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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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ナダルの勝つことへの執念

いよいよマイアミ(ソニーエリックソン)大会はQF準々決勝をむかえます。

今年の3大試合、オーストラリアン・オープン、インディアンウェルズ、マイアミの8強のメンバーをみてみると、3トーナメントすべてに残ったのは、トップ3のナダルフェデラー、ジョコヴィッチ, トップ10ではロディック、デルポトロ、べルダスコです。このようにトップ選手が残るトーナメントについてナダルは「とてもよいことだと思う。いつもベスト同士の戦いが観れるのはエキサイティングなことだから。」と述べていますが、全くその通りですね。

オーストラリアン・オープン
ナダル def シモン:6-2, 7-5, 7-5
フェデラー def デルポトロ:6-3, 6-0, 6-0
ロディック def ジョコヴィッチ:6-7, 6-4, 6-2, 2-1(retired)
べルダスコ def ツォンガ:7-6, 6-3, 3-6, 6-2

インディアンウェルズ
ナダル def デルポトロ:6-2, 6-4
ロディック def ジョコヴィッチ: 6-3, 6-2
マレー def リュービチッチ:7-5, 7-6
フェデラー def べルダスコ:6-3, 7-6

そして今日から始まるマイアミQFのドローです。このような贅沢な試合が毎回観戦できるのは、テニスファンにとっては実にラッキーなことですね。
ナダル vs デルポトロ
フェデラー vs ロディック
ジョコヴィッチ vs ツォンガ
マレー vs べルダスコ

さて、ナダルの勝つことに対する執念を観たのが対ヴァヴリンカ戦でした。

今日の試合についてどう思うかとの質問に、「勝つことが大切なんだ。ブレークポイントを多く得ながら得点に結びつけられなかったけれど、とにかく勝つことができたんだ。よい試合だったと思う。」と、ナダルはいつも限りなくポジティヴな態度です。

Nadal def Wawrinka: 7-6, 7-6
ヴァヴリンカとの試合は、徐々に両選手のギアがアップして最後は決勝に値するハイクウォリティーな試合となりました。ナダルが3回戦のギルとの戦いでは、リズムを得ることができなくて苦戦しましたので、彼もほっとしたところでしょう。記者会見で、前の試合がよくなかったことがバネとなってよい試合ができたのか?という質問に「ひどい試合をやると何もよいことはない。自信を失うだけで何の利点もない。」と答えています。そうですよね。前試合が悪かったので、モチベーションをあげて今回こそは頑張るぞ、というわけにはいかないようです。ですから、どんなにまずい勝ち方をしても、試合に何が何でも勝つことが本当に大切なのでしょう。

4回戦のヴァヴリンカは今まで観たなかで、ベストなテニスを披露してくれました。特に第2セットでは、3ゲーム目であっという間に40-15でナダルをブレーク。しかしヴァヴリンカの本領が発揮したのは、10ゲーム目(4-5)。0-40の絶体絶命、3マッチポイントを迎えたときです。ヴァヴリンカは緊張で固くなることなく、サーヴ力でナダルのリターンを浮かして、すべてネットダッシュで決めるアグレッシヴな攻撃でデュースに。 第1セットでは26のエラーのうち18と多かったファオのエラーは少なくなって、ウィナーも決まるようになり、ヴァヴリンカのスウィングはリラックスしてどんどん調子をあげていきます。そしてタイブレークへ。

ナダルのすごいのは、この上がり調子のヴァヴリンカに対等に自分の調子を上げていく力があることです。サーヴ、フォア、バック、そして抜群のネットプレーをみせるヴァヴリンカに弱点はないように見えます。しかもナダルにおとらぬ俊足でナダルのウィナーも拾ってしまう。ナダルにとって自分の調子がまだ十分とはいえないコンディションのなかで、大変なプレッシャーだったと思います。ナダルは12のブレークポイントを得ながら、1ポイントしか得点できず、めずらしくイライラする場面もありましたが、それでも最後はマインドコントロールで勝ってしまう。「勝つことへの執念」が生んだ勝利だったように思います。

QFではデルポトロと対戦です。デルポは1セットも落とすことなく快調そのもので危険な相手です。ナダルのサーヴがよければ、ネットダッシュして決めるオフェンステニス。サーヴがよくなければラリーでチャンスを待つテニス。いずれにしても過去の二人の対戦成績は、ナダルの4勝0敗ですので、彼の執念でSFに進出してほしいですね。




投稿者 Tennisnakama  23:56 | コメント(6)| トラックバック(0)
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コメント
こんにちは、クマ太郎です。ウガガガ。
なるほど、tennisnakamaさんがおっしゃるように「選手の勝ち方を知ると大会観戦の面白さが増える」というのは納得です。頑張ってたくさん観戦しなきゃな~ありがとうございます。
昨日のナダル-ヴァブリンカ戦を再放送でやっていたので、tennisnskamaさんの本日の解説を読みながら観戦しました。なるほど、ウガ。いろんな細部が見えてきて、いつも観ているのと違う「得した気分」になりました。感謝です。シモン-ツォンガ戦も面白かったです。試合を終えた二人が笑顔で言葉を交わす様はなんか嬉しかったな。
今日の一番の楽しみな試合は、やはりロディック-フェデラー戦です。ロディックが変わってこうして強いとワクワクします。いい試合を期待してます。
投稿者 クマ太郎 2009/04/02 04:53
Tennisnakamaさん、昨日の試合は本当にしんどかったー。そして、Tennisnakamaさんが記事で書いてくださったように、本当に勝ってくれてよかった。昨日のような試合で勝つことは、ローラン・ギャロスに向けてのこれからのラファにとって、とても重要になると思いました。だから、昨日はどうしても勝って欲しかったんです。でも、私にそんなことを言われるまでもなく、ラファの勝つことへの執念はすごかった。前にラファのインタビューを訳した時、各大会でどうしようもなく調子のいい選手は必ずいる、何とかしてその人を倒さないと大会で勝つことはできないんだ、というラファの言葉がありました。絶対的に強い人がいるわけではなく、各選手のその時の調子と一瞬一瞬のメンタルのバランスによって、勝負っていかようにも決まっていく。昨日のラファは、いつもはしないようなミスも多くて自分にいらだっているようでしたが、試合には勝った。これは彼にとってまたひとつ「勝つことの執念」を支える大切な自信になったんじゃないかな、と思います。が、どう見てもラファは疲れています。過密なスケジュールの中で、何とかうまく休養をとって欲しいと思います。
投稿者 alala 2009/04/02 09:22
3大会ともベスト8に残った選手ではあとデルポトロとベルダスコもいますね。
8人中6人が3大会連続で同じってすごい。
トップの選手たちの力が高い水準で安定してるということですね。
投稿者 こりお 2009/04/02 12:39
昨日の試合はまさにラファの「執念の勝利」でしたね。
ラファはなかなかうまくチャンスをものにすることが出来ず、自分のテニスに納得できない表情をしていました。でも相手が積極的に攻めてくればくるほど、ラファの絶対に勝つぞ!という強い執念にもっと火が点くんでしょうね。観ていてとても疲れてしまいました~!
とにかく勝利は嬉しいのですが、この頃のラファを見ているとすごく疲れた感じがしてとても心配です。。。デルポトロは快調そのもので危険なんですかー?!こわいよ~~!
投稿者 ポコ 2009/04/02 13:39
僕は今までナダルが正直、好きではありませんでした。フェデラーとやるといつもバックハンドばかり狙っておもしろくなかったし、サーブの流れが遅くて、「早く打たんかー」とよく思ったものでした。humanityはとても良いと聞いていたのですが...
今でも、フェデラーとやる時は、バックハンドばかりでいらいらしますが、でも以前より格段にcleverなテニスを披露してくれていると思います。今ではナダルも、フェデラーのように人を引きつけるテニスになってきているような気がします。[かつては、テニスがつまらないと揶揄されましたが、今はもうそのような論説は聞きません。]

投稿者 bibinba 2009/04/02 18:57
クマ太郎さんのコメント時間は朝の4時53分。徹夜?それともウルトラ早起き? ウガガガと吠えながらのテニス観戦が目に浮かぶようです。

alalaさん、ポコさん、bibinbaさん、
ラファが変わりつつあるように思います。昔は「あまり作戦には興味がない」といったようなことを言っていましたので、one-dimensional なテニスでしたが、最近は安全圏を破る勇気のあるテニスをみせてくれるようになりました。ダブルスの経験も着実に実ってきて、ネットプレーが増え、立体的にテニスを構成できるようになりました。あとはサーヴです。エースの数を増やし、2ndサーヴの質を上げると(いつも同じところに打ってますので)、ナダル王朝の到来ですね。

こりおさん、
誤りのご指摘ありがとうございます。トップ10に書き直しました。気持ちの上でトップ選手の5名というつもりだったので、トップ10の選手、べルダスコとデルポトロは入れておりませんでした。いずれにしてもロディックは5位ではなく6位ですのでこれも正しくありません。それにしても毎回トップ6のなかで4選手が残るというのはすごいことで、この対戦図式にマレーが入ると、まさにナダルの言う、「いつもベスト同士の試合が観れる」エキサイティングなテニスとなり、しかもそれぞれ違ったプレースタイルでテニスファンを堪能させてくれるテニスの黄金時代です。



投稿者 tennisnakama 2009/04/02 22:04
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