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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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「ボレテリ氏に聞く!」

「ニック・ボレテリ氏にインタービューしてみたい」
この願いがひょんなことから実現することになりました。

8日前のことです。ボレテリ氏のウェブサイト、Nick’s Picksのウェブサイト(http://nickstennispicks.com/)の管理者のDavidからメールを受け取りました。私はときどきこのブログにコメントを入れていたのですが、 Davidが私のコメントに興味をもち連絡をしてきたのです。彼のメールに錦織選手のスタッフの写真が添付してありました。この写真をさっそく使って「錦織圭というプロダクト」というタイトルで記事にしました。これがきっかけで私の念願の「ボレテリ氏に聞く!」が実現したのです。網を張っていたかいがありました。

barbarabanks


〓 Barbara Banks



アガシ、クーリエ、シャラポヴァ、ハース、ヤンコヴィッチなど、多数の世界のトッププレーヤーを育てあげたボレテリ氏は現在76才。 何度かUS Openで姿を見かけましたが、IMGの選手とともに、エネルギッシュにツアーに参加する姿はとても76才には見えません。錦織選手が留学したテニスアカデミーの創設者(http://www.nickbollettieri.com/)ということで、日本でもテニスを知らない人にまで彼の名が知れ渡るようになりましたが、テニス歴史の生証人であり、伝説の名コーチであるニック・ボレテリ氏に、私の最も聞いてみたかった以下の二つの質問をしてみました。

Tennisnakama:
今日のテニスは、テクノロジーの進歩、選手の大型化と運動能力の向上で昔とずいぶん違ったものに変化しました。

そこでテニスの未来について、これからのテニスはどのような方向に進んでいくのでしょうか?

また現在の選手たちが世界のトッププレーヤーになるためには何が必要なのでしょうか?

Nick Bollettieri:
テニスの未来は絶えず変化しています。下の表を見てもわかるように、30年前の1978年のトップ5の選手の身長と体重を比べてみてください。

heightchart

男子は体格もさらに大きく、より強靭になってきています。これは女子にもあてはまることで、この傾向はますますこれからも続いていくと思います。

未来の選手とは:

* 弱点をもたない
* 二つ以上の武器が必要(一つではダメ)
* 体力がありフィットしていなければならない
* ゲームの幅をいつも広げることに努力しなければならない(たとえばネットにくるなど)

未来のトレンドは:
* 生徒はますますアスレティックになっていく。
* 生徒は小さい頃から基礎をしっかりと身につけなければならない。
* 体格が大きければ勝つチャンスが増えていく。

Tennisnakama:
最近はデルポトロ、チリッチ、グルビスなどの有望な若い世代は皆195cmを超す大男です。177cmの錦織選手が、これから世界のトッププレーヤーになるためにはどうすればよいのでしょうか?

Nick Bollettieri:
今日の才能のある選手は、ほとんどがbig boysであることは疑いの余地のない事実です。 錦織はミディアムサイズの選手ですが、彼の長所は驚くべき俊敏な動きと能力でいろんなショットをクリエートできることです。それが他の選手を引き離す結果となっています。背丈の大きなの選手を、今まで通り強いメンタルで倒していけば、世界のベストにチャレンジすることも可能だと思います。
......................................................................................

このインタービューで私は、錦織選手の将来の可能性について「正直に答えてほしい」とリクエストしました。もちろん、自分のアカデミーの選手に「可能性はないよ」などと校長が言える立場ではありませんが、強いメンタルで挑戦し続ければ、世界のトッププレーヤーになれる可能性があり!とニックが断言してくれました。

あの機械的なダヴィデンコにできて、柔軟な頭の錦織に出来ないわけがない!
あのがむしゃらな猛烈メンタル男のフェレールにできて、粘りつよい勝負師の錦織に出来ないわけがない! 
テニスはまだまだサイズだけではないのです!

この「ボレテリに聞く!」シリーズをこれからも連載していきたいと思っています。第2弾の「ボレテリに聞く!」は、「錦織選手のライヴァル選手の武器と弱点について」を聞いてみたいと思います。つまり「どうすれば彼らに勝てるか?」(イシシイシシの巻きです)楽しみにしていてください。

(注)ボレテリの名について
私は今までイタリア語風にボレティエリと呼んでましたが、アメリカで一般的に呼ばれているボレテリに変えます。日本では「ボロテリー」と呼んでいるようですが、何かボロのテリー犬みたいですので、「ボレテリ」と呼んであげてください。


以下はボレテリ氏からいただいた答えです。

To: Tennisnakama
From: Nick Bollettieri

1. The future of tennis will always continue to change. Just by taking a look at the top five players on both the men’s and ladies’ tours height and weight now as compared to 30 years ago you can see what I mean.

hieighteng


As you can see for the most part the men are bigger and stronger than their counterparts from 30 years ago, and the same is true on the women’s side. I am sure this will change as the years go by.

The player of the future:

□ Cannot have a weakness
□ Cannot have only one weapon
□ Must be physically fit
□ Must add to their game continually (coming to the net, etc.)

The trend is definitely moving towards the more athletic students. We have to start them out at a young age with sound techniques. Also, the bigger they are the better are their chances of being a winner.

2. There is no questioning the facts that show most of the present talent are big boys.

Nishikori is in the medium size range, but his extraordinary movement and ability to create shots that very few others can do set him apart. If he continues to get mentally prepared to take down the big boys, he can challenge the very best in the world.

投稿者 Tennisnakama  11:19 | コメント(18)| トラックバック(0)
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コメント
Tennisnakamaさん
すばらしいインタビューありがとうございます!!
錦織選手の世界トップへの可能性について、ニック氏の端的な意見が聞けて大変嬉しいです。
ずっと錦織は今までにないスタイルのテニス選手だと思ってきましたが、先日マイケル・チャン選手のことが書かれてある記事を目にし、「お、そうだ!マイケル・チャンがいた!」と思い出しました。
マイケル・チャン選手は小柄ながらクレバーなテニスをする選手でした。
彼が欧米の大きな体格の選手を倒したときは、普通の勝利の何倍も感動しました。
錦織選手には、松岡超えだけでなく、是非マイケル・チャン超えもして欲しいなとおもいます。
次回のインタビューも心よりお待ち申し上げます^^
投稿者 mw 2008/10/10 12:12
ニックからこんなコメントをもらっちゃうなんてさすがです。
それにニックも気取らないいい人ですね。それにエネルギッシュさが文面からも伝わってきます。

ところで細かい話なのですが、翻訳の「一つ以上の武器を~」だと、一つでもOKに読めてしまいませんか?
Cannot have only one weaponですから、「二つ以上の武器を持つ」あるいは「武器が一つだけではダメ」となるのではないでしょうか。
投稿者 netdash 2008/10/10 13:28
Tennisnakamaさん、「ボレテリに聞く!」をシリーズ化していくとは、すごい!!!
どんなスポーツでも、世界のトッププレーヤーは体格がある。というのが一般的ですが、例外(特別)な人達がいる。というのも常にありますよね。
昨日の試合についても、圭君は 「0ー40から取れなくても(精神的に)ダウンしないでできたのがよかった。」とコメントしています。ボレテリが言うように、<強いメンタルで挑戦し続ける>事は、小柄なプレーヤーには不可欠ですね・・・体力も今からどんどんついてくるだろうし・・・
     第2弾も 楽しみにしていますよ!  今日も圭君、がんばれ~
投稿者 ポコ 2008/10/10 13:55
きっと錦織圭に続けとばかりに、日本からもボレテリの門を叩く子達がグッと増えるんですかね。
以前TVで、錦織君が「昨日いた人が今日はいないなんて事が毎日ある。」みたいなことを言っていました。
圭君には失礼かもしれませんが、何だか死刑囚が言いそうな言葉じゃないですか?
厳しい世界だから当たり前といってしまえばそれまでですが、ナダルのように家族といい環境に囲まれて育ったプレーヤーもいるわけで、選択肢はいくつかあります。
願わくば、ボレテリを選びたいと願う子供たちや家族のために、必要な心構えや参加しているジュニア達やその家族の実状、リタイア等のネガティブな結果の具体的な例などコメントが聞いてみたいです。
その巨大な虎の穴から数多くのトップ選手を輩出し続けるボレテリの意見が聞けるなんて!
Good jobです、Tennisnakamaさん!!
投稿者 neko 2008/10/10 14:50
どんなコメントがあったか、ニックに報告することを約束しましたので、どんどん感想や意見をお待ちしています。

netdashさん、わかりやすいように両方書いておきました。ご指摘ありがとうございます。
投稿者 Tennisnakama 2008/10/10 17:03
ボレテリ門下生です。過去にハワイにあったボレテリテニスアカデミーに3日通いましたので、、。(通ったのは本当だけど、門下生は嘘、ボレテリそこにいないし(^_^))わたしゃー10年以上ボリテリって言ってた。
シリーズ楽しみです!
投稿者 ゆとびっち 2008/10/10 17:25
やはり、周りの環境と言うことでは以前tennisnakamaさんが指摘された中学のソフトテニス問題を解決するしかないのではないかと思います。
過去、世界を目指せるような人材がどれほど埋もれていったことだろう。
投稿者 jiji 2008/10/10 20:39
はじめてコメントさせていただきます。
いつも楽しく拝見させていただいております。
ストックホルムオープンですが、こちらで見れます。にしこり君の試合まで映してくれてるといいのですが。。。今は他の選手の試合をやってます。

http://svt.se/svt/road/Classic/shared/mediacenter/index.jsp?&d=90300&a=1256906&lid=puff_1270011&lpos=extra_0


投稿者 コロ 2008/10/10 21:11
Tennisnakamaさん本当に貴重なインタビューをありがとうございます。
いままでの大型選手はたいていストローク(とその動き)に
難があったように思いますが、もう完全に変わってますね。。

僕の印象では、小柄な選手は成績の上下がすごく激しいように感じます。
(もちろん大型選手でもそういうケースは往々にしてありますが…)
それはメンタルや技術の限界というよりは、
体そのもの限界が原因になっている気がするのですが。。

サイズの大きい選手に比べて、
「最高の状態で全てを出しきり続けなければ、勝ち続けられない」
という傾向が強くなるんでしょうか。

錦織選手は優れたゲームやコーディネーション能力を持っているので
必ずしも当てはまらないとは思いますが
他の小柄な選手を思い浮かべたときそんなことを考えました。
投稿者 guchokipa 2008/10/10 21:53
アンチッチが急性気管支炎で熱が出て出場を取りやめました。彼には申し訳ないのですが、これはすごいプレゼントですね。錦織選手の膝も調子がまだなおらないまま、すでに準決勝です!「運がいい」というのも絶対勝利者にはつきものなので、彼はそういう星のもとに生まれて来ているのかもしれません。いよいよ明日は、シュトラーかソーダリンのどちらかと対戦です。ひょっとしたら、決勝までいけるかも。そうするとナルバンディアンですね!まるで夢のようです!
投稿者 Tennisnakama 2008/10/10 22:09
こんばんは(日本時間)。素晴らしい情報、ありがとうございます。
ボロテリーではなくボレテリのコメント、確実に起きることであろう未来、ショッキングな内容です。
体格の大型化、アスリートとしての能力、2つ以上の武器、プレイの幅、そして幼少からの英才教育、子供をテニスプレイヤーにさせたい、あるいはテニスプレイヤーになりたい子供にとって、体格、アスリートとしての能力は、小さい頃は不透明なため、よりスリリングなチャレンジになるんですね。
やっぱり日本の野球(スモールベースボール)と同様、日本人による日本のテニスを確立するというボレテリのアカデミー以外の選択肢も必要な気がしました。NTCは重大な役割を担ってますね。
錦織選手、成功する選手の一般的特徴を超えた反応、クリエイティブなテニス、精神力、その個性を尊重して育てているボレテリのアカデミーはやはり素晴らしいですね。いろんな現実はあるのでしょうが。今後も続きを期待してます。
投稿者 モモビラス 2008/10/10 22:13
亀さん、コロさん、ストリーミングの情報ありがとうございました。第1戦がきちんと観れたので、準決勝は問題なく観れますね。もしソダーリンが勝てば、彼のホームゲームとなり、圭君はやりづらくなるでしょうね。
投稿者 Tennisnakama 2008/10/10 23:29
初めての書き込みですが いつも楽しみに読んでおりました。
今回の ボレテリのインタビュー すごいです!
実は、将来プロテニスプレイヤーを目指している15歳の息子を持つ母なので、(大変厳しい道のりとは思いますが) とても興味深く 読みました。
現在住んでいる所は 競い合うジュニアもあまりいなく、もっぱらITFJr.の遠征にでていますが、本人は アメリカかヨーロッパのアカデミーに行きたいと言ってます。
決断する情報として 今後のインタビュー 引き続き楽しみにしています。
投稿者 yokkochin 2008/10/10 23:59
yokkochinさん、夢に向かって驀進するお子さんもすばらしいですが、そのお子さんを応援されるご両親もすばらしいです。私の息子はプロになる気はなかったのですが、私の影響もあって、テニスにどっぷりの10年間でした。16才で受験勉強のためにすっぱりと止めてしまいましたが。 さて、息子さんがどの方向を目指しているのかによって準備の仕方も変わると思います。全日本で優勝することがゴールなのか、錦織選手のように世界で活躍するのがゴールなのか。もし世界に羽ばたきたいという夢にまっしぐらでしたら、日本では彼を育てられる組織と環境がないので無理だと思います。かといって、海外のアカデミーに留学させるには、途方もない経費と、子供の環境への適応能力、そして強い自立心が求められますのでむずかしいですよね。毎年夏休みにこちらのアカデミーのキャンプに入るのもよいかと思います。世界中の子供たちが集まってきますので、すごく刺激になると思います。Good luck!
投稿者 Tennisnakama 2008/10/11 00:29
Tennさん、凄い人だねホント~に貴女は(笑)
「常に少数派を目指す」これは自分のテニス理論ですが、「日本の環境」では難しいでしょう。
「少数派」:GSは128ドロー・優勝者1人(1/128) 全日本でも草トーでも優勝者は1人。
準優勝かB4以前に負けた人は、申し訳無いが「ただのその他大勢」と考えます。
「環境」:「ここでは普通ココに打つよね」「そんなトコに打つ人初めて見た」「ナニ考えてんだ?普通にやれよ」・・・思いもよらぬトコに打って成功すると「凄い!」「アイツだけだよ」「マグレでしょ?」「参考にならん」・・・失敗すると「ほら見たことか!」「そんなの入んないって!」「無理すんな」「己を知らんな、君」・・・まぁ、どれか1つは聞いたことあるのでは?(笑)今現在言われているのなら素晴しい!!
つづく
投稿者 種丸 2008/10/11 02:27
つづき
特に母親の世界「主婦層」テニスには「普通が1番的テニス」が蔓延、異能力者は崇めるより
疎まれ気味じゃないですか?そんな考えで居る方々の子供達がスーパーショットを連発できるようになれますかね?「自分には出来なかったからアナタには・・・」と自らを反面教師としていれば別ですが。「ソツないけれども武器もない」「武器がないから自信もない」「何していいかが判らない」では?
スケールのデカイ子が少ないのにはそんな背景があるのかもと思ってしまいます。
「テニス以外の保険(少しでも良い学校・就職)」にも目がいってしまうのは可愛い子供の将来を想う親心としては当然ですし、自分にそれを拒否出来るものではありません。判ってます、それは大事なコトであることも。だからこそイラつき悩むのです。「どうしたらいい?」と。「ソツなく賢い親」より「お馬鹿な親」くらいがいいのかもしれませんよね。(頭の良し悪しではないですよw)「浮世離れしてる」とかね。
ボレテリにアドヴァイス貰っても「いいや、俺はこーしたいの!今に見てろってw いいモノ見せてヤッからな、じっちゃん!!」くらい言える日本人の子供が出てきたら・・・たのしいだろーなぁ・・。
投稿者 種丸 2008/10/11 02:29
種さん、全く同感です! 私自身誰の言う事もきかなかった子供でしたので、親が理解してくれたというより、この子は日本にいてはつぶされると思っていたようです。ですから好きなようにさせてくれました。「実はすきなことをやれ」というタイトルで取材して本になってもいるのです。これは私のモットーです。人間は好きなことをしていれば絶対に伸びます。そして気持ちがやさしくなります。自分に偽りなく生きるということをもっと認めてやれば、生き生きとした社会となり、元気なテニスの王子さまがワサワサ出現してくるかもしれません。
投稿者 Tennisnakama 2008/10/11 05:27
>元気なテニスの王子さまがワサワサ出現してくるかもしれません
ワァオ! いいですね(笑) でもワサワサ居たら少数派じゃなくなるね(笑)
そんな世界になった暁には「常に多数派を目指す」に理論を変えさせていただきますね(笑)
投稿者 種丸 2008/10/11 07:22
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