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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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530の重み

A Happy New Year!

そしてありがとう!


驚きと感動の一年でした!


今年も今日でいよいよ最後の日となってしまいました。テニスのブログを始めて一年。夢中で書いているうちに、数えてみると今日で530の記事となります。ページ数にすれば、1000枚以上にものぼる膨大な量に、本当によくお付き合いくださいました。心から感謝いたします。

毎日、書く前に資料集めから始めますが、インターネットのおかげで世界の情報が即手に入るのは、今さらながら驚かされます。グーグルの魔力とでもいいましょうか。ドイツ語を入れると、言語を識別してドイツ語の資料がリストに出てきます。むかし資料集めに走りまわっていた頃がウソのようです。コンピューターのキーを叩けば、ポンと出てくる無限の世界の情報に、感動的な喜びを味わうことができるのも、テニスのブログのおかげです。

世界に住むいろんな方々と「e-friend」になれる、これも感動的な出来事です。日本はもちろんのこと、イギリス,カナダ、インド、ニュージーランド、メキシコ、シンガポールに住むテニスファンからコメントが届いたときは、インターネットのパワーに驚愕しました。コンピューターがあれば、誰でも記事を書くことができ、誰でも読め、誰でもコメントが残せる。これはもう人民革命です。皆がメディアになれる。これほどのパワーを個人が持てる時代は且つてなかっただけに、同時にその恐ろしさも感じます。

過去に試しにYahooでtennisnakamaを検索してみたことがありました。どんなところにtennisnakamaの名が使われているかを知るためです。エエッ!こんなところにも? もうひっくり返ってしまうことばかりです。一例をご紹介しますと、tennisnakamaが日本テニス協会公式サイトに載っているのです!

そんなアホな、といわず以下の順序でウィンドーを開いていってください。

日本テニス協会公式サイト 
普及指導 
中牟田杯教育プログラム 
「一流と二流を分ける思考スキル」

ジュニア指導のコーナーで、この「一流と二流を分ける思考スキル」の論文を書かれたのは、福岡大学スポーツ科学部の山口幸生氏です。3ページ目にtennisnakamaのブログの例をとりながら「仮説検証力の重要性」について書かれています。

もし検索しなければ、JTFのサイトに自分の記事が載っているなど、夢にも思いませんから永久にわからなかったと思います。オリジナルの記事がかなり簡略化されてしまっていますが、私の「インジャリー・タイムアウトに対する提議」とそれに対してのコメントが載せられています。つまり仮説検証の例としてtennisnakamaがあげられているのです。(これには本当にびっくりしました)

JTFに掲載となった私の記事:
http://124.40.17.208/img/pdf/ikkan/skill_divide_twomethods%20.pdf
私の記事:
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/114294.html#comment
(5月19日付け『ナダルのインジャリー・タイムアウト』)

今日の記事のために、試しにtennisnakamaをYahooの検索にかけてみました。そうすると出て来た件数はなんと3万2千件。一年前には検索ゼロだった数字がもう私の手に負えないお化けになっています。私の知らないところで、tennisnakamaが一人歩きし始めてる「想像もつかないインターネットの世界」。ちょっとこわいですね。

今年一年の出来事の中でベストは、何といってもこのtennisnakamaを読んでいただいてる方々との出会いでした。知性にあふれ、好奇心に満ち、感受性に溢れた豊かな心との触れ合いは、私の書く原動力にとなっています。

皆さんのコメントによってどれだけ励まされたことか!
そしてすばらしい記事を送ってくださった特派員の皆様にどれだけ助けられたか!

子育ても終わり、心にぽっかりと穴があいてしまった私に、大袈裟でなく生きる喜びを与えてくださった読者の皆様に心から感謝いたします。

投稿者 Tennisnakama  03:22 | コメント(27)| トラックバック(0)

錦織にワイルドカード!

今日、錦織選手のマネージャー/エージェントのオリヴァーからメールが届きました。もらったメールを要約しますと以下の通りです。

「Keiは明日ブリスべインの試合の準備のために、IMGアカデミーからオーストラリアに向けて出発します。ブリスベインの後に開かれるニュージーランドのオークランド大会のワイルドカードWCを手に入れることができましたので、そのあとはオークランドに飛びます。その後はいよいよオーストラリアン・オープンむけてメルボルンです。」

誕生日の翌日にオーストラリアに飛んで、お正月はオーストラリアですか。おせち料理どころじゃありませんね。時差との調節、夏の気候などに早く慣れておく必要があるので大変です。

というわけで、圭君は年始からいそがしい試合スケジュールとなりそうです。老婆心ながら、この強行軍で肝心のオーストラリアン・オープン前に体調をくずしてしまわないことを祈ります。ウィンブルドンのときは、準備のための大会で腰と腹筋を痛めた苦い過去がありますので、つい心配になります。

2009年1月の圭君のスケジュールです。

1月4日~11日 ブリスベイン・インターナショナル (ATP World 250)
オーストラリア/ブリスベインBrisbane
公式サイト http://www.brisbaneinternational.com.au/

参加予定選手(シードはまだついていません)

ジョコヴィッチ 3位
ツォンガ 6位
べルダスコ 16位
ソダーリング 17位
バーディッチ 20位
フィッシュ 24位
ガスケ 25位
ステパネック 27位
マテュー 31位
メルツァー 34位
アンチッチ 36位
ニーミネン 37位
クェリー 39位
ローダ 40位
ベネトー 43位
クニツィン 47位
ジネプリ 51位
グルビス 53位
ジケル 54位
フェレロ 55位
デント (WC)865位
セラ 59位
カレリ 60位
ダルシス 61位
錦織 63位
バグダティス (WC)98位
トミック (WC)763位 

オーストラリアの未来の星、トミックについてはいろいろ書いてきましたが、今回は途中で退場してしまったことが問題になっていましたが、彼の謝罪で許されることとなり、でめでたくWCをもらえることになりました。

勝手なことをいわせてもらえば、圭君が2~3回戦あたりでジョコヴィッチと当たってくれれば嬉しいです。どんな試合を二人が展開するのかすごく興味があります。

1月12日~17日ハイネケン・オープン (ATP World 250)
ニュージーランド/オークランド
公式サイト http://www.heinekenopen.co.nz/1/home/

参加予定選手

(1)デルポトロ 9位
(2)フェレール 12位
(3)ソダーリング 17位
(4)アルマグロ 18位
(5)コールシュライバー 28位
(6)クェリー 39位
(7)モンタネス 45位
(8)モナコ 46位
(9)クニツィン 47位
(10)アカスーソ 48位
(11)ハネスク 50位
(12)ジネプリ 51位
(13)グルビス 53位
(14)ジケル 54位
(15)フェレロ 55位
(16)グラノエール 56位
(17)トロイッキ 57位
(18)シュワンク 58位
(19)セラ 59位
20)錦織 (WC)63位

リストの主な選手のほとんどと対戦しているので、この大会はソーダリングへのリベンジ(ストックホルム大会)をやってほしいですね。

ここで圭君のWCについて:
「ブリスベインでは圭君はストレートの本戦エントリーなのに、オークランドではなぜWCに?」

オークランドはドロー32ではなくドロー28ですので、私の勝ってな想像ですが、60位以下は本戦入りが保証できないのではないかと思います。しかしスター性のあるNISHIKORIの参加は大会にとっても大きな魅力となり、圭君の獲得のためにWCが与えられたのではないかと思います。

1月19日~2月1日 オーストラリアン・オープン(グランドスラム)
オーストラリア/メルボルン
公式サイト http://www.australianopen.com/en_AU/index.html

そしていよいよオーストラリアン・オープンです。本戦入りの予定ですが、このGSの前にブリスベインやオークランドで勝ち進んでしまうと、疲れてしまってガス欠や故障が起きる可能性があり、むずかしいところです。

それでは圭君、Bon Voyage!

投稿者 Tennisnakama  04:24 | コメント(6)| トラックバック(0)

錦織2008年の歩み (後半期)

12月29日は錦織圭選手の誕生日。

Happy Birthday! いよいよティーン最後の年19才。

2008年の圭君の活躍は目を見張るものがありました。今回は2008年の後半の試合すべてを追いながら、彼の歩みを振り返ってみたいと思います。

5月26日トルコ/イズミール(チャレンジャー Hard) 
錦織:100位
R32:メロMello(199位)に勝利 6-4 6-2
R16:マルチェンコMarchenko(354位)に敗退 4-6 2-6

「Keiは最後のほうは、マルチェンコにわざと負けたのではないが、最後までベストを尽くして頑張った様子はなかった。試合が終わった後も、それほど悔しい感じでもなかった。」とTennis AlternativeのTobi記者は感想を述べていますが、感情をあまり表に出さない圭君だからそのように映ったのではないでしょうか。

しかしダブルスではジェッシー・レヴィーンと組んで優勝しました。
Tobi記者 は以下のようにダブルスの試合をのべています。
「錦織とレヴィーンの試合はファンタスティックだった。10分間くらいで、スコアはすでに5-0 に。 Obradovicがロブを思い切り高く上げたが、レヴィーンがサンプラスのようなッスマッシュで打ち込み、それはまるでエクジビションのような試合となった。35分とはいわないでも、40分とはかからなかった試合で、選手のすべてが楽しんでいるような試合だった。」

6月2日イギリス/サービトン(チャレンジャー Grass)
錦織:113位
R32:ボーリBohli 1-5 RET

イギリスに着いてから体調を壊したようで、一回戦で圭君はリタイアしてしまいました。

6月9日ロンドン/クウィーンズクラブ(国際シリーズGrass)
錦織:113位
R64:ファジャFalla(101位)に勝利 2-6 6-4 6-2
R32:パシアンスPatience(158位)に勝利 7-6(8) 6-3
R16:ナダル(2位)に敗退 4-6 6-3 3-6

ナダル戦に向けて圭君はこのように語りました。楽しい試合になりそう、とは実にプロらしい言葉です。
「楽しい試合になると思う。世界のベストプレーヤーの一人とプレーできるんだから。ナダルは僕の好きな選手の一人なんです。」

ナダルは以下のように語っています。
「Keiは今年、強豪選手を破って、デルレイビーチで優勝している。彼は次の世代のスターの一人になるだろうし、たぶんトップ10までいくのではないかと思う明日はきびしい試合になると思う。とてもタフな試合にね。」

ナダルの予言通り、1セットを圭君からとられ簡単に勝てる試合ではありませんでした。このGSに近いレベルの大会で、優勝したナダルから1セットをとったのは、カーロヴィッチと圭君の二人だけ。ナダルは試合後、「Keiはトップ5になれるかも」といわせたほど、圭君のテニスは目を見張る進歩です。

ナダル戦をインターネットで観戦できました。その試合の状況をtennisnakama.comで詳しく記事にしています。

http://web.me.com/fyorifuji/Tennisnakama/%E9%8C%A6%E7%B9%94%E5%9C%AD/Entries/2008/6/14_%E9%8C%A6%E7%B9%94%E3%80%81%E7%94%9F%E6%94%BE%E9%80%81%E3%81%A7%E8%A6%B3%E6%88%A6%EF%BC%81.html

6月16日イギリス/ノッティングガム(国際シリーズ Grass)
錦織:105位
Q1(予選1)ウィドムWidom(312位)に勝利 6-3 6-7(7) 6-3
Q2(予選2)プルピックPrpic(226位)に勝利 6-0 6-4
Q3(予選3)コックスCox(940位)に勝利 6-3 7-5
R32:ヨハンソン(68位)5-7 RET

圭君は予選3戦を勝ち続け、本戦にエントリーしましたが、初戦でスウェーデンのヨハンソンとの対戦時にリタイアとなりました。理由は腹筋痛。このあたりから、圭君の体への負担が大きくなっていったようで、腰痛や膝の問題が生じてリタイアが続きます。

6月23日ウィンブルドン (Grass)
錦織:103位
R128:ジケル(53位)に敗退 6-4 5-7 RET

危惧されたように、またもや圭君は本戦初戦でリタイアとなりました。故障を完治せずに試合に出て無理がたたったようです。あれほど楽しみにしていたウィンブルドンがリタイアになってしまったのは、さぞかし口惜しい想いだったでしょうね。

ここで健康に赤信号がでましたので、約2ヶ月ちかく休養をとって、オリンピックにそなえることになります。

8月11日北京オリンピック(Hard)
錦織:124位
R64:シュトラー(35位) に敗退 4-6 7-6(5) 3-6

試合はライヴスコアでしか観戦できませんでしたが、3セット目はガス欠のような感じで、まだ完全な体調にもどれていないような印象を受けました。

試合後のインターヴューでは体調について以下のように述べています。
「(第3セットでメディカル・タイムアウトを取ったのは?)
腰です。腰痛がもう1年くらいずっと治らない状況で、できないほど痛くはないですが、たまに痛みがあって、今日はたまたま……。水分補給が足りなかったのかもしれません。

(ウィンブルドンの時に棄権した腹筋の痛みはない?)
はい、それは完全に(大丈夫です)。」

圭君のメンタルのすごさは第2セットの逆転劇、7-6(5)のスコアが物語っています。
「(気持ちを切り替えられたプレーは?)
05になってから1ゲームを取れたことですね。このままでは終わりたくなかったし、本当に悔いが残るので。このままでは終われないという気持ちが強かったです。」

8月25日US オープン(Hard)
錦織:126位
R128:モナコ(32位)に勝利 6-2 6-2 5-7 6-2
R64:カラヌシック(100位)6-1 7-5 RET リタイアで勝利
R32:フェレール(4位)に勝利 6-4 6-4 3-6 2-6 7-5
R16:デルポトロ(17位)に敗退 3-6 4-6 3-6

US Openは私のホームグラウンドですので、圭君のすべての4試合を観ることができました。4位のフェレールを5セットで破った圭君の活躍は、再び世界に名を轟かせることになりました。初めて目の当たりに観る圭君のテニスは、とてもエキサイティングで観る人を魅きつける魔力があります。特にフォアハンドのスピードとプレースメントがすばらしい。これはやはり生でぜひ観てほしいとおもいます。

フェレール戦にそなえて、私は周りの観客を総動員して応援団を組みました。そのことが圭君の力づけの原動力と一つとなったようで(圭君も応援が嬉しかったとコメントしてくれました)、声がかすれてしまいましたが、応援しがいのある思い出の残る試合でした。

デルポトロ戦では、予想されたようにガス欠と腰痛で敗退してしまいました。

9月29日AIG オープン(国際ゴールドHard)
錦織:84位
R64:ケンドリック(100位)に勝利 7-6(3) 6-7(5) 6-2
R32: ガーシアロペス(60位)に勝利 6-4 6-4
R16:ガスケ(13位)に敗退 1-6 2-6

AIG オープンは皆さんの方がよくご存知ですのでここでは詳しいことは省きます。ガスケ戦では、「ガスケを尊敬しすぎた」と圭君はコメントしていますが、日本での試合はプレッシャーもあってやり辛かったと思います。ナダル戦のように、「楽しみたい」というリラックスした気持ちがなければ、緊張で実力が発揮できないのは(デ杯、オリンピックなども)、トップクラスの選手でも経験すること。この緊張感の害虫をいかにメンタルで駆逐できるかが今後の課題だと思います。

10月6日スウェーデン/ストックホルム(国際シリーズHard)
錦織:77位
R32:グラノエールGranollers(55位)に勝利 2-6 6-4 6-2
R16:ハーバティHrbary(396位)に勝利 6-1 1-6 7-5
Q:アンチッチ(31位) W/O アンチッチは棄権
S(準決勝)ソダーリング(35位)に敗退 1-6 0-6

膝の痛みを抱えながら、準決勝では最後まで試合を放棄することなく戦った圭君に大きな拍手を送りたいと思います。

圭君のマネージャーから以下のようなメッセージをいただきました。
「バーゼルとパリの出場を取りやめました。彼のチームとボレテリスポーツメディシンのスタッフと相談した結果、今日 Keiは、今年一杯試合にでることを控えることに決めました。

彼の膝が長期にかかるものではなく、深刻な問題でないことを100%確認するため、 KeiはMRIをとった結果、膝は完全に大丈夫であることがわかりました。この膝の症状は、長いシーズンの終わりに、 毎週違ったサーフェスで試合をしている選手によく起こる症状です。」

という訳でこれ以降は2009年まではトーナメントはしばらくお休みとなりました。圭君の試合がみれないのは残念でしたが、彼にとってベストなチョイスだったと思います。しっかりと怪我を完治させ、強靭な体つくりに専念していよいよ圭君は2009年を迎えようとしています。

明日は圭君の一年のスタッツとNo.1のナダルや他のライヴァル選手のスタッツと比較しながら、2008年を振り返ってみたいと思います。


投稿者 Tennisnakama  00:30 | コメント(0)| トラックバック(0)

錦織2008年の歩み (前半期)

Happy Birthday! 誕生日おめでとう!


12月29日は圭くんの誕生日、19才になりますね。まだティーンネージャーという若さに今さらながら驚かされます。

デルレイビーチでブレイクを破って優勝した圭くんは世界にセンセーションを巻き起こしました。あのときは244位。怪我との闘いの厳しい一年でしたが、今ではランキングを63位までにあげ、最も期待されるヤングとしてNISHIKORIの名は世界に轟きました。

ここで圭くんの2008年の業績をたたえる意味でも、彼の全試合を追いながらこの一年を振り返ってみたいと思います。

無名に近い選手は、後で調べられるようアルファベットも付け加えておきました。

1月14日 マイアミ(チャレンジャー Clay)
錦織:288位
R32:ガウディオ(176位)に勝利 6-0 6-3
R16: ヤニYani(528位)に勝利 6-4 5-7 6-4
Q:デルガドDelgado(234位)に勝利 7-5 6-4
S(準決勝)メネンデスMenedez(235位) W/O 錦織選手は棄権

1月28日テキサス州ダラス(チャレンジャー Hard)
錦織:252位
Q1(予選1)ソアレスSoares(796位)に勝利 6-1 6-3
Q2(予選2)サーストランドSarstrand(475位)に勝利 3-6 6-4 6-3
Q3(予選3)ヒッペンスティールHippensteel(811位)に敗退 5-7 6-7(3)

811位の選手に負けてしまったのは、マイアミで棄権せざるを得なかった体の不調が尾をひいていたのかもしれません。18才の圭君はATPプロとの試合を毎日続けていける体にまだ出来上がっていないようで、リタイアや棄権がつづく一年となりました。

2月11日フロリダ州デルレイビーチ優勝(国際シリーズ Hard)
錦織:244位
Q1(予選1)トデロTodero(321位)6-2 6-3
Q2(予選2)ウィテンWitten(222位)6-4 6-4
Q3(予選3)ボゴモロフBogomolov(189位)6-2 7-5
R32:メイヤー(66位)6-0 4-3 RET メイヤーはリタイヤーしました
R16:デリック(120位)6-7(7) 6-4 6-2
Q:レイノルズ(111位)6-2 6-4
S(準決勝)クェリー(62位)4-6 6-2 7-6(7)
W(優勝)ブレイク(12位)3-6 6-1 6-4

8試合を毎日連戦連勝して勝ち取ったデルレイビーチの優勝は、ブレイクを破ったことによって、錦織圭の名を一躍世界に知らしめるステッピングストーンとなりました。

あの時の圭くんは完全にゾーンに入った状態で、ブレイクがどう攻めてよいのか分からず、すばらしい試合となりました。今までと違ったプレースタイルを持つ圭くんは、12位のブレイクにリズムを与えることなく、彼の斬新なテニスで世界を魅了しました。

この試合で感心したことがあります。それは観客と解説者の公平な態度です。錦織選手は当時は全く無名で、言ってみればどこの馬の骨とも分からない小柄な若造です。そんな彼にあれほどの温かい応援をおくる観客に驚きました。ブレイクがかわいそうなほどでした。スポーツファンのあり方を教えてくれた試合でもありました。

2月18日カルフォルニア州サンホゼ(国際シリーズ Hard)
錦織:131位
R32:ハートフィールド Hartfield(96位)に勝利 7-5 6-3
R16:ロディック(6位)に敗れる 2-6 4-6

この大会はロディックの圭くん へのドヤしで(アメリカでは bully いじめと表現される記事もありました)、記憶にのこる大会となってしまいました。スポーツナビに、ロディックのことを書くと必ず「お前はロディックが嫌いだから偏った見方をする不届きな奴」ときびしい怒りのコメントを受けます。これはロディックがどのように欧米のマスコミで取り扱われているか、日本には詳しく伝えられてないので無理もないと思うのですが、とにかく錦織戦のロディックのとった態度については、ロディックはマスコミとテニスファンから総スカンにあったことは事実です。

ロディックは、正直に思ったことを行動に移すタイプですので、とかく誤解されるタイプの選手です。普段は彼の冗談はスパイスが効いていて面白いのですが、錦織戦のあと、 I don’t need any young friends.「若い友達はいらない」などと傲慢な発言をしましたので、ロディックはかなりメディアから叩かれました。ロディックは優勝したものの、優勝よりも圭君にとった態度の方が有名になってしまった皮肉な大会でもありました。

しかしポジティヴに考えると、相手をビビらせる、威圧する、ということも一つの作戦となるのですから、ロディックのドヤしを経験することによって、圭君はまたワンステップ飛躍したのではないかと思います。

2月25日テネシー州メンフィス(国際シリーズ Hard)
錦織:123位
Q1(予選1)カズネツォフ(263位)に勝利 6-4 6-4
Q2(予選2)レイノルズ(100位)に敗退 2-6 0-3 RET

圭君はレイノルズとの対戦中にリタイアしてしまったため、本戦入りはできませんでした。ライヴスコアで観戦していたのですが、調子が悪いというのは明らかでしたので、すぐメンフィス会場に電話で問い合わせたところ、原因は“Back injury”、つまり背中(腰)の負傷が理由であることがわかりました。

3月13日カリフォルニア州インディアンウェルズ(マスターズ Hard)
錦織:126位
Q1(予選1)ボグダノヴィッチBogdanovic(180位)に勝利 6-4 4-6 7-5
Q2(予選2)ニーメヤーNiemeyer(182位)に勝利 5-7 7-5 6-4
R128(本戦1回戦)シリッチ(45位)に敗退 2-6 4-6

マスターズシリーズでも最上格のインディアンウェルズに、予選から本戦入りを果たしましたが、注目の新人シリッチに敗れてしまいました。せっかく予選に勝っても、本戦の初戦で負けてしまうと、この大会ではポイントはゼロ、賞金もゼロでがっくりきますが、圭君のようなルーキーにとっては、本戦に出るだけでもものすごくプラスになった大会だっと思います。

3月17日フロリダ州サンライズ(チャレンジャー Hard)
錦織:126位
R32:マスーに勝利 6-4 6-4
R16:グロージャンに敗退 2-6 7-6(6) 4-6 

チャレンジャーとはいえ、戦った相手はオリンピック金メダリストのマスーに、元4位のグロージャンです。二人ともキャリアのピークは過ぎたものの、このようなビッグネームの世界的プレーヤーとの対戦は大きなプラスになったはず。

3月27日フロリダ州マイアミ(マスターズ Hard)
錦織:120位
R128:モンタネス(56位)に敗退 5-7 2-6

4月11日デ杯 対インド (Grass) 
錦織:118位
シングルス:ボパンナ(325位)def 錦織 7-6(2) 3-6 6-4 6-3
シングルス:錦織 def ブパティ 7-5 6-1

本当なら325位の選手に負けてはならないデ杯の試合でしたが、熱さ、相手チームのホームゲーム、芝、そしてデ杯初経験などの悪条件が重なって、実力が発揮できなかったことは、さぞかし無念だったと思います。

4月14日テキサス州ヒューストン(国際シリーズ Clay)
錦織:116位
R32:ブレイク(8位)に敗れる 4-6 4-6

トップ10の名誉にかけても、二度続けて圭君には負けられない試合でしたので、1セットも落とさず勝ったブレイクはさすがです。絶対勝たねばならないという気持ちの差もあったと思います。

4月21日バミューダ優勝(チャレンジャー Clay)
錦織:120位
R32:ダニエル(77位) 2-6 6-4 6-1
R16:セラ(58位) 6-3 6-3
Q:グルビス(88位) 6-2 2-6 6-2
S(準決勝)ルークザックLuczak(101位) 6-2 6-4
W(優勝)トロイッキ(116位) 2-6 7-5 7-6(5)

このバミューダはチャレンジャーとはいえレベルの高いトーナメントで、優勝は圭君に大きな自信になったと思います。ここで新星として注目されているグルビスとトロイッキにすでに勝っています。

5月25日 フレンチオープン(Clay) 
錦織:99位
Q1(予選1)アラングレンAranguren(235位)に勝利 1-6 6-3 6-2
Q2(予選2)グロイルGreil(193位)に敗退 2-6 5-7

初めてのフレンチオープンに挑戦で残念ながら本戦入りは果たせませんでした。クレーが好きという圭君でしたが、クレーのスペシャリストにどれだけ迫れるか、来年のローランギャロスが楽しみです。

(続きは次回です)

投稿者 Tennisnakama  23:43 | コメント(5)| トラックバック(0)

美男ベスト5とは?

今日はグローブ&メイル紙が選んだ2008年男子ベストルックス5の時間です。このチョイスは記者、Tom Tebbutt氏によるもので、彼のコメントを簡単に訳しました。しかし( )内は私自身の感想です。選考基準は女子と同じ容姿、パーソナリティ、スタイル、ファッションセンスの総合点だそうです。
(写真)はめずらしい写真を集めました。ブラウザーによっては開かない写真もあるようですのでご了解ください。

(1)ロジャー・フェデラー Roger Federer

写真集:
http://lh4.ggpht.com/__Azl50nmJmA/RmNEi0JV1BI/AAAAAAAAAXg/0DUqb2LGBs8/full.getty-73099357kd003_roger_federer_10_51_58_pm.jpg

http://benzinsider.com/wp-content/uploads/2008/04/roger_federer_tennis_player.jpg

http://cornedbeefhash.files.wordpress.com/2008/03/roger-federer-iw08-practice5.jpg

フェデラーはテニス史上で最も自然で優雅な選手だといえる。コートの中でも外でも、着こなしはいつもきちんとしていてこぎれいだ。最も彼らしいファッションは、ウィンブルドンの白いカーディガンだった。

(本人が私の目の前を通りすぎたことがありますが、ハッとするほど魅力的な男性でした。スーパースターの雰囲気でした。スタイルは多分男性の理想ではないかと思うほど美しいかったです。ファッションは今さら私がいう必要もなくクールで、気品の高さではテニス界 No.1でしょうね。つい力が入ってしまいました。by 一緒にお酒を飲んでみたいtennisnakama)

(2)ラファエル・ナダル Rafael Nadal

http://www.zimbio.com/pictures/fXvv-Nbphh1/Wimbledon+Champions+Dinner+Arrivals/0BE0y04ryj7/Rafael+Nadal

http://fearofbliss.files.wordpress.com/2007/12/rafael_nadal12_116.jpg

http://cornedbeefhash.files.wordpress.com/2008/04/rafael-nadal-daviscup08.jpg

世界 No.1のナダルは肉体と野性的なプレースタイルで、現代の若者のファンを多く獲得した。あのスリーヴレスのテニスウェアは彼の盛り上がる筋肉を誇示するのに最もふさわしく、彼の名刺のようになってしまった。

(テニスでは今まで存在しなかった動物的な野性の香りと、オリーヴ色に焼けた逞しい肉体は貴重な存在。特に若者にアピールするフィジカルで躍動感のあるテニスは、今日のテニスに大きなインパクトを与えました。by ビーチで一緒に遊んでみたいtennisnakama)

(3)フェリシアーノ・ロペス Feliciano Lopez

http://www.doublevixen.com/vixen_images/feliciano-lopez.jpg

http://farm2.static.flickr.com/1387/790098719_89fa2a4018.jpg?v=0

http://www.womenssportsnet.com/Portals/57ad7180-c5e7-49f5-b282-c6475cdb7ee7/images/AP_mens_tennis/finals/lopez_gold.jpg

彼はシャツを着せておくにはもったいないくらいセクシーだ。彼は才能にあふれたショットメイキングにすぐれた選手であるが、あの美しいマスクは大理石の彫刻のモデルのほうがふさわしい。(この後のコメントはかなりホモっぽいので省略します)

(ロペスのドキュメンタリーをみましたが、街を歩く姿は完全にモデルです。ファッションセンスはテニス界でピカ一だと思います。性格もよさそうです。自分で「ショッピング大好き、僕はメトロなんだ」といってるところなど憎めません。生ではテニスウェアを着たロペスしか見たことはありませんが、テニスウェアよりはジーンズにジャケットが似合うタイプ。by ショッピングに一緒にいきたいtennisnakama)

(4)マラット・サフィン Marat Safin

背中の入れ墨
http://cornedbeefhash.files.wordpress.com/2008/01/safin-kooyong-tattoo.jpg

http://farm1.static.flickr.com/124/410369457_2475775d05.jpg?v=0

http://i.eurosport.com/2006/04/06/267761-952082-317-238.jpg

29才になるサフィンは、いつも若い女性に取り囲まれていて、中年男のファンタジー男となりつつある。昔の無邪気さにかわって男っぽさが漂うサフィンの人気は、ランキングに左右されない確固たるファンを持つ。試合に勝とうが負けようが、時代を超えたロシアの色男、それがサフィンなのである。

(全く同感です。私は彼の裸体(オッと、これは上半身だけですが)しか見ておりませんが、背中全体に大きな太陽の入れ墨をしています。入れ墨を体の各所にしているようですが、彼の品性のある顔立ちから、下品にならないところがサフィンたる所以です。フォーマルでもカジュアルでも、長髪でも短髪でも、何を着せてもサマになる選手としては、No.1でしょうね。by 群がる女性をハエ叩きで追い払いたいtennisnakama)

(5)エデュアルド・シュワンク Eduardo Schwank

http://cache.daylife.com/imageserve/07n74B57kn2Qt/610x.jpg

フレンチオープンのセンターコートでマテューと6-2, 6-3, 3-6, 7-6(9)のスリルのある試合をして観客を湧かせた。ランキング171位から58位に駆け上るアルジェンチンの若手のホープである。彼のブラウンの長髪は観客を惹き付けるのに十分。あとはランキングをあげるのみ。

(5位の選択は記者のかなりの個人的思い入れがあるようです。by ノーコメントの tennisnakama)

ということで5位の選択にはちょっと不満ですので、誰か他の選手を探してきたいと思います。候補者がいれば教えてください。

私は長髪の条件つきでシモンを押します。7位に上がったことですし、ナダルフェデラー、ジョコヴィッチを次々とやっつけた功績は評価されてよいと思います。あのウェーヴのかかった美しい髪を見てみたいと思いませんか?
シモンの長髪の写真です。
http://accel4.fdata.over-blog.com/1/71/11/85/avatar-blog-1030210017-tmpphpbFcvD8.jpeg


投稿者 Tennisnakama  00:48 | コメント(10)| トラックバック(0)

美女ベスト5とは?

ちょっとシリアスな宗教の話になりましたので、今日は軽く楽しい話題でいってみたいと思います。

12月25日、クリスマスにカナダのメジャーな新聞、グローブ&メイル Globe and Mail が選ぶ、2008年男子女子選手のベストルックス5を紹介します。今日はジャーナリストTom Tebbuttが選んだ美女5人。容姿、パーソナリティ、スタイル、ファッションセンスの総合点できめたということですが、以下がベスト5の概略です。写真はできるだけめずらしいものを集めてみました。
Globe & Mail紙:
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20081225.WBTennis20081225151256/WBStory/WBTennis

(1)アナ・イヴァノヴィッチ Ana Ivanovic
写真1)(写真2
彼女の容姿は魅力的で、引き締まった長身のアナはコートでも女らしく魅惑的である。フレンチオープンの優勝以来、人気急上昇のアナは、パワフルなストロークとコートで見せる明るい笑顔でファンを魅了。ファッションセンスもアディタスの大胆なデザインで2008年の流行に大きな影響を与えた。
(近くで見れなかったのと、2回戦で負けてしまったので印象の薄い選手となりました。by tennisnakama)

(2)マリア・キリレンコ Maria Kirilenko
写真1)(写真2
ポール・マッカートニーの娘でデザイナーのステラ・マッカートニーに選ばれたキリレンコはファッションセンスも抜群で、かわいらしいテニスウェアがよく似合う。容姿も魅力的。
(練習風景を見ましたが、華奢な感じでとてもキュートでした。とくにあのヒラヒラのスコートはバレリーナのごとく彼女に似合ってました。by tennisnakama)

(3)ヴィーナス・ウィリアムズ Venus Williams
写真1)(写真2
長い足とスラッとした長身のヴィーナスの美しさはアスリートの美しさとしては横にならぶものがいない。 試合に着ているのは、彼女自身のオリジナルブランド、EleVenで、スポーツウェアが最も似合うアスリート。
(人柄も親しみやすくギンギンの妹のセリーナとは対照的で、クラシックなエレガントさも備えています。 by tennisnakama)

(4)マリア・シャラポヴァ Maria Sharapova
写真1)(写真2
美しい容姿。ブロンドの長い髪。すらっとした長身。爆発的なストローク。激しい闘争心。このコンビネーションで、年間20億円を稼ぐ女子アスリート稼ぎNo.1の選手。ファッションも白鳥、タキシードなどの大胆なテーマに挑戦。
(17~18才のときのシャラポヴァは本当に可憐でした。by tennisnakama)

(5)エレナ・ヤンコヴィッチ Jelena Jankovic
写真1)(写真2
彼女の人気はファンッションやプレースタイルよりも、彼女のくったくのない明るさによるところが多い。観客に話かける朗らかさと笑顔で世界のファンを獲得。彼女の女性らしさも見逃せない魅力のひとつ。
(目の前で見ましたが、すごい化粧でした。試合の後でもよくあの化粧がくずれないものだと不思議です。引退したらオリジナルの化粧品のラインを出せば絶対ヒット間違い無し。by tennisnakama)

皆さんもベスト5を選んでみませんか?
(実力も重要な要素ですので、ランキングの低い無名の選手はエントリー資格はありません。)

明日は男子ベストルックス5を発表しますので楽しみに。

投稿者 Tennisnakama  08:27 | コメント(12)| トラックバック(0)

罪人(つみびと)からメリークリスマス!

メリークリスマス! です。皆さん!

ロックフェラープラザ

xmastree



今日はキリスト教信者にとってはとても大切な神聖なる日ですが、そうでない多くの日本人にとってはお祭りの日でしかありませんね。でもこの機会を利用して、ちょっと宗教について厳しく迫ってみたいと思います。キリスト教信者の方は不愉快な想いをされるかもしれませんので、ウォーニングをしておきます。

今日は25日。イエス・キリストの生誕の日とされています。アメリカは85%の人がキリスト教信者ですので最も神聖な祭日と言えます。 日本ではクリスマスは、クリスマスケーキ(これは日本がつくった商業的産物)、プレゼントの交換、パーティなど全く宗教色のないお祭りの日となっていますが、世界においては最大の宗教であるキリスト教信者は20億人にも達しており、今日は大変畏れ多い聖なる日なのです。

ブラジルでは93%、なんとメキシコでは99%がキリスト教徒となっています。デルポトロが試合に勝った時、まず天に向かって十字を切って神様に感謝しますね。十字を切るのはカソリック教ですが、あの十字のもとで過去いろんな戦争が起こされたことを考えると(最も有名なのは200年にもわたって繰り返された十字軍による聖戦)、複雑な気持ちになります。宗教の違いが原因で、現在も世界の各地で戦争が繰り返されています。人類の幸福と平和を願ってつくられた宗教が戦争を起こす。皮肉なものです。

カール・マルクスの有名な言葉に
「Religion is the opium of the people」(宗教は民衆の阿片である)とあります。私はマルクス論者ではありませんが、この言葉は宗教の真理をついているような気がしてなりません。つまり苦しみから逃れることができる阿片のようなもの。極端な言い方をすれば、その阿片中毒者は十字軍なり、ヒットーラーのユダヤ人虐殺をうみ、テロリストになって世界の平和を脅かす・・・

私は科学を信じますが神の存在(宇宙の創造者としての神)は信じません。無神論者の私はアメリカに長く住んでいると理解に苦しむことが多くあります。特に多数を誇るエヴァンジェリカル(福音主義者)とよばれる宗派の信者たちは、聖書に書かれていることをすべて本当にあったことと信じている人が多くいます。例えば、アダムとイヴやノアの箱船の話。そういうおとぎ話に近い話を真面目に信じる人たちによって起こされる問題は、無視できない大きな影響を社会に与えているのです。

「宇宙は6千年前に神によって創造された」と信じる彼らにとっては、6千年以前は地球は存在しないことになり、彼らは恐竜と人間が共存していたと真面目に信じています。

こういう人たちは教育もあり、社会的にも立派な職業に着いている人が多いのですが、問題は科学を否定していること。彼らにとっては宇宙、地球、人間はすべて神によって創造された産物ですので、ダーウィンの進化論はありえないのです。ですから学校での科学の教育から進化論を取り除かれてしまった町もあります。

進化論は神を冒涜するものである。Creationism創造説を教えるべきだ。

科学の教育において、この問題がアメリカで今だに真剣に論議されているのは信じ難いことです。ブッシュが8年間にも渡って大統領でありえた背景に、彼が圧倒的な支持をエヴァンジェリカルから得たことがあげられます。「神の教え」に基づいて政策をとるといって憚らないブッシュ大統領に彼らは喜んで投票したのです。

アメリカでは9割の人が宗教をもち神の存在を信じています。この宗教色の強い国で、「神の存在を信じない」なんて言うと大変なことになるのです。あるディナーの席で著名な人類学の教授が私のとなりに座りました。仏教の話になり、私は仏教徒でもない。無宗教、無神論者だと言いますと、驚いた顔つきで、真剣に聞きました。

「じゃ、君の道徳は一体どこからくるのかね?」まるで道徳心のない罪悪人を見るような目つきです。

「私の道徳、倫理はすべてconscience良心・道義心に基づいてもので宗教から来ていません。」

でも分かってもらえませんでした。宗教が道徳の根源である彼らにとっては、神を信じない者は、死後は地獄にいかねばならない罪人(つみびと)なのです。

罪人の私はイエス様に救ってはもらえませんが、今頃彼は争いが絶えない醜い世界に、大きなため息をついていることでしょう。

そんなイエス様を励ます意味でも、メリークリスマス! 

一日も早くイエス様が願っていた平和な地球が訪れますように・・・願わずにはおれません。

(この記事は宗教自体を否定するものではなく、また宗教論の記事でもありません。宗教は道徳心や博愛心を高める上で人類に大きな役割を果たしてきたと思いますが、同時に大きな犠牲をともなってきた点を見逃してはならないと思うのです。いろんな宗教が平和に共存できる日を祈る気持ちで書きました。)

投稿者 Tennisnakama  01:46 | コメント(10)| トラックバック(0)

世界の名コーチ(2)ブラッド・ギルバート

テニス史上に残る名コーチの特集(2)です。今日は現役のコーチとして最も有名なブラッド・ギルバートを紹介したいと思います。

ギルバートの公式サイト

http://www.bradgilberttennis.com/index2.html

gilbert



ブラッド・ギルバート Brad Gilbert(47才)

コーチをした主な選手:アガシ、ロッディック、アンディー・マリー

全くコーチの経験がない現役時代にアガシのコーチ役を引き受けて以来、ベストコーチとして名声の高いギルバートは、クールなルックス(今はおじさんぽくなってしまいましたが)、業績、本の出版(『Winning Ugly 』『 I’ve Got Your Back』)などで、もっともセレブなコーチとしても知られていますが、彼の親しみ易く誠実な人柄で彼の悪口をいう者がいない稀なるコーチでもあります。

アガシAgassiとの出会いは、1994年にアガシがギルバートを夕食にさそったことから始まります。当時のアガシはトップ20からなかなか抜け出すことができずスランプに苦しんでいました。ブロンドに染めたヘアにピアスのイアリング、ジーンズのテニスウェアなど話題には事欠かないアガシでしたが、世界一の夢も遠のいていくモチベーションの低い日々だったのです。

ギルバート自身、最高ランキング4位を誇るトップランカーでしたが、彼のピークは去り、当時はランキング30番台を徘徊する中堅選手でした。ギルバートにはこれといった武器はなく、プッシャー(自分から攻撃をしかけることは稀で、ボールをコートに入れることを最優先する選手)として知られていました。ギルバートのプレースタイルは、確率の高いテニスと、スローな球やスライスなどをミックスして相手にリズムを与えないテニスで知られていました。そのため彼を苦手とする選手が多く、心理作戦なども使ったギルバートは、合計20のタイトルを取得するなど選手としても成功した数少ないコーチの一人です。

スランプに陥っていたアガシは、最初は現役選手でしかもコーチ経験のないギルバートをコーチするつもりはありませんでしたが、自分とは全く違うプレースタイルのギルバートに興味がありました。

「彼なら今の自分に足らない部分が見えるかもしれない。」

分析好きなギルバートは、当時のアガシに何が必要なのか、自分の考えを述べました。アガシのテニスは「頭を使っていないテニス」と、かなり厳しいギルバートの分析でしたが、ギルバートはアガシの実力ならすぐにでも世界一になれると信じていました。

当時のアガシはサーヴィスのベスト・リターナーで知られていましたが、ラリーを続けることを苦手とする、攻撃一本の選手でした。その彼にディフェンシヴ・オフェンス(攻撃できない時には守りのテニスをしながら、ウィナーが打てるチャンスがくるまでラリーを続ける)を教えたのでした。またメンタルがいかに試合を左右するかを身を以て経験しているギルバートは、途中でフォーカスが途切れがちなアガシに、メンタルの重要性を説き続けました。

ギルバートのもっとも思い出に残る試合は、1999年の全仏オープンの決勝戦だったといいます。2セットをたて続けに落としてしまったアガシには、誰の目にも優勝は不可能でした。しかし雨のために試合が中止になり、ロッカールームにもどった意気消沈のアガシを立ち直らせたのはギルバートです。「自分のゲームをしろ!」とギルバートに怒鳴りつけられたアガシは、5セットのフルセットを戦い抜き奇跡のカムバックをとげ、ヴィクトリーを手にすることができたのです。

ギルバートはアガシに最も必要とされていたテニスを与えることによって、一年後にはアガシは世界一になり、8年間のコーチの間に6つのグランドスラムのタイトルをとることに成功しました。このギルバートのアガシのコーチイングは、トニー・ローチのレンデルに施したコーチングに匹敵する、史上二大ベストコーチングとされています。

アガシの後に引き受けたロディックRoddickも同じ問題を抱えていました。サーヴとフォアハンドに過剰に頼ったロディックのテニスは、一面的でディフェンスのコンセプトがありませんでした。しかしギルバートのコーチングのもとで、ロディックは2003年のUS Openのタイトルと、No.1の座をえることになったのです。しかし後にロディックとの意見が合わず、ギルバートはコーチを辞めることになりますが、ギルバートの去った後のロディックは、トップ3にもなれず、GSのタイトルもとれていない低迷状態を続けています。

ロディックの後、2006年7月に コーチとしての手腕を買われたギルバートは、イギリスの悲願、ウィンブルドン優勝のゴールのために、イギリスローンテニス協会と3年間の契約を結びました。彼の役割はイギリスの未来のスター選手を育て上げるだけでなく、アンディー・マリーAndy Murrayのコーチも担当することになりました。しかしここで私が不思議に思ったのは、マリーはカウンターパンチャー(ディフェンス選手)として知られている選手です。同じプレースタイルのギルバートから学ぶものは余りないはず。案の定マリーとの関係は長持ちせず、マリーとのコーチ契約は解消となりました。しかし16ヶ月というわずかな間でしたが、ランキングは30番代から11位に伸びたことは、ギルバートがコーチとしていかに優れているかを示しています。

マリーの後はイギリスの協会との契約のため、ギルバートはイギリスNo.2の選手、24才のアレックス・ボグダノヴィッチAlex Bogdanovi〓を今年20週間担当することになりましたが、若くもなく傑出した才能にも恵まれない選手は、いくらコーチがよくても伸びないようで、彼は昔と変わらず200番あたりを停滞しています。来年の7月まで契約のため、ギルバートはコーチの手腕もなかなか発揮できない状況にありますが、スポーツチャンネルのESPNの解説者として人気もあり、欧米を往復する売れっ子タレントコーチです。

(余談)面識もないのギルバートにメールを送ったことがあります。彼の息子がボレテリ時代に、錦織選手のヒッティング仲間だということを読んで、彼に錦織選手へ応援エールを頼みみました。全く返信を期待していなかったのですが、ギルバートは親切にも圭君にメッセージを送ってくれたのです。詳細は『ギルバートからメッセージ』をご覧ください。


投稿者 Tennisnakama  02:14 | コメント(8)| トラックバック(0)

世界の名コーチ(1)ボレテリとランドソープ

グランドスラムに優勝しても、インターヴューを受けるのは選手のみ。選手だけにメディアの注目が集まりますがこれはおかしい。野球やサッカーなどのチームスポーツはまず監督が記者会見を受けるのに、テニスは個人競技で事情が違うにせよ、コーチの貢献度があまりにも軽視されています。そこで陰の成功の立役者、名コーチたちにスポットライトをあててみました。

メディアであまり書かれないため、選手のことは分かっても、コーチのことはよく知らないのがテニスファンの悩みです。資料もあまりなく、書く方としては厳しいテーマとなりますがシリーズとして3編くらい頑張ってみたいと思います。

ニック・ボレテリ Nick Bollettieri

主な選手:モニカ・セレス、アガシ、ジム・クーリエ、シャラポヴァ、ヤンコヴィッチ、ハースなど

錦織選手で一般にもその名がしられるようになったボレテリですが、偉大な選手を育てあげた数からいえば、テニス史上No.1のコーチです。しかもボレテリは「ボレテリテニス」と呼ばれるベースラインから攻める攻撃テニスとオープンスタンで、テニスのあり方を変えてしまった張本人。特に回り込んでフォアハンドでインサイドアウトに打つテニスは、今ではテニスには欠かせない戦法となりました。現在フロリダのIMGアカデミー(野球、サッカーなどのスポーツ総合アカデミー)のテニス部門に、ボレテリアカデミーをおき77才の今も現役で活躍中。彼のプライベートレッスン代は8万円と言われています。
ボレテリのウェブサイトNick’s Picks:http://nickstennispicks.com/

ロバート・ランドソープ  Robert Landsorp

主な選手:サンプラス、ダヴェンポート、シャラポヴァ、ミスキーナ、トレーシー・オースティンなど。

数多くのスター選手を育てあげたにも拘らず、彼の毒舌と厳しいコーチイングのためにいろいろ損をしているコーチ(評判や金銭面において)。ミスキーナのように今だに彼のコーチイングについては語ろうとしない選手もいます。

チャクヴェターゼは彼のコーチングについて以下のように述べています。
「彼からいろんなことを学びました。私はシャラポヴァなどの大型選手にくらべてパワーに欠けますので、戦略とフットワークを重点的にトレーニングを受けました。その結果は成績に見事にあらわれ大きな自信となってます。」

ランドソープの写真(未来のスター選手、トリスタン坊やと)
http://www.tristanboyer.com/images/tristan-age6-robertlandsorp.jpg

(続きは次回に)

投稿者 Tennisnakama  00:43 | コメント(3)| トラックバック(0)

メリークリスマス!

Merry Christmas!

選手たちが『十二夜』The Twelve Days of Christmasの歌に挑戦です



なかなか皆さん苦労してますね

音階はコートで球を打つように正確にはいかないようですが

楽しさ一杯!



ここでちょっとお勉強です。

『十二夜』とはクリスマスの12月25日からの12日目をさし、クリスマスの最終日の1月6日を顕現日と呼びます。この日は3人のキング(日本ではなぜだか3人の博士となってますが)が占星術によって救い主の誕生を知り、御子イエスの生まれたベスレヘムの馬小屋にやって来て、イエスに会って礼拝した日を記念したもので、Epiphany顕現日と呼ばれています。

『十二夜』は1日目から12日目までをたとえて歌っているわけですが、この数はシンボルとして以下のように使われています。選手たちがなかなか歌えなかった歌詞は以下のようになります。

On the twelfth day of Christmas
my true love sent to me,
Twelve drummers drumming 
12の使徒信条)
Eleven pipers piping
11人の使者)
Ten lords a leaping
戒)
Nine ladies dancing
の聖霊の産物:愛、喜び、平和、忍耐、親切、善意、信仰、寛大、自制)
Eight maids a milking
福)
Seven swans a swimming
聖餐)
Six geese a laying
日間の天地創造)
Five golden rings
(旧約聖書の書)
Four calling birds
(マスュー、マーク、リューク、ジョンの福音書)
Three French hens
徳:信仰、希望、仁愛)
Two turtle doves
聖書:旧約聖書と新約聖書)
And a partridge in a pear tree
(神の子は人、イエスキリスト)

ジングルベル




暗いニュースが多い年末となりましたが、グッドニュースはATPとWTA合同のトーナメントサイトができました。いろんなトーナメントのハイライトのビデオが観れます。一日中遊べる楽しいhttp://tennistv.comで落ち込む気分を盛り上げましょう。ハッピーなクリスマスをお迎えください!



投稿者 Tennisnakama  19:29 | コメント(9)| トラックバック(0)

トーナメントが消えて行く?

もうすでにご存知の方も多いと思いますが、正式にAIGがジャパンオープンの冠スポンサーを降りることになり、AIG Openの名が姿を消すことになりました。このAIG Openのサイトともお別れです。

noaig

AIG Open ウェブサイト



AIGが日本最大のテニスイヴェントから撤退することは、一応予想されたものの、正式発表という事態を迎えて、日本のテニス界に大きな動揺を与えています。もし大手のスポンサーが見つからなければ、ジャパンオープンは賞金額の減額を強いられることになり、現在のATP ワールドツアー500 (元「ゴールド」クラス)のステータスを失うことになりかねません。ジャパンオープン自体はなくならないと思いますが、フェデラーおよびトップ選手の参加が危なくなってきます。そうなると日本のテニス界にとっては大危機です。

不景気にあえぐ企業の「スポンサー離れ」は、日本に限らず世界的な傾向にあり、スポーツ界は多くの大会存続の深刻な問題に直面しています。特にリーグ戦の組織をとらない、テニスやゴルフの個人スポーツのイヴェントがまずスポンサー撤退の直撃を受けました。

テニスを例にとると、以下のスポンサーがトーナメントおよび組織団体から撤退してしまいました。

男子ATP
インディアンウェルズ大会(3月)
パシフィックライフがスポンサー撤退

ロサンジェルス大会(7月)
カントリー・ファイナンシャルがスポンサー撤退

ジャパンオープン(10月)
AIGがスポンサー撤退

デ杯
AIGがスポンサー撤退

ATP
メルセデス・ベンツが年間10億円のスポンサーから撤退。

ABN Amro Open(オランダ)
スポンサーが見つからず、大会ライセンスが競りに出されましたが、世界第3位のジョコヴィッチが買い取りました。このライセンスをもってセルビアのベルグラードで新しくトーナメントが5月に開かれることになります。今のところまだメジャーなスポンサーが見つかっていませんが、ジョコヴィッチはこれで選手という立場だけでなく、トーナメントのオーナーとしても活躍が期待されることになりました。

女子WTA
12のトーナメントにまだスポンサーが決まっておりません。

テニスだけでもこれだけのインパクトを受けていますので、スポーツ界全体の打撃は計りようがありません。スポーツの暗黒時代の始まりとならないことを祈るばかりです。

投稿者 Tennisnakama  23:42 | コメント(4)| トラックバック(0)

スポーツナビに挑戦 

日本のブログの状況に全く無知だった私が、tennis365にブログに新規登録をしたのは今年の1月。早いものです。もうすぐ一年が経とうとしています。

ニューヨークに住んでもう云十年。テニスはアメリカで習い始め、友人もほとんどがnon Japaneseという生活で、全く日本のテニス事情を知りませんでした。

昨年なにげなく日本語でテニスに関するサーチをかけてみて驚きました。あまりにも情報がない!そしてもっと驚いたのは、スポーツ紙にテニスの欄がない!誰も書かないテニス。誰も読まないテニス。錦織選手の登場で彼に関する記事は読んでも、テニスには興味はない様子。当然な話ですね。誰も書かないのですから。という訳で「ささやかながら日本のテニスに貢献したい」と始めたのが世界のテニス情報を集めたオンラインマガジンtennisnakama.comでした。

「テニスの面白さを伝えテニスファンを増やす」をモットーに、1月からシコシコ記事を書き始めました。まずtennisnakama.comの宣伝のためにgooにブログを始めてみました。しかし一向にPV (Page View)が増えません。一年たった今でも500くらいをウロウロしています。

ところが同時に始めたtennis365ではゆっくりですが、順調にヒット数も増え続け、3ヶ月後にはブログのランキングが3位に。そして半年後には1位にと、皆様のおかげで多くの方々に読んでいただけるようになりました。今はテニスのオフシーズンですのでPVは3000前後ですが、錦織選手が活躍したUS Openの時期は6000以上のPV数でした。

(長い前置きですが、もう少しで本題のスポーツナビです。)

このgooの経験はとてもよい経験となりました。あれほどの大手のブログサイトなのに、ほとんど読んでもらえない。テニスの伝道師のtennisnakamaとしては、娯楽、政治、生活などカテゴリーが多すぎるgooでは、テニスの宣伝効果が低いことに気づきました。

テニスファンの開拓について作戦を練り直さなければなりません。
「どのような人がテニスに興味を持ってくれるのか?」
「その人達をどこで見つけることができるか?」

そこで夫のアドヴァイスです。
「僕はほとんどのスポーツ記事を読んでるよ。スポーツの好きな人ならテニスファンになる可能性が高いのでは?」
確かにアート嗜好の人達よりは確率は高いはず。
そこで試しに訪れてみたのがスポーツナビだったのです。
(やっとスポーツナビにたどり着きました!) 

しかし、そこには「男子テニスがキター」を除いてアクティヴなテニスのブログは見当たりません。ここで新たにテニスがいかにマイナーであるかを思い知り愕然としたのです。

これはいかん! 日本のスポーツファンはテニスのことを知らない!
そこで12月13日に新しくtennisnakamaのブログを登録して試験的に読者の関心度を計ってみることにしたのです。

まずスポーツナビに以下の質問を送ってみました。

(1)スポーツナビの登録者数は?
(2)総ブログ数は?
(3)一日平均の総アクセス数は?
(4)どのブログが最多アクセス数? そのアクセス数は?
(5)人気のスポーツの順位
(6)テニスは何番目に人気?

翌日さっそくサポート事務局から回答をいただきました。本当にすばらしいサポートです。

(ますます長くなってすみませんが、以下が送られてきたメールです。)

………………………………………………………………………………………………..
スポーツナビ+サポート事務局です。
ご利用有難うございます。

アクティブブロガー様の数(直近1ヶ月以内に1回以上ブログを更新される方)は、1千名強です。
1日に、約300件のブログエントリがあり、総アクセス数=PV数は、約120万PV/日です。従いまして、1エントリ平均では、約4千アクセス=PV/エントリとなります。

ブロガー様のアクセスランキングは、日毎に集計しており、以下で公開しております。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/topics/ranking30/
概ね、毎日の1位は、2-3万アクセス=PV/日ぐらいです。

上述のランキングでもご理解頂けますが、当ブログでの人気のスポーツは、プロ野球が圧倒的で、続いて、、サッカー日本代表、Jリーグ、海外サッカー。その次が、格闘技、MLB、バスケット、バレーで、テニスは、その次ぐらいになります。

ご想像の通り、テニスは、スポーツナビのお客様には、ポピュラーとは言えぬ状況でして、tennisnakama様の様な、お客様のお力をお借りして、スポーツ全般のファン層を増やしたいと思っております。

又、選手/関係者様のブログ更新を一覧出来る、「ブログパーク」なるサービスも用意しておりますので、ご高覧頂けると幸いです。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/special/blog/index.html?event=%A5%C6%A5%CB%A5%B9

以上でお答えになっておりますでしょうか?
今後ともスポーツナビ+をよろしくお願い致します。

……………………………………………………………………………………………….


この丁寧でしかも心強いメールに力づけられて毎日投稿。今日で5日目となりました。野球、サッカーファンがほとんどのスポーツナビの読者から無視されるのを覚悟の上です。

しかし、最初の日のPV数は2007。ちょっと信じられないヒット数です。確かgooでは30くらいだったと思います。

スポーツナビ用に記事を書いてるわけではないのですが、野球ファンにも手応えがあったようです。

そして5日後の12月18日、PV数は15673を記録。突如ランキングが7位になってしまいました。(ランキング表)

sportsnavi



それにしても1万5千以上とは! 一日約120万のPVを誇るスポーツナビのパワーのすごさを物語っています。この実験でスポーツファンならテニスの記事も読んでもらえることが分かりました。

錦織選手の今後の活躍を一人でも多くの方たちと共に応援していきたい・・・
テニスの面白さを共に語り合いたい・・・

その願いをかなえるために、tennisnakamaはただ今スポーツナビにチャレンジ中です。


投稿者 Tennisnakama  12:10 | コメント(15)| トラックバック(0)

テニスワースト賞 by tennisnakama

昨日はアメリカのメジャーなスポーツ誌の2008年度テニス大賞を紹介しましたが、今日はどのメディアも取り扱わないカテゴリーで挑戦したいと思います。

tennisnakamaが選んだ

2008年「テニスワースト3」を発表します



Worst Luck賞:最もツイテない選手
アンディ・ロディック

2月のサンホゼ、3月のドバイで優勝したロディックの2008年は快調の滑り出しでしたが、数多くの怪我で「怪我との戦いのシーズン」となりました。今年はオリンピックを辞退してUS Openの優勝に賭けましたが、今年もGSタイトル無しの結果となりました。

4月マスターズ・ローマ:試合中に肩と背中の怪我(リタイア)
5月フレンチオープン: 肩と背中の怪我がなおらず(棄権)
7月マスターズ・シンシナティ:寝ていたときに首をひねる(棄権)
11月マスターズカップ:練習中に足首の捻挫(棄権)

Worst Coach賞: 最悪コーチ
ジョン・トミック(バーナード・トミックの父)

テニス史上最悪の親として有名なのは、ピアース、ドキッチ、グラフの父達。先月このワーストグループにトミックの父親が加入しました。しかもさらに最悪なのは、彼の父がコーチでもあること。

先月のパースで行われたトーナメントに、相手のフットコールが呼ばれなかったことを不満に、トミックコーチは息子に試合の途中で試合を放棄させました。この行為がオーストラリアテニス協会では大変な問題になり、罰金だけではなく、最悪の場合はプロのサーキットで永久にプレーできない可能性が出てきました。この判決はまだ出ていませんが、オーストラリアの星(全豪ジュニアで優勝、ジュニアランキング3位)を親/コーチが潰してしまう最悪のケースとなりました。

Worst Nightmare Match賞: 悪夢の試合No.1
(朝の4時すぎまで続いた死にそうに長い試合)
レイトン・ヒューイット

オーストラリア・オープンのR32:ヒューイット vs バグダティス戦 4-6 7-5 7-5 6-7(4) 6-3

深夜から始まったこのマッチは、4時間34分の最長時間を記録しました。 5セットでヒューイットが辛うじて勝ちをきめましたが、ヒューイットの記者会見は朝の5時15分に行われ、オーストラリアは全国民が睡眠不足。次のジョコヴィッチとの試合では、完全にガス欠したヒューイットは3セットストレートで完敗となりました。

いろんなことが2008年に起こりましたね。この一年を振り返ってみて、このようにカテゴリーでまとめてみるのも面白いと思いました。読者のフィードバックがよければ続けていきたいと思います。


投稿者 Tennisnakama  02:04 | コメント(24)| トラックバック(0)

米誌が選んだ今年のベスト

錦織選手が年末にいろんなメディアに登場して(記事に書かれて)大忙しです。めでたくアメリカのメジャーなメディアでも新人部門で選ばれ、圭くんの大活躍の2008年となりました。

毎年暮れになると、メディアはよく番組や雑誌で一年を振り返って「2008年ベスト・・・」などの特集を組みます。つい最近メジャーなスポーツ雑誌、スポーツ・イラストレイティッドSports Illustratedと、スポーツステーションESPNが、ユーモアたっぷりに2008年を以下のように締めくくりました。tennisnakamaもこのページで参加です。

選考者:
SI:スポーツ・イラストレイティッドSports Illustrated Jon Wertheim記者
http://sportsillustrated.cnn.com/2008/writers/jon_wertheim/12/09/2008.baggies/

ESPN: Bonnie D. Ford記者
http://sports.espn.go.com/sports/tennis/columns/story?columnist=ford_bonnie_d&id=3737520

TN: tennisnakama.com/tennisnakama記者

最優秀選手大賞 Player of the Year: 
SI:   ラファエル・ナダル
ESPN: ラファエル・ナダル
TN:  ラファエル・ナダル 

世界No.1、オリンピック金メダル、ウィンブルドン優勝、全仏オープン4連勝など、記録男のナダルは当然の受賞です。

ベストマッチ大賞 Match of the Year: 
SI:  ウィンブルドン決勝
ESPN: ウィンブルドン決勝
TN: ウィンブルドン決勝

ナダル def フェデラー:6-4, 6-4, 6-7, 6-7, 9-7 
世界を感動させたこの決勝戦は、テニス史のなかでベストマッチの一つとして残る名試合でした。

最も上達した選手大賞 Most Improved Player of the Year
SI:デルポトロとツォンガ
ESPN: ヴァヴリンカとシモン(トップ10内に入る)
TN: 錦織圭 (ランキングが289位から63位に最もジャンプした選手)

アンディマリーはすでにトップランカーですのでこのカテゴリーに入りません。「未来のGSタイトル保持者」のカテゴリーでは、全員がマリーに投票。

新人大賞 Newcomer of the Year
SI: マリン・シリッチ
ティーンで25位という偉業は、錦織圭(18才63位)とグルビス(20才19位)を押さえて入賞。
TN:錦織圭 (順位だけでなく総合点で選びました)

注目ヤング大賞 Young Player to Watch
ESPN: 錦織圭
美しいプレーをみせてくれ、12月に19才になるこの日本青年は日本テニス史上ベストになる日が近づいてきている。ランキングのジャンプは目覚ましく最も注目したいヤング。

TN: 錦織圭
..................................................................................
以下は『スポーツ・イラストレイティッド』誌が独自に設けたカテゴリーです。

カムバック賞
ロビン・ソダーリング(手首の怪我の回復後17位に)

コーチ賞
トニー・ナダルナダルを世界一に仕上げたコーチ)

メディア賞
アンディ・ロディック
フィアンセのスーパーモデル、ブルックリン・デッカーとのロマンスで雑誌の売れ行きに貢献

傑作コメント賞
US Openの記者会見で、ロディックがジョコヴィッチのメディカル・タイムアウトについてコメント。



ロディックのコメント
Q. When asked about his injuries today, mentioning the right ankle as opposed to the left ankle, the other day
今日のジョコヴィッチの(ロブレド戦の)怪我ですが、他の日は左足首といってましたが、今日は右足首だとか・・・

ANDY RODDICK: Isn't it both of them? And a back and a hip?
両方じゃなかったの?それとも背中、それとも腰だっけ?

Q. And when he said there are too many to count.
彼は数えきれないくらいあると言ってましたけど、

ANDY RODDICK: And a cramp.
じゃ、クランプも。

Q. Do you get the sense right now that he is...
彼の調子はどうだと・・・

ANDY RODDICK: Bird flu.
バードフルー

Q. Lot of things. Beijing hangover.
いろんな事が重なった。北京弊害

ANDY RODDICK: Yeah.
まあ、ね。

Q. He's got pretty long list of illness.
彼の病気のリストは長いですね。

ANDY RODDICK: Anthrax. SARS. Common cough and cold・・・
炭疽菌、SARS, 咳に風邪・・・

この記者会見には笑ってしまいました。ロディックはジョコヴィッチのMTOの原因を冗談で答えているのですが、ジョコヴィッチとしては面白くないのは当然です。翌日のロディックvsジョコヴィッチの試合では、勝ってもブーイングを受けるという散々な目にあったジョコヴィッチは、それ以降11月のマスターズカップまでタイトルをとることができずスランプが続きました。

明日はtennisnakama大賞を発表してみようかなと思っています。



投稿者 Tennisnakama  05:46 | コメント(6)| トラックバック(0)

トッププロのジュニア時代は?

この一週間はジ「ジュニアがトッププロになるには」のテーマで、ジュニアの世界を紹介してきましたが、今日は時間をさかのぼってトップ20の選手のジュニア時代について述べてみたいと思います。

下の表は現在トップ20の選手のジュニア時代のランキングです。ランキングは選手によってかなりの幅があり、かならずしも皆がランキングが高かったわけではありません。ジュニアのサーキットを中心にまわった選手は、ランキングが高く、ATPのフューチャーズをまわり始めた選手は、ジュニアの大会に出ないためランキングが低くなっています。

ATP20のジュニアランキング
(1)ナダル 145位(4才からテニスを始める)
(2)フェデラー 1位(8才)
(3)ジョコヴィッチ  34位(4才)
(4)マリー 6位(3才)
(5)ダヴィデンコ 510位(7才)
(6)ツォンガ 2位(7才)
(7)シモン 242位(6才)
(8)ロディック 1位(4才)
(9)デルポトロ 3位(7才)
(10)ブレイク 92位(5才)
(11)ナルバンディアン 3位(5才)
(12)フェレール 233位(?才)
(13)ヴァヴリンカ 7位(8才)
(14)モンフィス 1位(4才)
(15)ゴンザレス ランキングなし
(16)べルダスコ 294位(4才)
(17)ソダーリング 2位(5才)
(18)アルマグロ 18位(8才)
(19)アンドレエヴ 116位(7位)
(20)バーディッチ 6位(5才)

この表でわかるようにジュニアランキングは一つの物差しですが、これだけではジュニア時代の実力は図れないことがわかります。

トッププロになるには以下の4つのタイプがあるようです。

(1)ナダル:ジュニアサーキットをまわらず、フューチャーズで実力をつける。

(2)フェデラー:ジュニアランキング1位のエリートでロディック、モンフィスなどもこのタイプ。

(3)ジョコヴィッチ型:ジュニアサーキットでは目がでなかったが、プロ転向後伸びる。ジョコヴィッチのジュニア時代の勝敗は44勝11敗で34位。しかしプロ転向後、ランキングは安定したペースで上昇。19才のときは63位(現在の錦織選手のランキング)から7位に急上昇する。

(4)シモン型:ジュニアでもプロでも長い間目がでなかった晩成型。シモンはジュニアで242位。プロ転向後も22才になるまでは100位を割ることはできなかった。ダヴィデンコもこのタイプに属する。

以下はシモンのATPランキングの推移です。
18才  1331位
19才  487位   
20才  177位
21才  124位
22才  45位
23才  29位
24才  7位

では錦織選手はどのタイプに属するでしょうか?

ジュニアで7位。18才でATPランキング63位。ジュニアもシニアもエリートコースをまっしぐらに走る彼はフェデラー型エリートタイプ。錦織選手はあと2週間でいよいよ大躍進が期待される19才となります。

投稿者 Tennisnakama  22:11 | コメント(5)| トラックバック(0)

天才ジュニアはトッププロになれるか?

今週は「ジュニア選手がシニアで成功するには?」のテーマで、未来のスター選手を紹介してきました。錦織選手はもうすぐ19才。ジュニア時代には、2003年のオレンジボウルで準優勝、2006年の全仏オープンでダブルスで優勝するなど、ワールドジュニアランキングが7位と、ジュニア時代の活躍は目覚ましいものがありました。今後の錦織選手の活躍を応援する上で「ジュニアたちがどのようにしてトッププロに成長していくのか」は大変興味のあるテーマです。

今日12月14日はダンロップ・オレンジボウルの決勝の日です。このトーナメントはジュニアのグランドスラムに続いて最も重要なジュニアのグレードAのトーナメントで、世界中からチャンピオンの座を狙ってジュニアたちが集まってきます。

今年のダンロップ・オレンジボウルは、18才部門は第1シードと第2シードはアジアの選手という、おそらく史上初めてアジアの選手がトップシードを占めるエクサイティングなトーナメントとなりました。プロテニスへの登竜門であるこのトーナメントからは、ロディック、ソダーリング、バグダティス、ヤングなどがチャンピオンとなっています。

今日の決勝戦は、残念ながら第1シードはの台湾のツンフア・ヤンTsung Hua Yangは16強で破れてしまいましたが、第2シードのインド人のユキ・バンブリYuki Bhambri(写真と記事)がノーシードのアメリカ人ジャメイン・ジェンキンズと戦います。このユキくんは、日本人との混血ではありませんが、名前の由来は日本語の雪からとったそうです。以前ブログでも紹介しましたが、錦織選手と同じボレテリでトレーニングを受けている16才の少年です。ジュニアのワールドランキングは4位。対戦相手のジェンキンズは14才。この突然現れた14才の少年は一体どういう少年なのでしょうね。18才の部門で決勝進出とは恐るべき14才です。

ジュニア部門のトーナメントは、ITF (International Tennis Federation)のもとで、 グランドスラム、GA、G1~G5とレベルを6段階に分けて、世界各地で年間約330余りが開催されています。この多くのトーナメントの中で最も重要なのは、4つのグランドスラムと5つの グレードA (GA)のトーナメントです。

グランドスラム・ジュニア:
全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープン

GA:
カサブランカカップ、Copa Gerdau(ブラジル)、イタリアンオープン、大阪市長杯、オレンジボウル

過去20年のグランドスラム・ジュニアの優勝者をリストにしてみました。読み辛くて申し訳ありませんが、赤の選手はトップランカーとして知られる選手です。

GSjunior



現在のトップ10の選手で過去20年間にグランドスラム・ジュニアで優勝したのは、フェデラー(2)、マリー(4)、ツォンガ(6)、ロディック(8)の4人しかおりません。錦織選手の来年のゴール、トップ10の確率は天才少年と呼ばれた選手ですらわずかの5%。80人の天才から4人しか達成できない気の遠くなるような厳しい挑戦です。

プロレベルで成功するには、強靭な肉体と精神に加えて、金銭力とサポートシステム、そして運と健康というさまざまな要素が不可欠です。そして最も重要なのは「トップになりたい強い願望」burning desireをいかに持ち続けられるか。天才と呼ばれた世界中のほとんどの子供たちが生き残れないプロの世界で、錦織選手の驚異的な活躍にあらためて惜しみない拍手をおくりたいとおもいます。
拍手拍手拍手

投稿者 Tennisnakama  00:56 | コメント(7)| トラックバック(0)

天才テニス少年ヤニ

ブルガリアの錦織』の記事で、未来のスター選手の17才のディミトロフを紹介をしたが、今日は世界でもっとも有名な天才少年ヤニを紹介したい。

フィンランド人のテニスプロの母と、カレッジバスケットボールで活躍したアメリカ人の黒人を父にもち、スポーツマンとしてサラブレッドの血統に恵まれた少年は、素質を買われて4才でフランスにテニス留学。ブロンドに小麦色の肌をしたエキゾチックなヤニ(ヤン・シルヴァJan Silva)が初めてラケットを手にしたのは何と1才。もちろんおもちゃのラケットだが、母のワールドテニスのビデオを何度も観ては真似をする赤ん坊だったというから、テニスのモーツァルトである。

まずは5才のヤニのテニスをご覧いただきたい。




全豪オープンのときである。たまたま父親とテニスをプレーするヤニを隣のコートでバグダティスが観ていたく感心。バグダティスはさっそく所属するクラブのオーナー、Patrick Mouratoglouにヤニを紹介した。ヤニ少年のテニスをみて感動した Mouratoglou は、自分の手でこの天才少年を育ててみたくなった。

Mouratoglou はヤニ少年のテニス留学を両親にもちかけた。ヤニの才能を伸ばすために、家族でフランスに移住するべきかどうか。ヤニにすべてを賭けることが正しい決断だろうか。ヤニの他にも二人の子供を抱える両親は大きな決心を迫られることになる。しかし 家族の生活を含めたすべての経費を Mouratoglou が負担するというMouratoglouのオファーは、辞退するにはあまりにも魅力的だった。そして家、車、家具などすべてを売って、カルフォルニアからパリの郊外への大移動が決まったのである。

ここで6才のヤニのテニスをご覧いただきたい。
完璧に近いフォアハンドと片手バックハンドは目を見張るものがある。

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今ではヤニは世界のTVでも紹介されるほどの有名人になった。オフィシャルなウェブサイトも持つ(http://www.jansilvatennis.com/)。スポンサー探しも熱心だ。このようなシルヴァ家のあり方に大きな批判の目が向けられているのは、フランスだけではない。シルヴァ家のミールチケットとして幼少時からプレッシャーを与え続けることが、果たしてヤニの将来にとって正しいことなのか。9才で雑誌表紙を飾り、天才少年ともてはやされたガスケの例がある。フランス人の誰もが、テニス史上に残る伝説的な選手に成長することを疑わなかったガスケは、まだグランドスラムのタイトルもとれていないのである。

ヤニのために年間1500万円の経費を負担する Mouratoglouのねらいは?
「もしヤニが世界的にトッププレーヤーになれば、アカデミーの宣伝にもなり十分採算がとれる」
アカデミーを世界的なテニスアカデミーにと目論むMouratoglouの一大賭けである。

ヤニは7才になったばかり。果たして大人達がヤニの才能を開花させ未来のフェデラーを誕生させることができるのか? それとも過去に天才少年と騒がれた多くの少年たちのように、数年後にはテニス界から消えていく運命にあるのか? 今後のヤニ少年の成長に注目したい。


(いろいろブログの仕組みを知りたくて、experimentとして、スポーツナビにtennisnakamaの名で新しくブログを開設しました。記事は同じです。しかしYouTubeがアップできないようです。)


投稿者 Tennisnakama  23:52 | コメント(6)| トラックバック(0)

18才がブレークスルーの年

前回の記事でも書きましたが、テニス選手には必ずブレークスルー(大きく飛躍する)の年があると思います。ラーニングカーヴは、語学と同じで、ある期間進歩が低迷したのち、ある段階でぐーんと伸びる時期があるのです。個人差にもよりますが、その年が肉体と精神にバランスが見始められる18才~19才の時期ではないでしょうか。

ここで昨年10月にtennisnakama.comに掲載した『18才がブレークスルーの年?』の一部を紹介したいと思います。

「・・・(フェデラーナダル、ジョコヴィッチを比較しながら)・・・ランキングをあげていくのは、肉体的にも、成長がひとまず落ち着き、メンタルの面でも大人になってくるのが、この時期(18才)です。では、日本の唯一の希望の星、ニシコリ君の場合は、どうでしょうか?

昨年の3月、16歳でプロになったときは1504位。同年の12月にはすでに603位に。17歳になった現在、最新の10月15日のランキングは257位と、その上昇ぶりはトップスリーを彷彿させるものがあります。 

でも、体格的には彼らよりも10cmも低く、また10kgも軽いフェザー級のニシコリ君に、来年のベスト100入りは可能でしょうか? 

18才になる2008年が勝負時といいましょうか。 日本のテニス界のためにも、がんばってほしいものです。」


一年前に書いた記事ですが、圭くんは見事にこの「18才の壁」を破って現在堂々63位です。

もし年齢にふさわしいランキングがあるとするならば、トップ選手はどのようなランキングの上がり方をしているか? フェデラー(2位)、ナダル(1位)、ジョコヴィッチ(3位)、マリー(4位)、デルポトロ(9位)、錦織(63位)のランキングの変移を年齢別に示してみました。

ランキングは、同じ年齢でも12ヶ月も幅がありますので、例えば18才ですと、ここでは18才の最後の週(19才になる直前)のランキングを採用しました。

18yrslist



ここで注目していただきたいのが、18才のランキングの変動についてです。17才のときに比べて、どの選手にも大幅なジャンプがみられます。
なんとマリーは331位、錦織は223位も駆け上がりトップ100入りを果たしています。

そして19才のランキングを見てみましょう。すべての選手が確実にトップ20入りを果たし、それ以降のランキングは安定しています。

ナダルはジュニアサーキットをスキップして、15才からすでにプロとして活動を始めていますので、他の選手と比べて一年早い進みかたをしていますが、彼の場合も似たパターンがみられます。

あと2週間足らずで19才になる圭くん。彼がどのように成長してくれるのか、楽しみな2009年です。


投稿者 Tennisnakama  00:51 | コメント(10)| トラックバック(0)

ブルガリアの錦織

昨日あるティーンエイジ・センセーションをTVで見ることができた。スペインデ杯チームのキャプテン、サンチェスが太鼓判を押すだけ合って、彼の流れるような美しいテニスが印象的だった。 アイドルはフェデラーというだけあって、若き頃のロジャーを彷彿とさせるバックハンドはフェデラーそっくり。彼のウィンブルドンのジュニア決勝戦をご覧いただきたい。

帽子をかぶってない選手に注目



彼の名はグリゴール・ディミトロフGrigor Dimitrov。17才。2008年のディミトロフの成績は目を見張るものがある。ウィンブルドンとUS Openのジュニアで優勝を果たし、フューチャーズでも3大会で優勝を勝ち取って堂々ジュニア世界No.1となった。いってみればブルガリアの錦織である。

(ディミトロフの写真:http://www.grigor-dimitrov.com/
ブルガリアのマップ

ブルガリアの過去の男子最高ランキングはOrlin Stanoytchevの96位。もしディミトロフがボレテリに留学していればプロジェクト95が誕生していたかもしれないが、17才のディミトリフの夢ははるかに高く世界トップ10。現在バルセロナの名門アカデミー、エミリオ・サンチェスのもとでトレーニングを受けているディミトロフは、甘いマスクも手伝って、人気はブルガリアにとどまることなく、世界的に広がるのは時間の問題とされている。

ディミトロフのコーチは父親だが、サンチェス-カサール・アカデミーではアンディー・マリーをはじめ、数多くのトップ10選手を育て上げた名コーチ、 パト・アルバレスPato Alvarezがコーチングを担当している。

「ディミトロフは今までコーチをした17才の選手の中でベストプレーヤーだ」とアルバレスが太鼓判をおしているところからも、いかにディミトロフのテニスがすばらしいかがわかる。

ここで1才4ヶ月年上の錦織選手と比較してみたい。現在、錦織は18才11ヶ月。ディミトロフは17才7ヶ月。この二人の過去のランキングの歩みは以下となる。

錦織:ベストランキング63位 現在18才11ヶ月
18才0ヶ月 286位
17才6ヶ月 389位
17才0ヶ月 603位

ディミトロフ:
現在17才7ヶ月493位
17才0ヶ月:752位

ディミトロフと17才時の錦織選手との差は大差がない。問題はディミトロフが18才になったときである。錦織選手は18才でランキングが200以上もジャンプするブレークスルーの年となった。今後のディミトロフの課題は、ジュニアからシニア(英語ではATPのレベルをシニアと呼んでいる)への移行である。多くのジュニアチャンピオンがシニアレベルで消えていく厳しいプロの世界で、果たして錦織選手のように開花していくことができるか? 

18才という年齢は興味深い年齢である。個人差はあるものの、肉体と精神が成熟し調和し始め、成果が出始める最初の年といえる。

明日はこの「18才」について、トップ3選手(ナダルフェデラー、ジョコヴィッチ)のジュニア時代のランキングを比較しながら、いかに18才が彼らにとっても重要な年であったか述べてみたい。

あと3週間で19才を迎える錦織選手。世界のトップになるには、「19才」とはどんな年であらねばならないか? ネクストジェネレーションのトップランナーのマリーとデルポトロの19才のデータと比較しながら、錦織選手の19才についても言及してみたいと思っている。 


投稿者 Tennisnakama  00:31 | コメント(9)| トラックバック(0)

錦織バハマの近況

錦織選手のマネージャーに連絡をとり、バハマのエクジビションの様子を尋ねてみました。

錦織選手がバハマのマーク・ノールズ・セレブラティテニス・インヴィテイショナル(『錦織バハマでチャリティ参加』http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/150137.html)に12月5から3日間参加しました。イヴェントではプロ vs アマの試合に出て、バハマのビジネスマンに勝ったそうです。こういう素人との試合って、どれほど真剣にやってよいのか、とてもやり辛いと思いますが、私の想像ですが、このビジネスマンは多額の寄付金で圭くんとの試合を競り落としたのかもしれません。

チャリティイヴェントはよくアメリカで行われますが、その場で競り落とす出し物がよくあります。例えばジョン・マッケンローは息子の高校の先輩にあたりますが、彼は毎年母校のためにファンドレイジングに協力してくれます。彼の場合は、「マッケンローとテニスを一時間」という物件で競りが始まり、60万円で落とされました。

話がそれてしまいましたが、11月末から来シーズンにむけて本格的トレーニングを始めた圭くんにとっては、このバハマでの3日間はとても楽しい息抜きのイヴェントとなったようでした。

フロリダでトレーニングをしているアンディ・マリーも駆けつけ、イヴェントは大成功におわりました。3日間の収益は1千万をこし各チャリティ団体に寄付されます。

マネージャーから送っていただいたバハマの圭君の写真です。
(Photo by Matt Dunn Photography)

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投稿者 Tennisnakama  06:01 | コメント(11)| トラックバック(0)

パパラッチとの戦い

(お断り)
先日ある雑誌社から原稿を依頼され、「である調」で書いてほしいという注文を受けました。昔は「である調」で書いていましたが、子育てのため引退して13年。久しぶりに書き出した日本語はさびついてでてきません。ブログを書き始めて一年になりますが、話言葉の「です・ます調」で書いているうちに「である調」が書けなくなってきたのです。日本の新聞、雑誌も読まなかった(今でもですが)、年月の重みで言葉を失いつつあります。これではいけない! 

という長い言い訳のもとで、今回は試しに「である調」で書いてみました。読み辛いとは思いますがよろしくお付き合いください。

11月20日の『ヴァンパイアーの選手がいた?』の記事に、昨日あぱっちさんからコメントをいただきました。ご質問にお答えしながら、海外のスター取材の実情について記事にしてみました。

それではここから「である調」に変わります。


『パパラッチとの戦い』

「はじめまして。
残念ながら錦織選手のラヴストーリーは、気の紛れる楽しい話題ではなくなってしまいました。日本を離れている錦織選手は無事ですが、その分過熱したマスコミ報道が相手の女性に集中し、酷いことになっています。空港で約50人の報道関係者、10台のテレビカメラに囲まれた彼女は顔から血の気が失せ、本当に気の毒な様子でした。

(日本時間の8日まで視聴可能な動画ニュースです。)
http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00038/v03650/v0365000000000505656/

こんなことをやっていたら、若いスポーツ選手はマスコミに潰されてしまいます。海外の報道に慣れたTennisnakama様の目には、日本の報道はどのように映るでしょうか?」 あぱっち

あぱっちさんに教えていただいたYahooの動画は、残念ながら視聴できるのが日本に限られているため見ることができないが、過激な有名人の取材活動が深刻な社会問題になってきているのは世界的な傾向だといえる。

セレブリティたちを追っかけるカメラマン達のことを、パパラッチpaparazziと呼んでいるが、彼らの執拗な密着取材が引金となった、プリンセス・ダイアナのパリでの交通事故死は、世界を驚愕させた悲惨な事件としてまだ記憶に新しい。

パパラッチの名前は、フェデリコ・フェリーニが監督した映画『甘い生活』に登場する報道カメラマンの名前(パパラッツォpaparazzo)が由来。隠し撮りの写真を(日本ではフライデイ?)雑誌社に売り込んで生計を立てているカメラマンのことをさす。イギリスのパパラッチは世界で最も過激なことで知られているが、可哀想なのはアンディー・マリーだ。毎日のごとく新聞、雑誌、ブログにおっかけられ有名税を払わされるマリーは、パパラッチを逃れて12月からフロリダでトレーニングを開始した。

ナダルの裸のお尻の写真を10月にこのブログで紹介したが( http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/140748.html)この写真は典型的なパパラッチによる隠し撮りである。ヴァケーション中のナダルをボートで追っかけ、望遠レンズで撮りまくるパパラッチたちは、スクープを狙った群がるハエのごとくナダルの近辺を追いかけまわす。ナダルの裸のお尻の写真に、いくらの値段がつけられたのかはさだかでないが、面白いのはナダルファンの反応である。

「そこまでして追っかけるパパラッチは許し難いが、でもあのナダルのお尻が見れて嬉しい ・・・」というのが正直なファンの心理なのだ。「そうっとしておいてあげて」といいながら、つい覗き見してみたい気持ちにかられる、人間の心理をくすぐるジャンクメディアがあとをたたないのも世界共通の悩みの種なのである。

ハリウッドではスターたちの隠し撮りの写真を専門に取り扱っている大手のエージェントが6社ある。ケニアのビーチで休暇を楽しむブラッド・ピットとアンジェリナ・ジョリーの写真は、US Weekely Newsが5千万円で買い取った。ブリトニー・スピアーズ(歌手)が坊主頭になった写真には2500万円、ニコール・スミス(女優)の死体のビデオにはSplash News Video社から1億円が支払われたという。

スクープとなる写真やビデオには法外な報酬が見込まれるために、手段を選ばなくなってきたパパラッチの活動は、人命が危ぶまれるほど過激さを増し深刻な問題となっている。彼らの取材攻撃を覚悟して外出しなければならないフェデラーナダルのストレスレベルは想像を絶するものにちがいない。世界のトーナメントをこなすだけでも大変なストレスだというのに、このパパラッチとの戦いで身も心もクタクタになってしまわないよう願わずにはおれない。ますます錦織選手が日本から遠のいていくのはいた仕方のないことかもしれない。


投稿者 Tennisnakama  00:39 | コメント(4)| トラックバック(0)

ナダル特集(3)インタービュー続編

alalaさんから翻訳していただいた記事をもとにして構成させていただいた『ナダル特集』も、残念ながら最終回を迎えることになりました。 今までプレースタイルの好みの問題からナダルファンでなかった方たちも、この3編の記事を読まれて、ナダルの豊かな人間性に魅かれた方も多いと思います。 ナダルを始めスペイン系の選手は、母国語でのインタービューが多く、なかなか英語でのインタービューや特集記事がないのが、私の悩みの一つですので、今回のalalaさんのご尽力には深く感謝しています。 

2008年10月L’Equipe紙のインタービュー (2)

翻訳:alala特派員

誰もがあなたの筋肉を話題にしますが、テニス選手にはまれなその身体はどうやって生まれたのですか?
これは、遺伝的なものだと思います。うちの家族の男たちをごらんになれば、みんな身体が大きくて強いということがわかってもらえると思います。おじのミゲル・アンヘルは元フットボール選手ですが、僕よりもすごい身体をしていますよ。今でもです。それがどこから来るかというと…うーん、そうだなあ、ジムのトレーニングルーム?いえ、違います。僕は筋トレをしたことがないんです。だから、生まれついてのものなんでしょう…

自分の身体は好きですか?
(口をとがらせて)まあ…普通ですよ。ごく普通。

あなたのフィジカルを管理するホアン・フォルカデスは、あなたの身体を作るために全力を尽くしているといっていますよ
確かに、2年前僕は結構やせたんです。脂肪がなくなって、筋肉も落ちた。でもその方がいいんですけれどね。今年はちょっとやせすぎだったときもありますね。本当にやせすぎだな、と思うときがありましたよ。今はあまり違いを感じませんけれど…でもこれからちょっと苦労するかもしれません。

トニーとの関係をことばにすると?
昔々に始まった関係です。僕は2歳か3歳だったんじゃないかな?僕が家族の中で一番多くの時間を過ごす人です。一緒にたくさんの時間を過ごすおじと甥のごくシンプルな関係ですよ。お互い尊敬しあっています。まあ、彼が僕を尊敬するよりもずっとずっと、僕は彼を尊敬していますけど(笑)。

あなたはテニス選手のキャリアを始めたときからずっと同じサポートチームでやっていますよね
僕にとってはこれは理屈にあったことです。普通のことですよ。
(ここでトニーが割ってはいる)
私からもいいですか?ラファエルは、コートの上で仕事をうまく成し遂げられなかったら全て自分のせいなのだ、という育てられ方をしました。自分の失敗をコーチやフィジカル・トレーナーや観客やボールのせいにしない、そういう風に教育されたんです。もし選手がそういう風に育てられたとしたら、彼のコーチは悪いコーチでいる権利を得たというわけです。大会をまわっていると、自分の結果を他人のせいにしたり、ラケットのせいにしたり、コートの状態のせいにしたりする選手を多く見ます。滅多にないことですが、ラファエルがボールについて文句を言ったことがあります。そのとき僕はこう言いました。「そうか、なら負けたらいい。負けて家に帰ればいい。次に別の大会に出たとき、同じボールを使って勝つだろうからね」。覚えているかい、ラファ?
(ラファ) ううーん…
(トニー)ほら、バルレッタとカリアーリの時だよ(どちらも2003年にイタリアで行われたチャレンジャーズ大会)。片方は決勝で負けて、もうひとつは優勝したんです。そのときは別のコーチがついていました。だから私は彼を落ち着かせないといけなかったんです。でもその翌週もそのコーチと大会に行くんだと告げたとしても、ラファエルは黙ってそうしたでしょうね。彼はわかっていたんです。プレイするのは自分だ。何もかも自分次第なんだって。これはとても大切なことです。私たちがマヨルカの人間であることは、こういったシンプルな態度でものごとに取り組むときに大いに役立っています。ラファエルの運動療法士(ラファ・マイモ)はシンプルな男ですし、彼のフィジカル・トレーナー(ホアン・フォルカデス)は、彼のことを子供のころから知っています。もちろん彼のコーチも…。彼は自分の責任を自分でとるように訓練され、教育されているのです。

でもラファエル、あなたはトニー以外のコーチといるところを想像できますか?それは可能なことですか?
もちろんです…実際、フランシスコ・ロイグが時々大会についてきてくれますよ。トニーとの関係は、100%の信頼関係です。それに、彼は僕のことを何もかも知っています。僕の欠点も僕の問題も…。
(トニーがまた割ってはいる)
2007年の全豪オープンのときに僕たちが話したことを聞かせてあげたら?飛行機の中で、私は彼にホセ・イゲラスのところに話をしにいってみたら、と言ったんです。
(ラファ)ああ、そうでした。あの時はいくつか試合を負けていたし。トニーは僕にイゲラスにコーチをして欲しいかと聞いたんです。僕は彼をコーチとしても人間としても尊敬しているけれど、問題は彼につくかどうかではなく、僕自身だったんです。

あなたにとって家族はとても大切な存在で…
(記者をさえぎって)待ってください、待ってください。みなさんいつも同じ質問をしますよね。大都市で暮らしている人にはわかりづらいことだとは思うんですけど、マヨルカではナダル家だけではなく、家族で一緒に暮らすことは珍しくありません。家族の結びつきが強いんです。みんなひとつ屋根の下で暮らしています。もし僕が別の場所に暮らすとしても…50mくらいの距離の場所かな?小さな町で暮らしていると、親子の関係、兄弟の関係はずっとシンプルで自然です。僕が大都市の出身だったら、きっとまた違ったでしょうね。それから僕の家はスポーツ一家なんです。だからたとえばゴルフに行きたいと思えば、ミゲル・アンヘルやもうひとりのおじのラファエルと出かけます。その方がずっと楽だからです。

マナコールはどんなところですか?
マナコールはマヨルカ第3の町です。ごく普通の静かな町。人はみなシンプルです。夏になるとマナコールの人々は15キロほど離れた海の町ポルト・クリストに出かけます。

あなたと海との関係は?
僕は島の人間ですから海は僕の生活の一部です。(吹き出すトニー)ええ、トニーがからかうのは、僕が泳ぎがうまくないからなんです。彼は泳ぎのチャンピオンですよ。まあ、僕が泳ぎがうまくないのは明らかだけれど、テニス選手としてのキャリアが終わったときには水泳のレッスンを受けますよ。でも、言っときますけど、僕は泳げるんですよ。ずいぶん上達したと思うけどな。

まあ、水泳はそれほどうまくはない、と。でも釣りは上手でしょう?
釣りは大好きです!沖に出て釣りをする…本当に素晴らしいです!ポルト・クリストでは家族が持っている家の下に下りていって、そこで釣りをするんです。ひとりでね。一日中、4時間でも5時間でもそこにいられますね。

4~5時間?その間何を考えているんですか?
うーん…何も考えていません。浮きを眺めて、魚がかかるのを待っているんです。最近ではあまり岩場には行きません。沖に出るのが好きです。それにはちょっと時間がないのが残念です。本当に沖釣りを楽しみたかったら、朝早く出かけなくてはなりませんからね。朝船に乗り込み、出かけていって、太陽が昇ったとき、最高の幸せを感じます。

魚を釣ったら、自分で料理をするんですか?
うーん…(ちょっとふざけて)母がいないときは自分でしますよ。母は料理がうまいんです。

最後に、フランス語がどれくらい上達したか聞かせてください
(恥ずかしがって)いや、え…、その…そうですね…「ボンジュール」、「メルシー」、「ムッシュー」、「サヴァ?(元気?)」、「ビアン」…そのくらいかな。

次のローラン・ギャロスの優勝スピーチのために、もっと頑張らないと
そうします、そうします、そうします…そうなったらいいですね。


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ナダル特集(2)インタービュー編

alalaさんのご厚意でナダルのインタービューを2回にわけて掲載します。世界No.1のテニスのあり方は人生論にも通じるものがあり、大変興味深いものがあります。

インタービュー記事の前に、 昨日(12月4日)オーストラリアで行われたトーナメントの出来事を紹介します。この事件はナダルの生き方と比較して大変興味のあるテーマだと思うからです。

皆さんは 今年のオーストラリア・オープン・ジュニアで優勝したバーナード・トミック Bernard Tomicを覚えていらっしゃいますか?16才のトミックは、現在ジュニアランキング3位、ATPランキングは775位。ヒューイット以来のオーストラリアの未来のスターとして騒がれているあのトミックです。(トミックのホームページ:http://www.bernardtomic.com/about-bernard

昨日の試合でトミックは、オーストラリアのマトセヴィッチMatosevic に2-6, 1-3で負け試合が濃厚になってきたときに、アンパイアからウォーニングを受けてしまいました。コーチの父が、アンパイアにマトセヴィッチのフットコールがされていないと抗議し、コードヴァイオレーションを受けたのです。それを不満にトミックは試合を放棄してしまったのです。

この行為はスポーツマンシップに欠けると批判され、トミックが狙っていたブリスベイン、全豪オープンのワイルドカードがあやしくなってきました。多分父のジョン・トミックはあらゆる手段を講じて勝つことを息子に教えてきたのでしょう。負けそうになっているのは、ラインマンが不公平だからだ・・・責任の転化はいくらでもできます。

トミックがいくら才能にあふれた選手であっても、このような価値観のもとでは果たして世界のトップ選手として活躍していけるでしょうか? エレーナ・ドキッチやマリー・ピアースの父たちの異常な行いはあまりにも有名な話です。親が多くの才能のある子供をつぶすテニス界にあって、ナダルの父やトニーコーチの話は、子育てのバイブルといえます。


2008年10月L’Equipe紙のインタービュー (1)

翻訳:alala特派員

無人島で一年過ごした人がいるとしましょう。その人が帰ってきて、ロジャー・フェデラーが世界第一位の座を明け渡したということを知りました。さて、その人に何が起こったかどう説明しますか
ええ~!(笑)わからないなあ…まあやってみましょう。常に頂点にいるということは本当に大変です。この4~5シーズン、フェデラーはありえないくらいすごかった。その間、彼は一年に3つもグランド・スラムのタイトルを勝っていたんです。信じられないですよ。でも、それは精神的にかなり消耗します。何人かの人が言っているように、今年だって彼のパフォーマンスは悪くなかった。でも、2004年から07年の彼からすれば物足りなかったでしょう。(笑)むしろこの04年から07年に彼が成し遂げた偉業の数々がありえないものだったといったほうがいいでしょう。

つまり、あなたがナンバー1になれたのは、フェデラーがいつもより調子があがらなかったからだということですか?
いえいえ、そうは言ってません。僕は今年、自分のキャリアの中でも最高の一年を過ごしたと思っていますよ。最高のレベルに達することができたと思います。自分のしたことによるものだとは思っていますが、もしもフェデラーがいつものように一年に3つのグランド・スラムで優勝していたら、自分がナンバー1に上るのは難しかっただろう、ということです。

ナンバー1にランクされるに至るまでに、ここが分かれ目だったと思う重要な瞬間はいつでしたか?
年間を通して、どの瞬間も重要です。1月にシーズンが始まり11月まで続く中で、全ての試合の結果が重要性を持っています。まあ、ウィンブルドンはもちろん重要な分かれ目でした。あれを勝てたときに、ナンバー1も夢じゃないと思えるようになったんです。

シーズン始めはなかなか調子がよさそうでしたが、一方で負けるときには大敗を喫した。安定しなかったのはなぜですか?
確かにおっしゃるとおりですね。最初の3ヶ月はひどい負け試合もありました。メルボルンでのツォンガ戦、チェンナイでのユーズニー戦、マイアミでのダヴィデンコ戦、ドバイでのロディック戦、ロッテルダムでのセッピ戦。シーズン始めの問題は、大会全体を通しては悪くはないのに、負けるときにはひどい負け方をしたということです。まだそれほど自信が持てていなかったのでしょう。だからここというところで自分自身を超えるプレイができなかった。大会に勝つには、必要なところで自分の実力を超えるプレイができなくてはなりません。どんな大会にも、妙に調子のいい選手がいて、勝ち残るにはその選手たちを倒さなくてはならない。今年の最初のうちは、そういう選手たちに勝つことができなくて、家に戻ってはむしゃくしゃしていました。勝った試合だって、それほど良い出来だとは思えなかった。ものすごい試合を勝てる状態になかったということです。何とか負けないでいることができた、という感じでした。

その状態に変化があったのはいつですか?
これははっきり答えられます。インディアン・ウェルズの大会です。大会そのものは優勝できなかったけれど、ふたつの重要な勝利がありました。ツォンガ戦とブレイク戦です。このとき、自分を超えることができました。そしてその直後のマイアミで僕は確信を持つことができました。まあ、決勝では全然だめでしたけど。でも、その後からスタートした、という感じです。モンテ・カルロ、バルセロナ、ハンブルグ、ローラン・ギャロス…どんどん調子があがりました。信じられないくらいでした。

グランド・スラムでタイトルを取っていないのは、あとオーストラリアン・オープンとUSオープンですね。どちらの方が可能性が高いと思いますか?
両方ですね。どちらも同じです。どちらの大会でも準決勝まで行きましたし、遠くはないなと思っています。でも確かにコンディション的にはオーストラリアの方が自分には有利かもしれません。暑さとか、一年のうちの季節とか…。

あなたはそのメンタルの強さを高く評価され、また他の選手たちからは恐れられています。他の選手で同じくらいメンタルの強さを持っていると思う人は誰ですか?
大会で優勝するような選手はみんな精神的に強いですよ。でも、誰かひとりをあげるとすれば、それはフェデラーですね。彼は技術的にほかの選手に抜きん出ていますが、同じくらいすごい球を打つ選手もいなくはない。彼が強いのはその精神なんです。もし彼があのメンタルの強さを持っていなかったら、彼がどんなに才能を持っていたとしても、あのような偉業はなしとげられていないでしょう。ここ、という大事な場面で彼がどんなことができるか!本当にすごいですよ。

ナンバー1になってから、プレッシャーは感じていますか?
実を言うと…感じていないんです。プレッシャーを感じるかどうかは、自分がどんな目標を持っているかによるんじゃないでしょうか。僕の目標は変わらないんです。それは、進歩していくこと。ナンバー1になり、もしそこにとどまりたかったら、とにかく進歩し少しでも上達すること。それしかありません。だから、ナンバー2だったときと目標は変わらないんです。コートに入ったら、昨日だって今日だって、「僕はナンバー1だ」なんて自分に言い聞かせたりしません。ナンバー2だろうとナンバー50だろうと、勝つことだけが目標なんです。

では、日常生活ではどうですか?何か変化を感じますか?
ないですね。たとえば、朝起きるときに、「僕は世界ナンバー1だ」なんて思ったりしません。それはナンバー2だったときに「すごいや、僕はナンバー2なんだ」と思わなかったのと同じことです。朝起きたときに僕が知っていること、それは今日もコートに行って練習するっていうことだけです。本当にクリアでシンプルなこと。本当にそう思っているんですよ。もちろん、ナンバー1にはとどまりたいです。そのために戦いますよ。

あなたは右利きだけれど、テニスのときは左手を使います。時々は遊びで右手を使ってテニスしたりすることもあるんですか?
右手で?いえいえ!ありませんよ。右手だけでテニスをしたことはないです。一度もありません。以前はフォアもバックも両手で打っていました。だから右手だけだとコントロールできないんです。右手が使えないのはテニスだけですね。ゴルフのときは右利きだし。あ!忘れてた。サッカーの時は左利きです。

ガスケ、ツォンガ、シモン、モンフィス、この4人のフランス選手のポテンシャルをランクづけるとしたら?
わかりません。みんな全く違うタイプの選手ですし。ツォンガとシモンは今年活躍しましたね。シモンは今まであまり知られていなかったかもしれませんが、彼のボールコントロールは素晴らしい。ほかの3人に比べてシモンのポテンシャルが低いと思っている人もいるかもしれませんけど、すべてを持ち合わせている人なんていない。要は試合で自分の持っているものを最大限に使えるかです。シモンはとても頭のいい選手で、このままいけば、トップ選手のひとりになるでしょう。ツォンガはサーブがすごい。フィジカルも彼は並外れてますよ。スピードもあるし爆発力もある。それにものすごく強烈なフォアハンドも持っている。彼が調子のいいときは、どんな選手でも負かすことができるでしょう。オーストラリアン・オープンの決勝に残った男です。さらに上まで行けるでしょう。モンフィスはむらのある選手でしたが、今ではもう違います。このまま進歩していけば、偉業をなしとげるでしょう。ガスケのことは小さいときからよく知ってます。僕の大好きな選手です。彼は何だってできるんです。ヴォレー、スライス、あの有名なバック・ハンド…。

ファブリス・サントーロは彼のコンピューターに、他の選手たちに関する何百というデータを持っています。あなたは試合にのぞむとき、どのような準備をするのですか?
(からかうように、トニーの方を振り返り)もちろん、トニーは必要な情報を全て、コンピュータの中に持ってますよ。そうだよね、トニー?(トニーは吹き出し、「僕はアンテル(Untel)が右利きか左利きかも知らないよ」と言う)まじめな話、試合の前、トニーはいつも同じことを言うんです。「良いプレイをしろ。少なくとも良いプレイをしようとしろ(相変わらずラファエルは少しばかりおじをからかった様子)。自分のできることをやれ。それでうまくいかないときは、自分で解決しろ」ってね。もちろんこの選手にはバックが有効だとか、別の選手にはフォアが有効だとか、そういうことも考えていますが、基本的には自分が何をするかということに集中します。僕は僕のプレイをするのみです。だから、特定の選手を困らせるために、サーヴィス・アンド・ヴォレーで行こうというようなことは、たとえ有効だとしてもあまり考えません。みんなそれぞれひとつは強みとなる点がある。まあ、フェデラーだけは例外で、強みがいくつもあるわけですが。彼は本当に豊富な引き出しを持っています。僕の場合は相手のフォアとバックへと、少しでもいい場所に球を打ち込むことに専念します。

今年一番印象に残った選手は誰ですか?
アンディ・マリーです。ここ数ヶ月で彼は、誰が相手であれ、大きなトーナメントでも勝てるのだということを証明しました。すごい才能です。本当にすべて揃っている。攻撃的な球も、ゆっくりした球も、いとも簡単に打つんです。それから、デルポトロもいますね。彼は離陸した!という感じですね(と、言いながらポンと強く手を叩く)。なかなか試合に勝てない選手だったけど、今では無敵の男になりました。チリッチとグルビスもいます。すごくいい選手たちですよ!でも彼らはまだ最後の一段を越えていない、という感じかな。ものすごい球を打ちますよ。いつか自分たちのプレイを構成できるようになったら、こんなに手ごわい相手もいないでしょうね。

投稿者 Tennisnakama  01:16 | コメント(8)| トラックバック(0)

ナダル特集(1)

alala特派員にフランス/レキップ紙 L’Equipe の記事を翻訳していただきました。これほど内容の濃い記事やインタービューは英字新聞ではみつかりません。多分彼の英語のせいだと思いますが、それにしてもalalaさんのご厚意で3回にわけてナダルの特集が組めることになりました。あとの2回はインタービュー記事です。

L'Equipeにて:パリマスターズの前日インタービュー(10月26日)

最後にラファがフランス語をしゃべりますが、たどたどしくてとてもキュートです



翻訳 by alala特派員

「コート上のラファとコート外のラファ」

私(記者)の母は、ナダルがあまり好きではない。母がナダルを見るのは大抵ローラン・ギャロスのときだが、その度彼女はこう言うのだ。
「ああ、このナダルっていうのは、意地悪そう。フェデラーはそんなことないわよ、物静かで…まるでボールをやさしくなでているかのよう…。ナダルは激しすぎて私のスタイルじゃないわ」。(中略)
しかし、母や彼女に賛同する「ナダルをトゥーマッチだと思う会」の会員たちは、ナダルのほんの一部分しか見ていない。(中略)いったんコートを去ると、ナダルは本当に心優しい青年だ。

毎日アパートの踊り場で顔を合わせるたびに挨拶をし、エレベーターのドアを開けておいてくれる、そんな隣の家の息子という感じだ。記者会見は、必ず英語を話す記者たちに「ハロー」で始め、それが終わると「オーラ」とスペインの記者たちに挨拶をする。会見では自分のお尻のことを冗談にしてみたり、英語でうまく説明できないときは、ボディランゲージを一生懸命駆使して何とか伝えようとする。英語が得意でないために、思わぬ表現を使って記者たちを笑わせることもたびたび。そのことに気づくと彼も一緒に笑ってしまう。

今年のUSオープン、マーディ・フィッシュとのクオーター・ファイナルは深夜にまで及んだ。試合後インタビュールームで待ちわびていた記者たちにナダルは言った。
「こんなに遅くまで待っていただいてありがとうございます。こんな時間になってしまって申し訳ないけれど、念入りにマッサージを受ける必要があったものだから…」。
そして会見が終わると、「さあ、みんな寝ましょう!おやすみなさい。そして遅くなったこと、もう一度おわびします」
たいしたことではないかもしれない。けれど、選手たちのみんながみんな、こういう気遣いをできるものではない。

一枚もCDを出していないにもかかわらず、ナダルは今ではロックスターのような存在だ。彼がどこにいても、「グルーピー」たちが彼を待ち構えている。今年のUSオープンが始まってすぐに、彼のコンピューターが「あの世」に行ってしまった。そこで彼は新しいコンピューターを買うことにした。何も考えずに5番街のアップルストアに彼は行くことにしたのだが、車を降りるやいなや群集に取り囲まれ、引き返さざるを得なかったという。彼は新しいコンピューターをあきらめざるをえなかったというエピソードがある。

ナダルはいまや、自分がなりたいと一度も考えてもみなかったような存在になってしまった。ナダルが15歳のときから彼のそばにいるポルタは次にようにコメントしている。
「16歳のとき、すでにラファはスペインでは顔を知られるようになっていました。あるとき私たちが空港にいると、若い女の子がやってきて、彼にサインを求めたんです。だけどラファは彼女が何を欲しがっているのかわかっていなかった。自分がサインを求められるなんてありえないって思ったんです。それで彼は『こんにちは。僕、ラファエル・ナダルっていいます。よろしく』と自己紹介したんですよ。みんな大笑いして『おいおい、彼女はお前が誰だか知ってるよ。お前のサインを欲しがってるんだ』と教えてやりました」

そのナダルも今では100万を超えるサインをしたことだろう。どのサインも、右手で書かれたものだ。特に子供にサインをねだられたときに、彼がよくやる冗談がある。子供が恥ずかしそうに近づいてきてサインをねだると、ナダルは怒った顔をして「だめ、だめ、だめ、時間がないんだ」と言う。それから急ににっこりして、彼は言うのだ。「うそうそ、冗談だよ。もちろんサインしてあげる。名前はなんていうの?」

ナダルは威張ったりもったいぶったところが全くない。彼はまだ子供のままだ。だから、人はみな彼を何だか憎めないのだ。その気取らなさといえば思い出すのが2005年のローマでフルセットの末コリアを破った決勝後の記者会見だ。彼は会見の席で、パスタをむしゃむしゃ食べながら記者の質問に答えた。
「ごめんなさい。あんまり行儀がいいとはいえないのはわかってるんですけど、もうお腹がペコペコで。決勝戦が5時間にもわたってしまったものだから…。すみません」
こういった好感の持てる態度を、彼は教科書で学んだわけではない。大体、彼は本を読むのがそれほど好きではないのだ。彼のお手本である人物は、今彼の横で座りながらチェスの有名選手ゲルリー・カスパロフの物まねをやっている最中。彼の名前はアントニオ。通称トニー。ナダルのおじであり、コーチ、そして世界中のプレイヤーズラウンジでチェスの名手として知られる男だ。

「ラファのことなら彼に聞いたらいい。何でも知っているから」とナダルの父、セバスチャンは言う。では聞いてみよう。ラファエルはなぜ、コートの上ではあんなに激しく、コートの外ではあんなに穏やかなのだろう。
「それは彼が、コートにいるときには勝つことしか考えていないからですよ。試合が終われば、勝っても負けても、彼はいつものラファエルに戻るんです。私たちマヨルカの人間は、穏やかな気質なんです。マヨルカでは、マドリードのようなにぎやかな大騒ぎはないんですよ。あななたちはよく、ラファエルがあなたたちと握手をかわし挨拶をすることを、すばらしいといってくれるけれど、彼はあなたたち記者のことを知っているわけだし、当たり前のことですよ。とりわけすごいことじゃない。20歳そこそこの男の子にとって普通のことって何でしょうか?世界中がうらやむ宮殿で王子としてあがめられることですか?それとも、友達と遊びに出かけること?ラファエルは、何が本当に大切なのか知っているんです」

ラファエルは自分を神だと思ってなどいないし、そんなつもりもない。彼がそんなことを思えば、おじのトニーは彼に故郷を思い出すよう言うだろうし、父のセバスチャンは親子の縁を切るだろう。セバスチャンは言う。
「私は常にラファエルに言っています。今のこの暮らし、チャンピオンとしての暮らしは今だけのものだと。大切なのはそれが終わったときなんです。年月が過ぎ、選手でなくなったとき、ひとりの人間になる。そのときなんだと。」。

だからこそ、故郷マヨルカでは誰も彼を特別扱いしない。
「家では私が父親で、ラファエルは他の家の息子たちと同じように、私の息子なんです。家族でレストランに行くと、支払いをするのは彼ではなく私です。父親ですからね」。
彼の友人たちも同じだ。大金持ちであろうとなかろうと、誰もが自分の飲み物は自分で払う。きわめてシンプルなのだ。ナダルはプライベートジェットで旅をすることはないし、ジュネーブやドバイではなく故郷マナコールで暮らし続けている。

数年前、初めてオーストラリアン・オープンに出場したとき、ナダルはメルボルンの高級ホテルに泊まることを拒んだ。そんな待遇にふさわしいことを自分はまだ何一つしていないと思ったからだ。スペイン人のある女性記者から、信じられないような話を聞いた。割りと最近のことだが、ラファエルはコンピューターを壊してしまった(これは全く驚くにあたらないが)。毎日のように、彼のまわりの人々が新しいコンピューターを買うように言うのだが、彼ははぐらかしてしまう。あとでわかったことだが、彼はまず父親に新しいコンピューターを買ってもいいか聞こうとしていたのだ。
つまりこういうことだ。彼は今や超のつく金持ちだ。けれど、自分の大切な人やものに対する忠誠心を忘れることはない。彼の故郷の島に、おじのトニーに、14歳の時からの恋人マリア・フランシスカ(当時彼女は12歳だった)に、忠誠心を持ち続けている。

トニーの語る価値観は、常に仕事を基本にしたものだ。
「ギリシアの哲学者たちは幸福の起源について考え続けていました。幸福は、仕事から生まれるのか、それとも快楽から生まれるのか。禁欲的か快楽的かといったら、私もラファエルもストイックな禁欲主義者です。幸福は、働くことと規律正しさから生まれると私は思います。ラファエルが小さかったとき、私は彼に対して厳しかった。私はわざと悪いボールで練習をさせました。人生では、自分の持っていないものに不満を言うのではなく、自分の持っているものを生かして何とかやっていくことが大切なんだと彼にわかって欲しかったのです。コートの状態が悪い?わかってる、わかってる。さあ、試合だ。俺に何も言うな、お前がどんな文句を言っても聞かないよ。ただ、試合をして来い。そう言いました。こうして逆境を乗り越えることを覚えて欲しかったんです」。

だから、ナダルはラケットを絶対にコートに打ち付けない。「たった一回だけ、やっちゃったことがありますよ。ローラン・ギャロスでシューズの裏についた土を落とそうとして、地面を叩いちゃったんです」と、トニーは冗談を言う。またこの自分への厳しさゆえに、ラファエルは自分の限界を超えてしまうことがある。この若者は、他の選手たちと比べても相当痛みに対して我慢強い。13歳の時、彼はスペイン選手権を戦っていた。ある試合中彼は転倒し、小指を骨折してしまったのだ。甥の心中を推し量るトニーに、ラファエルは言った。
「これでは試合に勝つのは大変かもしれない。だけど僕に勝つのは大変なことなんだと相手の選手もわかると思うよ」。

2004年、エストリルでのガスケ戦を、右足の疲労骨折にもかかわらず棄権することを拒んだ彼のことも忘れられない。トニーは言う。
「試合に出ることで、怪我が悪化することだって考えられました。でもどうしても棄権したがらなかった。前の年にサン・ジャン・ドゥ・リュスでライバルとの試合を棄権して、また同じことをしたくなかったんでしょう」
私の母は言うだろう。
「ほんとにこのナダルっていうのは、激しすぎるわ」。でも、それは完全なる誤解なのだ。

投稿者 Tennisnakama  07:01 | コメント(12)| トラックバック(0)

フェデラーがAIG Openに

フェデラーが来年AIG Openに来ることが確定しました。

フェデラーファンの皆さん、おめでとう。
しかし問題は、トーナメントの冠です。AIGのスポンサーが降りることは間違いないと思いますので,そのあとどのスポンサーがつくかによって、このフェデラーの参加もあやぶまれます。フェデラーの予定は10月5日東京、10月12日上海というスケジュールです。

フェデラーの2009年のスケジュール
http://www.rogerfederer.com/en/rogers/schedule/index.cfm

しかしとても残念なのは、モンテカルロのマスターズに欠場することになったこと。じつは来年はモンテカルロへ行こうと計画していたのです。フェデラーのいない試合は夫は興味がないみたいだし。ということでせっかくモナコで華麗なギャンブルの夢も消え失せてしまいました。

サンプラスがマッケンローを6-3, 6-4で破りました
ロンドンのロイヤルアルバートホールでブラックロックのチャンピオンシップが行われています。
第2セットからしか観れませんでしたが、サンプラスのあの豪快なサーヴは昔と変わらず、エースにつぐエースでマッケンローも呆然としておりました。でもあんまりエースが続くとやっぱりつまりませんね。昔のサンプラスのつまらないゲーム(サーヴがあまりにもよくて、ラリーにならない)を思い出しました。しかしナダルのようなラニングショットでパッシングを決めてしまうなど、どうしてなかなかまだ現役で活躍できそうなほど立派なテニスでした。

さてライヴのストリーミングですが、故障の多かったitv.comですが、今日はしっかりと観れました。ですから今週一杯伝説の選手がでますので観戦してください。
詳しいスケジュールは:http://www.theblackrockmasters.com/schedule.asp


ライヴのストリーミングはこちらで:
http://www.itv.com/Sport/tennis/
http://www.justin.tv/jungledragon (jungledragonのチャンネルで日本時間5時半まで放送しています)


投稿者 Tennisnakama  12:25 | コメント(14)| トラックバック(0)

錦織バハマでチャリティー参加

錦織選手が12月5日から3日間、バハマのナソーで行われるマーク・ノールズ・セレブラティ・インヴィテイショナルMak Knowles Celebrity Invitationalに参加することなりました。
http://markknowlestennis.com/invitational.html

このイヴェントは毎年、元ダブルスNo.1のマーク・ノールズがチャリティーのために催すエクジビションで、集まった基金はキャンサーソサエティ、ボーイスカウト、小児心臓財団などの諸団体に寄付されます。

マーク・ノールズは37才ですが、現在のダブルスランキングは7位で、現役で活躍するダブルスプレーヤーです。カナダのネスターとのペアはテニス史上ベスト10の一つとしてあげられるほど、すばらしい成績をあげました。グランドスラムのタイトル3個、計50のATP ツアータイトルはまさに伝説の選手にふさわしい業績です。昨年から新しいパートナー、ブパティと組み、すでに3個のツアータイトルを獲得していますので、まだまだ引退は先の話になりそうです。

2006年ハンブルグマスターズの決勝戦(黄色のテニスウェアがノールズ/ネスター)




質問1です:
「どのダブルスペアが近代テニスのベストペアだと思いますか?」

答え:
Woodbridge/Woodforde (GS11個, オリンピック金メダル1個、タイトル総数61)
McEnroe/Fleming, (GS7個、タイトル総数53)
Bryan/Bryan(GS6個、タイトル総数49)

質問2:
マーク・ノールズのこのチャリティイヴェントに、アガシ、クーリエ、ハース、ヴァイディソヴァなどが過去に参加しています。さて彼らに共通するものは何でしょう?

答え:
ニック・ボレテリ・テニスアカデミー

ノールズはバハマで生まれましたが、10才のときからボレテリでトレーニングを受けています。ボレテリの卒業生の絆は固いですね。プロになっても、拠点をボレテリにおいてテニスの活動をつづけている選手も多く(ハース、シャラポヴァ、ヴァイディソヴァ、ステパネック、マリース、錦織など)その選手層の厚さは、さすがテニスアカデミーの王者です。

今年は、このイヴェントにボレテリの出身でないアンディ・マリーも出場することが決まりました。なぜヨーロッパからわざわざ? これは私の想像ですが、暖かいバハマで休暇&トレーニング&試合のコンビネーションを狙ったのではないでしょうか。

アンディーと圭くんの試合、ぜひ観てみたいですね。

エクジビションはバハマのパラダイス島で行われますが、この島は名前にふさわしくまるで絵はがきのように美しい島です。ゴルフの好きな方は、世界的に有名なゴルフ場でゴルフを満喫したあと、夜はカジノでギャンブルを。そしてアンディや圭くんの試合を楽しんでは、またカジノへ。不景気などどこ吹く風。想像はタダなのですから、大いにこのパラダイス島をエンジョイしましょう。

See you on the Paradise Island!




投稿者 Tennisnakama  03:29 | コメント(16)| トラックバック(0)

伝説の選手がロンドンに集まります



明日12月2日からいよいよ、サンプラス、マッケンロー、エドバーグなどの伝説の選手のマスターズカップに等しいブラックロックBlack Rockのチャンピオンシップが、ロンドンで始まります。場所はコンサートホールで有名なロイヤル・アルバートホール。このホールはロンドン滞在の頃は毎週のように通っていた懐かしのホールです。でもあの美しいホールがテニスコートになるなんて信じ難いですが、一度はぜひこの伝説選手のチャンピオンシップを観てみたいと思っています。

さてイギリスの放送局、ITVで全試合が実況放送されます。そしてITV.comでストリーミング放送されますので、ひょっとしたらこのトーナメントを観ることができるかもしれません。昔の選手を知らない方は、彼らを知る絶好の機会ですので、以下のサイトをお試しください。

http://www.itv.com/Sport/tennis/
http://www.justin.tv/directory/sports

このブラックロックのマスターズは、一年を通して行われるトーナメントで出場資格はエリート中のエリート、つまり伝説的な選手のシニアトーナメントとなっています。

出場資格は以下の3条件の一つを満たさなければなりません。
ランキング1位
グランドスラムの決勝戦者
デ杯でシングルスで出場して優勝
 
毎年12月にマスターズカップと同じようにトップ8人がラウンドロビンで優勝を競うわけですが、残念なことに今年はトップシードのゴラン・イヴァニセヴィッチが膝の怪我で欠場となってしまいました。しかし、懐かしのテニスファンなら見逃せないサンプラスvsマッケンロー、エドバーグvsキャッシュなど盛り沢山の試合があってワクワクの一週間となります。

以下は簡単な選手紹介です。

ステファン・エドバーグ Stefan Edberg (42才)スウェーデン
最高ランキング1位
GS6優勝:ウィンブルドン2回、全豪オープン2回、全米オープン2回
サーヴ&ヴォレー選手
華麗なテニスとマナーのよさでテニスの貴公子と呼ばれた。
絶妙なヴォレーとバックハンドで世界的なファンを持つ。

往年のキャッシュ、マイケルチャン、クーリエ、サンプラスが観れます




ギー・フォージェ Guy Forget(43才):フランス
最高ランキング4位。
フランスのデ杯とフェドカップのキャプテン.
フランスをデ杯(2001年)とフェドカップ(2003年)の優勝に導くフランスのヒーロー監督

1991年デ杯でサンプラスを破ってフランスに優勝をもたらしました




グレッグ・ルゼツキ Greg Rusedski (35才): イギリス
最高ランキング4位。サーヴ&ヴォレー選手

ヘンマンとのライヴァル関係は有名。(ルゼツキのタイトル数は15でヘンマンの11より多いにもかかわらず、カナダから帰化という純粋なイギリス人でないルゼツキは、気性の激しさも関係してイギリスでの人気はパッとせず。血統書付きのヘンマンの陰でついにイギリスのハートを得られなかった不運な選手。)

Dancing on Iceに出て転んで失敗するルゼツキー



パット・キャッシュ Pat Cash (43才)オーストラリア
最高ランキング4位。サーヴ&ヴォレー選手

1987年ウィンブルドンでレンデルを破って優勝。オーストラリアの英雄となる。キャッシュは優勝が決まった瞬間、コートから家族とコーチのいる観客席にかけ登って優勝を祝った。これ以来観客席に駆け上がるのがウィンブルドンの伝統になった。
キャッシュは引退後に鬱病にかかり、リハビリを受ける生活が続く。一時は自殺まで考えたという苦悩の生活を送った。趣味のギターはプロレベルでレコードも出している多才。

普段はお茶目で陽気なキャッシュのユーモア裸のビデオ



セドリック・ピオリン Cedric Pioline(39才)フランス
最高ランキング5位
デ杯で活躍。1996年デ杯決勝で、スウェーデンのエドバーグを破り優勝。2001年ダブルスでオーストラリアを破り優勝。

1992年全仏オープン。めずらしいブラッドギルバートのテニスが観れます




スケジュールはこのサイトをクリックしてください。
http://www.theblackrockmasters.com/schedule.asp

12月2日ロンドン時間6時(日本時間朝3時)
フォージェvsルゼツキ
キャッシュvsエドバーグ

12月3日
ベイツvsピオリン
マッケンローvsサンプラス

12月4日
キャッシュvsフォージェ
マッケンローvsピオリン

12月5日
エドバーグvsフォージェ
ベイツvsサンプラス

12月6日
サンプラスvsピオリン
ベイツvsマッケンロー

12月7日決勝戦

投稿者 Tennisnakama  01:34 | コメント(11)| トラックバック(0)

ハーフボレーとは?

4月29日の 『錦織圭の次の試合は? クレーコートとは?』をまだ読んでくださる読者の方がおりました。今日そのページにコメントを残していただきましたので、このページを使ってお答えしたいと思います。

まじゃろうさんからのコメントです。

日本で「ハーフボレー」と呼ぶ技術があります。一度地面に弾んだボールを、ストロークのように打つのではなく、ボレーの技術を使って返球するものです。これって英語テニスの世界では何と呼ぶのでしょうか?「ハーフボレー」はhalf volley から来ているのでしょうか?  

ハーフボレー(Half Volley ハーフヴォレー)は最もむずかしいディフェンスのテクニックの一つですが、とても有効なテクニックで、これをマスターするとゲームの奥深さが増し上級テニスを満喫できます。ネットダッシュには絶対欠かせないテクニックですのでマスターしましょう。

1940年代の世界チャンピオンであったジャッククレーマーは、初めてサーヴ&ヴォレーを行った選手の一人として知られていますが、彼がネットダッシュする際に、ヴォレー(ノーバウンド)には遠すぎる球の処理を考えついたのが、この一度バウンスさせて打つショットで、彼がハーフボレーと名付けたことからその名が定着しました。

このハーフヴォレーですが、日本ではローヴォレーとハーフヴォレーとが混乱しているようですので、ここでアメリカで使われているハーフヴォレーを紹介します。

ローヴォレーとは、低いボールを落とさないで打つヴォレーのことですが、ハーフヴォレーとは、ボールがコートに落ちた直後に打ち返すショットを意味します。ですから必ずしもフォームがヴォレーである必要はなく、どんな打ち方をしても直後に打てばハーフヴォレーと呼びます。フェデラーのビデオでもご覧いただけますが、Tweeny (Tweenyの由来はbetween legsからでまた抜きショットのこと)も、バウンド直後に打てばハーフヴォレーになります。ハーフヴォレーに最も大切なことは、コンタクトのタイミングです。ラケットをほぼコートに着く位落として、バウンド直後の球にラケット面を合わせながらフォロースルーを軽く行います。

ハーフヴォレーには立つポジションによって2通りあります

(1)ノーマンズランドから打つハーフヴォレー
もっともよく使われるハーフヴォレーで、ネットダッシュしたときの球の処理です。No man's land(日本ではデッドゾーンと呼ばれているようです。サーヴィスラインとベースラインの間のスペース)からアプローチショットを打つ場合、自分の足下近くに落ちた球を返すショットがこのハーフヴォレーで、以下のことがキーポイントとなります。
*打つ前にスプリットステップを行う。
*スプリットステップのあと、打ちたい方向に前進しながらテイクバックなしで、ラケットの面を軽く球に当てる。打つ時は止まらないで前進しながら打つことが秘訣。グリップはコンチネンタルかイースタンが最適。

基本的なハーフヴォレーの説明





(2)ベースラインから打つハーフヴォレー
相手の球が自分のベースライン近くに落ちた場合、後ろに下がらないで、球が落ちた瞬間に返します。ポジションを下げないで打つので、ディフェンスになるのを防ぐ有効なショットです。テイクバックは最小限に止めて、グラウンドストロークのフォロースルーはしっかり行います。

フェデラーのフォアハンド・ハーフヴォレー



このハーフヴォレーをマスターした後は、テニスの最も難しいテクニック、ハーフヴォレー・ドロップショットにチャレンジしてみましょう。これはコンチネンタルのグリップでソフトタッチでボールのスピードを殺しながらネット近くに落とすドロップショットです。

フェデラーのハーフヴォレー・ドロップショット



それではここでハーフヴォレーの天才、フェデラーの数々のハーフヴォレーをお楽しみください。また抜き、ベースライン、ドロップショットのハーフヴォレーの特集です。特に注目していただきたいのは、最後の二つのバックハンドdown-the-lineハーフヴォレーです。これはフェデラーレベルしかできないマジックです。




投稿者 Tennisnakama  00:28 | コメント(11)| トラックバック(0)