2009年04月03日
蘇生なるかフェデラーのメンタル
いやー、疲れました!
マイアミ大会準決勝、フェデラーvsロディックは、フェデラーが3セットのバトルのすえ、やっとロディックに勝ちました。最近のフェデラーはアップダウンが激しく、第2セットは捨て試合になり心配しましたが、第3セットでもちなおしての勝利です。今までみられたあっさりと最後に負けてしまうフェデラーの姿はなく、40のエラー(unforced error )を重ねながらも勝ち残ったフェデラーには、あのナダルの「勝つことへの執念」が戻ってきました。しかしロディックもアグレッシヴな姿勢をくずさず、粘りのあるよい試合をするようになりました。
Federer def Roddick: 6-3, 4-6, 6-4
第1セット:6-3
両選手ともサーヴがよく、ネットダッシュで決めるアグレッシヴなテニスが始まりました。ロディックの執拗なネットダッシュに、フェデラーが華麗なパッシングショットでウィナーを決め、ますますフェデラーのオフェンスにギアアップ。しかし5ゲーム目(2-2)でロディックは勝ち焦りがみえ、3度のウィナー狙いがはずれてブレークされてしまいます。フェデラーはエラーをおかしつつもアグレッシヴな攻撃の手をゆるめず、ロディックにプレッシャーを与え9ゲーム目(5-3)でロディックはダブルフォルト。このダブルフォルトでロディックはセットポイントを迎えるという最悪な事態を招いてしまいました。
第2セット:4-6
このまま順調にいかないのがテニスの面白さなのですが、フェデラーファンにとっては、もう観ていられないテニスとなり、夫はついにTV部屋を去ってベッドに直行。フェデラーを見捨ててしまいました。勝ってるときだけ応援して、負け出すと席を立ってしまう。こういう態度は真のファンとはいえません。カツ!
フェデラーもロディックもサーヴがよく、サーヴィスゲームをホールドして4ゲーム目でロディックのサーヴです。ロディックのエラーとフェデラーのウィナーであっさり0-40のブレークポイント。しかしこのピンチをロディックは、フォアのダウンザラインとクロスのウィナー、そしてヴォレーで華麗に決めてブレークを逃れました。この40-0のブレークチャンスを失ったフェデラーは、頭に来たのか、焦りまくったのか、ここからますますエラーが増えていきます。案の定、7ゲーム目(3-3)でフェデラーの信じられないエラーが続き、最後はダブルフォルトでゲームを放棄、ブレークされてしまいました。その後はロディックが連発するサーヴィスウィナーとエースでブレークすることができず、フェデラーは第2セットを落としてしまいました。
第3セット:6-4
6ゲームのうち1ゲームをのぞく5ゲームはすべて40-0という、二人の圧倒的なサーヴィスゲームの展開で会場は沸き上がっています。フェデラーが根性を見せたのは7ゲーム目です。フェデラーのエラーが続いて15-40とブレークポイントとなりましたが、メンタルでフォアハンド、ヴォレー、サーヴのウィナーを連続してとり、最後はロディックのミスが手伝ってブレークを逃れました。
ロディックはスライスを効果的にミックスしながらフェデラーのミスをさそいますが、執拗にネットダッシュを続けるロディックに甘さがみえ始め、フェデラーのパッシングショットの成功率が上がっていきます。
勝敗を決定した第10ゲーム(ロディックのサーヴ)では、40-15とリードしながら、フェデラーの2度のパッシングショットやラッキーショット(ネットに当たって入る)で、ロディックはマッチポイントを迎えてしまいます。ここでまたフェデラーはネットダッシュしたロディックにパッシングショットでウィナーをとって勝利を決めました。
第3セットはまるでフェデラーのパッシングショットの練習です。これだけ決められてしまったロディックは、作戦を変えるべきでした。試合の前半まで有効だったネットダッシュも、ロディックのパターンを分析されてしまうので効果が半減してしまいます。ここにフェデラーの強さがあります。
テニスIQという言葉が最近さかんに使われていますが、この試合でもフェデラーはテニスIQの高さを発揮しました。最もテニスIQの高い選手として知られているのはマレーですが、「相手に予期させないテニス」をするためには、作戦を常時変更していける技術と、頭の柔らかさが不可欠。 ロディックはその意味でも、これからステファンキのコーチのもとで、どんどんIQを上げていってくれると思います。
「何度かブレークされそうになったけれど、何とか切り抜けることができた。今の僕にとってこの第3セットのようなゲームが最も必要だった。このようなタフな試合に生き残ることで、トーナメントを勝ち進んでいけることがあるのだから。」
フェデラーが一時失いかけたメンタルを取り戻してきたように思います。次はいよいよSF準決勝。ジョコヴィッチとどのような試合を展開してくれるでしょうか?
マイアミ大会準決勝、フェデラーvsロディックは、フェデラーが3セットのバトルのすえ、やっとロディックに勝ちました。最近のフェデラーはアップダウンが激しく、第2セットは捨て試合になり心配しましたが、第3セットでもちなおしての勝利です。今までみられたあっさりと最後に負けてしまうフェデラーの姿はなく、40のエラー(unforced error )を重ねながらも勝ち残ったフェデラーには、あのナダルの「勝つことへの執念」が戻ってきました。しかしロディックもアグレッシヴな姿勢をくずさず、粘りのあるよい試合をするようになりました。
Federer def Roddick: 6-3, 4-6, 6-4
第1セット:6-3
両選手ともサーヴがよく、ネットダッシュで決めるアグレッシヴなテニスが始まりました。ロディックの執拗なネットダッシュに、フェデラーが華麗なパッシングショットでウィナーを決め、ますますフェデラーのオフェンスにギアアップ。しかし5ゲーム目(2-2)でロディックは勝ち焦りがみえ、3度のウィナー狙いがはずれてブレークされてしまいます。フェデラーはエラーをおかしつつもアグレッシヴな攻撃の手をゆるめず、ロディックにプレッシャーを与え9ゲーム目(5-3)でロディックはダブルフォルト。このダブルフォルトでロディックはセットポイントを迎えるという最悪な事態を招いてしまいました。
第2セット:4-6
このまま順調にいかないのがテニスの面白さなのですが、フェデラーファンにとっては、もう観ていられないテニスとなり、夫はついにTV部屋を去ってベッドに直行。フェデラーを見捨ててしまいました。勝ってるときだけ応援して、負け出すと席を立ってしまう。こういう態度は真のファンとはいえません。カツ!
フェデラーもロディックもサーヴがよく、サーヴィスゲームをホールドして4ゲーム目でロディックのサーヴです。ロディックのエラーとフェデラーのウィナーであっさり0-40のブレークポイント。しかしこのピンチをロディックは、フォアのダウンザラインとクロスのウィナー、そしてヴォレーで華麗に決めてブレークを逃れました。この40-0のブレークチャンスを失ったフェデラーは、頭に来たのか、焦りまくったのか、ここからますますエラーが増えていきます。案の定、7ゲーム目(3-3)でフェデラーの信じられないエラーが続き、最後はダブルフォルトでゲームを放棄、ブレークされてしまいました。その後はロディックが連発するサーヴィスウィナーとエースでブレークすることができず、フェデラーは第2セットを落としてしまいました。
第3セット:6-4
6ゲームのうち1ゲームをのぞく5ゲームはすべて40-0という、二人の圧倒的なサーヴィスゲームの展開で会場は沸き上がっています。フェデラーが根性を見せたのは7ゲーム目です。フェデラーのエラーが続いて15-40とブレークポイントとなりましたが、メンタルでフォアハンド、ヴォレー、サーヴのウィナーを連続してとり、最後はロディックのミスが手伝ってブレークを逃れました。
ロディックはスライスを効果的にミックスしながらフェデラーのミスをさそいますが、執拗にネットダッシュを続けるロディックに甘さがみえ始め、フェデラーのパッシングショットの成功率が上がっていきます。
勝敗を決定した第10ゲーム(ロディックのサーヴ)では、40-15とリードしながら、フェデラーの2度のパッシングショットやラッキーショット(ネットに当たって入る)で、ロディックはマッチポイントを迎えてしまいます。ここでまたフェデラーはネットダッシュしたロディックにパッシングショットでウィナーをとって勝利を決めました。
第3セットはまるでフェデラーのパッシングショットの練習です。これだけ決められてしまったロディックは、作戦を変えるべきでした。試合の前半まで有効だったネットダッシュも、ロディックのパターンを分析されてしまうので効果が半減してしまいます。ここにフェデラーの強さがあります。
テニスIQという言葉が最近さかんに使われていますが、この試合でもフェデラーはテニスIQの高さを発揮しました。最もテニスIQの高い選手として知られているのはマレーですが、「相手に予期させないテニス」をするためには、作戦を常時変更していける技術と、頭の柔らかさが不可欠。 ロディックはその意味でも、これからステファンキのコーチのもとで、どんどんIQを上げていってくれると思います。
「何度かブレークされそうになったけれど、何とか切り抜けることができた。今の僕にとってこの第3セットのようなゲームが最も必要だった。このようなタフな試合に生き残ることで、トーナメントを勝ち進んでいけることがあるのだから。」
フェデラーが一時失いかけたメンタルを取り戻してきたように思います。次はいよいよSF準決勝。ジョコヴィッチとどのような試合を展開してくれるでしょうか?
投稿者 Tennisnakama 00:05 | コメント(12)| トラックバック(0)
フェデラーのコメント"今の僕にとってこの第3セットのようなゲームが最も必要だった"にはうなずくばかりです。
QFまでは安定して勝ち抜くフェデラーは昨年とはあきらかに調子が違うと思います。QFからは近年にないくらい選手のレベルが接近していて全く気が抜けませんが、タフな試合を勝ちきってトップとの接戦をものにする精神力をつけてほしいと思います。
SFからは衛星放送でみれるので楽しみです!
フェデラー vs ロディック戦、テレビで観戦できなかったのでライブスコアをチェックしてました。スコアとステータスデータで観られぬ試合を想像してドキドキ....第5ゲームのフェデラーのブレイクはtennisnakamaさんの解説を読んで「あ~そういう場面だったのね...」と改めて得心。第2セットを落としたとき、横で奥さんが「フェデラー負けちゃうの?」と聞くので「ぶわっかも~ん!! フェデラーは必ず勝つ」、そう豪語したもののやっぱり不安。ステータスを見るとロディックはいい試合をしているよう。「あたしは自分のひいきのチームが負けそうだとチャンネル変えるわ。胃に悪いもん」とサッカー・名古屋グランパスファンの奥さんは言ってました....第3セットの10ゲームに40-15になった時、ホント神様仏様マリア様と祈ってました。だからこのゲームを獲ってフェデラーが勝った瞬間、私は大きくガッツポーズでした。
それ見て奥さん、「あんたやっぱりナダルよりフェデラーの方が100倍好きなんだわ」と。そうです、クマ太郎はフェデラーファンだと改めて気付きました。フェデラー万歳、でも強いロディックも嬉しい。二人に心から賞賛の拍手です。いい試合をありがとう。
ちなみに私は中小企業さんから依頼されて各国のマーケットリサーチする仕事です。それやりながらあいた時間にデザインの仕事で食べてます。ちょうどいまは北米の市場調査を依頼されて北米時間で寝起きしてまして、それで仕事の傍らテニス観てます、わはは。出勤は夜の10時くらい。近所の人は私が水商売に転身したと思っております。(笑)
記事をアップした直後にすばやいコメント、ありがとうございます。ある解説者はフェデラーはもう優勝はできないであろうと悲観的なことを言ってましたので、このマイアミで皆をあっと驚かしてほしいと思います。
bibinbaさん、クマ太郎さん、
私は息子がテニスの大会でぼろ負けをしているときに、あまりにもかわいそうで、彼はそんな姿を私たちに観てほしくないだろうと思って、気を利かしたつもりで夫婦でそっと席を立ったことがあるのです。あのとき息子は「ああいうときこそ応援してほしかった。いなくなっちゃったので捨てられたような気持ちだった」と言いました。ハッとしましたね。あれから応援する本当の意味を理解したのです。(夫はまだ駄目なようですが)ですから、応援する選手には一緒になって最後まで戦いましょう。そして勝てばフェデラーのようにガッツポーズです。彼は久しぶりに嬉しそうでしたね。
さていよいよこれからナダルvsデルポトロの試合が始まります。
日本では試合の映像が見れません(GAORAではSFからです)のでぜひレポートお願いします。
(もちろんその予定でしょうけど)
楽しみにしております。
デルポすごいなあ・・・。
仕事を休んで観てしまいました!しかしその価値はありました。本当にハラハラした試合でしたね。
私も「ピンチを観ていられない」気持ち、わかります。思わず音を絞ってスコアを隠しながら観てしまいました。勝っても負けても見とどけたいと思っているのですが、スコアが見えているとそればかり気になって試合の様子に集中できなくなってしまうのです。落ち着いて観る事は出来ましたが、ウィニングポイントだった事を後から知るっていう所がもったいない感じはありますね。他にも応援する選手はいるのですがフェデラーだけはどうしてもこうなってしまう。
ファンであるということはある意味苦行でもあるかもしれません・・・。
今年の試合で最も手に汗を握る試合の一つでした! フェデラーの試合も疲れましたが、このナダルのバトルは最後の最後まで(タイブレーク)勝敗の行方がわからず壮絶な戦いでした。ナダルをやっつけたデルポは本当にすごい! 特に第3セットはデルポは2ブレークを許しながら奇跡のカムバックを成し遂げました! 久しぶりにテニスの醍醐味を満喫させてもらいました。
どれだけ試合のすばらしさをお伝えできるかわかりませんが、明朝にナダルとデルポのインタービューが掲載されますので、それを読んだ後に原稿をアップしたいと思います。
フェデラーの記事がどのようにアップされるのか期待と不安でお待ちしていました。すべての用事をキャンセルし、PCの前に釘付けでした。Tennisnakmaさんのご主人はいかんです!(笑) そんなフェデラーが大変な時にベッドに行ってしまうとは!私はもうすっかり肝が据わって、フェデラーにどんな展開がこようとも(たとえ無様に負けても)最後まで見届けようと、力いっぱい応援していました。2ndセットはフェデラーの完璧負けパターンで、「またなのか、ロジャー」と言いたくなるところをグッと我慢して・・・。本当によく勝ったと思います。今までなら絶対に負けていました。だってロディックは強かった。今のロディックはとても好きです。
ダブルフォルトも多く、まだ危ういフェデラーでしたが、勝ってくれて本当に嬉しかった(T_T) なんか泣けちゃいましたよ。。。終わった後だいぶ疲れが見えましたけど、ジョコとはどう戦ってくれるでしょうか。また見届けないと・・夜中だけど・・ がんばって ロジャー!!Tennisnakamaさんに「まいったよフェデラー」という記事を書かせるんだ(私も書きたいよという声がTenn.さんから聞こえる)。
ナダルvsデルポも観ました(ほんと睡眠不足)。すごかったー。でも、言いたい事は次の記事の後にします。
昨年の覇者のダビデンコは1000ポイント剥落するので9~10位くらいまでランキングを落とすんですかね?そして、空いた5位の座にはデルポが・・!?
今大会、ロディックがQFで敗退してデルポのSF進出が決まったので、デルポはロディックを飛び越えて5位になることが決まったんだと思いますが、合ってるでしょうか?
(ATPのサイトでみると、ロディックは昨年のマイアミでSF進出により450P獲得、デルポは40Pしかとってない)
そして、場合によっては3位と4位の逆転もあるかも!?
(ジョコがSF敗退でマレーが優勝すれば、逆転すると思います)
でも勝ってくれました! 私も、ここ最近のロジャーといい意味で変化があったように思いました。危うくなるとうつむいてしまってそのまま‥ というパターンだったのが、今回は最後まで「負けないぞ!!」っていう気迫があったように思います。
どのセットだったかも忘れたけど、大事なところでミスをした時に、大きな声を出して自分自身を叱るようなシーンがあったのもちょっとびっくりしたし、ものすごく接戦になった時の顔は、気合の入り方が違う気がしました。 そして、そういうフェデラー、すごくかっこよかったです!!
次はジョコビッチ。。こちらも色々言われつつもしっかり№3の実力を持っている人です。タフな試合になることは間違いないと思いますが、また気合入りまくりのロジャーが見たいです!応援頑張ります!!
テニスIQって興味深いです。テニスのゲーム中での判断力、分析力にははやり個人差はあると思っていました。技術やメンタルという言葉では計れない指標かも知れないですね。テニスIQをセンスといってしまえばそれまででしょうけど。これから注目したい言葉です。