2009年11月29日
僕はサフィンじゃないよ
ダヴィデンコが3セットのフルセットで、ついにフェデラーを破りました!過去の対戦成績が0勝12敗。すべてのトップ選手を打破してきたダヴィデンコに、どうしても勝てない選手が一人だけいたのです。それがフェデラー。宿願のフェデラー打倒を果たしたのですから、ダヴィの喜びはグランドスラムのタイトルをとったように大きなものに違いありません。
普段はあまり笑顔をみせないダヴィですが、勝利のあとの記者会見では終始にこにこ顔。けっさくなコメントがありましたので紹介したいと思います。
( )は私のコメントです。
2009年11月28日
ロンドンファイナルズの準決勝:
Davydenko def Federer: 6-2, 4-6, 7-5
ダヴィデンコ: (部屋に入るなり)WOW! 今日はこんなに一杯集まってすごいね!(彼は地味ですので、今まではインタービュー室に来る記者はそれほどいなかったのです)
Q:ついにやりましたね!どうやって勝てたんですか?
ダヴィデンコ:皆がその答えをしりたがるだろうね。僕の家族、友人、チームの皆がこの瞬間を待っていたからね。僕はトップ10の選手には皆勝っているんだよ。フェデラーを除いてはね。でも彼に勝つのは来年か再来年かなと思っていたから、今年に実現したことは本当に嬉しいよ。
Q:今日の試合で、これからラケットのスポンサーがつくと思いますか?(えっ?プリンスじゃなかったっけ?)
ダヴィデンコ:ラケットのスポンサーを見つけるのは問題ないよ。問題はラケットなんだ。決められたラケットだけしかプレーできないことが問題なんだ。時には違ったラケットの方がいい場合がある。お金の問題じゃないよ。
Q:今までフェデラーに12回も負けていたわけですが、コートに入るまでどんなことを考えていましたか?
ダヴィデンコ:別に何も考えていなかったよ。負けたら家に帰ろうと思っていたから。絶対勝ってやろうなんて気はなかった。だからプレッシャーはなかった。
ただ今までよいプレーをしてきたから、特に昨日はソダーリングに勝っているし、この調子を出せばよいと思っていただけだ。
Q:今日の試合は今までの12試合と違った作戦をつかいましたか?
ダヴィデンコ:いや別に。フェデラーのスライスはむずかしいからね。彼はスライスのあとトップスピンのハードヒットを打ってくるし。僕がやったのは、ときどきヴォレーやサーヴ、そしてリターンのエースをうつこと。(笑)
Q:とても嬉しそうですね。この大会に優勝するよりもフェデラーに勝った方が嬉しいですか?
ダヴィデンコ:多分ね。何しろロジャーだけだったんだから。勝てなかったのは。
No.1に勝てたのだから、これからはNo.2やNo.3にも勝てるかもしれないという自信ができるからね。10%のチャンスで勝てるかも、という気持ちで試合に出るのとは違う。
Q:決勝はデルポトロですが、どんな試合になると思いますか?
ダヴィデンコ:彼はいい奴だよ。僕たちはよく話をするしプラクティスも一緒にすることがある。彼はベースライナーだけれど、球が速くなってるし、サーヴもよくなっている。デルポと明日決勝戦で戦いたいと思っているけれど、これはどちらが勝つか分からないから何ともいえない。(ということは、勝ったソダーリングよりもデルポの方がよい?)
Q:ソダーリングもいい奴ですか?(この質問には私は大笑い。ソダーリングは最近は態度がよくなったものの、選手の間であまり人気のない選手ですので、記者がダヴィをからかった質問)
ダヴィデンコ:たぶんね。僕は話をしたことがないから知らない。(うまい逃げ方)彼を恐がっているかけではないけど、彼との試合はいつもむずかしい。
Q:昨日と今日の試合の間に15時間しかありませんでしたが、疲れましたか?
ダヴィデンコ:本当に疲れたよ。すべてのポイントに集中できたわけではないけれど、決勝までには少し時間があるので100%疲労回復できれば嬉しいけど。
Q:昨夜は何時に寝ましたか?
ダヴィデンコ:夜中の3時。試合を終わって出て来たのが1時。マッサージを1時間半やってもらったし。でも7時間くらい寝てるから大丈夫だった。
Q:寝るときは一人なんですか?(おお!何という質問!でも聞いてみたい。)
ダヴィデンコ:カモーン!(爆笑)僕は妻がいるんだよ。カモーン!僕が二人、いや3人の女性と寝てるって思ってるの?
Q:でもロシア人だし。(この記者、めっちゃに面白い!座布団あげて!)
ダヴィデンコ:僕はロシアに帰化したけれど、サフィンじゃないよ。(爆笑)
(サフィンはトーナメント中にナイトクラブ通いをして、よく数人の女の子をひっかけてくるのです。トーナメントにはサフィンのボックスにセクシーな女性がずらりと並んでいるので有名でした。このようなサフィンのグルーピーをSafinette サフィネットと呼んでました。)
普段はあまり笑顔をみせないダヴィですが、勝利のあとの記者会見では終始にこにこ顔。けっさくなコメントがありましたので紹介したいと思います。
( )は私のコメントです。
2009年11月28日
ロンドンファイナルズの準決勝:
Davydenko def Federer: 6-2, 4-6, 7-5
ダヴィデンコ: (部屋に入るなり)WOW! 今日はこんなに一杯集まってすごいね!(彼は地味ですので、今まではインタービュー室に来る記者はそれほどいなかったのです)
Q:ついにやりましたね!どうやって勝てたんですか?
ダヴィデンコ:皆がその答えをしりたがるだろうね。僕の家族、友人、チームの皆がこの瞬間を待っていたからね。僕はトップ10の選手には皆勝っているんだよ。フェデラーを除いてはね。でも彼に勝つのは来年か再来年かなと思っていたから、今年に実現したことは本当に嬉しいよ。
Q:今日の試合で、これからラケットのスポンサーがつくと思いますか?(えっ?プリンスじゃなかったっけ?)
ダヴィデンコ:ラケットのスポンサーを見つけるのは問題ないよ。問題はラケットなんだ。決められたラケットだけしかプレーできないことが問題なんだ。時には違ったラケットの方がいい場合がある。お金の問題じゃないよ。
Q:今までフェデラーに12回も負けていたわけですが、コートに入るまでどんなことを考えていましたか?
ダヴィデンコ:別に何も考えていなかったよ。負けたら家に帰ろうと思っていたから。絶対勝ってやろうなんて気はなかった。だからプレッシャーはなかった。
ただ今までよいプレーをしてきたから、特に昨日はソダーリングに勝っているし、この調子を出せばよいと思っていただけだ。
Q:今日の試合は今までの12試合と違った作戦をつかいましたか?
ダヴィデンコ:いや別に。フェデラーのスライスはむずかしいからね。彼はスライスのあとトップスピンのハードヒットを打ってくるし。僕がやったのは、ときどきヴォレーやサーヴ、そしてリターンのエースをうつこと。(笑)
Q:とても嬉しそうですね。この大会に優勝するよりもフェデラーに勝った方が嬉しいですか?
ダヴィデンコ:多分ね。何しろロジャーだけだったんだから。勝てなかったのは。
No.1に勝てたのだから、これからはNo.2やNo.3にも勝てるかもしれないという自信ができるからね。10%のチャンスで勝てるかも、という気持ちで試合に出るのとは違う。
Q:決勝はデルポトロですが、どんな試合になると思いますか?
ダヴィデンコ:彼はいい奴だよ。僕たちはよく話をするしプラクティスも一緒にすることがある。彼はベースライナーだけれど、球が速くなってるし、サーヴもよくなっている。デルポと明日決勝戦で戦いたいと思っているけれど、これはどちらが勝つか分からないから何ともいえない。(ということは、勝ったソダーリングよりもデルポの方がよい?)
Q:ソダーリングもいい奴ですか?(この質問には私は大笑い。ソダーリングは最近は態度がよくなったものの、選手の間であまり人気のない選手ですので、記者がダヴィをからかった質問)
ダヴィデンコ:たぶんね。僕は話をしたことがないから知らない。(うまい逃げ方)彼を恐がっているかけではないけど、彼との試合はいつもむずかしい。
Q:昨日と今日の試合の間に15時間しかありませんでしたが、疲れましたか?
ダヴィデンコ:本当に疲れたよ。すべてのポイントに集中できたわけではないけれど、決勝までには少し時間があるので100%疲労回復できれば嬉しいけど。
Q:昨夜は何時に寝ましたか?
ダヴィデンコ:夜中の3時。試合を終わって出て来たのが1時。マッサージを1時間半やってもらったし。でも7時間くらい寝てるから大丈夫だった。
Q:寝るときは一人なんですか?(おお!何という質問!でも聞いてみたい。)
ダヴィデンコ:カモーン!(爆笑)僕は妻がいるんだよ。カモーン!僕が二人、いや3人の女性と寝てるって思ってるの?
Q:でもロシア人だし。(この記者、めっちゃに面白い!座布団あげて!)
ダヴィデンコ:僕はロシアに帰化したけれど、サフィンじゃないよ。(爆笑)
(サフィンはトーナメント中にナイトクラブ通いをして、よく数人の女の子をひっかけてくるのです。トーナメントにはサフィンのボックスにセクシーな女性がずらりと並んでいるので有名でした。このようなサフィンのグルーピーをSafinette サフィネットと呼んでました。)
2009年11月29日
ダヴィデンコが念願の打倒フェデラー
Twitter実況 Davydenko def Federer: 6-2, 4-6, 7-5
いよいよフェデラーvsダヴィデンコが始まります。彼らの過去の対戦成績は12勝0敗でフェデラーの勝ち。しかもハードコートのセット数ではフェデラーは19セット勝4セット敗の圧倒的な強さ。足を痛めているダヴィがフェデラーを下す可能性は低いですが、ダヴィデンコに健闘してほしいと思います。
フェデラーがいつものように第1セットを落としてしまうと、ショットの安定したダヴィデンコに勝つのはむずかしい。フェデラーが勝つにはサーヴが鍵。サーヴがよいとフォアのストロークにリズムが出て、ダヴィデンコにプレッシャーを与えることができる。
ストリーミングとテレビの2台で観戦していますが、今日はストリーミングが5分以上早く放送!(普段は30秒くらい)なぜ??これだけ離れてしまえば混乱してしまいそう。ライスコではもう第3ゲーム。TVはまだウォーミングアップ中
かなり遅れた放送を聞きながらか実況していますので、実況になりませんがお許しを。
第1セット
第1ゲームはフェデのサーヴで40-0でホールド。
第2ゲーム(1-0)ダヴィS(Sはサーヴの略):
昨日のソダーリングとのマッチの疲れがまだ残っているのか、ダヴィはすでに15-40のBP(ブレークポイント)しかしフェデのルースなフォアがネットに。ダヴィがエラーなしのショットでフェデを攻めブレークから逃れました。
第3ゲーム(1-1)フェデS:
フェデが簡単なヴォレーミス。これは最後にショット選択を変えたため?またフェデのフォアがロング。30-40BP フェデのフォアのエラーが続く。どうしてもリズムが得られないフェデ。ダヴィはラリーを辛抱強く続けるだけでフェデが自滅してくれる。フェデがブレークされました。
第4ゲーム(1-2)ダヴィS:
エラーをするのはフェデだけでなく、ダヴィもめずらしくエラーが多い二人の緊張したゲーム。しかしようやくダヴィがゲームをホールド。
第5ゲーム(1-3)フェデS:
フェデの1stサーヴはまだ40% フェデのサーヴがよくならなければ、フォアもよくならない。ダヴィのリターンがさえ、またフェデをブレーク。どうしたフェデラー!?
第6ゲーム(1-4)ダヴィS:
ダヴィがネットダッシュ。アングルヴォレーを決めアグレッシヴにフェデを攻めます。ダヴィに余裕がでてきたので、ショットもライン上を狙うガッツのあるショット。しかしフェデは落ち着いてエラーをなくし、ダヴィをブレークバックしました。
第7ゲーム(2-4)フェデS:
ブレークバックしたフェデが、フォアのエラーを少なくすることができるか? この一年半フォアがランダムでなかなかタイミングがとれないフェデです。30-40でBP 今度はバックハンドがワイドにそれてまたブレークされてしまいました!
第8ゲーム(2-5)ダヴィS:
ダヴィのサーヴのプレースメントがよくフェデはリターンできない。40-0 ダヴィの2ndサーヴを狙ってフェデがバックのリターンウィナー。しかしまたもやダヴィのサーヴィスウィナー。普段のフェデならリターンできそうなのに? ダヴィデンコが第1セットをとりました。
フェデはすでに12のアンフォーストエラー。ダヴィは4のみ。ダヴィはラリーを続けるだけで、フェデが自滅のテニスをやってくれています。やっと57%までサーヴを上げてきたフェデはいつものパターンで上げ調子を続けることができるか?
第2セット:
第3ゲーム(1-1)フェデS:
フェデのストロークがクリーンになってきました。これからがダヴィがどのようにフェデを攻めていくか? フェデのギアが上がるとともに、ダヴィのギアも上げなくてはなりません。ダヴィのパーフェクト・アングルヴォレーが決まりました!ソフトハンドで見事にウィナーです。
第4ゲーム(2-1)ダヴィS:
ダヴィがヴォレーの選択を誤ってアウト。普段のダヴィはドライヴ・ヴォレーで決めるところをハーフヴォレーでタイミングを失いました。ダヴィの甘いヴォレーをフェデは叩かず逆に叩かれてチャンスを失ってしまいます。フェデらしくない。ダヴィはエラーを続けて苦戦。
第5ゲーム(2-2)フェデS:
何度もデュースを繰り返しながらブレークできなかったフェデですが、エラーが減りフォアも安定してきたようです。400の強いサーヴィスゲーム。それにくらべてダヴィのサーヴィスゲームはデュースが続きホールドするのがやっと。
第6ゲーム(3-2)ダヴィS:
ダヴィが両手バックハンドのヴォレーでウィナー。ダヴィはパワー負けしまうので、両手を使いますが、ラケットフェースを固定して確実に入れることができるメリットもあり。私もときどき使います。しかしダヴィはいつも両手のバックハンドですので、リーチが狭いのが難点。
第7ゲーム(3-3)フェデS:
やっと出ました!フェデのフォアのアングルクロスのウィナーです!フラットで完璧なウィナー。また40-0で圧倒的に強いフェデのサーヴィスゲーム。
第8ゲーム(4-3)ダヴィS:
フェデの強いサーヴィスゲームが続き、ダヴィに大きなプレッシャーがかかってきました。勝ち急ぎをしてはならない。ダヴィの見事なフォアのパッシング。スライスでクロスが決まります。最後はダヴィはワイドサーヴでエースを決めました。
第9ゲーム(4-4)フェデS:
リズムを得始め、クリーンに打ち始めたフェデに対して、ダヴィはディープとショートのショットをミックスしながら、フェデのリズムを崩そうとしています。今までのようにフェデの40-0の圧倒的なゲームではなくデュースに。しかしフェデは無事ゲームをホールドしました。
第10ゲーム(5-4)ダヴィS:
ストロークが安定してきたフェデは、ダヴィを左右に振り回します。ダヴィの俊足でもとれない。ダヴィにプレッシャーが増えエラーが出てきました。ロング、ネットと2ポイントを失って15-40のBP ダヴィのフォアが大きくワイドに!フェデが第2セット勝利
第3セット:
フェデの典型的な勝利のパターンに近づいてきました。徐々にピッチをあげてくるフェデ。ダヴィは焦りがでてエラーが増える。あとはメンタルの勝負です。
第1ゲーム(0-0)フェデS:
二人の不可能なショットの応酬。フェデに自信がうまれ自由にスウィングしています。このフェデを倒すことが果たしてダヴィにできるかどうか?
第2ゲーム(1-0)ダヴィS:
第2セットのフェデのコート内のポジションが41%で、アグレッシヴになってきました。(第1セットは31%)ダヴィがバックのスライスを混ぜてフェデがネットにかけてしまいます。なかなかダヴィのうまい作戦。
第3ゲーム(1-1)フェデS:
フェデはドロップショット、ネットダッシュをミックスしながら、40-0で問題なくサーヴィスゲームをホールドしました。なかなかいい感じのフェデのゲーム展開です。
第4ゲーム(2-1)ダヴィS:
ダヴィのエース。ダヴィの変わった両手のバックハンドヴォレーがネット。やっぱり片手も使えるようになったほうがよいのでは? ダヴィの1stサーヴは54%ですが、2ndサーヴがよく68%もポイントを得ています。それにくらべてフェデは42%。ダヴィの2ndサーヴをもっとアグレッシヴに狙ってもよいかも。
第7ゲーム(3-3)フェデS:
二人のサーヴィスゲームは強くブレークされる気配がありません。このまま続けばタイブレークかも。フェデラーファンの夫が側で話かけるのでなかなか集中して書けない!
第8ゲーム(4-3)ダヴィS:
ダヴィのサーヴィスゲームが強く40-0でホールドしました。二人のサーヴがよいのでゲームの展開が速い。
第9ゲーム(4-4)フェデS:
エース7本目。ラリーがほとんど続かず、ワン・ツー・パンチのサーヴィスゲーム。サーヴが二人ともよいのでブレークチャンスをつかめない。
第10ゲーム(5-4)ダヴィS:
フェデのラッキーネット・コード。信じられないフェデのラニング・オーヴァーヘッドのウィナー!いかにアスリートとしてフェデがすぐれているか。会場は大拍手。しかしダヴィは冷静にフェデを左右に振り回し、フェデはネットにかけてしまう。
第11ゲーム(5-5)フェデS:
緊張した長いラリー。ダヴィのマシーンのような正確なショットでフェデを攻めます。ダヴィのすばらしいフォアのディフェンスのスライスクロス。フェデがとれない。フェデがネットして初めてのピンチのBP 2ndサーヴをダヴィはアタック!ダヴィがフェデをブレークしました!
第12ゲーム(5-6)ダヴィS:
ネットしてブレークされてしまったフェデがダヴィをブレークバックできるか? ワイドサーヴでフェデをコート外に。エース。しかし3つのエラーがつづき30-30 1stサーヴが入らないダヴィ。フェデのバッククロスが美しく決まってBP
ダヴィのファオのクロスがウィナーとなりました。強気のダヴィ。そしてサーヴィスウィナーでマッチポイント!フェデがネットしてしまいました。ダヴィが勝ちました!13対戦で初めてフェでを破ったダヴィ。アグレッシヴでしかも冷静なすばらしいテニスをみせてくれました。
最後の2セットはフェデの調子がよかったにもかかわらず勝てなかったのは、重要なポイントをとれなかったことが大きな原因。6のBPでとれたのは2ポイントのみ。反対にダヴィは5BPのうち4ポイントをとっています。この差はメンタルの差かもしれません。ダヴィは絶対にあきらめなかった。どうしてもフェデを倒したかったダヴィの念願の勝利でした。
いよいよフェデラーvsダヴィデンコが始まります。彼らの過去の対戦成績は12勝0敗でフェデラーの勝ち。しかもハードコートのセット数ではフェデラーは19セット勝4セット敗の圧倒的な強さ。足を痛めているダヴィがフェデラーを下す可能性は低いですが、ダヴィデンコに健闘してほしいと思います。
フェデラーがいつものように第1セットを落としてしまうと、ショットの安定したダヴィデンコに勝つのはむずかしい。フェデラーが勝つにはサーヴが鍵。サーヴがよいとフォアのストロークにリズムが出て、ダヴィデンコにプレッシャーを与えることができる。
ストリーミングとテレビの2台で観戦していますが、今日はストリーミングが5分以上早く放送!(普段は30秒くらい)なぜ??これだけ離れてしまえば混乱してしまいそう。ライスコではもう第3ゲーム。TVはまだウォーミングアップ中
かなり遅れた放送を聞きながらか実況していますので、実況になりませんがお許しを。
第1セット
第1ゲームはフェデのサーヴで40-0でホールド。
第2ゲーム(1-0)ダヴィS(Sはサーヴの略):
昨日のソダーリングとのマッチの疲れがまだ残っているのか、ダヴィはすでに15-40のBP(ブレークポイント)しかしフェデのルースなフォアがネットに。ダヴィがエラーなしのショットでフェデを攻めブレークから逃れました。
第3ゲーム(1-1)フェデS:
フェデが簡単なヴォレーミス。これは最後にショット選択を変えたため?またフェデのフォアがロング。30-40BP フェデのフォアのエラーが続く。どうしてもリズムが得られないフェデ。ダヴィはラリーを辛抱強く続けるだけでフェデが自滅してくれる。フェデがブレークされました。
第4ゲーム(1-2)ダヴィS:
エラーをするのはフェデだけでなく、ダヴィもめずらしくエラーが多い二人の緊張したゲーム。しかしようやくダヴィがゲームをホールド。
第5ゲーム(1-3)フェデS:
フェデの1stサーヴはまだ40% フェデのサーヴがよくならなければ、フォアもよくならない。ダヴィのリターンがさえ、またフェデをブレーク。どうしたフェデラー!?
第6ゲーム(1-4)ダヴィS:
ダヴィがネットダッシュ。アングルヴォレーを決めアグレッシヴにフェデを攻めます。ダヴィに余裕がでてきたので、ショットもライン上を狙うガッツのあるショット。しかしフェデは落ち着いてエラーをなくし、ダヴィをブレークバックしました。
第7ゲーム(2-4)フェデS:
ブレークバックしたフェデが、フォアのエラーを少なくすることができるか? この一年半フォアがランダムでなかなかタイミングがとれないフェデです。30-40でBP 今度はバックハンドがワイドにそれてまたブレークされてしまいました!
第8ゲーム(2-5)ダヴィS:
ダヴィのサーヴのプレースメントがよくフェデはリターンできない。40-0 ダヴィの2ndサーヴを狙ってフェデがバックのリターンウィナー。しかしまたもやダヴィのサーヴィスウィナー。普段のフェデならリターンできそうなのに? ダヴィデンコが第1セットをとりました。
フェデはすでに12のアンフォーストエラー。ダヴィは4のみ。ダヴィはラリーを続けるだけで、フェデが自滅のテニスをやってくれています。やっと57%までサーヴを上げてきたフェデはいつものパターンで上げ調子を続けることができるか?
第2セット:
第3ゲーム(1-1)フェデS:
フェデのストロークがクリーンになってきました。これからがダヴィがどのようにフェデを攻めていくか? フェデのギアが上がるとともに、ダヴィのギアも上げなくてはなりません。ダヴィのパーフェクト・アングルヴォレーが決まりました!ソフトハンドで見事にウィナーです。
第4ゲーム(2-1)ダヴィS:
ダヴィがヴォレーの選択を誤ってアウト。普段のダヴィはドライヴ・ヴォレーで決めるところをハーフヴォレーでタイミングを失いました。ダヴィの甘いヴォレーをフェデは叩かず逆に叩かれてチャンスを失ってしまいます。フェデらしくない。ダヴィはエラーを続けて苦戦。
第5ゲーム(2-2)フェデS:
何度もデュースを繰り返しながらブレークできなかったフェデですが、エラーが減りフォアも安定してきたようです。400の強いサーヴィスゲーム。それにくらべてダヴィのサーヴィスゲームはデュースが続きホールドするのがやっと。
第6ゲーム(3-2)ダヴィS:
ダヴィが両手バックハンドのヴォレーでウィナー。ダヴィはパワー負けしまうので、両手を使いますが、ラケットフェースを固定して確実に入れることができるメリットもあり。私もときどき使います。しかしダヴィはいつも両手のバックハンドですので、リーチが狭いのが難点。
第7ゲーム(3-3)フェデS:
やっと出ました!フェデのフォアのアングルクロスのウィナーです!フラットで完璧なウィナー。また40-0で圧倒的に強いフェデのサーヴィスゲーム。
第8ゲーム(4-3)ダヴィS:
フェデの強いサーヴィスゲームが続き、ダヴィに大きなプレッシャーがかかってきました。勝ち急ぎをしてはならない。ダヴィの見事なフォアのパッシング。スライスでクロスが決まります。最後はダヴィはワイドサーヴでエースを決めました。
第9ゲーム(4-4)フェデS:
リズムを得始め、クリーンに打ち始めたフェデに対して、ダヴィはディープとショートのショットをミックスしながら、フェデのリズムを崩そうとしています。今までのようにフェデの40-0の圧倒的なゲームではなくデュースに。しかしフェデは無事ゲームをホールドしました。
第10ゲーム(5-4)ダヴィS:
ストロークが安定してきたフェデは、ダヴィを左右に振り回します。ダヴィの俊足でもとれない。ダヴィにプレッシャーが増えエラーが出てきました。ロング、ネットと2ポイントを失って15-40のBP ダヴィのフォアが大きくワイドに!フェデが第2セット勝利
第3セット:
フェデの典型的な勝利のパターンに近づいてきました。徐々にピッチをあげてくるフェデ。ダヴィは焦りがでてエラーが増える。あとはメンタルの勝負です。
第1ゲーム(0-0)フェデS:
二人の不可能なショットの応酬。フェデに自信がうまれ自由にスウィングしています。このフェデを倒すことが果たしてダヴィにできるかどうか?
第2ゲーム(1-0)ダヴィS:
第2セットのフェデのコート内のポジションが41%で、アグレッシヴになってきました。(第1セットは31%)ダヴィがバックのスライスを混ぜてフェデがネットにかけてしまいます。なかなかダヴィのうまい作戦。
第3ゲーム(1-1)フェデS:
フェデはドロップショット、ネットダッシュをミックスしながら、40-0で問題なくサーヴィスゲームをホールドしました。なかなかいい感じのフェデのゲーム展開です。
第4ゲーム(2-1)ダヴィS:
ダヴィのエース。ダヴィの変わった両手のバックハンドヴォレーがネット。やっぱり片手も使えるようになったほうがよいのでは? ダヴィの1stサーヴは54%ですが、2ndサーヴがよく68%もポイントを得ています。それにくらべてフェデは42%。ダヴィの2ndサーヴをもっとアグレッシヴに狙ってもよいかも。
第7ゲーム(3-3)フェデS:
二人のサーヴィスゲームは強くブレークされる気配がありません。このまま続けばタイブレークかも。フェデラーファンの夫が側で話かけるのでなかなか集中して書けない!
第8ゲーム(4-3)ダヴィS:
ダヴィのサーヴィスゲームが強く40-0でホールドしました。二人のサーヴがよいのでゲームの展開が速い。
第9ゲーム(4-4)フェデS:
エース7本目。ラリーがほとんど続かず、ワン・ツー・パンチのサーヴィスゲーム。サーヴが二人ともよいのでブレークチャンスをつかめない。
第10ゲーム(5-4)ダヴィS:
フェデのラッキーネット・コード。信じられないフェデのラニング・オーヴァーヘッドのウィナー!いかにアスリートとしてフェデがすぐれているか。会場は大拍手。しかしダヴィは冷静にフェデを左右に振り回し、フェデはネットにかけてしまう。
第11ゲーム(5-5)フェデS:
緊張した長いラリー。ダヴィのマシーンのような正確なショットでフェデを攻めます。ダヴィのすばらしいフォアのディフェンスのスライスクロス。フェデがとれない。フェデがネットして初めてのピンチのBP 2ndサーヴをダヴィはアタック!ダヴィがフェデをブレークしました!
第12ゲーム(5-6)ダヴィS:
ネットしてブレークされてしまったフェデがダヴィをブレークバックできるか? ワイドサーヴでフェデをコート外に。エース。しかし3つのエラーがつづき30-30 1stサーヴが入らないダヴィ。フェデのバッククロスが美しく決まってBP
ダヴィのファオのクロスがウィナーとなりました。強気のダヴィ。そしてサーヴィスウィナーでマッチポイント!フェデがネットしてしまいました。ダヴィが勝ちました!13対戦で初めてフェでを破ったダヴィ。アグレッシヴでしかも冷静なすばらしいテニスをみせてくれました。
最後の2セットはフェデの調子がよかったにもかかわらず勝てなかったのは、重要なポイントをとれなかったことが大きな原因。6のBPでとれたのは2ポイントのみ。反対にダヴィは5BPのうち4ポイントをとっています。この差はメンタルの差かもしれません。ダヴィは絶対にあきらめなかった。どうしてもフェデを倒したかったダヴィの念願の勝利でした。
2009年11月29日
巨人の対決:デルポトロvsソダーリング
二人の巨人の対決は期待とおりすざましく見応え十分でした。サーヴの強い二人は、サーヴィスゲームの展開が早く、ラリーの応酬というよりはサーヴの応酬。
デルポトロvsソダーリングは日本では早朝の放送で見逃した方のために、Twitterの実況解説をまとめてみました。読みづらいと思いますが、雰囲気だけでもどうぞ。
デルポ(デルポトロ)とソダ(ソダーリング)の過去対戦は引き分けの1勝1敗。今年はデルポがオークランドで勝っています。昨日のダヴィデンコで負けたとはいえ、ソダはインドアのチャンピオンです。デルポはフェデラーを倒して自信満々。どちらも大男でビッグサーヴ、ビッグフォアハンド。果たして今日はどのような試合をみせてくれるでしょうか?
Del Potro def Soderling: 6-7(1), 6-3, 7-6(3)
第1セット:
第1ゲーム(0-0)ソダS(Sはサーヴ):
コイントスでソダがサーヴを選びました。ソダが有利に試合を展開するには、サーヴの確率を高くし、ラリーを続けない。デルポの方がショットが安定していますのでラリーを続けるとソダにエラーが生じます。ソダは早くも40-0の強いサーヴィスゲーム。緊張しているとは思えない落ち着きです。
第2ゲーム(1-0)デルポS:
40-30 サーヴィスもよく。今のところはデルポも問題なしのサーヴィスゲーム。
第3ゲーム(1-1)ソダS:
ソダのエラーですでに0-40のBP(ブレークポイント) デルポがかなりセーヴしたフォアで今のところロケット弾は出ていない。ソダのエース2本。サーヴィスウィナーでブレークを免れたソダのサーヴは強し。
第4ゲーム(2-1)デルポS:
デルポのウィナーを返したソダの足の速さにびっくり。こんなに速かった? デルポはあくまでもエラーを少なくラリーを長引かせてソダのエラーを狙う作戦。出ました!デルポのロケット弾!今まで観たことのない速さでフォアがコーナーを突き刺さりました。解説者が思わず、「あのファオは光の速度よりも速い!」と表現した解説者の気持ちが分かります。
第5ゲーム(2-2)ソダS:
デルポがクリーンにヒットしています。フォアもバックもスムーズ。ソダのエースです。このサーヴが続くかぎりソダをブレークするのはむずかしい。
第6ゲーム(3-2)デルポS:
デルポが膝をしっかり曲げてバックハンドのインサイドアウトのウィナー。このショットが出て来るとデルポは強い。400 デルポはエースをとってゲームをホールド。
第7ゲーム(3-3)ソダS:
すでに4本のエースでチープポイントを取り続けるソダ。4030最後もサーヴィスウィナー(日本ではノータッチ・エースと呼んでるようですが)
第10ゲーム(5-4)デルポS:
二人のサーヴがよいのでゲームの展開が速い。ソダの得意のフォアのインサイドアウトのウィナーをとりますが、デルポのサーヴが返せません。デルポの1stサーヴの確率はなんと84%にアップ。
第11ゲーム(5-5)ソダS:
エラーを恐れて、二人ともウィナーを狙わないのがちょっと物足りない。セーヴした力で確実性を重要視したショットで安全ラリーが続く。ソダのワイドサーヴは効果がありデルポはとれない。
第12ゲーム(6-5)デルポS:
デルポの2ndサーヴが高くキックしてワイドに。デルポの2ndサーヴはサーヴィスラインぎりぎりを狙うことができ、クウォリティーの点でプロの中でもベストの一人といわれています。あれ?ソダが急にギアアップしてきました。バックのダウンザラインでウィナー。それでは僕もとデルポも全く同じバックのダウンザラインでウィナーをお返ししました!
タイブレーク(6-6):デルポがダブルフォルト。勝ち急いでネットにかけ、0-3とソダにリードを許してしまう。デルポのまたネット。0-4 デルポがまたフォアのエラー。めずらしいエラーの連続。集中力が抜けてしまったデルポ。0-5であぶない
。
デルポが急に気の緩んだフォアのショットでエラー。1-6。セットポイントをソダがエースでとりました。デルポがタイブレークでみせた理解のできないダウンはどういうわけなのか?元気が最初からなかったが、エネルギー度を高めなければ第2セットもあぶない。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)デルポS:
デルポの不可解なエラーの連続でタイブレークをプレゼントしてもらったソダは、集中力が欠けてきたのかエラーの連発。400でデルポはゲームをホールド。
第2ゲーム(0-1)ソダS:
エースで40-0。圧倒的に強いサーヴィスゲーム。しかしソダにフォアのエラーが増えてきました。
第3ゲーム(1-1)デルポS:
ソダは繰り返しデルポのボディーめがけてリターン。体の大きな選手にはこのショットは有効。デルポはジャムって返球できない。しかし最後はデルポがエースで決め、サーヴィスゲームをホールド。
第4ゲーム(1-2)ソダS:
デルポがフォアをネットにかけてぶつぶつ。フォアをロングしてぶつぶつと文句。どうもネガティヴな感じ。なかなか思うようにゲーム展開ができないことへのフラストレーションからか。フェデラーに見せたあの確固と戦うデルポの気迫がない。
第5ゲーム(2-2)デルポS:
デルポは無理をしなくても、ソダのショットに波があるので、エラーをさそうショットを打てばよし。落ち着きがでてきたデルポは、ここで必要なのはギアアップ。
第6ゲーム(2-3)ソダS:
ソダのサーヴはT字や、スライスでワイドに。デルポはソダのサーヴがなかなか読めない。出ました!デルポの十八番、フォアのロケットウィナーです。40-40 ソダはエースとサーヴィスウィナーを打ってデルポにブレークの機会を与えず。
第7ゲーム(3-3)デルポS:
デルポの得意のフォアのインサイドアウトのウィナー。40-15 ソダのリターンがアウト。お互いにサーヴがよいのでブレークできない。
第8ゲーム(3-4)ソダS:
ソダがエース2本。これで13本のエース。まったく崩れる様子がない。14本目のエース。デルポがめずらしくドロップショットを、そしてロブ。リターンエース。アグレッシヴになったデルポはソダをブレーク。
第9ゲーム(3-5)デルポS:
やっとデルポに火がつきました!しかしソダをブレークしたデルポに対して、ソダも負けじとリターンエースとフォアのウィナーを2本。しかしデルポがアグレッシヴにソダを攻め、ソダはデルポのパワーに押されてアウト。デルポが第2セットをとりました!
第3セット:
第1ゲーム(0-0)ソダS:
TVのスタッツではデルポは今までにたったの2つのエラーしていない?この数は少なすぎると思うけれど。それにくらべてソダは12のエラー。この数は当たっている感じ。ともかくデルポのエラーがすくないことは確か。このままエラーの少ない、しかしアグレッシヴな攻めのテニスをつづければ勝利はデルポに。
第2ゲーム(1-0)デルポS:
デルポのスーパバックハンドの返球。ネットダッシュしたソダにバックのクロスのパッシングショット。すばらしいウィナーです。デルポのショットにヘヴィーでスピードがでてきました。ソダが返球できず。
第3ゲーム(1-1)ソダS:
ソダもショットにパワーが。二人のパワフルなラリーが続きます。ダブルフォルトをしても次のサーヴはエースをとれるソダ。ソダの1stサーヴの確率は71%、デルポは73%。デルポのサーヴが落ちてきましたが、それでも7割台をキープ。
第4ゲーム(2-1)デルポS:
デルポの驚異的なバックハンドのアングルクロスのウィナー!そしてまた驚異的なバックハンドのダウンザラインのウィナー。まるで昔のナダルのように走りまくって、不可能なポジションからコートへ打ち込みます!会場も大喜び。デルポも両手をあげてばんざい!このウィナーの連打でモメンタムがデルポに。
あれほどの巨大なからだから、どこからくるのかあの俊足。
第6ゲーム(3-2)デルポS:
ソダのリターンがよくなりました。しかしリターンできても、ラリーでポイントを失ってしまう。ソダはフォアとバックでエラー。しかしアグレッシヴな攻めをやめず、ついにフォアのクロスでウィナーを取りました。40-40 ソダがデルポの2ndサーヴをアタック。デルポがちょっと油断している間に、ソダが一発勝負のリターンでデルポをブレークしてしまいました。
第7ゲーム(4-2)ソダS:
しかしこのブレークでデルポが目を覚ましたました。インテンシヴにソダにカウンターチャンスを与えずブレークバックに成功!
第8ゲーム(4-3)デルポS:
デルポがこのままエネルギーレベルを維持できるかどうか?ソダはデルポのボディーにリターンしてデルポがとれない。030 しかしデルポはガッツのあるバックのダウンザラインを打ち放しソダはとれない。極端な角度のワイドのサーヴィスエース。デルポのテンションがアップしてきました!
第9ゲーム(4-4)ソダS:
ソダのサーヴがさらによくなりデルポはとれない。400
第10ゲーム(5-4)デルポS:
それにしてもほとんどの1stサーヴをリターンしてしまうソダのリターン力はすごい。しかしラリーが続かないのが欠点。400でデルポはゲームをホールド。
第11ゲーム(5-5)ソダS:
ソダは2度のダブルフォルト。ぼちぼち固くなってきたソダ。デルポもショットにコミットできない感じ。固い。フォアでアウトしてしまいます。
第12ゲーム(6-5)デルポS:
フォアとバックにエラーが出始めたデルポ。自分を信じて振り切らなければ。ソダはアグレッシヴにエラーを恐れずデルポを攻撃。しかしブレークできない。
タイブレーク(6-6):最初にデルポの見事なバックのダウンザラインのウィナーが決まりました。実にスムーズで美しい。そしてデルポのサーヴィスウィナーで2-0とリード。ガッツのあるデルポのワイドの2ndサーヴのウィナーで3-0。ソダがフォアがウィナーを狙うがアウト。デルポが4-0のリード。
ソダのエースでやっとソダが1ポイントをとりました。デルポのウィナーがネットコードでわずかにアウト。デルポのエースで5-2。長いラリーでソダはウィナーを狙ったがネットにかけてしまいます。6-2でデルポがリード。マッチポイントです!ソダがエースを打って待ったをかけます。
マッチポイント。デルポがエースでマッチポイントをとりました!両手を広げて大声で吠えるデルポ! 一時メンタルのゆるみがありましたが、最後までよく戦い抜きました!
デルポトロvsソダーリングは日本では早朝の放送で見逃した方のために、Twitterの実況解説をまとめてみました。読みづらいと思いますが、雰囲気だけでもどうぞ。
デルポ(デルポトロ)とソダ(ソダーリング)の過去対戦は引き分けの1勝1敗。今年はデルポがオークランドで勝っています。昨日のダヴィデンコで負けたとはいえ、ソダはインドアのチャンピオンです。デルポはフェデラーを倒して自信満々。どちらも大男でビッグサーヴ、ビッグフォアハンド。果たして今日はどのような試合をみせてくれるでしょうか?
Del Potro def Soderling: 6-7(1), 6-3, 7-6(3)
第1セット:
第1ゲーム(0-0)ソダS(Sはサーヴ):
コイントスでソダがサーヴを選びました。ソダが有利に試合を展開するには、サーヴの確率を高くし、ラリーを続けない。デルポの方がショットが安定していますのでラリーを続けるとソダにエラーが生じます。ソダは早くも40-0の強いサーヴィスゲーム。緊張しているとは思えない落ち着きです。
第2ゲーム(1-0)デルポS:
40-30 サーヴィスもよく。今のところはデルポも問題なしのサーヴィスゲーム。
第3ゲーム(1-1)ソダS:
ソダのエラーですでに0-40のBP(ブレークポイント) デルポがかなりセーヴしたフォアで今のところロケット弾は出ていない。ソダのエース2本。サーヴィスウィナーでブレークを免れたソダのサーヴは強し。
第4ゲーム(2-1)デルポS:
デルポのウィナーを返したソダの足の速さにびっくり。こんなに速かった? デルポはあくまでもエラーを少なくラリーを長引かせてソダのエラーを狙う作戦。出ました!デルポのロケット弾!今まで観たことのない速さでフォアがコーナーを突き刺さりました。解説者が思わず、「あのファオは光の速度よりも速い!」と表現した解説者の気持ちが分かります。
第5ゲーム(2-2)ソダS:
デルポがクリーンにヒットしています。フォアもバックもスムーズ。ソダのエースです。このサーヴが続くかぎりソダをブレークするのはむずかしい。
第6ゲーム(3-2)デルポS:
デルポが膝をしっかり曲げてバックハンドのインサイドアウトのウィナー。このショットが出て来るとデルポは強い。400 デルポはエースをとってゲームをホールド。
第7ゲーム(3-3)ソダS:
すでに4本のエースでチープポイントを取り続けるソダ。4030最後もサーヴィスウィナー(日本ではノータッチ・エースと呼んでるようですが)
第10ゲーム(5-4)デルポS:
二人のサーヴがよいのでゲームの展開が速い。ソダの得意のフォアのインサイドアウトのウィナーをとりますが、デルポのサーヴが返せません。デルポの1stサーヴの確率はなんと84%にアップ。
第11ゲーム(5-5)ソダS:
エラーを恐れて、二人ともウィナーを狙わないのがちょっと物足りない。セーヴした力で確実性を重要視したショットで安全ラリーが続く。ソダのワイドサーヴは効果がありデルポはとれない。
第12ゲーム(6-5)デルポS:
デルポの2ndサーヴが高くキックしてワイドに。デルポの2ndサーヴはサーヴィスラインぎりぎりを狙うことができ、クウォリティーの点でプロの中でもベストの一人といわれています。あれ?ソダが急にギアアップしてきました。バックのダウンザラインでウィナー。それでは僕もとデルポも全く同じバックのダウンザラインでウィナーをお返ししました!
タイブレーク(6-6):デルポがダブルフォルト。勝ち急いでネットにかけ、0-3とソダにリードを許してしまう。デルポのまたネット。0-4 デルポがまたフォアのエラー。めずらしいエラーの連続。集中力が抜けてしまったデルポ。0-5であぶない
。
デルポが急に気の緩んだフォアのショットでエラー。1-6。セットポイントをソダがエースでとりました。デルポがタイブレークでみせた理解のできないダウンはどういうわけなのか?元気が最初からなかったが、エネルギー度を高めなければ第2セットもあぶない。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)デルポS:
デルポの不可解なエラーの連続でタイブレークをプレゼントしてもらったソダは、集中力が欠けてきたのかエラーの連発。400でデルポはゲームをホールド。
第2ゲーム(0-1)ソダS:
エースで40-0。圧倒的に強いサーヴィスゲーム。しかしソダにフォアのエラーが増えてきました。
第3ゲーム(1-1)デルポS:
ソダは繰り返しデルポのボディーめがけてリターン。体の大きな選手にはこのショットは有効。デルポはジャムって返球できない。しかし最後はデルポがエースで決め、サーヴィスゲームをホールド。
第4ゲーム(1-2)ソダS:
デルポがフォアをネットにかけてぶつぶつ。フォアをロングしてぶつぶつと文句。どうもネガティヴな感じ。なかなか思うようにゲーム展開ができないことへのフラストレーションからか。フェデラーに見せたあの確固と戦うデルポの気迫がない。
第5ゲーム(2-2)デルポS:
デルポは無理をしなくても、ソダのショットに波があるので、エラーをさそうショットを打てばよし。落ち着きがでてきたデルポは、ここで必要なのはギアアップ。
第6ゲーム(2-3)ソダS:
ソダのサーヴはT字や、スライスでワイドに。デルポはソダのサーヴがなかなか読めない。出ました!デルポの十八番、フォアのロケットウィナーです。40-40 ソダはエースとサーヴィスウィナーを打ってデルポにブレークの機会を与えず。
第7ゲーム(3-3)デルポS:
デルポの得意のフォアのインサイドアウトのウィナー。40-15 ソダのリターンがアウト。お互いにサーヴがよいのでブレークできない。
第8ゲーム(3-4)ソダS:
ソダがエース2本。これで13本のエース。まったく崩れる様子がない。14本目のエース。デルポがめずらしくドロップショットを、そしてロブ。リターンエース。アグレッシヴになったデルポはソダをブレーク。
第9ゲーム(3-5)デルポS:
やっとデルポに火がつきました!しかしソダをブレークしたデルポに対して、ソダも負けじとリターンエースとフォアのウィナーを2本。しかしデルポがアグレッシヴにソダを攻め、ソダはデルポのパワーに押されてアウト。デルポが第2セットをとりました!
第3セット:
第1ゲーム(0-0)ソダS:
TVのスタッツではデルポは今までにたったの2つのエラーしていない?この数は少なすぎると思うけれど。それにくらべてソダは12のエラー。この数は当たっている感じ。ともかくデルポのエラーがすくないことは確か。このままエラーの少ない、しかしアグレッシヴな攻めのテニスをつづければ勝利はデルポに。
第2ゲーム(1-0)デルポS:
デルポのスーパバックハンドの返球。ネットダッシュしたソダにバックのクロスのパッシングショット。すばらしいウィナーです。デルポのショットにヘヴィーでスピードがでてきました。ソダが返球できず。
第3ゲーム(1-1)ソダS:
ソダもショットにパワーが。二人のパワフルなラリーが続きます。ダブルフォルトをしても次のサーヴはエースをとれるソダ。ソダの1stサーヴの確率は71%、デルポは73%。デルポのサーヴが落ちてきましたが、それでも7割台をキープ。
第4ゲーム(2-1)デルポS:
デルポの驚異的なバックハンドのアングルクロスのウィナー!そしてまた驚異的なバックハンドのダウンザラインのウィナー。まるで昔のナダルのように走りまくって、不可能なポジションからコートへ打ち込みます!会場も大喜び。デルポも両手をあげてばんざい!このウィナーの連打でモメンタムがデルポに。
あれほどの巨大なからだから、どこからくるのかあの俊足。
第6ゲーム(3-2)デルポS:
ソダのリターンがよくなりました。しかしリターンできても、ラリーでポイントを失ってしまう。ソダはフォアとバックでエラー。しかしアグレッシヴな攻めをやめず、ついにフォアのクロスでウィナーを取りました。40-40 ソダがデルポの2ndサーヴをアタック。デルポがちょっと油断している間に、ソダが一発勝負のリターンでデルポをブレークしてしまいました。
第7ゲーム(4-2)ソダS:
しかしこのブレークでデルポが目を覚ましたました。インテンシヴにソダにカウンターチャンスを与えずブレークバックに成功!
第8ゲーム(4-3)デルポS:
デルポがこのままエネルギーレベルを維持できるかどうか?ソダはデルポのボディーにリターンしてデルポがとれない。030 しかしデルポはガッツのあるバックのダウンザラインを打ち放しソダはとれない。極端な角度のワイドのサーヴィスエース。デルポのテンションがアップしてきました!
第9ゲーム(4-4)ソダS:
ソダのサーヴがさらによくなりデルポはとれない。400
第10ゲーム(5-4)デルポS:
それにしてもほとんどの1stサーヴをリターンしてしまうソダのリターン力はすごい。しかしラリーが続かないのが欠点。400でデルポはゲームをホールド。
第11ゲーム(5-5)ソダS:
ソダは2度のダブルフォルト。ぼちぼち固くなってきたソダ。デルポもショットにコミットできない感じ。固い。フォアでアウトしてしまいます。
第12ゲーム(6-5)デルポS:
フォアとバックにエラーが出始めたデルポ。自分を信じて振り切らなければ。ソダはアグレッシヴにエラーを恐れずデルポを攻撃。しかしブレークできない。
タイブレーク(6-6):最初にデルポの見事なバックのダウンザラインのウィナーが決まりました。実にスムーズで美しい。そしてデルポのサーヴィスウィナーで2-0とリード。ガッツのあるデルポのワイドの2ndサーヴのウィナーで3-0。ソダがフォアがウィナーを狙うがアウト。デルポが4-0のリード。
ソダのエースでやっとソダが1ポイントをとりました。デルポのウィナーがネットコードでわずかにアウト。デルポのエースで5-2。長いラリーでソダはウィナーを狙ったがネットにかけてしまいます。6-2でデルポがリード。マッチポイントです!ソダがエースを打って待ったをかけます。
マッチポイント。デルポがエースでマッチポイントをとりました!両手を広げて大声で吠えるデルポ! 一時メンタルのゆるみがありましたが、最後までよく戦い抜きました!
2009年11月28日
フェデラーが絶賛するデルポトロの進歩
昨日のフェデラー vs デルポトロは3セットのフルマッチ、6-2, 6-7, 6-3でデルポトロがUS オープンに引き続きフェデラーに勝利をおさめました。
前回の記事でいかにデルポトロがこの一年に進歩したか、その感想をのべましたが、実際対戦をしたフェデラーがデルポを絶賛しました。彼のコメントここで紹介したいと思います。
Q:以前デルポトロはもっと向上するところがいろいろあると言ってましたけれど、今日の試合は彼は向上したと思いますか?
フェデラー:彼を軽視して言った訳じゃないよ。デルポはこの18ヶ月の間の進歩は、目覚ましいものがある。本当にすごくうまくなったと思う。正直言ってこれほどうまくなるとは思っていなかった。
彼とは何度か対戦してよい結果を残してきたからね。でも昔の彼は不思議なテニスをやっていたよ。彼のサイズの割には、小柄な選手がプレーしているような感じだった。
最近の彼はやっと自分のサイズにふさわしいテニスをやるようになったけれど。これからどのように進歩していくのか興味深い選手だ。自分の昔の予想は全く外れていたよ。
彼がこれからどのような選手に成長していくのか分からないが、限界がないように思う。ショットが安定して確実だし、メンタルも強いからね。
二人は今年だけでも5回対戦しています。1月の全豪でダブル・ベーグル。あの惨憺たる試合から誰が今のデルポトロを想像したでしょう。
フェデラーがデルポの進歩は目覚ましいと言っていますが、彼らのこの一年をコメントを通して振り返ってみたいと思います。
まずフェデラーがボロ勝ちをした全豪オープンです。
全豪オープン:フェデラー def デルポトロ:6-3, 6-0, 6-0
Federer said:
こんな結果になるとは予期していなかった。これは普通じゃない。彼の調子がベストだったらこんな結果にはならず、もっと接近した結果になっていたはずだ。
自分の中で突然クリックするものがあったんだ。やることがすべてうまくいった。僕がアップしてデルポがダウン。時にはその差はものすごく大きくなってしまう。今日はその好い例だと思う。
Del Potro said
僕はどうすることもできなかった。ロジャーは世界No.1にふさわしいプレーをしたんだ。好いプレーをしなければ勝つことができない。向上するしかないよ。
しかし4ヶ月後のデルポは別人のように5セットマッチの激戦をくりひろげました。この試合では前半がデルポが主導権を握った試合だっただけに、第4セット、第5セットでチャンスを逃してしまったデルポは痛く失望しましたが、デルポに大きな自信をあたえる重要な試合となりました。
全仏オープン:フェデラーdefデルポトロ:3-6, 7-6(2), 2-6, 6-1, 6-4
Federer said
タフな試合だったよ。デルポのサーヴはいいし、ミスがときどきあるけれどすごいフォアだからね。第1セットは彼が主導権を握ってブレークする機会を与えてくれなかったから、彼が勝って当然だった。第2セットのタイブレークから僕のサーヴがよくなってきたから助かったよ。
僕はフィジカルにもメンタルにも自信があるし、試合が長引けば僕の方が経験があるので有利だと思った。だからモメンタムをシフトさせることができると思った。若い選手は経験がないので、ときどきクレージーなショットをしたりする。僕は経験のおかげで有利にプレーできたと思う。
Del Potro said
僕は今は悲しくてどんな試合だったかよく分析できない。僕はサーヴもよくてチャンスがあった。チャンスがあったから5セットまでいけたと思う。でもそのチャンスを活かせなかった。
ロジャーは後半サーヴがよくなってきた。そして僕はだんだんミスをおかすようになってきた。その代償は大きい。本当に決勝までいきたかった。
ロジャーは重要なときにポイントがとれる。トッププレーヤーはそれができる。でもそれは生まれ持った才能のような気がする。
ロジャーの人気はすごい。僕もいつかはロジャーのように人気があって尊敬されるような選手になりたい。
そして今度は5セットのフルセットでデルポがフェデラーを下したUS Openのコメントです。
US Open :デルポトロdefフェデラー: 3-6, 7-6(5), 4-6, 7-6(4), 6-2
Federer said
最初からタフなマッチだった。でも第1セットは二人は互角だった。ちょっとしたミスで第2セットを落としてしまったのが痛かった。チャンスはいろいろあったのにそれを活用できなかった。でもデルポはよいプレーをやったよ。忍耐強く粘って最後はベタープレーヤーだったと思う。
最初のグランドスラムのタイトルは本当にとるのが大変なんだ。だからデルポは鉄のような意思でよく頑張ったと思う。デルポは途中でアップ・ダウンがあって僕にチャンスはあった。でもそれをポイントにむすびつけられなかった。デルポが最後まで諦めずに戦った努力はすばらしい。
Del Poro said
第1セットはおとしたけれど、第2セットは勝つことができた。このままいけば勝てるかもと思い始めたんだ。でも第3セットで負けそうになっていろんな悪いことが頭に浮かんできたんだ。でも僕を応援してくれる人たちのおかげで最後まで戦えて本当に感謝している。
勝因は毎回集中して、フォアのいいフィーリングを保ったこと。それが鍵だったと思う。
ダウンしてしまったときは、自分は世界No.1とプレーしているんだ!何も失うことはない!そして最後のポイントまであきらめずに戦おう!と自分に言い聞かせたんだ。
前の夜は眠れない。朝食も喉が通らない。もうコチコチに緊張していた。最後のポイントまで戦えたのは、僕を最後まで応援してくれた人々のおかげなんだ。
僕はこのマッチでいろんなことを学んだ。トップ3、2、そしてNo.1になるためには、今日のようなテニスを毎週、トーナメントごとにやっていかなければならないことも。どれだけ時間がかかるか分からないけれど、いつか僕がその一人になれるよう努力をしていきたいと思っている。
ロンドンファイナルズでまたもやフェデラーを破ったデルポトロが、これからどのように成長していくのか? マリーやジョコヴィッチを追い越せるのか? 楽しみがまた増えました。
前回の記事でいかにデルポトロがこの一年に進歩したか、その感想をのべましたが、実際対戦をしたフェデラーがデルポを絶賛しました。彼のコメントここで紹介したいと思います。
Q:以前デルポトロはもっと向上するところがいろいろあると言ってましたけれど、今日の試合は彼は向上したと思いますか?
フェデラー:彼を軽視して言った訳じゃないよ。デルポはこの18ヶ月の間の進歩は、目覚ましいものがある。本当にすごくうまくなったと思う。正直言ってこれほどうまくなるとは思っていなかった。
彼とは何度か対戦してよい結果を残してきたからね。でも昔の彼は不思議なテニスをやっていたよ。彼のサイズの割には、小柄な選手がプレーしているような感じだった。
最近の彼はやっと自分のサイズにふさわしいテニスをやるようになったけれど。これからどのように進歩していくのか興味深い選手だ。自分の昔の予想は全く外れていたよ。
彼がこれからどのような選手に成長していくのか分からないが、限界がないように思う。ショットが安定して確実だし、メンタルも強いからね。
二人は今年だけでも5回対戦しています。1月の全豪でダブル・ベーグル。あの惨憺たる試合から誰が今のデルポトロを想像したでしょう。
フェデラーがデルポの進歩は目覚ましいと言っていますが、彼らのこの一年をコメントを通して振り返ってみたいと思います。
まずフェデラーがボロ勝ちをした全豪オープンです。
全豪オープン:フェデラー def デルポトロ:6-3, 6-0, 6-0
Federer said:
こんな結果になるとは予期していなかった。これは普通じゃない。彼の調子がベストだったらこんな結果にはならず、もっと接近した結果になっていたはずだ。
自分の中で突然クリックするものがあったんだ。やることがすべてうまくいった。僕がアップしてデルポがダウン。時にはその差はものすごく大きくなってしまう。今日はその好い例だと思う。
Del Potro said
僕はどうすることもできなかった。ロジャーは世界No.1にふさわしいプレーをしたんだ。好いプレーをしなければ勝つことができない。向上するしかないよ。
しかし4ヶ月後のデルポは別人のように5セットマッチの激戦をくりひろげました。この試合では前半がデルポが主導権を握った試合だっただけに、第4セット、第5セットでチャンスを逃してしまったデルポは痛く失望しましたが、デルポに大きな自信をあたえる重要な試合となりました。
全仏オープン:フェデラーdefデルポトロ:3-6, 7-6(2), 2-6, 6-1, 6-4
Federer said
タフな試合だったよ。デルポのサーヴはいいし、ミスがときどきあるけれどすごいフォアだからね。第1セットは彼が主導権を握ってブレークする機会を与えてくれなかったから、彼が勝って当然だった。第2セットのタイブレークから僕のサーヴがよくなってきたから助かったよ。
僕はフィジカルにもメンタルにも自信があるし、試合が長引けば僕の方が経験があるので有利だと思った。だからモメンタムをシフトさせることができると思った。若い選手は経験がないので、ときどきクレージーなショットをしたりする。僕は経験のおかげで有利にプレーできたと思う。
Del Potro said
僕は今は悲しくてどんな試合だったかよく分析できない。僕はサーヴもよくてチャンスがあった。チャンスがあったから5セットまでいけたと思う。でもそのチャンスを活かせなかった。
ロジャーは後半サーヴがよくなってきた。そして僕はだんだんミスをおかすようになってきた。その代償は大きい。本当に決勝までいきたかった。
ロジャーは重要なときにポイントがとれる。トッププレーヤーはそれができる。でもそれは生まれ持った才能のような気がする。
ロジャーの人気はすごい。僕もいつかはロジャーのように人気があって尊敬されるような選手になりたい。
そして今度は5セットのフルセットでデルポがフェデラーを下したUS Openのコメントです。
US Open :デルポトロdefフェデラー: 3-6, 7-6(5), 4-6, 7-6(4), 6-2
Federer said
最初からタフなマッチだった。でも第1セットは二人は互角だった。ちょっとしたミスで第2セットを落としてしまったのが痛かった。チャンスはいろいろあったのにそれを活用できなかった。でもデルポはよいプレーをやったよ。忍耐強く粘って最後はベタープレーヤーだったと思う。
最初のグランドスラムのタイトルは本当にとるのが大変なんだ。だからデルポは鉄のような意思でよく頑張ったと思う。デルポは途中でアップ・ダウンがあって僕にチャンスはあった。でもそれをポイントにむすびつけられなかった。デルポが最後まで諦めずに戦った努力はすばらしい。
Del Poro said
第1セットはおとしたけれど、第2セットは勝つことができた。このままいけば勝てるかもと思い始めたんだ。でも第3セットで負けそうになっていろんな悪いことが頭に浮かんできたんだ。でも僕を応援してくれる人たちのおかげで最後まで戦えて本当に感謝している。
勝因は毎回集中して、フォアのいいフィーリングを保ったこと。それが鍵だったと思う。
ダウンしてしまったときは、自分は世界No.1とプレーしているんだ!何も失うことはない!そして最後のポイントまであきらめずに戦おう!と自分に言い聞かせたんだ。
前の夜は眠れない。朝食も喉が通らない。もうコチコチに緊張していた。最後のポイントまで戦えたのは、僕を最後まで応援してくれた人々のおかげなんだ。
僕はこのマッチでいろんなことを学んだ。トップ3、2、そしてNo.1になるためには、今日のようなテニスを毎週、トーナメントごとにやっていかなければならないことも。どれだけ時間がかかるか分からないけれど、いつか僕がその一人になれるよう努力をしていきたいと思っている。
ロンドンファイナルズでまたもやフェデラーを破ったデルポトロが、これからどのように成長していくのか? マリーやジョコヴィッチを追い越せるのか? 楽しみがまた増えました。
2009年11月27日
デルポトロがフェデラーを打倒
ロンドンファイナルズのフェデラーvsデルポトロの試合は最高に面白い試合となりました。試合の内容だけでなく、刻々とATPのルールが変わっていって、一体誰が最後の二人に残りSFに進めるのかわからない。フェデラーが1セットをとるとフェデラーのSFは確保、とまでは分かっているのですがその後が分からない。デルポは? マリーは?この二人も実は試合が終わってもしばらく20分くらいは、どちらがSFに進めるのか分からなかったらしく、本当に人騒がせな複雑怪奇なルールでした。
フェデラー、デルポトロ、マリーのSF進出のドラマは以下のように展開されました。
まずはSF進出のルールです。
勝利のマッチ数:3人ともタイの2勝1敗
フェデラー:マリーとベルダスコに勝利。デルポトロに敗北。
デルポトロ:フェデラーとベルダスコに勝利。マリーに敗北。
マリー:デルポトロとベルダスコに勝利。フェデラーに敗北。
次は勝ったセット数:3人ともタイ
フェデラー:5セット勝 4セット敗
デルポトロ:5セット勝 4セット敗
マリー:5セット勝 4セット敗
次はゲームの勝率(勝ったゲーム数ではありません)
フェデラー:44ゲーム勝 40ゲーム敗 勝率52.38%
デルポトロ:45ゲーム勝 43ゲーム敗 勝率51.13%
マリー:44ゲーム勝 43ゲーム敗 勝率50.57%
ということで、勝率がわずかにデルポトロより劣るマリーがSFレースから脱落してしまいました。
ここで注目したいのは、もしデルポトロが第3セットを1ゲームブレークされていたら? 彼の勝敗は45勝44敗となり、勝率は50.56% そうするとわずか0.01%の小差でマリーがSF進出となっていたのです。
この可能性があったのは第3セットの第7ゲーム。スコアは3-3。デルポのサーヴです。少し疲れが出てきたようでデルポにエラーがつづき15-40でブレークポイントをむかえてしまいます。しかもなかなかデルポの1stサーヴが入りません。ここでブレークポイントをフェデラーにとられていたら?しかし炸裂するロケット弾を打ち放ち、デルポはブレークを逃れることができたのでした。
フェデラーは1セットをとればSFに進出できることが分かっていましたので、第3セットは気を許してしまったところがあったかもしれません。
「マリーには気の毒なことになった。混乱していたからね。(ATPがルールを何度か途中で変更)試合が終わったときも、デルポトロがSFにいけるのかどうか分からなくて、ネットで握手するときに彼に聞いたんだ。君はいけるの?ってね。彼は多分行けないと思うって言ってたくらいだったから。」
TVの解説者もマリーなのかデルポなのかはっきりわからず、今計算機で計算している最中です、みたいな話で慌てていましたし、結果が分かるまではスリル満点でした。
マリーはベルダスコとの試合中に、アンパイアのジェリー・アームストロングに歩み寄って「ゲームの勝利数なのか、それとも%なのか」とルールについて聞いています。くるくるとルールが変更になり、誰もがよく分からないまま試合をやっていたようで、ちょっと気の毒になってしまいました。
デルポが勝ったあともしばらくはデルポかマリーのどちらかが分からず、マリーはついにTwitterで助けをもとめました。これってマリーには気の毒ですが笑っちゃいますよね。
Anyone know what's going on?? I think I'm audi but the rules aren't worded too well
「誰か何が起こっているのか知っていたら教えて?僕は外れたと思うんだけど、ルールがうまく説明されていないんだ」。
さて今日のフェデラーvsデルポトロ戦ですが、最大の注目は何といってもデルポトロの脅威的な進化だと思います。US Openで優勝したときよりも、デルポはさらに強くなりました。今日はほとんど欠陥の見られないテニスでした。アグレッシヴに攻めながらディフェンスが固く崩れない。冷静に感情をコントロールできるメンタル。しかも56%と低い1stサーヴの確率にもかかわらず、サーヴィスゲームをホールドできるサーヴィスのクウォリティーの高さが印象的でした。
フェデラーとデルポは今年だけでも5回対戦しています。最初は全豪オープンでデルポがダブルベーグルをもらった屈辱の試合でした。全仏では5セットのフルセットの戦いで、チョーキングしなければ勝てたかもしれない試合でした。この試合で自信を得たデルポは全米の決勝では見事フェデラーを破って優勝。デルポは今日の試合に勝つには、全米よりももっとうまくプレーしなければフェデラーに勝つことができない、と語っていましたが、まさに今までの中でベストなテニスを披露してくれました。
デルポトロ vs フェデラー
全豪: 3-6, 0-6, 0-6
マドリッド:3-6, 4-6
全仏:6-3, 6-7, 6-2, 1-6, 4-6
全米:3-6, 7-6(5), 4-6, 7-6(4), 6-2
ロンドン:6-2, 6-7, 6-3
今日の試合をTwitterで実況。以下がその主な内容です。
Del Potro def Federer: 6-2, 6-7, 6-3
フェデラーにはUS Openのリヴェンジという気持ちはなく(これは本人の言葉)リラックスしたもの。デルポトロはまだまだアルジェンチンの期待が大きく、どうしても緊張してしまうかも。いかにデルポがフリーに思い切ったスウィングができるか。もしデルポがリラックスできればフェデラーは苦戦。
第1セット:
第1ゲーム(0-0)フェデのサーヴ:
エースやダブルフォルトやらとまだサーヴが決まらないフェデ。あれっ?ネットの近くにきて、ポトンとヴォレーをしようとしてネットにかけてしまいました。こんなヘマをやってしまうところは笑えます。しかしすでにBPです。
デルポは得意のフォアのインサイドアウトでフェデのバックを攻めますが、予期できるショットなだけにそれほど効果なし。クロスばかりでなく、ヴァリエーションを増やしてダウンザラインにも打っています。フェデは振られてロング。デルポがループボールでブレーク成功しました。
第2ゲーム(0-1)デルポのサーヴ:
すでにフェデをブレークしたデルポは、ルースなショットでエラー。気を許してしまうと危ない。しかしエースで気を引き締め直しました。デルポのパワーにフェデは押され気味です。フェデはネットでヴォレーで処理。フェデもパワーショットで返球するがブレークできません。
第3ゲーム(0-2)フェデのサーヴ:
40-0 デルポに1ポイントも与えることなくサーヴィスゲームをホールド。フェデのサーヴが安定してきました。
第4ゲーム(1-2)デルポのサーヴ:
フェデはスライスでデルポをネットへ寄せ、パッシングショットが成功。デルポのサーヴがフェデのボディーに。フェデはリターンができません。長いラリーがつづきます。デルポのバックハンドは確実でフェデがエラーをしてしまいます。ラリーをしてはフェデに不利になるほどデルポのショットは安定しています。
第5ゲーム(1-3)フェデのサーヴ:
デルポのパワーに対抗してフェデもハードショットを試みるがタイミングが合いません。デルポの見事なバックハンドクロスのウィナーで3040のBP フェデラーがまたブレークされました!
第6ゲーム(1-4)デルポのサーヴ:
デルポは甘いショットがなく、フェデに速攻の機会を与えません。デルポのパワーにフェデの作戦が麻痺。フェデはさらにアグレッシヴに攻めなければブレークできない。ネットダッシュするフェデにロブ。またもやデルポのトップスピンのロブがフェデの頭上を超えました。デルポの冷静な試合運びです。
第7ゲーム(1-5)フェデのサーヴ:
デルポは爆発的なパワーで攻めまくります。失ってもよいゲームだけに恐いものなしのデルポのテニス。Delpo is on fire! しかしフェデも絶対ホールドしなければならないサーヴィスゲーム。スーパショットでホールドしました。
第8ゲーム(2-5)デルポのサーヴ:
エース!デルポは意外に固くない!フェデはスライスで攻めるが効果なし。しかしデルポの大きなフォアのエラーがでました。やはり勝利を気にしている? サーヴィスウィナーでセットポイント。またサーヴィスウィナーで第1セットをとりました!
デルポのテニスはみちがえるほどヴァラエティーに富んだショットが打てるようになっています。サーヴは43%と低いですが質が高くフェデがなかなかリターンできないでいます。フェデラーはまだエースがとれていません。
第2セット
第1ゲーム(0-0)フェデのサーヴ:
炸裂するデルポのフォアのインサイドアウトのウィナーです。ソダーリングやゴンザレスのフォアよりもすごい。3040でフェデがまたもやBP ラッキーにもネットにひっかかってポトン。フェデラーは幸運にもブレークを免れました。しかし危なかった!
第2ゲーム(1-0)フェデがスライスを2度つづけたあとフォアのウィナーを打とうとしましたがネットしてしまいました。デルポは自由に振り切ってバックハンドのウィナー。フェデのピッチが上がってきました。速いペスのラリー。デルポのスライス+ウィナーのコンビネーションが決まっています。デルポはスライスを効果的に使っています。これは進歩。
第3ゲーム(1-1)フェデのサーヴ:
40-0 最後はエース。圧倒的なサーヴの強さです。
第4ゲーム(2-1)デルポのサーヴ:
デルポのめずらしいダブルフォルト。少し疲れが出てきたのか、サーヴが入らず、フットワークも鈍い? と思えばエース。最後はサーヴィスウィナーでデルポはサーヴィスゲームをホールドしました。ここでデルポはラケットを替えます。
第5ゲーム(2-2)フェデのサーヴ:
フェデはネットダッシュしますが、デルポはコーナーをつくパーフェクトなパッシンショットでウィナーをとりました。フェデの2ndサーヴのリターンエースをデルポは狙ういますがネット。しかしこれほどアグレッシヴなデルポを観るのは初めてです。
第6ゲーム(3-2)デルポのサーヴ:
もう絶対とれないデルポのフォアのインサイドアウトのウィナー!限りなくパワフルでフラットです。狙いすぎてワイドやロングになっても気にせず攻めまくるデルポはオフェンスプレーヤーに生まれ変わりました。
第7ゲーム(3-3)フェデのサーヴ:
フェデのサーヴは揺るぐことなく400 最後はエースで決めました。
第8ゲーム(4-3)フェデが左右に振られるとクリーンにカウンターできないでミスしてしまう。40-0の強いサーヴィスゲームでデルポのサーヴィスゲームも安泰。サーヴィス合戦が続いています。
第9ゲーム(4-4)二人のサーヴィスゲームは揺るぐことなくブレークされる気配がなし。タイブレークへの可能性が大きくなってきました。
第10ゲーム(5-4)デルポのビッグサーヴ。フェデがスライスでデルポをネットに呼び寄せる作戦が、フェデのエラーで失敗。
第11ゲーム(5-5)フェデのサーヴ:
フェデがまたもや400で圧倒的なサーヴィスゲーム。デルポはリターンエースを狙って一発勝負にでるがリターンできません。この一か八かのリターンを400リターンというとマッケンローが言ってました。私もよく使います。絶対に成功しませんが。
第12ゲーム(6-5)デルポのサーヴ:
フェデのエラーが少なくなってきました。その分きわどいところを攻めてきます。デルポのスーパアングルヴォレーが決まりました。見事です。デルポのヴォレーも随分うまくなりました。
タイブレーク:デルポは普段やらないことをしてエラーです。バックのダウンザラインが失敗。タイブレークは得意でないことはやらないのがゴールデンルール。フェデはネットダッシュしました。しかしデルポのパッシンショットのウィナーで3-1とデルポがリード。
デルポの集中力が俄然アップ。エース。4-2とデルポがリード。 フェデはフォアのダウンザライン。パーフェクトなウィナー。デルポはリターンエースを狙って失敗しますが、すばらしいパッシンショットでウィナーをとりました。5-4 しかしデルポはヴォレーに失敗。5-5
デルポが少し弱気のフォアのミス。勝利を目の前に落ち着いていたデルポが急にチョーキング(固くなる)しはじめました。セットポイントをフェデが獲得して第2セットをフェデがとりました!
第3セット
第6ゲーム(2-3)二人のサーヴィスゲームの展開がつづきました。フェデのストロークが安定し始め、エラーが少なくなってきています。徐々に調子を上げてくるフェデに冷静さをどれだけ保ことができるか? デルポのメンタルが試されるセット。
第7ゲーム(3-3)デルポのサーヴ:
デルポのフットワークが遅く、フォーカスが途切れ気味になってきました。エラーが続きます。ガス欠気味?15-40でBPです。デルポのサーヴが入らない。しかしデルポのロケット弾炸裂しました。デルポはあやうくブレークされそうになりましたが、ゲームをホールド。
第8ゲーム(3-4)フェデのサーヴ:
フェデが0-30でダブルフォルト。0-40ですでにブレークポイントとなってしまいました。フェデが勝ち急ぎの訳の分からないパニックのフォアのエラー。大きくワイドにそれてブレークされてしまいました!こんなにあっさりとブレークされてしまうとは!
第9ゲーム(3-5)デルポのサーヴ:
デルポの見事なパッシンショットでフェデの側を抜けていきます。しかし勝利を目前にデルポは落ち着きがなくイージーミスでネット。30-30 2ndサーヴがライン上に。ガッツのあるデルポ。マッチポイント!エースです!デルポの見事な勝利です!
参考資料
http://www.reuters.com/article/sportsNews/idUSTRE5AP3HN20091127?pageNumber=1&virtualBrandChannel=11617
フェデラー、デルポトロ、マリーのSF進出のドラマは以下のように展開されました。
まずはSF進出のルールです。
勝利のマッチ数:3人ともタイの2勝1敗
フェデラー:マリーとベルダスコに勝利。デルポトロに敗北。
デルポトロ:フェデラーとベルダスコに勝利。マリーに敗北。
マリー:デルポトロとベルダスコに勝利。フェデラーに敗北。
次は勝ったセット数:3人ともタイ
フェデラー:5セット勝 4セット敗
デルポトロ:5セット勝 4セット敗
マリー:5セット勝 4セット敗
次はゲームの勝率(勝ったゲーム数ではありません)
フェデラー:44ゲーム勝 40ゲーム敗 勝率52.38%
デルポトロ:45ゲーム勝 43ゲーム敗 勝率51.13%
マリー:44ゲーム勝 43ゲーム敗 勝率50.57%
ということで、勝率がわずかにデルポトロより劣るマリーがSFレースから脱落してしまいました。
ここで注目したいのは、もしデルポトロが第3セットを1ゲームブレークされていたら? 彼の勝敗は45勝44敗となり、勝率は50.56% そうするとわずか0.01%の小差でマリーがSF進出となっていたのです。
この可能性があったのは第3セットの第7ゲーム。スコアは3-3。デルポのサーヴです。少し疲れが出てきたようでデルポにエラーがつづき15-40でブレークポイントをむかえてしまいます。しかもなかなかデルポの1stサーヴが入りません。ここでブレークポイントをフェデラーにとられていたら?しかし炸裂するロケット弾を打ち放ち、デルポはブレークを逃れることができたのでした。
フェデラーは1セットをとればSFに進出できることが分かっていましたので、第3セットは気を許してしまったところがあったかもしれません。
「マリーには気の毒なことになった。混乱していたからね。(ATPがルールを何度か途中で変更)試合が終わったときも、デルポトロがSFにいけるのかどうか分からなくて、ネットで握手するときに彼に聞いたんだ。君はいけるの?ってね。彼は多分行けないと思うって言ってたくらいだったから。」
TVの解説者もマリーなのかデルポなのかはっきりわからず、今計算機で計算している最中です、みたいな話で慌てていましたし、結果が分かるまではスリル満点でした。
マリーはベルダスコとの試合中に、アンパイアのジェリー・アームストロングに歩み寄って「ゲームの勝利数なのか、それとも%なのか」とルールについて聞いています。くるくるとルールが変更になり、誰もがよく分からないまま試合をやっていたようで、ちょっと気の毒になってしまいました。
デルポが勝ったあともしばらくはデルポかマリーのどちらかが分からず、マリーはついにTwitterで助けをもとめました。これってマリーには気の毒ですが笑っちゃいますよね。
Anyone know what's going on?? I think I'm audi but the rules aren't worded too well
「誰か何が起こっているのか知っていたら教えて?僕は外れたと思うんだけど、ルールがうまく説明されていないんだ」。
さて今日のフェデラーvsデルポトロ戦ですが、最大の注目は何といってもデルポトロの脅威的な進化だと思います。US Openで優勝したときよりも、デルポはさらに強くなりました。今日はほとんど欠陥の見られないテニスでした。アグレッシヴに攻めながらディフェンスが固く崩れない。冷静に感情をコントロールできるメンタル。しかも56%と低い1stサーヴの確率にもかかわらず、サーヴィスゲームをホールドできるサーヴィスのクウォリティーの高さが印象的でした。
フェデラーとデルポは今年だけでも5回対戦しています。最初は全豪オープンでデルポがダブルベーグルをもらった屈辱の試合でした。全仏では5セットのフルセットの戦いで、チョーキングしなければ勝てたかもしれない試合でした。この試合で自信を得たデルポは全米の決勝では見事フェデラーを破って優勝。デルポは今日の試合に勝つには、全米よりももっとうまくプレーしなければフェデラーに勝つことができない、と語っていましたが、まさに今までの中でベストなテニスを披露してくれました。
デルポトロ vs フェデラー
全豪: 3-6, 0-6, 0-6
マドリッド:3-6, 4-6
全仏:6-3, 6-7, 6-2, 1-6, 4-6
全米:3-6, 7-6(5), 4-6, 7-6(4), 6-2
ロンドン:6-2, 6-7, 6-3
今日の試合をTwitterで実況。以下がその主な内容です。
Del Potro def Federer: 6-2, 6-7, 6-3
フェデラーにはUS Openのリヴェンジという気持ちはなく(これは本人の言葉)リラックスしたもの。デルポトロはまだまだアルジェンチンの期待が大きく、どうしても緊張してしまうかも。いかにデルポがフリーに思い切ったスウィングができるか。もしデルポがリラックスできればフェデラーは苦戦。
第1セット:
第1ゲーム(0-0)フェデのサーヴ:
エースやダブルフォルトやらとまだサーヴが決まらないフェデ。あれっ?ネットの近くにきて、ポトンとヴォレーをしようとしてネットにかけてしまいました。こんなヘマをやってしまうところは笑えます。しかしすでにBPです。
デルポは得意のフォアのインサイドアウトでフェデのバックを攻めますが、予期できるショットなだけにそれほど効果なし。クロスばかりでなく、ヴァリエーションを増やしてダウンザラインにも打っています。フェデは振られてロング。デルポがループボールでブレーク成功しました。
第2ゲーム(0-1)デルポのサーヴ:
すでにフェデをブレークしたデルポは、ルースなショットでエラー。気を許してしまうと危ない。しかしエースで気を引き締め直しました。デルポのパワーにフェデは押され気味です。フェデはネットでヴォレーで処理。フェデもパワーショットで返球するがブレークできません。
第3ゲーム(0-2)フェデのサーヴ:
40-0 デルポに1ポイントも与えることなくサーヴィスゲームをホールド。フェデのサーヴが安定してきました。
第4ゲーム(1-2)デルポのサーヴ:
フェデはスライスでデルポをネットへ寄せ、パッシングショットが成功。デルポのサーヴがフェデのボディーに。フェデはリターンができません。長いラリーがつづきます。デルポのバックハンドは確実でフェデがエラーをしてしまいます。ラリーをしてはフェデに不利になるほどデルポのショットは安定しています。
第5ゲーム(1-3)フェデのサーヴ:
デルポのパワーに対抗してフェデもハードショットを試みるがタイミングが合いません。デルポの見事なバックハンドクロスのウィナーで3040のBP フェデラーがまたブレークされました!
第6ゲーム(1-4)デルポのサーヴ:
デルポは甘いショットがなく、フェデに速攻の機会を与えません。デルポのパワーにフェデの作戦が麻痺。フェデはさらにアグレッシヴに攻めなければブレークできない。ネットダッシュするフェデにロブ。またもやデルポのトップスピンのロブがフェデの頭上を超えました。デルポの冷静な試合運びです。
第7ゲーム(1-5)フェデのサーヴ:
デルポは爆発的なパワーで攻めまくります。失ってもよいゲームだけに恐いものなしのデルポのテニス。Delpo is on fire! しかしフェデも絶対ホールドしなければならないサーヴィスゲーム。スーパショットでホールドしました。
第8ゲーム(2-5)デルポのサーヴ:
エース!デルポは意外に固くない!フェデはスライスで攻めるが効果なし。しかしデルポの大きなフォアのエラーがでました。やはり勝利を気にしている? サーヴィスウィナーでセットポイント。またサーヴィスウィナーで第1セットをとりました!
デルポのテニスはみちがえるほどヴァラエティーに富んだショットが打てるようになっています。サーヴは43%と低いですが質が高くフェデがなかなかリターンできないでいます。フェデラーはまだエースがとれていません。
第2セット
第1ゲーム(0-0)フェデのサーヴ:
炸裂するデルポのフォアのインサイドアウトのウィナーです。ソダーリングやゴンザレスのフォアよりもすごい。3040でフェデがまたもやBP ラッキーにもネットにひっかかってポトン。フェデラーは幸運にもブレークを免れました。しかし危なかった!
第2ゲーム(1-0)フェデがスライスを2度つづけたあとフォアのウィナーを打とうとしましたがネットしてしまいました。デルポは自由に振り切ってバックハンドのウィナー。フェデのピッチが上がってきました。速いペスのラリー。デルポのスライス+ウィナーのコンビネーションが決まっています。デルポはスライスを効果的に使っています。これは進歩。
第3ゲーム(1-1)フェデのサーヴ:
40-0 最後はエース。圧倒的なサーヴの強さです。
第4ゲーム(2-1)デルポのサーヴ:
デルポのめずらしいダブルフォルト。少し疲れが出てきたのか、サーヴが入らず、フットワークも鈍い? と思えばエース。最後はサーヴィスウィナーでデルポはサーヴィスゲームをホールドしました。ここでデルポはラケットを替えます。
第5ゲーム(2-2)フェデのサーヴ:
フェデはネットダッシュしますが、デルポはコーナーをつくパーフェクトなパッシンショットでウィナーをとりました。フェデの2ndサーヴのリターンエースをデルポは狙ういますがネット。しかしこれほどアグレッシヴなデルポを観るのは初めてです。
第6ゲーム(3-2)デルポのサーヴ:
もう絶対とれないデルポのフォアのインサイドアウトのウィナー!限りなくパワフルでフラットです。狙いすぎてワイドやロングになっても気にせず攻めまくるデルポはオフェンスプレーヤーに生まれ変わりました。
第7ゲーム(3-3)フェデのサーヴ:
フェデのサーヴは揺るぐことなく400 最後はエースで決めました。
第8ゲーム(4-3)フェデが左右に振られるとクリーンにカウンターできないでミスしてしまう。40-0の強いサーヴィスゲームでデルポのサーヴィスゲームも安泰。サーヴィス合戦が続いています。
第9ゲーム(4-4)二人のサーヴィスゲームは揺るぐことなくブレークされる気配がなし。タイブレークへの可能性が大きくなってきました。
第10ゲーム(5-4)デルポのビッグサーヴ。フェデがスライスでデルポをネットに呼び寄せる作戦が、フェデのエラーで失敗。
第11ゲーム(5-5)フェデのサーヴ:
フェデがまたもや400で圧倒的なサーヴィスゲーム。デルポはリターンエースを狙って一発勝負にでるがリターンできません。この一か八かのリターンを400リターンというとマッケンローが言ってました。私もよく使います。絶対に成功しませんが。
第12ゲーム(6-5)デルポのサーヴ:
フェデのエラーが少なくなってきました。その分きわどいところを攻めてきます。デルポのスーパアングルヴォレーが決まりました。見事です。デルポのヴォレーも随分うまくなりました。
タイブレーク:デルポは普段やらないことをしてエラーです。バックのダウンザラインが失敗。タイブレークは得意でないことはやらないのがゴールデンルール。フェデはネットダッシュしました。しかしデルポのパッシンショットのウィナーで3-1とデルポがリード。
デルポの集中力が俄然アップ。エース。4-2とデルポがリード。 フェデはフォアのダウンザライン。パーフェクトなウィナー。デルポはリターンエースを狙って失敗しますが、すばらしいパッシンショットでウィナーをとりました。5-4 しかしデルポはヴォレーに失敗。5-5
デルポが少し弱気のフォアのミス。勝利を目の前に落ち着いていたデルポが急にチョーキング(固くなる)しはじめました。セットポイントをフェデが獲得して第2セットをフェデがとりました!
第3セット
第6ゲーム(2-3)二人のサーヴィスゲームの展開がつづきました。フェデのストロークが安定し始め、エラーが少なくなってきています。徐々に調子を上げてくるフェデに冷静さをどれだけ保ことができるか? デルポのメンタルが試されるセット。
第7ゲーム(3-3)デルポのサーヴ:
デルポのフットワークが遅く、フォーカスが途切れ気味になってきました。エラーが続きます。ガス欠気味?15-40でBPです。デルポのサーヴが入らない。しかしデルポのロケット弾炸裂しました。デルポはあやうくブレークされそうになりましたが、ゲームをホールド。
第8ゲーム(3-4)フェデのサーヴ:
フェデが0-30でダブルフォルト。0-40ですでにブレークポイントとなってしまいました。フェデが勝ち急ぎの訳の分からないパニックのフォアのエラー。大きくワイドにそれてブレークされてしまいました!こんなにあっさりとブレークされてしまうとは!
第9ゲーム(3-5)デルポのサーヴ:
デルポの見事なパッシンショットでフェデの側を抜けていきます。しかし勝利を目前にデルポは落ち着きがなくイージーミスでネット。30-30 2ndサーヴがライン上に。ガッツのあるデルポ。マッチポイント!エースです!デルポの見事な勝利です!
参考資料
http://www.reuters.com/article/sportsNews/idUSTRE5AP3HN20091127?pageNumber=1&virtualBrandChannel=11617
2009年11月27日
ナダルがファンにごめんなさい
昨日ロンドンファイナルズでナダルは2連敗してしまいました。「ごめんなさい。失望させてしまって・・・」一週間に2度も続けてまけてしまうなんて、口惜しさで一杯なはずなのに、それでもファンへのいたわりの気持ちを忘れないでファンに謝るナダル。涙ぐましいくらい好青年です。
イギリス紙のタイムズに、ダヴィデンコ戦についてナダルは以下のように語っています。
http://timesonline.typepad.com/rafael_nadal/2009/11/sorry-if-ive-let-you-down-but-i-gave-it-my-best-shot.html
「もしがっかりしたらごめんなさい。でも僕はベストを尽くして戦ったのです。
残念ながら日曜日に残るチャンスはとても少なくなってしまった、というか不可能になってしまいました。今日また負けてしまって、一週間に二度続けて負けたというのは変な感じです。
今日は昨日よりうまくプレーできたと思ったのですが・・・アグレッシヴで、絶対に勝ちたいという気持ちは強かったのですが、ダヴィデンコのようなトッププレーに勝つことができませんでした。
明日はいつものように2時にコートに入って練習します。大切なことはプラクティスを続けること。そして金曜日に備えて準備をすること。その後はデ杯の決勝に向けて準備をすること。
今の僕はハッピーでないけれどでもそれほど失望はしていません。今日の試合では後半は頑張れたし、3セットにもっていけるチャンスもありました。
ファンの皆さん、ごめんなさい。でもロンドンで僕を応援してくれるファンが多いのを知ってとても嬉しいです。世界中からロンドンにやってきてくれたファンの皆さんに感謝しています。ありがとう。」
フェデラーが昨年ボロボロに負けていた頃を思い出します。「フェデラーはこのまま終わってしまうのか!?」誰もが一度はフェデラーのカムバックを疑ったことのあるあの辛い時期にフェデラーは言い続けてきました。「これは本当の自分ではない。」
ロンドンのファイナルズでみせたナダルのテニスは、まさに一年前のフェデラーでした。「今の僕は本当の自分ではない」ナダルはインタービューでこういいたかったのでしょう。
自信のなさを露呈してしまったナダルは、第1セットを1-6で完敗しましたが、第2セットから猛然と攻撃を開始しました。残念ながらタイブレークで破れてしまいましたが、試合の内容はそれほど悪いものではなかったと思います。ナダルに自信が少し生まれてきたように思います。
ナダルは12月のデ杯の決勝に向けて調整中という感じがします。デ杯では絶対に負けられない。母国スペインのためにも。もしデ杯でナダルが負けてスペインが優勝を失ってしまったら? これは考えただけでも恐ろしいことです。半年くらいは立ち上がれない致命的な打撃をナダルが受けてしまうかもしれません。個人の勝敗のレベルではなく、国のために戦うことの恐ろしさがここにあります。
金曜のジョコヴィッチ戦はその意味でも、デ杯への最終準備になる試合。ソダーリング戦では、ガス欠であっけなく第2セットを落としてしまったジョコヴィッチでしたが、ナダル戦では全力で攻撃をしてくるはずです。
「自信がでてくれば元来の自分にもどれるはず」フェデラーが実証したように、自信というものがいかに大きなファクターであるのか! それを最も痛感しているのはナダル本人です。ソダーリングには敗北したものの、まだまだ自信に満ちあふれるジョコヴィッチに、ナダルがいかに対抗していけるのか?
以下はナダルvsダヴィデンコのTwitterの実況解説です。
Davydenko def Nadal: 6-1, 7-6(4)
いよいよナダルvsダヴィデンコが始まります。ナダルはダヴィデンコのオンザライズライズのショットにいかに対応できるか?
二人の対戦成績はナダルはハードでは1勝3敗。ナダルはかなりダヴィへの苦手意識があります。しかも最後は上海でストレートに負けてしまったナダル。あのスピンの強いショートボールは絶対打てません。フラットが打てなければできるだけ深く。そしてサーヴでチープポイントをとること。ダヴィデンコはジョコヴィッチに負けたとはいえ、最好調といえるハイレベルのテニスを見せています。果たして・・・
第1セット:
第1ゲーム(0-0)ダヴィのサーヴ:
ダヴィはまずエース。ナダルのバックハンドのフラットのクロスが出ました!昔観たあのウィナーです!ダヴィはダブルフォルトでデュース。ナダルはフォアがロングでしたがディープでなかなかよい感じです。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ナダルの2つのエラーで0-30。しかしワイドにエースです。このワイドサーヴはリターン不可能。ダヴィはセンターから角度をつけてバックハンドでコーナーへウィナー。ナダルの不意をつきました。30-40のBP(ブレークポイント) ナダルがネットに。
第3ゲーム(0-2)ダヴィのサーヴ:
ナダルのショットがネットしてブレークされてしまいました。ダヴィはまたフォアのインサイドアウトでウィナーです。このパターンが続きます。ナダルは動こうともしない。どうした? ダヴィがネットでアングルヴォレー。またダヴィはネットでドライヴヴォレー。
第4ゲーム(0-3)ナダルのサーヴ:
ダヴィはアグレッシヴにナダルをネットで攻めます。決してヴォレーがうまい選手ではないのですが(両手のバックハンドヴォレーをするプロはめずらしい)、この作戦は効果ありナダルに時間を与えません。しかしナダルはダヴィを左右に振り始め、チャンスを待ってハードヒットでフォアのウィナー3本!ブレークされても強気で、ナダルはパワーゲームでゲームをホールドしました。
第5ゲーム(1-3)ダヴィのサーヴ:
やっとナダルらしくなったゲーム。しかしコートポジションがまだ下がりすぎ。ダヴィがネットへ。そして得意のドライヴヴォレー。またネットで今度はアングルヴォレー。ダヴィのヴォレーがすばらしい!こんなにうまかったっけ、とびっくり。それにしてもアグレッシヴな攻撃テニスです。
第6ゲーム(1-4)ナダルのサーヴ:
また出ました!ダヴィのフォアのインサイドアウトのウィナー。あのセンター気味のポジションから打つこのウィナーは、ナダルには予測できません。ナダルは呆然とみているだけ。ダヴィは2ndを狙ってリターンエースです。限りなくアグレッシヴなダヴィに040でナダルは大ピンチ。
ナダルが不調なのではなく、ナダルの弱点を攻め抜いたダヴィの作戦で第1セットを勝ち取りとりました。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)ナダルのサーヴ:
なぜこんなときにスライスを? ナダルはバックのスライスが多すぎます。弱気になっている証拠。ダヴィはワイドなアングルショットを繰り返し、ナダルはコート中を走りまわりますがとれない。やっとゲームをナダルはホールドしました。(英語ではkeepという言葉を使わず、holdを使います。)
第2ゲーム(1-0)ダヴィのサーヴ:
ダヴィが自信満々でサイドラインを狙ってアタック。わずかにアウトしましたが、このアグレッシヴな攻撃はナダルに大きなプレッシャーを与え、ナダルもきわどいショットを狙わなくてはならず、ナダルのエラーが増えています。
第3ゲーム(1-1)ナダルのサーヴ:
ナダルのフォアのエラーで30-40のBP どうもナダルの急ぎすぎのエラーが増えてきています。ダヴィのフォアのショートクロスがワイドに決まりました!ナダルがとれない! このショットはナダルが昔やっていたショットです。そのショットをダヴィが見事にやってみせました。ナダルのフォアのダウンザラインが入りません。これも昔のナダルならウィナーになっていた得意のショットです。
何度もデュースを繰り返しています。ナダルの体の動きが軽くなり、ショットにパワーが。ナダルがサーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。
第4ゲーム(2-1)ダヴィのサーヴ:
またダヴィの得意のウィナー。前進しながらフォアのインサイドアウト。しかもアングル。まさにスーパショット。しかしナダルも負けじで緊張するラリーの展開です。
ダヴィデンコは50%をコートの中で打っているのに対し、ナダルは14%がコート内。これだけでもダヴィがどれだけアグレッシヴかが分かります。
第5ゲーム(2-2)ナダルのサーヴ:
ナダルはダヴィの過激なフォアのショートクロスがとれない。ダヴィはナダルを左右にふるだけでなく、アングルショットでポイントを獲得。ナダルはまたもや1540のBP このアングルのショットはダヴィのdeadly weapon。ナダルがフォアをロングしてブレークを許してしまいました。
第6ゲーム(2-3)ダヴィのサーヴ:
ダヴィはダウンザラインでコート全面を使ったテニスをしています。しかもネットダッシュのタイミングが絶妙にうまい。ダヴィのエラーでナダルの初めてのBP しかしナダルのワイドのエラーでデュースに。なかなかナダルはブレークできません。
第7ゲーム(2-4)ナダルのサーヴ:
ナダルがやっとコート内にステップインしてバックハンドでクロスのウィナー。こんなショットは前にいくらでもやっていたのに・・・
第8ゲーム(3-4)ダヴィのサーヴ:
ここでナダルがブレークしなければ状況は悪くなる一方。ナダルのスライスをダヴィはネット。出ました!ナダルのフォアのバギーウィップのダウンザラインのウィナーです!だんだん思い切って振り切れるようになったナダル。ダヴィがロングで、ナダルがブレークしました。
第9ゲーム(4-4)ナダルのサーヴ:
ダヴィをブレークしたナダルはエネルギーと自信が戻ってきました。Swing freely モメンタムがナダルへシフトしました。ダヴィは元気がない。ダヴィはプレッシャーでエラーが続発。ナダルは40-0でゲームをホールドしました。
第10ゲーム(5-4)ダヴィのサーヴ:
ナダルが拳を上げてVamos!これでなくてはナダルではありません。果たしてダヴィがリズムに乗ったナダルを崩すことができるか? あくまでもアグレッシヴにナダルのフォアを攻めるダヴィ。
第11ゲーム(5-5)ナダルのサーヴ:
まるでマシーンのような正確さのダヴィのフォアのクロスに、ナダルはカウンターにエラーが。ナダルがダブルフォルト。15-40のBPとなってしまいました。ナダルのフォアがまたネットに。どうもフォアに迷いがあります。思い切り振れていない。またもやナダルはブレークされてしまいました。
第12ゲーム(5-6)ダヴィのサーヴ:
ナダルがよくセンターに返球しますが、ショットが甘くダヴィに狙われています。ダヴィはフォアのインサイドアウトでウィナー。このパターンが多すぎます。しかしナダルのリターンエース。アグレッシヴなナダル。1540大声を上げて叫ぶナダルはダヴィをブレークしました。
タイブレーク:ブレークバックが繰り返される不思議なゲーム展開でタイブレークをむかえました。ダヴィの得意なフォアのクロスがアウト。かなりダヴィは緊張しています。ナダルもウィナー狙いがネットして2-2。
相手のエラーでポイントをとるゲームは二人が固い証拠。必死のラリーがつづきます!ナダルの浮いた球をダヴィがスマッシュ。3-3
ダヴィはナダルをコートに出して上がった球をまたスマッシュです。3-5
永遠につづくかと思われる長い緊迫のラリー。ダヴィがネットダッシュしました。しかしダヴィの両手のバックヴォレーがネットに。両手はまずい。しかしダヴィのサーヴィスウィナーでマッチポイント! 4-6
ダヴィは最後に十八番、センターからのフォアのインサイドアウトでウィナー!ナダルは何度このパターンでポイントを取られたことか!
無念のナダルですが、負けてもサインをちゃんとやっています。偉いですね。ナダルは多くの課題を残しましたが、第2セットでは徐々に昔のナダルに戻りつつあります。金曜のジョコヴィッチ戦では、自信を取り戻しつつあるナダルがどのようなテニスをみせてくれるか? 大いに期待したいと思います。
イギリス紙のタイムズに、ダヴィデンコ戦についてナダルは以下のように語っています。
http://timesonline.typepad.com/rafael_nadal/2009/11/sorry-if-ive-let-you-down-but-i-gave-it-my-best-shot.html
「もしがっかりしたらごめんなさい。でも僕はベストを尽くして戦ったのです。
残念ながら日曜日に残るチャンスはとても少なくなってしまった、というか不可能になってしまいました。今日また負けてしまって、一週間に二度続けて負けたというのは変な感じです。
今日は昨日よりうまくプレーできたと思ったのですが・・・アグレッシヴで、絶対に勝ちたいという気持ちは強かったのですが、ダヴィデンコのようなトッププレーに勝つことができませんでした。
明日はいつものように2時にコートに入って練習します。大切なことはプラクティスを続けること。そして金曜日に備えて準備をすること。その後はデ杯の決勝に向けて準備をすること。
今の僕はハッピーでないけれどでもそれほど失望はしていません。今日の試合では後半は頑張れたし、3セットにもっていけるチャンスもありました。
ファンの皆さん、ごめんなさい。でもロンドンで僕を応援してくれるファンが多いのを知ってとても嬉しいです。世界中からロンドンにやってきてくれたファンの皆さんに感謝しています。ありがとう。」
フェデラーが昨年ボロボロに負けていた頃を思い出します。「フェデラーはこのまま終わってしまうのか!?」誰もが一度はフェデラーのカムバックを疑ったことのあるあの辛い時期にフェデラーは言い続けてきました。「これは本当の自分ではない。」
ロンドンのファイナルズでみせたナダルのテニスは、まさに一年前のフェデラーでした。「今の僕は本当の自分ではない」ナダルはインタービューでこういいたかったのでしょう。
自信のなさを露呈してしまったナダルは、第1セットを1-6で完敗しましたが、第2セットから猛然と攻撃を開始しました。残念ながらタイブレークで破れてしまいましたが、試合の内容はそれほど悪いものではなかったと思います。ナダルに自信が少し生まれてきたように思います。
ナダルは12月のデ杯の決勝に向けて調整中という感じがします。デ杯では絶対に負けられない。母国スペインのためにも。もしデ杯でナダルが負けてスペインが優勝を失ってしまったら? これは考えただけでも恐ろしいことです。半年くらいは立ち上がれない致命的な打撃をナダルが受けてしまうかもしれません。個人の勝敗のレベルではなく、国のために戦うことの恐ろしさがここにあります。
金曜のジョコヴィッチ戦はその意味でも、デ杯への最終準備になる試合。ソダーリング戦では、ガス欠であっけなく第2セットを落としてしまったジョコヴィッチでしたが、ナダル戦では全力で攻撃をしてくるはずです。
「自信がでてくれば元来の自分にもどれるはず」フェデラーが実証したように、自信というものがいかに大きなファクターであるのか! それを最も痛感しているのはナダル本人です。ソダーリングには敗北したものの、まだまだ自信に満ちあふれるジョコヴィッチに、ナダルがいかに対抗していけるのか?
以下はナダルvsダヴィデンコのTwitterの実況解説です。
Davydenko def Nadal: 6-1, 7-6(4)
いよいよナダルvsダヴィデンコが始まります。ナダルはダヴィデンコのオンザライズライズのショットにいかに対応できるか?
二人の対戦成績はナダルはハードでは1勝3敗。ナダルはかなりダヴィへの苦手意識があります。しかも最後は上海でストレートに負けてしまったナダル。あのスピンの強いショートボールは絶対打てません。フラットが打てなければできるだけ深く。そしてサーヴでチープポイントをとること。ダヴィデンコはジョコヴィッチに負けたとはいえ、最好調といえるハイレベルのテニスを見せています。果たして・・・
第1セット:
第1ゲーム(0-0)ダヴィのサーヴ:
ダヴィはまずエース。ナダルのバックハンドのフラットのクロスが出ました!昔観たあのウィナーです!ダヴィはダブルフォルトでデュース。ナダルはフォアがロングでしたがディープでなかなかよい感じです。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ナダルの2つのエラーで0-30。しかしワイドにエースです。このワイドサーヴはリターン不可能。ダヴィはセンターから角度をつけてバックハンドでコーナーへウィナー。ナダルの不意をつきました。30-40のBP(ブレークポイント) ナダルがネットに。
第3ゲーム(0-2)ダヴィのサーヴ:
ナダルのショットがネットしてブレークされてしまいました。ダヴィはまたフォアのインサイドアウトでウィナーです。このパターンが続きます。ナダルは動こうともしない。どうした? ダヴィがネットでアングルヴォレー。またダヴィはネットでドライヴヴォレー。
第4ゲーム(0-3)ナダルのサーヴ:
ダヴィはアグレッシヴにナダルをネットで攻めます。決してヴォレーがうまい選手ではないのですが(両手のバックハンドヴォレーをするプロはめずらしい)、この作戦は効果ありナダルに時間を与えません。しかしナダルはダヴィを左右に振り始め、チャンスを待ってハードヒットでフォアのウィナー3本!ブレークされても強気で、ナダルはパワーゲームでゲームをホールドしました。
第5ゲーム(1-3)ダヴィのサーヴ:
やっとナダルらしくなったゲーム。しかしコートポジションがまだ下がりすぎ。ダヴィがネットへ。そして得意のドライヴヴォレー。またネットで今度はアングルヴォレー。ダヴィのヴォレーがすばらしい!こんなにうまかったっけ、とびっくり。それにしてもアグレッシヴな攻撃テニスです。
第6ゲーム(1-4)ナダルのサーヴ:
また出ました!ダヴィのフォアのインサイドアウトのウィナー。あのセンター気味のポジションから打つこのウィナーは、ナダルには予測できません。ナダルは呆然とみているだけ。ダヴィは2ndを狙ってリターンエースです。限りなくアグレッシヴなダヴィに040でナダルは大ピンチ。
ナダルが不調なのではなく、ナダルの弱点を攻め抜いたダヴィの作戦で第1セットを勝ち取りとりました。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)ナダルのサーヴ:
なぜこんなときにスライスを? ナダルはバックのスライスが多すぎます。弱気になっている証拠。ダヴィはワイドなアングルショットを繰り返し、ナダルはコート中を走りまわりますがとれない。やっとゲームをナダルはホールドしました。(英語ではkeepという言葉を使わず、holdを使います。)
第2ゲーム(1-0)ダヴィのサーヴ:
ダヴィが自信満々でサイドラインを狙ってアタック。わずかにアウトしましたが、このアグレッシヴな攻撃はナダルに大きなプレッシャーを与え、ナダルもきわどいショットを狙わなくてはならず、ナダルのエラーが増えています。
第3ゲーム(1-1)ナダルのサーヴ:
ナダルのフォアのエラーで30-40のBP どうもナダルの急ぎすぎのエラーが増えてきています。ダヴィのフォアのショートクロスがワイドに決まりました!ナダルがとれない! このショットはナダルが昔やっていたショットです。そのショットをダヴィが見事にやってみせました。ナダルのフォアのダウンザラインが入りません。これも昔のナダルならウィナーになっていた得意のショットです。
何度もデュースを繰り返しています。ナダルの体の動きが軽くなり、ショットにパワーが。ナダルがサーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。
第4ゲーム(2-1)ダヴィのサーヴ:
またダヴィの得意のウィナー。前進しながらフォアのインサイドアウト。しかもアングル。まさにスーパショット。しかしナダルも負けじで緊張するラリーの展開です。
ダヴィデンコは50%をコートの中で打っているのに対し、ナダルは14%がコート内。これだけでもダヴィがどれだけアグレッシヴかが分かります。
第5ゲーム(2-2)ナダルのサーヴ:
ナダルはダヴィの過激なフォアのショートクロスがとれない。ダヴィはナダルを左右にふるだけでなく、アングルショットでポイントを獲得。ナダルはまたもや1540のBP このアングルのショットはダヴィのdeadly weapon。ナダルがフォアをロングしてブレークを許してしまいました。
第6ゲーム(2-3)ダヴィのサーヴ:
ダヴィはダウンザラインでコート全面を使ったテニスをしています。しかもネットダッシュのタイミングが絶妙にうまい。ダヴィのエラーでナダルの初めてのBP しかしナダルのワイドのエラーでデュースに。なかなかナダルはブレークできません。
第7ゲーム(2-4)ナダルのサーヴ:
ナダルがやっとコート内にステップインしてバックハンドでクロスのウィナー。こんなショットは前にいくらでもやっていたのに・・・
第8ゲーム(3-4)ダヴィのサーヴ:
ここでナダルがブレークしなければ状況は悪くなる一方。ナダルのスライスをダヴィはネット。出ました!ナダルのフォアのバギーウィップのダウンザラインのウィナーです!だんだん思い切って振り切れるようになったナダル。ダヴィがロングで、ナダルがブレークしました。
第9ゲーム(4-4)ナダルのサーヴ:
ダヴィをブレークしたナダルはエネルギーと自信が戻ってきました。Swing freely モメンタムがナダルへシフトしました。ダヴィは元気がない。ダヴィはプレッシャーでエラーが続発。ナダルは40-0でゲームをホールドしました。
第10ゲーム(5-4)ダヴィのサーヴ:
ナダルが拳を上げてVamos!これでなくてはナダルではありません。果たしてダヴィがリズムに乗ったナダルを崩すことができるか? あくまでもアグレッシヴにナダルのフォアを攻めるダヴィ。
第11ゲーム(5-5)ナダルのサーヴ:
まるでマシーンのような正確さのダヴィのフォアのクロスに、ナダルはカウンターにエラーが。ナダルがダブルフォルト。15-40のBPとなってしまいました。ナダルのフォアがまたネットに。どうもフォアに迷いがあります。思い切り振れていない。またもやナダルはブレークされてしまいました。
第12ゲーム(5-6)ダヴィのサーヴ:
ナダルがよくセンターに返球しますが、ショットが甘くダヴィに狙われています。ダヴィはフォアのインサイドアウトでウィナー。このパターンが多すぎます。しかしナダルのリターンエース。アグレッシヴなナダル。1540大声を上げて叫ぶナダルはダヴィをブレークしました。
タイブレーク:ブレークバックが繰り返される不思議なゲーム展開でタイブレークをむかえました。ダヴィの得意なフォアのクロスがアウト。かなりダヴィは緊張しています。ナダルもウィナー狙いがネットして2-2。
相手のエラーでポイントをとるゲームは二人が固い証拠。必死のラリーがつづきます!ナダルの浮いた球をダヴィがスマッシュ。3-3
ダヴィはナダルをコートに出して上がった球をまたスマッシュです。3-5
永遠につづくかと思われる長い緊迫のラリー。ダヴィがネットダッシュしました。しかしダヴィの両手のバックヴォレーがネットに。両手はまずい。しかしダヴィのサーヴィスウィナーでマッチポイント! 4-6
ダヴィは最後に十八番、センターからのフォアのインサイドアウトでウィナー!ナダルは何度このパターンでポイントを取られたことか!
無念のナダルですが、負けてもサインをちゃんとやっています。偉いですね。ナダルは多くの課題を残しましたが、第2セットでは徐々に昔のナダルに戻りつつあります。金曜のジョコヴィッチ戦では、自信を取り戻しつつあるナダルがどのようなテニスをみせてくれるか? 大いに期待したいと思います。
2009年11月25日
フェデラーNo.1確定
今日のマリー戦の勝利で、フェデラーは2009年の最終ランキングNo.1を確定しました。2位のナダルが例えロンドン優勝をとげてもフェデラーの1位は変わりません。フェデラーはツウィン誕生も含めてあらゆる記録を更新。今年は記録男のフェデラーの年となりました。
ロンドンのファイナルズも第3日目を迎え、今日は最も注目されたフェデラーvsマリーの試合を実況解説してみました。フェデラーの記者会見はこの解説のあとに掲載しています。
Federer def Murray: 4-6, 7-5, 6-1
フェデがコイントスでレシーヴを選びました。フェデラーは3勝6敗とマリーの対戦成績は芳しくありませんが、最後のシンシナティではフェデらーがマリーを下しています。今日の試合はマリーへの苦手意識をフェデが克服することができるか?
フェデラーがマリーに勝つには一にも速攻。ニにも速攻。マリーにいろんなショットを打たせて自分のリズムを狂わせてしまわないこと。
マリーがフェデラーに勝つには、ラリーを続けてフェデラーのエラーをさそうこと。ヴァラエティーなショットでフェデラーにリズムを与えないこと。
第1セット:
第1ゲーム(0-0)マリーのサーヴ:
やっぱり!最初から何と言うアグレッシヴなフェデのテニス!まるでタイブレークのような緊張したラリーが続きます。マリーがダブルフォルトしました。フェデがバックハンドでハードヒットします。最初からこのハードヒットは強気。続いてフォアでコーナーを。マリーはリターンできずブレークされてしまいました。
第2ゲーム(1-0)フェデのサーヴ:
すでにブレークしたフェデは超特急の攻撃号で走りつづけます。バックハンドはスライス、スピンと混ぜながらマリーへ返球。しかしどうもフォアの調子がおかしい。エラーがつづきネットにかけて1540のブレークポイント。フェデの1stサーヴがなかなか入らず、ブレークバックされてしまいます。
第3ゲーム(1-1)マリーのサーヴ:
マリーはブレークバックして気持ちに余裕が出てきたのか、エースで4030とリード。フェデのフォアがまたネットに。なかなかフォアが決まらないフェデ。しかしリズムを得るまでは、しばらくはフォアのエラーが出ることを覚悟しているのかもしれません。「しばらく打っているうちにリズムが出てくるようになる」と前に言っていましたから。
第4ゲーム(1-2)フェデのサーヴ:
二人とも実にショットが巧い。スーパーショットの応酬。しかしまたフェデのフォアのエラーが出ました。これで5つのフォアのエラーです。
第5ゲーム(2-2)マリーのサーヴ:
フェデはバックハンドのスライスとスピンを交互にまぜながらマリーを攻めます。しかしマリーにはあまり効果はないのでは? どんなショットを打たれてもカウンターしてくるマリー。カウンターパンチャーの神様のように球がどこを打っても返ってきます。これは実に嫌なタイプ。たいていはそれでイライラして勝ち急ぎに出たり、無理なショットを打ったりして自滅してしまうのです。
第6ゲーム(2-3)フェデのサーヴ:
1stサーヴが入りません。ダブルフォルト。フェデが2本のフォアのエラー。すでに0-40ブレークポイント。 マリーがしぶとくバックハンドのクロスラリーをつづけ、フェデはしびれを切らしてウィナーを狙いますが、ワイドにはずれてフェデはブレークされてしまいました。
第7ゲーム(2-4)マリーのサーヴ:
フェデが反撃にでました。バックハンドのトップスピンでネットに(普段はスライス)意表をつかれてマリーはエラー。会場の観客が席からはなれてうるさく、マリーは注意をそがれてダブルフォルト。フェデは1540でBPをとりながらも、フェデはフォアのエラーでブレークできません。どうしてもファオが入らないフェデ。せっかくのブレークチャンスを逃してしまいました。
第8ゲーム(2-5)フェデのサーヴ:
フェデの2ndサーヴを狙ってマリーはリターンエースです。またもやフェデのフォアがネットに。やっとドロップショットで、フェデはサーヴィスゲームをホールドしました。
第9ゲーム(3-5)マリーのサーヴ:
フェデはマリーのサーヴがとれません。ウィナー2本とエース1本で400。しかし固くなったマリーはダブルフォルトをしてしまいます。4030。マリーはダブルフォルトをおそれて短いサーヴ。その甘いサーヴをフェデはリターンエースでデュース。しかしマリーの壁は厚くてブレークできません。
フェデのフォアがアキレスとなった第1セット。フェデはどうしてもこのフォアを何とかしなければ。そしてサーヴの確率を上げなければ第2セットは勝てない。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)フェデのサーヴ:
フェデのサーヴが入り出しました。40-0。フェデラーは最後はエースで難なくサーヴィスゲームをホールドしました。このサーヴィスのハイレベルをキープしていけるかどうか?
第2ゲーム(1-0)マリーのサーヴ:
フェデのフォアのインサイドアウトがようやくコーナーに決まりました。フェデのドロップショットも成功。マリーの甘い2ndサーヴをフェデはリターンエース。やることがすべて決まってきています。そしてブレークポイント。しかしまたフォアのエラーでなかなかブレークできません。
第3ゲーム(1-1)フェデのサーヴ:
デュースを重ねブレークチャンスを失ったフェデですが、サーヴがよく入り出し第2セットは75%の確率まで上がってきました。(第1セットは50%)マリーは逆に第2セットの1stサーヴが29%と最悪。
第4ゲーム(2-1)マリーのサーヴ:
マリーは対戦相手をイライラさせることのできる天才。ヴァラエティーに富んだショットで攻めてくるため、対戦相手はミスが多くなる。フェデラーはなかなかリズムを得られない。マリー戦は苛つけば負け。
第5ゲーム(3-2)フェデのサーヴは安定して、フェデは1ポイントもマリーに与えることなく、400でホールド。
第7ゲーム(42)フェデのサーヴ:
ブレークしたフェデはゆとりのエース。ワイドサーヴでマリーを外に出して、ネットで処理するパターンはすばらしい。見事なハーフヴォレーのドロップショットを見せるフェデラー。フォアハンドのハードヒットが入るようになりました。
第8ゲーム(52)マリーのサーヴ:
ベンチからマリーはごちゃごちゃと主審に文句を言ってます。かなりイライラして主審に当たり散らしている感じ。マリーのサイドスピンのきいたドロップショットがフェデはとれません。マリーはエースで400とリードです。
第9ゲーム(53)フェデのサーヴ:
フェデはオンザライズライズで速攻。かと思えばフェデのバカ打ち!ウィナーとエラーが交錯して頭がくらくらしてきます。これが天才テニス? やっとマリーのエラーでセットポイントをとりました。
第3セット:
第1ゲーム(00)マリーのサーヴ:
マリーのダブルフォルト。しかしマリーはミスがなくファインプレーを続けます。フェデラーは59%をベースラインの中から打つアグレッシヴなテニス。ますますアグレッシヴな攻めのテニスです。
第2ゲーム(01)フェデのサーヴ:
フェデのフォアのウィナーが入るようになりました。超アングルのクロスがウィナーに。サーヴもワイドに振ってネットで決めています。フェデのサーヴィスゲームは圧倒的に強くなりました。
第3ゲーム(11)マリーのサーヴ:
マリーが躊躇したようなショット。エラーが続きます。それにマリーのサーヴが入りません。フェデの040のブレークチャンス。フェデがスライスでネットダッシュ。マリーはプレッシャーでネットにかけ、フェデがマリーをブレークしました。
第4ゲーム(21)フェデのサーヴ:
ここで気を緩めてはならないフェデ。さかんにネットダッシュを続け、マリーにプレッシャーをかけています。400とフェデのリード。フェデのサーヴがよいのでゲーム展開が早い。
第5ゲーム(31)ここでtennisTVのストリーミングがダウン。テニスチャンネルもダウン。衛生のシグナルが届かないみたいで、しばらく真っ黒になった二つ画面とにらめっこです。コンピューターのストリーミングの方が30秒ほどはやく観れるので、まずはコンピューターで観戦。見落とした部分をTVで再確認。この二段構えで実況をやってますが、この二つがダウンでは。世界が全部ストップしてしまったみたいです。
えっ!? すでにフェデラーが51でデュース? おいしい2ゲームを見逃してしまいました!マリーのサーヴみたいです。またプツン!映像が消えました!。このような状態がしばらく続きます・・・
第7ゲーム(51)マリーのサーヴ:
すでにフェデのマッチポイントです。しかしフェデはネットにひっかけてまたデュースに。マリーのバックハンドのエラーでマッチポイント#3。フェデの思い切ったフォアのインサイドアウトのハードヒットで、マリーはカウンターできずネットに。フェデの勝利です!
マリーの1stサーヴが3セットとも40%台。これでは勝てません。フェデはサーヴがよくなってきたことによってフォアが回復。第3セットはフェデラーにモメンタムがシフトしました。サーヴが生命線の試合でした。
フェデラーの記者会見の一部
Q: マリーは今日うまくプレーできなかったと言っていますが、今日の試合のクウォリティーについてどう思いますか?
フェデラー:試合はいつもアップのときやダウンのときがある。だからいつももっとうまくプレーできたはずだ、と考えてしまう。マリーと僕はプレースタイルが違うから、衝突したときは今度はもっとうまくプレーできるとね。だから負けたときは、もっとうまく出来たはずなのにと思ってしまうんだ。僕は今まで何度もその苦い想いを抱いてきたのだから、今日は残念ながらアンディーの番なんだ。
Q:次の対戦者、デルポトロについては?
フェデラー:US Openの決勝はファンタスティックなマッチだった。トーナメントごとに彼は強くなっていってるような気がする。だから木曜の試合は全力をつくして勝ちたいとおもっている。
Q:マリーに第1セットをまけていながら試合に勝ったことは重要なことですか? それともあまり重要でない?
フェデラー:重要でないと思う。第3セットをマリーと戦うときはときどき車輪がはずれてしまうような時がある。今日はアンディの車輪がはずれてしまった。モメンタムをもった者が思い切ってスウィングできる。でももう一人の方は用心してしまう。だから最初が大切なんだ。
ロンドンのファイナルズも第3日目を迎え、今日は最も注目されたフェデラーvsマリーの試合を実況解説してみました。フェデラーの記者会見はこの解説のあとに掲載しています。
Federer def Murray: 4-6, 7-5, 6-1
フェデがコイントスでレシーヴを選びました。フェデラーは3勝6敗とマリーの対戦成績は芳しくありませんが、最後のシンシナティではフェデらーがマリーを下しています。今日の試合はマリーへの苦手意識をフェデが克服することができるか?
フェデラーがマリーに勝つには一にも速攻。ニにも速攻。マリーにいろんなショットを打たせて自分のリズムを狂わせてしまわないこと。
マリーがフェデラーに勝つには、ラリーを続けてフェデラーのエラーをさそうこと。ヴァラエティーなショットでフェデラーにリズムを与えないこと。
第1セット:
第1ゲーム(0-0)マリーのサーヴ:
やっぱり!最初から何と言うアグレッシヴなフェデのテニス!まるでタイブレークのような緊張したラリーが続きます。マリーがダブルフォルトしました。フェデがバックハンドでハードヒットします。最初からこのハードヒットは強気。続いてフォアでコーナーを。マリーはリターンできずブレークされてしまいました。
第2ゲーム(1-0)フェデのサーヴ:
すでにブレークしたフェデは超特急の攻撃号で走りつづけます。バックハンドはスライス、スピンと混ぜながらマリーへ返球。しかしどうもフォアの調子がおかしい。エラーがつづきネットにかけて1540のブレークポイント。フェデの1stサーヴがなかなか入らず、ブレークバックされてしまいます。
第3ゲーム(1-1)マリーのサーヴ:
マリーはブレークバックして気持ちに余裕が出てきたのか、エースで4030とリード。フェデのフォアがまたネットに。なかなかフォアが決まらないフェデ。しかしリズムを得るまでは、しばらくはフォアのエラーが出ることを覚悟しているのかもしれません。「しばらく打っているうちにリズムが出てくるようになる」と前に言っていましたから。
第4ゲーム(1-2)フェデのサーヴ:
二人とも実にショットが巧い。スーパーショットの応酬。しかしまたフェデのフォアのエラーが出ました。これで5つのフォアのエラーです。
第5ゲーム(2-2)マリーのサーヴ:
フェデはバックハンドのスライスとスピンを交互にまぜながらマリーを攻めます。しかしマリーにはあまり効果はないのでは? どんなショットを打たれてもカウンターしてくるマリー。カウンターパンチャーの神様のように球がどこを打っても返ってきます。これは実に嫌なタイプ。たいていはそれでイライラして勝ち急ぎに出たり、無理なショットを打ったりして自滅してしまうのです。
第6ゲーム(2-3)フェデのサーヴ:
1stサーヴが入りません。ダブルフォルト。フェデが2本のフォアのエラー。すでに0-40ブレークポイント。 マリーがしぶとくバックハンドのクロスラリーをつづけ、フェデはしびれを切らしてウィナーを狙いますが、ワイドにはずれてフェデはブレークされてしまいました。
第7ゲーム(2-4)マリーのサーヴ:
フェデが反撃にでました。バックハンドのトップスピンでネットに(普段はスライス)意表をつかれてマリーはエラー。会場の観客が席からはなれてうるさく、マリーは注意をそがれてダブルフォルト。フェデは1540でBPをとりながらも、フェデはフォアのエラーでブレークできません。どうしてもファオが入らないフェデ。せっかくのブレークチャンスを逃してしまいました。
第8ゲーム(2-5)フェデのサーヴ:
フェデの2ndサーヴを狙ってマリーはリターンエースです。またもやフェデのフォアがネットに。やっとドロップショットで、フェデはサーヴィスゲームをホールドしました。
第9ゲーム(3-5)マリーのサーヴ:
フェデはマリーのサーヴがとれません。ウィナー2本とエース1本で400。しかし固くなったマリーはダブルフォルトをしてしまいます。4030。マリーはダブルフォルトをおそれて短いサーヴ。その甘いサーヴをフェデはリターンエースでデュース。しかしマリーの壁は厚くてブレークできません。
フェデのフォアがアキレスとなった第1セット。フェデはどうしてもこのフォアを何とかしなければ。そしてサーヴの確率を上げなければ第2セットは勝てない。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)フェデのサーヴ:
フェデのサーヴが入り出しました。40-0。フェデラーは最後はエースで難なくサーヴィスゲームをホールドしました。このサーヴィスのハイレベルをキープしていけるかどうか?
第2ゲーム(1-0)マリーのサーヴ:
フェデのフォアのインサイドアウトがようやくコーナーに決まりました。フェデのドロップショットも成功。マリーの甘い2ndサーヴをフェデはリターンエース。やることがすべて決まってきています。そしてブレークポイント。しかしまたフォアのエラーでなかなかブレークできません。
第3ゲーム(1-1)フェデのサーヴ:
デュースを重ねブレークチャンスを失ったフェデですが、サーヴがよく入り出し第2セットは75%の確率まで上がってきました。(第1セットは50%)マリーは逆に第2セットの1stサーヴが29%と最悪。
第4ゲーム(2-1)マリーのサーヴ:
マリーは対戦相手をイライラさせることのできる天才。ヴァラエティーに富んだショットで攻めてくるため、対戦相手はミスが多くなる。フェデラーはなかなかリズムを得られない。マリー戦は苛つけば負け。
第5ゲーム(3-2)フェデのサーヴは安定して、フェデは1ポイントもマリーに与えることなく、400でホールド。
第7ゲーム(42)フェデのサーヴ:
ブレークしたフェデはゆとりのエース。ワイドサーヴでマリーを外に出して、ネットで処理するパターンはすばらしい。見事なハーフヴォレーのドロップショットを見せるフェデラー。フォアハンドのハードヒットが入るようになりました。
第8ゲーム(52)マリーのサーヴ:
ベンチからマリーはごちゃごちゃと主審に文句を言ってます。かなりイライラして主審に当たり散らしている感じ。マリーのサイドスピンのきいたドロップショットがフェデはとれません。マリーはエースで400とリードです。
第9ゲーム(53)フェデのサーヴ:
フェデはオンザライズライズで速攻。かと思えばフェデのバカ打ち!ウィナーとエラーが交錯して頭がくらくらしてきます。これが天才テニス? やっとマリーのエラーでセットポイントをとりました。
第3セット:
第1ゲーム(00)マリーのサーヴ:
マリーのダブルフォルト。しかしマリーはミスがなくファインプレーを続けます。フェデラーは59%をベースラインの中から打つアグレッシヴなテニス。ますますアグレッシヴな攻めのテニスです。
第2ゲーム(01)フェデのサーヴ:
フェデのフォアのウィナーが入るようになりました。超アングルのクロスがウィナーに。サーヴもワイドに振ってネットで決めています。フェデのサーヴィスゲームは圧倒的に強くなりました。
第3ゲーム(11)マリーのサーヴ:
マリーが躊躇したようなショット。エラーが続きます。それにマリーのサーヴが入りません。フェデの040のブレークチャンス。フェデがスライスでネットダッシュ。マリーはプレッシャーでネットにかけ、フェデがマリーをブレークしました。
第4ゲーム(21)フェデのサーヴ:
ここで気を緩めてはならないフェデ。さかんにネットダッシュを続け、マリーにプレッシャーをかけています。400とフェデのリード。フェデのサーヴがよいのでゲーム展開が早い。
第5ゲーム(31)ここでtennisTVのストリーミングがダウン。テニスチャンネルもダウン。衛生のシグナルが届かないみたいで、しばらく真っ黒になった二つ画面とにらめっこです。コンピューターのストリーミングの方が30秒ほどはやく観れるので、まずはコンピューターで観戦。見落とした部分をTVで再確認。この二段構えで実況をやってますが、この二つがダウンでは。世界が全部ストップしてしまったみたいです。
えっ!? すでにフェデラーが51でデュース? おいしい2ゲームを見逃してしまいました!マリーのサーヴみたいです。またプツン!映像が消えました!。このような状態がしばらく続きます・・・
第7ゲーム(51)マリーのサーヴ:
すでにフェデのマッチポイントです。しかしフェデはネットにひっかけてまたデュースに。マリーのバックハンドのエラーでマッチポイント#3。フェデの思い切ったフォアのインサイドアウトのハードヒットで、マリーはカウンターできずネットに。フェデの勝利です!
マリーの1stサーヴが3セットとも40%台。これでは勝てません。フェデはサーヴがよくなってきたことによってフォアが回復。第3セットはフェデラーにモメンタムがシフトしました。サーヴが生命線の試合でした。
フェデラーの記者会見の一部
Q: マリーは今日うまくプレーできなかったと言っていますが、今日の試合のクウォリティーについてどう思いますか?
フェデラー:試合はいつもアップのときやダウンのときがある。だからいつももっとうまくプレーできたはずだ、と考えてしまう。マリーと僕はプレースタイルが違うから、衝突したときは今度はもっとうまくプレーできるとね。だから負けたときは、もっとうまく出来たはずなのにと思ってしまうんだ。僕は今まで何度もその苦い想いを抱いてきたのだから、今日は残念ながらアンディーの番なんだ。
Q:次の対戦者、デルポトロについては?
フェデラー:US Openの決勝はファンタスティックなマッチだった。トーナメントごとに彼は強くなっていってるような気がする。だから木曜の試合は全力をつくして勝ちたいとおもっている。
Q:マリーに第1セットをまけていながら試合に勝ったことは重要なことですか? それともあまり重要でない?
フェデラー:重要でないと思う。第3セットをマリーと戦うときはときどき車輪がはずれてしまうような時がある。今日はアンディの車輪がはずれてしまった。モメンタムをもった者が思い切ってスウィングできる。でももう一人の方は用心してしまう。だから最初が大切なんだ。
2009年11月25日
デルポトロがメンタルの勝利
ダレン・ケイヒルの姿がベルダスコのボックスにいます。元アガシのコーチですが、ベルダスコがラスベガスでトレーニングを受けたときのアドヴァイザーをやっています。デルポトロがいつも最初は緊張するのでいかにリラックスできるか? ベルダスコはエラーを少なくし、肝心なときに焦らずポイントがとれるか?
今日の試合に負けてしまえばロンドンともお別れとなってしまうので、どうしても負けられない試合です。Twitterで実況解説したものに手を加えたものを下記に掲載しました。
最後にデルポトロの記者会見を要約したものを追加しました。
デルポトロdefベルダスコ:6-4, 3-6, 7-6(1)
(べルダスコをダスコ、デルポトロをデルポと呼びます)
第1セット:
第3ゲーム(1-1)デルポがスライスをよく使っています。ショットをいろいろ混ぜて、決してウィナーに打ち急ぐことなく用心深いデルポ。一方ダスコはウィナーを狙って大きなイージーミス。ミスがつづくダスコ。ダスコはすでにブレークポイントをとられました。デルポはスロースターターですので、彼のリズムを崩すにはアグレッシヴに早いポイント展開を。これは正しい作戦ですが、「アグレッシヴに攻めなければ」という気持ちが強すぎる感じがします。ジョコヴィッチにもよくありましたが、コントロールのきいたアグレッシヴな攻撃がどれだけダスコにできるのかが鍵。
第4ゲーム(2-1)デルポは2本のサーヴィスウィナー。キックがよくきいていてダスコは2ndがリターンできません。腹筋の故障で今までなかなか思うようなサーヴができなかったデルポでしたが、今日は調子がいいみたいです。ダスコはチャンスボールをミスしすぎ。かなり緊張しています。
第5ゲーム(3-1)またダスコのワイルドショット。フォアも、バックも、ネットも大きなミスが続きます。どうしたらダスコがリラックスできるのか? サーヴがキー。最後のサーヴ2本を、ダスコがサーヴィスウィナーをとりましたので、少しは気持ちに余裕がでてきたかも。
第6ゲーム(3-2)ダスコが全くデルポのサーヴをリターンできません。これはレシーヴのポジションが浅すぎます。高くバウンドしますので深く下がって取らなければリターンができない。デルポはサーヴィスウィナーを3本とりました。見事なフォアのインサイドアウトでデルポのウィナーです。クロスを重ねる作戦はマリーには通用しませんでしたが、ダスコには有効。ダスコのフォアは武器でもあり危険ですが、しかしエラーの多いのもフォア。ベルポはダスコのフォアのエラーを誘ってクロスで攻めます。
第8ゲーム(4-3)デルポの210kmのビッグサーヴにダスコは苦戦。ダスコはリターンできても甘くなりデルポに叩かれてします。デルポのサーヴはこの2年に驚くべき進歩を遂げました。当時はスピードに欠けるサーヴで、サーヴが弱点だったのですが、今では武器となるほど向上しました。 しかしデルポは1stサーヴがまだ58%と低い。ダスコは80%で確実に入れています。
しかしクウォリティーの点では、デルポは高く91%もポイントを得ています。これはデルポが1stを入れればほとんど得点できることを示しています。ダスコはまたバカミスをやりました。フォアのインサイドアウトを3mくらい大きくワイドに。こういうミスをやるのは驚きです。
第10ゲーム(5-4)デルポのショットがアウトしてしまい、ブレークポイントとなりますが、エースでデュースに。肝心なところでエースがとれるメンタルはすごい。またBPになりましたが、ワイドのエースです。そしてショートのアングルクロスのファオのウィナーをとってブレークを免れました。このデルポのウィナーはアングルクロスにもかかわらず、強烈なスピードのフラット。こういうショットはエラーがでるのでガッツがいるショットです。窮地に陥っても強気で立ち直れるのはメンタルが強い証拠。
ときどきデルポは狙いすぎたり、ルースなポイントロスがありますが、肝心のポイントでエースがとれること。フォアのインサイドアウトでウィナーがとれること。バックハンドでラリーを続けることができること。この三つが健在であればダスコに勝てるはず。第1セットはダスコは肝心のポイントをエラーで逃しているのが敗因。とにかく落ち着かなければ。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)ダスコは落ち着き出したのか、ライン際のショットが入りだし、バックのダウンザラインも見事に入り始めました。逆に勝ったデルポの気持ちに弛みがでて、デルポは左右に振られてどうしても返球が甘くなってきています。
第2ゲーム(0-1)追いつめられてもサーヴ力があるのでデルポはブレークされにくい。エースはこれで4本目。
第3ゲーム(1-1)デルポのめずらしいドロップショット。ゲームに幅がでてきています。エラーを覚悟でダスコがアグレッシヴな攻撃を止めません。ダスコにエラーが少なくなり、自分のショットに自信をえ始めたようにみえます。
第5ゲーム(2-2)デルポは71%と1stサーヴの確率が向上。ダスコは81%と相変わらず非常に高い確率。ダスコは高い確率のサーヴですが、デルポのリターンがよいので思ったほどポイントがとれません。デルポの2度目のドロップショット。ダスコに追いつかれましたが、変化を与える意味ではよい選択。
1stサーヴのポイント数は30のサーヴのうち、デルポは25ポイント、ダスコは21ポイントをとっています。ダスコのフォアは脅威ですが、バックのリーチが狭いのでカウンターできないときがあります。デルポはもっとショットのヴァリエーションをふやしてダスコを振るべき。
第7ゲーム(3-3)ダスコがすばらしいバックハンドでダウンザラインのウィナー。しかし力みすぎてフォアはウィナーの打ち急ぎでミス。ウィナーとエラーを繰り返すダスコらしいテニスが続きます。
第8ゲーム(3-4)出ました!ダスコの両手バックハンドのクロスのウィナーです。二人とも両手バックハンドが好調で下手にコーナーを攻められなくなってきました。0-30でデルポはエースです。困ったときにエースが出来るなら、なぜもっと打てない?しかしデルポはイライラしているのか、エラーがつづきブレークされてしまいました。
第9ゲーム(3-5)ダスコはアグレッシヴにデルポを左右に振ります。どうしてもデルポが消極的になっています。エネルギーが感じられない。エラーが出始めているのでなかなか思い切ったショットが打てないようです。ディフェンスになったデルポに速いテンポで攻めてきました。ダスコのウィナーは3本多い14本。モメンタムがダスコにシフトしてしまった? 第2セットをデルポが落としました。
第3セット:
モメンタムを取り返すにはデルポはどうすればよいか?まずサーヴを維持しながら、ダスコをゆさぶるアグレッシヴなショットが必要。デルポは新しいラケットに取り替えました。これは気分を一新する上でもプラス。
第2ゲーム(1-0)デルポは辛抱つよくラリーを続けながら、チャンスとみればウィナーを打つ普段のデルポに。はやり自分らしいテニスをすることによってリズムが生まれるのでしょうか? バックハンドのクロスが見事に決まりました。デルポのリターンエースです。リズムを得たデルポはアグレッシヴに攻めます。しかしダスコのサーヴがよく、サーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。
第3ゲーム(1-1)デルポはライジングでバックハンドのインサイドアウトでウィナーを決めました。このショットは思い切り振らなければワイドになってしまうガッツのいるショット。400 デルポが集中すればむずかしいショットも打てるというよい見本。ときどきポカっとぬける時があるので、絶えずインテンスに気持ちを引き締めることがデルポには必要なのかも。
第4ゲーム(2-1)ダスコはセンターから角度をつけたフォアのインサイドアウトでコーナーをついてウィナーをとりました。この角度はデルポはとれないすばらしいショット。デルポはダスコに角度をつけられないためにセンターに返していますが、今のようなショットをダスコに打たれてしまうと辛い。そのためにはデルポはディープなショットをもっと打つ必要があります。
第5ゲーム(2-2)互角のゲーム。しかしダスコにエラーがでてきました。イージーなチャンスボールをフォアのバカ打ち。ダスコがトップ5のプレーヤーになれない理由に、冷静に重要なポイントがとれないことがあげられます。
第6ゲーム(3-2)アグレッシヴに攻めながら、コンシスタンシー(安定)が求められるダスコ。デルポはダスコにアングルで攻められないようにセンターに球を寄せています。ダスコはアグレッシヴに攻めるには、どちらかのコーナーを狙わなくてはならず、微妙な方向の転換に誤算が出て来ています。デルポは急にコーナーを狙わず徐々にクロスで攻めていきます。しかしダスコは待ちきれず勝ち急ぎのエラー。デルポがブレークに成功しました!
第6ゲームはデルポの強さとダスコの弱さが対照的に出たゲームでした。デルポはコントロールのきいたアグレッシヴなプレー。ダスコはコントロールのないアグレッシヴなプレーでエラー。
第8ゲーム(5-2)デルポはバナナをかじってエネルギーを補給。表情が落ち着いてきています。靴ひもを結びなおし冷静に。デルポは落ち着いた迷いのないショットでアグレッシヴに攻めます。デルポのすばらしいリターンでマッチポイントです。
ネットダッシュしたデルポをパッシングショットで抜いたダスコはエースを放ち、マッチポイントを免れました。なかなかガッツのあるショット。せっかくの勝利のチャンスをリターンのエラーでデルポは逃してしまいました。これは痛い!
第9ゲーム(5-3)マッチポイントを迎えながら勝てなかったデルポはダブルフォルトです。勝利を意識して体が固くなっています。デルポのバックハンドのエラーでブレークポイント3040。 デルポがまたエラーです。フォアがアウト。明らかにデルポはチョーキングしています(緊張して体が硬直している状態)。自滅のゲームでした。反対にダスコは自滅していくデルポに対して無理をせず冷静です。デルポの最悪のシナリオです。このままエラーを続けて自滅してしまえば当分立ち上がれなくなります。
第10ゲーム(5-4)ここからはまさにメンタルゲームです。二人とも固くなっているはず。二人ともハードヒットは控えプレースメント狙い。デルポがネットにかけるエラー。ドロップショットのエラーの連続。しかしデルポの見事なトップスピンのロブでウィナーを決めました。そしてデュースにこぎつけます。
ネットダッシュしたダスコはヴォレーが出来ない! マッチポイントです。しかしダスコは冷静にエラーのないアグレッシヴなテニスでデュースへ。最後はデルポのリターンがネットして、デルポはまた勝利のチャンスを逃してしまいました。ダスコは冷静でした。マッチポイントを逃れたメンタルはさすがです。
第11ゲーム(5-5)感情を顔に表しませんが、何度も勝利のチャンスを逃したデルポは自分に怒っているはず。この感情をいかにコントロールできるか? そしてダスコはブレークしようと焦らず、このままのリズムで攻守のバランスのとれたテニスを続けることができるか?
第12ゲーム(6-5)ビッグスクリーンをじっと見つめるデルポ。ゲームのリプレーを見ています。これはフラストレーションに陥っている気持ちをそらす意味で有効かも。しかしアグレッシヴさが足りないデルポは、最後まで振り切ることなく中途半端にフォアをプッシュしてアウト。ショットにコミットしていないデルポのショットが気になります。気を引き締めなければ。ダスコはサーヴィスゲームをホールドして、いよいよタイブレークです。
タイブレーク:デルポは最初のサーヴをエース。ダスコはさっそくエラーが2本。しかしフットコールがデルポに!このラインジャッジはよく間違った判定をしているジャッジから出されたもの。解説者はフットコールに驚きの声を上げました。(セリーナはフットコールで、全米でプッツンしてしまった事件がよぎります)サフィンもよくプッツンとなるフットコール。果たしてデルポは?
デルポは冷静でした。何事もなかったように2ndサーヴを打ちます。しかし今度は明らかにダスコがワイドにアウトしたボールを誰もコールしません!デルポは驚いてゲームを中断しました。ラインジャッジの女性は、デルポが邪魔で見えなかったとか。それならなぜ主審がオーヴァールールしてアウトコールを行わないのか? 5cmくらいは出ていたショットでしたので、この主審のいい加減さにはもうびっくり! 解説者もこのように次々とデルポが不利なジャッジを受けると、これは自分に対しての何かの策略だと思ってしまって当然とデルポに同情。普通なら冷静でいられなくなる状況です。
それでもデルポは怒らず表情を変えず冷静でした!しかし冷静なデルポとは反対にダスコは焦りまくってエラーの連続。1ポイントしかとれないダスコは、メンタルでデルポに負けてしまいました。
デルポはフラストレーションという最大の敵を克服して勝利をおさめたことは大きな自信となったと思います。本人も認めているように、マリーやジョコヴィッチのレベルでないことは確かですが、トップ5にふさわしいメンタルをみせてくれました。トップ3を目指すには、まだまだゲームの組み立てが単純で相手に読まれてしまう欠陥がありますが、これから大いに期待できる選手として彼の成長を見守っていきたいと思います。
デルポはファン全員にサインをしています。なかなかやさしいですね。
(デルポトロの記者会見の要約)
Q:今日のベルダスコとの試合でうまくいった点は?
デルポ:サーヴがマリーのときよりもよかったこと。大切なときにポイントがとれたこと。特にタイブレークではそれができたことは大きい。今度はロジャーと対戦するけれど、ポイントを大切なときにとらなければ彼には勝てない。
Q:第3セットの時リードしながらブレークされてしまったのは緊張のせい?
デルポ:もちろんナーヴァスだった。でも今日負けるとロンドンを去らなければならないからね。負けていられなかった。ロジャー戦ではベストのプレーができればと願っている。
Q:US Openでロジャーに勝ったとき、自分について何を学びましたか?
デルポ:いろんなことを学んだけれど、今回は状況、コンディションも違う。僕がロジャーに勝つには、 US Openのときよりもベターなプレーをしなければ勝てないと思っている。
Q:ロンドンは楽しいですか?
デルポ:エンジョイしてます。友だちの Carlos T〓vez(マンチェスターシティーのサッカー選手)がフェデラー戦を見に来るって言ってたけれど。僕じゃなくてフェデラーを観にね。(笑)
Q:今日の接戦で疲れましたか?
デルポ:今日も3セットだったので少し疲れているけれど、ロジャーに勝たなければSFに残れない。だからぜひ彼に勝ちたいと思っている。木曜日までは回復してベストのコンディションでのぞみたい。
今日の試合に負けてしまえばロンドンともお別れとなってしまうので、どうしても負けられない試合です。Twitterで実況解説したものに手を加えたものを下記に掲載しました。
最後にデルポトロの記者会見を要約したものを追加しました。
デルポトロdefベルダスコ:6-4, 3-6, 7-6(1)
(べルダスコをダスコ、デルポトロをデルポと呼びます)
第1セット:
第3ゲーム(1-1)デルポがスライスをよく使っています。ショットをいろいろ混ぜて、決してウィナーに打ち急ぐことなく用心深いデルポ。一方ダスコはウィナーを狙って大きなイージーミス。ミスがつづくダスコ。ダスコはすでにブレークポイントをとられました。デルポはスロースターターですので、彼のリズムを崩すにはアグレッシヴに早いポイント展開を。これは正しい作戦ですが、「アグレッシヴに攻めなければ」という気持ちが強すぎる感じがします。ジョコヴィッチにもよくありましたが、コントロールのきいたアグレッシヴな攻撃がどれだけダスコにできるのかが鍵。
第4ゲーム(2-1)デルポは2本のサーヴィスウィナー。キックがよくきいていてダスコは2ndがリターンできません。腹筋の故障で今までなかなか思うようなサーヴができなかったデルポでしたが、今日は調子がいいみたいです。ダスコはチャンスボールをミスしすぎ。かなり緊張しています。
第5ゲーム(3-1)またダスコのワイルドショット。フォアも、バックも、ネットも大きなミスが続きます。どうしたらダスコがリラックスできるのか? サーヴがキー。最後のサーヴ2本を、ダスコがサーヴィスウィナーをとりましたので、少しは気持ちに余裕がでてきたかも。
第6ゲーム(3-2)ダスコが全くデルポのサーヴをリターンできません。これはレシーヴのポジションが浅すぎます。高くバウンドしますので深く下がって取らなければリターンができない。デルポはサーヴィスウィナーを3本とりました。見事なフォアのインサイドアウトでデルポのウィナーです。クロスを重ねる作戦はマリーには通用しませんでしたが、ダスコには有効。ダスコのフォアは武器でもあり危険ですが、しかしエラーの多いのもフォア。ベルポはダスコのフォアのエラーを誘ってクロスで攻めます。
第8ゲーム(4-3)デルポの210kmのビッグサーヴにダスコは苦戦。ダスコはリターンできても甘くなりデルポに叩かれてします。デルポのサーヴはこの2年に驚くべき進歩を遂げました。当時はスピードに欠けるサーヴで、サーヴが弱点だったのですが、今では武器となるほど向上しました。 しかしデルポは1stサーヴがまだ58%と低い。ダスコは80%で確実に入れています。
しかしクウォリティーの点では、デルポは高く91%もポイントを得ています。これはデルポが1stを入れればほとんど得点できることを示しています。ダスコはまたバカミスをやりました。フォアのインサイドアウトを3mくらい大きくワイドに。こういうミスをやるのは驚きです。
第10ゲーム(5-4)デルポのショットがアウトしてしまい、ブレークポイントとなりますが、エースでデュースに。肝心なところでエースがとれるメンタルはすごい。またBPになりましたが、ワイドのエースです。そしてショートのアングルクロスのファオのウィナーをとってブレークを免れました。このデルポのウィナーはアングルクロスにもかかわらず、強烈なスピードのフラット。こういうショットはエラーがでるのでガッツがいるショットです。窮地に陥っても強気で立ち直れるのはメンタルが強い証拠。
ときどきデルポは狙いすぎたり、ルースなポイントロスがありますが、肝心のポイントでエースがとれること。フォアのインサイドアウトでウィナーがとれること。バックハンドでラリーを続けることができること。この三つが健在であればダスコに勝てるはず。第1セットはダスコは肝心のポイントをエラーで逃しているのが敗因。とにかく落ち着かなければ。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)ダスコは落ち着き出したのか、ライン際のショットが入りだし、バックのダウンザラインも見事に入り始めました。逆に勝ったデルポの気持ちに弛みがでて、デルポは左右に振られてどうしても返球が甘くなってきています。
第2ゲーム(0-1)追いつめられてもサーヴ力があるのでデルポはブレークされにくい。エースはこれで4本目。
第3ゲーム(1-1)デルポのめずらしいドロップショット。ゲームに幅がでてきています。エラーを覚悟でダスコがアグレッシヴな攻撃を止めません。ダスコにエラーが少なくなり、自分のショットに自信をえ始めたようにみえます。
第5ゲーム(2-2)デルポは71%と1stサーヴの確率が向上。ダスコは81%と相変わらず非常に高い確率。ダスコは高い確率のサーヴですが、デルポのリターンがよいので思ったほどポイントがとれません。デルポの2度目のドロップショット。ダスコに追いつかれましたが、変化を与える意味ではよい選択。
1stサーヴのポイント数は30のサーヴのうち、デルポは25ポイント、ダスコは21ポイントをとっています。ダスコのフォアは脅威ですが、バックのリーチが狭いのでカウンターできないときがあります。デルポはもっとショットのヴァリエーションをふやしてダスコを振るべき。
第7ゲーム(3-3)ダスコがすばらしいバックハンドでダウンザラインのウィナー。しかし力みすぎてフォアはウィナーの打ち急ぎでミス。ウィナーとエラーを繰り返すダスコらしいテニスが続きます。
第8ゲーム(3-4)出ました!ダスコの両手バックハンドのクロスのウィナーです。二人とも両手バックハンドが好調で下手にコーナーを攻められなくなってきました。0-30でデルポはエースです。困ったときにエースが出来るなら、なぜもっと打てない?しかしデルポはイライラしているのか、エラーがつづきブレークされてしまいました。
第9ゲーム(3-5)ダスコはアグレッシヴにデルポを左右に振ります。どうしてもデルポが消極的になっています。エネルギーが感じられない。エラーが出始めているのでなかなか思い切ったショットが打てないようです。ディフェンスになったデルポに速いテンポで攻めてきました。ダスコのウィナーは3本多い14本。モメンタムがダスコにシフトしてしまった? 第2セットをデルポが落としました。
第3セット:
モメンタムを取り返すにはデルポはどうすればよいか?まずサーヴを維持しながら、ダスコをゆさぶるアグレッシヴなショットが必要。デルポは新しいラケットに取り替えました。これは気分を一新する上でもプラス。
第2ゲーム(1-0)デルポは辛抱つよくラリーを続けながら、チャンスとみればウィナーを打つ普段のデルポに。はやり自分らしいテニスをすることによってリズムが生まれるのでしょうか? バックハンドのクロスが見事に決まりました。デルポのリターンエースです。リズムを得たデルポはアグレッシヴに攻めます。しかしダスコのサーヴがよく、サーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。
第3ゲーム(1-1)デルポはライジングでバックハンドのインサイドアウトでウィナーを決めました。このショットは思い切り振らなければワイドになってしまうガッツのいるショット。400 デルポが集中すればむずかしいショットも打てるというよい見本。ときどきポカっとぬける時があるので、絶えずインテンスに気持ちを引き締めることがデルポには必要なのかも。
第4ゲーム(2-1)ダスコはセンターから角度をつけたフォアのインサイドアウトでコーナーをついてウィナーをとりました。この角度はデルポはとれないすばらしいショット。デルポはダスコに角度をつけられないためにセンターに返していますが、今のようなショットをダスコに打たれてしまうと辛い。そのためにはデルポはディープなショットをもっと打つ必要があります。
第5ゲーム(2-2)互角のゲーム。しかしダスコにエラーがでてきました。イージーなチャンスボールをフォアのバカ打ち。ダスコがトップ5のプレーヤーになれない理由に、冷静に重要なポイントがとれないことがあげられます。
第6ゲーム(3-2)アグレッシヴに攻めながら、コンシスタンシー(安定)が求められるダスコ。デルポはダスコにアングルで攻められないようにセンターに球を寄せています。ダスコはアグレッシヴに攻めるには、どちらかのコーナーを狙わなくてはならず、微妙な方向の転換に誤算が出て来ています。デルポは急にコーナーを狙わず徐々にクロスで攻めていきます。しかしダスコは待ちきれず勝ち急ぎのエラー。デルポがブレークに成功しました!
第6ゲームはデルポの強さとダスコの弱さが対照的に出たゲームでした。デルポはコントロールのきいたアグレッシヴなプレー。ダスコはコントロールのないアグレッシヴなプレーでエラー。
第8ゲーム(5-2)デルポはバナナをかじってエネルギーを補給。表情が落ち着いてきています。靴ひもを結びなおし冷静に。デルポは落ち着いた迷いのないショットでアグレッシヴに攻めます。デルポのすばらしいリターンでマッチポイントです。
ネットダッシュしたデルポをパッシングショットで抜いたダスコはエースを放ち、マッチポイントを免れました。なかなかガッツのあるショット。せっかくの勝利のチャンスをリターンのエラーでデルポは逃してしまいました。これは痛い!
第9ゲーム(5-3)マッチポイントを迎えながら勝てなかったデルポはダブルフォルトです。勝利を意識して体が固くなっています。デルポのバックハンドのエラーでブレークポイント3040。 デルポがまたエラーです。フォアがアウト。明らかにデルポはチョーキングしています(緊張して体が硬直している状態)。自滅のゲームでした。反対にダスコは自滅していくデルポに対して無理をせず冷静です。デルポの最悪のシナリオです。このままエラーを続けて自滅してしまえば当分立ち上がれなくなります。
第10ゲーム(5-4)ここからはまさにメンタルゲームです。二人とも固くなっているはず。二人ともハードヒットは控えプレースメント狙い。デルポがネットにかけるエラー。ドロップショットのエラーの連続。しかしデルポの見事なトップスピンのロブでウィナーを決めました。そしてデュースにこぎつけます。
ネットダッシュしたダスコはヴォレーが出来ない! マッチポイントです。しかしダスコは冷静にエラーのないアグレッシヴなテニスでデュースへ。最後はデルポのリターンがネットして、デルポはまた勝利のチャンスを逃してしまいました。ダスコは冷静でした。マッチポイントを逃れたメンタルはさすがです。
第11ゲーム(5-5)感情を顔に表しませんが、何度も勝利のチャンスを逃したデルポは自分に怒っているはず。この感情をいかにコントロールできるか? そしてダスコはブレークしようと焦らず、このままのリズムで攻守のバランスのとれたテニスを続けることができるか?
第12ゲーム(6-5)ビッグスクリーンをじっと見つめるデルポ。ゲームのリプレーを見ています。これはフラストレーションに陥っている気持ちをそらす意味で有効かも。しかしアグレッシヴさが足りないデルポは、最後まで振り切ることなく中途半端にフォアをプッシュしてアウト。ショットにコミットしていないデルポのショットが気になります。気を引き締めなければ。ダスコはサーヴィスゲームをホールドして、いよいよタイブレークです。
タイブレーク:デルポは最初のサーヴをエース。ダスコはさっそくエラーが2本。しかしフットコールがデルポに!このラインジャッジはよく間違った判定をしているジャッジから出されたもの。解説者はフットコールに驚きの声を上げました。(セリーナはフットコールで、全米でプッツンしてしまった事件がよぎります)サフィンもよくプッツンとなるフットコール。果たしてデルポは?
デルポは冷静でした。何事もなかったように2ndサーヴを打ちます。しかし今度は明らかにダスコがワイドにアウトしたボールを誰もコールしません!デルポは驚いてゲームを中断しました。ラインジャッジの女性は、デルポが邪魔で見えなかったとか。それならなぜ主審がオーヴァールールしてアウトコールを行わないのか? 5cmくらいは出ていたショットでしたので、この主審のいい加減さにはもうびっくり! 解説者もこのように次々とデルポが不利なジャッジを受けると、これは自分に対しての何かの策略だと思ってしまって当然とデルポに同情。普通なら冷静でいられなくなる状況です。
それでもデルポは怒らず表情を変えず冷静でした!しかし冷静なデルポとは反対にダスコは焦りまくってエラーの連続。1ポイントしかとれないダスコは、メンタルでデルポに負けてしまいました。
デルポはフラストレーションという最大の敵を克服して勝利をおさめたことは大きな自信となったと思います。本人も認めているように、マリーやジョコヴィッチのレベルでないことは確かですが、トップ5にふさわしいメンタルをみせてくれました。トップ3を目指すには、まだまだゲームの組み立てが単純で相手に読まれてしまう欠陥がありますが、これから大いに期待できる選手として彼の成長を見守っていきたいと思います。
デルポはファン全員にサインをしています。なかなかやさしいですね。
(デルポトロの記者会見の要約)
Q:今日のベルダスコとの試合でうまくいった点は?
デルポ:サーヴがマリーのときよりもよかったこと。大切なときにポイントがとれたこと。特にタイブレークではそれができたことは大きい。今度はロジャーと対戦するけれど、ポイントを大切なときにとらなければ彼には勝てない。
Q:第3セットの時リードしながらブレークされてしまったのは緊張のせい?
デルポ:もちろんナーヴァスだった。でも今日負けるとロンドンを去らなければならないからね。負けていられなかった。ロジャー戦ではベストのプレーができればと願っている。
Q:US Openでロジャーに勝ったとき、自分について何を学びましたか?
デルポ:いろんなことを学んだけれど、今回は状況、コンディションも違う。僕がロジャーに勝つには、 US Openのときよりもベターなプレーをしなければ勝てないと思っている。
Q:ロンドンは楽しいですか?
デルポ:エンジョイしてます。友だちの Carlos T〓vez(マンチェスターシティーのサッカー選手)がフェデラー戦を見に来るって言ってたけれど。僕じゃなくてフェデラーを観にね。(笑)
Q:今日の接戦で疲れましたか?
デルポ:今日も3セットだったので少し疲れているけれど、ロジャーに勝たなければSFに残れない。だからぜひ彼に勝ちたいと思っている。木曜日までは回復してベストのコンディションでのぞみたい。
Good luck Delpo!
2009年11月24日
ジョコヴィッチはダヴィデンコに辛勝
赤のシャツに赤のシューズ。威圧感はありませんが、キュートな感じでジョコヴィッチが登場。あの赤いシューズはサム・クエリーもはいてましたね。
「この数週間は好いプレーができ自信がある。このトーナメントは最も大切なのでぜひ優勝できるようがんばりたい。」
ダヴィデンコとは2勝2敗。上海でダヴィに負けてしまったジョコヴィッチは、いかにトッド・マーティンのテニスを活かしてダヴィデンコを倒すことができるか。
ジョコヴィッチ def ダヴィデンコ:3-6, 6-4, 7-5
ジョコヴィッチの技術、ショットの組み立ては申し分ないのですが、やはり感情的になりすぎる傾向があり、集中力に波があります。長い時間集中力を保てないのが彼の欠陥でしたが、向上しているとはいえ、ナダルのようなインテンシヴな集中力が持続できないようです。熱いセルビアの血が騒ぐのでしょうか、冷静にコントロールするトレーニングが必要。ジョコにはヨガのトレーニングが効果的かもしれません。
どこでジョコの集中が切れるのか。また固くなってしまうか。ジョコは昔から集中力のアップダウンの移り変わりが激しいのですが、今回はその移り変わりが以下の実況解説でよくお分かりいただけると思います。
ダヴィデンコはジョコヴィッチと反対に表情を変えることなく、もくもくと仕事を片付ける職人といった感じ。残念ながら試合の中盤で具合が悪くなったようで(医者を呼ぶ)、ベストのテニスができなかったようですが、それにしても機械のように正確なショットは目を見張るものがあります。ヴァラエティーに富んだテニスではなく、シンプルなテニスですが、オンザライズライズのテンポの速いテニスは魅力があります。
ロンドンファイナルズの第2日。ジョコヴィッチvsダヴィデンコの試合の内容を実況解説風に書いてみました。ジョコヴィッチをジョコ、ダヴィデンコをダヴィと呼ぶ事にします。ダヴィはニックネームです。
第1セット:
第1ゲーム(0-0)ジョコのサーヴ:
最初からダヴィを左右に振り子のように走らせるジョコ。第2コーチのマーティンの姿も見えます。ジョコチームは全員が赤。なかなか団結しています。ジョコの当たりもクリーンで問題なくサーヴィスゲームをホールドしました。
第2ゲーム(1-0)ダヴィのサーヴ:
ジョコのバックハンドのダウンザラインのウィナーがでました!これは彼の最強の武器。またバックハンドでジョコのウィナーです。ジョコがネットダッシュ失敗しましたが、アグレッシヴな攻めはよい感じ。
第3ゲーム(1-1)ジョコのサーヴ:
ダヴィがオンザライズライズの超特急フォアでジョコは返せず。ジョコはフォアでライン上のきわどいショットを狙いましたがエラー。ライン上を狙いすぎ。ダヴィがネットダッシュしましたがヴォレーミス。
第5ゲム(2-2)ジョコのサーヴ:
ダブルフォルト。ジョコは勝ちたいという意識が強い印象。勝ち急ぎのプレーでエラーが増えています。040のブレークポイントに。またもやジョコのエラーでブレークされてしまいました。アグレッシヴになると荒くなるジョコの悪い癖が出てきています。
第6ゲーム(2-3)ダヴィのサーヴ:
冷静さを取り戻したジョコは、辛抱強くラリーを続けます。ダヴィのテニスは単純。ヴァラエティーに欠けますが、マシーンのような正確さが特色。2度もブレークポイントとなりますがジョコはブレークできず。まだまだジョコのショットが荒い。
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ジョコがすばらしローヴォレー。ネットプレーの練習のおかげでヴォレーがうまくなりました。40-0でジョコのサーヴィスゲームはゆるがず。しかしダヴィのサーヴィスゲームは危なっかしく、いつブレークされるかもわからない不安定さがあります。
第8ゲーム(3-4)ダヴィのサーヴ:
ダヴィのワイドサーヴが効果的。ジョコはコートに外に追い出されて返せない。ダヴィの見事なバックハンドのダウンザラインが決まりました!パーフェクトな組み立て方。ダヴィのサーヴがよくなり40-15でゲームをホールドしました。
第9ゲーム(3-5)ジョコのサーヴ:
ダブルフォルト。浮いたダヴィのリターンをジョコは叩きアウトしてしまう。こんな簡単なミスを。どうした?ジョコがパニック状態?ダヴィはジョコをワイドに振ってネットダッシュ。ヴォレーで決めました。アグレッシヴに攻めるダヴィは最後はコーナーをつくフォアのウィナーで第1セット勝利
第2セット:
第1ゲーム(0-0)ダヴィのサーヴ:
ダヴィの極端にオンザライズライズでフラットなショットはジョコに時間を与えません。ショットにあまり変化はありませんが、ボールマシーンのようにポンポン返ってくるダヴィのテニスを崩すには? スライスやスピンなどの違ったショットで、ダヴィにリズムを与えないこと。
第3ゲーム(1-1)ダヴィのサーヴ:
ダヴィがまたネットダッシュでドライヴヴォレー。このショットはダヴィの十八番。ジョコはネットダッシュで見事なハーフヴォレー。ソフトなタッチがすばらしい。ジョコはエラーが続きフラストレーションでラケットを投げました。完全にダヴィのペースです。
第4ゲーム(1-2)ジョコのサーヴ:
おや?ロディックが客席に!今年は欠場で残念でした。会場は大騒ぎ。すごい人気です。ジョコの問題はペースを変えると変えた自分のペースに狂いが生じ、エラーをおかしてしまうこと。無理に方向チェンジをしないで落ち着きが必要。
第5ゲーム(2-2)ダヴィのサーヴ:
ダヴィはネットダッシュをしてヴォレーミス。今日はヴォレーのミスが続きます。2度目は落ち着いて両手でバックハンドヴォレーで確実に決めました。ジョコのスライスが効いてダヴィがエラー。1540ブレークポイント。しかしジョコはファオのミスが4回。集中が途切れてチャンスを失ってしまいます。惜しいチャンスでした。
第6ゲーム(2-3)ジョコのサーヴ:
ジョコにはメンタルの波があるのが難点。今回のサーヴィスゲームは集中力満点で400でホールドしました。しかしなかなかこのレベルの集中力がキープできないようです。
第7ゲーム(3-3)ダヴィのサーヴ:
猛烈な27本のラリー。二人ともミスがない緊張したラリーの応酬。あの小柄な体のダヴィのサーヴはジョコに負けない威力をもっています。ジョコを左右に振り回してフォアのウィナーを決めました。ダヴィは全くショットに変化なしのマシーンテニスです。
第8ゲーム(3-4)ジョコのサーヴ:
チャンスボールをロングしてしまうジョコ。プレッシャーが襲ってきています。またもやロングしてしまいました。力みすぎ。ジョコがエースだと思ったサーヴはレットでやり直し。ジョコは信じられないという顔。ここでプッツンにならずジョコはサーヴィスウィナーをとることができました。
第9ゲーム(4-4)ダフィのサーヴ:
ダヴィのサーヴがよくなる一方。2ndサーヴがライン上にお落ちるアグレッシヴなサーヴ。ジョコはリターンできず。ジョコの集中力がアップしてミスがなくなりました。しかもガッツのあるショットでダヴィのエラーを誘いジョコはブレークに成功。
第10ゲーム(5-4)ジョコのサーヴ:
ダヴィデンコは医者を呼んでなにやらごにょごにょ。多分痛み止め? トッド・マーティン(ジョコの第2コーチ)は鉛筆をくるくる回しています。やはりジョコのためにメモをとっている様子。またジョコのルースなブレーが。2度のエラーにダブルフォルト。しかし注意力を取り戻し、セットポイントをとって第2セットを取得。
第3セット:
第1ゲーム(0-0)ダヴィのサーヴ:
集中力が散漫になりやすいジョコ。ネットにかけ、リターンミスとまたルースなプレー。しかしダヴィも疲れが出てきているためかエラーが増え、ブレークされてしまいました。
第2ゲーム(1-0)ジョコのサーヴ:
すでにブレークされてしまったダヴィ。フォアが入らなくなってきています。動きも鈍く、医者を呼んだということはどこかが悪い証拠。急にパーフォーマンスが落ちてきたダヴィが持ちこたえられるかどうか?
第3ゲーム(2-0)ダヴィのサーヴ:
体調がすぐれないためかダヴィがダブルフォルト。ポイントを早く終わらせようと、左右に方向チェンジするがアウトしてしまいます。観客がアウトコール。最悪。しかし注意をそらすことなく、最後までダヴィはがんばってゲームをホールドしました。
第4ゲーム(2-1)ジョコのサーヴ:
どうしてもダヴィはここでブレークしたいところ。ネットダッシュしましたが、ジョコのパッシングショットに抜かれてしまいます。出ました!ダヴィのドライヴヴォレーのウィナー。しかしまだダヴィのフォアが不安定でジョコをブレークバックできません。
第5ゲーム(3-1)ダヴィのサーヴ:
ジョコのテニスは変わらりませんが、ダヴィのレベルが落ちてきました。今までは振られても打てたショットが、同じポジションにまで行けない。フットワークがかなり落ちてきている。ガス欠なのか、ダヴィはsecond windを得なければ負けてしまう。
第6ゲーム(3-2)ジョコのサーヴ:
ジョコはまたもやダブルフォルト。ジョコの両親は今日は静かに観戦。ジョコとダヴィは激しいラリーを続けます。二人ともアンフォースト・エラーがありません。ダヴィのガッツのあるコーナーショットが決まりました。ダヴィにエネルギーが戻ってきたようです。ジョコはまだ固さがとれません。
幾度もデュースを繰り返します。なかなかジョコがゲームをホールドできない。ジョコのモメンタムがダヴィにシフトしたのか、ダヴィが蘇り、軽快なフットワークを取り戻しました。どうしてもジョコがとれない。ジョコが大声で叫びます。反対にダヴィは全く無表情。面白い対比です。苦戦の末やっとジョコがゲームをホールドすることができました。
第7ゲーム(4-2)ダヴィのサーヴ:
エース2本をダヴィが打ち8本目のエースを記録しました。あの小柄な体型ですばらしいサーヴを放つダヴィに解説者も感心しています。
第8ゲーム(4-3)ジョコのサーヴ:
ダヴィは今までなかったフォアのイージーエラーをおかします。そしてめずらしいダヴィのドロップショット。しかしをジョコは追いつき逆に叩かれて失敗。ジョコのカウンターがよいのでダヴィは無理なショットを強いられエラーが増えてきています。ジョコも集中力が増しエラーが減りました。
第9ゲーム(5-3)ダヴィのサーヴ:
ネットダッシュしたダヴィにジョコはトップスピンロブ。ダヴィは背が低いのでそれほど高いロブでなくても抜かれてしまう。しかしダヴィのサーヴがよく40-15でホールド。
第10ゲーム(5-4)ジョコのサーヴ:
ダヴィはこのゲームをブレークできるか?最後のチャンスです。ダヴィがアグレッシヴにジョコを左右に振っています。ジョコのバカ打ちでブレークポイント。ジョコは勝利を意識しすぎて力みすぎ。出ました!ダヴィのスーパバックハンドのインサイドアウトのウィナー!ブレークしました!
第11ゲーム(5-5)ダヴィのサーヴ:
どちらに転んでもおかしくないゲームとなりました。ちょっとしたエラーで勝敗が決まります。しかしアグレッシヴに攻めなければポイントをとられてしまう緊張したゲーム。せっかくブレークしたにもかかわらず、固くなったダヴィのエラーがつづき0-40。 またもやダヴィのフォアのエラーでジョコがブレーク。
第12ゲーム(6-5)ジョコのサーヴ:
ジョコのブレークに赤色のチームは総立ちで拳を上げて大喜び。ダヴィはフォアをネットにかけてしまいました。落ち着いた方が勝ち。しかしダヴィのエラーも手伝って40-15マッチポイントです。しかしダヴィはガッツのあるバックハンドのウィナーでまだ諦めません。マッチポイント#2。 ジョコはサーヴィスウィナーを決め勝利。
ネットで握手したあと、二人は仲良くシャツを交換しました。とてもいい感じです。これがファイナルズの楽しさですね。
「この数週間は好いプレーができ自信がある。このトーナメントは最も大切なのでぜひ優勝できるようがんばりたい。」
ダヴィデンコとは2勝2敗。上海でダヴィに負けてしまったジョコヴィッチは、いかにトッド・マーティンのテニスを活かしてダヴィデンコを倒すことができるか。
ジョコヴィッチ def ダヴィデンコ:3-6, 6-4, 7-5
ジョコヴィッチの技術、ショットの組み立ては申し分ないのですが、やはり感情的になりすぎる傾向があり、集中力に波があります。長い時間集中力を保てないのが彼の欠陥でしたが、向上しているとはいえ、ナダルのようなインテンシヴな集中力が持続できないようです。熱いセルビアの血が騒ぐのでしょうか、冷静にコントロールするトレーニングが必要。ジョコにはヨガのトレーニングが効果的かもしれません。
どこでジョコの集中が切れるのか。また固くなってしまうか。ジョコは昔から集中力のアップダウンの移り変わりが激しいのですが、今回はその移り変わりが以下の実況解説でよくお分かりいただけると思います。
ダヴィデンコはジョコヴィッチと反対に表情を変えることなく、もくもくと仕事を片付ける職人といった感じ。残念ながら試合の中盤で具合が悪くなったようで(医者を呼ぶ)、ベストのテニスができなかったようですが、それにしても機械のように正確なショットは目を見張るものがあります。ヴァラエティーに富んだテニスではなく、シンプルなテニスですが、オンザライズライズのテンポの速いテニスは魅力があります。
ロンドンファイナルズの第2日。ジョコヴィッチvsダヴィデンコの試合の内容を実況解説風に書いてみました。ジョコヴィッチをジョコ、ダヴィデンコをダヴィと呼ぶ事にします。ダヴィはニックネームです。
第1セット:
第1ゲーム(0-0)ジョコのサーヴ:
最初からダヴィを左右に振り子のように走らせるジョコ。第2コーチのマーティンの姿も見えます。ジョコチームは全員が赤。なかなか団結しています。ジョコの当たりもクリーンで問題なくサーヴィスゲームをホールドしました。
第2ゲーム(1-0)ダヴィのサーヴ:
ジョコのバックハンドのダウンザラインのウィナーがでました!これは彼の最強の武器。またバックハンドでジョコのウィナーです。ジョコがネットダッシュ失敗しましたが、アグレッシヴな攻めはよい感じ。
第3ゲーム(1-1)ジョコのサーヴ:
ダヴィがオンザライズライズの超特急フォアでジョコは返せず。ジョコはフォアでライン上のきわどいショットを狙いましたがエラー。ライン上を狙いすぎ。ダヴィがネットダッシュしましたがヴォレーミス。
第5ゲム(2-2)ジョコのサーヴ:
ダブルフォルト。ジョコは勝ちたいという意識が強い印象。勝ち急ぎのプレーでエラーが増えています。040のブレークポイントに。またもやジョコのエラーでブレークされてしまいました。アグレッシヴになると荒くなるジョコの悪い癖が出てきています。
第6ゲーム(2-3)ダヴィのサーヴ:
冷静さを取り戻したジョコは、辛抱強くラリーを続けます。ダヴィのテニスは単純。ヴァラエティーに欠けますが、マシーンのような正確さが特色。2度もブレークポイントとなりますがジョコはブレークできず。まだまだジョコのショットが荒い。
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ジョコがすばらしローヴォレー。ネットプレーの練習のおかげでヴォレーがうまくなりました。40-0でジョコのサーヴィスゲームはゆるがず。しかしダヴィのサーヴィスゲームは危なっかしく、いつブレークされるかもわからない不安定さがあります。
第8ゲーム(3-4)ダヴィのサーヴ:
ダヴィのワイドサーヴが効果的。ジョコはコートに外に追い出されて返せない。ダヴィの見事なバックハンドのダウンザラインが決まりました!パーフェクトな組み立て方。ダヴィのサーヴがよくなり40-15でゲームをホールドしました。
第9ゲーム(3-5)ジョコのサーヴ:
ダブルフォルト。浮いたダヴィのリターンをジョコは叩きアウトしてしまう。こんな簡単なミスを。どうした?ジョコがパニック状態?ダヴィはジョコをワイドに振ってネットダッシュ。ヴォレーで決めました。アグレッシヴに攻めるダヴィは最後はコーナーをつくフォアのウィナーで第1セット勝利
第2セット:
第1ゲーム(0-0)ダヴィのサーヴ:
ダヴィの極端にオンザライズライズでフラットなショットはジョコに時間を与えません。ショットにあまり変化はありませんが、ボールマシーンのようにポンポン返ってくるダヴィのテニスを崩すには? スライスやスピンなどの違ったショットで、ダヴィにリズムを与えないこと。
第3ゲーム(1-1)ダヴィのサーヴ:
ダヴィがまたネットダッシュでドライヴヴォレー。このショットはダヴィの十八番。ジョコはネットダッシュで見事なハーフヴォレー。ソフトなタッチがすばらしい。ジョコはエラーが続きフラストレーションでラケットを投げました。完全にダヴィのペースです。
第4ゲーム(1-2)ジョコのサーヴ:
おや?ロディックが客席に!今年は欠場で残念でした。会場は大騒ぎ。すごい人気です。ジョコの問題はペースを変えると変えた自分のペースに狂いが生じ、エラーをおかしてしまうこと。無理に方向チェンジをしないで落ち着きが必要。
第5ゲーム(2-2)ダヴィのサーヴ:
ダヴィはネットダッシュをしてヴォレーミス。今日はヴォレーのミスが続きます。2度目は落ち着いて両手でバックハンドヴォレーで確実に決めました。ジョコのスライスが効いてダヴィがエラー。1540ブレークポイント。しかしジョコはファオのミスが4回。集中が途切れてチャンスを失ってしまいます。惜しいチャンスでした。
第6ゲーム(2-3)ジョコのサーヴ:
ジョコにはメンタルの波があるのが難点。今回のサーヴィスゲームは集中力満点で400でホールドしました。しかしなかなかこのレベルの集中力がキープできないようです。
第7ゲーム(3-3)ダヴィのサーヴ:
猛烈な27本のラリー。二人ともミスがない緊張したラリーの応酬。あの小柄な体のダヴィのサーヴはジョコに負けない威力をもっています。ジョコを左右に振り回してフォアのウィナーを決めました。ダヴィは全くショットに変化なしのマシーンテニスです。
第8ゲーム(3-4)ジョコのサーヴ:
チャンスボールをロングしてしまうジョコ。プレッシャーが襲ってきています。またもやロングしてしまいました。力みすぎ。ジョコがエースだと思ったサーヴはレットでやり直し。ジョコは信じられないという顔。ここでプッツンにならずジョコはサーヴィスウィナーをとることができました。
第9ゲーム(4-4)ダフィのサーヴ:
ダヴィのサーヴがよくなる一方。2ndサーヴがライン上にお落ちるアグレッシヴなサーヴ。ジョコはリターンできず。ジョコの集中力がアップしてミスがなくなりました。しかもガッツのあるショットでダヴィのエラーを誘いジョコはブレークに成功。
第10ゲーム(5-4)ジョコのサーヴ:
ダヴィデンコは医者を呼んでなにやらごにょごにょ。多分痛み止め? トッド・マーティン(ジョコの第2コーチ)は鉛筆をくるくる回しています。やはりジョコのためにメモをとっている様子。またジョコのルースなブレーが。2度のエラーにダブルフォルト。しかし注意力を取り戻し、セットポイントをとって第2セットを取得。
第3セット:
第1ゲーム(0-0)ダヴィのサーヴ:
集中力が散漫になりやすいジョコ。ネットにかけ、リターンミスとまたルースなプレー。しかしダヴィも疲れが出てきているためかエラーが増え、ブレークされてしまいました。
第2ゲーム(1-0)ジョコのサーヴ:
すでにブレークされてしまったダヴィ。フォアが入らなくなってきています。動きも鈍く、医者を呼んだということはどこかが悪い証拠。急にパーフォーマンスが落ちてきたダヴィが持ちこたえられるかどうか?
第3ゲーム(2-0)ダヴィのサーヴ:
体調がすぐれないためかダヴィがダブルフォルト。ポイントを早く終わらせようと、左右に方向チェンジするがアウトしてしまいます。観客がアウトコール。最悪。しかし注意をそらすことなく、最後までダヴィはがんばってゲームをホールドしました。
第4ゲーム(2-1)ジョコのサーヴ:
どうしてもダヴィはここでブレークしたいところ。ネットダッシュしましたが、ジョコのパッシングショットに抜かれてしまいます。出ました!ダヴィのドライヴヴォレーのウィナー。しかしまだダヴィのフォアが不安定でジョコをブレークバックできません。
第5ゲーム(3-1)ダヴィのサーヴ:
ジョコのテニスは変わらりませんが、ダヴィのレベルが落ちてきました。今までは振られても打てたショットが、同じポジションにまで行けない。フットワークがかなり落ちてきている。ガス欠なのか、ダヴィはsecond windを得なければ負けてしまう。
第6ゲーム(3-2)ジョコのサーヴ:
ジョコはまたもやダブルフォルト。ジョコの両親は今日は静かに観戦。ジョコとダヴィは激しいラリーを続けます。二人ともアンフォースト・エラーがありません。ダヴィのガッツのあるコーナーショットが決まりました。ダヴィにエネルギーが戻ってきたようです。ジョコはまだ固さがとれません。
幾度もデュースを繰り返します。なかなかジョコがゲームをホールドできない。ジョコのモメンタムがダヴィにシフトしたのか、ダヴィが蘇り、軽快なフットワークを取り戻しました。どうしてもジョコがとれない。ジョコが大声で叫びます。反対にダヴィは全く無表情。面白い対比です。苦戦の末やっとジョコがゲームをホールドすることができました。
第7ゲーム(4-2)ダヴィのサーヴ:
エース2本をダヴィが打ち8本目のエースを記録しました。あの小柄な体型ですばらしいサーヴを放つダヴィに解説者も感心しています。
第8ゲーム(4-3)ジョコのサーヴ:
ダヴィは今までなかったフォアのイージーエラーをおかします。そしてめずらしいダヴィのドロップショット。しかしをジョコは追いつき逆に叩かれて失敗。ジョコのカウンターがよいのでダヴィは無理なショットを強いられエラーが増えてきています。ジョコも集中力が増しエラーが減りました。
第9ゲーム(5-3)ダヴィのサーヴ:
ネットダッシュしたダヴィにジョコはトップスピンロブ。ダヴィは背が低いのでそれほど高いロブでなくても抜かれてしまう。しかしダヴィのサーヴがよく40-15でホールド。
第10ゲーム(5-4)ジョコのサーヴ:
ダヴィはこのゲームをブレークできるか?最後のチャンスです。ダヴィがアグレッシヴにジョコを左右に振っています。ジョコのバカ打ちでブレークポイント。ジョコは勝利を意識しすぎて力みすぎ。出ました!ダヴィのスーパバックハンドのインサイドアウトのウィナー!ブレークしました!
第11ゲーム(5-5)ダヴィのサーヴ:
どちらに転んでもおかしくないゲームとなりました。ちょっとしたエラーで勝敗が決まります。しかしアグレッシヴに攻めなければポイントをとられてしまう緊張したゲーム。せっかくブレークしたにもかかわらず、固くなったダヴィのエラーがつづき0-40。 またもやダヴィのフォアのエラーでジョコがブレーク。
第12ゲーム(6-5)ジョコのサーヴ:
ジョコのブレークに赤色のチームは総立ちで拳を上げて大喜び。ダヴィはフォアをネットにかけてしまいました。落ち着いた方が勝ち。しかしダヴィのエラーも手伝って40-15マッチポイントです。しかしダヴィはガッツのあるバックハンドのウィナーでまだ諦めません。マッチポイント#2。 ジョコはサーヴィスウィナーを決め勝利。
ネットで握手したあと、二人は仲良くシャツを交換しました。とてもいい感じです。これがファイナルズの楽しさですね。
2009年11月24日
ナダルが勝つには?
いよいよナダルのソダーリングへのリヴェンジの時がやってきました。膝の故障があったとしても、今年の全仏でボロボロに負けてしまったあのショックは、ナダルファンでなくても記憶にあたらしいはず。二人の対戦成績はナダルの3勝1敗。しかしソダーリングはインドアでは圧倒的に強いと定評があります。 しかしロンドンのコートサーフェスは速くもなく遅くもなく。ナダルは気に入っているとか。
ナダルがソダーリングに勝つには?
(1)ソダリングのサーヴのリターンを浮かせない。
(2)ソダリングの炸裂するフォアハンドを打たせない。
(3)ダウンザラインを多くしラリーに変化をつける。
(4)ベースラインから下がらず、アタックを早めにアグレッシヴなテニス
ではソダリングがナダルに勝つには?
(1)ナダルを走らせリズムを与えない。
(2)ラリーを続けずワン・ツー・パンチで超アグレッシヴにナダルを叩く。
(3)サーヴ力で圧倒的なサーヴィスゲームを展開してナダルにプレッシャーを与える。
(4)アグレッシヴでありながらミスを少なくする。
試合を観た後に一番感じたことは、ソダーリングが全仏のような完璧な試合をしなくてもナダルに勝てたこと。ナダルは決してまずいテニスをしていないにも拘らず勝てなくなってきていること。
ベースラインから下がらずに打つ。サーヴでエースがとれる。スライスやループボールを使ってリズムを崩す。このようにナダルのテニスは進化しています。しかしこれだけでは勝てなくなってきています。他の選手も進化しているのです。
問題なのは、今まで何度も指摘している彼のストロークです。
ジョコヴィッチがナダルと戦ったパリのテニスを思い出してください。チャンスボールでなくても、ジョコヴィッチはあらゆるポジションからフラット系のウィナーを打っています。ここまでいかなくても、今日のナダルはチャンスボールでもウィナーがとれていません。ウィナーでなくても相手から浮いた球を打たすことができていない。
これはスピン過多で相手に追いつく時間を与えてしまっていること。そしてショットのパターンが単純で相手にショットを読まれてしまっていることが大きな原因だと思います。
いくらナダルがメンタルを発揮しても限界があります。もっとゲームの本質を知り、立体的なゲームを組み立てる必要があるのでは?
第2コーチを雇う
コーチトニーはコーチとして優れていても、決定的に足らないものがあります。それは選手としてメジャーなトーナメントに出場した経験がないことです。ナダルにコーチを替えよとはサジェストしませんが、今のナダルに足らないものは、テニスを大きな視点から把握するテニス観です。
ジョコヴィッチはトッド・マーティンが、マリーにはクレーの達人、コレッチャがついています。
適任者に第2コーチとしてツアーに参加してもらい、徹底的にナダルのテニスにメスを入れるときがきたのではないでしょうか。
記者会見が発表された時点で二人のインタービューを要約して追記します。
以下は実況解説です。
ソダーリングは黒一色のウェアで登場。次にナダルの登場です。会場はギャー!と大騒ぎ。やはりナダルはどこに行っても人気者です。いつものルーティンでボクシングのフットワークしたのち、ボトルを2本並べてネットへ。コイントスでナダルがレシーヴを選択しました。
今日のナダルは無地のグリーンのトップに無地の白ショーツ。やっとあの悪評の海パンから解放されて、何かよいことが起こりそうな予感がします。コーチトニーとナダルのお父さんの姿がみえます。でもお母さんの姿が見えなくなってしまったのは寂しく思います。
第1セット
第1ゲーム(0-0)ソダのサーヴ:(ソダはソダーリングです)
典型的なソダのサーヴィスゲームとなりました。ビッグサーヴです。ナダルの浮いたリターンを叩きました。エースをとって40-15。簡単にサーヴをホールドしました。それほど緊張した様子もなく好調なソダの出だしです。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ナダルは相変わらずスピンの多すぎるショットを打っています。高くバウンドした球はソダにとっては脅威とはならず、ソダにファオのインサイドアウトでウィナーをとられてしまいました。このパターンは全仏のパターンです。悪い予感がします。15-40ですでにナダルはブレークされてしまいました。やっぱり。
第3ゲーム(0-2)ソダのサーヴ:
ブレークしたソダは、余裕でさらにウィナーで狙ってきます。ナダルは相変わらず、ペースのないディフェンスのカウンターショットを打っています。どうもナダルは緊張しているのか元気がみられません。40-0でソダの完全ペースです。ナダルはミスをしてもよいので、ラリーを続けないでアタックしていかなければ、ソダの完全ペースになってしまう!
第4ゲーム(0-3)ナダルのサーヴ:
ナダルがネットダッシュを開始しました。コーナーを狙ったきわどいショットでソダのエラーを招きます。ようやくナダルの目が覚めました!ナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーを決めました。ナダルの攻撃テンポが速くなりました。最後はエースです!
第5ゲーム(1-3)ソダのサーヴ:
ソダはきわどいところを狙いすぎでウィナーのエラー。いつもソダに欠けるのはショットの安定性です。ソダのエラーで15-40 ブレークポイントをむかえます。ナダルのバックハンドのダウンザラインが効果を発揮しました。ウィナーではありませんが、ソダの態勢がくずれました。ナダルはブレークに成功。
第6ゲーム(2-3)ナダルのサーヴ:
ナダルがスライス、ショート、ディープ、といろんなショットを混ぜ始めました。そのためにソダのリズムが得られずエラーが続きます。40-0で最後はナダルのエースです。やっとナダルにエネルギーが戻ってきました。
第8ゲーム(3-4)ナダルのサーヴ:
ソダのバックハンドは確実なことに定評があり、ダウンザラインにウィナーを決めます。ソダのフォアのアングルクロスはナダルがとれません。超鋭角のアングルはすばらしい。しかしナダルも着実にポイントを入れ、また最後にナダルはエースでゲームをホールドしました。
第9ゲーム(4-4)ソダのサーヴ:
40-0 相変わらずソダのサーヴィスゲームは強い。しかし1stサーヴの確率はソダは54% ナダルは60%でソダの方が低いのですが、ポイントのとりかたがうまいのです。
第10ゲーム(4-5)ナダルのサーヴ:
ナダルがエースです。すでに4本のエースで今までになく多くのエースをとれるようになりました。サーヴの質が向上したナダルは、アグレッシヴにソダのバックを狙いサイドラインをアタックします。このアグレッシヴなナダルの影響を受けたのか、逆にエラーを恐れたソダはきわどいショットを避け、堅実ディフェンステニスになってきました。手堅くマッチポイントをとってソダがセットをとりました。
第1セットの後半は、ナダルがディフェンスからアグレッシヴに。ソダがアグレッシヴからディフェンスに。二人のテニスの攻守に変化が現れました。しかしナダルは勝ち急ぎでエラーが増え、2つのフォアのエラーでナダルはブレークを許してしまいました。ソダは最後はナダルのエラーを誘う堅実な攻守のバランスがとれたテニスで、確実にポイントをとって勝利です。
第2セット
第1ゲーム(0-0)ソダのサーヴ:
フォアのインサイドアウトで、ナダルはリターンエースをとりました。これは新しいアグレッシヴなナダルのリターンゲームです。セットを落としたナダルはディフェンスになることなく、アグレッシヴなテニスを続けようとしています。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ソダのバックハンドは確実ですが、ファオが狂いだしウィナーが打てなくなってきています。これではナダルは破れません。今のところソダはバックハンドでラリーをしながら、つなぐテニスをやっています。
第3ゲーム(1-1)ソダのサーヴ:
ソダは2度もダブルフォルトをおかしてしまいました。どうもソダの調子がおかしい。ブレークポイントです。ナダルはディフェンシヴなソダをネットで叩きブレークしました。ソダに集中力が欠けてきたのか、サーヴもダメ、フォアもダメとなってしまったソダは一体どうしたのでしょうか?
第4ゲーム(2-1)ナダルのサーヴ:
ブレークしたナダルがここでモメンタムを得ることができるか? しかしソダはリズムをナダルに与えることなく、積極的にナダルを攻めます。今までタイミングがとりにくかったフォアでしたが、強気でナダルをワイドにコートの外に追い出し、ネットで決めてブレークポイントです。0-40。しかしまだフォアに自信のもてないソダは甘いカウンターを繰り返します。ナダルはその甘いショットを攻め30-40まで挽回しました。しかしソダは崩れることなくナダルをブレーク。ソダのポイントのとり方がうまい。
第5ゲーム(2-2)ソダのサーヴ:
ナダルにモメンタムがシフトすることを頑固に拒んだソダは、アグレッシヴにナダルを攻撃します。しかしアグレッシヴになろうとすればエラーが増えるのは必然のこと。ナダルはソダのリズムを崩すため超スピンのループボールを。ソダは攻撃に出れません。ソダはネットダッシュしてヴォレーで決めようとしますが、ヴォレーミス。どうもソダのヴォレーは感心しません。脇が開いてしまっています。ソダはデュースを6回続けてやっとゲームをとりました。しかし1stサーヴは55%と低く、なかなかサーヴィスゲームがとれなくなってきています。
第6ゲーム(2-3)ナダルのサーヴ:
ナダルは今までのようなラリーを続けるのを止め、サイドラインを狙い始めた攻撃テニスを開始しました。ソダを左右に振って40-0。最後はエースです。ソダのサーヴィスゲームと違って、相手にポイントを与えない強いゲーム。なぜこのテニスを今までやらなかったのか?
第7ゲーム(3-3)ソダのサーヴ:
ソダはネットプレーに自信がないので、ナダルの浮いたボールをネットで片付けずに、後ずさりしてウィナーのチャンスを逃しています。もったいないテニスです。ネットプレーが向上すれば、トップ5に入ることができる可能性をもった選手だけに惜しい。
第8ゲーム(3-4)ナダルのサーヴ:
どうもナダルのショットが短い。ラリーを続けながら辛抱強くチャンスを待つソダ。ナダルは逆にアグレッシヴに攻撃をかけています。二人のテニスが似てきました。
第9ゲーム(4-4)ソダのサーヴ:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーでデュースへ。このパターンをナダルはもっと使うべきです。ダウンザラインが少なすぎます。ヴァリエーションを増やすことによって、ソダを惑わせ攻撃させないテニスをもっとやるべき。
第10ゲーム(4-5)ナダルのサーヴ:
ソダは固くならず勝ち急ぎもせず、堂々とナダルをブレークして第2セットを勝ちとりました。最後のマッチポイントはナダルのバックハンドのエラーです。どこで重要なポイントをとるか? ゲームの運び方が巧く、エラーを抑えたソダの勝利です。
(追記)今記者会見がアップされましたので要約します。
ナダルの記者会見
Q:今日の敗因は何だと思いますか?
ナダル:今日はそれほど自分のプレーが悪かったとは思わない。でも平静さがたりなかった。肝心のところでミスをしたり。ソダーリングにこのサーフェス(インドア)で勝つのはむずかしい。完全に冷静にプレーしなければ負けてしまう。
Q:今の自分に欠けているのは自信?それとも技術?
ナダル:今まで100回も言ってるように、休んだあとは自信に欠けていること。また冷静になれていないこと。この二つに欠けていると思うけど、自分の最高レベルに近づいてきているように思う。来年はきっとよいプレーができると思う。
Q:フィジカルの面では100%ですか?
ナダル:全く問題ないです。今年は休んだ期間が長かったので疲れていない。これは初めてなこと。だからシーズンが終わってしまうのが残念なくらい。この後にデ杯をやってマヨルカに帰って1ヶ月プラクティスをする予定。来年にはトップのコンディションでやれるようにね。
Q:ソダーリングに全仏のリヴェンジができなかったことについて。
ナダル:何度も言っているように僕はリヴェンジのためにプレーはしない。毎回試合は違うし、サーフェスも違う。僕は毎回ベストを尽くして戦うだけだ。ローランギャロスのことなど一瞬たりとも思ったことはないよ。
ソダーリングの記者会見
Q: ナダルとプレーする上でどこが好きですか?
ソダーリング:トップのプレーヤーと対戦するのは楽しい。ナダルとは何度か対戦しているけれど、いつもグッドマッチだった。
Q:今日のナダル戦について
ソダーリング:いつも初戦は緊張するからむずかしい。今日も少し緊張したけれど、よいスタートを切れたから助かった。最初はサーヴがよかったが、中盤でサーヴが悪くなってきた。でも最後にはサーヴがもどってきた。僕としてはよいマッチだったと思っている。
Q:ゲームが接近してタイトな瞬間がありましたが、冷静でしたね。これは向上した点ですか?
ソダーリング:今日は特にね。重要なときにポイントをとれたから。トップ選手と戦うときは特に大切なことだ。
Q:今日はクリーンなウィナーが多かったですね。
ソダーリング:今日はよく打てたと思う。ラファと戦うときは、ラリーを続けないで、できるだけショートにポイントをとることに心がけているので、今日はうまくいったと思っている。
ナダルがソダーリングに勝つには?
(1)ソダリングのサーヴのリターンを浮かせない。
(2)ソダリングの炸裂するフォアハンドを打たせない。
(3)ダウンザラインを多くしラリーに変化をつける。
(4)ベースラインから下がらず、アタックを早めにアグレッシヴなテニス
ではソダリングがナダルに勝つには?
(1)ナダルを走らせリズムを与えない。
(2)ラリーを続けずワン・ツー・パンチで超アグレッシヴにナダルを叩く。
(3)サーヴ力で圧倒的なサーヴィスゲームを展開してナダルにプレッシャーを与える。
(4)アグレッシヴでありながらミスを少なくする。
試合を観た後に一番感じたことは、ソダーリングが全仏のような完璧な試合をしなくてもナダルに勝てたこと。ナダルは決してまずいテニスをしていないにも拘らず勝てなくなってきていること。
ベースラインから下がらずに打つ。サーヴでエースがとれる。スライスやループボールを使ってリズムを崩す。このようにナダルのテニスは進化しています。しかしこれだけでは勝てなくなってきています。他の選手も進化しているのです。
問題なのは、今まで何度も指摘している彼のストロークです。
ジョコヴィッチがナダルと戦ったパリのテニスを思い出してください。チャンスボールでなくても、ジョコヴィッチはあらゆるポジションからフラット系のウィナーを打っています。ここまでいかなくても、今日のナダルはチャンスボールでもウィナーがとれていません。ウィナーでなくても相手から浮いた球を打たすことができていない。
これはスピン過多で相手に追いつく時間を与えてしまっていること。そしてショットのパターンが単純で相手にショットを読まれてしまっていることが大きな原因だと思います。
いくらナダルがメンタルを発揮しても限界があります。もっとゲームの本質を知り、立体的なゲームを組み立てる必要があるのでは?
第2コーチを雇う
コーチトニーはコーチとして優れていても、決定的に足らないものがあります。それは選手としてメジャーなトーナメントに出場した経験がないことです。ナダルにコーチを替えよとはサジェストしませんが、今のナダルに足らないものは、テニスを大きな視点から把握するテニス観です。
ジョコヴィッチはトッド・マーティンが、マリーにはクレーの達人、コレッチャがついています。
適任者に第2コーチとしてツアーに参加してもらい、徹底的にナダルのテニスにメスを入れるときがきたのではないでしょうか。
記者会見が発表された時点で二人のインタービューを要約して追記します。
以下は実況解説です。
ソダーリングは黒一色のウェアで登場。次にナダルの登場です。会場はギャー!と大騒ぎ。やはりナダルはどこに行っても人気者です。いつものルーティンでボクシングのフットワークしたのち、ボトルを2本並べてネットへ。コイントスでナダルがレシーヴを選択しました。
今日のナダルは無地のグリーンのトップに無地の白ショーツ。やっとあの悪評の海パンから解放されて、何かよいことが起こりそうな予感がします。コーチトニーとナダルのお父さんの姿がみえます。でもお母さんの姿が見えなくなってしまったのは寂しく思います。
第1セット
第1ゲーム(0-0)ソダのサーヴ:(ソダはソダーリングです)
典型的なソダのサーヴィスゲームとなりました。ビッグサーヴです。ナダルの浮いたリターンを叩きました。エースをとって40-15。簡単にサーヴをホールドしました。それほど緊張した様子もなく好調なソダの出だしです。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ナダルは相変わらずスピンの多すぎるショットを打っています。高くバウンドした球はソダにとっては脅威とはならず、ソダにファオのインサイドアウトでウィナーをとられてしまいました。このパターンは全仏のパターンです。悪い予感がします。15-40ですでにナダルはブレークされてしまいました。やっぱり。
第3ゲーム(0-2)ソダのサーヴ:
ブレークしたソダは、余裕でさらにウィナーで狙ってきます。ナダルは相変わらず、ペースのないディフェンスのカウンターショットを打っています。どうもナダルは緊張しているのか元気がみられません。40-0でソダの完全ペースです。ナダルはミスをしてもよいので、ラリーを続けないでアタックしていかなければ、ソダの完全ペースになってしまう!
第4ゲーム(0-3)ナダルのサーヴ:
ナダルがネットダッシュを開始しました。コーナーを狙ったきわどいショットでソダのエラーを招きます。ようやくナダルの目が覚めました!ナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーを決めました。ナダルの攻撃テンポが速くなりました。最後はエースです!
第5ゲーム(1-3)ソダのサーヴ:
ソダはきわどいところを狙いすぎでウィナーのエラー。いつもソダに欠けるのはショットの安定性です。ソダのエラーで15-40 ブレークポイントをむかえます。ナダルのバックハンドのダウンザラインが効果を発揮しました。ウィナーではありませんが、ソダの態勢がくずれました。ナダルはブレークに成功。
第6ゲーム(2-3)ナダルのサーヴ:
ナダルがスライス、ショート、ディープ、といろんなショットを混ぜ始めました。そのためにソダのリズムが得られずエラーが続きます。40-0で最後はナダルのエースです。やっとナダルにエネルギーが戻ってきました。
第8ゲーム(3-4)ナダルのサーヴ:
ソダのバックハンドは確実なことに定評があり、ダウンザラインにウィナーを決めます。ソダのフォアのアングルクロスはナダルがとれません。超鋭角のアングルはすばらしい。しかしナダルも着実にポイントを入れ、また最後にナダルはエースでゲームをホールドしました。
第9ゲーム(4-4)ソダのサーヴ:
40-0 相変わらずソダのサーヴィスゲームは強い。しかし1stサーヴの確率はソダは54% ナダルは60%でソダの方が低いのですが、ポイントのとりかたがうまいのです。
第10ゲーム(4-5)ナダルのサーヴ:
ナダルがエースです。すでに4本のエースで今までになく多くのエースをとれるようになりました。サーヴの質が向上したナダルは、アグレッシヴにソダのバックを狙いサイドラインをアタックします。このアグレッシヴなナダルの影響を受けたのか、逆にエラーを恐れたソダはきわどいショットを避け、堅実ディフェンステニスになってきました。手堅くマッチポイントをとってソダがセットをとりました。
第1セットの後半は、ナダルがディフェンスからアグレッシヴに。ソダがアグレッシヴからディフェンスに。二人のテニスの攻守に変化が現れました。しかしナダルは勝ち急ぎでエラーが増え、2つのフォアのエラーでナダルはブレークを許してしまいました。ソダは最後はナダルのエラーを誘う堅実な攻守のバランスがとれたテニスで、確実にポイントをとって勝利です。
第2セット
第1ゲーム(0-0)ソダのサーヴ:
フォアのインサイドアウトで、ナダルはリターンエースをとりました。これは新しいアグレッシヴなナダルのリターンゲームです。セットを落としたナダルはディフェンスになることなく、アグレッシヴなテニスを続けようとしています。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ソダのバックハンドは確実ですが、ファオが狂いだしウィナーが打てなくなってきています。これではナダルは破れません。今のところソダはバックハンドでラリーをしながら、つなぐテニスをやっています。
第3ゲーム(1-1)ソダのサーヴ:
ソダは2度もダブルフォルトをおかしてしまいました。どうもソダの調子がおかしい。ブレークポイントです。ナダルはディフェンシヴなソダをネットで叩きブレークしました。ソダに集中力が欠けてきたのか、サーヴもダメ、フォアもダメとなってしまったソダは一体どうしたのでしょうか?
第4ゲーム(2-1)ナダルのサーヴ:
ブレークしたナダルがここでモメンタムを得ることができるか? しかしソダはリズムをナダルに与えることなく、積極的にナダルを攻めます。今までタイミングがとりにくかったフォアでしたが、強気でナダルをワイドにコートの外に追い出し、ネットで決めてブレークポイントです。0-40。しかしまだフォアに自信のもてないソダは甘いカウンターを繰り返します。ナダルはその甘いショットを攻め30-40まで挽回しました。しかしソダは崩れることなくナダルをブレーク。ソダのポイントのとり方がうまい。
第5ゲーム(2-2)ソダのサーヴ:
ナダルにモメンタムがシフトすることを頑固に拒んだソダは、アグレッシヴにナダルを攻撃します。しかしアグレッシヴになろうとすればエラーが増えるのは必然のこと。ナダルはソダのリズムを崩すため超スピンのループボールを。ソダは攻撃に出れません。ソダはネットダッシュしてヴォレーで決めようとしますが、ヴォレーミス。どうもソダのヴォレーは感心しません。脇が開いてしまっています。ソダはデュースを6回続けてやっとゲームをとりました。しかし1stサーヴは55%と低く、なかなかサーヴィスゲームがとれなくなってきています。
第6ゲーム(2-3)ナダルのサーヴ:
ナダルは今までのようなラリーを続けるのを止め、サイドラインを狙い始めた攻撃テニスを開始しました。ソダを左右に振って40-0。最後はエースです。ソダのサーヴィスゲームと違って、相手にポイントを与えない強いゲーム。なぜこのテニスを今までやらなかったのか?
第7ゲーム(3-3)ソダのサーヴ:
ソダはネットプレーに自信がないので、ナダルの浮いたボールをネットで片付けずに、後ずさりしてウィナーのチャンスを逃しています。もったいないテニスです。ネットプレーが向上すれば、トップ5に入ることができる可能性をもった選手だけに惜しい。
第8ゲーム(3-4)ナダルのサーヴ:
どうもナダルのショットが短い。ラリーを続けながら辛抱強くチャンスを待つソダ。ナダルは逆にアグレッシヴに攻撃をかけています。二人のテニスが似てきました。
第9ゲーム(4-4)ソダのサーヴ:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーでデュースへ。このパターンをナダルはもっと使うべきです。ダウンザラインが少なすぎます。ヴァリエーションを増やすことによって、ソダを惑わせ攻撃させないテニスをもっとやるべき。
第10ゲーム(4-5)ナダルのサーヴ:
ソダは固くならず勝ち急ぎもせず、堂々とナダルをブレークして第2セットを勝ちとりました。最後のマッチポイントはナダルのバックハンドのエラーです。どこで重要なポイントをとるか? ゲームの運び方が巧く、エラーを抑えたソダの勝利です。
(追記)今記者会見がアップされましたので要約します。
ナダルの記者会見
Q:今日の敗因は何だと思いますか?
ナダル:今日はそれほど自分のプレーが悪かったとは思わない。でも平静さがたりなかった。肝心のところでミスをしたり。ソダーリングにこのサーフェス(インドア)で勝つのはむずかしい。完全に冷静にプレーしなければ負けてしまう。
Q:今の自分に欠けているのは自信?それとも技術?
ナダル:今まで100回も言ってるように、休んだあとは自信に欠けていること。また冷静になれていないこと。この二つに欠けていると思うけど、自分の最高レベルに近づいてきているように思う。来年はきっとよいプレーができると思う。
Q:フィジカルの面では100%ですか?
ナダル:全く問題ないです。今年は休んだ期間が長かったので疲れていない。これは初めてなこと。だからシーズンが終わってしまうのが残念なくらい。この後にデ杯をやってマヨルカに帰って1ヶ月プラクティスをする予定。来年にはトップのコンディションでやれるようにね。
Q:ソダーリングに全仏のリヴェンジができなかったことについて。
ナダル:何度も言っているように僕はリヴェンジのためにプレーはしない。毎回試合は違うし、サーフェスも違う。僕は毎回ベストを尽くして戦うだけだ。ローランギャロスのことなど一瞬たりとも思ったことはないよ。
ソダーリングの記者会見
Q: ナダルとプレーする上でどこが好きですか?
ソダーリング:トップのプレーヤーと対戦するのは楽しい。ナダルとは何度か対戦しているけれど、いつもグッドマッチだった。
Q:今日のナダル戦について
ソダーリング:いつも初戦は緊張するからむずかしい。今日も少し緊張したけれど、よいスタートを切れたから助かった。最初はサーヴがよかったが、中盤でサーヴが悪くなってきた。でも最後にはサーヴがもどってきた。僕としてはよいマッチだったと思っている。
Q:ゲームが接近してタイトな瞬間がありましたが、冷静でしたね。これは向上した点ですか?
ソダーリング:今日は特にね。重要なときにポイントをとれたから。トップ選手と戦うときは特に大切なことだ。
Q:今日はクリーンなウィナーが多かったですね。
ソダーリング:今日はよく打てたと思う。ラファと戦うときは、ラリーを続けないで、できるだけショートにポイントをとることに心がけているので、今日はうまくいったと思っている。
2009年11月23日
マリーがデルポトロに勝利
いよいよロンドンのファイナルズが始まりました。世界のベスト8のラウンドロビンです。グループはAとBに以下のように分かれてまず3試合を行います。今日はグループAの試合が行われました。
Group A
フェデラーRoger Federer
マリーAndy Murray
デルポトロJuan Martin del Potro
べルダスコFernando Verdasco
Group B
ナダルRafael Nadal
ジョコヴィッチNovak Djokovic
ダヴィデンコNikolay Davydenko
ソダーリングRobin Soderling
初戦はマリーとデルポトロの戦いです。資料として残しておくために、最近はTwitterで生実況をやっていますが、Twitterの実況をまとめてゲームごとに記載してみました。
マリー def デルポトロ:6-3, 3-6, 6-2
二人ともディフェンスのプレーヤーですので、オフェンステニスをやった方が勝ち、と予測しましたが、しかしオフェンスだけではマリーに勝てないことを実証したゲームでした。
第1セットは完全にデルポが緊張であがってしまった試合。しかし5-0から3ゲームを連続してとったデルポのメンタルはさすがUS Openのチャンピオンでした。
第2セットはデルポに自信が戻り、彼の武器であるフォアハンドで豪快なウィナーの連打。ダイナミックなテニスを堪能させてくれました。
第3セットはマリーが本領を発揮したセット。オフェンスとディフェンスにバランスがとれ、肝心なポイントを見逃さず取得。デルポは勝ちを意識しすぎて、チョーキングしてしまった残念なセットでした。
やはりマリーは巧い。ゲームの流れをうまくつかみながら、デルポを追いつめてプレッシャーを与え続けました。デルポはエラーを連発して自爆。ホームボーイのプレッシャーにもめげず、彼のメンタルの強さをみせたマリーの勝利でした。
以下のスタッツでもわかるように、やはりデルポのエラーが目立ちます。しかし25回ネットダッシュして13ポイントを獲得したデルポはアグレッシヴなテニスをみせてくれました。
1stサーヴの確率: マリー(55%)デルポ(66%)
ウィナー:マリー(30本)デルポ(26本)
アンフォースト・エラー:マリー(31本)デルポ(38本)
ネットでの獲得ポイント数:マリー9(12回ネットダッシュ)デルポ13(25回ネットダッシュ)
(後に二人のインタービューを追記する予定です)
【実況解説】
コイントスでデルポはレシーヴを選びました。ナダルのようにベースラインに向かって駈けるデルポは戦意に溢れていますが、マリーの紹介に沸き上がる会場。やっぱりかなりデルポが不利な雰囲気です。過去の対戦成績はマリーが4勝1敗。デルポは今年マドリッドにマリーに1勝したのみです。
第1セット:
第1ゲーム(0-0)マリーのサーヴ:
デルポは緊張してヴォレーのミス。しかし得意のフォアのクロスのウィナーを決め快調な出だし。すでにブレークポイントを迎えたマリーはエースでデュースに戻します。ようやくマリーはドロップショットやロブの撹乱作戦でサーヴィスゲームをホールドしました。
第2ゲーム(1-0)デルポのサーヴ:
デルポはダブルフォルト。かなり緊張しています。デルポを左右に振ってマリーはブレークチャンスです。長いラリーの末、マリーはフォアのダウンザラインのウィナーでブレークしました。デルポはフォアのクロスラリーばかり打っているのはなぜ?
第3ゲーム(2-0)マリーのサーヴ:
マリーのお母さんが緊張した面持ちで観戦。マリーは抜群のタイミングでドロップショットに成功。デルポはさかんにペースのあるショットを打ちますが、ヴァラエティーに富んだカウンターショットに苦戦を強いられています。おやベンチにもどったデルポは鼻血?トレーナーに処置をしてもらっています。緊張が激しい?
第4ゲーム(3-0)デルポのサーヴ:
マリーの見事なバックハンドのダウンザラインのウィナー。デルポは一歩も動けない。デルポのフットワークがのろい。鼻血が気になっているみたいです。鼻血ブーだとやっぱり恥ずかしいですものね。どうしてもゲームに集中できなくて1540でまたブレークポイント。デルポはあっさりとブレークされてしまいました。
第5ゲーム(4-0)マリーのサーヴ:
またマリーの完璧なドロップショットです。翻弄された感じのデルポはフォアも入りません。マリーはエースもとって一方的なゲーム展開。惨敗となってしまわないためにデルポはどうすればよいか? パニック状態なのでまずは落ち着くことが先決。
第6ゲーム(5-0)デルポのサーヴ:
せっかくのチャンスボールも固くなったデルポはロングしてしまいます。このままだとベーグルです。得意のバックハンドもネットしてしまったたデルポは15-40でセットポイント。最悪なシナリオとなりました。しかしやっとデュースに戻したデルポはメンタルでサーヴィスゲームをホールドすることができました。これだけ差をつけられてしまったデルポはどこまでカムバックすることができるか?
第7ゲーム(5-1)マリーのサーヴ:
やっとサーヴィスゲームをとったデルポに少し落ち着きが出て来ました。ここから一か八かで強気のショット。出ました!デルポのフォアクロスの爆ウィナー!デルポの執拗なクロスに苛ついたマリーはドロップショットのミスがでてブレークポイントです。デルポのウィナーが決まり始めてブレーク成功しました。デルポの最後まで諦めない意思の強さが現れたゲームでした。
第8ゲーム(5-2)デルポのサーヴ:
モメンタムがデルポにシフトするか? このブレークで自信を得たデルポはアグレッシヴに攻撃を開始します。マリーは冷静にバックハンドのダウンザラインにウィナーを決めました。ディフェンスのマリーはラリーを続けてデルポのミスを誘ってセットポイントです。しかしデルポはひるまずフォアのウィナーでサーヴィスゲームをとりました。またセットポイントをセーヴすることができたデルポのメンタルはさすがです。まだまだ諦めないでマリーに食い下がるデルポはマリーをブレークできるか?
第9ゲーム(5-3)マリーのサーヴ:
セットポイントを逃れたデルポは執拗にインサイドアウトのフォアを繰り返します。マリーのバックにばかり攻めますがマリーは問題なくクロスに返してきます。マリーのクロスの返球は有名なので、なぜここでデルポはネットダッシュしてヴォレーで決めない? またワイドにマリーをふっているのになぜオープンコートにウィナーを打たない?デルポはマリーに比べてショットの選択が劣っている印象。
第2セット
第1ゲーム(0-0)デルポのサーヴ:
デルポはフォアのインサイドアウトのウィナー。しかしそのウィナーショットをダウンザラインで逆にウィナーをとってしまったマリー。このウィナーの逆転は痛い!ウィナーを打っても打ち返される!デルポにとって大プレッシャー。エラーを避けるため、きわどいショットを避けながらも、デルポはアグレッシヴに攻撃。
第3ゲーム(0-2)デルポのサーヴ:
エラーが少なくなり、しかもマリーをブレークすることができたデルポの表情が変わってきました。勝てる自信が湧いてきたようです。マリーをブレークしたデルポはサーヴも切れがよくなり、モメンタムがデルポにシフト。デルポは最後にエースを決めてマリーにメッセージを送ります。
第4ゲーム(0-3)マリーのサーヴ:
しかしマリーはここでひるむことなく、デルポの隙を狙って逆ウィナーを放ちました。二人のテニスは最高レベルをみせ、スーパショットの応酬が続きます。マリーはネットダッシュを試みてヴォレーを失敗しましたが、デルポのリズムを崩す戦略に出ました。
第5ゲーム(1-3)デルポのサーヴ:
0-30。デルポに気のゆるみが?しかしデルッポはガッツのあるバックハンドをサイドライン上に決めました。ネットダッシュしたにもかかわらず簡単なヴォレーをミスしたデルポは致命的なエラーをおかしてしまいます。このメンタルの隙をマリーは攻めてブレーク成功しました。
第6ゲーム(2-3)マリーのサーヴ:
マリーのブレークバックでスコアはイーヴンに戻ります。ここでマリーが攻めの姿勢を続けられるかどうか? デルポはそれでも強気でウィナーを狙います。これでもか!と繰り返すデルポのフォアのインサイドアウトに、マリーは返せずブレークされてしまいました。
第7ゲーム(2-4)デルポのサーヴ:
ちょっと疲れがデルポに?フットワークが乱れてきました。しかしデルポは見事なアングルヴォレーに成功。こんな絶妙なヴォレーもできるのに、なぜもっとネットに来ない?デルポはバックハンドもウィナーが打てるようになり、サーヴの質も向上して難なくサーヴィスゲームをホールドしました。
第8ゲーム(2-5)マリーのサーヴ:
マリーは新しいラケットに替えました。マリーのスーパ・バックハンドのダウンザラインがウィナーに決まります。会場は感嘆のうなり声。二人ともアグレッシヴでしかも冷静なパーフォーマンスを続けます。久しぶりにみるハイレベルのテニスに、観客はデルポにも惜しみない拍手を送ります。イギリスってやはり紳士淑女の国。気持ちのよいフェアなスポーツ観戦です。
第9ゲーム(3-5)デルポのサーヴ:
デルポの完璧なバックハンドのダウンザラインのウィナーが決まりました。ライジングで打ってくるデルポは見違えてアグレッシヴです。フォアのダウンザラインも見事に決まります。最後はデルポはベースラインから3mも離れた場所からフォアのウィナーを決め、見事でした!ダイナミックな炸裂するフォアをみせてくれるデルポ。あのUS Openのデルポが蘇ってきました。
第2セットを6-3で勝利したデルポは終始主導権をとり、デルポは理想的なゲームを展開しました。デルポのアグレッシヴなテニスに押されてしまったマリー。第3セットの鍵は、デルポがいかにこのハイレベルのアグレッシヴテニスを維持していけるか?
第3セット
第1ゲーム(0-0)マリーのサーヴ:
デルポはマリーの2ndサーヴを狙って強気な攻撃を開始しました。デルポはマリーのドロップショットの読みも早くなり、フットワークがよくなってきました。ますますアグレッシヴになったデルポが注意するのは勝ち急ぎをしないこと。
第2ゲーム(1-0)デルポのサーヴ:
執拗なデルポのクロスの攻めに、パターンをくずしてダウンザラインラインを攻めたマリーは、甘いカウンターで逆にポイントを取られてしまいます。勝敗がどちらに転んでもおかしくないテンションの高いラリーが続きます。しかし最後はデルポは主導権を握りながら、マリーのディフェンスに勝てず、最後はエラーでブレークされてしまいました。
第3ゲーム(2-0)マリーのサーヴ:
マリーはエースと強力なサーヴィスゲームで40-0。最後はフォアのウィナー。ブレークしたことによってモメンタムがマリーにシフトしかけています? デルポがアグレッシヴに攻めるのはよいのですが、エラーが増えてきています。彼が必要なのは焦らずコントロールされたアグレッシヴなテニスを続けること。
第5ゲーム(3-1)マリーのサーヴ:
マリーはエースとサーヴィスウィナー(日本ではノータッチ・エース)でサーヴィスゲームの強さを見せつけました。二人ともサーヴがよく引き下がらないテニス。
第6ゲーム(4-1)デルポのサーヴ:
デルポのサーヴがリターンできないマリー。せっかくよいサーヴを打ちながら、デルポはネットにかけるエラーを3度も。どうも勝ち急ぎすぎるデルポです。3ポイントを失ってデュースに。最後はサーヴィスウィナーを2本とってサーヴの強さをみせ、デルポはゲームをホールドしましたが、勝ちたいという焦りでエラーが多すぎます。
第7ゲーム(4-2)マリーのサーヴ:
デルポが固い!またネットにかけました。しかしエラーを恐れずきわどいコーナーをデルポは狙います。しかしマリーはすべて返球。一瞬の心の隙も見せられないラリーが続きます。やっとデルポがネットで処理。しかし主導権を握りながらもデルポは、マリーのガードが固くてなかなかブレークできません。
第8ゲーム(5-2)デルポのサーヴ:
もうこのサーヴィスゲームはデルポは絶対に落とせません。デルポのバックハンドがネットに。サーヴがなかなか入らない。完全にチョーキングです。(体が緊張して硬直してしまう状態)またダブルフォルト。いよいよマッチポイントです。最後はマリーのフォアのクリーンなウィナーでマリーが勝利。
Group A
フェデラーRoger Federer
マリーAndy Murray
デルポトロJuan Martin del Potro
べルダスコFernando Verdasco
Group B
ナダルRafael Nadal
ジョコヴィッチNovak Djokovic
ダヴィデンコNikolay Davydenko
ソダーリングRobin Soderling
初戦はマリーとデルポトロの戦いです。資料として残しておくために、最近はTwitterで生実況をやっていますが、Twitterの実況をまとめてゲームごとに記載してみました。
マリー def デルポトロ:6-3, 3-6, 6-2
二人ともディフェンスのプレーヤーですので、オフェンステニスをやった方が勝ち、と予測しましたが、しかしオフェンスだけではマリーに勝てないことを実証したゲームでした。
第1セットは完全にデルポが緊張であがってしまった試合。しかし5-0から3ゲームを連続してとったデルポのメンタルはさすがUS Openのチャンピオンでした。
第2セットはデルポに自信が戻り、彼の武器であるフォアハンドで豪快なウィナーの連打。ダイナミックなテニスを堪能させてくれました。
第3セットはマリーが本領を発揮したセット。オフェンスとディフェンスにバランスがとれ、肝心なポイントを見逃さず取得。デルポは勝ちを意識しすぎて、チョーキングしてしまった残念なセットでした。
やはりマリーは巧い。ゲームの流れをうまくつかみながら、デルポを追いつめてプレッシャーを与え続けました。デルポはエラーを連発して自爆。ホームボーイのプレッシャーにもめげず、彼のメンタルの強さをみせたマリーの勝利でした。
以下のスタッツでもわかるように、やはりデルポのエラーが目立ちます。しかし25回ネットダッシュして13ポイントを獲得したデルポはアグレッシヴなテニスをみせてくれました。
1stサーヴの確率: マリー(55%)デルポ(66%)
ウィナー:マリー(30本)デルポ(26本)
アンフォースト・エラー:マリー(31本)デルポ(38本)
ネットでの獲得ポイント数:マリー9(12回ネットダッシュ)デルポ13(25回ネットダッシュ)
(後に二人のインタービューを追記する予定です)
【実況解説】
コイントスでデルポはレシーヴを選びました。ナダルのようにベースラインに向かって駈けるデルポは戦意に溢れていますが、マリーの紹介に沸き上がる会場。やっぱりかなりデルポが不利な雰囲気です。過去の対戦成績はマリーが4勝1敗。デルポは今年マドリッドにマリーに1勝したのみです。
第1セット:
第1ゲーム(0-0)マリーのサーヴ:
デルポは緊張してヴォレーのミス。しかし得意のフォアのクロスのウィナーを決め快調な出だし。すでにブレークポイントを迎えたマリーはエースでデュースに戻します。ようやくマリーはドロップショットやロブの撹乱作戦でサーヴィスゲームをホールドしました。
第2ゲーム(1-0)デルポのサーヴ:
デルポはダブルフォルト。かなり緊張しています。デルポを左右に振ってマリーはブレークチャンスです。長いラリーの末、マリーはフォアのダウンザラインのウィナーでブレークしました。デルポはフォアのクロスラリーばかり打っているのはなぜ?
第3ゲーム(2-0)マリーのサーヴ:
マリーのお母さんが緊張した面持ちで観戦。マリーは抜群のタイミングでドロップショットに成功。デルポはさかんにペースのあるショットを打ちますが、ヴァラエティーに富んだカウンターショットに苦戦を強いられています。おやベンチにもどったデルポは鼻血?トレーナーに処置をしてもらっています。緊張が激しい?
第4ゲーム(3-0)デルポのサーヴ:
マリーの見事なバックハンドのダウンザラインのウィナー。デルポは一歩も動けない。デルポのフットワークがのろい。鼻血が気になっているみたいです。鼻血ブーだとやっぱり恥ずかしいですものね。どうしてもゲームに集中できなくて1540でまたブレークポイント。デルポはあっさりとブレークされてしまいました。
第5ゲーム(4-0)マリーのサーヴ:
またマリーの完璧なドロップショットです。翻弄された感じのデルポはフォアも入りません。マリーはエースもとって一方的なゲーム展開。惨敗となってしまわないためにデルポはどうすればよいか? パニック状態なのでまずは落ち着くことが先決。
第6ゲーム(5-0)デルポのサーヴ:
せっかくのチャンスボールも固くなったデルポはロングしてしまいます。このままだとベーグルです。得意のバックハンドもネットしてしまったたデルポは15-40でセットポイント。最悪なシナリオとなりました。しかしやっとデュースに戻したデルポはメンタルでサーヴィスゲームをホールドすることができました。これだけ差をつけられてしまったデルポはどこまでカムバックすることができるか?
第7ゲーム(5-1)マリーのサーヴ:
やっとサーヴィスゲームをとったデルポに少し落ち着きが出て来ました。ここから一か八かで強気のショット。出ました!デルポのフォアクロスの爆ウィナー!デルポの執拗なクロスに苛ついたマリーはドロップショットのミスがでてブレークポイントです。デルポのウィナーが決まり始めてブレーク成功しました。デルポの最後まで諦めない意思の強さが現れたゲームでした。
第8ゲーム(5-2)デルポのサーヴ:
モメンタムがデルポにシフトするか? このブレークで自信を得たデルポはアグレッシヴに攻撃を開始します。マリーは冷静にバックハンドのダウンザラインにウィナーを決めました。ディフェンスのマリーはラリーを続けてデルポのミスを誘ってセットポイントです。しかしデルポはひるまずフォアのウィナーでサーヴィスゲームをとりました。またセットポイントをセーヴすることができたデルポのメンタルはさすがです。まだまだ諦めないでマリーに食い下がるデルポはマリーをブレークできるか?
第9ゲーム(5-3)マリーのサーヴ:
セットポイントを逃れたデルポは執拗にインサイドアウトのフォアを繰り返します。マリーのバックにばかり攻めますがマリーは問題なくクロスに返してきます。マリーのクロスの返球は有名なので、なぜここでデルポはネットダッシュしてヴォレーで決めない? またワイドにマリーをふっているのになぜオープンコートにウィナーを打たない?デルポはマリーに比べてショットの選択が劣っている印象。
第2セット
第1ゲーム(0-0)デルポのサーヴ:
デルポはフォアのインサイドアウトのウィナー。しかしそのウィナーショットをダウンザラインで逆にウィナーをとってしまったマリー。このウィナーの逆転は痛い!ウィナーを打っても打ち返される!デルポにとって大プレッシャー。エラーを避けるため、きわどいショットを避けながらも、デルポはアグレッシヴに攻撃。
第3ゲーム(0-2)デルポのサーヴ:
エラーが少なくなり、しかもマリーをブレークすることができたデルポの表情が変わってきました。勝てる自信が湧いてきたようです。マリーをブレークしたデルポはサーヴも切れがよくなり、モメンタムがデルポにシフト。デルポは最後にエースを決めてマリーにメッセージを送ります。
第4ゲーム(0-3)マリーのサーヴ:
しかしマリーはここでひるむことなく、デルポの隙を狙って逆ウィナーを放ちました。二人のテニスは最高レベルをみせ、スーパショットの応酬が続きます。マリーはネットダッシュを試みてヴォレーを失敗しましたが、デルポのリズムを崩す戦略に出ました。
第5ゲーム(1-3)デルポのサーヴ:
0-30。デルポに気のゆるみが?しかしデルッポはガッツのあるバックハンドをサイドライン上に決めました。ネットダッシュしたにもかかわらず簡単なヴォレーをミスしたデルポは致命的なエラーをおかしてしまいます。このメンタルの隙をマリーは攻めてブレーク成功しました。
第6ゲーム(2-3)マリーのサーヴ:
マリーのブレークバックでスコアはイーヴンに戻ります。ここでマリーが攻めの姿勢を続けられるかどうか? デルポはそれでも強気でウィナーを狙います。これでもか!と繰り返すデルポのフォアのインサイドアウトに、マリーは返せずブレークされてしまいました。
第7ゲーム(2-4)デルポのサーヴ:
ちょっと疲れがデルポに?フットワークが乱れてきました。しかしデルポは見事なアングルヴォレーに成功。こんな絶妙なヴォレーもできるのに、なぜもっとネットに来ない?デルポはバックハンドもウィナーが打てるようになり、サーヴの質も向上して難なくサーヴィスゲームをホールドしました。
第8ゲーム(2-5)マリーのサーヴ:
マリーは新しいラケットに替えました。マリーのスーパ・バックハンドのダウンザラインがウィナーに決まります。会場は感嘆のうなり声。二人ともアグレッシヴでしかも冷静なパーフォーマンスを続けます。久しぶりにみるハイレベルのテニスに、観客はデルポにも惜しみない拍手を送ります。イギリスってやはり紳士淑女の国。気持ちのよいフェアなスポーツ観戦です。
第9ゲーム(3-5)デルポのサーヴ:
デルポの完璧なバックハンドのダウンザラインのウィナーが決まりました。ライジングで打ってくるデルポは見違えてアグレッシヴです。フォアのダウンザラインも見事に決まります。最後はデルポはベースラインから3mも離れた場所からフォアのウィナーを決め、見事でした!ダイナミックな炸裂するフォアをみせてくれるデルポ。あのUS Openのデルポが蘇ってきました。
第2セットを6-3で勝利したデルポは終始主導権をとり、デルポは理想的なゲームを展開しました。デルポのアグレッシヴなテニスに押されてしまったマリー。第3セットの鍵は、デルポがいかにこのハイレベルのアグレッシヴテニスを維持していけるか?
第3セット
第1ゲーム(0-0)マリーのサーヴ:
デルポはマリーの2ndサーヴを狙って強気な攻撃を開始しました。デルポはマリーのドロップショットの読みも早くなり、フットワークがよくなってきました。ますますアグレッシヴになったデルポが注意するのは勝ち急ぎをしないこと。
第2ゲーム(1-0)デルポのサーヴ:
執拗なデルポのクロスの攻めに、パターンをくずしてダウンザラインラインを攻めたマリーは、甘いカウンターで逆にポイントを取られてしまいます。勝敗がどちらに転んでもおかしくないテンションの高いラリーが続きます。しかし最後はデルポは主導権を握りながら、マリーのディフェンスに勝てず、最後はエラーでブレークされてしまいました。
第3ゲーム(2-0)マリーのサーヴ:
マリーはエースと強力なサーヴィスゲームで40-0。最後はフォアのウィナー。ブレークしたことによってモメンタムがマリーにシフトしかけています? デルポがアグレッシヴに攻めるのはよいのですが、エラーが増えてきています。彼が必要なのは焦らずコントロールされたアグレッシヴなテニスを続けること。
第5ゲーム(3-1)マリーのサーヴ:
マリーはエースとサーヴィスウィナー(日本ではノータッチ・エース)でサーヴィスゲームの強さを見せつけました。二人ともサーヴがよく引き下がらないテニス。
第6ゲーム(4-1)デルポのサーヴ:
デルポのサーヴがリターンできないマリー。せっかくよいサーヴを打ちながら、デルポはネットにかけるエラーを3度も。どうも勝ち急ぎすぎるデルポです。3ポイントを失ってデュースに。最後はサーヴィスウィナーを2本とってサーヴの強さをみせ、デルポはゲームをホールドしましたが、勝ちたいという焦りでエラーが多すぎます。
第7ゲーム(4-2)マリーのサーヴ:
デルポが固い!またネットにかけました。しかしエラーを恐れずきわどいコーナーをデルポは狙います。しかしマリーはすべて返球。一瞬の心の隙も見せられないラリーが続きます。やっとデルポがネットで処理。しかし主導権を握りながらもデルポは、マリーのガードが固くてなかなかブレークできません。
第8ゲーム(5-2)デルポのサーヴ:
もうこのサーヴィスゲームはデルポは絶対に落とせません。デルポのバックハンドがネットに。サーヴがなかなか入らない。完全にチョーキングです。(体が緊張して硬直してしまう状態)またダブルフォルト。いよいよマッチポイントです。最後はマリーのフォアのクリーンなウィナーでマリーが勝利。
2009年11月21日
父が語るフェデラー
今回はめずらしいフェデラーの父親のインタービューが今日のバーゼル紙に掲載されていましたので、要約してみました。
http://bazonline.ch/sport/tennis/Der-FedererClan-schirmt-sich-gerne-ab/story/16361158
本当はフェデラーやナダル以外の選手についてもいろいろ書きたいのですが、何しろインタービュー記事がほとんどない現状ではなかなか実現できておりません。ジョコヴィッチですらインタービューをほとんどやっていませんので、資料収集が本当に大変でした。
さてロバート・フェデラーはスーパスターの父親ですが、彼自身は普通の退職ビジネスマンです。現在はママフェデラーと共に、フェデラー基金を運営していますが、インタービューに慣れていない人にインタービューするには、彼らが本音をしゃべれるように工夫した質問が必要です。
インタービューというのはやさしいようで大変むずかしいのです。私はレポーターをしながら、インタービュー番組を15年担当し、多くの人たちにインタービューしてきましたが、いつも骨をおるのは「いかに短時間にその人柄が滲み出たおいしい話を聞き出すことができるか。」でした。
そこでこのインタービュー記事をもう少しパーソナルなものにするため、一つのアイデアとして、私のコメントを( )にして付け加えてみました。
Q:有名人の親をもつ子供は苦労しますが、有名人の子供をもった親としてはどうですか?
父:私たちの生活はロジャーの成功によってあまり変わったということはありません。
一番影響があったのは孫娘たちが誕生したことです。彼女たちとの時間を過ごすために、ロンドン、ドバイ、メルボルーンまで同行する予定です。
(昔はパパフェデラーはロジャーの試合は緊張の余りに観ることができなくて、決勝にもなかなか姿を見せませんでした。その彼からすれば、ロジャーのツアーに同行するこのスケジュールはすごい変化です。)
Q: 選手の中には父親や母親がコーチだったりしますが、ロジャーのテニスの育成について親として問題はありませんでしたか?
父:ロジャーのテニスについてはちょっとしたアドヴァイスを与えることはあっても、それは自分たちの領域内のことです。親同士で喧嘩をしたりすることは全くなかったですね。むしろライヴァル選手たちの両親たちとはとてもよい関係にありました。
(ロジャーは癇癪もちでしたので、ジュニアの頃はすぐラケットをコートに投げたりすることで知られていましたが、ラケットを投げることについて厳しく説教したのはパパフェデラーでした。)
Q:特に覚えていることは?
父:ティム・ヘンマンとの試合をよく覚えています。試合が始まる直前まで二人はおしゃべりをしているのです。この二人の様子をみて、まるでロジャーがジュニアの頃のような気がしたのです。試合に負けたときはフラストレーションで泣く事もあっても、しばらくたてばまたコートに戻って一緒にテニスを楽しむ。ティムとはそういう間柄でした。
(ヘンマンはジェントルマンの代表的な選手でしたので、二人の相性がよく仲のよいことで知られていました。試合の待ち時間に、二人でよくピンポンをしていたことを思い出します。)
これはウィンブルドン2001年QFでフェデラーをやぶったヘンマンです。
Q:親のサポートの重要性についてはどう思いますか?
父:親のサポートは不可欠です。ジュニアの頃はトーナメント会場や練習場に連れて行かなければならない。2万キロくらいは走っていると思いますよ。
子供に何度もドリルを強制したり、バックハンドのクロスを無理矢理に30分もやらせるべきでないと思います。ゲームを知るには、自分で習得し決断することが肝心。ラリーのたびに両親の顔をみたりすることはロジャーにはなかったですね。
(私も息子を連れて毎週末、トーナメント会場を転々とまわりました。これは辛かったですね。ロジャーのように強い子供ならまだしも、負けてばかりいる子供を励ますのは本当にしんどかったです。才能はあったのですが、勝負に向かない性格の息子でしたので、大学受験と両立できなくてやめてくれてホッとしましたが。
トーナメントには親だけでなく親戚一同が集まってくる選手の家族があります。ひどいときは10人くらいの団体でやってきて、大声をあげて必死に応援する彼らをみて、これは勝てないと思いました。ロシアや東ヨーロッパ系の選手たちでしたが、家族の期待を一身に浴びた彼らは真剣度の次元が違ってました。)
Q:ロジャーの子供の頃で特に優れていた点は何でしたか?
父:それは勇気だと思いますね。10歳の頃はまだ小さいのでバックハンドの高いボールがとれない。普通ならロブで返すところをスマッシュしていました。不可能なボールに挑戦する勇気は今でもあると思います。
(むずかしいショットを何気なくこなしてしまうロジャーの華麗なテニスは、実は絶えず不可能にチャレンジすることによって生まれてきたのですね。ものすごく納得!)
Q:選手の親のなかで、マリーのお母さんのように熱烈に感情的に応援する親が多いですが、ロジャー一家はとても静かですね。
父:もちろん興奮したり神経質になったりしていますよ。でも拍手はすばらしいポイントのときだけにしています。相手が失敗したときや、それほど重要でないポイントには拍手はしません。すばらしいラリーには拍手をする。それが例え相手のポイントになったとしても。それが私たちのルールです。
(昨年のUSオープンの決勝で、フェデラーのファミリーボックスのすぐ近くに座っていた私は、ミルカや両親の平静な態度に感心したものです。ロジャーがマリーを 6-2, 7-5, 6-2で快勝しましたが、セレモニーが終わった後も、一人でポツンとファミリー席に残ってコートを見つめていたパパフェデラーを思い出します。一人で息子の優勝の喜びを噛み締めたかったのでしょう。彼から数席はなれたシートに座っていた私は、パパフェデラーの深い喜びが伝わってくるのを感じながら、彼が立ち去るまで密かに喜びを分けてもらったことを思い出します。)
Q:双子の孫娘の写真を撮ったことで、お父さんの名が世界的に知られましたが、あれ以降写真家としての注文はありますか?
父:まだミルカやロジャーから頼まれてはいませんが、彼らはまた幸せな一家の写真を公開してくれると思います。次回の写真撮影のときは、私に声をかけてくれるかどうかは分かりませんが。(笑)
(追記)
パパフェデラーのインタービューはロジャーをより理解する上で貴重でした。欲を言えば、もう少し小さいときのフェデラーを知りたかってのですが・・・しかしスーパスターになっても名声に溺れることなく、こよなくテニスを愛しながら着実に記録を伸ばしているロジャーは、このような立派な父親によってまっすぐ育ってきたことがわかります。
今アガシの伝記を読んでいますが、まさに二人の父親は正反対です。アガシは異常な野心に取り憑かれた父親によって、テニスしかしらない子供時代をすごし、No.1の地位を得て父親の野望を実現しました。しかし彼の人生は自分が選んだものではなく、名声を得たにもかかわらず、テニスを憎み続けて不幸だったといいます。
パパフェデラーはジュニア・ロジャーに聞きました。
「テニスのゴールというのはあるのかね?」
「100位くらいになれたらいいかなと思っているんだ。」
その答えを聞いて即座に父親はロジャーに宣言したのです。
「100位だとどうして生活していくのかね? トップにもなれないのなら今すぐテニスをやめなさい。」
ジャーニーマンという言葉があります。ヒューチャーズやチャレンジャーのトーナメントを転戦する選手のことをさしますが、現実に自分で生活できる選手はほんのひとにぎりです。「明日はきっと勝つ」と夢をみながら、ハッと気がつけばすでに25歳。テニス以外には何も知らず今さらテニスを諦めることができない選手がいかに多いことか。そんなジャーニーマンになってしまうくらいなら、「テニスをやめなさい」と彼は息子に断言したのです。
愛しているからこそ時には残酷なことも言わなければならない。このようなパパフェデラーの堅実で賢明で愛情深い親に育てられると、ロジャーのような青年になれるのでしょうか?
これは愚かな親の単純な質問ですが、我が息子はすでに大学3年生。母の愛は山よりも高く海よりも深かったのですが、堅実?賢明?に関してはおおいに疑問が残る育て方をしてきました。ちょっとtoo lateでしたね(ハーッと深いため息をつきながら今回はこれでおしまいです。)
(余談)
Lindtチョコレートが新しくロジャーのスポンサーになりましたが、それをからかったスイスの雑誌に掲載されている漫画です。この太ったロジャーはお父さんの顔にそっくりですね。
http://twitpic.com/q3st4
http://bazonline.ch/sport/tennis/Der-FedererClan-schirmt-sich-gerne-ab/story/16361158
本当はフェデラーやナダル以外の選手についてもいろいろ書きたいのですが、何しろインタービュー記事がほとんどない現状ではなかなか実現できておりません。ジョコヴィッチですらインタービューをほとんどやっていませんので、資料収集が本当に大変でした。
さてロバート・フェデラーはスーパスターの父親ですが、彼自身は普通の退職ビジネスマンです。現在はママフェデラーと共に、フェデラー基金を運営していますが、インタービューに慣れていない人にインタービューするには、彼らが本音をしゃべれるように工夫した質問が必要です。
インタービューというのはやさしいようで大変むずかしいのです。私はレポーターをしながら、インタービュー番組を15年担当し、多くの人たちにインタービューしてきましたが、いつも骨をおるのは「いかに短時間にその人柄が滲み出たおいしい話を聞き出すことができるか。」でした。
そこでこのインタービュー記事をもう少しパーソナルなものにするため、一つのアイデアとして、私のコメントを( )にして付け加えてみました。
Q:有名人の親をもつ子供は苦労しますが、有名人の子供をもった親としてはどうですか?
父:私たちの生活はロジャーの成功によってあまり変わったということはありません。
一番影響があったのは孫娘たちが誕生したことです。彼女たちとの時間を過ごすために、ロンドン、ドバイ、メルボルーンまで同行する予定です。
(昔はパパフェデラーはロジャーの試合は緊張の余りに観ることができなくて、決勝にもなかなか姿を見せませんでした。その彼からすれば、ロジャーのツアーに同行するこのスケジュールはすごい変化です。)
Q: 選手の中には父親や母親がコーチだったりしますが、ロジャーのテニスの育成について親として問題はありませんでしたか?
父:ロジャーのテニスについてはちょっとしたアドヴァイスを与えることはあっても、それは自分たちの領域内のことです。親同士で喧嘩をしたりすることは全くなかったですね。むしろライヴァル選手たちの両親たちとはとてもよい関係にありました。
(ロジャーは癇癪もちでしたので、ジュニアの頃はすぐラケットをコートに投げたりすることで知られていましたが、ラケットを投げることについて厳しく説教したのはパパフェデラーでした。)
Q:特に覚えていることは?
父:ティム・ヘンマンとの試合をよく覚えています。試合が始まる直前まで二人はおしゃべりをしているのです。この二人の様子をみて、まるでロジャーがジュニアの頃のような気がしたのです。試合に負けたときはフラストレーションで泣く事もあっても、しばらくたてばまたコートに戻って一緒にテニスを楽しむ。ティムとはそういう間柄でした。
(ヘンマンはジェントルマンの代表的な選手でしたので、二人の相性がよく仲のよいことで知られていました。試合の待ち時間に、二人でよくピンポンをしていたことを思い出します。)
これはウィンブルドン2001年QFでフェデラーをやぶったヘンマンです。
Q:親のサポートの重要性についてはどう思いますか?
父:親のサポートは不可欠です。ジュニアの頃はトーナメント会場や練習場に連れて行かなければならない。2万キロくらいは走っていると思いますよ。
子供に何度もドリルを強制したり、バックハンドのクロスを無理矢理に30分もやらせるべきでないと思います。ゲームを知るには、自分で習得し決断することが肝心。ラリーのたびに両親の顔をみたりすることはロジャーにはなかったですね。
(私も息子を連れて毎週末、トーナメント会場を転々とまわりました。これは辛かったですね。ロジャーのように強い子供ならまだしも、負けてばかりいる子供を励ますのは本当にしんどかったです。才能はあったのですが、勝負に向かない性格の息子でしたので、大学受験と両立できなくてやめてくれてホッとしましたが。
トーナメントには親だけでなく親戚一同が集まってくる選手の家族があります。ひどいときは10人くらいの団体でやってきて、大声をあげて必死に応援する彼らをみて、これは勝てないと思いました。ロシアや東ヨーロッパ系の選手たちでしたが、家族の期待を一身に浴びた彼らは真剣度の次元が違ってました。)
Q:ロジャーの子供の頃で特に優れていた点は何でしたか?
父:それは勇気だと思いますね。10歳の頃はまだ小さいのでバックハンドの高いボールがとれない。普通ならロブで返すところをスマッシュしていました。不可能なボールに挑戦する勇気は今でもあると思います。
(むずかしいショットを何気なくこなしてしまうロジャーの華麗なテニスは、実は絶えず不可能にチャレンジすることによって生まれてきたのですね。ものすごく納得!)
Q:選手の親のなかで、マリーのお母さんのように熱烈に感情的に応援する親が多いですが、ロジャー一家はとても静かですね。
父:もちろん興奮したり神経質になったりしていますよ。でも拍手はすばらしいポイントのときだけにしています。相手が失敗したときや、それほど重要でないポイントには拍手はしません。すばらしいラリーには拍手をする。それが例え相手のポイントになったとしても。それが私たちのルールです。
(昨年のUSオープンの決勝で、フェデラーのファミリーボックスのすぐ近くに座っていた私は、ミルカや両親の平静な態度に感心したものです。ロジャーがマリーを 6-2, 7-5, 6-2で快勝しましたが、セレモニーが終わった後も、一人でポツンとファミリー席に残ってコートを見つめていたパパフェデラーを思い出します。一人で息子の優勝の喜びを噛み締めたかったのでしょう。彼から数席はなれたシートに座っていた私は、パパフェデラーの深い喜びが伝わってくるのを感じながら、彼が立ち去るまで密かに喜びを分けてもらったことを思い出します。)
Q:双子の孫娘の写真を撮ったことで、お父さんの名が世界的に知られましたが、あれ以降写真家としての注文はありますか?
父:まだミルカやロジャーから頼まれてはいませんが、彼らはまた幸せな一家の写真を公開してくれると思います。次回の写真撮影のときは、私に声をかけてくれるかどうかは分かりませんが。(笑)
(追記)
パパフェデラーのインタービューはロジャーをより理解する上で貴重でした。欲を言えば、もう少し小さいときのフェデラーを知りたかってのですが・・・しかしスーパスターになっても名声に溺れることなく、こよなくテニスを愛しながら着実に記録を伸ばしているロジャーは、このような立派な父親によってまっすぐ育ってきたことがわかります。
今アガシの伝記を読んでいますが、まさに二人の父親は正反対です。アガシは異常な野心に取り憑かれた父親によって、テニスしかしらない子供時代をすごし、No.1の地位を得て父親の野望を実現しました。しかし彼の人生は自分が選んだものではなく、名声を得たにもかかわらず、テニスを憎み続けて不幸だったといいます。
パパフェデラーはジュニア・ロジャーに聞きました。
「テニスのゴールというのはあるのかね?」
「100位くらいになれたらいいかなと思っているんだ。」
その答えを聞いて即座に父親はロジャーに宣言したのです。
「100位だとどうして生活していくのかね? トップにもなれないのなら今すぐテニスをやめなさい。」
ジャーニーマンという言葉があります。ヒューチャーズやチャレンジャーのトーナメントを転戦する選手のことをさしますが、現実に自分で生活できる選手はほんのひとにぎりです。「明日はきっと勝つ」と夢をみながら、ハッと気がつけばすでに25歳。テニス以外には何も知らず今さらテニスを諦めることができない選手がいかに多いことか。そんなジャーニーマンになってしまうくらいなら、「テニスをやめなさい」と彼は息子に断言したのです。
愛しているからこそ時には残酷なことも言わなければならない。このようなパパフェデラーの堅実で賢明で愛情深い親に育てられると、ロジャーのような青年になれるのでしょうか?
これは愚かな親の単純な質問ですが、我が息子はすでに大学3年生。母の愛は山よりも高く海よりも深かったのですが、堅実?賢明?に関してはおおいに疑問が残る育て方をしてきました。ちょっとtoo lateでしたね(ハーッと深いため息をつきながら今回はこれでおしまいです。)
(余談)
Lindtチョコレートが新しくロジャーのスポンサーになりましたが、それをからかったスイスの雑誌に掲載されている漫画です。この太ったロジャーはお父さんの顔にそっくりですね。
http://twitpic.com/q3st4
2009年11月20日
ジョコヴィッチの陰の男マーティン
バーゼルでフェデラーを倒し、パリでナダル、モンフィスを倒して2連勝したジョコヴィッチに何かが起こりつつある? ジョコヴィッチのテニスが変わろうとしている、そんな予感がしています。
ではジョコヴィッチはどのように変わろうとしているのか?
今日はニュー・ジョコヴィッチのクリエーター、トッド・マーティンについて書いてみたいと思います。
トッド・マーティンのテニスとは
今年の夏から第2コーチとしてトッド・マーティンがジョコチームに加わりました。マーティンには小さな子供が3人いますので、ヨーロッパのツアーは参加しませんが、夏のアメリカのトーナメントにコーチとして参加することになったのです。マリアンはヨーロッパ、マーティンはアメリカを分担。この分担作業はスムーズに行われているように見えます。
「ジョコヴィッチは驚くべき才能にあふれたアスリートだ。それにスマートだ。ビッグハートももっている。ほとんど弱点がない。」
ジョコヴィッチは短期間にフィックスするような選手でないことをマーティンは知っています。 「ジョコヴィッチのテニスを完成する」そのためには長期的な展望にたったプロジェクトが必要だということも。
マーティンはまずジョコヴィッチのテニスをしるために、USオープンで彼の試合を懸命にノートにとり始めました。そのかいあってか、ジョコヴィッチはUSオープンでフェデラーには敗れましたが、次の10月の北京では見事優勝しました。
それ以後の成績はすでにご存知のとおりです。上海で絶好調のダヴィデンコに敗退したものの、バーゼルでフェデラーを倒して優勝。パリではナダル、モンフィスを倒して再び優勝の快挙です。
ネットプレーを自然に
マーティンがまず手がけたことは、ネットダッシュが自然にできること。そしてネットプレーに自信を持たせることでした。そのためには何度も同じパターンを練習する必要があります。スライスのアプローチショット、ハーフヴォレー、ヴォレーなど、ネットプレーに必要なあらゆるショットをマスターし、コートポジションを覚えなくてはなりません。練習は来る日も来る日も繰り返して行われました。
「僕は今まではディフェンシヴが巧くて、ベースライナーから攻撃するベースライナーだった。でも今はもっとショットの種類が増えて、ネットプレーにも自信がもてるようになった。おかげで僕の人生も楽になったよ。(笑)」
冷静な判断
今までのジョコヴィッチは、途中で集中力を失ったり、焦ると冷静さを欠いたショットでゲームを失うことが多かったのですが、いつも温厚なマーティンは、ジョコがどんなばかなミスをしても怒ることはなく、ポジティヴなアドヴァイスを行ってきました。苦境に陥っても最後に立ち上がる勇気を与えてくれるのは、「自分のテニスは誰にも負けない」という揺るぎない信念です。この自信をジョコヴィッチに与えるため、すべてポジティヴに考え行動することをマーティンは教えました。
「僕はとても感情的な人間なんだ。だからプラクティスの最中でも激怒(自分に対して)して、ラケットを投げてしまうこともある。でもマーティンのおかげで最近は大分感情を抑えることができるようになった。」
一昔前のジョコヴィッチは、アグレッシヴになるとコントロールに欠け、勝ち急ぎのエラーが目立ちました。また不利な状況ではディフェンスから抜けきれず、アグレッシヴなテニスができないメンタルの弱さもありました。しかしパリのSFでみせたナダル戦のジョコヴィッチは、別人のようにアグレッシヴでいながら、落ち着いてポイントをとりエラーの数も少なかったのです。
パリのSFでナダルに6-2, 6-3で完勝したジョコヴィッチはこのように言っています。
「今日のテニスはパーフェクトだった。作戦がすべてうまくいったよ。 始めに主導権を握ることができたし、終始アグレッシヴで攻めることができたし、 コートのあらゆるところからウィナーを打つことができた。」
ジョコヴィッチの言う通り、準決勝はナダルに反撃のチャンスを与えることなく完封してしまったパーフェクトの試合でした。
「あんなにすばらしいテニスをしたジョコヴィッチは初めてみたよ。ほとんどのショットがウィナーみたいだった。」とナダルもジョコヴィッチのテニスを絶賛しました。
ゲームの本質を知る
「フェデラーよりも多くのポイントを取る必要はない。また彼より多くのゲームをとる必要もない。大切なのは数ではなくていつポイントをとるか、いつゲームをとるかだ。自分よりもベーターな選手と戦うときは、主導権をとって彼をプレーさせることができなければ敗北するということをまず心しておくべきだ。6ポイントのうち4ポイントをとる。8ポイントのうち5ポイントをとる。自分のサーヴがよければ、1セットの中でこれらのポイントが一度でよいからリターンゲームでとれればいいんだ。」
マーティンの功績は、まずジョコヴィッチに「ゲームとは何か」というテニスの根本を理解させようとしたことです。
ゲームの組み立て方を理解しろ。
ヴァライティーに富んだショットを正しく選択しろ。
作戦を冷静に実践するセルフコントロールを持て。
ジョコヴィッチがパリでみせたパーフォーマンスを観ていると、まるでマーティンの声が聞こえてくるようです。
ジョコヴィッチの大きなプラン
ジョコヴィッチは第2の父と慕うマリアン・ヴァイダのコーチのもとで、トッド・マーティンの強力なメンバーを加えたジョコヴィッチの新チームは、ゴールにむかって着実に結果を残しつつあります。
“I really have big plans for next year. 来年はすごい大きなプランがあるんだ。
12歳でドイツ単身テニス留学をしたときに誓った「世界No.1になる」・・・ その夢の実現を目指してジョコヴィッチは高く飛翔しようとしています。
今年最後のトーナメント、ロンドンのファイナルズの初戦の相手はダヴィデンコです。上海で絶好調のダヴィデンコに敗れたジョコヴィッチが、今度は果たしてどのようなリヴェンジをみせてくれるか。月曜日の試合が楽しみですね。
(参考資料)
http://sports.espn.go.com/sports/tennis/usopen09/columns/story?columnist=ford_bonnie_d&id=4441064
http://www.independent.co.uk/sport/tennis/novak-djokovic-the-man-who-met-his-match-with-murray-1809033.html
http://www.observer.com/2009/novaks-new-guru-todd-martin
ではジョコヴィッチはどのように変わろうとしているのか?
今日はニュー・ジョコヴィッチのクリエーター、トッド・マーティンについて書いてみたいと思います。
トッド・マーティンのテニスとは
今年の夏から第2コーチとしてトッド・マーティンがジョコチームに加わりました。マーティンには小さな子供が3人いますので、ヨーロッパのツアーは参加しませんが、夏のアメリカのトーナメントにコーチとして参加することになったのです。マリアンはヨーロッパ、マーティンはアメリカを分担。この分担作業はスムーズに行われているように見えます。
「ジョコヴィッチは驚くべき才能にあふれたアスリートだ。それにスマートだ。ビッグハートももっている。ほとんど弱点がない。」
ジョコヴィッチは短期間にフィックスするような選手でないことをマーティンは知っています。 「ジョコヴィッチのテニスを完成する」そのためには長期的な展望にたったプロジェクトが必要だということも。
マーティンはまずジョコヴィッチのテニスをしるために、USオープンで彼の試合を懸命にノートにとり始めました。そのかいあってか、ジョコヴィッチはUSオープンでフェデラーには敗れましたが、次の10月の北京では見事優勝しました。
それ以後の成績はすでにご存知のとおりです。上海で絶好調のダヴィデンコに敗退したものの、バーゼルでフェデラーを倒して優勝。パリではナダル、モンフィスを倒して再び優勝の快挙です。
ネットプレーを自然に
マーティンがまず手がけたことは、ネットダッシュが自然にできること。そしてネットプレーに自信を持たせることでした。そのためには何度も同じパターンを練習する必要があります。スライスのアプローチショット、ハーフヴォレー、ヴォレーなど、ネットプレーに必要なあらゆるショットをマスターし、コートポジションを覚えなくてはなりません。練習は来る日も来る日も繰り返して行われました。
「僕は今まではディフェンシヴが巧くて、ベースライナーから攻撃するベースライナーだった。でも今はもっとショットの種類が増えて、ネットプレーにも自信がもてるようになった。おかげで僕の人生も楽になったよ。(笑)」
冷静な判断
今までのジョコヴィッチは、途中で集中力を失ったり、焦ると冷静さを欠いたショットでゲームを失うことが多かったのですが、いつも温厚なマーティンは、ジョコがどんなばかなミスをしても怒ることはなく、ポジティヴなアドヴァイスを行ってきました。苦境に陥っても最後に立ち上がる勇気を与えてくれるのは、「自分のテニスは誰にも負けない」という揺るぎない信念です。この自信をジョコヴィッチに与えるため、すべてポジティヴに考え行動することをマーティンは教えました。
「僕はとても感情的な人間なんだ。だからプラクティスの最中でも激怒(自分に対して)して、ラケットを投げてしまうこともある。でもマーティンのおかげで最近は大分感情を抑えることができるようになった。」
一昔前のジョコヴィッチは、アグレッシヴになるとコントロールに欠け、勝ち急ぎのエラーが目立ちました。また不利な状況ではディフェンスから抜けきれず、アグレッシヴなテニスができないメンタルの弱さもありました。しかしパリのSFでみせたナダル戦のジョコヴィッチは、別人のようにアグレッシヴでいながら、落ち着いてポイントをとりエラーの数も少なかったのです。
パリのSFでナダルに6-2, 6-3で完勝したジョコヴィッチはこのように言っています。
「今日のテニスはパーフェクトだった。作戦がすべてうまくいったよ。 始めに主導権を握ることができたし、終始アグレッシヴで攻めることができたし、 コートのあらゆるところからウィナーを打つことができた。」
ジョコヴィッチの言う通り、準決勝はナダルに反撃のチャンスを与えることなく完封してしまったパーフェクトの試合でした。
「あんなにすばらしいテニスをしたジョコヴィッチは初めてみたよ。ほとんどのショットがウィナーみたいだった。」とナダルもジョコヴィッチのテニスを絶賛しました。
ゲームの本質を知る
「フェデラーよりも多くのポイントを取る必要はない。また彼より多くのゲームをとる必要もない。大切なのは数ではなくていつポイントをとるか、いつゲームをとるかだ。自分よりもベーターな選手と戦うときは、主導権をとって彼をプレーさせることができなければ敗北するということをまず心しておくべきだ。6ポイントのうち4ポイントをとる。8ポイントのうち5ポイントをとる。自分のサーヴがよければ、1セットの中でこれらのポイントが一度でよいからリターンゲームでとれればいいんだ。」
マーティンの功績は、まずジョコヴィッチに「ゲームとは何か」というテニスの根本を理解させようとしたことです。
ゲームの組み立て方を理解しろ。
ヴァライティーに富んだショットを正しく選択しろ。
作戦を冷静に実践するセルフコントロールを持て。
ジョコヴィッチがパリでみせたパーフォーマンスを観ていると、まるでマーティンの声が聞こえてくるようです。
ジョコヴィッチの大きなプラン
ジョコヴィッチは第2の父と慕うマリアン・ヴァイダのコーチのもとで、トッド・マーティンの強力なメンバーを加えたジョコヴィッチの新チームは、ゴールにむかって着実に結果を残しつつあります。
“I really have big plans for next year. 来年はすごい大きなプランがあるんだ。
12歳でドイツ単身テニス留学をしたときに誓った「世界No.1になる」・・・ その夢の実現を目指してジョコヴィッチは高く飛翔しようとしています。
今年最後のトーナメント、ロンドンのファイナルズの初戦の相手はダヴィデンコです。上海で絶好調のダヴィデンコに敗れたジョコヴィッチが、今度は果たしてどのようなリヴェンジをみせてくれるか。月曜日の試合が楽しみですね。
Todd Martinのクウォリティー・テニス
(白髪が多いので老けてみえますが本当は若いのです)
(参考資料)
http://sports.espn.go.com/sports/tennis/usopen09/columns/story?columnist=ford_bonnie_d&id=4441064
http://www.independent.co.uk/sport/tennis/novak-djokovic-the-man-who-met-his-match-with-murray-1809033.html
http://www.observer.com/2009/novaks-new-guru-todd-martin
2009年11月19日
変わりつつあるジョコヴィッチ
ロンドンのファイナルズのドローが決まりました。このファイナルズのレースの先頭馬は、連勝をつづけているジョコヴィッチです。今日はエンジン全開でばく進中のジョコヴィッチについて書いてみたいと思います。
バーゼルでホームタウンボーイのフェデラーを破り、パリでもホームゲームで圧倒的な応援を得ているモンフィスを打倒したジョコヴィッチは、最後まで冷静に試合を展開。決定的に不利な状況にありながらパリ優勝をなし遂げ、勝利の喜びで幾度もジョコヴィッチは吠えました。手に汗にぎるタイブレークでも決して焦らず、最後まで自分を奮い立たせて戦った、そんな彼に今まで見られなかった不屈な戦士の姿をみたような気がしたのです。
何かがジョコヴィッチの中で生まれようとしている・・・
不調といわれた今年前半
今年前半のジョコヴィッチは、なかなか自分のテニスができず模索中といったイメージがありました。本人も言っているように、年頭からラケットをヘッドに変更したため、なかなかショットが安定しませんでした。エラーが多くリズムをつかめないまま、それでも3月マイアミ(マリーに敗退)、4月モンテカルロ(ナダルに敗退)、4月ローマ(ナダルに敗退)の3マスターズに連続で決勝まで進んだジョコヴィッチは、自信を徐々に深めていきました。
ジョコヴィッチの弱点はフィジカルとメンタルと言われています。これは本人も認めています。
フィジカルの向上
アンディ・マリーやべルダスコのフィジカル強化トレーニングの話は有名です。疲れをしらない肉体をつくる。フィットした彼らのランキングの上昇はめざましく、いかにフィジカルトレーニングが重要であるかを彼らは証明しています。
今まで試合の後半になると息切れをしていたジョコヴィッチは、フェデラーやナダルを破るにはフィジカル面の向上が必須であることは明らかでした。
そこでまずジョコヴィッチは元No.1のトーマス・ムスターのコーチ、Ronald Leitgeb をトレーナーとして迎えたのです。なぜ有名な元コーチがトレーナーとしてジョコヴィッチにアドヴァイスを与えるのか、そのあたりの事情はよく分かりませんが、ともかく見違えてジョコヴィッチがフィットしてきたのです。
そして5月のマドリッドの準決勝。ナダルに連敗してきたジョコヴィッチは、ナダルに優るとも劣らないパーフォーマンスで第3セットのタイブレークに。しかしフィジカル面ではジョコヴィッチはナダルに劣りませんでしたが、惜しくも2ポイントの差でメンタルの男、ナダルにポイントを譲ってしまいました。最後の踏ん張りがきかない。この敗北は明らかにメンタルの敗北だったのです。
(追記)この試合は4時間以上にわたって行われ、マスターズでは最長時間を記録したエピック試合となりました。状況をポイントごとにメモしております。読みづらいとは思いますがよかったらご覧ください。
http://www.scribd.com/doc/22744471
第2コーチを雇う
ジョコヴィッチのコーチは Marian Vajdaです。TVでもよく映るポチャとした好人物です。彼はジョコヴィッチの占有コーチですが、アドヴァイザーとしてジョコが第2の意見を聞くことにこだわりません。2007年にはオーストラリアのダブルスの伝説選手Mark Woodfordeを雇って、ジョコヴィッチはネットプレーを彼から学びました。
またクレーを上達するためにも、フェデラーもパートタイムのコーチとして雇ったことのある Jose Higueras ホゼ・イゲラスから短期特訓を受けたことがあります。イゲラスからジョコヴィッチはどのようにしてポイントをとるのか、そのゲームの組み立て方を学びました。
今年のジョコヴィッチの課題は、フィジカルとメンタルを強化するだけでなく、ベースラインプレーヤーから脱皮して、フェデラーのようなオールラウンダーなることでした。ジョコヴィッチにはまだネットプレーが不自然です。ネットプレーを含むことによってゲームの展開に深さが増し、ヴァラエティーに富んだ作戦を実践することができるのです。
イゲラスの愛弟子であったトッド・マーティンの名前が浮上してきました。
彼はサンプラスとアガシに敗れ、2度もグランドスラムのタイトルを取り損なった不運の名選手です。そして2度もATPスポーツマンシップ賞を与えられるほど、フェアなジェントルマンで知られている温厚な選手です。彼のプレースタイルはオールラウンドで、バランスのとれたテニス。最後まで戦い抜くファイターで多くのファンを魅了してきました。ジョコヴィッチは自分のテニスを完成させるためには、マーティン以上に最適な人物はいないように思われたのです。
(原稿が長過ぎるので2部構成にしました。明日はトッド・マーティンが何を行ったのか? 『ジョコの陰の男マーティン』を掲載しますのでお楽しみに。)
バーゼルでホームタウンボーイのフェデラーを破り、パリでもホームゲームで圧倒的な応援を得ているモンフィスを打倒したジョコヴィッチは、最後まで冷静に試合を展開。決定的に不利な状況にありながらパリ優勝をなし遂げ、勝利の喜びで幾度もジョコヴィッチは吠えました。手に汗にぎるタイブレークでも決して焦らず、最後まで自分を奮い立たせて戦った、そんな彼に今まで見られなかった不屈な戦士の姿をみたような気がしたのです。
何かがジョコヴィッチの中で生まれようとしている・・・
不調といわれた今年前半
今年前半のジョコヴィッチは、なかなか自分のテニスができず模索中といったイメージがありました。本人も言っているように、年頭からラケットをヘッドに変更したため、なかなかショットが安定しませんでした。エラーが多くリズムをつかめないまま、それでも3月マイアミ(マリーに敗退)、4月モンテカルロ(ナダルに敗退)、4月ローマ(ナダルに敗退)の3マスターズに連続で決勝まで進んだジョコヴィッチは、自信を徐々に深めていきました。
ジョコヴィッチの弱点はフィジカルとメンタルと言われています。これは本人も認めています。
フィジカルの向上
アンディ・マリーやべルダスコのフィジカル強化トレーニングの話は有名です。疲れをしらない肉体をつくる。フィットした彼らのランキングの上昇はめざましく、いかにフィジカルトレーニングが重要であるかを彼らは証明しています。
今まで試合の後半になると息切れをしていたジョコヴィッチは、フェデラーやナダルを破るにはフィジカル面の向上が必須であることは明らかでした。
そこでまずジョコヴィッチは元No.1のトーマス・ムスターのコーチ、Ronald Leitgeb をトレーナーとして迎えたのです。なぜ有名な元コーチがトレーナーとしてジョコヴィッチにアドヴァイスを与えるのか、そのあたりの事情はよく分かりませんが、ともかく見違えてジョコヴィッチがフィットしてきたのです。
そして5月のマドリッドの準決勝。ナダルに連敗してきたジョコヴィッチは、ナダルに優るとも劣らないパーフォーマンスで第3セットのタイブレークに。しかしフィジカル面ではジョコヴィッチはナダルに劣りませんでしたが、惜しくも2ポイントの差でメンタルの男、ナダルにポイントを譲ってしまいました。最後の踏ん張りがきかない。この敗北は明らかにメンタルの敗北だったのです。
(追記)この試合は4時間以上にわたって行われ、マスターズでは最長時間を記録したエピック試合となりました。状況をポイントごとにメモしております。読みづらいとは思いますがよかったらご覧ください。
http://www.scribd.com/doc/22744471
第2コーチを雇う
ジョコヴィッチのコーチは Marian Vajdaです。TVでもよく映るポチャとした好人物です。彼はジョコヴィッチの占有コーチですが、アドヴァイザーとしてジョコが第2の意見を聞くことにこだわりません。2007年にはオーストラリアのダブルスの伝説選手Mark Woodfordeを雇って、ジョコヴィッチはネットプレーを彼から学びました。
またクレーを上達するためにも、フェデラーもパートタイムのコーチとして雇ったことのある Jose Higueras ホゼ・イゲラスから短期特訓を受けたことがあります。イゲラスからジョコヴィッチはどのようにしてポイントをとるのか、そのゲームの組み立て方を学びました。
今年のジョコヴィッチの課題は、フィジカルとメンタルを強化するだけでなく、ベースラインプレーヤーから脱皮して、フェデラーのようなオールラウンダーなることでした。ジョコヴィッチにはまだネットプレーが不自然です。ネットプレーを含むことによってゲームの展開に深さが増し、ヴァラエティーに富んだ作戦を実践することができるのです。
イゲラスの愛弟子であったトッド・マーティンの名前が浮上してきました。
彼はサンプラスとアガシに敗れ、2度もグランドスラムのタイトルを取り損なった不運の名選手です。そして2度もATPスポーツマンシップ賞を与えられるほど、フェアなジェントルマンで知られている温厚な選手です。彼のプレースタイルはオールラウンドで、バランスのとれたテニス。最後まで戦い抜くファイターで多くのファンを魅了してきました。ジョコヴィッチは自分のテニスを完成させるためには、マーティン以上に最適な人物はいないように思われたのです。
(原稿が長過ぎるので2部構成にしました。明日はトッド・マーティンが何を行ったのか? 『ジョコの陰の男マーティン』を掲載しますのでお楽しみに。)
2009年11月18日
フェデラー:ナダルと僕はお互いに必要なんだ
昨日はナダルのインタービューを掲載して、彼の今まで知られなかった一面を紹介させていただきましたが、今日はフェデラーのインタービューを要約してみたいと思います。
フェデラーのインタービューの記事は、イギリスのサンデータイムズに11月15日に掲載されました。ナダルのスペイン紙のインタービューと時を同じくして掲載されたフェデラーの記事ですが、これも大変興味のあるインタービューとなっています。その一部を紹介します。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/columnists/paul_kimmage/article6917213.ece
フェデラー「勝ちたい」vs タイガー「負けたくない」
2007年にタイガーとナイキのCM撮りをやったときに、このシナリオができたんだ。タイガーはhate losing 僕はlove winning。最終ゴールは同じだけれどアスリートには二つのタイプがある。
僕はポジティヴなんだ。だからちょっとネガティヴなhate losingよりも、ポジティヴなlove winningの方が僕は好きだ。
子供の頃、ベッカーとエドバーグのウィンブルドンの決勝をみて感動した。ものすごく憧れたね。彼らのようになりたいと。でもそれが現実に実現するとは夢にも思わなかったよ。勝ち続けるということがいかにむずかしいかを知っていたからね。
(記者:マッケンローは次のように言っています。「ロジャーはどの点をとっても他の選手より優っている。特にテニスへの愛情は誰にもまさって純粋なものだ。そして彼はコートに行って練習したり、テニスにとりまかれていることをこよなく愛している。自分のようにテニスをやっているとき悪魔的にとりつかれたようなことはロジャーにはない。」)
限りなくポジティヴ
勝ちつづけること。ゲームを愛し続けること。この二つはとても大切なことだ。年中旅をしていて、さまざまなことを犠牲しなくてはならず、この二つを守り続けるのは本当に大変なことなんだ。旅をすることが苦痛になってくる。そこで僕は自分にポジティヴに考えようと誓ったんだ。
「旅を楽しもう。いろんな国を訪れて違った文化を学ぶことができる。テニス選手でなかったらできないことなのだから。」
ミルカも旅が好きだ。僕もだ。それじゃ二人で大いにエンジョイしようってね。70歳までこんな生活を続けるわけがないのだから、現在の与えられた機会を楽しもうってね。
ナダルについて:僕たちはお互いに必要な存在なんだ
(記者:マッケンローはまたフェデラーはライヴァル選手と仲がよいのに驚いてました。彼はレンデルやコナーズを嫌ってましたからね。だからあの二人(フェデラーとナダルは)理解できないと。)
僕自身驚いているんだ。ナダルと僕の仲はうまくいっているからね。僕は選手連盟の会長、ナダルは副会長でよく会っていろんな問題について話合う機会がある。
僕たちはテニスではしのぎを削るインテンシヴなライヴァル同士。ナダルのために僕は記録をのばせなかったし、僕のためにナダルは優勝を逸したことがあったのは事実だ。でも僕たちは、結果的には今の自分たちをつくりあげるために助け合ってきたと言える。
本当なら憎み合うはずのライヴァルが仲がよいというのはよいことだと思う。
God, this is killing me!
(記者:今年ナダルにオーストラリアン・オープン決勝で敗れ、トロフィー受賞式のときに‘God, this is killing me’.と言いましたよね。あの言葉は14のタイトルを取れなかった事に対しての言葉だった?)
あの言葉は間違ってとらえられたようだね。僕は泣きながらマイクの前でしゃべらなくてはならなかった。でも涙が出てとまらなくて思うようにしゃべれなかったんだ。「ものすごく辛い」というのは、負けたことに対してではなく、しゃべれない自分に対して言った言葉なんだ。
僕はあのときは自分のプレーは悪くなかったと思っていたので、負けたことに対しては素直に受け入れることができた。もちろん勝ちたかったけれど。
僕は小さいときから負けるといつも泣いていたよ。だからグランドスラムで負けたら泣くのは、僕にとっては普通のことなんだ。でもこんなにいろいろ言われるなんてね。あんまり事実とはちがった話になってしまってちょっと滑稽なくらい。
運を自分の味方にできることを信じる
(記者:今年のウィンブルドン決勝でもしロディックに負けていたら?)
それはものすごく辛いことになっていただろうね。グランドスラムの5セット試合は運に助けられることが多い。僕は運を自分の味方にすることができると信じている。また出来事にはいつもその背後に起こるべき原因があるとも思っている。
だから2008年のウィンブルドンは6年連勝できる運命ではなかったのかもしれない。
昨年のラファの勢いはすばらしいものだった。僕は最初2セットを失ってもまだ現実に何が起ころうとしているのかを把握できなかった。(フェデラーvsナダル:6-4, 6-4, 6-7(5), 6-7(8), 9-7) そして雨が降ってくれたおかげで目が覚めたんだ。
ロディックとの対戦はナダルとの対戦とは違う。
僕はロディックとの対戦歴は圧倒的に僕が勝っているから、絶対負けられない試合だった。(フェデラーは18勝2敗)ウィンブルドンで3回彼に勝っているし、うまくプレーできれば勝つことができると信じていた。だから5セットの16-14まで追いつめられたのは予想以外だったけれど、今まで勝ってきたし勝つことができるという動かない信念があった。
ロンドンオリンピックまでは引退しない
結婚し子供もできてキャリアの中ではパート2に入ったかな。僕は明日のことよりも5年先のことをいつも念頭において行動をしているんだ。2012年のオリンピックにはもちろん出場したいと思っている。その先のことはわからないが、32、33歳まではまだまだ最高のテニスができると思っている。
娘たちが物心がついて、パパの試合を観戦してくれるようになるまではプレーしつづけるよ。
フェデラーのインタービューの記事は、イギリスのサンデータイムズに11月15日に掲載されました。ナダルのスペイン紙のインタービューと時を同じくして掲載されたフェデラーの記事ですが、これも大変興味のあるインタービューとなっています。その一部を紹介します。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/columnists/paul_kimmage/article6917213.ece
フェデラー「勝ちたい」vs タイガー「負けたくない」
2007年にタイガーとナイキのCM撮りをやったときに、このシナリオができたんだ。タイガーはhate losing 僕はlove winning。最終ゴールは同じだけれどアスリートには二つのタイプがある。
僕はポジティヴなんだ。だからちょっとネガティヴなhate losingよりも、ポジティヴなlove winningの方が僕は好きだ。
子供の頃、ベッカーとエドバーグのウィンブルドンの決勝をみて感動した。ものすごく憧れたね。彼らのようになりたいと。でもそれが現実に実現するとは夢にも思わなかったよ。勝ち続けるということがいかにむずかしいかを知っていたからね。
(記者:マッケンローは次のように言っています。「ロジャーはどの点をとっても他の選手より優っている。特にテニスへの愛情は誰にもまさって純粋なものだ。そして彼はコートに行って練習したり、テニスにとりまかれていることをこよなく愛している。自分のようにテニスをやっているとき悪魔的にとりつかれたようなことはロジャーにはない。」)
限りなくポジティヴ
勝ちつづけること。ゲームを愛し続けること。この二つはとても大切なことだ。年中旅をしていて、さまざまなことを犠牲しなくてはならず、この二つを守り続けるのは本当に大変なことなんだ。旅をすることが苦痛になってくる。そこで僕は自分にポジティヴに考えようと誓ったんだ。
「旅を楽しもう。いろんな国を訪れて違った文化を学ぶことができる。テニス選手でなかったらできないことなのだから。」
ミルカも旅が好きだ。僕もだ。それじゃ二人で大いにエンジョイしようってね。70歳までこんな生活を続けるわけがないのだから、現在の与えられた機会を楽しもうってね。
ナダルについて:僕たちはお互いに必要な存在なんだ
(記者:マッケンローはまたフェデラーはライヴァル選手と仲がよいのに驚いてました。彼はレンデルやコナーズを嫌ってましたからね。だからあの二人(フェデラーとナダルは)理解できないと。)
僕自身驚いているんだ。ナダルと僕の仲はうまくいっているからね。僕は選手連盟の会長、ナダルは副会長でよく会っていろんな問題について話合う機会がある。
僕たちはテニスではしのぎを削るインテンシヴなライヴァル同士。ナダルのために僕は記録をのばせなかったし、僕のためにナダルは優勝を逸したことがあったのは事実だ。でも僕たちは、結果的には今の自分たちをつくりあげるために助け合ってきたと言える。
本当なら憎み合うはずのライヴァルが仲がよいというのはよいことだと思う。
God, this is killing me!
(記者:今年ナダルにオーストラリアン・オープン決勝で敗れ、トロフィー受賞式のときに‘God, this is killing me’.と言いましたよね。あの言葉は14のタイトルを取れなかった事に対しての言葉だった?)
あの言葉は間違ってとらえられたようだね。僕は泣きながらマイクの前でしゃべらなくてはならなかった。でも涙が出てとまらなくて思うようにしゃべれなかったんだ。「ものすごく辛い」というのは、負けたことに対してではなく、しゃべれない自分に対して言った言葉なんだ。
僕はあのときは自分のプレーは悪くなかったと思っていたので、負けたことに対しては素直に受け入れることができた。もちろん勝ちたかったけれど。
僕は小さいときから負けるといつも泣いていたよ。だからグランドスラムで負けたら泣くのは、僕にとっては普通のことなんだ。でもこんなにいろいろ言われるなんてね。あんまり事実とはちがった話になってしまってちょっと滑稽なくらい。
運を自分の味方にできることを信じる
(記者:今年のウィンブルドン決勝でもしロディックに負けていたら?)
それはものすごく辛いことになっていただろうね。グランドスラムの5セット試合は運に助けられることが多い。僕は運を自分の味方にすることができると信じている。また出来事にはいつもその背後に起こるべき原因があるとも思っている。
だから2008年のウィンブルドンは6年連勝できる運命ではなかったのかもしれない。
昨年のラファの勢いはすばらしいものだった。僕は最初2セットを失ってもまだ現実に何が起ころうとしているのかを把握できなかった。(フェデラーvsナダル:6-4, 6-4, 6-7(5), 6-7(8), 9-7) そして雨が降ってくれたおかげで目が覚めたんだ。
ロディックとの対戦はナダルとの対戦とは違う。
僕はロディックとの対戦歴は圧倒的に僕が勝っているから、絶対負けられない試合だった。(フェデラーは18勝2敗)ウィンブルドンで3回彼に勝っているし、うまくプレーできれば勝つことができると信じていた。だから5セットの16-14まで追いつめられたのは予想以外だったけれど、今まで勝ってきたし勝つことができるという動かない信念があった。
ロンドンオリンピックまでは引退しない
結婚し子供もできてキャリアの中ではパート2に入ったかな。僕は明日のことよりも5年先のことをいつも念頭において行動をしているんだ。2012年のオリンピックにはもちろん出場したいと思っている。その先のことはわからないが、32、33歳まではまだまだ最高のテニスができると思っている。
娘たちが物心がついて、パパの試合を観戦してくれるようになるまではプレーしつづけるよ。
2009年11月17日
ナダルの衝撃発言
11月15日のスペイン紙 La Vanguardiaの日曜版の雑誌に掲載されたナダルの最新インタービューが話題になっています。タイトルは "He llorado bastante" 『今まで何度も泣いたことがある』
このインタービューでは、戦争、貧困、宗教などの問題から、ガールフレンド、フェデラーに至るまで、 普段は避けて通るテーマについて驚くべき正直さで答えています。特に宗教については物議をかもす発言もあって、今までのインタービューのなかでは最も興味のあるインタービューだと思います。
全文は掲載しませんが、興味深い質問を選んで翻訳してみました。なお全文のインタービューは以下のサイトでごらんになることができます。翻訳はグーグルを使って要約したものです。
http://www.magazinedigital.com/reportajes/los_reportajes_de_la_semana/reportaje/cat_id/81
Q:プレッシャーを感じることはあるの?
ナダル:プレスに対してはないけれど、自分がかけるプレッシャーはある。過去5年間の結果は自分が想像していた以上のもので、自分としては満足しているよ。もし例え今日僕のキャリアが終わったとしても、自身としては納得できるものだと思っている。プレッシャーはいつも向上したいと気持ちと、ベストになりたいという願いからきている。試合に負けても悲しくはないよ。北京では調子がよかったから、チリッチに負けたときは痛かったけれど、彼のほうがあの日はベターな選手だったということだから。
Q:ナダルが怒ることはあるの?
ナダル:もちろんさ。皆が怒るようにね。でも自制心が強いから、怒ってもどなったりはしない。
Q:泣くことはあるの? 最後に泣いたのはいつ?
ナダル:何度も泣いたことはある。でもいつだかそれは言わないけど。
Q:フェデラーみたいにトーナメントで泣いたことがある?
ナダル:コートでは泣いたことはない。2007年にウィンブルドンの決勝で負けたときは、ロッカールームでは泣いたけど。公衆の前では泣くのは嫌なんだ。
Q:最も敬愛しているのはどの選手?
ナダル:フェデラーはテニス史上ベストな選手だと思う。僕のトレーニングはインテンシヴだけれど、彼がトレーニングで一度もインテンシヴになったのを見たことがない。これはすごいことだ。彼も小さいときから激しいトレーニングを重ねてきたと思うけれど、今の彼のトレーニングはそれほど一生懸命にやっているようにはみえない。彼のテニスへのインスピレーションはそれほど集中しなくても起こるみたいだ。フィーリングですぐさま捉えてそれを活かす。むずかしいことでも彼にとっては簡単にやってしまう。それは生まれもった特別な才能だと思う。
Q:自分自身に限界があると思う?
ナダル:限界に挑戦するということは、勝つという目的ではなく、向上したいという情熱をもって毎日トレーニングに励むことだと思う。勝敗の結果ではなく、ベターな選手になりたいという新鮮な気持ちが大切なんだ。
Q:ガールフレンド(ジスカ)はモチベーションを上げるのに手伝ってくれてると思う?
ナダル:彼女はモチベーションとは全く関係ないよ。アスリートは家族、友人、コーチの助けによってモチベーションが上がるのではない。それは自分自身の問題なんだ。ベストになれるという信念と希望を持ち続けることが大切なんだ。ベストになりたいのか?それともなりたくないのか? 200回も自分に問いかけながらね。
Q:健康以外に気にかけていることは?
ナダル:今世界で起こっているいろんな悲惨な状況に心が痛まない人はいないと思う。貧困、誘拐、戦争、飢饉、世界の危機に無関心な人はいないはず。僕は特に子供たちが戦争や飢饉で命を落とすのが耐えられない。
Q:ナダルの理想的な世界とは?
ナダル:理想的な世界はあり得ないけれど、まず武器を破壊すること。よく人々は貧困が不幸の原因だと言うが、僕はインドで貧しいながらも幸せそうな人たちをみてきた。彼らは何もなくて道ばたで寝ていても顔は正直だ。ここでは豊かな生活をしているのに、不幸な人たちが多くいる。僕にも当てはまるけれど、僕たちがいかに恵まれているか、僕たちはよく見えていないんだ。 彼らから多くを学ぶことがあると思う。
Q:もし友だちがスペイン兵士としてアフガニスタンの戦場に送られることになったら? 彼への見送りの言葉は?
ナダル:何を言ってよいのか分からない。戦争に行くこと自体信じられないことだから。ラディカルな行動や思想が原因で世の中には悪いことがいろいろ起きている。他人の趣味や信念、意見を尊敬すれば防ぐことができる場合が多いのに。特に宗教についてはそうだ。(追加訳:宗教心のある人、無神論者、キリスト教信者ムスリム教信者、いろんな人がいてよいはずなのに。)宗教が原因であらゆる残虐行為が行われている。僕は宗教が歴史のなかで一番のキラー(殺人者)最大の死因だと思っている。
この最後の言葉、「歴史のなかで最大の死因は宗教だ」は大変勇気のある言葉です。日本のような比較的宗教の影響の薄い国民にとっては、彼の発言のインパクトがいかに大きいかはなかなか想像できないと思います。
アメリカでさえ宗教が悪いなんとでも言おうものなら、ふとどきな人間というレッテルが貼られる可能性が大きいのです。しかもスペインはカソリック教徒の国です。スペインに何度か訪れたことがありますが、日曜日はラジオは一斉に教会のミサが放送されてしまう国。その国で「宗教が最大の殺人者である」などと断言することは大変勇気のいる行為だと思います。
彼のこの発言に対する批判の多くは、物事をシンプルに捉えてすぎているというものですが、これは仕方のないことだと思います。このインタービューは戦争を論議するインタービューではないのです。しかもナダルは政治家でも平和活動家でもありません。正直に自分の目で見て来た世界観を述べているにすぎないのです。
私は例えシンプルな世界観や平和観であっても、世界に貢献する人たちを大いに評価します。インドの恵まれない子供たちに巨額な費用をかけてテニスアカデミーを建設中のナダルは、例え彼の世界観がナイーヴなものであってもそれは批判に値するものではないのです。
He llorado bastante 何度も泣く事があったと言うナダル・・・
数百回も自問自答を繰り返すというナダル・・・
常にベストでありつづけたいと願うナダル・・・
偉大なアスリートに、そして偉大な人間に、限りない自己挑戦を続けるナダルを見守っていきたいと思います。
(追記)
ナダルの宗教に対する意見などはかなりのインパクトがあり、いろんなブログで賛否両論で論議が行われています。以下はその一つ、有名なテニスファンのサイト、メンズテニスフォーラムです。
http://www.menstennisforums.com/showthread.php?t=154300
このインタービューでは、戦争、貧困、宗教などの問題から、ガールフレンド、フェデラーに至るまで、 普段は避けて通るテーマについて驚くべき正直さで答えています。特に宗教については物議をかもす発言もあって、今までのインタービューのなかでは最も興味のあるインタービューだと思います。
全文は掲載しませんが、興味深い質問を選んで翻訳してみました。なお全文のインタービューは以下のサイトでごらんになることができます。翻訳はグーグルを使って要約したものです。
http://www.magazinedigital.com/reportajes/los_reportajes_de_la_semana/reportaje/cat_id/81
Q:プレッシャーを感じることはあるの?
ナダル:プレスに対してはないけれど、自分がかけるプレッシャーはある。過去5年間の結果は自分が想像していた以上のもので、自分としては満足しているよ。もし例え今日僕のキャリアが終わったとしても、自身としては納得できるものだと思っている。プレッシャーはいつも向上したいと気持ちと、ベストになりたいという願いからきている。試合に負けても悲しくはないよ。北京では調子がよかったから、チリッチに負けたときは痛かったけれど、彼のほうがあの日はベターな選手だったということだから。
Q:ナダルが怒ることはあるの?
ナダル:もちろんさ。皆が怒るようにね。でも自制心が強いから、怒ってもどなったりはしない。
Q:泣くことはあるの? 最後に泣いたのはいつ?
ナダル:何度も泣いたことはある。でもいつだかそれは言わないけど。
Q:フェデラーみたいにトーナメントで泣いたことがある?
ナダル:コートでは泣いたことはない。2007年にウィンブルドンの決勝で負けたときは、ロッカールームでは泣いたけど。公衆の前では泣くのは嫌なんだ。
Q:最も敬愛しているのはどの選手?
ナダル:フェデラーはテニス史上ベストな選手だと思う。僕のトレーニングはインテンシヴだけれど、彼がトレーニングで一度もインテンシヴになったのを見たことがない。これはすごいことだ。彼も小さいときから激しいトレーニングを重ねてきたと思うけれど、今の彼のトレーニングはそれほど一生懸命にやっているようにはみえない。彼のテニスへのインスピレーションはそれほど集中しなくても起こるみたいだ。フィーリングですぐさま捉えてそれを活かす。むずかしいことでも彼にとっては簡単にやってしまう。それは生まれもった特別な才能だと思う。
Q:自分自身に限界があると思う?
ナダル:限界に挑戦するということは、勝つという目的ではなく、向上したいという情熱をもって毎日トレーニングに励むことだと思う。勝敗の結果ではなく、ベターな選手になりたいという新鮮な気持ちが大切なんだ。
Q:ガールフレンド(ジスカ)はモチベーションを上げるのに手伝ってくれてると思う?
ナダル:彼女はモチベーションとは全く関係ないよ。アスリートは家族、友人、コーチの助けによってモチベーションが上がるのではない。それは自分自身の問題なんだ。ベストになれるという信念と希望を持ち続けることが大切なんだ。ベストになりたいのか?それともなりたくないのか? 200回も自分に問いかけながらね。
Q:健康以外に気にかけていることは?
ナダル:今世界で起こっているいろんな悲惨な状況に心が痛まない人はいないと思う。貧困、誘拐、戦争、飢饉、世界の危機に無関心な人はいないはず。僕は特に子供たちが戦争や飢饉で命を落とすのが耐えられない。
Q:ナダルの理想的な世界とは?
ナダル:理想的な世界はあり得ないけれど、まず武器を破壊すること。よく人々は貧困が不幸の原因だと言うが、僕はインドで貧しいながらも幸せそうな人たちをみてきた。彼らは何もなくて道ばたで寝ていても顔は正直だ。ここでは豊かな生活をしているのに、不幸な人たちが多くいる。僕にも当てはまるけれど、僕たちがいかに恵まれているか、僕たちはよく見えていないんだ。 彼らから多くを学ぶことがあると思う。
Q:もし友だちがスペイン兵士としてアフガニスタンの戦場に送られることになったら? 彼への見送りの言葉は?
ナダル:何を言ってよいのか分からない。戦争に行くこと自体信じられないことだから。ラディカルな行動や思想が原因で世の中には悪いことがいろいろ起きている。他人の趣味や信念、意見を尊敬すれば防ぐことができる場合が多いのに。特に宗教についてはそうだ。(追加訳:宗教心のある人、無神論者、キリスト教信者ムスリム教信者、いろんな人がいてよいはずなのに。)宗教が原因であらゆる残虐行為が行われている。僕は宗教が歴史のなかで一番のキラー(殺人者)最大の死因だと思っている。
この最後の言葉、「歴史のなかで最大の死因は宗教だ」は大変勇気のある言葉です。日本のような比較的宗教の影響の薄い国民にとっては、彼の発言のインパクトがいかに大きいかはなかなか想像できないと思います。
アメリカでさえ宗教が悪いなんとでも言おうものなら、ふとどきな人間というレッテルが貼られる可能性が大きいのです。しかもスペインはカソリック教徒の国です。スペインに何度か訪れたことがありますが、日曜日はラジオは一斉に教会のミサが放送されてしまう国。その国で「宗教が最大の殺人者である」などと断言することは大変勇気のいる行為だと思います。
彼のこの発言に対する批判の多くは、物事をシンプルに捉えてすぎているというものですが、これは仕方のないことだと思います。このインタービューは戦争を論議するインタービューではないのです。しかもナダルは政治家でも平和活動家でもありません。正直に自分の目で見て来た世界観を述べているにすぎないのです。
私は例えシンプルな世界観や平和観であっても、世界に貢献する人たちを大いに評価します。インドの恵まれない子供たちに巨額な費用をかけてテニスアカデミーを建設中のナダルは、例え彼の世界観がナイーヴなものであってもそれは批判に値するものではないのです。
He llorado bastante 何度も泣く事があったと言うナダル・・・
数百回も自問自答を繰り返すというナダル・・・
常にベストでありつづけたいと願うナダル・・・
偉大なアスリートに、そして偉大な人間に、限りない自己挑戦を続けるナダルを見守っていきたいと思います。
(追記)
ナダルの宗教に対する意見などはかなりのインパクトがあり、いろんなブログで賛否両論で論議が行われています。以下はその一つ、有名なテニスファンのサイト、メンズテニスフォーラムです。
http://www.menstennisforums.com/showthread.php?t=154300
2009年11月16日
ジョコヴィッチがパリ優勝
お久しぶりです。最近はトーナメントが多く、観戦に追われる贅沢な生活でした。時差と闘いながらテニス観戦で完全に睡眠不足。そして雑用に追われてなかなかブログが書けないでおりました。
ついに今年最後のマスターズが終わってしまいましたね。ロンドンのファイナルズに出場しないほとんどの選手は、これで来年までお休みです。ちょっと寂しいですね。
さてパリマスターズはモンフィスが予想をうわまわって大活躍。テニスの技術やメンタルのレベルから言えば、ジョコヴィッチがモンフィスを上回っていますが、油断がならないのはモンフィスの乗りやすい気質です。会場の応援をバックに、第3セットはタイブレークという、最後のマスターズにふさわしいスリルのある試合を見せてくれました。
最近はTwitterで実況解説もどきのことをやっています。できるだけ臨場感がでるように努力したつもりですが、何しろ1回のつぶやきが140文字に制限されていますので、なかなかむずかしいものがあります。
今日はジョコヴィッチ(ジョコ)とモンフィス(ガエル)のTwitterに少し手を加えて決勝を再現してみました。なおナダルvsジョコヴィッチ、モンフィスvsステパネックのSFもTwitterで解説していますので、よかったらご覧ください。
http://twitter.com/tennisnakama
パリマスターズ決勝
Djokovic def Monfils: 2-6、7-5、7-6(3)
モンフィスとジョコヴィッチが登場しました。ディスコ風にコートのサイドラインが照明でピカピカ点滅し相変わらずパリは激しく派手です。今日の決勝はモンフィスの出場で会場の熱気がムンムンと伝わってきます。果たしてジョコヴィッチがどれだけ冷静にプレイできるでしょうか?
ジョコとガエル(モンフィス)の表情から、ジョコの方がリラックスしているような感じです。ガエルは大変なプレッシャーを負って固い表情です。
モンフィスは2004年ジュニアで世界一位でした。4つのグランドスラムのうち全米を除いてすべてのタイトルをとった天才児だったのです。彼は将来トップ3になるのは間違いないと期待されていただけに現在の16位は不本意なはず。今日の試合がガエルのターニングポイントになるかもしれません。
ガエルのジョコとの過去の対戦成績は0勝3敗。ハードでもクレーでも負けています。ガエルの強さは会場の応援を自分のエネルギーに還元し、信じられない力を発揮できること。運動神経がプロNo.1と言われているだけに、ゾーンに入れば何が起こるかわからない選手です。
ナダルとの試合でベストなテニスをみせたジョコヴィッチが、果たしてこのハイレベルなテニスをキープできるかどうか?パリの観客が全員(?)モンフィス応援というハンディの中でどれだけ自分のテニスができるか? いよいよ試合が開始です。
第1セット
第1ゲーム(0-0)ジョコのサーヴ:
かなりスローなペースでウィナー狙いもなく、ウォーミングアップでジョコが40-0でサーヴィスゲームを取りました。しばらくは様子を見るといった感じです。
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ちょっと固いガエルにフォアのエラー。ジョコもウィナーを狙ってフォアのエラー。(ここではエラーはアンフォースト・エラーのこと)二人とも緊張気味ですが、ガエルがゲームをホールド(日本ではキープと言っていますが英語ではhold his service game)
第3ゲーム(1-1)ジョコのサーヴ:
ジョコのサーヴがよくガエルのリターンが浮きます。ジョコをブレークするには2ndリターンを狙うこと。しかしエラーは禁物。ガエルはまだまだ固くフォアで決められずにアウトしてしまいます。
第4ゲーム(1-2)ガエルのサーヴ:
ガエルのアプローチショットが甘い。しかしジョコも甘いパッシングショット。まだまだ二人が緊張しています。ガエルのエラーが続きすでにブレークポイント。30-40 ガエルのバックハンドがネットしてブレークされました。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
このブレークで落ち着きを取り戻したジョコは40-0の安定したゲーム展開。ワイドのサーヴでガエルをふり、オープンコートにウィナーを。このパターンで問題なくサーヴィスゲームをホールドしました。
第6ゲーム(1-4)ガエルのサーヴ:
ブレークされたとはいえ、ガエルのサーヴは威力があり、ジョコがなかなかブレークできません。ジョコはこのリターンゲームでリスキーなショットを試みますが成功せず。しかしすでにブレークしていますので、ジョコには余裕があります。
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ガエルはホークアイでチャレンジをしましたが、ジョコのショットはサイドライン上に落ちてイン。ジョコは2度ネットダッシュしてアグレッシヴにガエルを攻めます。最後はガエルの浮いたリターンをフォアのインサイドアウトできめました
第8ゲーム(2-5)ガエルのサーヴ:
ジョコは新しいラケットに。ガエルはフォアでウィナーを狙いますがロング。しかしガエルはエースとサーヴィスウィナーで40-30に挽回。しかしデュースを繰り返し苦戦しています。ガエルはブレークポイントでダブルフォルトしてブレークされました。
ジョコはウィナーを狙ってきわどいショットをしても、ガエルがエラーをしてくれるので余裕があります。ガエルが第2セットを得るには? まずエラーを少なくしなければ。
第2セット
ジョコはサーヴをガエルの53%をデュースコートに。47%をアドコートに。この配分は効果があるようです。ガエルはなかなかジョコのサーヴが予測できないでいます。
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ヴォレーの簡単なミスで1540のブレークポイントを迎えてしまったガエルでしたが、落ち着いてミスをなくし40-40へ挽回。しかし思い切ってラケットを振り切れずフォアがロング。ジョコはスーパクロスで早くもガエルをブレークしました。
第3ゲーム(0-2)ジョコのサーヴ:
すでにブレークされたガエルはモメンタムがジョコにシフトしてしまったのを止められない。ジョコのサーヴがよいのでガエルのリターンが浮いてしまっています。まるでジョコのウィナーの練習台。ガエルのリターンを何とか向上させない限り勝てない。
第4ゲーム(0-3)ガエルのサーヴ:
余りにもジョコの一方的なゲームで、ふっ切れたのかガエルは苦笑い。これで固さがとれサーヴィスウィナーとエースの連発させて40-0とリード。しかしジョコはフォアのウィナーとロブで40-40に挽回しましたが、辛うじてガエルはゲームをホールドしました。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
ガエルは俊足でジョコのドロップショットに追いつき逆にポイントを。ジョコはフォアのエラーでブレークポイントです。しかしネットダッシュしたジョコがヴォレーミスでブレークされました!こんなミスをするなんて!
会場は湧きに湧いています。全員が総立ち!ジョコのめずらしいイージーミス。かなり彼も緊張しています。これからがガエルの舞台となるか?ガーエル!とエールがスタジアムにこだまします。 エースとサーヴィスウィナー(日本ではノータッチエース)で、ガエルはゲームを取りました。
第7ゲーム(3-3)ジョコのサーヴ:
ジョコはめずらしくコミットしないバックハンドでアウトです。中途半端なスウィング。しかし見事なドロップショットが入りました。しかしジョコのエラーが増えてきています。それにガエルはジョコのショットパターンを読んでいます。
ジョコのショットのパターンが単純すぎます。左右に交互に振っているのでガエルは予期してそのポイジションに。これに気がついジョコはただちに修正。パターンを変えてきました。何度かデュースを繰り返してやっとジョコがゲームをホールド。ジョコはまた新しいラケットに。
第8ゲーム(3-4)ガエルのサーヴ:
エース。これでガエルは6本目のエースです。ジョコはまだ1本。長いラリーが続きます。ガエルのストロークがクリーンで安定してきました。ガエルのロブとドロップショットが成功。ジョコはイライラして3度もエラーを重ねます。
第9ゲーム(4-4)ジョコのサーヴ:
ジョコはOut of control フォアのバカ打ち。怒りがショットに出ています。ダブルフォルトでブレークポイントを迎えるジョコ。会場は大騒ぎ。フランスの旗が大きくひるがえりドラムが鳴り響きます。しかし・・・
第10ゲーム(4-5)ガエルのサーヴ:
おしくもブレークチャンスを逃がしたガエルでしたが落ち着いています。ジョコはバックハンドのイージーミスでますます焦りが出てきているようです。
第11ゲーム(5-5)ジョコのサーヴ:
ネットダッシュするジョコの足元にガエルがパッシングショットして、ジョコはヴォレーをネットにかけてしまいました。賢い落ち着いたガエルのショットの選択です。会場はまるでデ杯の雰囲気。ジョコのエラーでガエルのブレークチャンスです!
ガエルは観客に拍手しろと両手を広げて催促。ワーワー盛り上がるスタジアム。ガエルは観客の応援に応えてジョコにプレッシャーを与える鋭いショットを繰り返します。ジョコは雰囲気に飲まれてしまっています。ジョコはカウンターできずにネットに。ガエルがブレークしました!
第12ゲーム(6-5)ガエルのサーヴ:
ガエルがベンチから立ち上がると嵐のような拍手が会場に沸き上がります。まるでボクシングマッチです。初めてでました!ガエルのジャンピング・フォアのインサイドアウトのウィナー!かっこいいですね。次はゆるいペース無しのショットでジョコのリズムを狂わせます。
第2セットはジョコのミスによってガエルが勝利。ジョコはあがいても這い上がれない。モメンタムが完全にガエルにシフトしました。しかしジョコがこのまま引き下がるとは考えられません。一方会場の応援をバックに、ジョコにプレッシャーを与え続けるアグレッシヴなテニスをガエルができるか?
第3セット
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ガエルは第2セットをとって気持ちに隙ができたのか、フォーカス度がゆるみエラーが増えてきています。0-40でブレークポイントです。
二人はエラーを恐れ安全圏を狙った43本のラリー。相手のエラー待ちのテニスをしています。ガエルの甘いバックハンドのスマッシュをジョコが叩きました。最初のサーヴィスゲームをガエルはブレークされてしまいました。
第3ゲーム(0-2)ジョコのサーヴ:
ブレークされてしまったガエルはもう一つ集中力に欠けてしまってネットしてしまいます。ジョコもダブルフォルト。ディフェンス・テニスを続けながらガエルは40-30でブレークチャンスを迎えました。ジョコの考えられないファオのエラーで、ガエルはジョコをブレーク。
第4ゲーム(1-2)ガエルのサーヴ:
ガエルはせっかくブレークバックしながら、2度のガエルのダブルフォルトでまたブレーされてしまいました。お互いにブレークし合うゲームが続きます。このまま集中できないでいるとガエルが危ない。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
メンタルに問題があるので定評なガエルがまたもやエラー。焦っているので簡単なヴォレーも返せません。40-0でジョコはイージーにゲームをとりました。ガエルにインテンシティーがありません。会場のファンに呼びかけなくなっています。
第6ゲーム(1-4)ガエルのサーヴ:
エース。しかし2度のダブルフォルト。またエース。ガエルはエースとダブルフォルトを繰り返ります。どうもサーヴが不安定。集中できない?
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ガエルのカウンターショットはほとんどルーピーボール(ループボールに近い高い曲線を描いたスピンボール)。ジョコはこのペースのないルーピーボールが苦手でエラーが続きます。ブレークポイントです。ジョコがダブルフォルトしてブレークされました!本当に不思議なゲームです。これでスコアはイーヴンに。
第8ゲーム(3-4)ガエルのサーヴ:
二人のメンタルの試合となりました。ガエルの第3セットの1stサーヴは何と33%の確率。この低さでゲームを取れているのは、ジョコのエラーの助け。ジョコのドロップショットが失敗で400。ガエルはまた両手を広げで会場に拍手を求めます。
第9ゲーム(4-4)ジョコのサーヴ:
二人ともまったくネットダッシュをせずベースラインからのラリーを続けています。ジョコは攻撃ショットも控え、ミスを避ける安全圏ショット。
第10ゲーム(4-5)ガエルのサーヴ:
ガエルのドロップショットにジョコがアングルにサイドラインぎりぎりにハーフヴォレー。しかし追いついたガエルはダウンザラインにウィナー。ガエルのすばらしいテニスに会場が沸騰気味。今度はガエルのフォアのインサイドアウトがコーナーをついて全くジョコが取れない。
第11ゲーム(5-5)ジョコのサーヴ:
ガエルは3度もネットにかけて失点。コミットできてないスウィング。急に守りに入ったガエルにエラーが続きます。もっとアグレッシヴに攻めなければジョコをブレークできない。
第12ゲーム(5-6)ガエルのサーヴ:
ジョコが何度もウィナーを狙ってフォアのクロスを繰り返しますが、ガエルのカウンターがすばらしくエラーをしません。焦るジョコは逆にエラーとアンフォーストエラーを連発。ガエルはパーフェクトなディフェンステニスでタイブレークです!
タイブレーク(0-0)ジョコのサーヴから:
ガエルが転倒!ジョコのアングルヴォレーが取れない!
タイブレーク(0-1)ガエルがエース。
タイブレーク(1-1) ガエルがサーヴィスウィナー
タイブレーク(2-1)ジョコはインサイドアウトのフォアでウィナー
タイブレーク(2-2)ジョコはネットダッシュしてアングルヴォレー。ガエルは取れず。
タイブレーク(2-3)ガエルのフォアがわずかにベースラインを出る。ジョコはこれで2点リード
タイブレーク(2-4)ガエルはサーヴィスウィナー。点差は1ポイント差に。
タイブレーク(3-4)ガエルがフォアのエラー。
タイブレーク(3-5)ジョコがあくまでもアグレッシヴに攻めポイントを。
タイブレーク(3-6)マッチポイントでガエルは緊張のためダブルフォルトをしてしまいました!
ガエルのダブルフォルトでジョコに勝利が決定しました!優勝が決まった瞬間、ジョコは何度も大声を張り上げ、胸を誇らしげに拳で叩きながら喜びを表現しています。最後まで粘り貫いたジョコの勝利です。
ジョコは勝てる試合を何度もチョーキング(緊張で体がこわばる)してエラーが続発。しかし見事にこの窮地を脱出したジョコが勝利を獲得。それだけに彼の喜びは尋常ではありません。「最強の敵はジョコ自身」 その敵に勝つ事ができたのですから。
モンフィスの言葉:
「優勝できませんでしたが、皆さんの応援で決勝までくることができました。皆さんのプッシュがなければここまで来る事ができませんでした!そしてお母さんありがとう!僕の家族、チームのみんな、僕をサポートしてくれてありがとう!」
ジョコの言葉:
モンフィスはすばらしいテニスをしました。おめでとう!(つたないフランス語で家族とチーム、そして会場のファンに感謝をしました。)フランス人はジョコのフランス語に大喜びです。(偉い!ジョコ)
ついに今年最後のマスターズが終わってしまいましたね。ロンドンのファイナルズに出場しないほとんどの選手は、これで来年までお休みです。ちょっと寂しいですね。
さてパリマスターズはモンフィスが予想をうわまわって大活躍。テニスの技術やメンタルのレベルから言えば、ジョコヴィッチがモンフィスを上回っていますが、油断がならないのはモンフィスの乗りやすい気質です。会場の応援をバックに、第3セットはタイブレークという、最後のマスターズにふさわしいスリルのある試合を見せてくれました。
最近はTwitterで実況解説もどきのことをやっています。できるだけ臨場感がでるように努力したつもりですが、何しろ1回のつぶやきが140文字に制限されていますので、なかなかむずかしいものがあります。
今日はジョコヴィッチ(ジョコ)とモンフィス(ガエル)のTwitterに少し手を加えて決勝を再現してみました。なおナダルvsジョコヴィッチ、モンフィスvsステパネックのSFもTwitterで解説していますので、よかったらご覧ください。
http://twitter.com/tennisnakama
パリマスターズ決勝
Djokovic def Monfils: 2-6、7-5、7-6(3)
モンフィスとジョコヴィッチが登場しました。ディスコ風にコートのサイドラインが照明でピカピカ点滅し相変わらずパリは激しく派手です。今日の決勝はモンフィスの出場で会場の熱気がムンムンと伝わってきます。果たしてジョコヴィッチがどれだけ冷静にプレイできるでしょうか?
ジョコとガエル(モンフィス)の表情から、ジョコの方がリラックスしているような感じです。ガエルは大変なプレッシャーを負って固い表情です。
モンフィスは2004年ジュニアで世界一位でした。4つのグランドスラムのうち全米を除いてすべてのタイトルをとった天才児だったのです。彼は将来トップ3になるのは間違いないと期待されていただけに現在の16位は不本意なはず。今日の試合がガエルのターニングポイントになるかもしれません。
ガエルのジョコとの過去の対戦成績は0勝3敗。ハードでもクレーでも負けています。ガエルの強さは会場の応援を自分のエネルギーに還元し、信じられない力を発揮できること。運動神経がプロNo.1と言われているだけに、ゾーンに入れば何が起こるかわからない選手です。
ナダルとの試合でベストなテニスをみせたジョコヴィッチが、果たしてこのハイレベルなテニスをキープできるかどうか?パリの観客が全員(?)モンフィス応援というハンディの中でどれだけ自分のテニスができるか? いよいよ試合が開始です。
第1セット
第1ゲーム(0-0)ジョコのサーヴ:
かなりスローなペースでウィナー狙いもなく、ウォーミングアップでジョコが40-0でサーヴィスゲームを取りました。しばらくは様子を見るといった感じです。
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ちょっと固いガエルにフォアのエラー。ジョコもウィナーを狙ってフォアのエラー。(ここではエラーはアンフォースト・エラーのこと)二人とも緊張気味ですが、ガエルがゲームをホールド(日本ではキープと言っていますが英語ではhold his service game)
第3ゲーム(1-1)ジョコのサーヴ:
ジョコのサーヴがよくガエルのリターンが浮きます。ジョコをブレークするには2ndリターンを狙うこと。しかしエラーは禁物。ガエルはまだまだ固くフォアで決められずにアウトしてしまいます。
第4ゲーム(1-2)ガエルのサーヴ:
ガエルのアプローチショットが甘い。しかしジョコも甘いパッシングショット。まだまだ二人が緊張しています。ガエルのエラーが続きすでにブレークポイント。30-40 ガエルのバックハンドがネットしてブレークされました。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
このブレークで落ち着きを取り戻したジョコは40-0の安定したゲーム展開。ワイドのサーヴでガエルをふり、オープンコートにウィナーを。このパターンで問題なくサーヴィスゲームをホールドしました。
第6ゲーム(1-4)ガエルのサーヴ:
ブレークされたとはいえ、ガエルのサーヴは威力があり、ジョコがなかなかブレークできません。ジョコはこのリターンゲームでリスキーなショットを試みますが成功せず。しかしすでにブレークしていますので、ジョコには余裕があります。
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ガエルはホークアイでチャレンジをしましたが、ジョコのショットはサイドライン上に落ちてイン。ジョコは2度ネットダッシュしてアグレッシヴにガエルを攻めます。最後はガエルの浮いたリターンをフォアのインサイドアウトできめました
第8ゲーム(2-5)ガエルのサーヴ:
ジョコは新しいラケットに。ガエルはフォアでウィナーを狙いますがロング。しかしガエルはエースとサーヴィスウィナーで40-30に挽回。しかしデュースを繰り返し苦戦しています。ガエルはブレークポイントでダブルフォルトしてブレークされました。
ジョコはウィナーを狙ってきわどいショットをしても、ガエルがエラーをしてくれるので余裕があります。ガエルが第2セットを得るには? まずエラーを少なくしなければ。
第2セット
ジョコはサーヴをガエルの53%をデュースコートに。47%をアドコートに。この配分は効果があるようです。ガエルはなかなかジョコのサーヴが予測できないでいます。
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ヴォレーの簡単なミスで1540のブレークポイントを迎えてしまったガエルでしたが、落ち着いてミスをなくし40-40へ挽回。しかし思い切ってラケットを振り切れずフォアがロング。ジョコはスーパクロスで早くもガエルをブレークしました。
第3ゲーム(0-2)ジョコのサーヴ:
すでにブレークされたガエルはモメンタムがジョコにシフトしてしまったのを止められない。ジョコのサーヴがよいのでガエルのリターンが浮いてしまっています。まるでジョコのウィナーの練習台。ガエルのリターンを何とか向上させない限り勝てない。
第4ゲーム(0-3)ガエルのサーヴ:
余りにもジョコの一方的なゲームで、ふっ切れたのかガエルは苦笑い。これで固さがとれサーヴィスウィナーとエースの連発させて40-0とリード。しかしジョコはフォアのウィナーとロブで40-40に挽回しましたが、辛うじてガエルはゲームをホールドしました。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
ガエルは俊足でジョコのドロップショットに追いつき逆にポイントを。ジョコはフォアのエラーでブレークポイントです。しかしネットダッシュしたジョコがヴォレーミスでブレークされました!こんなミスをするなんて!
会場は湧きに湧いています。全員が総立ち!ジョコのめずらしいイージーミス。かなり彼も緊張しています。これからがガエルの舞台となるか?ガーエル!とエールがスタジアムにこだまします。 エースとサーヴィスウィナー(日本ではノータッチエース)で、ガエルはゲームを取りました。
第7ゲーム(3-3)ジョコのサーヴ:
ジョコはめずらしくコミットしないバックハンドでアウトです。中途半端なスウィング。しかし見事なドロップショットが入りました。しかしジョコのエラーが増えてきています。それにガエルはジョコのショットパターンを読んでいます。
ジョコのショットのパターンが単純すぎます。左右に交互に振っているのでガエルは予期してそのポイジションに。これに気がついジョコはただちに修正。パターンを変えてきました。何度かデュースを繰り返してやっとジョコがゲームをホールド。ジョコはまた新しいラケットに。
第8ゲーム(3-4)ガエルのサーヴ:
エース。これでガエルは6本目のエースです。ジョコはまだ1本。長いラリーが続きます。ガエルのストロークがクリーンで安定してきました。ガエルのロブとドロップショットが成功。ジョコはイライラして3度もエラーを重ねます。
第9ゲーム(4-4)ジョコのサーヴ:
ジョコはOut of control フォアのバカ打ち。怒りがショットに出ています。ダブルフォルトでブレークポイントを迎えるジョコ。会場は大騒ぎ。フランスの旗が大きくひるがえりドラムが鳴り響きます。しかし・・・
第10ゲーム(4-5)ガエルのサーヴ:
おしくもブレークチャンスを逃がしたガエルでしたが落ち着いています。ジョコはバックハンドのイージーミスでますます焦りが出てきているようです。
第11ゲーム(5-5)ジョコのサーヴ:
ネットダッシュするジョコの足元にガエルがパッシングショットして、ジョコはヴォレーをネットにかけてしまいました。賢い落ち着いたガエルのショットの選択です。会場はまるでデ杯の雰囲気。ジョコのエラーでガエルのブレークチャンスです!
ガエルは観客に拍手しろと両手を広げて催促。ワーワー盛り上がるスタジアム。ガエルは観客の応援に応えてジョコにプレッシャーを与える鋭いショットを繰り返します。ジョコは雰囲気に飲まれてしまっています。ジョコはカウンターできずにネットに。ガエルがブレークしました!
第12ゲーム(6-5)ガエルのサーヴ:
ガエルがベンチから立ち上がると嵐のような拍手が会場に沸き上がります。まるでボクシングマッチです。初めてでました!ガエルのジャンピング・フォアのインサイドアウトのウィナー!かっこいいですね。次はゆるいペース無しのショットでジョコのリズムを狂わせます。
第2セットはジョコのミスによってガエルが勝利。ジョコはあがいても這い上がれない。モメンタムが完全にガエルにシフトしました。しかしジョコがこのまま引き下がるとは考えられません。一方会場の応援をバックに、ジョコにプレッシャーを与え続けるアグレッシヴなテニスをガエルができるか?
第3セット
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ガエルは第2セットをとって気持ちに隙ができたのか、フォーカス度がゆるみエラーが増えてきています。0-40でブレークポイントです。
二人はエラーを恐れ安全圏を狙った43本のラリー。相手のエラー待ちのテニスをしています。ガエルの甘いバックハンドのスマッシュをジョコが叩きました。最初のサーヴィスゲームをガエルはブレークされてしまいました。
第3ゲーム(0-2)ジョコのサーヴ:
ブレークされてしまったガエルはもう一つ集中力に欠けてしまってネットしてしまいます。ジョコもダブルフォルト。ディフェンス・テニスを続けながらガエルは40-30でブレークチャンスを迎えました。ジョコの考えられないファオのエラーで、ガエルはジョコをブレーク。
第4ゲーム(1-2)ガエルのサーヴ:
ガエルはせっかくブレークバックしながら、2度のガエルのダブルフォルトでまたブレーされてしまいました。お互いにブレークし合うゲームが続きます。このまま集中できないでいるとガエルが危ない。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
メンタルに問題があるので定評なガエルがまたもやエラー。焦っているので簡単なヴォレーも返せません。40-0でジョコはイージーにゲームをとりました。ガエルにインテンシティーがありません。会場のファンに呼びかけなくなっています。
第6ゲーム(1-4)ガエルのサーヴ:
エース。しかし2度のダブルフォルト。またエース。ガエルはエースとダブルフォルトを繰り返ります。どうもサーヴが不安定。集中できない?
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ガエルのカウンターショットはほとんどルーピーボール(ループボールに近い高い曲線を描いたスピンボール)。ジョコはこのペースのないルーピーボールが苦手でエラーが続きます。ブレークポイントです。ジョコがダブルフォルトしてブレークされました!本当に不思議なゲームです。これでスコアはイーヴンに。
第8ゲーム(3-4)ガエルのサーヴ:
二人のメンタルの試合となりました。ガエルの第3セットの1stサーヴは何と33%の確率。この低さでゲームを取れているのは、ジョコのエラーの助け。ジョコのドロップショットが失敗で400。ガエルはまた両手を広げで会場に拍手を求めます。
第9ゲーム(4-4)ジョコのサーヴ:
二人ともまったくネットダッシュをせずベースラインからのラリーを続けています。ジョコは攻撃ショットも控え、ミスを避ける安全圏ショット。
第10ゲーム(4-5)ガエルのサーヴ:
ガエルのドロップショットにジョコがアングルにサイドラインぎりぎりにハーフヴォレー。しかし追いついたガエルはダウンザラインにウィナー。ガエルのすばらしいテニスに会場が沸騰気味。今度はガエルのフォアのインサイドアウトがコーナーをついて全くジョコが取れない。
第11ゲーム(5-5)ジョコのサーヴ:
ガエルは3度もネットにかけて失点。コミットできてないスウィング。急に守りに入ったガエルにエラーが続きます。もっとアグレッシヴに攻めなければジョコをブレークできない。
第12ゲーム(5-6)ガエルのサーヴ:
ジョコが何度もウィナーを狙ってフォアのクロスを繰り返しますが、ガエルのカウンターがすばらしくエラーをしません。焦るジョコは逆にエラーとアンフォーストエラーを連発。ガエルはパーフェクトなディフェンステニスでタイブレークです!
タイブレーク(0-0)ジョコのサーヴから:
ガエルが転倒!ジョコのアングルヴォレーが取れない!
タイブレーク(0-1)ガエルがエース。
タイブレーク(1-1) ガエルがサーヴィスウィナー
タイブレーク(2-1)ジョコはインサイドアウトのフォアでウィナー
タイブレーク(2-2)ジョコはネットダッシュしてアングルヴォレー。ガエルは取れず。
タイブレーク(2-3)ガエルのフォアがわずかにベースラインを出る。ジョコはこれで2点リード
タイブレーク(2-4)ガエルはサーヴィスウィナー。点差は1ポイント差に。
タイブレーク(3-4)ガエルがフォアのエラー。
タイブレーク(3-5)ジョコがあくまでもアグレッシヴに攻めポイントを。
タイブレーク(3-6)マッチポイントでガエルは緊張のためダブルフォルトをしてしまいました!
ガエルのダブルフォルトでジョコに勝利が決定しました!優勝が決まった瞬間、ジョコは何度も大声を張り上げ、胸を誇らしげに拳で叩きながら喜びを表現しています。最後まで粘り貫いたジョコの勝利です。
ジョコは勝てる試合を何度もチョーキング(緊張で体がこわばる)してエラーが続発。しかし見事にこの窮地を脱出したジョコが勝利を獲得。それだけに彼の喜びは尋常ではありません。「最強の敵はジョコ自身」 その敵に勝つ事ができたのですから。
モンフィスの言葉:
「優勝できませんでしたが、皆さんの応援で決勝までくることができました。皆さんのプッシュがなければここまで来る事ができませんでした!そしてお母さんありがとう!僕の家族、チームのみんな、僕をサポートしてくれてありがとう!」
ジョコの言葉:
モンフィスはすばらしいテニスをしました。おめでとう!(つたないフランス語で家族とチーム、そして会場のファンに感謝をしました。)フランス人はジョコのフランス語に大喜びです。(偉い!ジョコ)
2009年11月13日
波乱のパリマスターズ2009
今パリが大変なことになっていますね。日本の皆さんも睡眠不足の日々が続いて大変だと思います。私は幸いにも時差がヨーロッパとは6時間だけなのですが、何しろ普段の就寝時間が夜中の3時ごろですので、NY時間の早朝6時の放送は辛い。ほとんど寝ないでテニスを観戦し、テニスをやっていますので危ない状態。ブログを書く時間がないのです。
普段はこんなに試合を観ないのですが、今年のパリマスターズは波乱万丈で目が離せないのです。
何から書いてよいのやら。
まず1位のフェデラーが49位のベネトーに初戦敗退。
2位のナダルはロブレドに辛勝。(ほとんどナダルが負けていた試合)
4位のマリーも睡眠不足を原因にステパネックに敗退。
5位のデルポトロは腹筋を痛めて危うくリタイア。しかしゴンザレスが先にリタイアしたため辛勝。
6位のロディックは欠場
7位のダヴィデンコはソダーリングにフルセットで惜敗。
8位のべルダスコは13位のチリッチにフルセットで惜敗。
11位のシモンは膝をくじいたにもかかわらずリュビチッチから劇的な勝利。しかし今日の試合でツォンガに完敗。
この二日間、試合をご覧になれなかった方のために、いくつかの試合をTwitterで実況解説してみました。Twitterに登録しなくても、以下のサイトをクリックすれば、私のつぶやきが読めるようになっています。ときどき他の人とつぶやいたりしていますが、実況の順番は以下の通りです。もし登録されて私をフォローをされればリアルタイムで実況が入ってきます。
http://twitter.com/tennisnakama
読まれるときの注意
つぶやくごとに繰り上がっていくので、つぶやきの時間の経過が逆になっています。ですから上からよんでいかれると結果から読むことになり効果が半減しますので、試合ごとに下から上へ読んでいってください。
デルポトロ def ゴンザレス
ゴンゾーの豪快な爆弾フォアがつぎつぎに決まり、デルポトロは窮地に。しかも腹筋を痛めてリタイア寸前。一方ゴンゾーも膝を痛めてしまったが、突然彼は・・・(ゴンゾーとはゴンザレスのニックネーム)
ナダル def ロブレド
ロブレドは今までの中でベストのテニスをみせナダルは苦闘。しかし勝利を目の前にしてロブレドは・・・
ツォンガ def シモン
フランス人同士の対決。しかし負傷したシモンにフランス人の観客は冷たいブーイング・・・
ベネトー def フェデラー
あのベネトーが!?信じられないパーフォーマンスとメンタルをみせたベネトーに、フェデラーは・・・
デルポトロ def サフィン(サフィンの最後のお別れ)
最後のサフィンの試合。試合が終わって送別セレモニー。いろんな選手が駆けつけました・・・
シモン def リュビチッチ
シモンが突如膝に痛みを。完全に動けない状態。しかしリタイアをせず歯を食いしばりながらの壮絶なバトル・・・
それにしてもパリは嵐が吹き荒れて予想がつきません。危ないのはナダルとデルポトロ。さて明日の試合はどうなることやら・・・
普段はこんなに試合を観ないのですが、今年のパリマスターズは波乱万丈で目が離せないのです。
何から書いてよいのやら。
まず1位のフェデラーが49位のベネトーに初戦敗退。
2位のナダルはロブレドに辛勝。(ほとんどナダルが負けていた試合)
4位のマリーも睡眠不足を原因にステパネックに敗退。
5位のデルポトロは腹筋を痛めて危うくリタイア。しかしゴンザレスが先にリタイアしたため辛勝。
6位のロディックは欠場
7位のダヴィデンコはソダーリングにフルセットで惜敗。
8位のべルダスコは13位のチリッチにフルセットで惜敗。
11位のシモンは膝をくじいたにもかかわらずリュビチッチから劇的な勝利。しかし今日の試合でツォンガに完敗。
この二日間、試合をご覧になれなかった方のために、いくつかの試合をTwitterで実況解説してみました。Twitterに登録しなくても、以下のサイトをクリックすれば、私のつぶやきが読めるようになっています。ときどき他の人とつぶやいたりしていますが、実況の順番は以下の通りです。もし登録されて私をフォローをされればリアルタイムで実況が入ってきます。
http://twitter.com/tennisnakama
読まれるときの注意
つぶやくごとに繰り上がっていくので、つぶやきの時間の経過が逆になっています。ですから上からよんでいかれると結果から読むことになり効果が半減しますので、試合ごとに下から上へ読んでいってください。
デルポトロ def ゴンザレス
ゴンゾーの豪快な爆弾フォアがつぎつぎに決まり、デルポトロは窮地に。しかも腹筋を痛めてリタイア寸前。一方ゴンゾーも膝を痛めてしまったが、突然彼は・・・(ゴンゾーとはゴンザレスのニックネーム)
ナダル def ロブレド
ロブレドは今までの中でベストのテニスをみせナダルは苦闘。しかし勝利を目の前にしてロブレドは・・・
ツォンガ def シモン
フランス人同士の対決。しかし負傷したシモンにフランス人の観客は冷たいブーイング・・・
ベネトー def フェデラー
あのベネトーが!?信じられないパーフォーマンスとメンタルをみせたベネトーに、フェデラーは・・・
デルポトロ def サフィン(サフィンの最後のお別れ)
最後のサフィンの試合。試合が終わって送別セレモニー。いろんな選手が駆けつけました・・・
シモン def リュビチッチ
シモンが突如膝に痛みを。完全に動けない状態。しかしリタイアをせず歯を食いしばりながらの壮絶なバトル・・・
それにしてもパリは嵐が吹き荒れて予想がつきません。危ないのはナダルとデルポトロ。さて明日の試合はどうなることやら・・・
2009年11月11日
ロンドン行きは誰に?
今パリマスターズを観戦しながら書いています。テニスチャンネルではライヴで初日から放送してくれますので、ほとんどの試合をTVスクリーンで観ることができ、やっぱりコンピューターでみるのとは大きな違いがありますね。しかも解説者はほとんどしゃべりませんので、嬉しいかぎりです。
このパリのハイライトはなんといっても「誰がロンドン行きの切符を手に入れるのか?」
ロンドン大会の正式名は BARCLAYS ATP WORLD TOUR FINALS。今まではマスターズカップと呼ばれていましたが、今年からATP World Tour Finalsと改称されました。それにしても長い名前です。昨年までは上海でしたが今年からロンドンに移り、4年ごとに開催地が変わります。
出場資格のあるベスト8には、フェデラー、ナダル、ジョコヴィッチ、マリー、デルポトロ、ロディックの6人がすでに決定していますが、残りの二人がまだ未定です。この2シートをめぐって、ダヴィデンコ、べルダスコ、ソダーリング、ゴンザレスなどの選手がどのようなレース展開をみせ、そして最後に誰がゴールインをするのか?
かならずしもベスト8とは限らない
あまり知られてないベスト8の選手出場について。
普通はベスト8の選手が1月からの得点数によって選ばれることになりますが、必ずしもベスト8ではない場合もあります。それはトップ20の選手でその年にグランドスラムで優勝した選手にNo.8のシートが与えられるからです。もしトップ20の中で二人もGSをとった選手がいたとしたら、ランキングの高い選手にこのNo.8のシートが与えられます。
例えば、もしデルポトロのランキングが10位以下だったとしても、彼は20位以内に止まっていれば、ロンドン出場となるわけです。
さて今年のロンドン行きはベスト8となりますが、このランキングは通常私たちが使っているランキングと違います。ここで簡単に説明したいと思います。
二つのランキングを比較してみましょう。
SOUTH AFRICAN AIRWAYS ATP RANKINGS
これは私たちが一般にランキングと言っているもので、過去の一年間の総合ポイント数から決定します。以下は今週のランキングです。
YEAR-TO-DATE SOUTH AFRICAN AIRWAYS ATP RANKINGS
通称レースと呼ばれるランキングで、year-to-dateとは1月から現在という意味で、昨年のポイントは加算されません。例えばランキングに違いがでてきているのはツォンガの場合です。彼の場合はランキングでは2985ポイントで9位ですが、レースでは11位に落ちて2695ポイントとなっています。
ロンドン行きはこのレースのランキングで決定されますので、順番からいえば7位ダヴィデンコ、8位べルダスコ、9位ソダーリング、10位ゴンザレス、11位ツォンガが2シートをめぐって争奪戦が繰り広げられることになります。
ではこの中で誰がロンドン行きの切符を手にいれることができるのか?ちょっと予想してみたいと思います。
ポイント計算をやってみました。W優勝者には1000、F準優勝には600、SFに出場すれば360、QFでは180、R16では90ポイントが与えられます。
ダヴィデンコの場合:3540ポイントからスタート
決勝までの予想対戦相手:ソダーリング(R16)、ジョコヴィッチ(QF)、ナダル(SF)
決勝までのポイント数:W(4540) F(4140) SF(3900) QF(3720) R16(3630)
7位にいるダヴィデンコは、今日ベッカーを破ってR16を決めました。そして90ポイントを獲得して得点は3630ポイント。しかし次のR16のカーロヴィッチかソダーリングに負けてしまえば得点は、この3630でストップです。しかしソダーリング以下の選手が出場権を得るには、最低決勝まで進まなくてはならず、ほぼこれでダヴィデンコのロンドン行きは決まったといってよいと思います。
べルダスコの場合:3210ポイントからスタート
決勝までの予想対戦相手:チリッチ(R16)、フェデラー(QF)、マリー(SF)
決勝までのポイント数:W(4210) F(3810) SF(3570) QF(3390) R16(3300)
セッピを倒してR16べルダスコはこれで3300ポイントとなりました。9位のソダーリングとはすでにスタート時点で380ポイントの差があり、R16進出によってロンドン行きが目前に迫りました。
ソダーリングの場合:2830ポイントからスタート
決勝までの予想対戦相手:カーロヴィッチ(R32)、ダヴィデンコ(R16)、ジョコヴィッチ(QF)、ナダル(SF)
決勝までのポイント数:W(3830) F(3430) SF(3190) QF(3010) R16(2920)
べルダスコがR16の進出で3300となりましたので、ソダーリングは決勝まで進まなければべルダスコの得点を追い越すことができなくなりました。ということはジョコヴィッチ、ナダルを倒さなければならず、体調がまだ完全でない彼にとってはほぼ不可能となってしまいました。
それにしてもバーシーのコート1はお粗末ですね。壁にブルーのプラスチックが掛けられていて臨時のコートのような感じです。世界のインドアのトーナメントの中で最も権威のあると呼ばれているのに、予算がないのでしょうか。
さていつも問題になるのが男子のシーズンの長さです。
女子は10月末にトーナメントを終了して2ヶ月の休みがもらえるのに、男子はこのマスタズの後にまだロンドンが残っており、11月末までは過酷なトーナメントが続きます。9月のUS オープンの後、ぞくぞくと怪我が発生して、10月の上海マスターズでリタイアが続発したのは、長いハードコートのシーズンの結果、酷使された肉体の悲痛の叫びに他なりません。
「男子プロの世界は考えられないわ。一ヶ月しか休みがないので体がガタガタになるのは当然だわ。」とセリーナ・ウィリアムズもシーズンの長過ぎるのを批判していました。ではどうすればよいか?
私は問題解決のカギはパリ(バーシー)のマスターズだと思っています。40年の歴史がある由緒あるトーナメントですが、このパリがなくなると、マスターズカップを2週間早くもってくることができるのです。
パリにはフレンチオープンがあります。しかしグランドスラムを開催する都市でマスターズがあるのはパリだけです。クレーとハードのサーフェスの違い、ローランギャロスとバーシーの会場の違いなどがありますが、GSとマスターズを同じ都市でやること自体too muchだと思います。世界最大の観客を集めるUS オープンの開催地ニューヨークですらマスターズはありません。
しかし由緒のあるトーナメントをなくしてしまうのは非現実的な話です。ではどうすればトップ選手の出場義務を減らすことができるのか?
(1)パリをワールドツアー500に格下げをする
ATPはハンブルグをマスターズから500に格下げにして訴えられました。パリも訴訟にもってくることは間違いなく醜い長い争いが予想されますが、トップ30は出場義務から解放されます。
(2)モンテカルロにみならう
モンテカルロはマスターズの格付けですが、トップ30選手の出場義務がなくなりました。私はこのモンテカルロ案がベストだと思っています。しかし出場義務がなくなるとトップ選手の参加が少なくなることが考えられますので、そこでこのパリに出場したトップ30の選手には特典を与えるのです。ペナルティーを軽減するとか、他にもいろんな特典が考えられると思います。
フランス人からお怒りを受けそうですが、一考の価値ありと思うのですが・・・
このパリのハイライトはなんといっても「誰がロンドン行きの切符を手に入れるのか?」
ロンドン大会の正式名は BARCLAYS ATP WORLD TOUR FINALS。今まではマスターズカップと呼ばれていましたが、今年からATP World Tour Finalsと改称されました。それにしても長い名前です。昨年までは上海でしたが今年からロンドンに移り、4年ごとに開催地が変わります。
出場資格のあるベスト8には、フェデラー、ナダル、ジョコヴィッチ、マリー、デルポトロ、ロディックの6人がすでに決定していますが、残りの二人がまだ未定です。この2シートをめぐって、ダヴィデンコ、べルダスコ、ソダーリング、ゴンザレスなどの選手がどのようなレース展開をみせ、そして最後に誰がゴールインをするのか?
かならずしもベスト8とは限らない
あまり知られてないベスト8の選手出場について。
普通はベスト8の選手が1月からの得点数によって選ばれることになりますが、必ずしもベスト8ではない場合もあります。それはトップ20の選手でその年にグランドスラムで優勝した選手にNo.8のシートが与えられるからです。もしトップ20の中で二人もGSをとった選手がいたとしたら、ランキングの高い選手にこのNo.8のシートが与えられます。
例えば、もしデルポトロのランキングが10位以下だったとしても、彼は20位以内に止まっていれば、ロンドン出場となるわけです。
さて今年のロンドン行きはベスト8となりますが、このランキングは通常私たちが使っているランキングと違います。ここで簡単に説明したいと思います。
二つのランキングを比較してみましょう。
SOUTH AFRICAN AIRWAYS ATP RANKINGS
これは私たちが一般にランキングと言っているもので、過去の一年間の総合ポイント数から決定します。以下は今週のランキングです。
YEAR-TO-DATE SOUTH AFRICAN AIRWAYS ATP RANKINGS
通称レースと呼ばれるランキングで、year-to-dateとは1月から現在という意味で、昨年のポイントは加算されません。例えばランキングに違いがでてきているのはツォンガの場合です。彼の場合はランキングでは2985ポイントで9位ですが、レースでは11位に落ちて2695ポイントとなっています。
ロンドン行きはこのレースのランキングで決定されますので、順番からいえば7位ダヴィデンコ、8位べルダスコ、9位ソダーリング、10位ゴンザレス、11位ツォンガが2シートをめぐって争奪戦が繰り広げられることになります。
ではこの中で誰がロンドン行きの切符を手にいれることができるのか?ちょっと予想してみたいと思います。
ポイント計算をやってみました。W優勝者には1000、F準優勝には600、SFに出場すれば360、QFでは180、R16では90ポイントが与えられます。
ダヴィデンコの場合:3540ポイントからスタート
決勝までの予想対戦相手:ソダーリング(R16)、ジョコヴィッチ(QF)、ナダル(SF)
決勝までのポイント数:W(4540) F(4140) SF(3900) QF(3720) R16(3630)
7位にいるダヴィデンコは、今日ベッカーを破ってR16を決めました。そして90ポイントを獲得して得点は3630ポイント。しかし次のR16のカーロヴィッチかソダーリングに負けてしまえば得点は、この3630でストップです。しかしソダーリング以下の選手が出場権を得るには、最低決勝まで進まなくてはならず、ほぼこれでダヴィデンコのロンドン行きは決まったといってよいと思います。
べルダスコの場合:3210ポイントからスタート
決勝までの予想対戦相手:チリッチ(R16)、フェデラー(QF)、マリー(SF)
決勝までのポイント数:W(4210) F(3810) SF(3570) QF(3390) R16(3300)
セッピを倒してR16べルダスコはこれで3300ポイントとなりました。9位のソダーリングとはすでにスタート時点で380ポイントの差があり、R16進出によってロンドン行きが目前に迫りました。
ソダーリングの場合:2830ポイントからスタート
決勝までの予想対戦相手:カーロヴィッチ(R32)、ダヴィデンコ(R16)、ジョコヴィッチ(QF)、ナダル(SF)
決勝までのポイント数:W(3830) F(3430) SF(3190) QF(3010) R16(2920)
べルダスコがR16の進出で3300となりましたので、ソダーリングは決勝まで進まなければべルダスコの得点を追い越すことができなくなりました。ということはジョコヴィッチ、ナダルを倒さなければならず、体調がまだ完全でない彼にとってはほぼ不可能となってしまいました。
それにしてもバーシーのコート1はお粗末ですね。壁にブルーのプラスチックが掛けられていて臨時のコートのような感じです。世界のインドアのトーナメントの中で最も権威のあると呼ばれているのに、予算がないのでしょうか。
さていつも問題になるのが男子のシーズンの長さです。
女子は10月末にトーナメントを終了して2ヶ月の休みがもらえるのに、男子はこのマスタズの後にまだロンドンが残っており、11月末までは過酷なトーナメントが続きます。9月のUS オープンの後、ぞくぞくと怪我が発生して、10月の上海マスターズでリタイアが続発したのは、長いハードコートのシーズンの結果、酷使された肉体の悲痛の叫びに他なりません。
「男子プロの世界は考えられないわ。一ヶ月しか休みがないので体がガタガタになるのは当然だわ。」とセリーナ・ウィリアムズもシーズンの長過ぎるのを批判していました。ではどうすればよいか?
私は問題解決のカギはパリ(バーシー)のマスターズだと思っています。40年の歴史がある由緒あるトーナメントですが、このパリがなくなると、マスターズカップを2週間早くもってくることができるのです。
パリにはフレンチオープンがあります。しかしグランドスラムを開催する都市でマスターズがあるのはパリだけです。クレーとハードのサーフェスの違い、ローランギャロスとバーシーの会場の違いなどがありますが、GSとマスターズを同じ都市でやること自体too muchだと思います。世界最大の観客を集めるUS オープンの開催地ニューヨークですらマスターズはありません。
しかし由緒のあるトーナメントをなくしてしまうのは非現実的な話です。ではどうすればトップ選手の出場義務を減らすことができるのか?
(1)パリをワールドツアー500に格下げをする
ATPはハンブルグをマスターズから500に格下げにして訴えられました。パリも訴訟にもってくることは間違いなく醜い長い争いが予想されますが、トップ30は出場義務から解放されます。
(2)モンテカルロにみならう
モンテカルロはマスターズの格付けですが、トップ30選手の出場義務がなくなりました。私はこのモンテカルロ案がベストだと思っています。しかし出場義務がなくなるとトップ選手の参加が少なくなることが考えられますので、そこでこのパリに出場したトップ30の選手には特典を与えるのです。ペナルティーを軽減するとか、他にもいろんな特典が考えられると思います。
フランス人からお怒りを受けそうですが、一考の価値ありと思うのですが・・・
2009年11月09日
祝松井選手:ヤンキーズ・パレード生体験
松井選手がワールドシリーズのMVP(Most Valuable Player)に選ばれましたが、日本ではものすごい騒ぎだったそうですね。最終戦ではホームラン、2塁打など打ちまくって、スタジアムの観客席はすでにMatsui MVP! Matsui MVP!のチャンティング。TV観戦でしたが松井選手への熱狂的なエールは手に取るように伝わってきました。
云十年もニューヨークに住みながら、一度もニューヨーク名物の ticker-tape paradeティッカーテープ・パレードを見物したことがありません。ヤンキーズの最後のパレードは9年前。今度いつ観れるかわからないヤンキーズのパレードです。しかも松井選手がMVPをもらったとあっては、この機会を見逃すわけにはいきません。
11月6日金曜日朝9時。パレードは2時間後に始まります。すでに100万人が集まっているとか。
「どうしょうか・・・」
熱狂的なファンは、すでに早朝5時頃には沿道に並んで待っていたのですから、今さら行っても松井選手の顔は観れないに決まっています。実物は何度も見ているからよいとしても、それでもあの滅茶混みの群衆の一人となるかどうか。
(この背番号55のシャツは、松井選手がヤンキーズに入団した直後に、彼からサインをしてもらっていただいたものなんです。)(にこにこ笑)
でも一度は経験してみたいNY名物のパレードです。ヤンキーズファンの松井選手に対する生の声も聞いてみたい。
しかし危険が多すぎます。 H1N1(豚インフルエンザ)にかかったり、テロ行為で爆破されたりするかも・・・どうしょうか・・・寒そうだし・・・何時間も立ちっぱなしでしんどそう・・・
日本選手がパレードに出るのは一生観れないかも。
エイッ!カメラを手づかみに15分後には家を飛び出して地下鉄に。
ちょっと面白いビデオができました。副題はSalute Matsui MVP. 松井選手おめでとう! ヤンキーズファンから本当に愛されているのですね。彼らの生の声を聞いてください。
云十年もニューヨークに住みながら、一度もニューヨーク名物の ticker-tape paradeティッカーテープ・パレードを見物したことがありません。ヤンキーズの最後のパレードは9年前。今度いつ観れるかわからないヤンキーズのパレードです。しかも松井選手がMVPをもらったとあっては、この機会を見逃すわけにはいきません。
11月6日金曜日朝9時。パレードは2時間後に始まります。すでに100万人が集まっているとか。
「どうしょうか・・・」
熱狂的なファンは、すでに早朝5時頃には沿道に並んで待っていたのですから、今さら行っても松井選手の顔は観れないに決まっています。実物は何度も見ているからよいとしても、それでもあの滅茶混みの群衆の一人となるかどうか。
(この背番号55のシャツは、松井選手がヤンキーズに入団した直後に、彼からサインをしてもらっていただいたものなんです。)(にこにこ笑)
でも一度は経験してみたいNY名物のパレードです。ヤンキーズファンの松井選手に対する生の声も聞いてみたい。
しかし危険が多すぎます。 H1N1(豚インフルエンザ)にかかったり、テロ行為で爆破されたりするかも・・・どうしょうか・・・寒そうだし・・・何時間も立ちっぱなしでしんどそう・・・
日本選手がパレードに出るのは一生観れないかも。
エイッ!カメラを手づかみに15分後には家を飛び出して地下鉄に。
ちょっと面白いビデオができました。副題はSalute Matsui MVP. 松井選手おめでとう! ヤンキーズファンから本当に愛されているのですね。彼らの生の声を聞いてください。
2009年11月05日
ハイテック・マラソン
ニューヨーク・マラソンの記事を昨日アップしてビデオを紹介しました。今日はあまり知られていない、ハイテック技術を駆使したマラソンについて書いてみたいと思います。
D-tagで走行地点を知る
「もしランナーの走行地点を知ることができれば」
これは応援する者の悲願でした。11月のニューヨークは寒いのです。ときには雨が降り寒さに震えて帰りたくなるときがあります。お天気がよくても、4万人も中からお目当てのランナーを見つけるのは大変な作業です。ランナーの調子が悪くなり、大幅に遅れる場合があるからです。
ここで誕生したのが radio-frequency-identification system (RFID)と呼ばれる、ラジオ周波を利用したシステムです。数年前から使用され始めたシステムで、コンピューターチップをラニングシューズの紐にとりつけるのです。
コースには5kmごとにタイミングシステムと呼ばれる細いカーペットが敷かれています。(写真のブルーの地にオレンジのラインの入ったカーペット)
そのカーペットを横切ると、紐にとりつけられたチップがシグナルを受け、情報が伝達されます。ランナーにはそれぞれIDナンバーが与えられ、各ランナーの走行データが送られることになります。その情報をメールで受け取ることができるのです。
ランナーは応援してくれる人たちのメールアドレスを前もってマラソン主催者側に知らせておけば、私たちは携帯で彼らが走っている地点を正確に把握できるのです。
今まではレースが終わればこのチップを返さなければなりませんでしたが、今年からD-tagと呼ばれる使い捨てのチップのタグができました。このD-tagはマラソンだけでなく、トライアソロンのような競技にも使われています。このチップはウォータープルーフですので、水泳の場合も問題はないのです。トライアソロンの場合は、足首のまわりに取り付けます。
D-tagのビデオがありますのでご覧ください。
NYマラソンの主催者、ニューヨーク・ロードランナーズは4マイルからハーフマラソンまで、様々なレースを開催していますが、レースにはすべてこのチップをつけて走ります。5kmごとの情報はNYマラソンのみですが、このチップによって正確な走行タイムが分かり、その情報はすべて会員のデータとして記録されることになります。
このチップによって得られたデータから、男女別、年齢別などに分かれたランキングや、その他いろんなスタッツが得られるのです。
Forerunner フォアランナー
今年の6月。夫は大きな時計らしきものを数人の部下からギフトとしてもらってきました。(写真)
これをつけて走ると何がわかるか?
GPSがとりつけられていますので、走行地点が分かります。レースの場合はスタートボタンを押して走れば、コース、ペース、走行距離、タイムがすべて記録されることになります。
このフォアランナーをコンピューターに接続すると以下のスクリーンが出てきます。
過去のファイル
左はこのフォアランナーをつけて走ったレースのファイルです。夫は今年の7月からすでに15のレースに出ていることがわかります。(ちょっと多すぎるんじゃないの!)
コースマップ
GPSでコースが黄色のラインで示されます。シグナルさえ得ることがあれば、世界どこでも走ることができます。
グラフ
縦軸がペース(分/マイル)、横軸が走行距離(マイル)です。
このグラフをみていると、最初の1.7マイル(2.7km)くらいまではグラフの波が大きく、これは止まったり走ったりしている状態がわかります。出発地点では混雑が激しくてなかなか身動きがとれないのだそうです。
では15マイル(24km)ではふたたび大きな波となっているのは?
この地点で夫は激しい腹痛が起こったのだそうです。ここからしばらく歩いたり、ちょっと走ったりの状態が続きます。
私が彼を待っていた地点はハーレムで35km地点です。これは約22マイル地点となり、グラフをみれば平常に近いペースで走っています。しかし最終ゴール近くでまたペースがかなりダウンしたことがわかります。
今までのファイルから彼の走行パターンが分かります。
どの走行地点でペースが落ちるのか?その対策を立てれば記録を更新することができるはずなのですが。
これだけがんばってもあまり記録があがらない夫ですが、それでも彼は走りつづけます。
「歳には勝てない」これは私のテニスも同じ厳しい現実。でもいいのです。結果ではなくてプロセスなのですから。(辛いなあ)
D-tagで走行地点を知る
「もしランナーの走行地点を知ることができれば」
これは応援する者の悲願でした。11月のニューヨークは寒いのです。ときには雨が降り寒さに震えて帰りたくなるときがあります。お天気がよくても、4万人も中からお目当てのランナーを見つけるのは大変な作業です。ランナーの調子が悪くなり、大幅に遅れる場合があるからです。
ここで誕生したのが radio-frequency-identification system (RFID)と呼ばれる、ラジオ周波を利用したシステムです。数年前から使用され始めたシステムで、コンピューターチップをラニングシューズの紐にとりつけるのです。
コースには5kmごとにタイミングシステムと呼ばれる細いカーペットが敷かれています。(写真のブルーの地にオレンジのラインの入ったカーペット)
そのカーペットを横切ると、紐にとりつけられたチップがシグナルを受け、情報が伝達されます。ランナーにはそれぞれIDナンバーが与えられ、各ランナーの走行データが送られることになります。その情報をメールで受け取ることができるのです。
ランナーは応援してくれる人たちのメールアドレスを前もってマラソン主催者側に知らせておけば、私たちは携帯で彼らが走っている地点を正確に把握できるのです。
今まではレースが終わればこのチップを返さなければなりませんでしたが、今年からD-tagと呼ばれる使い捨てのチップのタグができました。このD-tagはマラソンだけでなく、トライアソロンのような競技にも使われています。このチップはウォータープルーフですので、水泳の場合も問題はないのです。トライアソロンの場合は、足首のまわりに取り付けます。
D-tagのビデオがありますのでご覧ください。
NYマラソンの主催者、ニューヨーク・ロードランナーズは4マイルからハーフマラソンまで、様々なレースを開催していますが、レースにはすべてこのチップをつけて走ります。5kmごとの情報はNYマラソンのみですが、このチップによって正確な走行タイムが分かり、その情報はすべて会員のデータとして記録されることになります。
このチップによって得られたデータから、男女別、年齢別などに分かれたランキングや、その他いろんなスタッツが得られるのです。
Forerunner フォアランナー
今年の6月。夫は大きな時計らしきものを数人の部下からギフトとしてもらってきました。(写真)
これをつけて走ると何がわかるか?
GPSがとりつけられていますので、走行地点が分かります。レースの場合はスタートボタンを押して走れば、コース、ペース、走行距離、タイムがすべて記録されることになります。
このフォアランナーをコンピューターに接続すると以下のスクリーンが出てきます。
過去のファイル
左はこのフォアランナーをつけて走ったレースのファイルです。夫は今年の7月からすでに15のレースに出ていることがわかります。(ちょっと多すぎるんじゃないの!)
コースマップ
GPSでコースが黄色のラインで示されます。シグナルさえ得ることがあれば、世界どこでも走ることができます。
グラフ
縦軸がペース(分/マイル)、横軸が走行距離(マイル)です。
このグラフをみていると、最初の1.7マイル(2.7km)くらいまではグラフの波が大きく、これは止まったり走ったりしている状態がわかります。出発地点では混雑が激しくてなかなか身動きがとれないのだそうです。
では15マイル(24km)ではふたたび大きな波となっているのは?
この地点で夫は激しい腹痛が起こったのだそうです。ここからしばらく歩いたり、ちょっと走ったりの状態が続きます。
私が彼を待っていた地点はハーレムで35km地点です。これは約22マイル地点となり、グラフをみれば平常に近いペースで走っています。しかし最終ゴール近くでまたペースがかなりダウンしたことがわかります。
今までのファイルから彼の走行パターンが分かります。
どの走行地点でペースが落ちるのか?その対策を立てれば記録を更新することができるはずなのですが。
これだけがんばってもあまり記録があがらない夫ですが、それでも彼は走りつづけます。
「歳には勝てない」これは私のテニスも同じ厳しい現実。でもいいのです。結果ではなくてプロセスなのですから。(辛いなあ)
2009年11月03日
最高!ハーレムで観たNYマラソン
ニューヨーク名物、NYマラソンは今年は最大の4万3千人以上の参加者をむかえました。NYのすべての5区を走るこのマラソンに、200万人が街頭で応援します。世界最大のスケールを誇る祭典に、夫はランナーとして私は見物者として参加しました。
夫は今年で4年目のマラソン出場です。一年間、この日のために準備してきたのですから、応援する私も力が入ります。しかし毎年家の近くのセントラルパークで応援していたのですが、もう何十年も見学しているNYマラソンですので、私にとっては少しマンネリ化してきています。今年は気分を変えて違う場所で応援することにしました。
走る方も大変ですが、見学する方も何時間も突っ立っていなければなりません。しかも私の場合は写真やビデオ撮りがあり、かなりきついものがあります。さて今年はどこにトライしてみようか? 42.195kmの距離を走るのですから、コース沿いにはいろんな面白い応援の仕方があるようです。
ブルックリンでは50歳を超したハードロッカーのバンドがエレキで爆コンサート。高校生のマーチングバンドは『ロッキー』を演奏してランナーにエールをおくります。アパートのバルコニーではマラソンパーティーひらいて大騒ぎです。
11月1日。いよいよマラソンの当日です。出発地点はスタテン島のヴェラザノブリッジ。マンハッタンから行くには朝5時出発の特別バスに乗るか、7時のフェリーに乗っていかなければなりません。私の役目はまず夫をフェリーまで送ること。
どこで応援するのかまだ夫に告げていない私は、運転しながら宣言したのです。「今日はハーレムで応援するからね!」
どこで応援するか? 4万人以上の見物人のなかから私を探し出すのですから、応援場所の詳しいインフォーメーションが必要です。今までは5番街からセントラルパークに入る入り口で応援していましたので、彼も比較的簡単に私を見つけることができました。
ハーレムでは生バンドが出るとか。楽しそうです。よし、今年はハーレムだあ!
「とにかくスイスの旗を振ってるからね。進行方向に向かって右側にいるので、ハーレムに入ったら注意して見てて!」
さっそく自宅に戻った私はスイスの旗づくりです。旗は持っていますが竿がない! 家中いろいろ探していると、モモちゃん猫の遊び道具が見つかりました。竿の先に紐がつけてある羽を切れば、手頃な旗竿になります。
遊んでもらえると勘違いしてモモちゃんが飛んで来ました。いつもは夫よりモモちゃんを優先してきましたが、今日は心を鬼にしなければなりません。 「ごめんね、モモちゃん。あとでもっといいのを買ったげるからね。」
モモを犠牲にしたかいがあって、立派なスイスの旗ができあがりました!
左手でスイスの旗を振りながら右手でビデオや写真撮り。我ながら器用です。しかし夫を探さなくてはならないのでほとんどカメラをみていない。しかも踊りながら撮ってますので、なかなか味のある作品(?)となりました。
まずはハーレムのマラソンをフルスクリーンでお楽しみください。
明日はハイテックマラソンについて書いてみようと思います。
夫は今年で4年目のマラソン出場です。一年間、この日のために準備してきたのですから、応援する私も力が入ります。しかし毎年家の近くのセントラルパークで応援していたのですが、もう何十年も見学しているNYマラソンですので、私にとっては少しマンネリ化してきています。今年は気分を変えて違う場所で応援することにしました。
走る方も大変ですが、見学する方も何時間も突っ立っていなければなりません。しかも私の場合は写真やビデオ撮りがあり、かなりきついものがあります。さて今年はどこにトライしてみようか? 42.195kmの距離を走るのですから、コース沿いにはいろんな面白い応援の仕方があるようです。
ブルックリンでは50歳を超したハードロッカーのバンドがエレキで爆コンサート。高校生のマーチングバンドは『ロッキー』を演奏してランナーにエールをおくります。アパートのバルコニーではマラソンパーティーひらいて大騒ぎです。
11月1日。いよいよマラソンの当日です。出発地点はスタテン島のヴェラザノブリッジ。マンハッタンから行くには朝5時出発の特別バスに乗るか、7時のフェリーに乗っていかなければなりません。私の役目はまず夫をフェリーまで送ること。
どこで応援するのかまだ夫に告げていない私は、運転しながら宣言したのです。「今日はハーレムで応援するからね!」
どこで応援するか? 4万人以上の見物人のなかから私を探し出すのですから、応援場所の詳しいインフォーメーションが必要です。今までは5番街からセントラルパークに入る入り口で応援していましたので、彼も比較的簡単に私を見つけることができました。
ハーレムでは生バンドが出るとか。楽しそうです。よし、今年はハーレムだあ!
「とにかくスイスの旗を振ってるからね。進行方向に向かって右側にいるので、ハーレムに入ったら注意して見てて!」
さっそく自宅に戻った私はスイスの旗づくりです。旗は持っていますが竿がない! 家中いろいろ探していると、モモちゃん猫の遊び道具が見つかりました。竿の先に紐がつけてある羽を切れば、手頃な旗竿になります。
遊んでもらえると勘違いしてモモちゃんが飛んで来ました。いつもは夫よりモモちゃんを優先してきましたが、今日は心を鬼にしなければなりません。 「ごめんね、モモちゃん。あとでもっといいのを買ったげるからね。」
モモを犠牲にしたかいがあって、立派なスイスの旗ができあがりました!
左手でスイスの旗を振りながら右手でビデオや写真撮り。我ながら器用です。しかし夫を探さなくてはならないのでほとんどカメラをみていない。しかも踊りながら撮ってますので、なかなか味のある作品(?)となりました。
まずはハーレムのマラソンをフルスクリーンでお楽しみください。
明日はハイテックマラソンについて書いてみようと思います。
2009年11月01日
アガシの告白の真意を探る(2)
昨日アガシの自伝『OPEN』の一部が紹介されましたので読んでみました。ときにはユーモラスに、ときにはおどろくほどあからさまに過去のさまざまなエピソードが、淡々と語られた『オープン』は、スポーツ選手の自伝としては、最もよく書かれた自伝の一つだと前評判を呼んでいます。
私はこの4日間で随分いろんなことを考えさせられました。最初にアガシのドラッグ使用のニュースを知ったときは、ドラッグ使用よりもATPに嘘の手紙を書いて罪を免れたことに怒りを覚えました。
ドラッグはオバマ大統領も大学時代にコケインを使用したことを認めていますし、アメリカでは若者の過ちとして大目にみる傾向があります。むしろクリントン元大統領が、マリワナについては、「ふかしただけで吸い込まなかった」などと苦しい言い訳をしたため、すっかり信用をなくしてしまったことからも、正直に告白すれば許される社会でもあります。
しかし正直に告白したからそれでいいかというと、アガシの場合は釈然としないものが残ります。
1997年当時のアガシはいくらランキングが落ちたとはいえ、世紀の美女ブルック・シールドを妻にもつスーパスターです。彼の使用したのは、日本では「しゃぶ」として知られる恐ろしい覚醒剤。このスキャンダルが発覚すれば、アガシの選手生命に決定的な打撃を受けることは明らかで、それはATPにとっても大きな損失となります。無名の選手であれば処分を受け、選手生命を落としていたかもしれないドーピング事件は、アガシであったからもみ消された可能性が大きいのです。
「ではなぜこのようなショッキングな事実を今告白しなければならないのか?」
第2の人生の始まりに先駆けて
彼がPRビデオで自伝を書いた動機を述べています。2006年に引退をして、第2の人生を踏み出した彼にとっては、テニス選手ではない自分を発見していかなければなりません。Who am I? 自分は一体誰なのか?
自己発見のために自伝を書く。これは有効な手段です。「今までの自分は一体何だったのか?」の質問に答えることによって、これから自分はどのように生きて行けばよいのか?の答えに近づくことができるからです。
生涯の親友と決裂
Perry Rogersと今回の告白との関連性についてどのメディアも触れておりませんが、私はアガシが自伝でこの衝撃的な告白をした原因の一つは、彼にあるのではないかという気がするのです。
ここからは私の独断的な推測に入ります。
ペリー・ロジャーはアガシのラスベガスの小学校時代からの無二の親友で、アガシの人生にとってはなくてはならない重要な人物です。ビジネス面では、アガシ・エンタープライズの社長として、アガシの財産管理からビジネスまでアガシの片腕となり手腕をふるい、アガシの全面的な信頼を受けていた人物です。
またアガシとロジャーズはよく夢について語り合った仲でしたので、アガシの小さい頃からの夢であった、恵まれない子供たちへのチャリティー活動についても、もっとも理解していた一人でした。
しかしアガシのマネージャー、エージェント、弁護士となってアガシのために15年間も尽くしたロジャーズが、2008年10月に解雇されたのです。その理由については、アガシはビジネス拡張に必要なmoveだったと言っていますが、ロジャーズの投資が失敗したという噂もあります。
何が原因だったにせよ、ロジャーズにとってはこの解雇は、アガシの無二の親友だっただけに、裏切られたという口惜しい想いがあったと思います。
そして突然、無二の親友であったロジャーズが、解雇から2ヶ月目の12月に、アガシの妻シュテフィ・グラフを訴えたのです。アガシと結婚したグラフは彼女のビジネスもロジャーズが運営するようになっていたのですが、その運営費の未払いをロジャーズが訴えたのでした。
これはショッキングな事件でした。アガシにとってもまさか彼が訴えるなんて、と信じられない事件だったに違いありません。
「なぜグラフが払わなかったのか?」については本題からはずれますので省略しますが、グラフ自身に過去苦い経験があり(父親が税金問題で刑に服す)、ロジャーズのビジネスのやり方に不満がありました。そしてついにロジャーズとの関係が破綻をきたすことになったのです。
ここで私が注目するのは5万ドル(約500万円)という、アガシ夫妻にとっては些細な金額で訴えられたことです。これくらいの額なら話し合いでいくらでも解決がつく額です。私にはこの訴訟はお金のためだけでないような気がします。訴訟を起こせば世界に報道されることになります。あれほどイメージを大切にしているアガシにとっては、このような小額で訴えられるのは、最も恥ずかしいことです。
すべてオープンに告白することの意味
アガシが自伝を書こうと思い立ったのは、今から丁度一年前ということですから、ロジャーズとの仲が決裂した頃と一致します。ロジャーズはアガシとほぼ24時間を常にともにすごしてきた間柄です。アガシのドラッグの件を知らないはずがありません。それどころかアガシの私生活を知り尽くしているロジャーズがアガシの自伝を書くことは大いにあり得ることです。
父のために嫌いなテニスをやり続けたこと・・・
ファンを失望させないためにカツラをつけたこと・・・
誤りだと分かっていても取り消すことができなかったブルックとの結婚・・・
父親から無理矢理に押し付けられたテニスを憎み続けながら、選手生活をおくってきたアガシにとって、選手時代は偽りと矛盾に満ちた人生でした。
これから歩み始める第2の人生は、真の自分を発見する旅であり、その旅に偽りや嘘があってはならない。そのためにはどんな辛い作業であっても、勇気をもって真実を語らなくてはならない・・・アガシは決心したのです。自伝を書いてすべて正直に語ろう。
もしアガシが1998年に3ヶ月の出場停止処分を受けていたら? 現在のアガシはありえたでしょうか?(現在ですと2年の出場停止処分を受けますが、当時は3ヶ月の軽い処分でした。)
私はアガシにとっては長い目でみれば、処分を受けていたほうが彼のためによかったのではないかと思うのです。ドラッグ事件はショックですが、この事件で真剣にカムバックをはかったと思います。そのカムバックはテニス選手としてだけでなく、人間として真実に生きることへのカムバックだったと思います。
恵まれない600名の子供たちを大学へ進学させる。彼の発足した学校から第一期生が今年の6月に卒業しました。全員大学進学です。祝辞を読み上げるアガシ校長は新たに心に誓ったのでした。
「子供たちのためにも自分は正直であらねばならない。」
自伝『OPEN』はアガシの決意の第一歩だったのです。
私はこの4日間で随分いろんなことを考えさせられました。最初にアガシのドラッグ使用のニュースを知ったときは、ドラッグ使用よりもATPに嘘の手紙を書いて罪を免れたことに怒りを覚えました。
ドラッグはオバマ大統領も大学時代にコケインを使用したことを認めていますし、アメリカでは若者の過ちとして大目にみる傾向があります。むしろクリントン元大統領が、マリワナについては、「ふかしただけで吸い込まなかった」などと苦しい言い訳をしたため、すっかり信用をなくしてしまったことからも、正直に告白すれば許される社会でもあります。
しかし正直に告白したからそれでいいかというと、アガシの場合は釈然としないものが残ります。
1997年当時のアガシはいくらランキングが落ちたとはいえ、世紀の美女ブルック・シールドを妻にもつスーパスターです。彼の使用したのは、日本では「しゃぶ」として知られる恐ろしい覚醒剤。このスキャンダルが発覚すれば、アガシの選手生命に決定的な打撃を受けることは明らかで、それはATPにとっても大きな損失となります。無名の選手であれば処分を受け、選手生命を落としていたかもしれないドーピング事件は、アガシであったからもみ消された可能性が大きいのです。
「ではなぜこのようなショッキングな事実を今告白しなければならないのか?」
第2の人生の始まりに先駆けて
彼がPRビデオで自伝を書いた動機を述べています。2006年に引退をして、第2の人生を踏み出した彼にとっては、テニス選手ではない自分を発見していかなければなりません。Who am I? 自分は一体誰なのか?
自己発見のために自伝を書く。これは有効な手段です。「今までの自分は一体何だったのか?」の質問に答えることによって、これから自分はどのように生きて行けばよいのか?の答えに近づくことができるからです。
生涯の親友と決裂
Perry Rogersと今回の告白との関連性についてどのメディアも触れておりませんが、私はアガシが自伝でこの衝撃的な告白をした原因の一つは、彼にあるのではないかという気がするのです。
ここからは私の独断的な推測に入ります。
ペリー・ロジャーはアガシのラスベガスの小学校時代からの無二の親友で、アガシの人生にとってはなくてはならない重要な人物です。ビジネス面では、アガシ・エンタープライズの社長として、アガシの財産管理からビジネスまでアガシの片腕となり手腕をふるい、アガシの全面的な信頼を受けていた人物です。
またアガシとロジャーズはよく夢について語り合った仲でしたので、アガシの小さい頃からの夢であった、恵まれない子供たちへのチャリティー活動についても、もっとも理解していた一人でした。
しかしアガシのマネージャー、エージェント、弁護士となってアガシのために15年間も尽くしたロジャーズが、2008年10月に解雇されたのです。その理由については、アガシはビジネス拡張に必要なmoveだったと言っていますが、ロジャーズの投資が失敗したという噂もあります。
何が原因だったにせよ、ロジャーズにとってはこの解雇は、アガシの無二の親友だっただけに、裏切られたという口惜しい想いがあったと思います。
そして突然、無二の親友であったロジャーズが、解雇から2ヶ月目の12月に、アガシの妻シュテフィ・グラフを訴えたのです。アガシと結婚したグラフは彼女のビジネスもロジャーズが運営するようになっていたのですが、その運営費の未払いをロジャーズが訴えたのでした。
これはショッキングな事件でした。アガシにとってもまさか彼が訴えるなんて、と信じられない事件だったに違いありません。
「なぜグラフが払わなかったのか?」については本題からはずれますので省略しますが、グラフ自身に過去苦い経験があり(父親が税金問題で刑に服す)、ロジャーズのビジネスのやり方に不満がありました。そしてついにロジャーズとの関係が破綻をきたすことになったのです。
ここで私が注目するのは5万ドル(約500万円)という、アガシ夫妻にとっては些細な金額で訴えられたことです。これくらいの額なら話し合いでいくらでも解決がつく額です。私にはこの訴訟はお金のためだけでないような気がします。訴訟を起こせば世界に報道されることになります。あれほどイメージを大切にしているアガシにとっては、このような小額で訴えられるのは、最も恥ずかしいことです。
すべてオープンに告白することの意味
アガシが自伝を書こうと思い立ったのは、今から丁度一年前ということですから、ロジャーズとの仲が決裂した頃と一致します。ロジャーズはアガシとほぼ24時間を常にともにすごしてきた間柄です。アガシのドラッグの件を知らないはずがありません。それどころかアガシの私生活を知り尽くしているロジャーズがアガシの自伝を書くことは大いにあり得ることです。
父のために嫌いなテニスをやり続けたこと・・・
ファンを失望させないためにカツラをつけたこと・・・
誤りだと分かっていても取り消すことができなかったブルックとの結婚・・・
父親から無理矢理に押し付けられたテニスを憎み続けながら、選手生活をおくってきたアガシにとって、選手時代は偽りと矛盾に満ちた人生でした。
これから歩み始める第2の人生は、真の自分を発見する旅であり、その旅に偽りや嘘があってはならない。そのためにはどんな辛い作業であっても、勇気をもって真実を語らなくてはならない・・・アガシは決心したのです。自伝を書いてすべて正直に語ろう。
もしアガシが1998年に3ヶ月の出場停止処分を受けていたら? 現在のアガシはありえたでしょうか?(現在ですと2年の出場停止処分を受けますが、当時は3ヶ月の軽い処分でした。)
私はアガシにとっては長い目でみれば、処分を受けていたほうが彼のためによかったのではないかと思うのです。ドラッグ事件はショックですが、この事件で真剣にカムバックをはかったと思います。そのカムバックはテニス選手としてだけでなく、人間として真実に生きることへのカムバックだったと思います。
恵まれない600名の子供たちを大学へ進学させる。彼の発足した学校から第一期生が今年の6月に卒業しました。全員大学進学です。祝辞を読み上げるアガシ校長は新たに心に誓ったのでした。
「子供たちのためにも自分は正直であらねばならない。」
自伝『OPEN』はアガシの決意の第一歩だったのです。