2009年02月02日
フェデラーの言葉
ESPNで生放送を観たあと、再度テニスチャンネルでも録画を観ました。マティナ・ナヴラティロヴァのコメントが聞きたかったからです。
彼女は試合終了後、ナダルのスーパーヒューマン的な能力に驚愕と賛辞のコメントを残しました。しかし最後に一言「この試合はフェデラーが3セットで勝てた試合だった。」彼女は断言したのです。この言葉は重いと思います。
私は3セットストレートでフェデラーが勝てた試合だとは思いませんが,第5セットに自爆してしまったフェデラーを観て、ナダルのとてつもない恐ろしさを感じました。決して狙った獲物は逃がさず、フェデラーを追いつめていくあの獣の本能です。血だらけになっても喰いついて離さない。それをメンタルと簡単に片付けてしまうにはあまりにも壮絶な戦いでした。
ナダルvsフェデラーの決勝戦を観て、テニスの試合の残酷さを今さらのように思い知らされました。幾ら6-0で勝ったとしてもそのセットはもはや関係ないのです。その6が加算されるわけでもなく、また白紙からスタートです。第5セット目は、今までどんなに勝っていようと全く関係なくはじまりました。
「またゼロからやりなおさなければならない」
この重圧にどこまで耐えていくことができるか? ここにグランドスラムの5セットの面白さと残酷さがあります。フェデラーはこの重圧に耐えきれず、自ら崩れていったような気がします。ですから彼の涙は、ナダルに負けたことではなく、最大の敵、自分に勝つことができなかったことへの悔恨の涙だったように思います。
全試合をメモしながら観戦しましたが、ここで私ごときがつらつらと分析の真似事をするよりも、本人の口から試合について答えてもらうのがベストだと思いインターヴューの一部を訳してみました。(これはインターヴューすべてではありません)
フェデラーのインターヴューより:
Q:この試合についてどう思われますか?
「よい試合だった。でも僕には多くのチャンスがあったけれど、それを生かせなかった。その代償は大きい。タフな試合だった。僕のサーヴがなかなか入らなかった。それが最後には僕の首をしめたことになったと思う。」
Q:試合中どういう気持がよぎったのでしょうか?
「僕はよく戦ったと思うよ。ただもう少しぼくのサーヴがよかったらと残念だけど。ラファと僕のサーヴは全く違うタイプのサーヴだ。彼はサーヴをとにかく入れようとするサーヴだが、僕のはライン上を狙うサーヴなんだ。僕はテニスを愛しているから、僕にとってはこの試合は全てなんだ。だから敗北は本当に辛い。」
Q:第5セットでナダルと戦うのはどれほどタフなことなのでしょうか?
「タフなのは他の選手と変わりない。第5セットは何が起こるか分からないんだ。だから強い選手が勝つとは限らない。ときどきモメンタムで決まってしまうことがあるからね。
今日はこの第5セットに僕は入るべきではなかった。ラファはとてもよくプレーしたよ。僕はひどい第5セットをやってしまった。ラファに譲り渡してしまったようなね。ラファは5セットをやるには、もっともタフな対戦相手だよ。それは疑いのないことだ。」
Q:今の心境を教えてください。
「勝てると信じていた試合、勝つべきであった試合を失うということは、もちろん大変辛いことで、この痛みは一生抱えていかなければならない。でも後悔はしていないよ。僕は大丈夫だ。」
Q:まだナダルに勝てると思いますか?
「もちろんだよ。勝てると信じたから4時間半も戦ったんだ。」
世紀のライヴァルの二人はこれからもますます私たちに感動のドラマをみせてくれると信じます。
彼女は試合終了後、ナダルのスーパーヒューマン的な能力に驚愕と賛辞のコメントを残しました。しかし最後に一言「この試合はフェデラーが3セットで勝てた試合だった。」彼女は断言したのです。この言葉は重いと思います。
私は3セットストレートでフェデラーが勝てた試合だとは思いませんが,第5セットに自爆してしまったフェデラーを観て、ナダルのとてつもない恐ろしさを感じました。決して狙った獲物は逃がさず、フェデラーを追いつめていくあの獣の本能です。血だらけになっても喰いついて離さない。それをメンタルと簡単に片付けてしまうにはあまりにも壮絶な戦いでした。
ナダルvsフェデラーの決勝戦を観て、テニスの試合の残酷さを今さらのように思い知らされました。幾ら6-0で勝ったとしてもそのセットはもはや関係ないのです。その6が加算されるわけでもなく、また白紙からスタートです。第5セット目は、今までどんなに勝っていようと全く関係なくはじまりました。
「またゼロからやりなおさなければならない」
この重圧にどこまで耐えていくことができるか? ここにグランドスラムの5セットの面白さと残酷さがあります。フェデラーはこの重圧に耐えきれず、自ら崩れていったような気がします。ですから彼の涙は、ナダルに負けたことではなく、最大の敵、自分に勝つことができなかったことへの悔恨の涙だったように思います。
全試合をメモしながら観戦しましたが、ここで私ごときがつらつらと分析の真似事をするよりも、本人の口から試合について答えてもらうのがベストだと思いインターヴューの一部を訳してみました。(これはインターヴューすべてではありません)
フェデラーのインターヴューより:
Q:この試合についてどう思われますか?
「よい試合だった。でも僕には多くのチャンスがあったけれど、それを生かせなかった。その代償は大きい。タフな試合だった。僕のサーヴがなかなか入らなかった。それが最後には僕の首をしめたことになったと思う。」
Q:試合中どういう気持がよぎったのでしょうか?
「僕はよく戦ったと思うよ。ただもう少しぼくのサーヴがよかったらと残念だけど。ラファと僕のサーヴは全く違うタイプのサーヴだ。彼はサーヴをとにかく入れようとするサーヴだが、僕のはライン上を狙うサーヴなんだ。僕はテニスを愛しているから、僕にとってはこの試合は全てなんだ。だから敗北は本当に辛い。」
Q:第5セットでナダルと戦うのはどれほどタフなことなのでしょうか?
「タフなのは他の選手と変わりない。第5セットは何が起こるか分からないんだ。だから強い選手が勝つとは限らない。ときどきモメンタムで決まってしまうことがあるからね。
今日はこの第5セットに僕は入るべきではなかった。ラファはとてもよくプレーしたよ。僕はひどい第5セットをやってしまった。ラファに譲り渡してしまったようなね。ラファは5セットをやるには、もっともタフな対戦相手だよ。それは疑いのないことだ。」
Q:今の心境を教えてください。
「勝てると信じていた試合、勝つべきであった試合を失うということは、もちろん大変辛いことで、この痛みは一生抱えていかなければならない。でも後悔はしていないよ。僕は大丈夫だ。」
Q:まだナダルに勝てると思いますか?
「もちろんだよ。勝てると信じたから4時間半も戦ったんだ。」
世紀のライヴァルの二人はこれからもますます私たちに感動のドラマをみせてくれると信じます。
投稿者 Tennisnakama 05:01 | コメント(14)| トラックバック(0)
ベルダスコもフェデラーもナダルよりずっと切れのあるすばらしいテニスをしていたと思うのにどうして最後に勝てなかったのか。理由がわかったような気がしています。ベルダスコとフェデラーにもこれからますます頑張ってもらいたいと思います。でも今日はラファの究極に美しい心に一票。
「僕はテニスを愛しているから、僕にとってはこの試合は全てなんだ。だから敗北は本当に辛い」
「この痛みは一生抱えていかなければならない。でも後悔はしていないよ。僕は大丈夫だ」
これらの言葉に何も言えなくなります。彼にとってテニスというものがどういう存在なのか。
こんなにも実績を残し、賞賛され、地位(という言葉でいいのか分かりませんが)を築いてきた彼だけど、それは後からついてきたもので、彼自身はただテニスを愛する一人の青年なんだと実感しました。
昨日は「負けた」という事実とロジャーの涙ばかりが頭にあって、何も考えられなかったけど、時間が経ってみると素晴らしいショットがたくさんあって「すごくいい接戦だった」と思えてきます。勝つチャンスもありました。だけどラファがそれを上回るものを持っていたんです。でもこれからはどうなるか分かりませんよね。だから私たちファンは応援しつづけます!
努力を積み重ねてきたのか。飽くなき向上心とたゆまぬ努力でまた一つ、夢を実現させたラファに、心から”おめでとう”と言いたい!! セレモニーを見ていて、少年だったラファが本当に立派な王者になったなぁ・・・と、泣けてきました。 ベルダスコ戦でマッチポイントを掴んだ時、ラファの目に浮かんだ涙を見て、ラファがどれだけのプレッシャーを抱えていたのかと、思い知らされました。No.1として勝つことの難しさ、厳しさ。ラファがあんなにもロジャーを尊敬するのは、誰よりも重いそのプレッシャーの中で勝ち続けてきた人だからなのだということも。 ロジャーがいたからこそ、ラファは強くなれた。だからセレモニーでの彼の涙を見るのはつらかったです・・・。 メディアはすぐに誰の時代だとか、勝手なことを言うけれど、そんなことは関係なく、互いを敬い高めあう、素晴らしい二人のライバルを見ていられる我々はしあわせだと思います。きっとこれからも、二人は心に刻まれる名勝負を生み出してくれるでしょう。
それくらい、二人はお似合いだから・・・。
勝負の世界は非情。どちらかに結果が出てしまう。
今Tennisnakamaさんのその言葉をかみしめています。
もう二人ともチャンピオンにふさわしい・・・・そう思います。
絶対に絶対にあきらめず、一球一球に集中。
常に努力を惜しまない。
そんなラファに心打たれます。
二人のテニスはスタイルが違うので、見ていてとても楽しい試合です。
また是非決勝戦の二人が見たい。
結果は少しつらいけれども、また見たいです。
世界のテニスファンから愛される二人・・・・会場の様子を見てそう思いました。
たまらないです。
フェデラーもですが、ナダルの精神も極限だったのではないでしょうか?
4セットくらいからいつになく苦しそうな表情をしているように感じました。
フェデラーファンとしては負けた事は残念でしたが、相手に不足は無く本当にいい試合でした。
2人の間にはそれほどの差は無いと思いました。
ただ、フェデラーにはプレッシャーがあったのでしょうか。。
フェデラーには、挑戦者として強い気持ちで立ち向かって欲しいです。
今年は本当に面白くなりそうですね!!!
まず、Rafael Nadal、AO2009 優勝おめでとう! 一言、本当に人間か?と思いたくなりました。
常に、本当に試合の最初から最後まで、自分の best を尽くして勝つことにこだわり、且、実践し続けられるその人間性とその身体能力に最大の敬意を表したいと思います。
それらをもってすれば、Grand Slam 達成も夢では決して無いと思います。
そして、この場を借りて、Nadal そして、Federer に対し、いつもその Higher quality なテニスを見させてもらい、感謝いたします。
そして、Roger Federer、AO2009 準優勝おめでとう! でもあの場で泣いて欲しく無かったです。
彼は GS14 への欲望とその反対側にある Nadal の上述の quality への畏怖との間で精神がさまよっていたような印象があります。彼にしては珍しく記録(名誉)を狙う気持ちが試合中も離れなかったのでしょうか。雑念、煩悩の克服は、彼をしても克服しがたかったのかもしれません。
とはいえ、今回の backhand 攻め対応の改善及び強い forehand stroke の復活という、未だに衰えぬ向上心とその成果が、2009 を復活の年とする助けとなりそうな兆候として欲しいです。
陳腐ですが、二人にまたまた『人間ドラマ』を見せてもらったような気がします。
最後に、tennisnakama さんの取り組む姿勢は Nadal に匹敵するquality を感じさせられ、いつも敬服させられます。お身体にお気をつけて頑張ってください。
フェデラーとナダルが 自分の恋人や息子でなくて よかったです。 一球ごとに 一喜一憂して、
試合のたびに 白髪としわが増えて、 体によくないですね。 フェデラーのガールフレンドもよくガムをかんでるし、つめもかんでますね。 ところで試合の前に、コインをトスしますよね、そのとき テレビの解説者がいってました -意味がないわ、だってフェデラーはいつも サーブを取るし、ナダルはリターンを選ぶから、 いっつも どうせ フェデラーのサーブではじまることになるからー
ナダルはどうして、 リターンをとるんでしょう、 変わってますよね。
若くてこれから伸びしろの多いナダルに対して、
完成されたプレーヤーであるフェデラーは、
彼のベストを出せれば誰にも負けないかもしれないけれど
体力のピークが過ぎると、自分自身のベストパフォーマンスに
追い付けないことに苦しむのではないかと思っていました。
でも、昨日の試合を見ていて、あれほど隙がないと思ったフェデラーでも
まだ向上の余地があって、まだ上手くなることができたんだ、
そしてこれからもできるんだ、と強く思いました。
どこまでも伸びていく強力なライヴァルがいるからこそ
そのライヴァルと共に強くなっていくことができるんですね。
彼らの試合をこれからも見られる私たちは幸せ者です。
toranekoさん
>フェデラーとナダルが 自分の恋人や息子でなくて よかったです。
私も全く同感です。いつも試合を間近で見守っているミルカさんの精神力は
フェデラーやナダルに負けないくらいすごいんじゃないかと思います。
フェデラーファンの私としては・・・(ナダルファンの方、ごめんなさい)昨日はショックで立ち直れませんでした。今日の仕事も、なんだか心ここにあらず・・・というか。最後のフェデラーの涙がとても重くて悲しくて・・・すっかり同化してしまっていました。この先、フェデはラファに勝つことができるのか?なんてことを感じてしまいました。でも1日たって、tennisunakamaさんの記事や他のニュースを読み、ラファの優しさ、勝負への厳しさをみて、フェデの14回目のGSでの優勝を信じて次の全仏を待ちたいと思います。ありがとうございました。
そのあとすぐスーパーボウルパーティに出かけましたが、またこの試合も史上最高の100ヤードを走ってタッチダウンするなど、めっちゃに盛り上がりました。もう疲れが溜まった上に、一日中声を張り上げての二つのメジャーな試合観戦でまたダウンしてしまいそうです。熱と扁桃腺でベッド入りです。パーティの後はいつもダウンするのはなぜ?
toranekoさん、
プロの試合では、コイントスでレシーヴをとる選手のほうが多いと思います。アマチュアではサーヴが多いですが。レシーヴをとるのは、それは相手の様子を見る、サーヴのモーションに体がまだ温まっていない、個人の好みなどいろんな理由で決めているようです。