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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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US Open初日です

今からでかけるところですので、まだこの記事はブランクですが、帰宅後この空白を埋めていきます。

今日はTwitterで実験をやってみたいと思います。やっと日本語の入力も教えていただいて分かり、iPhoneからの写真もTwitterに載せることをおぼえましたので、やってみたいと思います。iPhoneの写真もよく映るようにアプリケーションをインストールしましたが、どうでしょうね。写真の質はあまり期待できませんが、雰囲気だけでもお伝えできればと思います。

試合の結果やスコアはATPのサイトでみれますので、私は生観戦している者にしか提供できない情報を狙っています。

Twitterに登録していない方でも、以下で読めますのでフォローしてみてください。

http://twitter.com/tennisnakama

では出陣!

投稿者 Tennisnakama  23:06 | コメント(3)| トラックバック(0)

アーサー・アッシュ・キッズデイ

子供たちにテニスの面白さを分かってもらおうと、入場料10ドルのアーサー・アッシュ・キッズデイが毎年US Openのキックオフのイヴェントとして、スタジアムで行われます。

スター選手を迎えてエグジビションをやったり、ゲームをやったり。私が息子を連れて行ったときは、サンプラスとラフターが出てました。ラフターは今でいうサフィンクラスのイケメンNo.1。特にポニーテール時代は、一見サムライのごとく見え、その凛々しく甘いマスクは世界中の女性を惹き付けたものでした。

ラフターのセクシーな写真はこちら: http://bit.ly/YkvAu

このイヴェントに参加したのは、フェデラーロディック、マレー、ブレイク、シャラポヴァ、セリーナ、イヴァノヴィッチ、そしてカムバックをとげたクライスターズ、と豪華メンバーでした。

ここで注目してもらいたいのは、ミックスダブルスでイヴァノヴィッチとペアを組んだブリトンという青年。彼はいわゆる全米インカレの今年の優勝者です。実は彼がフェデラーの初戦の相手なのです。プロになる前にすでにフェデラーと対戦できるなんてラッキーな大学生です。

TVのスクリーンをビデオにしたものですので画質がよくないですが、雰囲気だけでも味わってください。最後の方でものすごく面白くなってきますので、くれぐれもお見逃しのないように。



いよいよ明日は朝9時半出発。夜の12時に帰宅の予定です。(試合が長引けば夜中の1時かも。)この過酷なスケジュールが3日間続きますので、アップの方は余り期待しないでください。何しろ昨年撮った写真3000枚が一度にあっという間に消えてしまいましたので、また一からやり直しをするつもりです。(もうショックで寝込んでしまいました)ですから選手の写真撮影に奔走すると思います。

いずれにしても最初の2、3ラウンドはそれほど見応えのある試合は期待できませんので、会場の雰囲気などをご報告できればと思っています。

投稿者 Tennisnakama  09:51 | コメント(7)| トラックバック(0)

小柄な選手の将来は?ニューコム氏に聞く

8月7日の記事『伝説のニューコム氏が答えてくれます!』の記事で皆さんからいろいろ彼に対してご質問をいただきました。

Tennisassist.comはオーストラリアのサイトですが、ジュニアの養成を目的として、マイケルとピーターによって運営されています。今回はジョン・ニューコムとトニー・ローチの両氏にインターヴューをするので、質問があったら聞いてあげるよ、ということで参加させていただきました。

ジョン・ニューコム John Newcombeとは、オーストラリア人でグランドスラムのタイトルは、シングルス7個(全豪2個、ウィンブルドン3個、全米2個) 、ダブルスでは何と17個、計24個のタイトルをとっています。ですからダブルスを含めればフェデラーも足下にも及ばないタイトルの数です。

元世界No.1で、パワフルなサーヴを生かしたサーヴ&ヴォレーがプレースタイル。同じオーストラリア人のトニー・ローチ(元フェデラーのコーチ)と組んで、ダブルスでGS12個のタイトルの記録は今だに破られておりません。特に世界でもベストに数えられるほどパワフルな2ndサーヴは有名です。

現在ニューコム氏は、テキサスで、テニス牧場 The Johne Newcombe Tennis Ranchを経営しています。ここはテニスをしながら、いろんなアドヴェンチャーもできる、アクティヴィティが盛りだくさんのテニス好きな人にとっては最高のヴァケーションスポットとなっています。

このテニスランチでは、ジュニアの養成にも力を入れていて、私たちもこのテニスアカデミーのアダルトキャンプに入ることができます。詳しいことは以下のサイトをご覧ください。
http://www.newktennis.com/tennis-academy-38.html

このインターヴューはオーストラリアで実際テニスのジュニアの指導にあたっているピーター・トラマッチが行っていますので、大変よくできたインターヴューとなっています。その一部を紹介したいと思います。
http://tennisassist.com/john-newcombe-interview-aug-2009-part-1/

ジョン・ニューコムに聞く
Q:tennisnakamaからの質問です。「現代のテニスは昔と違ってパワーテニスに変化してきています。錦織圭は怪我で長い間休戦しています。パワーテニスの中で175cmくらいの体格の選手が、怪我をせずトップになれる可能性はあるのでしょうか?」

ニューコム:今のテニスは確かにビッグマンゲームとなってきている。(ニューカム氏は183cm) 今の選手はほとんどが6フィート(183cm)以上だ。長身だとサーヴを中心としたゲームができるからね。しかし小柄な選手にとっては、彼らに対抗するのはむずかしいが、不可能なことではないと思う。

実際レイトン・ヒューイットは6フィートもない(180cm)が、世界No.1になっている。小柄な選手はサーヴが一般に弱い。サーヴはパワーだけではないので、効果的なサーヴを打てることが大切となる。

Q:では小柄な選手はどのような武器をもてばよいのでしょうか?

ニューコム:(1)小柄な選手の長所はクイックであるということ。今日のテニスは体のサイズに拘らず、クイック(速い動き)でなければならない。

(2)好いサーヴが打てることも必要だ。

(3) taking the ball early(早めにボールを打つ)ということも重要。今はトップスピンが多くかかったショットなので、早めに打たなければボールが高く跳ね上がってしまい、ヒッティングゾーンからはずれてしまうからだ。

そのためには、前方にステップインする。ボールをカンフォートゾーンで打つ。俊敏なフットワーク。優れたhand-eye-coordination。これなどが必須条件となる。

何メートルもベースラインから下がってしまうと、コートが空いてしまうので、相手にゲームをコントロールされてしまう。例をあげれば、アガシのようにオンザライズ(on the rise)で打つテニスだ。

Q:またベルギーのローカス兄弟やイスラエルのセラなどは、前方に出てきますね。

ニューコム:興味深いのは彼らはすべて片手バックハンドであること。小柄な選手のほとんどはパワーを出すために両手だが、これはワールドクラスになると、片手は出来ないことはないということを証明している。

Q:ジュニアの選手にとって最も大切なのは?

ニューコム:すべてのストーロークをマスターする必要があるが、その中でも最も大切なのはサーヴだ。これは小さいときに基礎を身につけていないと、後になってマスターするのが非常にむずかしいからだ。もちろんパワーはないが正しいアクションを体で覚える必要がある。パワーは後についてくるので、効果的なサーヴは大きくなったときに習得すればよい。

1970年代初期に日本へ行ったときのことだ。石黒修選手とテニスキャンプを開いたことがあったが、このサイズの質問が出てきてね。「日本人の体格では、偉大なテニスプレーヤーになるには背たけがたりないので無理だ。」というんだ。

でもケン・ローズウォール、ロッド・レイヴァーは二人とも173cmくらいだ。彼らはとても腕相撲で勝てるようなパワフルな選手でないけれど、テニス史上でベスト8に入るくらい優れた選手たちだ。

小柄な選手の長所は、左右の動きが速いということ。大きな選手よりも左右の動作のスピードが速いので、その長所を生かして左右に相手を振るゲームをする必要がある。

ジュスティン・エナンがパーフェクトな例だ。小柄な彼女はウィリアムズ姉妹のパワーゲームに勝つために、膝から上の筋肉を強化して、パワフルなショットを打てるために激しいトレーニングを重ねてきた。そして世界NO.1に君臨することができた。このように、ある部分の筋肉を強化することによって、パワーショットに対抗することができる。つまりフットワークを生かしたゲーム展開の中で、自分がコントロールできる作戦を組み立てる必要がある。

(次回はyamaさんからいただいた「片手バックハンドの将来は?」というご質問に対する彼の意見を紹介したいと思います。お楽しみに。)

投稿者 Tennisnakama  00:26 | コメント(3)| トラックバック(0)

速いサーフェス、遅いサーフェスとは?

テニスのシーズンは、ハード(全豪)に始まり、クレー(全仏)、芝(ウィンブルドン)、そしてハード(全米)のサーフェスでシーズンが終わります。しかし私たちのほとんどがこの3種類すべてのサーフェスの経験があるわけではありませんので、違いが分かり辛いと思います。

私はサーフェスの環境に比較的恵まれていて、普段はインドアのハード(US Openと同じデコターフ)ですが、夏はレッドクレーとグリーンクレーでプレイをしていますので、違いが多少わかります。

しかし実際いろんなサーフェスでプレーをしなければ、サーフェスが速いとか遅いとか言われても、よく理解できないのではないかと思います。

そこでUS Openが開催される前に、速い、遅いということはどういうことなのか? について書いてみたいと思います。

コートの速さは、ボールがコートにバウンドする仕方で区別されます。

しかし同じUS Openでも、日によって、解説者はIt’s fast today. とか、It will be slow tonight.とか言う場合があります。

サーフェスが同じでも、気候の変化によって速くなったり遅くなったり、回転がかかったり、かかりにくくなったりといろいろ微妙に違ってきます。ナダルがよく試合中にストリングのテンションを変えるために、ストリンギングのやり直しをリクエストしていますね。全豪だったか全仏だったか忘れましたが、試合中に7本もre-stringingさせた記録があります。(TVでストリンガーが語っていました)

これは温度や湿度によってボールのバウンドの仕方が異なるためですが、今回は話がややこしくなりますので、ボールのコンディションを含まず、サーフェスだけについて説明してみたいと思います。

さて実験です。

まったくスピンのかかっていないボールを芝、ハード、クレーのサーフェスに同じ打ち方で前方に打ちます。ボールはコートに落ちた後、トップスピンが生まれ前方に飛んでいきます。

速いサーフェスとは:
ボールのバウンド後の弾道の曲線がフラット気味(低く跳ねる)

遅いサーフェスとは:
ボールのバウンド後の弾道の曲線が大きい(高く跳ねる)

つまり弾道の曲線の違いで速い、遅いを決めるわけですが、ではこの跳ね方の違いはどこから生まれてくるのでしょうか?

それはコートとのコンタクト時の摩擦の多少です。

大雑把に言って、すべすべしているほど摩擦が少なく(芝)、ザラザラしているほど摩擦が大きくなります(クレー)。摩擦が少いと滑っていくように飛んでいきますので、直線気味となりボールが目的地(相手)に早く着きます。

コートの中で最も速いのはラインつまりテープです。テープの上に落ちたボールは、打てる位置にいてもカウンターショットが出来ないのは、ツルツルのサーフェスで摩擦が少なく、スキッドしてしまうからです。

逆にクレーは摩擦が多いので、トップスピンにさらにスピンがかかり高く跳ねます。ですから高く上がった分だけ時間が長く、スピードも摩擦によって減少して、目的地(相手)に着くまで時間がより多くかかります。

ナダルの強烈なトップスピンがなぜクレーで有効なのか?
それは彼のスピンがクレーとの摩擦によって増幅され、さらに高く跳ねるからです。

フェデラーのバックハンド・スライスが、ウィンブルドンで有効なのは?
バックスピンをかけることにより、コンタクト時に生まれるトップスピンを相殺し、芝を這っていくようなショットを生み出すことができます。ですからクレーではトップスピン、芝ではスライスが武器となります。

ではUS Openのようなハードコートのサーフェスの速さは?

ここでBiomedical engineering principles in sports で発表された実験データをご紹介します。

(実験)同じくスピンのないボールをできるだけ同じ角度でコートに入れ、バウンス時の角度を測定したものです。

IN:コートにボールがコンタクトしたときの角度
OUT:コートにボールがコンタクトした直後の角度

ウィンブルドン: IN 24.2 OUT 28.6
US Open: IN 23.9 OUT 32.9  
ローランギャロス: IN 24.3  OUT 34.7

INの角度に多少の誤差があるとしても、これだけバウンドする高さが違ってきています。つまりサーフェスは、ウィンブルドンが最も速く、 ローランギャロスは最も遅くなります。しかし芝は特殊なサーフェスですので、一般的にはハードをfast surface、クレーをslow surfaceと区別して呼んでいます。

では US Openで勝つにはどのプレースタイルが有利でしょうか?

高いサーヴの確率
昔のようなサンプラスやラフターのようなServe & Volleyが、今のハードでは勝てなくなってきているのは、ラケットとストリングのテクノロジーの進歩で、リターンゲームが向上したためと、強烈なパッシングショットが可能になったからです。速いサーフェスですので、その特典を生かしてサーヴィスゲームを確実にホールドする必要があります。

ベースラインから下がらない。
下がってしまうとオープンコートを作ってしまうことになり、クレーで追いつけても、ハードではボールが速いので追いつけなくなります。

ラリーを続けない。
試合展開が速いので、相手のエラー待ちのディフェンステニスはできません。ネットダッシュしてヴォレーで決めるプレーが効果を発揮します。

理想はベースラインもネットもできるall rounder。やっぱり落ち着くところはフェデラーですか。

(追記)
シモンの練習をしっかり観てきましたが、彼はチリッチとの練習試合(シモンが勝ちました)の後も、残ってアプローチショット+ヴォレーの練習を繰り返してやっていました。

これは大変喜ばしいのですが、練習試合中は相変わらずベースラインから下がって打っていましたので、これがちょっと気がかり。彼のフラットなフォアハンドはいつでもウィナーになるパワーがあるのですが、後ろに下がってしまっていてこの武器を使えない。

オンザライズで打つことができるのですから、必要なのはアグレッシヴなメンタルです。これはナダルにも当てはまります。二人とも膝を痛めているのもカウンターパンチャーからくるラリーの負担が原因。選手生活を短縮してしまわないためにも、最初は負けるつもりでベースラインのテニスに慣れてほしい。


コーチに「シモンは日本に来てくれますよね?」と尋ねると「楽しみにしてるよ」との返事。しかし「膝の具合はどうなんですか? 大丈夫なんですか?」としつこく尋ねると、「I hope so」という返事。つまり膝がよければ日本に行きますよ、ということでした。

「US Openであんまり走り回らないでね。」とはちょっと身勝手なお願いですが、シモンもナダルも膝がこれ以上悪くなりませんように・・・



投稿者 Tennisnakama  11:39 | コメント(20)| トラックバック(0)

US Oopen予選に行ってきました

今までUS Openの2回戦の予選には行ったことがなかったのですが、 18歳の人気のドミトロフ、 伊達選手、伊藤竜馬選手、ポランスキー(観たい順番)の予選があるというので、重い腰を上げて行ってきました。

しかし本当に行ってきてよかった! Seeing once is better than hearing a thousand times. ごちゃごちゃと説明するよりも、「一見は千聞にしかず」(英語では千回聞くことになってます)

ビデオにしましたので私と一緒にUS Openの予選日に出かけてみませんか?




US Openにこれからあしげく通う予定ですが、Twitterで現場から情報を送っていますので、よかったらこちらのサイトにも訪ねてきてください。
http://twitter.com/tennisnakama/

もしtennisnakama/のあとにいろいろついてくるようなら、それらを削除してtennisnakama/で終わるようにしてください。

今日はドローの発表日でもありましたね。もしベスト8がQFにでそろうことになれば、以下の対戦となりますね。ナダルが初戦でガスケと対戦というとんでもないドローになっていますが、ナダルはのりこえてくれると思います。(かわいそうなのはガスケですね。今日も何となく元気がありませんでした。)

フェデ山
フェデラー(1)vs ダヴィデンコ(8)
ジョコヴィッチ(4)vs ロディック(5)

マレー山
マレー(2)vs デルポトロ(6)
ナダル(3)vs ツォンガ(7)

こうなると、SFはフェデvsジョコ、マレーvsナダル。そしていつものようにトップ4の戦いとなって、決勝はフェデvsマレー、そして優勝はフェデラーの手に。US Openは4GSの中で最もレベルの高いトーナメントと知られていますので、やはり一番強いフェデラーが優勝? 今年はFedex号はブレーキなしで爆走するかもしれません。
投稿者 Tennisnakama  17:02 | コメント(32)| トラックバック(0)

US Openのシード選手たち

US Open 2009のシードが発表になりました。

このシード順位は今週8月24日付けのランキングの順位と同じです。グランドスラムのシード選手は32名まで。なぜ32かといいますと、グランドスラムは128選手が参加しますので、ドローに不公平が生じないように選手を振り分けるために、32のグループで構成されています。1グループは4名でその核をなすのがシード選手です。これによって2回戦まではシード選手同士の対決はさけられることになり、順調にいけばトップ32選手が3回戦まで残れることになります。今年のUS Openのシードは、ナルバンディアンを除くトップ32名が参加するという密度の濃いトーナメントとなりました。

このシード問題を述べる前に、まず昨年のUS Openの結果のおさらいです。

2008年Federer優勝 
決勝:
フェデラー def マレー

SF:
フェデラー def ジョコヴィッチ
マレー def ナダル

QF:
フェデラー def ミュラー
ジョコヴィッチ def ロディック
ナダル def フィッシュ
マレー def デルポトロ

昨年はシード8の選手の中で、フェレールとナルバンディアンが3Roundで敗退、ダヴィデンコが4 Roundで敗退してしまい、ミュラー、フィッシュ、デルポトロがQFに進出しました。

今年はフェデラー、マレー、ナダル、ジョコヴィッチ、ロディック、デルポトロ、ツォンガ、ダヴィデンコがベスト8ですが、さてこの中でQFに残れるのはどの選手なのか?

サーフェスの速さが影響してきますので、シンシナティについで速いUS Openは、まさにフェデラーが得意とするサーフェスです。この中で最も危ぶまれるのはツォンガです。過去2トーナメントともR32止まりで今回も未知数。次はダヴィデンコ。今ニューヘイヴンで勝ち進んでいますので、優勝などしてしまえば大変な体の負担になります。肝心のUS OpenではQFまでいけるエネルギーが果たして残っているかどうか。

ここでトップシード20の選手たちの一年を振り返ってみたいと思います。

2009年US Openのトップシード20です。
赤字の選手は上昇気流にのった選手たちです。
(1)フェデラー 
(2)マレー (昨年はシード6)
(3)ナダル  
(4)ジョコヴィッチ 
(5)ロディック
(6)デルポトロ (昨年はシード17)
(7)ツォンガ
(8)ダヴィデンコ
(9)シモン (昨年はシード16)
(10)べルダスコ
(11)ゴンザレス
(12)ソダリング (昨年はシード無し:ランキング34位)
(13)モンフィス (昨年はシード32)

(14)ロブレド 
(15)ステパネック
(16)チリッチ (昨年はシード30)
(17)バーディッチ
(18)フェレール 
(19)ヴァヴリンカ 
(20)ハース (昨年はシード無し:ランキング39位)

昨年のUS Open トップシード20と比べてみましょう。

(1)ナダル (SF:マレーに負ける) 
(2)フェデラー(優勝)
(3)ジョコヴィッチ(SF:フェデラに負ける) 
(4)フェレール(3Round:錦織に負ける)
(5)ダヴィデンコ(4R:ミュラーに負ける)
(6)マレー(決勝:フェデラーに負ける)
(7)ナルバンディアン(3R:モンフィスに負ける)
(8)ロディック(QF:ジョコヴィッチに負ける)
(9)ブレイク(3R:フィッシュに負ける)
(10)ヴァヴリンカ(4R:マレーに負ける)
(11)ゴンザレス(4R:ロディックに負ける)
(12)ガスケ(1R:ハースに負ける)
(13)べルダスコ(3R:アンドレーヴに負ける)
(14)カーロヴィッチ(3R:クエリーに負ける)
(15)ロブレド(4R:ジョコヴィッチに負ける)
(16)シモン(3R:デルポトロに負ける)
(17)デルポトロ(QF:マレーに負ける)
(18)アルマグロ(3R:ミュラーに負ける)
(19)ツォンガ(3R:ロブレドに負ける)
(20)キーファー(1R:ミナールに負ける)

この2年間のシードの動きをみてみますと、どんどん実力をましてきている選手と下り坂になりつつある選手の動きがよくわかります。

まず特筆に値する上昇気流にある選手とは:
(コメントはtennisnakamaの気ままな独断診断ですので、サラッと読んでください。)

アンディ・マレー
昨年のシード6から今年はシード2へ。昨年の決勝の経験は貴重で、今年はフェデラーのエネミーNo.1です。マレーの今年のハードの成績は34勝3敗と驚異的で、その3敗はべルダスコ(全豪)、ナダル(インディアンウェルズ)、フェデラー(シンシナティ)。決勝でフェデラーに攻められる前にオフェンスで駒を進めればいけるかも。しかし彼のプレースタイルではないので、まだフェデラーにはUS Openでは勝てない。

フアン・マーティン・デルポトロ
昨年錦織選手との試合を生観戦しましたが、デルポはトップ3になれると直感。大型の割には、フットワークがよく、錦織選手も同じく19歳でティーンの戦いとなりましたが、若年の割には成熟したテニスですきがない。苦手なヴォレーも最近はめきめき上達して、あとはフィットネスを強化すればSFまでは期待できる選手。メンタル的にGSに勝ち残っていける選手でこれから最も楽しみな選手の一人。

ジル・シモン
どうしても体力、体格の差が出てしまう残念な選手。彼の華麗なミサイルフォアハンドを生かすには、まずはフィットネスの強化が先決問題。あの華奢な体ではフットワークがついていかない。膝の痛みもあって今年のUS Openの5セットマッチはシモンにとって過酷なトーナメントとなりそう。

ロビン・ソダリング
全仏でナダルを破ってセンセーションをおこしたソダリングは、あれ以降なかなかあの核爆弾のフォアが安定せず。ワシントンでは怪我のため棄権。先週のシンシナティでは1回戦でヒューイットに負けてしまっている。怪我を引きずっているような印象があって、US Openはあまり期待できない。ツォンガと同じく調子によって左右される選手で、常時トップランキングはむずかしい。

ガエル・モンフィス
昨年のUS Openでも観ましたが、スーパショットを試みて転んでは観客を喜ばしてくれる選手の一人。超アスレティックなために、体に無理なモーションが多く、ツォンガと同様に怪我が多いのが問題。今年はプレースタイルもプッシャー(どんなボールでもすべてコートに返す選手)から、オフェンスへと成長。徐々にネットプレーも増えてランキングが上昇。しかし負けそうになると、ベースラインから5m下がってしまうのが弱点。

マリン・チリッチ
昨年のUS Openでは最も期待されるティーン選手ベスト4(デルポ、錦織、チリッチ、グルビス)に選ばれ注目された選手の一人。身長もデルポと同じ198cmの超大型選手の一人だが、デルポとの違いはショットの安定性に欠けること。しかしまだ20歳。あの有名なボブ・ブレットがコーチについているので、これから確実に伸びてくる選手。ブレットがGSチャンピオンを育ててきた(ベッカー、イヴァニセヴィッチ)豊富な経験を生かして、US Openをどう攻めてくるか楽しみ。

トミー・ハース
今年の活躍はめざましいものがあり昨年のランキング39位から21位まで。芝で大活躍して意気軒昂なところをみせたが、最近はガス欠気味。シンシナティでは1回戦でイズナーに負けてしまっている。この敗北が引きずればR16どまり。

ナダルは勝てるか?
最後のジョコヴィッチとの試合(シンシナティ準決勝)を観る限り、いくら調整中とはいえ、あまりにもディフェンスすぎて、速いサーフェスではよくてSF。最初からゲームをコントロールしなければ勝敗が早く決まってしまうUS Openでは絶対ベースラインから深く下がれない。彼の膝の状態から試合を短縮化する必要があり、どのようにトニーコーチがナダルを指導していくかがカギ。

フェデラーは勝てるか?
シンシナティを観る限りフェデラーには敵は無し。理想的なハードコートの試合展開で今年もGSは確実といえそう。

(追記)
シーディングとディレクトアクセプタンスとの違い
シーディングは大会一週間前のランキング順位から32名につけられます。ディレクトアクセプタンスとは大会6週間前のランキングでエントリーを決めるときに使うもので、シーディングではありません。

以下は7月20日のトップ20のエントリーのランキングです。(ですから5週間後の8月24日のシードのランキングとは同じではありません)

(1)フェデラー
(2)ナダル
(3)マレー
(4)ジョコヴィッチ
(5)ロディック
(6)デルポトロ
(7)シモン
(8)ツォンガ
(9)べルダスコ
(10)ごんざれす
(11)ソダリング
(12)ダヴィデンコ
(13)モンフィス
(14)シリッチ
(15)ナルバンディアン
(16)ロブレド
(17)ブレイク
(18)ヴァヴリンカ
(19)ステパネック
(20)ハース



投稿者 Tennisnakama  09:50 | コメント(17)| トラックバック(0)

二つの新発見

深夜400kmを突っ走ってイサカからニューヨークに戻ってきました。

この距離は東京名古屋にあたり、約4時間半のドライヴです。息子の大学がイサカにあるので、昨日はアパートへの引っ越しを手伝ってきました。夫は今地球のどこかにいるはずで、私一人が運転手兼引っ越し屋となり、結構きびしいものがありました。しかし発見したのは、一人で運転している方が楽チンであること。耳ダコのビートルズとローリングストーンズを聞かなくてもすみますし、助手席は退屈するしで、結構彼との長旅はしんどかったことがわかったのです。

昨日は大工仕事に無能の息子のおかげで大幅にスケジュールが狂ってしまい、イサカを出発したのはすでに夜8時。最初は夜の長距離運転がちょっと心配でしたが、ガンガンと好きな音楽をかけ、インターヴュー番組に耳を傾け、自分の世界にどっぷりつかることができて、あっという間の4時間半でした。 それに夫がいれば絶対できなかった・・・カーヴの多いハイウェーで平均速度150kmで突っ走る・・・危険な運転をエンジョイできました。でもよくおまわりさんにつかまりませんでした。(ホッ)

夫がいるとミュージックの趣味が違うので、ビートルズとローリングストーンズの曲ばかり聞かされるのも疲労度が増す原因だということが分かりました。一人の運転は楽しい!これが発見の一つ。

第二の発見は絶対やりとげるという意思。もう不可能と思っていても、やらざるを得ない場合は結構できてしまうもの。

息子の新しいアパートに着いて、気がついたことですが、机があまりにも小さいのです。彼は友だちと3人でシェアをするアパートを見つけてきたのですが、家具付きですが、まるで小学生用のような机がちょこん。それにしてはベッドがあまりにも大きい。多分大家は大学で勉強するよりも、ベッドですごした時間の方が多いようで、このプライオリティーの違いに苦笑してしまいました。

しかし苦笑してばかりはおれません。これでは勉強できないと、さっそくモールにでかけ机とTVスタンド(なぜこんなものがいるのか分かりませんが)の買い物に。組み立て式を買ってきたのはよいのですが、100個くらいあるネジとパーツにまず呆然。そして全く息子が役に立たないことが分かってさらに呆然。

しかしモモちゃん猫を独りっぽっちにしているので、絶対家に帰らなければなりません。時間は刻々と経っていきます。

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息子をどなりながら、奮闘すること2時間。なんとか形になってきました。

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できました!!! 机に4時間。TVスタンドに1時間。計5時間一人でやりましたよ! 机は引き出しにレールを付けたり、フリップしたりする、いろいろややこしいものでしたが、やりました。最近何事もアチーヴメントのない生活をしていましたので、「やれば出来る!」精神が残っている自分を発見できて、ちょっぴり嬉しかったです。

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(今から大急ぎでテニスに出かけます。ですから読み返す時間がありませんでしたが、一応アップします。後で校正します。)




投稿者 Tennisnakama  23:59 | コメント(7)| トラックバック(0)

フェデラーがシンシナティ優勝!

シンシナティ・マスターズ決勝 2009年8月23日

Federer def Djokovic: 6-1, 7-5

フェデラーの強さはジョコヴィッチを寄せつけませんでした。フェデラーはこれでマスターズシリーズ優勝は16度目となり、最多のアガシの17優勝にあと一つと迫りました。



ジョコヴィッチの問題は技術的なものよりもメンタルだと思います。

2007年 カナダマスターズ(ジョコが優勝)
2008年 オーストラリアン・オープン(ジョコが優勝)

ジョコの対フェデラー戦の過去の成績は4勝7敗ですが、上記の2試合を除き11試合中9試合は第1セットを落としています。特に今年の2試合(マイアミとローマ)でフェデラーに勝っているにも拘らず、第1セットを落としています。

フェデラーに対しては特にゲーム展開が速いので、受けるプレッシャーが大きくつい無理なショットをしてしまう。これが最近のジョコのパターンでした。今年のマイアミのインターヴューで、以下のように語っています。

I also knew that I was always starting matches against him quite impatiently and playing more aggressive than I needed to

・・・(フェデラーがアグレッシヴなので)マッチの始めはいつも、自分は勝ち急ぎをして必要以上にアグレッシヴになってしまう・・・

このようにジョコ自身分かっていながら、ローマ大会でも同じようにナーヴァスになって第1セットを落としました。

第1セット
今試合は「勝ち急がず辛抱強くチャンスを待つ」作戦だったように思いますが、ちょっとゆっくりしているうちに、ガンガンとフェデラーに打ち込まれてしまって、危うくベーグルで第1セットを落とすところでした。フェデラーがボールをネットにひっかけてくれてやっとジョコは最初のサーヴィスゲームをホールドすることができ、嬉しそうにラケットを振って観客の応援に応えていましたが、これで大分緊張感がほぐれたようでした。

第2セット
ベーグルを逃れたジョコは堅さがほぐれ、しかもフェデラーのいつもの集中力の途切れをうまく利用して、第2ゲームですでにフェデラーをブレーク。今までのフェデラーでしたら、イライラしてますますエラーを続発させるところですが、全仏以降のフェデラーは自信に溢れ、第4ゲームのサーヴィスゲームは、エース2本、サーヴィスウィナー2本(ラケットに触れるがリターン不可能なサーヴ)の40-0でジョコヴィッチにメッセージを送ります。このように圧倒的なサーヴの強さを誇示されるとジョコでなくとも大きなプレッシャーです。

予測した通り、その勢いでフェデラーはジョコをすぐブレークしなおしてしまったのですが、ジョコにとってせっかくの立ち直りのチャンスをくじかれ、なかなかフェデラーをブレークすることができずに5-5に。ジョコのサーヴです。フェデラーは思いきってウィナーを狙ってきます。3度目のデュースで、ジョコはドロップショットを試みますが失敗。ブレークポイントへ。フェデラーはジョコの2ndサーヴィスを狙ってリターンエースをとり、ブレークに成功しました。フェデラーにはサーヴィスゲームをとれる絶対的な自信がありますから、このようなリスキーなウィナー狙いがリターンゲームでできるのです。

この時点で勝敗は決まりました。サーヴのよいフェデラーは、快適に40-0でサーヴィスゲームをホールドして、チャンピオンシップポイントを迎えます。もうジョコにはなすすべがなく、2ndサーヴをネットして7-5でフェデラーに優勝が決まりました。

フェデラーはいつものように、ネットプレーもミックスしたヴァラエティーにとんだテニスを披露してくれました。なかなか優勝できなかった全仏前とは違い、華麗なヴォレーが復活してきました。目線がしっかりと定まり、ネットプレーにコミットしているため、ネットダッシュのフットワークがすばらしい。

ここで特筆したいのは、フェデラーのリターンゲームです。リターンで得たポイントはフェデラーが39、ジョコヴィッチがわずかの17です。これはフェデラーのサーヴがいかにリターンしづらく、またフェデラーのリターンがすばらしいかを物語っています。これだけリターンのポイントを取られれば、対戦相手は、サーヴィスゲームをホールドするために無理をしたショットを強いられ、エラーを重ねてしまいます。今試合も典型的なフェデラーのウィニングレシピで勝利を遂げました。

「第2セットでようやくリズムを得られたので、このままいけると思ったんだが。ロジャーはどんどん僕のサーヴィスゲームにすごいプレッシャーをかけてくる。ロジャーと戦うとき、1stサーヴが入らなければ、ほとんど勝つチャンスはないよ。」

では1stサーヴをいれれば少しは勝てる見込みはあるのか? 答えはNo。1stサーヴの確率No.1のべルダスコ(73%)やNo.3のロディック(70%)は、フェデラーに勝てていません。フェデラー自身の1stサーヴの確率は63%でNo.23ですのでそれほど高くはありません。

問題はクオリティーです。予期できない。サーヴの種類が豊富。プレースメントがよい。強烈なスピン。パワーとスピード。この5要素をそなえたクオリティーの高いサーヴでなければ、フェデラーにブレークされてしまいます。さあ、US Openではこのトップ4はどのような対フェデラー作戦を展開してくれるでしょうか。楽しみですね。



投稿者 Tennisnakama  06:53 | コメント(17)| トラックバック(0)

ジョコヴィッチがナダルに快勝、決勝へ

シンシナティ準決勝 2009年8月22日

Djokovic def Nadal: 6-1, 6-4

ジョコヴィッチが今年最高のレベルのテニスをみせ、ナダルに快勝しました。やっと本来のジョコヴィッチが戻ってきた感じで、バシバシと左右にウィナーを決めてましたね。

ジョコヴィッチはほとんどベースラインから下がることなく、オンザライズでヒットしていますが、ナダルは5mくらいも下がっているときがあります。これだけ下がってしまうと、オープンスペースが広いので相手に与えるプレッシャーがなく、ジョコはアグレッシヴな作戦を展開することができ、気持ちよくウィナーを打っていました。

ビデオのポイント解説:第2セット:4-3(ジョコのサーヴ)
第2セットの8ゲーム目4-3、30-40でジョコのブレークポイントです。ナダルのポジションに注意してください。せっかく攻撃を与えても、後ろにすぐ下がってしまっています。 逆にジョコは一歩コートの中に入ってウィナー狙いです。これでジョコはブレークをセーヴして40-40にもどしました。

同じく8ゲーム目、ジョコのアドヴァンテージです。ここでナダルは思いきって攻撃にでるため、徐々に上がって、ベースラインからジョコのバックにオフェンシヴショットを打ってネットダッシュします。しかし問題は、ネットプレーにコミットしていないため、ポジションがサーヴィスラインでストップです。これではパッシングショットの嵐に合ってしまいます。つまりナダルは、気持ちの上でアグレッシヴにアタックするに至っていないのです。




まずジョコヴィッチのサーヴが大変よく決まっていました。第1打がエース。これは最高の出だしでした。

「今日はとてもよくプレーできて嬉しい。特に第1セットの1stサーヴのポイント率が78%で、この試合は今シーズンの中でもベストの一つだった。」

「最初のポイントから試合をコントロールし、アグレッシヴでチャンスを狙って叩く。これが僕の作戦で実行することができた。サーヴは特によく入ったし、ここぞというときにサーヴィスウィナーをとることができた。今日のようなレベルの高いテニスを決勝でもやらなければならない。」

ジョコヴィッチはセンターから角度をつけることができる数少ない選手の一人ですが、特にフォアのインサイドアウトが深くきまりナダルからポイントを奪いました。ジョコのショットの当たりがよく深いので、ナダルはベースラインからかなり下がらなくてはならなかったことが敗因の一つですが、反対にナダルがショートボールを打つために、ジョコはコートに中に入ってウィナーを打つことができました。

ナダルファンには申しわけないのですが、あれだけ下がってしまったディフェンステニスでは、走りまわらなくてはならず膝がもちません。自分が走らないためには、最初のショットからコントロールして早めにポイントを稼ぐ必要があります。

ウィナーもしくはウィナーに近いショットでポイントをとるには、相手に時間を与えないことが絶対条件です。ジョコヴィッチはウィナーが21、ナダルは10でした。ジョコにウィナーが多いのは、
(1)ベースラインから下がらない
(2)オンザライズでディープに打つ
(3)フラット気味に速い球を打つ

ではナダルのテニスはどうだったかというと、相手に時間を与えてしまうテニスでした。
(1)ベースラインから下がりすぎ
(2)下がってしまっているのでオンザライズでは打てず(しかもショートボール)
(3)スピンがかかりすぎてスピードが遅い

さらにナダルにとって悪いことは、ジョコのサーヴがすばらしく、ナダルにリターンゲームをさせなかったことです。ジョコはリターンでは25ポイント取っていますが、ナダルは17ポイントです。ナダルのサーヴは進歩したもののnot enough。現代テニスはサーヴが武器でなければ勝てないのです。

あと数時間ではじまるシンシナティ決勝ですが、ジョコヴィッチの作戦は?

「ラファが相手のときは、時間があってもっといろんなことをさせてもらえるが、ロジャーの場合はポイントが短いので、今までのようなプレーをされるとむずかしい。彼は僕のサーヴィスゲームにプレッシャーを与えてくるだろうし、またネットにもくるだろうし。彼がマレー戦のときのようなプレーすれば、僕たちの試合はおもしろくなるだろうね。」

二人の過去の対戦成績はフェデラーの7勝4敗。今年はローマとマイアミの両試合にフェデラーが負けています。しかし今のフェデラーはあのときとは同一選手ではありません。

自信満々なジョコヴィッチは果たしてメンタルをクールに保つことができるかどうか。ジョコが焦ってポイントを急ぎすぎるとジョコが負け。フェデラーの撹乱作戦にパニックにならないで、落ち着いて対応すれば、面白い試合になりそうです。



投稿者 Tennisnakama  23:56 | コメント(3)| トラックバック(0)

フェデラーがマレーを破り決勝へ

Federer def Murray:6-2, 7-6(8)

フェデラーは終始落ち着いてNo.1の余裕をみせ、今年のなかでは最高のテニスをみせてくれました。

ギルバートが試合の直前のロッカールームの印象を述べていましたが、フェデラーは冗談をとばしてリラックスしていたのと対照的に、マレーは緊張した面持ちで、ボクサーのようなウォーミングアップを真剣にやっていたとか。

このコメントを聞いて、試合が始まる前から「マレーはすでに負けてしまっている」ような予感がしたのです。今やマレーにはイギリス人だけでなく、世界が注目しています。今年のハードコートのトップ4との対戦成績をみてみましょう。何と4勝1敗と圧倒的な強さです。解説者が口をそろえて「ハードはマレー」と賞賛していたことからも、プレッシャーがいかに大きかったか、想像がつきます。

フェデラー:2勝0敗
ナダル: 1勝1敗
対ジョコヴィッチ:1勝0敗





試合直前のギルバートの「作戦は何?」という質問に、「同じ球は2度続けて打たない。」「ショットをミックスする。」この2点を強調していました。まさにこの作戦を実行にうつし、マレーにリズムを与えませんでした。そしてフェデラーの特攻隊のようなアグレッシヴな攻撃に、マレーはどのように対応してよいのか分からず、といった中途半端なテニスで気がついたら6-2で負けていた、という一方的なゲーム展開でしたね。

フェデラーは特にフォアハンドがフラット気味で、スピードを増しパワフルで、しかもオンザライズで打ってくるので、マレーとしてはお手上げの状態。クロスとダウンザラインにウィナーをガンガン決めるところなどは、かつてのゴールデン時代のフェデラーを彷彿とさせ、コメンテイターのギルバートとケイヒルは興奮気味で解説していました。

感心したのは、フェデラーの1stサーヴです。第1セットは36%と低いにもかかわらず、ポイント取得率は100%なのです。 つまり22回サーヴするうち、36%の8回しか1stサーヴが入らなかったにもかかわらず、すべて得点につながっています。これは彼のサーヴのクウォリティが大変高いことを示しています。

またフェデラーのリターンもすばらしかったです。マレーはクロスは大変うまいのですが、苦手なのはセンターよりのショット。フェデラーはマレーに角度をつけさせることなく、バックのスライスを効果的に使いながら、最後はフォアかバックのダウンザラインで決めるというパターンがとても有効でした。

フェデラーのフットワークはスピードがあり、絶えず前進する攻撃的なフットワークです。特に今日はリズミックでほれぼれとするフットワークをみせてくれました。

マレーの問題は、ショートボールが多かったこと。フェデラーは必ずこのショートボールを叩いてウィナーにしていましたので、たとえ第2セットのタイブレークを失っていたとしても、フェデラーは問題なく第3セットをものにしていたと思います。

第2セット
4ゲーム目(2-1)では3本も立て続けにエースをとるほど、サーヴの調子がよくなり、リズムをとりもどしたかに見えたマレーでしたが、フェデラーからモメンタムを奪うことはできませんでした。

エースやサーヴィスウィナーをとっても、あとのショットにエラーがでる。イライラしたマレーは、エラーをおかすたびに、ラケットのストリングに拳を叩き付けたため、右手のこぶしが血だらけ。昔ユズニーが怒ってラケットでおでこをたたいて、血が吹き出るという過激な行為もありましたが、それにしても利き手を傷つけるなんて・・・よほど口惜しかったのでしょうね。
ともかくタイブレークまでもちこんだマレーでしたが、8-9のマッチポイントでダブルフォルトをして負けてしまいました。

明日いよいよフェデラーはジョコヴィッチと決勝です。今日ナダルを徹底的にたたきのめしたジョコヴィッチが、果たして同じく高度なレベルで試合ができるかどうか。キーはジョコヴィッチが精度の高いショットが決められるかどうかにかかっていると思います。



投稿者 Tennisnakama  13:17 | コメント(5)| トラックバック(0)

テニスアカデミーに短期入学しました

たったの一週間でしたが、かの有名なヴァン・ダー・ミアー・テニスアカデミーでしごかれてきました!

午前中3時間、プロが多く参加した贅沢なテニスでした。これはアシスタントプロ用のトレーニングだそうで、これだけやればさぞかしうまく・・・はならなかったですが、ものすごく楽しかったです。

そして午後は海へ。その後はゴルフと、とても贅沢でいそがしいヴァケーションでした。いよいよ明日ニューヨークに戻ります。

アメリカでテニス休暇を考えていらっしゃる方には、絶対おすすめのアカデミーです。
Van Der Meer Tennis Academy:
http://www.vandermeertennis.com/




投稿者 Tennisnakama  15:56 | コメント(16)| トラックバック(0)

ナダルが徐々にリズムを

お久しぶりです!

エロスパム攻撃でプッツンになりそうでしたが、やっと気持ちが落ち着いてきました。

テニス365からの返事はいただけませんでしたが、エロスパムをリストにして送りましたら、全部削除されていました。ありがとうございます。私のようにクレームを付けるブロガーが増えると、改善されていくような気がしますので、ブロガーの皆さん、スパムが入れば面倒でも365に報告しておきましょう。

さて、ほとんどシンシナティは観戦できていませんが、ナダルvsマチユーは観戦することができました。



第1セットの初っぱなからナダルがブレークされ、心臓が止まる思いでした。何となく気分が乗っていない中途半端な感じです。

これはたぶんにトニーコーチがいないせいではないかと思います。アシスタント・コーチのロイグでは雰囲気が締まらない。ギルバートが言ってましたが、ナダル軍団の行動や雰囲気がトニーがいるのといないのとでは大分違うのだそうです。

2006年のモンテカルロでは、夜更けまでピンボールをして遊んでいたナダルたちに、叱りつけたトニーは、ついにピンボールの電源を切ってしまったとか。こういうわけで、何週間かボスがいないと気分がだらけてしまうのかもしれません。

今日はプログラムの最終日で出かけなくてはなりませんが、一つ気になったことは、ナダルの動きです。バックへの移動(右方向)は全く問題ないのですが、フォアへの移動(左方向)がかなり躊躇しているように思います。これは彼が怪我で休む前からの症候だったと思いますが、この左方向に走るときに多分痛みが走るのではないかと思います。

この試合をプロたちがみているので、次からは彼らはナダルに対してフォアのコーナーを狙ってくるだろう、とギルバートも言っていました。ということは相手は自分のフォアでクロスを続けてオープンスペースをつくり(ナダルにとってはバックハンドのクロス)、フォアのダウンザラインを打ち込む方法です。この方法でマチユーはポイントを稼いでおりました。

しかし第2セットからナダルはリズムをえてきたようで、いろんなスーパーショットもみせてくれて、安心して観戦できました。次回のバーディッチ戦は、こわいトニーおじさんの顔を想像して、第1セットから気をひきしめてがんばってほしいと思います。最後はエースで気持ちよく決めたナダルは、やったるぜ!のメッセージを送りました。

今夜ヴァケーションのビデオをアップします。



投稿者 Tennisnakama  21:00 | コメント(6)| トラックバック(0)

気分はブルー・・・

Hello!

皆さんお元気ですか?

今ヴァケーションのはずなのですが、相変わらず休む暇なくいそがしく走りまわっています。

ところでヴァケーションの報告をしたかったのですが、この二日卑猥なコメント総攻撃にあって悲鳴を上げています。

非常に巧妙な手段を使ってますので、私の方ではブロックができないのです。つまり皆さんの目にとまりますが、私のコメント管理に入ってこないので禁止ができないです。なぜこういう事態が起こるのかわかりませんが、おかげでヴァケーションムードにケチがついてしまいました。

今tennis365に問い合わせていますが、私が旅行することを狙っての工作だと思いますが、今までもいろいろ入ってきてその処理が大変なため、今回は思いきって公開することにしました。

tennis365では、これらの卑猥なコメントに対する対策はなく、私たちブロガーが一つ一つIPを禁止していかなければなりません。今までに71の違ったIPの番号でポルノ攻撃を受けています。あまりにも被害が一方的にブロガーにかぶさってきますので、次からポルノの全員のIP番号を公開したいと思います。(怒り爆発寸前の止む得ない処置)

スポーツナビでは、使用してはいけない言葉を自動的にブロックするシステムになっていますので、卑猥なコメントやポルノ関係は入ってきません。365にこのようなシステムをとってくれるようサジェスチョンしましたが、今のところこちらでは削除できませんので、そのままになっています。

ハイライトになっているコメント名はクリックしないでください。virusをもっている可能性がありますので。

ブログへの嘘・偽りのコメント、卑猥なコメントを防ぐ方法はごく簡単です。ぜひtennis365でも採用していただきたいと思います。

コメント欄にメールアドレスを書き込まなければ(ただし公開はしない)コメントできない方法は今では常識となっています。このようなシステムをブログのホスト会社が採用しないかぎり、いつまでたっても迷惑コメントは氾濫します。

ではなぜ採用しないのか?

「日本では意見を述べる人が少ない上に、メールアドレスが必要となるとコメントが減ってしまう。」というのが今までいただいた回答でした。

しかしデマをいいふらすものだったり、根拠のない攻撃であったり、ポルノであったりと、コメントがコントロールできない状況であれば、これではシヴィライズドされた社会とはいえないと思います。「自分の発言には責任を持つ」これは社会のごく基本的なルールだと思うのですが・・・

スミマセン。せっかく楽しい記事を楽しみにしてくださった皆様には申し訳ないのですが、ちょっと気分は・・・今ブルー・・・ 

以下がこの2日間に舞い込んだポルノコメントです。

2008年06月05日 『ATPランキングの仕組み』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/117756.html
(1)出張ホストのオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 出張ホスト 2009/08/18 20:16

(2)逆援助のオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 逆援助 2009/08/19 15:15


2008年11月26日 『ロディックが新しいコーチを』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/149175.html
(3)olのオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 ol 2009/08/18 20:32

(4)逆援のオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 逆援 2009/08/19 13:29


2009年04月08日 『Gay or Not Gay?』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/174414.html
(5)交際のオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 交際 2009/08/19 11:09


2008年12月09日 『錦織バハマの近況』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/151060.html
(6)人妻のオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 人妻 2009/08/19 03:12

(7)ぽっちゃりのオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 ぽっちゃり 2009/08/19 10:42


2009年02月06日 『Momoちゃんが4才になりました』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/161255.html#comment
(8)即ハメのオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 即ハメ 2009/08/19 07:57


2008年09月04日 『錦織選手のウェブサイトが決まりました!』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/134670.html
(9)性感のオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 性感 2009/08/18 22:21

(10)出張ホストのオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 出張ホスト 2009/08/19 07:25

2008年09月03日 『錦織、残念でしたね』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/134527.html
(11)逆援 出会いのオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 逆援 出会い 2009/08/19 03:25


2008年12月09日 『錦織バハマの近況』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/151060.html
(12)人妻のオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 人妻 2009/08/19 03:12

(13)ぽっちゃりのオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 ぽっちゃり 2009/08/19 10:42


2009年04月04日 『どうしたフェデラー!?』
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/173547.html
(14)逆援助交際のオススメはこちらからどうぞ!
投稿者 逆援助交際 2009/08/18 18:46


投稿者 Tennisnakama  04:14 | コメント(13)| トラックバック(0)

Day 5 ロジャーズカップQF

Day 5  モントリオール・ハイライト 8月14日 

『記事にできない選手たち』の執筆で、記事のアップが一日送れとなってしまいました。

ランキングが紹介された1973年以来、初めてトップシードの8人がそろった歴史的なQFでしたが、シード1とシード2の両選手が同時に敗退してしまう劇的な一日でもありました。

フェデラー28歳を倒したツォンガは24歳。ナダル23歳を破ったのはまだ20歳のデルポトロです。まさに私たちは、城主交替のハプニングがいつ起こっても不思議でない戦国時代の真っただ中にいるような気がします。しかも今日、15日の準決勝でマレーがツォンガに勝てば、ナダルの2位を剥奪する大異変が生まれることになります。

Day 5 モントリオール・ハイライトのビデオ



Murray def Davydenko: 6-2, 6-4
この試合のときに、私はテニスをしておりましたので、観ることができませんでした。今回はストリーミングを見逃してしまったので、試合のコメントはできませんが、マレーが圧倒的に強かったようですね。

このマレーの準決勝への進出でナダルとマレーのランキングの交替の可能性が強くなってきました。もしマレーがツォンガに勝って決勝進出が決まれば、 8850ポイントを獲得し、ナダルの8665ポイントを上回って2位になります。

その意味でも、マレーにとっては絶対勝ちたい試合であることは間違いなく、どんな作戦でツォンガに対抗するのか楽しみです。

「やらなくちゃいけないことを僕はすべてやった。」とダヴィデンコを破ったマレーは作戦を実践できたことが勝利の原因だったと述べています。モントリオール大会では26ゲームのうち、落としたゲームはただ一つ。ダヴィデンコとの試合のサーヴィスゲームだけだったというのは驚異的な強さです。

「ダヴィデンコと戦うときは、 彼がボールを早く打ち返してくるので、いつも自分のベストのゲームができないような気がしてしまう。気持ちが焦ってくるんだ。今回は僕のゲームプランが的中したため、よいテニスができたと思う。」
このゲームプランとは公開されませんでしたが、観れなくて残念でした。

Tsonga def Federer: 7-6(5), 1-6, 7-6(3)
調子にのったら手をつけられないことで有名なツォンガが, 第3セット目に1-5から奇跡のカムバックでフェデラーを倒してしまいました。これは実況中の解説者が全員、唖然とした感じでろくに解説もできず、What’s going on?を連発するばかり。これは実に興味深い試合でしたので、少し分析をしてみたいと思います。

まずツォンガという選手がいかに才能と実力があるのか、元アガシのコーチで現在ESPNの解説をしているダレン・ケイヒルは、確実にGSのタイトルがとれる選手と太鼓判を押していることからも、テニス界では評価が大変高い選手の一人です。

しかし怪我が多すぎるために、なかなかランキングが上がらない。またメンタル的にも上下の差があってなかなか実力を発揮できなかった選手でもあります。

彼のアスレチックな才能はプロ選手の中では右に出る者はいないほど、動物的な爆発力とバランス感覚に恵まれています。ビデオでみれますが、一回横転してコートに倒れた状態でヴォレーを返し、フェデラーからポイントを奪ってしまったのは、歴史に残るアクロバットテニスでした。

前日のシモンを圧倒したツォンガのプレーぶりをみて、フェデラーが危ないと直感しました。フェデラーはヴァヴリンカに勝ったものの、まだショットに不安定が残るテニスだったからです。まだ調整中のフェデラーとツォンガの調整済みとの差が出たような気がします。残るはメンタルの問題。

第1セットフェデラーの1stサーヴの確率は42%と低いですが、100%ポイントをとっていますので、それほど影響はなく、二人ともサーヴ力でneck and neckのサーヴィスゲームの展開でした。

そしてタイブレークです。どちらが勝ってもおかしくない、一時も気の許せないゲームが続きます。6-5のセットポイントがツォンガに。そのときに出たのが、前述したあのツォンガの横転のスーパーパーフォーマンスです。観客も、解説者ももう大喜び! これこそスポーツ観戦の醍醐味! このポイントを勝ち得たツォンガは、7-6でタイブレークを取って第1セットの勝利となりました。

なぜ私がしつこくこのスーパパーフォーマンスにこだわるのか?

この横転でツォンガは右腕を痛みを訴え、第2セットの第4ゲーム(0-3 フェデラーのリード)のときにメディカルタイムアウトをとったのです。

これは転んだときに痛めたような素振りでしたので、(しかし突いたのは左手ですが)右手のマッサージを受けたのですが、この時からツォンガの頭からどうも怪我のことが離れなくなってしまったようです。打つショットははずれるは、急にフットワークは悪くなるはで、簡単にフェデラーに1-6で敗北してしまいました。

そして第3セットを迎えます。もうだれの目にもツォンガは負けたと映りした。多分ツォンガ自身も駄目だと思ったに違いありません。しかしツォンガは第3セットで蘇ったのです。

「ツォンガとの試合でむずかしいのは、いつ彼のスウィッチがオンになるか予測がつかないことだ。」つまりツォンガがオンになってしまったら、いくらフェデラーであろうとも勝つのはむずかしい。しかしフェデラーの恐れていたことがまさかの1-5で起きてしまったのです。

これはどういうことかというと、私が思うに、1-5の絶対絶命に陥ったとき、ツォンガは初めてリラックスできたのだと思います。体の動きが軽くなりました。ベースラインから思いきって打つフォアとバックが入りだしたのです。今まで無理をしてネットダッシュして、リスクの多い攻撃型テニスから、ベースラインからのテニスへツォンガは作戦を変更しました。

フェデラーは壁のように厚く、どんなに打ち返しても勝てない。だからベースラインに戻ってボールをコートに返すことだけに集中した。」

それから奇跡が起こったのです。それからのツォンガは、瞬く間に1ゲームも落とす事なく、連続5ゲームを勝ち続けたのです。これはまさにフェデラーが恐れていたことでした。

一方フェデラーは、1-5で気のゆるみがあったと思います。あっという間に、ブレークされたフェデラーは焦りました。そして例のバカ打ち。第10ゲーム(5-4)ではバックハンドが空高く飛んでいく大きなエラーでブレークされてしまい5-5のイーヴンスコアに戻ってしまいました。

第11ゲーム(5-5)ツォンガのサーヴです。
自信をえたツォンガは、まず片手バックスライスをディープにアプローチショットでネットプレーでポイント。
次は弾丸フォアクロスでウィナー。
最後にエースでフェデラーをブレーク。

ここから完全にモメンタムがシフトしたかに見えました。ツォンガはベースにとどまることなく、ネットプレーも開始。アグレッシヴな攻撃を始めました。

第12ゲーム(6-5) フェデラーのサーヴです。
ツォンガは今までの両手バックハンドをやめてすべて片手スライスを使い始めました。フェデラーもバックハンドスライス。長いスライスの応酬で、フェデラーがネットにかけてしまいます。

この不思議なツォンガのショットセレクションで調子が少し狂ったフェデラーはフォアのロング。そしてツォンガにパッシングショットのウィナーにとられスコアは0-40のマッチポイントを迎えてしまいます。

しかし辛うじて3ポイントを取り返しサーヴィスゲームをホールドしましたが、この3ポイントはすべてツォンガのエラーによるもので、フェデラーのリズムは取り戻すことができずにタイブレークをむかえます。

第3セットはまさにモメンタムのシフトを絵に描いたゲーム展開となりました。モメンタムを変える力はメンタルしかないのです。フェデラーのメンタルは0-40からマッチポイントを逃れた時点で途切れてしまったように思います。あれが彼のクライマックスでした。

「試合は終わってしまうまで結果が分からないという典型的な試合だった。彼が第2セットを失い、第3セットの後半までほとんど失っていた状態で負けてしまったのは残念だった。シンシナティではがんばるよ。僕はトーナメントに出るからには勝ちたい。今日はでもよくがんばったと自分では思っている。」

ミルカがお産で病院に入院してから退院するまで(帝王切開)10日間、ミルカの側をはなれることなく、彼女の側で寝泊まりをしたそうです。フェデラーとミルカは何と3年間一日も離れることがなかったとTVの解説者は言っていました。

ずーっと睡眠不足だったとNYタイムズの記事のインターヴューで答えていますが、そんな不規則な生活の中でトーナメントの準備も大変だったと思います。しかも24時間スクープを狙うパパラッチの目もあります。

そんな状態から家族大移動をしてモントリオールまでやってきたフェデラーにしては、QFの結果は上出来だったのではないでしょうか。あまり勝ち進んでも、US Openまでに息切れがしてしまうでしょうし。ですから今回のフェデラーの敗北はあまり気にしなくてもよいのではないでしょうか。

すみません。以下の試合も観戦してメモはとってありますが、明日から旅行にでかけます。その準備が何もできていない!ただ今夜の11時。これは相当ヤバイので、ここで終わりにします。

Roddick def Djokovic: 6-4, 7-6(4)
Del Potro def Nadal: 7-6(5), 6-1

マレーが決勝進出を決めましたので、ナダルを抜いて2位が決定しました。ナダルにとっては残念だったと思いますが、膝の具合は悪くないようですね。ただまだ試合の勘がもどっていないような感じでしたが、気長に膝を治しながら調整していってほしいと思います。

Welcome back, Rafa!


(追記)
沢山の励ましのコメントをありがとうございました。明け方までに用事を済ませ、多分一睡もせずに飛行機にのります。ですからせっかくいただいた皆様にはお返事できませんが、お許しください。

温かい皆様のお気持ちをいただいてモヤモヤしているものが消えました。

いくら頭で覚えていても正確をきすため、全部しらべなおしてから書いておりますので、記事には異常な時間がかかっていることをご理解していただいて嬉しいです。

明日のマレーvsデルポトロ戦は私は機上の人となってますので、残念ですが観戦できません。ブラッド・ギルバートが「今ハードで一番強いのはマレー」と断言しました。マレーが例の調子でデルポにリズムを与えなければマレーの勝ち。しかしマレーのペースのないショットをデルポがウィナーにして、試合の展開を早めればデルポの勝ち。本当はTVの遠隔地操作ができコンピューターに録画できるスリングボックスをもっているのですが、今いち調子が悪いのであきらめました。

飛行機の行き先は? 明日着けば現地から更新したいとおもいます。ちょっとおもしろいところに行きますので。

では一週間NYともお別れです。Adieu!



投稿者 Tennisnakama  11:57 | コメント(10)| トラックバック(0)

記事に出来ない選手たち

Day 5のレポート前にどうしても書きたいことがありますので、この記事をまずアップすることにしました。

スポーツナビに寄せられた死神ニコレイ氏からのコメントで、「ダヴィデンコについて書かないのは不公平である」とのご批判を受け、ここで重要なことに気づきましたので、記事にしてご説明させていただくことにしました。

以下が前号にも紹介させていただいたコメントの原文です。

「おいダビデンコのことは一切スルーか!?お前テニスについて散々語るくせにダビデンコの素晴らしさわかんないの?腐ってんなあ。何?「ジョコビッチがメディアにスルーされている。なげかわしい」だあ?ダビデンコなんかそれよりよっぽどひどいぞ。わかるだろ?お前なんか選手の気持ちなんか一切気にしないクソマスコミと同じだ。」

掲載が自動的に拒否されるコメント
この死神ニコレイ氏のコメントはスポーツナビではspamとみなし、自動的に削除されてしまいました。

スポーツナビの説明:
「従来のスパムフィルターの前にNGワードのチェックを行い、該当ワードが含まれたコメントはブロックします。ブロガー様のコメント管理画面にも残らず消える設定としました。」

これはどういうことかといいますと、いくら私が努力しても、スポーツナビの方でブロックされてコメントを掲載することができないのです。

でもひょっとして 死神ニコレイ氏自身のIPが禁止されているのかも知れないと思い、私のコンピューターから、彼のコメントを書き込もうとしましたが、これも拒絶され、コメント欄には掲載されませんでした。ですから彼の使った言葉がブロックの対象となったことがわかりました。

以前、私の記事で、ジョコヴィッチのヘッドのCMについて書いたことがあります。あの傑作なCMの中に、ジョコが乳首に房をつけて登場する場面を説明した記事は、スポーツナビでは拒絶されてしまったのです。さっそく当局に問い合わせてみますと、この「乳首」という言葉が赤信号だったようで、使ってはいけないリストに入っていることがわかりました。しかし私の意図は卑猥なものでないことを分かっていただき、晴れて更新することができたといういきさつがあります。

死神ニコレイ氏のコメントのどの言葉に赤信号がでたのか分かりませんが、このように掲載できない事情があることを、まずご理解いただきたいと思います。

「ダヴィデンコを取り上げないのは不公平である」との死神ニコレイ氏のコメントや、それに関する他の方たちのコメントを読んで、「書けない事情」のあることが案外知られていないような気がしましたので、この機会にtennisnakamaのブログの基本姿勢を説明させていただきたいと思います。

ブログとは何か?
「他人を傷つけたり、嘘デタラメを書いて社会を混乱させたり、悪意をもって他人を陥れようとする意図でない限り、つまり世の中に迷惑をかけなければ、原則的には何を書こうが書き手の自由である。」これがブログの基本だと思います。

tennisnakamaのブログとは
試合の結果報告のブログではありません。
テニスの技術的な分析だけを行うブログでもありません。
また選手のゴシップ欄でもありません。
そして海外の記事をただ単に翻訳する情報屋でもありません。

選手のあらゆるデータを収集し、選手のパーソナルな面を紹介しながら、tennisnakamaとしての意見、分析を行っていくことが私のブログの基本姿勢です。

「試合を観て、あの選手のことをもっと知りたい」と思うのは、私だけでないはずです。しかし選手の個人的なストーリーは、雑誌が特集を組まない限り情報が手に入らない。雑誌のカヴァーストーリーになっても、インターネットに記事が掲載されなければサーチに出てこないのです。ですから最近はファンサイトにも努めてでかけるようにしていますが。

もし私のブログがフェデラーナダルに絞ったファン的なブログであれば、それも問題はないのですが、あらゆる選手をカヴァーするとなると、一人でスポーツ新聞を背負っているようなブログ漬けの生活を強いられることになります。(今はすでにそうなっていて、他のことができずに危険な状態にあります。)

データの収集が困難を極める事情
ダヴィデンコが書けない
私はダヴィデンコのテニスを高く買っているファンの一人で、日本人の体型に近いダヴィデンコのテニスは、これから大いに研究されるべきで、ジュニアのプログラムにも取り入れてはどうか?と再三ブログで提案してきました。

先週、オーストリアのブログ、tennisassist.comの管理者である、マイケル・メイデンズ氏から、「トニー・ローチ(フェデラーの元コーチ)に会うが、何か質問したいことがあったら聞いてあげる」と言っていただき、そこで私は「日本人のテニス選手の歩むべき道はダヴィデンコであると思うが、彼の意見を聞いてほしい。」とお願いしました。また同じ質問を、伝説の選手、ジョン・ニューコム氏にもしてあります。彼らの回答は来週にでも、tennisassist.comで発表される予定です。

ダヴィデンコは散々ギャンブルの疑惑でメディアに取り上げられましたが、個人的な情報は皆無に等しいのです。英字だけでは不十分ですので、ロシアのメディアにまででかけてサーチしていますが出てきません。出てくるのは試合の結果だけなのです。

デルポトロもまだ書けない
例えば、ワシントンで優勝したデルポトロのことを書きたいのですが、優勝した彼でさえ資料があつまらない。この1週間アルジェンチンのメディアを探しまくっていますが、彼の生い立ちが見つからないのです。彼の昨年のフランスのインターヴューで語った「le Jopoのヘアをトライしている」の le Jopoの言葉に引っかかってしまいました。どういうヘアスタイルなのだろうか?

この le Jopoはインターネットでもつかめない。でもどうしても知りたくて、メキシコ人、コロンビア人、プエルトリコ人、ヴェネズエラ人、ありとあらゆるスペイン語話す人たちに聞きまくりましたが、誰一人として知らない!

最近やっと分かったのですが(これはデルポの記事で紹介します)、この一つの情報を得るためにも時には1週間を費やすことがあるという背景をご理解していただきたくお願いいたします。

(追記)
いろいろ愚痴を聞いていただいてありがとうございました。毎日長時間コンピューターの前に座っていますので、ときどきこのようにストレスを発散しないとtennisnakama号はストライキを起こしてしまいます。お許しください。




投稿者 Tennisnakama  02:30 | コメント(14)| トラックバック(0)

Day 4 ロジャーズカップ

Day 4 モントリオール・ハイライト 8月13日

Day 4木曜の試合は歴史的な日となりました。トップシード8の中で誰一人落ちこぼれ好ことなく、QFに進出が決まりました。このトップ8の全員集合は、ランキングが紹介された1973年以来だそうで、金曜日の試合はいずれも質の高いエキサイティングなQFとなりそうでワクワクしてきます。

シード8選手
1 フェデラー
2 ナダル
3 マレー
4 ジョコヴィッチ
5 ロディック
6 デルポトロ
7 ツォンガ
8 ダヴィデンコ

Day 4 ハイライト




Djokovic def Youzhny: 6-3, 6-4
誰もジョコヴィッチのことは書かない。メディアがジョコヴィッチを取り上げるのは、下着のファッションショーでストリッパーをやったとかくらいのもの。寂しいですね。最近のジョコから、センターからの鋭いコーナー狙いのあの振り子ショットがなかなか見られないのが残念ですが、彼がメディアから無視されている状況もなげかわしいものがあります。

初戦で200番台のカナダのポランスキーに苦戦したジョコヴィッチでしたが、今回のユーズニーとの第1セットは、はやくも4-1でリード。第2セットは両選手ともなかなかサーヴが決まらず、チンタラゲームの展開でしたが、ジョコヴィッチがQFを決めました。しかし12のウィナーの割にはエラーが多く(23のunforced errors)、まだ調整中という印象を受けました。

次のQFはロディックが対戦相手です。ロディックが大激戦の末べルダスコに勝った後だけに、よほどジョコヴィッチが頑張らないと危ないかもしれません。

Roddick vs Verdasco: 7-6(2), 4-6, 7-6(5)
こういう試合がトーナメントの前半戦でみれるとはラッキーでした。特に第3セットはまるでSFのようなテンションの高い、クウォリティーの高い内容でした。それにしても、リズムに乗るとべルダスコは手がつけられない。

ダレン・ケイヒルが解説をしていましたが、べルダスコにアドヴァイスをラスベガスで与えていますので、いろいろ彼のテニス、人柄について説明してくれました。彼ってとても家族思いの性格の良いすばらし選手なのだそうです。モントリオールに来る前もラスヴェガスに住むアガシと、かなりプラクティスをして、アドヴァイスをもらったそうです。

「左利きなのだから、もっと左利きのアドヴァンテージを使って相手を苦しめるべきだ。」

まことにごもっともなアドヴァイスです。スライスサーヴ、ショットの組み立てなど、サウスポーにしか出来ない技が沢山あります。トップレベルの試合に勝つには、クロスをベースにしていては勝てません。相手にクロスを打たせて、コーナーからダウンザラインでウィナーを決める。このダウンザラインがフォアとバックで決めることができなければ勝てなくなってきています。(ダウンザラインとは、サイドラインにそって打つ日本でいうストレートです。)

特にアドコート(左側のコート)からバックハンドでダウンザラインでウィナーがとれることが必須条件となります。これは左利きのべルダスコにとっては、フォアのダウンザラインになります。ナダルが強い原因の一つに、このフォアのダウンザラインがあります。

このダウンザラインをオンザライズでできたのが、アガシのテニスです。「アイドル選手とテニスができ、しかもアドヴァイスをもらえるなんてまるで夢のようだった。」とべルダスコ。強力なラスヴェガス・コネクションでもって、GSタイトルを獲得する日が近づいているように思います。

Murray def Ferrero: 6-1, 6-3
フェレーロはついにガス欠です。予選あがりでしたので、対戦相手がヒューイット、そしてモンフィスの試合はやっぱりきつかったですね。マレーにとっては無理をすることなくQFに進むことができ、省エネの理想的な試合でした。

Nadal def Petzschner: 6-3, 6-2
対戦相手はシングルス45位、ダブルス39位のめずらしく単複をこなすトップ50の選手でしたが、ナダルにとっては相手にならず、ラリーがなかなか続きません。

ナダルにとって膝の故障がアキレス腱なのですから、ゲームを短縮することがナダルの第1のプライオリティーとなります。そのためにはまずサーヴィスエースを増やすことがまず先決。またブレークされないためにも、ここぞというときにエースが打てることが大切。今日のようにエースが2つというのはトップ選手としては弱い。昔よりサーヴがよくなったとは言え、もっとサウスポーの特典を生かしたサーヴができるはずです。

スライスのボディーサーヴをもっと使ってほしいと思います。

右手利きでは、ボールが右の方に切れていきますが、左利きの場合は左の方に切れていきます。これはどういうことかといいますと、ボディーを狙われると、右利きのスライスでは、レシーヴァーの利き手の右手で処理できますが、右から左に入ってくるボールは、ラケットがジャムってしまうのです。

フェデラーがしつこく左利きの選手をヒッティング・パートナーに選ぶ理由はここにあります。まず左利きのボールに慣れないとフットワークがついていかないのです。

「限界に挑戦してみないと膝の具合はわからない」ナダルにとっては、QFのデルポトロの試合が正念場となります。

Federer def Wawrinka: 6-3, 7-6(5)
ニューヨーク時間では夕方の7時からスイスの対決が始まりました。一応は主婦業もやってますのでキッチンで料理をしながら観戦です。しかしこの試合はTVでは放送されず、仕方がないので、カウンターにラップトップを置いて、ストリーミングでチラチラ観戦。TVで生放送をやってくれると、キッチンに備え付けてある大きなスクリーンでみれて問題ないのですが、なぜだか今晩は放送なし。

夕食の片付けが終わるとすでに第2セットに入っていました。さあここから真剣に観戦するぞ! フェデラーを右にシモンvsツォンガを左に、2台のラップトップで準備完了。しかし、ワインがほどよく聞いて、左右のボールの行き交う音をバックグラウンドにすやすやzzz… 隣で観ていた夫は同じスイス人の対決に複雑な心境だったようで、ときどきの異様な呻き声を発していましたが、またzzz...

・・・というコメントが書けない長い言い訳でした。スミマセン。

トップ8の全員がそろってのQFについて、「これはすばらしいことだ。トッププレーヤーがこれだけそろい、実力を見せたということでこれからの試合が楽しみ。」とフェデラーは語っていますが、彼のQFの相手はツォンガで危険な相手です。

Tsonga def Simon: 6-3, 6-3
ツォンガとシモンの試合では、最初からガンガンとネットに攻めてくるツォンガにシモンは圧倒されていました。決してシモンのプレーが悪いわけではないのですが、サーヴ&ヴォレーだけでなく、リターンダッシュもして、ネットで決めまくるツォンガには対抗しきれず、といった感じでした。

ツォンガは終始アグレッシヴなプレーを展開して、サンプラスも顔負けのお得意のダンクスマッシュも決め、ダイナミックな試合運びでシモンファンの私も魅了されました。もしツォンガが、このハイレベルを維持できるのなら、フェデラーにとって恐るべき対戦相手となります。



投稿者 Tennisnakama  23:58 | コメント(14)| トラックバック(0)

Day 3 ロジャーズカップ

モントリオール・ハイライト Day 3  8月12日

ナイトゲームのニ試合とも選手のリタイアで、寂しい Day 3となりました。
選手の肉体の酷使とコンディションについて、ふたたびスケジュールに疑問をなげかけることとなったモントリオール Day 3のハイライトです。



順番はビデオの順番です。

ツォンガ def シュトラー:  4-6, 6-3, 6-4
「シード7のツォンガは第1セットではリズムが見いだせなく苦闘。しかし第2セットの第5ゲーム(2-2)で、0-40のブレークされる危機一髪を乗り越えて自信を回復。あとは順調に第2セットと3セットを勝ち取って勝利を決めた。3rdラウンドでは、ツォンガは仲のよい友だちのシモンと対戦することになるが、問題はなさそう。」

これはフランスのスポーツ紙のレキップを要約したものですが、最後のシモンとの対戦について「問題はなさそう」のところがシモンファンにとってはどういう意味?と聞きたい。
(原文) Au troisi〓me tour, il ne devrait pas avoir de probl〓me... 〓 un bon copain, Gilles Simon…

フェレーロ def モンフィス:6-3, 7-6(7)
予選から這い上がってきた元No.1のフェレーロの活躍ぶりはすばらしいものがあります。モンフィスはいつもの悪い癖が出て、チンタラしたディフェンスゲームで、第1セットはフェレーロが快勝。しかし第2セットでフォーカス度を増したモンフィスは、タイブレークでneck and neckの接戦となりましたが、7-9で惜しくも敗退し、フェレーロは3rdラウンドを決めました。

フェレーロは2004年から、手首、肋骨、チキンポックス、
滑液包炎、足・・・と続け様に病気と怪我に見舞われ、ランキングも今年は最悪115位にまで転落。この彼のカムバックは怪我で苦しむ多くの選手にとって大きな励ましです。

デルポトロ def ハーンニッチ:6-2, 7-5
ワシントン大会で優勝したデルポは、疲れと暑さのせいか、モントリオールの初戦は苦戦を強いられましたが、サーフェスにも慣れ、予選から本戦入りを果たしたチェコのハーンニッチに勝利を決めました。 第1セットで1-2とリードを許したデルポは、7ポイント連続取得するやリズムを得て、ハーンニッチの追い上げも許さず第3戦に進出を決めました。

ロディック def アンドレーヴ: 6-1, 7-6(3)
ウィンブルドンでフェデラーに惜しくも優勝を逃し、またもやワシントンでデルポトロを破れ、再び優勝を勝ち取ることができなかったロディックに、観客は大きな声援を送りました。

第1セットはロディックが何もしなくても、アンドレーヴがエラーを繰り返してくれたため第1セットを楽勝しましたが、問題は第2セット。第1セットでみせたアグレッシヴな攻撃を止めてしまって、ディフェンスにまわってしまったロディックに対して、アンドレーヴがリズムを得てウィナーが決まり始まりました。しかしタイブレークでは圧倒的に強いロディックは、辛うじて勝利を得ましたが、守りに入ってしまえば、勝てないロディックを今後どうコーチのステファンキが指導していくか。次戦は強打のべルダスコですので油断は禁物です。

ナダル def フェレール: 4-3 (retired)
5月から公式戦から姿を消していたナダルの久々の登場に会場は大喜び。私としてはダブルスで着ていたあのスリーヴレスで登場してもらいたかったのですが、工場ですでに生産してしまっていると思うので、途中で変えることはできないのでしょうね。色は美しいブルーとゴールドですが、暑苦しいそう。契約ではダブルスで指定されたテニスウェアはないはずですので、あのスリーヴレスで登場したと思うのですが、やっぱりナダルもあのスリーヴレスに愛着が?

何となくフェレールとのラリーを観戦しているうちに、あっと言う間にリタイアです。料理をつくりながら観戦しておりましたので、最初はナダルがリタイアだと勘違いして慌てました。でもフェレールだったのですね。彼の膝の方が悪かったとは・・・ナダルが退場するフェレールに拍手で送っていたのを見て、なんて心のやさしいラファ!と嬉しくなってしまいました。それにしても、久々にボックス席で見るガールフレンドのジスカは本当に美しいですね。ピュアな感じがします。

たったの8ゲームからナダルのテニスを語るのはむずかしいですが、記者会見では膝は大丈夫と言っておりましたので、これから期待していきたいと思います。

ゴンザレス def ハース: 7-6(2), retired
フェレールがリタイアした丁度同じころ、となりのコートでもリタイアが。第1セットで5-5まで接戦をしてきたハースでしたが、右の親指の付け根の皮がペロリ。トレーナーを呼んで皮をメスで切り取ってもらいましたが、どうしても痛みで試合を続行することができず、第1セットを終えてリタイアしました。

しかしこの負傷したハースに、会場はブーイング。早く退場してしまったフェレールには拍手で送ったとなりの会場とは対照的な観客の反応は、興味深いものがありました。これはハースがF%#Kの言葉を吐き捨てたりした態度にも、原因があると思いますが、ナダルがフェレールを思いやる態度が会場の雰囲気を決定したのだと思います。

以下はビデオには含まれておりません。

シモン def ファヤ:4-6, 6-2, 6-2
シモンがデ杯に負けて以来、ずーっと芳しくないテニスを続けていますので、誰も彼の試合を放送しない、メディアも書かないと苦難の道を歩んできました。フェデラーナダル、ジョコなどトップの選手を軒並み倒した選手とはとても思えない、自信のないテニスを繰り返してきた原因に、彼の武器であるフォアハンドのミサイル弾丸ショットが決まらなかったことがあげられますが、久しぶりに第2セットから猛然とネットダッシュし始めたシモンはアグレッシヴなテニスを展開し始めました。

ちょっとしたきっかけでモメンタムが変わるのが試合の面白さですが、ファヤのサーヴがよくて後ろに下がってしまっていたシモンでしたが、ようやく攻撃の態勢に入りました。するとどんどんあの華麗なフォアのウィナー、ダウンザラインのバックハンドが入り出し、6-2, 6-2で快勝。

この調子でいくと、ツォンガとの試合では、あの超特急ひよこ号がコート狭しと走りまくるかもしれません。(ひよことはシモンのニックネーム)



投稿者 Tennisnakama  02:36 | コメント(3)| トラックバック(0)

錦織圭公式サイトに一言

(改訂版)
私のこの記事の意図は、英文のプレスリリースを翻訳して皆様に理解していただくことにあります。

昨日のこの記事の中で、内容の違う英日の発表に対しての私の感想をのべましたが、この部分を削除することにいたしました。その理由は、私の感想を書けば冷静な判断を読者の方々ができなくなるからです。

削除した私の感想は、フェイスブックに掲載しております。
http://facebook.com/
User nameはTennis Nakamaです。

この記事の目的は、英日のプレスリリースの違いを問題化することではありません。今後のよりよい公式サイトの発展のために、もし英日の内容がことなれば、「日本語ヴァージョンは英語ヴァージョンの翻訳ではない」の一言の注釈を加えていただきたい、そうすれば混乱や疑問を生まなくても済むということを指摘したかったからです。



今回の錦織選手のUS Open欠場のニュースはやはりとても残念なニュースでした。

そしてさらに残念だったことは、この重大なニュースが錦織選手の公式サイトに一番最後に発表されたことです。

そして最も残念だったことは、日本語の報告は、オリジナルのIMG報告とは、かなり違った内容の報告となっていて誤解を生んでしまっていることです。

まず欠場の情報をタイムラインで説明します。

8月10日夜6時(NY時間)
AP(ニュースサーヴィス)の錦織選手のUS Open欠場のニュースを、ESPNがオンラインニュースに流す。

8月10日夜8時(NY時間)
(私)TwitterでこのESPNのニュースを知り、慌てて錦織選手の公式サイトを開いてみるが、何の情報も得られず。いろいろサーチしてみたが、日本のメディアにはまだどこも掲載されていないことがわかる。

8月10日夜10時(NY時間)
(私)2時間後に『 錦織選手 US Openを断念!』のタイトルでブログを更新。

8月11日夜12時(NY時間)
(私)記事の更新後一日経って、マネージャーのオリヴァーからプレスリリース(公式サイトに掲載された英語版)をメールでもらう。

8月11日夜12時(NY時間)(日本時間12日午後1時)
錦織選手の公式サイトに以下のプレスリリースの翻訳が掲載される。
http://blog.keinishikori.com/

公式サイトに掲載されている報告をそのままブログに掲載しましたが、コメントに英文と和文の内容が違うというご指摘をいただきました。

私はそこまでチェックをしていなかったので、慌ててオリジナルの英文を読んでみて唖然としたのです。ちょっとした誤訳やニュアンスの違いなどについてはつべこべ言う気持ちはさらさらありませんが、この翻訳は全く違った内容になっています。

もし日本サイドで独自の報告書が作られたとしたら、フロリダのIMGの報告ではないことを明記するべきです。

公式サイトにも、幾人かの方が日英の両方を読んでおかしいのではないかと指摘されています。

そこで私の拙い翻訳ですが、オリジナルの報告を訳してみましたので、比較していただきたいと思います。まずは公式サイトの翻訳から:

錦織圭の公式サイト
【from IMG】錦織圭選手の現状報告
錦織圭は、全仏オープンの欠場後、ニューヨークのアルチェック医師のもとで行ったMRI検査の結果、「右肘の疲労骨折」との診断を受け、右肘の完治に向けてリハビリを続けておりました。しかし、どうしても右肘の痛みが取れなかったため、その痛みの原因を特定すべく、日大病院において、8月7日に内視鏡検査を実施いたしました。
その結果、MRI検査では発見できなかった小さな間接軟骨の損傷(右肘後方関節軟骨損傷)とそれに伴う滑膜の炎症(慢性滑膜炎)が認められ、即座に炎症を起こしている滑膜の切除と軟骨の損傷部分の処置を行いました。そのため、軟骨の損傷部分に繊維軟骨が新しく作られ、痛みなくラケットを振ることができるようになるには、さらに6-8週間程度のリハビリ期間が必要になります。
したがって、現時点で全米オープンへの出場は断念せざるを得なくなりましたので、ご報告させていただきます。今後は、右肘の回復具合を見ながら、できる限り早い復帰に向けて、日本においてリハビリを継続していく予定です。

IMGからのオリジナルの報告
http://blog.keinishikori.com/en/

Update Regarding Elbow Injury Kei
BRADENTON, Florida, August 11, 2009 - After withdrawing from the French Open in May, IMG client Kei Nishikori and his team visited Dr. Altchek, one of the leading arm specialists in the world, who diagnosed him with a minor stress fracture in his elbow that required extensive rest and therapy.

The pain in the elbow, however, continued to exist. As a result, Dr. Altchek and Dr. Saito from the Nihon University Hospital in Tokyo, who is Kei's doctor in Japan, decided the best option for Kei was to undergo a small microscopic surgery to remove a minor bone spur. Dr. Saito performed the procedure in Tokyo last week, and Kei is expected to be back on the court and start practice in about 4-6 weeks.

Kei will continue his rehabilitation process under the guidance of Dr. Saito and his team in Tokyo, and return to the IMG/Nick Bollettieri Tennis Academy in Florida once he is ready to start hitting tennis balls. In Florida, Kei will continue his rehab at Bollettieri Sports Medicine.

Kei will not participate in the upcoming US Open at the end of this month. IMG is currently finalizing Kei's protected ranking with the ATP, which will enable Kei to participate in most of the big tournaments in the first half of 2010.

tennisnakamaの翻訳公式サイトでは省略されてしまっている文章を赤字にしました。

BRADENTON, Florida 2009年8月11日
【from IMG】錦織圭の肘の怪我の近況報告
5月のフレンチ・オープンの欠場の後、IMGのクライアントである錦織圭と彼のチームは、その分野では世界の指導的な専門医であるアルチェック医師を訪れ、マイナーな肘の疲労骨折があることがわかりました。そのためかなりの期間の休養とセラピーが必要であるとの診断を受けました。

肘の痛みが続いた結果、アルチェック医師と圭の日本の担当医である日大の斉藤医師は,bone spur を取り除くマイナーな microscopic の手術を行うことがベストなオプションであるという決断にいたりました。
斉藤医師は先週東京にて手術を行い、圭は4-6週間後にコートに戻ってプラクティスができる見通しです。

圭はしばらく東京で斉藤医師と彼のチームのもとでリハビリを行った後、フロリダの IMG/ニックボレテリ・テニスアカデミーに戻り、彼がテニスができる状態に回復すれば、ボールを打ち始める予定です。フロリダでは、ボレテリ・スポーツメディシンでリハビリを続けます。

今月末から始まるUS Openに、圭は参加しないことになりました。 現在IMGはATPと圭のプロテクティッド・ランキング Protected Rankingの適応について最終のつめを行っています。このプロテクティッド・ランキングが適応されますと、圭は2010年の前半のほとんどの大きなトーナメントの出場が可能となります。

・・・・・・・・・・・・・・

せっかく圭くんがエンジョイし、ファンとの絆も深くなった公式サイトですが、このように情報に大きな違いがでてきますと、サイトの信用性にダメージを与えてしまいます。圭くんの熱狂的なファンは心から彼のことを心配しています。彼のCMの情報も大切でしょうが、一番大切な情報は、彼の心身の健康に関する情報です。プロスポーツはファンがあってこそ成り立つ商売。ファンのためにも正確な情報を提供していただきたいと思います。

(追記)
不思議に思うのは、重要なプロテクティッド・ランキングの話は省略しても、公式サイトには実に詳しく圭くんの症状が書かれていることです。選手の怪我や病状はプレイベートなことなので、普通は詳しくは公表しません。オリジナルの英文程度の説明で十分だと思うのですが。

投稿者 Tennisnakama  13:37 | コメント(15)| トラックバック(0)

Day 2 ロジャーズカップ

Day2 ( 8月11日)モントリオール・ロジャーズカップ

これからビデオを観ながら試合の感想を述べていきたいと思います。ビデオでは翻訳するほどの内容ではないので、これからは翻訳を省くことにします。



フェレーロ def ヒューイット: 6-1, 6-4
フェレーロ29歳、ヒューイット28歳。 元No.1同士の懐かしい戦いです。二人の過去の対戦成績はフェレーロ3勝ヒューイット6勝。最後の対戦は2年前の同じモントリオール。この試合はヒューイットが勝っていますので、フェレーロとしては、何としても打ち負かしたい旧来のライヴァルのヒューイット戦です。

テニスファンならぜひ観てみたいのがこの二人の戦い。観客もエピックの戦いとして相当期待していたと思います。しかしここ5年間怪我の連続のヒューイットは、先週のワシントン大会でも、デルポトロとの対戦時に足を痛めてしまい、完全に回復しないままの対戦でしたので、6-1, 6-4でフェレーロの楽勝となりました。それにしても最近のフェレーロはすごい。サフィンもバーンアウトにならないで彼くらいのタフさで、もう少し長く戦ってほしかったです。

予選のメリット
ヒューイットは大会主催者にWCをリクエストしていましたが、大量の欠場者が出たためオータネイトの最後の選手としてエントリーすることができました。しかしフェレーロはもっとランキングが下でしたので、彼は予選からの参加となったわけですが、「予選から出る」というのは、シーズン始めでは利点と考えてよいと思います。

今回は特にハードコートのシーズン開けですので、サーフェスになれ、しかも大会のコートに慣れる(ハードコートは会場によっていろいろ違いますので)という点で予選から出るというのは、それほど不利ではないのです。コートに慣れるため、ナダル、ジョコヴィッチ、マレーはダブルスに出ています。

ダブルスが危ない
一体何人のシングルス・エントリー選手がダブルスに出場しているのでしょうか?

ざっと数えただけでも約18人です。ダブルスには32人のエントリーですので、ダブルス専門の選手は、半数以下の14人しか出場できないことになります。最近はシングルス選手のウォームアップに使われてしまっていて、ますます狭き門となってしまっているのが現状。もしこのような現象が続けば、多くのダブルス選手は生活ができなくなっていくでしょう。

ラケットとストリングの進歩と、シングルス選手のダブルス試合への参加によって、ダブルスゲームは大きく変わりつつあります。昔の平行陣は姿を消しつつあり、最近はほとんどが雁行陣です。アングルヴォレーやロブの妙技もすたれつつあり、単純なパワーゲームに変化してきています。ですからダブルス愛好者の私の嘆きは大きいのです。

マレー def シャルディ: 6-4, 6-2
イギリスの新聞、タイムズではMasterful Andy Murrayとベタぼめでした。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/tennis/article6792654.ece

しかし1stサーヴは64%でシャルディの75%に劣り、セーヴはしましたが、10回もブレークポイントに直面しています。それほどマスターなテニスにはみえませんでしたが、やはりトップ3だけあって、マレーはシャルディにプレッシャーを与え続け、第2セットはシャルディはエラーが続いて自滅でした。

「僕の今日の試合には満足している。シャルディのサーヴは第1セットと第2セットの前半まではすばらしかった。しかし後半はビッグなショットを狙いすぎた。今日の試合は僕にとってはよいテストだった。どんなストロークが打てるかみてみたかったから。よいスタートをきれて嬉しいよ。」

べルダスコ def Fロペス: 6-1, 6-7(5), 6-1
二人のイケメン・サウスポーのマタドールの戦いで、観客席の女性はどちらを応援してよいのか。結局黄色い声をあげて両方を応援していました。べルダスコはやはり強いですね。最初からガンガン飛ばしてロペスを圧倒。しかし第2セットではロペスが切り返しましたが、べルダスコはお得意のフォアのクロスだけでなく、ダウンザラインがサイドラインぎりぎりに決まって勝利をあげました。

ジョコヴィッチ def ポランスキー: 6-4, 7-6(6)
ジョコヴィッチは、ダブルスではちょこっとクロアチアのUmagに弟のマルコとダブルスに出ましたが、シングルスでは久々のウィンブルドン以来。そのせいか錆がテニスに出ていました。まずショットが安定せず、ロング、ワイド、ネットにかけるなどエラーが多く、225位の21歳に対等なテニスをしていましたので、早く調整しないと危ない。

Who is Peter Polansky?
この試合で大活躍をしたのは、ブロンドのカナダ人、ピーター・ポランスキー。地元の応援にこたえて、固くなることもなく冷静な試合運びはとても200番台の選手にはみえない落ち着きで驚きました。それにかなりのイケメン。スポーツ界にはめずらしい女性的な美しさに、思わず解説者は「彼はハンサムですね。」

polansky



これから絶対伸びる選手。以下のトップになる選手の条件を満たしたポランスキーは将来が楽しみです。

(1)サーヴがよい。とくに2ndサーヴでエースがとれる。
(2)フォアもバックもパワーがあり深く打つことができる。(これは小さいときからやっておかないとなかなか身につけられないショット)
(3)両手バックハンドのスピンはナダルのフォアのようにベースラインぎりぎりに高くバウンド。
(4)バックハンドのダウンザラインがサイドラインにきめることができる。
(5)エラーをおかしても表情をかえず冷静。

フェデラー def ニーメヤー: 7-6(3), 6-4
パパロジャーが会場に現れたときは、陽にかなり焼けていたせいもありますが、10ポンド(4.5kg)減量したせいか、予測した以上に体型がほっそりしていて、まさにスーパフィットの感じです。ロディックは15ポンド(6.8kg)減量して、フォットワークが軽快になりましたから、もともと軽快なフェデラーのフットワークはますます軽快でした。 

対戦相手は地元の33歳のニーメヤー。ランキングは487位ですが、WCをもらって大健闘。サーヴがよくて、第1セットはタイブレークにもちこみましたが、第2セットには息切れ。フェデラーはときどきスーパーショットを披露して余裕しゃくしゃく。マレーやジョコヴィッチよりもシャープで自信にあふれていました。

投稿者 Tennisnakama  23:24 | コメント(7)| トラックバック(0)

錦織圭が肘の滑膜切除

錦織選手のマネージャーのオリヴァーからメールをもらい、圭のウェブサイトを読んでくれとのことでしたので、読んでみるとびっくり。とんでもないことになっていたのですね。

私は5度もスポーツで怪我をして手術をしていますので、もう怪我のことなら任しておいて、という感じですが、とにかく医者が当てにならないことは経験から百も承知。NYの権威のある医者でも見逃すことは大いにあり、というのは納得です。

6ー8週間はリハビリ。ということは今年一杯はトーナメント出場は不可能になりましたね。これだけの長い期間、ブランクをつくってしまうと危ないのは精神状態。ここはしっかり割り切って、人間として成長する時期として、今までできなかったことをトライしてほしいですね。特に日本のジュニアとの交流をはかって、彼らに夢を与えてやってほしいと思います。

私たちにできることは一つ。圭くんを励ますことです。どんなことが起きても、私たちは圭くんを応援しつづけますよ、というエールを送りましょう。ファンの激励がどれだけ選手にとって励ましとなるか、計り知れないのです。ですから錦織ファンの皆さんは、これからが私たちの出番です。

メッセージはこちらまで:http://blog.keinishikori.com/index.html

以下は公式サイトに掲載された報告です。

【from IMG】錦織圭選手の現状報告
錦織圭は、全仏オープンの欠場後、ニューヨークのアルチェック医師のもとで行ったMRI検査の結果、「右肘の疲労骨折」との診断を受け、右肘の完治に向けてリハビリを続けておりました。しかし、どうしても右肘の痛みが取れなかったため、その痛みの原因を特定すべく、日大病院において、8月7日に内視鏡検査を実施いたしました。
その結果、MRI検査では発見できなかった小さな間接軟骨の損傷(右肘後方関節軟骨損傷)とそれに伴う滑膜の炎症(慢性滑膜炎)が認められ、即座に炎症を起こしている滑膜の切除と軟骨の損傷部分の処置を行いました。そのため、軟骨の損傷部分に繊維軟骨が新しく作られ、痛みなくラケットを振ることができるようになるには、さらに6-8週間程度のリハビリ期間が必要になります。
したがって、現時点で全米オープンへの出場は断念せざるを得なくなりましたので、ご報告させていただきます。今後は、右肘の回復具合を見ながら、できる限り早い復帰に向けて、日本においてリハビリを継続していく予定です。
投稿者 Tennisnakama  17:29 | コメント(10)| トラックバック(0)

モントリオールが始まりました!

モントリオール初日の報告です。

昨日は気温35度にも及ぶ熱暑のもとで試合が行われました。選手も大変だったでしょうが、観戦する方も大変。省エネでクーラーを使わない私とペルシャ猫のモモちゃんは、あまりの暑さに気を失いかけるほど。それで決心。必死に抵抗するモモちゃんをつかまえて、じょきじょきとヘアカットをしました。もうおかげで私は血まみれですが、彼のすっきりした顔をみてよかったよかった。

My Name is Momo



Day 1のハイライトです


さて、私の下手な解説よりもビデオでハイライトをみていただいた方が臨場感がありベターだと思いますので、これからときどきビデオでその日のハイライトをご紹介していきたいと思います。しかしビデオだけではあまりにも手抜きですので、ビデオの解説を簡単に訳しておきました。( )は私のコメントです。




ユズニー def チリッチ: 4-6, 7-6(4), 6-1
15位のチリッチは65位のユズニーに対して比較的問題なく第1セットを64でリード。しかし2セット目に入ると、ユズニーはプレッシャーをチリッチに与えつづけタイブレークを勝ち取り、最終セットではチリッチは勢いののったユズニーを伏せることができずに、2時間26分のバトルに終止符を打ちました。

(チリッチがモメンタムをキープすることができず、もろく第3セットで崩れ去ったのは意外でした。しかし35度以上の気温では、インテンシティーを保持し続けるのがむずかしかったと思いますが。こういう負け方は選手にとって一番悔いの残る嫌な負け方。でもこういう試合を経験してこそ選手は伸びていくと思いますので、次のシンシナティに期待したいと思います。)

ヴァヴリンカ def キーファー: 6-4, 6-1
昨年のトロント大会(ロジャーズカップはトロントとモントリオールで交替に行われます)の準優勝者のキーファーは今年はランキングが100台まで下がり苦戦。ヴァヴリンカは問題なく64、61で2回戦に進出をきめました。

(32歳のキーファーは、エントリー時点では32位でしたが現在は110位まで落下。ドイツのシュツッツガルト(250)ではQF、スイスのグスタート(500)ではSFと健闘しているにもかかわらず、この急激なランキングのドロップはなぜ起こってしまったのでしょうか?

昨年のトロント準優勝のポイント700を失ってしまったことが原因ですが、それにしても7月20日にはランキングが32位だったキーファーですが、翌週にはこの700ポイントを失って、何と128位に転落。96のランキング降格は多分今年最大のドロップではないかと思います。)

ナダル/ロイグ def ジョコヴィッチ/ヴェミッチ: 7-5, 6-4
フレンチオープン以来初めてのトーナメントのナダルはダブルスで、ライヴァルのジョコヴィッチと対戦。ナダルは長いブランクにもかかわらず、まったく錆を感じさせないテニスで、最後はサーヴィスエースで決め勝利を勝ち取りました。

(懐かしいスリーヴレスのトップにカプリのパンツです! 何を着るかはとても大切なこと。自分らしいウェアで伸び伸びとモントリオールを荒らしてほしいと思います。第2回戦はダブルスのエクスパート、ミルニー/ラムの強豪です。でも遊びのつもりで楽しんでほしいと思います。)

モンフィス def サフィン: 6-2, 3-6, 6-2
今年引退をしてしまうサフィンに、もっと試合を続けてほしいと応援するカナダのファンに応えて、サフィンは第2セットを勝ち取り最終セットに。しかしモンフィスはサフィンのチャレンジを受けて、第3セットを短時間で勝利。

(第3セットのモンフィスは実にすばらしかったです。彼の打つショットはすべて決まり、サフィンが気の毒でした。マッチポイントはサイドライン上にフォアのダウン・ザ・ラインのウィナーを決めて、モンフィスは2回戦に進みます。)


Fashion Show





ジョコヴィッチはちょっと抵抗しながらストリプティーズを披露して大喝采を浴びました。

いつも何かをやると批判されるので、ジョコヴィッチは下着のファッションショーに出るのは二の足を踏みましたが、説得されて条件付きで承諾。その条件とは「バスローブ」を着ること。しかし与えられたバスローブはあまりにもミニなのでびっくり。しかし出番が迫っているジョコヴィッチは、「もうやるしきゃない!」と持ち前のエンターテイナーのスピリットで、最後はいさぎよくガバッ!と脱ぎました!

彼のおかげでこのファッションショーは最高に盛り上がったのはいうまでもありません。ジョコがいかにテニス界にとって貴重な存在か、彼は再び実証してみせました。パチパチ!


TVニュースで東京の地震をみて驚きました。私は実家が神戸の近くですので、あの阪神大震災がダブって思い出され心が痛みます。一日も早い復旧をお祈りしております。



投稿者 Tennisnakama  23:46 | コメント(6)| トラックバック(0)

ナダルが好調なスタート

ナダルがダブルスでジョコヴィッチのペアを破りました。

ナダルと彼のアシスタント・コーチのRoigのペアは、とてもリラックスしてダブルスを楽しみました。

対戦相手のジョコヴィッチは同国セルビア人のヴェミックと組みましたが、ナダルチームに7-5, 6-4で敗退。

「今日はフランシスコ(Roig)と組んで面白かった。ダブルスだって勝ちは勝ちなのだからすごく嬉しい。水曜のシングルスがとても楽しみだよ。」

膝の問題があるとはとても思えないきれのよいプレーをしたナダルは、トロイッキもしくはフェレールと第2戦を迎えます。

それにしても、このスリーヴレスとカプリのテニスウェア!懐かしいですね。彼を最初に見たのもこのルックでした。これは練習用なのでしょうが、やっぱりナダルはスリーヴレスにかぎります。

でもこのナダルの目つきは? この二人の仕草はやたらおかしい!

「ねえ、旦那、寄ってらっしゃいよーん!」
「うれちいねッッッッッッェ、ラファちゃん!オッケーよん」

nadalroig



投稿者 Tennisnakama  13:44 | コメント(6)| トラックバック(0)

錦織選手 US Openを断念!

錦織選手 US Openを断念!
錦織選手が正式にUS Openの欠場を表明しました。

ESPNの記事で欠場を知りましたが、肘の具合がまだよくないようですね。
http://sports.espn.go.com/espn/wire?id=4390027&section=tennis

かわいそうですね。圭くん。どんなに口惜しい思いをしていることでしょう。

US Openのエントリーは、開催日の6週間前の7月20日付けのランキングで決められます。圭くんのランキングは105位だったのです。104位のDAディレクト・アクセプタンスにはあと1位足らずでしたが、オータネイトの順位が1位ですので、すでにエントリーができていたのです。

どういうことかといいますと・・・

US Openは128名が参加します。選手は以下の4つのカテゴリーから構成されます。

ディレクト・アクセプタンス DA  104名
(詳しい内容は前号を参照してください)
7月20日付けのランキングで決定。1位のフェデラーから104位のベックまでエントリーが確証されました。圭くんは105位です。

クウォリーQ 16名
予選で勝ち抜いてきた選手がエントリーできるのは16名

WC 8名

DA104名+Q16名+WC8名=128名となります。

オータネイト Alternates 
7月20日のランキングが105位以下の選手に、欠場者が出れば代わりにエントリーできる権利を与えたもの。ランキングの順にシード番号がつけられます。105位がシード1、106位がシード2・・・という順番になります。

ナルバンディアン、アンチッチ、モヤの3人の欠場によって、オータネイトの上位3人までがエントリーできることになりましたので、圭くんは問題なくエントリーできたのですが、本当に残念でした。

105 錦織 (シード1)
106 ラペンティ(2)
107 クエヴァス(3)
108 ラム(4)

しかしよく考えてみると、もし怪我が治っていたとしても、最初のトーナメントがグランドスラムというのは、ちょっと無茶なカムバックかもしれません。思いきって今年中はお休みにして、今までやれなかったことするのも、気分転換になってよいのかもしれませんね。

シャラポヴァはカムバックまでの10ヶ月の間、リハビリをやる一方、相当遊んでいたと聞きます。「マリアはテニス以外にエンジョイすることが沢山あって、多分カムバックしないだろう。」という友だちの話も読んだことがあります。

シャラポヴァは7歳のときに父に連れらてボレテリの門をくぐって以来、テニス人生まっしぐら。もし肩の怪我がなければ、シャラポヴァは逆に早くバーンアウトしてしまっていたかもしれません。

圭くんもすべてがテニス一色の人生で、しかも異国で家族と離れて暮らすという気が抜けない生活を強いられてきました。そのことを考えると、思いきって長期の休暇をとって、今までやれなかったこともしてみるのも、心に栄養を与えることになってよいのかもしれません。


投稿者 Tennisnakama  11:13 | コメント(6)| トラックバック(0)

ドローの仕組みを知る

モントリオールの大会がいよいよ8月10日から始まります。この大会はロジャーズカップと呼ばれ、トロントとモントリオールが毎年交替で開催するマスターズシリーズの一つです。

トーナメントが始まる前に、ここでモントリオール大会について少しおさらいをしたいと思います。

この大会で得られるポイントは以下の通りです
優勝: 1000
準優勝: 600
準決勝進出: 360
準々決勝進出: 180
第3戦進出: 90
第2戦進出: 45
第1戦敗退: 10 (WCは0ポイント)

第1戦のみどころ
シングルス
チリッチ vs ユズニー
(チリッチはワシントン大会でインドのクウォリーのDevvarmanに第2戦で意外な敗退していますので、自信がゆらいでいるかもしれません。)

ヴァヴリンカ vs キーファー
(ヴァヴリンカは7月末に、119位のBellucciにスイスのグスタートで負けてしまっていますが、サーフェスはクレーでしたので、ハードコートシーズン最初の試合となります。キーファーは昨年、決勝でナダルに負けていますので、今年こそはという気持ちが強いので油断できません。)
 
サフィン vs モンフィス
(昔プラクティスを一緒にやって、サフィンがモンフィスのうまさに驚いて「何で70番くらいでウロウロしてんだい?」と叫んだとか。)

シモン vs ダンセヴィッチ(カナダ出身)
(シモンはハードが得意。もうそろそろディフェンスのテニスを止めてスランプから立ち直ってほしいところ。)

ダブルス
ナダル/ロイグ vs ジョコヴィッチ/ヴェミッチ
ナダルはアシスタント・コーチのロイグとペアを組んで、ジョコヴィッチと対決します。ヴェミッチはダブルスの選手ですので、勝つ見込みはないでしょうが、軽い気持ちでウォームアップでしょうね。これはセンターコートでないので多分観ることができないと思いますが残念ですね。

ドローの仕組み
より大会を理解するために、ここでドローがどのようにして決定されるのか説明したいと思います。

モントリオールのエントリーの締め切りは開催日の6週間前の6月29日。この日のランキングで大会のエントリーが決定されます。人数枠は64名。しかしBYEが8枠ありますので、実際の出場選手は56名となります。

BYEとはトップシードの選手に、第1戦をスキップする特典を与えるために設けられた枠で、モントリオールはシード8までの選手に与えられています。

トップシード8
1 フェデラー
2 ナダル
3 マレー
4 ジョコヴィッチ
5 ロディック
6 デルポトロ
7 ツォンガ
8 ダヴィデンコ

しかしこのシーディングはエントリーランキングの順ではありません。エントリー時点でのランキング順は以下の通りです。
1 ナダル
2 フェデラー
3 マレー
4 ジョコヴィッチ
5 デルポトロ
6 ロディック
7 シモン
8 べルダスコ

では参加者56名の内訳を説明したいと思います。

ディレクト・アクセプタンス Direct Acceptance DA
6月29日付けのランキングからトップ45名はディレクト・アクセプタンス DAと呼ばれ、ダイレクトにエントリーされます。番号は当時のランキングで、シードNo.ではありません。

1 ナダル 
(エントリーの6月29日の段階ではまだランキングは1位でしたが、7月6日以降2位に落ちていますので、ドローではシード2となっています。)
2 フェデラー
3 マレー
4 ジョコヴィッチ
5 デルポトロ
6 ロディック
7 シモン
8 べルダスコ
9 ツォンガ
10 ゴンザレス
11 ダヴィデンコ
OUT ソダリング
13 チリッチ
14 モンフィス
15 ロブレド
OUT ナルバンディアン
OUT ブレイク

18 ヴァヴリンカ
OUT ガスケ
20 バーディッチ
21 フェレール
22 ツルスノフ
23 ステパネック
24 サフィン
OUT フィッシュ
26 アンドレエフ
27 Fロペス
28 ハネスク
29 シュトラー
30 メルツァー
31 トロイッキ
32 コールシュライバー
OUT モンタネス
34 ハース
35 キーファー
36 カーロヴィッチ
OUT  サントロ
38 マチュー
39 クニツィン
OUT アンチッチ
41 シャルディ
42 ガルシアロペス
OUT アカスーソ
44 ユズニー
45 イズナー (SE)

スペシャル・エグゼンプト Special Exempt SE
97位のイズナーはワシントンで準決勝に進んだため、予選に間に合わずSE (Special Exempt) として本戦入りを果たしました。SEを得る資格はトーナメントのサイズによってちがってきますが、マスターズの場合は一つの枠が設けられる場合があります。

今回のイズナーはワシントンの大会(500以上の大会でなければマスターズのSEは認められない)の準決勝のために、モントリオールの予選に間に合わなかったためにSEの資格があたえられました。このSEの選考プロセスは複雑ですので、またの機会にでも説明したいと思います。

クウォリー Qualie Q
予選で勝ち残った選手をクウォリファイアーQualifierと呼びます。これを略してくウォリーと一般には呼ばれていますが、以下の7名がエントリーしました。

フェレーロ、ベネトー、ルヴィン、ロアニッチ、ハーニッチ、ファヤ、ボゴモロフ

あのフェレーロが予選からの出場です! 
彼の現在のランキング29位からですと、本戦エントリーは全く問題ないのですが、6月29日のエントリー締め切り時点では70位でエントリー外のランキングです。

しかし次の7月10日のランキングでは33位もジャンプして37位です。これは彼がウィンブルドンでQFまで進出しましたので、一度に360ポイントを得ることができたためです。

フェレーロの今年のランキングの推移は異常ともいえるアップダウンで、5月には115位に落ち込み今は29位。こういう選手もめずらしいですね。

ワイルドカード WC
ダンセヴィッチ、ポランスキー、ニーメヤー、アゴスティネリの4名がWCを与えられました。

ラッキールーザー LL
ゴルベフが獲得(ソダリングが棄権したため。ラッキールーザーとは、エントリーしている選手が棄権した場合、予選で敗れた選手の中で最もシードが高い選手がラッキールーザーとしてエントリーが許されます。)

オータネイト Alternates
しかし問題はDAを果たしている45名の中で欠場する選手(赤色)です。欠場の穴埋めをするのが、オータネイトと呼ばれるリストです。今回はナルバンディアン、ブレイク、ガスケ、フィッシュ、モンタネス、サントロ、アンチッチ、アカスーソの8名がドローが発表される前に欠場を決めた選手です。

ソダリングはドローが発表されてから棄権していますので、この場合はLL(ラッキールーザー)でオータネイトではありません。

埋め合わせの8人は、6月29日のランキング順にとっていきます。しかしこの場合は選手に出場の義務はありませんので、以下の8人(IN)がエントリーを決めました。

IN ツヴェレフ 45
IN セラ 46
IN クェリー 47
OUT アルマグロ 48
OUT ベッカー 49
OUT セッピ 50
OUT ティプサレヴィッチ 51
OUT ニーミネン 52
OUT クレモン 53
IN セラ 54
IN ペツヒナー 55
IN ヒューイット 56
OUT バサヨ 57
OUT ベック 58
OUT ジケル 59
OUT ローカス 60
OUT モヤ 61
OUT Mゴンザレス 62
OUT ボレリ 63
IN マエール 64
IN ルー 65


投稿者 Tennisnakama  14:53 | コメント(8)| トラックバック(0)

モントリオールのホットニュース

新しい記事掲載の方法をとってみたいと思います。

モントリオールの情報がいろいろ入ってきますので、このページで最新のホットニュースを簡単にお伝えしていきます。情報が入り次第、このページに書き込んでいきますので、同じページで更新というかたちになります。

情報はまずTwitterで簡単に紹介した後、説明を加えてブログに掲載していく予定です。

ナダルがダブルスに挑戦します 8月8日
コンディションの調整のために、急きょ41歳のヒッティングパートナーのRoigとWCをもらってダブルスに出ることになりました。よほど急だったとみえてパートナーがみつからなかったのでしょうか。背に腹はかえられない状況が感じられます。

FRANCISCO ROIG

roig



さらに具合の悪いことに、対戦相手はジョコヴィッチ! 彼のパートナーはダブルス選手(44位)のセルビア人のヴェミックです。これは痛めつけられそう。本当に大丈夫なんでしょうね、ラファ?


ソダリングが棄権 8月8日
フレンチオープンでナダルを破ったあのソダリングが、右肘の故障で棄権しました。ワシントンの大会で、QFでデルポトロと対戦直前に肘の痛みでリタイアした彼ですが、やはり痛みがまだとれないみたいですね。

このためドローに変更が生じました。まずソダリングのポジションにバーディッチが。バーディッチのポジションにクウォリー(予選通過者)が。そしてワシントンの決勝に出たイズナーは、予選に出る予定でしたが、間に合わず、直接本戦入りとなりました。


フェデラーは今までで一番シャープ 8月8日
マネージャーがモントリオール大会のディレクター、ラピエール氏に「フェデラーはもの凄くトレーニングをしてきた。今までこれほどシャープな感じは見たことがないくらい。」と語ったそうです。ローカル紙のガゼットの記者も、「フェデラーは日焼けしておそろしいくらいフィットしているように見える」と書いています。パパになったことでますますモチベーションが上がっているのでしょうね。http://bit.ly/4EZ0j1

ところでプラクティスにつけていたバンダナですが、この目の覚めるようなブルーはあたらしいカラーでしょうか。ユニフォームはこのブルーで登場?

federerpractice



フェデラーのライヴァルはいつもナダル
モントリオールに来る前に、左利きのステファン・クーベック(オーストリア人)がフェデのヒッティングパートナーとしてトレーニングに招待されました。クーベックは今でこそランキングは148位ですが、トップ20にもなったことのある経験豊かな選手。二人はフェデラーの住むチューリッヒの郊外のテニスコートに現れ近所の人をびっくりさせました。残念ながらクーベックはランキングが低くてモントリオールに来れませんでしたが、以前はアメリカ人の左利きのジェッシー・レヴィーンをドバイに招待したこともありましたので、フェデの頭の中にはライヴァルはいつもナダルのようですね。

昨夜のモントリオールのセンターコートの予約は6時でしたが、2時間遅れてフェデラーがやっと登場。おしめの取り替えはやっていないのでしょうが、随行員がふえるといろいろやることがあるのでしょうね。これから赤ちゃんが突然熱を出したりいろいろ予期せぬことが起こるかもしれません。記者会見では多分毎日赤ちゃんの質問があると思いますが、世界で今最も注目を浴びているツインで、赤ちゃんたちもおちおちと病気になれず、フェデラーの子供としてのプレッシャーはもう始まっています。

モントリオール大会のTwitterをフォローしよう
Twitterでじゃんじゃんモントリオールの情報を流していますが、大会から直接おくられてくるTwitterにもアンテナをはりましょう。これは別にTwitterに登録しなくても以下のサイトを訪問すれば情報が得られます。http://twitter.com/couperogers

今年は夫とモントリオールの大会に行く予定だったのですが、モモちゃん猫の世話をしてくれる人(階下に住む老婦人)がNYにいないのでペケとなってしまいました。昔モントリオールのマクギル大学に通っていましたので、とても懐かしく行きたかったのですが・・・

この大会のTwitterはフランス語ででてきますが、おどろかないでください。モントリオールはケベック州にあり、フランス語がオフィシャル言語なのです。しかしフランス語といっても話し言葉は、訛りのひどいケベックワQuebecois。住んでたときは苦労しました。しかし書き言葉はきちんとしたフランス語ですのでご安心を。そのすぐあとに同文で英語ででてきますし、とても簡単な英仏語ですのでお試しください。

これでこの記事は最後とします。いよいよ明日から第1戦が始まります。TennisTV.comでは初日から観戦できるようですので、この1週間はモントリオール漬けとなりそうです。



投稿者 Tennisnakama  15:29 | コメント(13)| トラックバック(0)

ナダルの気になる現地情報

フェデラーぎりぎりの決断
8月7日金曜3時。この時刻までに報告しなければ、出場予定になっている選手は確実に出場することになります。つまり今日の3時が欠場報告の締め切りの時間なのです。

ロジャーカップのトーナメント・ディレクターのラピエール氏は公式サイトで、コメントを述べていますが、その意味がやっと分かりました。

「朝の8時に電話がなり、電話の国際コードがスイスだったので(41)、本当に心臓が止まるかと思うほどドキッとした!」

ラピエール氏はフェデラーのエージェントの断りの電話だと思ったようです。

でもそれはモントリオールの出場の確約の電話でさぞかしホッとしたことでしょうね。本当に私たちも嬉しいニュースです。

ただ今入ってきた情報によりますと(NYタイムズ)フェデラーはミルカ、ツイン、乳児専用看護婦を同行してプライヴェイトプレーンに乗ったそうです。ミルカの強い要望で、モントリオールのあとのシンシナティも同行するとか。すごいですね!フェデラーは別室で寝るようなので夜中に起こされる心配はないでしょうが、彼らの団結力に脱帽です。

さて、大会の地元紙モントリオール・ガゼットはメインの選手たちを追跡、刻々と詳しい情報を掲載しています。

その中でとても気になった記事が今日アップされましたので、ここで紹介したいと思います。

ナダルの気になる情報
8月7日付け
モントリオール・ガゼットの記事を要約
http://bit.ly/IgEPc

「5日にモントリオールに到着したナダルは6日木曜からロジャーカップのスタジアムコートでプラクティスを始めた。

2時間のプラクティスの様子は、今まで見慣れたナダルとは違ってあまり調子がよいとはいえない。たぶん時差やら長期の飛行機の旅で体が固いのかもしれないが。

ヒッティングコーチのFrancis Roigと練習を行ったが、トニーコーチはコートに現れなかったので、彼からのコメントを聞くことができなかった。

最初の一時間半はフォアハンドが中心。ときどきバックハンドを打つという感じ。しかし最初の一時間はボールがあっちこっちに飛び回り、コートの外に、でなければネットにという具合。

彼の膝にはテープが巻かれておらず、2ステップくらい走って打つというプラクティスを12回くらいくらいやった。感じはぎこちなく、特にリターンサーヴをデュースコートから行うとき、バックハンドでのリターンにぎこちなさが目立った。

そして、ナダルは痛いのか何度が膝をつかんだ・・・」

ナダルファンにとってはあまり嬉しいニュースではありませんが、軽く調子を見る感じのプラクティスだったのかもしれません。でもこれはナダルらしくないですね。やっぱり相当膝のことを心配しているのでしょうか。

毎日ナダルやトップ選手の情報を地元紙が流してくれますので、これからモントリオールに向けてTwitterで密着報道を行っていきたいと思います。

TennisnakamaのTwitterはここで登録しなくても読めます:
http://twitter.com/tennisnakama



投稿者 Tennisnakama  04:18 | コメント(11)| トラックバック(0)

伝説のニューコム氏が答えてくれます!

もう一年以上前の話です。私がウェブサイトをつくってブログを書き始めた頃、海外のいろんなテニスのブログをサーフしていたときでした。

ひょんなことからオーストラリアのテニスファンとネットで知り合ったのです。彼の名はマイケル・メイデンズ。アマチュアでは全国大会にも出場するプロに近いテニス選手です。彼も私同様に気持ちはテニスの伝道師ということが分かり「いかにテニスを普及させるか」というゴールのもとに意気投合したのですが、お互いいそがしくここ半年は連絡も途絶えておりました。

しかし彼は私のことを覚えていてくれたようで、昨日受信ボックスにマイケルからメールが届いていました。

「元No.1のジョン・ニューコムが読者の質問に答えてくれるので、日本のテニスファンも彼に質問してみませんか?」

マイケルはテニスの向上をめざすテニスファンのために、オーストラリア・ジュニアデ杯チームのキャプテン、ピーター・トラマッチ と組んで、 TennisAssist を立ち上げ、「試合に勝つテニス」のアドヴァイスを続けてきましたが、今回は伝説のジョン・ニューカムを迎えての特集です。

tennisassist



ジョン・ニューコムとは、オーストラリア人でグランドスラムのシングルスのタイトル5個、ダブルスでは何と11個、計16のタイトルをとっています。ですからダブルスを含めればフェデラーよりタイトルが多いことになります。しかもダブルスは2回のキャリア・グランドスラム(各GSを2個づつとっている)をとっています。

1969年のロッド・レイヴァーとのウィンブルドン決勝は歴史に残る試合として有名で、YouTubeでその一部を観ることができます。
http://bit.ly/ZwoBm
http://bit.ly/u02f7

さてembedできるビデオでニューコムとビヨン・ボルグとの試合をみつけました。1977年World Invitational Tennis Classicです。




そこでさっそくニューコム氏あてに質問してみました。

「現役で活躍されていた時代と違って、現代のテニスはますますパワーゲームになりつつあり、小柄な選手が試合に勝つことがむずかしくなってきています。パワーテニスに対抗するため、日本人のような小柄な選手は、どのようなテニスを目指せばよいのでしょうか?」

このテーマはかつてニック・ボレテリ氏にも聞いたことがあります。彼の意見は以下の記事に掲載しました。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/141318.html

この問題は日本選手がかかえる深刻な問題です。選手の巨人化がすすむテニス界にあって日本選手が成功するには、彼らと同じようにベースラインから打つベースライナーとなっては、勝ち目がないのは明らかです。またいくら小柄な選手がすばしっこくても、マイケル・チャンが伸び悩んだように、球を取りまくるディフェンス・テニスの将来性はありません。

ラケットとストリングの進歩と同時に、選手の巨大化とパワー化によってテニス自体に大きな変化が訪れています。その変化にどのように対応していけばよいのか?

つい最近の記者会見で伊達選手が「私は頭とテクニックを使ったテニスで勝負をする」といったような意味の発言をしています。まさに彼女の言う通りですが、では具体的にどのようなテニスをすれば勝てるのか?

ジョン・ニューカム氏の答えは一週間後にもらえると思いますが、まずマイケルの意見をご紹介します。

マイケル・メイデンズから
「誰もが190cmを超える大型選手でないのだから、この質問は実によい質問だと思う。サーヴィスゲームとリターンゲームの二つに分けて簡単に述べてみたい。

サーヴィスゲーム
小柄な選手はまずサーヴが武器でなければならない。%の高いサーヴでサーヴィスゲームを勝ち取ることが先決。
(tennisnakama: 錦織選手のデビュー当時は、何度もブレーク合戦を繰り返していました。これは彼のサーヴが弱く、特に2ndサーヴはよく狙われていましたので、サーヴィスゲームをホールドすることがむずかしかったように思います。)

サーヴのあとの第1ショットは、リターンのパワーを殺すショットで対抗する。例えば相手のボディを狙って打つとか、ショートボールを打ってネットにおびき寄せるとか、またショートアングルを打って相手のバランスを崩させるとか。相手にパワーを使わせないショットを組み立てる必要がある。つまり相手から武器を奪いとることが大切。苦手なショットを強いられる相手は、リズムを得られず焦りがでてきてミスが多くなる。

リターンゲーム
リターンの成功率がよくなければならない。まずリターンをしてから辛抱強くブレークチャンスを待つ。相手が予期できないショット、気持ちよく打たせないショットの原則は変わらない。アガシはベストのリターナーだった。小柄な彼のコンパクトなリターンは参考になると思う。

Tennisnakamaから一言
相手を気持ちよく打たせない、ブラッド・ギルバートの提唱する「アグリーなテニスをする」ことが、小柄な選手に必要な基本条件だとすれば、ではどんなショットが有効なのか? ドロップショット、ループボール、ドライヴヴォレーなどいろんなショットがありますが、私はフォアのスライスショットを加えたいと思います。

フォアハンドのスライス
サントロのテニスを昨年ニューポートで生でじっくりと観戦しましたが、ユニークなのは、彼の両ハンドのフォアハンドから生み出される、ネットぎりぎりに滑りこんでくる鋭いスライスです。今の選手はトップスピンの練習ばかりで、スライスに慣れていません。相手コートに低空飛行するスライスは、ウェスターンのグリップでは打ち返すことはむずかしく慌ててしまうのです。

ロディックナダルが強くなったのも、片手バックハンドのスライスをふんだんに使い始めたことが大きく原因していますが、彼らの場合はバックハンドだけに限られています。武蔵のように両刀使いで、フォアとバックハンドの両方を、トップスピンとスライスで翻弄すると、相手はリズムが狂ってしまいます。

チップ&チャージ
またサーヴ&ヴォレーやダブルスではよく使われているあのチップ&チャージも有効だと思います。スライスをカットするように打つのをチップといいますが、チップしたあとすぐネットダッシュしてチャージします。これはアグレッシヴなリターンゲームで、突然使うと相手をぎょっと驚かすことができ効果的です。

このようにアグリーな試合を展開するには、様々な技を自由自在にこなせることが必須となりますので大変ですが、できないことはないと思います。アメリカやスペインで教えている方法をそのまま取り入れるよりも、日本人に合った「勝つテニス」を理解した上で、ジュニアのプログラムを組み指導していくことが大切なのではないかと思うのですが。

さて、ニューコム氏への質問ですが、この記事のコメント欄に書いていただければ、英訳してお伝えしますので、ぜひふるってご参加ください。(一人一問となりますがよろしくお願いします)



投稿者 Tennisnakama  23:16 | コメント(17)| トラックバック(0)

ボールがボールに開眼

Carsten Ball

ballcarsten



8月2日のロサンジェルスATP250の決勝は、地元同士のカリフォルニアンボーイの対決となりました。クウォリー(予選者)のカーステン・ボールCarsten Ball 22歳が健闘して、クェリーに第2セットを奪いましたが、 6-4, 3-6, 6-1 で最後はガス欠で敗退。しかし予選から戦い抜いて決勝まで進出したボールの快挙は、一年前デルレービーチでブレイクを破って優勝した錦織選手を思い出します。

ボールとクェリーの二人はいずれも南カリフォルニア生まれ。1984年にジミー・コナーズがエリオット・テルシャーを倒して優勝していますが、彼らもカリフォルニア出身。今年は25年ぶりの all-Southern California マッチとなり、ローカル選手の対決で大いに盛り上がりました。

ボールという名は聞き慣れないと思ったら、LAのトーナメントに出るときのランキングは205位のオーストラリア人。ほとんどフューチャーズとチャレンジャーのトーナメントで戦ってきた選手ですので、どうりで浮上してこなかったわけです。

ボールの名前は球のボールと一緒でややこしいのですが、とにかく左利きのサーヴがすばらしい。彼のフォームは理想的で美しく、強烈なキックサーヴが対戦相手を苦しめてきました。「ここのサーフェスは速くていい感じだ。僕の球が高くスピンしてくれて、その間にネットダッシュできるからね。」と自信満々。恐ろしい新人です。

Los Angeles Final - Sam Querrey vs Carsten Ball (Second set)




ボールは南カリフォルニアのニューポートビーチ生まれ育っています。多分二重国籍だと思いますが、なぜ国籍をアメリカ人としないでオーストラリア人で登録しているのか?  

父親はオーストラリアのプロ選手、シド・ボールですが、それにしてもトレーニングは生まれたときからカリフォルニアです。今もベースは変わらずニューポートビーチなのに、国籍をアメリカにしないでオーストラリアにしているのは不思議です。

これはあくまでも私の想像ですが、アメリカ人枠よりもオーストラリア人の方が、デ杯やオリンピックのチャンスが大きいと考慮したのかもしれません。しかもオーストラリアでは父親のコネもありますし。

「父親と一緒にいるのはタフなときもあるけど、父がコーチでずうっと僕についていてくるのでフォーカスできる点がプラス。」

「僕にとってはこの試合が転機になった。違うレベルでやっていける自信がついた。」

ボールはまだATPツアーレベルの優勝はありませんが、今年はこのLAの大会で3回連続の決勝戦に進出するという快進撃です。この記録は2004年のロディック以来だそうで、ボールは突然ボールに開眼したようです。(つまらないダジャレですみません)


投稿者 Tennisnakama  00:49 | コメント(5)| トラックバック(0)

マレーの知られざる素顔

(写真とビデオを付け加えました)

7月31日の記事で『マレーのちょっといい話』でアンディ・マレーのエピソードをご紹介しました。最近の彼をみていると、ティーンネージだった頃のパンクと言われて批判されていたアンディがまるで嘘のようです。

かつてのアンディ

wildmurray



イギリス人が頭に描く理想的なテニス選手といえば、清潔な紳士の代表、ティム・ヘンマンです。しかし当時のアンディは、髪は伸び放題。試合中に汚い言葉(F%#Kなど)でののしったり、コートマナーは生意気で、しかもスコットランド人。どれをとっても、アンディはイギリスにおいて国民のアイドルになるにはほど遠い存在だったのです。

そしてマレーが19歳のときです。犯してはならないタブーをマレーは犯してしまったのです。どのチームがワールドカップの決勝にいくと思いますか?という記者の質問に、「どのチームが決勝にあがっても僕は応援するよ。イングランド以外はね。」


このanyone but Englandの言葉は、マレーとしては単なるサッカージョークのつもりだったのですが、この言葉が一人歩きして、イングランド・ヘイターとして世界に名を轟かしてしまったのです。「イングランドだけは応援したくないね」という言葉がどれだけイギリス人の感情を逆なでしたことか。それでなくても、日頃からパンクと呼ばれているマレーです。このダメージ修復に相当なエネルギーと時間を要したことは言うまでもありません。

一昔前のマレーは負けそうになるとグダグダした態度をとり始め、しかもカウンターパンチャーですのでどうもテニスがネチッこい。ヘンマンのような美しいサーヴ&ヴォレーの伝統ローンテニスはやらず、正直いって私もあまり好きにはなれなかった選手の一人でした。

そのあまり印象のよくないマレーが変わったのは、昨年のウィンブルドンでのガスケとの死闘の第4ラウンドのときでした。

2セットをすでに落としてしまったマレーは3セット目を迎えました。2セットダウンからのカムバックは、ほとんど不可能のようにみえます。それでもあきらめず必死に戦うマレーに、イギリス人たちは割れんばかりの拍手とエールでマレーを応援したのです。

「これだけ多くの人たちが、まだ自分を見捨てないで応援をしてくれてるんだ!」それは意外な驚きでした。今まで経験したことのない感動の嵐がマレーを襲ったのです。

「僕は負けられない!最後の力を振り絞ってイギリスのために戦うぞ!」

3セット目をタイブレークでとったマレーは、奇跡的な2セットダウンからのカムバックを成し遂げ、ついにガスケを破って勝利を勝ち得たのです。盛り上がった力こぶを誇らしげにみせて、観客の拍手に応えたアンディを覚えていらっしゃる方も多いと思います。あの力こぶはまさにアンディのメッセージだったのです。

「イギリスは僕を認めた!僕はイギリスの誇りとなった!」





何度も記者会見で「ウィンブルドンが僕に計り知れない自信を与えてくれた!」と強調するマレーは、確かにあの試合によって新しく生まれ変わったように思います。

アスリートとして人間として、マレーはこの一年間で大きく飛躍しました。

ウィンブルドン以降のマレーの活躍は目を見張るものがあります。

2008年
シンシナティのマスターズでジョコヴィッチを破り優勝。
US Openではナダルを破り決勝進出。
ロシアのSt. Petersburgの優勝
上海マスターズカップでロジャー・フェデラーを破る

2009年
ドーハではフェデラー、ジョコヴィッチを破って優勝
ロッテルダムではナダルを破って優勝
インディアンウェルズではフェデラーを破り決勝へ
マイアミではジョコヴィッチを破り優勝
クウィーンズクラブでブレイクを破って優勝
ウィンブルドンは絶好調のロディックに準決勝で敗退

悲しさと怒りをテニスに
アンディ・マレー(22歳)はイギリスのベスト・シングルス選手、兄のジェイミー・マレー(23歳)はイギリスのトップ・ダブルス選手。このイギリスのテニプリ兄弟の育ってきた環境は、かならずしもバラ色のサクセスストーリーではありませんでした。

アンディが9歳のときに両親が正式に別居、9年の別居生活をへて、18歳のときに正式に離婚しました。

「小さいとき、今週は母の家、来週は父の家と両親の家を行ったり来たり。クリスマスはどちらの家で何日過ごすか、両親はいつも争っていた。言い争う二人の間に挟まって、僕はテニスよりも幸せな家族がほしかった。」

左がアンディ、右がジェイミー

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アンディは両親の争いと別居のなかで、悲しみと怒りに満ちた 少年時代、思春期を過ごしています。トーナメントの前夜に両親が喧嘩するのを見ながら、アンディは怒りの気持ちをテニスにぶつけて戦ってきました。それだけでなく煮え立つ怒りが原動力となり、逞しい選手として成長していったのです。

実はシングルファーザーだった
父親のウィリアム・マレーは7月6日に英紙デイリーミラーに暴露インターヴューを行っています。
http://bit.ly/3RrYAe

左がガールフレンドのキム、右が父のウィリアム。

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ジュディ(母親)は現在アンディの活躍とともに、TVや雑誌のインターヴューに登場し活躍をしています。彼女のストーリー「シングルマザーで二人の息子をここまで育てあげた」に我慢できなくなっての激告白です。

「自分が子供を捨てたように思われてしまっているのは心外だ。家を出て行ったのは自分ではなく母親だったのだから。彼女は自分のテニスの野心のために家族を捨ててしまった。 仕事からまっすぐ帰宅して、食事の支度をし洗濯をして、子育てをしてきたのは母親でなく父親だったのだから。」

「でもテニスは彼女の領域。会場のファミリーボックスで応援する彼女の姿がいつもTVに映るので、父親が全く不在なように思われているが、僕だって応援に出かけている。僕は僕なりに一生懸命息子たちを応援している。」

左が母ジュディ、右がキム

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ジュディ自身も認めているように、彼女のテニスへの野心が夫婦の破局をもたらしたことは明らかでした。彼女がスコットランドのナショナルコーチに就任したのは、アンディが8歳のとき。一年後には別居しています。テニスだけでなく、二人の性格の違い、考え方の違いは、相容れることができないほどに深く、離婚は仕方なかったと父ウィリアムは語っています。

キムとマギーの支え
ウィリアムとジュディは意見の一致をみることのない犬猿の仲ですが、アンディの成功の大きな原因に、ガールフレンドのキムの存在が不可欠であったことは二人とも認めています。キム・シアーズ。同年齢で3年半前に知り合ったキムは、今はアンディの新居に同居中ですがまだ学生の身分。ファミリーボックス席でよく見かけるキムは、父がテニスコーチで、小さいときからテニスの環境で育っていますので、アンディのよき理解者となっています。

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そして忘れてならないのは愛犬マギー。 マギーの名はロッド・スチュアートの"Maggie May"からとったとか。「トーナメントで疲れて帰ってきても、マギーとフリスビーをして遊んでいると疲れも忘れてしまう」そんなマギーとキムの厚いサポートの中で、アンディ・マレーは得意なハードコートシーズンを迎えます。どんな活躍をみせてくれるか楽しみです。

見事に変身したアンディ

フレッド・ペリーを着てみごとイギリスのジェントルマンに変身しました

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投稿者 Tennisnakama  21:38 | コメント(7)| トラックバック(0)

ナダルの詰まったスケジュール

今日8月5日にナダルはカナダに向かって出発しました。全仏以来久しぶりのカムバックです。出発前日の4日にPorto Cristoの彼の別荘で、Daily Marcaがインターヴューを行いました。
http://bit.ly/pIKp7

「もし膝の具合がよければ、デ杯にも出たい。」とデ杯への熱い気持ちを語るナダル。実際試合をするまでは、膝がどこまでもちこたえられるか分からない・・・という不安な状況の中で、モントリオールに出場します。多分試合を重ねていきながら調整していくのでしょうが、気になったのは、膝を守るために大会の回数を減らすということはしないようです。これは多分膝の調子をみながら臨機応変に対応していくのでしょうが、またオーヴァーワークになってしまわないかと心配です。

以下は4日のインターヴューの一部です。スペイン語をグーグルを使って英語に翻訳しましので、不明瞭なところが多々あります。ですからニュアンスの違いなどはお伝えできておりませんのでご了解ください。

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FOTO: MONSERRAT | MARCA



Q:調子はどうですか? 100%でないかぎりカムバックしないということでしたが。

ナダル:自分の状態が100%回復しているかどうかわからない。そうであってほしいと願っているけれど。実際試合が始まってみないと、どこまでいけるのか分からない。でももしうまくいかなかったらちょっとショックだけど。でもとにかくトライしてみるつもりだ。

Q:モントリオールに出場に関して、自分の体調に疑問は湧きませんでしたか?

ナダル:そうだね。大丈夫だという自信はあるけど怪我をしてしまう可能性もあるよね。最初の日にそうなると困るけど。この4日間トレーニングしていてちょっと痛みがあったけれど、でも僕はやっていける自信がある。試合に出る時期がきたと思っている。

Q:デイヴィスカップは出場する予定ですか? (スペインvsイスラエルの準決勝は、スペインでUS Openの直後9月18日20日に行われます。)

ナダル:デ杯はいつも自分のスケジュールに入っている。もし膝に問題がなければ、今年後半は、モントリオール、シンシナティ、 US Open、デ杯、バンコック、北京、上海、パリ、ロンドンの予定を消化していくつもりだ。

Q:ドクターの診断についてはどう思いますか?

ナダル:ドクターの診断だけに頼っているわけじゃない。自分で判断している部分が多い。すべてのことは自分の決断でやっているといってもよいかな。これでキャリアが終わってしまうとは思っていない。2005年のときはもっとひどくて歩けない状態だったからね。あのときは19歳だった。今は23歳。あれから数個のトロフィーを得ているよ。

Q:No.1のときにこのようなことになってしまったことは最悪の事件だったと思いますか?

ナダル:正直言って、 No.1になれたことは一番嬉しかった。長い間 No.2だったからね。最高に幸せだったのは、ウィンブルドン、オーストラリアと優勝して、そしてスペインがデ杯で優勝したときだった。でも僕がNo.1になろうと、No.2になろうと僕の人生はそれほど変わりはないよ。でもウィンブルドンで優勝したときは、2ヶ月間本当に幸せだった。なにしろ僕の夢がかなったのだから。

Q:ソデリングに敗退したことは、今までの敗北の中で一番辛いものでしたか?

ナダル:彼との試合が最も辛いものだったかどうかわからないけど、負け試合はいつもとても辛いものだからね。あの試合は今までのなかでも、自分が全くコントロールできなかった数少ない試合の一つだった。いつもローランギャロスに勝つとは思わないけれど、膝の痛みもあって思うようにいかなかった。

Q:マドリッドの出場が間違いだったようですが、これからはもうマドリッドには出場する予定はないのですか?

ナダル:もちろんマドリッドには戻るつもりだ。僕は自分の限界が分からないできた。出場するからにはいつも限界に挑戦してきたから、誰にもどこまでが自分の限界か分からないなかった。でもやっぱりマドリッドは間違いだったと思う。しかしマドリッドにでなかったらRGの結果が違っていたか? ウィンブルドンにでることができたか? これは分からない。

Q:マドリッドの大会はナダルが気がよすぎて断れなかったと一般では言われていますが?

ナダル:もしあの試合がマドリッドでなければ僕は出ていなかった。3つのトーナメントを毎週続けて出場するというのは膝に絶対よくないのは分かりきったことだからね。炎症止めの薬を飲みながらの試合は問題があったことは確かだ。でも準決勝のジョコヴィッチとの戦いはすばらしく忘れられない思い出の一つだ。だから後悔はしていない。

Q:フェデラーナダル不在に便乗したかたちですね?

ナダルフェデラーは優勝に値する選手だ。現実とはそういうものだ。

Q:フェデラーはテニス史上ベスト選手だと思いますか?

ナダル:僕の時代ではもちろん彼はベストだと思う。でもテニス史上ではロッド・レイヴァーが2回もグランドスラムを達成している。だから数字の上では彼がベストだと言える。でもフェデラーのキャリアはまだ終わっていないのだから。

Q:フェデラーの目出たい出来事が続いていますが連絡をとっていますか?

ナダル:RG、ウィンブルドンの優勝、そしてツインの誕生。このすべての機会にお祝いのメールを送ったよ。彼からはそれぞれ返事をもらっている。

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FOTO: MONSERRAT | MARCA



Q:US Open まであと3週間ですが、それに対して何かプランでも?

ナダル:モントリオールとシンシナティの試合の結果次第だ。準決勝や準々決勝に進めても、プレーの感じがよくない場合もあるし。自分に疑問が残ればむずかしいと思う。

Q: US Openに出場するときに、No.3に下がっている可能性がありますが。

ナダル:マレーはよく準備しているだろうし、僕が守らなければならないポイントが多いから、 No.3の可能性はあると思う。これは仕方のないことだ。でも僕はポジティヴな態度で、毎日のトレーニングを重ね、日々の向上につとめるつもりだ。 僕のゴールは変わりはない。

Q:ナダルvsフェデラーはボルグvsマッケンローに匹敵する世紀のライヴァルだと言われていますが。

ナダル:驚いたのは、ボルグとマッケンローはGSの決勝は4回しかなかったことだ。もっとあると思っていたよ。(ナダルvsフェデラーのGS決勝は8回7回、準決勝1回)僕がフェデラーと決勝で戦うときは、いつもスペシャルな気持ちになる。これは観てる人にとっても多分同じ気持ちだろうけど。

Q:2005年のときは膝の故障で4ヶ月も休みましたね?
(10月のマドリッドで優勝したあと、オーストラリアン・オープンを欠場。翌年2月のマルセイユでカムバックしている)

ナダル:あのときは今よりももっと深刻な状態だった。

Q:プロアスリートとしてのキャリアが終わってしまうかもしれない恐れについては?

ナダル:僕のレベルを保っていけないかもしれないという恐れは持っている。今はNo.2に落ちても平静な気持ちでいることができる。これから僕に何が起ころうと、今までにいろんなことをやってきたから。(後悔はないと言いたかったのだと思います。)

Q:膝の治療中は何をして時間をつぶしていましたか?

ナダル:僕はテニス以外にも、サッカーをやったり活動的だから、ビーチでハンモック、というのは僕の性分に合わない。静かにしているというのは面白くなかったが、でもおかげでソファーに座っていろんなスポーツ番組をみることができたよ。

Q: パパラチに追っかけられてやりたいこともできないのでは?

ナダル:写真を撮られるかもしれないという理由でやりたいことを止めてしまうことはない。写真に撮られてしまったら運が悪かったというだけの話。

試合のスケジュールに関して、大きな疑問が残ります。慢性の膝の問題は、膝を休めるというのが鉄則です。私は両膝を別々の症状で手術をしていますので、痛みとの戦いは日常茶飯のことですが、別にそれほど痛くなくても、休めていかなければ後で大きな代償を払うことになるのはナダル自身が一番よく分かっているはず。

膝の様子をみながら判断するのではなく、痛くなくても試合の数を減らして膝の予防にあたる、といった固い決意をみせてほしいと思います。どうか元の木阿弥にならないよう、くれぐれも出場しすぎないようお願いしますよ、ラファ!
投稿者 Tennisnakama  20:53 | コメント(3)| トラックバック(0)

スイス建国記念日なのです

今日は8月1日。スイスの建国記念日なのです。世界の街角でスイス人たちが集まってお祝いのパーティを開きます。私たちはマンハッタンの5番街のルーフガーデンで開かれるパーティのために、Hopp Schwiizのスピリットでもって、スイス国旗のシャツにキャップ。バッチリと決めてお出かけです。

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お天気も最高。青空にエンパイアステートビルがそびえ立ち、なかなかニューヨークっぽい雰囲気です。周りの女性をいろいろ探しましてみましたが、スイスの国旗のタンクトップは私ただ一人。やったぜ!いろんな人からどこで買ったの?と聞かれてちょっと嬉しかったですね。実はモンブランに出かける夫に、スイス中を探して絶対国旗のタンクトップを買ってきてほしいと頼んでいたものですから。ちゃんと見つけてきたのはさすがでしたが、なんとサイズがXL。

ちょっと絶句でしたよ。私のサイズはSなのです。彼はこれしかなかったと冷汗をかいて弁解してましたけど、これはちょっと臭い。サイズをみてなかったに違いない。前回はなにしろ子供用を買ってきてましたからねェ。何十年と妻の姿を見ていてもサイズが分からない?それとも面倒? たぶんその両方なんでしょうが、こんなブカブカのトップを買ってきてどないせえちゅうねん!

途方にくれて、苦肉の策で肩ひもを思いっきり短くしてみました。するとどうでしょう。タンクトップって肩ひもを短くすると、XLでも着れるんですね。これは嬉しい発見でした。

そうそうスイスの大使の挨拶の中で、スイスが世界に誇れるものの一つとして、フェデラーの名が入ってました。人間では彼一人でした。彼はスイスでは人間国宝のような存在なんですね。US Openのフェデラーの決勝の際は、このXLのタンクトップで張り切って応援です!

Hopp Schwiiz!






投稿者 Tennisnakama  12:44 | コメント(14)| トラックバック(0)