2009年11月16日
ジョコヴィッチがパリ優勝
お久しぶりです。最近はトーナメントが多く、観戦に追われる贅沢な生活でした。時差と闘いながらテニス観戦で完全に睡眠不足。そして雑用に追われてなかなかブログが書けないでおりました。
ついに今年最後のマスターズが終わってしまいましたね。ロンドンのファイナルズに出場しないほとんどの選手は、これで来年までお休みです。ちょっと寂しいですね。
さてパリマスターズはモンフィスが予想をうわまわって大活躍。テニスの技術やメンタルのレベルから言えば、ジョコヴィッチがモンフィスを上回っていますが、油断がならないのはモンフィスの乗りやすい気質です。会場の応援をバックに、第3セットはタイブレークという、最後のマスターズにふさわしいスリルのある試合を見せてくれました。
最近はTwitterで実況解説もどきのことをやっています。できるだけ臨場感がでるように努力したつもりですが、何しろ1回のつぶやきが140文字に制限されていますので、なかなかむずかしいものがあります。
今日はジョコヴィッチ(ジョコ)とモンフィス(ガエル)のTwitterに少し手を加えて決勝を再現してみました。なおナダルvsジョコヴィッチ、モンフィスvsステパネックのSFもTwitterで解説していますので、よかったらご覧ください。
http://twitter.com/tennisnakama
パリマスターズ決勝
Djokovic def Monfils: 2-6、7-5、7-6(3)
モンフィスとジョコヴィッチが登場しました。ディスコ風にコートのサイドラインが照明でピカピカ点滅し相変わらずパリは激しく派手です。今日の決勝はモンフィスの出場で会場の熱気がムンムンと伝わってきます。果たしてジョコヴィッチがどれだけ冷静にプレイできるでしょうか?
ジョコとガエル(モンフィス)の表情から、ジョコの方がリラックスしているような感じです。ガエルは大変なプレッシャーを負って固い表情です。
モンフィスは2004年ジュニアで世界一位でした。4つのグランドスラムのうち全米を除いてすべてのタイトルをとった天才児だったのです。彼は将来トップ3になるのは間違いないと期待されていただけに現在の16位は不本意なはず。今日の試合がガエルのターニングポイントになるかもしれません。
ガエルのジョコとの過去の対戦成績は0勝3敗。ハードでもクレーでも負けています。ガエルの強さは会場の応援を自分のエネルギーに還元し、信じられない力を発揮できること。運動神経がプロNo.1と言われているだけに、ゾーンに入れば何が起こるかわからない選手です。
ナダルとの試合でベストなテニスをみせたジョコヴィッチが、果たしてこのハイレベルなテニスをキープできるかどうか?パリの観客が全員(?)モンフィス応援というハンディの中でどれだけ自分のテニスができるか? いよいよ試合が開始です。
第1セット
第1ゲーム(0-0)ジョコのサーヴ:
かなりスローなペースでウィナー狙いもなく、ウォーミングアップでジョコが40-0でサーヴィスゲームを取りました。しばらくは様子を見るといった感じです。
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ちょっと固いガエルにフォアのエラー。ジョコもウィナーを狙ってフォアのエラー。(ここではエラーはアンフォースト・エラーのこと)二人とも緊張気味ですが、ガエルがゲームをホールド(日本ではキープと言っていますが英語ではhold his service game)
第3ゲーム(1-1)ジョコのサーヴ:
ジョコのサーヴがよくガエルのリターンが浮きます。ジョコをブレークするには2ndリターンを狙うこと。しかしエラーは禁物。ガエルはまだまだ固くフォアで決められずにアウトしてしまいます。
第4ゲーム(1-2)ガエルのサーヴ:
ガエルのアプローチショットが甘い。しかしジョコも甘いパッシングショット。まだまだ二人が緊張しています。ガエルのエラーが続きすでにブレークポイント。30-40 ガエルのバックハンドがネットしてブレークされました。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
このブレークで落ち着きを取り戻したジョコは40-0の安定したゲーム展開。ワイドのサーヴでガエルをふり、オープンコートにウィナーを。このパターンで問題なくサーヴィスゲームをホールドしました。
第6ゲーム(1-4)ガエルのサーヴ:
ブレークされたとはいえ、ガエルのサーヴは威力があり、ジョコがなかなかブレークできません。ジョコはこのリターンゲームでリスキーなショットを試みますが成功せず。しかしすでにブレークしていますので、ジョコには余裕があります。
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ガエルはホークアイでチャレンジをしましたが、ジョコのショットはサイドライン上に落ちてイン。ジョコは2度ネットダッシュしてアグレッシヴにガエルを攻めます。最後はガエルの浮いたリターンをフォアのインサイドアウトできめました
第8ゲーム(2-5)ガエルのサーヴ:
ジョコは新しいラケットに。ガエルはフォアでウィナーを狙いますがロング。しかしガエルはエースとサーヴィスウィナーで40-30に挽回。しかしデュースを繰り返し苦戦しています。ガエルはブレークポイントでダブルフォルトしてブレークされました。
ジョコはウィナーを狙ってきわどいショットをしても、ガエルがエラーをしてくれるので余裕があります。ガエルが第2セットを得るには? まずエラーを少なくしなければ。
第2セット
ジョコはサーヴをガエルの53%をデュースコートに。47%をアドコートに。この配分は効果があるようです。ガエルはなかなかジョコのサーヴが予測できないでいます。
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ヴォレーの簡単なミスで1540のブレークポイントを迎えてしまったガエルでしたが、落ち着いてミスをなくし40-40へ挽回。しかし思い切ってラケットを振り切れずフォアがロング。ジョコはスーパクロスで早くもガエルをブレークしました。
第3ゲーム(0-2)ジョコのサーヴ:
すでにブレークされたガエルはモメンタムがジョコにシフトしてしまったのを止められない。ジョコのサーヴがよいのでガエルのリターンが浮いてしまっています。まるでジョコのウィナーの練習台。ガエルのリターンを何とか向上させない限り勝てない。
第4ゲーム(0-3)ガエルのサーヴ:
余りにもジョコの一方的なゲームで、ふっ切れたのかガエルは苦笑い。これで固さがとれサーヴィスウィナーとエースの連発させて40-0とリード。しかしジョコはフォアのウィナーとロブで40-40に挽回しましたが、辛うじてガエルはゲームをホールドしました。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
ガエルは俊足でジョコのドロップショットに追いつき逆にポイントを。ジョコはフォアのエラーでブレークポイントです。しかしネットダッシュしたジョコがヴォレーミスでブレークされました!こんなミスをするなんて!
会場は湧きに湧いています。全員が総立ち!ジョコのめずらしいイージーミス。かなり彼も緊張しています。これからがガエルの舞台となるか?ガーエル!とエールがスタジアムにこだまします。 エースとサーヴィスウィナー(日本ではノータッチエース)で、ガエルはゲームを取りました。
第7ゲーム(3-3)ジョコのサーヴ:
ジョコはめずらしくコミットしないバックハンドでアウトです。中途半端なスウィング。しかし見事なドロップショットが入りました。しかしジョコのエラーが増えてきています。それにガエルはジョコのショットパターンを読んでいます。
ジョコのショットのパターンが単純すぎます。左右に交互に振っているのでガエルは予期してそのポイジションに。これに気がついジョコはただちに修正。パターンを変えてきました。何度かデュースを繰り返してやっとジョコがゲームをホールド。ジョコはまた新しいラケットに。
第8ゲーム(3-4)ガエルのサーヴ:
エース。これでガエルは6本目のエースです。ジョコはまだ1本。長いラリーが続きます。ガエルのストロークがクリーンで安定してきました。ガエルのロブとドロップショットが成功。ジョコはイライラして3度もエラーを重ねます。
第9ゲーム(4-4)ジョコのサーヴ:
ジョコはOut of control フォアのバカ打ち。怒りがショットに出ています。ダブルフォルトでブレークポイントを迎えるジョコ。会場は大騒ぎ。フランスの旗が大きくひるがえりドラムが鳴り響きます。しかし・・・
第10ゲーム(4-5)ガエルのサーヴ:
おしくもブレークチャンスを逃がしたガエルでしたが落ち着いています。ジョコはバックハンドのイージーミスでますます焦りが出てきているようです。
第11ゲーム(5-5)ジョコのサーヴ:
ネットダッシュするジョコの足元にガエルがパッシングショットして、ジョコはヴォレーをネットにかけてしまいました。賢い落ち着いたガエルのショットの選択です。会場はまるでデ杯の雰囲気。ジョコのエラーでガエルのブレークチャンスです!
ガエルは観客に拍手しろと両手を広げて催促。ワーワー盛り上がるスタジアム。ガエルは観客の応援に応えてジョコにプレッシャーを与える鋭いショットを繰り返します。ジョコは雰囲気に飲まれてしまっています。ジョコはカウンターできずにネットに。ガエルがブレークしました!
第12ゲーム(6-5)ガエルのサーヴ:
ガエルがベンチから立ち上がると嵐のような拍手が会場に沸き上がります。まるでボクシングマッチです。初めてでました!ガエルのジャンピング・フォアのインサイドアウトのウィナー!かっこいいですね。次はゆるいペース無しのショットでジョコのリズムを狂わせます。
第2セットはジョコのミスによってガエルが勝利。ジョコはあがいても這い上がれない。モメンタムが完全にガエルにシフトしました。しかしジョコがこのまま引き下がるとは考えられません。一方会場の応援をバックに、ジョコにプレッシャーを与え続けるアグレッシヴなテニスをガエルができるか?
第3セット
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ガエルは第2セットをとって気持ちに隙ができたのか、フォーカス度がゆるみエラーが増えてきています。0-40でブレークポイントです。
二人はエラーを恐れ安全圏を狙った43本のラリー。相手のエラー待ちのテニスをしています。ガエルの甘いバックハンドのスマッシュをジョコが叩きました。最初のサーヴィスゲームをガエルはブレークされてしまいました。
第3ゲーム(0-2)ジョコのサーヴ:
ブレークされてしまったガエルはもう一つ集中力に欠けてしまってネットしてしまいます。ジョコもダブルフォルト。ディフェンス・テニスを続けながらガエルは40-30でブレークチャンスを迎えました。ジョコの考えられないファオのエラーで、ガエルはジョコをブレーク。
第4ゲーム(1-2)ガエルのサーヴ:
ガエルはせっかくブレークバックしながら、2度のガエルのダブルフォルトでまたブレーされてしまいました。お互いにブレークし合うゲームが続きます。このまま集中できないでいるとガエルが危ない。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
メンタルに問題があるので定評なガエルがまたもやエラー。焦っているので簡単なヴォレーも返せません。40-0でジョコはイージーにゲームをとりました。ガエルにインテンシティーがありません。会場のファンに呼びかけなくなっています。
第6ゲーム(1-4)ガエルのサーヴ:
エース。しかし2度のダブルフォルト。またエース。ガエルはエースとダブルフォルトを繰り返ります。どうもサーヴが不安定。集中できない?
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ガエルのカウンターショットはほとんどルーピーボール(ループボールに近い高い曲線を描いたスピンボール)。ジョコはこのペースのないルーピーボールが苦手でエラーが続きます。ブレークポイントです。ジョコがダブルフォルトしてブレークされました!本当に不思議なゲームです。これでスコアはイーヴンに。
第8ゲーム(3-4)ガエルのサーヴ:
二人のメンタルの試合となりました。ガエルの第3セットの1stサーヴは何と33%の確率。この低さでゲームを取れているのは、ジョコのエラーの助け。ジョコのドロップショットが失敗で400。ガエルはまた両手を広げで会場に拍手を求めます。
第9ゲーム(4-4)ジョコのサーヴ:
二人ともまったくネットダッシュをせずベースラインからのラリーを続けています。ジョコは攻撃ショットも控え、ミスを避ける安全圏ショット。
第10ゲーム(4-5)ガエルのサーヴ:
ガエルのドロップショットにジョコがアングルにサイドラインぎりぎりにハーフヴォレー。しかし追いついたガエルはダウンザラインにウィナー。ガエルのすばらしいテニスに会場が沸騰気味。今度はガエルのフォアのインサイドアウトがコーナーをついて全くジョコが取れない。
第11ゲーム(5-5)ジョコのサーヴ:
ガエルは3度もネットにかけて失点。コミットできてないスウィング。急に守りに入ったガエルにエラーが続きます。もっとアグレッシヴに攻めなければジョコをブレークできない。
第12ゲーム(5-6)ガエルのサーヴ:
ジョコが何度もウィナーを狙ってフォアのクロスを繰り返しますが、ガエルのカウンターがすばらしくエラーをしません。焦るジョコは逆にエラーとアンフォーストエラーを連発。ガエルはパーフェクトなディフェンステニスでタイブレークです!
タイブレーク(0-0)ジョコのサーヴから:
ガエルが転倒!ジョコのアングルヴォレーが取れない!
タイブレーク(0-1)ガエルがエース。
タイブレーク(1-1) ガエルがサーヴィスウィナー
タイブレーク(2-1)ジョコはインサイドアウトのフォアでウィナー
タイブレーク(2-2)ジョコはネットダッシュしてアングルヴォレー。ガエルは取れず。
タイブレーク(2-3)ガエルのフォアがわずかにベースラインを出る。ジョコはこれで2点リード
タイブレーク(2-4)ガエルはサーヴィスウィナー。点差は1ポイント差に。
タイブレーク(3-4)ガエルがフォアのエラー。
タイブレーク(3-5)ジョコがあくまでもアグレッシヴに攻めポイントを。
タイブレーク(3-6)マッチポイントでガエルは緊張のためダブルフォルトをしてしまいました!
ガエルのダブルフォルトでジョコに勝利が決定しました!優勝が決まった瞬間、ジョコは何度も大声を張り上げ、胸を誇らしげに拳で叩きながら喜びを表現しています。最後まで粘り貫いたジョコの勝利です。
ジョコは勝てる試合を何度もチョーキング(緊張で体がこわばる)してエラーが続発。しかし見事にこの窮地を脱出したジョコが勝利を獲得。それだけに彼の喜びは尋常ではありません。「最強の敵はジョコ自身」 その敵に勝つ事ができたのですから。
モンフィスの言葉:
「優勝できませんでしたが、皆さんの応援で決勝までくることができました。皆さんのプッシュがなければここまで来る事ができませんでした!そしてお母さんありがとう!僕の家族、チームのみんな、僕をサポートしてくれてありがとう!」
ジョコの言葉:
モンフィスはすばらしいテニスをしました。おめでとう!(つたないフランス語で家族とチーム、そして会場のファンに感謝をしました。)フランス人はジョコのフランス語に大喜びです。(偉い!ジョコ)
ついに今年最後のマスターズが終わってしまいましたね。ロンドンのファイナルズに出場しないほとんどの選手は、これで来年までお休みです。ちょっと寂しいですね。
さてパリマスターズはモンフィスが予想をうわまわって大活躍。テニスの技術やメンタルのレベルから言えば、ジョコヴィッチがモンフィスを上回っていますが、油断がならないのはモンフィスの乗りやすい気質です。会場の応援をバックに、第3セットはタイブレークという、最後のマスターズにふさわしいスリルのある試合を見せてくれました。
最近はTwitterで実況解説もどきのことをやっています。できるだけ臨場感がでるように努力したつもりですが、何しろ1回のつぶやきが140文字に制限されていますので、なかなかむずかしいものがあります。
今日はジョコヴィッチ(ジョコ)とモンフィス(ガエル)のTwitterに少し手を加えて決勝を再現してみました。なおナダルvsジョコヴィッチ、モンフィスvsステパネックのSFもTwitterで解説していますので、よかったらご覧ください。
http://twitter.com/tennisnakama
パリマスターズ決勝
Djokovic def Monfils: 2-6、7-5、7-6(3)
モンフィスとジョコヴィッチが登場しました。ディスコ風にコートのサイドラインが照明でピカピカ点滅し相変わらずパリは激しく派手です。今日の決勝はモンフィスの出場で会場の熱気がムンムンと伝わってきます。果たしてジョコヴィッチがどれだけ冷静にプレイできるでしょうか?
ジョコとガエル(モンフィス)の表情から、ジョコの方がリラックスしているような感じです。ガエルは大変なプレッシャーを負って固い表情です。
モンフィスは2004年ジュニアで世界一位でした。4つのグランドスラムのうち全米を除いてすべてのタイトルをとった天才児だったのです。彼は将来トップ3になるのは間違いないと期待されていただけに現在の16位は不本意なはず。今日の試合がガエルのターニングポイントになるかもしれません。
ガエルのジョコとの過去の対戦成績は0勝3敗。ハードでもクレーでも負けています。ガエルの強さは会場の応援を自分のエネルギーに還元し、信じられない力を発揮できること。運動神経がプロNo.1と言われているだけに、ゾーンに入れば何が起こるかわからない選手です。
ナダルとの試合でベストなテニスをみせたジョコヴィッチが、果たしてこのハイレベルなテニスをキープできるかどうか?パリの観客が全員(?)モンフィス応援というハンディの中でどれだけ自分のテニスができるか? いよいよ試合が開始です。
第1セット
第1ゲーム(0-0)ジョコのサーヴ:
かなりスローなペースでウィナー狙いもなく、ウォーミングアップでジョコが40-0でサーヴィスゲームを取りました。しばらくは様子を見るといった感じです。
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ちょっと固いガエルにフォアのエラー。ジョコもウィナーを狙ってフォアのエラー。(ここではエラーはアンフォースト・エラーのこと)二人とも緊張気味ですが、ガエルがゲームをホールド(日本ではキープと言っていますが英語ではhold his service game)
第3ゲーム(1-1)ジョコのサーヴ:
ジョコのサーヴがよくガエルのリターンが浮きます。ジョコをブレークするには2ndリターンを狙うこと。しかしエラーは禁物。ガエルはまだまだ固くフォアで決められずにアウトしてしまいます。
第4ゲーム(1-2)ガエルのサーヴ:
ガエルのアプローチショットが甘い。しかしジョコも甘いパッシングショット。まだまだ二人が緊張しています。ガエルのエラーが続きすでにブレークポイント。30-40 ガエルのバックハンドがネットしてブレークされました。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
このブレークで落ち着きを取り戻したジョコは40-0の安定したゲーム展開。ワイドのサーヴでガエルをふり、オープンコートにウィナーを。このパターンで問題なくサーヴィスゲームをホールドしました。
第6ゲーム(1-4)ガエルのサーヴ:
ブレークされたとはいえ、ガエルのサーヴは威力があり、ジョコがなかなかブレークできません。ジョコはこのリターンゲームでリスキーなショットを試みますが成功せず。しかしすでにブレークしていますので、ジョコには余裕があります。
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ガエルはホークアイでチャレンジをしましたが、ジョコのショットはサイドライン上に落ちてイン。ジョコは2度ネットダッシュしてアグレッシヴにガエルを攻めます。最後はガエルの浮いたリターンをフォアのインサイドアウトできめました
第8ゲーム(2-5)ガエルのサーヴ:
ジョコは新しいラケットに。ガエルはフォアでウィナーを狙いますがロング。しかしガエルはエースとサーヴィスウィナーで40-30に挽回。しかしデュースを繰り返し苦戦しています。ガエルはブレークポイントでダブルフォルトしてブレークされました。
ジョコはウィナーを狙ってきわどいショットをしても、ガエルがエラーをしてくれるので余裕があります。ガエルが第2セットを得るには? まずエラーを少なくしなければ。
第2セット
ジョコはサーヴをガエルの53%をデュースコートに。47%をアドコートに。この配分は効果があるようです。ガエルはなかなかジョコのサーヴが予測できないでいます。
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ヴォレーの簡単なミスで1540のブレークポイントを迎えてしまったガエルでしたが、落ち着いてミスをなくし40-40へ挽回。しかし思い切ってラケットを振り切れずフォアがロング。ジョコはスーパクロスで早くもガエルをブレークしました。
第3ゲーム(0-2)ジョコのサーヴ:
すでにブレークされたガエルはモメンタムがジョコにシフトしてしまったのを止められない。ジョコのサーヴがよいのでガエルのリターンが浮いてしまっています。まるでジョコのウィナーの練習台。ガエルのリターンを何とか向上させない限り勝てない。
第4ゲーム(0-3)ガエルのサーヴ:
余りにもジョコの一方的なゲームで、ふっ切れたのかガエルは苦笑い。これで固さがとれサーヴィスウィナーとエースの連発させて40-0とリード。しかしジョコはフォアのウィナーとロブで40-40に挽回しましたが、辛うじてガエルはゲームをホールドしました。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
ガエルは俊足でジョコのドロップショットに追いつき逆にポイントを。ジョコはフォアのエラーでブレークポイントです。しかしネットダッシュしたジョコがヴォレーミスでブレークされました!こんなミスをするなんて!
会場は湧きに湧いています。全員が総立ち!ジョコのめずらしいイージーミス。かなり彼も緊張しています。これからがガエルの舞台となるか?ガーエル!とエールがスタジアムにこだまします。 エースとサーヴィスウィナー(日本ではノータッチエース)で、ガエルはゲームを取りました。
第7ゲーム(3-3)ジョコのサーヴ:
ジョコはめずらしくコミットしないバックハンドでアウトです。中途半端なスウィング。しかし見事なドロップショットが入りました。しかしジョコのエラーが増えてきています。それにガエルはジョコのショットパターンを読んでいます。
ジョコのショットのパターンが単純すぎます。左右に交互に振っているのでガエルは予期してそのポイジションに。これに気がついジョコはただちに修正。パターンを変えてきました。何度かデュースを繰り返してやっとジョコがゲームをホールド。ジョコはまた新しいラケットに。
第8ゲーム(3-4)ガエルのサーヴ:
エース。これでガエルは6本目のエースです。ジョコはまだ1本。長いラリーが続きます。ガエルのストロークがクリーンで安定してきました。ガエルのロブとドロップショットが成功。ジョコはイライラして3度もエラーを重ねます。
第9ゲーム(4-4)ジョコのサーヴ:
ジョコはOut of control フォアのバカ打ち。怒りがショットに出ています。ダブルフォルトでブレークポイントを迎えるジョコ。会場は大騒ぎ。フランスの旗が大きくひるがえりドラムが鳴り響きます。しかし・・・
第10ゲーム(4-5)ガエルのサーヴ:
おしくもブレークチャンスを逃がしたガエルでしたが落ち着いています。ジョコはバックハンドのイージーミスでますます焦りが出てきているようです。
第11ゲーム(5-5)ジョコのサーヴ:
ネットダッシュするジョコの足元にガエルがパッシングショットして、ジョコはヴォレーをネットにかけてしまいました。賢い落ち着いたガエルのショットの選択です。会場はまるでデ杯の雰囲気。ジョコのエラーでガエルのブレークチャンスです!
ガエルは観客に拍手しろと両手を広げて催促。ワーワー盛り上がるスタジアム。ガエルは観客の応援に応えてジョコにプレッシャーを与える鋭いショットを繰り返します。ジョコは雰囲気に飲まれてしまっています。ジョコはカウンターできずにネットに。ガエルがブレークしました!
第12ゲーム(6-5)ガエルのサーヴ:
ガエルがベンチから立ち上がると嵐のような拍手が会場に沸き上がります。まるでボクシングマッチです。初めてでました!ガエルのジャンピング・フォアのインサイドアウトのウィナー!かっこいいですね。次はゆるいペース無しのショットでジョコのリズムを狂わせます。
第2セットはジョコのミスによってガエルが勝利。ジョコはあがいても這い上がれない。モメンタムが完全にガエルにシフトしました。しかしジョコがこのまま引き下がるとは考えられません。一方会場の応援をバックに、ジョコにプレッシャーを与え続けるアグレッシヴなテニスをガエルができるか?
第3セット
第2ゲーム(0-1)ガエルのサーヴ:
ガエルは第2セットをとって気持ちに隙ができたのか、フォーカス度がゆるみエラーが増えてきています。0-40でブレークポイントです。
二人はエラーを恐れ安全圏を狙った43本のラリー。相手のエラー待ちのテニスをしています。ガエルの甘いバックハンドのスマッシュをジョコが叩きました。最初のサーヴィスゲームをガエルはブレークされてしまいました。
第3ゲーム(0-2)ジョコのサーヴ:
ブレークされてしまったガエルはもう一つ集中力に欠けてしまってネットしてしまいます。ジョコもダブルフォルト。ディフェンス・テニスを続けながらガエルは40-30でブレークチャンスを迎えました。ジョコの考えられないファオのエラーで、ガエルはジョコをブレーク。
第4ゲーム(1-2)ガエルのサーヴ:
ガエルはせっかくブレークバックしながら、2度のガエルのダブルフォルトでまたブレーされてしまいました。お互いにブレークし合うゲームが続きます。このまま集中できないでいるとガエルが危ない。
第5ゲーム(1-3)ジョコのサーヴ:
メンタルに問題があるので定評なガエルがまたもやエラー。焦っているので簡単なヴォレーも返せません。40-0でジョコはイージーにゲームをとりました。ガエルにインテンシティーがありません。会場のファンに呼びかけなくなっています。
第6ゲーム(1-4)ガエルのサーヴ:
エース。しかし2度のダブルフォルト。またエース。ガエルはエースとダブルフォルトを繰り返ります。どうもサーヴが不安定。集中できない?
第7ゲーム(2-4)ジョコのサーヴ:
ガエルのカウンターショットはほとんどルーピーボール(ループボールに近い高い曲線を描いたスピンボール)。ジョコはこのペースのないルーピーボールが苦手でエラーが続きます。ブレークポイントです。ジョコがダブルフォルトしてブレークされました!本当に不思議なゲームです。これでスコアはイーヴンに。
第8ゲーム(3-4)ガエルのサーヴ:
二人のメンタルの試合となりました。ガエルの第3セットの1stサーヴは何と33%の確率。この低さでゲームを取れているのは、ジョコのエラーの助け。ジョコのドロップショットが失敗で400。ガエルはまた両手を広げで会場に拍手を求めます。
第9ゲーム(4-4)ジョコのサーヴ:
二人ともまったくネットダッシュをせずベースラインからのラリーを続けています。ジョコは攻撃ショットも控え、ミスを避ける安全圏ショット。
第10ゲーム(4-5)ガエルのサーヴ:
ガエルのドロップショットにジョコがアングルにサイドラインぎりぎりにハーフヴォレー。しかし追いついたガエルはダウンザラインにウィナー。ガエルのすばらしいテニスに会場が沸騰気味。今度はガエルのフォアのインサイドアウトがコーナーをついて全くジョコが取れない。
第11ゲーム(5-5)ジョコのサーヴ:
ガエルは3度もネットにかけて失点。コミットできてないスウィング。急に守りに入ったガエルにエラーが続きます。もっとアグレッシヴに攻めなければジョコをブレークできない。
第12ゲーム(5-6)ガエルのサーヴ:
ジョコが何度もウィナーを狙ってフォアのクロスを繰り返しますが、ガエルのカウンターがすばらしくエラーをしません。焦るジョコは逆にエラーとアンフォーストエラーを連発。ガエルはパーフェクトなディフェンステニスでタイブレークです!
タイブレーク(0-0)ジョコのサーヴから:
ガエルが転倒!ジョコのアングルヴォレーが取れない!
タイブレーク(0-1)ガエルがエース。
タイブレーク(1-1) ガエルがサーヴィスウィナー
タイブレーク(2-1)ジョコはインサイドアウトのフォアでウィナー
タイブレーク(2-2)ジョコはネットダッシュしてアングルヴォレー。ガエルは取れず。
タイブレーク(2-3)ガエルのフォアがわずかにベースラインを出る。ジョコはこれで2点リード
タイブレーク(2-4)ガエルはサーヴィスウィナー。点差は1ポイント差に。
タイブレーク(3-4)ガエルがフォアのエラー。
タイブレーク(3-5)ジョコがあくまでもアグレッシヴに攻めポイントを。
タイブレーク(3-6)マッチポイントでガエルは緊張のためダブルフォルトをしてしまいました!
ガエルのダブルフォルトでジョコに勝利が決定しました!優勝が決まった瞬間、ジョコは何度も大声を張り上げ、胸を誇らしげに拳で叩きながら喜びを表現しています。最後まで粘り貫いたジョコの勝利です。
ジョコは勝てる試合を何度もチョーキング(緊張で体がこわばる)してエラーが続発。しかし見事にこの窮地を脱出したジョコが勝利を獲得。それだけに彼の喜びは尋常ではありません。「最強の敵はジョコ自身」 その敵に勝つ事ができたのですから。
モンフィスの言葉:
「優勝できませんでしたが、皆さんの応援で決勝までくることができました。皆さんのプッシュがなければここまで来る事ができませんでした!そしてお母さんありがとう!僕の家族、チームのみんな、僕をサポートしてくれてありがとう!」
ジョコの言葉:
モンフィスはすばらしいテニスをしました。おめでとう!(つたないフランス語で家族とチーム、そして会場のファンに感謝をしました。)フランス人はジョコのフランス語に大喜びです。(偉い!ジョコ)
投稿者 Tennisnakama 10:32 | コメント(0)| トラックバック(0)
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