2009年02月28日
錦織公式サイト誕生!
圭君のマネージャーからメールが届きました。
錦織圭の公式サイトが今日、2月28日に誕生しました!
といってもほとんどがまだunder constructionで開きませんが、まずはスタートです。今のところはまるまるWOWOWの宣伝のサイトとなってますが、BLOGのコーナーでファンのコメント欄を設けてほしいですね。
それにしても、IMGのビジネスはうまい。どのように日本語版と英語版を管理していくのかと疑問に思っていましたが、WOWOWを巻き込んで、サイト管理をさせ、放送させ、しかも契約料を手に入れる。しかし問題は、今のようなあまりにもWOWOW色が出てしまうとゲンなりとなりますので要注意です。圭君らしさに満ちた楽しいオフィシャルサイトを期待しましょう。
(追記)
ひじの痛みを押さえての出場?
「1週間前ぐらいに、ひじの痛みが悪くなりました。病院でMRIを取りに行くぐらい痛みがあったので、キャンセルを考えました。でも、検査の結果もそんなに悪くなかったし、ドクターからも1週間ぐらい休めば治るということだった。(デビス杯には)自分は出たい気持ちがあったので、ドクターに大丈夫と言われたので、出る気になりました。」と記者会見で圭君は述べていますが、きちんと直さないと長引きそうで心配です。
錦織圭の公式サイトが今日、2月28日に誕生しました!
(Photo provided by IMG)
といってもほとんどがまだunder constructionで開きませんが、まずはスタートです。今のところはまるまるWOWOWの宣伝のサイトとなってますが、BLOGのコーナーでファンのコメント欄を設けてほしいですね。
それにしても、IMGのビジネスはうまい。どのように日本語版と英語版を管理していくのかと疑問に思っていましたが、WOWOWを巻き込んで、サイト管理をさせ、放送させ、しかも契約料を手に入れる。しかし問題は、今のようなあまりにもWOWOW色が出てしまうとゲンなりとなりますので要注意です。圭君らしさに満ちた楽しいオフィシャルサイトを期待しましょう。
圭君、公式サイトおめでとう!
(追記)
ひじの痛みを押さえての出場?
「1週間前ぐらいに、ひじの痛みが悪くなりました。病院でMRIを取りに行くぐらい痛みがあったので、キャンセルを考えました。でも、検査の結果もそんなに悪くなかったし、ドクターからも1週間ぐらい休めば治るということだった。(デビス杯には)自分は出たい気持ちがあったので、ドクターに大丈夫と言われたので、出る気になりました。」と記者会見で圭君は述べていますが、きちんと直さないと長引きそうで心配です。
2009年02月28日
セントラルパークでスケートボードをしよう!
昨日、生まれて初めてスケートボードなるものに挑戦してみました。なぜこの歳で?と普通は恥ずかしくて躊躇するのですが、日曜日に冬季オリンピックの開催地、レイクプラシッドでスノーボードに挑戦するものですから、これは怪我予防のためとでもいいましょうか。
午後の4時から一時間、それは楽しいレッスンですっかりスケートボードにとりつかれてしまいました。ルイ先生はプロでスケートボード学校を経営しています。ルイのレッスンは実にきめ細やかく、おかげでまたたく間にスイスイ(?)と乗りこなすことができ上機嫌。
もし、ニューヨークを訪れる機会があれば、一度ルイのレッスンをセントラルパークでとってみませんか?レベルは初心者から競技者まで。一時間60ドルでニューヨークを堪能するのもいかがでしょう。日本ではいい歳をして、と恥ずかしいでしょうがニューヨークなら平気。
ルイはチャイニーズアメリカン。14歳のときにスケートボードの魅力にとりつかれ、それ以後スケボー人生まっしぐら。しかしなかなかそれだけでは生計をたてるのはむずかしいようで、まだお母さんと同居中です。彼を助けてあげたいと、私は宣伝に一役買うことにしました。
スケートボードをもってなくても貸してくれますし、レベルによっていろんなところに出張もしてくれます。
Skateboarding Schoolのホームページ:
http://www.skateboardingschool.com/courses.html
Louieのメールアドレス:
louie@skateboardingschool.com
電話:646.221-4652
午後の4時から一時間、それは楽しいレッスンですっかりスケートボードにとりつかれてしまいました。ルイ先生はプロでスケートボード学校を経営しています。ルイのレッスンは実にきめ細やかく、おかげでまたたく間にスイスイ(?)と乗りこなすことができ上機嫌。
もし、ニューヨークを訪れる機会があれば、一度ルイのレッスンをセントラルパークでとってみませんか?レベルは初心者から競技者まで。一時間60ドルでニューヨークを堪能するのもいかがでしょう。日本ではいい歳をして、と恥ずかしいでしょうがニューヨークなら平気。
ルイはチャイニーズアメリカン。14歳のときにスケートボードの魅力にとりつかれ、それ以後スケボー人生まっしぐら。しかしなかなかそれだけでは生計をたてるのはむずかしいようで、まだお母さんと同居中です。彼を助けてあげたいと、私は宣伝に一役買うことにしました。
スケートボードをもってなくても貸してくれますし、レベルによっていろんなところに出張もしてくれます。
Skateboarding Schoolのホームページ:
http://www.skateboardingschool.com/courses.html
Louieのメールアドレス:
louie@skateboardingschool.com
電話:646.221-4652
tennisnakamaのスケートボード初体験のビデオです
2009年02月28日
マレーが病気でドバイを棄権
マレーはドバイの26日の準々決勝、対ガスケ戦をヴィールスによる発熱とのどの痛みで棄権をしました。オーストラリアンオープンでは咳をしながら戦いましたが、それ以降どうも調子が100%に回復せず棄権となったものですが、フェデラーのかかったモノmononucleosisの可能性があるのかどうかが心配されています。いろいろ検査をしているということですが、フェデラーのモノ発見もずいぶんと遅れておりましたので、気が気でありません。
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009\02\27\story_27-2-2009_pg2_2
マレーの病気でイギリスデ杯は窮地に
このマレーの病気で大きなインパクトを受けたのが、イギリスデ杯キャプテンのジョンロイドです。今年こそはワールドグループへ進出したいと、マレーをあてこんでいましたのでラインアップに大異変を起こし、後のどんぐりの背比べの選手たちの選択に頭をかかえています。イギリスチームは3月6日からマレーの故郷、スコットランドでウクライナと対戦しますので、マレーとしてはどうしても出場したいのです。しかし医者から10日間の安静をいいわたされています。無理してでもデ杯に出たいとマレーは言っていますが、キャプテンにとってはこのへんの判断が非常にむずかしいところ。デ杯の後はすぐマスターズのインディアンウェルズ(3月12日)とマイアミ(3月25日)が控えていますので、マレーに大きな賭けをさせる訳にはいきません。
あと一週間でマレーは回復することができるのか? 無理をして取り返しのつかないようなことだけは避けてほしいものです。
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009\02\27\story_27-2-2009_pg2_2
マレーの病気でイギリスデ杯は窮地に
このマレーの病気で大きなインパクトを受けたのが、イギリスデ杯キャプテンのジョンロイドです。今年こそはワールドグループへ進出したいと、マレーをあてこんでいましたのでラインアップに大異変を起こし、後のどんぐりの背比べの選手たちの選択に頭をかかえています。イギリスチームは3月6日からマレーの故郷、スコットランドでウクライナと対戦しますので、マレーとしてはどうしても出場したいのです。しかし医者から10日間の安静をいいわたされています。無理してでもデ杯に出たいとマレーは言っていますが、キャプテンにとってはこのへんの判断が非常にむずかしいところ。デ杯の後はすぐマスターズのインディアンウェルズ(3月12日)とマイアミ(3月25日)が控えていますので、マレーに大きな賭けをさせる訳にはいきません。
あと一週間でマレーは回復することができるのか? 無理をして取り返しのつかないようなことだけは避けてほしいものです。
2009年02月27日
アガシがワールドチームに出場
アガシの話を再び。昨日発表されたホットなニュースです。
今までラスべガスで引退生活をエンジョイしていたアガシでしたが、やはりテニスの虫には勝てず、引退後最初のワールドチームテニスのトーナメントに参加することになりました。所属するチームはフリーダムズで7月10日はフィラデルフィア、7月17日はニューポートビーチ(カリフォルニア州)で戦います。
私は実は一度もワールドチームテニスに行ったことがないのです。今回はニューヨークから車で1時間半のフィラデルフィアだったら日帰りができますし、アガシを観るのも久しぶりだしというので、多いに気持ちが動いています。ちょいとワールドチームの試合スケジュールを調べてみました。
アガシ(38歳)が7月10日にフィラデルフィアで対戦する相手はボストンロブスターズです。ということはナヴラティロヴァのチームですから、ひょっとしてミックスダブルスで彼女と対戦するかもしれません。オールディーズファンにはぞくぞくする話です。
World Team Tennis:
7月のスケジュール(70回以上の試合がアメリカ各地で観れます):
http://www.wtt.com/schedule.aspx
ワールドチームテニスとは、ビリージングキングが始めた現役、引退プロの混ざった楽しいトーナメントで、地域を代表する10チームに分かれています。サンプラスもときどき参加していて、今年はどうするのでしょうか? 突然ロディック対サンプラスのような豪華な試合も観れますので、これも楽しみの一つです。
ワールドチームと代表選手:
ロブスターズ(ボストン):ナヴラティロヴァ
エクスプローラーズ(カンサスシティ):ブライアン兄弟
スポーツタイムズ(ニューヨーク):ジョンマッケンロー
フリーダムズ(フィラデルフィア):アガシ、ヴィーナスウィリアムズ
キャピタルズ(サクラメント、カリフォルニア州):マイケルチャン
エイシズ(セントルイス):アナクルニコヴァ
カースルズ(ワシントンDC):セリーナウィリアムズ
7月にアメリカ全土で70回以上も行われるこの楽しいトーナメントに、皆さんも一度トライしてみませんか? ワールドチームはコートをいろんな色に塗り替え、ルールもオリジナルでとても楽しいトーナメントとなっています。私はTVでよく観戦しますが、生では観ていないので、フィラデルフィアまで行ってこようと思います。
ニューヨークでも試合がいくつかあります。マッケンローがでますね。7月の休暇は、テニスのトーナメントに合わせて、アメリカに旅行するのも楽しいかもしれません。
今までラスべガスで引退生活をエンジョイしていたアガシでしたが、やはりテニスの虫には勝てず、引退後最初のワールドチームテニスのトーナメントに参加することになりました。所属するチームはフリーダムズで7月10日はフィラデルフィア、7月17日はニューポートビーチ(カリフォルニア州)で戦います。
私は実は一度もワールドチームテニスに行ったことがないのです。今回はニューヨークから車で1時間半のフィラデルフィアだったら日帰りができますし、アガシを観るのも久しぶりだしというので、多いに気持ちが動いています。ちょいとワールドチームの試合スケジュールを調べてみました。
アガシ(38歳)が7月10日にフィラデルフィアで対戦する相手はボストンロブスターズです。ということはナヴラティロヴァのチームですから、ひょっとしてミックスダブルスで彼女と対戦するかもしれません。オールディーズファンにはぞくぞくする話です。
World Team Tennis:
7月のスケジュール(70回以上の試合がアメリカ各地で観れます):
http://www.wtt.com/schedule.aspx
ワールドチームテニスとは、ビリージングキングが始めた現役、引退プロの混ざった楽しいトーナメントで、地域を代表する10チームに分かれています。サンプラスもときどき参加していて、今年はどうするのでしょうか? 突然ロディック対サンプラスのような豪華な試合も観れますので、これも楽しみの一つです。
2006年のロディックvsサンプラス
ワールドチームと代表選手:
ロブスターズ(ボストン):ナヴラティロヴァ
エクスプローラーズ(カンサスシティ):ブライアン兄弟
スポーツタイムズ(ニューヨーク):ジョンマッケンロー
フリーダムズ(フィラデルフィア):アガシ、ヴィーナスウィリアムズ
キャピタルズ(サクラメント、カリフォルニア州):マイケルチャン
エイシズ(セントルイス):アナクルニコヴァ
カースルズ(ワシントンDC):セリーナウィリアムズ
7月にアメリカ全土で70回以上も行われるこの楽しいトーナメントに、皆さんも一度トライしてみませんか? ワールドチームはコートをいろんな色に塗り替え、ルールもオリジナルでとても楽しいトーナメントとなっています。私はTVでよく観戦しますが、生では観ていないので、フィラデルフィアまで行ってこようと思います。
ニューヨークでも試合がいくつかあります。マッケンローがでますね。7月の休暇は、テニスのトーナメントに合わせて、アメリカに旅行するのも楽しいかもしれません。
2009年02月26日
アガシとグラフのドリームペアが出場
5月17日をマークしましょう。(タイム記事)
ウィンブルドンのセンターコートにいよいよ屋根がつきました。6月22日から始まるウィンブルドンに先駆けて、屋根のテストを兼ねて、『センターコートセレブレイション』の記念行事が行われます。
この行事になんと、アンドレアガシとシュテフィグラフが参加することになり、ティムヘンマンとキムクライスターズと対戦します。エグジビションテニスのフォーマットは、Pro-set Formatと呼ばれる8ゲーム先取、8-8のタイブレーカーで、男子と女子のシングルスに男女ミックスダブルスの3試合が行われることになりました。アガシは1回、グラフは7回もウィンブルドンで優勝しているメガカップルのミックスダブルスです。
「ウィンブルドンのセンターコートでプレーすることは、とてもスペシャルなことです。今回は夫のアンドレと組んで、偉大なプレーヤーのティムやキムと試合ができるので、これ以上栄誉なことはありません。すばらしい思い出の中でプレーしたいと思います。」とグラフが述べています。
赤ちゃんを産んですっかりお母さん業に専念かと思われたクライスターズですが、久しぶりのセンターコートへのカムバックに、ただ今コーチを迎えてトレーニング中。
「実はシュテフィとは十年ぶりの対戦なんです。あれが最初で最後なんですが、あのときは雨で2日間も試合が延期になってしまったんですよ。この屋根のおかげで雨の問題も解決です。」と興奮を隠せない。
チケットは50ドル、3月12日からオンラインで発売です。1万5千人が観戦できますので、生観戦の可能性は多いにありです。
チケットはチケットマスターで購入できます。
http://www.ticketmaster.co.uk/A-Centre-Court-Celebration-tickets/artist/984395?tm_link=tm_homeA_h10
スポンサーを助けたい (SKY NEWS)
マレーのスポンサー、RBS スコットランドロイヤル銀行が約400億ドルに近い負債を抱えて、経営危機のため2万人の従業員の解雇に踏み切ろうとしています。
「RBSは僕の初めてのスポンサーなんだ。13歳のときからお世話になっていて彼らとはとてもよい関係にあるから、この危機に何とか役に立てないものかと考えている。お金を返すことも考えているんだ。つまり僕は何とかして彼らの役にたちたいんだ。」
えっ!お金を返す? こんな奇特な選手がこのせちがらい世の中にいたのですね! 恩義なんて言葉はもう存在しないと思っていましたが、スコットランド気質のマレーにしっかり根付いておりました。
スケートボードに挑戦します
この日曜から冬期オリンピックの開催地、レイクプラシッドに出かけます。
今回はスキーよりも目的はスノーボードです。スキーは昔さんざんやってますし、死にそうな事故にもあってほどほどにしようと思っていますので、今度はスケートボードに挑戦です。しかしちょっと不安なのです。よく手首を折った怪我の話をききますし、私の手術した両膝がもつかどうかも心配です。
私のボードを使ったスポーツの経験は、水上スキーとウィンドサーフィンですが、これもあんまり役立つとは思えない。ということで、スケートボードのプロ選手からプライベートレッスンを受けることになりました。今日の午後セントラルパークで待ち合わせです。では張り切って行ってきます。(汗)
ウィンブルドンのセンターコートにいよいよ屋根がつきました。6月22日から始まるウィンブルドンに先駆けて、屋根のテストを兼ねて、『センターコートセレブレイション』の記念行事が行われます。
この行事になんと、アンドレアガシとシュテフィグラフが参加することになり、ティムヘンマンとキムクライスターズと対戦します。エグジビションテニスのフォーマットは、Pro-set Formatと呼ばれる8ゲーム先取、8-8のタイブレーカーで、男子と女子のシングルスに男女ミックスダブルスの3試合が行われることになりました。アガシは1回、グラフは7回もウィンブルドンで優勝しているメガカップルのミックスダブルスです。
「ウィンブルドンのセンターコートでプレーすることは、とてもスペシャルなことです。今回は夫のアンドレと組んで、偉大なプレーヤーのティムやキムと試合ができるので、これ以上栄誉なことはありません。すばらしい思い出の中でプレーしたいと思います。」とグラフが述べています。
赤ちゃんを産んですっかりお母さん業に専念かと思われたクライスターズですが、久しぶりのセンターコートへのカムバックに、ただ今コーチを迎えてトレーニング中。
「実はシュテフィとは十年ぶりの対戦なんです。あれが最初で最後なんですが、あのときは雨で2日間も試合が延期になってしまったんですよ。この屋根のおかげで雨の問題も解決です。」と興奮を隠せない。
チケットは50ドル、3月12日からオンラインで発売です。1万5千人が観戦できますので、生観戦の可能性は多いにありです。
チケットはチケットマスターで購入できます。
http://www.ticketmaster.co.uk/A-Centre-Court-Celebration-tickets/artist/984395?tm_link=tm_homeA_h10
スポンサーを助けたい (SKY NEWS)
マレーのスポンサー、RBS スコットランドロイヤル銀行が約400億ドルに近い負債を抱えて、経営危機のため2万人の従業員の解雇に踏み切ろうとしています。
「RBSは僕の初めてのスポンサーなんだ。13歳のときからお世話になっていて彼らとはとてもよい関係にあるから、この危機に何とか役に立てないものかと考えている。お金を返すことも考えているんだ。つまり僕は何とかして彼らの役にたちたいんだ。」
えっ!お金を返す? こんな奇特な選手がこのせちがらい世の中にいたのですね! 恩義なんて言葉はもう存在しないと思っていましたが、スコットランド気質のマレーにしっかり根付いておりました。
スケートボードに挑戦します
この日曜から冬期オリンピックの開催地、レイクプラシッドに出かけます。
今回はスキーよりも目的はスノーボードです。スキーは昔さんざんやってますし、死にそうな事故にもあってほどほどにしようと思っていますので、今度はスケートボードに挑戦です。しかしちょっと不安なのです。よく手首を折った怪我の話をききますし、私の手術した両膝がもつかどうかも心配です。
私のボードを使ったスポーツの経験は、水上スキーとウィンドサーフィンですが、これもあんまり役立つとは思えない。ということで、スケートボードのプロ選手からプライベートレッスンを受けることになりました。今日の午後セントラルパークで待ち合わせです。では張り切って行ってきます。(汗)
2009年02月25日
問題続きのドバイ大会
しばらくお休みしてしまいました!
実はこの週末に目が真っ赤に充血してしまい、あわてて救急病院へ行くというハプニングがありました。しかし別状なしということで(寝ている間に目をこすったか、くしゃみをしたかでしょう、という診断)、片目で我慢していましたが、火曜日には赤目が目全体に広がり、どう見てもホラー映画の主人公の形相。仕方なく今日も眼のお医者さんに行ってきました。
診断は? 「ほっとけば2週間くらいで充血がひきますから、休養してそれ以後また来てください」、というそっけない言葉。このように訳のわからない赤目と戦っている傍ら、車の故障と闘い、息子の友達の寝泊まりの世話など、ストレスと疲れでアップができませんでした。さて愚痴はこのへんにして、片手間でしたが、ちょこちょこ試合はストリーミングで観戦しましたので、私の感想を簡単に書いてみたいと思います。
欠場選手が続出のドバイ大会
トップシード7の中の5選手が欠場、という異常な事態を迎えたドバイが今日から始まりました。
ナダル(膝)、フェデラー(腰)、ダヴィデンコ(理由は非公開)、ロディック(シャハールピアーの入国拒否に抗議)、べルダスコ(足首)のトップ5人の欠場は前代未聞の出来事です。
女子のドバイ大会でイスラエル選手、シャハールピアーの入国を拒否してケチをつけたドバイでしたが、今回の男子の大会は同じくイスラエル人のアンディーラム選手の入国を許可したため大問題に発展することなく、試合が無事開催されることになりました。
よくやったロディック
まずこのドバイ大会に欠場を発表したロディックですが、彼の勇断を讃えたいと思います。新コーチ、ステファンキを迎えてさっそくメンフィスで優勝をとげたロディックですが、シャハールピアー(イスラエル女子選手)の入国拒否に抗議するため、ドバイ欠場を表明しました。そしてデ杯までの2週間をトレーニングに励み、ベストコンディションでスイス戦に臨みたいとも述べました。これでロディックの株がぐーっと上がったことは言うまでもありません。フェデラーとナダルの抜けたドバイでは、調子の上がってきているロディックにとっては絶好のチャンスだったはずです。優勝者に約4千万円、準優勝者に約2千万円の賞金額の大きいドバイ大会は、選手にとっては魅力的な大会ですが、ロディックは自分の信念のためにいさぎよくキャンセルしました。そして一銭にもならないデ杯のためにアラバマ州に向かうロディックはまさに男をあげたのです。
フェデラーに失望したスイス国民
反対に株を下げたのはデ杯を辞退したフェデラーです。腰の予防のためというのが理由ですが、故郷バーゼラーツァィツンクの読者欄は、失望と怒りのコメントが大半を占めました。バーゼルを捨てチューリッヒ近くに引っ越しをしてしまったフェデラーに対しては、もともとバーゼル住民は失望していますし、バーゼルだけでなくスイス国民は、余暇はスイスではなくドバイの別荘で過ごすフェデラーを苦々しく思う気持ちを隠せないでいるようです。
不況のどん底のドバイ大会
世界に不況の津波が押し寄せていますが、ドバイも直撃を受けています。ドバイを世界の観光地にと、壮大な埋め立て計画でホテル、マンションを建築しまくったのはよいのですが、世界の大不況でマンションの売り上げはさっぱり。ホテルも閑古鳥が鳴いています。建築がストップしたビルも多く、そのために大量のインド人の季節労働者が解雇されました。彼らは車の月賦も支払えずにそのまま車を空港に乗り捨ててインドへ。一説によると過去4ヶ月で空港に乗り捨てられた車が3000台にものぼるとか。政治的にも経済的にも危機に立たされたトーナメントになりました。
好調なジョコヴィッチ:Djokovic def Cipolla 63 62
このような経済危機のさなかに、開催されているドバイ男子大会Barclays Dubai Tennis Championships(女子はヴィーナスウィリアムズが優勝しました)ですが、マレーとともに優勝候補にあげられているジョコヴィッチは、問題なく1回戦をイタリアのチポラに63 62で初勝利をおさめました。チポラは予選から上がってきた125位の選手ですので、ジョコヴィッチにとってはよいウォーミングアップになったようです。ジョコは先週のマルセイユでは残念ながら、大好調のツォンガに準決勝で負けていますが、新しいラケットにも馴染み、クリーンな当たりで正確なショットを左右に打ち分けていましたので決勝までいけると思います。
危なっかしいシモン:Simon def Ghareeb 57 64 64
最近のシモンはあの炸裂するフォアのウィナーがみられなくなりました。ウィナーを打とうとするとオーヴァーヒットしてしまうので、打つのを躊躇しているように見えます。しかもポジションがベースラインからかなり下がってしまっていますので、なかなか攻撃的なショットがつくれません。昔のディフェンスのシモンに戻ってしまったようで残念です。今日の試合も第1セットでは、簡単に2度のブレークを469位のガリーブ(クウェート)にとられてしまっているので、これはかなり真剣な問題ではないかと思います。
多くのトップ選手が欠場してしまっていますので、ドバイでは優勝するかもしれませんね、という質問に対して、正直ですがちょっと悲観的なコメントをシモンは残していました。
「最初のスタートが悪かった。今までインドアしか試合をやっていないので、アウトドアの練習が足りていない。ベースラインからもっと安定して打ってゲームのレベルをあげないことには。今の自分が抱えている問題を直さないかぎり試合には絶対勝てないと思う。」
ペースの違ったショットメイキングで相手を翻弄しながら、フォアのミサイル爆弾を打ってウィナーを決めるシモンの姿を早くみたいと願っているのですが、時間がかかるかもしれません。
未来のテニスはダブルスをヒントに
先週のメンフィスとマルセイユの大会では、決勝戦にダブルス選手が残りました。ステパネックは元ダブルスの選手ですし、ロードラはダブルス28位のダブルス選手です。この二人が決勝まで残ったのは単なる偶然とも思えないテニスの進化の過程があると睨んでいます。つまりネットダッシュの有効性です。サーヴ&ヴォレーでなくとも、いかにネットプレーがポイントにつながるかをこの二つの大会は証明してくれました。
サーヴでリターンを浮かす。サイドラインを狙ったショットでカウンターを浮かす。そして浮いた球をネットダッシュして決める。とてもシンプルなのですが、なかなか実行できないのはネットプレーの練習に時間をかけてない選手が多すぎるからだと思います。その点ダブルスの選手はネットプレーが命ですから、ネットダッシュが自然です。私の好きなロードラの試合をみて感動を覚えました。ネットダッシュのタイミングを実によく心得ていて、見事にヴォレーが決まります。ステパネックとロードラのハーフヴォレーはもう芸術の世界です。
30歳のステパネックはデルポトロを下しました。パワーテニスに勝つには、まず相手にラリーをさせないこと。サーヴで相手をコートに追い出し、ネットダッシュでオープンコートにウィナーを決めます。あとはリターンがよいこと。ステパネックとロードラはサーヴとリターンが抜群でした。
巨大な選手のパワーテニスに対抗するには?
錦織選手の未来の答えを彼らのテニスが教えてくれているような気がします。シングルスプレーヤーがダブルスから学ぶことは無限です。ナダルは今までダブルスの試合でも活躍してきました。フィッシュは先週ダブルスで優勝しています。圭君は今まではチャレンジャーレベルでは結構ダブルスに出場していたように思うのですが、トーナメントレベルが高くなるとやめてしまいました。今は故障しがちですので体への負担が大きくなるのでしょうが、将来はぜひダブルスにも出場してほしいと思います。
さて、デ杯は錦織圭と添田豪がシングルス、岩渕聡と鈴木貴男のダブルスでいよいよ3月6日から大阪で対中国戦が始まります。5勝完勝を目指してRock Osakaです!
実はこの週末に目が真っ赤に充血してしまい、あわてて救急病院へ行くというハプニングがありました。しかし別状なしということで(寝ている間に目をこすったか、くしゃみをしたかでしょう、という診断)、片目で我慢していましたが、火曜日には赤目が目全体に広がり、どう見てもホラー映画の主人公の形相。仕方なく今日も眼のお医者さんに行ってきました。
診断は? 「ほっとけば2週間くらいで充血がひきますから、休養してそれ以後また来てください」、というそっけない言葉。このように訳のわからない赤目と戦っている傍ら、車の故障と闘い、息子の友達の寝泊まりの世話など、ストレスと疲れでアップができませんでした。さて愚痴はこのへんにして、片手間でしたが、ちょこちょこ試合はストリーミングで観戦しましたので、私の感想を簡単に書いてみたいと思います。
欠場選手が続出のドバイ大会
トップシード7の中の5選手が欠場、という異常な事態を迎えたドバイが今日から始まりました。
ナダル(膝)、フェデラー(腰)、ダヴィデンコ(理由は非公開)、ロディック(シャハールピアーの入国拒否に抗議)、べルダスコ(足首)のトップ5人の欠場は前代未聞の出来事です。
女子のドバイ大会でイスラエル選手、シャハールピアーの入国を拒否してケチをつけたドバイでしたが、今回の男子の大会は同じくイスラエル人のアンディーラム選手の入国を許可したため大問題に発展することなく、試合が無事開催されることになりました。
よくやったロディック
まずこのドバイ大会に欠場を発表したロディックですが、彼の勇断を讃えたいと思います。新コーチ、ステファンキを迎えてさっそくメンフィスで優勝をとげたロディックですが、シャハールピアー(イスラエル女子選手)の入国拒否に抗議するため、ドバイ欠場を表明しました。そしてデ杯までの2週間をトレーニングに励み、ベストコンディションでスイス戦に臨みたいとも述べました。これでロディックの株がぐーっと上がったことは言うまでもありません。フェデラーとナダルの抜けたドバイでは、調子の上がってきているロディックにとっては絶好のチャンスだったはずです。優勝者に約4千万円、準優勝者に約2千万円の賞金額の大きいドバイ大会は、選手にとっては魅力的な大会ですが、ロディックは自分の信念のためにいさぎよくキャンセルしました。そして一銭にもならないデ杯のためにアラバマ州に向かうロディックはまさに男をあげたのです。
フェデラーに失望したスイス国民
反対に株を下げたのはデ杯を辞退したフェデラーです。腰の予防のためというのが理由ですが、故郷バーゼラーツァィツンクの読者欄は、失望と怒りのコメントが大半を占めました。バーゼルを捨てチューリッヒ近くに引っ越しをしてしまったフェデラーに対しては、もともとバーゼル住民は失望していますし、バーゼルだけでなくスイス国民は、余暇はスイスではなくドバイの別荘で過ごすフェデラーを苦々しく思う気持ちを隠せないでいるようです。
不況のどん底のドバイ大会
世界に不況の津波が押し寄せていますが、ドバイも直撃を受けています。ドバイを世界の観光地にと、壮大な埋め立て計画でホテル、マンションを建築しまくったのはよいのですが、世界の大不況でマンションの売り上げはさっぱり。ホテルも閑古鳥が鳴いています。建築がストップしたビルも多く、そのために大量のインド人の季節労働者が解雇されました。彼らは車の月賦も支払えずにそのまま車を空港に乗り捨ててインドへ。一説によると過去4ヶ月で空港に乗り捨てられた車が3000台にものぼるとか。政治的にも経済的にも危機に立たされたトーナメントになりました。
好調なジョコヴィッチ:Djokovic def Cipolla 63 62
このような経済危機のさなかに、開催されているドバイ男子大会Barclays Dubai Tennis Championships(女子はヴィーナスウィリアムズが優勝しました)ですが、マレーとともに優勝候補にあげられているジョコヴィッチは、問題なく1回戦をイタリアのチポラに63 62で初勝利をおさめました。チポラは予選から上がってきた125位の選手ですので、ジョコヴィッチにとってはよいウォーミングアップになったようです。ジョコは先週のマルセイユでは残念ながら、大好調のツォンガに準決勝で負けていますが、新しいラケットにも馴染み、クリーンな当たりで正確なショットを左右に打ち分けていましたので決勝までいけると思います。
危なっかしいシモン:Simon def Ghareeb 57 64 64
最近のシモンはあの炸裂するフォアのウィナーがみられなくなりました。ウィナーを打とうとするとオーヴァーヒットしてしまうので、打つのを躊躇しているように見えます。しかもポジションがベースラインからかなり下がってしまっていますので、なかなか攻撃的なショットがつくれません。昔のディフェンスのシモンに戻ってしまったようで残念です。今日の試合も第1セットでは、簡単に2度のブレークを469位のガリーブ(クウェート)にとられてしまっているので、これはかなり真剣な問題ではないかと思います。
多くのトップ選手が欠場してしまっていますので、ドバイでは優勝するかもしれませんね、という質問に対して、正直ですがちょっと悲観的なコメントをシモンは残していました。
「最初のスタートが悪かった。今までインドアしか試合をやっていないので、アウトドアの練習が足りていない。ベースラインからもっと安定して打ってゲームのレベルをあげないことには。今の自分が抱えている問題を直さないかぎり試合には絶対勝てないと思う。」
ペースの違ったショットメイキングで相手を翻弄しながら、フォアのミサイル爆弾を打ってウィナーを決めるシモンの姿を早くみたいと願っているのですが、時間がかかるかもしれません。
未来のテニスはダブルスをヒントに
先週のメンフィスとマルセイユの大会では、決勝戦にダブルス選手が残りました。ステパネックは元ダブルスの選手ですし、ロードラはダブルス28位のダブルス選手です。この二人が決勝まで残ったのは単なる偶然とも思えないテニスの進化の過程があると睨んでいます。つまりネットダッシュの有効性です。サーヴ&ヴォレーでなくとも、いかにネットプレーがポイントにつながるかをこの二つの大会は証明してくれました。
サーヴでリターンを浮かす。サイドラインを狙ったショットでカウンターを浮かす。そして浮いた球をネットダッシュして決める。とてもシンプルなのですが、なかなか実行できないのはネットプレーの練習に時間をかけてない選手が多すぎるからだと思います。その点ダブルスの選手はネットプレーが命ですから、ネットダッシュが自然です。私の好きなロードラの試合をみて感動を覚えました。ネットダッシュのタイミングを実によく心得ていて、見事にヴォレーが決まります。ステパネックとロードラのハーフヴォレーはもう芸術の世界です。
30歳のステパネックはデルポトロを下しました。パワーテニスに勝つには、まず相手にラリーをさせないこと。サーヴで相手をコートに追い出し、ネットダッシュでオープンコートにウィナーを決めます。あとはリターンがよいこと。ステパネックとロードラはサーヴとリターンが抜群でした。
巨大な選手のパワーテニスに対抗するには?
錦織選手の未来の答えを彼らのテニスが教えてくれているような気がします。シングルスプレーヤーがダブルスから学ぶことは無限です。ナダルは今までダブルスの試合でも活躍してきました。フィッシュは先週ダブルスで優勝しています。圭君は今まではチャレンジャーレベルでは結構ダブルスに出場していたように思うのですが、トーナメントレベルが高くなるとやめてしまいました。今は故障しがちですので体への負担が大きくなるのでしょうが、将来はぜひダブルスにも出場してほしいと思います。
さて、デ杯は錦織圭と添田豪がシングルス、岩渕聡と鈴木貴男のダブルスでいよいよ3月6日から大阪で対中国戦が始まります。5勝完勝を目指してRock Osakaです!
2009年02月20日
スター誕生、17歳のクールなディミトロフ
2月は毎週3つのATPワールドツアーが世界の各地で行われていますので、テニスファンとしては嬉しいのですがフォローが大変です。特に今日は花金で、準々決勝の日。以下のトップ選手たちが一斉に優勝をめざして戦います。
以下の試合スケジュールはこのサイトでチェックしてください。http://www.atpworldtour.com:80/tennis/1/en/scores/
メンフィス Regions Morgan Keegan Championships
セラ def クニツィン 46 64 62
ステパネック def デルポトロ 76(7) 64
ロディック vs クェリー 64 36 63
ヒューイット vs ローカス 62 63
マルセイユ Open 13
ジョコヴィッチ def ツヴェレフ 63 63
ロードラ def ユーズニー 76(4) 76(3)
ツォンガ def Fロペス 62 67(1) 64
シモン def ベネトー 62 64
ブエノスアイレス Copa Telmex
ロブレド def フェレイロ 64 76(4)
アカスーソ def エルナンデス 61 62
モナコ def M.ゴンサレス 62 63
ナルバンディアン vs フェレロ 63 30 (リタイア)
ティーンセンセーションを起こしたディミトロフ
この写真をみてください。ツルスノフのとなり、右側がディミトロフです。ハンサム度もあがり男らしくなりました。
昨年の12月10日の記事で17歳のディミトロフGrigor Dimitrovを特集しましたのでまずご覧ください。 私の予言が的中して、未来のスターが誕生しました。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/151206.html
まず、ディミトロフは先週のロッテルダム大会において、1回戦でバーディッチを4-6 6-3 6-4で破りました。
2回戦はナダルでしたが、5-7 6-3 2-6と第2セットを奪っています。もしディミトロフの足の引きつりがなければナダルを倒したかもしれません。(状況を後に説明します)そして今週のマルセイユでは、1回戦でシモンに敗退しましたが、8位のシモンからも6-4, 3-6, 5-7と第1セットを奪っています。
若きフェデラーを彷彿させる片手バックハンドの華麗なテニスをみせるディミトロフ。ナダルとの試合をストリーミングで観戦しました。以下が試合状況です。
2009年2月12日 ロッテルダム2回戦です。
ディミトロフ vs ナダル
第1セットは8ゲーム目で(Dimitrof vs Nadal 3-4)ナダルをブレークしてスコアをイーヴンに戻しました。5-5までサーヴィスゲームをキープしましたがナダルにブレークされ、5-7で第1セットを落としました。しかしナダルに対してビビることなく、堂々とした17歳のテニスには目を見張りました。
第2セットの1ゲーム目から2回サーヴィスエースをとったディミトロフは、快調な滑り出しで、サーヴィスゲームを問題なくキープしていきます。恐ろしいのはすでに身長が187cmもあること。多分成長ざかりなので今では190cmを超えていると思います。この高さからくるサーヴはやっぱり圧倒的にパワフルです。
8ゲーム目(4-3)で、ナダルは2度ネットダッシュを試みますがいずれも失敗。ディミトロフのストロークは安定していて、しかもディープに入ってナダルがリズムをつかめません。30-30でディミトロフは大胆なフォアのウィナーを決め、ナダルのエラーも手伝って、ナダルをブレークしました。スコアを5-3にしてから、ナダルはブレークできずに、6-3でディミトロフが第2セットをとりました。
第3セットはディミトロフのサーヴもストロークもよく快調でしたが、6ゲーム目(2-3)で急にフットワークが鈍くなり、チャンスボールでもネットダッシュせず、ナダルにブレークを許してしまいました。
7ゲーム目(2-4)ナダルのサーヴです。ディミトロフが右太ももを押さえながら戦っています。しかしブレークポイントまでこぎつけましたが、足が引きつってデュースへ。ここでディミトロフはトレーナーを呼ぶ様子がありません。トレーナーを呼ばなくても、コートチェンジでマッサージを受けることができますが、そのリクエストもしません。
ディミトロフは足をかばいながら、4回のデュースまで粘りました。しかし最後はナダルのネットダッシュでポイントを失ってブレークチャンスを逃してしまいました。あの甘いマスクから想像もできないファイティングスピリットに観客も大きな拍手を送りました。
ここでディミトロフはタイムアウトをとってマッサージを受けることもできたのですが、それをやりませんでした。これは世界ナンバーワンのナダルを尊敬したためだと思います。とても畏れ多くて、といったところでしょうか。(フェデラーが、世界1位になってから対戦相手のタイムアウトの回数が激減した、といってましたので。)
ディミトロフの足が痛くなければナダルを倒せたかもしれない、と思わせるほどの実力を17歳のディミトロフを世界に証明しました。9つのエースがとれるビッグサーヴァーです。ベースライナーですが、ドロップショットを使ってナダルからポイントをいくつかとりました。しかも片手バックハンドのスライスとディープな強力トップスピンで相手にリズムを与えず、ナダルは苦戦しました。
今後の課題はサーヴィスリターンを向上させ、リターンのポイントを増やせば、未来のトップ3は間違いない選手だと思います。とにかくクールで性格がよさそうです。バカ打ちをしてしまったときは、自分で「バカみたい」という顔をして、ニコニコしていました。ナダルとの試合が楽しくて仕方がない、といった態度はとても新鮮できっと多くのファンをつかんだと思います。
どんどんこのような大型選手が錦織選手を追っかけているので目が離せません。
以下の試合スケジュールはこのサイトでチェックしてください。http://www.atpworldtour.com:80/tennis/1/en/scores/
メンフィス Regions Morgan Keegan Championships
セラ def クニツィン 46 64 62
ステパネック def デルポトロ 76(7) 64
ロディック vs クェリー 64 36 63
ヒューイット vs ローカス 62 63
マルセイユ Open 13
ジョコヴィッチ def ツヴェレフ 63 63
ロードラ def ユーズニー 76(4) 76(3)
ツォンガ def Fロペス 62 67(1) 64
シモン def ベネトー 62 64
ブエノスアイレス Copa Telmex
ロブレド def フェレイロ 64 76(4)
アカスーソ def エルナンデス 61 62
モナコ def M.ゴンサレス 62 63
ナルバンディアン vs フェレロ 63 30 (リタイア)
ティーンセンセーションを起こしたディミトロフ
この写真をみてください。ツルスノフのとなり、右側がディミトロフです。ハンサム度もあがり男らしくなりました。
昨年の12月10日の記事で17歳のディミトロフGrigor Dimitrovを特集しましたのでまずご覧ください。 私の予言が的中して、未来のスターが誕生しました。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/151206.html
まず、ディミトロフは先週のロッテルダム大会において、1回戦でバーディッチを4-6 6-3 6-4で破りました。
2回戦はナダルでしたが、5-7 6-3 2-6と第2セットを奪っています。もしディミトロフの足の引きつりがなければナダルを倒したかもしれません。(状況を後に説明します)そして今週のマルセイユでは、1回戦でシモンに敗退しましたが、8位のシモンからも6-4, 3-6, 5-7と第1セットを奪っています。
若きフェデラーを彷彿させる片手バックハンドの華麗なテニスをみせるディミトロフ。ナダルとの試合をストリーミングで観戦しました。以下が試合状況です。
2009年2月12日 ロッテルダム2回戦です。
ディミトロフ vs ナダル
第1セットは8ゲーム目で(Dimitrof vs Nadal 3-4)ナダルをブレークしてスコアをイーヴンに戻しました。5-5までサーヴィスゲームをキープしましたがナダルにブレークされ、5-7で第1セットを落としました。しかしナダルに対してビビることなく、堂々とした17歳のテニスには目を見張りました。
第2セットの1ゲーム目から2回サーヴィスエースをとったディミトロフは、快調な滑り出しで、サーヴィスゲームを問題なくキープしていきます。恐ろしいのはすでに身長が187cmもあること。多分成長ざかりなので今では190cmを超えていると思います。この高さからくるサーヴはやっぱり圧倒的にパワフルです。
8ゲーム目(4-3)で、ナダルは2度ネットダッシュを試みますがいずれも失敗。ディミトロフのストロークは安定していて、しかもディープに入ってナダルがリズムをつかめません。30-30でディミトロフは大胆なフォアのウィナーを決め、ナダルのエラーも手伝って、ナダルをブレークしました。スコアを5-3にしてから、ナダルはブレークできずに、6-3でディミトロフが第2セットをとりました。
第3セットはディミトロフのサーヴもストロークもよく快調でしたが、6ゲーム目(2-3)で急にフットワークが鈍くなり、チャンスボールでもネットダッシュせず、ナダルにブレークを許してしまいました。
7ゲーム目(2-4)ナダルのサーヴです。ディミトロフが右太ももを押さえながら戦っています。しかしブレークポイントまでこぎつけましたが、足が引きつってデュースへ。ここでディミトロフはトレーナーを呼ぶ様子がありません。トレーナーを呼ばなくても、コートチェンジでマッサージを受けることができますが、そのリクエストもしません。
ディミトロフは足をかばいながら、4回のデュースまで粘りました。しかし最後はナダルのネットダッシュでポイントを失ってブレークチャンスを逃してしまいました。あの甘いマスクから想像もできないファイティングスピリットに観客も大きな拍手を送りました。
ここでディミトロフはタイムアウトをとってマッサージを受けることもできたのですが、それをやりませんでした。これは世界ナンバーワンのナダルを尊敬したためだと思います。とても畏れ多くて、といったところでしょうか。(フェデラーが、世界1位になってから対戦相手のタイムアウトの回数が激減した、といってましたので。)
ディミトロフの足が痛くなければナダルを倒せたかもしれない、と思わせるほどの実力を17歳のディミトロフを世界に証明しました。9つのエースがとれるビッグサーヴァーです。ベースライナーですが、ドロップショットを使ってナダルからポイントをいくつかとりました。しかも片手バックハンドのスライスとディープな強力トップスピンで相手にリズムを与えず、ナダルは苦戦しました。
今後の課題はサーヴィスリターンを向上させ、リターンのポイントを増やせば、未来のトップ3は間違いない選手だと思います。とにかくクールで性格がよさそうです。バカ打ちをしてしまったときは、自分で「バカみたい」という顔をして、ニコニコしていました。ナダルとの試合が楽しくて仕方がない、といった態度はとても新鮮できっと多くのファンをつかんだと思います。
どんどんこのような大型選手が錦織選手を追っかけているので目が離せません。
第2セットのディミトロフのダイヴィングハーフヴォレーが見ものです。
2009年02月19日
フェデラーに新コーチ?
フェデラーの身辺が慌ただしくなってきました。まず腰の故障を理由にドバイ大会(2月23日)とデイヴィスカップ(対アメリカ:3月6日)の欠場を発表しました。
このスケジュールは前から不思議に思っていました。ドバイのすぐ後がデ杯です。そしてデ杯の後に3月中旬からインディアンウェルズのマスターズが控えています。前からグランドスラムを優先したいと言っていましたので、この過密なスケジュールはきっとどこかをキャンセルすると予想していました。デ杯ではロディックとブレイクの2タイをこなさなければならず、グランドスラムと同じく3セットを勝たねばなりません。下手をするとアメリカのホームゲームですから5セットになる可能性もあります。しかも今ヴァヴリンカが不調で、アメリカ戦はフェデラーの肩にかかっていていました。
夫はバーゼル出身ですので、実は二人でフェデラーの応援にわざわざアラバマ州のバーミンガムまで行く予定をたてていたのです。しかし(ラッキーにも)発売2時間でチケットが完売してしまったため、デ杯観戦の計画は流れてしまいました。マッケンローは、「フェデラーが来るというのでチケットが完売になったのに、大変残念なことだ。」と遺憾のコメントを発表しています。デ杯をキャンセルしたのにすぐドバイに出ると、母国を逆なでするようなことになるのでドバイもキャンセルしたのではないかと思います。腰のためにフェデラーは二つの試合をキャンセルしているにも拘らず、腰を心配する記事にお目にかからないのは、 腰の予防のためという認識が共通してあるからでしょう。
問題を残す ドバイ
ナダルもドバイを足の故障を理由に欠場を決めました。これでフェデラー、ナダルが抜けたドバイですが、今ごうごうたる非難にあっています。というのは今週から始まったドバイ大会(WTA女子)に出場予定だったイスラエルの選手、シャハールピアーの入国が拒否されてしまったのです。ドバイは アラブ首長国連邦の首長国の一つでイスラエルを認めておりませんが、政治をスポーツに持ち込むことに、世界の怒りが集中しました。WTAでは来年のドバイ大会(女子)の中止も考えられると発表しました。
テニスチャンネルはこの事態を深刻に受け止め、WTAのドバイ大会の放送をすべてキャンセルしました。テニスチャンネルの勇断に大きな拍手を送りたいと思います。
なおATP(男子)のドバイ大会は来週23日から始まりますが、問題はイスラエルのダブルス選手、アンディーラムのヴィザの問題です。彼の入国をも拒否すると、今後のドバイの大会がすべて消える大事件に発展する可能性もあります。アメリカの国会議員が介入して交渉し、ヴィザがおりることになったようですが、このように政治がスポーツに介入することに対して、断固として戦う姿勢を高く評価したいと思います。
フェデラーに新コーチの噂
http://www.tennisweek.com/news/fullstory.sps?inewsid=6627389
オーストラリアンオープンで見せた涙は、フェデラーのもろさを発露してしまいました。「フェデラーにはコーチが必要」は誰の目にも明らかで、コーチの発表は時間の問題と噂されてきましたが、ダレンケイヒル(Darren Cahill)の名が急浮上してきました。
ケイヒルはヒューイットを世界最年少のNo.1に、そしてアガシを最年長者のNo.1に仕立てた名コーチです。現在はESPNの解説者として活躍しておりますが、以前のコメントに、コーチ復活も考えていると述べたこともあります。ケイヒルは温厚で冷静で分析力にすぐれた名解説者で、フェデラーのコーチとしては適任者として長く噂にあった一人です。
ケイヒルの名が単なる噂のレベルではなく、可能性大いにありと浮上してきたのは、彼がオーストラリアのデ杯コーチを辞任したからです。理由はパーソナルな理由ということで明らかにしておりませんが、「フェデラーのコーチを引き受けることになったのでは?」との噂が一挙に現実味をおびてきたのです。
私も今のフェデラーをハンドルできるのは(彼は頑固で有名ですので)、ケイヒルくらいしかいないのではと思っておりました。フェデラーもケイヒルのことは尊敬しているようですので、この噂が実現するようフェデラーファンの皆さん、祈りのウェーヴをフェデラーとケイヒルに向けて送りましょう!
このスケジュールは前から不思議に思っていました。ドバイのすぐ後がデ杯です。そしてデ杯の後に3月中旬からインディアンウェルズのマスターズが控えています。前からグランドスラムを優先したいと言っていましたので、この過密なスケジュールはきっとどこかをキャンセルすると予想していました。デ杯ではロディックとブレイクの2タイをこなさなければならず、グランドスラムと同じく3セットを勝たねばなりません。下手をするとアメリカのホームゲームですから5セットになる可能性もあります。しかも今ヴァヴリンカが不調で、アメリカ戦はフェデラーの肩にかかっていていました。
夫はバーゼル出身ですので、実は二人でフェデラーの応援にわざわざアラバマ州のバーミンガムまで行く予定をたてていたのです。しかし(ラッキーにも)発売2時間でチケットが完売してしまったため、デ杯観戦の計画は流れてしまいました。マッケンローは、「フェデラーが来るというのでチケットが完売になったのに、大変残念なことだ。」と遺憾のコメントを発表しています。デ杯をキャンセルしたのにすぐドバイに出ると、母国を逆なでするようなことになるのでドバイもキャンセルしたのではないかと思います。腰のためにフェデラーは二つの試合をキャンセルしているにも拘らず、腰を心配する記事にお目にかからないのは、 腰の予防のためという認識が共通してあるからでしょう。
問題を残す ドバイ
ナダルもドバイを足の故障を理由に欠場を決めました。これでフェデラー、ナダルが抜けたドバイですが、今ごうごうたる非難にあっています。というのは今週から始まったドバイ大会(WTA女子)に出場予定だったイスラエルの選手、シャハールピアーの入国が拒否されてしまったのです。ドバイは アラブ首長国連邦の首長国の一つでイスラエルを認めておりませんが、政治をスポーツに持ち込むことに、世界の怒りが集中しました。WTAでは来年のドバイ大会(女子)の中止も考えられると発表しました。
テニスチャンネルはこの事態を深刻に受け止め、WTAのドバイ大会の放送をすべてキャンセルしました。テニスチャンネルの勇断に大きな拍手を送りたいと思います。
なおATP(男子)のドバイ大会は来週23日から始まりますが、問題はイスラエルのダブルス選手、アンディーラムのヴィザの問題です。彼の入国をも拒否すると、今後のドバイの大会がすべて消える大事件に発展する可能性もあります。アメリカの国会議員が介入して交渉し、ヴィザがおりることになったようですが、このように政治がスポーツに介入することに対して、断固として戦う姿勢を高く評価したいと思います。
フェデラーに新コーチの噂
http://www.tennisweek.com/news/fullstory.sps?inewsid=6627389
オーストラリアンオープンで見せた涙は、フェデラーのもろさを発露してしまいました。「フェデラーにはコーチが必要」は誰の目にも明らかで、コーチの発表は時間の問題と噂されてきましたが、ダレンケイヒル(Darren Cahill)の名が急浮上してきました。
ケイヒルはヒューイットを世界最年少のNo.1に、そしてアガシを最年長者のNo.1に仕立てた名コーチです。現在はESPNの解説者として活躍しておりますが、以前のコメントに、コーチ復活も考えていると述べたこともあります。ケイヒルは温厚で冷静で分析力にすぐれた名解説者で、フェデラーのコーチとしては適任者として長く噂にあった一人です。
ケイヒルの名が単なる噂のレベルではなく、可能性大いにありと浮上してきたのは、彼がオーストラリアのデ杯コーチを辞任したからです。理由はパーソナルな理由ということで明らかにしておりませんが、「フェデラーのコーチを引き受けることになったのでは?」との噂が一挙に現実味をおびてきたのです。
私も今のフェデラーをハンドルできるのは(彼は頑固で有名ですので)、ケイヒルくらいしかいないのではと思っておりました。フェデラーもケイヒルのことは尊敬しているようですので、この噂が実現するようフェデラーファンの皆さん、祈りのウェーヴをフェデラーとケイヒルに向けて送りましょう!
2009年02月19日
錦織スタッツ研究
2月17日のメンフィス大会では錦織選手がバグダティスと対戦、1回戦を5-7, 3-6で残念ながら敗退してしまいました。
昨日は一日中出かけていましたので、残念ながらライヴスコアで観戦できておりませんが、ライスコ分析をしてみたいと思います。
第1サーヴの確率だけではゲームを読めない:
フェデラーの平均1stサーヴは63%。今回のバグダティス戦の圭君は62%。
スタッツの上では二人の1stサーヴは変わりません。では二人の違いは?
サーヴィスゲームをキープするということはどういうことなのか?
よいサーヴを入れ、ゲームを自分のコントロール下におさめ、得点につなげるのがサーヴィスゲームです。ですからその大切な役割をしてくれる1stサーヴがまず入らなければお話になりません。しかし今回の圭君のように、バグダティスよりも15%も高い率で1stサーヴを入れているのに、なぜ負けてしまうか?(錦織は62%、バグダティスは47%)
サーヴには速度、回転、プレースメント、Disguise(サーヴが予測できない)の4つの勝つための要素があります。できればこの4要素すべてを総合したサーヴを打てればベストです。フェデラーのサーヴがなぜすばらしいのか? 毎回サーヴィスモーションが同じですので、レシーヴ側はどちらにやってくるのか予測できないのです。
確かに%が高ければ高いほど、リターンされにくいでしょうが、クウォリティーが低ければ、リターンを許してしまって相手に主導権を与えてしまいます。ここで重要になるのは、1stサーヴでどれだけポイントがとれたかという点です。以下はサーヴィスの確率と得点率です。
1stサーヴの得点率の意味するもの:
錦織: 得点率55%(40本のうち22本を得点)
バグダティス: 得点率81%(27本のうち22本を得点)
1stサーヴの確率が悪くても、サーヴの質がよければ8割以上をバグダティスは得点に結びつけています。従って得点に結びついた1stサーヴは%に違いがあっても、結果的には二人とも同じ22ポイントとなっています。
2ndサーヴの得点率の意味するもの:
錦織: 得点率44%(25本のうち11本を得点)
バグダティス: 得点率50%(30本のうち15本を得点)
ここで二人の得点差が4ポイントでてきます。2ndサーヴでも相手に得点を与えないためには、リターンされにくいサーヴを圭君はもっと打つ必要があります。
錦織のリターンの得点率:
バグダティスの1stサーヴ得点率が81%(22/27)ですので、彼のサーヴがよくてなかなかリターンできなかったことを示しています。圭君のリターンの得点率は従って19%のみで、5本のリターンしかポイントがとれていません。これではブレークするのは大変むずかしいことを物語っています。これは圭君に大きなプレッシャーとなります。
それではポイントの総合計算をしてみましょう
サーヴとリターンによるポイントを総合したものが総合得点となります。圭君の場合は以下のようになります。
錦織の総合ポイント:53ポイント
1stサーヴ: 22
2ndサーヴ: 11
1stリターン:5
2ndリターン:15
バグダティスの総合ポイント: 69ポイント
1stサーヴ: 22
2ndサーヴ: 15
1stリターン:18
2ndリターン:14
この二人のおおきな違いは、バグダティスの1stリターンが18ポイントもとっていることです。これはいかに圭君の1stサーヴがとりやすいかを物語っています。2ndサーヴで叩かれることがあっても、1stサーヴで相手に「たいしたことないな」とおもわせるのは絶対禁物。相手はブレークできると自信をもってリターンを打ってきますので、相手にアグレッシヴな展開を許してしまいます。
いくら圭君にリターン力があっても、ワイドやTを狙ったスピンサーヴはリターンができません。エースでも圭君は1本しかありませんが、バグダティスは7本打っています。
エースがなぜ大切なのか?
チープポイントとして簡単に得点になるだけでなく、相手に与えるプレッシャーがとても大きいのです。特にブレークポイントをとりながら、エースをされてブレークチャンスを逃してしまったときなど、ブレークすることの難しさを思い知らされますので効果は絶大です。
圭君のこれからの課題は一にもサーヴ、二にもサーヴだと思います。エースが打てなくても相手に気持ちよくリターンさせないサーヴが必要です。サーヴでゲームの主導権を握ってはじめて、彼のAir-Kや炸裂フォアハンドを打つことができるのですから。
息子が属していたクラブでは、US Openジュニアに出場する選手と混じって練習しておりましたが、ここで不思議に思ったのは、サーヴにかける時間の少なさです。最後の15分くらいです。長時間サーヴの練習はできないので仕方ないとは思いますが、一般にサーヴにかける練習量は少なすぎると思います。あとはほとんどグラウンドストークで、ヴォレー、オーヴァーヘッドも費やす時間は少なかったことを覚えています。
圭君は今度は大阪でのデ杯ですね。これは私は観戦できませんので、皆さんのコメントをお待ちしています。
昨日は一日中出かけていましたので、残念ながらライヴスコアで観戦できておりませんが、ライスコ分析をしてみたいと思います。
ライヴスコアのスタッツの見方
第1サーヴの確率だけではゲームを読めない:
フェデラーの平均1stサーヴは63%。今回のバグダティス戦の圭君は62%。
スタッツの上では二人の1stサーヴは変わりません。では二人の違いは?
サーヴィスゲームをキープするということはどういうことなのか?
よいサーヴを入れ、ゲームを自分のコントロール下におさめ、得点につなげるのがサーヴィスゲームです。ですからその大切な役割をしてくれる1stサーヴがまず入らなければお話になりません。しかし今回の圭君のように、バグダティスよりも15%も高い率で1stサーヴを入れているのに、なぜ負けてしまうか?(錦織は62%、バグダティスは47%)
サーヴには速度、回転、プレースメント、Disguise(サーヴが予測できない)の4つの勝つための要素があります。できればこの4要素すべてを総合したサーヴを打てればベストです。フェデラーのサーヴがなぜすばらしいのか? 毎回サーヴィスモーションが同じですので、レシーヴ側はどちらにやってくるのか予測できないのです。
確かに%が高ければ高いほど、リターンされにくいでしょうが、クウォリティーが低ければ、リターンを許してしまって相手に主導権を与えてしまいます。ここで重要になるのは、1stサーヴでどれだけポイントがとれたかという点です。以下はサーヴィスの確率と得点率です。
1stサーヴの得点率の意味するもの:
錦織: 得点率55%(40本のうち22本を得点)
バグダティス: 得点率81%(27本のうち22本を得点)
1stサーヴの確率が悪くても、サーヴの質がよければ8割以上をバグダティスは得点に結びつけています。従って得点に結びついた1stサーヴは%に違いがあっても、結果的には二人とも同じ22ポイントとなっています。
2ndサーヴの得点率の意味するもの:
錦織: 得点率44%(25本のうち11本を得点)
バグダティス: 得点率50%(30本のうち15本を得点)
ここで二人の得点差が4ポイントでてきます。2ndサーヴでも相手に得点を与えないためには、リターンされにくいサーヴを圭君はもっと打つ必要があります。
錦織のリターンの得点率:
バグダティスの1stサーヴ得点率が81%(22/27)ですので、彼のサーヴがよくてなかなかリターンできなかったことを示しています。圭君のリターンの得点率は従って19%のみで、5本のリターンしかポイントがとれていません。これではブレークするのは大変むずかしいことを物語っています。これは圭君に大きなプレッシャーとなります。
それではポイントの総合計算をしてみましょう
サーヴとリターンによるポイントを総合したものが総合得点となります。圭君の場合は以下のようになります。
錦織の総合ポイント:53ポイント
1stサーヴ: 22
2ndサーヴ: 11
1stリターン:5
2ndリターン:15
バグダティスの総合ポイント: 69ポイント
1stサーヴ: 22
2ndサーヴ: 15
1stリターン:18
2ndリターン:14
この二人のおおきな違いは、バグダティスの1stリターンが18ポイントもとっていることです。これはいかに圭君の1stサーヴがとりやすいかを物語っています。2ndサーヴで叩かれることがあっても、1stサーヴで相手に「たいしたことないな」とおもわせるのは絶対禁物。相手はブレークできると自信をもってリターンを打ってきますので、相手にアグレッシヴな展開を許してしまいます。
いくら圭君にリターン力があっても、ワイドやTを狙ったスピンサーヴはリターンができません。エースでも圭君は1本しかありませんが、バグダティスは7本打っています。
エースがなぜ大切なのか?
チープポイントとして簡単に得点になるだけでなく、相手に与えるプレッシャーがとても大きいのです。特にブレークポイントをとりながら、エースをされてブレークチャンスを逃してしまったときなど、ブレークすることの難しさを思い知らされますので効果は絶大です。
圭君のこれからの課題は一にもサーヴ、二にもサーヴだと思います。エースが打てなくても相手に気持ちよくリターンさせないサーヴが必要です。サーヴでゲームの主導権を握ってはじめて、彼のAir-Kや炸裂フォアハンドを打つことができるのですから。
息子が属していたクラブでは、US Openジュニアに出場する選手と混じって練習しておりましたが、ここで不思議に思ったのは、サーヴにかける時間の少なさです。最後の15分くらいです。長時間サーヴの練習はできないので仕方ないとは思いますが、一般にサーヴにかける練習量は少なすぎると思います。あとはほとんどグラウンドストークで、ヴォレー、オーヴァーヘッドも費やす時間は少なかったことを覚えています。
圭君は今度は大阪でのデ杯ですね。これは私は観戦できませんので、皆さんのコメントをお待ちしています。
2009年02月17日
TennisTV.comの登録の仕方
初めてストリーミング放送に挑戦される方々にとって、英語での手続きはちょっと…とあきらめていらっしゃる方が多いと思います。私も数年前、このストリーミングサーヴィスができたときの登録は、どきどきしたものです。英語は問題ないのですが、果たして自分のコンピューターで観れるのか?という問題でした。私はPCとマックを持っていますが、昔はマックでは観れませんでしたが、一週間前に買った新しいマック、OSX 10.5以上のモデルでは観れるようになりました。
錦織選手やナダル、フェデラーその他のすばらしい選手たちの試合をぜひ観戦したいと熱望されている方々のために、今回はTennisTV.comの登録の仕方を順を追って説明したいと思います。
まず、ご自分のコンピューターに必要なソフトや、インターネットの速さをチェックする必要があります。特に古いコンピューターや、遅いインターネットですと映像がフリーズしてしまいますので、アップグレードされることをお勧めします。
(1)インターネットのスピードを速くする:
DLS、ケーブル、サテライトなどで受けられるブロードバンドのハイスピードのインターネットが理想です。プロヴァイザーに問い合わせて、ハイスピードに変更されるとよいと思います。
(2)コンピューターの必要条件を満たす:
PCはWindows 98, ME, 2000, XP and Vista が対応できます。
ブラウザはInternet Explorer 6.0かそれ以上のヴァージョン
Flash Player 8かそれ以上のヴァージョン
Windows Media Player 9.0かそれ以上のヴァージョン
(3)いよいよ登録です。TennisTV.comのホームページを開きます。例として男子の年間パスの登録を説明します。
http://www.tennistv.com/page/Home/0,,11444,00.html
左側にWTA(女子)と ATP(男子)の大会が出ています。男子はメンフィス大会となっていて、その下のWATCH LIVEをクリックします。
(4)登録したいパスを選びます。ここではMen's Annual Passの$84.95 BUY NOWをクリックします。
(5)次は名前、住所を記入します。ユーザーネームは他に使われている可能性がありますので、右横をクリックして確認します。またTerms and Conditionsの箇所にチェックを入れないとSubmitできません。
(6)ユーザーネームを確認します。
(7)クレジットカードの番号を記入します。
(8)TennisTV.comから確認のWelcome emailが届きます。これで完了です。
(9)TennisTv.comのホームページに戻って、放送スケジュールをチェックして、その放送時間にユーザーネームとパスワードを記入すればストリーミングを観ることができます。
映像に問題がある場合は受信者側の問題ですが、以下のアドレスにメールを送ればヘルプしてくれます。しかしくれぐれも(1)と(2)を確かめてから登録してください。
customerservices@performgroup.com
錦織選手やナダル、フェデラーその他のすばらしい選手たちの試合をぜひ観戦したいと熱望されている方々のために、今回はTennisTV.comの登録の仕方を順を追って説明したいと思います。
まず、ご自分のコンピューターに必要なソフトや、インターネットの速さをチェックする必要があります。特に古いコンピューターや、遅いインターネットですと映像がフリーズしてしまいますので、アップグレードされることをお勧めします。
(1)インターネットのスピードを速くする:
DLS、ケーブル、サテライトなどで受けられるブロードバンドのハイスピードのインターネットが理想です。プロヴァイザーに問い合わせて、ハイスピードに変更されるとよいと思います。
(2)コンピューターの必要条件を満たす:
PCはWindows 98, ME, 2000, XP and Vista が対応できます。
ブラウザはInternet Explorer 6.0かそれ以上のヴァージョン
Flash Player 8かそれ以上のヴァージョン
Windows Media Player 9.0かそれ以上のヴァージョン
(3)いよいよ登録です。TennisTV.comのホームページを開きます。例として男子の年間パスの登録を説明します。
http://www.tennistv.com/page/Home/0,,11444,00.html
左側にWTA(女子)と ATP(男子)の大会が出ています。男子はメンフィス大会となっていて、その下のWATCH LIVEをクリックします。
(4)登録したいパスを選びます。ここではMen's Annual Passの$84.95 BUY NOWをクリックします。
(5)次は名前、住所を記入します。ユーザーネームは他に使われている可能性がありますので、右横をクリックして確認します。またTerms and Conditionsの箇所にチェックを入れないとSubmitできません。
(6)ユーザーネームを確認します。
(7)クレジットカードの番号を記入します。
(8)TennisTV.comから確認のWelcome emailが届きます。これで完了です。
(9)TennisTv.comのホームページに戻って、放送スケジュールをチェックして、その放送時間にユーザーネームとパスワードを記入すればストリーミングを観ることができます。
映像に問題がある場合は受信者側の問題ですが、以下のアドレスにメールを送ればヘルプしてくれます。しかしくれぐれも(1)と(2)を確かめてから登録してください。
customerservices@performgroup.com
2009年02月17日
錦織の相手はバグダティス
錦織選手がいよいよ日本時間の18日朝5時頃から、メンフィスにて1回戦が始まります。このトーナメントはワールドツアー500ですので、今週の木曜からtennisTVでストリーミング放送で観戦できます。
REGIONS MORGAN KEEGAN CHAMPIONSHIPSというえらい長い大会名ですので、メンフィス大会と呼んでいます。
公式サイト:http://www.rmkchampionships.com/1/home/
さて1回戦の対戦相手はバグダティスです。彼は怪我の回復がもう一つ芳しくなく、106位まで下がってしまっているとはいえ、元オーストラリアンオープンのファイナリストです。
圭君は残念ながら、ランキングが昨年のデルレービーチ優勝のポイントが引かれてしまって、一挙に34下がって90位になってしまいました。メンフィス大会では50番台でしたので、ストレートに本戦にエントリーできましたが、これからのエントリーはきびしくなります。
さて、メンフィスでの錦織圭のファンタジートーナメントのシナリオを考えてみました。
1回戦:バグダティスを破る
2回戦:クェリーまたはハースを破る
準々決勝:ロディックを破る
準決勝:ブレイクを破る
決勝:デルポトロを破って優勝!
ロディックを倒し、ブレイクを打ちのめし、やっと宿敵デルポ(デルポトロのニックネーム)です。長いですね、この道のりは。
バグダティスを解剖
バグダティスは先週のサンホゼのSAP Openの1回戦でクェリー(37位)に敗退していますが、1stサーヴが47%と悪かったのが尾を引いたようで、3セット目は惜しくもタイブレークで2ポイント差で負けました。 オーストラリアンオープンでは4回戦でジョコヴィッチに、ヨハネスバーグでは準々決勝でフェレールに負けてはいるものの、今の彼は決して調子が悪いとはいえないと思います。
バグダティスの武器は、フォアとバックのダウンザラインdown-the-lineで、サイドラインぎりぎりを狙ったショットが打てることです。クロスと down-the-lineを使い分けることによって、オープンスペースをつくりウィナーを打ち込むことができます。しかしバグダティスは、リスキーなショットを狙いすぎる傾向にあり、これが仇になって多くのエラーを生じて自滅することが多いのが弱点。
圭君はバグダティスと同じようなタイプですので、狙いすぎのエラーは要注意です。圭君は2ndサーヴが弱いので、バグダティスにリターンエースをとられないためには、1stサーヴの確率を上げなければなりません。デルポとの試合では、43%しか1stサーヴが入っておりませんのでちょっと心配です。肘がまだ完治していないようなのでこれもまた心配。最近は負けだすとイライラが目立ち、粘りに欠ける点もかなり心配。
何とか3回戦のロディックまでいってくれれば、tennisTVで世界の錦織ファンが観戦できるのです。気合いを入れて応援していきましょう!
REGIONS MORGAN KEEGAN CHAMPIONSHIPSというえらい長い大会名ですので、メンフィス大会と呼んでいます。
公式サイト:http://www.rmkchampionships.com/1/home/
さて1回戦の対戦相手はバグダティスです。彼は怪我の回復がもう一つ芳しくなく、106位まで下がってしまっているとはいえ、元オーストラリアンオープンのファイナリストです。
圭君は残念ながら、ランキングが昨年のデルレービーチ優勝のポイントが引かれてしまって、一挙に34下がって90位になってしまいました。メンフィス大会では50番台でしたので、ストレートに本戦にエントリーできましたが、これからのエントリーはきびしくなります。
さて、メンフィスでの錦織圭のファンタジートーナメントのシナリオを考えてみました。
1回戦:バグダティスを破る
2回戦:クェリーまたはハースを破る
準々決勝:ロディックを破る
準決勝:ブレイクを破る
決勝:デルポトロを破って優勝!
ロディックを倒し、ブレイクを打ちのめし、やっと宿敵デルポ(デルポトロのニックネーム)です。長いですね、この道のりは。
バグダティスを解剖
バグダティスは先週のサンホゼのSAP Openの1回戦でクェリー(37位)に敗退していますが、1stサーヴが47%と悪かったのが尾を引いたようで、3セット目は惜しくもタイブレークで2ポイント差で負けました。 オーストラリアンオープンでは4回戦でジョコヴィッチに、ヨハネスバーグでは準々決勝でフェレールに負けてはいるものの、今の彼は決して調子が悪いとはいえないと思います。
バグダティスの武器は、フォアとバックのダウンザラインdown-the-lineで、サイドラインぎりぎりを狙ったショットが打てることです。クロスと down-the-lineを使い分けることによって、オープンスペースをつくりウィナーを打ち込むことができます。しかしバグダティスは、リスキーなショットを狙いすぎる傾向にあり、これが仇になって多くのエラーを生じて自滅することが多いのが弱点。
圭君はバグダティスと同じようなタイプですので、狙いすぎのエラーは要注意です。圭君は2ndサーヴが弱いので、バグダティスにリターンエースをとられないためには、1stサーヴの確率を上げなければなりません。デルポとの試合では、43%しか1stサーヴが入っておりませんのでちょっと心配です。肘がまだ完治していないようなのでこれもまた心配。最近は負けだすとイライラが目立ち、粘りに欠ける点もかなり心配。
何とか3回戦のロディックまでいってくれれば、tennisTVで世界の錦織ファンが観戦できるのです。気合いを入れて応援していきましょう!
2007年のシンシナティにて、バグダティスvsフェデラーのハイライトをご覧ください。
2009年02月16日
ナダルが怪我で敗退
ロッテルダムの決勝は、マレーがナダルを6-3, 4-6, 6-0で破り優勝しました。
しかし勝ったマレーは浮かぬ顔をしています。観客もあまり熱狂的には応援できませんでした。それはナダルの怪我がだんだん悪化してきたからです。ナダルは第2セットでメディカルタイムアウトをとり、右膝のテープを剥がしてマッサージを受けました。第2セットは勝つことができましたが、第3セットになると、観ていても速く走れないない様子が明らかでしたが、ナダルは最後までリタイアをせずに戦いました。マレーも心配そうに、優勝の喜びの言葉の代わりに、「ナダルに申し訳ないことをしたよ。今日は残念だった。」とねぎらいの言葉をかけました。
ナダルはなぜ途中でリタイアしなかったのか?
解説者はこのナダルの最後まで諦めない態度に疑問を抱いたようですが、私は立派だったと思います。彼はフェデラーと同じOld Schoolの選手であることを証明しました。解説者は多分彼は10%の可能性であっても最後まで戦いぬいたであろうと言ってましたが、私もそう思います。
「何もそこまで危険を犯してしなくてもよいのでは。観客は納得してくれるだろうし、マレーだって、そんな状態で勝っても面白くないだろうし。」というのが、途中でリタイアするべきだという意見ではないかと解説者は言ってました。確かにそういう見方もあります。
しかし十分に走れないとはいえ、ナダルはびっこをひいているわけでもなく、ときどきウィナーも打ったりできていたのですから、重傷ではないことは確かです。観客の立場としては、3セット目でナダルがリタイアをしたとしても納得したと思います。
しかしナダルは自分を応援してくれるファンのために、そして対戦者マレーのために、誇り高きスポーツマンとして最後まで戦ったのだと思います。サンプラスは試合中に何度も吐きながら、チャンはびっこをひきながら試合を放棄せず勝っています。あの戦士のスピリットがナダルに脈々と受け継がれているのをみて泣けてきました。
第3セットでは、ナダルはできるだけショートゲームにするため、最初からアグレッシヴに攻めまくりました。つなぎのショットはなく、ウィナーを狙ったショットは、集中力が沸騰点に達しているのかライン上によく決まりました。リターンエースもとれています。ネットダッシュもしました。あらゆる手段を使って、速くポイントをとるやり方はナダルらしからぬテニスでしたが、もしナダルの足が悪くなければあのアグレッションはとても有効だと思いました。彼は技があるのですから、これからはあの攻撃的なテニスをみせてほしいと思います。
それにしてもナダルが勝った第2セットは実に不思議な試合でした。ナダルは2-1でタイムアウトをとったのですが、そのあとはマレーの集中力がガタガタと崩れていってしまったのです。これ以降のゲームはまさにブレーク合戦となり、7回連続のブレークをお互いが続けて、辛うじてナダルが勝ちました。今まで攻撃的だったマレーは完全にディフェンスになり、変なテニスをしています。サーヴも43%と確率が落ちてきました。もしナダルの足がひどくなければ、マレーは負けていたかもしれません。
ここで解説者がナダルのテニスのあり方に興味深いコメントをしていました。
「オーストラリアンオープンでべルダスコと5セットをやってすぐ、決勝でフェデラーと再び激しい5セットマッチを行っているのに、なぜこの大会に出場したのか? しかもプラクティスをいつもなぜあれほど激しくやらなければならないのか? フェデラーはその逆で自分の体の管理を重視しているため怪我がない。この質問は誰もが抱く質問なのだが、試合に多く出場しなければ調子が出てこないのかもしれない。絶えず激しいテニスを繰り返すことによってナダルがナダルでありえるのかもしれない。」
しかしもともとよくない膝の状態で、このような激しいスケジュールをこなせる訳がなく、いずれは手術をしなければならない日がやってきます。シャラポヴァもなかなかカムバックできないで苦しんでいます。彼女の肩は、周りが止めろと言っても聞かなかった彼女にも責任があるのです。(医者の誤診もですが) まだ2009年が始まったばかりです。ナダルの試合に出たい気持はわかりますが、その結果伝説の名選手の寿命を縮めてしまうことになれば、スポーツ界にとっては大きな損失です。ナダルには長く長くフェデラーとともに活躍してくれることをテニスファンの一人として願わざるをえません。
しかし勝ったマレーは浮かぬ顔をしています。観客もあまり熱狂的には応援できませんでした。それはナダルの怪我がだんだん悪化してきたからです。ナダルは第2セットでメディカルタイムアウトをとり、右膝のテープを剥がしてマッサージを受けました。第2セットは勝つことができましたが、第3セットになると、観ていても速く走れないない様子が明らかでしたが、ナダルは最後までリタイアをせずに戦いました。マレーも心配そうに、優勝の喜びの言葉の代わりに、「ナダルに申し訳ないことをしたよ。今日は残念だった。」とねぎらいの言葉をかけました。
ナダルはなぜ途中でリタイアしなかったのか?
解説者はこのナダルの最後まで諦めない態度に疑問を抱いたようですが、私は立派だったと思います。彼はフェデラーと同じOld Schoolの選手であることを証明しました。解説者は多分彼は10%の可能性であっても最後まで戦いぬいたであろうと言ってましたが、私もそう思います。
「何もそこまで危険を犯してしなくてもよいのでは。観客は納得してくれるだろうし、マレーだって、そんな状態で勝っても面白くないだろうし。」というのが、途中でリタイアするべきだという意見ではないかと解説者は言ってました。確かにそういう見方もあります。
しかし十分に走れないとはいえ、ナダルはびっこをひいているわけでもなく、ときどきウィナーも打ったりできていたのですから、重傷ではないことは確かです。観客の立場としては、3セット目でナダルがリタイアをしたとしても納得したと思います。
しかしナダルは自分を応援してくれるファンのために、そして対戦者マレーのために、誇り高きスポーツマンとして最後まで戦ったのだと思います。サンプラスは試合中に何度も吐きながら、チャンはびっこをひきながら試合を放棄せず勝っています。あの戦士のスピリットがナダルに脈々と受け継がれているのをみて泣けてきました。
第3セットでは、ナダルはできるだけショートゲームにするため、最初からアグレッシヴに攻めまくりました。つなぎのショットはなく、ウィナーを狙ったショットは、集中力が沸騰点に達しているのかライン上によく決まりました。リターンエースもとれています。ネットダッシュもしました。あらゆる手段を使って、速くポイントをとるやり方はナダルらしからぬテニスでしたが、もしナダルの足が悪くなければあのアグレッションはとても有効だと思いました。彼は技があるのですから、これからはあの攻撃的なテニスをみせてほしいと思います。
それにしてもナダルが勝った第2セットは実に不思議な試合でした。ナダルは2-1でタイムアウトをとったのですが、そのあとはマレーの集中力がガタガタと崩れていってしまったのです。これ以降のゲームはまさにブレーク合戦となり、7回連続のブレークをお互いが続けて、辛うじてナダルが勝ちました。今まで攻撃的だったマレーは完全にディフェンスになり、変なテニスをしています。サーヴも43%と確率が落ちてきました。もしナダルの足がひどくなければ、マレーは負けていたかもしれません。
ここで解説者がナダルのテニスのあり方に興味深いコメントをしていました。
「オーストラリアンオープンでべルダスコと5セットをやってすぐ、決勝でフェデラーと再び激しい5セットマッチを行っているのに、なぜこの大会に出場したのか? しかもプラクティスをいつもなぜあれほど激しくやらなければならないのか? フェデラーはその逆で自分の体の管理を重視しているため怪我がない。この質問は誰もが抱く質問なのだが、試合に多く出場しなければ調子が出てこないのかもしれない。絶えず激しいテニスを繰り返すことによってナダルがナダルでありえるのかもしれない。」
しかしもともとよくない膝の状態で、このような激しいスケジュールをこなせる訳がなく、いずれは手術をしなければならない日がやってきます。シャラポヴァもなかなかカムバックできないで苦しんでいます。彼女の肩は、周りが止めろと言っても聞かなかった彼女にも責任があるのです。(医者の誤診もですが) まだ2009年が始まったばかりです。ナダルの試合に出たい気持はわかりますが、その結果伝説の名選手の寿命を縮めてしまうことになれば、スポーツ界にとっては大きな損失です。ナダルには長く長くフェデラーとともに活躍してくれることをテニスファンの一人として願わざるをえません。
2009年02月15日
ナダル観戦はストリーミングで
いよいよロッテルダムのナダルとマレー決勝が、日本時間2月15日夜10時から始まります。
ではどうすればこの試合が観れるのか? また来週のメンフィスに出場する錦織選手は観れるのか?
違法のストリーミングは私の方からご紹介するわけにはいきませんが、今年からスタートしたTennisTV.comというATP/WTA公式インターネットサーヴィスをご紹介します。今までは、マスターズシリーズしかインターネットのサーヴィスがなかったのですが、今年から名前を TennisTVと変更して、ワールドツアー500の大会も実況中継してくれるようになりました。ロッテルダムは500ですのでこの公式ストリーミングで観戦できます。
TennisTV.com はATP 男子とWTA女子の主な試合をストリーミング放送してくれますが、私はさっそくATPの年間パスを登録して、ロッテルダムの試合を観戦しています。クウォリティーはインターネットとは思えないほど上質で、英語の解説付きです。家族とテレビの取り合いをしなくて済むのがネット観戦の利点で、誰の気兼ねもなくゆっくりとコンピューターで観戦できます。
私の場合は、夫がTVを観ている側で、二台のラップトップで観戦しています。夫の邪魔にならないように、一台にヘッドフォンをつけて観戦しながら、すぐ記事がかけるようにもう一台で記録をとっていきます。そしてときどきTVの番組もみているので、結構いそがしいのです。夫はテニスには興味がありませんのでネット観戦はしません(フェデラーのときは別ですが)。だからといって毎晩私が一人別室で観戦するのもそっけないし・・・という訳でこういうややこしいことをしているのですが、問題はMomoちゃん猫。夫と私の間に割り込んで大の字になって寝そべるものですから、窮屈なことといったらないのです。TVはキッチンに置いていますのでソファは一つしかありません。リヴィングルームは誰も使わないのは、どこのお家でも同じでしょうが、この混み具合は満員電車の席に近いものがあり、まあ、こういう苦労をしながら書いているとご想像ください。
話がそれてしまいましたが、本題のTennisTV.comに戻ります。男子ではマスターズシリーズのワールドツアー1000とワールドツアー500のすべてを観ることができます。(グランドスラムの放送は含まれておりません。)
マスターズでは初日から放送しますので、ほとんど主な試合は観れます。昨年はセンターコートだけでなく、他のコートも放送していましたので、主な選手はほとんどカヴァーできました。500シリーズでは2回戦あたりから放送しますが、これはセンターコートのみとなります。(メンフィスの錦織選手が勝ち抜けば、3回戦あたりから観ることができます)
以下が放送スケジュールです。
2月12日~15日 ロッテルダム 500
2月19日~22日 メンフィス 500
2月23日~3月1日 アカプルコ 500
2月23日~3月1日 ドバイ 500
3月9日~22日 インディアンウェルズ マスターズ
3月24日~4月5日 マイアミ マスターズ
4月20日~26日 バルセロナ 500
4月13日~19日 モンテカルロ マスターズ
4月27日~5月3日 ローマ マスターズ
5月9日~17日 マドリッド マスターズ
7月20日~25日 ハンブルグ 500
8月3日~9日 ワシントン 500
8月10日~16日 モントリオール マスターズ
8月17日~23日 シンシナティ マスターズ
10月5日~11日 東京 500
10月5日~11日 北京 500
10月12日~18日 上海 マスターズ
11月2日~8日 バーゼル 500
11月2日~8日 ヴァレンシア 500
11月9日~22日 パリ マスターズ
11月22日~30日 ロンドン ワールドツアーファイナル
(悪い予感)
東京と北京の日程が同じ10月5日です。賞金は北京が東京の3倍です。しかも翌週は上海のマスターズとなってます。ということは、トップ選手が北京に流れていってしまう! AIGがスポンサーをおり、IMGが代わりにスポンサーになったようですが、それにしてもなぜ9月28日に変更できなかったのでしょうか。
では、登録料金についてですが、いろいろ選択できるようになっています。年間パス(シーズンパス)は登録した日から一年有効です。
$129.95 Annual Pass (男子/女子の年間パス)
$84.95 Annual Pass (男子のみ年間パス)
$69.95 Annual Pass (女子のみ年間パス)
$9.95 24 HR Pass (一日のみ)
$19.95 Tournament Pass (一大会のみ)
登録方法ですが、以下のサイトをクリックしてください。
http://www.tennistv.com/page/Home/0,,11444,00.html
ロッテルダムの試合がいろんなパスの選択によって観戦できるようになっています。
氏名、住所、メールアドレス、クレジットカード番号、ユーザーネーム、パス番号を記入すれば、即ストリーミングができます。一日に何回でもオン、オフができ、ユーザーネームとパス番号を記入すれば、いつでもインターネットでライヴ観戦ができるシステムになっていますので大変便利です。
ナダルvsマレーの決勝戦ですが、マレーが足首を痛めたとの情報が入っています。しかし試合は決行する模様ですが、大丈夫でしょうか? ひょっとすればリタイアとなる可能性がありますので、できればお得な年間パスをおすすめします。
TennisTVのストリーミングを登録される前に、まずご自分のコンピューターが条件を満たしているか、インターネットのスピードが十分であるかどうか、以下のサイトを訪問されて確かめられてから登録してください。なお、マックで観る場合は最新のシステムにいろいろ必要な条件が出てきますので、お勧めできません。
http://www.performgroup.com/page/SystemRequirementsIndex/0,,12605,00.html
ではどうすればこの試合が観れるのか? また来週のメンフィスに出場する錦織選手は観れるのか?
違法のストリーミングは私の方からご紹介するわけにはいきませんが、今年からスタートしたTennisTV.comというATP/WTA公式インターネットサーヴィスをご紹介します。今までは、マスターズシリーズしかインターネットのサーヴィスがなかったのですが、今年から名前を TennisTVと変更して、ワールドツアー500の大会も実況中継してくれるようになりました。ロッテルダムは500ですのでこの公式ストリーミングで観戦できます。
TennisTV.com はATP 男子とWTA女子の主な試合をストリーミング放送してくれますが、私はさっそくATPの年間パスを登録して、ロッテルダムの試合を観戦しています。クウォリティーはインターネットとは思えないほど上質で、英語の解説付きです。家族とテレビの取り合いをしなくて済むのがネット観戦の利点で、誰の気兼ねもなくゆっくりとコンピューターで観戦できます。
私の場合は、夫がTVを観ている側で、二台のラップトップで観戦しています。夫の邪魔にならないように、一台にヘッドフォンをつけて観戦しながら、すぐ記事がかけるようにもう一台で記録をとっていきます。そしてときどきTVの番組もみているので、結構いそがしいのです。夫はテニスには興味がありませんのでネット観戦はしません(フェデラーのときは別ですが)。だからといって毎晩私が一人別室で観戦するのもそっけないし・・・という訳でこういうややこしいことをしているのですが、問題はMomoちゃん猫。夫と私の間に割り込んで大の字になって寝そべるものですから、窮屈なことといったらないのです。TVはキッチンに置いていますのでソファは一つしかありません。リヴィングルームは誰も使わないのは、どこのお家でも同じでしょうが、この混み具合は満員電車の席に近いものがあり、まあ、こういう苦労をしながら書いているとご想像ください。
話がそれてしまいましたが、本題のTennisTV.comに戻ります。男子ではマスターズシリーズのワールドツアー1000とワールドツアー500のすべてを観ることができます。(グランドスラムの放送は含まれておりません。)
マスターズでは初日から放送しますので、ほとんど主な試合は観れます。昨年はセンターコートだけでなく、他のコートも放送していましたので、主な選手はほとんどカヴァーできました。500シリーズでは2回戦あたりから放送しますが、これはセンターコートのみとなります。(メンフィスの錦織選手が勝ち抜けば、3回戦あたりから観ることができます)
以下が放送スケジュールです。
2月12日~15日 ロッテルダム 500
2月19日~22日 メンフィス 500
2月23日~3月1日 アカプルコ 500
2月23日~3月1日 ドバイ 500
3月9日~22日 インディアンウェルズ マスターズ
3月24日~4月5日 マイアミ マスターズ
4月20日~26日 バルセロナ 500
4月13日~19日 モンテカルロ マスターズ
4月27日~5月3日 ローマ マスターズ
5月9日~17日 マドリッド マスターズ
7月20日~25日 ハンブルグ 500
8月3日~9日 ワシントン 500
8月10日~16日 モントリオール マスターズ
8月17日~23日 シンシナティ マスターズ
10月5日~11日 東京 500
10月5日~11日 北京 500
10月12日~18日 上海 マスターズ
11月2日~8日 バーゼル 500
11月2日~8日 ヴァレンシア 500
11月9日~22日 パリ マスターズ
11月22日~30日 ロンドン ワールドツアーファイナル
(悪い予感)
東京と北京の日程が同じ10月5日です。賞金は北京が東京の3倍です。しかも翌週は上海のマスターズとなってます。ということは、トップ選手が北京に流れていってしまう! AIGがスポンサーをおり、IMGが代わりにスポンサーになったようですが、それにしてもなぜ9月28日に変更できなかったのでしょうか。
では、登録料金についてですが、いろいろ選択できるようになっています。年間パス(シーズンパス)は登録した日から一年有効です。
$129.95 Annual Pass (男子/女子の年間パス)
$84.95 Annual Pass (男子のみ年間パス)
$69.95 Annual Pass (女子のみ年間パス)
$9.95 24 HR Pass (一日のみ)
$19.95 Tournament Pass (一大会のみ)
登録方法ですが、以下のサイトをクリックしてください。
http://www.tennistv.com/page/Home/0,,11444,00.html
ロッテルダムの試合がいろんなパスの選択によって観戦できるようになっています。
氏名、住所、メールアドレス、クレジットカード番号、ユーザーネーム、パス番号を記入すれば、即ストリーミングができます。一日に何回でもオン、オフができ、ユーザーネームとパス番号を記入すれば、いつでもインターネットでライヴ観戦ができるシステムになっていますので大変便利です。
ナダルvsマレーの決勝戦ですが、マレーが足首を痛めたとの情報が入っています。しかし試合は決行する模様ですが、大丈夫でしょうか? ひょっとすればリタイアとなる可能性がありますので、できればお得な年間パスをおすすめします。
TennisTVのストリーミングを登録される前に、まずご自分のコンピューターが条件を満たしているか、インターネットのスピードが十分であるかどうか、以下のサイトを訪問されて確かめられてから登録してください。なお、マックで観る場合は最新のシステムにいろいろ必要な条件が出てきますので、お勧めできません。
http://www.performgroup.com/page/SystemRequirementsIndex/0,,12605,00.html
2009年02月13日
錦織、デルポトロに完敗
Disappointingという言葉が解説者たちから何度もきかれました。サンホゼで行われているSAPオープンの2回戦で、デルポトロと対戦した錦織選手は、2-6, 2-6でストレートで完敗しました。圭君は実力が発揮できなくてさぞかし口惜しい想いをしたことでしょう。
デルポはさすが7位だけあって、豪快なテニスをみせてくれました。あの198cmの長身から打ち込まれるサーヴは、爆弾が炸裂するかのごとくコートに叩きこまれ、最初から圧倒されっぱなしでした。パワーテニスの前に、技のテニスもさせてもらえなかったように思います。
解説者が今日のブレーク戦で、「試合を組み立てることができなくなってきている」と今日のパワーテニスについて語っておりました。すべて力で勝負といった今日のテニスは、ますます小柄な圭君にとっては厳しいものになりそうな予感を与えた2回戦でもありました。
簡単に試合の模様をお伝えしたいと思います。「 」は解説者のコメントです。
第1セットは圭君のサーヴから始まりました。しかしフォアハンドのエラーが続出して、はやくも第1ゲームからブレークされてしまいました。
「最初が大切です。これはまずいですね。」
第2ゲームはデルポトロのサーヴが見事に決まり40-0でキープしました。
圭君は何とか第3ゲームのサーヴィスゲームをキープしましたが、第4ゲームのデルポはサーヴィスにますます磨きがかかり、すべてサーヴィスウィナーでポイントをとり、スコアは40-0で手も足もでないといった感じです。
「これは悪夢としか言いようがないですね。」
第4ゲーム(1-3)は圭君のサーヴィスゲームでしたが、フォアのエラーと2ndサーヴを叩かれて、またもやブレークされてしまいました。
「今日のニシコリは予想していたのと違いますね。どうしたんでしょうか? ちょっとがっかりです。」
2度ブレークされた圭君は、第8ゲーム(2-5)でデルポのダブルフォルトでブレークポイントとなりましたが、デルポの強烈なサーヴに対抗できずブレークチャンスを逃してしまいました。
「この差は7位と50番台の違いでしょうね。」
第2セットはふたたび圭君のサーヴから始まりましたが、エラーが連続3回のエラーで0-40。第1ゲームからブレークを許してしまいます。
「最初が大切なのに、試合が始まってからウォームアップをやってる段階じゃない。メンタルもちょっとあまい感じがする。試合が始まったときはもうレディーでないといけないのに。」(厳しい言葉ですが、正解だと思います)
しかし圭君は第4ゲーム(1-2)では、デルポをブレークしてスコアをもとに戻しましたが、これはデルポのエラーによるところが大きく、圭君の自信につながらなかったと思います。
せっかくスコアをもどした第5ゲーム(2-2)でしたが、圭君はまたもやすべてをエラーで0-40でブレークされてしまいました。滅多に感情を表さない圭君でしたが、頭にきたのか、ボールをコートに叩き付けました。
「日本のプレッシャーが大きいのでしょうか?」
その後はデルポは結構エラーを犯しますが、圭君のエラーのほうがはるかに多く、解説者たちはもう彼らの試合に興味を失ったのか、フェデラーやナダルの話をしています。
圭君はようやくラリーを続けられるようになったものの、第7ゲーム(2-4)でまたもやブレークされてしまいました。
「圧倒されてますね」
最後の第8ゲーム(2-5)では、2回のドロップショットが華麗にきまり、やっと圭君らしいテニスをみせてくれましたが、すでに時遅しでした。
最初から最後まで、デルポに圧倒された試合となって残念でした。1stサーヴの確率が43%と低かったことも、さらに圭君の焦りに追い打ちをかけたと思います。「何をやってよいのか分からなかった。」これは昨年のUS Openでデルポに対する圭君のコメントでした。しかしあの試合はフェレール戦の5セット試合の直後です。今回は疲れていたとは言えないので、何か他に理由があったのかも知れません。「ニシコリは気持が入っていない」と解説者も言っていましたが、どこか集中できないことがあったのかもしれません。
「新人の最初の一年は誰も知らないので、ランキングは上がっていくが、2年目から皆が研究し出すのでランキングがのびないことが多い。これからがニシコリの勝負だ。」
解説者が言っておりましたが、これからが本当に大変でしょうね。でも今日は、「こういう負け方をするときもあるさ」とあまり気にせず、ゆっくりと休んでください。
次は2月16日から始まるメンフィスに出場します。
http://www.rmkchampionships.com/1/news/2009/nishikori.asp
デルポはさすが7位だけあって、豪快なテニスをみせてくれました。あの198cmの長身から打ち込まれるサーヴは、爆弾が炸裂するかのごとくコートに叩きこまれ、最初から圧倒されっぱなしでした。パワーテニスの前に、技のテニスもさせてもらえなかったように思います。
解説者が今日のブレーク戦で、「試合を組み立てることができなくなってきている」と今日のパワーテニスについて語っておりました。すべて力で勝負といった今日のテニスは、ますます小柄な圭君にとっては厳しいものになりそうな予感を与えた2回戦でもありました。
簡単に試合の模様をお伝えしたいと思います。「 」は解説者のコメントです。
第1セットは圭君のサーヴから始まりました。しかしフォアハンドのエラーが続出して、はやくも第1ゲームからブレークされてしまいました。
「最初が大切です。これはまずいですね。」
第2ゲームはデルポトロのサーヴが見事に決まり40-0でキープしました。
圭君は何とか第3ゲームのサーヴィスゲームをキープしましたが、第4ゲームのデルポはサーヴィスにますます磨きがかかり、すべてサーヴィスウィナーでポイントをとり、スコアは40-0で手も足もでないといった感じです。
「これは悪夢としか言いようがないですね。」
第4ゲーム(1-3)は圭君のサーヴィスゲームでしたが、フォアのエラーと2ndサーヴを叩かれて、またもやブレークされてしまいました。
「今日のニシコリは予想していたのと違いますね。どうしたんでしょうか? ちょっとがっかりです。」
2度ブレークされた圭君は、第8ゲーム(2-5)でデルポのダブルフォルトでブレークポイントとなりましたが、デルポの強烈なサーヴに対抗できずブレークチャンスを逃してしまいました。
「この差は7位と50番台の違いでしょうね。」
第2セットはふたたび圭君のサーヴから始まりましたが、エラーが連続3回のエラーで0-40。第1ゲームからブレークを許してしまいます。
「最初が大切なのに、試合が始まってからウォームアップをやってる段階じゃない。メンタルもちょっとあまい感じがする。試合が始まったときはもうレディーでないといけないのに。」(厳しい言葉ですが、正解だと思います)
しかし圭君は第4ゲーム(1-2)では、デルポをブレークしてスコアをもとに戻しましたが、これはデルポのエラーによるところが大きく、圭君の自信につながらなかったと思います。
せっかくスコアをもどした第5ゲーム(2-2)でしたが、圭君はまたもやすべてをエラーで0-40でブレークされてしまいました。滅多に感情を表さない圭君でしたが、頭にきたのか、ボールをコートに叩き付けました。
「日本のプレッシャーが大きいのでしょうか?」
その後はデルポは結構エラーを犯しますが、圭君のエラーのほうがはるかに多く、解説者たちはもう彼らの試合に興味を失ったのか、フェデラーやナダルの話をしています。
圭君はようやくラリーを続けられるようになったものの、第7ゲーム(2-4)でまたもやブレークされてしまいました。
「圧倒されてますね」
最後の第8ゲーム(2-5)では、2回のドロップショットが華麗にきまり、やっと圭君らしいテニスをみせてくれましたが、すでに時遅しでした。
最初から最後まで、デルポに圧倒された試合となって残念でした。1stサーヴの確率が43%と低かったことも、さらに圭君の焦りに追い打ちをかけたと思います。「何をやってよいのか分からなかった。」これは昨年のUS Openでデルポに対する圭君のコメントでした。しかしあの試合はフェレール戦の5セット試合の直後です。今回は疲れていたとは言えないので、何か他に理由があったのかも知れません。「ニシコリは気持が入っていない」と解説者も言っていましたが、どこか集中できないことがあったのかもしれません。
「新人の最初の一年は誰も知らないので、ランキングは上がっていくが、2年目から皆が研究し出すのでランキングがのびないことが多い。これからがニシコリの勝負だ。」
解説者が言っておりましたが、これからが本当に大変でしょうね。でも今日は、「こういう負け方をするときもあるさ」とあまり気にせず、ゆっくりと休んでください。
次は2月16日から始まるメンフィスに出場します。
http://www.rmkchampionships.com/1/news/2009/nishikori.asp
2009年02月12日
新アンチ・ドーピングルールの波紋
ドーピングの問題でスポーツ業界がいろいろ騒がしくなってきました。
アメリカではヤンキーズのスーパースター、A-Rod(アレックス・ロドリゲス)のドラッグの使用が噂されていましたが、ステロイド系の薬物使用を最終的に認めました。
(スポニチ記事)
しかし、野球界はもともとドーピングについては規制がゆるく、特に筋肉増強剤については真剣に取り組む姿勢をしめしてこなかった背景に、「うるさいことは言わず、ホームランがもっと見れればよいじゃないか」といったパーフォンマンス重視のファン心理が大きく影響していたと思います。
しかしジェントルマンスポーツを死守していかなければならない宿命を背負ったテニスでは、ますますドーピングの取り締まりは厳しくなる一方で、新しく改正された「アンチ・ドーピング・プログラム」は選手を犯罪者扱いにしていると、怒りをかくせない選手が続出してきています。
まず、アンディー・マリーが英国紙、The Timesに不満をぶちまけました。そしてマレーだけでなく、ナダルを始め多くの選手が、厳しすぎる新しいアンチ・ドーピング・ルールに改正の要求することを考えています。
では「あまりにも行き過ぎている」という批判をもろに受けている新しい規則とは?
新しいアンチ・ドーピング・ルールTennis Anti-doping Program 2009が今年の1月1日から施行されることになりました。262ページにもおよぶ膨大なプログラムですが、簡単に紹介してみたいと思います。
まずドーピングとはどんな薬物が含まれるのでしょうか?(何百というものすごい数と種類ですので、おおざっぱに紹介します。種類の多さは前の規定とあまり変わりはないと思います。)
ステロイド系(約80種類)
ホルモン系(成長ホルモンなど)
β2作用剤
酸素運搬の強化剤
薬理学的、化学的、物理的操作
興奮剤(コケイン、アドレナリン促進剤など)
麻薬(モルヒネなど)
カナビノイド(マリワナ、大麻など)
遺伝子ドーピング
ドーピング違反で有名なのは、ヒンギス(コケイン使用の疑い)ですが、その他にも、コリア(ビタミン剤に含まれる違反物質の疑い)、プエルタ(8年間の最も厳しい出場停止)があります。最も最近の例では、ヴォランドリ(イタリア)が3ヶ月の停止を受けてオーストラリアン・オープンを欠場しました。
本人が知らずにある風邪薬を飲んでひっかかった例もありますし、テストの結果自体が間違っていたというケースもあります。口に入れるものはすべて検査の対象になるので、ビタミン剤でも神経質になっている選手の話をよく聞きます。
しかし選手たちにもっとも不満が集まっているのは、このドーピングの種類ではなく、ドーピングテストのやり方です。
問題は、今年から予告なくして採血または採尿するシステムになったことです。この予告なしのコレクション・オフィサーの訪問は、365日いつどこで行われるのか分からないのです。この突然のテストを実現するには、選手の居所がわからなくてはなりません。
「一日一時間」が問題の新しいルールです。テストが受けられる居場所を報告する義務が設けられました。つまりこの一時間はここにいます、という場所を前もって報告しなければならないのです。これは365日にあてはまるルールで一日も抜かしてはならないのです。
これは大変な義務だと思います。例えば、予定が急遽変更になることがあります。試合に負けてしまって急遽、移動しなくてはならなくなることは日常茶飯の出来事でしょうし、彼らのように移動しない私でも、毎日のスケジュールを念頭において事前に報告することは、不可能に近い作業です。
もし事故などで緊急に報告できなくてテストをミスれば、テスト不履行とされます。あのダブルスのチャンピオン、マイク・ブライアンがタイアのパンクでテニスをミスってしまいました。パンクしたときにすぐ報告しなかったのです。あとの1回はうっかりスケジュールの変更を報告し忘れたことによってミスってしまいました。これでマイクはすでに合計2回の不履行です。3ストライク・アウトのルールで、18ヶ月の間に3回ミスると、厳しい場合は2年間の出場停止の処分を受けてしまいます。
アンディ・マレーはタイム紙に、新しい規則はノーマルな生活を不可能にすると、不満をぶちまけています。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/tennis/article5671975.ece
「オーストラリアンから自宅に帰ってきたその日の朝7時にたたき起こされた。僕は時差でもうろうとしていて、何が起こったのかよく分からない状態だったんだ。オーストラリアン・オープンでは4日前にテストを受けたばかりなのに、これはひどいと思う。もし飛行機に乗り遅れてしまって帰れなくなってしまっても、即WADA (World Anti-doping Agency)に連絡しなければならない。休暇中でもだ。」
この厳しいルールはテニスだけでなく、サッカー、サイクリング、ヴァレーボールなどの選手にも適用され、ナダルはスペインの記者に、サッカー選手たちとともに、「プライヴァーシー侵害」として法的手段をとることを考えていると述べたそうです。
ではフェデラーの見解はどうでしょう?
「科学の進歩とともにドーピングの問題もむずかしくなってきている。前もって選手にテストをすることを知らせていたら、違反を発見するのがむずかしい。やっかいなシステムだけれど、テニスをクリーンなスポーツにしたいので、僕は一日一時間のルールは構わない。」
新ルールについては、マレーは以下の見解を述べています。
「ドラッグ問題はテニスにおいてはそれほど大きな問題になっていない。僕はドラッグテストをサポートするし、スポーツにおいてはドラッグの使用は厳しく非難されるべきだと思っている。しかしテニス選手のドラッグ問題の対応は、現実的かつ実用的であるべきだと思う。」
大会から大会へ、多くの荷物とともに移動を続けなくてはならない選手に、この新ルールはとても過酷で同情に耐えません。クリーンなテニスのために、日々努力をしている選手たちに大きな拍手をおくりたいと思います。
アメリカではヤンキーズのスーパースター、A-Rod(アレックス・ロドリゲス)のドラッグの使用が噂されていましたが、ステロイド系の薬物使用を最終的に認めました。
(スポニチ記事)
しかし、野球界はもともとドーピングについては規制がゆるく、特に筋肉増強剤については真剣に取り組む姿勢をしめしてこなかった背景に、「うるさいことは言わず、ホームランがもっと見れればよいじゃないか」といったパーフォンマンス重視のファン心理が大きく影響していたと思います。
しかしジェントルマンスポーツを死守していかなければならない宿命を背負ったテニスでは、ますますドーピングの取り締まりは厳しくなる一方で、新しく改正された「アンチ・ドーピング・プログラム」は選手を犯罪者扱いにしていると、怒りをかくせない選手が続出してきています。
まず、アンディー・マリーが英国紙、The Timesに不満をぶちまけました。そしてマレーだけでなく、ナダルを始め多くの選手が、厳しすぎる新しいアンチ・ドーピング・ルールに改正の要求することを考えています。
では「あまりにも行き過ぎている」という批判をもろに受けている新しい規則とは?
新しいアンチ・ドーピング・ルールTennis Anti-doping Program 2009が今年の1月1日から施行されることになりました。262ページにもおよぶ膨大なプログラムですが、簡単に紹介してみたいと思います。
まずドーピングとはどんな薬物が含まれるのでしょうか?(何百というものすごい数と種類ですので、おおざっぱに紹介します。種類の多さは前の規定とあまり変わりはないと思います。)
ステロイド系(約80種類)
ホルモン系(成長ホルモンなど)
β2作用剤
酸素運搬の強化剤
薬理学的、化学的、物理的操作
興奮剤(コケイン、アドレナリン促進剤など)
麻薬(モルヒネなど)
カナビノイド(マリワナ、大麻など)
遺伝子ドーピング
ドーピング違反で有名なのは、ヒンギス(コケイン使用の疑い)ですが、その他にも、コリア(ビタミン剤に含まれる違反物質の疑い)、プエルタ(8年間の最も厳しい出場停止)があります。最も最近の例では、ヴォランドリ(イタリア)が3ヶ月の停止を受けてオーストラリアン・オープンを欠場しました。
本人が知らずにある風邪薬を飲んでひっかかった例もありますし、テストの結果自体が間違っていたというケースもあります。口に入れるものはすべて検査の対象になるので、ビタミン剤でも神経質になっている選手の話をよく聞きます。
しかし選手たちにもっとも不満が集まっているのは、このドーピングの種類ではなく、ドーピングテストのやり方です。
問題は、今年から予告なくして採血または採尿するシステムになったことです。この予告なしのコレクション・オフィサーの訪問は、365日いつどこで行われるのか分からないのです。この突然のテストを実現するには、選手の居所がわからなくてはなりません。
「一日一時間」が問題の新しいルールです。テストが受けられる居場所を報告する義務が設けられました。つまりこの一時間はここにいます、という場所を前もって報告しなければならないのです。これは365日にあてはまるルールで一日も抜かしてはならないのです。
これは大変な義務だと思います。例えば、予定が急遽変更になることがあります。試合に負けてしまって急遽、移動しなくてはならなくなることは日常茶飯の出来事でしょうし、彼らのように移動しない私でも、毎日のスケジュールを念頭において事前に報告することは、不可能に近い作業です。
もし事故などで緊急に報告できなくてテストをミスれば、テスト不履行とされます。あのダブルスのチャンピオン、マイク・ブライアンがタイアのパンクでテニスをミスってしまいました。パンクしたときにすぐ報告しなかったのです。あとの1回はうっかりスケジュールの変更を報告し忘れたことによってミスってしまいました。これでマイクはすでに合計2回の不履行です。3ストライク・アウトのルールで、18ヶ月の間に3回ミスると、厳しい場合は2年間の出場停止の処分を受けてしまいます。
アンディ・マレーはタイム紙に、新しい規則はノーマルな生活を不可能にすると、不満をぶちまけています。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/tennis/article5671975.ece
「オーストラリアンから自宅に帰ってきたその日の朝7時にたたき起こされた。僕は時差でもうろうとしていて、何が起こったのかよく分からない状態だったんだ。オーストラリアン・オープンでは4日前にテストを受けたばかりなのに、これはひどいと思う。もし飛行機に乗り遅れてしまって帰れなくなってしまっても、即WADA (World Anti-doping Agency)に連絡しなければならない。休暇中でもだ。」
この厳しいルールはテニスだけでなく、サッカー、サイクリング、ヴァレーボールなどの選手にも適用され、ナダルはスペインの記者に、サッカー選手たちとともに、「プライヴァーシー侵害」として法的手段をとることを考えていると述べたそうです。
ではフェデラーの見解はどうでしょう?
「科学の進歩とともにドーピングの問題もむずかしくなってきている。前もって選手にテストをすることを知らせていたら、違反を発見するのがむずかしい。やっかいなシステムだけれど、テニスをクリーンなスポーツにしたいので、僕は一日一時間のルールは構わない。」
新ルールについては、マレーは以下の見解を述べています。
「ドラッグ問題はテニスにおいてはそれほど大きな問題になっていない。僕はドラッグテストをサポートするし、スポーツにおいてはドラッグの使用は厳しく非難されるべきだと思っている。しかしテニス選手のドラッグ問題の対応は、現実的かつ実用的であるべきだと思う。」
大会から大会へ、多くの荷物とともに移動を続けなくてはならない選手に、この新ルールはとても過酷で同情に耐えません。クリーンなテニスのために、日々努力をしている選手たちに大きな拍手をおくりたいと思います。
2009年02月10日
錦織、初勝利です
SAP Open 1回戦
錦織 def ミュラー:7-5, 6-2
サンプラスとハースのエグジビションのすぐ後に、錦織選手vsミュラーの第1回戦が行われました。サンプラスのあとは、残念ながら半分くらい観客は帰ってしまって、ちょっとさびしくなりましたが、多くの日本人の観客に囲まれて、圭君は7-5, 6-2でミュラーを破って、順調に2回戦にすすむことになりました。
圭君のファッションは、グリーンオリーヴ色のトップに白のショーツ、そして黒のヘッドバンドです。ミュラーはすべて白で決めています。
第1セットはミュラーのサーヴから始まりましたが、圭君のリターンがよく、第1ゲームからミュラーをブレークしてしまいました。しかし、第2ゲームでは、圭君のダブルフォルトに始まって、3回のエラーが続き、ミュラーにブレークされてしまいます。
これでまた振り出しに戻った二人は、ブレークされることなく、サーヴィスゲームをキープし続けますが、圭君のエラーが多いのが気になります。そこまで狙わなくても、といいたくなるサイドラインを狙ったウィナーショットにミスが多いのです。テニスは確率なのですから、ラインの内側10cmでも十分ウィナーはとれると思うのですが。しかし、幾度ものエラーにも気落ちすることなく、ガンガンとエラーを恐れず打っているのは、多分リズムをつかむためだろうと思いました。それにしても、とれるポイントを相当失っていることは確かです。
第1セットの山場は、圭君10ゲーム目(4-5)で、15-40の2ポイントのブレークポイントを許したときです。あと1ポイントで、第1セットを落とすことになるこの最も大切な時に、圭君はサーヴィスエースを打ち、そしてサーヴィスウィナーをとりデュースに。このメンタルの強さとサーヴィス力は目をみはるものがありました。これで5-5とした彼は勝てると思ったに違いありません。
案の定、重要なブレークポイントを逃してしまったミュラーに、焦りが出てきました。エラーが続き圭君にブレークされて第1セットを落としてしまいました。
第2セットの3ゲーム目1-1でミュラーのダブルフォルトでラッキーにもブレークした圭君は、今まで不安定だったフォアハンドも、きっちり入るようになり、気持よくショットが決まっていきます。そうするとバックハンドにも威力がつき、何度かバックハンドのダウンザラインがウィナーになりました。ドロップショットも2度ほどおまけのサーヴィスでご披露。余裕が出てきて、ウィナーが出る度に観客は「ウォー」とどよめきます。
ミュラーは左利きのビッグサーヴァーだけあって、サウスポー特有のワイドに切れるサーヴは誰もとれないほど効果があります。しかし圭君は徐々にミュラーのサーヴにも慣れてきて、リターンができるようになってきました。圭君のリターン力は実にすばらしい。そして彼の俊足はどんなワイドに振られても届いてしまう速さです。
この試合の勝利は、圭君のサーヴィスとレーシーヴのよさが主な勝因だったと思います。サーヴはカーヴボールで、センターのT字に落ち、エースがとれるようになってきています。サーヴのプレースメントが抜群によくなったので、スピードは二の次でも、相手はうまくリターンできないのです。
こうなると、もう圭君の思う壷。ミュラーは焦ってエラーを繰り返し、せっかくのビッグサーヴの武器も色あせてしまって、結局圭君の6-2で快勝となりました。
I moved well. I played well. と圭君はインターヴューで答えておりました。
次の試合は一日中休みをおいて水曜日となります。対戦相手はいよいよデルポトロです。この試合はきっと水曜のハイライトになるでしょうから、ナイトセッションになると思います。
今日ブレイクはサンプラスとエグジビションをやる予定でしたが、どうやら腰が痛くなった模様で、ハースが代理をつとめました。怪我はこのようにいつやってくるかわからない恐い存在ですが、今日の圭君は腕や膝の痛みはなかったように思います。ともかく2セットストレート勝ちでよかったですね。
圭君、初勝利おめでとう。
錦織 def ミュラー:7-5, 6-2
サンプラスとハースのエグジビションのすぐ後に、錦織選手vsミュラーの第1回戦が行われました。サンプラスのあとは、残念ながら半分くらい観客は帰ってしまって、ちょっとさびしくなりましたが、多くの日本人の観客に囲まれて、圭君は7-5, 6-2でミュラーを破って、順調に2回戦にすすむことになりました。
圭君のファッションは、グリーンオリーヴ色のトップに白のショーツ、そして黒のヘッドバンドです。ミュラーはすべて白で決めています。
第1セットはミュラーのサーヴから始まりましたが、圭君のリターンがよく、第1ゲームからミュラーをブレークしてしまいました。しかし、第2ゲームでは、圭君のダブルフォルトに始まって、3回のエラーが続き、ミュラーにブレークされてしまいます。
これでまた振り出しに戻った二人は、ブレークされることなく、サーヴィスゲームをキープし続けますが、圭君のエラーが多いのが気になります。そこまで狙わなくても、といいたくなるサイドラインを狙ったウィナーショットにミスが多いのです。テニスは確率なのですから、ラインの内側10cmでも十分ウィナーはとれると思うのですが。しかし、幾度ものエラーにも気落ちすることなく、ガンガンとエラーを恐れず打っているのは、多分リズムをつかむためだろうと思いました。それにしても、とれるポイントを相当失っていることは確かです。
第1セットの山場は、圭君10ゲーム目(4-5)で、15-40の2ポイントのブレークポイントを許したときです。あと1ポイントで、第1セットを落とすことになるこの最も大切な時に、圭君はサーヴィスエースを打ち、そしてサーヴィスウィナーをとりデュースに。このメンタルの強さとサーヴィス力は目をみはるものがありました。これで5-5とした彼は勝てると思ったに違いありません。
案の定、重要なブレークポイントを逃してしまったミュラーに、焦りが出てきました。エラーが続き圭君にブレークされて第1セットを落としてしまいました。
第2セットの3ゲーム目1-1でミュラーのダブルフォルトでラッキーにもブレークした圭君は、今まで不安定だったフォアハンドも、きっちり入るようになり、気持よくショットが決まっていきます。そうするとバックハンドにも威力がつき、何度かバックハンドのダウンザラインがウィナーになりました。ドロップショットも2度ほどおまけのサーヴィスでご披露。余裕が出てきて、ウィナーが出る度に観客は「ウォー」とどよめきます。
ミュラーは左利きのビッグサーヴァーだけあって、サウスポー特有のワイドに切れるサーヴは誰もとれないほど効果があります。しかし圭君は徐々にミュラーのサーヴにも慣れてきて、リターンができるようになってきました。圭君のリターン力は実にすばらしい。そして彼の俊足はどんなワイドに振られても届いてしまう速さです。
この試合の勝利は、圭君のサーヴィスとレーシーヴのよさが主な勝因だったと思います。サーヴはカーヴボールで、センターのT字に落ち、エースがとれるようになってきています。サーヴのプレースメントが抜群によくなったので、スピードは二の次でも、相手はうまくリターンできないのです。
こうなると、もう圭君の思う壷。ミュラーは焦ってエラーを繰り返し、せっかくのビッグサーヴの武器も色あせてしまって、結局圭君の6-2で快勝となりました。
I moved well. I played well. と圭君はインターヴューで答えておりました。
次の試合は一日中休みをおいて水曜日となります。対戦相手はいよいよデルポトロです。この試合はきっと水曜のハイライトになるでしょうから、ナイトセッションになると思います。
今日ブレイクはサンプラスとエグジビションをやる予定でしたが、どうやら腰が痛くなった模様で、ハースが代理をつとめました。怪我はこのようにいつやってくるかわからない恐い存在ですが、今日の圭君は腕や膝の痛みはなかったように思います。ともかく2セットストレート勝ちでよかったですね。
圭君、初勝利おめでとう。
2009年02月10日
錦織選手を観戦しよう
今日、圭君のマネージャーから、ストリーミングで試合が観れることを宣伝してほしいというメッセージをいただきました。
火曜日本時間午後12時からいよいよサンプラスのエグジビション、そのあとに錦織vsミュラーの試合が観れます。このSAPオープンは、他のストリーミングでは観れないことを想定して、錦織ファンのためにb2tvをご紹介します。
今日は朝から、B2のストリーミング(公式サイト)を$9.95払ってSAP Openをときどき観戦しています。ただ今ハースがタイブレークで苦戦のすえ1回戦をクリアしました。いよいよサンプラスとブレイクです。画面はクウォリティーがよくなく、選手の顔の表情など分かりませんが、解説が一応ついてます。
さて、手続きですが、このサイトに行ってください。
http://www.b2tv.com/partner_members.asp?id=242
氏名、住所、クレジットカードの番号を記入します。そうすると確認のメールがすぐ入ってきます。そのメールには以下のように書かれています。
http://www.b2livetv.com/reconnect/
このサイトをクリックします。
Enter your Transaction Number.
メールに長い番号がついてきます。
Enter your Last Name.
姓名をローマ字で入れてください。
Enter your Last 4 Digits of your Credit Card.
#CCと書かれた項目に、クレジットカードの最後の4桁を記入します。
もし途中で試合がみれなくなったとしても、ふたたび確認のメールを開き、上記の3項目を記入すれば、すぐに観る事ができます。
圭君は多分日本時間の午後1時半ごろからになりそうですが、皆で応援しましょう!
(後書き)
サンプラスの対戦相手はなぜだか、ブレイクではなくて、トミーハースです。しかもハースは試合をしたばかり。何がブレイクに起こったのでしょうか?
火曜日本時間午後12時からいよいよサンプラスのエグジビション、そのあとに錦織vsミュラーの試合が観れます。このSAPオープンは、他のストリーミングでは観れないことを想定して、錦織ファンのためにb2tvをご紹介します。
今日は朝から、B2のストリーミング(公式サイト)を$9.95払ってSAP Openをときどき観戦しています。ただ今ハースがタイブレークで苦戦のすえ1回戦をクリアしました。いよいよサンプラスとブレイクです。画面はクウォリティーがよくなく、選手の顔の表情など分かりませんが、解説が一応ついてます。
さて、手続きですが、このサイトに行ってください。
http://www.b2tv.com/partner_members.asp?id=242
氏名、住所、クレジットカードの番号を記入します。そうすると確認のメールがすぐ入ってきます。そのメールには以下のように書かれています。
http://www.b2livetv.com/reconnect/
このサイトをクリックします。
Enter your Transaction Number.
メールに長い番号がついてきます。
Enter your Last Name.
姓名をローマ字で入れてください。
Enter your Last 4 Digits of your Credit Card.
#CCと書かれた項目に、クレジットカードの最後の4桁を記入します。
もし途中で試合がみれなくなったとしても、ふたたび確認のメールを開き、上記の3項目を記入すれば、すぐに観る事ができます。
圭君は多分日本時間の午後1時半ごろからになりそうですが、皆で応援しましょう!
(後書き)
サンプラスの対戦相手はなぜだか、ブレイクではなくて、トミーハースです。しかもハースは試合をしたばかり。何がブレイクに起こったのでしょうか?
2009年02月09日
ミュラーの100%の1stサーヴのスタッツについて
私のブログは全く開くことができません。従ってコメントを書くことができません。しかしログインをして新規投稿はできますので、今回は記事にしてこのミュラーとロペスの100%の1stサーヴの確率についてコメントを記事しました。
ロペスvsミュラー戦は確かに観ましたが、言い方に誤解を生んだようですね。すみませんでした。全部をずーっと観たわけではありません。1回戦ですので、多くの試合をカヴァーするには、いろんなコートをめぐらなくてはならず、私は二つのTV放送(ESPN、TEnnis Channel)とストりーミングで観戦し、できるだけ多くの試合をカヴァーしようとしたため、5時間ぶっ通しで観ておりませんので、観ていないときに1stサーヴをミスした可能性があります。
書き方にあいまいさがあったため、誤解を生む結果になったことをお詫びします。
しかしやはりどう考えても二人が100%の1stサーヴィスの確率は非人間的でおかしいです。
ATPのスタッツはマッチの分析に欠かせないものです。もしこのスタッツが間違っているとすれば、緊急に訂正する必要があります。私はATPにメールで正しいスタッツを掲示してもらえるようお願いをしております。もし彼らから返事がくればお知らせします。
しかし、私のブログの主旨は100%の率かどうかということではなく、ミュラーのサーヴがいかにすばらしかったかという点を指摘したかったのです。もし100%でなくとも、すばらしい1stサーヴだったことは確かです。いずれにしても彼の平均1stサーヴの確率は75%ですので、1回戦は圭君のリターン如何にかかっているのではないでしょうか。
非常事態にそなえて:
まだブログが開けておりませんのでコメントができません。
この開かない状態はしばらく続く可能性ありという返事を、tennis365からいただきました。(9日付けのメールの一部:「ブログの閲覧が出来ないのは、一時的なものですが、完全復旧まで今しばらくのお時間を頂ければ幸いでございます。」)
という訳でこの非常事態で最善をつくすために、記事にコメントを書き加えていくという手段をとることにしました。状況が改善されるまで、今回のように書き足していくことになりますが、ご了解ください。
コメント from tennisnakama:
kumakumaさん、
おっしゃるように、このミュラー選手は2005年のUS Openは1回戦でロディックに勝っていますね。私はこの試合の記憶がありませんが、スタッツをみてみるとエースを24も入れています。(ATPのスタッツが正しいと仮定して)しかも同年のウィンブルドンでは、当時3位だったナダルも破っています。
自信のあるときは恐い選手ですね。今年のAOオープンでは、3回戦のデルポトロ戦でも第1セットをとってますし、自信にあふれているようで、ランキングは錦織選手より低くても、気が許せない相手だと思います。
コメントfrom tennisnakama:
最近はストリーミングのおかげで、いろんな世界の試合が観戦できるようになりました。錦織選手とミュラーとの試合も、日本ではスポーツギャンブルのサイトで観れるようですが、アメリカではオンラインのスポーツギャンブルは違法ですので観れません。従って私はギャンブルでないサイトから観戦するときがありますが、国情の違いはあれ、ストリーミングで試合を観戦されるときは、場合によっては放送権侵害の違法行為とみなされる危険性がありますのでご留意ください。
ロペスvsミュラー戦は確かに観ましたが、言い方に誤解を生んだようですね。すみませんでした。全部をずーっと観たわけではありません。1回戦ですので、多くの試合をカヴァーするには、いろんなコートをめぐらなくてはならず、私は二つのTV放送(ESPN、TEnnis Channel)とストりーミングで観戦し、できるだけ多くの試合をカヴァーしようとしたため、5時間ぶっ通しで観ておりませんので、観ていないときに1stサーヴをミスした可能性があります。
書き方にあいまいさがあったため、誤解を生む結果になったことをお詫びします。
しかしやはりどう考えても二人が100%の1stサーヴィスの確率は非人間的でおかしいです。
ATPのスタッツはマッチの分析に欠かせないものです。もしこのスタッツが間違っているとすれば、緊急に訂正する必要があります。私はATPにメールで正しいスタッツを掲示してもらえるようお願いをしております。もし彼らから返事がくればお知らせします。
しかし、私のブログの主旨は100%の率かどうかということではなく、ミュラーのサーヴがいかにすばらしかったかという点を指摘したかったのです。もし100%でなくとも、すばらしい1stサーヴだったことは確かです。いずれにしても彼の平均1stサーヴの確率は75%ですので、1回戦は圭君のリターン如何にかかっているのではないでしょうか。
非常事態にそなえて:
まだブログが開けておりませんのでコメントができません。
この開かない状態はしばらく続く可能性ありという返事を、tennis365からいただきました。(9日付けのメールの一部:「ブログの閲覧が出来ないのは、一時的なものですが、完全復旧まで今しばらくのお時間を頂ければ幸いでございます。」)
という訳でこの非常事態で最善をつくすために、記事にコメントを書き加えていくという手段をとることにしました。状況が改善されるまで、今回のように書き足していくことになりますが、ご了解ください。
コメント from tennisnakama:
kumakumaさん、
おっしゃるように、このミュラー選手は2005年のUS Openは1回戦でロディックに勝っていますね。私はこの試合の記憶がありませんが、スタッツをみてみるとエースを24も入れています。(ATPのスタッツが正しいと仮定して)しかも同年のウィンブルドンでは、当時3位だったナダルも破っています。
自信のあるときは恐い選手ですね。今年のAOオープンでは、3回戦のデルポトロ戦でも第1セットをとってますし、自信にあふれているようで、ランキングは錦織選手より低くても、気が許せない相手だと思います。
コメントfrom tennisnakama:
最近はストリーミングのおかげで、いろんな世界の試合が観戦できるようになりました。錦織選手とミュラーとの試合も、日本ではスポーツギャンブルのサイトで観れるようですが、アメリカではオンラインのスポーツギャンブルは違法ですので観れません。従って私はギャンブルでないサイトから観戦するときがありますが、国情の違いはあれ、ストリーミングで試合を観戦されるときは、場合によっては放送権侵害の違法行為とみなされる危険性がありますのでご留意ください。
2009年02月09日
錦織、サンプラスが生観戦できます
ここ三日間、tennisnakamaのブログが開きません。(一瞬開いたときもありますが)今後の記事が非常に心配になってきました。管理者に問い合わせましたが、未だに返答をいただいておりません。もしまだ開けないようでしたら、同じ記事をスポーツナビで掲載していますので、tennisnakamaの以下のサイトをクリック願います。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/tennisnakama/
いよいよ錦織選手がカルフォルニア、サンホゼにて行われるSAPオープンに出場します。サンプラスとブレイクのエグジビションゲームのすぐ後におこなわれますが、この二試合を約1000円でインターネットでライヴ観戦することができます。
SAPオープンのサイトは以下
http://www.sapopentennis.com/index2.html
オンライン観戦(ストリーミング)サイトは以下
http://www.b2tv.com/partner_members.asp?id=242
インターネットで観戦するには、Windows Media Player 11をインストールしてからにしてください。
当日料金($9.95)と一週間料金($39.95)とがあります。もし2月9日の試合だけを観戦されたい方は、上記のサイトに試合前に行き、クレジットカードで払ってください。
SAP試合スケジュール
2月9日
サンプラスvsブレイク(エグジビション)夜7時(日本時間10日正午)
錦織1回戦: vsミュラー:夜8時半頃(日本時間10日午後1時半ごろ)
2月10日
ロディックvsクウォリファイアー
フィッシュvsヒューイット
ブライアン兄弟ダブルス
2月11日
ブレイクvsスペイディア
デルポトロvsクウォリファイアー
さて圭君の1回戦の対戦相手のジール・ミュラーとは?
1stサーヴの確率100%(ロペス戦)
オーストラリアンオープンの最長時間5時間34分を、F.ロペス戦で記録した、あのミュラーです。この試合では、二人とも1stサーヴ100%を記録しました。二人とも左利きのサーヴ&ヴォレーの選手です。ミュラーは194回のサーヴ、ロペスは196回のサーヴすべてを入れているのです。ですから二人の2ndサーヴはありません。これほどの長時間で一度もサーヴをミスしない試合は生まれて初めて観ました。しかも30度を超す熱暑の中での試合です。この試合を観ておりますので、圭君の1回戦は大変心配なのです。
ミュラーはロペス戦のあとは、2回戦ではオーストラリアの星16才のトミックを破り、3回戦でデルポトロに負けています。
ジール・ミュラーは25才でランキング77位です。左利き。身長193cm、体重83kg。左利きでこの身長であれば、アドコートのワイドに切れるスライスサーヴはとるのは大変むずかしい。このサーヴで彼はジュニアでは、世界No.1になり、USオープンで優勝しています。しかし、ロペス戦では、エースは1本もとっていません。確実に入る1stサーヴを狙っていますので、圭君のリターン次第ではブレークできる可能性があります。
ジール Gilles はシモンと同じ名前でフランス名です。でも Mullerドイツ語の姓名です。
彼はルクセンブルグ人。この国はルクセンブルグ語、フランス語、ドイツ語が国語でミュラーはこの3カ国語プラス英語が話せます。でもこのマルチリンガルは別に驚くことはなく、フェデラーもそうですが(私の夫も)、3カ国語くらいは流暢にしゃべれて当然という認識がヨーロッパにありますので、これは別に驚くべき才能ではありません。
ミュラーの話から離れますが、英語教育はスペイン語圏が遅れていると思います。2004年のフレンチオープン準優勝者のコリア(アルジェンチン)など、全く英語が話せないものですから、いつも通訳を通しておりました。2003年には世界ジュニア1位となっていくつも国際トーナメントを連戦しているのにも拘らず、英語ができないコリアのような選手がスペイン語系に多かったのですが、最近はやっと通訳なしで英語が話せるようになってきたことは、喜ばしい傾向だと思います。ナダルの英語は最初はひどいものがありましたが、本人の努力で最近は大分上達してきました。杉山愛選手の英語はすばらしいと思います。圭君はこの一年間でずいぶん上達してきましたね。ランキングが上がるにつれて、インターヴューにしっかり答えられるよう、選手も努力しているようです。
以下が錦織選手、夢の優勝シナリオです。
1回戦:def ミュラー
2回戦: def デルポトロ
準々決勝: def フィッシュ
準決勝:def ブレイクまたはバグダティス
決勝: def ロディック
優勝:錦織圭
スポーツはライヴで観てこそ感激もひとしおです。しかし職場で見つかってクビにならないよう、節度を守りながら観戦しましょう。
(相変わらず私のブログが開きません。困ったものです。)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/tennisnakama/
いよいよ錦織選手がカルフォルニア、サンホゼにて行われるSAPオープンに出場します。サンプラスとブレイクのエグジビションゲームのすぐ後におこなわれますが、この二試合を約1000円でインターネットでライヴ観戦することができます。
SAPオープンのサイトは以下
http://www.sapopentennis.com/index2.html
オンライン観戦(ストリーミング)サイトは以下
http://www.b2tv.com/partner_members.asp?id=242
インターネットで観戦するには、Windows Media Player 11をインストールしてからにしてください。
当日料金($9.95)と一週間料金($39.95)とがあります。もし2月9日の試合だけを観戦されたい方は、上記のサイトに試合前に行き、クレジットカードで払ってください。
SAP試合スケジュール
2月9日
サンプラスvsブレイク(エグジビション)夜7時(日本時間10日正午)
錦織1回戦: vsミュラー:夜8時半頃(日本時間10日午後1時半ごろ)
2月10日
ロディックvsクウォリファイアー
フィッシュvsヒューイット
ブライアン兄弟ダブルス
2月11日
ブレイクvsスペイディア
デルポトロvsクウォリファイアー
さて圭君の1回戦の対戦相手のジール・ミュラーとは?
1stサーヴの確率100%(ロペス戦)
オーストラリアンオープンの最長時間5時間34分を、F.ロペス戦で記録した、あのミュラーです。この試合では、二人とも1stサーヴ100%を記録しました。二人とも左利きのサーヴ&ヴォレーの選手です。ミュラーは194回のサーヴ、ロペスは196回のサーヴすべてを入れているのです。ですから二人の2ndサーヴはありません。これほどの長時間で一度もサーヴをミスしない試合は生まれて初めて観ました。しかも30度を超す熱暑の中での試合です。この試合を観ておりますので、圭君の1回戦は大変心配なのです。
ミュラーはロペス戦のあとは、2回戦ではオーストラリアの星16才のトミックを破り、3回戦でデルポトロに負けています。
ジール・ミュラーは25才でランキング77位です。左利き。身長193cm、体重83kg。左利きでこの身長であれば、アドコートのワイドに切れるスライスサーヴはとるのは大変むずかしい。このサーヴで彼はジュニアでは、世界No.1になり、USオープンで優勝しています。しかし、ロペス戦では、エースは1本もとっていません。確実に入る1stサーヴを狙っていますので、圭君のリターン次第ではブレークできる可能性があります。
ジール Gilles はシモンと同じ名前でフランス名です。でも Mullerドイツ語の姓名です。
彼はルクセンブルグ人。この国はルクセンブルグ語、フランス語、ドイツ語が国語でミュラーはこの3カ国語プラス英語が話せます。でもこのマルチリンガルは別に驚くことはなく、フェデラーもそうですが(私の夫も)、3カ国語くらいは流暢にしゃべれて当然という認識がヨーロッパにありますので、これは別に驚くべき才能ではありません。
ミュラーの話から離れますが、英語教育はスペイン語圏が遅れていると思います。2004年のフレンチオープン準優勝者のコリア(アルジェンチン)など、全く英語が話せないものですから、いつも通訳を通しておりました。2003年には世界ジュニア1位となっていくつも国際トーナメントを連戦しているのにも拘らず、英語ができないコリアのような選手がスペイン語系に多かったのですが、最近はやっと通訳なしで英語が話せるようになってきたことは、喜ばしい傾向だと思います。ナダルの英語は最初はひどいものがありましたが、本人の努力で最近は大分上達してきました。杉山愛選手の英語はすばらしいと思います。圭君はこの一年間でずいぶん上達してきましたね。ランキングが上がるにつれて、インターヴューにしっかり答えられるよう、選手も努力しているようです。
以下が錦織選手、夢の優勝シナリオです。
1回戦:def ミュラー
2回戦: def デルポトロ
準々決勝: def フィッシュ
準決勝:def ブレイクまたはバグダティス
決勝: def ロディック
優勝:錦織圭
スポーツはライヴで観てこそ感激もひとしおです。しかし職場で見つかってクビにならないよう、節度を守りながら観戦しましょう。
(相変わらず私のブログが開きません。困ったものです。)
2009年02月07日
ブログが読めない!
私のブログが全く開きません。
クリックすると、「サーヴァーが見つかりません」というメッセージが出てきて、自分のブログが読めておりません。
今、当事務局に問い合わせていますが、そういう訳でコメントに返事が書けません。コメントいただいた方々にお詫びを申し上げます。
tennisnakama
コメントにブログを開くことができるようになったと書きましたが、また開けなくなりました。私だけのブログでないようですが、ご迷惑をおかけしております。
クリックすると、「サーヴァーが見つかりません」というメッセージが出てきて、自分のブログが読めておりません。
今、当事務局に問い合わせていますが、そういう訳でコメントに返事が書けません。コメントいただいた方々にお詫びを申し上げます。
tennisnakama
コメントにブログを開くことができるようになったと書きましたが、また開けなくなりました。私だけのブログでないようですが、ご迷惑をおかけしております。
2009年02月06日
Momoちゃんが4才になりました
Momoちゃん、お誕生日おめでとう!
今日は我がMomoちゃんの誕生日です。シェルターからもらってきた猫ですので、はっきりとした誕生日は分かっていませんが、引き取った日、2月6日をMomoちゃんの誕生日としました。写真のビーンバッグのスツールは彼のベッドになってしまいました。このように不思議な格好をして、毎晩私のとなりですやすやと寝ているMomoちゃんは、実は引き取る2年前は、死にそうだった猫だったのです。Momoちゃんは今では元気一杯の私のよきパートナーです。ありがとう、Momoちゃん!
彼を引き取ったいきさつは、一年前の記事に掲載しています。
http://newyork.blog.tennis365.net/archives/article/96848.html#comment
友達の猫ちゃんたちからの祝メッセージです。(嘘)
2009年02月06日
日本食が勝利の原因?
Nadal
日本料理がナダルの優勝の勝因とまではいいませんが、大きな役割を果たしたことは事実のようです。ライヴ放送から流れるTV放送で、ある解説者が、「ナダルは2日に1回は日本料理を食べて元気をつけている」と言っていましたので、気にはなっていたのです。その話はやっぱり本当だったのです。この写真を見てください。
http://www.atpworldtour.com/tennis/1/en/news/newsarticle_2048.asp
「TEPPANYAKI」と呼ばれるスタイルのレストランで、鉄板を囲み、肉やシーフードを目の前で料理してくれます。外国の映画に出てくるので皆さんもご存知だと思いますが、料理人がいろいろショーをやってくれるあの手のタイプのレストランです。
ナダル一行(トニーコーチ、父親、マネージャー、PR担当者、ナイキ担当者)がメルボルン滞在中、最低10回はあしげく通ったそうです。ナダルの好きな料理は、魚のグリル、寿司、シーフードチャーハン。ステーキが記事には抜けていますが、ナダルの大好物だということは知っていますので、多分ステーキもたっぷり食べてエネルギーをつけたのでしょう。
あんまりこのレストランにお世話になったものですから、ナダルは対シモン戦にオーナーの二人を家族席に招待しました。
ナダルのナイスガイ・ストーリーにはThe Endがないようですね。
(ナダルとフェデラーなどの選手名は、自動的に選手名鑑にリンクされブルーになってしまいますので、これからは大文字を使うときはローマ字にします)
Murray
英紙テレグラフの記事から
残念ながらマレーはべルダスコに5セットの激闘の末負けてしまいましたが、彼も日本食レストランに足げく通った一人です。
マレーの一番好きな食べ物は、もちろん日本食。そのなかでも寿司は幾ら食べても飽きないそうで、平均20カン以上は食べるそうです。
年末はマイアミでオーストラリアンオープンのために特訓をしたマレーの第1課題は、一日6000カロリーをとり、体重を増やすということでした。必死の努力が実って、81.7kgから87kgに増えたマレーは、メルボルンへ。しかし連日の熱暑のためか、体重は2kg減ってしまいました。
マレーは今まで4000カロリーを取っていましたので、余分の2000カロリーの摂取の話は涙ぐましいものがあります。
「朝食が大変なんだ。まず起きるとプロティンシェイクを飲んで、ピーナッツバターをつけたベーグルを食べて、何個かの卵を食べて、ヨーグルトやフルーツも食べて、それからまだまだ食べていかなくちゃならない。」
この朝食だけで私の一日分のカロリーです。聞いただけでゲップがでそうです。
余談ですが、べルダスコとの戦いでは、彼を応援するスペインの一団のヤジがものすごかったらしいです。(マレーの公式サイトの読者のコメント)これは他の人もヤジを聞いていたという話をききましたので、デタラメな話ではないように思いますが、「おまえは女だ」といった内容のスペイン語がいろいろ飛び交ったとききます。マレーはスペインでトレーニングを受けていますので、スペイン語が分かりますから、さぞかしdisturbされたことでしょうね。でもこのことは、一言も彼の口から言い訳として出てきませんでした。「選手はつらいよ」ですね。
シャラポヴァ
彼女のニューヨークで好きなレストランは、最も歴史の古い「日本レストラン」です。オーナーの話によると、US Openの時は必ず何度も足を運んでエネルギーをつけるとか。お寿司、シャブシャブ、ステーキなど一度にペロッと食べてしまうそうです。あのかわいい顔で? 大食は顔とは関係ないですよね。
ヴァイディソヴァ
彼女のお寿司好きは有名な話。彼女は錦織選手と同じく、ボレテリに所属していますが、好きがこうじて、一日寿司職人の弟子入りしました。その模様をテニスチャンネルで見たことがあります。
このように日本食が圧倒的にテニス選手に人気があるのは、胃に負担がかからないライトなダイエットにあると思います。私も風邪がなおらないので、昨夜はうなぎでした。
(追記)
「どうせブログなのだから、きちんとした議論を期待する方が無理」という主旨のコメントがいくつかありました。しかしこの「どうせブログなのだから・・・」を見事にくつがえしたのが、フィルター制度の導入についての皆様のコメントでした。真面目にこの問題について意見をくださった皆様に心から感謝いたします。
昨日の新聞で、18人の悪質コメント者が摘発されました。日本ではこのような悪質な事件が何と昨年には1万件に近い数にのぼるとききます。この数字はほんの氷山の一角だと思います。嫌がらせを恐れず、皆が楽しく参加できる(もちろん反論も含めて)健全なブログコミュニティーづくりを目指して、まず現状を正しく認識し、問題対策について討論していく努力を続けていきたいと思います。
日本料理がナダルの優勝の勝因とまではいいませんが、大きな役割を果たしたことは事実のようです。ライヴ放送から流れるTV放送で、ある解説者が、「ナダルは2日に1回は日本料理を食べて元気をつけている」と言っていましたので、気にはなっていたのです。その話はやっぱり本当だったのです。この写真を見てください。
http://www.atpworldtour.com/tennis/1/en/news/newsarticle_2048.asp
「TEPPANYAKI」と呼ばれるスタイルのレストランで、鉄板を囲み、肉やシーフードを目の前で料理してくれます。外国の映画に出てくるので皆さんもご存知だと思いますが、料理人がいろいろショーをやってくれるあの手のタイプのレストランです。
ナダル一行(トニーコーチ、父親、マネージャー、PR担当者、ナイキ担当者)がメルボルン滞在中、最低10回はあしげく通ったそうです。ナダルの好きな料理は、魚のグリル、寿司、シーフードチャーハン。ステーキが記事には抜けていますが、ナダルの大好物だということは知っていますので、多分ステーキもたっぷり食べてエネルギーをつけたのでしょう。
あんまりこのレストランにお世話になったものですから、ナダルは対シモン戦にオーナーの二人を家族席に招待しました。
ナダルのナイスガイ・ストーリーにはThe Endがないようですね。
(ナダルとフェデラーなどの選手名は、自動的に選手名鑑にリンクされブルーになってしまいますので、これからは大文字を使うときはローマ字にします)
Murray
英紙テレグラフの記事から
残念ながらマレーはべルダスコに5セットの激闘の末負けてしまいましたが、彼も日本食レストランに足げく通った一人です。
マレーの一番好きな食べ物は、もちろん日本食。そのなかでも寿司は幾ら食べても飽きないそうで、平均20カン以上は食べるそうです。
年末はマイアミでオーストラリアンオープンのために特訓をしたマレーの第1課題は、一日6000カロリーをとり、体重を増やすということでした。必死の努力が実って、81.7kgから87kgに増えたマレーは、メルボルンへ。しかし連日の熱暑のためか、体重は2kg減ってしまいました。
マレーは今まで4000カロリーを取っていましたので、余分の2000カロリーの摂取の話は涙ぐましいものがあります。
「朝食が大変なんだ。まず起きるとプロティンシェイクを飲んで、ピーナッツバターをつけたベーグルを食べて、何個かの卵を食べて、ヨーグルトやフルーツも食べて、それからまだまだ食べていかなくちゃならない。」
この朝食だけで私の一日分のカロリーです。聞いただけでゲップがでそうです。
余談ですが、べルダスコとの戦いでは、彼を応援するスペインの一団のヤジがものすごかったらしいです。(マレーの公式サイトの読者のコメント)これは他の人もヤジを聞いていたという話をききましたので、デタラメな話ではないように思いますが、「おまえは女だ」といった内容のスペイン語がいろいろ飛び交ったとききます。マレーはスペインでトレーニングを受けていますので、スペイン語が分かりますから、さぞかしdisturbされたことでしょうね。でもこのことは、一言も彼の口から言い訳として出てきませんでした。「選手はつらいよ」ですね。
シャラポヴァ
彼女のニューヨークで好きなレストランは、最も歴史の古い「日本レストラン」です。オーナーの話によると、US Openの時は必ず何度も足を運んでエネルギーをつけるとか。お寿司、シャブシャブ、ステーキなど一度にペロッと食べてしまうそうです。あのかわいい顔で? 大食は顔とは関係ないですよね。
ヴァイディソヴァ
彼女のお寿司好きは有名な話。彼女は錦織選手と同じく、ボレテリに所属していますが、好きがこうじて、一日寿司職人の弟子入りしました。その模様をテニスチャンネルで見たことがあります。
このように日本食が圧倒的にテニス選手に人気があるのは、胃に負担がかからないライトなダイエットにあると思います。私も風邪がなおらないので、昨夜はうなぎでした。
(追記)
「どうせブログなのだから、きちんとした議論を期待する方が無理」という主旨のコメントがいくつかありました。しかしこの「どうせブログなのだから・・・」を見事にくつがえしたのが、フィルター制度の導入についての皆様のコメントでした。真面目にこの問題について意見をくださった皆様に心から感謝いたします。
昨日の新聞で、18人の悪質コメント者が摘発されました。日本ではこのような悪質な事件が何と昨年には1万件に近い数にのぼるとききます。この数字はほんの氷山の一角だと思います。嫌がらせを恐れず、皆が楽しく参加できる(もちろん反論も含めて)健全なブログコミュニティーづくりを目指して、まず現状を正しく認識し、問題対策について討論していく努力を続けていきたいと思います。
2009年02月05日
ナダルはナイスガイ
まだ体調がすぐれない、猫好きな私をを元気づけるため、息子がこのビデオのリンクをメールしてくれました。
さて、インドのユキ・バンブリ君が全豪ジュニアで優勝しました。おめでとう!まだ16才。ジュニアの世界ランキングでも堂々一位となりました。圭君とともに世界にアジア旋風をおこしてくれそうです。
さてナイスガイ、ナダルの心温まるエピソードを二つお伝えしたいと思います。
キア(韓国の自動車)の広告撮影
私はニュージャージー州で週3~4回はテニスをしていますので、いろんなクラブに出入りをしています。テニスクラブには一年中プレイできるインドアのテニスクラブと、メンバー制のアウトドアのクラブの二種類があります。昨日、あるメンバー制のクラブのオーナーと雑談をしていましたら、ナダルの話になりました。彼はフェデラーファンなので、どうすればフェデラーが勝てるかの話に発展しました。
「フェデラーは自分の陣地(ハードコートと芝)で負けたのだから、ナダルに勝つには、クレーで勝たねばならない!」
確かに。真剣勝負とはそういうものなんですよね。自分のテリトリーを荒らされたのなら、相手の陣地に行って首をとる。
そのフェデラーファンの彼がしみじみと言ったのです。
「それにしてもナダルは本当にナイスガイだ。」オーナーは2年前の夏の話をはじめました。
キアの広告(これは韓国だけに流されるCF)のため、彼のテニスクラブが撮影に使用されることになりました。US Openのためにニューヨークに滞在していたナダルは、3日間をニュージャージーの彼のテニスクラブで過ごすことになったのです。大きなトレーラーがナダルの控え部屋になりますが、撮影のない時間は、ナダルはクラブに見学にきたファン全員と雑談し、サインをし、記念撮影も喜んで応対したそうです。信じられないくらいナイスガイだったそうです。
これは本当にできないことです。私はコマーシャル撮影のプロジェクトを何度も手がけたことがありますが、ワンショットに何時間も費やす労力は並大抵のものではありません。炎天下で何度もストロークの取り直しがあり、いくらタフなラファでも、慣れないことでくたくたになったと思います。
それにも拘らず、撮影の合間はいつもニコニコ。しかもです。ある女性がハグさせてほしいとラファにお願いしたのです。そうするとあのはにかんだてれた表情でナダルはOKしました。その女性は天にものぼる気持だったでしょうね。(羨ましーッとため息が聞こえてきます)
熱狂的なラファのファンは彼のガールフレンドのことは聞きたくないでしょうが、ガールフレンドのジスカが一緒だったのです。オーナーはため息をつきました。
「本当に美しい女性だった。あの美しさはモデルのようなうわべだけの美しさではなくて、中から輝きでる美しさだった。」
このオーナーは金持ちのハンサムな男性で、ヨーロッパに別荘をもち世界を旅行しています。目の肥えた彼が「本当に美しい女性だった。」と言わせたジスカは、さぞかしすばらしい女性なのでしょう。何というカップルでしょう。ここまでくれば、嫉妬心も湧きませんね。素直にこの素敵なカップルを祝福してあげましょう。
(2)ロジャーを推薦するよ
Prince of Asturias Awardというスペインで最も名誉のある賞があります。これは各部門で優れた功労者に与えられる賞で、受賞者はスペイン人とは限りません。2007年はナダルとフェデラーがスポーツ部門で候補にあがりましたが、フォミュラーワンのレーサー、ミヒャエル・シューマッハーが受賞しました。昨年はナダルが受賞しています。
そこでナダルは今年の賞について意見を聞かれたとき、このように言ったのです。(受賞者はまだ発表されていません)
「フェデラーは13のグランドスラムのタイトルをとり、ベストプレーヤーだ。僕はフェデラーを推薦したい。」
この言葉にスペイン人もちょっと首をかしげました。いくらナイスガイとはいえ、ラファ、それはいいすぎなんじゃないの?
さて、インドのユキ・バンブリ君が全豪ジュニアで優勝しました。おめでとう!まだ16才。ジュニアの世界ランキングでも堂々一位となりました。圭君とともに世界にアジア旋風をおこしてくれそうです。
さてナイスガイ、ナダルの心温まるエピソードを二つお伝えしたいと思います。
キア(韓国の自動車)の広告撮影
私はニュージャージー州で週3~4回はテニスをしていますので、いろんなクラブに出入りをしています。テニスクラブには一年中プレイできるインドアのテニスクラブと、メンバー制のアウトドアのクラブの二種類があります。昨日、あるメンバー制のクラブのオーナーと雑談をしていましたら、ナダルの話になりました。彼はフェデラーファンなので、どうすればフェデラーが勝てるかの話に発展しました。
「フェデラーは自分の陣地(ハードコートと芝)で負けたのだから、ナダルに勝つには、クレーで勝たねばならない!」
確かに。真剣勝負とはそういうものなんですよね。自分のテリトリーを荒らされたのなら、相手の陣地に行って首をとる。
そのフェデラーファンの彼がしみじみと言ったのです。
「それにしてもナダルは本当にナイスガイだ。」オーナーは2年前の夏の話をはじめました。
キアの広告(これは韓国だけに流されるCF)のため、彼のテニスクラブが撮影に使用されることになりました。US Openのためにニューヨークに滞在していたナダルは、3日間をニュージャージーの彼のテニスクラブで過ごすことになったのです。大きなトレーラーがナダルの控え部屋になりますが、撮影のない時間は、ナダルはクラブに見学にきたファン全員と雑談し、サインをし、記念撮影も喜んで応対したそうです。信じられないくらいナイスガイだったそうです。
これは本当にできないことです。私はコマーシャル撮影のプロジェクトを何度も手がけたことがありますが、ワンショットに何時間も費やす労力は並大抵のものではありません。炎天下で何度もストロークの取り直しがあり、いくらタフなラファでも、慣れないことでくたくたになったと思います。
それにも拘らず、撮影の合間はいつもニコニコ。しかもです。ある女性がハグさせてほしいとラファにお願いしたのです。そうするとあのはにかんだてれた表情でナダルはOKしました。その女性は天にものぼる気持だったでしょうね。(羨ましーッとため息が聞こえてきます)
熱狂的なラファのファンは彼のガールフレンドのことは聞きたくないでしょうが、ガールフレンドのジスカが一緒だったのです。オーナーはため息をつきました。
「本当に美しい女性だった。あの美しさはモデルのようなうわべだけの美しさではなくて、中から輝きでる美しさだった。」
このオーナーは金持ちのハンサムな男性で、ヨーロッパに別荘をもち世界を旅行しています。目の肥えた彼が「本当に美しい女性だった。」と言わせたジスカは、さぞかしすばらしい女性なのでしょう。何というカップルでしょう。ここまでくれば、嫉妬心も湧きませんね。素直にこの素敵なカップルを祝福してあげましょう。
(2)ロジャーを推薦するよ
Prince of Asturias Awardというスペインで最も名誉のある賞があります。これは各部門で優れた功労者に与えられる賞で、受賞者はスペイン人とは限りません。2007年はナダルとフェデラーがスポーツ部門で候補にあがりましたが、フォミュラーワンのレーサー、ミヒャエル・シューマッハーが受賞しました。昨年はナダルが受賞しています。
そこでナダルは今年の賞について意見を聞かれたとき、このように言ったのです。(受賞者はまだ発表されていません)
「フェデラーは13のグランドスラムのタイトルをとり、ベストプレーヤーだ。僕はフェデラーを推薦したい。」
この言葉にスペイン人もちょっと首をかしげました。いくらナイスガイとはいえ、ラファ、それはいいすぎなんじゃないの?
2009年02月05日
言論テロ行為と戦う
フィルター制度の導入を
私は日本のブログに疎く、2チャンネル(?)があるということも知りませんでした。今でも不可解なことが多いのですが、「ブログの炎上」や「自作自演」という現象があることも学びました。
今回のような悪質なデマ(tennisnakamaがコメントの自作自演をして、意見を操作する)を吹聴する行為は、 覆面をしていて正体が知れないのですから、まさに言論テロリストです。
このような行為が許される背景に、「言論の自由」の基本原則の欠如があると思います。この問題は、私のブログのコアの問題でもありますので素通りできないのです。
コメント者の名前は、選択が自由で、管理者がIDを求めないことから、コメント者のネームを無断使用することもできます。例えばAさんのコメント者の意見が気にいらなかったとします。Aの名前で「最近の私は、借金に追われて少しノイローゼ気味なのです。」とデマを書くこともできるのです。管理者としては、どのAが本当のAであるのか分かりません。事実、私のブログで多くの「通りすがり」さんが登場し、混乱してしまいました。
ではこの現象は果たして海外でも起こっているのでしょうか?(ここで「海外」というのは、英語圏のブログを指します。)
私のブログの記事の準備は、まず海外の情報を得るために、毎日約20~30くらいのメディアから情報を選ぶことから始まります。全部の記事は読めませんので、まずヘッドラインから選んでいきます。そこで5記事くらいに絞りじっくり読みます。それに加えて、影響力のある個人のブログを約10くらい目を通します。それから書きたいテーマを決めてリサーチにかかります。(これだけで相当の時間がかかるので、日本のブログまでなかなか目がとどいておりません。)
記事に寄せられるコメントもできるだけ読むようにしています。ときどきtennisnakamaの名で投稿もしています。特に錦織選手に関するテーマであれば、できるだけ彼を理解してもらえるようコメントを残すようにしています。特に興味深い問題に関しては、さらに多くの記事を読み、そこに寄せられるコメントに目を通します。例えば全豪の暴力事件に関する選手の発言については、通常の記事の数倍以上の時間を費やしてリサーチします。今回はジョコヴィッチの公式ブログのメンバーとなって、自分の意見を発表しました。
このように海外のいろんなスポーツブログのコメントを読みコメントも残しているわけですが、言論テロリスの行為は耳にしたことがありません。激しい議論や感情論はありますが、私のブログにくるような、悪質な嫌がらせのコメントや、事実無根のデマを広めるようなコメントは見たことがありません。実際あるのかもしれませんが、社会問題にまで発展することは(2チャンネルで発生するような)スポーツブログでは耳にしません。(ただしマイスペースなどのソーシャルネットワークでは、そのような事件が起こり、自殺者を生んだことはありますが。)
社会が「言論の自由」を享受するためには、「発言には責任が伴うという根本的な原則」が前提となります。
(1)ブログ管理者の判断で不適当と思われるコメントを削除する権利と責任。
これは日本のブログもやっています。
(2)登録制を取り入れ、コメント者を管理する責任。
海外ではメジャーなブログは会員にならなければコメントできないところがほとんどです。会員になるためには、氏名、コメント名、メールアドレスなどを記入する必要があります。登録制をとらないブログでもメールアドレスを記入しなければコメントは残せないようになっています。私の閲覧するブログのなかで、メールアドレスなしでコメントを投稿できるブログはありません。しかし投稿者のメールアドレスは一般に公開されるのではなく、ブログ管理者のみが把握する情報として管理されます。
このフィルター制度によって、自分の正体がバレてしまうので、テロ行為はかなり防ぐことができます。この制度のおかげで、ブログ社会はテロのアタックを恐れることなく発言ができるのです。
日本の主なブログをリサーチしてみましたが、ほとんどのブログはメールアドレスを必要とせず、コメント者は言いたい放題が許されています。その理由は?
ここで2チャンネルの西村氏の見解を、Japan Media Reviewが掲載しています。英語版ですので要約してみました。
http://www.ojr.org/japan/internet/1061505583.php
「ニュースを伝えるにはリスクをともなう。真の討論ができるのは、お互い相手を知らないという無記名の条件が必要だ。もし記事が退屈な内容であれば、退屈だといえるのは無記名でしかありえない。この無記名のシステムによって情報は平等に扱われ、正確な議論が機能を果たすことになる。」
西村氏は「言論の自由」をはきちがえています。正確な情報であるかデマであるのか、どこでチェックできるのでしょう? 無記名で書き逃げができ、言いたい放題が許される討論は、それが真の討論と呼べるでしょうか。ここに欠如するのはaccountability つまり自分の発言には責任が伴うという大原則です。
ブログは一つのコミュニティーです。健全なコミュニティーを促進するために、治安を脅かす悪質な行動には、敢然と戦っていく姿勢が必要だと思います。自由に責任ある発言ができる環境をつくるためには、まずコメントシステムの早急な対策が必要だと思います。
とりあえず、私はこの問題についてtennis365とスポーツナビに、フィルターを設けるシステム改善を提案してみたいと思っています。
私は日本のブログに疎く、2チャンネル(?)があるということも知りませんでした。今でも不可解なことが多いのですが、「ブログの炎上」や「自作自演」という現象があることも学びました。
今回のような悪質なデマ(tennisnakamaがコメントの自作自演をして、意見を操作する)を吹聴する行為は、 覆面をしていて正体が知れないのですから、まさに言論テロリストです。
このような行為が許される背景に、「言論の自由」の基本原則の欠如があると思います。この問題は、私のブログのコアの問題でもありますので素通りできないのです。
コメント者の名前は、選択が自由で、管理者がIDを求めないことから、コメント者のネームを無断使用することもできます。例えばAさんのコメント者の意見が気にいらなかったとします。Aの名前で「最近の私は、借金に追われて少しノイローゼ気味なのです。」とデマを書くこともできるのです。管理者としては、どのAが本当のAであるのか分かりません。事実、私のブログで多くの「通りすがり」さんが登場し、混乱してしまいました。
ではこの現象は果たして海外でも起こっているのでしょうか?(ここで「海外」というのは、英語圏のブログを指します。)
私のブログの記事の準備は、まず海外の情報を得るために、毎日約20~30くらいのメディアから情報を選ぶことから始まります。全部の記事は読めませんので、まずヘッドラインから選んでいきます。そこで5記事くらいに絞りじっくり読みます。それに加えて、影響力のある個人のブログを約10くらい目を通します。それから書きたいテーマを決めてリサーチにかかります。(これだけで相当の時間がかかるので、日本のブログまでなかなか目がとどいておりません。)
記事に寄せられるコメントもできるだけ読むようにしています。ときどきtennisnakamaの名で投稿もしています。特に錦織選手に関するテーマであれば、できるだけ彼を理解してもらえるようコメントを残すようにしています。特に興味深い問題に関しては、さらに多くの記事を読み、そこに寄せられるコメントに目を通します。例えば全豪の暴力事件に関する選手の発言については、通常の記事の数倍以上の時間を費やしてリサーチします。今回はジョコヴィッチの公式ブログのメンバーとなって、自分の意見を発表しました。
このように海外のいろんなスポーツブログのコメントを読みコメントも残しているわけですが、言論テロリスの行為は耳にしたことがありません。激しい議論や感情論はありますが、私のブログにくるような、悪質な嫌がらせのコメントや、事実無根のデマを広めるようなコメントは見たことがありません。実際あるのかもしれませんが、社会問題にまで発展することは(2チャンネルで発生するような)スポーツブログでは耳にしません。(ただしマイスペースなどのソーシャルネットワークでは、そのような事件が起こり、自殺者を生んだことはありますが。)
社会が「言論の自由」を享受するためには、「発言には責任が伴うという根本的な原則」が前提となります。
(1)ブログ管理者の判断で不適当と思われるコメントを削除する権利と責任。
これは日本のブログもやっています。
(2)登録制を取り入れ、コメント者を管理する責任。
海外ではメジャーなブログは会員にならなければコメントできないところがほとんどです。会員になるためには、氏名、コメント名、メールアドレスなどを記入する必要があります。登録制をとらないブログでもメールアドレスを記入しなければコメントは残せないようになっています。私の閲覧するブログのなかで、メールアドレスなしでコメントを投稿できるブログはありません。しかし投稿者のメールアドレスは一般に公開されるのではなく、ブログ管理者のみが把握する情報として管理されます。
このフィルター制度によって、自分の正体がバレてしまうので、テロ行為はかなり防ぐことができます。この制度のおかげで、ブログ社会はテロのアタックを恐れることなく発言ができるのです。
日本の主なブログをリサーチしてみましたが、ほとんどのブログはメールアドレスを必要とせず、コメント者は言いたい放題が許されています。その理由は?
ここで2チャンネルの西村氏の見解を、Japan Media Reviewが掲載しています。英語版ですので要約してみました。
http://www.ojr.org/japan/internet/1061505583.php
「ニュースを伝えるにはリスクをともなう。真の討論ができるのは、お互い相手を知らないという無記名の条件が必要だ。もし記事が退屈な内容であれば、退屈だといえるのは無記名でしかありえない。この無記名のシステムによって情報は平等に扱われ、正確な議論が機能を果たすことになる。」
西村氏は「言論の自由」をはきちがえています。正確な情報であるかデマであるのか、どこでチェックできるのでしょう? 無記名で書き逃げができ、言いたい放題が許される討論は、それが真の討論と呼べるでしょうか。ここに欠如するのはaccountability つまり自分の発言には責任が伴うという大原則です。
ブログは一つのコミュニティーです。健全なコミュニティーを促進するために、治安を脅かす悪質な行動には、敢然と戦っていく姿勢が必要だと思います。自由に責任ある発言ができる環境をつくるためには、まずコメントシステムの早急な対策が必要だと思います。
とりあえず、私はこの問題についてtennis365とスポーツナビに、フィルターを設けるシステム改善を提案してみたいと思っています。
2009年02月04日
錦織、SAPまであと7日
錦織選手が最高ランキング56位になりました! 先週の59位からの3位アップです。いよいよプロジェクト45の名前を変更するときが迫っています。体の故障に悩まされ続けてきた圭君は、今年はベストコンディションで戦い抜いてほしいと思います。
今年のスケジュールは、デルレイビーチとサンホゼの大会が以下のように入れ替わっています。このスケジュールの変更で、圭君は3月6日に始まる大阪でのデ杯の調整に、デルレイビーチ大会を断念することになりました。デルレイビーチはあのブレイクを倒して優勝し、圭君が世界にセンセーションを起こした大会です。
2008年
デルレイビーチ:2月11日
サンホゼ(SAP): 2月18日
2009年
サンホゼ(SAP):2月9日
デルレイビーチ:2月23日
しかし圭君は、来週の2月9日から始まるカルフォルニアのサンホゼ(SAP)大会には出場しますので、大いに応援したいと思います。
サンホゼ(SAP)
http://www.sapopentennis.com/index2.html
昨年はロディックが優勝しています。今年の主な参加選手は以下の通りです。
錦織圭
ロディック
ブレイク
デルポトロ
フィッシュ
ステパネック
ヒューイット
バグダティス
カニアス
デント
ハース
クェリー
ニーミネン
キーファー
グルビス
ジネプリ
SAP試合スケジュール
2月9日夜7時:
サンプラスvsブレイクのエグジビション
これはチャリティイヴェントですが、ブレイクは自分の試合があるにも拘らず、チャリティーへの熱心な姿勢に頭が下がります。
2月10日夜7時:
ロディック1回戦(対戦相手は後日発表)
ブライアンズ兄弟ダブルス1回戦(対戦相手は後日発表)
2月11日夜7時:
ブレイク1回戦(対戦相手は後日発表)
デルポトロ1回戦(対戦相手は後日発表)
ここで質問です。このSAPトーナメントは日本で放送されますか?
もし放送されなくても大丈夫です。PCのストリーミングで、一日料金$9.95、一週間 通しで$39.95で観戦することができます。彼らに連絡をとって、日本からも観戦できることを確認しました。試合が始まる当日に上記のSAPのサイトにいき、WATCH LIVEをクリックすればよいのだそうです。放送はカルフォルニア時間の朝9時30分(なんでこんなに早い時間なのか分かりませんが)、日本時間は火曜の夜中の2時半から始まります。圭君のスケジュールが分かり次第お知らせします。
(余談です)
私の息子が昨年ニューヨークからハンブルグへの飛行機でジェイムス・ブレイクと一緒になりました。ジェイムスはファーストクラスですが、マネージャーのお兄さんともう一人の男性はエコノミーだったそうです。息子は彼らのスポーツバッグの多さは、半端なものではなく、Baggage Claimに入ってくる数えきれないほどの荷物に度肝を抜かれました。バッグを一つ一つ点検し、運び出している彼らの姿は、テレビで観る華やかなスター選手とはかけ離れたものでした。
空港から空港へ。ホテルからホテルへ。一年中旅をし続けなければならない厳しさは想像を絶するものがあると思います。特にまだティーンの圭君は、家族と離れてこのきびしいツアーを続けていかなければなりません。思わず大声で、
今年のスケジュールは、デルレイビーチとサンホゼの大会が以下のように入れ替わっています。このスケジュールの変更で、圭君は3月6日に始まる大阪でのデ杯の調整に、デルレイビーチ大会を断念することになりました。デルレイビーチはあのブレイクを倒して優勝し、圭君が世界にセンセーションを起こした大会です。
2008年
デルレイビーチ:2月11日
サンホゼ(SAP): 2月18日
2009年
サンホゼ(SAP):2月9日
デルレイビーチ:2月23日
しかし圭君は、来週の2月9日から始まるカルフォルニアのサンホゼ(SAP)大会には出場しますので、大いに応援したいと思います。
サンホゼ(SAP)
http://www.sapopentennis.com/index2.html
昨年はロディックが優勝しています。今年の主な参加選手は以下の通りです。
錦織圭
ロディック
ブレイク
デルポトロ
フィッシュ
ステパネック
ヒューイット
バグダティス
カニアス
デント
ハース
クェリー
ニーミネン
キーファー
グルビス
ジネプリ
SAP試合スケジュール
2月9日夜7時:
サンプラスvsブレイクのエグジビション
これはチャリティイヴェントですが、ブレイクは自分の試合があるにも拘らず、チャリティーへの熱心な姿勢に頭が下がります。
2月10日夜7時:
ロディック1回戦(対戦相手は後日発表)
ブライアンズ兄弟ダブルス1回戦(対戦相手は後日発表)
2月11日夜7時:
ブレイク1回戦(対戦相手は後日発表)
デルポトロ1回戦(対戦相手は後日発表)
ここで質問です。このSAPトーナメントは日本で放送されますか?
もし放送されなくても大丈夫です。PCのストリーミングで、一日料金$9.95、一週間 通しで$39.95で観戦することができます。彼らに連絡をとって、日本からも観戦できることを確認しました。試合が始まる当日に上記のSAPのサイトにいき、WATCH LIVEをクリックすればよいのだそうです。放送はカルフォルニア時間の朝9時30分(なんでこんなに早い時間なのか分かりませんが)、日本時間は火曜の夜中の2時半から始まります。圭君のスケジュールが分かり次第お知らせします。
(余談です)
私の息子が昨年ニューヨークからハンブルグへの飛行機でジェイムス・ブレイクと一緒になりました。ジェイムスはファーストクラスですが、マネージャーのお兄さんともう一人の男性はエコノミーだったそうです。息子は彼らのスポーツバッグの多さは、半端なものではなく、Baggage Claimに入ってくる数えきれないほどの荷物に度肝を抜かれました。バッグを一つ一つ点検し、運び出している彼らの姿は、テレビで観る華やかなスター選手とはかけ離れたものでした。
空港から空港へ。ホテルからホテルへ。一年中旅をし続けなければならない厳しさは想像を絶するものがあると思います。特にまだティーンの圭君は、家族と離れてこのきびしいツアーを続けていかなければなりません。思わず大声で、
圭君、がんばれ!
SAPまであと一週間です。
2009年02月03日
スイス男は繊細
昨日のスーパーボウルのパーティで、ドイツ人の男性が苦笑して言いました。
「今日ドイツに住む母に電話していたら、オーストラリアンオープンの決勝戦の話になってね。彼女はフェデラーが泣き出したので恥ずかしかったといってたよ。」
バーゼル出身のフェデラーはドイツ語圏のスイス人。同じドイツ語系の男が泣くなんて、と彼女は思ったのでしょう。「男の涙は許せない」とてもドイツっぽくて笑ってしまいました。その話を側で聞いていたバーゼル出身の夫は、ニタッとしながらそのドイツの男性に言ったのです。
「スイス男は繊細なんだよ」
もちろん彼は同郷のフェデラーをかばって言ったのですが、この言葉にはいろんなニュアンスが含まれています。スイスとドイツ国民の感情は微妙なのです。ワールドカップでも、ドイツにだけは負けたくない国民感情。決して嫌っているわけではないのですが、このスイスのドイツに抱く微妙な感情は、カナダがアメリカに対する、スコットランドがイングランドに対するのに似たちょっとした感情なのです。これをわざと出して、冗談を言ってのけた夫に座布団一枚あげたいと思います。
I am sorry for Roger by Tony Nadal
ESPNの記事でトニーコーチのコメントを見つけました。
第4セットでフェデラーに負けたので、ラファが勝つのは難しいかもしれないと思ったトニーナダルでしたが、フェデラーの第5セットは彼にとっても不思議なセットだったようです。
「第5セットのフェデラーがよくないので驚いた。集中力の欠如なのか、14GSのタイトルのプレッシャーなのか、何が彼に起こったのかわからないが、I am sorry for Roger.」
いいですねェ。ラファといいトニーおじさんといい、人間性の深さを感じます。
I was mad by Roger Federer
「オーストラリアンオープンの本命がマレー」ということに対して、フェデラーは一度もGSのタイトルをとってないマレーが本命なんておかしい、と発言したものですから、いろいろ批判されましたが、その発言の真意を同記事に以下のように語っています。
「ラファは僕とフレンチオープンでよく対戦し勝ってきた。その自信がウィンブルドンの優勝につながった。そしてハードコートのオリンピックでも優勝しているんだ。そのラファが全豪の本命でないから腹がたったんだ。」
いいですねェ。フェデラーは率直で。ますます気に入りました。
「今日ドイツに住む母に電話していたら、オーストラリアンオープンの決勝戦の話になってね。彼女はフェデラーが泣き出したので恥ずかしかったといってたよ。」
バーゼル出身のフェデラーはドイツ語圏のスイス人。同じドイツ語系の男が泣くなんて、と彼女は思ったのでしょう。「男の涙は許せない」とてもドイツっぽくて笑ってしまいました。その話を側で聞いていたバーゼル出身の夫は、ニタッとしながらそのドイツの男性に言ったのです。
「スイス男は繊細なんだよ」
もちろん彼は同郷のフェデラーをかばって言ったのですが、この言葉にはいろんなニュアンスが含まれています。スイスとドイツ国民の感情は微妙なのです。ワールドカップでも、ドイツにだけは負けたくない国民感情。決して嫌っているわけではないのですが、このスイスのドイツに抱く微妙な感情は、カナダがアメリカに対する、スコットランドがイングランドに対するのに似たちょっとした感情なのです。これをわざと出して、冗談を言ってのけた夫に座布団一枚あげたいと思います。
I am sorry for Roger by Tony Nadal
ESPNの記事でトニーコーチのコメントを見つけました。
第4セットでフェデラーに負けたので、ラファが勝つのは難しいかもしれないと思ったトニーナダルでしたが、フェデラーの第5セットは彼にとっても不思議なセットだったようです。
「第5セットのフェデラーがよくないので驚いた。集中力の欠如なのか、14GSのタイトルのプレッシャーなのか、何が彼に起こったのかわからないが、I am sorry for Roger.」
いいですねェ。ラファといいトニーおじさんといい、人間性の深さを感じます。
I was mad by Roger Federer
「オーストラリアンオープンの本命がマレー」ということに対して、フェデラーは一度もGSのタイトルをとってないマレーが本命なんておかしい、と発言したものですから、いろいろ批判されましたが、その発言の真意を同記事に以下のように語っています。
「ラファは僕とフレンチオープンでよく対戦し勝ってきた。その自信がウィンブルドンの優勝につながった。そしてハードコートのオリンピックでも優勝しているんだ。そのラファが全豪の本命でないから腹がたったんだ。」
いいですねェ。フェデラーは率直で。ますます気に入りました。
2009年02月03日
ナダルの言葉
今度は優勝者のナダルの言葉をご紹介したいと思います。彼は一生懸命に苦手な英語で答えています。世界のスーパースターになっても、謙遜の気持を忘れず、日々の努力を怠らず、限界という言葉を拒否し続ける男・・・どうしたらあのような息子に育てられるのか? つい親の立場から感嘆してしまうのです。
優勝後の記者会見より(これは要約したものです)
Q:6個目のGSのタイトル獲得はスペシャルな気持ですか?
「すごくスペシャルだよ。ハードコートのGSのタイトルは僕の夢だったからね。ものすごく嬉しい。No? コートではいろんな気持があって気持が高ぶっていた。ベストプレーヤーのロジャーと戦うのだから。
トニーおじさんはロッド・レイヴァーが史上ベストのテニス選手だといっていた。一年で4つのGSのタイトルをとることをグランドスラムと言っているが、レイヴァーは2度もそのグランドスラムをとっている。その本人の前で試合をするのだから。すべてがスペシャルだった。」
Q:第3セットでトレーナーのマッサージを受けたのは?
「べルダスコの試合が終わったあと、右足がタイトになった。3セットでは、すごく固くなってきたんだ。こむらがえりじゃないけど心配だった。でもあのときはインジャリータイムを取らなかったんだ。(注:チェンジオーヴァーの時間にマッサージを受ければインジャリータイムとはならない。)あの試合が長くなると思ったから、3分間のMTO (Medical Time-out) はいざというときにとっておきたかった。」
Q:このハードコートの最初の優勝は、フレンチ(クレー)やウィンブルドン(芝)の最初の優勝とくらべてどう違いますか?
「試合の後はもう疲れてしまってその喜びを実感としてまだ感じてられてないんだ。ロッカールームへ行ったとき、目眩がしそうになったくらいだから。」
Q:サンプラスの記録を誰が破るか話題になっています。22才ですべてのサーフェスで優勝したことになりますが、今後どこまでいけると思いますか?
「今は6個のタイトルをとったことになるけれど、6個もとれたことは嬉しい。もちろんこれからも向上できるよう毎日努力をしていくつもりだ。毎回優勝することはとても大変なことだ。でも僕はトライしつづけていきたい。」
Q:最後に勝利をもたらしたのは、フィジカルだったと思いますか、それともメンタル?
「僕には分からない。でも第5セットはロジャーは僕よりミスが多かった。僕の方がソリッドだった。だから僕が勝ったと思う。最初のブレークポイントのとき、ロジャーはバックハンドで重大なミスを犯してしまった。このブレークはとても大きな意味をもった。」
(注:第5セット:4ゲーム目2-1でフェデラーのサーヴ。フェデラーは30-30でダブルフォルトをしたあと、二つのエラーをおかしてブレークされる)
Q:金曜の長い試合の後、決勝戦に対して自分がまだフィットしていると思いましたか?
「僕は疲れていたことは確かで、少し心配だったのも確かだ。プラクティスしたときになかなか集中できなかったからね。試合が始まる前、トニーコーチの言った 「勝利を信じていつも全力で戦え」という言葉通りにやったんだ。」
Q:新しい服で勝てると思いましたか?
「僕は本当に心配だったよ。(笑)新しいウェアでパワーを失ってしまうかもしれないとね。(爆笑)
C’mon(ここでのカモーンは「まさか」という意味です)
最後の冗談はラファらしい茶目っ気がでています。お疲れさまでした。じっくりと優勝の喜びを噛み締めたあとは、オランダロッテルダムのABN AMRO WORLD TENNISが2月9日が待っています。ナダルの他に、ツォンガ、モンフィスが出場する予定です。ナダルは昨年の10月に主催者側と契約を行いましたが、この大会は一週間後に迫っていて、これは私の勘ですが、ひょっとすればナダルは欠場するかもしれませんね。昨年もオーストラリアンオープンで準決勝までいき、疲れが残ったのか、このロッテルダムでは、2回戦でセッピに敗退しています。
ロッテルダムの後は2月23日から始まるドバイです。このドバイにフェデラーも出場します。再びナダルvsフェデラー戦が観戦できますかどうか、あと3週間に迫ってきました。
優勝後の記者会見より(これは要約したものです)
Q:6個目のGSのタイトル獲得はスペシャルな気持ですか?
「すごくスペシャルだよ。ハードコートのGSのタイトルは僕の夢だったからね。ものすごく嬉しい。No? コートではいろんな気持があって気持が高ぶっていた。ベストプレーヤーのロジャーと戦うのだから。
トニーおじさんはロッド・レイヴァーが史上ベストのテニス選手だといっていた。一年で4つのGSのタイトルをとることをグランドスラムと言っているが、レイヴァーは2度もそのグランドスラムをとっている。その本人の前で試合をするのだから。すべてがスペシャルだった。」
Q:第3セットでトレーナーのマッサージを受けたのは?
「べルダスコの試合が終わったあと、右足がタイトになった。3セットでは、すごく固くなってきたんだ。こむらがえりじゃないけど心配だった。でもあのときはインジャリータイムを取らなかったんだ。(注:チェンジオーヴァーの時間にマッサージを受ければインジャリータイムとはならない。)あの試合が長くなると思ったから、3分間のMTO (Medical Time-out) はいざというときにとっておきたかった。」
Q:このハードコートの最初の優勝は、フレンチ(クレー)やウィンブルドン(芝)の最初の優勝とくらべてどう違いますか?
「試合の後はもう疲れてしまってその喜びを実感としてまだ感じてられてないんだ。ロッカールームへ行ったとき、目眩がしそうになったくらいだから。」
Q:サンプラスの記録を誰が破るか話題になっています。22才ですべてのサーフェスで優勝したことになりますが、今後どこまでいけると思いますか?
「今は6個のタイトルをとったことになるけれど、6個もとれたことは嬉しい。もちろんこれからも向上できるよう毎日努力をしていくつもりだ。毎回優勝することはとても大変なことだ。でも僕はトライしつづけていきたい。」
Q:最後に勝利をもたらしたのは、フィジカルだったと思いますか、それともメンタル?
「僕には分からない。でも第5セットはロジャーは僕よりミスが多かった。僕の方がソリッドだった。だから僕が勝ったと思う。最初のブレークポイントのとき、ロジャーはバックハンドで重大なミスを犯してしまった。このブレークはとても大きな意味をもった。」
(注:第5セット:4ゲーム目2-1でフェデラーのサーヴ。フェデラーは30-30でダブルフォルトをしたあと、二つのエラーをおかしてブレークされる)
Q:金曜の長い試合の後、決勝戦に対して自分がまだフィットしていると思いましたか?
「僕は疲れていたことは確かで、少し心配だったのも確かだ。プラクティスしたときになかなか集中できなかったからね。試合が始まる前、トニーコーチの言った 「勝利を信じていつも全力で戦え」という言葉通りにやったんだ。」
Q:新しい服で勝てると思いましたか?
「僕は本当に心配だったよ。(笑)新しいウェアでパワーを失ってしまうかもしれないとね。(爆笑)
C’mon(ここでのカモーンは「まさか」という意味です)
最後の冗談はラファらしい茶目っ気がでています。お疲れさまでした。じっくりと優勝の喜びを噛み締めたあとは、オランダロッテルダムのABN AMRO WORLD TENNISが2月9日が待っています。ナダルの他に、ツォンガ、モンフィスが出場する予定です。ナダルは昨年の10月に主催者側と契約を行いましたが、この大会は一週間後に迫っていて、これは私の勘ですが、ひょっとすればナダルは欠場するかもしれませんね。昨年もオーストラリアンオープンで準決勝までいき、疲れが残ったのか、このロッテルダムでは、2回戦でセッピに敗退しています。
ロッテルダムの後は2月23日から始まるドバイです。このドバイにフェデラーも出場します。再びナダルvsフェデラー戦が観戦できますかどうか、あと3週間に迫ってきました。
2009年02月02日
フェデラーの言葉
ESPNで生放送を観たあと、再度テニスチャンネルでも録画を観ました。マティナ・ナヴラティロヴァのコメントが聞きたかったからです。
彼女は試合終了後、ナダルのスーパーヒューマン的な能力に驚愕と賛辞のコメントを残しました。しかし最後に一言「この試合はフェデラーが3セットで勝てた試合だった。」彼女は断言したのです。この言葉は重いと思います。
私は3セットストレートでフェデラーが勝てた試合だとは思いませんが,第5セットに自爆してしまったフェデラーを観て、ナダルのとてつもない恐ろしさを感じました。決して狙った獲物は逃がさず、フェデラーを追いつめていくあの獣の本能です。血だらけになっても喰いついて離さない。それをメンタルと簡単に片付けてしまうにはあまりにも壮絶な戦いでした。
ナダルvsフェデラーの決勝戦を観て、テニスの試合の残酷さを今さらのように思い知らされました。幾ら6-0で勝ったとしてもそのセットはもはや関係ないのです。その6が加算されるわけでもなく、また白紙からスタートです。第5セット目は、今までどんなに勝っていようと全く関係なくはじまりました。
「またゼロからやりなおさなければならない」
この重圧にどこまで耐えていくことができるか? ここにグランドスラムの5セットの面白さと残酷さがあります。フェデラーはこの重圧に耐えきれず、自ら崩れていったような気がします。ですから彼の涙は、ナダルに負けたことではなく、最大の敵、自分に勝つことができなかったことへの悔恨の涙だったように思います。
全試合をメモしながら観戦しましたが、ここで私ごときがつらつらと分析の真似事をするよりも、本人の口から試合について答えてもらうのがベストだと思いインターヴューの一部を訳してみました。(これはインターヴューすべてではありません)
フェデラーのインターヴューより:
Q:この試合についてどう思われますか?
「よい試合だった。でも僕には多くのチャンスがあったけれど、それを生かせなかった。その代償は大きい。タフな試合だった。僕のサーヴがなかなか入らなかった。それが最後には僕の首をしめたことになったと思う。」
Q:試合中どういう気持がよぎったのでしょうか?
「僕はよく戦ったと思うよ。ただもう少しぼくのサーヴがよかったらと残念だけど。ラファと僕のサーヴは全く違うタイプのサーヴだ。彼はサーヴをとにかく入れようとするサーヴだが、僕のはライン上を狙うサーヴなんだ。僕はテニスを愛しているから、僕にとってはこの試合は全てなんだ。だから敗北は本当に辛い。」
Q:第5セットでナダルと戦うのはどれほどタフなことなのでしょうか?
「タフなのは他の選手と変わりない。第5セットは何が起こるか分からないんだ。だから強い選手が勝つとは限らない。ときどきモメンタムで決まってしまうことがあるからね。
今日はこの第5セットに僕は入るべきではなかった。ラファはとてもよくプレーしたよ。僕はひどい第5セットをやってしまった。ラファに譲り渡してしまったようなね。ラファは5セットをやるには、もっともタフな対戦相手だよ。それは疑いのないことだ。」
Q:今の心境を教えてください。
「勝てると信じていた試合、勝つべきであった試合を失うということは、もちろん大変辛いことで、この痛みは一生抱えていかなければならない。でも後悔はしていないよ。僕は大丈夫だ。」
Q:まだナダルに勝てると思いますか?
「もちろんだよ。勝てると信じたから4時間半も戦ったんだ。」
世紀のライヴァルの二人はこれからもますます私たちに感動のドラマをみせてくれると信じます。
彼女は試合終了後、ナダルのスーパーヒューマン的な能力に驚愕と賛辞のコメントを残しました。しかし最後に一言「この試合はフェデラーが3セットで勝てた試合だった。」彼女は断言したのです。この言葉は重いと思います。
私は3セットストレートでフェデラーが勝てた試合だとは思いませんが,第5セットに自爆してしまったフェデラーを観て、ナダルのとてつもない恐ろしさを感じました。決して狙った獲物は逃がさず、フェデラーを追いつめていくあの獣の本能です。血だらけになっても喰いついて離さない。それをメンタルと簡単に片付けてしまうにはあまりにも壮絶な戦いでした。
ナダルvsフェデラーの決勝戦を観て、テニスの試合の残酷さを今さらのように思い知らされました。幾ら6-0で勝ったとしてもそのセットはもはや関係ないのです。その6が加算されるわけでもなく、また白紙からスタートです。第5セット目は、今までどんなに勝っていようと全く関係なくはじまりました。
「またゼロからやりなおさなければならない」
この重圧にどこまで耐えていくことができるか? ここにグランドスラムの5セットの面白さと残酷さがあります。フェデラーはこの重圧に耐えきれず、自ら崩れていったような気がします。ですから彼の涙は、ナダルに負けたことではなく、最大の敵、自分に勝つことができなかったことへの悔恨の涙だったように思います。
全試合をメモしながら観戦しましたが、ここで私ごときがつらつらと分析の真似事をするよりも、本人の口から試合について答えてもらうのがベストだと思いインターヴューの一部を訳してみました。(これはインターヴューすべてではありません)
フェデラーのインターヴューより:
Q:この試合についてどう思われますか?
「よい試合だった。でも僕には多くのチャンスがあったけれど、それを生かせなかった。その代償は大きい。タフな試合だった。僕のサーヴがなかなか入らなかった。それが最後には僕の首をしめたことになったと思う。」
Q:試合中どういう気持がよぎったのでしょうか?
「僕はよく戦ったと思うよ。ただもう少しぼくのサーヴがよかったらと残念だけど。ラファと僕のサーヴは全く違うタイプのサーヴだ。彼はサーヴをとにかく入れようとするサーヴだが、僕のはライン上を狙うサーヴなんだ。僕はテニスを愛しているから、僕にとってはこの試合は全てなんだ。だから敗北は本当に辛い。」
Q:第5セットでナダルと戦うのはどれほどタフなことなのでしょうか?
「タフなのは他の選手と変わりない。第5セットは何が起こるか分からないんだ。だから強い選手が勝つとは限らない。ときどきモメンタムで決まってしまうことがあるからね。
今日はこの第5セットに僕は入るべきではなかった。ラファはとてもよくプレーしたよ。僕はひどい第5セットをやってしまった。ラファに譲り渡してしまったようなね。ラファは5セットをやるには、もっともタフな対戦相手だよ。それは疑いのないことだ。」
Q:今の心境を教えてください。
「勝てると信じていた試合、勝つべきであった試合を失うということは、もちろん大変辛いことで、この痛みは一生抱えていかなければならない。でも後悔はしていないよ。僕は大丈夫だ。」
Q:まだナダルに勝てると思いますか?
「もちろんだよ。勝てると信じたから4時間半も戦ったんだ。」
世紀のライヴァルの二人はこれからもますます私たちに感動のドラマをみせてくれると信じます。
2009年02月01日
涙の決勝、感動ドラマ
ラファおめでとう! 5セットマッチ、7-5, 3-6, 7-6, 3-6, 6-2で優勝です。
解説者たちが声をそろえて叫びました。
You are superhuman!
ラファの最後まであきらめない魂と戦いぬくスピリットは、世界の人々を感動させました。不可能だという私たちの固定観念に挑戦をのぞんできたこの22才の若者は、私たちにメッセージを送りつづけます。
「絶えず向上していきたい。不可能なことはないんだよ。」
ロジャーにとっては心を引き裂かれる悲しい日となりました。
彼の涙がすべてを物語っています。どんなに残念なことだったでしょう。でもロジャーはいつまでも私達のヒーローです。あれほど世界の人々に愛され尊敬されるロジャーは永遠です。
試合後の各解説者のコメントです。
パトリックマッケンロー
「悲しいことだ。ロジャーはプレッシャーに勝てなかった。サンプラスの14のタイトルが頭を離れなかったのかもしれない。あの試合はラファがどのようにして勝ったというより、ロジャーがどのようにして負けてしまったことに驚いている。」
ギルバート
「ラファは疲れるどころかだんだん元気になってきた。ラファは絶対に諦めない。4セット目で彼のインテンシティがますます加わってきた。ロジャーはラファが諦めないので驚いてしまったようだ。22才から26才までが選手として絶頂期となるので、ラファは一体どこまで進歩していくのだろうか。末恐ろしい気がする。」
ケイヒル
「2日間で合計9時間以上も激戦をし、勝ち抜いたラファはスーパーヒューマンだ。完全に脱帽だ。」
優勝の言葉を求められたナダルは申し訳なさそうにフェデラーに向かって言いました。「今日はごめんね。でもロジャーはいつも僕のチャンピオンです。これから今年一杯幸運を祈ってます。」
何というやさしい言葉でしょう。フェデラーの涙は、無念の気持、応援してくれるファンに対しての熱い気持、モノの病気で勝てなかった辛い思い出、自分がベストの試合ができなかった口惜しさ・・・いろんな想いがロジャーの胸をかけめぐり押さえきれなかったのでしょう。私ももらい泣きをしました。
今は二人の偉大な選手が与えてくれたこの感動に少し浸っていたいと思います。
解説者たちが声をそろえて叫びました。
You are superhuman!
ラファの最後まであきらめない魂と戦いぬくスピリットは、世界の人々を感動させました。不可能だという私たちの固定観念に挑戦をのぞんできたこの22才の若者は、私たちにメッセージを送りつづけます。
「絶えず向上していきたい。不可能なことはないんだよ。」
ロジャーにとっては心を引き裂かれる悲しい日となりました。
彼の涙がすべてを物語っています。どんなに残念なことだったでしょう。でもロジャーはいつまでも私達のヒーローです。あれほど世界の人々に愛され尊敬されるロジャーは永遠です。
試合後の各解説者のコメントです。
パトリックマッケンロー
「悲しいことだ。ロジャーはプレッシャーに勝てなかった。サンプラスの14のタイトルが頭を離れなかったのかもしれない。あの試合はラファがどのようにして勝ったというより、ロジャーがどのようにして負けてしまったことに驚いている。」
ギルバート
「ラファは疲れるどころかだんだん元気になってきた。ラファは絶対に諦めない。4セット目で彼のインテンシティがますます加わってきた。ロジャーはラファが諦めないので驚いてしまったようだ。22才から26才までが選手として絶頂期となるので、ラファは一体どこまで進歩していくのだろうか。末恐ろしい気がする。」
ケイヒル
「2日間で合計9時間以上も激戦をし、勝ち抜いたラファはスーパーヒューマンだ。完全に脱帽だ。」
優勝の言葉を求められたナダルは申し訳なさそうにフェデラーに向かって言いました。「今日はごめんね。でもロジャーはいつも僕のチャンピオンです。これから今年一杯幸運を祈ってます。」
何というやさしい言葉でしょう。フェデラーの涙は、無念の気持、応援してくれるファンに対しての熱い気持、モノの病気で勝てなかった辛い思い出、自分がベストの試合ができなかった口惜しさ・・・いろんな想いがロジャーの胸をかけめぐり押さえきれなかったのでしょう。私ももらい泣きをしました。
今は二人の偉大な選手が与えてくれたこの感動に少し浸っていたいと思います。
2009年02月01日
ウィナーで強者に勝つ
本題に入る前に、一言お礼を申し上げます。
実に多くの方々から激励のコメントを受け感謝の気持で一杯です。一人一人の方にお礼のコメントを書きたいのですが、ちょっとバテてしまったものですから、それができないtennisnakamaをお許しください。
今、皆様からいただいた一つ一つのコメントの愛の重みを噛み締めています。そして声を出してその愛を表現してくださった皆様の勇気に力づけられています。これがまさにブログの醍醐味というのでしょうか。姿が見えなくても、声が聞こえなくても、心が通じ合える空間をお互いの努力で作り上げていくすばらしさ。それはたとえブログという空間であっても、パワフルな力を持つ現実の世界なのだということを知りました。そしてそのパワフルな空間をシェアすることからくる責任を痛感しています。tennisnakamaは私の大切に育てあげようとする子供に近い気持です。でも自分一人の力では子供は育てられません。
ヒレリー・クリントンの有名な以下の言葉があります。
It takes a village to raise a child.
私も彼女と同じような気持でおります。villageはブログコミュニティ、 childはtennisnakamaです。
tennisnakamaという子供を皆さんと育てていければと心から願ってやみません。
さて久々にテニスの話です。
「3ヶ月前のべルダスコだったら、どのボールもとれなかった!」と、解説者のギルバートは感嘆の声を上げました。No.1のナダルに、メンタルと技術の面では優るとも劣らぬべルダスコに解説者たち(ESPNはケイヒル、パトリック・マッケンロー、ギルバートが解説者。テニスチャンネルではナヴラティロヴァとギエルストブが解説者)は一堂に驚嘆しました。この驚きは世界のテニスファンに共通するものがあったと思います。
私は何度も生でべルダスコを観戦していますが、あまり印象の深い選手ではなく、プレーボーイという彼の私生活にむしろ興味が湧くくらいの選手でした。余談ですが、噂によるとイヴァノヴィッチとの恋はブリスベインで破局を迎えたとか。この影響なのか、アナちゃんは全豪では2回戦で敗退してしまいました。しかし男を上げたのはフェールです。(べルダスコの名前が長いため、フェルナンドからフェールFerと呼ばれているらしいので、これからはフェールと呼びます)どちらがフッたのか知りませんが、ふっ切れたフェールはテニスに全霊をかけることができました。ここが男と女の違いかも。フェールはすでに25才。人生では中年です。万年30番前後をウロウロしてきた典型的な2nd tier (トップ選手にはなれない選手)に何が起こったのでしょうか?
デ杯の話は有名ですね。彼は昨年のアルジェンチンとの決勝戦で、シングルスとダブルスで二勝をあげた優勝の立役者です。デ杯が決定的要因になった。ここが今日のテニスの恐ろしいところです。つまり万年30番台の選手がトップになれるかなれないかは、一言「自信」なのだということを証明しています。
未来のフォアハンドとは?
フェールの強さはなんといっても、フォアハンドです。ジャンプしながらコーナーを突くインサイドアウト(日本では逆クロス)は、ゴンザレスにも引けをとらない爆発的なパワーをもちます。よく英語ではexplosiveという言葉を使いますが、まさにフェールのフォアハンドはこの表現にふさわしいのです。今ではほとんどの選手がフォアハンドを武器としています。しかし今日のテニスはこのフォアハンドはもはや武器とはならず、勝利に不可欠なショットとなっています。コーナーを突くだけでは、シモンやナダルのような選手には通用しなくなってきているからです。それではウィナーのとれるフォアハンドとは、どのようなフォアハンドなのでしょうか。そのお手本をこの二人が見せてくれました。
(1)サーヴィスラインとベースラインの間を狙うワイドなショット。球がサイドに逃げていくのでタッチできない。
(2)球速を増す
ナダルがフォアハンドのスウィングを変えた理由は、この球のスピードです。バギーウィップ(腕を上に振り上げる)では、回転が強すぎてスピードが殺されてしまいます。スピンを押さえたフラット気味のショットが打てなければウィナーはむずかしくなってきています。今日のテニスはこの両方が打てなくてなりません。
(3)ベースラインの内側から打つ。
相手に時間の余裕を与えないためには、on-the-riseで打つ必要があります。特にウィナーを狙った場合は、ステップインして球がバウンドした直後に打つ必要があります。
この(3)では、フェルが優っていました。チャンスだと判断したときの、前進のしかたが見事です。迷わずステップインしてウィナーを狙いました。ナダルはこの点でフェデラー戦では問題が残ります。ベースラインよりも3mくらい下がっていては、どんなチャンスボールでも一歩遅れます。
ウィナー(Winner)の数
今回のフェールのテニスは究極のオフェンステニスでした。ウィナーが95です!この数は聞いたことがありません。しかしエラーが76もあります。これも記録的です。
ウィナーはリスクを追うショットで、当然エラーの危険性をともないます。ではフェールは、オーストラリアン・オープンでは、いつもこのような超オフェンスで戦ってきのたのでしょうか?
べルダスコのウィナーの数:
1回戦(対マナリノ 129位)24のウィナー
2回戦(対クレモン 89位)28のウィナー
3回戦(対ステパネック 23位)34のウィナー
R16(対マレー 4位) 51のウィナー(50のエラー)
QF(対ツォンガ 7位) 36のウィナー(40のエラー)
SF(対ナダル 1位)95のウィナー(76のエラー)
129位のマナリノ相手にはウィナーはわずか24と最小です。しかしマレー戦では51です。このウィナーの数はおもしろいことに対戦相手が強ければ強いほど多くなっています。アグレッシヴにテニスをしなければ強者には勝てない。ナダル戦においては、95もウィナーを打たなければ勝つ見込みがなかったのです。つまり打倒ナダルはこの超オフェンスのテニスにあると思います。しかし76のエラーはナダルにフリーポイントを与えすぎました。
ではナダルはどうでしょう?
52のウィナーを打ってますが、エラーはわずか25です。ここにナダルの確率のテニスがあります。
二人のメンタルは甲乙付け難い最高レベルだったと思います。特にGSの経験の少ないフェールのサーヴィス力はメンタルの賜物でした。ここぞという肝心のポイントをエースで押さえられるメンタルパワーは見事と言わざるを得ません。
フェールびいきのコメントが続いていますが、それはナダルはすでにNo.1の地位を確保しているチャンピオンですので、期待度が違います。ナダルにはそれが出来て当然という前提があるからです。
ナダルの進化のなかで、いろいろ進歩がみられましたが、際立った進歩は、サーヴと片手バックハンドです。毎日サーヴの練習に多くの時間を費やしたと聞くだけに、そのヴァラエティーと回転、スピードに威力が増してきました。フェール戦では12本もエースを打っています。今までのナダルはせいぜい45本でしたので大変な進歩です。
ネットすれすれに入ってくる片手バックハンドのスライスは、バウンド後は地面を低空飛行し、フェールを悩ませました。このスライスは今やナダルの武器となりました。ロディックも盛んに使っていましたが、フェデラーに匹敵するナダルのスライスが、決勝でどのような効果を現すか見所の一つとなります。
フェデラーvsナダル戦の予想
ここでナダルファンには申し訳ないのですが、フェデラー戦は二つの点でナダルが劣勢とみます。一つは言うまでもなく疲労です。もう一つは、彼のディフェンスプレーです。ポジションがベースラインから下がってしまっています。フェデラーは、ナダルをディフェンスにとどめておくために、オーヴァーヒットを恐れずディープな球を打ってくると予想されます。そしてon-the-riseの打ってくるアグレッシヴなフェデラーの攻撃に対抗するには、このポジションではフェデラーの思う壷となります。ナダルに必要なのはフェールがとったアグレッシヴテニスです。ナダルの強みはショットの確実性ですので、自信をもって失敗を恐れず、ウィナーをねらったオフェンステニスならフェデラーに勝てるかもしれません。
それでは朝の3時半から始まるフェデラーvsナダルに向けて頑張ります。その決勝の後はスーパーボウルのパーティが待っています。果たしてこの二つをこなす体力がありますかどうか。
実に多くの方々から激励のコメントを受け感謝の気持で一杯です。一人一人の方にお礼のコメントを書きたいのですが、ちょっとバテてしまったものですから、それができないtennisnakamaをお許しください。
今、皆様からいただいた一つ一つのコメントの愛の重みを噛み締めています。そして声を出してその愛を表現してくださった皆様の勇気に力づけられています。これがまさにブログの醍醐味というのでしょうか。姿が見えなくても、声が聞こえなくても、心が通じ合える空間をお互いの努力で作り上げていくすばらしさ。それはたとえブログという空間であっても、パワフルな力を持つ現実の世界なのだということを知りました。そしてそのパワフルな空間をシェアすることからくる責任を痛感しています。tennisnakamaは私の大切に育てあげようとする子供に近い気持です。でも自分一人の力では子供は育てられません。
ヒレリー・クリントンの有名な以下の言葉があります。
It takes a village to raise a child.
私も彼女と同じような気持でおります。villageはブログコミュニティ、 childはtennisnakamaです。
tennisnakamaという子供を皆さんと育てていければと心から願ってやみません。
さて久々にテニスの話です。
「3ヶ月前のべルダスコだったら、どのボールもとれなかった!」と、解説者のギルバートは感嘆の声を上げました。No.1のナダルに、メンタルと技術の面では優るとも劣らぬべルダスコに解説者たち(ESPNはケイヒル、パトリック・マッケンロー、ギルバートが解説者。テニスチャンネルではナヴラティロヴァとギエルストブが解説者)は一堂に驚嘆しました。この驚きは世界のテニスファンに共通するものがあったと思います。
私は何度も生でべルダスコを観戦していますが、あまり印象の深い選手ではなく、プレーボーイという彼の私生活にむしろ興味が湧くくらいの選手でした。余談ですが、噂によるとイヴァノヴィッチとの恋はブリスベインで破局を迎えたとか。この影響なのか、アナちゃんは全豪では2回戦で敗退してしまいました。しかし男を上げたのはフェールです。(べルダスコの名前が長いため、フェルナンドからフェールFerと呼ばれているらしいので、これからはフェールと呼びます)どちらがフッたのか知りませんが、ふっ切れたフェールはテニスに全霊をかけることができました。ここが男と女の違いかも。フェールはすでに25才。人生では中年です。万年30番前後をウロウロしてきた典型的な2nd tier (トップ選手にはなれない選手)に何が起こったのでしょうか?
デ杯の話は有名ですね。彼は昨年のアルジェンチンとの決勝戦で、シングルスとダブルスで二勝をあげた優勝の立役者です。デ杯が決定的要因になった。ここが今日のテニスの恐ろしいところです。つまり万年30番台の選手がトップになれるかなれないかは、一言「自信」なのだということを証明しています。
未来のフォアハンドとは?
フェールの強さはなんといっても、フォアハンドです。ジャンプしながらコーナーを突くインサイドアウト(日本では逆クロス)は、ゴンザレスにも引けをとらない爆発的なパワーをもちます。よく英語ではexplosiveという言葉を使いますが、まさにフェールのフォアハンドはこの表現にふさわしいのです。今ではほとんどの選手がフォアハンドを武器としています。しかし今日のテニスはこのフォアハンドはもはや武器とはならず、勝利に不可欠なショットとなっています。コーナーを突くだけでは、シモンやナダルのような選手には通用しなくなってきているからです。それではウィナーのとれるフォアハンドとは、どのようなフォアハンドなのでしょうか。そのお手本をこの二人が見せてくれました。
(1)サーヴィスラインとベースラインの間を狙うワイドなショット。球がサイドに逃げていくのでタッチできない。
(2)球速を増す
ナダルがフォアハンドのスウィングを変えた理由は、この球のスピードです。バギーウィップ(腕を上に振り上げる)では、回転が強すぎてスピードが殺されてしまいます。スピンを押さえたフラット気味のショットが打てなければウィナーはむずかしくなってきています。今日のテニスはこの両方が打てなくてなりません。
(3)ベースラインの内側から打つ。
相手に時間の余裕を与えないためには、on-the-riseで打つ必要があります。特にウィナーを狙った場合は、ステップインして球がバウンドした直後に打つ必要があります。
この(3)では、フェルが優っていました。チャンスだと判断したときの、前進のしかたが見事です。迷わずステップインしてウィナーを狙いました。ナダルはこの点でフェデラー戦では問題が残ります。ベースラインよりも3mくらい下がっていては、どんなチャンスボールでも一歩遅れます。
ウィナー(Winner)の数
今回のフェールのテニスは究極のオフェンステニスでした。ウィナーが95です!この数は聞いたことがありません。しかしエラーが76もあります。これも記録的です。
ウィナーはリスクを追うショットで、当然エラーの危険性をともないます。ではフェールは、オーストラリアン・オープンでは、いつもこのような超オフェンスで戦ってきのたのでしょうか?
べルダスコのウィナーの数:
1回戦(対マナリノ 129位)24のウィナー
2回戦(対クレモン 89位)28のウィナー
3回戦(対ステパネック 23位)34のウィナー
R16(対マレー 4位) 51のウィナー(50のエラー)
QF(対ツォンガ 7位) 36のウィナー(40のエラー)
SF(対ナダル 1位)95のウィナー(76のエラー)
129位のマナリノ相手にはウィナーはわずか24と最小です。しかしマレー戦では51です。このウィナーの数はおもしろいことに対戦相手が強ければ強いほど多くなっています。アグレッシヴにテニスをしなければ強者には勝てない。ナダル戦においては、95もウィナーを打たなければ勝つ見込みがなかったのです。つまり打倒ナダルはこの超オフェンスのテニスにあると思います。しかし76のエラーはナダルにフリーポイントを与えすぎました。
ではナダルはどうでしょう?
52のウィナーを打ってますが、エラーはわずか25です。ここにナダルの確率のテニスがあります。
二人のメンタルは甲乙付け難い最高レベルだったと思います。特にGSの経験の少ないフェールのサーヴィス力はメンタルの賜物でした。ここぞという肝心のポイントをエースで押さえられるメンタルパワーは見事と言わざるを得ません。
フェールびいきのコメントが続いていますが、それはナダルはすでにNo.1の地位を確保しているチャンピオンですので、期待度が違います。ナダルにはそれが出来て当然という前提があるからです。
ナダルの進化のなかで、いろいろ進歩がみられましたが、際立った進歩は、サーヴと片手バックハンドです。毎日サーヴの練習に多くの時間を費やしたと聞くだけに、そのヴァラエティーと回転、スピードに威力が増してきました。フェール戦では12本もエースを打っています。今までのナダルはせいぜい45本でしたので大変な進歩です。
ネットすれすれに入ってくる片手バックハンドのスライスは、バウンド後は地面を低空飛行し、フェールを悩ませました。このスライスは今やナダルの武器となりました。ロディックも盛んに使っていましたが、フェデラーに匹敵するナダルのスライスが、決勝でどのような効果を現すか見所の一つとなります。
フェデラーvsナダル戦の予想
ここでナダルファンには申し訳ないのですが、フェデラー戦は二つの点でナダルが劣勢とみます。一つは言うまでもなく疲労です。もう一つは、彼のディフェンスプレーです。ポジションがベースラインから下がってしまっています。フェデラーは、ナダルをディフェンスにとどめておくために、オーヴァーヒットを恐れずディープな球を打ってくると予想されます。そしてon-the-riseの打ってくるアグレッシヴなフェデラーの攻撃に対抗するには、このポジションではフェデラーの思う壷となります。ナダルに必要なのはフェールがとったアグレッシヴテニスです。ナダルの強みはショットの確実性ですので、自信をもって失敗を恐れず、ウィナーをねらったオフェンステニスならフェデラーに勝てるかもしれません。
それでは朝の3時半から始まるフェデラーvsナダルに向けて頑張ります。その決勝の後はスーパーボウルのパーティが待っています。果たしてこの二つをこなす体力がありますかどうか。