2009年04月28日
ロジャーの結婚式の写真です
ブログもすっかり日常生活の一部になり、リサーチ、原稿、記事アップが日課になりました。午前中に書き上げて、午後から外出というパターンがほぼ定着してきたように思います。
しかしブログはテーマを絞って書くようにしておりますので、いろんな情報がお伝えできないでいるのがとてももったいない思いがしていました。そこでブログでは掲載しない多くのミニ情報をお伝えしようと、アメリカで大流行のTwitterを始めました。現在57人の方からフォローしていただいています。さらに多くの方に読んでいただくため、今回はTwitterプロモーション企画のお知らせです。
フェデラーの結婚の写真が、4月20日号のSchweizer Illustrierteで独占掲載されました。早速バーゼルに住む夫の母親に連絡して、雑誌を取り寄せてくれるように依頼しましたがどこも売り切れて手にはいらず。仕方がないので、夫の会社の本社(チューリッヒ)に連絡してもらって、空輸してやっと手に入れた写真をTwitterで公開します。
http://twitter.com/tennisnakama をクリックしてください。住所も本名もいらないTwitterの登録は非常に簡単で、あっと言う間にメンバーになれます。Twitterのくわしい説明は、『Twitter仲間になりませんか?』をご覧ください。
39人のごく親しい仲間と家族を招待して行われた結婚パーティは、バーゼルで私たちがよく散歩に訪れたことのある建物です。夫の実家から歩いて10分くらいのところにあります。いや、びっくりしました。
しかしブログはテーマを絞って書くようにしておりますので、いろんな情報がお伝えできないでいるのがとてももったいない思いがしていました。そこでブログでは掲載しない多くのミニ情報をお伝えしようと、アメリカで大流行のTwitterを始めました。現在57人の方からフォローしていただいています。さらに多くの方に読んでいただくため、今回はTwitterプロモーション企画のお知らせです。
フェデラーの結婚の写真が、4月20日号のSchweizer Illustrierteで独占掲載されました。早速バーゼルに住む夫の母親に連絡して、雑誌を取り寄せてくれるように依頼しましたがどこも売り切れて手にはいらず。仕方がないので、夫の会社の本社(チューリッヒ)に連絡してもらって、空輸してやっと手に入れた写真をTwitterで公開します。
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39人のごく親しい仲間と家族を招待して行われた結婚パーティは、バーゼルで私たちがよく散歩に訪れたことのある建物です。夫の実家から歩いて10分くらいのところにあります。いや、びっくりしました。
2009年04月27日
ナダルがまた優勝です!
やっぱりナダルが優勝しましたね。
ナダル def フェレール:6-2, 7-5
前回のモンテカルロでも私の書き出しは同じく、「やっぱりナダルが優勝しましたね。」なんです。こうやって当分「やっぱりナダルが・・・」と書き続けていくのでしょうか。
バルセロナ大会は今年でナダルの5年連続優勝となります。これでATPのタイトルは全部で35。今年に入って、全豪、インディアンウェルズ、モンテカルロ、バルセロナの4優勝です。これから全仏までクレーが続きますが、クレーは勝って当然となってしまったナダルですので、彼にかかる重圧は言葉では表現できないほど大きなものがあると思います。
周囲の期待だけでなく、自分の期待にも押しつぶされることなく勝ち続けられるのは、トニーコーチの「勝敗は気にするな。全力を尽くすことだけを考えろ。」という精神が貫き通されているからだと思いますが、これは言うは易し行うは難し。ジョコヴィッチが思ったほど結果が出せずにいるのは、プレッシャーに負けてしまっているとよく言われていますが、これは当たっていると思います。
ローマ入りをしたジョコヴィッチが昨日コメントしていました。
「ナダルはローマ大会では本命。でも彼はどのサーフェスでも本命だけれどね。」
全豪、ウィンブルドンにも優勝したナダルは、クレーキングではなく正真正銘のキングであると、他の選手も認めてしまっているようです。準決勝でダヴィデンコが「ナダルと戦うことで自分のレベルが分かる」と言ってます。トップ選手の間では、ナダルは倒す対象ではなく、ベンチマークとなってしまった感があります。
ナダルが8月18日に1位に輝いて以来8ヶ月以上がたちますが、2位のフェデラーとの差はすでに5000ポイント近くになっています。圧倒的な強さです。しかし試合を観ていると圧倒的にナダルが強いという印象をあまり受けないのはなぜでしょうか。(これは私だけが抱く印象なのかもしれませんが)
フェデラーやサンプラスの全盛時は圧倒的に強いというイメージがありました。それはプレースタイルの違いからくる印象の違いではないかと思うのですが。フェデラーやサンプラスは、サーヴが強くエースを10以上とっていました。攻めのテニスで王手をとるテンポが速いので、圧倒的に強い印象を受けたのかもしれません。
ナダルのサーヴはエースもせいぜい2本止まりで、彼らのサーヴに比べて威力が落ちます。プレースタイルはディフェンスを軸に攻めのチャンスを狙います。相手を徐々にコートの外に追いやり、最後にしとめるやり方ですのでラリーを続けることが基本となります。最近はアグレッシヴになったとはいえ、ミスの少ない堅実攻撃で駒をすすめていきます。相手の甘いボールはすかさず叩いてウィナーをとりますが、相手を追いつめてミスをさそっていくテニスです。
今日のフェレールとの試合は第1セットはナダルはブレークされたものの、すぐさまブレークしなおして、いつものナダルの強さをみせ楽勝しました。問題は第2セットです。フェレールが捨て身の攻撃でギアを全開し、ミスを恐れずサイドライン、ベースラインを狙ったリスクの多いショットでポイントを獲得していきます。このアグレッシヴなフェレールの攻撃(ワイドにナダルを振って、ネットダッシュしてヴォレーで決めるパターンが効果的)によって、ナダルはディフェンスにならざるをえず、2度もブレークされてしまいます。しかしナダルがすごいのは、ブレークされればすぐブレークしなおせる力です。結局2度ブレークされましたが2度ともブレークしなおして、スコアは2-2のイーヴンに。
第5ゲーム(2-2)から両選手ともサーヴィスゲームをホールドしながら、猛烈なラリーの応酬で第11ゲーム(5-5)まで互角のテニスが展開されます。しかしフェレールの限界はここまででした。彼は自身の100%以上のテニスをしていますので、続くわけがありません。リスクの多いショットがいつまでも決まるわけがなく、ミスが増えていきます。
このパターンは準決勝のダヴィデンコと同じです。ナダルは8割の力でテニスをしていますので、相手がギアアップしてきても、対抗できる余裕があります。自分のギアを上げていきながら、ナダルはひたすらブレークできるチャンスを狙います。対戦相手の多くはこのプレッシャーに負けてしまい、勝ち急ぎのミスを続け自滅となってしまっています。
サンプラスが無敵を誇っていた時代によく語っていたのは、「アガシというライヴァルがいたから、ぼくのゲームは向上することができた。」この言葉は意味深いものがあります。いつも向上をめざすナダルは、その意味でもフェデラーを必要としていると思います。フェデラーも「僕のライヴァルはナダルだ」と公言したように、自分を高めるにはナダルが必要なのです。
フェデラーは夏の赤ちゃん誕生で、彼の人生のプライオリティーをアジャストしなければなりません。テニス人生にファミリー人生が加わりバランスのとれたライフスタイルをとることが必要になってくるからです。赤ちゃん誕生はキャリアの上ではマイナスという見方がテニス界の一般的な見方ですが(赤ちゃん誕生で成功した選手がほとんどいないため)、そのジンクスを破ってほしいと思います。
「僕は今真剣にトレーニングに取り組んでいる。」と言っているように、フェデラーはローマ大会にそなえて毎日トレーナーと4時間トレーニングを行っています。
赤ちゃんこそが、誰もが与えることができなかった大きなモティヴェイションになって、新生フェデラーが登場するかもしれません。
世紀のライバルはやはりナダルとフェデラーなのですから、フェデラーにがんばってもらわなければ。
ナダル def フェレール:6-2, 7-5
前回のモンテカルロでも私の書き出しは同じく、「やっぱりナダルが優勝しましたね。」なんです。こうやって当分「やっぱりナダルが・・・」と書き続けていくのでしょうか。
バルセロナ大会は今年でナダルの5年連続優勝となります。これでATPのタイトルは全部で35。今年に入って、全豪、インディアンウェルズ、モンテカルロ、バルセロナの4優勝です。これから全仏までクレーが続きますが、クレーは勝って当然となってしまったナダルですので、彼にかかる重圧は言葉では表現できないほど大きなものがあると思います。
周囲の期待だけでなく、自分の期待にも押しつぶされることなく勝ち続けられるのは、トニーコーチの「勝敗は気にするな。全力を尽くすことだけを考えろ。」という精神が貫き通されているからだと思いますが、これは言うは易し行うは難し。ジョコヴィッチが思ったほど結果が出せずにいるのは、プレッシャーに負けてしまっているとよく言われていますが、これは当たっていると思います。
ローマ入りをしたジョコヴィッチが昨日コメントしていました。
「ナダルはローマ大会では本命。でも彼はどのサーフェスでも本命だけれどね。」
全豪、ウィンブルドンにも優勝したナダルは、クレーキングではなく正真正銘のキングであると、他の選手も認めてしまっているようです。準決勝でダヴィデンコが「ナダルと戦うことで自分のレベルが分かる」と言ってます。トップ選手の間では、ナダルは倒す対象ではなく、ベンチマークとなってしまった感があります。
ナダルが8月18日に1位に輝いて以来8ヶ月以上がたちますが、2位のフェデラーとの差はすでに5000ポイント近くになっています。圧倒的な強さです。しかし試合を観ていると圧倒的にナダルが強いという印象をあまり受けないのはなぜでしょうか。(これは私だけが抱く印象なのかもしれませんが)
フェデラーやサンプラスの全盛時は圧倒的に強いというイメージがありました。それはプレースタイルの違いからくる印象の違いではないかと思うのですが。フェデラーやサンプラスは、サーヴが強くエースを10以上とっていました。攻めのテニスで王手をとるテンポが速いので、圧倒的に強い印象を受けたのかもしれません。
ナダルのサーヴはエースもせいぜい2本止まりで、彼らのサーヴに比べて威力が落ちます。プレースタイルはディフェンスを軸に攻めのチャンスを狙います。相手を徐々にコートの外に追いやり、最後にしとめるやり方ですのでラリーを続けることが基本となります。最近はアグレッシヴになったとはいえ、ミスの少ない堅実攻撃で駒をすすめていきます。相手の甘いボールはすかさず叩いてウィナーをとりますが、相手を追いつめてミスをさそっていくテニスです。
今日のフェレールとの試合は第1セットはナダルはブレークされたものの、すぐさまブレークしなおして、いつものナダルの強さをみせ楽勝しました。問題は第2セットです。フェレールが捨て身の攻撃でギアを全開し、ミスを恐れずサイドライン、ベースラインを狙ったリスクの多いショットでポイントを獲得していきます。このアグレッシヴなフェレールの攻撃(ワイドにナダルを振って、ネットダッシュしてヴォレーで決めるパターンが効果的)によって、ナダルはディフェンスにならざるをえず、2度もブレークされてしまいます。しかしナダルがすごいのは、ブレークされればすぐブレークしなおせる力です。結局2度ブレークされましたが2度ともブレークしなおして、スコアは2-2のイーヴンに。
第5ゲーム(2-2)から両選手ともサーヴィスゲームをホールドしながら、猛烈なラリーの応酬で第11ゲーム(5-5)まで互角のテニスが展開されます。しかしフェレールの限界はここまででした。彼は自身の100%以上のテニスをしていますので、続くわけがありません。リスクの多いショットがいつまでも決まるわけがなく、ミスが増えていきます。
このパターンは準決勝のダヴィデンコと同じです。ナダルは8割の力でテニスをしていますので、相手がギアアップしてきても、対抗できる余裕があります。自分のギアを上げていきながら、ナダルはひたすらブレークできるチャンスを狙います。対戦相手の多くはこのプレッシャーに負けてしまい、勝ち急ぎのミスを続け自滅となってしまっています。
サンプラスが無敵を誇っていた時代によく語っていたのは、「アガシというライヴァルがいたから、ぼくのゲームは向上することができた。」この言葉は意味深いものがあります。いつも向上をめざすナダルは、その意味でもフェデラーを必要としていると思います。フェデラーも「僕のライヴァルはナダルだ」と公言したように、自分を高めるにはナダルが必要なのです。
フェデラーは夏の赤ちゃん誕生で、彼の人生のプライオリティーをアジャストしなければなりません。テニス人生にファミリー人生が加わりバランスのとれたライフスタイルをとることが必要になってくるからです。赤ちゃん誕生はキャリアの上ではマイナスという見方がテニス界の一般的な見方ですが(赤ちゃん誕生で成功した選手がほとんどいないため)、そのジンクスを破ってほしいと思います。
「僕は今真剣にトレーニングに取り組んでいる。」と言っているように、フェデラーはローマ大会にそなえて毎日トレーナーと4時間トレーニングを行っています。
赤ちゃんこそが、誰もが与えることができなかった大きなモティヴェイションになって、新生フェデラーが登場するかもしれません。
世紀のライバルはやはりナダルとフェデラーなのですから、フェデラーにがんばってもらわなければ。
We miss you, Roger!
2009年04月26日
フェレールがどこまでナダルを?
まもなくバルセロナ決勝、ナダルvsフェレールがはじまります。誰の目にもナダルの優勝は疑いなく、ナダル自身「今僕は最高の状態、I’m in best form, ever」なんて言っているくらいですから、一方的な決勝になるかも知れませんね。
さて、昨日のナダルvsダヴィデンコの準決勝ですが、ダヴィデンコが自分の最高レベルで試合を戦い続けることができなかったのが残念です。もし、彼がオンザライズで確実にサイドライン近くにナダルを左右に振り続けることができたとしたら? ダヴィデンコが100%のテニスをすれば、ナダルを打倒できたのかも知れませんが、これは非現実な話です。ナダルは80%の力で楽勝できる。それがナダルの強さでしょうか。
風をどのように利用するか、風に逆らったのがダヴィデンコでした。ナダルは不必要な走りやウィナーショットはできるだけ避け、堅実なプレーをしました。相手によって自分のプレーを調節。ブレークポイントなどレベルを上げなくてはならないときに、ウィナーショットやサーヴィスウィナーでポイントがとれる自信とメンタルの強さは、王者の貫禄とでもいいましょうか。
では今日の決勝でフェレールはどうすればナダルを倒すことができるか? 決勝前におさらいをしてみましょうか。
(1)チープポイント(簡単にとれるポイント)をとれるサーヴィス力があることが絶対条件。
エースやサーヴィスウィナーが多くとれないときびしい。フェレールは準決勝でゴンザレスと戦いましたが、第3セットに5-2の勝利寸前になりながら、ゴンザレスにタイブレークにされてしまったのは、サーヴ力の差と言ってよいと思います。5-3の第9ゲームでフェレールは自分のサーヴィスゲームを0-40で落としています。いくらメンタルが強くても、重要なポイントをサーヴで稼げなければブレークされてしまいます。
ナダルの武器はサーヴィスリターンです。よほどのサーヴをしないとサーヴィスゲームをホールドするのはむずかしいのです。現にダヴィデンコは1stサーヴの確率が84%(ナダルは67%)と圧倒的にナダルよりも高いのに得点が十分にできていないのは、サーヴは確率ではないことを示しています。ナダルからポイントをとるには、パワフルで、プレースメントがよく、スピンのきいたオールマイティーなサーヴでなければならないのです。この点でフェレールはまず失格です。
(2)オンザライズの確実なショット。
ナダルの足でも間に合わないショットを打つには、オンザライズで打つ必要があります。まずダヴィデンコのように、オンザライズで確実に両サイドライン近くにウィナーが打てる技術が必要。状況にもよりますが、ナダルのリーチはサイドラインの15cmくらいまでは全部とってしまいますので、ラインを狙っていかなければ試合をコントロールできない。ですから対戦相手にプレッシャーがかかり、無理なショットが増えてミスが多くなります。しかもオンザライズのショットは、タイミングが命ですので、バウンスがイレギュラーなクレーではミスする確率が多くなります。フェレールはカウンターパウンチャーですが、ゴンザレスとの試合ではオンザライズで打ってましたので期待ができるかも。
(3)ペースを変えてリズムを与えない。
ダヴィデンコの弱点は、マレーのようにペースを変えることなく、このオンザライズの一辺倒。これではいくらよいショットを打っても、ナダルにショットを読まれてしまいます。最近は両手バックハンドの選手が頻繁に片手バックでスライスを使っていますが、クレーではスピンが殺されてしまってハードほど有効ではありませんが、ペースを変える意味では重要なショットです。マレーがよく使うループボールが有効なので(ナダルをベースラインに止めておくことができる)もっと使ってもよいかと思います。ペースを変えるのはフェレールは得意ではありませんので、残念ですがこれも期待できません。
(4)ネットダッシュでヴォレーで決める。
相手に甘いカウンターショットを打たせる武器が必要ですが(例えばゴンザレスのパワフルなフォアハンド)、少しでも相手の球が浮いてくるとすかさずネットダッシュしてヴォレーで決められる技術が必要。ヴォレーが最もうまい選手としてステパネックがあげられますが、彼は元ダブルスの選手だっただけに、実に見事なヴォレーで決めます。ヴォレーは練習だけでは身に付かず(勘が必要)、ダブルスに出て磨かなければ上達しません。その意味でナダルは長年ダブルスに出場したかいがあって、彼のヴォレーの上達は目を見張るものがあります。フェレールの第2セットのカムバックを可能にしたのは、この攻撃的なネットプレーが大きな要因となっています。これはフェレールにもっとも期待できる攻撃プレーです。捨て身でかかれば意外と効果的かも。
(5)ナダルをベースラインより奥深く下がらせる。
ナダルにはショートボールは自殺行為です。チャンスを逃さず必ず叩かれウィナーとなってしまうので、ディープボールを打つことが絶対条件となります。ナダルの弱点は、相手にアグレッシヴに攻めてこられると、ベースラインから3mくらい下がってしまうこと。これだけ下がると彼は返球できますが、攻撃ができなくなります。そしてナダルの甘い球が返ってくる可能性が高くなります。ナダルを苦しませたのはべルダスコのオーストラリアン・オープン準決勝でした。べルダスコのベースライン近くに落ちるディープなストロークに、ナダルは苦戦を強いられ5セットまでもつれ込みました。 フェレールはベースライナーですので調子がよければ期待できそうです。
(6)安定したショット力と冷静なメンタル。
ダヴィデンコは準決勝でブレークチャンスを6回も得ながら1回もブレークできませんでした。これはつい力んでウィナーを狙いすぎたミスが多かったのですが、
ここぞというチャンスを逃してしまう選手が意外に多いことに気がつきます。チャンスをものにするには、冷静なメンタルと確実にポイントできるショット力が必要です。ナダルが大切なポイントでは、球の方向を変えずクロスを打ち続けるのは、このショットではミスをしない自信があるからです。コートがあれほど空いているのに、なぜオープンコートにダウンザラインで決めないか?とよく不思議に思いますが、自信のあるショットで決める方を選択しているのはある意味では賢明だと思います。(あまり同じパターンだと相手に読まれてしまいますが)
果たしてどれだけフェレールががんばってくれるでしょうか?
今からいよいよフェレールとの決勝が始まります。
パチパチパチ!
さて、昨日のナダルvsダヴィデンコの準決勝ですが、ダヴィデンコが自分の最高レベルで試合を戦い続けることができなかったのが残念です。もし、彼がオンザライズで確実にサイドライン近くにナダルを左右に振り続けることができたとしたら? ダヴィデンコが100%のテニスをすれば、ナダルを打倒できたのかも知れませんが、これは非現実な話です。ナダルは80%の力で楽勝できる。それがナダルの強さでしょうか。
風をどのように利用するか、風に逆らったのがダヴィデンコでした。ナダルは不必要な走りやウィナーショットはできるだけ避け、堅実なプレーをしました。相手によって自分のプレーを調節。ブレークポイントなどレベルを上げなくてはならないときに、ウィナーショットやサーヴィスウィナーでポイントがとれる自信とメンタルの強さは、王者の貫禄とでもいいましょうか。
では今日の決勝でフェレールはどうすればナダルを倒すことができるか? 決勝前におさらいをしてみましょうか。
(1)チープポイント(簡単にとれるポイント)をとれるサーヴィス力があることが絶対条件。
エースやサーヴィスウィナーが多くとれないときびしい。フェレールは準決勝でゴンザレスと戦いましたが、第3セットに5-2の勝利寸前になりながら、ゴンザレスにタイブレークにされてしまったのは、サーヴ力の差と言ってよいと思います。5-3の第9ゲームでフェレールは自分のサーヴィスゲームを0-40で落としています。いくらメンタルが強くても、重要なポイントをサーヴで稼げなければブレークされてしまいます。
ナダルの武器はサーヴィスリターンです。よほどのサーヴをしないとサーヴィスゲームをホールドするのはむずかしいのです。現にダヴィデンコは1stサーヴの確率が84%(ナダルは67%)と圧倒的にナダルよりも高いのに得点が十分にできていないのは、サーヴは確率ではないことを示しています。ナダルからポイントをとるには、パワフルで、プレースメントがよく、スピンのきいたオールマイティーなサーヴでなければならないのです。この点でフェレールはまず失格です。
(2)オンザライズの確実なショット。
ナダルの足でも間に合わないショットを打つには、オンザライズで打つ必要があります。まずダヴィデンコのように、オンザライズで確実に両サイドライン近くにウィナーが打てる技術が必要。状況にもよりますが、ナダルのリーチはサイドラインの15cmくらいまでは全部とってしまいますので、ラインを狙っていかなければ試合をコントロールできない。ですから対戦相手にプレッシャーがかかり、無理なショットが増えてミスが多くなります。しかもオンザライズのショットは、タイミングが命ですので、バウンスがイレギュラーなクレーではミスする確率が多くなります。フェレールはカウンターパウンチャーですが、ゴンザレスとの試合ではオンザライズで打ってましたので期待ができるかも。
(3)ペースを変えてリズムを与えない。
ダヴィデンコの弱点は、マレーのようにペースを変えることなく、このオンザライズの一辺倒。これではいくらよいショットを打っても、ナダルにショットを読まれてしまいます。最近は両手バックハンドの選手が頻繁に片手バックでスライスを使っていますが、クレーではスピンが殺されてしまってハードほど有効ではありませんが、ペースを変える意味では重要なショットです。マレーがよく使うループボールが有効なので(ナダルをベースラインに止めておくことができる)もっと使ってもよいかと思います。ペースを変えるのはフェレールは得意ではありませんので、残念ですがこれも期待できません。
(4)ネットダッシュでヴォレーで決める。
相手に甘いカウンターショットを打たせる武器が必要ですが(例えばゴンザレスのパワフルなフォアハンド)、少しでも相手の球が浮いてくるとすかさずネットダッシュしてヴォレーで決められる技術が必要。ヴォレーが最もうまい選手としてステパネックがあげられますが、彼は元ダブルスの選手だっただけに、実に見事なヴォレーで決めます。ヴォレーは練習だけでは身に付かず(勘が必要)、ダブルスに出て磨かなければ上達しません。その意味でナダルは長年ダブルスに出場したかいがあって、彼のヴォレーの上達は目を見張るものがあります。フェレールの第2セットのカムバックを可能にしたのは、この攻撃的なネットプレーが大きな要因となっています。これはフェレールにもっとも期待できる攻撃プレーです。捨て身でかかれば意外と効果的かも。
(5)ナダルをベースラインより奥深く下がらせる。
ナダルにはショートボールは自殺行為です。チャンスを逃さず必ず叩かれウィナーとなってしまうので、ディープボールを打つことが絶対条件となります。ナダルの弱点は、相手にアグレッシヴに攻めてこられると、ベースラインから3mくらい下がってしまうこと。これだけ下がると彼は返球できますが、攻撃ができなくなります。そしてナダルの甘い球が返ってくる可能性が高くなります。ナダルを苦しませたのはべルダスコのオーストラリアン・オープン準決勝でした。べルダスコのベースライン近くに落ちるディープなストロークに、ナダルは苦戦を強いられ5セットまでもつれ込みました。 フェレールはベースライナーですので調子がよければ期待できそうです。
(6)安定したショット力と冷静なメンタル。
ダヴィデンコは準決勝でブレークチャンスを6回も得ながら1回もブレークできませんでした。これはつい力んでウィナーを狙いすぎたミスが多かったのですが、
ここぞというチャンスを逃してしまう選手が意外に多いことに気がつきます。チャンスをものにするには、冷静なメンタルと確実にポイントできるショット力が必要です。ナダルが大切なポイントでは、球の方向を変えずクロスを打ち続けるのは、このショットではミスをしない自信があるからです。コートがあれほど空いているのに、なぜオープンコートにダウンザラインで決めないか?とよく不思議に思いますが、自信のあるショットで決める方を選択しているのはある意味では賢明だと思います。(あまり同じパターンだと相手に読まれてしまいますが)
果たしてどれだけフェレールががんばってくれるでしょうか?
今からいよいよフェレールとの決勝が始まります。
パチパチパチ!
2009年04月24日
ナダルがすでに準決勝に
バルセロナ大会
ナルバンディアンとナダルの一騎打ちの準々決勝を楽しみにしていたのですが、ナルバンディアンの腰の怪我で棄権となり、ナダルが準決勝にすすみました。ナルバンディアンはナダルに2勝1敗。めずらしく勝ち越している選手の一人ですが、クレーはまだ対戦していません。残念でした。でもナダルはモンテカルロの優勝後休む暇なくバルセロナで戦っていますので、彼にとっては最高の休息のプレゼント。今日のダヴィデンコとステパネックの結果で、どちらがナダルの準決勝相手になるのか決定します。
ダヴィデンコが勝ち進んでくれれば面白い準決勝になります。
過去の対戦成績はナダルの3勝2敗ですが、最後のパリマスターズはナダルがリタイアしてしまいましたので、実際は3勝1敗というところでしょうか。しかしこの1敗は昨年のマイアミマスターズでした。忘れもしないダヴィデンコのオンザライズの攻撃の嵐にあって、ナダルは6-4, 6-2とふがいない結果に終わりました。この試合はナダルの弱点を浮き彫りにした数少ない試合だったと思います。ナダルに勝つには、彼に時間を与えないこと。もしダヴィデンコがマレー戦で見せた、オンザライズで左右に振るオフェンステニスを展開すれば、ナダルをかなり苦しめることになり、エキサイティングな試合になること請け合いです。
2日前に4年前のナダルvsコリアのローマ大会決勝の録画を観ましたが、ナダルは4年前も強かった。今とほとんど変わりない強さでびっくりしました。もっとびっくりしたのはコリアです。身長はわずか175cm、体重も錦織選手よりもはるかに軽く、こんな体でナダルと対等に戦っています。結局最後のセットはタイブレークで小差でコリアが負けてしまいましたが、彼もダヴィデンコに似て、オンザライズで打っています。どうしても体格とパワーで引けを取る日本人がトッププレーヤーになるには、このオンザライズのショットをマスターするしかないと確信しました。
Twitterの話題です。アメリカ大統領もTwitterしていることが分かりました!
さっそく私は彼をフォローすることにしました。ダイレクトにオバマ大統領からメッセージが届くなんてクールですよね。麻生首相がTwitterするなんてとても考えられませんが。
さて、オバマ大統領をフォローするにはTwitterに加入する必要がありますが、彼のサイトにいくことはできます。
http://twitter.com/barackobama
ダライ・ラマもTwitしています。彼のユーザーネームは、OHHDLInfo。 ありがたい教えがいただけます。
http://twitter.com/OHHDLInfo
有名人のTwitterリスト53人が公開されました。この中にYoko Onoが入っています。この中でフォローしてみたい人がいれば、フォローしてみましょう。
http://www.listlovers.com/2009/04/21/top-53-celebrities-twitter/
tennisnakama のTwitterではじゃんじゃんとホットな情報をお届けしています。仲間になって一緒に楽しく遊びましょう。
ナルバンディアンとナダルの一騎打ちの準々決勝を楽しみにしていたのですが、ナルバンディアンの腰の怪我で棄権となり、ナダルが準決勝にすすみました。ナルバンディアンはナダルに2勝1敗。めずらしく勝ち越している選手の一人ですが、クレーはまだ対戦していません。残念でした。でもナダルはモンテカルロの優勝後休む暇なくバルセロナで戦っていますので、彼にとっては最高の休息のプレゼント。今日のダヴィデンコとステパネックの結果で、どちらがナダルの準決勝相手になるのか決定します。
ダヴィデンコが勝ち進んでくれれば面白い準決勝になります。
過去の対戦成績はナダルの3勝2敗ですが、最後のパリマスターズはナダルがリタイアしてしまいましたので、実際は3勝1敗というところでしょうか。しかしこの1敗は昨年のマイアミマスターズでした。忘れもしないダヴィデンコのオンザライズの攻撃の嵐にあって、ナダルは6-4, 6-2とふがいない結果に終わりました。この試合はナダルの弱点を浮き彫りにした数少ない試合だったと思います。ナダルに勝つには、彼に時間を与えないこと。もしダヴィデンコがマレー戦で見せた、オンザライズで左右に振るオフェンステニスを展開すれば、ナダルをかなり苦しめることになり、エキサイティングな試合になること請け合いです。
2日前に4年前のナダルvsコリアのローマ大会決勝の録画を観ましたが、ナダルは4年前も強かった。今とほとんど変わりない強さでびっくりしました。もっとびっくりしたのはコリアです。身長はわずか175cm、体重も錦織選手よりもはるかに軽く、こんな体でナダルと対等に戦っています。結局最後のセットはタイブレークで小差でコリアが負けてしまいましたが、彼もダヴィデンコに似て、オンザライズで打っています。どうしても体格とパワーで引けを取る日本人がトッププレーヤーになるには、このオンザライズのショットをマスターするしかないと確信しました。
Twitterの話題です。アメリカ大統領もTwitterしていることが分かりました!
さっそく私は彼をフォローすることにしました。ダイレクトにオバマ大統領からメッセージが届くなんてクールですよね。麻生首相がTwitterするなんてとても考えられませんが。
さて、オバマ大統領をフォローするにはTwitterに加入する必要がありますが、彼のサイトにいくことはできます。
http://twitter.com/barackobama
ダライ・ラマもTwitしています。彼のユーザーネームは、OHHDLInfo。 ありがたい教えがいただけます。
http://twitter.com/OHHDLInfo
有名人のTwitterリスト53人が公開されました。この中にYoko Onoが入っています。この中でフォローしてみたい人がいれば、フォローしてみましょう。
http://www.listlovers.com/2009/04/21/top-53-celebrities-twitter/
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2009年04月23日
はるかさんのデザインがトロフィーに!
アンディー・マレー、セリーナ・ウィリアムズやボブ・ブライアン(ダブルスの)もTwitterをやっています。彼らをTwitterでフォローしたい方は、tennisnakamaのTwitterで紹介していますのでご覧になってください。
http://twitter.com/tennisnakama
Twitterを初めてトライされた方、もうすでにTwitをやってらっしゃる方などから仲間が増えています。始めているうちに、だんだんTennisnakamaのTwitterの方向性がみえてきました。私は毎日海外のテニスニュースを追っかけていますので、いろんな情報が手に入ります。しかし私のブログではテーマを絞って書いておりますので、多くの情報が今まで日の目を見ることがありませんでした。ちょっともったいないな、と思っていましたので、このTwitterでテニスミニ情報としてお伝えしていきたいと思います。もちろんNYニュースも入ります。ですからテニスのホットニュースに興味のある方は、一緒にtwitしていきましょう。
さて、本題のはるかさんについて、まずこの写真をごらんください。
http://www.theglaswegian.co.uk/glasgow-news/news/2009/04/16/glasgow-student-s-design-to-emblazon-trophy-at-aegon-championships-102692-21282339/
Usui Haruka(21歳)さんがあの由緒あるロンドンのクウィーンズクラブ(芝)の準優勝者に与えられるトロフィーのデザインコンテストに応募して、見事優勝しました。この大会はウィンブルドンの直前に行われ、大会規模が小さい割には、トップ選手が勢揃いする豪華な大会として知られています。私も一度は訪ねてみたいと思っているトーナメントの一つです。
もう一度写真の彼女のデザインを見てください。
Harukaさんはグラスゴー・スクール・オヴ・アートでジュエリーデザインと銀細工を専攻して、現在は3年生の留学生です。テニスが好きな Harukaさんは、デザインのインスピレーションについて次のように語っています。
「私が男子テニスに最も興味があるのは、選手の目とラケットとの距離、ダイナミックな動き、そして体型なんです。」
彼女のお気に入りの選手は昨年優勝したナダルですが、トップ選手たちのイメージをリサーチしてインスピレーションが湧いたとか。
「トロフィーのイメージは、選手がスマッシュする姿からインスピレーションを得ました。スマッシュは選手と地球と太陽をコネクトする最もパワフルなシルエットです。ラケット、選手の目、選手の体が一体となって太陽に向かってるんです。まるで太陽をスマッシュするように。」
Harukaさんのデザインが優勝した理由を、AEGON のメディア担当のヘッド、マクファーソン氏が次のように語っています。
「 Harukaの優勝は誰の目にも明らかでした。デザインがコンテンポラリーで且つクラシックで、テニスの優雅さ、動き、エネルギーを捉えすばらしく表現されているからです。」
昨年の Stellaにかわって今年から AEGONが新しくスポンサーになり、トロフィーも新しいデザインが選ばれることになりましたが、この栄誉に日本人のデザインが選ばれたことはとても誇りに思います。今年はナダルやマレーが出場します。彼女のデザインしたトロフィーは決勝で負けた選手に贈られることになりますが、一体どの選手の手に?わくわくしてきますね。
Harukaさんはご褒美として500ポンドの賞金と、6月14日の決勝戦に招待されることになりましたが、賞金全額を子供病院(Helen and Douglas House, a children's hospice)に寄付するそうです。立派ですね!ますます嬉しくなりました。
http://twitter.com/tennisnakama
Twitterを初めてトライされた方、もうすでにTwitをやってらっしゃる方などから仲間が増えています。始めているうちに、だんだんTennisnakamaのTwitterの方向性がみえてきました。私は毎日海外のテニスニュースを追っかけていますので、いろんな情報が手に入ります。しかし私のブログではテーマを絞って書いておりますので、多くの情報が今まで日の目を見ることがありませんでした。ちょっともったいないな、と思っていましたので、このTwitterでテニスミニ情報としてお伝えしていきたいと思います。もちろんNYニュースも入ります。ですからテニスのホットニュースに興味のある方は、一緒にtwitしていきましょう。
さて、本題のはるかさんについて、まずこの写真をごらんください。
http://www.theglaswegian.co.uk/glasgow-news/news/2009/04/16/glasgow-student-s-design-to-emblazon-trophy-at-aegon-championships-102692-21282339/
Usui Haruka(21歳)さんがあの由緒あるロンドンのクウィーンズクラブ(芝)の準優勝者に与えられるトロフィーのデザインコンテストに応募して、見事優勝しました。この大会はウィンブルドンの直前に行われ、大会規模が小さい割には、トップ選手が勢揃いする豪華な大会として知られています。私も一度は訪ねてみたいと思っているトーナメントの一つです。
もう一度写真の彼女のデザインを見てください。
Harukaさんはグラスゴー・スクール・オヴ・アートでジュエリーデザインと銀細工を専攻して、現在は3年生の留学生です。テニスが好きな Harukaさんは、デザインのインスピレーションについて次のように語っています。
「私が男子テニスに最も興味があるのは、選手の目とラケットとの距離、ダイナミックな動き、そして体型なんです。」
彼女のお気に入りの選手は昨年優勝したナダルですが、トップ選手たちのイメージをリサーチしてインスピレーションが湧いたとか。
「トロフィーのイメージは、選手がスマッシュする姿からインスピレーションを得ました。スマッシュは選手と地球と太陽をコネクトする最もパワフルなシルエットです。ラケット、選手の目、選手の体が一体となって太陽に向かってるんです。まるで太陽をスマッシュするように。」
Harukaさんのデザインが優勝した理由を、AEGON のメディア担当のヘッド、マクファーソン氏が次のように語っています。
「 Harukaの優勝は誰の目にも明らかでした。デザインがコンテンポラリーで且つクラシックで、テニスの優雅さ、動き、エネルギーを捉えすばらしく表現されているからです。」
昨年の Stellaにかわって今年から AEGONが新しくスポンサーになり、トロフィーも新しいデザインが選ばれることになりましたが、この栄誉に日本人のデザインが選ばれたことはとても誇りに思います。今年はナダルやマレーが出場します。彼女のデザインしたトロフィーは決勝で負けた選手に贈られることになりますが、一体どの選手の手に?わくわくしてきますね。
Harukaさんはご褒美として500ポンドの賞金と、6月14日の決勝戦に招待されることになりましたが、賞金全額を子供病院(Helen and Douglas House, a children's hospice)に寄付するそうです。立派ですね!ますます嬉しくなりました。
2009年04月22日
Twitterの仲間になりませんか?
私も実はよく分かっていないのですが、これが今のアメリカに大旋風を起こしている現象とあれば、乗り遅れたくありません。ですから一体Twitterツウィッターとは何であるかを皆さんと探ってみようと始めました。
昨夜10時半(日本時間)にアップしたにもかかわらず、さっそく8人の方にジョイントしていただきました。
さて、まずTwitterがどういうものであるか、は前記事にリンク記事を載せましたが、たぶん読んでも実際にやってみないとぴーんとこないと思います。tennisnakamaのブログの読者を対象にしていますので、もし興味があればトライしてみてください。おしゃべり広場は「今何している?」が中心の話題となります。海外の読者も参加して下されば最高です。
ここでとりあえず、私のTwitterのホームページを開いてみてください。登録しなくても誰でも私の近況を知ることができます。これは私の日常生活の掲示板のようなものです。
しかしTwitterのおもしろさは、tennisnakamaの仲間になれば、仲間たちをフォローすることができます。
私のユーザーネームはtennisnakamaです。twitter.com/の後に、ユーザーネームを打ち込むだけで、私のホームページが出てきます。
以下のサイトをクリックしてください。
http://twitter.com/tennisnakama
もしtennisnakamaをフォローする場合は、Twitterに加入する必要があります。無料です。ものすごく簡単ですので、これから手続きを簡単に説明させていただきます。
右上のグリーンのJoin today!をクリックしてください。
以下はサンプルです。
名前の欄は本名である必要はありません。
アカウントを作成する
をクリックします。ユーザー名がすでに存在する場合は数字を後につけるなりして工夫してください。
このベージが出てくれば完了です。これでめでたくTwitterのメンバーになりご自分のホームページができました。
サンプルはWhat are you doing?ですが、日本語で「なにしてる?」の空白の欄があります。ここに140字以内で簡単になにしているかを書けばよいのです。
tennisnakamaと仲間たちをフォローするには:
右上の「友達を検索」をクリックします。「誰を検索しますか?」の欄にtennisnakamaを記入してください。
そうすると私のプロフィールが出てきます。
Momoちゃんの写真の横のブルーのtennisnakamaをクリックしてください。tennisnakamaのページが出てきます。
さあこれで完了です。tennisnakamaをフォローするかどうかは自由です。しかしこれで何となくTwitterがどういうものであるか分かっていただいたと思います。
このtennisnakamaのTwitterは私のiPhoneからは日本語が書き込めませんので、私は携帯電話はつかいません。
(Note: 以前TennisTV.comの試合観戦をお勧めしたときに、加入できないということで、私の方に「加入しろというから・・・」というお叱りを受けたことがありました。問題はご当人の簡単なミスによる問題でしたので解決しましたが、このTwitterに加入するしないはご自分の判断と責任でもって行っていただきたくお願いいたします。)
昨夜10時半(日本時間)にアップしたにもかかわらず、さっそく8人の方にジョイントしていただきました。
さて、まずTwitterがどういうものであるか、は前記事にリンク記事を載せましたが、たぶん読んでも実際にやってみないとぴーんとこないと思います。tennisnakamaのブログの読者を対象にしていますので、もし興味があればトライしてみてください。おしゃべり広場は「今何している?」が中心の話題となります。海外の読者も参加して下されば最高です。
ここでとりあえず、私のTwitterのホームページを開いてみてください。登録しなくても誰でも私の近況を知ることができます。これは私の日常生活の掲示板のようなものです。
しかしTwitterのおもしろさは、tennisnakamaの仲間になれば、仲間たちをフォローすることができます。
私のユーザーネームはtennisnakamaです。twitter.com/の後に、ユーザーネームを打ち込むだけで、私のホームページが出てきます。
以下のサイトをクリックしてください。
http://twitter.com/tennisnakama
もしtennisnakamaをフォローする場合は、Twitterに加入する必要があります。無料です。ものすごく簡単ですので、これから手続きを簡単に説明させていただきます。
右上のグリーンのJoin today!をクリックしてください。
以下はサンプルです。
名前の欄は本名である必要はありません。
アカウントを作成する
をクリックします。ユーザー名がすでに存在する場合は数字を後につけるなりして工夫してください。
このベージが出てくれば完了です。これでめでたくTwitterのメンバーになりご自分のホームページができました。
サンプルはWhat are you doing?ですが、日本語で「なにしてる?」の空白の欄があります。ここに140字以内で簡単になにしているかを書けばよいのです。
tennisnakamaと仲間たちをフォローするには:
右上の「友達を検索」をクリックします。「誰を検索しますか?」の欄にtennisnakamaを記入してください。
そうすると私のプロフィールが出てきます。
Momoちゃんの写真の横のブルーのtennisnakamaをクリックしてください。tennisnakamaのページが出てきます。
さあこれで完了です。tennisnakamaをフォローするかどうかは自由です。しかしこれで何となくTwitterがどういうものであるか分かっていただいたと思います。
このtennisnakamaのTwitterは私のiPhoneからは日本語が書き込めませんので、私は携帯電話はつかいません。
(Note: 以前TennisTV.comの試合観戦をお勧めしたときに、加入できないということで、私の方に「加入しろというから・・・」というお叱りを受けたことがありました。問題はご当人の簡単なミスによる問題でしたので解決しましたが、このTwitterに加入するしないはご自分の判断と責任でもって行っていただきたくお願いいたします。)
2009年04月21日
Twitterを始めませんか?
今アメリカにTwitter旋風が起こっています。私はtennisnakamaで自分のページをもちました。誰でも3分で手続きが完了です。本名もいりません。必要なのはメールアドレスのみ。しかしこれは公表されませんので漏れる心配はありません。ユーザー名を今使っていらっしゃるコメント名にしてtennisnakamaとTwitterをやってみませんか?
Twitterって何?
Twitterでお互いの近況を知ることができます。お互いを追っかけることができるのがTwitter.
アメリカでは有名な俳優、アシュトン・クッチャーが1億のヒットを超しました。彼自身がtwitしているので、生々しい彼の日常生活が覗き見することができます。彼の追っかけさんになることもできるのです。
Twitterについて詳しいことが説明されていますので、ご存知ない方はまずここを開いてください。ビデオは日本語訳がついています。
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20348053,00.htm
これはtennisnakamaのTwitterのホームページです。
昨日のメーッセージですが、今日も雨。今からテニス(インドア)に出かけますが、帰ってきたら、この続きを書きたいと思います。もしすでにご自分のホームページを開くことに成功された方は、『友達を探す』のところに、tennisnakamaを記入してください。私のホームページがでてきます。そして「フォローする」のところをクリックすると、新しく開かれたあなたのTwitterにtennisnakamaがお邪魔することになります。
ここまでは一応宿題としておきます。面白そうですからトライしてみましょう。tennisnakama-Twitter仲間ができれば楽しいでしょうね。
Twitterって何?
Twitterでお互いの近況を知ることができます。お互いを追っかけることができるのがTwitter.
アメリカでは有名な俳優、アシュトン・クッチャーが1億のヒットを超しました。彼自身がtwitしているので、生々しい彼の日常生活が覗き見することができます。彼の追っかけさんになることもできるのです。
Twitterについて詳しいことが説明されていますので、ご存知ない方はまずここを開いてください。ビデオは日本語訳がついています。
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20348053,00.htm
これはtennisnakamaのTwitterのホームページです。
昨日のメーッセージですが、今日も雨。今からテニス(インドア)に出かけますが、帰ってきたら、この続きを書きたいと思います。もしすでにご自分のホームページを開くことに成功された方は、『友達を探す』のところに、tennisnakamaを記入してください。私のホームページがでてきます。そして「フォローする」のところをクリックすると、新しく開かれたあなたのTwitterにtennisnakamaがお邪魔することになります。
ここまでは一応宿題としておきます。面白そうですからトライしてみましょう。tennisnakama-Twitter仲間ができれば楽しいでしょうね。
2009年04月21日
フェデラー&ロディック結婚フォト
(前号にモンテカルロ決勝、ナダルvsジョコヴィッチの記事を掲載しています。)
Roddick's Wedding
ロディックが週末に故郷のテキサスでスーパモデルのブルックリン・デッカーと結婚式をあげました。この結婚式にアガシ、グラフ夫妻、ブレイク、フィッシュなどが参加。噂によるとエルトンジョンがパーティーで演奏したとか。豪華ですね。モデルの奥さんは職業柄まるでカタログから抜け出たよう。
近くのカントリークラブで式をあげたそうで、この写真集は多分隠しとりだと思いますが、ロディックはゴルフのクラブを振ってます。多分式の前だと思うのですが、緊張をほぐすためでしょうか。
アンディは美女でグラマーな(水着モデル)奥さんをもらって嬉しそう。この喜びをエネルギーに今年はぜひともGSのタイトルむけてがんばってほしいものです。結婚おめでとう!
ロディックの結婚式の写真(42枚)
http://photos.tmz.com/galleries/andy_roddick_wedding#40662
Federer's Wedding
スイスの雑誌、schweizer-illustrierteがフェデラーの結婚式の写真の掲載権を買い取りました。この掲載料はすべてロジャー・フェデラー基金に寄付されることになります。オンラインでは2枚しかみれませんが、ロディックたちのセレブな結婚式とちがってとても普通な感じ。清楚でつつましやか。やっぱりスイスって感じがします。微笑ましく幸せそうな二人にあらためておめでとう!
フェデラーの結婚写真
Photo by schweizer-illustrierte
ロジャーとミルカ:
http://www.hcfoo.com/2009/04/finally-roger-federers-wedding-photos.html
Roddick's Wedding
ロディックが週末に故郷のテキサスでスーパモデルのブルックリン・デッカーと結婚式をあげました。この結婚式にアガシ、グラフ夫妻、ブレイク、フィッシュなどが参加。噂によるとエルトンジョンがパーティーで演奏したとか。豪華ですね。モデルの奥さんは職業柄まるでカタログから抜け出たよう。
近くのカントリークラブで式をあげたそうで、この写真集は多分隠しとりだと思いますが、ロディックはゴルフのクラブを振ってます。多分式の前だと思うのですが、緊張をほぐすためでしょうか。
アンディは美女でグラマーな(水着モデル)奥さんをもらって嬉しそう。この喜びをエネルギーに今年はぜひともGSのタイトルむけてがんばってほしいものです。結婚おめでとう!
ロディックの結婚式の写真(42枚)
http://photos.tmz.com/galleries/andy_roddick_wedding#40662
Federer's Wedding
スイスの雑誌、schweizer-illustrierteがフェデラーの結婚式の写真の掲載権を買い取りました。この掲載料はすべてロジャー・フェデラー基金に寄付されることになります。オンラインでは2枚しかみれませんが、ロディックたちのセレブな結婚式とちがってとても普通な感じ。清楚でつつましやか。やっぱりスイスって感じがします。微笑ましく幸せそうな二人にあらためておめでとう!
フェデラーの結婚写真
Photo by schweizer-illustrierte
ロジャーとミルカ:
http://www.hcfoo.com/2009/04/finally-roger-federers-wedding-photos.html
2009年04月21日
ナダル5年連続優勝
やはりナダルが優勝しましたね!
これでモンテカルロは5年連続優勝となります。そしてナダルのクレーのタイトルは実に23となり、クレーの決勝で負けたのは1回だけ。フェデラーにまけた2007年ハンブルグの決勝のみという信じられない強さです。
ジョコヴィッチは負けましたが最高のプレーをしました。特に第2セットのアグレッシヴな攻撃テニスはすざましく、ナダルはたじたじと守りのテニスに終始。ジョコは「クレーでは僕はベストのプレーをした」と言っています。しかしマレーもそうですが、ナダルに勝つには、彼らの最高のテニスを最後まで維持しなければなりません。1球たりとも甘いショットを打てば自殺行為となり、それはとても非人間的なことで不可能にすら見えます。ジョコは彼のベストなテニスをプレーし続けることができずナダルに破れてしまいました。
Nadal def Djokovic: 6-3, 2-6, 6-1
第1セット
第1セットはブレークにはじまりブレークに終わる不思議なセットでした。第3ゲームでお互いがブレークし合ってスコアはイーヴンの1-1。ジョコのサーヴです。1stサーヴにラインマンがFaultの判定を下しました。ナダルはひょっとしたらInかもしれないと思ったのでしょう。ジョコが頼みもしないのに、ナダルは球跡をしらべるために、自分のコートのサーヴィスラインまで行きました。そしてアンパイアを呼んで、確認してほしいとリクエストしたのです。結局アンパイアは、Outと判定しましたが、こんなことは大変めずらしいことです。普通は相手のサーヴが入っているかもしれないと思っても、相手が頼みもしないのに自ら不利になるようなことはしないものです。このような行為がナダルを真のスポーツマンとして尊敬される要因となっているのでしょうね。
第3ゲームはジョコがサーヴィスゲームをホールドすることができましたが、第4ゲームで再びナダルがブレークされてしまいます。ナダルの立っている平均位置が解説者によるとベースラインから2.1m。ジョコは1.4m。ナダルはジョコに比べてベースラインから下がりすぎています。これではウィナーが決まらない。ジョコも下がり過ぎのナダルに気がついたのでしょう。さかんにドロップショットをしかけてきます。
1-3とブレークされてしまったナダルは猛烈な反撃をしかけ始めました。他の選手ですと、ブレークされてしまうとプレッシャーが高まり固くなったり焦ったりしてプレーに影響が出てきます。つまり力み現象です。ここでナダルのすごいのは、ネガティヴ・エネルギーを「僕は絶対勝ってみせる!」のポジティヴ・エネルギーに転換できること。集中力を100%アップして攻撃モードにスウィッチ・オンがかかり40-0と圧倒的な強さでジョコをブレークし直してしまいました。
ジョコも負けていません。「僕だって負けるもんか!」第6ゲームに猛然と攻撃をしかけてきます。両選手一歩も攻撃の手を緩めず、ウィナー狙いのきわどいショットが両サイドに決まっていきます。こうなるとテニス観戦の醍醐味です。相手のエラーで得点するテニスはつまらないものがありますが、お互いがウィナーを決め合って競り合うゲームは迫力そのもの。40-30でナダルは神業的なバックハンドクロスがコーナーに突き刺さってサーヴィスゲームをホールドしました。
第5・第6ゲームを連続勝ち取ったナダルの勢いはもう止められません。第7ゲームは40-15ですでにブレークポイントです。しかしジョコも粘りもすばらしく、ドロップショットで決め、フォアのダウンザラインのウィナーで挽回。デュースに戻しますが、ベースラインをオーヴァーしたショットを打った瞬間、ジョコは背中の下部に手を当てて顔をゆがめました。どうやら腰を痛めた模様。痛さのせいかジョコは、ブレークポイントで大きくワイドにはずれるバックハンドを打ってブレークされてしまいました。スコアは4-3でナダルのリードです。
ここでジョコはメディカル・タイムアウトをとります。トレーナーがジョコの右側の背中の下部をマッサージしています。背中が気になるのか、ジョコはブレークされてしまって、第1セットは6-3でナダルの勝利に終わりました。
しかし、ジョコに故障がなくても、ナダルはこのセットは勝っていたと思います。後半のナダルは試合を支配しジョコに付け入る隙を与えませんでした。
第2セット
第2セットはジョコの執念のセットでした。猛然と立ち向かったジョコは、サーヴィスが75%の高率で、アグレッシヴな攻撃を続けます。ハイライトは第1ゲームのブレークポイントです。ジョコは何度もウィナーを狙いますが、ナダルのカウンターショットで決まらず、最後にドロップショットを試みます。しかしナダルがネットに届きロブ返し。34のストロークの後、やっとジョコはスマッシュでナダルをブレークしました。
第1ゲームですでにナダルをブレークしたジョコは、まさに恐れを知らずのアグレッシヴ・テニスを展開。圧倒的なジョコ・テニス「両サイドに振り回してオープンコートにウィナーを決める」の強さを披露してくれました。5-2の第8ゲームでは、最後にサーヴィスエースを立て続けに2本とってナダルをブレークして、第2セットを快勝しました。
第2セットをナダルが2-6で完敗しましたが、私にはナダルが第3セットを落とすことは考えられませんでした。長年ナダルの試合を見てきた経験からくる直感とでもいいましょうか。まずジョコのフィジカルと集中力の問題です。ナダルのスピンボールは相手を2倍以上疲れさす威力があり、試合が長引けば長引くほどナダルの有利になるからです。ジョコが第2セットでみせたのは彼のベストなテニスです。このレベルを第3セットまで持ち続けるのは不可能に近いと感じたのです。
第3セット
第1ゲームはナダルの真の強さを見せたゲームでした。ジョコは勝った勢いでナダルをブレークしようと、またもやアタックモード全開で40-30のブレークチャンスを迎えます。ナダルはここで落としてしまうと第2セットの二の舞になり、ジョコの勢いを止められなくなります。絶対落としてはならないゲームなのです。
ジョコのパーフェクトなドロップショットにベースラインから猛然ダッシュしたナダルは、超アングルのヴォレーでウィナーを。エッ? まさか!? 考えられないナダルのスーパショットに、呆然としたジョコは膝まずいてうなだれてしまいました。
I don’t believe it!! 解説者が叫びます。興奮して席から飛び上がって叫ぶ様子が目に浮かびます。This is sensational!!何度も解説者が叫びました。
人間の限界に挑戦する二人。彼らが繰り広げる壮絶なドラマに会場は拍手が鳴り止みません。
3度のブレークポイントを逃れたナダルは、「バモース!」と拳を握りしめ大声で叫びました。ライオンの王者、ナダル獅子が吠えたのです。危ないのはジョコです。この「バモース!」でナダルのギアは全開です。一瞬たりとも狙った獲物は逃がさない。ナダルの目は獰猛な獣の目となってジョコを追いつめ、ブレークしてしまいました。
しかしジョコもしぶとくあきらめません。第3ゲームではナダルのバックサイドを攻撃、ワイドに振ってオープンコートにウィナーを決めていきます。このパターンは効果的で何度もジョコは成功しています。ナダルはジョコの浮いた球をネットダッシュせず、ベースラインに留まっています。そしてやがてはジョコにウィナーをとられてブレークされ、これでスコアは元通りのイーヴンになってしまいました。もったいない!
第3セットの勝敗を決定したのは第4ゲーム(2-1)だと思います。ジョコのサーヴです。ジョコが勝ち急いでしまいました。ミスが目立ち15-40とブレークポイントを迎え、最後はワイルドなミスでブレークされてしまいます。これはジョコも記者会見で言っているように「もっと辛抱強くプレーするべきだった。」
ジョコのエラーは試合を通して47もおかしています。ナダルの24の2倍です。これはリスクを犯さなければ勝てないジョコのプレッシャーを大きさを物語っています。
第5ゲームではスコアは3-1、ナダルのリードとなってしまい、ジョコは心身ともに疲れが出てきました。ドロップショットも甘く、フットワークにもたつきが出てきました。今までウィナーが打てたショットも決まらなくなって、0-40でナダルに完敗。
ジョコのファイトもここまでが限界でした。第6ゲーム(4-1)でジョコは試合を投げ出しました。もうどう攻めてよいのか分からず、一か八かの一発勝負です。結果は当然のごとく、15-40, 0-40で第3セットは1-6の惨敗となってしまいました。
Federerはトップ4に勝てるか?
マレーの準決勝、ジョコの決勝を観てまず思ったのは、このハイレベルの試合を果たして今のフェデラーが出来るかどうか? ライン上にウィナーを打ち込まなければ勝てなくなってきている今日のテニスにあって、昔のスイス時計のような正確さは、今のフェデラーにはありません。クレーではサーヴがよくてもリターンされてしまうので、サーヴ&ヴォレーは武器とはなりませんし、ネットダッシュも相手の球を浮かせるだけのショット力がなければ、パッシングショットで逆襲されます。クレーでは球のスピンや速さが殺されてしまうため、マレーのペースを変えるテニスはそれほど効果はなく、今までマレーはクレーは不振でした。
エミリオ・サンチェスが言った「Correct Playerでなければクレーは勝てない」という意味がだんだん分かってきたような気がします。あらゆる技術を正確に身につけた、正確なテニスをする選手でなければならない。ナダル、ジョコ、マレーに勝つには、果たしてどれだけフェデラーが正確な選手でありうることができるでしょうか?
今後のNadalの課題:
ナダルは怪我をしないかぎりクレーは勝っていくと思いますが、しかし疲れが最大の敵となるでしょうね。今週はバルセロナ、来週はローマと3週間立て続けにトーナメントが続きます。それにマドリッドのマスターズも控え、フレンチまで十分に体を休めることができるかどうか?
当然フレンチは優勝するものとして、彼の最大ゴールはウィンブルドンとUS Openのグランドスラムの記録だと思います。速い芝とハードでは、浮いた球をネットで決めないと勝てません。ダヴィデンコが準決勝で見せた見事なネットダッシュです。疑問なのは、ナダルはなぜ相手の球が浮いているのに、もっとネットダッシュしてヴォレーで決めてしまわないのか? あれほどネットプレーはうまいのに。リスクは負いたくないためについ自分の居心地のよい場所(ベースライン)から打ってしまうのでしょうが、これでは速いサーフェスで勝つのはむずかしい。ジョコヴィッチは決勝では31ネットダッシュしています。ナダルはそれでも15回していますが、もっとできるチャンスはありました。後はサーヴのプレースメント。この二つが向上すればナダルのブランドスラム達成も夢でないと思っています。
(後記)
ナダルのトニーコーチは、「ナダルはこの試合はもっとちゃんとやれるはずだったのでちょっと自信を失っている。サーヴが弱すぎた。」という厳しいコメントを残しています。勝ったことは褒めてあげるが、試合の内容がもう一つといいたげなコーチ。
ナダルはクレーでは1セットも負けてはならない宿命にあるようで、いやはや彼のプレッシャーは想像を絶するものがありますね。
(追記:2007年のハンブルグでフェデラーに負けた試合について)
このハンブルグのマスターズは観戦しましたが、フェデラーも調子はよかったのですが、ナダルが疲れすぎていました。彼は以下のクレーのトーナメントをすべて優勝して休む暇がなく、メンタル的にも限界がきていたと思います。とてもナダルらしくないミスの多い試合で、ナダル自身疲れすぎたと認めていましたから。フェデラーの優勝にケチをつける気はありませんが、通常の状態であれば、フェデラーが勝てたかどうかわからないトーナメントでした。
2007年ナダル優勝の経歴
4月15日モンテカルロ・マスターズ
4月23日バルセロナ
5月7日ローマ・マスターズ
5月14日ハンブルグ・マスターズ
これでモンテカルロは5年連続優勝となります。そしてナダルのクレーのタイトルは実に23となり、クレーの決勝で負けたのは1回だけ。フェデラーにまけた2007年ハンブルグの決勝のみという信じられない強さです。
ジョコヴィッチは負けましたが最高のプレーをしました。特に第2セットのアグレッシヴな攻撃テニスはすざましく、ナダルはたじたじと守りのテニスに終始。ジョコは「クレーでは僕はベストのプレーをした」と言っています。しかしマレーもそうですが、ナダルに勝つには、彼らの最高のテニスを最後まで維持しなければなりません。1球たりとも甘いショットを打てば自殺行為となり、それはとても非人間的なことで不可能にすら見えます。ジョコは彼のベストなテニスをプレーし続けることができずナダルに破れてしまいました。
Nadal def Djokovic: 6-3, 2-6, 6-1
第1セット
第1セットはブレークにはじまりブレークに終わる不思議なセットでした。第3ゲームでお互いがブレークし合ってスコアはイーヴンの1-1。ジョコのサーヴです。1stサーヴにラインマンがFaultの判定を下しました。ナダルはひょっとしたらInかもしれないと思ったのでしょう。ジョコが頼みもしないのに、ナダルは球跡をしらべるために、自分のコートのサーヴィスラインまで行きました。そしてアンパイアを呼んで、確認してほしいとリクエストしたのです。結局アンパイアは、Outと判定しましたが、こんなことは大変めずらしいことです。普通は相手のサーヴが入っているかもしれないと思っても、相手が頼みもしないのに自ら不利になるようなことはしないものです。このような行為がナダルを真のスポーツマンとして尊敬される要因となっているのでしょうね。
第3ゲームはジョコがサーヴィスゲームをホールドすることができましたが、第4ゲームで再びナダルがブレークされてしまいます。ナダルの立っている平均位置が解説者によるとベースラインから2.1m。ジョコは1.4m。ナダルはジョコに比べてベースラインから下がりすぎています。これではウィナーが決まらない。ジョコも下がり過ぎのナダルに気がついたのでしょう。さかんにドロップショットをしかけてきます。
1-3とブレークされてしまったナダルは猛烈な反撃をしかけ始めました。他の選手ですと、ブレークされてしまうとプレッシャーが高まり固くなったり焦ったりしてプレーに影響が出てきます。つまり力み現象です。ここでナダルのすごいのは、ネガティヴ・エネルギーを「僕は絶対勝ってみせる!」のポジティヴ・エネルギーに転換できること。集中力を100%アップして攻撃モードにスウィッチ・オンがかかり40-0と圧倒的な強さでジョコをブレークし直してしまいました。
ジョコも負けていません。「僕だって負けるもんか!」第6ゲームに猛然と攻撃をしかけてきます。両選手一歩も攻撃の手を緩めず、ウィナー狙いのきわどいショットが両サイドに決まっていきます。こうなるとテニス観戦の醍醐味です。相手のエラーで得点するテニスはつまらないものがありますが、お互いがウィナーを決め合って競り合うゲームは迫力そのもの。40-30でナダルは神業的なバックハンドクロスがコーナーに突き刺さってサーヴィスゲームをホールドしました。
第5・第6ゲームを連続勝ち取ったナダルの勢いはもう止められません。第7ゲームは40-15ですでにブレークポイントです。しかしジョコも粘りもすばらしく、ドロップショットで決め、フォアのダウンザラインのウィナーで挽回。デュースに戻しますが、ベースラインをオーヴァーしたショットを打った瞬間、ジョコは背中の下部に手を当てて顔をゆがめました。どうやら腰を痛めた模様。痛さのせいかジョコは、ブレークポイントで大きくワイドにはずれるバックハンドを打ってブレークされてしまいました。スコアは4-3でナダルのリードです。
ここでジョコはメディカル・タイムアウトをとります。トレーナーがジョコの右側の背中の下部をマッサージしています。背中が気になるのか、ジョコはブレークされてしまって、第1セットは6-3でナダルの勝利に終わりました。
しかし、ジョコに故障がなくても、ナダルはこのセットは勝っていたと思います。後半のナダルは試合を支配しジョコに付け入る隙を与えませんでした。
第2セット
第2セットはジョコの執念のセットでした。猛然と立ち向かったジョコは、サーヴィスが75%の高率で、アグレッシヴな攻撃を続けます。ハイライトは第1ゲームのブレークポイントです。ジョコは何度もウィナーを狙いますが、ナダルのカウンターショットで決まらず、最後にドロップショットを試みます。しかしナダルがネットに届きロブ返し。34のストロークの後、やっとジョコはスマッシュでナダルをブレークしました。
第1ゲームですでにナダルをブレークしたジョコは、まさに恐れを知らずのアグレッシヴ・テニスを展開。圧倒的なジョコ・テニス「両サイドに振り回してオープンコートにウィナーを決める」の強さを披露してくれました。5-2の第8ゲームでは、最後にサーヴィスエースを立て続けに2本とってナダルをブレークして、第2セットを快勝しました。
第2セットをナダルが2-6で完敗しましたが、私にはナダルが第3セットを落とすことは考えられませんでした。長年ナダルの試合を見てきた経験からくる直感とでもいいましょうか。まずジョコのフィジカルと集中力の問題です。ナダルのスピンボールは相手を2倍以上疲れさす威力があり、試合が長引けば長引くほどナダルの有利になるからです。ジョコが第2セットでみせたのは彼のベストなテニスです。このレベルを第3セットまで持ち続けるのは不可能に近いと感じたのです。
第3セット
第1ゲームはナダルの真の強さを見せたゲームでした。ジョコは勝った勢いでナダルをブレークしようと、またもやアタックモード全開で40-30のブレークチャンスを迎えます。ナダルはここで落としてしまうと第2セットの二の舞になり、ジョコの勢いを止められなくなります。絶対落としてはならないゲームなのです。
ジョコのパーフェクトなドロップショットにベースラインから猛然ダッシュしたナダルは、超アングルのヴォレーでウィナーを。エッ? まさか!? 考えられないナダルのスーパショットに、呆然としたジョコは膝まずいてうなだれてしまいました。
I don’t believe it!! 解説者が叫びます。興奮して席から飛び上がって叫ぶ様子が目に浮かびます。This is sensational!!何度も解説者が叫びました。
人間の限界に挑戦する二人。彼らが繰り広げる壮絶なドラマに会場は拍手が鳴り止みません。
3度のブレークポイントを逃れたナダルは、「バモース!」と拳を握りしめ大声で叫びました。ライオンの王者、ナダル獅子が吠えたのです。危ないのはジョコです。この「バモース!」でナダルのギアは全開です。一瞬たりとも狙った獲物は逃がさない。ナダルの目は獰猛な獣の目となってジョコを追いつめ、ブレークしてしまいました。
しかしジョコもしぶとくあきらめません。第3ゲームではナダルのバックサイドを攻撃、ワイドに振ってオープンコートにウィナーを決めていきます。このパターンは効果的で何度もジョコは成功しています。ナダルはジョコの浮いた球をネットダッシュせず、ベースラインに留まっています。そしてやがてはジョコにウィナーをとられてブレークされ、これでスコアは元通りのイーヴンになってしまいました。もったいない!
第3セットの勝敗を決定したのは第4ゲーム(2-1)だと思います。ジョコのサーヴです。ジョコが勝ち急いでしまいました。ミスが目立ち15-40とブレークポイントを迎え、最後はワイルドなミスでブレークされてしまいます。これはジョコも記者会見で言っているように「もっと辛抱強くプレーするべきだった。」
ジョコのエラーは試合を通して47もおかしています。ナダルの24の2倍です。これはリスクを犯さなければ勝てないジョコのプレッシャーを大きさを物語っています。
第5ゲームではスコアは3-1、ナダルのリードとなってしまい、ジョコは心身ともに疲れが出てきました。ドロップショットも甘く、フットワークにもたつきが出てきました。今までウィナーが打てたショットも決まらなくなって、0-40でナダルに完敗。
ジョコのファイトもここまでが限界でした。第6ゲーム(4-1)でジョコは試合を投げ出しました。もうどう攻めてよいのか分からず、一か八かの一発勝負です。結果は当然のごとく、15-40, 0-40で第3セットは1-6の惨敗となってしまいました。
Federerはトップ4に勝てるか?
マレーの準決勝、ジョコの決勝を観てまず思ったのは、このハイレベルの試合を果たして今のフェデラーが出来るかどうか? ライン上にウィナーを打ち込まなければ勝てなくなってきている今日のテニスにあって、昔のスイス時計のような正確さは、今のフェデラーにはありません。クレーではサーヴがよくてもリターンされてしまうので、サーヴ&ヴォレーは武器とはなりませんし、ネットダッシュも相手の球を浮かせるだけのショット力がなければ、パッシングショットで逆襲されます。クレーでは球のスピンや速さが殺されてしまうため、マレーのペースを変えるテニスはそれほど効果はなく、今までマレーはクレーは不振でした。
エミリオ・サンチェスが言った「Correct Playerでなければクレーは勝てない」という意味がだんだん分かってきたような気がします。あらゆる技術を正確に身につけた、正確なテニスをする選手でなければならない。ナダル、ジョコ、マレーに勝つには、果たしてどれだけフェデラーが正確な選手でありうることができるでしょうか?
今後のNadalの課題:
ナダルは怪我をしないかぎりクレーは勝っていくと思いますが、しかし疲れが最大の敵となるでしょうね。今週はバルセロナ、来週はローマと3週間立て続けにトーナメントが続きます。それにマドリッドのマスターズも控え、フレンチまで十分に体を休めることができるかどうか?
当然フレンチは優勝するものとして、彼の最大ゴールはウィンブルドンとUS Openのグランドスラムの記録だと思います。速い芝とハードでは、浮いた球をネットで決めないと勝てません。ダヴィデンコが準決勝で見せた見事なネットダッシュです。疑問なのは、ナダルはなぜ相手の球が浮いているのに、もっとネットダッシュしてヴォレーで決めてしまわないのか? あれほどネットプレーはうまいのに。リスクは負いたくないためについ自分の居心地のよい場所(ベースライン)から打ってしまうのでしょうが、これでは速いサーフェスで勝つのはむずかしい。ジョコヴィッチは決勝では31ネットダッシュしています。ナダルはそれでも15回していますが、もっとできるチャンスはありました。後はサーヴのプレースメント。この二つが向上すればナダルのブランドスラム達成も夢でないと思っています。
(後記)
ナダルのトニーコーチは、「ナダルはこの試合はもっとちゃんとやれるはずだったのでちょっと自信を失っている。サーヴが弱すぎた。」という厳しいコメントを残しています。勝ったことは褒めてあげるが、試合の内容がもう一つといいたげなコーチ。
ナダルはクレーでは1セットも負けてはならない宿命にあるようで、いやはや彼のプレッシャーは想像を絶するものがありますね。
(追記:2007年のハンブルグでフェデラーに負けた試合について)
このハンブルグのマスターズは観戦しましたが、フェデラーも調子はよかったのですが、ナダルが疲れすぎていました。彼は以下のクレーのトーナメントをすべて優勝して休む暇がなく、メンタル的にも限界がきていたと思います。とてもナダルらしくないミスの多い試合で、ナダル自身疲れすぎたと認めていましたから。フェデラーの優勝にケチをつける気はありませんが、通常の状態であれば、フェデラーが勝てたかどうかわからないトーナメントでした。
2007年ナダル優勝の経歴
4月15日モンテカルロ・マスターズ
4月23日バルセロナ
5月7日ローマ・マスターズ
5月14日ハンブルグ・マスターズ
2009年04月18日
激戦:マレー vs ダヴィデンコ
今日4月17日は久しぶりに家に引きこもって、モンテカルロの一日観戦でぐったりです。
準々決勝の結果は:
ナダル d リュービチッチ 6-3, 6-3
ジョコヴィッチ d べルダスコ 6-2, 4-6, 6-3
ヴァヴリンカ d ベック 6-2, 6-4
マレー d ダヴィデンコ 7-6(1), 6-4
ナダル、ジョコヴィッチ、ヴァヴリンカ、マレーは予想通りに勝ち進みましたが、はっきりいって、マレーを除く3試合は「見逃してもまあいいか」といったレベルの試合でした。注目されたジョコヴィッチvsべルダスコでは、べルダスコは一発勝負的なところが魅力ですが、それが足を引っ張って第3セット目を落とし、試合内容はそれほど充実したものではありませんでした。
しかし、マレーvsダヴィデンコ戦は、決勝戦にしてもおかしくないハイレベルの試合で、今までのモンテカルロの試合の中ではベストだっと思います。
別にダヴィデンコのファンではないのですが、彼から一時も目がはなせず、久しぶりに声を上げてダヴィデンコを応援してしまいました。彼は風采がもうひとつで、スター性はありませんが、玄人受けのするショットの達人。特にあの小柄な体型から打ち放されるバックハンドのクロスは、スナイパーのように正確にサイドラインを直撃します。アグレッシヴなテニス展開に、もっと彼のスナイパーショットを見たいと、久しぶりに燃えた観戦となりました。
ダヴィはラインぎりぎりのウィナーを狙いますので、当然ウィナーも多いかわりに、エラーも多くなります。
ウィナーの数:ダヴィ(28) マレー(9)
エラー(unforced errors)の数: ダヴィ(58) マレー(27)
58もエラーをダヴィはおかしましたが、ほとんどがウィナーに近い惜しいショットでした。何もあそこまでして狙わなくてもと思うのですが、どんなショットを打っても、マレーに取られリターンされてしまう状況では、リスクを負ったショットをしなければポイントがとれない、ということでしょうか。
第1セットはお互いいつブレークされてもおかしくない競り合ったスコアで、ラリーの応酬です。ダヴィはベースラインから下がらず、オンザライズで打っていますので、観ていてテンポが速くスカッとします。ネットダッシュもさかんに行い28回のうち23回ポイントをとったそうです。(ちょっとこの数は多すぎるような気もしますが)いずれにしても、これだけネットダッシュして成功率が多いのは、まずマレーの球を浮かせるショット力があること。そしてヴォレーの素晴らしさです。
フェデラーファンに叱られますが、フェデラーがネットプレーをふやして得点をあげるには、このウィナーを打てるショットとヴォレーのレベルアップが必要だと痛感しました。ヴァヴリンカとの試合では、肝心のフェデラーのフォアのクロスが決まらず、ネットダッシュ以前の問題でつまずいています。モンテカルロには、結婚式もあって、ほとんど準備ができていないので仕方がなかったと思いますが、彼のショットメイキングに対するシャープな感覚を取り戻すには、一にもプラクティス、ニにもプラクティスだと思うのです。怪しくなっている彼のマッスルメモリーをリセットして、精度の高いショットを目指すにはターゲットプラクティスしかない!(クウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったシモンは、ストロークのトレーニングを徹底的にやりなおすそうです。)多分誇り高いフェデラーは、何を今さら、という気持ちからそんな基本的なことはやらないでしょうが。でも何事も迷えば「基本に戻れ」といいますよね。これは言い得ているとおもうのですが。
さて、マレーvsダヴィデンコ戦に戻りますが、マレーの勝因は、しぶとくディフェンスをやりながらチャンスを見逃さず、しっかりとポイントを決めるメンタルだと思いました。逆にダヴィは肝心なところがもろかった。
第1セットの7ゲーム目(3-3)など、ダヴィは4回もブレークチャンスを逃しましたし、タイブレークでも、固くなってミスが突然増え出して1ポイントしかとれず、あっさり負けてしまいました。
マレーの見事なのは、うまくサーヴィスウィナーを肝心なブレークポイントでとって、何度も窮地を免れている点です。これはまさにメンタルパワー。彼の1stサーヴは51%と、ダヴィの79%に比べて相当低いのにもかかわらず、ストレート勝ちをおさめています。彼はポイントの取り方がうまい。やっぱり勝負師ですね。派手さはありませんが、いつの間にか勝っていた!というパターンです。
今日のダヴィデンコは神がかったようなプレーをいろいろみせてくれました。あの小柄な体型であのような見事なショットを打つダヴィのテニスを、日本人選手はもっと研究してほしいですね。今日のテニスは、小型選手はパワーで負けてしまいますので、アグレッシヴにオンザライズでショットを決めていかなければ、デルポトロのような大男につぶされてしまいます。でもこのオンザライズは子供のときから始めないと習得するのがむずかしいといわれています。3歳から始めたアガシがよい例ですが、日本のテニススクールも子供たちにぜひトレーニングをお願いしたいですね。そしてダヴィデンコが引退すれば、日本テニス協会の名誉コーチとして招聘して、彼から秘伝を授かるというのはいかがでしょう? (我ながらグッドアイデアだと思っているのですが)
準々決勝の結果は:
ナダル d リュービチッチ 6-3, 6-3
ジョコヴィッチ d べルダスコ 6-2, 4-6, 6-3
ヴァヴリンカ d ベック 6-2, 6-4
マレー d ダヴィデンコ 7-6(1), 6-4
ナダル、ジョコヴィッチ、ヴァヴリンカ、マレーは予想通りに勝ち進みましたが、はっきりいって、マレーを除く3試合は「見逃してもまあいいか」といったレベルの試合でした。注目されたジョコヴィッチvsべルダスコでは、べルダスコは一発勝負的なところが魅力ですが、それが足を引っ張って第3セット目を落とし、試合内容はそれほど充実したものではありませんでした。
しかし、マレーvsダヴィデンコ戦は、決勝戦にしてもおかしくないハイレベルの試合で、今までのモンテカルロの試合の中ではベストだっと思います。
別にダヴィデンコのファンではないのですが、彼から一時も目がはなせず、久しぶりに声を上げてダヴィデンコを応援してしまいました。彼は風采がもうひとつで、スター性はありませんが、玄人受けのするショットの達人。特にあの小柄な体型から打ち放されるバックハンドのクロスは、スナイパーのように正確にサイドラインを直撃します。アグレッシヴなテニス展開に、もっと彼のスナイパーショットを見たいと、久しぶりに燃えた観戦となりました。
ダヴィはラインぎりぎりのウィナーを狙いますので、当然ウィナーも多いかわりに、エラーも多くなります。
ウィナーの数:ダヴィ(28) マレー(9)
エラー(unforced errors)の数: ダヴィ(58) マレー(27)
58もエラーをダヴィはおかしましたが、ほとんどがウィナーに近い惜しいショットでした。何もあそこまでして狙わなくてもと思うのですが、どんなショットを打っても、マレーに取られリターンされてしまう状況では、リスクを負ったショットをしなければポイントがとれない、ということでしょうか。
第1セットはお互いいつブレークされてもおかしくない競り合ったスコアで、ラリーの応酬です。ダヴィはベースラインから下がらず、オンザライズで打っていますので、観ていてテンポが速くスカッとします。ネットダッシュもさかんに行い28回のうち23回ポイントをとったそうです。(ちょっとこの数は多すぎるような気もしますが)いずれにしても、これだけネットダッシュして成功率が多いのは、まずマレーの球を浮かせるショット力があること。そしてヴォレーの素晴らしさです。
フェデラーファンに叱られますが、フェデラーがネットプレーをふやして得点をあげるには、このウィナーを打てるショットとヴォレーのレベルアップが必要だと痛感しました。ヴァヴリンカとの試合では、肝心のフェデラーのフォアのクロスが決まらず、ネットダッシュ以前の問題でつまずいています。モンテカルロには、結婚式もあって、ほとんど準備ができていないので仕方がなかったと思いますが、彼のショットメイキングに対するシャープな感覚を取り戻すには、一にもプラクティス、ニにもプラクティスだと思うのです。怪しくなっている彼のマッスルメモリーをリセットして、精度の高いショットを目指すにはターゲットプラクティスしかない!(クウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったシモンは、ストロークのトレーニングを徹底的にやりなおすそうです。)多分誇り高いフェデラーは、何を今さら、という気持ちからそんな基本的なことはやらないでしょうが。でも何事も迷えば「基本に戻れ」といいますよね。これは言い得ているとおもうのですが。
さて、マレーvsダヴィデンコ戦に戻りますが、マレーの勝因は、しぶとくディフェンスをやりながらチャンスを見逃さず、しっかりとポイントを決めるメンタルだと思いました。逆にダヴィは肝心なところがもろかった。
第1セットの7ゲーム目(3-3)など、ダヴィは4回もブレークチャンスを逃しましたし、タイブレークでも、固くなってミスが突然増え出して1ポイントしかとれず、あっさり負けてしまいました。
マレーの見事なのは、うまくサーヴィスウィナーを肝心なブレークポイントでとって、何度も窮地を免れている点です。これはまさにメンタルパワー。彼の1stサーヴは51%と、ダヴィの79%に比べて相当低いのにもかかわらず、ストレート勝ちをおさめています。彼はポイントの取り方がうまい。やっぱり勝負師ですね。派手さはありませんが、いつの間にか勝っていた!というパターンです。
今日のダヴィデンコは神がかったようなプレーをいろいろみせてくれました。あの小柄な体型であのような見事なショットを打つダヴィのテニスを、日本人選手はもっと研究してほしいですね。今日のテニスは、小型選手はパワーで負けてしまいますので、アグレッシヴにオンザライズでショットを決めていかなければ、デルポトロのような大男につぶされてしまいます。でもこのオンザライズは子供のときから始めないと習得するのがむずかしいといわれています。3歳から始めたアガシがよい例ですが、日本のテニススクールも子供たちにぜひトレーニングをお願いしたいですね。そしてダヴィデンコが引退すれば、日本テニス協会の名誉コーチとして招聘して、彼から秘伝を授かるというのはいかがでしょう? (我ながらグッドアイデアだと思っているのですが)
2009年04月17日
ナダルのプレースタイルに変化?
今日4月16日木曜日。残念ながらモンテカルロは雨が降り、ナダルとマレーの試合が途中で中止となり、明日引き続き行われることになりました。しかしショッキングなことが起こりました。
フェデラーがヴァヴリンカに敗北したのです!スイスの新聞はフェデラーの敗北を痛むよりも、新しいホープ、ヴァヴリンカの誕生をうたっています。「弟子が師匠を超す」いつかはやってくる世代交替。それにしても早すぎる交替です。さぞかしフェデラーはショックだったと思います。(フェデラーファンはもちろんのこと)
最近フェデラーの記事が続いていますので、今日はナダルの2回戦の模様を書いてみたいと思います。今日、頭を冷やして後日フェデラーのこの敗北の意味するところを書いてみたいと思います。
Nadal def Chela: 6-2, 6-3
ナダルは初めて膝のテープを貼らずに登場しました。プラクティスでもいつもあの白いテープを膝の下に巻いていましたので、何もつけない足はちょっと不思議な感じです。(へえー、こういう足の形をしていたんだ。)
トップシードの選手は1回戦がByeとなりますので、2回戦が初戦となります。彼らは初戦は油断できないとよく言います。それは対戦相手はすでに第1回戦を経験し、サーフェスに慣れリズムもつかんできているからです。シモンがクウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったのは、シモンがモンテカルロのクレーに慣れるのに時間がかかり過ぎ、最後までリズムがつかめず、勝ち急ぎの試合をしてしまったところにあります。
ナダルも第1ゲームは、エッ!? これがクレーの王者?と思わせるちぐはぐなテニスでした。エラーも多くブレークポイントを迎えてしまったり、デュースを3回も重ねてしまったりしながらの危ないゲーム展開でしたが、ドロップショットが見事に決まってやっとサーヴィスゲームをホールドしました。
しかし対戦相手のチェラのがんばりもここまででした。第2ゲームのチェラはサーヴィスゲームをホールドしなければというプレッシャーもあり、ミスが続きます。そしてダブルフォルトをしてナダルにブレークされてしまいました。2-0とリードしたナダルに気持ちの上で余裕が出てきたのでしょう。第3ゲームはナダルは40-0と圧倒的に強く、ネットダッシュして、ほれぼれとするアングルヴォレーを見せてくれました。ヴォレーが実にうまくなりました。
ナダルはアグレッシヴに攻撃を続けてチェラを2度ブレークして、スコアは4-0とリード。ここでナダルに心の隙ができたのでしょうか。彼のミスとチェラのパッシングショットのウィナーなどで、あっという間に0-40とナダルがブレークされてしまいました。しかしすぐフォーカスを取り戻し、最後の8ゲーム目ではチェラをブレークして6-2で第1セットは楽勝となりました。
第2セットはいつものパターン。対戦相手はいろんな手を尽くしますがどれも成功せず。普段ならウィナーとなるチェラもフラットなフォアのミサイル球もナダルの足で追いつかれて、メンタルもフィジカルも疲労困憊していきます。
しかし第2セットでも不思議なことがナダルに再び起こりました。フォーカスが途切れるのです。簡単なオーヴァーヘッドをミスしてしまってから、エラーが増え第5ゲームでブレークされてしまいます。しかしナダルのすごいところは集中力の回復の早さです。すぐまたブレークしなおして第2セットは6-2で勝ち取りました。
この試合でナダルはいろんなことをトライしたように思います。
まず「ショットのchange direction」です。ジョコヴィッチのように連続して両サイドのサイドラインぎりぎりに打ち分けらるようになりました。サーヴィスゲームではゲームをホールドするために慎重にラリーを続け、確実にポイントを確保していきますが、リターンゲームではミスを恐れず、 ショットのchange direction を試み、アグレッシヴにアタックしました。
ショットの精度がまし、ウィナーに近いショットをコンスタントに打てるようになったので、浮いてきた球をネットダプレーで処理できる機会が増えてきました。この試合でも、12回のネットダッシュのうち10回ネットでポイントを獲得しています。ダブルスの効果か、ネットプレーが自然になってきました。クレーでもネットダッシュを重ねていけば、芝やハードでも自然にネットプレーができるようになり、all-round playerとなる日も近いかもしれません。
ナダルは昔のようにただ単にバックハンド側を攻めるというような単純な作戦はなく、いろんなレイヤーが加わり、彼のテニスが面白くなってきました。ウィナーを打つためのゲームの組み立ての種類も増えてきました。
ただ欲を言えば、1stサーヴのプレースメントが向上すればよいのですが。ワイドはよいのですが、センター狙いが甘いのでリターンされてしまいます。また2ndサーヴが短かすぎて、リターンウィナーをとられてしまいます。
さて、明日は32歳のエクァドール人のラペンティです。現在96位ですが過去には6位にもなったことがあるヴェテラン。この試合では奥行きが出てきたナダルのゲームの組み立てに留意して観戦してみたいと思います。
フェデラーがヴァヴリンカに敗北したのです!スイスの新聞はフェデラーの敗北を痛むよりも、新しいホープ、ヴァヴリンカの誕生をうたっています。「弟子が師匠を超す」いつかはやってくる世代交替。それにしても早すぎる交替です。さぞかしフェデラーはショックだったと思います。(フェデラーファンはもちろんのこと)
最近フェデラーの記事が続いていますので、今日はナダルの2回戦の模様を書いてみたいと思います。今日、頭を冷やして後日フェデラーのこの敗北の意味するところを書いてみたいと思います。
Nadal def Chela: 6-2, 6-3
ナダルは初めて膝のテープを貼らずに登場しました。プラクティスでもいつもあの白いテープを膝の下に巻いていましたので、何もつけない足はちょっと不思議な感じです。(へえー、こういう足の形をしていたんだ。)
トップシードの選手は1回戦がByeとなりますので、2回戦が初戦となります。彼らは初戦は油断できないとよく言います。それは対戦相手はすでに第1回戦を経験し、サーフェスに慣れリズムもつかんできているからです。シモンがクウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったのは、シモンがモンテカルロのクレーに慣れるのに時間がかかり過ぎ、最後までリズムがつかめず、勝ち急ぎの試合をしてしまったところにあります。
ナダルも第1ゲームは、エッ!? これがクレーの王者?と思わせるちぐはぐなテニスでした。エラーも多くブレークポイントを迎えてしまったり、デュースを3回も重ねてしまったりしながらの危ないゲーム展開でしたが、ドロップショットが見事に決まってやっとサーヴィスゲームをホールドしました。
しかし対戦相手のチェラのがんばりもここまででした。第2ゲームのチェラはサーヴィスゲームをホールドしなければというプレッシャーもあり、ミスが続きます。そしてダブルフォルトをしてナダルにブレークされてしまいました。2-0とリードしたナダルに気持ちの上で余裕が出てきたのでしょう。第3ゲームはナダルは40-0と圧倒的に強く、ネットダッシュして、ほれぼれとするアングルヴォレーを見せてくれました。ヴォレーが実にうまくなりました。
ナダルはアグレッシヴに攻撃を続けてチェラを2度ブレークして、スコアは4-0とリード。ここでナダルに心の隙ができたのでしょうか。彼のミスとチェラのパッシングショットのウィナーなどで、あっという間に0-40とナダルがブレークされてしまいました。しかしすぐフォーカスを取り戻し、最後の8ゲーム目ではチェラをブレークして6-2で第1セットは楽勝となりました。
第2セットはいつものパターン。対戦相手はいろんな手を尽くしますがどれも成功せず。普段ならウィナーとなるチェラもフラットなフォアのミサイル球もナダルの足で追いつかれて、メンタルもフィジカルも疲労困憊していきます。
しかし第2セットでも不思議なことがナダルに再び起こりました。フォーカスが途切れるのです。簡単なオーヴァーヘッドをミスしてしまってから、エラーが増え第5ゲームでブレークされてしまいます。しかしナダルのすごいところは集中力の回復の早さです。すぐまたブレークしなおして第2セットは6-2で勝ち取りました。
この試合でナダルはいろんなことをトライしたように思います。
まず「ショットのchange direction」です。ジョコヴィッチのように連続して両サイドのサイドラインぎりぎりに打ち分けらるようになりました。サーヴィスゲームではゲームをホールドするために慎重にラリーを続け、確実にポイントを確保していきますが、リターンゲームではミスを恐れず、 ショットのchange direction を試み、アグレッシヴにアタックしました。
ショットの精度がまし、ウィナーに近いショットをコンスタントに打てるようになったので、浮いてきた球をネットダプレーで処理できる機会が増えてきました。この試合でも、12回のネットダッシュのうち10回ネットでポイントを獲得しています。ダブルスの効果か、ネットプレーが自然になってきました。クレーでもネットダッシュを重ねていけば、芝やハードでも自然にネットプレーができるようになり、all-round playerとなる日も近いかもしれません。
ナダルは昔のようにただ単にバックハンド側を攻めるというような単純な作戦はなく、いろんなレイヤーが加わり、彼のテニスが面白くなってきました。ウィナーを打つためのゲームの組み立ての種類も増えてきました。
ただ欲を言えば、1stサーヴのプレースメントが向上すればよいのですが。ワイドはよいのですが、センター狙いが甘いのでリターンされてしまいます。また2ndサーヴが短かすぎて、リターンウィナーをとられてしまいます。
さて、明日は32歳のエクァドール人のラペンティです。現在96位ですが過去には6位にもなったことがあるヴェテラン。この試合では奥行きが出てきたナダルのゲームの組み立てに留意して観戦してみたいと思います。
2009年04月15日
またもやフェデラーの涙
フェデラーはやっぱり私の描いていた通りの男性でした。彼は結婚式で感激のために泣いたのだそうです。彼自身が言っているのですから、間違いありません。何と感受性の強い感性豊かな男性なのでしょう。以前「喜びで泣くのはよいけれど、負けて泣いてくれるな」なんてきつい記事を書きましたが、結婚式で感激して泣いてくれる男性って、ミルカは幸せな女性です。
今日、APの記者にフェデラーは土曜日の結婚式について述べています。
http://slam.canoe.ca/Slam/Tennis/ATP/2009/04/14/9110491-ap.html
「涙が少しあっちやこっちに流れたよ。結婚式はとてもよかった。」
「胸が一杯になってしまってね。ミルカは僕のことをとても愛してくれているし、僕も彼女をとても愛してる。それを確認することはすばらしいことだった。お天気もパーフェクトだったし。」
ロジャーはそしてこのように答えたのです。
「結婚の瞬間はとてもスペシャルな瞬間だった。本当はもっとリラックスしたものだと思っていたんだ。僕たちは長い間一緒にいたからね。でもそれは違っていた。結婚するってことは、人生や意識を決定的に変えてしまうものなんだね。」
ワイフを持つってことは、こんなにも違った気持ちになるものなんだ、と彼は驚いたと言っています。
そうなのです!私たちも長い春組でしたので、ロジャーの気持ちが痛いほどよく理解できます。でもハイライトは何といっても赤ちゃんの誕生です。出産に付き合った夫は、産まれてきた息子を抱きながらポロポロと大粒の涙を流しました。ロジャーだったら声をふるわして大声で泣くような気がします。想像しただけで胸がキュン、目頭が熱くなってきます。
女の子の名前は決めているようですが、男の子の名前はまだなのだそうです。
「大きなタイトルがとれればいいなと思う。今の僕のフォーカスはタイトル獲得なのだから。」
そうですね。私たちも夫となり、パパとなっていく人間ロジャーを応援するとともに、14個目のGSタイトルを目指すアスリート・ロジャーを応援し続けたいと思います。
Hop Roger! Hop Mirka!
今日、APの記者にフェデラーは土曜日の結婚式について述べています。
http://slam.canoe.ca/Slam/Tennis/ATP/2009/04/14/9110491-ap.html
「涙が少しあっちやこっちに流れたよ。結婚式はとてもよかった。」
「胸が一杯になってしまってね。ミルカは僕のことをとても愛してくれているし、僕も彼女をとても愛してる。それを確認することはすばらしいことだった。お天気もパーフェクトだったし。」
ロジャーはそしてこのように答えたのです。
「結婚の瞬間はとてもスペシャルな瞬間だった。本当はもっとリラックスしたものだと思っていたんだ。僕たちは長い間一緒にいたからね。でもそれは違っていた。結婚するってことは、人生や意識を決定的に変えてしまうものなんだね。」
ワイフを持つってことは、こんなにも違った気持ちになるものなんだ、と彼は驚いたと言っています。
そうなのです!私たちも長い春組でしたので、ロジャーの気持ちが痛いほどよく理解できます。でもハイライトは何といっても赤ちゃんの誕生です。出産に付き合った夫は、産まれてきた息子を抱きながらポロポロと大粒の涙を流しました。ロジャーだったら声をふるわして大声で泣くような気がします。想像しただけで胸がキュン、目頭が熱くなってきます。
女の子の名前は決めているようですが、男の子の名前はまだなのだそうです。
「大きなタイトルがとれればいいなと思う。今の僕のフォーカスはタイトル獲得なのだから。」
そうですね。私たちも夫となり、パパとなっていく人間ロジャーを応援するとともに、14個目のGSタイトルを目指すアスリート・ロジャーを応援し続けたいと思います。
Hop Roger! Hop Mirka!
2009年04月13日
クレーで勝つには?
マイアミ大会が終わった翌週からクレーシーズンがすでに始まっています。そしてクレーの最後の大会はフレンチオープンです。日本にはイエロークレーがめずらしく、どういうサーフェスだか分からない点も多いと思います。私は近くにクレーコートがありますので、ときどきダブルスをやることがありますが、普段ハードに慣れている者にとっては、ボールのバウンスの仕方やスピードが違って戸惑うことがばしばしばです。
昨日、イギリスのThe Independence紙にエミリオ・サンチェスのインターヴューが掲載されていました。
http://www.independent.co.uk/sport/tennis/no-surface-tension-as-murray-looks-to-shed-his-feet-of-clay-1667477.html
スペインをクレーテニス王国にならしめた貢献者の一人でもあるサンチェスが、「クレーテニスとは?」について説明してくれていますので、ここで要約して紹介したいと思います。
昨年スペインにデイヴィスカップ優勝をもたらしたキャプテン。有名なテニスアカデミー、サンチェス-カサール・アカデミーの設立者。オリンピック銀メダリスト。グランドスラムの4ダブルスタイトルの保持者。などなどエミリオ・サンチェスのプロフィールは限りないですが、ではなぜイギリス紙がサンチェスにインターヴューを? それはマレーです。今年のマレーの活躍は目を見張るものがあり、全イギリスの期待がマレーに集まっています。しかしマレーのクレーの過去の成績が1-2回戦とまりでパッとしません。サンチェスのアカデミーでトレーニングを受けたマレーについて、今後の彼のクレーの可能性について答えてくれる最適任者がこのサンチェスだからです。
「ハードコートと同じようにプレーしていてはクレーでは勝てません。クレーでは、メンタルでもフィジカルでももっとタフでないと勝てないのです。」
「ハードコートでは球はバウンス後自分の方向に向かってきます。そして8割くらいは、後ろ足で打っています。しかしクレーでは球がストップするため、自分の方から球に向かっていかなければならない。このアジャストメントがむずかしいのです。クレーで育った選手にとってもハードからクレーのトランジションはむずかしい。ナダルですら昨年のデ杯で苦労していましたから。」
「芝やハードコートでは、サーヴがよければ、ベースラインからであろうと、ネットからであろうと早く勝負を決めることができます。しかしクレーではスローですので、サーヴィスリターンされてしまうのです。」
「クレーではハードよりも大変なのは、相手が球に追いつく時間があるためなかなかポイントがきめられないことです。そのためにより正確なショットを打たなくてはならないのです。」
「クレーはメンタル(集中力)が6割、勝つことへの情熱が2割、フィジカルが2割。勝つには苦しみを乗り越えるメンタル力が必要です。」
過去のマレーのクレーの不成績は、怪我が大きな原因でもありましたが、今年のマレーのクレーの活躍は期待できるのか?という質問に対して:
「マレーはクレーで成功する大切な条件、フットワークとコートリカヴァリーを備えています。彼の球のリカヴァーの仕方、コートカヴァレージをみていると、クレーコートプレーヤーとしてトッププレーヤーに十分挑戦していけると思います。彼のベストはハードですが、すべてのサーフェスができるall-round playerだと思います。」
「ハードの得意な選手でクレーで好成績を示したのは、エドバーグとラフターです。彼らはアグレッシヴなプレーヤーですが、同時に正確な技術をもったプレーヤーです。ネットダッシュする彼らをパスできないのは、彼らがまさにcorrect playerでもあるからです。」
「マレーが見習う選手としてはヘンマンがよい例でしょう。彼は速いコートのスペシャリストですが、クレーでもフレンチでセミファイナルまでいった選手です。クレーだからといって自分のプレースタイルを変えず、サーヴ&ヴォレーでよい成績をあげたのは、彼がそのプレースタイルに精通し最も得意とするスタイルだったからです。」
つまりクレーの勝利のレシピは、「強いメンタル」「強靭なフィジカル」「より正確な技術」「勝つことへの執念」「アグレッシヴで自分のテニスを全うする」・・・これって正にナダル。彼がクレーに強いはずですね。
昨日、イギリスのThe Independence紙にエミリオ・サンチェスのインターヴューが掲載されていました。
http://www.independent.co.uk/sport/tennis/no-surface-tension-as-murray-looks-to-shed-his-feet-of-clay-1667477.html
スペインをクレーテニス王国にならしめた貢献者の一人でもあるサンチェスが、「クレーテニスとは?」について説明してくれていますので、ここで要約して紹介したいと思います。
昨年スペインにデイヴィスカップ優勝をもたらしたキャプテン。有名なテニスアカデミー、サンチェス-カサール・アカデミーの設立者。オリンピック銀メダリスト。グランドスラムの4ダブルスタイトルの保持者。などなどエミリオ・サンチェスのプロフィールは限りないですが、ではなぜイギリス紙がサンチェスにインターヴューを? それはマレーです。今年のマレーの活躍は目を見張るものがあり、全イギリスの期待がマレーに集まっています。しかしマレーのクレーの過去の成績が1-2回戦とまりでパッとしません。サンチェスのアカデミーでトレーニングを受けたマレーについて、今後の彼のクレーの可能性について答えてくれる最適任者がこのサンチェスだからです。
「ハードコートと同じようにプレーしていてはクレーでは勝てません。クレーでは、メンタルでもフィジカルでももっとタフでないと勝てないのです。」
「ハードコートでは球はバウンス後自分の方向に向かってきます。そして8割くらいは、後ろ足で打っています。しかしクレーでは球がストップするため、自分の方から球に向かっていかなければならない。このアジャストメントがむずかしいのです。クレーで育った選手にとってもハードからクレーのトランジションはむずかしい。ナダルですら昨年のデ杯で苦労していましたから。」
「芝やハードコートでは、サーヴがよければ、ベースラインからであろうと、ネットからであろうと早く勝負を決めることができます。しかしクレーではスローですので、サーヴィスリターンされてしまうのです。」
「クレーではハードよりも大変なのは、相手が球に追いつく時間があるためなかなかポイントがきめられないことです。そのためにより正確なショットを打たなくてはならないのです。」
「クレーはメンタル(集中力)が6割、勝つことへの情熱が2割、フィジカルが2割。勝つには苦しみを乗り越えるメンタル力が必要です。」
過去のマレーのクレーの不成績は、怪我が大きな原因でもありましたが、今年のマレーのクレーの活躍は期待できるのか?という質問に対して:
「マレーはクレーで成功する大切な条件、フットワークとコートリカヴァリーを備えています。彼の球のリカヴァーの仕方、コートカヴァレージをみていると、クレーコートプレーヤーとしてトッププレーヤーに十分挑戦していけると思います。彼のベストはハードですが、すべてのサーフェスができるall-round playerだと思います。」
「ハードの得意な選手でクレーで好成績を示したのは、エドバーグとラフターです。彼らはアグレッシヴなプレーヤーですが、同時に正確な技術をもったプレーヤーです。ネットダッシュする彼らをパスできないのは、彼らがまさにcorrect playerでもあるからです。」
「マレーが見習う選手としてはヘンマンがよい例でしょう。彼は速いコートのスペシャリストですが、クレーでもフレンチでセミファイナルまでいった選手です。クレーだからといって自分のプレースタイルを変えず、サーヴ&ヴォレーでよい成績をあげたのは、彼がそのプレースタイルに精通し最も得意とするスタイルだったからです。」
つまりクレーの勝利のレシピは、「強いメンタル」「強靭なフィジカル」「より正確な技術」「勝つことへの執念」「アグレッシヴで自分のテニスを全うする」・・・これって正にナダル。彼がクレーに強いはずですね。
2009年04月13日
フェデラーのファンタジーキッド
フェデラーの結婚の嬉しいニュースの興奮がまださめやらず、膝にラップトップを置いて空想の世界で遊んでいます。
「フェデラーの赤ちゃんはどんな子供に?」
ミルカもプロテニス選手でしたので、テニスの才能は並みならぬものがあるはず。さあこれから空想の世界で遊びましょうか。
フェデラーの赤ちゃんです。
フェデラーの子供が3歳になりました。彼の一日は、デントのレッスンを受けたあと、アガシ夫妻の子供たちとプレーデートです。
子供が6歳になるとニックにお願いして、ボレテリのテニスアカデミーで特訓を受けることになりました。
もしフェデラーの子供が女の子だったら?
アナ・クルニコヴァみたなヘアスタイルで一斉を風靡する美女プレーヤーになるかもしれません。
このように私のファンタジーの世界は果てしなく広がっていくのです。
ロジャー&ミルカの結婚を祝して、ラヴラヴ・ボーナスサーヴィスです♪
テニスプレーヤーの妻とガールフレンドたち
「フェデラーの赤ちゃんはどんな子供に?」
ミルカもプロテニス選手でしたので、テニスの才能は並みならぬものがあるはず。さあこれから空想の世界で遊びましょうか。
フェデラーの赤ちゃんです。
フェデラーの子供が3歳になりました。彼の一日は、デントのレッスンを受けたあと、アガシ夫妻の子供たちとプレーデートです。
子供が6歳になるとニックにお願いして、ボレテリのテニスアカデミーで特訓を受けることになりました。
もしフェデラーの子供が女の子だったら?
アナ・クルニコヴァみたなヘアスタイルで一斉を風靡する美女プレーヤーになるかもしれません。
このように私のファンタジーの世界は果てしなく広がっていくのです。
ロジャー&ミルカの結婚を祝して、ラヴラヴ・ボーナスサーヴィスです♪
テニスプレーヤーの妻とガールフレンドたち
2009年04月12日
モンテカルロが始まりました
フェデラーの結婚の目出たいニュースで、やる気がでてきました。嬉しい話、楽しい話はすべてモチベーションつながります。暗いニュースが氾濫する世の中、私も出来るだけ楽しい話題を見つけておしゃべりを続けていきたいと思います。
さて今日から観客席から海が見える、あの美しいモンテカルロ大会が始まりました。明日4月13日からはtennistv.comでライヴが観戦できます。
インディアンウェルズやマイアミのマスターズではドローはGS並みの128選手でしたが、モンテカルロはその半分の64選手からスタートです。こうなると厳しいのはランキング50番以降の選手たちです。
予選で7名、WCで4名、トップ8シードの選手にそれぞれByeのわくが与えられますので、実際に本戦にストレートエントリーができるのは、64選手19選手=45選手となります。従って3月9日付けのランキングで上位45位までに入っていれば問題なしに本戦入りができます。モンテカルロはトップ30選手の出場義務がありませんので全員出場しているわけではなく、今年は結果的には54位(3月9日付け)のバサロ・アグエロまで本戦入りとなっています。しかしこれはあくまでも3月9日付けのランキングが対象で、今週のランキングではないので不思議なことが起こってきます。
アンラッキーなのはニーミネン。今年はシドニー大会で決勝まですすんだフィンランド選手ですが、現在49位のランキングなら本戦入りできたのに、3月9日では57位でしたので予選からの挑戦となります。
ラッキーなのは、腕中入れ墨のセルビアのティプサレヴィッチ。 現在は56位に下がってしまっていて、本来なら本戦入りできないランキングですが、 当時は46位でしたのでセーフです。
現在のトップ30で欠場しているのは、ロディック、ツォンガ、ゴンザレス、ブレイク、ツルスノフ、フィッシュがおりますが、これでおわかりのように、問題はアメリカ勢です。全員が欠場です。いかにアメリカ人がクレーが苦手といえど、誰一人としてモンテカルロには出場しないのです。しかもアメリカから予選にも出る選手がいない。アメリカのコートはほとんどがハードコートですのでクレーの大会は少ない。このような現状では、とてもアメリカからはスーパスターが期待できず、アメリカにとっては深刻な問題となっています。
さて本題のモンテカルロ大会、Monte-Carlo Rolex Mastersですが、まずトップ4の予想を行ってみたいと思います。(これはあくまでもtennisnakamaの予想です)
Nadal
(どうしてナダルとカタカナで書かない?これはテニス365では自動的にナダルの選手名鑑にリンクされてしまい大文字にすることができないので、苦肉の策です。ですから大文字や色文字などにしたいときは、アルファベットを使用するときがあります。)
ナダルはタフなドローでQFでデルポトロと対戦します。二人の対戦成績はナダルの4勝1敗ですが、先週のマイアミでデルポに 6-4, 3-6, 7-6(3)で負けています。いくらハードコートだったとはゆえ、「負けた」という意識がナダルにはありますので黄色の危険信号が点滅です。
デルポトロは前回のマイアミの準決勝でマレーと対戦したときに、第1セットは1-6で落としています。第2セットで取り返しましたが、「トッププレーヤーに勝てない選手」というイメージが強いので、ナダルを破ったとはいえ必要以上に緊張してしまうところがあります。今回はナダルは猛然と巻き返しにかかってくるでしょうから、威圧されてしまう可能性が大です。
Federer
フェデラーにクレーは苦手というようなイメージがあるのは間違い。彼が言っているように「問題はクレーではなくナダル」なのです。彼の得意なハードのシーズンが終わってよかった、と言わしめるほど実力を出し切れなかったフェデラーは、クレーシーズンを「新しいチャプターの始まりで楽しみにしている」と言っています。結婚もしたことですし、心機一転でがんばってほしいですね。それにしても結婚式後すぐモンテカルロへ飛ぶMr. &Mrs. Federerはゆっくりと新婚気分も味わえなくてかわいそうですが。
フェデラーのQFの予想相手はシモンです。しかしシモンのクレーは昨年はカサブランカで優勝しているものの、モンテカルロでは1回戦で敗退と、今のところは未知数。シモンは昨年に比べて、武器であるフォアのウィナーに乱れが出てきており、サーヴもまあまあの出来。守りから突然攻撃に変化するシモンのカムバックがみれますかどうか。
Djokovic
QFの予想相手、べルダスコとは2勝2敗です。しかもハードコート1勝クレー1勝で互角の記録です。ジョコヴィッチもべルダスコもクレーは苦手ではありません。過去のクレーの成績はジョコは53勝22敗。ベルダスコは81勝54敗。べルダスコはスペイン出身ですから、クレーはホームグランドのように慣れているはず。スローなだけに、ウィナーが取りにくく走りまわるスタミナ戦争になればべルダスコが有利とみます。ラスベガスでたっぷりトレーニングを積んだ効果がどこまで発揮できるますか楽しみです。
最近のジョコは疲れ気味でコンディショニングが足らない感じがします。そのためか勝ち急いでエラーも増えています。家族が運営するセルビア・オープンが5月に始まるのも、集中できない要因かもしれません。モンテカルロでマレーとの順位が逆転する可能性もあり、ジョコとしては是が非でも決勝まではもっていきたいところでしょう。
Murray
マレーはイージードローですが、予想をつけるのがむずかしいドローでもあります。ダヴィデンコ(怪我の長いブランクあり)もしくは、ナルバンディアン(昨年のクレーの記録がよくない)のどちらかと、QFで対戦することになりますが、どちらに転んでもマレーのクレーが未知数だけに、このグループは誰が勝ち進むのかわからず要マークです。マレーは「僕はスペインのクレーでトレーニングしているのだからクレーは得意」と言う割には、今までの成績がパッとせず、ランキングではクレーが足を引っ張ってきました。しかし抜群のフィットネスを誇るニューマレーは、今年どんなクレーの試合をみせてくれるか? Watch out!
さて今日から観客席から海が見える、あの美しいモンテカルロ大会が始まりました。明日4月13日からはtennistv.comでライヴが観戦できます。
インディアンウェルズやマイアミのマスターズではドローはGS並みの128選手でしたが、モンテカルロはその半分の64選手からスタートです。こうなると厳しいのはランキング50番以降の選手たちです。
予選で7名、WCで4名、トップ8シードの選手にそれぞれByeのわくが与えられますので、実際に本戦にストレートエントリーができるのは、64選手19選手=45選手となります。従って3月9日付けのランキングで上位45位までに入っていれば問題なしに本戦入りができます。モンテカルロはトップ30選手の出場義務がありませんので全員出場しているわけではなく、今年は結果的には54位(3月9日付け)のバサロ・アグエロまで本戦入りとなっています。しかしこれはあくまでも3月9日付けのランキングが対象で、今週のランキングではないので不思議なことが起こってきます。
アンラッキーなのはニーミネン。今年はシドニー大会で決勝まですすんだフィンランド選手ですが、現在49位のランキングなら本戦入りできたのに、3月9日では57位でしたので予選からの挑戦となります。
ラッキーなのは、腕中入れ墨のセルビアのティプサレヴィッチ。 現在は56位に下がってしまっていて、本来なら本戦入りできないランキングですが、 当時は46位でしたのでセーフです。
現在のトップ30で欠場しているのは、ロディック、ツォンガ、ゴンザレス、ブレイク、ツルスノフ、フィッシュがおりますが、これでおわかりのように、問題はアメリカ勢です。全員が欠場です。いかにアメリカ人がクレーが苦手といえど、誰一人としてモンテカルロには出場しないのです。しかもアメリカから予選にも出る選手がいない。アメリカのコートはほとんどがハードコートですのでクレーの大会は少ない。このような現状では、とてもアメリカからはスーパスターが期待できず、アメリカにとっては深刻な問題となっています。
さて本題のモンテカルロ大会、Monte-Carlo Rolex Mastersですが、まずトップ4の予想を行ってみたいと思います。(これはあくまでもtennisnakamaの予想です)
Nadal
(どうしてナダルとカタカナで書かない?これはテニス365では自動的にナダルの選手名鑑にリンクされてしまい大文字にすることができないので、苦肉の策です。ですから大文字や色文字などにしたいときは、アルファベットを使用するときがあります。)
ナダルはタフなドローでQFでデルポトロと対戦します。二人の対戦成績はナダルの4勝1敗ですが、先週のマイアミでデルポに 6-4, 3-6, 7-6(3)で負けています。いくらハードコートだったとはゆえ、「負けた」という意識がナダルにはありますので黄色の危険信号が点滅です。
デルポトロは前回のマイアミの準決勝でマレーと対戦したときに、第1セットは1-6で落としています。第2セットで取り返しましたが、「トッププレーヤーに勝てない選手」というイメージが強いので、ナダルを破ったとはいえ必要以上に緊張してしまうところがあります。今回はナダルは猛然と巻き返しにかかってくるでしょうから、威圧されてしまう可能性が大です。
Federer
フェデラーにクレーは苦手というようなイメージがあるのは間違い。彼が言っているように「問題はクレーではなくナダル」なのです。彼の得意なハードのシーズンが終わってよかった、と言わしめるほど実力を出し切れなかったフェデラーは、クレーシーズンを「新しいチャプターの始まりで楽しみにしている」と言っています。結婚もしたことですし、心機一転でがんばってほしいですね。それにしても結婚式後すぐモンテカルロへ飛ぶMr. &Mrs. Federerはゆっくりと新婚気分も味わえなくてかわいそうですが。
フェデラーのQFの予想相手はシモンです。しかしシモンのクレーは昨年はカサブランカで優勝しているものの、モンテカルロでは1回戦で敗退と、今のところは未知数。シモンは昨年に比べて、武器であるフォアのウィナーに乱れが出てきており、サーヴもまあまあの出来。守りから突然攻撃に変化するシモンのカムバックがみれますかどうか。
Djokovic
QFの予想相手、べルダスコとは2勝2敗です。しかもハードコート1勝クレー1勝で互角の記録です。ジョコヴィッチもべルダスコもクレーは苦手ではありません。過去のクレーの成績はジョコは53勝22敗。ベルダスコは81勝54敗。べルダスコはスペイン出身ですから、クレーはホームグランドのように慣れているはず。スローなだけに、ウィナーが取りにくく走りまわるスタミナ戦争になればべルダスコが有利とみます。ラスベガスでたっぷりトレーニングを積んだ効果がどこまで発揮できるますか楽しみです。
最近のジョコは疲れ気味でコンディショニングが足らない感じがします。そのためか勝ち急いでエラーも増えています。家族が運営するセルビア・オープンが5月に始まるのも、集中できない要因かもしれません。モンテカルロでマレーとの順位が逆転する可能性もあり、ジョコとしては是が非でも決勝まではもっていきたいところでしょう。
Murray
マレーはイージードローですが、予想をつけるのがむずかしいドローでもあります。ダヴィデンコ(怪我の長いブランクあり)もしくは、ナルバンディアン(昨年のクレーの記録がよくない)のどちらかと、QFで対戦することになりますが、どちらに転んでもマレーのクレーが未知数だけに、このグループは誰が勝ち進むのかわからず要マークです。マレーは「僕はスペインのクレーでトレーニングしているのだからクレーは得意」と言う割には、今までの成績がパッとせず、ランキングではクレーが足を引っ張ってきました。しかし抜群のフィットネスを誇るニューマレーは、今年どんなクレーの試合をみせてくれるか? Watch out!
2009年04月12日
フェデラー結婚!
おめでとう! フェデラーとミルカが今日、4月11日に結婚しました! 故郷のバーゼルで家族と少数の友人に囲まれて式をあげたそうです。これで二人はMr. & Mrs. Federerです!
二人の結婚は早ければ早いほどベストと、前の記事でも書きましたが、本当に嬉しいです!! スイスの夫と二人で今晩はお祝いの乾杯をしています。これでフェデラーはすべてテニスに集中することができます。フレンチオープン優勝も夢ではありません。
私がなぜ今までしつこく二人の結婚にこだわってきかたか。それは結婚をするという行為が二人の関係に大きな影響をもたらすことを身をもって経験しているからです。私たちはフェデラーとミルカのような関係だったのです。(しかも私はミルカと同じように姉さん女房です)十年以上の長い春にピリオドをつけ結婚しようと決心したのは、子供がきっかけです。私に子供を育ててみたいという欲望がふつふつと湧いてきたのです。もし子供がいらなければ結婚していたかどうか。私は経済的に自立していましたし、ペーパーで二人の関係を束縛するのは気がすすみませんでした。しかし子供をつくるからにはきちんとしたファミリーの基盤をつくってやるのが親の責任だと思っていましたので、フェデラーたちのようにごく少数の友人たちに囲まれて結婚しました。
パーティーは自宅のロフトでジャズバンドを呼んで50人くらいのこじんまりしたパーティーでしたが、きさくで楽しい、そしてとてもニューヨークっぽいクールなパーティーでした。
十年以上もお互いにファーストネームで呼び合う間柄から、急にパーティでHe is my husband. She is my wife.と紹介するようになって、私たちの意識が変わってきたのです。ハズバンド、ワイフという言葉の重みを二人は噛み締めるようになりました。社会における責任、お互いに対する責任とコミットメント。それはお互いを束縛することではなく、無条件に愛していくことを決意するすばらしい意識の変化でした。
以下はフェデラーのメッセージです。(結婚の発表は彼の公式ウェブサイトでされました。)派手な結婚式をやらず、親しい人たちに温かく祝福された結婚はフェデラーらしく、とても好感がもてます。やっぱり思っていたフェデラーでした。
Dear Fans
Earlier today, in my hometown of Basel, surrounded by a small group of close friends and family, Mirka and I got married. It was a beautiful spring day and an incredibly joyous occasion.
Mr. and Mrs. Roger Federer wish all of you a Happy Easter weekend.
Love,
Roger
フェデラーの公式サイトに世界中からお祝いのメッセージが寄せられています。コメントには母国の旗マークが乗ります。しかし日本の旗が少ない!右側に登録する欄があります。簡単ですので、フェデラーファンとして登録して、彼に日本のファンもいることを知ってもらうため、じゃんじゃん祝メッセージを贈っちゃいましょう!
フェデラーの公式サイト:
http://www.rogerfederer.com/en/index.cfm
二人の結婚は早ければ早いほどベストと、前の記事でも書きましたが、本当に嬉しいです!! スイスの夫と二人で今晩はお祝いの乾杯をしています。これでフェデラーはすべてテニスに集中することができます。フレンチオープン優勝も夢ではありません。
私がなぜ今までしつこく二人の結婚にこだわってきかたか。それは結婚をするという行為が二人の関係に大きな影響をもたらすことを身をもって経験しているからです。私たちはフェデラーとミルカのような関係だったのです。(しかも私はミルカと同じように姉さん女房です)十年以上の長い春にピリオドをつけ結婚しようと決心したのは、子供がきっかけです。私に子供を育ててみたいという欲望がふつふつと湧いてきたのです。もし子供がいらなければ結婚していたかどうか。私は経済的に自立していましたし、ペーパーで二人の関係を束縛するのは気がすすみませんでした。しかし子供をつくるからにはきちんとしたファミリーの基盤をつくってやるのが親の責任だと思っていましたので、フェデラーたちのようにごく少数の友人たちに囲まれて結婚しました。
パーティーは自宅のロフトでジャズバンドを呼んで50人くらいのこじんまりしたパーティーでしたが、きさくで楽しい、そしてとてもニューヨークっぽいクールなパーティーでした。
十年以上もお互いにファーストネームで呼び合う間柄から、急にパーティでHe is my husband. She is my wife.と紹介するようになって、私たちの意識が変わってきたのです。ハズバンド、ワイフという言葉の重みを二人は噛み締めるようになりました。社会における責任、お互いに対する責任とコミットメント。それはお互いを束縛することではなく、無条件に愛していくことを決意するすばらしい意識の変化でした。
以下はフェデラーのメッセージです。(結婚の発表は彼の公式ウェブサイトでされました。)派手な結婚式をやらず、親しい人たちに温かく祝福された結婚はフェデラーらしく、とても好感がもてます。やっぱり思っていたフェデラーでした。
Dear Fans
Earlier today, in my hometown of Basel, surrounded by a small group of close friends and family, Mirka and I got married. It was a beautiful spring day and an incredibly joyous occasion.
Mr. and Mrs. Roger Federer wish all of you a Happy Easter weekend.
Love,
Roger
フェデラーの公式サイトに世界中からお祝いのメッセージが寄せられています。コメントには母国の旗マークが乗ります。しかし日本の旗が少ない!右側に登録する欄があります。簡単ですので、フェデラーファンとして登録して、彼に日本のファンもいることを知ってもらうため、じゃんじゃん祝メッセージを贈っちゃいましょう!
フェデラーの公式サイト:
http://www.rogerfederer.com/en/index.cfm
2009年04月11日
モンテカルロの謎
フェデラーがモンテカルロにWCで出場します。ドローには2WCとなっていて何か変な感じがしますが。
モンテカルロはマスターズシリーズの一つです。ポイントも優勝者には1000が与えられます。ATPルールではトップ30の選手は、グランドスラムとマスターズシリーズに出場する義務があります。ではなぜフェデラーはモンテカルロ欠場を公表してルール違反にならなかったのか?(後にWCで出場することになりましたが)この質問にお答えするために、モンテカルロの特殊性から説明したいと思います。
マスターズシリーズには以下の9大会があります。
3月:インディアンウェルズ
3月:マイアミ
4月:モンテカルロ
4月:ローマ
5月:マドリッド
8月:カナダ(今年はモントリオール、来年はトロントです。毎年交替で開催されます。)
8月:シンシナティ
10月:上海
11月:パリ
2009年のルール改正と大会開催日変更にむけて、ATPはリストラ案を2007年に発表しましたが、そのなかにモンテカルロのマスターズ格下げ案があったのです。これにプロテストするため、モンテカルロはATPを訴えました。同じようなことが以前、ハンブルグ大会でもおこり、ハンブルグはATPを訴えましたが、敗訴となりマスターズ(1000ポイント)から500ポイントのシリーズに格下げとなってしまいました。この裁判には多額のlegal feeがかかり、両者にとっても苦いケースとなったことから、ATPとしては何とか裁判沙汰をさけたいと努力を重ねてきました。
そこで両者が歩み寄ったのは、「モンテカルロはマスターズのタイトルは保持するが、トップ30の選手の出場義務はなし」という奇妙な和解案です。
モンテカルロの立場:
トップ30の選手の全員出場が見込めない(フェデラーの欠場のように)リスクを負いますが、マスターズのタイトルは保持できることになりました。
ATPの立場:
フレンチオープンまでに3つのマスターズが押せ押せに詰まったスケジュールに対して、選手から2つに減らすべきだというプレッシャーがありましたので、この和解案で何とかATPのメンツを保つことができました。
モンテカルロのドローが発表されましたね。この予想は次回にしたいと思います。いよいよあの美しいモンテカルロが始まります。
モンテカルロはマスターズシリーズの一つです。ポイントも優勝者には1000が与えられます。ATPルールではトップ30の選手は、グランドスラムとマスターズシリーズに出場する義務があります。ではなぜフェデラーはモンテカルロ欠場を公表してルール違反にならなかったのか?(後にWCで出場することになりましたが)この質問にお答えするために、モンテカルロの特殊性から説明したいと思います。
マスターズシリーズには以下の9大会があります。
3月:インディアンウェルズ
3月:マイアミ
4月:モンテカルロ
4月:ローマ
5月:マドリッド
8月:カナダ(今年はモントリオール、来年はトロントです。毎年交替で開催されます。)
8月:シンシナティ
10月:上海
11月:パリ
2009年のルール改正と大会開催日変更にむけて、ATPはリストラ案を2007年に発表しましたが、そのなかにモンテカルロのマスターズ格下げ案があったのです。これにプロテストするため、モンテカルロはATPを訴えました。同じようなことが以前、ハンブルグ大会でもおこり、ハンブルグはATPを訴えましたが、敗訴となりマスターズ(1000ポイント)から500ポイントのシリーズに格下げとなってしまいました。この裁判には多額のlegal feeがかかり、両者にとっても苦いケースとなったことから、ATPとしては何とか裁判沙汰をさけたいと努力を重ねてきました。
そこで両者が歩み寄ったのは、「モンテカルロはマスターズのタイトルは保持するが、トップ30の選手の出場義務はなし」という奇妙な和解案です。
モンテカルロの立場:
トップ30の選手の全員出場が見込めない(フェデラーの欠場のように)リスクを負いますが、マスターズのタイトルは保持できることになりました。
ATPの立場:
フレンチオープンまでに3つのマスターズが押せ押せに詰まったスケジュールに対して、選手から2つに減らすべきだというプレッシャーがありましたので、この和解案で何とかATPのメンツを保つことができました。
モンテカルロのドローが発表されましたね。この予想は次回にしたいと思います。いよいよあの美しいモンテカルロが始まります。
2009年04月10日
フェデラーWCでモンテカルロに出場
フェデラーがモンテカルロのマスターズにワイルドカードで出ることになりました!今まで出ないと言っていたフェデラーがなぜ?
(これはあくまでもtennisnakamaの憶測です。)
冠スポンサーのプレッシャー
まず、今年からMonte-Carlo Rolex Mastersと名前が変更になり、ローレックスが冠スポンサーとなります。ローレックスはフェデラーのメジャーなスポンサーでもありますので、この大会には怪我をしない限り、フェデラーは出場する義務があると思うのですが。分からないのが昨年の9月にローレックスはスポンサーになることを発表しているのにもかかわらず、フェデラーはモナコの欠場を公言してきました。私は広告業界に足を突っ込んでCMの制作をしたり、冠コンサートのプロデュースも担当してきましたので、フェデラーのスタンスが理解できませんが、いずれにしてもフェデラーがモナコに出るという決意を表明してくれたために、ローレックスも内心ホッとしたと思います。この不景気でスポーツ選手に対して企業のエンドースメントがどんどん減ってきている現在、フェデラーもスポンサーのイヴェントに出ないなんて、そんな贅沢を言ってられなくなったのかも知れません。
ランキングの死守
フェデラーがモンテカルロに出場しなければどうなるか? ポイントを計算してみたいと思います。現在のフェデラーとジョコヴィッチのランキングの差は2010ポイント。マレーとは2180ポイントとなっています。フェデラーは昨年のモンテカルロでは、決勝戦でナダルに5-7, 5-7で負けてましたが、700ポイントを獲得しています。ですから今年欠場すると入ってくるポイントは無く、昨年の700ポイントをすべて失ってしまうことになります。(『ポイント計算をしてみますか?』をご参照してください)
ナダルがクレーでは圧倒的に強いので、彼が優勝すると仮定します。しかしジョコヴィッチが決勝戦まで勝ちのこることができれば、ジョコに700ポイントが与えられます。しかし同時に昨年のモンテカルロの450ポイントを失いますので、計250ポイントが増えることになります。その場合はフェデラーとの差は1060ポイントと約半分に縮小してしまいます。
もしマレーがモンテカルロで準優勝すれば700ポイント入りますが、昨年の150ポイントを失いますので、差額は550ポイントの増となります。そうなるとフェデラーとの差は930ポイントに縮小です。モンテカルロまではフェデラーの2位は安泰ですが、ジョコヴィッチ3位とマレーの4位は逆転するかもしれないですね。
ジョコヴィッチとマレーがどんなにがんばっても4月中はフェデラーの座を奪うことはできませんが、問題はその後の5月のローマのマスターズです。
特に要マークはマレー。なぜかというとマレーはクレーが苦手で、昨年のローマは早々に敗退してしまっていますので、差し引かれるポイント数がわずかの70ポイントです。しかしジョコヴィッチは優勝していますので、1000ポイントが消えていくことになります。フェデラーはローマ大会ではQFまで残りましたので、失うポイントは250となります。
つまりマレーはモンテカルロとローマの2大会で引かれるポイントはわずか220ポイントですが、それにくらべてジョコヴィッチは1450ポイントも引かれてしまうのです。ですからジョコヴィッチがポイント数を維持するためには、優勝するだけでなく、準決勝まで進まなければなりません。
前置きが長くなりましたが、そういう訳でフェデラーがモンテカルロに出なければ、2位の地位があやしくなってきたのです。つまりマレーが暴れれば、フェデラーは3位転落どころか4位に転落してしまう可能性がでてきたのです。
ではフェデラーがモンテカルロに出れば2位が安泰か? ランキングには安泰という言葉はありませんが、フェデラーにかかるプレッシャーが軽減されます。
マレーはジュニアのときはスペインでトレーニングを受けているのですから、クレーができないはずがありません。彼のサーヴが最近すごくよくなってきているので、きっと面白い試合展開をみせてくれると思います。これから始まるクレーシーズンは、プレッシャーフリーのマレーに注目です。
by tennisnakama
(これはあくまでもtennisnakamaの憶測です。)
冠スポンサーのプレッシャー
まず、今年からMonte-Carlo Rolex Mastersと名前が変更になり、ローレックスが冠スポンサーとなります。ローレックスはフェデラーのメジャーなスポンサーでもありますので、この大会には怪我をしない限り、フェデラーは出場する義務があると思うのですが。分からないのが昨年の9月にローレックスはスポンサーになることを発表しているのにもかかわらず、フェデラーはモナコの欠場を公言してきました。私は広告業界に足を突っ込んでCMの制作をしたり、冠コンサートのプロデュースも担当してきましたので、フェデラーのスタンスが理解できませんが、いずれにしてもフェデラーがモナコに出るという決意を表明してくれたために、ローレックスも内心ホッとしたと思います。この不景気でスポーツ選手に対して企業のエンドースメントがどんどん減ってきている現在、フェデラーもスポンサーのイヴェントに出ないなんて、そんな贅沢を言ってられなくなったのかも知れません。
ランキングの死守
フェデラーがモンテカルロに出場しなければどうなるか? ポイントを計算してみたいと思います。現在のフェデラーとジョコヴィッチのランキングの差は2010ポイント。マレーとは2180ポイントとなっています。フェデラーは昨年のモンテカルロでは、決勝戦でナダルに5-7, 5-7で負けてましたが、700ポイントを獲得しています。ですから今年欠場すると入ってくるポイントは無く、昨年の700ポイントをすべて失ってしまうことになります。(『ポイント計算をしてみますか?』をご参照してください)
ナダルがクレーでは圧倒的に強いので、彼が優勝すると仮定します。しかしジョコヴィッチが決勝戦まで勝ちのこることができれば、ジョコに700ポイントが与えられます。しかし同時に昨年のモンテカルロの450ポイントを失いますので、計250ポイントが増えることになります。その場合はフェデラーとの差は1060ポイントと約半分に縮小してしまいます。
もしマレーがモンテカルロで準優勝すれば700ポイント入りますが、昨年の150ポイントを失いますので、差額は550ポイントの増となります。そうなるとフェデラーとの差は930ポイントに縮小です。モンテカルロまではフェデラーの2位は安泰ですが、ジョコヴィッチ3位とマレーの4位は逆転するかもしれないですね。
ジョコヴィッチとマレーがどんなにがんばっても4月中はフェデラーの座を奪うことはできませんが、問題はその後の5月のローマのマスターズです。
特に要マークはマレー。なぜかというとマレーはクレーが苦手で、昨年のローマは早々に敗退してしまっていますので、差し引かれるポイント数がわずかの70ポイントです。しかしジョコヴィッチは優勝していますので、1000ポイントが消えていくことになります。フェデラーはローマ大会ではQFまで残りましたので、失うポイントは250となります。
つまりマレーはモンテカルロとローマの2大会で引かれるポイントはわずか220ポイントですが、それにくらべてジョコヴィッチは1450ポイントも引かれてしまうのです。ですからジョコヴィッチがポイント数を維持するためには、優勝するだけでなく、準決勝まで進まなければなりません。
前置きが長くなりましたが、そういう訳でフェデラーがモンテカルロに出なければ、2位の地位があやしくなってきたのです。つまりマレーが暴れれば、フェデラーは3位転落どころか4位に転落してしまう可能性がでてきたのです。
ではフェデラーがモンテカルロに出れば2位が安泰か? ランキングには安泰という言葉はありませんが、フェデラーにかかるプレッシャーが軽減されます。
マレーはジュニアのときはスペインでトレーニングを受けているのですから、クレーができないはずがありません。彼のサーヴが最近すごくよくなってきているので、きっと面白い試合展開をみせてくれると思います。これから始まるクレーシーズンは、プレッシャーフリーのマレーに注目です。
by tennisnakama
2009年04月09日
選手のイメージセールス
『Gay or Not Gay』で久しぶりにゴシップの話で、フェデラーには申し訳ありませんが息抜きをさせていただきました。モナコが始まるまで、カラフルな話題でおしゃべりをしていきたいと思います。
「結婚の問題は個人の問題なのだから、前記事のフェデラーへの願いにいれるのはおかしい。」というもっともなご意見をいただきました。これを機会に今回はプロアスリートのイメージの問題を、ミルカとフェデラーの例をあげながら取り上げたいと思います。
二人が結婚するかどうかは、二人の問題なのだから大きなお世話だという意見はもっともなことです。またヨーロッパでは結婚しないのがトレンドだから、いいじゃないか、という意見もあるでしょう。私はYes and Noだと思うのです。もちろん結婚はプライヴェイトな問題です。しかしプロスポーツ選手はイメージが収入に直接影響してきます。フェデラーがローモデルであり続けると、スポンサーがつきやすくプラスですが、イメージとのギャップができてくるとスポンサーも躊躇します。
ゲイの問題もしかりです。なぜ選手たちがゲイであることを発表しないのか。 女子プロテニスのパイオニアのビリージーン・キング女史が、レスビアンであることを発表して以来、プッツリとコマーシャルの仕事がなくなってしまい、生活に困るほど大変だったそうです。
(補足)理想論では、これは「プライヴェイトなことだから関係ないじゃないか」で片付けられますが、現実はそれほど甘くないのです。
フェデラーのイメージはクリーンです。そしてスポーツマンシップ賞を何度も受賞していることからも、フェアな紳士というクラシックなイメージがあります。これは彼の強力なセールスポイントなのです。
フェデラーは、ベッカーやタイガー・ウッズのように、国際的にポピュラーなプロアスリートです。世界にはいろんな価値観をもったファンがいます。世界の3割がキリスト教信者ですので、結婚しないで子供をもうけることにこだわる人々が沢山でてきます。つまり彼らのプライヴェイトなライフは、本人の意思とは関係なくパブリックライフになってしまうのです。
ですから彼らがどういう女性と結婚するのかも、ある意味ではビジネスにつながる重要なポイントとなります。彼らは私たちに夢を与えてくれるのですから、パートナーもスペシャルな女性、できれば美しい女性であることを期待します。ミルカが頻繁に登場しなければそれほど彼女が話題にはならないのでしょうが、彼女は毎回フェデラーの試合で何度もTVのスクリーンに登場してきますので、好むと好まざるにもかかわらず彼らはパッケージアイテムとなってしまうのです。
つまり結婚の話やミルカの話は、彼らにとってはprivate matterではなくbusiness matterになりうる可能性があることを指摘したいのです。
ミルカとフェデラーは2000年のアテネのオリンピックで知り合いました。2002年のホップマンカップで、二人はミックスダブルスに出ています。そのときのミルカは確かにほっそりと美しかったです。
「結婚の問題は個人の問題なのだから、前記事のフェデラーへの願いにいれるのはおかしい。」というもっともなご意見をいただきました。これを機会に今回はプロアスリートのイメージの問題を、ミルカとフェデラーの例をあげながら取り上げたいと思います。
二人が結婚するかどうかは、二人の問題なのだから大きなお世話だという意見はもっともなことです。またヨーロッパでは結婚しないのがトレンドだから、いいじゃないか、という意見もあるでしょう。私はYes and Noだと思うのです。もちろん結婚はプライヴェイトな問題です。しかしプロスポーツ選手はイメージが収入に直接影響してきます。フェデラーがローモデルであり続けると、スポンサーがつきやすくプラスですが、イメージとのギャップができてくるとスポンサーも躊躇します。
ゲイの問題もしかりです。なぜ選手たちがゲイであることを発表しないのか。 女子プロテニスのパイオニアのビリージーン・キング女史が、レスビアンであることを発表して以来、プッツリとコマーシャルの仕事がなくなってしまい、生活に困るほど大変だったそうです。
(補足)理想論では、これは「プライヴェイトなことだから関係ないじゃないか」で片付けられますが、現実はそれほど甘くないのです。
フェデラーのイメージはクリーンです。そしてスポーツマンシップ賞を何度も受賞していることからも、フェアな紳士というクラシックなイメージがあります。これは彼の強力なセールスポイントなのです。
フェデラーは、ベッカーやタイガー・ウッズのように、国際的にポピュラーなプロアスリートです。世界にはいろんな価値観をもったファンがいます。世界の3割がキリスト教信者ですので、結婚しないで子供をもうけることにこだわる人々が沢山でてきます。つまり彼らのプライヴェイトなライフは、本人の意思とは関係なくパブリックライフになってしまうのです。
ですから彼らがどういう女性と結婚するのかも、ある意味ではビジネスにつながる重要なポイントとなります。彼らは私たちに夢を与えてくれるのですから、パートナーもスペシャルな女性、できれば美しい女性であることを期待します。ミルカが頻繁に登場しなければそれほど彼女が話題にはならないのでしょうが、彼女は毎回フェデラーの試合で何度もTVのスクリーンに登場してきますので、好むと好まざるにもかかわらず彼らはパッケージアイテムとなってしまうのです。
つまり結婚の話やミルカの話は、彼らにとってはprivate matterではなくbusiness matterになりうる可能性があることを指摘したいのです。
ミルカとフェデラーは2000年のアテネのオリンピックで知り合いました。2002年のホップマンカップで、二人はミックスダブルスに出ています。そのときのミルカは確かにほっそりと美しかったです。
2009年04月08日
Gay or Not Gay?
フェデラーの事実無根のゲイ噂について:
これは無責任な噂です。しかし念のためにIs Federer gay? でGoogleしてみますと、いろんなブログがででてきます。この手の噂話はトム・クルーズが長い間ゲイであると噂されたように、まったく根拠のないゴシップだと思ってよいと思います。ナダルもガールフレンドとの熱いラヴシーンの写真が公開される前まで、ゲイ社会の間では、「ナダルはゲイかもしれない」という記事が書かれていましたので。でもこれは彼がゲイであってほしいという願望がほとんどでしたが。
ではなぜフェデラーにこのような噂がでるのか?その原因を探ってみました。
(1)レトの存在
以前の記事で、「フェデラーの謎の男」(http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/100057.html)でハンサムな男性について書きました。ミルカの横に座ってフェデラーを応援していたレトの存在がミステリーだったこともあって、あの二人は怪しいと噂になりました。
(2)ガールフレンド
昨年のUS Openで私の側を通ったミルカを観て、彼女はやっぱりかなり太めでした。「フェデラーはどんな美女でも手に入るはず。なぜ太ったミルカを? ミルカはフェデラーのゲイを隠すためのカムフラージュではないか」という無責任な噂話を読んだことがあります。
(3)泣いてしまうフェデラーに「軟弱」のイメージ
最近フェデラーに対して、彼はeffeminate(軟弱)ではないか?というコメントをときどき見かけます。この言葉には「女みたい」というニュアンスがあって、ゲイを想像させるのかもしれません。
(4)結婚を表明しない
赤ちゃんができてもなぜこのゲイ噂が消えないのか?これは彼が結婚の話題をうやむやにしていることが最大の原因だと思います。なぜ子供の母(ミルカ)にコミットしないのか?
それでなくてもフェデラーの身辺が大変なときに、このような無責任な噂話を紹介することに躊躇しました。しかし結婚してしまえばこの種の噂は消えてしまいます。もし彼らのフィロソフィーから結婚しないのであれば、ミルカはフェデラーから金銭的に独立していなければなりません。現在の彼女はすべてフェデラーに依存しているわけですから、未婚の母となるミルカは保障のない不安な未来をおくることになります。もし結婚するつもりがないのでしたら、フェデラーはミルカが自立できるよう協力するべきです。(べきという言葉はできるだけ使いたくないのですが今回は例外です。)
Tennis Planetのブログで「フェデラーは結婚しない可能性があるか?」について面白いコメントがいろいろ寄せられています。http://tennisplanet.wordpress.com/2009/03/13/is-it-possible-that-federer-may-still-not-marry-mirka/
「14のGSをとったお祝いに結婚するのでは?」という見方もありますが、タイトルがとれるまでは結婚を延ばすというのも変な話です。結婚のコミットメントとタイトル獲得とは何の関係もないのですから。かえってスランプに落ちているときに結婚する方が、私は二人にとって意味が大きいと思いますが。
つまり私が二人に言いたいのは:
早く結婚して、
元気な子供を産んで、
そしてGS14個を勝ち取ってください。
この願いは多分世界のフェデラーファンの願いだとも思います。お願いしますよ、ロジャー!
これは無責任な噂です。しかし念のためにIs Federer gay? でGoogleしてみますと、いろんなブログがででてきます。この手の噂話はトム・クルーズが長い間ゲイであると噂されたように、まったく根拠のないゴシップだと思ってよいと思います。ナダルもガールフレンドとの熱いラヴシーンの写真が公開される前まで、ゲイ社会の間では、「ナダルはゲイかもしれない」という記事が書かれていましたので。でもこれは彼がゲイであってほしいという願望がほとんどでしたが。
ではなぜフェデラーにこのような噂がでるのか?その原因を探ってみました。
(1)レトの存在
以前の記事で、「フェデラーの謎の男」(http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/100057.html)でハンサムな男性について書きました。ミルカの横に座ってフェデラーを応援していたレトの存在がミステリーだったこともあって、あの二人は怪しいと噂になりました。
(2)ガールフレンド
昨年のUS Openで私の側を通ったミルカを観て、彼女はやっぱりかなり太めでした。「フェデラーはどんな美女でも手に入るはず。なぜ太ったミルカを? ミルカはフェデラーのゲイを隠すためのカムフラージュではないか」という無責任な噂話を読んだことがあります。
(3)泣いてしまうフェデラーに「軟弱」のイメージ
最近フェデラーに対して、彼はeffeminate(軟弱)ではないか?というコメントをときどき見かけます。この言葉には「女みたい」というニュアンスがあって、ゲイを想像させるのかもしれません。
(4)結婚を表明しない
赤ちゃんができてもなぜこのゲイ噂が消えないのか?これは彼が結婚の話題をうやむやにしていることが最大の原因だと思います。なぜ子供の母(ミルカ)にコミットしないのか?
それでなくてもフェデラーの身辺が大変なときに、このような無責任な噂話を紹介することに躊躇しました。しかし結婚してしまえばこの種の噂は消えてしまいます。もし彼らのフィロソフィーから結婚しないのであれば、ミルカはフェデラーから金銭的に独立していなければなりません。現在の彼女はすべてフェデラーに依存しているわけですから、未婚の母となるミルカは保障のない不安な未来をおくることになります。もし結婚するつもりがないのでしたら、フェデラーはミルカが自立できるよう協力するべきです。(べきという言葉はできるだけ使いたくないのですが今回は例外です。)
Tennis Planetのブログで「フェデラーは結婚しない可能性があるか?」について面白いコメントがいろいろ寄せられています。http://tennisplanet.wordpress.com/2009/03/13/is-it-possible-that-federer-may-still-not-marry-mirka/
「14のGSをとったお祝いに結婚するのでは?」という見方もありますが、タイトルがとれるまでは結婚を延ばすというのも変な話です。結婚のコミットメントとタイトル獲得とは何の関係もないのですから。かえってスランプに落ちているときに結婚する方が、私は二人にとって意味が大きいと思いますが。
つまり私が二人に言いたいのは:
早く結婚して、
元気な子供を産んで、
そしてGS14個を勝ち取ってください。
この願いは多分世界のフェデラーファンの願いだとも思います。お願いしますよ、ロジャー!
2009年04月07日
マレーが優勝しました!
ソニーエリックソンのマスターズ決勝は、マレーがジョコヴィッチに6-2, 7-5で優勝しました。マイアミ大会は the 5thグランドスラムとも呼ばれ、マスターズの中でもプレスティージの高い大会ですが、マレーは25年ぶりに優勝の栄誉をイギリスにもたらしました。
マレーはこの優勝は今年で3度目。ドーハでフェデラーを、ロッテルダムでナダルを、このマイアミでジョコヴィッチを破っていますので、トップ3をすべて打倒したことになります。
「どのトーナメントに勝っても自信が増すが、グランドスラムに次ぐマスターズ1000は勝つのがとてもむずかしい大会だけに、この優勝はグランドスラムへの自信につながる。」
マレーは記者会見でこの優勝の重要さを語っています。彼はハードコートを得意とするだけに、この快挙は本当に嬉しそうです。しかしこれからクレーのシーズンが始まり、マレーの過去のクレーの成績は11勝14敗ですので、苦手なクレーにどのように対応していくかが、今後のマレーの課題となります。
シーズンオフの間、マイアミで(マレーは家をもっています)マイアミ大学の施設を使ってトレーニングに励んだだけあって、彼のフィットネスレベルが上がったことも優勝の大きな原因となりました。
「アンディはコートでの動きがずっとよくなっている。昔とれなかった球を今は返球できている。」とジョコヴィッチはマレーのフィジカルの向上を指摘しています。特に感じたのは、バックに大きく振られても、球に追いつきしっかりと両手でリターンできるバックハンドが強力な武器になってきました。
「アンディはディフェンスからオフェンスへのスウィッチがうまく、多分世界一だと思う。」とジョコヴィッチが述べています。今まではペースを変え相手のリズムを崩すことに重きをおいていたマレーのテニスに、加わったこのオフェンス力は相手に決定的なダメージを与える武器となってきています。
第1セットは、マレーがオフェンスに切り替えないうちに攻撃をと、ジョコヴィッチの勝ち急ぎが裏目に出た試合だったように思います。
第1ゲームですでにマレーにブレークされてしまったジョコヴィッチは、フォアハンドで2本、バックで1本のミスをおかしています。いずれもラリーを続けないで勝ち急ぎを狙ったエラーです。
逆にマレーは冷静でサーヴもよく、二つのサーヴィスゲームをいずれも40-0でジョコヴィッチにブレークの隙を与えることなく完封。ジョコヴィッチは固くなっているようで、なかなかリズムがつかめません。第3ゲームもジョコヴィッチはダブルフォルトやスウィングヴォレーのミスの連続で、またもやブレークを許してしまいます。
第7ゲーム(Murray vs Djokovic: 5-1)のジョコヴィッチのサーヴです。ネットダッシュしたジョコヴィッチは、マレーのパッシングショットに合いポイントを失って、プレークポイントを迎えます。しかしジョコヴィッチはサーヴィスウィナーをとってデュースへと挽回。ブレークを逃れた安堵感からか、ストロークがのびのびと自由になって、ジョコヴィッチの得意のフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。最後はジョコヴィッチのドロップショットが成功して(ラッキーにもネットからマレーのコートへ)、やっと運がジョコヴィッチに向いてきたようにみえたのですが。
最後の第8ゲーム(5-2)では、ドロップショットに気をよくしたジョコヴィッチは、2度ドロップショットで挑戦。しかしマレーの足は驚くほど速く、いずれもマレーに得点され、第1セットは6-2でマレーの快勝となりました。
第2セットでは、ジョコは固くなっているのか、最初のサーヴをダブルフォルト。さかんにネットダッシュしますが、中途半端でマレーはパッシングショットのウィナーの嵐に合います。(それにしてもマレーのパッシングショットは昔のフェデラーを彷彿とさせるほど見事です。)ブレークポイントから何とかデュースに戻したジョコヴィッチは、またもやダブルフォルト。第1ゲームから、早々に再びブレークを許してしまったジョコヴィッチはトレーナーを呼びました。
「またか!」これは多分皆が抱いた印象だったと思います。過去にいろいろタイムアウトやリタイアが多い彼に、Quitterと不名誉なニックネームがついてしまったのは残念なことですが、今回はどうやら暑さのために「体が動かない」ということが理由だったようです。でもトレーナーは暑いからといわれてもどうしようもなく、思わず解説者も苦笑。これでジョコヴィッチは体を休めることができましたが、私はやはりこのタイムアウトの取り方は、「やっぱりね」と思わせるマイナスの効果の方が大きかったように思います。
次の第2ゲーム(1-1)では,元気を回復したジョコヴィッチはアグレッシヴなウィナー狙いが成功してマレーをブレークしてしまいました。このタイムアウトで調子が狂ったのは、タイムアウトで待たされたマレーです。第4ゲーム(1-2)では、スライス、フォア、バックにエラーが生じてきてマレーは新しいラケットに替えましたが、マレーは勝ち急いで再びブレークされてしまいました。
第6ゲーム(1-4)マレーのサーヴです。ここでジョコはブレークを狙って猛然とラリーが続きます。二人はベースラインからサイドラインを狙ったスーパショットを続けます。このゲームは、マレーのエース2本、ジョコのリターンエース2本など、二人はガッツのある最高のパーフォーマンスをみせてくれました。
お互いにサーヴィスゲームをホールドしながら、試合を決定した第9ゲーム(3-5)を迎えます。ジョコのサーヴィスゲームでこれに勝てば、第3セットとなる重要なゲームです。すでにジョコは31のエラーをおかしていますので(マレーは16)、マレーへのフリーポイントは厳禁です。スコアはAd-40。あと1ポイントでジョコの第2セットの勝利です。ここでジョコはまたもやダブルフォルトをおかしてしまいました!このダブルフォルトは5本目です。このダブルフォルトは大きい。これが影響してか、2度つづけてジョコはミスをおかしてブレークチャンスを逃してしまいました。最近のジョコはこのような重要なポイントがとれずゲームを落としていることがあります。セルビアオープンも近く、両親と家族がそろってボックスに入って応援していましたが、これも案外大きなプレッシャーだったのでは。
ここからはジョコの負け戦のスピードが加速して行きます。第11ゲーム(5-5)ジョコヴィッチのサーヴです。このサーヴィスゲームは絶対にホールドしなければなりません。ジョコはアグレッシヴにネットダッシュを重ねますが、プレッシャーが強すぎたのか、いずれもネットにかけてしまい2ポイントを落とします。
0-40のブレークポイントで、マレーは見事なバックハンドのクロスウィナーを決めてジョコをブレークしました。
最終ゲームとなった第12ゲームはマレーがジョコの追随を許さず、ネットダッシュしたジョコのヴォレーがロングしてマレーの優勝が決定しました。この第2セットはジョコが勝てたセットだっただけに、「最大の敵は自分だった」とジョコが述べているように、このような負け方をしてしまったジョコには大きな悔いが残ったと思います。
最近ポッキリ病(肝心なところでポッキリと折れてしまう)が流行っているのか、フェデラーやジョコヴィッチの感染が気になります。それにしても、一時リズムを失ったものの、すぐ取り戻してすばらしいcontrolled aggressionで勝利をおさめたマレーのメンタルは見事でした。もうチンタラ・テニスなどと悪口は言いません。
この試合でサーヴィスゲームの興味深いスタッツがあります。
第2セットですが、7-5でマレーが勝っているにも拘らず、マレーの1stサーヴの確率が52%でジョコの61%よりもかなり低いのです。しかし獲得したポイント数は、マレーが15ポイント、ジョコが16ポイントでほとんど変わっていません。要するに1stサーヴの確率も重要ですが、もっと重要なのは1stサーヴでとったポイントの数です。つまり問題はサーヴのクウォリティーなのです。第2セットのリターンゲームのポイントも、マレーは24ポイントをとって、ジョコの18ポイントをかなり上回っています。これはマレーのリターンがすばらしかったことを物語っています。
4月11日からクレー最初のマスターズのモンテカルロ大会が始まりますが、フェデラーを除いてほとんどの選手が勢揃いします。十分休養をとったナダルの華麗なクレーテニスが堪能できますね。
(tennisnakamaからお願いです。)
このブログはいわゆる私のテニスエッセーといった形をとっておりますので、テニスのニュースや論説の記事ではありません。事実には忠実でありたいと努めていますが、あくまでもtennisnakamaの眼を通して書いています。表現方法もジャーナリズムでは使わない主観的な用語をわざと使う場合があります。
例えば「フェデラーよ!これが最後のチャンスです!」この場合は文字通りの「最後」ではなく、ここではもう訪れないかも知れないチャンスを強調したくてわざと使っています。日常よく使う「これが最後だからね」あの感じです。
「ナダル帝国」もしかりです。彼は2008年にNo.1の座を勝ち取りテニス界の王者です。その彼の存在を帝国と表現したのは、これから大帝国を建設しつつあるナダルの勢いをも含めて表現したかったので、この表現が間違ってるのかどうかと言う問題になると、帝国の定義から始めなくてはなりません。
言葉の表現にはliteral (文字通り)とfigurative (比喩)がありますが、必ずしもliteralに書いておりませんので、行間のニュアンスをご理解いただければと願います。このブログはエッセーとして、テニスの事実には厳しく、しかし表現に関してはおおらかでありたいと願ってますので、大目にみていただければ幸いです。
マレーはこの優勝は今年で3度目。ドーハでフェデラーを、ロッテルダムでナダルを、このマイアミでジョコヴィッチを破っていますので、トップ3をすべて打倒したことになります。
「どのトーナメントに勝っても自信が増すが、グランドスラムに次ぐマスターズ1000は勝つのがとてもむずかしい大会だけに、この優勝はグランドスラムへの自信につながる。」
マレーは記者会見でこの優勝の重要さを語っています。彼はハードコートを得意とするだけに、この快挙は本当に嬉しそうです。しかしこれからクレーのシーズンが始まり、マレーの過去のクレーの成績は11勝14敗ですので、苦手なクレーにどのように対応していくかが、今後のマレーの課題となります。
シーズンオフの間、マイアミで(マレーは家をもっています)マイアミ大学の施設を使ってトレーニングに励んだだけあって、彼のフィットネスレベルが上がったことも優勝の大きな原因となりました。
「アンディはコートでの動きがずっとよくなっている。昔とれなかった球を今は返球できている。」とジョコヴィッチはマレーのフィジカルの向上を指摘しています。特に感じたのは、バックに大きく振られても、球に追いつきしっかりと両手でリターンできるバックハンドが強力な武器になってきました。
「アンディはディフェンスからオフェンスへのスウィッチがうまく、多分世界一だと思う。」とジョコヴィッチが述べています。今まではペースを変え相手のリズムを崩すことに重きをおいていたマレーのテニスに、加わったこのオフェンス力は相手に決定的なダメージを与える武器となってきています。
第1セットは、マレーがオフェンスに切り替えないうちに攻撃をと、ジョコヴィッチの勝ち急ぎが裏目に出た試合だったように思います。
第1ゲームですでにマレーにブレークされてしまったジョコヴィッチは、フォアハンドで2本、バックで1本のミスをおかしています。いずれもラリーを続けないで勝ち急ぎを狙ったエラーです。
逆にマレーは冷静でサーヴもよく、二つのサーヴィスゲームをいずれも40-0でジョコヴィッチにブレークの隙を与えることなく完封。ジョコヴィッチは固くなっているようで、なかなかリズムがつかめません。第3ゲームもジョコヴィッチはダブルフォルトやスウィングヴォレーのミスの連続で、またもやブレークを許してしまいます。
第7ゲーム(Murray vs Djokovic: 5-1)のジョコヴィッチのサーヴです。ネットダッシュしたジョコヴィッチは、マレーのパッシングショットに合いポイントを失って、プレークポイントを迎えます。しかしジョコヴィッチはサーヴィスウィナーをとってデュースへと挽回。ブレークを逃れた安堵感からか、ストロークがのびのびと自由になって、ジョコヴィッチの得意のフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。最後はジョコヴィッチのドロップショットが成功して(ラッキーにもネットからマレーのコートへ)、やっと運がジョコヴィッチに向いてきたようにみえたのですが。
最後の第8ゲーム(5-2)では、ドロップショットに気をよくしたジョコヴィッチは、2度ドロップショットで挑戦。しかしマレーの足は驚くほど速く、いずれもマレーに得点され、第1セットは6-2でマレーの快勝となりました。
第2セットでは、ジョコは固くなっているのか、最初のサーヴをダブルフォルト。さかんにネットダッシュしますが、中途半端でマレーはパッシングショットのウィナーの嵐に合います。(それにしてもマレーのパッシングショットは昔のフェデラーを彷彿とさせるほど見事です。)ブレークポイントから何とかデュースに戻したジョコヴィッチは、またもやダブルフォルト。第1ゲームから、早々に再びブレークを許してしまったジョコヴィッチはトレーナーを呼びました。
「またか!」これは多分皆が抱いた印象だったと思います。過去にいろいろタイムアウトやリタイアが多い彼に、Quitterと不名誉なニックネームがついてしまったのは残念なことですが、今回はどうやら暑さのために「体が動かない」ということが理由だったようです。でもトレーナーは暑いからといわれてもどうしようもなく、思わず解説者も苦笑。これでジョコヴィッチは体を休めることができましたが、私はやはりこのタイムアウトの取り方は、「やっぱりね」と思わせるマイナスの効果の方が大きかったように思います。
次の第2ゲーム(1-1)では,元気を回復したジョコヴィッチはアグレッシヴなウィナー狙いが成功してマレーをブレークしてしまいました。このタイムアウトで調子が狂ったのは、タイムアウトで待たされたマレーです。第4ゲーム(1-2)では、スライス、フォア、バックにエラーが生じてきてマレーは新しいラケットに替えましたが、マレーは勝ち急いで再びブレークされてしまいました。
第6ゲーム(1-4)マレーのサーヴです。ここでジョコはブレークを狙って猛然とラリーが続きます。二人はベースラインからサイドラインを狙ったスーパショットを続けます。このゲームは、マレーのエース2本、ジョコのリターンエース2本など、二人はガッツのある最高のパーフォーマンスをみせてくれました。
お互いにサーヴィスゲームをホールドしながら、試合を決定した第9ゲーム(3-5)を迎えます。ジョコのサーヴィスゲームでこれに勝てば、第3セットとなる重要なゲームです。すでにジョコは31のエラーをおかしていますので(マレーは16)、マレーへのフリーポイントは厳禁です。スコアはAd-40。あと1ポイントでジョコの第2セットの勝利です。ここでジョコはまたもやダブルフォルトをおかしてしまいました!このダブルフォルトは5本目です。このダブルフォルトは大きい。これが影響してか、2度つづけてジョコはミスをおかしてブレークチャンスを逃してしまいました。最近のジョコはこのような重要なポイントがとれずゲームを落としていることがあります。セルビアオープンも近く、両親と家族がそろってボックスに入って応援していましたが、これも案外大きなプレッシャーだったのでは。
ここからはジョコの負け戦のスピードが加速して行きます。第11ゲーム(5-5)ジョコヴィッチのサーヴです。このサーヴィスゲームは絶対にホールドしなければなりません。ジョコはアグレッシヴにネットダッシュを重ねますが、プレッシャーが強すぎたのか、いずれもネットにかけてしまい2ポイントを落とします。
0-40のブレークポイントで、マレーは見事なバックハンドのクロスウィナーを決めてジョコをブレークしました。
最終ゲームとなった第12ゲームはマレーがジョコの追随を許さず、ネットダッシュしたジョコのヴォレーがロングしてマレーの優勝が決定しました。この第2セットはジョコが勝てたセットだっただけに、「最大の敵は自分だった」とジョコが述べているように、このような負け方をしてしまったジョコには大きな悔いが残ったと思います。
最近ポッキリ病(肝心なところでポッキリと折れてしまう)が流行っているのか、フェデラーやジョコヴィッチの感染が気になります。それにしても、一時リズムを失ったものの、すぐ取り戻してすばらしいcontrolled aggressionで勝利をおさめたマレーのメンタルは見事でした。もうチンタラ・テニスなどと悪口は言いません。
この試合でサーヴィスゲームの興味深いスタッツがあります。
第2セットですが、7-5でマレーが勝っているにも拘らず、マレーの1stサーヴの確率が52%でジョコの61%よりもかなり低いのです。しかし獲得したポイント数は、マレーが15ポイント、ジョコが16ポイントでほとんど変わっていません。要するに1stサーヴの確率も重要ですが、もっと重要なのは1stサーヴでとったポイントの数です。つまり問題はサーヴのクウォリティーなのです。第2セットのリターンゲームのポイントも、マレーは24ポイントをとって、ジョコの18ポイントをかなり上回っています。これはマレーのリターンがすばらしかったことを物語っています。
4月11日からクレー最初のマスターズのモンテカルロ大会が始まりますが、フェデラーを除いてほとんどの選手が勢揃いします。十分休養をとったナダルの華麗なクレーテニスが堪能できますね。
(tennisnakamaからお願いです。)
このブログはいわゆる私のテニスエッセーといった形をとっておりますので、テニスのニュースや論説の記事ではありません。事実には忠実でありたいと努めていますが、あくまでもtennisnakamaの眼を通して書いています。表現方法もジャーナリズムでは使わない主観的な用語をわざと使う場合があります。
例えば「フェデラーよ!これが最後のチャンスです!」この場合は文字通りの「最後」ではなく、ここではもう訪れないかも知れないチャンスを強調したくてわざと使っています。日常よく使う「これが最後だからね」あの感じです。
「ナダル帝国」もしかりです。彼は2008年にNo.1の座を勝ち取りテニス界の王者です。その彼の存在を帝国と表現したのは、これから大帝国を建設しつつあるナダルの勢いをも含めて表現したかったので、この表現が間違ってるのかどうかと言う問題になると、帝国の定義から始めなくてはなりません。
言葉の表現にはliteral (文字通り)とfigurative (比喩)がありますが、必ずしもliteralに書いておりませんので、行間のニュアンスをご理解いただければと願います。このブログはエッセーとして、テニスの事実には厳しく、しかし表現に関してはおおらかでありたいと願ってますので、大目にみていただければ幸いです。
2009年04月05日
マッケンローのコーチの噂
今日はいよいよマイアミのソニーエリックソンの決勝です。ジョコヴィッチとマレーが対戦しますが、それにしても気になるのがフェデラーです。ジョコヴィッチに負けるのは仕方ないとしても、負け方があまりにもフェデラーらしくなく、今シーズンに入ってからトップ4に勝てなくなってきている事実は、問題の深刻さを表しています。
ジョン・マッケンローもいてもたってもいられなくなったのか、フランス紙Le Journal du Dimancheのインターヴューで、フェデラーにアドヴァイスを与えたいと述べました。
「ロジャーを助けてあげたい。特にラファ(ナダル)を破るためには作戦を変える必要がある。」
過去19回の対戦でナダルは13勝6敗。しかも昨年からフェデラーはナダルに5回連続して負け続けています。
「一年中彼と一緒についてまわることは考えられないが、ときどき一緒にまわれば面白いかもしれない。」
パートタイムのコーチという意味ではないと思います。マッケンローが抱くイメージはもっとカジュアルな関係で、フェデラーのアドヴァイザーだと思います。
マッケンローは昔からのフェデラーの大ファンで、TVの解説では彼のプレーに最大の賛辞をおくってきました。ですからこのフェデラーの凋落をみていてもたってもおれず、という彼らしい気持ちがあらわれています。
「フェデラーはサンプラスの14のタイトルをとることはできると思うが、No.1にカムバックするのは大変むずかしいと思う。」
過去で年間No.1にカムバックできたのはレンデル一人。いかに王座へのカムバックがむずかしいかを物語っています。
「たとえロジャーがどんなにファンタスティックなプレーヤーであっても、今年のラファは昨年のナダルよりも上回るレベルで、もし体のコンディションに問題がなければ、ロジャーはラファについていくのが大変だと思う。」
もしフェデラーがマッケンローのオファーを受け入れたら?
マッケンローとフェデラーがコートで楽しくプラクティスを・・・考えただけでもゾクゾクするシーンです。マッケンロー自身、ボルグ王国を壊滅させた張本人。ナダル帝国を崩壊するには最適任者です。それにサーヴ&ヴォレーのエキスパートですので、フェデラーのネットプレーが蘇るかもしれません。そしてマッケンローの仲良しベッカー帝王とボルグ帝王にも加わってもらって、フェデラー王国再建を!もう考えただけでも興奮して鳥肌が立ってきます。フェデラーよ! これが最後のチャンスです!
ジョン・マッケンローもいてもたってもいられなくなったのか、フランス紙Le Journal du Dimancheのインターヴューで、フェデラーにアドヴァイスを与えたいと述べました。
「ロジャーを助けてあげたい。特にラファ(ナダル)を破るためには作戦を変える必要がある。」
過去19回の対戦でナダルは13勝6敗。しかも昨年からフェデラーはナダルに5回連続して負け続けています。
「一年中彼と一緒についてまわることは考えられないが、ときどき一緒にまわれば面白いかもしれない。」
パートタイムのコーチという意味ではないと思います。マッケンローが抱くイメージはもっとカジュアルな関係で、フェデラーのアドヴァイザーだと思います。
マッケンローは昔からのフェデラーの大ファンで、TVの解説では彼のプレーに最大の賛辞をおくってきました。ですからこのフェデラーの凋落をみていてもたってもおれず、という彼らしい気持ちがあらわれています。
「フェデラーはサンプラスの14のタイトルをとることはできると思うが、No.1にカムバックするのは大変むずかしいと思う。」
過去で年間No.1にカムバックできたのはレンデル一人。いかに王座へのカムバックがむずかしいかを物語っています。
「たとえロジャーがどんなにファンタスティックなプレーヤーであっても、今年のラファは昨年のナダルよりも上回るレベルで、もし体のコンディションに問題がなければ、ロジャーはラファについていくのが大変だと思う。」
もしフェデラーがマッケンローのオファーを受け入れたら?
マッケンローとフェデラーがコートで楽しくプラクティスを・・・考えただけでもゾクゾクするシーンです。マッケンロー自身、ボルグ王国を壊滅させた張本人。ナダル帝国を崩壊するには最適任者です。それにサーヴ&ヴォレーのエキスパートですので、フェデラーのネットプレーが蘇るかもしれません。そしてマッケンローの仲良しベッカー帝王とボルグ帝王にも加わってもらって、フェデラー王国再建を!もう考えただけでも興奮して鳥肌が立ってきます。フェデラーよ! これが最後のチャンスです!
Roger! Pick up a phone and call John!
2009年04月04日
どうしたフェデラー!?
マイアミ大会のSF準決勝、フェデラーvsジョコヴィッチ戦は、残念ながら外出のために第1セットを見逃してしまいました。帰宅したときは、丁度第2セットが始まる直前。スコアは6-3でフェデラーのリードです。いいぞ、フェデラー! 気持ちも軽くTVとtennistv.comの二面スクリーンで観戦態勢が整いました。今日はストリーミングの方が5秒早く放送しています。昨日は逆でTVのほうが早かったのですが、どうしてこういうことになるのか? 深く追求することはやめて、第2セット観戦です。
今日は風が強く、しかもくるくるとつむじ風のように回転して吹いてくるので、風対策がむずかしいそうです。インディアンウェルズのナダルvsマレーの決勝戦は、強風が吹き荒れ、ナダルの冷静で辛抱強いテニスが勝ちました。「風が強い日はラインぎりぎりは狙わない」このゴールデンルールを守ったナダルが優勝しました。今日は果たして、このルールをどちらが守り、ミスの少ないテニスで勝利を得るか?
第2セット
フェデラーのいつものエラーは?
ブレークポイントの山場がいろいろあったのか?
フェデラーのサーヴは?
第1セットを観ていないので分からないことばかりですが、6-3のスコアから察するに、ジョコヴィチのひどいミスがない限り、フェデラーはかなりいい感じだったはずです。
このフェデラーのいい感じを期待していましたが・・・
第2ゲーム(1-0)フェデラーのサーヴ
フェデラーはサーヴィスウィナーをとって, 15-0と快調な滑り出し。
しかしフォアがベースラインを超え15-15。
せっかくのドロップショットもジョコに追いつかれ15-30。
フェデラーのフォアハンドがとんでもないところに飛んで15-40。
最後はジョコヴィッチがリターンエースをとって、あっさりとブレークされてしまいました。
ジョコは、第3ゲームのサーヴィスゲームでは、ミスも多くなりブレークポイントを迎えますが、フェデラーのエラーに助けられてなんとかブレークを逃れます。それにしても気になるのが、フェデラーの打ち方です。強風のためにスピンを多くかけて打っていますが、どうしても自信のない打ち方をしています。ラケットスピードが打ったあとかなり減速してしまって、スピンが十分に効かないでベースラインを超してしまいます。ほんのわずかな、多分5cmくらいのロングだと思うのですが。この調整ができないで苦労しているようです。
しかしフェデラーは得意のバックハンドのスライスで、ネットぎりぎりのアプローチショットでジョコに角度をつけさせず、ジョコのパッシングショットのエラーを誘う妙技をみせてくれたのは、第5ゲーム(3-1)です。焦ったジョコはブレークポイントでダブルフォルト。フェデラーはブレークバックしてスコアをイーヴンに戻します。
二人が最悪のゲーム展開をみせたのが第6ゲーム(3-2)フェデラーのサーヴィスゲームです。せっかくジョコをブレークしたのもつかの間、フェデラーのエラーが続出して、あっという間の0-40でブレークポイント。何なのよ、これは!と驚いているうちに、どんどんジョコもミスを重ねてデュースへ。ここからがまたすごいというかひどいというか。アドの取り方がすべて相手側のミスによるフリーポイント。こんな試合は観たくない!最後はフェデラーのフォアがベースラインをオーヴァーするエラーによってブレークされてしまいました。最悪!
(ジョコは記者会見で「このゲームがキーだった。これ以降はよいプレーができるようになった。」と述べています。)
第8ゲーム(5-2)フェデラーのサーヴィスゲームは焼けっパチのフェデラーでした。もうメンタルなんてドバイかスイスに忘れてきたみたい。自分に怒りくるって、情けなくて、とてもコントロールできる状態ではなく、15-40のブレークポイントでは、勝ち急ぎの無理な姿勢でフォアを大きくワイドしてしまって、第2セットを逃してしまいました。
フェデラーがこの危ない心理状態から果たしてポジティヴになって第3セットにむかうことができるか? フェデラーならできる! 今まで黙って観戦していた多くのテニスファンが立ち上がりました。こんな負け方はしてほしくない! 割れんばかりにロジャーの名が会場にこだまします。
第3セット
いよいよ最終セット。このセットでフェデラーが立ち直ってくれるかどうか?
フェデラーのサーヴが第2ゲーム(1-0)から始まりました。
ネットダッシュしましたがヴォレーのミス・・・
ウィナーを狙ったファオのインサイドアウトがワイドに・・・
フォアをミスヒットして空中高く・・・
15-40のブレークポイントではバックハンドが大きくそれてしまって、あっさりブレークされてしまいました。
この相変わらずのミスの連続をどう解釈すればよいのか?
解説者たちが大騒ぎです。「もう絶対にフェデラーはコーチなしでは駄目だ。それも一刻もはやく信頼できるコーチを雇って徹底的に解剖修復をはからなければ、この状態から切り抜けられない!」 私も全く同感です。これは技術以前の問題で、気の病(自分が信じられない病気)にかかっているとしか思えません。彼一人では治せない!
第3ゲーム(2-0)では、フェデラーがフォアハンドのショットをネットにかけたイージーミスをみて、解説者がまた叫びました。「こんなひどい試合は初めてです!」
フェデラーも怒りが沸騰点に達してか、ラケットをコートに思い切り投げつけました!グニャグニャに壊れてしまったラケットは、フェデラーの怒りといらだちと情けなさと、あらゆる感情を象徴しているようで、もう観ていられません! 会場も「カモーン!ロジャー!」の合唱です。しかしミスを続けるフェデラーは真逆さまに自滅の特攻隊となって、すべてのポイントをミスでジョコに寄付してしまいました。
第4ゲーム(3-0)はフェデラーのサーヴです。
会場のファンは絶叫に近い叫びで「ロジャー! ロジャー!」のエールがこだまします。しかし・・・ダブルフォルト・・・ああ・・・もう涙。次はロジャーの足が球についていけずネット。それでも必死に挽回をはかるロジャーは(ここから気持ちが入ってロジャーになります)ネットダッシュを。しかしジョコはロブで対応。このロブがとれない! これでロジャーはプッツン。デュースも2度にわたるロジャーの大きくはずれたファオのミスでブレークされてしまいました。
その後はロジャーはジョコのミスが手伝ってブレークしなおしますが、このような不安定なショットを打っていては、ブレークすることがむずかしく、最後のマッチポイントでは、ロジャーのバックのスライスがロングとなって敗北してしまいました。
試合の結果は
ジョコヴィッチ def フェデラー: 3-6, 6-2, 6-3
ではこれからフェデラーはどうすればよいのか? これは多分フェデラー自身が模索して回答をさがしていかなければならない深刻な問題だと思います。答えは残酷なようですが、Nobody knows.
記者会見での二人のコメントをひろってみました。
フェデラーのコメントです:
「今日の試合は風のためにタフな試合となった。しかし風の障害は二人にとって同じこと。ジョコは第1セットで苦労した。今日の試合は自分が落ちかけた状況から這い上がるだけでなく、風とも戦わなければならなかった。しかしジョコの方がうまく対応したことは結果が物語っている。」
「腰の障害があってから、フォームをまた見いだしていかなければならなくなった。残念なことだけど。でもハードコートのシーズンが終わってほっとしたよ。クレーを楽しみにしている。新しいチャプターの始まりだからね。」
新しくコーチが必要かという質問に「過去2年間に5人くらいのコーチをもったよ。」という答え。これはコーチは助けとならないと言っているように聞こえます。
ジョコヴィッチは勝因について以下のように分析しています。
「僕はロジャーと対戦するときは、いつも勝とうとしてアグレッシヴになりすぎるけらいがあるんだ。だから第1セットも僕の勝ち急ぎでミスが多かった。しかし2セット目からもっと辛抱強くチャンスを待つことにしたんだ。1本余分に打たせてチャンスをつかむ。これが成功したのだと思う。」
「今日のロジャーは特別なことはしなかった。いつものようにうまいゲーム展開でペースをかえ、ショートスライスを僕のバックハンド側に打ってきてチャンスをつくるテニスだった。しかし後半からは僕のほうがゲーム展開を彼よりうまくやったと思う。」
まさにその通り。ジョコヴィッチの冷静な判断に拍手です。
今日は風が強く、しかもくるくるとつむじ風のように回転して吹いてくるので、風対策がむずかしいそうです。インディアンウェルズのナダルvsマレーの決勝戦は、強風が吹き荒れ、ナダルの冷静で辛抱強いテニスが勝ちました。「風が強い日はラインぎりぎりは狙わない」このゴールデンルールを守ったナダルが優勝しました。今日は果たして、このルールをどちらが守り、ミスの少ないテニスで勝利を得るか?
第2セット
フェデラーのいつものエラーは?
ブレークポイントの山場がいろいろあったのか?
フェデラーのサーヴは?
第1セットを観ていないので分からないことばかりですが、6-3のスコアから察するに、ジョコヴィチのひどいミスがない限り、フェデラーはかなりいい感じだったはずです。
このフェデラーのいい感じを期待していましたが・・・
第2ゲーム(1-0)フェデラーのサーヴ
フェデラーはサーヴィスウィナーをとって, 15-0と快調な滑り出し。
しかしフォアがベースラインを超え15-15。
せっかくのドロップショットもジョコに追いつかれ15-30。
フェデラーのフォアハンドがとんでもないところに飛んで15-40。
最後はジョコヴィッチがリターンエースをとって、あっさりとブレークされてしまいました。
ジョコは、第3ゲームのサーヴィスゲームでは、ミスも多くなりブレークポイントを迎えますが、フェデラーのエラーに助けられてなんとかブレークを逃れます。それにしても気になるのが、フェデラーの打ち方です。強風のためにスピンを多くかけて打っていますが、どうしても自信のない打ち方をしています。ラケットスピードが打ったあとかなり減速してしまって、スピンが十分に効かないでベースラインを超してしまいます。ほんのわずかな、多分5cmくらいのロングだと思うのですが。この調整ができないで苦労しているようです。
しかしフェデラーは得意のバックハンドのスライスで、ネットぎりぎりのアプローチショットでジョコに角度をつけさせず、ジョコのパッシングショットのエラーを誘う妙技をみせてくれたのは、第5ゲーム(3-1)です。焦ったジョコはブレークポイントでダブルフォルト。フェデラーはブレークバックしてスコアをイーヴンに戻します。
二人が最悪のゲーム展開をみせたのが第6ゲーム(3-2)フェデラーのサーヴィスゲームです。せっかくジョコをブレークしたのもつかの間、フェデラーのエラーが続出して、あっという間の0-40でブレークポイント。何なのよ、これは!と驚いているうちに、どんどんジョコもミスを重ねてデュースへ。ここからがまたすごいというかひどいというか。アドの取り方がすべて相手側のミスによるフリーポイント。こんな試合は観たくない!最後はフェデラーのフォアがベースラインをオーヴァーするエラーによってブレークされてしまいました。最悪!
(ジョコは記者会見で「このゲームがキーだった。これ以降はよいプレーができるようになった。」と述べています。)
第8ゲーム(5-2)フェデラーのサーヴィスゲームは焼けっパチのフェデラーでした。もうメンタルなんてドバイかスイスに忘れてきたみたい。自分に怒りくるって、情けなくて、とてもコントロールできる状態ではなく、15-40のブレークポイントでは、勝ち急ぎの無理な姿勢でフォアを大きくワイドしてしまって、第2セットを逃してしまいました。
フェデラーがこの危ない心理状態から果たしてポジティヴになって第3セットにむかうことができるか? フェデラーならできる! 今まで黙って観戦していた多くのテニスファンが立ち上がりました。こんな負け方はしてほしくない! 割れんばかりにロジャーの名が会場にこだまします。
第3セット
いよいよ最終セット。このセットでフェデラーが立ち直ってくれるかどうか?
フェデラーのサーヴが第2ゲーム(1-0)から始まりました。
ネットダッシュしましたがヴォレーのミス・・・
ウィナーを狙ったファオのインサイドアウトがワイドに・・・
フォアをミスヒットして空中高く・・・
15-40のブレークポイントではバックハンドが大きくそれてしまって、あっさりブレークされてしまいました。
この相変わらずのミスの連続をどう解釈すればよいのか?
解説者たちが大騒ぎです。「もう絶対にフェデラーはコーチなしでは駄目だ。それも一刻もはやく信頼できるコーチを雇って徹底的に解剖修復をはからなければ、この状態から切り抜けられない!」 私も全く同感です。これは技術以前の問題で、気の病(自分が信じられない病気)にかかっているとしか思えません。彼一人では治せない!
第3ゲーム(2-0)では、フェデラーがフォアハンドのショットをネットにかけたイージーミスをみて、解説者がまた叫びました。「こんなひどい試合は初めてです!」
フェデラーも怒りが沸騰点に達してか、ラケットをコートに思い切り投げつけました!グニャグニャに壊れてしまったラケットは、フェデラーの怒りといらだちと情けなさと、あらゆる感情を象徴しているようで、もう観ていられません! 会場も「カモーン!ロジャー!」の合唱です。しかしミスを続けるフェデラーは真逆さまに自滅の特攻隊となって、すべてのポイントをミスでジョコに寄付してしまいました。
第4ゲーム(3-0)はフェデラーのサーヴです。
会場のファンは絶叫に近い叫びで「ロジャー! ロジャー!」のエールがこだまします。しかし・・・ダブルフォルト・・・ああ・・・もう涙。次はロジャーの足が球についていけずネット。それでも必死に挽回をはかるロジャーは(ここから気持ちが入ってロジャーになります)ネットダッシュを。しかしジョコはロブで対応。このロブがとれない! これでロジャーはプッツン。デュースも2度にわたるロジャーの大きくはずれたファオのミスでブレークされてしまいました。
その後はロジャーはジョコのミスが手伝ってブレークしなおしますが、このような不安定なショットを打っていては、ブレークすることがむずかしく、最後のマッチポイントでは、ロジャーのバックのスライスがロングとなって敗北してしまいました。
試合の結果は
ジョコヴィッチ def フェデラー: 3-6, 6-2, 6-3
ではこれからフェデラーはどうすればよいのか? これは多分フェデラー自身が模索して回答をさがしていかなければならない深刻な問題だと思います。答えは残酷なようですが、Nobody knows.
記者会見での二人のコメントをひろってみました。
フェデラーのコメントです:
「今日の試合は風のためにタフな試合となった。しかし風の障害は二人にとって同じこと。ジョコは第1セットで苦労した。今日の試合は自分が落ちかけた状況から這い上がるだけでなく、風とも戦わなければならなかった。しかしジョコの方がうまく対応したことは結果が物語っている。」
「腰の障害があってから、フォームをまた見いだしていかなければならなくなった。残念なことだけど。でもハードコートのシーズンが終わってほっとしたよ。クレーを楽しみにしている。新しいチャプターの始まりだからね。」
新しくコーチが必要かという質問に「過去2年間に5人くらいのコーチをもったよ。」という答え。これはコーチは助けとならないと言っているように聞こえます。
ジョコヴィッチは勝因について以下のように分析しています。
「僕はロジャーと対戦するときは、いつも勝とうとしてアグレッシヴになりすぎるけらいがあるんだ。だから第1セットも僕の勝ち急ぎでミスが多かった。しかし2セット目からもっと辛抱強くチャンスを待つことにしたんだ。1本余分に打たせてチャンスをつかむ。これが成功したのだと思う。」
「今日のロジャーは特別なことはしなかった。いつものようにうまいゲーム展開でペースをかえ、ショートスライスを僕のバックハンド側に打ってきてチャンスをつくるテニスだった。しかし後半からは僕のほうがゲーム展開を彼よりうまくやったと思う。」
まさにその通り。ジョコヴィッチの冷静な判断に拍手です。
2009年04月04日
デルポが見事ナダルを打倒
4月2日のマイアミ(ソニーエリックソン)のQFは、劇的な結果となりました。
No.7のデルポトロが世界No.1を破りました! ナダルはマイアミ大会では不調ながら何とか勝ち続けてこれましたが、7割の力ではトップ10を勝ち抜くことはできませんでした。 一瞬たりとも気を許すことのできないプロテニスの厳しさを思いしらされたQFでした。
第1セット
試合はナダルのサーヴから始まり40-0と快調な滑り出しです。第2ゲームのデルポトロはダブルフォルトでデュースとなりますが、ナダルがヴォレーミス、続いてバックハンドが2mもサイドラインからワイドにミス。このナダルなしからぬミスの連続でデルポはサーヴィスゲームをホールドします。
ここから簡単にゲームごとに第1セットの模様を書いてみますが、デルポは緊張でミス、ナダルは不調を引きずってミス、と二人のミスが試合を決定した感のあるぎくしゃくした第1セットとなりました。
第3ゲーム(1-1)ナダルのサーヴ
デルポのフォアが決まらず3回エラーをおかし、ナダルは今までやったことのないオーヴァーヘッドのミスでアウト。このオーヴァーヘッドのミスは傷として残るかもしれないイージーミスが心配。
第4ゲーム(2-1)デルポのサーヴ
サーヴが武器の割には切れが悪くエースやサーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)がなかなかでないデルポ。ナダルもどこまで力を入れて打ってよいのかわからず、中途半端なスウィングでネットしたりオーヴァーヒットしたり。ナダルのラケットスピードが格段に落ちてきて、特にフォアのストロークに自信のない様子が心配される。
第5ゲーム(2-2)ナダルのサーヴ
ナダルのショートボールにデルポは突然牙をむき出して、ステップインしてフォアのインサイドアウトでウィナーを決める。ナダルも負けじとネットダッシュでデルポにプレッシャーを与えヴォレーのウィナーでお返し。そして最後はナダルはワイドにきれるサーヴィスウィナーでサーヴィスゲームをホールド。
第6ゲーム(3-2)デルポのサーヴ
デルポのサーヴが急にさえを見せ始め、エース3本がきまってデルポの攻撃が開始。
第7ゲーム(3-3)ナダルのサーヴ
デルポはナダルのバックを狙ってforced errorを誘う。これは最後までデルポの作戦で有効なショットで、両手バックハンドのナダルはリーチが狭く、デルポのフォアで叩かれたワイドなショットにナダルは苦しむことになる。
ナダルのバックハンドが決まらず30-40でブレークポイントを迎えてしまうが、ナダルのサーヴィスリターンを浮かしてしまったデルポの球をナダルはスマッシュして40-40へ。ボディーサーヴでデルポをジャムらせAd-40. 最後はナダルのフォアのクロスがディープに決まりデルポの球が浮いたところを、ナダルはネットダッシュでヴォレーで決めブレークを逃れる。
第8ゲーム(4-3)デルポのサーヴ
デルポはフォアの2度のミス、ナダルはフォアとバックで2度のミスで30-30。
デルポはサーヴ&ヴォレーでナダルを驚かすが成功せずに30-40でブレークポイントを迎えてしまう。ここでブレークを狙ったナダルはネットダッシュするが、デルポのナダルのボディー直撃にあい不成功に終わる。
第9ゲーム(4-4)ナダルのサーヴ
ナダルの2ndサーヴは彼の弱点の一つで、デルポはリターンウィナーに成功。
ナダルのエラーが増え出し、またもや片手バックのスライスのエラーで早くも15-40のブレークポイント。デルポはナダルのショートボールを予期してコートの中からスペキュタキュラーなフォアハンドのクロスでウィナーを決めてブレークに成功。
第10ゲーム(4-5)デルポのサーヴ
ナダルをブレークしたデルポは勢いをえてサーヴィスウィナー。ナダルはデルポの2ndサーヴをリターンエースするなど対抗したが、焦りが見えエラーがつづき最後はバックハンドがベースラインを超してデルポの勝利。
第2セット
以前ある解説者が言ってましたが、「ドロップショットが頻繁にでてくるときは、その選手が早く試合を終えてしまいたいという気持ちがあるときで黄色信号。」
第3ゲーム(1-1)にこの焦りのドロップショットがナダルにみられました。ベースラインが好きなデルポにはドロップショットは有効ですが、彼の足の速さを軽視してはいけません。ナダルのドロップショットも完璧でなければデルポにおいつかれて逆襲を受けます。2度ナダルはトライしましたがいずれも不成功。しかもデュースに追い込まれたナダルは守りに入り、ショットにコミットできず中途半端になりがちでエラーがふえブレークされてしまいました。
しかしナダルのすごいのは次に第4ゲーム(1-2)でデルポにリベンジです。借金はすぐ返す。気持ちの上で負を残さない。ナダルは今まで決まらなかったバックハンドでリスクを負ったウィナーを狙います。あの見事なバックハンドのダウンザラインがサイドラインの上に決まりました! 自信をえたナダルは同じショットで再びウィナーを。そして最後はフォアのダウンザラインでウィナーを決め、デルポをブレークしてスコアはイーヴンに。ナダルが返ってきた!すばらしいゲーム展開をみせたナダルに会場は割れんばかりの拍手喝采を送ります。
ナダルは猛然と攻めに入ります。第5ゲーム(2-2)に入るとサイドライン上に華麗に落ちるウィナーを2本決めサーヴィスゲームを決めました。
ここで焦ってきたのはデルポ。第6ゲーム(3-2)ではナダルを左右に振ってエラーを誘いますが、自分がエラーをしてしまい0-30と2ポイントを失います。そこを強気のナダルがサイドライン上にフォアのダウンザラインでウィナーを決めブレークポイントへ。デルポは勝ち急いでネットして、ナダルはデルポをブレークしました。
ますます自信を得たナダルは、第7ゲーム(4-2)でエース2本、サーヴィスウィナー2本を打ち、40-0の完璧なサーヴィスゲームをみせてくれました。
第3セット
上がり調子のナダルに圧倒されてか、デルポはフォーカスを失い0-40で簡単に第1ゲームをブレークされてしまいました。しかもデルポは肩で息をしていてかなり疲労している様子。
第3ゲーム(2-0)デルポのサーヴとなりますが、フォアとバックのミスの連続で0-30. しかしナダルのネットにかけるミスも手伝ってなかなかデルポをブレークできずにデュース。しかしナダルはギアを上げて、長いラリーの後フォアでクロスのウィナーを決め、そして最後はネットダッシュしてパッシングショットを美しく決めてデルポをブレークしました。
問題の第4ゲーム(3-0)です。2度も簡単にデルポをブレークしてしまったナダルはホッとしたのか、めずらしくメンタルラプスmental lapseがおきました。
フォアのワイドやネットのエラーでポイントを失っていきます。ナダルのミスに助けられながら、デルポはステップアップしてガッツのあるファオのダウンザラインを決め、ナダルをブレークしてしまいました。
ここで流れが完全に逆転。デルポはスイッチをオフェンスに切り替え、第5ゲーム(3-1)は2本のサーヴィスウィナーを決め、ナダルの2つのエラーが手伝って40-0で強気のサーヴィスゲームとなりました。
第6ゲーム(3-2)はますますデルポに勢いがつき、オフェンス速度が速まります。ナダルは早くもフォアの連続ミスが重なって0-40のピンチ。しかしやっとデルポをワイドにふってネットさせますが、15-40のブレークポイント。二人はサイドラインを狙った壮絶な戦いが続きます。ライン上に落ちるウィナーの球でも二人は拾いまくり、長い息を飲むラリーが続きます。しかしデルポは最後にナダルをワイドに振って、ナダルは球に届かず、ブレークされてしまいました。
ここから二人の死闘のテニスが始まります。全霊を込めた壮絶な戦いは、どちらが勝ってもおかしくない、全く予期できない試合の展開を広げていくことになります。
デルポはマイアミの蒸し暑さに耐えきれず、ボトルの水を頭にかけたのが効いたのか、第9ゲーム(4-4)ではエース3本をとりサーヴィスゲームをホールド。ナダルも負けじと、ウィナーをとったときは拳を上げて大声でVamos!
試合の勝敗は予断を許さず、どちらに転ぶが分からないスリル満点の展開です。会場もワールドカップのような応援。アルジェンチン側についたのは、マイアミに住む多くのラティン系の観客です。これぞまさにテニスの醍醐味。
私の外出時間が迫り詳しくは書けませんが、ちょっと気になったのはデルポのメディカルタイムアウトです。
第12ゲーム(5-6)ナダルのサーヴのときにデルポはトレーナーを呼び、足をマッサージしてもらっています。こんなときに! このタイムアウトがどのようにナダルに影響するか? 案の定、すったもんだ苦闘してナダルは15-40でマッチポイント。しかしナダルは粘ってデュースにもどし、デルポは固くなってダブルフォルト。そして2度にわたるデルポのミスでナダルはマッチポイントを逃れます。しかし危ないぞ、ナダル。
いよいよタイブレークです。ここで勝敗が決まってしまう。
ここでデルポがすばらしかったのは、彼のナダルの弱点を攻め続けるテニスです。
今までナダルはバックにワイドに切れる球にたどりつくのがやっとで、返球は甘くなりデルポに叩かれてきました。この手段を使わない手はない。一方ナダルは成功しなかったドロップショットを使ってまた失敗。せっかく勝てるポイントもナダルはネットのデルポにボディー攻撃を行い逆襲を受けて失点。なぜパッシングショットを行わないのか? このようにショットの選択の差がでたのがタイブレーク。デルポは落ち着いて効果的なショットでナダルのエラーを誘いました。
テニスIQの話を前回しましたが、デルポはメンタルの強さだけでなく、IQの高さも証明しました。
ナダルの敗因は「疲れ」だと思います。オーストラリアン・オープン優勝、デ杯の勝利、インディアンウェルズ優勝と立て続けに試合に勝ち残ってきたため、肉体的にも精神的にもゆっくりと休む時間がありませんでした。
インタービューでも言ってますが、このマイアミは準備が不十分であったことは確かです。彼も人間。マヨルカに戻って少し休養してほしいですね。
それにしてもこんなすばらしい試合を見せてくれた二人にありがとう!
(読み返す時間がないので誤字脱字などのエラーはお許しください。)
No.7のデルポトロが世界No.1を破りました! ナダルはマイアミ大会では不調ながら何とか勝ち続けてこれましたが、7割の力ではトップ10を勝ち抜くことはできませんでした。 一瞬たりとも気を許すことのできないプロテニスの厳しさを思いしらされたQFでした。
第1セット
試合はナダルのサーヴから始まり40-0と快調な滑り出しです。第2ゲームのデルポトロはダブルフォルトでデュースとなりますが、ナダルがヴォレーミス、続いてバックハンドが2mもサイドラインからワイドにミス。このナダルなしからぬミスの連続でデルポはサーヴィスゲームをホールドします。
ここから簡単にゲームごとに第1セットの模様を書いてみますが、デルポは緊張でミス、ナダルは不調を引きずってミス、と二人のミスが試合を決定した感のあるぎくしゃくした第1セットとなりました。
第3ゲーム(1-1)ナダルのサーヴ
デルポのフォアが決まらず3回エラーをおかし、ナダルは今までやったことのないオーヴァーヘッドのミスでアウト。このオーヴァーヘッドのミスは傷として残るかもしれないイージーミスが心配。
第4ゲーム(2-1)デルポのサーヴ
サーヴが武器の割には切れが悪くエースやサーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)がなかなかでないデルポ。ナダルもどこまで力を入れて打ってよいのかわからず、中途半端なスウィングでネットしたりオーヴァーヒットしたり。ナダルのラケットスピードが格段に落ちてきて、特にフォアのストロークに自信のない様子が心配される。
第5ゲーム(2-2)ナダルのサーヴ
ナダルのショートボールにデルポは突然牙をむき出して、ステップインしてフォアのインサイドアウトでウィナーを決める。ナダルも負けじとネットダッシュでデルポにプレッシャーを与えヴォレーのウィナーでお返し。そして最後はナダルはワイドにきれるサーヴィスウィナーでサーヴィスゲームをホールド。
第6ゲーム(3-2)デルポのサーヴ
デルポのサーヴが急にさえを見せ始め、エース3本がきまってデルポの攻撃が開始。
第7ゲーム(3-3)ナダルのサーヴ
デルポはナダルのバックを狙ってforced errorを誘う。これは最後までデルポの作戦で有効なショットで、両手バックハンドのナダルはリーチが狭く、デルポのフォアで叩かれたワイドなショットにナダルは苦しむことになる。
ナダルのバックハンドが決まらず30-40でブレークポイントを迎えてしまうが、ナダルのサーヴィスリターンを浮かしてしまったデルポの球をナダルはスマッシュして40-40へ。ボディーサーヴでデルポをジャムらせAd-40. 最後はナダルのフォアのクロスがディープに決まりデルポの球が浮いたところを、ナダルはネットダッシュでヴォレーで決めブレークを逃れる。
第8ゲーム(4-3)デルポのサーヴ
デルポはフォアの2度のミス、ナダルはフォアとバックで2度のミスで30-30。
デルポはサーヴ&ヴォレーでナダルを驚かすが成功せずに30-40でブレークポイントを迎えてしまう。ここでブレークを狙ったナダルはネットダッシュするが、デルポのナダルのボディー直撃にあい不成功に終わる。
第9ゲーム(4-4)ナダルのサーヴ
ナダルの2ndサーヴは彼の弱点の一つで、デルポはリターンウィナーに成功。
ナダルのエラーが増え出し、またもや片手バックのスライスのエラーで早くも15-40のブレークポイント。デルポはナダルのショートボールを予期してコートの中からスペキュタキュラーなフォアハンドのクロスでウィナーを決めてブレークに成功。
第10ゲーム(4-5)デルポのサーヴ
ナダルをブレークしたデルポは勢いをえてサーヴィスウィナー。ナダルはデルポの2ndサーヴをリターンエースするなど対抗したが、焦りが見えエラーがつづき最後はバックハンドがベースラインを超してデルポの勝利。
第2セット
以前ある解説者が言ってましたが、「ドロップショットが頻繁にでてくるときは、その選手が早く試合を終えてしまいたいという気持ちがあるときで黄色信号。」
第3ゲーム(1-1)にこの焦りのドロップショットがナダルにみられました。ベースラインが好きなデルポにはドロップショットは有効ですが、彼の足の速さを軽視してはいけません。ナダルのドロップショットも完璧でなければデルポにおいつかれて逆襲を受けます。2度ナダルはトライしましたがいずれも不成功。しかもデュースに追い込まれたナダルは守りに入り、ショットにコミットできず中途半端になりがちでエラーがふえブレークされてしまいました。
しかしナダルのすごいのは次に第4ゲーム(1-2)でデルポにリベンジです。借金はすぐ返す。気持ちの上で負を残さない。ナダルは今まで決まらなかったバックハンドでリスクを負ったウィナーを狙います。あの見事なバックハンドのダウンザラインがサイドラインの上に決まりました! 自信をえたナダルは同じショットで再びウィナーを。そして最後はフォアのダウンザラインでウィナーを決め、デルポをブレークしてスコアはイーヴンに。ナダルが返ってきた!すばらしいゲーム展開をみせたナダルに会場は割れんばかりの拍手喝采を送ります。
ナダルは猛然と攻めに入ります。第5ゲーム(2-2)に入るとサイドライン上に華麗に落ちるウィナーを2本決めサーヴィスゲームを決めました。
ここで焦ってきたのはデルポ。第6ゲーム(3-2)ではナダルを左右に振ってエラーを誘いますが、自分がエラーをしてしまい0-30と2ポイントを失います。そこを強気のナダルがサイドライン上にフォアのダウンザラインでウィナーを決めブレークポイントへ。デルポは勝ち急いでネットして、ナダルはデルポをブレークしました。
ますます自信を得たナダルは、第7ゲーム(4-2)でエース2本、サーヴィスウィナー2本を打ち、40-0の完璧なサーヴィスゲームをみせてくれました。
第3セット
上がり調子のナダルに圧倒されてか、デルポはフォーカスを失い0-40で簡単に第1ゲームをブレークされてしまいました。しかもデルポは肩で息をしていてかなり疲労している様子。
第3ゲーム(2-0)デルポのサーヴとなりますが、フォアとバックのミスの連続で0-30. しかしナダルのネットにかけるミスも手伝ってなかなかデルポをブレークできずにデュース。しかしナダルはギアを上げて、長いラリーの後フォアでクロスのウィナーを決め、そして最後はネットダッシュしてパッシングショットを美しく決めてデルポをブレークしました。
問題の第4ゲーム(3-0)です。2度も簡単にデルポをブレークしてしまったナダルはホッとしたのか、めずらしくメンタルラプスmental lapseがおきました。
フォアのワイドやネットのエラーでポイントを失っていきます。ナダルのミスに助けられながら、デルポはステップアップしてガッツのあるファオのダウンザラインを決め、ナダルをブレークしてしまいました。
ここで流れが完全に逆転。デルポはスイッチをオフェンスに切り替え、第5ゲーム(3-1)は2本のサーヴィスウィナーを決め、ナダルの2つのエラーが手伝って40-0で強気のサーヴィスゲームとなりました。
第6ゲーム(3-2)はますますデルポに勢いがつき、オフェンス速度が速まります。ナダルは早くもフォアの連続ミスが重なって0-40のピンチ。しかしやっとデルポをワイドにふってネットさせますが、15-40のブレークポイント。二人はサイドラインを狙った壮絶な戦いが続きます。ライン上に落ちるウィナーの球でも二人は拾いまくり、長い息を飲むラリーが続きます。しかしデルポは最後にナダルをワイドに振って、ナダルは球に届かず、ブレークされてしまいました。
ここから二人の死闘のテニスが始まります。全霊を込めた壮絶な戦いは、どちらが勝ってもおかしくない、全く予期できない試合の展開を広げていくことになります。
デルポはマイアミの蒸し暑さに耐えきれず、ボトルの水を頭にかけたのが効いたのか、第9ゲーム(4-4)ではエース3本をとりサーヴィスゲームをホールド。ナダルも負けじと、ウィナーをとったときは拳を上げて大声でVamos!
試合の勝敗は予断を許さず、どちらに転ぶが分からないスリル満点の展開です。会場もワールドカップのような応援。アルジェンチン側についたのは、マイアミに住む多くのラティン系の観客です。これぞまさにテニスの醍醐味。
私の外出時間が迫り詳しくは書けませんが、ちょっと気になったのはデルポのメディカルタイムアウトです。
第12ゲーム(5-6)ナダルのサーヴのときにデルポはトレーナーを呼び、足をマッサージしてもらっています。こんなときに! このタイムアウトがどのようにナダルに影響するか? 案の定、すったもんだ苦闘してナダルは15-40でマッチポイント。しかしナダルは粘ってデュースにもどし、デルポは固くなってダブルフォルト。そして2度にわたるデルポのミスでナダルはマッチポイントを逃れます。しかし危ないぞ、ナダル。
いよいよタイブレークです。ここで勝敗が決まってしまう。
ここでデルポがすばらしかったのは、彼のナダルの弱点を攻め続けるテニスです。
今までナダルはバックにワイドに切れる球にたどりつくのがやっとで、返球は甘くなりデルポに叩かれてきました。この手段を使わない手はない。一方ナダルは成功しなかったドロップショットを使ってまた失敗。せっかく勝てるポイントもナダルはネットのデルポにボディー攻撃を行い逆襲を受けて失点。なぜパッシングショットを行わないのか? このようにショットの選択の差がでたのがタイブレーク。デルポは落ち着いて効果的なショットでナダルのエラーを誘いました。
テニスIQの話を前回しましたが、デルポはメンタルの強さだけでなく、IQの高さも証明しました。
ナダルの敗因は「疲れ」だと思います。オーストラリアン・オープン優勝、デ杯の勝利、インディアンウェルズ優勝と立て続けに試合に勝ち残ってきたため、肉体的にも精神的にもゆっくりと休む時間がありませんでした。
インタービューでも言ってますが、このマイアミは準備が不十分であったことは確かです。彼も人間。マヨルカに戻って少し休養してほしいですね。
それにしてもこんなすばらしい試合を見せてくれた二人にありがとう!
(読み返す時間がないので誤字脱字などのエラーはお許しください。)
2009年04月03日
蘇生なるかフェデラーのメンタル
いやー、疲れました!
マイアミ大会準決勝、フェデラーvsロディックは、フェデラーが3セットのバトルのすえ、やっとロディックに勝ちました。最近のフェデラーはアップダウンが激しく、第2セットは捨て試合になり心配しましたが、第3セットでもちなおしての勝利です。今までみられたあっさりと最後に負けてしまうフェデラーの姿はなく、40のエラー(unforced error )を重ねながらも勝ち残ったフェデラーには、あのナダルの「勝つことへの執念」が戻ってきました。しかしロディックもアグレッシヴな姿勢をくずさず、粘りのあるよい試合をするようになりました。
Federer def Roddick: 6-3, 4-6, 6-4
第1セット:6-3
両選手ともサーヴがよく、ネットダッシュで決めるアグレッシヴなテニスが始まりました。ロディックの執拗なネットダッシュに、フェデラーが華麗なパッシングショットでウィナーを決め、ますますフェデラーのオフェンスにギアアップ。しかし5ゲーム目(2-2)でロディックは勝ち焦りがみえ、3度のウィナー狙いがはずれてブレークされてしまいます。フェデラーはエラーをおかしつつもアグレッシヴな攻撃の手をゆるめず、ロディックにプレッシャーを与え9ゲーム目(5-3)でロディックはダブルフォルト。このダブルフォルトでロディックはセットポイントを迎えるという最悪な事態を招いてしまいました。
第2セット:4-6
このまま順調にいかないのがテニスの面白さなのですが、フェデラーファンにとっては、もう観ていられないテニスとなり、夫はついにTV部屋を去ってベッドに直行。フェデラーを見捨ててしまいました。勝ってるときだけ応援して、負け出すと席を立ってしまう。こういう態度は真のファンとはいえません。カツ!
フェデラーもロディックもサーヴがよく、サーヴィスゲームをホールドして4ゲーム目でロディックのサーヴです。ロディックのエラーとフェデラーのウィナーであっさり0-40のブレークポイント。しかしこのピンチをロディックは、フォアのダウンザラインとクロスのウィナー、そしてヴォレーで華麗に決めてブレークを逃れました。この40-0のブレークチャンスを失ったフェデラーは、頭に来たのか、焦りまくったのか、ここからますますエラーが増えていきます。案の定、7ゲーム目(3-3)でフェデラーの信じられないエラーが続き、最後はダブルフォルトでゲームを放棄、ブレークされてしまいました。その後はロディックが連発するサーヴィスウィナーとエースでブレークすることができず、フェデラーは第2セットを落としてしまいました。
第3セット:6-4
6ゲームのうち1ゲームをのぞく5ゲームはすべて40-0という、二人の圧倒的なサーヴィスゲームの展開で会場は沸き上がっています。フェデラーが根性を見せたのは7ゲーム目です。フェデラーのエラーが続いて15-40とブレークポイントとなりましたが、メンタルでフォアハンド、ヴォレー、サーヴのウィナーを連続してとり、最後はロディックのミスが手伝ってブレークを逃れました。
ロディックはスライスを効果的にミックスしながらフェデラーのミスをさそいますが、執拗にネットダッシュを続けるロディックに甘さがみえ始め、フェデラーのパッシングショットの成功率が上がっていきます。
勝敗を決定した第10ゲーム(ロディックのサーヴ)では、40-15とリードしながら、フェデラーの2度のパッシングショットやラッキーショット(ネットに当たって入る)で、ロディックはマッチポイントを迎えてしまいます。ここでまたフェデラーはネットダッシュしたロディックにパッシングショットでウィナーをとって勝利を決めました。
第3セットはまるでフェデラーのパッシングショットの練習です。これだけ決められてしまったロディックは、作戦を変えるべきでした。試合の前半まで有効だったネットダッシュも、ロディックのパターンを分析されてしまうので効果が半減してしまいます。ここにフェデラーの強さがあります。
テニスIQという言葉が最近さかんに使われていますが、この試合でもフェデラーはテニスIQの高さを発揮しました。最もテニスIQの高い選手として知られているのはマレーですが、「相手に予期させないテニス」をするためには、作戦を常時変更していける技術と、頭の柔らかさが不可欠。 ロディックはその意味でも、これからステファンキのコーチのもとで、どんどんIQを上げていってくれると思います。
「何度かブレークされそうになったけれど、何とか切り抜けることができた。今の僕にとってこの第3セットのようなゲームが最も必要だった。このようなタフな試合に生き残ることで、トーナメントを勝ち進んでいけることがあるのだから。」
フェデラーが一時失いかけたメンタルを取り戻してきたように思います。次はいよいよSF準決勝。ジョコヴィッチとどのような試合を展開してくれるでしょうか?
マイアミ大会準決勝、フェデラーvsロディックは、フェデラーが3セットのバトルのすえ、やっとロディックに勝ちました。最近のフェデラーはアップダウンが激しく、第2セットは捨て試合になり心配しましたが、第3セットでもちなおしての勝利です。今までみられたあっさりと最後に負けてしまうフェデラーの姿はなく、40のエラー(unforced error )を重ねながらも勝ち残ったフェデラーには、あのナダルの「勝つことへの執念」が戻ってきました。しかしロディックもアグレッシヴな姿勢をくずさず、粘りのあるよい試合をするようになりました。
Federer def Roddick: 6-3, 4-6, 6-4
第1セット:6-3
両選手ともサーヴがよく、ネットダッシュで決めるアグレッシヴなテニスが始まりました。ロディックの執拗なネットダッシュに、フェデラーが華麗なパッシングショットでウィナーを決め、ますますフェデラーのオフェンスにギアアップ。しかし5ゲーム目(2-2)でロディックは勝ち焦りがみえ、3度のウィナー狙いがはずれてブレークされてしまいます。フェデラーはエラーをおかしつつもアグレッシヴな攻撃の手をゆるめず、ロディックにプレッシャーを与え9ゲーム目(5-3)でロディックはダブルフォルト。このダブルフォルトでロディックはセットポイントを迎えるという最悪な事態を招いてしまいました。
第2セット:4-6
このまま順調にいかないのがテニスの面白さなのですが、フェデラーファンにとっては、もう観ていられないテニスとなり、夫はついにTV部屋を去ってベッドに直行。フェデラーを見捨ててしまいました。勝ってるときだけ応援して、負け出すと席を立ってしまう。こういう態度は真のファンとはいえません。カツ!
フェデラーもロディックもサーヴがよく、サーヴィスゲームをホールドして4ゲーム目でロディックのサーヴです。ロディックのエラーとフェデラーのウィナーであっさり0-40のブレークポイント。しかしこのピンチをロディックは、フォアのダウンザラインとクロスのウィナー、そしてヴォレーで華麗に決めてブレークを逃れました。この40-0のブレークチャンスを失ったフェデラーは、頭に来たのか、焦りまくったのか、ここからますますエラーが増えていきます。案の定、7ゲーム目(3-3)でフェデラーの信じられないエラーが続き、最後はダブルフォルトでゲームを放棄、ブレークされてしまいました。その後はロディックが連発するサーヴィスウィナーとエースでブレークすることができず、フェデラーは第2セットを落としてしまいました。
第3セット:6-4
6ゲームのうち1ゲームをのぞく5ゲームはすべて40-0という、二人の圧倒的なサーヴィスゲームの展開で会場は沸き上がっています。フェデラーが根性を見せたのは7ゲーム目です。フェデラーのエラーが続いて15-40とブレークポイントとなりましたが、メンタルでフォアハンド、ヴォレー、サーヴのウィナーを連続してとり、最後はロディックのミスが手伝ってブレークを逃れました。
ロディックはスライスを効果的にミックスしながらフェデラーのミスをさそいますが、執拗にネットダッシュを続けるロディックに甘さがみえ始め、フェデラーのパッシングショットの成功率が上がっていきます。
勝敗を決定した第10ゲーム(ロディックのサーヴ)では、40-15とリードしながら、フェデラーの2度のパッシングショットやラッキーショット(ネットに当たって入る)で、ロディックはマッチポイントを迎えてしまいます。ここでまたフェデラーはネットダッシュしたロディックにパッシングショットでウィナーをとって勝利を決めました。
第3セットはまるでフェデラーのパッシングショットの練習です。これだけ決められてしまったロディックは、作戦を変えるべきでした。試合の前半まで有効だったネットダッシュも、ロディックのパターンを分析されてしまうので効果が半減してしまいます。ここにフェデラーの強さがあります。
テニスIQという言葉が最近さかんに使われていますが、この試合でもフェデラーはテニスIQの高さを発揮しました。最もテニスIQの高い選手として知られているのはマレーですが、「相手に予期させないテニス」をするためには、作戦を常時変更していける技術と、頭の柔らかさが不可欠。 ロディックはその意味でも、これからステファンキのコーチのもとで、どんどんIQを上げていってくれると思います。
「何度かブレークされそうになったけれど、何とか切り抜けることができた。今の僕にとってこの第3セットのようなゲームが最も必要だった。このようなタフな試合に生き残ることで、トーナメントを勝ち進んでいけることがあるのだから。」
フェデラーが一時失いかけたメンタルを取り戻してきたように思います。次はいよいよSF準決勝。ジョコヴィッチとどのような試合を展開してくれるでしょうか?
2009年04月01日
ナダルの勝つことへの執念
いよいよマイアミ(ソニーエリックソン)大会はQF準々決勝をむかえます。
今年の3大試合、オーストラリアン・オープン、インディアンウェルズ、マイアミの8強のメンバーをみてみると、3トーナメントすべてに残ったのは、トップ3のナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ, トップ10ではロディック、デルポトロ、べルダスコです。このようにトップ選手が残るトーナメントについてナダルは「とてもよいことだと思う。いつもベスト同士の戦いが観れるのはエキサイティングなことだから。」と述べていますが、全くその通りですね。
オーストラリアン・オープン:
ナダル def シモン:6-2, 7-5, 7-5
フェデラー def デルポトロ:6-3, 6-0, 6-0
ロディック def ジョコヴィッチ:6-7, 6-4, 6-2, 2-1(retired)
べルダスコ def ツォンガ:7-6, 6-3, 3-6, 6-2
インディアンウェルズ:
ナダル def デルポトロ:6-2, 6-4
ロディック def ジョコヴィッチ: 6-3, 6-2
マレー def リュービチッチ:7-5, 7-6
フェデラー def べルダスコ:6-3, 7-6
そして今日から始まるマイアミQFのドローです。このような贅沢な試合が毎回観戦できるのは、テニスファンにとっては実にラッキーなことですね。
ナダル vs デルポトロ
フェデラー vs ロディック
ジョコヴィッチ vs ツォンガ
マレー vs べルダスコ
さて、ナダルの勝つことに対する執念を観たのが対ヴァヴリンカ戦でした。
今日の試合についてどう思うかとの質問に、「勝つことが大切なんだ。ブレークポイントを多く得ながら得点に結びつけられなかったけれど、とにかく勝つことができたんだ。よい試合だったと思う。」と、ナダルはいつも限りなくポジティヴな態度です。
Nadal def Wawrinka: 7-6, 7-6
ヴァヴリンカとの試合は、徐々に両選手のギアがアップして最後は決勝に値するハイクウォリティーな試合となりました。ナダルが3回戦のギルとの戦いでは、リズムを得ることができなくて苦戦しましたので、彼もほっとしたところでしょう。記者会見で、前の試合がよくなかったことがバネとなってよい試合ができたのか?という質問に「ひどい試合をやると何もよいことはない。自信を失うだけで何の利点もない。」と答えています。そうですよね。前試合が悪かったので、モチベーションをあげて今回こそは頑張るぞ、というわけにはいかないようです。ですから、どんなにまずい勝ち方をしても、試合に何が何でも勝つことが本当に大切なのでしょう。
4回戦のヴァヴリンカは今まで観たなかで、ベストなテニスを披露してくれました。特に第2セットでは、3ゲーム目であっという間に40-15でナダルをブレーク。しかしヴァヴリンカの本領が発揮したのは、10ゲーム目(4-5)。0-40の絶体絶命、3マッチポイントを迎えたときです。ヴァヴリンカは緊張で固くなることなく、サーヴ力でナダルのリターンを浮かして、すべてネットダッシュで決めるアグレッシヴな攻撃でデュースに。 第1セットでは26のエラーのうち18と多かったファオのエラーは少なくなって、ウィナーも決まるようになり、ヴァヴリンカのスウィングはリラックスしてどんどん調子をあげていきます。そしてタイブレークへ。
ナダルのすごいのは、この上がり調子のヴァヴリンカに対等に自分の調子を上げていく力があることです。サーヴ、フォア、バック、そして抜群のネットプレーをみせるヴァヴリンカに弱点はないように見えます。しかもナダルにおとらぬ俊足でナダルのウィナーも拾ってしまう。ナダルにとって自分の調子がまだ十分とはいえないコンディションのなかで、大変なプレッシャーだったと思います。ナダルは12のブレークポイントを得ながら、1ポイントしか得点できず、めずらしくイライラする場面もありましたが、それでも最後はマインドコントロールで勝ってしまう。「勝つことへの執念」が生んだ勝利だったように思います。
QFではデルポトロと対戦です。デルポは1セットも落とすことなく快調そのもので危険な相手です。ナダルのサーヴがよければ、ネットダッシュして決めるオフェンステニス。サーヴがよくなければラリーでチャンスを待つテニス。いずれにしても過去の二人の対戦成績は、ナダルの4勝0敗ですので、彼の執念でSFに進出してほしいですね。
今年の3大試合、オーストラリアン・オープン、インディアンウェルズ、マイアミの8強のメンバーをみてみると、3トーナメントすべてに残ったのは、トップ3のナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ, トップ10ではロディック、デルポトロ、べルダスコです。このようにトップ選手が残るトーナメントについてナダルは「とてもよいことだと思う。いつもベスト同士の戦いが観れるのはエキサイティングなことだから。」と述べていますが、全くその通りですね。
オーストラリアン・オープン:
ナダル def シモン:6-2, 7-5, 7-5
フェデラー def デルポトロ:6-3, 6-0, 6-0
ロディック def ジョコヴィッチ:6-7, 6-4, 6-2, 2-1(retired)
べルダスコ def ツォンガ:7-6, 6-3, 3-6, 6-2
インディアンウェルズ:
ナダル def デルポトロ:6-2, 6-4
ロディック def ジョコヴィッチ: 6-3, 6-2
マレー def リュービチッチ:7-5, 7-6
フェデラー def べルダスコ:6-3, 7-6
そして今日から始まるマイアミQFのドローです。このような贅沢な試合が毎回観戦できるのは、テニスファンにとっては実にラッキーなことですね。
ナダル vs デルポトロ
フェデラー vs ロディック
ジョコヴィッチ vs ツォンガ
マレー vs べルダスコ
さて、ナダルの勝つことに対する執念を観たのが対ヴァヴリンカ戦でした。
今日の試合についてどう思うかとの質問に、「勝つことが大切なんだ。ブレークポイントを多く得ながら得点に結びつけられなかったけれど、とにかく勝つことができたんだ。よい試合だったと思う。」と、ナダルはいつも限りなくポジティヴな態度です。
Nadal def Wawrinka: 7-6, 7-6
ヴァヴリンカとの試合は、徐々に両選手のギアがアップして最後は決勝に値するハイクウォリティーな試合となりました。ナダルが3回戦のギルとの戦いでは、リズムを得ることができなくて苦戦しましたので、彼もほっとしたところでしょう。記者会見で、前の試合がよくなかったことがバネとなってよい試合ができたのか?という質問に「ひどい試合をやると何もよいことはない。自信を失うだけで何の利点もない。」と答えています。そうですよね。前試合が悪かったので、モチベーションをあげて今回こそは頑張るぞ、というわけにはいかないようです。ですから、どんなにまずい勝ち方をしても、試合に何が何でも勝つことが本当に大切なのでしょう。
4回戦のヴァヴリンカは今まで観たなかで、ベストなテニスを披露してくれました。特に第2セットでは、3ゲーム目であっという間に40-15でナダルをブレーク。しかしヴァヴリンカの本領が発揮したのは、10ゲーム目(4-5)。0-40の絶体絶命、3マッチポイントを迎えたときです。ヴァヴリンカは緊張で固くなることなく、サーヴ力でナダルのリターンを浮かして、すべてネットダッシュで決めるアグレッシヴな攻撃でデュースに。 第1セットでは26のエラーのうち18と多かったファオのエラーは少なくなって、ウィナーも決まるようになり、ヴァヴリンカのスウィングはリラックスしてどんどん調子をあげていきます。そしてタイブレークへ。
ナダルのすごいのは、この上がり調子のヴァヴリンカに対等に自分の調子を上げていく力があることです。サーヴ、フォア、バック、そして抜群のネットプレーをみせるヴァヴリンカに弱点はないように見えます。しかもナダルにおとらぬ俊足でナダルのウィナーも拾ってしまう。ナダルにとって自分の調子がまだ十分とはいえないコンディションのなかで、大変なプレッシャーだったと思います。ナダルは12のブレークポイントを得ながら、1ポイントしか得点できず、めずらしくイライラする場面もありましたが、それでも最後はマインドコントロールで勝ってしまう。「勝つことへの執念」が生んだ勝利だったように思います。
QFではデルポトロと対戦です。デルポは1セットも落とすことなく快調そのもので危険な相手です。ナダルのサーヴがよければ、ネットダッシュして決めるオフェンステニス。サーヴがよくなければラリーでチャンスを待つテニス。いずれにしても過去の二人の対戦成績は、ナダルの4勝0敗ですので、彼の執念でSFに進出してほしいですね。
2009年04月01日
マイアミ大会トップハーフの4回戦にむけて
いよいよマイアミも終盤戦をむかえました。トップハーフの4回戦、R16の予想を行ってみたいと思います。
Nadal
3回戦:Nadal def Gil: 7-5, 6-3
「いつもベストな試合ができるわけではない。毎試合に対するモチベーションは変わらないけれど、今日のような試合の日もあるんだ。」
ポルトガル選手、73位のギルとの初対戦で、辛うじて第1セットを7-5で勝ち取ったナダルのコメントです。ギルのアグレッシヴなテニスに終始押され気味なナダルは、それでも第3ゲーム(1-1)でギルをブレークしましたが、問題は第6ゲーム(3-2)です。ナダルの2ndサーヴをリターンエースに成功したギルは、ネットダッシュしたナダルのボディーめがけて直撃。あれよあれよという間に0-40のブレークポイントを許してしまったのです。ナダルはサーヴィスウィナーなどで30-40まで挽回しましたが、何とダブルフォルト。鉄のメンタル人、ナダルにもこういうことがあるのですね。
このブレークでスコアはイーヴンになり、ギルはますます過激な攻撃を加えてきます。ナダルはベースラインから下がってディフェンステニスを強いられますが、両選手はサーヴィスゲームをホールドして5-5。しかしここまでがギルの限界でした。多くの選手にみられるように、彼らのベストなテニスを展開しても、エネルギーを維持していくことができず、エラーがふえていきます。ナダルの強烈なスピンに対抗するには、2倍以上のエネルギーを使うそうで、結局は体力負け、ガス欠で負けてしまいます。
第11ゲーム(5-5)がターニングポイントです。ギルに疲れが見えたとき、眠っていたナダル獅子が牙をむき出し始めました。ギルの浮いた球をジャンピングスマッシュで叩き付けたナダルはブレークに成功。大きく握り拳を振り上げナダルが吠えました。もうこれで試合はいつものシナリオ通り。第2セットは完全にナダルのペースになって対戦者は敗北してしまうのです。
さて、アンドレーヴと3セットを行って勝ったヴァヴリンカですが、スコアの上では4-6, 6-3, 6-3ですが、勝敗がどちらに転んでもおかしくない試合でした。アンドレーヴは、アグレッシヴなフォアでヴァヴリンカを攻め続けましたが、最後はブレークポイントの取り方の違いが勝敗を決定しました。ヴァヴリンカは9回もブレークポイントを許しましたが、8回もセーヴしています。アンドレーヴは、ここぞというチャンスをものにできなかった。これもメンタルの領域でしょうね。
4回戦:Nadal vs Wawrinka
この二人の過去の対戦成績はナダルの3勝です。ナダルはフェデラーのような片手バックハンドの選手に対しては、執拗にバックハンドめがけて強烈なスピンのフォアで攻めてきますが、ヴァヴリンカも片手バックハンド。しかし彼の武器はフェデラーと違ってバックハンドです。果たしてナダルがどのような作戦で彼を攻めるか?
Del Potro
4回戦:Del Potro vs Ferrer
残念ながらこの二人の今までのマイアミの試合を観ておりませんので、統計からの分析となりますが、過去の対戦成績はデルポトロの1勝2敗。最も最近の試合は、ジャパン・オープンでの準々決勝で、デルポはフェレールに7-5, 6-1で勝っています。デルポはマイアミでは、2試合ともストレートで圧勝してきていますので絶好調のはず。一方フェレールは2試合とも3セットで、彼のいつもの粘りで勝ち越しています。しかしフェレールはいつものようにベースラインにばかりいては、2mの巨人から炸裂するフォアのストロークに打ち勝つことはできないでしょうね。デルポもベースラインが好きですので、ドロップショットやネットプレーをふんだんに使ってデルポを撹乱してほしいと思います。
Murray
3回戦:Murray def Massu 6-4, 6-4
オリンピックの単複ゴールドメダリストのマスーが見事にカムバックしました。同国のチリのゴンザレスとよく似たプレースタイルで、武器はフォアハンドのみ。
回り込んでファオでウィナーを狙い続けるマスーに、マレーはペースを与えない球で対応。相手のエラーを待つマレー得意のディフェンステニスでマレーが勝利を勝ち得ました。しかしマレーのテニスは賢いテニスですが、チンタラしていてこちらがイライラしてくるテニス。もう少しリスクを負ったウィナーを狙ったテニスをしてくれると観戦しがいがあるのですが。
4回戦:Murray vs Troicki
ナルバンディアンにストレート勝ちしたトロイッキは今ノリにのっています。サーヴが特にすばらしく3回戦の対パウ戦ではエース12本を記録しています。リターンもよいので、ディフェンスのテニスをすればマレーは苦戦するかもしれません。
Verdasco
4回戦: Verdasuco vs Stepanek
湿気の多いマイアミでは、あのモヒカンっぽいヘアスタイルをキープるすために、たっぷりジェルを使って気を使っているべルダスコ。3回戦ではデ杯のダブルスパートナーで親友であるロペスとの対戦で、やりづらそうでしたが、 3-6, 6-3, 6-4 で3回戦をクリアしました。べルダスコは暇をみつけてはラスベガスに飛び、アガシチーム(トレーナーのジル、元コーチのケイヒル)のもとでトレーニングを行っています。ケイヒルはフェデラーのコーチの話が流れてしまいましたが、アディダスのコーチングコンサルタントをしていて、べルダスコは彼からのアドヴァイスを受ける機会が多く恵まれていることも大きなプラスになっているようです。またラスベガスでは、アイドルのアガシに会って直接アドヴァイスも受けられるとか。
「特に役立つのは、やる必要のないこと、を指摘してもらえること。やるべきことと、やるべきでないことが明確になってきたこと」
ラスベガスで毎日4時間のフィジカルトレーニングを積んできたあのたのもしい肉体で、テクニシャンのステパネックを圧倒することができるか? ステパネックのトリックに惑わされないで、あの炸裂するミサイルフォアハンドをみせてほしいと思います。
Nadal
3回戦:Nadal def Gil: 7-5, 6-3
「いつもベストな試合ができるわけではない。毎試合に対するモチベーションは変わらないけれど、今日のような試合の日もあるんだ。」
ポルトガル選手、73位のギルとの初対戦で、辛うじて第1セットを7-5で勝ち取ったナダルのコメントです。ギルのアグレッシヴなテニスに終始押され気味なナダルは、それでも第3ゲーム(1-1)でギルをブレークしましたが、問題は第6ゲーム(3-2)です。ナダルの2ndサーヴをリターンエースに成功したギルは、ネットダッシュしたナダルのボディーめがけて直撃。あれよあれよという間に0-40のブレークポイントを許してしまったのです。ナダルはサーヴィスウィナーなどで30-40まで挽回しましたが、何とダブルフォルト。鉄のメンタル人、ナダルにもこういうことがあるのですね。
このブレークでスコアはイーヴンになり、ギルはますます過激な攻撃を加えてきます。ナダルはベースラインから下がってディフェンステニスを強いられますが、両選手はサーヴィスゲームをホールドして5-5。しかしここまでがギルの限界でした。多くの選手にみられるように、彼らのベストなテニスを展開しても、エネルギーを維持していくことができず、エラーがふえていきます。ナダルの強烈なスピンに対抗するには、2倍以上のエネルギーを使うそうで、結局は体力負け、ガス欠で負けてしまいます。
第11ゲーム(5-5)がターニングポイントです。ギルに疲れが見えたとき、眠っていたナダル獅子が牙をむき出し始めました。ギルの浮いた球をジャンピングスマッシュで叩き付けたナダルはブレークに成功。大きく握り拳を振り上げナダルが吠えました。もうこれで試合はいつものシナリオ通り。第2セットは完全にナダルのペースになって対戦者は敗北してしまうのです。
さて、アンドレーヴと3セットを行って勝ったヴァヴリンカですが、スコアの上では4-6, 6-3, 6-3ですが、勝敗がどちらに転んでもおかしくない試合でした。アンドレーヴは、アグレッシヴなフォアでヴァヴリンカを攻め続けましたが、最後はブレークポイントの取り方の違いが勝敗を決定しました。ヴァヴリンカは9回もブレークポイントを許しましたが、8回もセーヴしています。アンドレーヴは、ここぞというチャンスをものにできなかった。これもメンタルの領域でしょうね。
4回戦:Nadal vs Wawrinka
この二人の過去の対戦成績はナダルの3勝です。ナダルはフェデラーのような片手バックハンドの選手に対しては、執拗にバックハンドめがけて強烈なスピンのフォアで攻めてきますが、ヴァヴリンカも片手バックハンド。しかし彼の武器はフェデラーと違ってバックハンドです。果たしてナダルがどのような作戦で彼を攻めるか?
Del Potro
4回戦:Del Potro vs Ferrer
残念ながらこの二人の今までのマイアミの試合を観ておりませんので、統計からの分析となりますが、過去の対戦成績はデルポトロの1勝2敗。最も最近の試合は、ジャパン・オープンでの準々決勝で、デルポはフェレールに7-5, 6-1で勝っています。デルポはマイアミでは、2試合ともストレートで圧勝してきていますので絶好調のはず。一方フェレールは2試合とも3セットで、彼のいつもの粘りで勝ち越しています。しかしフェレールはいつものようにベースラインにばかりいては、2mの巨人から炸裂するフォアのストロークに打ち勝つことはできないでしょうね。デルポもベースラインが好きですので、ドロップショットやネットプレーをふんだんに使ってデルポを撹乱してほしいと思います。
Murray
3回戦:Murray def Massu 6-4, 6-4
オリンピックの単複ゴールドメダリストのマスーが見事にカムバックしました。同国のチリのゴンザレスとよく似たプレースタイルで、武器はフォアハンドのみ。
回り込んでファオでウィナーを狙い続けるマスーに、マレーはペースを与えない球で対応。相手のエラーを待つマレー得意のディフェンステニスでマレーが勝利を勝ち得ました。しかしマレーのテニスは賢いテニスですが、チンタラしていてこちらがイライラしてくるテニス。もう少しリスクを負ったウィナーを狙ったテニスをしてくれると観戦しがいがあるのですが。
4回戦:Murray vs Troicki
ナルバンディアンにストレート勝ちしたトロイッキは今ノリにのっています。サーヴが特にすばらしく3回戦の対パウ戦ではエース12本を記録しています。リターンもよいので、ディフェンスのテニスをすればマレーは苦戦するかもしれません。
Verdasco
4回戦: Verdasuco vs Stepanek
湿気の多いマイアミでは、あのモヒカンっぽいヘアスタイルをキープるすために、たっぷりジェルを使って気を使っているべルダスコ。3回戦ではデ杯のダブルスパートナーで親友であるロペスとの対戦で、やりづらそうでしたが、 3-6, 6-3, 6-4 で3回戦をクリアしました。べルダスコは暇をみつけてはラスベガスに飛び、アガシチーム(トレーナーのジル、元コーチのケイヒル)のもとでトレーニングを行っています。ケイヒルはフェデラーのコーチの話が流れてしまいましたが、アディダスのコーチングコンサルタントをしていて、べルダスコは彼からのアドヴァイスを受ける機会が多く恵まれていることも大きなプラスになっているようです。またラスベガスでは、アイドルのアガシに会って直接アドヴァイスも受けられるとか。
「特に役立つのは、やる必要のないこと、を指摘してもらえること。やるべきことと、やるべきでないことが明確になってきたこと」
ラスベガスで毎日4時間のフィジカルトレーニングを積んできたあのたのもしい肉体で、テクニシャンのステパネックを圧倒することができるか? ステパネックのトリックに惑わされないで、あの炸裂するミサイルフォアハンドをみせてほしいと思います。