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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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クレーの謎、スライディングの謎

「クレーコートではスライディングが決定的な役割を果たします。」とよく言われますが、実際クレーでテニスをしたことがないと理解しづらいですよね。そこでいろいろYouTubeなどでスライドの仕方を説明しているビデオはないものかと探したのですが、みつかりませんでした。結構皆が言う割には資料がほとんどないことに気づきました。

そこで仕方がないので、まずフェデラーナダル、モンフィスのスライディングの様子をビデオにおさめてみました。TVのスクリーンから撮ってますので、見辛いと思いますが、まず彼らのすばらしいスライディングをご覧ください。

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私はテニス環境に恵まれていて、冬はインドアのハードコート、夏はセントラルパークのグリーンクレー(Har-Truと呼ばれ砂がまかれている)とハドソン・リヴァーパークのレッドクレー(ローランギャロスと同じ)でプレーをしています。ですからサーフェスの違いについての知識は多少なりともありますので、ここで簡単にクレーとスライディングについて説明したいと思います。

リカヴァリーのためのスライディング
アガシのようにハードコートのように走っていく選手は例外で、スライディングをしなければ前後左右に振られた場合、リカヴァリーがききません。つまりいかに速く反対の方向にチェンジできるか、つまりリカヴァリーのためにスライディングが使われます。

ではなぜスライディングが有効なのか? 

ハードでしたら、コートとの摩擦があるので急停止できますが、クレーでは土に足が食い込んだり、滑ってしまったりしてバランスを崩して転びやすく、またリカヴァリーに時間がかかってしまいます。一番滑りやすいのは、砂のまかれたグリーンクレーで、私も昔はよく転んで怪我をしていました。

ヒッティングのタイミング
クレーではこのようにスライディングをして打つ場合が多いので、スライドするタイミングが重要なカギとなります。つまりいつからスライドし始め、いつ打って、いつストップするのか? これらの練習を重ねないとヒッティングのタイミングが合わずに、ミスヒットとなります。

クレーでは、ウィナーでポイントをとるよりも、相手のエラーでポイントをとることの方が多いのは、ヒッティングのタイミングのむずかしさと、ボールのバウンスが一定でないことが大きな原因です。

ヘヴィーなスピンボールを打つ理由
ではクレーコートの選手はナダルのようにヘヴィーなトップスピンが多いのはなぜ?

エラーを少なくするには、まずボールを確実にコートの内側に確実に入れなくてはなりません。スピンが多くかかればそれだけコート内に入る確率が高くなります。また山なりになったスピンボールはスピードが減速されますので、その間にリカヴァリーができる特典もあります。

今日のデルポトロの試合の途中で水が撒かれたのは?
日中の温度が高く乾燥していると、クレーも乾燥してきます。そうするとサーフェスは速くなり、滑りやすくなります。ここで問題なのは、クレーの乾燥度によってスライディングが変わってくることです。スライドのスピードと距離はクレーの乾燥度によって微妙に違ってくるのです。デルポが水をまいてほしいとリクエストしたのは、余りにも乾燥しすぎていて、サーフェスが速くなりすぎていたためで、ヘヴィーで遅いサーフェスを得意とするデルポにとっては、乾燥してしまったサーフェスは不利となります。

熱い日は試合の前後に水がまかれるのは、サーフェスのコンディションを一定に保つためですが、毎回微妙に違うので選手は適応能力がないとクレーでは勝てません。ですからアメリカの選手が勝てないのは、このクレーでの経験が圧倒的に少ないためで、これは自然な結果といえます。その中で健闘しているロディックは実に賞賛に値します。

スライディングの仕方
大切なことは、オープンスタンスであろうと、クロスであろうと、スライドしていくときは重心を体の中央におくこと。体の軸は左右にも前後にも傾斜せずスライドしていきます。そして方向を変えるときに、進行方向の足の方に重心を移してその足で踏ん張って方向転換をはかります。

シュテフィ・グラフのスライディングをご覧ください。わかりやすいと思います。




来週から私もいよいよレッドクレーでテニスです。憂鬱なのは靴も靴下もスコートもレンガ色に染まってしまって洗濯が大変なこと。そして普段の2倍も走るので(ボールに追いついてしまうのです)疲労が激しい。でもハドソン河沿いのきれいな公園ですので気持ちがスカッとするかもしれません。

よーし!ナダルのような華麗なスライディングに挑戦です。


投稿者 Tennisnakama  12:35 | コメント(10)| トラックバック(0)

進化し続けるデルポトロ

3回戦 Del Potro def Andreev: 6-4, 7-5, 6-4

デルポ



エラーを恐れない
今までローランギャロスは、昨年の2回戦進出がせいぜいで、その他はすべて1回戦どまりだったデルポトロが、今年は4回戦の進出を決めました。

今日のアンドレエーヴとの試合を観て感じたことは、デルポが苦戦しながらもオフェンスの手を緩めなかったこと。何度もエラーを繰り返しながらアグレッシヴなショットをねらった試合は、今まであまりみられなかったデルポです。今日はいつにもなく33もエラーをおかしましたが、気持ちをあくまでもアグレッシヴに保つための発奮材だったような気がします。

デルポを観ていると、ナダルがディフェンスからアグレッシヴ・ディフェンスに進化していった過程を思い出します。滅多にエラーをしなかったナダルは最近エラーの数が増えています。これは注意力が散漫になったエラーではなく、アグレッシヴなエラーです。

ディフェンス選手は負けそうになると消極的になり、ミスをおそれてガッツのあるショットができなくなります。エラーを恐れずにオフェンスであり続けるためには、ある程度のエラーには目をつぶるメンタルトレーニングが必要です。エラーが起こす気持ちの上でのダウンやイライラを引きずらないトレーニングです。

そして肝心なときに、エースで決められるメンタルの強さも今日のデルポにはみられました。

フェデラーに感謝?
デルポはディフェンスプレーヤーですから、ベースラインから確実にカウンターを決めながらチャンスを待ちます。今日のアンドレエーヴのような強烈なハードヒッターとの試合では、従来ならデルポは深くベースラインから下がって対抗したはずですが、今日のデルポは違っていました。

マドリッドの準決勝ではフェデラーに、 第1ゲームからドロップショットを3回もされたデルポ。それでもベースラインを離れようとしないデルポは、フェデラーからドロップショットの嵐に合い屈辱的な思いをしました。フェデラーは試合後の記者会見で、「ドロップショットは選手によって使い分けるけれど、今日は気持ちよく使わせてもらったよ。」みたいなことを言われては、いつまでもベースラインにへばりついてはいれないことに気がついたはずです。

昨年のRGではデルポのネットアプローチはせいぜい18回どまり。この18回も確実に浮いた球しかネットダッシュをしないため、「相手にプレッシャーを与える」ことがありませんでした。しかしアンドレエーヴとの対戦ではネットアプローチが26回。しかも18回成功していますので、約7割の成功率です。あのハードヒッターのアンドレエーヴに対してこれだけネットにくるのは、かなりの度胸がいったはずです。

しかし第3セットでマッチポイントを5回もミスってしまうあたりは、まだメンタルの修行が必要ですが、でもデルポはまだ20歳。US Openで錦織選手との試合を生観戦したときに「彼はトップ3にいける!」と直感した私の予感が当たる日が近づいてきているように思います。

次はいよいよフィリップ・シャトリエでフランスのアイドル、ツォンガとの対戦です。会場全体がツォンガを応援するでしょうし、しかも初めてのセンターコートです。この試合は今年最大のデルポのメンタルテストになるかもしれません。

(昨年の US Open 『錦織、残念でしたね』の記事参照)




投稿者 Tennisnakama  08:22 | コメント(3)| トラックバック(0)

ナダルを観てきました!

Report and photos by alala特派員

5月29日、フィリップ・シャトリエ・コートで、赤土に立つラファを初めて見てきました。相手はレイトン・ヒューイット
話題のピンク色のウェアを着たラファ。気のせいか会場の観客にも、同じようなピンクのシャツを着た人が多いような気がします。かく言う私もピンク色のカーディガンを着て応援です。

ラファが大好きで、今までUSオープンのハードコートやベルシーのカーペットでの試合を見てきましたが、赤土の王者と言われるラファはここでどんなプレーを見せてくれるんだろう。期待に胸を膨らませて試合を待ちました。

始まってすぐに、もう参ってしまいました。
とにかく美しいんです。身のこなし、スイング、球の軌道、そこに宿る生命感。テニスを見ているだけでなく、何かものすごく美しい芸術を見ているみたいでした。

赤土の上のラファは、まさに水を得た魚。まるでコートのサーフェスがラケットやシューズみたいに、彼のギアの一部のようなのです。

そんな彼が打つ球は、なめらかでしなやかで、しかも厚みがあって本当に美しい。ラファのテニスは激しくて破壊的なイメージがありますが、今日は見ていてとてもやわらかい印象を持ちました。けれどやっぱりそこには彼にしかない野性味が感じられて、何だか色気があるんですよね。彼は前からこんな球を打ったっけ?クレーの上だから?それとも大人になったのかな?と、あれこれ考えながら、改めてラファに惚れ直したのでした。

rafa



ところで、今日は先日参加したローラン・ギャロス・ツアーの時に聞いた裏話をお話しようと思います。

ローラン・ギャロス・ツアーは、全仏オープンの会期以外の時にやっていて、会見室やロッカールーム、センターコートのフィリップ・シャトリエまでじっくり見せてくれるお得なツアーなんですよ。

その時のガイドさんによると、ローラン・ギャロスでは選手の洗濯物を全て無料で引き受けるのだそう。中には明らかに選手のものではないな、というようなものまで入っていて、ものすごい量の洗濯物が毎日届けられるそうです。やっぱり赤土を落とすのには特別の技術がいるのかな?

それから、選手たちは試合に負けてしまった後も、2日間のパリ滞在費を主催者から出してもらえるんですって。その間に映画を見に行ったりするお金も出してもらえるんだとか。

選手だけでなくて、ジャーナリストたちのお楽しみ企画も色々。私がツアーに参加した時、ジャーナリスト用のバーのドアに去年の告知がまだ残っていて、そこには「ワインの試飲会」「プレイステーション・テニス大会」「マッサージ」などなどたくさんの企画が書かれていました。

この時のツアーガイドだったアメリさんは、去年は選手の関係者席の手配を担当していたそうですが、去年フランスのガエル・モンフィスがフェデラーと準決勝で対戦した時、モンフィスが彼女に頼んだ家族や友達の席は40席だったそう。これには彼女も大慌てしたそうですが、彼にとっては一世一代の大舞台といってもいいくらいの出来事だったんですよね。

ロッカールームは、木目調のシックなロッカーが並びます。ラファは初めて出場して優勝した2005年から同じロッカーを使っていて、その番号は「159」。今年もこのロッカーを使っているはず。ロジャーは割りとこだわらない方で、何回か使っていたという「201」はロッカールームに入って一番手前の一番端にあるロッカーでした。

locker



センターコートに入る選手たちが上がってくるこの階段。いつも決勝前に選手たちが直前のコメントを求められている場所です。

stairs



実はこの階段とそこに至る廊下の両脇の壁には、試合後の選手たちのサインがびっしりと書かれています。階段を登りきったところの柱にも書いてあるので、注意してじっくり見てみたらテレビでも見えるかもしれません。

from tennisnakama:
alalaさん、すばらしい全仏オープン現地レポありがとうございます! 表現が豊かでまるで私たちがローランギャロスにいて、ナダルを観ているような錯覚をおぼえます。それにRGのツアーでのエピソードが実に面白い! RGが急に身近にな存在になりました。alala特派員はパリ支局長に昇格です。 Alez alala!


投稿者 Tennisnakama  08:36 | コメント(12)| トラックバック(0)

面白い情報を見逃しているテニスファンへ

おかげさまでTwitter仲間が200名を突破しました。ありがとうございます。

でもまだ参加していない方が多いはず。できるだけ日本で紹介されていないニュースや情報をお伝えするためにTwitterを始めましたので、今日は参加していないと、どういう情報や仲間の会話を見逃しているか、今日のTwitterから列記してみました。いずれも140文以内ですので、読みやすいと思います。

twitterhome



これはtennisnakamaのホームページです。ウォールペイパーは来年から登場するマドリッドのブルークレーです。私のニュースとともに、フォローしている方々のメッセージがどんどん入ってきます。(私はTwitter仲間に入っていただいた方全員をフォローしています)赤ずきんの猫ちゃんがtennisnakamaのアイコンです。

以下は5月28日のtennisnakamaのTwitter仲間より入ってきたメッセージの一部をご紹介します。順番は入ってきた順です。(このTwitterのコメントはパブリックに公開されたものです。私あてに直接メッセージも送ることができます。)

エナンはカムバックする気なし】tennisnakamaより
エナンが引退して一年がたちますが、ローランギャロスに顔をだしました。記者会見でエナンのカムバックはなしと断言。TVの番組や、ユニセフの大使となっていろんな分野で活躍するエナンは充実した生活でハッピーだとか。彼女の第二の人生を祝して乾杯!

@Rafavivi (これは仲間のRafaviviさんに私からの公開返信です)
マッケンローがアカスーソが足をくじいたとき、どれほど「テーピングをしろ!」と叫んだことか。つまりテープをすることによって気持ちを怪我からふっきることが大切なのだそうです。アカスーソはくじき以降あきらかに走らなくなり、ゲームに集中できなくなりました。

【シャラポヴァの父ユリがコーチを辞める】tennisnakamaより
ロシアからマリアを連れてボリテリで働きながら、娘のために自分の人生を賭けてきたあの有名な父親が、マリアから距離をおくことになりました。これから自分の趣味(スキーとハイキング)に時間を費やすとか。22歳のマリアはこれで親離れ完了。めでたし!

【やっぱりRGS】tennisnakamaより
バートリがガルビンに敗退。RGS(ローランギャロス・シンドローム)じゃないの?の質問に「違うわよ。イタリアの応援団がうるさくて頭にきただけよ。彼女の態度も私の癇に障ったわ。」「でも貴女もイタリア系でしょ?」「違うわよ。コルシカよ。」言い訳が多いのもRGSの特長?

フェデラーが辛勝】tennisnakamaより
第3セットの足首をくじかなければ、アカスーソが勝てた試合だったかも。この勝利はフェデラーにとってはあまり喜べない。相変わらずの45のエラーは多すぎます。マッケンローがはっきり「今のままではロジャーは5セットマッチのフォーマットではナダルに勝てない」と断言。

masumintより
フェデラーの試合、第2セットとったのはアカスーソだった。間違えてしまった><

masumintより
フェデラー 勝てて良かった!一時はどうなるかとひやひやしていました。アカスーソは右足をひねってから調子が悪くなったみたいだけど、第2セットを落としたショックを第3セットも引きずっていたのかな・・英語の解説がよく理解できない^^; 

pcomposeより
ロジャー勝ちましたね。いろいろご意見が聞かれそうですが、私は勝ってくれただけで、今日はいいです!!

Rafaviviより
@tennisnakama(公開tennisnakama宛)
ほんとに見てて疲れました。 フェデラーが勝たないとジョコが決勝に来る可能性が高くなってしまう・・・と思いつつ、アカスーソに勝たせてやりたくて応援していたけど、足くじいたとはいえ第3セット取れなかったのは痛かった!もっと自分を信じろ~!!

AkiIgaより
TV復旧しましたが・・・フェデラーの試合が終わっておりました。。現在はツォンガとモナコの試合です。モナコの方が若干押し気味・・・かな?まだイーブンです。

tanemaruより
フェデ辛勝!! サードセット1-5は心臓に悪いぞっっ!! でも勝ってくれたから嬉しいデスっ!! 竜馬君の結果が気になる・・・・。


ではとりあえず、tennisnakamaのホームページをご覧になってください。めずらしくてホットなニュースをどんどん掲載しています。 http://twitter.com/tennisnakama/

(感謝の気持ちをこめて)
masumintさん、pcomposeさん、Rafaviviさん、AkiIgaさん、tanemaruさん、Twitter仲間のプロモーションにご協力していただきありがとうございました。

投稿者 Tennisnakama  01:19 | コメント(3)| トラックバック(0)

サントロが来日します!

サントロは37歳。残念ながら今年で引退しますが、10月に東京にやってきます。WOWOWのインターヴューでも語っていたそうですが、今日の記者会見ではっきり彼のスケジュールは、東京(10月)、メッツ(フランス9月)、リオン(フランス10月)、バーシー(11月パリマスターズ)と発表しました。

I want to go to Tokyo this year, because I never played in Japan.

もしや昨年の私の強引な説得が少しでも彼の来日に影響を与えたとしたら? そう考えただけでも嬉しくなってしまいます。

実は私が昨年の7月にニューポート大会でサントロに会ったとき、レストランと記者会見で何度もサントロに来日してくれるようお願いしたのです。というのは彼には引退する噂がたってましたし、今年の機会を逃すと、もう日本の皆さんにはサントロのマジックをみてもらえないと、脅かし気味に記者会見で迫りました。

その状況は『サントロ優勝です!』で詳しく書いていますが、以下がその一部です。
・・・・・・・・・・・・

金曜日の記者会見席での話です。

私「昨日は(レストランで)東京に行くかもしれないとおっしゃってましたけど、あれは真面目な話ですか?もう日本の皆さんに伝えちゃいましたよ。」

サントロ「エッ?もう書いちゃったの!? アハハ、困ったナ」

私「そうですよ。こういう嬉しいニュースはすぐ伝えるのが私の役目ですからね。」

サントロ「じゃ、よく考えてみるよ。実はね、世界中行ってるんだけど、日本だけはまだ行ったことがないんだ。」

私「Shame on you! (「恥しらず!」これはもちろん冗談)それでは尚更来てもらわねば。あなたのマジックを観たいファンのためにもね」

サントロ「OK, 考えておくよ。ファンの皆さんによろしくね。」

・・・・・・・・・・・・・・・・

実はこの後もまた会って話をする機会があったのですが、しつこく最後は、See you at Japan Open! と言って別れたのです。

サントロをよくしらない方は、翌日の記事『サントロのマジック』
に説明していますのでご覧ください。

フェデラーも来ると言ってますし、錦織選手も、サントロも、となれば、楽天オープンはすっごく盛り上がるでしょうね!


今日の全仏インターヴューから
サントロが最初にローランギャロスでプレーしたのは20年前。 残念ながらローカスに3-6, 1-6, 6-3, 4-6で敗退し、今日がサントロのローランギャロスの最後の日となってしまいました。彼がインターヴューでとても興味深いことを語っていますので、一部を要約して紹介します。

Q:歴史に残る偉大な選手と長年にわたって対戦したわけですが、振り返ってみて感想を。

サントロ:アガシ(3勝3敗)、サンプラス(3勝4敗)、フェデラー(2勝9敗)、ナダル(0勝1敗)など偉大なチャンピオンと対戦してきたが、全盛期のフェデラーはすごかった。フェデラーにやられては、毎回「 Wow!」の声をあげていたよ。「こんなショットが打つことできるなんて!」と感嘆しっぱなしだった。 

アガシとは6回対戦しているけれど、毎回スペシャルなものだった。アガシとの試合はいつもエンジョイできる特別なものだったよ。

Q:多くの人が今日のテニスが標準化してしまって、サントロはヴァラエティーに富んだテニスをできる最後の選手だと言っていますが、そのことについては?

サントロ:そうだね。今のトップの選手たちは僕のようなテニスをする者がいないね。でももし僕がフェデラーのようにプレーできたとしたら、僕はフェデラーを選ぶけれどね。

時代とともに選手の体格がよくなってパワフルになってきている。僕は身長も高くないし、それほどがっしりもしていない。だから自分の持っているものをフルに使って戦うしかないんだ。

僕のプレースタイルは僕がツアーに参加したときから、すでに時代遅れだったよ。1990年代にツアーに出始めたけど、僕のテニスは1970年代のテニスだったから、20年もすでに遅れていたんだ。だからすでにものすごく大変だったけど、このチャレンジが僕のキャリアのよさだったと思っている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

サントロは身長177cm、体重74kg。ちょうど錦織選手の体型です。この小柄な体型で37歳まで現役でシングルス(現在41位、ベスト17位)とダブルス(現在165位、ベスト6位)で活躍してこれたことは奇跡的といえます。この奇跡を可能にしたのは彼のテニスに対する情熱です。

「I wanted to live my passion。テニスをエンジョイし、できるだけ長く楽しみたいと願っていた。でもそうするためには、いろんな問題や障害を乗り越えていかなくてはならない。でもね、解決の道はあるんだよ。努力すればいつも解決の道は見つけることができるんだ。」

20年も過酷な勝負の世界にトッププレーヤーとして君臨してきたサントロ。彼の言葉は私たちインスピレーションを与えてくれます。

Live my passion



(追記)サントロは過去以下の17人の元No.1を破っています。まさに生きるテニス歴史です。
コナーズ、ウィランダー、ベッカー、エドバーグ、クーリエ、アガシ、サンプラス、ムスター、リオス、キルテン、モヤ、ラフター、フェレロサフィンヒューイットロディックフェデラー








投稿者 Tennisnakama  07:35 | コメント(6)| トラックバック(0)

全仏オープン現地レポ

alala特派員からローランギャロスの現地レポが入りました!
まるで自分自身がRGに行っているような臨場感溢れる力作です!
ありがとう、alala特派員!

Report by alala

5月26日、ローラン・ギャロスに行って来ました。

前日30度まで気温のあがったパリ。夜には稲光がビカビカ、
雷ゴロゴロの大嵐。

どうなることかと思いつつ眠りにつき、明けてみると何とも微
妙なお天気です。今にも雨が降り出しそうな重たい雲の下をブ
ーローニュに向かうと、車を駐車して会場へ歩こうとしたその
瞬間、ものすごいどしゃぶりに!!

一時間半後に雨が上がり試合が始まりましたが、今日は一日お
かしな天気でした。

会場の上が雲で覆われるとひんやりとした風が吹いて凍えるほ
ど寒く、お日様が顔を出すとものすごく暑いのです。傘とジャ
ケットとサングラスをとっかえひっかえ、忙しいったらありゃ
しません。

一瞬にして気温が倍になったり半分になったり。身
体がおかしくなりそうです。瞬時にして激しく変わる気候条件
のもとで集中し続けなくてはならない選手たちは大変だったこ
とでしょう。しかも今日は風が強く、その向きもコロコロと変
わります。

その厳しい条件の中で、光っていたのはジョコヴィチでした!
まず最初に彼の存在感にびっくりしました。もともと背の高い
人ですが、それとはまた別のオーラがあるんです。それは何に
よるものなのか…。私には「自信」に見えました。

DjokovicRG

そして彼の球に惚れました。ものすごい生命力がみなぎってい
て、本当に一球一球が生き物みたいでした。フェデラーの球は
妖しいまでの魅力を持つ生き物でしたが、ジョコヴィチの球は
素直に活きがいいのです!そして、活きがいいだけでなく知性
もたっぷり感じられて、球そのものがむちゃくちゃ魅力的な男
の子みたいでしたよ。(わかりにくい説明ですみません。テニ
ス用語を使ったらスパッと説明できるような現象なのかもしれ
ませんが…)

この試合を見た後、何だかすごく素敵な人に会ったみたいな気
持ちがしました。前から好きだったジョコヴィチだけど、今回
ますますその魅力がわかったような気がします。

残念ながらこの試合は対戦相手のラペンティの故障により、途
中で終わってしまいましたが、次に控えしは私の大好きなツォ
ンガです。

彼は勝とうが負けようが何だか人を引き付けてしまう魅力があ
ります。けれど、会場が盛り上がれば盛り上がるほど調子をあ
げていく言ってみれば「お調子者」でもあります。

TsongaRG

今日のようなコンディションでは観客を暖めるのも一苦労で,
集中するのは難しいだろうなと思っていたのですが、
やっぱりなかなか調子がでないようでした。

ツォンガの球を見ていて、ジョコヴィチの球との違いに驚きま
した。あんなに体力があって破壊的な球を打つツォンガですが
、そこに宿る生命力が全く違うのです。トップ10シードの中
でもこれだけの違いがあるんですね(もちろん、その時の調子
の良し悪しもあるし、勝負はまた別の話ですが)。

ツォンガが良くないということではなく、ここで改めて
ジョコヴィチのすごさを感じました。ツォンガはこれから
まだまだ成長する余地があるということで、本人からしたら
めまいがしてしまうかもしれないけれど、ファンとしては
楽しみです。

それにしてもツォンガというのは本当に乗せられれば乗せられ
る程信じられないような力を発揮するタイプ。今日はフランス
人対決ということもあり、ベルシーのロディック戦の時のよう
な熱狂的な応援にはならず、ちょっとやりにくそうでした。

私が座っていた客席の横は、関係者が座るところだったらしく
、ツォンガのお父さんが座っていたり、次に試合をするはずだ
ったアリゼ・コルネ選手がいたりしました。コルネ選手は、携
帯のメールを打ったり、コーチなのかな?一緒にいる人のお子
さん達と楽しそうに話をしたり、試合をしているツォンガの派
手なミスに大爆笑したりしていましたよ。


投稿者 Tennisnakama  09:42 | コメント(15)| トラックバック(0)

錦織選手の肘の状態

rainDay 3 (5月26日火曜日)は雨が降っていましたが止んできたようですpartlycloudy

これからゴルフで一日中でかけますので(NYはこれから雨の予報、嫌な予感)、録画で観戦することにして、今日の男子のハイライトは以下の通りです。どうしても観たいのが、ジョコヴィッチ。マドリッドではナダルと互角に戦っていましたので、彼の活躍が期待されます。

今日の試合の予定は:
ジョコヴィッチ vs ラペンティ
ツォンガ vs ベネトー
モンフィス vs レイノルド
デルポトロ vs ロードラ

錦織選手の肘の状態

一昨日、錦織選手のマネージャーのオリヴァーから、圭君の肘についてメールが届きました。

以下がマネージャーからのメーッセージです。

「先週Keiと一緒に ニューヨークのDr. Altchek (http://www.hss.edu/physicians_altchek-david.asp)を訪ねました。彼は有名な野球やテニスの選手の肩や肘を治療することで名の知られた権威のあるドクターです。彼のもとで MRIなどの精密検査を受けた結果、 a small stress fractureが肘におきていることがわかり、3ヶ月間テニスをやってはいけないとのドクターストップがかかりました。ドクターのマニュアルにそって、筋肉の強化運動を3ヶ月間行う予定です。途中の経過のチェックのため、6週間後にまたドクターの検査をうける予定になっています。辛いニュースですが、幸いだったのはこの骨折が長期間の治療をしなくても回復する軽いものだったことです。また新しい情報が入ればお知らせします。

オリヴァー」

3ヶ月間ラケットを握れないということはウィンブルドンはもちろんのこと、US Openも調整する時間がなく、断念する可能性が大きくなりました。

本当にかわいそうです。今まで健康管理についていろいろ言ってきましたので今回は控えますが、やはり複雑な気持ちです。





投稿者 Tennisnakama  20:25 | コメント(5)| トラックバック(0)

フェデラーとナダルの記者会見

前号の『全仏オープンの初日』をまだ読まれていない方は、まずそちらから目を通してくださいね。

今日はナダルフェデラーの初戦の日。彼らの試合を観ましたが、二人とも始めはなかなか調子がでないようで苦労していたようでした。試合の分析は来週の後半あたりから書き始めますが、とりあえず今日は二人の記者会見の模様をお伝えします。 記者会見の全文を翻訳したものではありませんが、結構いろんなことをしゃべってくれてますので、下手な試合の記事よりは面白いと思います。

Nadalの記者会見から
http://www.rolandgarros.com/en_FR/news/interviews/2009-05-25/200905251243265052718.html

NADAL def Daniel: 75, 64, 63

Q:今日はどうしてピンクなの?

ナダル:知らないよ。先週は2週間白と黄色だったよ。同じウェアを着るよりもときどきは変えたほうがいいだろう。No?

Q:試合の最初の頃はもたついていたようだけど特別な理由でも?

ナダル: ローランギャロスはいつもむずかしい。最初は特にね。いつも始めのころは自分の調子があまり出ないんだ。今までの過去の4年間をみてもそうだった。でも大切なことはポジティヴなメンタルを持つことだ。3セットで勝てたということが大切なことなんだ。でも3セット目から大分よくなってきたから、調子を上げていっているということが大切なんだ。

Q:サントロは今年で20年のキャリアになりますが、彼についてどう思いますか?

ナダル:彼はカリスマがあって伝説的な選手だ。両手のフォアハンドや彼独特のテニスのスタイルなど、僕たちのモデルでもある。20年のキャリアはファンタスティックだ。僕たちもそれくらい長いキャリアをもちたいと皆願っている。

Q: 対戦者のダニエルについて?

ナダル:そうね。バックハンドの方がフォアハンドよりいいかな。今日は僕がちょっと甘すぎたみたい。

Q:昨年の全仏とくらべて今年のフィットネスの具合は?

ナダル: 一年前のことだから覚えていないよ。昨年は最初はよいプレーができてなかった。でもだんだんよくなってきたけど。今年はよいスタートとは言えないなあ。でもやっているうちに徐々に調整してうまくプレーできるようになればと願っていまる。

Q: 今どこの調子がもう一つだと?

ナダル: 今日は足がよくなかった。フォットワークがもう一つだった。うまくプレーできていると、フィーリングできちんと対応できるだけれど、今日はショートボールを返したり、ショットがあまり正確ではなかった。クリアでニートなショットメイキングを上達させる必要がある。

僕の場合はもっと長く打つ必要があるんだ。長くラリーをやらないでもクリアなショットができるようにならなければ。

(tennisnakama:ナダルを打倒するにはラリーを続けない。これに尽きます。今まで指摘してきましたが、オンザライズで打つか、ワイドに打ってネットダッシュではやくゲームの決着をつける。これしかない!)


Federerの記者会見から:
http://www.rolandgarros.com/en_FR/news/interviews/2009-05-25/200905251243271377152.html

FEDERER def Martin: 64, 63, 62

Q:今日の試合の感想は?

フェデラー: コートがちょっとスローだったので、慣れるまでちょっと時間がかかったけれど、今日はよくプレーできたと思っている。サーヴもよかったし、いろいろショットをミックスすることができたし、僕がやりたいテニスができたので喜んでいる。

Q: 今日は30度くらいあったと思いますが、暑さは問題ない?

フェデラー: オーストラリアは40度や45度になったりするからね。これくらいが丁度いい。でも球が高く跳ね返るみたい。マドリッドにちょっと似ている
かも。今日の対戦相手はベースラインからずいぶん下がっていたので、コートが大きくみえたよ。

Q: ドロップショットが武器になってましたね。

フェデラー: あれはうまくいったよ。いろいろショットをミックスさせたり、ネットダッシュしたり、ドロップショットを打ったり。もちろんドロップショットを打たせてもらえない選手もいるから、どの選手に打つかが大切。何年間かやっているうちにうまくなってきた。最初はドロップショットをやるのが好きじゃなかったんだ。始めの頃はドロップショットってパニックにおちいったときや、はやくゲームを終わらせてしまいたいときに使うものだと思っていた。でも今日のような選手(ベースラインから深く下がった)の場合は有効だね。

Q:ミルカさんが側で観戦してくれるのがとても重要なことだ聞きましたが、もし暑さのせいでミルカさんが観戦できなかったら?

フェデラー: 僕の選手のボックス席にミルカやコーチ、またはトレーナーの誰かがいてくれればいいんだ。試合中はあまりボックス席を見ないから、せいぜい5回くらいかな。ミルカがいてくれるのが一番嬉しいけれど。

(tennisnakama: ご馳走さま。永い春でしたけど、なんたって今は新婚ほやほやですもんね。)




投稿者 Tennisnakama  08:10 | コメント(3)| トラックバック(0)

全仏オープンの初日

明日はゴルフですので、毎日全仏オープンを観ることができませんが、これから2週間できるだけ面白い話をお伝えしていきたいと思います。さて今日はDay 1の1回戦の模様から。

グランドスラムはマルチスクリーンで
我が家はルーフガーデンにディッシュを取り付け、アメリカで最大の衛星中継のDirect TVと契約して以来、いろんなクールな放送がみることができるようになりました。まずは今回の全仏ですが、6チャンネル(Ch702からCh707まで)を使って5コートを同時中継してますので、一度に全部観る事もできるようになっています。一つのチャンネルですと、ときどき別なコートに放送が変わったりして不便を生じていましたが、このコート専属のチャンネルのおかげで、中断することなく好きな選手を観ることができ大満足。しかも5チャンネル全員に解説者がついているので、いろんな解説者を比較することもできます。Ch702ではテニスチャンネルを放送し選手のインターヴューなども含まれています。というわけで昨日からチャンネルサーフィングにいそがしく、TVの前にすわりっぱなし。(今夫と息子はスイスに里帰りをしてますので私は怠け放題なのです。)



しかしこのマルチ画面で欲張って複数の選手をみようとすると大変。画面の一コマが小さいのでテニスボールが見えない。マドリッドマスターズでは、やっぱりテレビ観戦のためにクレーがブルーの色に来年から変わるそうですよ。

(ブルークレーの写真は私のTwitterの写真サイトの http://twitpic.com/photos/tennisnakama で紹介しています。)

解説者の個性はいろいろ
ニューヨークでは毎朝午前の5時からライヴ放送が始まりますが、午前の部はテニスチャンネルで、午後はESPNと二つの放送局で完全放送をやってくれます。そしてテニスチャンネルはマッケンローが、 ESPNはギルバートやケイヒルの名コーチが解説をしてくれますので、なかなか面白く観戦できます。女子テニスはナヴラティロヴァがメインで解説者として活躍しています。このように解説者が豪華ですから、試合がつまらなくても彼らのおしゃべりを聞いているだけで結構楽しめます。ではちょっと彼らの雰囲気をご紹介します。

マッケンローがシモンについて解説

McEnroe Comments on Simon - Click here for another funny movie.

マッケンローは前半のラウンドはその選手にまつわるエピソードや昔の選手の話などが多く、あまり力をいれて解説はしませんが、本題からそれた話が貴重で面白いので人気があります。

マッケンローはシモンの体を心配していました。「あの細い体で鋭いショットを決めるのは相当体に負担がかかっているはず。マレーのように筋肉をつけないと選手生命が短いかもしれない。」なんてとても気になる発言をしていました。

Simon def Odesnik: 3-6, 7-5, 6-2, 4-6, 6-3
シモンは2005年以来毎年全仏に出場していますが、2007年は2回戦まで、他はすべて1回戦で敗退していますので、いかにこのトーナメントに弱いかを物語っています。しかしクレーに弱いのかというとそうでもなく、昨年はカサブランカのクレーで優勝しています。パリに弱いのでしょうね。フランスの選手が全仏で勝てないのは、現地のプレッシャーがものすごく、シモンの応援も「ジールー!ジールー!チャチャチャ!(拍手)」で盛り上がっておりました。

さてオデズニックとの試合ですが、シモンはフルセットで相当苦戦しました。オデズニックはショットが安定していて、しかもディープなストロークでシモンをベースライン深くにとどめ、シモンはなかなか主導権をにぎることができません。しかもまだシモンのショットにミスが多く、ファン泣かせの長い試合となりました。

(シモンの記者会見から)
「今日の試合に勝てて本当に嬉しい。今までは全部(過去の全仏の試合)負けてるからね。今日はタフな試合だったよ。僕の対戦相手はショットが安定していてミスをしないから、僕が走りまわってポイントをとらなくちゃならなかった。」

「サーヴがよかったから助かったよ。後は思い切り走り、思いっきり打ち始めたことがターニングポイントになったと思う。」

「センターコートで多くの声援を受けて試合をするのは緊張するよね。でも今日のように長い試合になると、頭がぼーっとしてきて、やってよいこと、やってはいけないことなどが、フィーリングで判断するようになってくるんだ。そうなるとプレッシャーはなくなってよいプレーが出来るようになる。そういうときはポジティヴになっているから、応援も自分によい効果を与えてくれるね。」


ギルバートがマレーについて解説

Gilbert Comments on Murray - The funniest home videos are here

ギルバートが昔マレーのコーチをやっていたときは、不仲説が流れたりして二人の関係がしっくりといきませんでしたが、あの当時からギルバートはマレーが将来No.1になっても不思議ではないと、彼の才能をベタ褒めしておりました。特に彼の研究熱心なことはテニス界でも有名で、試合のビデオは1万本くらいもっていて、対戦相手を徹底的に研究するのだそうです。ですからテニスのIQは選手の中で最も高いというもっぱらの評判です。しかしギルバートはよくしゃべります。そのため人気も今ひとつ。マッケンローとケイヒルが解説者としては人気が高いですね。

Murray def Chela: 62, 62, 61
「今日の試合に満足しているよ。ミスも少なかったし。確か60くらいウィナーをとったと思う。ほとんど主導権を握ることができたし、こんなにうまくプレーできるなんて自分でも驚いてるくらいだよ。」マレーの言葉が今日の試合を端的に表現しています。ちょっと不思議なくらいに強いマレーでした。

ギルバートが解説で「マレーは大きく右に振られたら、90%はクロスに返し、しかもショートクロスのウィナーをとることが多い。」と言ってました。なるほど。そういえば第2セットの8ゲーム目(5-2)では、3回もこのフォアハンドショートクロスのウィナーを決めていました。これを逆手にとればマレーを苦しませることができる! 今日の記者会見でも、そのことを質問されてマレーは認めていましたので、今度マレーを観戦するときは、彼のフォアのショートクロスに注目しましょう。


投稿者 Tennisnakama  03:50 | コメント(7)| トラックバック(0)

全仏の予想ドローです

いよいよフレンチオープン、ローランギャロスが始まりますね。ドローの発表がありましたので、ここで予想をしてみましょう。

4回戦
ナダル
ナダル vs フェレール
ダヴィデンコ vs べルダスコ
マレー vs シリッチ
ゴンザレス vs シモン

ダヴィデンコは調子がもう一つで、べルダスコに敗退
シモンはまだまだ本調子とはいえずゴンザレスの爆弾フォアハンドの前に敗退

フェデラー
デルポトロ vs ツォンガ
ジョコヴィッチ vs ロブレド
ロディック vs モンフィス
フェデラー vs ブレイク

順調にデルポ、ジョコ、ロディックフェデラーがQFに進みます。

準々決勝
ナダル vs べルダスコ
マレー vs ゴンザレス
デルポトロ vs ジョコヴィッチ
フェデラー vs ロディック

バルセロナとローマで準決勝まですすんだゴンザレスがマレーに勝利。
べルダスコは因果にもまたナダルと対戦です。クレーではローマとマドリッドでいずれも準決勝でナダルの敗退しています。今回もこのシナリオに変更はなし。

準決勝
ナダル vs ゴンザレス
フェデラー vs ジョコヴィッチ

ゴンザレスはナダルには過去3回勝っていますが、2回はハード、1回は2003年のクレーですから、この成績はあまり全仏には反映されませんが、今年のローマで準決勝で対戦しています。もしゴンザレスにミスが少なければ、ナダルを苦しめますが、まずは3セットのストレートでナダルの勝ちとみます。

ジョコヴィッチはナダルとのマドリッドの準決勝でエピックマッチをやっただけに、自信満々でフェデラーに向かってくると思います。しかしナダルを破ったフェデラーはそれ以上の自信に満ちあふれているでしょうから、どちらが勝つか予想がつきません。勝因はこの準決勝に至る過程で、いかに省エネでよい試合をやってきたかで決まりそうです。つまりだんだん疲れてくるのではなく、調子をあげてくるマッチをした方が決勝にすすみます。

決勝
ナダル vs フェデラーまたはジョコヴィッチ

トニーコーチが「負けるほうが勝つよりたやすいのだから、今年のナダルの5連覇は多分負けるよ」なんてとんでもないことを言っていました。これは多分ナダルにプレッシャーをかけまいとする配慮からくる発言だと思いますが、ナダルキャンプは何がなんでも勝たねば、という決死隊の雰囲気ではありません。

逆にフェデラーやジョコヴィッチは自分に期待をかけすぎのところがあり、気負い過ぎて最後に根負けといったいつものパターンに終わりがちです。

ナダルが優勝するには、コートから下がらないオフェンステニスをもっととりいれること。

フェデ/ジョコが優勝するには、ミスを減らすこと。

怪我で欠場選手が続出しています。ナルバンディアンガスケ、アンチッチ、ニーミネン、モヤ、錦織、イズナー(WC)が欠場します。ツルスノフはかかとの怪我が心配されましたが、出場することになりました。大会中に出場選手に怪我のないことを祈ってやみません。

それにしても黄色のコートに黄色のボール。クレーは見辛いトーナメントです。マドリッドではブルーのクレーにしようと提案しました。ナダルフェデラーから反対されましたが、私は大賛成です!

投稿者 Tennisnakama  00:06 | コメント(16)| トラックバック(0)

フェデラーを追っかけよう

Twitterに登録したものの使い方がわからない? または初めて挑戦してみようかと思っていらっしゃる方に、絶対Twitterが面白くなる秘訣を伝授します。

フェデラーも最近トレンドに遅れまいと、最近始めたばかり。またロディックもさかんにTwitterをして、ユニークな独り言が入っていたりして、ロディックらしい個性が楽しめます。
Tennisnakamaからはミニニュースをたくさん送っていますし、今や世界に猛烈な勢いで広がっているこのTwitterにぜひ参加してその面白さを味わってみましょう。

まずまだ登録されてない方
まずhttp://twitter.com/ をクリックしてください。
右上段にあるSelect Languageを日本語に選びます。
そしてGet Started-join!をクリックします。
氏名(ニックネームも可)、ユーザーネーム、メールアドレスを記入しただけで登録は完了です!

さてここからフォローしたい人のTwitterを探します。

上段の項目の「友だちを検索」クリックします。
誰を検索しますか?」の欄にまず、tennisnakamaと記入してください。
そうすると、tennisnakamaとtennisnakamaNYのふたつのアイコンがでてきます。いずれも私のアイコンですが、モモちゃん猫のアイコンのtennisnakamaを使っています。(tennisnakamaNYは実験用に開いたものです)
右のFollowをクリックします。
これでtennisnakamaのニュースがあなたのTwitterのホームページに毎日入ってきます。

それではフェデラーをフォローしてみましょう。
全く同じ要領で「友だちを検索」の欄にRoger Federerと打ちます。いろんな人がフェデラーの名を使っていますが、本物のフェデラーは、上から2番目のthisisrogerです。同じようにFollowをクリックします。

Tennisnakamaの Twitter仲間を探そう
もしtennisnakamaのTwitter仲間の会話を読んでみたい、または参加してみたいと思われる方は、tennisnakamaのホームページを開いてください。
右側に「フォローされている」とあります。この「フォローされている」をクリックしてください。
するとtennisnakamaをフォローしている138人のアイコンがでてきます。
彼らのアイコンをクリックしてみましょう。すると彼らのホームページが出てきて、彼らのメーッセージを読むことができるのです。気に入った人たちをフォローしてみましょう。そうすると彼らとの会話も可能になります。こうやってtennisnakamaのコミュニティーが広がっていきます。

以下がテニス関係でフォロー推薦のTwitterです。
フェデラー
https://twitter.com/thisisroger

マレー
https://twitter.com/andy_murray

ロディック
http://twitter.com/andyroddick 

ATP
https://twitter.com/ATPWorldTour

それではちょっと面白いTwitterの使いかたをご紹介します。

まずフェデラーのサイトに行きます。

そこで右側の「フォローしている」をクリックしてみましょう。現在彼は25名の人・組織をフォローしています。これで彼の友好関係や興味の対象がわかるのです。

テニス選手では、ロディックとボブ・ブライアンの名前はありますが、マレーの名前がないですね。マレーのTwitterが一番面白いと思うのですが、フェデラーとマレーはやっぱりあまり親しくないようです。(昔フェデラーがマレーに負けたとき、マレーは思ったほど向上しているとは思わないと言って、ひんしゅくをかったこともありましたので。)

フェデラーは私も読んでいるTennisXを追っています。このブログは結構辛辣なことを書いていますが、ちゃんと読んでいるのですね。
https://twitter.com/tennisx

あと傑作なのが、赤ちゃん誕生でお勉強しているらしく、お母さんのためのブログHeather B. Armstrongを追っています。ほほえましいですね。よいパパになりそう。
https://twitter.com/dooce

フェデラーは歌手ではA Fine FrenzyMariah Careyのファンのようですね。

といったように、彼の隠された一面も知ることがで、しかもフェデラーが追っかけている人たちもついでにフォローすることもでき、どんどんフォローしていく人たちが増えていくのです。

テニスだけでなく、世界の有名人を追ってみましょう。

ジャンルは音楽、スポーツ、政治、ビジネスなどのあらゆるジャンルをカヴァーしたセレブのリストがあります。このリストから追ってみたい人を探してみましょう。

http://www.followfamous.com/


TwitterのDos and Don'tsです

Dos(おすすめ)
いつも「何をしている」を書く必要はありません。むしろ自分の思ったこと、めずらしい話など、その人のパーソナリティーや生活が滲み出るようなことを書いてみるほうが読む方は興味があります。

自分らしさが伝わってくるようなTwitterにしましょう。

Don'ts(おすすめできないこと)
「ランチを食べている」「今から寝ます」このような日常の些細な事はロジャー・フェデラーのような選手なら興味がありますが、そうでない私たちは避けましょう。

どんな人に読まれているのか分からないので、個人的な具体的な情報(例えば住所など)は書き込むことは禁物です。

@のあとにユーザーネームをつけると?
@tennisnakamaと書けば私あてのメーッセージが公開されます。公開でこのように@をユーザーネームの前につけることによって送信先を指定することができます。また右欄の「ダイレクトメーッセージ」クリックすれば直接本人にメッセージを送ることができます。

しかし@の多様は、他の人にとっては何を言っているのか分かりませんのでやめましょう。セリーナ・ウィリアムズがよい例で私はフォローをやめてしまいました。特定な相手に伝えたい場合は、「ダイレクトメッセージ」をつかってコミュニケートしたほうがよいと思います。

これであなたも立派なTwitterのユーザーになりました。それではお待ちしてますよ! Pressure is a privilege. プレッシャーを与えますがそれはtennis仲間の特権です。


投稿者 Tennisnakama  14:32 | コメント(20)| トラックバック(0)

ナダルは世界一フィットした男!

Men’s Fitness紙がナダルを2009年の世界で最もフィットしている男性に選びました。
(以下が世界ベスト25名のリストです。)
http://www.mensfitness.com/fitness/469

錦織選手の肘の怪我が長引いていることに関連して、怪我の予防の重要さを書きましたが、ちょうどタイムリーにナダルがThe Fittest Man in the Worldに選ばれ、ナダルのフィットネスのトレーニングについてのインターヴュー記事を見つけましたので、ここで簡単に紹介したいと思います。

その前にまず彼のワークアウトです。これは私たちでもできる基本的なトレーニングですので真似できますね。

(Part 1)


(Part 2)



それではMen’s Fitness紙のインターヴューの要約です。

Q:トーナメントに出ないときはどんなワークアウトをやっているの?

ナダル:トーナメントのシーズンによって違ってくるけど、シーズン前はジムのワークアウトが多く、シーズン中はあまりジムにはいかない。テニスをやってるほうが好きだから。

Q:トーナメント中は?

ナダル:アエロビック系のワークアウトをもっと取り入れている。そしてもちろんテニスは一杯やってるしね。

Q:体の柔軟性については?

ナダル:これは大切だから毎日やってるよ。僕専用フィジオ(トレーナー)がいて、彼にストレッチをやってもらってる。これはすごく重要なことだからね。

Q:コートサーフェスによって違ったトレーニングをするの?

ナダル:イエス。ウィンブルドンではボールのバウンスが低いので、体の下部の特別なトレーニングをやっている。

Q:どうして君の腕が注目の的になるのか、そのことについてどう思う?

ナダル:これはおかしいよね。多分ぼくよりもっとフィットしている選手はいろいろいると思うよ。多分僕がスリーヴレスのシャツを着ていたからだろうね。今僕は袖付きを着ているので他の選手と変わらないと思うよ。

Q:特別に腕の筋肉のためのエクサーサイズをやっているの?

ナダル:全然特別なことはやってないよ。本当だよ。普通のことをやってるだけ。

Q:ビッグショットに成功したとき腕を曲げてガッツをやるよね。あれって相手を威圧するんじゃない?

ナダル:そんなことは僕たちのレベルでは関係ないよ。走るスピードやショットの方がもっと関係あると思う。

Q:すべてを使い切ってしまうようなプレーの仕方で寿命のことが心配にならない?

ナダル:ここ2~3年、出来るだけ走る距離を少なくするため、コートに中に入って打つようにしている。前に比べて向上してきていると思う。

Q:ウィンブルドンでは料理をするんですってね?


ナダルは料理をするのです。意外なものがつくれるのです。この続きはTwitterで紹介します。(Twitter仲間を増やすために必死な努力をしております)

Twitterの登録はごく簡単ですのでトライしてみてください。
登録の仕方は『Twitterの仲間になりませんか?』の記事に詳しく説明しています。



投稿者 Tennisnakama  23:59 | コメント(2)| トラックバック(0)

錦織選手の全仏欠場に思う

今回の錦織選手の全仏欠場はさぞかし圭君にとって辛い決断だったと思います。それにしても彼の肘は長引いていますね。1月のニュージーランドのオークランドのフェレーロ戦でリタイアして以来、なかなか復帰できないのは、やはり最初の無理がたたっていたのではないかと思います。

オークランドの前に、オーストラリアのブリスベインで、マチューと対戦したときに、この右肘の痛みで圭君はメディカル・タイムアウトをとってマッサージを受けています。このときかなり痛そうな顔をしていましたが、途中棄権することなくがんばりました。しかし一週間後の初戦のフェレーロ戦で痛みが激化し、第1セットの途中3-5でリタイアしてしまいました。

オークランド以降も腕が痛いといいながら全豪に出場。2月にサンホゼとメンフィス、3月にデ杯とインディアンウェルズと完治しないまま、だましだましで試合に出て、当然の結果でサンホゼ以外はすべて初戦で敗退。デ杯には一勝をあげましたが、「腕がパンパンになって痛い」という彼のコメントに正直いって驚きました。ここまで悪くなっているのになぜ?

選手と怪我は切っても切り離すことができない因果な関係にあるのですから、選手の怪我の予防について、テニス界がもっと真剣に対応する時期にきているのではないかと思います。

IMGではスポーツメディシンの専門分野を設けているにも拘らず、ボレテリの選手は怪我が多いです。トミー・ハース、テイラー・デント、マリア・シャラポヴァなど看板選手が長期の怪我でテニスから離れていました。あの巨大なIMGだから安心なのではなく、巨大だから細かい個人のケアができていないのかもしれません。

昨日カムバックしたシャラポヴァは昨年の夏以来ですので、ほぼ一年近くのブランクを強いられました。彼女の肩の痛みはかなり前から具合がよくなく、無理をしながら試合をした期間が長過ぎたことが決定的だったように思います。シャラポヴァは医者の誤診で肩の治療が長引いてしまったと医者のせいにしていますが、試合が出来なくなるほどの重傷になるまで、どうして真剣に対処しなかったのか。これはシャラポヴァ本人だけではなく、彼女のチームの責任が問われてよいと思います。

選手にとって具合が悪くても断りきれない状況がいろいろあると思います。例えばナダルのマドリッドの出場。本人にとっては出たくない理由はいろいろあっても、スペインのヒーローが首都マドリッドのマスターズをスキップすることは、やはり許されないこと。毎週のように大会があり、しかも優勝してしまうと日曜まで試合をこなさなければならず、これで体に故障が起きない訳がありません。案の定、膝が痛くなってメディカル・タイムアウトをとりましたが、かなり痛そうな顔をしていました。

周囲からくるプレッシャー・・・
本人の試合に出たいという願望・・・
試合を楽しみにしているファンの要望に応えたいという気持ち・・・
収入が途絶えてしまう不安・・・

故障があってもつい無理をしてしまう複雑な背景があります。しかし怪我の予防を常にプライオリティーにおけば、今回の圭君やシャラポヴァのような事態はある程度免れたはず。

息子もトップのトーナメント選手を育てるクラブに属して、トレーニングを受けてきましたが、多少の痛みがあっても、「めそめそするな!」といったマッチョ的な態度で聞いてもらえないことが多かったのを覚えています。私自身テニスでは肩と膝の手術を受けていますので、どこまでプッシュしてよいのか、どこで止めるべきかが分っていますので、危ないと思えば、コーチにお願いしてトレーニングを一時中止してもらったことがあります。しかし本人はなかなか言えない雰囲気なのです。このような「ちょっとくらいの痛みは誰でもある」が当たり前になってしまっている環境の中では、つい無理をしてしまうと思います。

私はジュニアサッカーチームのコーチになるためにトレーニングを受けたときに(ビリチームを受け持って3年後には優勝させましたよ。これ関係ないですが。)、ウォーミングアップの仕方がいかにプロ選手の間でも間違って行われているかを知らされました。最先端のテクニックでやっていると私たちは思いがちですが、実は結構いい加減なトレーニングをやっている選手が多いということも知りました。

アガシは試合前にウォームアップをやらないことでも有名です。サフィンの練習を見学しましたが、ウォームアップゼロでした。マレーはちょっとだけ。きっちりとウォームアップをやっている選手をあまりみたことはありません。

ジョン・マッケンローがNYのクラブでときどき会いますが、たったの一時間の練習に、ストレッチを練習前後にしっかりと15分づつ行っているのには感心しました。練習相手のデ杯のキャプテンの弟のパトリックは、さっさと着替えておりましたが。

数多くのプロの選手は怪我のために引退を余儀なくされているのですから、怪我の予防には、怪我の原因に対して正確な知識をもつことがまず先決問題。プログラムを組む、セミナーを開くなど、選手やコーチを教育して行く必要があると思います。

圭君にとって今年は厳しい試練の年となりましたが、無理をせず、我慢の子でインジャリーフリーの強靭な体づくりに専念してほしいと思います。

投稿者 Tennisnakama  23:15 | コメント(23)| トラックバック(0)

フェデラーが優勝

マドリッドマスターズの決勝はフェデラーの優勝に終わりました。
Federer def Nadal: 6-4, 6-4

あのThe King of Clayのナダルのクレーの敗北は世界にショックを与えたようですが、この結果は二人にとってWin Win situationになったと思います。なぜか?

Federer
まずフェデラーですが、彼は勝てないフェデラーから脱出するには、どんなマッチでも勝っていかなければならない切羽詰まった状況にあります。ナダルとの試合前日のインターヴュー(バーゼル紙)では、まだ自信がもてないと率直な心境を語っていましたので、このマスターズの優勝、しかもナダルに勝ったことは、彼にとっては大変重要な意味をもち、フレンチオープンに大きな希望と自信を与えたと思います。

フェデラーは記者会見でその喜びを以下のように表現しています。

「本当に勝てて嬉しい。僕はよいプレーができたと思っている。ナダルを負かすことはむずかしいことだけれど、今日はいろんなショットをうまくミックスできたし、サーヴもよかった。」

「僕のやろうとしたことがすべてうまくいった。最後は気持ちよくプレーでき、今日はパーフェクトな勝利だった。」

「昨年のウィンブルドンや今年の全豪では接戦だったから、僕はナダルに勝てると信じていた。特にマドリッドのような速いサーフェスでは、勝てるというポジティヴな気持ちが必要だった。」

「今年はいろいろつまずきがあったけれど、徐々に思っている方向にことが運んでいっている。今日の勝利はベストなタイミングだった。」

フェデラーのマドリッドの決勝までの試合を観戦してきましたが、エラーは相変わらず多いですが、ウィナーも多いアグレッシヴな攻撃で快進撃を続けてきました。サーヴがずいぶんよくなり、フェデラーらしい速いゲーム展開を可能にしています。腰の故障で一時タイミングが狂ってしまったサーヴの調整がうまくいっているようで、エースの数もナダル戦では6、(準々)準決勝のデルポトロ戦では8、そしてロディック戦では15もとれるようになっています。

バーゼル紙に「当分コーチは考えていない。今のチームにとても満足しているから。」と述べていますが、スイスのデ杯キャプテンがまめまめしくフェデラーの面倒をいろいろみてくれているようで(作戦の助言からヒッティングパートナーまで。そして料理も作ってくれたりするそうです)、この気楽な環境が今のフェデラーには居心地がよくよい影響を与えていると思います。

マッケンローがアドヴァイザーになって協力してもよい、というオファーをしたのにもかかわらず、フェデラーがマッケンローに連絡をとらなかったのは、実にいろんな人がフェデラーにアドヴァイスをしたがっていて、「ありがたいことだけれど、それに一つ一つ応えられない」とも別のインターヴューで述べていました。これは正解でしょうね。いろんな声をきいていると自分を見失ってしまう危険性がありますから。

現に、フェデラーはフレンチのタイトル制覇のために、ローチやイゲラスのようなクレーに強いコーチをパートタイムのコーチとして雇ってきましたが、成果はあまり出ませんでした。それは彼らのクレーテニスに振り回されて、フェデラーが自分のゲームを忘れてしまっていたような気がするのです。

「正しい決断(ショットの選択と作戦)が勝利をもたらした。」とフェデラーは述べています。正しい決断とはPlay my gameを貫くこと。フレンチオープンではサーフェスはマドリッドよりも遅いですが、自信をえたフェデラーは、アグレッシヴなゲーム展開で攻めてくると思います。

もしフェデラーが決勝まで残りナダルと対戦することになれば?

昨年のフレンチではフェデラーナダルに6-1, 6-3, 6-0 で完敗してしまいました。スコアから言えば、 1977年にゴットフリードがビラスに負けた6-0, 6-3, 6-0についで、フレンチオープン史上(Open Era)最悪の成績だったとか。こんな記録までもらってフェデラーは、屈辱に耐える長い一年でした。「でも今年は違うよ。勝てそうな気がするんだ。」と言いたげなフェデラーのポジティヴな声が聞こえてきそうです。大いに期待したいところです。

Nadal
ではナダルの敗北がなぜナダルにとってWinのシチュエーションなのか?

最初からナダルは、サーフェスと高度の関係で、マドリッドには出たくないようなことを言っていましたので、彼のモチベーションがどれくらい高かったのかは疑問です。ナダルは記者会見でこのように述べています。

「今日のロジャーは僕よりうまくプレーしていたので勝って当然だと思う。コートがすごく速くて彼の有利になった。僕のショットは短かすぎたし、エラーも多かった。彼はそれをうまく利用して勝利に結びつけた。」

「僕は昨夜4時間以上プレーしたので(ジョコヴィッチとの準決勝)、とても疲れていたのは本当だ。でも彼はブレイクとの準決勝をわずか1時間半で済ませることができたのだから、土曜は彼の方が僕よりベターだったといえる。」

メディアがThe King of Clayと名付け、スーパーヒューマンのように書かれてきたナダルでしたが、マドリッドは明らかに苦手意識が先走って、なかなかリズムがとれず苦戦していました。しかも前日にはEpic Matchと称されるほどの大激戦をやったナダルには、肉体的にも精神的にもガス欠状態にあったことは確かです。

こういう状態で、もしジョコヴィッチ戦のように死闘のあげくフェデラーに勝っていたとしたら? 

多分ナダルは気持ちの上ではハングリーさが半減してしまう危険性があったと思います。いくらクレーの王者でも、モンテカルロ、バルセロナ、ローマと勝ち続けているナダルは、どこかで一休みをしないと息切れしてしまいます。(昨年)一昨年は同じ時期にハンブルグの決勝でフェデラーに負けています。この負けがフレンチへのバネとなってナダルはみごとに優勝しました。ですからこのマドリッドの敗退は、フレンチ優勝を狙うナダルにとっては、自己を振り返る機会を与え、ギアアップに必要な過程ではなかったかと思うのです。ですからますます強くなってナダルはローランギャロスに登場してくるはず。ナダルにはやっぱりパリのクレーが一番似合っています。


投稿者 Tennisnakama  17:11 | コメント(27)| トラックバック(0)

ベストマッチ、ナダルvsジョコヴィッチ準決勝

Nadal def Djokovic: 3-6, 7-6(5), 7-6(9)
ナダルとジョコヴィッチのマドリッド準決勝を観戦することができた人はラッキーだったと思います。あの試合はOpen Era(1968年以降)以来のATP ツアーの試合の中で、ベストの3セットであると言われているほど、すばらしい試合だったからです。

この試合はジョコヴィッチがストレートで勝てたはずの試合でした。第2セットのブレークチャンスを4回とも失ってしまったのが、決定的なダメージを与えたように思います。試合を長く続ければ続けるほどナダルの有利になることが分かっていましたたので、第3セットに入ったときは、ナダルが不調にもかかわらず、私は彼が勝つことを疑いませんでした。

「第1セットはひどいものだった。マドリッドは高い(標高)ので、ボールを自信をもって打つ事ができなかった。ショットが短くなってしまったり、距離がつかみにくかった。でも次第にリズムがつかめるようになって最後はよいテニスができたと思う。」とナダルが語っています。

高いところでテニスをすると、ボールがよく飛んでしかも高く弾みます。そのためにより以上のスピンをかけてボールをコントロールする必要があるので、ナダルは調節するのがむずかしかったと思いますが、これはジョコヴィッチにとっても言えることです。私の観た感じでは、疲労が重なっていたことと、右膝の痛みがあったことが不調の主な原因だったように思います。特にナダルのバックハンドにエラーが多かったのは、左利きのオープンスタンスでは右膝に重心をおいて打ちますので、痛みがあると右足で踏ん張ることができないのです。

ナダルを救ったのはサーヴでした。これは意外な驚きでした。プレースメントがよくワイドサーヴはリターン不可能。キックサーヴもよく跳ねてジョコヴィッチは手こずってリターンできませんでした。1stサーヴの確率も71%とよく、1stサーヴでとったポイントは72でジョコの56ポイントをはるかにしのぐ高率でした。

特に印象的だったのは、ブレークポイントでは、ほとんどナダルはサーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)でブレークを免れていることです。

例えば第2セットの第9ゲーム(4-4)は、2回のブレークポイントを2度ともサーヴィスウィナーでセーヴしまし、第11ゲーム(5-5)のブレークポイントもサーヴィスウィナーでブレークを免れています。そしてタイブレークでセットポイントをとったのもサーヴィスウィナーです。第3セットのマッチポイントを3度とられそうになってあぶなかったのですが、この3番目のマッチポイントをサーヴィスウィナーで免れました。あとの2回はジョコヴィッチのエラーで免れたのではなく、ナダルのショットのウィナーが決まったものです。

このように、勝敗を決める大切なポイントでサーヴィスウィナーがとれるようになったことは、ナダルに強力な武器ができたことを意味し、ますますナダルを打倒するのがむずかしくなってきました。しかも今日の試合でナダルは調子がよくなくても勝てる自信を持ちました。この自信はナダルにとって今後大きな財産になっていくと思います。

ジョコヴィッチは彼も言っているように、今までのクレーの中ではベストのパーフォーマンスでした。ショットの確実さにますます磨きがかかって攻守のバランスもとれ、テニスが成熟してきた感があります。また26回もネットダッシュを行い、18ポイントをネットプレーでとり、アグレッシヴなテニスを展開しました。

ただ残念だったのは、ジョコヴィッチは幾度もブレークチャンスや、マッチポイントをとれるチャンスがあったのにもかかわらず見逃してしまったことです。しかしここまでナダルとの距離を狭めることができたのは、彼のフィットネスとメンタルの強化があってこそで、ますますフェデラーが危なくなってきました。

今日の試合で、ナダルがあそこまでしなくても、フレンチオープンのために体を休めておいた方が賢明ではなかったのか?という意見もあります。しかしナダルの性格から手を抜くことは彼の眼中になかったはず。明日のフェデラーとの決勝で、膝の悪化だけは避けてほしいですね。これはナダルファンだけでなく全テニスファンの願いだと思います。ナダルのいないローランギャロスは、想像しただけでも寂しくて観戦する気力を失ってしまいます。

最後に解説者が伝説の女子選手、ビリー・ジーン・キングの有名な言葉(本のタイトルにもなっています)を引用していましたので紹介します。

Pressure is a privilege. (プレッシャーは特権である)

「どの分野でもトップにいる人は、困難なシチュエーションに面してプレッシャーを絶えず受けています。しかしこのようなチャレンジはトップの人間に許された特権でもあるのです。真の勝者やリーダーは、プレッシャーのなかで勝つ術を見いだしていくのです。」

明日の決勝というとてつもないプレッシャーのなかで、勝利への術を見いだすことができるのは、ナダルなのか?それともフェデラーなのか? あと7時間で試合が始まります。


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マドリッド準々決勝

ナダル def べルダスコ: 6-4, 7-5
第2セットが面白かったです。べルダスコは第2セットに入ると、調子をぐんぐん上げてきたのと同時に、ナダルの集中力がフッと途切れてきました。こういう瞬間って結構最近のナダルにみかけます。あれほどインテンスにプレーしているのですから、ときどきそういう気持ちのたるみや、力みすぎのエラーがあって当然だと思うのですが、今日は第2セットで何とナダルが続けて2度ブレークされてしまい、0-4の危機に陥りました。しかしここからです。ナダルの本領が発揮されたのは。ナダルが急にギアアップして、ラインぎりぎりのアグレッシヴなショットをすべて決め、サーヴィスウィナー、スマッシュウィナーと続きます。そして40-0で圧倒的な強さでサーヴィスゲームをホールドして、流れが完全に変わりました。

第6ゲーム(1-4)からべルダスコにミスが目立ち、ナダルは攻守とも確実で得点を重ねていきます。そして5ゲーム連続勝ち取ってスコアを5-5のイーヴンに戻してしまったのでした。焦らず、自信に溢れて、しかもアグレッシヴに攻めていくナダルに、べルダスコは最後は完全に首を絞められたかたちで、0-40でマッチポイントをとられ試合が終了しました。やはりナダルは強いですね。そして無茶苦茶に足が速い。普通ならウィナーになってポイントをとれるショットも、カウンターされてしまうので、最後はどうしてよいのかわからず、べルダスコも自滅の道をたどってしまう結果となりました。

べルダスコのコーチの席にケイヒル(フェデラーのコーチになるかもしれないとささやかれた)の顔が見えます。名コーチによってべルダスコがこれからどのような成長をみせてくれるか楽しみです。

ジョコヴィッチ def リュービチッチ: 6-4, 6-4
準々決勝の4試合の中では、ベストのハイクウォリティーの試合でした。リュービチッチがどうしちゃったのか、と見違えるほど強くなってカムバックです。3年前に3位になったこともあるベテランですが、2年間のスランプで現在は54位。30歳という引退してもおかしくない歳ですが、フットワークも向上し、ショットも一段と鋭くなって、ジョコヴィッチと対抗に戦っていました。昔はサーヴのリュービチッチでしたが、今日は47%と低かったにも拘らず好戦。昨日は好きなシモンを倒してくれちゃったのがちょっと癪にさわりましたが、でもこの高齢でガンガン気持ちよく打ちまくっていたのは、他の選手にとって力強い励ましとなったはず。

ジョコヴィッチは、新しいトレーナーのもとで体力がついてきたのか、フォットワークがしっかりしてきました。フィットしていればメンタルも強く保つことができます。長いラリーもきわどいコースを突くアグレッシヴなテニスを展開しています。今の実力ならナダルとの準決勝は結構いい線をいけそうな気がします。

フェデラー def ロディック:7-5, 6-7(5), 6-1
第1セットの初っぱなからダブルフォルトとフォアのエラーで、フェデラーがブレークされてしまい焦りました。どうもなかなかリズムがとれそうでとれない。フェデラーのすばらしいショットが決まるかと思えば、次は大きなミスヒット。これはいつものフェデラーなのですが、やはり36のエラーは多すぎます。しかアグレッシヴに攻めていますのでウィナーの数も圧倒的に43と多いのですが。問題はタイブレークでロディックにとられてしまった第2セットです。第9ゲーム(4-4)でブレークポイントを3つもとりながらブレークできなかったのは致命的でした。

今日はフェデラーのサーヴの調子がよく、エースを何と15もとっています。そして多くのサーヴィスウィナーをもとっていますので、1stサーヴの得点率はなんと88%の高率。このサーヴが維持できればデルポトロを倒すことができます。

第3セットは、ロディックに勝ち急ぎのエラーが目立ち、粘りのないテニスであっさりと1-6でロディックが負けてしまいました。意外でした。ステファンキのもとで結構いい試合をしていたというのに。新婚早々でいろいろ気の散ることがあるのでしょうね。

デルポトロ def マレー:7-6(4), 6-3
バースデイボーイのマレーが負けてしまいましたね。せっかく22歳になったというのに残念でした。この二人の試合は、準々決勝の4試合の中で一番つまらなかった試合でした。二人ともまだまだカウンターパンチャーの域をでず、どちらかといえばデルポのほうがまだアグレッシヴ。デルポはあの背丈でよく走りサーヴも強かったのですが、まだネットプレーに対して苦手意識があるようで、なかなかネットダッシュしないので、ここがデルポの限界かもしれません。

マレーはデルポ戦の敗北について、作戦が間違っていたと記者会見で答えました。

「1ゲーム中に3回もネットダッシュしてポイントをとられている。これは僕のゲームじゃない。攻守のバランスを考えていなかった。フレンチオープンでは、フェデラーのように自分のゲームを展開してがんばりたい。」

土曜はいよいよ準決勝です。ナダル vs ジョコヴィッチ、フェデラー vs デルポトロ。決勝はナダル vs フェデラーの可能性が濃厚になってきました。楽しみですね!





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錦織がエクジビションに

今、フェデラーvsロディックを観戦中ですので、詳しくは書けませんが、5月22日に錦織選手がトミー・ハースとエクジビションで対戦することになりました。

フレンチオープン、ローランギャロスがいよいよ5月25日から始まりますが、そのウォームアップとして1er Masters Guinot-Mary Cohrのエクジビションゲームが行われます。

1er Masters Guinot-Mary Cohrは、ナダルフェデラー、マレーなどトップ3が出場するエリートエクジビションで、錦織選手がハースと対戦するなんてすばらしいですね。(ただし直前に出場選手に変更があることが考えられますが)

http://www.guinotmarycohrmasters.com/

以下がスケジュールです。

5月20日水曜日
1時30分
マレー vs マチュー
モンフィス vs バグダティス

5月21日木曜日
1時30分
フェデラー vs ヴァヴリンカ
ナダル vs クレモン

5月22日金曜日
1時30分
錦織 vs ハース
サフィン vs ブレイク



投稿者 Tennisnakama  21:47 | コメント(14)| トラックバック(0)

WCの選択は誰が?

ニューヨークから5時間のドライヴでやっと北の町、イサカにつきました。息子は大学2年生。今日最後のテストが終わり、明日は寮をひきあげなくてはなりません。私たち夫婦は彼の荷物運送屋。いろんなゴミを家に持ち帰ることになるでしょうね。3年生になるとほとんどの学生が寮を出て、アパートや家をかりて大学のキャンパスからお別れです。息子も秋から友だちとマンションを借り切って新しく出発します。これから9月まで3ヶ月半の長い長い夏休みが始まります。

さて、現在マドリッドのマスターズをやっていますが、今週の日曜17日が決勝です。しかし翌日の18日からすでにフレンチオープンの予選が始まります。本戦は一週間後の25日から始まりますが、錦織選手はラッキーにも本戦エントリーが決まっています。今週のランキング120位からいえば本戦エントリーは果たせないのですが、4月13日のランキングで決定されますので、当時94位だった圭君は無事エントリーを果すことができました。

グランドスラム(GS)はご存知のように、全豪、全仏、ウィンブルドン、全米の4つですが、いずれも男女シングルスの本戦は128人で構成されています。この中にストレートでエントリーできるのは104選手。つまりランキングが104位の中に入っていれば、本戦に出る事が保障されているのです。今年の全仏はナルバンディアン(15位)、ガスケ(23位)、ニーミネン(50位)、モヤ(51位)の4人が棄権しますので、ランキングは108位まで出場権が与えられることになりました。

残りの24名(128名 -104名=24)の内訳は、予選128名から勝ち残った16名にクウォリファイアー(Q)と別に8名にワイルドカード(WC)が与えられ、本戦エントリーとなります。

では誰にワイルドカードが与えられるのでしょうか?

これは開催者側に権限が与えられているのですが、ウィンブルドンをのぞく、全豪、全仏、全米では他の開催国に自動的にワイルドカードを1名保障しています。例えば全仏は、オーストラリアとアメリカの選手にそれぞれ1名づつWCの枠を提供するのです。全米ではオーストラリアとフランスに各1名という具合です。ですから実質開催者側が選べる選手は6名となります。

WCの選考は、アメリカでは公平をきすために、推薦制度をとらずにトーナメントを行います。今年はイズナーが優勝して、めでたく全仏のWCを獲得しました。

オーストラリアではトーナメント形式をとらず、オーストラリアテニス協会の選考委員会にかけられます。今年は若年16歳のオーストラリアの未来の星、トミックにWCが与えられました。

ウィンブルドンではWCは全英テニスクラブがリストを作成してその中から8名が選ばれます。他のGSの開催国の選手に与えられる1名の枠はありません。従来は芝の専門のイギリス選手に多く与えられて批判が集中したため、最近はイギリスだけでなく広く世界中の選手にWCを与えています。
ちなみに昨年のWCは以下の通りです。Baker(英), Bogdanovic(英), Chardy(仏), Dancevic(カナダ), Malisse(ベルギー), Kunitsyn(ロシア), Spadea(米), Ascione(仏)

今年は錦織選手が本戦エントリーができるランキングより下がってしまったため、ウィンブルドンはWCが得られなければ予選から挑戦しなければなりません。このWCには、以下のカテゴリーを満たすもっともふさわしい選手に与えられることになります。

1.ランキングが高い
2.最近のパーフォーマンスがよい
3.プロとしての態度がよい
4.芝の成績がよい
5.品行方正

多分IMGでは錦織選手のWCを得るために全英テニスクラブに働きかけていると思いますが、昨年は故障で1回戦でリタイアしてしまっています。しかしウィンブルドンの前のクウィーンズクラブでは、3回戦でナダルと対戦して、1セットを彼からとっています。このクウィーンズクラブの結果を重視してくれるのなら、ひょっとして圭君にWCがあてがわれるかもしれません。

まずは、しっかりと腕を治して、全仏で結果をのこしてほしいですね。

(追記)錦織選手にWC
ウィンブルドンの前哨戦としてしられる由緒あるクウィーンズクラブで開催されるAEGON大会に、錦織選手がWCを獲得しました。おめでとう! 他にはグロージャン、ディミトロフにWCが与えられました。ディミトロフは何度もブログで紹介していますが、ジュニアではトミックと並んでもっとも注目されているブルガリアの17歳。(あさってに18歳になります)現在、フェデラーサフィンの元コーチだったラングレンのもとでトレーニングしていますが、「フェデラーが17歳のときよりもディミトロフのほうがうまい」と、ラングレンが太鼓版を押すほどの大物ですので、注目したいと思います。



投稿者 Tennisnakama  12:17 | コメント(4)| トラックバック(0)

ドーピング問題:ガスケのコケイン使用について

ドーピングのルールが今年から改正になり、ドーピングテストのために、毎日の居所を知らせなければならなくなってから、選手の反対も多く(ナダル、クズネツォヴァなど)ルールの見直しが叫ばれてきている現状を、『新アンチ・ドーピングルールの波紋』で紹介しました。

今回はフランスのプリンスと呼ばれているリシャール・ガスケRichard Gasquetが、3月に行ったテストで、尿検査のサンプルAとBの両方の結果がコケイン使用と判定され、テニスのトーナメント出場が禁止されてしまいました。このニュースは世界に大きなショックを与え、新たにアンチ・ドーピングのルールに対して波紋を投げかけることになりました。

ガスケ自身はコケインの使用を否定して、LABで行った髪の毛のテストではコケイン使用が認められないことを理由に、無実を主張していますが、どのようにこれから弁護士を雇って戦っていくのか、今後の動向が注目されます。

ガスケのケースは、無実だと訴えながら、ついに証明できないでテニスを止めてしまったヒンギスのケースと酷似していて胸が痛みます。なぜヒンギスが途中で止めてしまったのか?これは弁護士を雇い、多額な弁護士料金(何千万円という額)を払って、長い年月をかけて法廷で争わなくてはならず、精神的ストレスも大変なものがあることを彼女自身が過去の経験(イタリアのテニスシューズ会社を訴えたケース)でいやというほど味わっているからです。もちろんヒンギスがコケインをやったのかもしれませんが、私としては、ドーピングテストの厳しさを知りすぎているトップクラスの選手が、選手生命のリスクをかけてまでコケインをやることは、自殺行為で非現実的だと思うのです。

ではサンプルの判定に間違いの可能性はあるのでしょうか? 
サンプルAとBで確認された結果をくつがえすのは、大変むずかしいのですが、他のラボでテストをやり直すことを要求することもできます。しかしもし結果が同じく黒と判定されれば、この尿のサンプルがガスケのものでないこと、または誰かがサンプルに故意に異物を混ぜたこと、などを立証しなくてはならず、ほとんど無実を証明することが不可能になります。

コリアのケース
アルジェンチンのコリアが今年27歳で引退しましたが、2005年にドーピングテストでステロイドの使用ありと判定され、トーナメント出場が7ヶ月停止されました。しかし彼は飲んだ健康ドリンクに混じっていたものが原因だとして、そのドリンク会社を訴え、2年間の法廷での闘争の結果示談となりました。体の故障も引退の原因でしたが、このドーピング違反の争いで精神的ダーメージが多く、引退の大きな原因になりました。

クズネツォヴァのケース
2005年、クズネツォヴァはベルギーのエクジビションで Ephedrine がみつかり黒と判定し、「クズネツォヴァがドーピング」のニュースが世界に流れました。彼女はそのとき風邪をひいていて、飲んだ風邪薬の中に含まれていたものですが、WTAのトーナメント中ではないので、Ephedrineはドーピングに適用されないとし、クズネツォヴァが無実であることが立証されました。

カニアスのケース
2005年アカプルコ大会で、カニアスのサンプルからhydrochlorothiazideが含まれていて黒と判定され、2年の出場停止が下されました。しかしこの物質は調査の結果、トーナメントドクターからもらった風邪薬に含まれていたことが判明。しかしルールには薬の中に含まれる物質を知っておくのは選手の責任として、法廷で争った結果、停止期間は15ヶ月に軽減されましたが、カニアスはこの出場停止で、弁護士料8千万円やスポンサーの収入の激減で何億円というダメージを受けました。当時ランキングが12位のカニアスでしたが、 出場停止処分のためランキングは514位まで下がってしまいました。

1984年にスポーツ調停裁判所Court of Arbitration for Sportがスイスのローザンヌに設立されて以来、持ち込まれたケースは約800件もあるそうです。

これらケースの中には、風邪薬のようにちょっとした選手の不注意や、気づかず飲んだドリンクに入っていたケースもあり、そのために選手生命を絶たれてれてしった選手もあると思います。クリーンなスポーツ界確立のために、このような厳しいアンチ・ドーピングルールの中で戦っている選手たちに、大きな拍手をおくりたいと思います。

(追記)
これからガスケはまず60日間の間にhearingを受けます。この間は無実であろうと出場禁止です。ですからフレンチオープンの出場は不可能になりました。hearingの結果下された判決が黒だとすれば、2年間の出場禁止となります。彼がこの検査を受けたときは、肩の故障でマイアミ大会を欠場していています。これはあくまでも私の推理ですが、そのときに飲んだ薬に含まれていた可能性もあると思います。しかしもしその疑いがあるなら、ガスケはそれを実証しなくてはならず、これから猛烈な勢いで彼は無実を証明するために、証拠収集に奔走しなければなりません。ガスケ自身は全力を尽くして無実を証明したいと言っていますので、祈る気持ちで見守りたいと思います。




投稿者 Tennisnakama  23:25 | コメント(28)| トラックバック(0)

大爆笑、ジョコのヘッドCM

今日のセルビア・オープンの準決勝で、ジョコヴィッチがセッピに4-6, 6-1, 6-2で勝ち、決勝を決めました。ストリーミングで観戦していたのですが、試合の後にセルビアのTVが流したジョコの新しいヘッドのコマーシャルに爆笑。一人じめはもったいないので、ここで紹介したいと思います。でもあの乳首に付けたハートの房だけは勘弁してェー!



これはボーナスです。ジョコヴィッチの選手の物真似は有名ですが、これはロッカー室でやったもの。めずらしいフェデラーの物真似が入っています。フェデラーナダルの優等生の中で、彼のコメディアン的なキャラクターは貴重です。



物真似選手は以下の通りです。ナダルの後がどうしても分かりませんが、どなたかご存知の方はお知らせください。ナダルのサーヴでした。
Ramirez Hidalgo
Roddick
Volandri
Nadal
Sharapova
Federer



投稿者 Tennisnakama  10:18 | コメント(14)| トラックバック(0)

ジョコヴィッチをマーク

TennisnakamaのTwitterの参加者が105名になりました。ありがとうございます。ほとんどの方「よく分からんが、ともかくやってみよう」というチャレンジ精神で参加していただいたようです。嬉しいですね。Twitterを書く人、読むだけの人、いろんな楽しみ方があってよいと思います。

私も手探りでやっているうちに、Twitterがなぜ爆発的な人気を得ているのか(特にアメリカで)分かってきました。気になっている人や好きな話題を24時間追っかけることができるのですから、あれは完全に「追っかけさん」の心理です。テニスならアンディー・マレーとボブ・ブライアン(ブライアン兄弟の)が面白いですね。彼らのTwitterから選手生活が生々しく伝わってきます。英語は3行までの会話調の簡単なものですので分かりやすいのもTwitterの特長。 まだ参加していらっしゃらない方は、時代の先端のコミュニケーションのツールを使って、トレンドセッターの仲間入りをしてみましょう。

アンディー・マレー:https://twitter.com/andy_murray
ボブ・ブライアン:https://twitter.com/Bryanbros
tennisnakama: https://twitter.com/tennisnakama

ブログでは紹介しきれないホットな情報を送ることを目的にTennisnakamaのTwitterを始めましたが、特に日本のメディアが書かない情報をお届けすることをモットーにしています。140字以内のニュースですから、ほとんどヘッドラインニュースとなります。しかしヘッドラインだけでは説明しきれない話題は、以下のようにあらためてブログで紹介してみたいと思います。

セルビア・オープンの話題から

「Serbian Open: ジョコヴィッチがナイトゲームでプレーするので待っていましたら、なんと会場は真っ暗。停電! セルビアではまだこういう事態が起こるのですね。何か子供の頃を思い出してしまいました。しかし故障もなおり45分遅れて今からジョコvsトロイッキが始まります。」( 5月8日のTwitterより)

ジョコヴィッチ・ファミリーがライセンスを買い取って、セルビア史上初のATPツアーのトーナメントが首都のベルグラードで開催されています。昨日のジョコヴィッチの2回戦はナイトゲームでしたが、試合時間になっても会場は真っ暗。停電だったそうですが、ジョコヴィッチは自分たちが主催しているのですから、さぞかし気を揉んだことでしょうね。停電で試合が出来なかったとなれば世界に大恥ですから。何事も最初はいろんな予期せぬハプニングが起こるのでジョコヴィッチも気がきでなかったと思います。しかし無事照明もつき試合が45分遅れで開始されました。

トロイッキ(38位)が対戦相手でしたが、ジョコヴィッチは停電のストレスがたまってか、初っぱなから0-40で、あっけなくブレークされてしまいました。これには私も焦りました。セルビア・オープンはどんなことがあっても、国民のヒーロのジョコヴィッチは負けられないのです。しかしベテランのジョコヴィッチは第2ゲームで即ブレークしなおしてショットも安定し、その後はいつもの通りの展開で、6-3, 6-2でジョコヴィッチの勝利でホッとしました。

ジョコヴィッチは徐々にクレーにも慣れ、ラケットにも馴染んで、ますますアグレッシヴになってきました。トロイッキ戦では、ベースラインから下がらず、ときには一歩中に入って打つオン・ザ・ライズの速攻は見事です。来週のマドリッドマスターズでは順調にいけば、またナダルとの対決です。

モンテカルロとローマではいずれも決勝でナダルに敗退していますが、もしジョコヴィッチが安定したオンザライズのショットが打てれば、ナダルにとっては脅威となります。しかしオンザライズは、ヒッティングのタイミングがパーフェクトでないとエラーになるリスクの大きなショット。しかもクレーはバウンスがイレギュラーで、オンザライズには向かないサーフェスです。しかしナダルに勝つには、ネットにくるか、オンザライズで攻めるかの二つの方法しかないのです。対ナダル戦はこの二つで勝負をしてくると思います。

今日はジョコヴィッチはセッピと準決勝です。これに勝てば、決勝の対戦相手は準決勝でカーロヴィッチを倒したクボットKubotです。彼はラッキールーザーで出場して初めて聞く名です。179位の190cmのポーランド人。予選どまりでなかなか本戦まで出て来れなかったジャーニーマンです。しかしジョコヴィッチの対戦相手となるレベルではないので、まずは、セルビア・オープンはジョコヴィッチの優勝がほぼ確実となりました。

追っかけアダムレポート:ブラジャーの女性が猛突進

(tennisnakamaのプロフィールは、アメリカン・アイドルの最終日の5月20日まで、アダムのいろんな写真を掲載していく予定です。)

センセーションを起こしているアダム・ランバートがなぜ面白いのか? アメリカ人の反応が興味深いのです。ただの歌のコンテストではなくなってきています。カルチャー戦争とでもいいましょうか。実は彼はユダヤ人なのだそうです。ユダヤ系のブログをお邪魔していると、キリスト教に負けてなるものか(ダニー・コーキー)と意気盛んで、ついにラバイ(ユダヤ教の指導者)まで登場。アダムの応援に熱がこもってきました。JewishJournal.com

いよいよ二人に縛られる来週の放送は、彼らのホームタウン編です。アダムの故郷はサンディエゴ。熱狂的なファンの歓迎ぶりは尋常ではありません。アダムがホームタウンで歌っている最中に、ブラウスを脱ぎ捨てた女性が猛突進!まずはこのビデオから。




投稿者 Tennisnakama  00:44 | コメント(5)| トラックバック(0)

今アメリカは真っ二つ

今日はセンセーションを起こした主人公第2弾です。

テレビドラマは観ないのですが、最近欠かさず観ている番組があります。毎週火曜日が待ち遠しくてたまりません。それはあの世界的に有名なAmerican Idol(AI)が火曜日の夜8時から放送されるからです。AIはアメリカで最高の視聴率を誇り、毎週約2500万人がフォローしています。私は今までAIにあまり関心がなかったのですが、今年はある青年がオーディションに登場して以来、完全に彼の虜になってしまいました。ついにブログのプロフィールの写真まで、愛猫のモモちゃんから彼の写真に取り替えてしまいました。(モモちゃんごめんね)彼が優勝するまでブログに掲げて応援です。

毎年アメリカンアイドル AI の栄冠をめざして、何万人という若者が全米から集まってきます。数ヶ月にわたるオーディションと人気投票で最後に勝ち残った若者に、アメリカンアイドルの栄誉が与えられるわけですが、今年で8年目を迎えるAIから多くのスターが誕生しました。コンテストの途中で消えてしまっても、ジェニファー・ハドソンのように、映画『ドリームガールズ』でアカデミー助演賞を受賞するなど、挑戦者には幅ひろく活躍する機会が与えられてきました。

さてAIの中ですでにセンセーションを起こしている青年がいます。彼の名はアダム・ランバートAdam Lambert。27歳。魅力的なマスク。卓越した歌唱力。シアターを圧倒するパーフォーマンス。限界に挑戦する創造性。スーパースターに必要なすべての要素を持ったアダムの登場は、まさに長い間音楽界が待ちこがれていたスターの誕生だったのです。 ではセンセーションの張本人、アダムの声をまず聞いてください。

ミュージカル Brigadoonから





次は最新の5月5日のパーフォーマンス、レッド・ツェッペリンのWhole Lotta Loveを歌ったアダムです。



この二つのビデオが示すように、クラシックからハードロックまで、アダムの驚異的なレパートリーの広さに驚嘆してしまいます。AIのビデオをご覧にいただければ、審査員一同が絶賛するように、アダムの才能がいかに人並みはずれたものであるかが分かっていただけたと思います。女性審査員が”You are Rock God!”と叫びました。

クリスタルのような澄み切った声。パーフェクトピッチで絶唱するアダム。化粧をするアダム。プレスリーを彷彿させるカリスマ性。セクシーで野性的。毎週ジャンルが変わるごとに、カメレオンのように変化していくアダム。来週はどんなアダムが観られるか? プロのアーチストが絶賛してやまないこの青年のYouTubeのビデオは数百万ヒットを超し、世界にアダム旋風が吹き荒れています。

アダムはプリンスのようにアイライナーをして登場することが多く、そのために「ガイライナー」という造語が誕生しました。女性がするのがeyeliner。男性 guyが目にアイラインを入れるのがguylinerです。ガイライナーをして登場するアダムを観て、彼はゲイであるに違いないとの噂が流れました。しかし男性とキスをしている写真がインターネットで出回って以来、「アダムはゲイ」のレッテルが定着してしまいました。

AIは人気投票で決まるコンテストですので、大衆の支持が得られなければ生き残ることができません。しかしゲイはクリスチャンの社会では受け入れられないのです。キリスト教では同性愛は罪悪とされ、死後は地獄へ真っ逆さま。あの自由を謳歌するアメリカがと、意外に思われる方も多いと思いますが、性に対する考え方は保守的で、ゲイであることは決定的なマイナスの要因なのです。

しかもライバルのダニー・ゴーキーは、キリスト教会のミュージックディレクターです。こうなるとますますキリスト信者が団結をして、ゲイのアダムを落とすためにゴーキーを応援し始めました。

アメリカはクリスチャンの国です。ブッシュが2期大統領に選ばれたのも、キリスト信者の票が大きく影響したことを忘れてはなりません。そしてブッシュの再選で宗教を選んだアメリカは、世界にすっかり評判を落としてしまいました。しかしアダムの登場でアメリカはふたたびこの選択を迫られることになったのです。ブッシュは政治とイデオロギーの戦いでした。アダムはアートとイデオロギーの戦いなのです。

「アメリカがゲイを選ぶことができるのか?」何度もメディアのヘッドラインはアメリカに呼びかけます。

エルヴィス・プレスリー、ミック・ジャガー、マイケル・ジャクソンに匹敵する未来のメガスターの誕生を、アメリカはゲイであるという理由で否定しまうのか? 

思想や宗教のバウンダリーを超えて、自己を自由に表現するのがアートです。「僕は投票のために歌ってはいない。できるだけ自分に忠実でありたいんだ。この僕の自己表現が嫌いな人もいると思うし、好き人もいると思う。それでいいと思う。」私がアダムを敬愛するのは、リスクを恐れず絶えず挑戦していく姿勢です。 

今年は絶対不可能と信じられてきた黒人の大統領が誕生しました。偏見とイデオロギーを超えた選択ができることをアメリカは世界に実証してみせました。

Yes, we can!と訴え続けてきたオバマの声が聞こえてくるようです。アダムのスタイルの好き嫌いの問題とは別に、アメリカは稀にみる天才を認めることができるのか?

昨日は6500万の投票でアダムが最後の3人の中に選ばれました。アメリカよ、地獄を恐れるな! 

You can show to the world, "Yes, we can!"




ここからはテニスの話です。

来週からマドリッドでマスターズが開催されますが、今週はヨーロッパの3カ所で250ポイントの中堅クラスのトーナメントが開かれています。その中間報告です。

ポルトガルのエストリル大会
シモン(8位):
第1シードで出場して1回戦を突破。今日の2回戦はフォグニーニと対戦です。

フェレール(14位):
2回戦で同じスペイン人の69位のエルナンデスに2-6, 4-6で破れてしまいまし
た。

フィッシュ(24位):
アメリカ人はクレーに弱いという定評をくつがえそうと2回戦クリア。準々決勝はいよいよダヴィデンコです。

ブレイク(16位):
ただ今ブレイクが2回戦に勝ちいよいよ準々決勝が決まりました。対戦相手はモナコかセラとなります。 

ミュンヘン大会
これはかなりマイナーな試合で、シリッチとマテューが準々決勝に進出です。

セルビアオープン
ジョコヴィッチ一家が権利がわたったセルビアで初めて開催されるATP Worldtour のトーナメントです。

ジョコヴィッチ(3位):
当然自分が開催するのですから出場します。雨が降って開催が遅れてしまいましたが、初戦はジョコヴィッチは同国のティプサレヴィッチに2セット目をとられ、一瞬ヒヤッとさせましたが、3セット目は6-0で問題なく勝利。2回戦は同じくセルビアのトロイッキと対戦になります。

リュービチッチ、カーロヴィッチはこれから2回戦です。



投稿者 Tennisnakama  22:29 | コメント(15)| トラックバック(0)

センセーションを起こした主役

テニスが一段落したところで、これから世界にセンセーショナルな感動を与えた主役たちの話をしていきたいと思います。

まず今日はヒーロー馬の話から。5月2日土曜日に、ケンタッキーダービーで歴史的事件が起こりました。私は競馬には興味はないのですが、乗馬が好きなのです。お上品な英国式ではなく、荒っぽいカウボーイのウェスターンスタイルです。本物のカウボーイと取材で寝食を共にしたこともあります。思い切りきり草原を走る壮快さ。自然の中に自己が溶けていく一体感。馬の荒々しい息づかいと、土を蹴って駈ける蹄の音。想像しただけでもわくわくしてきます。

圧倒的なラストスパートでドラマティックな優勝を勝ち取った馬の名はMine That Bird。掛け率は50:1で優勝候補のレーダーにも入らない人気17番のダークホースです。TVカメラはこの馬をマークしていなかったので、前半は画面には映っていませんが、ほとんどビリの位置から一挙に追い越してトップに走り出る様子は、まるでハリウッドの映画をみているようです。

自分がジョッキーになった気分で、まずこのビデオをみてください。




ジョッキーのカルヴィン・ボレルは、独自に生み出した最短走行のテクニックで外から内側にカットイン。(ビデオの1:48をご覧ください)。 そのあとは追随を許さぬ独走で6馬3/4をあけて、ケンタッキーダービー史上2番目(1913年以来)の記録をうちたてました。

優勝直後、ボレルの口から出た最初の言葉が”I love Mommy and Daddy!”。父を亡くし、昨年母をも亡くしてしまった彼は 「お父さんとお母さんに見てもらいたかった!」と溢れ出る涙を袖でぬぐいながら叫びました。

「僕は勉強に興味はなかった。馬が好きでどうしてもジョッキーになりたかったんだ。そんな僕が学校を中退してジョッキーになりたいと言ったとき、両親は反対しなかった。するどころか無条件でサポートしてくれたんだ。」(今の僕があるのは両親のおかげと言いたげなボレル。そうか。無条件のサポート・・・ねえ。)

同じ週末に、ボレルとは対照的な子供時代を過ごしたショーン・オヘアが、ゴルフトーナメントで優勝しました。彼の父親が2億円の全財産を投じ息子にゴルフの天才教育をほどこしましたが、自分の夢を子供にたくした親子関係に破綻をきたし、息子はプロになった時点で父親と絶縁。(プロアスリートに意外に多いのがこのケース。我が子がチャンピオンになったというのに・・・これは悲しい)

フッと我が家の息子の顔が。最近全然連絡してこないけれど、一体大学で何をしているのやら。ここ半年クラブミュージックのDJに凝っている息子をみて気がきでありません。あれほどクラシックやジャズピアノをよく弾いていたというのに、クラブミュージックとは・・・(トホホ)しかしオヘアのような期待過剰な親になって子供から疎遠にされるのも辛い。かといってボレルの親のように全面的なサポートも、事と次第によるわけで自信がない。親って辛い。

[Twitterミニ情報]
ナルバンディアンが5月13日に腰の手術をする予定です。詳しくはTwitterでどうぞ。




投稿者 Tennisnakama  04:03 | コメント(9)| トラックバック(0)

Twitterでミニ情報をどうぞ

Twitterでテニスミニ情報を流し始めてから2週間がたちました。英語もまざったヴァラエティーに富んだニュースをご覧になっていただけます。

現在98人のテニスファンに参加していただきました。手続きは簡単ですので、まだ参加されていない方はぜひ仲間になって楽しくおしゃべりしましょう。
http://twitter.com/

以下はもっとも最近のTwitterテニスニュースです。

5月5日
Check it out! These are hot pants! They're B-brothers. http://twitpic.com/4lf7s 

(ブライアン兄弟の写真。ミュンヘン大会のPRでババリアの民族衣装が似合っています)

5月5日
ジュニア・アジアの星、16歳のユキ・バンブリYuki Bhambriを応援していますが、チャレンジャーに優勝してランキングが1458位から839位にジャンプしました。ちなみに錦織選手は同じ16歳10ヶ月のときはユキ君と同じく800番台でした。やっぱり圭君はすごかった!

5月5日
世界でもっとも注目されているジュニアは、オーストラリアの16歳5ヶ月のバーナード・トミック。すでにランキング373位で、しかもフレンチオープンのワイルドカードを獲得して本戦エントリーします。ちなみにGS最年少優勝はチャン(17歳)とヒンギス(15歳)。今では不可能な若さです。

5月4日
2位のセリーナ・ウィリアムズは「本当のNo.1は私よ」とNo.1のサフィーナに噛みつきました。「だって彼女はGSタイトルはゼロ。誰がみたって私が世界一だわよ。」サフィーナには気の毒ですが、言えてます。ヤンコヴィッチもタイトル無しでNo.1でした。これだから女子テニスが面白くない。

5月4日
サフィーナの反撃:セリーナの言葉に「でも私のほうが若いもの。経験の差だわ。No.1は空からふってきたものじゃないわ。運じゃない。自分で勝ち取ったもの。昨年だって4つタイトルを取ってるわ。」でもね、GSタイトルのないNo.1は説得力に欠けます。だからサフィーナ、全仏優勝頑張れ!

5月3日
来週からミュンヘンでクレーの大会が始まりますが、昨年の優勝者のゴンザレスが足首の怪我で欠場します。ローマ大会の準決勝でナダルと対戦したときの怪我だそうですが、それにしても毎週戦い続けているナダルの膝が心配です。



投稿者 Tennisnakama  22:06 | コメント(3)| トラックバック(0)

ナダルはアンタッチャブル

立て続けに3週間、モンテカルロ、バルセロナ、ローマとクレー大会で少し疲れてきましたね。観戦しているだけで疲れるのですから、毎週移動をしながら試合をしていかなくてはならない選手たちは疲労困憊。特に最後まで残って激戦を続けるナダルのメンタルとフィジカルの疲労度は想像を絶するものがあると思います。

でも何だかんだといいながら、いつものようにナダルが勝ってしまうのは驚異としかいいようがありません。メディアのトーンも従来のKing of ClayからもはやUntouchable Nadalに変わってきています。数年前に無敗を誇ったフェデラーの勢いを感じます。

Rome Final: Nadal def Djokovic: 7-6, 6-2




Djokovicの進化
さてローマ決勝は、ナダルが7-6, 6-2で予想通りの優勝をとげましたが、ジョコヴィッチはフィジカルの両面で大きく進歩したと思います。一ヶ月前にトレーナーを変えてから、今まで肩で息をしていた動作がなくなりました。フットワークも途切れることなく、以前はとれなかったコーナーショットがカウンターできるようになってきました。

フィジカルの向上とともにメンタルも強化も印象に残りました。ときどきショットの選択が甘くナダルにたたかれることがあっても、ダウンされた状況から諦めないでアグレッシヴに挑戦するメンタル力は今までにあまりみられなかったものです。

第1セットの初っぱなからブレークされてしまったジョコヴィッチは、第9ゲーム(ナダルvsジョコヴィッチ:5-3)でもブレークポイントを迎えてしまいます。この肝心なときにベストなショットが打てるかどうか? 2-3のポイントが決定的となるハイレベルの試合では、集中力とガッツが勝敗を左右します。ジョコヴィッチはこの大切なポイントを、サーヴィスウィナーを決めてブレークを免れました。

ブレークの内容
第1セットはお互いに2度ブレークし合ってタイブレークとなりましたが、ブレークされたのが自分のエラーに原因しているのか、相手のウィナーによるものなのか? ブレークの内容が意外に見過ごされているように思います。ナダルがブレークされたゲームは、彼がウィナーを狙ってわずかにサイドラインからアウトしたunforced errorの場合が多く、反対にジョコヴィッチの場合は、ナダルのショットによってforced errorになった場合が多いのです。

ナダルの第1セットはエラーを恐れないで、アグレッシヴにウィナーを狙ってオフェンスの態勢を崩しませんでした。これはとても大切なことで、もしナダルが第1セットを失ったとしても、必ず後の2セットで取り戻せる自信があるからこそ、このラインぎりぎりのショットを打っていけたのだと思います。このナダルの止むことのない攻撃は、ジョコヴィッチにとって一球もミスのできない大きなプレッシャーとなり、つい勝ち急ぎをしたり、無理なショットを打ったりとミスが増えていきました。

「もう少し我慢をしてベースラインからラリーを続け、正しいショットの選択をするべきだった。接戦になったときにエラーをしてしまう。プレッシャーが高くなった決定的な瞬間を、ナダルの方が克服するのがうまい。だから彼はNo.1なんだ。」とジョコヴィッチはナダルを賞賛しています。

プレッシャーに強いNadal
第1セットのタイブレークに、ナダルのメンタルの強さが現れました。ナダルのとった7ポイントのうち、5ポイントがジョコヴィッチのエラーです。勝ち急ぎでロング、狙い過ぎでワイド、2度のドロップショットのミスなど、焦ったジョコヴィッチが如実にでていました。

第2セットでもジョコヴィッチがプレッシャーにうまく対応できなかったため、ブレークされてしまったゲームは第6ゲーム(3-2)です。デュースでジョコヴィッチはネットにひっかけ、ブレークポイントでダブルフォルトをしてしまいます。このダブルフォルトは決定的でした。このブレークで勢いを得たナダルは、次々とスーパーショットのウィナーを打ち続け手がつけられなくなってしまったのです。

Djokovic can’t keep up with Nadal’s intensity! と解説者が叫びました。ジョコヴィッチは必死でナダルに対抗しますが、ナダルのウィナーの嵐にあって崩壊の一途をたどることになります。 そしていつものパターン。対戦者は焦り、ミスを重ね、最後は一発を狙って自滅してしまうのです。

ジョコヴィッチが5月11日に4位に転落、マレーが3位に
私はランキングシステムに疑問があるので、ランキングを気にしないことにしています。というのは過去一年のトータルの成績ですので、いろいろ不思議なことが起こるからです。例えば来週にジョコとマレーの順位が逆転します。ジョコがローマで準優勝しても、初戦で負けてしまったマレーに3位を譲らなくてはならないのです。

ジョコは昨年ローマで優勝しているため来週に1000ポイントを失ってしまいます。たとえ今週のベルグラードで優勝したとしても250ポイントしか入らず、計750ポイントを失うことになります。反対に昨年のクレーで成績のよくないマレーは失うのは70ポイントのみで、ポイント数の総計ではジョコヴィッチを上回ってしまうのです。ローマでクウォリーに初戦で負けたマレーは3位にアップ。準決勝まで行ったジョコヴィッチは4位へダウン。こういうわけのわからないことでアップセットしないためにも、ランキングはほどほどにしておきましょう。What matters is being No.1. フェデラーも言っているように、No.1以外はあまり関係ないということでしょうか。

ボールの色をグリーンに
5月10日からマドリッドマスターズ、そしていよいよフレンチオープンが25日から始まります。これでクレーシーズンが終了、見づらい黄色のコートともお別れです。いつも思うのですが、観客フレンドリーに、クレーだけは見やすい色にボールを変えてもらうと嬉しいのですが。

数年前にピンクボールを買ったことがあります。「乳がんをストップ」の運動で、ボールをピンクにしてその売り上げを基金に寄付した会社がありました。すばらしいアイデアでめずらしいピンクボールはあっという間に売り切れました。テニスボールは昔は白だったのですから、このようにいろんな色があってよいと思います。そこで提案。クレーでは見やすくボールをグリーンにして、売り上げをエコフレンドリー運動に寄付してはどうでしょう? 



投稿者 Tennisnakama  00:18 | コメント(6)| トラックバック(0)

傷ついた王者

後30分でナダルvsジョコヴィッチのローマ決勝が始まります。

この二人の対戦はある程度予期された顔合わせですが、それにしてもナダルはますます強くなりました。ときどき彼らしからぬミスをするのをみて、人間味を感じてホッとすることがありますが、ゴンザレスとの準決勝は試合が一方的で、最後は居眠りをしてしまいました。今日の決勝はジョコヴィッチに頑張ってもらって、スリルのあるゲーム展開をしてほしいものです。それでないと毎週同じようなメンバーでは退屈してしまいます。

Djokovic def Federer




Djokovic def Federer: 4-6, 6-3, 6-3
最近フェデラーが早く姿を消してしまうので、トーナメントも寂しくなりました。ジョコヴィッチとの準決勝をみても、第1セットの勢いを維持しつづけることができず、ガタガタと崩れていったフェデラーに、彼のもろさを隠しきれませんでした。

「いろいろブレークする機会があった。普段の僕ならその機会を逃してしまうような試合はやらないのに。」

第2セットから降り出した雨が試合を流れを変えたともいえますが、雨で試合が中断しなくても、ジョコヴィッチは自力で流れを変えることができたと思います。フェデラー自身がそれを認めたコメントに、フェデラーの傷が思った以上に深いことを感じました。

「僕はとてもよくプレーできていた。サーヴも必要なときは彼(ジョコヴィッチ)にプレッシャーを与えることもできた。あの雨の試合中断は、彼にとっては流れを変えるパーフェクトな瞬間だった。でも雨が降らなくても僕は負けていたかもしれないけれど。」

最近のフェデラーをみていると、ガラスのように壊れやすくなってしまったもろさを感じます。もろさの奥に、「メンタルの問題」「コーチが必要」と簡単に片付けられない問題の深さ、つまり「自分に対しての疑いの心」を感じるのです。

そのようなフェデラーをみると、ひょっとしてイチローではありませんが「心が折れてしまった」のでは?と思ってしまうのです。

折れそうになった王者が見事なカムバックをみせてくれたのは、アガシとサンプラスです。アガシの141位から1位へのカムバック。2年間のスランプの末、獲得したサンプラスの14個目のGSタイトル。フェデラーも出来ると信じます。

現に技術的なことを言えば、ショットがはるかに安定してきましたし、特にフォアのインサイドアウトでウィナーがとれてきています。フットワークはフォア側に少し問題がありますが、これもトレーニングでもっと軽やかに動けるはず。

自分が不利になってくると、しのびよる「もう僕は駄目かもしれない」という疑問をまず払拭しなくてはなりません。折れそうになる心を支えるのは心身のトレーニングによる「自己に対する自信」なのですから。

「 腰を痛めたことが原因かもしれないけれど、今はサーヴが思ったところへ打てていない。このサーヴの問題はパリまでに(全仏オープン)何とかフィックスしなければ・・・今の僕にはクレーでやらなければならないことがいろいろある。」

フェデラーが最も手に入れたいものは、ローランギャロスのタイトルです。今となっては実現の可能性が薄いゴールとなってしまいましたが、彼の挑戦への決意は変わりません。折れた骨はさらに強靭になるように、折れてしまった心もさらに強靭になれるはず。もうこれで「めそめそフェデラー」にお別れです。



投稿者 Tennisnakama  22:30 | コメント(9)| トラックバック(0)

波乱のローマ

[ちょっとパーティーが続いてくたばっています。(昼はテニスパーティ、夜はいろんなパーティ)お酒の飲み過ぎもあるようで,朝はお医者に行ってきます。午後から試合が入ってますが、大丈夫かなあ・・・]

さて、ローママスターズがいよいよ終盤戦を迎え、金曜日は準々決勝で、今ジョコヴィッチvsデルポトロが戦っています。第1セットはジョコが6-3とリードしていますが、デルポの本調子が出ていないのでこれからです。

今回のローマは、8強の中に二人もクウォリー(予選通過者:QualifierのことをQualieと呼んでいます)が含まれて波乱万丈のマスターズとなりました。

Monaco
まずはマレーがモナコに破れてしまいましたね。モナコはアルジェンチンの25歳の選手。一見なよっとしていますが、昨年の2月は14位まであがった選手です。キーファー、マレー、シリッチを倒したあと、金曜はいよいよゴンザレスと対戦します。ウィナーをがんがん打つタイプではなく、地味ですが確実なショットでゲームを組み立てていきます。準々決勝はゴンザレスが相手ですが、彼はまだ本調子とはいえず、モナコがいい線をいくかもしれません。

モナコはATPの8月のカレンダーに載っています。半裸でモデルにしてもよいくらい雰囲気があって、よい感じです。Twitterで紹介していますが、ごらんになってください。(このカレンダーはテニス用に毎日使っています。)
http://twitpic.com/49r6p


Verdasco
今年の全豪の準決勝を覚えていらっしゃる方も多いと思います。ナダルは5セット、6-7(4) 6-4 7-6(2) 6-7(1) 6-4で辛うじて勝ちましたが、あの壮絶な試合でべルダスコは一躍世界に名をとどめることになりました。彼はベースラインから大胆にウィナーを狙って打ち込んでくるダイナミックなストロークが魅力です。過去に二人は7回対戦しており、ナダルの7勝0敗となっていますが、ここ最近のべルダスコは、ラスベガスのトレーニングによってめざましく強くなってきているので油断ができませんが、エラーが多いのが致命傷です。

Nadal
ソダーリングとの戦いで、ナダルはほぼ完璧に近い試合を見せてくれました。6-1, 6-0とスコアは一方的でしたが、試合の内容は濃く、ソダーリングの武器であるビッグサーヴとフォアハンドがナダルを苦しめましたが、ナダルのショットが実に正確でライン上を攻めるウィナーショットが続き、ソダーリングは最後はなすすべもなくベーグルとなってしまいました。

ナダルがますます攻撃的になりました。サイドライン上に何度球が落ちたことか!逆にこれほど正確なショットができなければ、ナダルに勝てない!解説者はナダルのあまりにもの精度の高いショットを、pin-point accuracyと驚愕の声をあげていました。

「今日の試合はとてもタフなものだった。スコアはそうみえないけど。どちらが4-1になってもおかしくない試合だった。僕の今までの試合の中でベストだった。」とナダルは謙遜して述べていますが、前回のセッピとの試合も同じようなことを言っていましたので、ナダルは好調でますますギアがあがってきていることは確かです。

ソダーリングとには逸話があり、ここでビデオを紹介します。以前ナダルと対戦したソダーリングは、ナダルがサーヴまでの時間がかかりすぎるので、わざとからかってナダルの集中を妨げようとした行為をみてください。ソダーリングは”He has an attitude.”(態度が悪い)ことでも知られる選手ですが、このジェスチャーで世界のナダルファンからひんしゅくを買ってしまいました。




Federer
モナコであっさりと早退してしまったフェデラーに大きな疑問が残ってしまったため、クレーでのカムバックは誰も話題にもすることもなく(メディアの間で)寂しい思いをしておりました。しかし昨日のステパネックとの試合は6-4, 6-1でエラーも18と少なく、「ひょっとして決勝まで行けるかも」という期待を抱かせる質の高い試合をみせてくれました。

フェデラーはサーヴで自分のリズムを上げていきますので、サーヴが悪いとショットにも影響がでてきます。しかし今回のステパネック戦では、第1セットはフェデラーの1stサーヴが33%と低いにもかかわらず(ステパネックは61%)、サーヴの質がよく、1stと2ndの合わせたサーヴィスポイントの合計は、フェデラーが18ポイント、スパネックが17ポイントでフェデラーのほうが上回っています。第1セットはサーヴが入らなくても、ポイントがとれる展開ができたのは、彼のエラー(unforced error)が少なくなってきていることが原因だと思います。ショットも正確さをまし、エラーはわずか18と、フェデラーにしては少ないエラーでした。粘りよくラリーを続けられるショットの確かさが出てきたことは嬉しい限りです。今までは攻撃前にエラーで自滅していましたので。

気になった点はanticipation(予期すること)です。目から情報を得てプロセスするまで、ちょっと時間が以前よりかかっているような気がして、モーションのとりかかりが遅い気がします。しかし、これも試合数が増えるに従ってシャープになっていくとは思います。

Zverev
フェデラーの準々決勝の相手はクウォリーのツヴェレフ。まだ21歳のロシア出身で、シモンに執拗に食い下がりリズムを与えずシモンは敗退してしまいました。ツヴェレフは左利きでビッグサーヴが得意。それにフォアとバックのストロークが確実でディフェンスもうまく、しかもネットダッシュも盛んに行うall-roundタイプの選手です。予選から上がってきたとはいえ、バーディッチ、マティウ、シモンを破ってきたのですから、相当な自信になっているはずです。フェデラー戦では、捨て身でやってくるでしょう。フェデラーは対戦したことのない選手には弱いので要注意です。

Djokovic
今、ジョコヴィッチがデルポトロに勝利を決めました。準決勝はフェデラーかツヴェレフとなります。フェデラーにぜひ勝ってもらってジョコヴィッチとの試合が観戦できればよいですね。
二人の対戦成績はフェデラーの7勝3敗。しかしフェデラーはクレーでは負けていませんので、とても面白い試合になること請け合いです。

前回のロブレド戦ではあまりにもロブレドの調子が悪く、勝って当然の試合でしたので、ジョコヴィッチのテニスのレベルが分かりませんでした。今日のデルポトロは原稿を書いてましたので、ときどきしか観ていませんが、ジョコヴィッチが安定した実力をみせてくれたように思います。デルポはエラーが31と多く、その割にはウィナーが8でエラーが足を引っ張りました。ジョコヴィッチはウィナーが20と思い切りのよいショットが決まったようです。

さあ、これからフェデラーとツヴェレフが始まります。

Hop Roger!






投稿者 Tennisnakama  21:45 | コメント(5)| トラックバック(0)