ジモニックとネスターに打ち勝って優勝をとげています。心配なのはこの二人は結構強いので勝ち残っていく可能性が大なのです。そうするとナダルの膝への負担が大きく、あまり勝ってほしくないという複雑な気持ちなのです。
Verdascoはシングルス10位でダブルスは33位。トップ20のシングルスプレーヤーのなかで、トップランキングです。このダブルスの高ランキングを得るためには、べルダスコは2倍近くの試合をこなしていかなければなりません。彼は1月のブリスベインでは決勝まで残りましたし、オーストラリアン・オープンではQFまで進んでいます。シングルスの準決勝、ナダルとのすざましい死闘を覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、このオーストラリアン・オープンでは、べルダスコは何と単複で計10回も試合をやりました。
トップ20のダブルスランキング
べルダスコ 33位(シングルス10位)
フィッシュ 48位(シングルス20位)
ナダル 80位(シングルス1位)
Federerが、今日スイスのアレグロと組んで、ブライアン兄弟とダブルス1回戦を行います。昨日フェデラーのジケルとのシングルス1回戦を観ましたが、まだまだ調整中という感じでした。全豪でも徐々に調子をあげていくテニスでしたので、今回のダブルスの挑戦は、チューニングアップの上でもよい選択だと思います。それにジケル戦を観ても、もっとネットダッシュで決められたポイントが多かったと思うので、フェデラーのネットプレーを増やす意味でも、ダブルス参戦はきっとよい効果を生むと思います。
ではフェデラーはなぜオリンピックの金メダルペアのヴァヴリンカと組まないのか? 勝ちすぎると体への負担がかかりすぎるので、ほどほどの相手、アレグロあたりを選択したのだと思います。それにアレグロとは古い仲で、何度かダブルスを組んで気心が知れていますし。オリンピックではブライアン兄弟を負かしたフェデラーですから、ブライアン兄弟にとってはリベンジの日です。絶対放送してほしいですね。
豪華なダブルスメンバーは以下の通りです:
フェデラー/アレグロ(スイス)
ブライアン兄弟と今日対戦します
デルポトロ/ナルバンディアン
デ杯で仲が悪いという噂がたった二人がペアと聞いて皆びっくり。仲直りしてデ杯へ向けて再出発という噂も。マレーの兄、ジェイミー・マレーのチームを75 64で下して、2回戦はダブルスのベテラン、インドのパエスです。
ナダル/マーク・ロペス
1回戦を勝ち越し、フェデラーかブライアンのどちらかのチームと2回戦です。
フェレール/モンタネス
1回戦に勝ち越し、F・ロペス/べルダスコが1回戦を勝てば対戦することになります。こうなるとすべてスペイン選手の仲良しグループの戦いできっと楽しい試合となりそうです。
マレー/ハッチンズ(英)
バーディッチ/キーファー を64 06 10-7で破りました。
ツォンガ/アンチッチ
アンチッチがリュービチッチとの試合でリタイアしていますので、残念ながらこのペアは解散となると思います。それにしてもアンチッチは病気のリタイアが多いですね。モノは完治したと聞いていますが、かわいそうに体の免疫が落ちてしまったようです。
ロディック/フィッシュ
仏チームのシモン/シャーディを63 64で勝って、2回戦は単複プレーヤーチームのロードラ/ステパネックです。ロードラとステパネックはもともとダブルス選手。これはぜひ観てみたいのですが、果たして放送してくれるかどうか?
敗退してしまったダブルスチーム:
1回戦で敗退したのは、シモン/シャーディとモンフィス/ツヴェレフたち。シングルスのランキングがいかに高くても、ダブルスに勝つのはむずかしいことを物語っています。
だからダブルスは面白い。もっとダブルスの放送が増えますように。(祈)
2009年03月14日
錦織のひじは大丈夫?
インディアンウェルズのマスターズの1回戦が始まりましたが、残念ながら錦織選手はリュービチッチに、3-6, 3-6で負けてしまいました。今回は、わざと圭君の試合については触れてこなかったのは、ひじの悪い予感があったからで、デ杯でパンパンになった状態から、一週間で完治するわけがないと思っていました。ですから歯が浮くような記事は書きたくなかったのです。
せっかく本戦エントリーしているマスターズを逃すのはもったいない、というディレンマもよく理解できますが、ひじはテニスの心臓部にあたる大切な場所。人間は悪い場所をかばう自衛本能がありますので、思い切ったショットメイキングができなかったのではと思うのです。彼自身まだひじは完全ではないようなコメントも残しているようですし。プロは体のどこかに痛みがあるのは日常茶飯だと思いますが、しかしシャラポヴァの二の舞になってしまう可能性があるので心配です。
シャラポヴァが7ヶ月ぶりに、試しにインディアンウェルズのダブルスに挑戦しましたが敗退しました。
「フラストレーションに陥るのは、徐々に練習試合の数を増やして調子がよくなって、もういいかなと思ってちょっと無理するとすぐまた具合が悪くなってしまうこと。」となかなか完治しない辛い状況を述べています。(英紙テレグラフ)
今まで彼女はもともと肩の調子がよくないまま、無理をして試合をしていましたので「危ない」という感じはありました。私も肩の手術をしましたが、肩の場合はtrickyで元に戻らない人も多いのです。私とはレベルが全く違いますが、やはり毎日テニスをやれば手術したところ(肩、両膝)がズキズキとうずいてきます。いくら見た目には思いっきりプレーをしているようでも、痛みや具合の悪いのは本人にしか分からないものです。現に突如リタイアをする選手をみて「あんなに元気そうにプレーしていたのに!」と驚くことが多々あります。
圭君のひじの故障で、フィジカル面だけでなくメンタル面に与える影響が心配されます。
痛みを押さえてテニスをすると、つい痛いところをかばうテニスをしてしまうのは自然ななりゆきですが、潜在的にまたあの怪我の繰り返しはやりたくないと思う気持ちが働くので、プレーが中途半端になってしまいます。しかも長く試合をやりたくないので、勝ち急いでミスが続きます。今回も第2セットで肝心なところでダブルフォルトやミスがあったようですが、怪我の与える精神的な影響を過小評価してはならないと思います。IMGの医者、フィジオ、コーチなどの専門家がついているのだから、彼らに任せておけばよいのですが、あのIMGの看板娘のシャラポヴァですらきちっと管理ができなかったことを思うと、おおいに不安が残ります。
怪我をおしながら負け試合をつづけて自信を失ってしまっては、自信喪失の病気は薬では治らないのですから面倒です。私の記事はまだまだ圭君のひじが良い状態でないという憶測から書いていますので、私の勘がはずれていることを願うばかりです。
スポンサーとの兼ね合い、圭君の試合に出たい気持ち、IMGの意図、その他諸々の事情があるのでしょうが、今はまず肘を治すことにプライオリティーをおいて、プロジェクト45チームは長期の展望にたった判断を下してほしいと思います。
せっかく本戦エントリーしているマスターズを逃すのはもったいない、というディレンマもよく理解できますが、ひじはテニスの心臓部にあたる大切な場所。人間は悪い場所をかばう自衛本能がありますので、思い切ったショットメイキングができなかったのではと思うのです。彼自身まだひじは完全ではないようなコメントも残しているようですし。プロは体のどこかに痛みがあるのは日常茶飯だと思いますが、しかしシャラポヴァの二の舞になってしまう可能性があるので心配です。
シャラポヴァが7ヶ月ぶりに、試しにインディアンウェルズのダブルスに挑戦しましたが敗退しました。
「フラストレーションに陥るのは、徐々に練習試合の数を増やして調子がよくなって、もういいかなと思ってちょっと無理するとすぐまた具合が悪くなってしまうこと。」となかなか完治しない辛い状況を述べています。(英紙テレグラフ)
今まで彼女はもともと肩の調子がよくないまま、無理をして試合をしていましたので「危ない」という感じはありました。私も肩の手術をしましたが、肩の場合はtrickyで元に戻らない人も多いのです。私とはレベルが全く違いますが、やはり毎日テニスをやれば手術したところ(肩、両膝)がズキズキとうずいてきます。いくら見た目には思いっきりプレーをしているようでも、痛みや具合の悪いのは本人にしか分からないものです。現に突如リタイアをする選手をみて「あんなに元気そうにプレーしていたのに!」と驚くことが多々あります。
圭君のひじの故障で、フィジカル面だけでなくメンタル面に与える影響が心配されます。
痛みを押さえてテニスをすると、つい痛いところをかばうテニスをしてしまうのは自然ななりゆきですが、潜在的にまたあの怪我の繰り返しはやりたくないと思う気持ちが働くので、プレーが中途半端になってしまいます。しかも長く試合をやりたくないので、勝ち急いでミスが続きます。今回も第2セットで肝心なところでダブルフォルトやミスがあったようですが、怪我の与える精神的な影響を過小評価してはならないと思います。IMGの医者、フィジオ、コーチなどの専門家がついているのだから、彼らに任せておけばよいのですが、あのIMGの看板娘のシャラポヴァですらきちっと管理ができなかったことを思うと、おおいに不安が残ります。
怪我をおしながら負け試合をつづけて自信を失ってしまっては、自信喪失の病気は薬では治らないのですから面倒です。私の記事はまだまだ圭君のひじが良い状態でないという憶測から書いていますので、私の勘がはずれていることを願うばかりです。
スポンサーとの兼ね合い、圭君の試合に出たい気持ち、IMGの意図、その他諸々の事情があるのでしょうが、今はまず肘を治すことにプライオリティーをおいて、プロジェクト45チームは長期の展望にたった判断を下してほしいと思います。
2009年03月13日
フェデラーに赤ちゃんが!
ホットニュースです。ミルカが妊娠しました! 今日フェデラーの喜びのメッセージが彼のウェブサイトに発表されました。
「僕たちがこの夏に親になることになりました!ミルカが妊娠をして家族としてスタートすることになったのです。僕たちの夢が実現して本当に嬉しい。僕たち二人は子供が大好きで、親になれるなんてとても楽しみです。ミルカの体調もよく、すべて順調にいっています。」
それに加えてもう一つのグッドニュースです。デ杯も止めてフィジカルトレーニングに集中したフェデラーは、腰の調子もよく、インディアンウェルズに万全の態勢で臨むことができるとか。
私はフェデラーには彼の身辺に大きな変化をもたらすモチベーションが必要だと思っていましたが、ついに最高のモチベーションができました。「父親になる」という自覚と喜びで、ガンガンと勝ち星をあげていってくれることと思います。
結婚の話はまだ出ておりませんでしたが、これは後でゆっくりと二人で決めればよいこと。2000年のシドニーオリンピックで知り合った二人の長い春に、巷では「ミルカと関係を清算して、再出発という大手術をしなければフェデラーはカムバックできない」などと、心ないファンの声も結構上がってきているだけに、この二人の固い愛の結晶のニュースは嬉しい限りです。
赤ちゃん誕生で、人間としても一段と成長する機会を得たフェデラーは、きっと彼のテニスにも大きな影響を与えてくれるはず。フェデラーファンにとっては、今年はカムバックの年。テニスファンにとっては、ナダルとの壮絶な戦いが幾度も観られるラッキーな年となりそうです。
「僕たちがこの夏に親になることになりました!ミルカが妊娠をして家族としてスタートすることになったのです。僕たちの夢が実現して本当に嬉しい。僕たち二人は子供が大好きで、親になれるなんてとても楽しみです。ミルカの体調もよく、すべて順調にいっています。」
それに加えてもう一つのグッドニュースです。デ杯も止めてフィジカルトレーニングに集中したフェデラーは、腰の調子もよく、インディアンウェルズに万全の態勢で臨むことができるとか。
〓Roger Federer Management
私はフェデラーには彼の身辺に大きな変化をもたらすモチベーションが必要だと思っていましたが、ついに最高のモチベーションができました。「父親になる」という自覚と喜びで、ガンガンと勝ち星をあげていってくれることと思います。
結婚の話はまだ出ておりませんでしたが、これは後でゆっくりと二人で決めればよいこと。2000年のシドニーオリンピックで知り合った二人の長い春に、巷では「ミルカと関係を清算して、再出発という大手術をしなければフェデラーはカムバックできない」などと、心ないファンの声も結構上がってきているだけに、この二人の固い愛の結晶のニュースは嬉しい限りです。
赤ちゃん誕生で、人間としても一段と成長する機会を得たフェデラーは、きっと彼のテニスにも大きな影響を与えてくれるはず。フェデラーファンにとっては、今年はカムバックの年。テニスファンにとっては、ナダルとの壮絶な戦いが幾度も観られるラッキーな年となりそうです。
Congratulations, Roger and Mirka!
2009年03月13日
コーチ無しのフェデラーの挑戦
ヒューイットとアガシを世界No.1にしたあのダレン・ケイヒルが、オーストラリアのデ杯コーチをやめたため、一挙に「フェデラーのコーチに?」との噂がたったのは一ヶ月前。(『フェデラーに新コーチ?』)
そしてケイヒルがドバイに飛び、フェデラーのトレーニングに合流してから、「フェデラーにケイヒルが新コーチに決定」とのニュースが世界へ。
この一ヶ月はケイヒル新コーチの話で、落ち込んでいたフェデラーファンをすっかり盛り上がらせてくれました。フェデラーには今年は大きなゴールが二つあります。
「 No.1へのカムバック」
「14個目のGSタイトル獲得」
このゴールを達成するためには、 進歩しつづけるナダルを打倒しなければなりません。フェデラーは新しいコーチで心機一転をはかる必要があることは周知の事実なのですから、ケイヒルはベストのチョイスだったのです。
しかし、昨日IMGのフェデラーのマネージャーから正式な報告があり、フェデラーはケイヒルをコーチとすることを断念しました。その理由は?
ケイヒルはアガシのいるラスベガスに住んでいます。フェデラーはスイスとドバイに根拠地をおいて、トーナメントをまわっています。もしコーチとなればケイヒルはほとんど家族と過ごす時間がなくなってしまいます。
数週間ドバイでフェデラーのトレーニングキャンプに参加したケイヒルは「家族と過ごす時間がなくなる」という理由で、この新コーチの話は流れてしまいました。金銭的な話が出る前の基本的な段階、スケジュールの問題が大きな壁となったのです。
(ここからはtennisnakamaの意見です。)
フェデラーは完成された選手です。サーヴやネットプレーの進歩が必要なナダルとも違います。また最近新コーチ、ステファンキを迎えたロディックとも違います。
私は完成された選手であるからこそ、フェデラーにはフルタイムのコーチが必要だと思っていました。オーストラリアン・オープンでメンタルで5セット目を失ってしまった彼には、必要なのは技術のコーチではなく、最後まで自分の力を信じて疑わないゆるぎのない自信です。決勝戦にトニーコーチがナダルに「ラファ、最後まで勝てることを信じて戦うんだ!」と言って励ましたように、フェデラーに必要なのは、トニー・ナダルのようなコーチなのです。
「ロジャー、君はナダルに勝てる力があるんだ!」とハッパをかけてくれるコーチ探しがどうして難しいのか? フェデラーをある意味で洗脳してしまうマインドパワーは、パートタイムでは無理なのです。フェデラーを信じ、家族を犠牲にしてまでもトータルにコミットをしてくれるコーチの言葉でないと信じられない。しかもケイヒルのような名コーチでないと、フェデラーのマインドコントロールはできない。
このことは今までローチやイゲラスのパートタイムのコーチの経験で、フェデラーが一番よく知っていたのではないかと思います。ですからこのケイヒルの「地理的、時間的に無理」という理由は今さらという気がします。そんなことはわざわざドバイに飛ばなくなくても分かりきったこと。ケイヒルがパートタイムでない限りコーチ役は引き受けられないことは分かっていたはずです。ですからこのケイヒルのトライアルは、フェデラーの決断にまかされていたと思うのです。「もう一度パートタイムを雇うかどうか」フェデラーはケイヒルとトレーニングをして、やっぱり自分にはフルタイムのコーチが必要だという確信を持ったのだと思います。
という訳で、フェデラーは再びコーチなしとなってしまいました。しかしこの決断は正しかったと思います。「ひょっとしてパートタイムでもいけるかな?」という淡い期待を抱いていたフェデラーを原点に戻すことができたと思うからです。他力本願ではなく、自身が解決していかなければならない「自信」という大きな課題に、心を新たにして挑戦するしかないと再認識したのでしょう。
No.1の座を失い、ナダルに負け続けているフェデラーは、今の状態が単なるヒッカップ(hiccup:しゃっくり。一時的にセットバックすること)であるのかどうか?コーチという薬を飲まず、自身のマインドパワーでナダルアレルギーを克服できるかどうか?
しゃっくりのないフェデラーの姿をインディアンウェルズでみることができるかどうか? 楽しみですね。いよいよマスターズが始まります。
そしてケイヒルがドバイに飛び、フェデラーのトレーニングに合流してから、「フェデラーにケイヒルが新コーチに決定」とのニュースが世界へ。
この一ヶ月はケイヒル新コーチの話で、落ち込んでいたフェデラーファンをすっかり盛り上がらせてくれました。フェデラーには今年は大きなゴールが二つあります。
「 No.1へのカムバック」
「14個目のGSタイトル獲得」
このゴールを達成するためには、 進歩しつづけるナダルを打倒しなければなりません。フェデラーは新しいコーチで心機一転をはかる必要があることは周知の事実なのですから、ケイヒルはベストのチョイスだったのです。
しかし、昨日IMGのフェデラーのマネージャーから正式な報告があり、フェデラーはケイヒルをコーチとすることを断念しました。その理由は?
ケイヒルはアガシのいるラスベガスに住んでいます。フェデラーはスイスとドバイに根拠地をおいて、トーナメントをまわっています。もしコーチとなればケイヒルはほとんど家族と過ごす時間がなくなってしまいます。
数週間ドバイでフェデラーのトレーニングキャンプに参加したケイヒルは「家族と過ごす時間がなくなる」という理由で、この新コーチの話は流れてしまいました。金銭的な話が出る前の基本的な段階、スケジュールの問題が大きな壁となったのです。
(ここからはtennisnakamaの意見です。)
フェデラーは完成された選手です。サーヴやネットプレーの進歩が必要なナダルとも違います。また最近新コーチ、ステファンキを迎えたロディックとも違います。
私は完成された選手であるからこそ、フェデラーにはフルタイムのコーチが必要だと思っていました。オーストラリアン・オープンでメンタルで5セット目を失ってしまった彼には、必要なのは技術のコーチではなく、最後まで自分の力を信じて疑わないゆるぎのない自信です。決勝戦にトニーコーチがナダルに「ラファ、最後まで勝てることを信じて戦うんだ!」と言って励ましたように、フェデラーに必要なのは、トニー・ナダルのようなコーチなのです。
「ロジャー、君はナダルに勝てる力があるんだ!」とハッパをかけてくれるコーチ探しがどうして難しいのか? フェデラーをある意味で洗脳してしまうマインドパワーは、パートタイムでは無理なのです。フェデラーを信じ、家族を犠牲にしてまでもトータルにコミットをしてくれるコーチの言葉でないと信じられない。しかもケイヒルのような名コーチでないと、フェデラーのマインドコントロールはできない。
このことは今までローチやイゲラスのパートタイムのコーチの経験で、フェデラーが一番よく知っていたのではないかと思います。ですからこのケイヒルの「地理的、時間的に無理」という理由は今さらという気がします。そんなことはわざわざドバイに飛ばなくなくても分かりきったこと。ケイヒルがパートタイムでない限りコーチ役は引き受けられないことは分かっていたはずです。ですからこのケイヒルのトライアルは、フェデラーの決断にまかされていたと思うのです。「もう一度パートタイムを雇うかどうか」フェデラーはケイヒルとトレーニングをして、やっぱり自分にはフルタイムのコーチが必要だという確信を持ったのだと思います。
という訳で、フェデラーは再びコーチなしとなってしまいました。しかしこの決断は正しかったと思います。「ひょっとしてパートタイムでもいけるかな?」という淡い期待を抱いていたフェデラーを原点に戻すことができたと思うからです。他力本願ではなく、自身が解決していかなければならない「自信」という大きな課題に、心を新たにして挑戦するしかないと再認識したのでしょう。
No.1の座を失い、ナダルに負け続けているフェデラーは、今の状態が単なるヒッカップ(hiccup:しゃっくり。一時的にセットバックすること)であるのかどうか?コーチという薬を飲まず、自身のマインドパワーでナダルアレルギーを克服できるかどうか?
しゃっくりのないフェデラーの姿をインディアンウェルズでみることができるかどうか? 楽しみですね。いよいよマスターズが始まります。
2009年03月12日
ギルバートがボレテリでゲストコーチ就任
昨日錦織選手のマネージャーからメールをいただきました。
あのWinning Ugly『ウィニング アグリー』でも有名なコーチ、ブラッド ギルバートがニック ボレテリのテニスアカデミーのゲストコーチに就任することになりました。ギルバートはアガシ、ロディック、マレーのコーチをするなど、世界で最も有名なコーチの一人で、現在はESPNの解説者として活躍をしています。
これはビッグニュースです。というのは圭君がひょっとすれば、ギルバートのコーチを受ける可能性があるからです。カリフォルニアに住むギルバートは、まず2週間、IMGのテニスアカデミー(ボレテリ)でコーチを担当します。具体的にどのようなかたちでこれからコーチを行うのか、まだ決まっておりませんが、特定の選手のコーチではないということなので、圭君が彼のアドヴァイスを受ける可能性があります。
ギルバートとボレテリの関係は30年以上も前にさかのぼり、彼がボレテリのアカデミーの生徒だっただけでなく、彼の息子ザックもアカデミーの学生として、親子二代にわたってボレテリにお世話になっています。ザックは圭君との練習仲間でもあったそうで、プロにならずに大学の奨学金を得てバークレーに入学しました。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/106374.html#comment
昨年の4月に私はギルバートに連絡をとり、圭君のメッセージをいただきました。そのメッセージを記事にも掲載しましたが、圭君は今年はベスト25に入れる可能性があると賞賛してくれたのです。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/106693.html#comment
ギルバートのメッセージ:
「彼(錦織選手)は上昇中のすごい青年だね。ゴールとしては、2008年はトップ50、2009年はトップ25がよい線だといえそうだ。彼は日本史上、ベストの男子選手になるよ。 健闘を祈っているよ。」
圭君にとても好感をもっていてくれてるようなので、きっとよい関係が生まれると思います。ブラッドにさっそくメールをして圭君のことを頼んでみますね。
あのWinning Ugly『ウィニング アグリー』でも有名なコーチ、ブラッド ギルバートがニック ボレテリのテニスアカデミーのゲストコーチに就任することになりました。ギルバートはアガシ、ロディック、マレーのコーチをするなど、世界で最も有名なコーチの一人で、現在はESPNの解説者として活躍をしています。
これはビッグニュースです。というのは圭君がひょっとすれば、ギルバートのコーチを受ける可能性があるからです。カリフォルニアに住むギルバートは、まず2週間、IMGのテニスアカデミー(ボレテリ)でコーチを担当します。具体的にどのようなかたちでこれからコーチを行うのか、まだ決まっておりませんが、特定の選手のコーチではないということなので、圭君が彼のアドヴァイスを受ける可能性があります。
ギルバートとボレテリの関係は30年以上も前にさかのぼり、彼がボレテリのアカデミーの生徒だっただけでなく、彼の息子ザックもアカデミーの学生として、親子二代にわたってボレテリにお世話になっています。ザックは圭君との練習仲間でもあったそうで、プロにならずに大学の奨学金を得てバークレーに入学しました。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/106374.html#comment
昨年の4月に私はギルバートに連絡をとり、圭君のメッセージをいただきました。そのメッセージを記事にも掲載しましたが、圭君は今年はベスト25に入れる可能性があると賞賛してくれたのです。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/106693.html#comment
ギルバートのメッセージ:
「彼(錦織選手)は上昇中のすごい青年だね。ゴールとしては、2008年はトップ50、2009年はトップ25がよい線だといえそうだ。彼は日本史上、ベストの男子選手になるよ。 健闘を祈っているよ。」
圭君にとても好感をもっていてくれてるようなので、きっとよい関係が生まれると思います。ブラッドにさっそくメールをして圭君のことを頼んでみますね。
2009年03月09日
USオフィシャル応援団とは
今週末はデ杯が世界各国で同時に開催されましたが、いつも不思議に思うのは、母国のチームのために、お揃いのユニフォームを着て、笛や太鼓を叩いて世界中を旅して応援する応援団たちです。彼らの正体は?
今回のスイスvsアメリカ戦では、熱狂的なスイスの応援団がやってきました。彼らは約150名。アメリカファンは1万5千人。しかしわずか100分の1の少人数でありながらスイスの団結は強く、国旗の赤地に白十字のシャツにカウベルを鳴らして壮絶な応援をくりひろげます。そのスイス応援団の威勢のよさに、第1日目はアメリカファンの応援は終始圧倒され気味。そのせいではないと思いますが、ブレイクは最初のラバー1でヴァヴリンカに敗退してしまいました。
1勝1敗のアメリカチームを元気づけるため、USTA(USテニス協会)は「もっと応援を派手にやってくれ」とハッパをかけた応援団があります。彼らの名はネットヘッズNet Heads。特別席をあてがわれ、応援ぶりをTVに放送されることが保証されているオフィシャル応援団なのだそうで、翌日には期待に応えて1万5千人のアメリカ人を見事に統制し、ブライアン兄弟のダブルスの勝利に一役を買いました。
デ杯の開催地、アラバマ州のバーミンガムのローカル新聞、ザバーミンガムニュースの記事で分かったことですが、ネットヘッズが結成されたのは2001年。頭にバスケットボールのフープを真似たネットの帽子をかぶって、初めてデ杯に登場したのは、ノースキャロライナ州でのインド戦。団長のジェイラッシンガー氏は、ロディックの兄のジョンのジョージア大学のテニス部の仲間で、最初はテニス仲間の弟(アンディロディック)のために人肌脱ぐつもりで、友人たちと半ば冗談でネットをかぶって応援したのがきっかけだとか。しかし数人で始めたネットヘッズも現在では300人のメンバーに成長し、アメリカのデ杯チームには欠かせない存在となり、オフィシャル応援団という名誉なタイトルも与えられました。
「ネットヘッズは、僕たちが勝っても負けてもいつも笑顔を絶やさないで応援してくれるすばらしい応援団だ。スペインでは2万5千人の観客に混じってアメリカを応援してくれて、僕たちにとて貴重な存在なんだ」と、アメリカチームのキャプテンのパトリックマッケンローは彼らの存在を高く買っています。そのスペインで行われたデ杯では、ネットヘッズは会場でボトルが投げられ負傷するなど、怖い体験もしてきたそうです。
今年はオーストラリアンオープンで、女性が椅子を投げられ負傷した事件がありましたね。アメリカに住んでいて感心するのは、スポーツの試合における暴力沙汰はあまり耳にしたことがなく、実に健全で安全であること。これはスポーツが子供連れの家族の行事となっているため、ファミリー文化が浸透しているからだと思いますが、それに比べて、ヨーロッパのサッカーファンの態度の悪さ(一部ですが)に驚かされることがあります。
例えば夫の故郷、バーゼルで宿敵チューリッヒのチームとの試合が行われるときは、チューリッヒの応援団は警察の保護のもとに、柵に囲まれた特別セクションで観戦となります。応援団といっても、ブラックリストにのっているフーリガンたちで、バーゼルのフーリガンとの衝突を回避するための隔離作戦ですが、ここまでして観戦しなくてはならないスポーツに複雑な気持ちを覚えます。
サッカーの悪口はこのくらいにして(実は私は3年間、ジュニアのサッカーチームのコーチだったので、残念な思いは人一倍強いのです)今日はとてもすばらしいデ杯を経験することができました。ロディックのラバー4で、めでたくアメリカの勝利が決定し、その勝利の祝いのインターヴューで、アメリカチームがスイスからやって来たテニスファンに向かってお礼を言ったのです。
”Thank you for coming from Switzerland!”
そのときに会場からわーッと盛大な拍手が起こりました。スイスの応援団はとても嬉しそうな顔をしています。 敵チームの応援者に温かい拍手を贈るなんて、アメリカ人もなかなか粋なことを。「試合中は敵でも、試合が終われば皆テニス仲間」これは私のモットーですので、彼らの拍手の嵐は嬉しかったですね。観客無しで強行された悲しいスウェーデンのデ杯に比べて、スポーツマンシップ溢れるすばらしいデ杯を提供してくれたアメリカとスイスのテニスファンに、私からも大きな拍手をおくりたいと思います。
今回のスイスvsアメリカ戦では、熱狂的なスイスの応援団がやってきました。彼らは約150名。アメリカファンは1万5千人。しかしわずか100分の1の少人数でありながらスイスの団結は強く、国旗の赤地に白十字のシャツにカウベルを鳴らして壮絶な応援をくりひろげます。そのスイス応援団の威勢のよさに、第1日目はアメリカファンの応援は終始圧倒され気味。そのせいではないと思いますが、ブレイクは最初のラバー1でヴァヴリンカに敗退してしまいました。
1勝1敗のアメリカチームを元気づけるため、USTA(USテニス協会)は「もっと応援を派手にやってくれ」とハッパをかけた応援団があります。彼らの名はネットヘッズNet Heads。特別席をあてがわれ、応援ぶりをTVに放送されることが保証されているオフィシャル応援団なのだそうで、翌日には期待に応えて1万5千人のアメリカ人を見事に統制し、ブライアン兄弟のダブルスの勝利に一役を買いました。
デ杯の開催地、アラバマ州のバーミンガムのローカル新聞、ザバーミンガムニュースの記事で分かったことですが、ネットヘッズが結成されたのは2001年。頭にバスケットボールのフープを真似たネットの帽子をかぶって、初めてデ杯に登場したのは、ノースキャロライナ州でのインド戦。団長のジェイラッシンガー氏は、ロディックの兄のジョンのジョージア大学のテニス部の仲間で、最初はテニス仲間の弟(アンディロディック)のために人肌脱ぐつもりで、友人たちと半ば冗談でネットをかぶって応援したのがきっかけだとか。しかし数人で始めたネットヘッズも現在では300人のメンバーに成長し、アメリカのデ杯チームには欠かせない存在となり、オフィシャル応援団という名誉なタイトルも与えられました。
「ネットヘッズは、僕たちが勝っても負けてもいつも笑顔を絶やさないで応援してくれるすばらしい応援団だ。スペインでは2万5千人の観客に混じってアメリカを応援してくれて、僕たちにとて貴重な存在なんだ」と、アメリカチームのキャプテンのパトリックマッケンローは彼らの存在を高く買っています。そのスペインで行われたデ杯では、ネットヘッズは会場でボトルが投げられ負傷するなど、怖い体験もしてきたそうです。
今年はオーストラリアンオープンで、女性が椅子を投げられ負傷した事件がありましたね。アメリカに住んでいて感心するのは、スポーツの試合における暴力沙汰はあまり耳にしたことがなく、実に健全で安全であること。これはスポーツが子供連れの家族の行事となっているため、ファミリー文化が浸透しているからだと思いますが、それに比べて、ヨーロッパのサッカーファンの態度の悪さ(一部ですが)に驚かされることがあります。
例えば夫の故郷、バーゼルで宿敵チューリッヒのチームとの試合が行われるときは、チューリッヒの応援団は警察の保護のもとに、柵に囲まれた特別セクションで観戦となります。応援団といっても、ブラックリストにのっているフーリガンたちで、バーゼルのフーリガンとの衝突を回避するための隔離作戦ですが、ここまでして観戦しなくてはならないスポーツに複雑な気持ちを覚えます。
サッカーの悪口はこのくらいにして(実は私は3年間、ジュニアのサッカーチームのコーチだったので、残念な思いは人一倍強いのです)今日はとてもすばらしいデ杯を経験することができました。ロディックのラバー4で、めでたくアメリカの勝利が決定し、その勝利の祝いのインターヴューで、アメリカチームがスイスからやって来たテニスファンに向かってお礼を言ったのです。
”Thank you for coming from Switzerland!”
そのときに会場からわーッと盛大な拍手が起こりました。スイスの応援団はとても嬉しそうな顔をしています。 敵チームの応援者に温かい拍手を贈るなんて、アメリカ人もなかなか粋なことを。「試合中は敵でも、試合が終われば皆テニス仲間」これは私のモットーですので、彼らの拍手の嵐は嬉しかったですね。観客無しで強行された悲しいスウェーデンのデ杯に比べて、スポーツマンシップ溢れるすばらしいデ杯を提供してくれたアメリカとスイスのテニスファンに、私からも大きな拍手をおくりたいと思います。
2009年03月07日
錦織選手の写真が掲載されました!
まずは日本チームにおめでとう!
6-2, 6-3, 6-2の圧倒的な強さで鈴木/岩渕のダブルスが中国チームに快勝しました。ライヴスコアでしか観戦できませんでしたが、試合時間はわずか1時間23分。試合の様子が目に浮かぶようです。これで日本の勝利が決定です。次はウズベキスタンか韓国が対戦相手となります。
圭君の写真がデ杯公式サイトに載りました!
昨日私が『錦織選手の顔無し』の記事を書いた後、すぐデ杯の親元、ITFに緊急メールを送りました。ジャパンNo.1の選手の写真がないので大至急掲載してほしいという内容です。ITFはとてつもない大きな組織ですので半ばあきらめておりました。
しかし驚いたことに、今日日本のチーム紹介をみてみると、圭君の写真が載っているではありませんか。ユニフォームの写真ではありませんが、顔無しよりはましです。これで不思議なチームという印象がなくなりましたので、ホッとしました。早速ITFにお礼のメールを送っておきました。
しかし日本チームは毎年同じユニフォームを着ているのですから、JTAは圭君の写真を撮っているはず。実際圭君のユニフォーム写真を日本のデ杯のサイトに以下のように掲載しているのですから、JTAはどうしてITFに送らないのか? やっぱり不思議なチームだと思われても仕方がないかもしれません。
6-2, 6-3, 6-2の圧倒的な強さで鈴木/岩渕のダブルスが中国チームに快勝しました。ライヴスコアでしか観戦できませんでしたが、試合時間はわずか1時間23分。試合の様子が目に浮かぶようです。これで日本の勝利が決定です。次はウズベキスタンか韓国が対戦相手となります。
圭君の写真がデ杯公式サイトに載りました!
昨日私が『錦織選手の顔無し』の記事を書いた後、すぐデ杯の親元、ITFに緊急メールを送りました。ジャパンNo.1の選手の写真がないので大至急掲載してほしいという内容です。ITFはとてつもない大きな組織ですので半ばあきらめておりました。
しかし驚いたことに、今日日本のチーム紹介をみてみると、圭君の写真が載っているではありませんか。ユニフォームの写真ではありませんが、顔無しよりはましです。これで不思議なチームという印象がなくなりましたので、ホッとしました。早速ITFにお礼のメールを送っておきました。
しかし日本チームは毎年同じユニフォームを着ているのですから、JTAは圭君の写真を撮っているはず。実際圭君のユニフォーム写真を日本のデ杯のサイトに以下のように掲載しているのですから、JTAはどうしてITFに送らないのか? やっぱり不思議なチームだと思われても仕方がないかもしれません。
2009年03月07日
政治に利用されたデ杯
世界の各地でデ杯が一斉に始まりました。第2日の今日は鈴木/岩渕のダブルスチームですね。これで気持ちよく3勝をあげれば、錦織選手はラバー4に出なくてすみそうです。ではデ杯の第1日目のハイライトをお届けします。
政治に利用されたスウェーデンのデ杯戦
テニスセンターを閉め切って、一般観客無しで対イスラエル戦がスウェーデンのマルモ Malmo市で行われました。これは反イスラエルのデモを恐れたリーパル Reepalu市長の決断ですが、国際批判を真っ向に受けることになりました。デ杯の一般公開禁止令は、安全の保証ができないという判断のもとで決行されましたが、ドイツのシュピーゲル紙によると、それ以上の政治的理由があることが分かり、ITFとテニス選手の怒りをかっています。
1月のローカル新聞に、「個人的には、どんな試合でもイスラエルとは戦うべきでない」という意見を、市長が述べていることが発覚したのです。ITFは今後はマルモ市ではデ杯を行わないことを発表しました。国が何をしようと選手個人にその責任を負わせるのは論外で、私も怒りを覚えます。それにしても、中立の国、スウェーデンでこのような政治差別行為が行われたことは遺憾です。
スペインvsセルビア戦が悪天候でキャンセル
6日からスペインの東海岸のベニドームで行われる予定でしたが、強風のためにキャンセルとなりました。コートがかなり荒れてしまったようで、アウトドアのクレーコートの修復に最低10時間を要するとのこと。明日の土曜から一応シングルスの2試合がまず行われますが、ダブルスを同日に行うのかまだ結論は出ていません。選手たちは来週から始まるインディアンウェルズに出場しなくてはならず、どうしても日曜にはデ杯を終わらせたいという意向もあって、まだ結論がでていないという異常事態に陥りました。
アウトドアでの試合はいつも悪天候の可能性があるわけで、このへんの対応ができていなかったことに驚かされますが、最悪の場合は(悪天候が続いた場合)、デ杯そのものがキャンセルされる事態もありえるそうで、そうなるとデ杯歴史始まって以来の出来事となります。
デ杯の規則では試合は5日間の余裕が与えられているので、火曜日までに5試合をこなさなければならないのですが、問題は来週から始まるインディアンウェルズなのです。話題のナダルとジョコヴィッチの試合はラバー4に予定されていますが、現在の段階では日曜なのか、月曜なのかまだ分かっておりません。
トップ3の抜けたアルジェンチン
アルジェンチンはナルバンディアンをリーダーにオランダと対戦を予定していましたが、3日前にナルバンディアンがヴィールスのために急遽欠場となりパニックに陥りました。デルポトロは最初からデ杯に興味がなく欠場。ナルバンディアンと二人のトッププレーヤーが抜けてしまったアルジェンチンは、No.3のアカスーソにも断られ、やむなくベテランの159位のチェラをラバー1にもってくるなど、苦肉の策で第1日目を迎えました。
トップ選手の欠けたデ杯は明らかに魅力に欠けたものとなり、アルジェンチンはホームゲームにも拘らず、1万4千人収容のスタジアムはわずか1500人の観客で閑散とし寂しいデ杯となりましたが、チェラは4時間におよぶ5セットマッチで1勝目をあげ、モナコも健闘してアルジェンチンに2勝をもたらしました。しかしこのようなデ杯への情熱が薄れてしまったアルジェンチンは、このオランダ戦に勝っても、2ラウンドのチェコまたはフランスにとても勝てるとも思えず、昨年の面影もない衰退ぶりにアルジェンチンの苦悩が浮き彫りになりました。
シモンがバーディッチに敗退
モンフィスが怪我で欠場となりましたが、ガスケをダブルスにまわすほど余裕たっぷりなフランスチームは、シモン、ツォンガ、ガスケ、ロードラと豪華メンバーでチェコと戦うことになりました。最初の試合ラバー1にシモンが出場しましたが、デ杯が初めてというシモンは、第3セットで多くのブレークポイントを得ながらブレークすることができず、サーヴのよいバーディッチに苦戦。バーディッチはデ杯の経験も豊かでホームゲームの利点を生かして、最後までフォーカスが途切れることなくベストなパーフォーマンスで1勝をあげました。
ツォンガはステパネックに快勝してフランス1勝、チェコ1勝のタイとなりました。
デ杯とフェドカップを隔年に
女子のフェドカップはほとんど世界の関心を集めることのないイヴェントになってしまっていますが、デ杯のあり方も再検討を迫る声が高まっています。
ナダルのデ杯への情熱、ロディックとブレークの熱い気持ちはすばらしいと思いますが、デ杯を個人の目標より優先させるトップ選手は少なくなっています。過密なトーナメントのスケジュールをこなすだけでも大変な選手にとって、デ杯の参加は過酷です。フェデラーを責める前に、選手への負担を軽減するための対策を講じるべきだと思います。隔年ごとにデ杯とフェドカップを交替で行えば、関心度も高まり、選手の参加も増えるかもしれません。このアイデアを両組織にアピールしてみたいと思います。
政治に利用されたスウェーデンのデ杯戦
テニスセンターを閉め切って、一般観客無しで対イスラエル戦がスウェーデンのマルモ Malmo市で行われました。これは反イスラエルのデモを恐れたリーパル Reepalu市長の決断ですが、国際批判を真っ向に受けることになりました。デ杯の一般公開禁止令は、安全の保証ができないという判断のもとで決行されましたが、ドイツのシュピーゲル紙によると、それ以上の政治的理由があることが分かり、ITFとテニス選手の怒りをかっています。
1月のローカル新聞に、「個人的には、どんな試合でもイスラエルとは戦うべきでない」という意見を、市長が述べていることが発覚したのです。ITFは今後はマルモ市ではデ杯を行わないことを発表しました。国が何をしようと選手個人にその責任を負わせるのは論外で、私も怒りを覚えます。それにしても、中立の国、スウェーデンでこのような政治差別行為が行われたことは遺憾です。
スペインvsセルビア戦が悪天候でキャンセル
6日からスペインの東海岸のベニドームで行われる予定でしたが、強風のためにキャンセルとなりました。コートがかなり荒れてしまったようで、アウトドアのクレーコートの修復に最低10時間を要するとのこと。明日の土曜から一応シングルスの2試合がまず行われますが、ダブルスを同日に行うのかまだ結論は出ていません。選手たちは来週から始まるインディアンウェルズに出場しなくてはならず、どうしても日曜にはデ杯を終わらせたいという意向もあって、まだ結論がでていないという異常事態に陥りました。
アウトドアでの試合はいつも悪天候の可能性があるわけで、このへんの対応ができていなかったことに驚かされますが、最悪の場合は(悪天候が続いた場合)、デ杯そのものがキャンセルされる事態もありえるそうで、そうなるとデ杯歴史始まって以来の出来事となります。
デ杯の規則では試合は5日間の余裕が与えられているので、火曜日までに5試合をこなさなければならないのですが、問題は来週から始まるインディアンウェルズなのです。話題のナダルとジョコヴィッチの試合はラバー4に予定されていますが、現在の段階では日曜なのか、月曜なのかまだ分かっておりません。
トップ3の抜けたアルジェンチン
アルジェンチンはナルバンディアンをリーダーにオランダと対戦を予定していましたが、3日前にナルバンディアンがヴィールスのために急遽欠場となりパニックに陥りました。デルポトロは最初からデ杯に興味がなく欠場。ナルバンディアンと二人のトッププレーヤーが抜けてしまったアルジェンチンは、No.3のアカスーソにも断られ、やむなくベテランの159位のチェラをラバー1にもってくるなど、苦肉の策で第1日目を迎えました。
トップ選手の欠けたデ杯は明らかに魅力に欠けたものとなり、アルジェンチンはホームゲームにも拘らず、1万4千人収容のスタジアムはわずか1500人の観客で閑散とし寂しいデ杯となりましたが、チェラは4時間におよぶ5セットマッチで1勝目をあげ、モナコも健闘してアルジェンチンに2勝をもたらしました。しかしこのようなデ杯への情熱が薄れてしまったアルジェンチンは、このオランダ戦に勝っても、2ラウンドのチェコまたはフランスにとても勝てるとも思えず、昨年の面影もない衰退ぶりにアルジェンチンの苦悩が浮き彫りになりました。
シモンがバーディッチに敗退
モンフィスが怪我で欠場となりましたが、ガスケをダブルスにまわすほど余裕たっぷりなフランスチームは、シモン、ツォンガ、ガスケ、ロードラと豪華メンバーでチェコと戦うことになりました。最初の試合ラバー1にシモンが出場しましたが、デ杯が初めてというシモンは、第3セットで多くのブレークポイントを得ながらブレークすることができず、サーヴのよいバーディッチに苦戦。バーディッチはデ杯の経験も豊かでホームゲームの利点を生かして、最後までフォーカスが途切れることなくベストなパーフォーマンスで1勝をあげました。
ツォンガはステパネックに快勝してフランス1勝、チェコ1勝のタイとなりました。
デ杯とフェドカップを隔年に
女子のフェドカップはほとんど世界の関心を集めることのないイヴェントになってしまっていますが、デ杯のあり方も再検討を迫る声が高まっています。
ナダルのデ杯への情熱、ロディックとブレークの熱い気持ちはすばらしいと思いますが、デ杯を個人の目標より優先させるトップ選手は少なくなっています。過密なトーナメントのスケジュールをこなすだけでも大変な選手にとって、デ杯の参加は過酷です。フェデラーを責める前に、選手への負担を軽減するための対策を講じるべきだと思います。隔年ごとにデ杯とフェドカップを交替で行えば、関心度も高まり、選手の参加も増えるかもしれません。このアイデアを両組織にアピールしてみたいと思います。
2009年03月06日
錦織選手は顔無し
大阪でデ杯戦が始まった頃でしょうか。日本は錦織選手のおかげでマイナーなデ杯が一躍陽の目を浴びることになり、大変すばらしいことだと思います。 しかし、下のITFのデ杯公式サイトを見てください。ちょっと変です。錦織選手の顔がありません。
どうしてジャパンNo.1の選手の写真がないのでしょうか!?
日本のデ杯のサイトは大変立派なのに、世界の人たちが見る公式サイトに、名の知れた圭君の写真がないのはちょっと恥ずかしい思いがします。JTAの関係者は誰も公式サイトを観ていないのでしょうか。(ただ今、ITFに連絡して写真を掲載してもらうよう要請しましたが)
昨年のインド戦では、インド側のデ杯サイトに杉田祐一選手が圭君として紹介されていました。JTA 日本テニス協会では気づかなかったのか、訂正されることがなく、あまりにもみっともないので、直接インド側に連絡をとりやっと写真を取り替えてもらった経過は記事で紹介させていただきました。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/107669.html#comment
それにしても中国人名の呼び方には苦労します。中国名で呼ばずに日本語で読んでしまうので、とんでもない間違いを起こすことがよくあります。
学生のときです。いろんな国籍の人たちが集まったパーティで中国の話になり意見を求められました。「マオツェドンをどう思うか?」「チァンチェシは?」私には誰のことだか分かりません。皆エッ?と驚いた顔をしています。本当に恥ずかしかった。後で毛沢東と蒋介石だったということが分かったのですが、後の祭り。同じような経験をされた方は多いと思います。日本だけしか通用しない呼び方は、やめるわけにはいかないのでしょうか。余りにもたくさんの人名、用語、地名など学習しなおさなければならず、労力の無駄を痛切します。
第1ラバーで添田選手と対戦するのは曾 少眩(ツェンシャオシュアン573位)。 曾はラストネームでツェン、少眩はファーストネームでシャオシュアンと呼びますが、国際試合では日本名と同じくファーストネームを先に呼ぶため、シャオシュアンツェンとなります。
第2ラバーは圭君と 張 択(ツァンツェ858位)です。ラストネームが 張ツァン、ファーストネームが 択ツェですので、国際試合ではツェツァンとなります。
そこで皆さんにお願いがあります。日本の解説者は中国の選手をどのように呼んでいるのか教えていただけますか?
私の隣に中国人の女性が住んでいます。彼女からすばらしい中国語辞典のサイトを教えてもらいました。
http://www.zdic.net/
このサイトのトップに辞典捜索がありますので漢字を挿入してみてください。漢字の呼び方はスピーカーをクリックするとちゃんと発音してくれます。それにしても発音があまりにも複雑で到底カタカナでは表現できないのが残念ですが。
圭君と豪君にはホームゲームのプレッシャーに潰されないで、大いに暴れてほしいと思います。ライヴスコアを観ながら書いていますが、第2セットは添田選手は危なかったですね。これから応援に専念します!
どうしてジャパンNo.1の選手の写真がないのでしょうか!?
日本のデ杯のサイトは大変立派なのに、世界の人たちが見る公式サイトに、名の知れた圭君の写真がないのはちょっと恥ずかしい思いがします。JTAの関係者は誰も公式サイトを観ていないのでしょうか。(ただ今、ITFに連絡して写真を掲載してもらうよう要請しましたが)
昨年のインド戦では、インド側のデ杯サイトに杉田祐一選手が圭君として紹介されていました。JTA 日本テニス協会では気づかなかったのか、訂正されることがなく、あまりにもみっともないので、直接インド側に連絡をとりやっと写真を取り替えてもらった経過は記事で紹介させていただきました。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/107669.html#comment
それにしても中国人名の呼び方には苦労します。中国名で呼ばずに日本語で読んでしまうので、とんでもない間違いを起こすことがよくあります。
学生のときです。いろんな国籍の人たちが集まったパーティで中国の話になり意見を求められました。「マオツェドンをどう思うか?」「チァンチェシは?」私には誰のことだか分かりません。皆エッ?と驚いた顔をしています。本当に恥ずかしかった。後で毛沢東と蒋介石だったということが分かったのですが、後の祭り。同じような経験をされた方は多いと思います。日本だけしか通用しない呼び方は、やめるわけにはいかないのでしょうか。余りにもたくさんの人名、用語、地名など学習しなおさなければならず、労力の無駄を痛切します。
第1ラバーで添田選手と対戦するのは曾 少眩(ツェンシャオシュアン573位)。 曾はラストネームでツェン、少眩はファーストネームでシャオシュアンと呼びますが、国際試合では日本名と同じくファーストネームを先に呼ぶため、シャオシュアンツェンとなります。
第2ラバーは圭君と 張 択(ツァンツェ858位)です。ラストネームが 張ツァン、ファーストネームが 択ツェですので、国際試合ではツェツァンとなります。
そこで皆さんにお願いがあります。日本の解説者は中国の選手をどのように呼んでいるのか教えていただけますか?
私の隣に中国人の女性が住んでいます。彼女からすばらしい中国語辞典のサイトを教えてもらいました。
http://www.zdic.net/
このサイトのトップに辞典捜索がありますので漢字を挿入してみてください。漢字の呼び方はスピーカーをクリックするとちゃんと発音してくれます。それにしても発音があまりにも複雑で到底カタカナでは表現できないのが残念ですが。
圭君と豪君にはホームゲームのプレッシャーに潰されないで、大いに暴れてほしいと思います。ライヴスコアを観ながら書いていますが、第2セットは添田選手は危なかったですね。これから応援に専念します!
2009年03月06日
スノーボードに挑戦!
すっかりご無沙汰してしまいました! いや~! なかなか過激な3日間でした。1980年冬期オリンピック開催地、レイクプラシッドLake Placidに行ってきました。ニューヨークから車で5時間。さすがオリンピックの開催地だけあっていろんなスポーツが本格的に楽しめお勧めのウィンターリゾートです。
ダウンヒルのスキーは何十年もやってますので問題ないのですが、今回はクロスカントリースキーとスノーボードに初めて挑戦。いやはや全部で20回くらい転倒したでしょうか。体中あざだらけで、ついに両手が紫に腫れてしまいました。これで今日のテニスの試合ができるかどうか(汗)
しかし、スノーボードであんなに膝を使うとは!
両膝を手術している私には実に過酷なスポーツでした。運動神経に過剰な自信があるため、あまりのフラストレーションに、思わずI'm stupid! I'm pathetic! とののしってしまった私。しかしそんな態度の悪い私に、じっと我慢して最後まで付き合ってくれたのはインストラクターのジェレミー君。ビデオに登場しますが、本当に養子にしたいほどやさしい青年でした。彼のおかげでターンもできなんとか丘を滑り降りることができました。Thank you, Jeremy!
ダウンヒルのスキーは何十年もやってますので問題ないのですが、今回はクロスカントリースキーとスノーボードに初めて挑戦。いやはや全部で20回くらい転倒したでしょうか。体中あざだらけで、ついに両手が紫に腫れてしまいました。これで今日のテニスの試合ができるかどうか(汗)
しかし、スノーボードであんなに膝を使うとは!
両膝を手術している私には実に過酷なスポーツでした。運動神経に過剰な自信があるため、あまりのフラストレーションに、思わずI'm stupid! I'm pathetic! とののしってしまった私。しかしそんな態度の悪い私に、じっと我慢して最後まで付き合ってくれたのはインストラクターのジェレミー君。ビデオに登場しますが、本当に養子にしたいほどやさしい青年でした。彼のおかげでターンもできなんとか丘を滑り降りることができました。Thank you, Jeremy!
でもあれはやっぱし、ヤングのスポーツでした!