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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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さようなら!

いよいよ2010年も終わりです。そして今日でこのブログも更新が最後となります!

何となく思いつくまま書き始めたブログでしたが、早くも2年の月日が経ちました。多くのテニスファンの方たちと交流するすることができ楽しい2年間でした。心からお礼を申し上げます。

さて中断していたtennisnakama.comですが、やっと立ち上げることができました。これからはこのサイトで「めずらしいビデオ特集」「投票」「カウントダウン」など、いろいろトライしていきたいと思っています。またコメントを自由に残していただくこともできるようになりました。

それではtennisnakama.comで皆様にお目にかかれることを楽しみにしています。

2010年が皆様にとってすばらしい年となりますよう

A Happy New Year!




(追記)
テニス365さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。ブログは閉鎖せず継続させていただきますのでよろしくお願いいたします。













投稿者 Tennisnakama  21:24 | コメント(0)| トラックバック(0)

伝説のパトリック・ラフターに聞く!(3)

読者の皆さんから質問をあおり、元No.1のパトリック・ラフター Patrick Rafterのインタービューが、オーストラリアの tennisassist.com の Michael Maidens氏(写真左)のご好意で実現しました。インタービューを担当したのは元プロのPeter Tramacchi氏(写真右)です。このインタービューは連載していきます。(12月24日、26日掲載)

サーヴ&ヴォレーの練習の仕方とアプローチショット

Q:幾人かの日本のテニスファンからの質問です。サーヴ&ヴォレーの選手になるために、ジュニアのときにどのようなトレーニングが必要でしょうか?

ラフター:実際にサーヴ&ヴォレーをやってみること。特にフットワークのドリルが大切。そしてビデオを見ること。ステファン・エドバーグがどのようなステップを行っているのか、またいかに瞬時のパワーでスプリットステップを行っているのか、何度もサーヴ&ヴォレーの選手のビデオを見て学ぶことが有効だ。

Q:ラフター選手のビデオも有効ですよね。

ラフター:たぶんね。僕はできるだけジュニアのモデルになれたらと願っているから。でもエドバーグのフットワークはベストなのでぜひ彼のビデオをみて真似てほしい。

(続く)tennisnakama.comにリンク

投稿者 Tennisnakama  01:07 | コメント(0)| トラックバック(0)

伝説のパトリック・ラフターに聞く!(2)

12月24日の記事で紹介したインタービューの連載です。このラフターのインタービューは、オーストラリアの tennisassist.com の Michael Maidens氏(写真左)のご好意で実現しました。インタービューを担当したのは元プロのPeter Tramacchi氏(写真右)です。

rafterinterviewsmall



今日はtakeyamaさんの質問に答えてもらいました。

インタービュー(2)

Q: takeyamaからの質問です。コーチのアドヴァイスで最も記憶に残るのは何ですか?

ラフター:テニスのキャリアのなかで多くのコーチについたので昔のことはよく覚えていないけれど、 Bob Carmichaelの言葉をよく覚えている。

(続く)


新しくtennisnakama.comを立ち上げましので、今年一杯でテニス365は閉鎖します。(アーカイヴが読めるようにブログ自体はキープしておきます)今までできなかった多くの楽しいことを取り入れていきたいと思っていますので、来年も引っ越し先でよろしくお願いします。


投稿者 Tennisnakama  01:46 | コメント(0)| トラックバック(0)

チーズフォンデュをビデオで

寒いですね。いよいよ本格的な冬の到来です。そこでちょっとスイスのアルプスに行った気分でチーズフォンデュをつくってみませんか? 上級になるといろいろ加えていきますが、今日はチーズフォンデュの基本をビデオでお届けします。

鍋は日本の土鍋でもかまいません。以下の材料をそろえて5分で出来上がり。簡単でおいしくて最高の冬料理です。以下は3人4人用のレシピです。

キスの罰則
パンにフォークを刺してチーズにからめますが、そのときにパンをチーズの中に落としてしまうと、隣の人にキスをするという罰則があります。魅力的な人の隣にすわった場合、パンを落としたりすると下心がみえみえですのでご用心のほどを。

(続く)

投稿者 Tennisnakama  08:02 | コメント(0)| トラックバック(0)

伝説のパトリック・ラフターに聞く!(1)

元No.1のパトリック・ラフター Patrick Rafter に質問に答えてもらいました!

このインタービューは tennisassist.com の協力で行われたものです。Michael Maidensと私はネットの仲間で、前回のジョン・ニューカムや元フェデラーのコーチのトニー・ローチにも質問に答えてもらったことがあります。

今回のインタービュー相手はシニアツアーに復帰して、年末のロンドンのAegon Mastersで宿敵ステファン・エドヴァーグと決勝で戦って優勝してしまった、往年のスーパースター選手、パトリック・ラフターです。このラフターとエドバーグは今やすたれてしまったサーヴ&ヴォレーの代表的選手。現役中は0勝3敗でどうしても勝てなかったエドバーグをやっとシニアで打倒することができ、ラフターの来年の活躍が期待されます。(嬉しいことにこのツアーのシリーズはテニスチャンネルで観ることができるのです)

rafterinterview



写真:Michael Maidens(左) Pat Rafter(中央)Peter Tramacchi(右)



(続く)

投稿者 Tennisnakama  00:16 | コメント(0)| トラックバック(0)

最新フェデラー・ファミリーフォト

フェデラーのfacebookに今日ファミリーフォトが掲載されました。ホリデイ・グリーティングとしてファンにHappy Holidays!となかなかしゃれています。写真をとったのはすっかり腕をあげたロジャーのパパです。

それにしてもお人形のようにかわいい赤ちゃんたち!どちらの赤ちゃんがMylaでCharleneなのかわかりませんが、本当に幸せを絵に描いたようなファミリーですね。 ミルカも素敵です。

タイガーの偶像が崩れてしまったので、子供たちにはヒーローが本当にいなくなってしまいました。最後のヒーローのロジャーにはぜひテニスとファミリーライフの両面でがんばってほしいと思います。

(それにしても7700近いコメントはすごい!ロジャーの人気の高さを物語っています。)

写真はこちら

投稿者 Tennisnakama  11:27 | コメント(0)| トラックバック(0)

セントラルパークの雪景色

A Happy Snow Day

昨日12月20日は、大騒ぎをした割には積雪30cmくらいの降雪ですんでホッとしました。セントラルパークの雪景色はいつみても美しいもの。さっそく小型カメラをもってフラッと散歩に出かけてみました。Snow Dayをそれぞれ楽しむ家族や恋人たち。不景気に悩むニューヨーカーもこの一日は A Happy Day。ではセントラルパークに行った気分を味わってください。

Happy Holidays!





投稿者 Tennisnakama  23:42 | コメント(0)| トラックバック(0)

エナンがWCでシドニー大会出場

(更新:追記を加えました)

ジュスティン・エナン Justine Henin (27才)がいよいよ正式にカムバックします。精力的な活動が開始されました。

12月20日発表
公式サイトが誕生:http://www.justine-henin.be/
なかなか素敵なサイトです。英語、フランス語、オランダ語の三ヶ国語のマルチ言語のサイトは国際スターにふさわしく彼女の力の入れようが伺われます。

12月21日発表
1月10日から開催されるシドニー大会 Medibank International Sydney のワイルドカード(WC)がエナンに与えられました。

125年の古い歴史を誇るシドニー大会は、2010年は女子部門ではランキングトップ10のうち9選手が出場するという史上ベストメンバーがそろいました。主な選手はセリーナ・ウィリアムズ、サフィーナ、クズネツォヴァ、ヴォズニアッキ、ディメンティエヴァなど。

(続く)

【お知らせ】
tennisnakama.comのメニューにあるTOURNAMENTSのページに、1月の大会の詳しい情報を掲載しています。特にすべてのエントリー選手のリストを掲載しましたので参考にしてください。

投稿者 Tennisnakama  23:54 | コメント(0)| トラックバック(0)

ドローの仕組み

引っ越しします!
tennisnakama.comを再スタートしました。このサイトではなかなか手に入らないテニスの情報を満載することに重点をおき、まったく新しいサイトとして運営していくつもりです。

今年一杯まではtennis365のブログに投稿させていただきますが、1月からはtennisnakama.comに完全移行することになります。今までの2年間、楽しい思い出をありがとうございました!


(本題)
いよいよ1月3日からオーストラリアのブリスベイン、4日からインドのチェンナイとカタールでトーナメントが始まります。その前に大会のいろんな仕組みをおさらいしてみたいと思います。(明日は1月に開催されるトーナメントのエントリー選手を発表したいと思います。)

以前に書いた記事をもとに分かりやすく説明してみました。なお、これからhttp://tennisnakama.comのサイトで、なかなか得られない情報を中心に掲載していきたいと思います。
ドローの仕組みを知る

2008年8月モントリオール・マスターズを例にとって説明したいと思います。

マスターズのポイント
優勝: 1000
準優勝: 600
準決勝進出: 360
準々決勝進出: 180
第3戦進出: 90
第2戦進出: 45
第1戦敗退: 10 (WCは0ポイント)

エントリーの締め切り:大会開催日の6週間前
モントリオールのエントリーの締め切りは8月10日の開催日の6週間前ですから6月29日となります。この日のランキングで大会のエントリーが決定されます。人数枠は64名。しかしBYEが8枠ありますので、実際の出場選手は56名となります。
BYEとはトップシードの選手に、第1戦をスキップする特典を与えるために設けられた枠で、モントリオールはシード8までの選手に与えられています。

トップシード8
1 フェデラー
2 ナダル
3 マレー
4 ジョコヴィッチ
5 ロディック
6 デルポトロ
7 ツォンガ
8 ダヴィデンコ

しかしこのシーディングはエントリーランキングの順ではありません。エントリー時点でのランキング順は以下の通りです。

1 ナダル
2 フェデラー
3 マレー
4 ジョコヴィッチ
5 デルポトロ
6 ロディック
7 シモン
8 べルダスコ

では参加者56名の内訳を説明したいと思います。

ディレクト・アクセプタンス DA (Direct Acceptance)
6月29日付けのランキングからトップ45名はディレクト・アクセプタンス DAと呼ばれ、ダイレクトにエントリーされます。ナンバーは当時のランキングで、シードNo.ではありません。

1 ナダル
(エントリーの6月29日の段階ではまだランキングは1位でしたが、7月6日以降2位に落ちていますので、ドローではシード2となっています。怪我のために欠場する選手はOUT。)
2 フェデラー
3 マレー
4 ジョコヴィッチ
5 デルポトロ
6 ロディック
7 シモン
8 べルダスコ
9 ツォンガ
10 ゴンザレス
11 ダヴィデンコ
OUT ソダリング
13 チリッチ
14 モンフィス
15 ロブレド
OUT ナルバンディアン
OUT ブレイク
18 ヴァヴリンカ
OUT ガスケ
20 バーディッチ
21 フェレール
22 ツルスノフ
23 ステパネック
24 サフィン
OUT フィッシュ
26 アンドレエフ
27 Fロペス
28 ハネスク
29 シュトラー
30 メルツァー
31 トロイッキ
32 コールシュライバー
OUT モンタネス
34 ハース
35 キーファー
36 カーロヴィッチ
OUT  サントロ
38 マチュー
39 クニツィン
OUT アンチッチ
41 シャルディ
42 ガルシアロペス
OUT アカスーソ
44 ユズニー
45 イズナー (SE)

スペシャル・エグゼンプト SE (Special Exempt)
97位のイズナーはワシントンで準決勝に進んだため、予選に間に合わずSE (Special Exempt) として本戦入りを果たしました。SEを得る資格はトーナメントのサイズによってちがってきますが、マスターズの場合は一つの枠が設けられる場合があります。

今回のイズナーはワシントンの大会(500以上の大会でなければマスターズのSEは認められない)の準決勝のために、モントリオールの予選に間に合 わなかったためにSEの資格があたえられました。このSEの選考プロセスは複雑ですので、またの機会にでも説明したいと思います。

クウォリー Q (Qualie)
予選で勝ち残った選手をクウォリファイアーQualifierと呼びます。これを略してくウォリーと一般には呼ばれていますが、以下の7名がエントリーしました。

フェレーロ、ベネトー、ルヴィン、ロアニッチ、ハーニッチ、ファヤ、ボゴモロフ

あのフェレーロが予選からの出場です!
彼の現在のランキング29位からですと、本戦エントリーは全く問題ないのですが、6月29日のエントリー締め切り時点では70位でエントリー外のランキングです。

しかし次の7月10日のランキングでは33位もジャンプして37位です。これは彼がウィンブルドンでQFまで進出しましたので、一度に360ポイントを得ることができたためです。
フェレーロの今年のランキングの推移は異常ともいえるアップダウンで、5月には115位に落ち込み今は29位。こういう選手もめずらしいですね。

ワイルドカード WC
ダンセヴィッチ、ポランスキー、ニーメヤー、アゴスティネリの4名がWCを与えられました。

ラッキールーザー LL
ラッキールーザーとは、エントリーしている選手が棄権した場合、予選で敗れた選手の中で最もシードが高い選手がラッキールーザーとしてエントリーが許されます。ソダリングが棄権したためにゴルベフに与えられました。

オータネイツ Alternates
DAを果たしている選手の中で怪我などで出場できない選手がでてきます。これらの欠場選手の替わりにエントリーできる選手をオータネイトとよびます。今回はナルバンディアン、ブレイク、ガスケ、フィッシュ、モンタネス、サントロ、アンチッチ、アカスーソの8名がドローが発表される前に欠場(OUT)を決めた選手です。

ソダーリングはドローが発表されてから棄権していますので、この場合はLL(ラッキールーザー)でオータネイトではありません。

オータネイトの8人は、6月29日のランキング順にとっていきます。しかしこの場合は選手に出場の義務はありませんので、以下の8人(IN)がエントリーを決めました。

IN ツヴェレフ 45
IN セラ 46
IN クェリー 47
OUT アルマグロ 48
OUT ベッカー 49
OUT セッピ 50
OUT ティプサレヴィッチ 51
OUT ニーミネン 52
OUT クレモン 53
IN セラ 54
IN ペツヒナー 55
IN ヒューイット 56
OUT バサヨ 57
OUT ベック 58
OUT ジケル 59
OUT ローカス 60
OUT モヤ 61
OUT Mゴンザレス 62
OUT ボレリ 63
IN マエール 64
IN ルー 65
投稿者 Tennisnakama  03:10 | コメント(0)| トラックバック(0)

タイガーvsピューマの戦い

Warning: Tiger vs Puma
この記事はタイガーvsピューマ(プーマ)の戦いは動物の話ではありません。

11月28日午前2時25分。サンクスギヴィングの夜でした。この時間は家族団らんでターキーをたっぷり食べたあと熟睡している時間帯です。タイガーがフロリダの自宅で自動車をぶつけて以来、といいますか妻エリンがゴルフクラブでタイガーの車の窓を叩き割って以来、ちょうど3週間が経ちました。

もう毎日にようにタイガーのゴシップでゲップがでるほどですが、それにしてもあれだけの多くの女性と関わりをもちながら(もし彼女らの話が本当であれば)、どうして今までスキャンダルが浮上してこなかったのでしょうね。あるAV女優がオンラインで「タイガーのバッチャーラー・パーティーで彼とセックスしたけれど、すごくよかった。」なんて堂々といっていたにもかかわらず、誰も本気にはしなかったのでしょうね。

さてこの3週間のタイガー事件で最も得をした人たちは?

(今、中断してしまったtennisnakama.comを立ち上げようとしています。これからしばらく実験的にtennisnakama.comにリンクするやり方でやっていきたいと思っています。ご不便でしょうが(続き)をクリックしてください。)

(続き)

投稿者 Tennisnakama  01:46 | コメント(0)| トラックバック(0)

フェデラーもちょっとびっくり

記録男のフェデラーがスイスで最優秀アスリートに選ばれなかったショッキングな事件について、生放送を見ていた夫にその状況を聞いてみました。

スイスから昨日帰ってきた夫は、12月12日土曜の夜のスイス生番組での人気投票をみていたのだそうです。これはフェデラーのスポンサー、クレジット・スイス(銀行)がスポンサーで、スイス全国の視聴者が参加して電話によって投票する番組。

男女の最優秀アスリートからハンディキャップの分野までいろんなカテゴリーに分かれてそれぞれ投票できるようになっていて、刻々と結果が掲示されていき、最後には最優秀賞が決まる仕組みになっているとか。

フェデラーは今年は、全仏とウィンブルドン優勝、全豪と全米は準優勝。しかもキャリア・グランドスラムを達成した上、サンプラスを追い抜いて15のGSタイトル。タイトルを独り占めしてしまったフェデラーを抜いて選ばれたのは、スキーヤーのディディエ・キュシェDidier Cuche。

投票結果は投票数ではなくて、パーセンテイジ%で決定。キュシェは31.45% フェデラーは30.67% とその差はたったの0.78%というきわどいレース展開が繰り広げられました。

圧倒的な支持をえてフェデラーが当選すると信じていたキュシェは、驚きを隠せない表情で衛星放送では、「フェデラーが選ばれて当然なのに彼に申し訳ない。」とちょっと気恥ずかしいコメントを述べたとか。

ドバイでこの番組を見ていたフェデラーも、衛星放送で「僕もちょっと意外だった。選ばれると思っていたんだけれど」みたいな感想を述べていたとか。(はっきりした内容はわかりませんがコメントのニュアンスから)

この投票結果についてスイスのいろんな記事に目を通しましたが、コメント数は約500くらいにのぼり投稿が続いています。メディアも圧倒的な差でフェデラーが優位と予想していただけに、この結果はまだまだ波紋をなげかけているようです。

20 Minuten Onlineでは「スイスの深い森の中で国民は樹がよく見えないようだ。」となかなか面白いコメントを載せていました。
http://www.20min.ch/sport/weitere/story/29511594






投稿者 Tennisnakama  22:45 | コメント(0)| トラックバック(0)

フェデラーのスイスでの人気

今日はスイスの話題を少し。今スイスは、最優秀アスリート賞の結果にちょっとした衝撃を受けています。

今年は何といってもフェデラーの年でしたので、当然フェデラーが受賞すると信じられていたのですが・・・全仏とウィンブルドン優勝、全豪と全米は準優勝。しかもキャリア・グランドスラムを達成した上、サンプラスを追い抜いて15のGSタイトル。記録につづく記録を樹立したフェデラーでしたから、彼がスイスで毎年行われる投票、「2009年のベストアスリート」に選出されなかったことは大きなショックでした。

Sportler des Jahresは、スイスでその年に最も活躍したアスリートに与えられる最高権威の賞ですが、これは一般の人の投票によって決められるいわば人気投票なようなもので、今年は35才のスキーヤーのディディエ・キュシェDidier Cucheに決まったのです。彼は今年のスーパG(ジャイアント・スラロム)のワールドカップの優勝者ですが、フェデラーの業績に比べればかなり差があるのは明らか。誰もがフェデラーが圧倒的な投票数で選ばれると思っていましたので、そのショックは隠しきれないようです。

どうしてスイス人はフェデラーを選ばなかったのか? 

フェデラーはスイスの国民にそれほど人気がないのか?」と早合点してしまいそうですが、ここでオンラインに掲載されたコメントをいくつか紹介して、スイス人の気持ちに迫ってみたいと思います。

フェデラーの故郷、バーゼルの新聞Basler Zeitungに載せられた代表的なコメントを拾ってみました。
http://bazonline.ch/sport/weitere/Roger-Federer-ist-der-wahre-Sportler-des-Jahres/story/29430414

フェデラーはスイスの大きな誇りなのに、この結果はまことに残念だ。」
(本当に遺憾である。)

フェデラーは今まで4度も受賞しているのだから(2003年、2004年、2006年、2007年)もう沢山じゃないの。キュシェはあの歳でよくがんばったから、まあよく頑張ったで賞みたいなものよ。」
フェデラーはもらいすぎ。)

「クッヒェには個人的なうらみはないが、フェデラーの業績の足もとにも及ばないのに考えられない結果だ。この賞は全くいい加減で嫌になるよ。」
(あの投票はいい加減であるから、結果がいい加減になっても仕方がない。)

フェデラーはスイスの大使みたいなもんだけれど、スイスにほとんどいないしね。それにテニスはスイスの国民競技じゃないし。」
(スキーはスイスの国民競技。)

フェデラーは肝心のデ杯には欠場するし、スイスよりドバイにいる時間の方が長いしね。彼は個人の記録の方が大切で、スイスは彼にとっては二の次なんだ。 Federer, world's best athletes, yes, Switzerland-no フェデラーは世界一のアスリートだ。でもスイスではそうじゃないのさ。」
(スイスを忘れて国際スターになりすぎた。)

これらのコメントのどれもが真実のような気がします。スイスの小さな国を超えて世界のフェデラーになってしまったフェデラー。あまりにもスーパスターになってしまった彼に、なかなか振り返ってもらえないスイス人のちょっとした抵抗とでもいいましょうか。

スイスはテニスの国ではないことは確かです。私はスイスの隅々まで旅をしていますが、ほとんど公共のテニスコートは見た事がありません。テニスはまだまだ一般のスポーツにはほど遠い存在のような気がします。

ヒンギスの人気はスイスでは最悪でした。パティー・シュニーダーもほとんど無視されたようなもので、「スイスなんて未練もないわ」なんてアンチ・スイスを剥き出しにしています。小国にしてはこれほど多くのトップ選手を生んでいる割には、テニスがまだまだポピュラーなスポーツとして浸透しないのは不思議です。スキー、ハイキング、サッカーに国民のアイデンティティーを見いだしても、なかなかテニスには馴染めない、スイスのお国柄とでもいいましょうか。



投稿者 Tennisnakama  11:28 | コメント(0)| トラックバック(0)

サフィンが語るサフィンの素顔

サフィンのインタービューはいつも本音が出ていて面白く、彼が勝っても負けても記者会見には多くの記者が集まります。それだけサフィンに魅力があったからですが、日本にはほとんど紹介されることがなかったサフィンの12年間にわたるコメントを選んで紹介したいと思います。

サフィンが語るサフィン。( )は私の説明です。

ロシア
「いつも自分たちがどこからやってきて(ロシア)、選手になる前はどれだけの金を持っていたか(貧乏)、を忘れることはできないよ。あのみじめな生活は絶対忘れることはできない。」

「誰もロシア人を理解することはできないだろうね。メンタリティ、人生、物事への反応の仕方。僕はフロイドじゃないからうまく分析できないけど。」

「引退したら僕の故郷のモスクワに帰ってそこに住み着くつもりだ。(今までは税金の関係でモナコに住んでました。)ロシアの女性は世界で最も美しいのは本当だよ。」

「僕は学校ではバカでも天才でもなかったよ。普通の生徒だった。ときにはカンニングもやったしね。でもこれは皆やることだろう。」

アイドル
「スターというのは空にある星のことをさす。」(僕はスターではない)

「サンプラスの半分でよいから彼のようになりたい。」

「僕はアガシやクルニコヴァのように有名になりたくない。有名になると期待されるからね。誰からもプレッシャーを受けたくないんだ。」

「僕は普通の生活をしたいんだ。人気があるかどうか僕には興味がない。TVの番組に出たり、新聞の見出しに大きく載ったりしたくない。自分の好きなように生きたいんだ。僕の仕事はテニスをプレーすること。オフィスにいって仕事をするようなものなんだ。それが終われば普通の人。でもそれが今はできない。」

「USオープンに優勝したら今まで面白いと思っていたことができなくなってしまった。例えば、有名なナイトクラブに入るときは、誰も僕のことを知らないので、貧しい学生で入ることができた。でももうそんな遊びも出来なくなってしまった。」

女性
「女性が怒ったときが一番セクシーだね。特に物を投げたりしたときなんか。」

「僕たち(選手)は誰かが必要なんだ。そうでないと寂しすぎるからね。男ばかりで嫌になるからね。美しい女性に会って話をして、怒らせて、それでないと人生は退屈してしまう。」

「アナ・クルニコヴァとは子供の頃から知っているけど、きれいだけれど僕のタイプじゃない。彼女とは結婚したくないね。」

人生
「釣りはいいね。8時間くらい船にじっと座ってビールを飲んで。夕食は釣った魚とワイン。リラックスできて、時には人生のことを考えたりね。でも僕は泳げないんだ。」

「僕は一日中ソファに座って、ボーっとしているのが好きなのさ。」

「人生の最高の年齢は20才から40才までだ。だから僕は思いっきりエンジョイするつもりだよ。若さは戻ってこない。」

「失敗したりバカなことをしたり。僕も普通の人間だから過ちをおかすことがあるよ。でもそれでいいんだ。僕は僕らしく生きることができればそれでいいんだよ。」

テニス
「テニスはラヴのようなものだね。一生懸命になりすぎても見つからない。自然にしていると自ずからやってくるものだ。」

「僕はもうすぐ24才になる。コートで焼けクソになったり、そんなことをやってるときじゃない。」

「昔の自分にもどりたい。昔のレベルに戻るのは大変なことだけど。目を醒さなくちゃ!」

「僕は大きくてパワーはあるけど、タッチに欠けている。小さい選手の方が賢いね。足が速いし、球を予期できるし、Great handsをもっている。」

「多くの人は僕がテニスをもっと簡単にできると思っている。才能があるのになぜもっとGSのタイトルがとれない。真面目に練習をしていない。やる気がない。いつも何か言われて僕は傷ついているんだよ。」

「僕は美しい女性だけにサインをすることにしてるんだ。」(ニンマリ)

「お客はお金を払ってゲームを楽しむために来ているのだから、彼らに喜んでもらえたときは嬉しい。」

「試合をどうやって勝つか思い出せないときは心配した方がいい。」

「もう自分のていたらくに嫌気がさした。こんなひどい負け方をした自分にね。」

「僕は歳をとってきたから、ゲームが前よりも分かってきた。でもゲームが分かってきたら今度はチョーキング(緊張)してしまうんだ。先が読めてくるからね。考えてしまうんだ。知らない方がもっと自由にリスクをおったショットが打てることが多い。」

「僕は好いプレーをして彼ら(観客)に示したいんだ。僕はモスクワからきたヨーヨーじゃないってことを。」(ヨーヨーは勝ったり負けたりを繰り返す意味)

「USオープンに優勝したときもビタミンはとっていなかったし、水も水道から直接飲んでるしね。これが僕のドーピングなんだ。」

「負けてるときは自分を限界までプッシュする必要があるんだ。ラケットをぶつけるとか、ボールをコートの外に投げるとかね。そうすると効き目があるんだ。」

「僕は感情の人間だから静かにプレーすることができない。ぶつぶつと静かに自分に語るようにプレーしてみたんだが効果がなかった。やっぱり大声で叫んで、ラケットを投げつけるのが自分の性分に合っているんだ。それでないとナーヴァスになってしまうんだ。」

「僕はステファン・エドバーグじゃない。マシーンじゃない。」

「僕はモティベーションが必要なんだ。特にサンプラスと戦うときはね。だから一杯ブロンドの女性を呼んだのさ。」

「選手にはこういう日が必ず一度はあるものなんだ。何をやってもミスをしない日。僕がサンプラスに勝った日がそうだった。何をやってもパーフェクトだった。ボールをミスろうとしても絶対ミスらない。そんなパーフェクトな日があるのだよ。でもマジックは二度とやってこないんだ。」

サントロ
「サントロとのドローは死の宣告をうけるようなもの。ボールが一個もコートに入らないかもしれない。本当に恐いよ。世界中で僕が絶対に勝てないのがサントロなんだ。彼は僕に5連勝しているからね。」(サフィンが20才のとき)

「サントロの顔をみてはだめなんだ。そうすると彼がどのようなテニスをするか忘れてしまうからね。焦ってリスクを負ったり、普段やらないようなクレージーなことをやってしまう。コートで麻痺してしまうんだよ。」

チェアアンパイア
「僕はサングラスをかけた人とは話す気になれない。僕は彼をリスペクトしているのだから、彼は僕をリスペクトするべきだ。」

「誰もが過ちをおかす。でも彼らはもっと頭を使うべきだ。」

「僕には分からないよ。なぜアンパイアが大きなミスをして、その結果選手が負けてしまうようなことがあれば、どうして彼らに罰金を課さないのか。」(全く同感です!)


「僕は飛ぶのが恐いんだ。飛行恐怖症なんだ。だから飛行機に乗ったら睡眠薬をすぐ飲むことにしている。」

「ウィンブルドンは理解できないよ。彼らは態度を変えないといけない。選手にもっと親切であるべきだよ。芝の選手とそうでない選手との待遇が違いすぎる。食事も改善するべきだ。」

「芝は一週間で十分だよ。」

「僕はアメリカに住めない。僕のスタイルじゃない。ビールも飲めないのだから。」(このコメントは20才のとき。21才からアルコールは飲めます。スイスは16才から。アメリカは遅すぎますがスイスは早すぎ。ヨーロッパは平均18才から。)

「僕はすばらしい人生を送っている。都市から都市へ旅行ができ、テニスをして人々に楽しんでもらえる。夢に描くような職業だ。でもこの職業は皆が思っているほど楽なものじゃないけれど。」

2000年US オープン優勝の翌日、レターマンショーに出演したマラットのビデオです。チャーミングでユーモアたっぷりの20才のマラットをお楽しみください。

(パート1)


>

(パート2)




資料:
http://www.safinator.com/home.html?x=7&y=-175&city




投稿者 Tennisnakama  11:37 | コメント(0)| トラックバック(0)

サフィン「僕は奇跡だよ」

入れ墨
コートにラケットを投げつけるサフィンはあまりにも有名ですが、私の最も印象に残るサフィンは、プラクティスコートで見た半裸のサフィンでした。真夏の太陽の光を受けてうっすらと汗をかいた背中に大きな入れ墨が。おお!これがかの有名な太陽の入れ墨!たくましい背中に大きく描かれた太陽は、まさに彼自身を象徴するかのごとく、雄々しくさんぜんと輝いていたことを思い出します。

背中の入れ墨の写真:
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テニス選手の宿命
マラット・サフィン Marat Safin は銀のテニスラケットを持って生まれたと言われています。母親Rausaは元トップ10のテニス選手。父親MikhailはスパータッククラブSpartak Clubの経営者。 1980年1月27日モスクワに生まれ、テニスクラブを遊び場として育ったマラットは、まさにテニス選手になる宿命を負って生まれてきました。

母親が本格的にマラットにテニスを教え始めたのが彼が6才のときでした。マラットはサッカーをやりたかったのですが、「サッカーの才能はない」と両親から言われ、興味のなかったテニスをやり始めました。本当にやりたかったことをやらせてもらえなかった・・・この想いはアガシに通じるものがあり、親から押し付けられたテニスへの屈折した想いが一生ついてまわります。

テニスへのlove & hateはマラットのテニス人生を複雑なものにしてきました。記者会見ではI’m suffering 「苦しんでいる」の言葉がよく聞かれたものです。天才と呼ばれたにもかかわらず、なかなかグランドスラムのタイトルがとれない。「どうしたサフィン?」という記事の見出しが多くなるにつれて、サフィンはプレッシャーでますます勝てなくなってしまう。激しい性格の彼はコートでの感情コントロールができず何度もラケットを叩き付けては罰金をとられていました。

母親コーチ
少年時代、母親がコーチだった選手に、ジミー・コナーズ、アンディー・マリーがいます。ジョコヴィッチは母親がコーチではありませんが、元フェデカップの代表選手から習っています。彼らのテニスをみていると、女性からテニスの基本を習った選手に共通点があるように思われるのです。

コナーズ、マリー、ジョコヴィッチ、サフィンに共通するのは、ヴァラエティーに富んだショットメイキングができること。私の経験上から、男性コーチからはサーヴとフォアハンドを主体としたパワーテニスを学びましたが、女性コーチからはニュアンスのあるテニス、つまりさまざまなショットメイキングを覚えることによって、パワーに頼らない感覚feelのテニスを学びました。

私は特に彼らの両手バックハンドに注目しています。彼らはバックハンドが一様に強いのです。バックハンドが強いと、コート全面を使った展開が可能になり、特にダウンザラインのバックハンドは最大の威力を発揮するのです。

テニス留学
13才になったマラットは身長も親をこすほど大きく逞しく成長しました。母親はマラットがこれからプロとして活躍していくには、トーナメントの機会もテニス施設にも欠けるロシアでは不可能であることを熟知しています。

「どうしてもマラットを海外で修行させなければ!」

母親はマラットを連れて、ニック・ボレテリのテニスアカデミーを訪れました。しかしボレテリはマラットに才能を見いだせず奨学金入学を断わっています。口惜しかったのか、マラットは後にボレテリのことを「彼はテニスのことを知っていない。」とコメントしています。余談ですが、ボレテリのアカデミーで育ったアガシも同じことを言っています。つまりボレテリ自身は正規のトレーニングを受けたトーナメント選手ではないので、コーチの才能はあってもテニスはうまくないのです。

今度は14才になったマラットを連れて、母親はスペインのヴァレンシアのクラブを訪れました。ディレクターである元プロ選手マリア・パスカルにマラットのテニスを評価してもらうことが目的でした。

「息子には将来性があるのか?」

マラットの才能に強い印象を受けたパスカルは、彼女のクラブでマラットを修行させることを勧めます。しかしサフィン家にはスペイン留学をさせる資金などありません。パスカルはマラットが留学できるように、スイス資産家のスポンサーを探し出してきました。そのスポンサーのおかげでマラットはヴァレンシアで18才になるまでの4年間、スペインにてトレーニングを積むことになったのです。

14才で言葉も知らない異国での訓練は、マラットにとってとても辛いものでした。しかし語学の才能に恵まれたマラットはスペイン語を間もなくマスターすると同時に、英語も流暢に話せるようになります。(アンディー・マリーもスペイン留学をしていますが、スペイン語があまり話せません。これは多分皆が彼に英語で話しかけたためではないかと思います。)

プロ転向
1997年はマラットにとってプロ転向の重要な年となりました。400番台だったマラットは、ポルトガルのチャレンジャーで優勝。ついに200番を切りプロ転向への転機の年となったのです。マラットが17才のときです。

今までチャレンジャーで戦っていたマラットは、翌年初めてグランドスラム出場する機会がやってきました。フレンチオープンです。スペインでトレーニングを受けたマラットはクレーは自分の庭のようなもの。当時ランキング116位のマラットは初戦で20位のアガシを破り、そして2回戦でも、前年度のチャンピオンのキールテンをも破ってしまいました。18才の青年の快挙に世界がアッと驚いたのは言うまでもありません。

同年1998年にマラットは来日しています。9月のデ杯で鈴木貴男選手と対戦して 7-6, 6-2, 6-3でマラットが勝っています。この試合を覚えている方もいらっしゃると思いますが、この時の鈴木選手のランキングは128位。マラットはすでに54位まで駆けのぼっていました。

早すぎたUSオープン優勝
そして2年後、マラットが20才のときです。クレーとハードの両方のサーフェスで勝ち続けるマラットはなんと7タイトルを独占。そしてUSオープンでは、無敵のチャンピオン、サンプラスを破って堂々優勝をなしとげたのです。

エースに続くエース。193cmのそびえるタワーから落ちる210kmの爆雷サーヴをサンプラスはリターンができません。サーヴ&ヴォレーでネットダッシュをして必死に対抗しますが、ことごとくパッシンショットの嵐に合い呆然とたちすくむサンプラス。 4-6, 3-6, 3-6 大きな音をたててサンプラス帝国が崩壊するのを私たちは目撃したのです。

マラットの優勝のインパクトは、敗者のサンプラスだけでなく、勝者のマラットにとっても皮肉な結果を招くことになります。サンプラスはあまりにも見事に完敗してしまったため、そのショックから立ち直るのに2年の歳月を要しました。どうしてもグランドスラムに勝てない。サンプラスのスランプ時代が始まったのです。

マラットは反対にあまりにも完璧なテニスをして優勝しまったため、幻のテニスを追い続けなければならない運命を負うことになります。

「僕は不思議なことにあの試合のことはほとんど覚えていないんだ。」

心と体と技が完全に一致したマラットのUSオープンは、彼の記憶にないほどの無心の究極のテニスだったのです。

完璧主義者のマラットが求めたのは、何がなんでも勝つテニスではなく、パーフェクトなテニスだったと言われています。USオープンの優勝後、2度目のGSタイトルのオーストラリアン・オープンまで、長くて苦しい5年の歳月はファンにとっても辛いものでした。

「僕はまさか自分が優勝するとは思ってもみなかった。そしてその後すぐ世界No.1になってしまったんだ。20才で選手なら誰もが抱く夢を実現してしまった。だからその後What's next?という感じで目標がなくなってしまったんだ。」

「僕に感情をコントロールしろ!と皆は言うけど、今度僕が無表情になると、一体どうした!といってくる。僕はどうしてよいのか分からない!」

「トーナメントでは24時間テニスのことが頭にあって、ストレスがたまりっぱなし。この点が僕がテニスを嫌いな点なんだ。」

そんな苦悶のマラットに「天才的な才能があるのに・・・なぜ勝てない!」と問いつめることをやめなかった私たち。幻のテニスを負い続けてきたのは、本当はマラットではなくて私たちだったのかもしれません。

スポーツが嫌い
「本当は僕はスポーツが嫌いなんだ。サッカーやホッケーはやらないし、バスケットボールは嫌いだし。TVでもスポーツは見ない。だから僕がテニス選手だなんて驚きだよね。僕はコンペティションが嫌いなんだ。友だちとサッカーをやっても10分ともたない。すぐ飽きるんだよ。だから僕はスポーツ選手じゃないんだ。」

フェデラーのすごいのは、本当にテニスをエンジョイしていることだ。テニスを愛している。そしていつもトップでありたいという気持ち。これは僕には分からない。」

マラットは勝敗にこだわるスポーツに向いていなかったのです。だから勝った負けたと大騒ぎをするスポーツに関心がなかったのでしょう。彼はプロセスを大切にするアーチストだったと思います。

「僕がテニスをこれだけ長くしかも高いレベルを保てたのは奇跡なんだよ!」

「自分らしく生きたい!」といつも語っていたマラット。テニスを去ることによって、マラットの自己発見の旅が始まろうとしています。

「テニスが僕から去っていくのではなくて、僕がテニスから去っていくのだよ。」

美しい容姿。理想的な体型。フェアで真っ正直。正義感に溢れた熱血男。独特のスパイスのきいたユーモア。選手から敬愛された人気者。そしてラケットをぶつけても憎まれなかった唯一の選手。

「僕がこれから何をやっていくのかまだかわからないけれど、テニスで成功した10分の1でもよいから、僕の第2の人生が成功すれば嬉しい。」

荒々しくて繊細。パワーフルでソフト。強くて弱いメンタル。限りなく複雑でシンプルな生のマラットを体現したサフィンテニスを12年間観戦できた私たちは幸せでした。

ありがとう!Спасибо (スパシーバ)
そしてGood luck! Удачи  (ウダチ)


ジョン・マッケンローとマリー・カリロの名コンビの解説で、USオープン2000決勝のハイライトをお楽しみください。

(パート1)




(パート2)










投稿者 Tennisnakama  10:21 | コメント(0)| トラックバック(0)

さよならサフィン

2009年11月11日。マラット・サフィンが29才で引退してしまいました。最後の試合の対戦相手は今年USオープン・チャンピオンのデルポトロ。

この試合が多分現役最後の試合であろうと予期した彼の仲間たちがお祝いに駆けつけました。ピオリン(仏選手。シニアツアーで活躍)、ジョコヴィッチ、シモン、カーロヴィッチ、ロブレド、コスタ(デ杯優勝チームキャプテン)、エラノーウィ(モロッコ選手。今年からシニアツアーに参加)。最後にデルポにチュッとキスしたサフィンは選手に取り囲まれて嬉しそうです。

この一年、大会ごとに引退セレモニーをやってもらった人気者のマラットは、パリのセレモニーでも終始ニコニコ。しかしこれで最後の最後。セレモニー慣れしたサフィンにもいろんな想いがサフィンに蘇ってきたのでしょう。彼の目にうっすらと涙が・・・ 初めてみるマラットの涙をみて私の胸もジーン・・・

マラットのお別れセレモニーのビデオです。右下2番目をくりっくしてフルスクリーンでご覧ください。



サフィン最後の試合
サフィンの最後の試合となったデルポトロとの試合では、サフィンはチャンスボールをネットにかけて一瞬ヒヤッとしましたが、彼は終始ニコニコ。(普通だったらラケットを投げてぐちゃぐちゃにしているところです。) デルポもミスすると苛立つどころか舌をペロ。雰囲気はエクジビションのように和気あいあいとしています。

二人は過去の対戦歴がなくこの試合が最初で最後です。サフィンはまったく練習をしていないといいながらも、4-6, 7-5, 4-6と健闘しました。

豪快なビッグサーヴ、確実でパワフルな両手バックハンド、華麗なヴォレー。軽やかなフットワーク・・・2000年のUS Openで、サンプラスを完封して優勝した20才のサフィンを思い出させるすばらしいプレーをみせてくれました。

「本当は勝ちたかったけど、デルポはいい奴だし、US オープンのチャンピオンに負けたのだから本望だよ。」サフィンは負けても口惜しさはありません。

「マラットの最後の試合をやることができて光栄です。」デルポも歴史的な瞬間を共有することができ、選手冥利につきるといった面持ち。

サフィン最後の試合です。お楽しみください。




サフィンの引退を偲んで、サフィン特集を組みたいと思っています。次回は『サフィンの生い立ち』を企画しています。それにしても彼ほどカリスマ性に溢れ、世界の人々から愛された選手は当分現れないでしょうね・・・惜しい選手を失いました。

投稿者 Tennisnakama  01:45 | コメント(0)| トラックバック(0)

スペイン魂をみせたフェレール

デ杯決勝のラバー2はフェレールvsステパネックです。この試合は最後のポイントまで諦めずに、必死に戦ったフェレールが見事に勝利をおさめました。2セットダウンからのカムバックは、まさにフェレールの「勝つ」ことへの執念そのものでした。

二人の過去の対戦成績は3勝3敗。クレーは1勝1敗で互角。ステパネックの名が長いのでラデックと呼ぶことにします。

2009年12月4日
Davis Cup Final
Ferrer def Stepanek: 1-6, 2-6, 6-4, 6-4, 8-6


第1セット
第1ゲーム(0-0)フェレールS:
おお!主審はイケメンNo.1のカルロス・ラモス。彼と話をしたことがありますが、ほんとにソフトで素敵な方でした。ベルダスコの足の怪我が完治しないためフェレールが出場。しかしフェレールはこの一年デ杯では無敗の功労者なのです。

ラデックとのヴォレー合戦でポイントを取られたフェレールは30-40のBP(ブレークポイント) フェレールがドロップショットを狙って失敗しはやくもブレークされてしまいました。

第2ゲーム(0-1)ラデックS:
ベースライナーのフェレールに勝つには、ラデックはもっとネットプレーを増やさねば。中途半端なベースラインのゲームをして15-40のBP ラデックのフォアがネットしてブレークされてしまいました。

第3ゲーム(1-1)フェレールS:
ラデックのラッキーなネットコードで0-30 フェレールはアグレッシヴに前進してフォアのクロスのウィナーで挽回。しかし3度もBPを迎える危ないサーヴィスゲームを繰り返し、エラーでついにまたブレークされてしまいました。

第4ゲーム(1-2)ラデックS:
連続3ゲームがブレークという不思議な試合を展開する二人。フェレールの方がぎりぎりのラインを狙ったアグレッシヴなショットだけにエラーが多い。ラデックの落ち着いたプレーで、見事なハーフヴォレー。ネットプレーを増やせばラデックがかなり有利に展開できる。

第5ゲーム(1-3)フェレールS:
ラデックの見事なバックハンドのダウンザライン(日本ではストレート)のウィナーが決まりました。どの選手でもこのショットが使えれば勝てるチャンスが倍増するゴールデンショット。ラデックの美しいドロップアングルショットも決まります。顔に似合わず(失礼)優雅なテニスにうっとり。またブレークしました。

第6ゲーム(1-4)ラデックS:
ラデックがとても落ち着いて自分のテニスをしています。さすがベテランです。フェレールが勝つには、落ち着いてまずエラーをなくすること。サーヴをよくしてラデックにネットに来させないことが肝心。しかしサーヴがよくラデックの壁は厚い。

第7ゲーム(1-5)フェレールS:
芸術的ともいえるソフトハンドのラデック。見事なアングルヴォレーで040のBP フェレールのパワーテニスとラデックのソフトハンドテニスの対決。ラデックは2ndサーヴを狙ってリターンエースです。バックハンドのダウンザラインで決めました!

第1セットを6-1で勝利したラデックのテニスは攻守のバランスがすばらしく、フェレールに伸び伸びと自分のテニスをさせてもらっています。これはフェレールのテニスが単調でリズムが得られやすいことが原因。

第2セット
第1ゲーム(0-0)ラデックS:
コントロールされたテニスで慌てずポイントを着実に稼ぐラデック。ネットダッシュするフェレールに最後までショットを隠してパッシングショットのウィナーを決めました。成熟したテニスです。

第2ゲーム(0-1)フェレールS:
ラデックに気のゆるみがでてめずらしく3本のエラー。しかしラデックの完璧なドロップショット2本が成功。ラデックは会場のチェコファンに手をあげて応えています。0-40から挽回してフェレールをブレークしてしまいました。

第3ゲーム(0-2)ラデックS:
いろんなスーパショットを楽しませてくれるラデック。観ていて実に楽しい。またドロップショット。ここまでくればもう人間の技とは思えない!フェレールがラデックのマルチ作戦に対抗できるか!? 会場が騒然。ラデックは注意がそれて3本目のダブルフォルト。

第4ゲーム(0-3)フェレールS:
器用な真似ができないフェレールがラデックに勝つには?自分のテニスをするしかない。つまりハードに打って左右にラデックを振り、走りまくって取りまくる。またラデックのドロップショットです。これだけドロップショットをやられたら頭にくるでしょうね、フェレールがもてあそばれています。

第5ゲーム(0-4)ラデックS:
やっとフェレールがネットに出てきました。ヴォレーで決めました。これができるのになぜネットプレーをもっと増やさない?ラデックのサーヴが45%で入りません。3040BP ラデックはディープショットを返しきれず、初めてブレークされました。

第6ゲーム(1-4)フェレールS:
ラデックのサーヴが怪しくなり始めたので、これからがフェレールのチャンスです。ラデックに焦りが見え始め大きなフォアのエラーが出ました。ドロップショットも甘くなりフェレールに叩かれました。またラデックがドロップショット。しかしフェレールにまた叩かれました。

第7ゲーム(2-4)ラデックS:
ドロップショットが見破られるようになったラデックは作戦を変更しなくてはいけません。しかしさすがダブルスの選手だけあって前後のスペースづくりがうまい!スマッシュ、アングルヴォレーをふんだんにつかったヴァラエティーに富んだテニスが嬉しい。

第8ゲーム(2-5)フェレールS:
スペイン監督が予言したように、この調子だとナダル2勝、フェレール2敗となる気配が濃厚になってきました。スペインはダブルスが優勝が決定するみたいな雰囲気です。そうなるとますます明日のダブルスの試合が面白くなってきます。0-40BPフェレールがエラー連発しています。

フェレールをブレークして、第2セットを62でラデックが勝利。ラデックを倒すには、彼のサーヴが自滅するしか手がないようです。でもこのチャンスは少ない。フェレールのショットが読まれてしまっているためにきわどいショットを打っても、ラデックに取られてしまってます。

第3セット
第1ゲーム(0-0)ラデックS:
ラデックのサーヴが崩れません。60%に上がってきました。ネットダッシュしてヴォレーでオープンコートにウィナーが決まります。パワーで決めるのではなく、きれいなお手本テニスです。

第2ゲーム(0-1)フェレールS:
すべてのショットを同じ球で返球してはいけません。フェデラーは2度同じショットは打たないと言ってました。時にはパワーでポイントがとれても、この単調なフェレールのテニスではラデックのリズムは崩せない。そしてアグレッシヴに攻めなければフェレールは勝てない。

第3ゲーム(1-1)ラデックS:
ラデックが疲れてきた? 今まで入っていたハーフヴォレーをミスしだしました。2ndサーヴでダッシュした意表をつくネットダッシュでしたが、フェレールがパッシンショットで見事に破ってBPへ。15-40 ラデックのバックのスライスがワイドにそれてブレークされました!

第4ゲーム(2-1)フェレールS:
油断をしている間にフェレールが追い上げてきました。エラーでブレークされたラデックは気を引き締め直して攻撃開始。フェレールはこのままモメンタムをシフトさせるためにギア全開。ラデックのドロップショットを読んで逆ウィナーをとりました。

第5ゲーム(3-1)ラデックS:
フェレールにメラメラと火がついてきました。すべてのショットを叩くようなアグレッシヴなプレー。ラデックが歳のせいか動きが鈍くなってきました。エラーで30-40BP またドロップショットを打つラデック。早くポイントを決めてしまいたい様子。

なかなかゲームポイントがとれないでデュースをつづけるラデック。またドロップショット。完全に疲れている様子。最後はネットプレーでフェレールにプレッシャーを与えて、やっとブレークを免れました。この第3セットを落とすとラデックはガス欠で危ない。

第6ゲーム(3-2)フェレールS:
フェレールがラデックの真似をしてドロップショット。しかしネットにかかりラデックのゲームをしてはならない。フェレールはあくまでもベースラインからアタックする自分のテニスをしなければ。しかし勝ち急いでエラー続出。1540BP

何度も手に汗をにぎるデュースの繰り返し。最後は統計のテニスで確実にコートに入れた者が勝ち。エラーはできないが甘いショットもできない。緊張のシーソーゲームが続きます。数えきれないデュース。これほどドロップショットの応酬ゲームもめずらしい。フェレールのスマッシュがアウトして、ラデックがブレークバックしました!

第7ゲーム(3-3)ラデックS:
会場はラデック!のかけ声が何度もこだまします。チェコファンもスペインファンに負けていません。フェレールは狙いすぎのエラーが続いて0-30ナダルが立ったまま心配そうな顔をしています。それにしてもナダルはかわいいカーリーヘアをしてますね。

試合時間2時間を経過しました。何度もデュースを続け、フェレールは根性と粘りでラデックをブレークしました!

第8ゲーム(4-3)フェレールS:
フェレールはサーヴィスウィナーを続けます。左右にラデックを振りまくりラデックを疲れさす作戦が成功してか、ラデックにエラーが目立ってきました。
第9ゲーム(5-3)ラデックS:
もうフェレールにはドロップショットは通じません。読まれてしまって叩かれました。ラデックは慎重にエラーを減らし、堅実なテニスをして相手のエラーを待つディフェンステニスに。確実にポイントをとってサーヴィスゲームをホールドしました。

第10ゲーム(5-4)フェレールS:
ここでラデックがブレークしなければ5セットまでなだれこむ可能性あり。それはやめてほしい! 手がシビれてきたみたい。ラデックがチャンスヴォレーをミス。ありえないミスをするラデック。40-0でセットポイントです。

第3セットは6-4でフェレールの根性男の勝利となりました。スタミナでは誰にも負けないフェレール。ラデックに疲れがみえエラーが増えてきました。何度もドロップショットをする彼は、早く試合を終わってホテルに帰りたいという気持ちがテニスに出ています。

第4セット
第1ゲーム(0-0)ラデックS:
ここでエネルギーを充電して元気をつけなおしたラデックは40-0でサーヴィスゲームをホールド。このままサーヴを維持していけるか?

第2ゲーム(0-1)フェレールS:
もう言い加減にやめてほしいラデックのドロップショット。失敗したり成功したり。以前ほどの効き目はなくなっているのに。フェレールのパッシンショットもさえ、ラデックのネットダッシュも効果が薄くなってきた?

第3ゲーム(1-1)ラデックS:
やっとラデックらしいスライスのアプローチショットが出てネットで得点。ラデックのエラーは23にも。そして15-40でまたBP フェレールのうまいロブがスマッシュできず、ラデックがブレークされました。疲れた!という文字を顔に書いたようなラデック。

第4ゲーム(2-1)フェレールS:
ナダルが立ちっぱなしで応援。応援団の団長の貫禄です。フェレールのテニスのレベルがアップしてミスが減った分、ラデックのミスが増えています。フェレールの2ndサーヴがとれない。

第5ゲーム(3-1)ラデックS:
このままフェレールが逃げ切れるか?15-40BP バックもフォアもアウトしてしまうラデック。逆にきわどいショットがどんどん入り出し、思い切って振り切るフェレール。モメンタムが完全にシフトして、またラデックがブレークされてしまいました。

第6ゲーム(4-1)フェレールS:
恐れていた5セットのフルセットになりそうです。6時間ぶっ通しで書いていますが、さすが疲れてきました。晩ご飯も用意しなくてはならず。でもここまできたら完走するぞ。と言ってるうちにいつの間にか040BP やっとネットプレーでラデックがブレークすることができました。 

第7ゲーム(4-2)ラデックS:
ブレークしたものの、ラデックはまだまだエラーが続いてサーヴィスゲームが不安。サーヴも最悪の37% ダブルフォルト。15-40でドロップショットも入らず、ブレークバックされてしまいほぼ第5セット突入確定。(涙)

第8ゲーム(5-2)フェレールS:
フェレールはまるで野武士のよう。けっして洗練された技はありませんが、どんな苦境におちいっても立ち上がってくる雄々しさがありあります。荒々しく攻めますが、ラデックに読まれて1540のBP ラデックに少しエネルギーが戻ってきたのか、ネットダッシュもふえヴォレーでのポイントが増えました。ラデックがブレークバックしました!

第9ゲーム(5-3)ラデックS:
どうしてもサーヴが入らないラデック。集中力がアップしたりダウンしたりのラデックですが、得意のネットプレーで2ポイントを得点してゲームをホールドしました。

第10ゲーム(5-4)フェレールS:
夫が出張から帰ってきました。まずい!(食事の用意をしていない!) 40-0 でフェレールが第4セットをとり、いよいよ第5セットに突入です!

第5セット
第1ゲーム(0-0)ラデックS:
どうしたラデック!? SFで見せた5セットマッチのメンタルはどこへ? フェレールのハードヒットにカウンターできず、30-40のBP やっとネットダッシュで見事なハーフヴォレーでデュースへ。サーヴが悪くてネットプレーができない

何度もデュースとBPやGP(ゲームポイント)を繰り返す二人。それにしてもラデックのハーフヴォレーは世界一。しかしドロップショットばかり打っていては観てる方も辛い。これで10回くらいのデュース? やっとラデックのバックのダウンザラインでゲームをホールドしました。

第2ゲーム(0-1)フェレールS:
フェレールは1stサーヴをすべて入れ、安定したサーヴでホールドしました。夕食の準備ができないので、今晩は勘弁してもらいます。せっかく出張から帰ったというのに、話もしてもらえず、ちょっとかわそうな夫。

第3ゲーム(1-1)ラデックS:
どうしてもドロップショットをしないと気のすまないラデック。ワンパターンのテニス。疲れでよいアイデアも浮かばないみたい。デュースからやっとゲームをホールドできたラデックは、サーヴをホールドするのが精一杯の感じ。

第4ゲーム(1-2)フェレールS:
エネルギーの違いがプレーに。フェレールはまだ3セットはプレーできそうなほど元気。しかし気合いが入りすぎてエラーが。ラデックは何度もネットダッシュしています。失敗してもネットダッシュは続けるべき。

第5ゲーム(2-2)ラデックS:
ラデックは9つ目のダブルフォルト。サーヴが入らない。そのためになかなかネットにこれない。無理にダッシュするとフェレールのパッシンショットに抜かれてしまう。

第6ゲーム(2-3)フェレールS:
まだどちらもブレークされていない互角のゲーム展開。またラデックのドロップショットです。2ndリターンエースも。ラデックがアグレッシヴになりガッツのあるショットをライン上に打ちました。しかしせっかくのブレークチャンスを、ラデックはネットにかけ逃してしまいました。

第7ゲーム(3-3)ラデックS:
これで7時間連続の実況解説。指は大丈夫ですが目がしょぼしょぼ。夫が横で話しかけてくるので書けない。

第8ゲーム(3-4)フェレールS:
ブレークできなかったフェレールはイライラしてベンチのバッグをラケットで殴りつけたとか? なんでこんなときにラデックはドロップショットを? 叩かれて当然です。ラリーを続けたくない気持ちは分かりますがいい加減にしてほしい。またラデックのドロップショット。信じられないワンパターン。

第9ゲーム(4-4)ラデックS:
ラデックはフォアとバックのスライスで攻めまくりフェレールはエラー。4015 1stサーヴがサイドライン上に。ラデックにやっとサーヴがもどってきました。

ナダルは観客に向かって両手を上げてもっと応援するようにチアリーダーをやっています。

第10ゲーム(4-5)フェレールS:
ますます元気なフェレールはフォアのダウンザラインのウィナーでパンプアップ。ラデックも負けじとフォアのクロスのウィナーで対抗。ラデックはネットプレーで4040と譲らず。フェレールは滅多にやらないネットダッシュでポイントをとりました。一歩も譲らない二人です。

第11ゲーム(5-5)ラデックS:
マッチポイントを目の前にしてとれなかったラデック。サーヴが入るようになりラデックはすこし楽になってきました。40-0 最後もサーヴィスウィナーで強いサーヴィスゲームを展開。

第12ゲーム(5-6)フェレールS:
アグレッシヴなフェレールは固くなることなく、40-0 最後はベースライン上に落としてゲームをホールド。二人のサーヴィスゲームは崩れません。

第13ゲーム(6-6)ラデックS:
タイブレークなし。2ゲーム差をつけなければ勝てない!もう止めて!お腹がすいたよ。二人ともコート中を走りまわって乱戦模様。3040BP ラデックはネットにかけてしまう。執念男のフェレールは命をかけてブレークしました。

第14ゲーム(7-6)フェレールS:
フットワークがついていかないためにネットにかけてしまったラデック。フェレールはエースでマッチポイントです。40-0 ラデックのフォアがロングしてフェレールが勝ちました!驚くべくWill to winスペイン男の魂をみせました!

7時間40分にわたって繰り広げられたデ杯第1日はスペイン2勝で終わりました。 今日は昨年のアルジェンチンを破った根性のスペインテニスをフェレールが堪能させてくれました。 明日はダブルスですが、スペインのロペス/ベルダスコの名コンビですので、3勝をあげてスペインの優勝が決まってしまう気がします。

明日もこりずにTwitter実況を続けます。


投稿者 Tennisnakama  16:33 | コメント(0)| トラックバック(0)

ナダルが見事に圧勝

Twitterでデ杯決勝を実況しています。NY時間で朝の10時に始まりましたが2試合が終わったのは夕方の5時40分。何と私は7時間40分もキーをたたき解説をしていたことになります。指はしびれるは目はかすんでくるはで、集中力と体力の限界への挑戦となりました。

テレビで観戦できなかったテニスファンの皆様に、お粗末な解説ですが楽しんでいただければ幸いです。


2009年12月4日
Davis Cup Final スペインvsチェコ
Nadal def Berdych: 7-5, 6-0, 6-2

ナダルはスペイン国旗カラー、赤の地に黄色のラインの入ったシャツに白のショーツで登場です。バンダナがまたすごい。赤の地にセンターが大きな黄色の正方形にナイキのロゴが。何とも趣味の悪いナイキを象徴するデザインです。ベルディッチはブルーのシャツに赤のショーツ。これもどぎついのですが赤と青はチェコの国旗色だから仕方がないのかも知れません。

二人の対戦成績はナダルの5勝3敗。クレーはナダルの得意なサーフェス。2007年以来ナダルは4連勝していますので、心理的にはホームゲームの利点も手伝ってナダルが有利。もしロンドンの3連敗の悪夢を忘れることができれば、ナダルの勝利が間違いなし。

バルセロナの現地時間4時。始まったばかりで観客はまだ3分の2くらいの入り。しかし切符は売り切れていますので、これからどんどん入ってくるのでしょうね。チェコのテニス協会は1500席をまとめて買ったとか。チェコ応援団は白地のシャツ。スペインは赤のシャツ。笛や太鼓ですでに雰囲気が盛り上がって試合が開始されました。

第1セット
第1ゲーム(0-0):ベルディッチS(サーヴ)
ベルディッチがフォアをネットにひっかけてすでに30-40BP 緊張しています。あの炸裂するフォアがまだ打てないベルディッチが振り切れないでまたもやフォアがネットに。ブレークされてしまいました。

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ベルディッチがバックハンドのダウンザライン(日本ではストレート)でウィナーを決めました。このショットはすごい武器。このショットでナダルが振り回されそう。ナダルのファオが2度アウトしまいBP(ブレークポイント)となりますが、セーヴして40-40が続きます。ナダルのフォアもバックの不安定でなかなか決まらない。

ベルディッチがネットダッシュ。ヴォレーをベースラインに落としブレークバックとなりました。どうもナダルの自信なさそうなショットが気になります。

第3ゲーム(1-1)ベルディッチS:
クレーですからホークアイなし。ベルディッチの打ったショットがベースラインに。この判定にナダルはちょっと不服そう。ベルディッチの調子が上がり、例の炸裂フォアでナダルを攻めます。ベルディッチの1stサーヴは73%で好調

第4ゲーム(1-2)ナダルS:
ナダルの1stサーヴは69%で悪くはありませんが、2ndサーヴの得点率が100%ですばらしい。ワイドに切れるナダルの2ndサーヴがベルディッチがとれません。40-0でナダルの強いサーヴィスゲーム。

第5ゲーム(2-2)ベルディッチS:ベルディッチがすべてバックハンドで右に左にとナダルを振ります。実にすばらしいバックハンドが両コーナーを。最後はネットダッシュでベルディッチがナダルにプレッシャーを与えてうまい組み立て。しかしベルディッチのファオにエラーが出てきました。

第6ゲーム(2-3)ナダルS:
ナダルが初めてのダブルフォルト。うん。ナダルがディフェンスすぎて、ベルディッチのパワーヒットに苦戦しています。ベルディッチの不安定なファオを攻めてエラーを誘いますが、ベルディッチがまたバックのダウンザラインでBP(ブレークポイント)に。ナダルが危ない。

しかしナダルがエースでBPを免れました。この肝心なポイントでエースが打てるナダルのサーヴは格段の進歩です。せっかくのブレークチャンスをベルディッチは2度ネットにひっかけて見逃してしまいました。肝心なときにポイントがとれない、いつものベルディッチのメンタルの弱点が出ています。

第7ゲーム(3-3)ベルディッチS:
ベルディッチもナダルもベースライナーでラリーの応酬。ネットで処理できるチャンスを二人とも生かさずもったいないゲーム展開。ベルディッチは超ワイドサーヴで2度のサーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。

第8ゲーム(3-4)ナダルS:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーを!そしてまたダウンザライン。このショットが入るようになるとナダルは強い。40-0ベルディッチが弱気(?)になってきた時点でモメンタムがシフト。ナダルが俄然アグレッシヴに。

第9ゲーム(4-4)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしてヴォレーで決めました。サーヴがよいのでネットで処理をするようになれば、ベルディッチのサーヴィスゲームは崩れません。ベルディッチはナダルのショートボールを前進して叩いてウィナーに。

第10ゲーム(4-5)ナダルS:
ベルディッチはナダルのショートボールをフォアのインサイドアウト(日本では逆クロス)でウィナーをとりました。ナダルはまだショートボールを打っています。ベルディッチはベースラインから下がらず、前進するアグレッシヴなプレー。ナダルが少しでもショートボールを打つと叩けるポジションです。緊張したラリーが続きます。

第11ゲーム(5-5)ベルディッチS:
ナダルのフォアのダウンザラインのウィナーが見事に決まりました。懐かしいナダルのショットです。ベルディッチはセンターからファオのインサイドアウトにウィナー。このショットをとられないためにもナダルはディープに打たねば。

ベルディッチのステップが逆方向でカウンターできません。これでBP しかしナダルのバックハンドがワイドに大きくそれて40-40に。ナダルが2ndリターン(2ndサーヴのリターンのこと)のウィナーをとりました。今までリターンウィナーを狙うことのなかったナダルにしてはアグレッシヴな攻撃です。

ベルディッチも負けじ。フォアのダウンザラインでウィナーです。高レベルのテニスが展開します。ベルディッチがドロップショット。しかしナダルに読まれて失敗。BPとなりました。ベルディッチのフォアがロングしてナダルはブレークに成功!ベルディッチは急に守りのショットになってしまったよう。ショットに切れがみられません。

第12ゲーム(6-5)ナダルS:
ベルディッチをブレークしたナダルは、センターからフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。バモース!と拳を握ってパンプアップ!会場が笛や太鼓で大騒ぎです!40-15 セットポイントです。ベルディッチがネットしてナダルが第1セットをとりました!

会場の応援をバックに、モメンタムがナダルにシフトしてしまったような第1セットでした。ベルディッチは自分を信じてアグレッシヴに攻めなければ、このまま押されてしまいます。これからはどれだけベルディッチがメンタルの強さをみせられるかが見所。

第2セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしますが、ナダルがベースラインから3mも離れたところから、フォアのダウンザラインのパッシングショットのウィナーをとりました。どんどん強気になっていくナダル。0-40のBP ベルディッチがネットしてブレークされてしまいます!

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
すでにブレークしたナダルはループボールを混ぜながらベルディッチを撹乱。ナダルはサイドライン上に狙うリスキーなショットが入り出しアグレッシヴに攻めます。ベルディッチも負けじ。2ndリターンエースでBPです。ベルディッチはナダルをブレークできるか? できない!

第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
せっかくのブレークチャンスを失ってしまったベルディッチ。このゲームをみていても、なぜ彼がトップ5に入れないのかわかります。肝心なところでポイントがとれない。ナダルの勢いは止まるところがなく、ウィナーに続くウィナー!

もう完全に固くなってしまって振り切れないベルディッチ。フォアのエラーで最悪なシナリオ15-40のBP ショットにもベルディッチの弱気が反映してネット。これでダブルブレーク。ここから這い上がるにはまずサーヴでウィナーをとるしかない。

第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチのフットワークが鈍い。メンタルが硬直。ナダルはリズムにのって超快調。本当に久しぶりにみる自信満々のナダルはやはりナダルらしい。最後はナダルはエースです。

第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
多分ベルディッチは試合前から「僕はどうせナダルに勝てないのだから」という気持ちがあったのでは。3割くらいは勝てるかなあといった気持ちでプレーしているような感じがします。ベルディッチは焦りすぎてエラーが連続して1540のBP ベーグルになってしまいそうな気配。

第6ゲーム(5-0)ナダルS:
ナダルはベルディッチを完全にシャットアウトし、実力の半分も出せないでいます。さすがKing of Clayです。ベルディッチはこのゲームを捨てる覚悟でアグレッシヴに攻めるしかない。ナダルのリズムを崩すことが先決。しかしエラーが気になりアグレッシヴになれないベルディッチ。ナダルは最後にエースをとって第2セットはベーグル勝利です。

サーフェスの違いでこれだけナダルが蘇るとは。ロンドンではさかんにサーフェスが原因で勝てないとこぼしていましたが、まるで水をえた魚のように気持ちよく泳ぐナダル

第3セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチが勝つにはまずサーヴでイージーポイントを取ること。ナダルをサーヴィスゲームでやっつけてプレッシャーを与えるしかありません。しかしリターンがよいナダルに対してそれがなかなか実現できない状態。

まずい!ベルディッチはダブルフォルトでBP 固くてあのビッグサーヴも決まらない。ナダルはフォアの超クロスがサイドライン上に。ベルディッチはとれず。このアングルショットが出したナダルは全盛期のナダルを彷彿させます。ナダルが蘇った!ベルディッチをブレークしました!

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ナダルはすでにベルディッチをブレークして余裕があります。2ndサーヴでもエースがでます。40-0 これからベルディッチが挽回するのはほとんど不可能な状況で、ベルディッチはどうしてよいのか分からない。

第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
自信がなくラケットを擦りすぎるベルディッチ。いわゆるpenetrating shotと呼ばれる勢いのあるショットがみられない。0-40で絶対絶命のベルディッチはまたブレークされてしまいました。残酷。

第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチの名誉のためにもダブルベーグルは絶対あってはなりません。でも体が固くて振り切れない。一発ウィナーがとれればこの地獄から這い上がれるのに・・・しかし粘って3040のBPです。ここでナダルをブレークできるか? しかしナダルがエース!

ブレークポイントでエースが出せるナダルはチャンピオンのメンタリティー十分。ベルディッチはどうしてネットに来ない? ベースラインのラリーではナダルに勝てない!またもやブレークチャンスを逃してしまったベルディッチ。

第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
ベルディッチが粘り始めました。ナダルのエラーも手伝って40-15 最後はサーヴィスウィナーでホールド。これでベーグルは免れましたが、どうしてもナダルをブレークできない。肝心のポイントでエラーしてしまうのです。どうしてもベルディッチがトップ選手になれない理由がここにあります。

デルポトロが言ってましたが、肝心なときにポイントがとれるかとれないかは鍛錬して習得できるものではなく、生まれ持ったものだとか。私もそう思います。生まれもった性格は変えられない。

第7ゲーム(5-1)ベルディッチS:
やっとネットダッシュで決めたベルディッチ。前からやっていればこんな結果にはならなかったはず。しかしウィナーを打つときに固くなりエラーをしてしまうベルディッチ。しかし最後はネットダッシュでサーヴィスゲームをホールドしました。エラーをおかしてもよいからネットに来てナダルにプレッシャーを与える必要があります。このままだと全くナダルはプレッシャーなしで自由に振り切ってます。

第8ゲーム(5-2)ナダルS:
満員の会場。応援団がうるさくて楽しい。これくらい自由に応援できればテニスももっと楽しいのに。ナダルがめずらしくネットダッシュしましたが、パッシングショットがとれません。ネットダッシュの意味は一つはポイントを得る。もう一つは相手にプレッシャーを与える。失敗をしてもネットにくる意味がここにあります。

ナダルはサーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)をとりました。本当にナダルのサーヴはうまくなりました。しかもナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーでマッチポイントです!40-15 ヴォレーで決めてナダルの勝利です!

スペインが7-5、6-0、6-2で1勝を上げました。デ杯で負ければナダルのカムバックはますますむずかしいものとなっただけに、この圧倒的な勝利はナダルにとっては最高の自信回復薬となりました。

「これで一勝できたので嬉しい。次の試合(フェレールvsステパネック)もとれると随分楽になる。第1セットで自信が得られたので、第2セットからはラインを狙っていけた。」とナダルの勝利の言葉です。

この試合はまさにナダルの理想的なカムバックとなりました。ベルディッチがまるで200番台レベルの選手にみえてしまうほど、ナダルはみごとにベルディッチの実力を封じて完勝です。

自信とサーフェスがいかに選手にとって大切なものかを知りました。ナダルは膝や背中の具合もよさそうです。久しぶりにダイナミックで生き生きとしたナダルテニスが観れて幸せでした。

投稿者 Tennisnakama  14:41 | コメント(0)| トラックバック(0)

ナダルが圧勝

Twitterでデ杯決勝を実況しています。NY時間で朝の10時に始まりましたが2試合が終わったのは夕方の5時40分。何と私は7時間40分もキーをたたき解説をしていたことになります。指はしびれるは目はかすんでくるはで、集中力と体力の限界への挑戦となりました。

テレビで観戦できなかったテニスファンの皆様に、お粗末な解説ですが楽しんでいただければ幸いです。


2009年12月4日
Davis Cup Final スペインvsチェコ
Nadal def Berdych: 7-5, 6-0, 6-2

ナダルはスペイン国旗カラー、赤の地に黄色のラインの入ったシャツに白のショーツで登場です。バンダナがまたすごい。赤の地にセンターが大きな黄色の正方形にナイキのロゴが。何とも趣味の悪いナイキを象徴するデザインです。ベルディッチはブルーのシャツに赤のショーツ。これもどぎついのですが赤と青はチェコの国旗色だから仕方がないのかも知れません。

二人の対戦成績はナダルの5勝3敗。クレーはナダルの得意なサーフェス。2007年以来ナダルは4連勝していますので、心理的にはホームゲームの利点も手伝ってナダルが有利。もしロンドンの3連敗の悪夢を忘れることができれば、ナダルの勝利が間違いなし。

バルセロナの現地時間4時。始まったばかりで観客はまだ3分の2くらいの入り。しかし切符は売り切れていますので、これからどんどん入ってくるのでしょうね。チェコのテニス協会は1500席をまとめて買ったとか。チェコ応援団は白地のシャツ。スペインは赤のシャツ。笛や太鼓ですでに雰囲気が盛り上がって試合が開始されました。

第1セット
第1ゲーム(0-0):ベルディッチS(サーヴ)
ベルディッチがフォアをネットにひっかけてすでに30-40BP 緊張しています。あの炸裂するフォアがまだ打てないベルディッチが振り切れないでまたもやフォアがネットに。ブレークされてしまいました。

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ベルディッチがバックハンドのダウンザライン(日本ではストレート)でウィナーを決めました。このショットはすごい武器。このショットでナダルが振り回されそう。ナダルのファオが2度アウトしまいBP(ブレークポイント)となりますが、セーヴして40-40が続きます。ナダルのフォアもバックの不安定でなかなか決まらない。

ベルディッチがネットダッシュ。ヴォレーをベースラインに落としブレークバックとなりました。どうもナダルの自信なさそうなショットが気になります。

第3ゲーム(1-1)ベルディッチS:
クレーですからホークアイなし。ベルディッチの打ったショットがベースラインに。この判定にナダルはちょっと不服そう。ベルディッチの調子が上がり、例の炸裂フォアでナダルを攻めます。ベルディッチの1stサーヴは73%で好調

第4ゲーム(1-2)ナダルS:
ナダルの1stサーヴは69%で悪くはありませんが、2ndサーヴの得点率が100%ですばらしい。ワイドに切れるナダルの2ndサーヴがベルディッチがとれません。40-0でナダルの強いサーヴィスゲーム。

第5ゲーム(2-2)ベルディッチS:ベルディッチがすべてバックハンドで右に左にとナダルを振ります。実にすばらしいバックハンドが両コーナーを。最後はネットダッシュでベルディッチがナダルにプレッシャーを与えてうまい組み立て。しかしベルディッチのファオにエラーが出てきました。

第6ゲーム(2-3)ナダルS:
ナダルが初めてのダブルフォルト。うん。ナダルがディフェンスすぎて、ベルディッチのパワーヒットに苦戦しています。ベルディッチの不安定なファオを攻めてエラーを誘いますが、ベルディッチがまたバックのダウンザラインでBP(ブレークポイント)に。ナダルが危ない。

しかしナダルがエースでBPを免れました。この肝心なポイントでエースが打てるナダルのサーヴは格段の進歩です。せっかくのブレークチャンスをベルディッチは2度ネットにひっかけて見逃してしまいました。肝心なときにポイントがとれない、いつものベルディッチのメンタルの弱点が出ています。

第7ゲーム(3-3)ベルディッチS:
ベルディッチもナダルもベースライナーでラリーの応酬。ネットで処理できるチャンスを二人とも生かさずもったいないゲーム展開。ベルディッチは超ワイドサーヴで2度のサーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。

第8ゲーム(3-4)ナダルS:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーを!そしてまたダウンザライン。このショットが入るようになるとナダルは強い。40-0ベルディッチが弱気(?)になってきた時点でモメンタムがシフト。ナダルが俄然アグレッシヴに。

第9ゲーム(4-4)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしてヴォレーで決めました。サーヴがよいのでネットで処理をするようになれば、ベルディッチのサーヴィスゲームは崩れません。ベルディッチはナダルのショートボールを前進して叩いてウィナーに。

第10ゲーム(4-5)ナダルS:
ベルディッチはナダルのショートボールをフォアのインサイドアウト(日本では逆クロス)でウィナーをとりました。ナダルはまだショートボールを打っています。ベルディッチはベースラインから下がらず、前進するアグレッシヴなプレー。ナダルが少しでもショートボールを打つと叩けるポジションです。緊張したラリーが続きます。

第11ゲーム(5-5)ベルディッチS:
ナダルのフォアのダウンザラインのウィナーが見事に決まりました。懐かしいナダルのショットです。ベルディッチはセンターからファオのインサイドアウトにウィナー。このショットをとられないためにもナダルはディープに打たねば。

ベルディッチのステップが逆方向でカウンターできません。これでBP しかしナダルのバックハンドがワイドに大きくそれて40-40に。ナダルが2ndリターン(2ndサーヴのリターンのこと)のウィナーをとりました。今までリターンウィナーを狙うことのなかったナダルにしてはアグレッシヴな攻撃です。

ベルディッチも負けじ。フォアのダウンザラインでウィナーです。高レベルのテニスが展開します。ベルディッチがドロップショット。しかしナダルに読まれて失敗。BPとなりました。ベルディッチのフォアがロングしてナダルはブレークに成功!ベルディッチは急に守りのショットになってしまったよう。ショットに切れがみられません。

第12ゲーム(6-5)ナダルS:
ベルディッチをブレークしたナダルは、センターからフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。バモース!と拳を握ってパンプアップ!会場が笛や太鼓で大騒ぎです!40-15 セットポイントです。ベルディッチがネットしてナダルが第1セットをとりました!

会場の応援をバックに、モメンタムがナダルにシフトしてしまったような第1セットでした。ベルディッチは自分を信じてアグレッシヴに攻めなければ、このまま押されてしまいます。これからはどれだけベルディッチがメンタルの強さをみせられるかが見所。

第2セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしますが、ナダルがベースラインから3mも離れたところから、フォアのダウンザラインのパッシングショットのウィナーをとりました。どんどん強気になっていくナダル。0-40のBP ベルディッチがネットしてブレークされてしまいます!

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
すでにブレークしたナダルはループボールを混ぜながらベルディッチを撹乱。ナダルはサイドライン上に狙うリスキーなショットが入り出しアグレッシヴに攻めます。ベルディッチも負けじ。2ndリターンエースでBPです。ベルディッチはナダルをブレークできるか? できない!

第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
せっかくのブレークチャンスを失ってしまったベルディッチ。このゲームをみていても、なぜ彼がトップ5に入れないのかわかります。肝心なところでポイントがとれない。ナダルの勢いは止まるところがなく、ウィナーに続くウィナー!

もう完全に固くなってしまって振り切れないベルディッチ。フォアのエラーで最悪なシナリオ15-40のBP ショットにもベルディッチの弱気が反映してネット。これでダブルブレーク。ここから這い上がるにはまずサーヴでウィナーをとるしかない。

第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチのフットワークが鈍い。メンタルが硬直。ナダルはリズムにのって超快調。本当に久しぶりにみる自信満々のナダルはやはりナダルらしい。最後はナダルはエースです。

第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
多分ベルディッチは試合前から「僕はどうせナダルに勝てないのだから」という気持ちがあったのでは。3割くらいは勝てるかなあといった気持ちでプレーしているような感じがします。ベルディッチは焦りすぎてエラーが連続して1540のBP ベーグルになってしまいそうな気配。

第6ゲーム(5-0)ナダルS:
ナダルはベルディッチを完全にシャットアウトし、実力の半分も出せないでいます。さすがKing of Clayです。ベルディッチはこのゲームを捨てる覚悟でアグレッシヴに攻めるしかない。ナダルのリズムを崩すことが先決。しかしエラーが気になりアグレッシヴになれないベルディッチ。ナダルは最後にエースをとって第2セットはベーグル勝利です。

サーフェスの違いでこれだけナダルが蘇るとは。ロンドンではさかんにサーフェスが原因で勝てないとこぼしていましたが、まるで水をえた魚のように気持ちよく泳ぐナダル

第3セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチが勝つにはまずサーヴでイージーポイントを取ること。ナダルをサーヴィスゲームでやっつけてプレッシャーを与えるしかありません。しかしリターンがよいナダルに対してそれがなかなか実現できない状態。

まずい!ベルディッチはダブルフォルトでBP 固くてあのビッグサーヴも決まらない。ナダルはフォアの超クロスがサイドライン上に。ベルディッチはとれず。このアングルショットが出したナダルは全盛期のナダルを彷彿させます。ナダルが蘇った!ベルディッチをブレークしました!

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ナダルはすでにベルディッチをブレークして余裕があります。2ndサーヴでもエースがでます。40-0 これからベルディッチが挽回するのはほとんど不可能な状況で、ベルディッチはどうしてよいのか分からない。

第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
自信がなくラケットを擦りすぎるベルディッチ。いわゆるpenetrating shotと呼ばれる勢いのあるショットがみられない。0-40で絶対絶命のベルディッチはまたブレークされてしまいました。残酷。

第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチの名誉のためにもダブルベーグルは絶対あってはなりません。でも体が固くて振り切れない。一発ウィナーがとれればこの地獄から這い上がれるのに・・・しかし粘って3040のBPです。ここでナダルをブレークできるか? しかしナダルがエース!

ブレークポイントでエースが出せるナダルはチャンピオンのメンタリティー十分。ベルディッチはどうしてネットに来ない? ベースラインのラリーではナダルに勝てない!またもやブレークチャンスを逃してしまったベルディッチ。

第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
ベルディッチが粘り始めました。ナダルのエラーも手伝って40-15 最後はサーヴィスウィナーでホールド。これでベーグルは免れましたが、どうしてもナダルをブレークできない。肝心のポイントでエラーしてしまうのです。どうしてもベルディッチがトップ選手になれない理由がここにあります。

デルポトロが言ってましたが、肝心なときにポイントがとれるかとれないかは鍛錬して習得できるものではなく、生まれ持ったものだとか。私もそう思います。生まれもった性格は変えられない。

第7ゲーム(5-1)ベルディッチS:
やっとネットダッシュで決めたベルディッチ。前からやっていればこんな結果にはならなかったはず。しかしウィナーを打つときに固くなりエラーをしてしまうベルディッチ。しかし最後はネットダッシュでサーヴィスゲームをホールドしました。エラーをおかしてもよいからネットに来てナダルにプレッシャーを与える必要があります。このままだと全くナダルはプレッシャーなしで自由に振り切ってます。

第8ゲーム(5-2)ナダルS:
満員の会場。応援団がうるさくて楽しい。これくらい自由に応援できればテニスももっと楽しいのに。ナダルがめずらしくネットダッシュしましたが、パッシングショットがとれません。ネットダッシュの意味は一つはポイントを得る。もう一つは相手にプレッシャーを与える。失敗をしてもネットにくる意味がここにあります。

ナダルはサーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)をとりました。本当にナダルのサーヴはうまくなりました。しかもナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーでマッチポイントです!40-15 ヴォレーで決めてナダルの勝利です!

スペインが7-5、6-0、6-2で1勝を上げました。デ杯で負ければナダルのカムバックはますますむずかしいものとなっただけに、この圧倒的な勝利はナダルにとっては最高の自信回復薬となりました。

「これで一勝できたので嬉しい。次の試合(フェレールvsステパネック)もとれると随分楽になる。第1セットで自信が得られたので、第2セットからはラインを狙っていけた。」とナダルの勝利の言葉です。

この試合はまさにナダルの理想的なカムバックとなりました。ベルディッチがまるで200番台レベルの選手にみえてしまうほど、ナダルはみごとにベルディッチの実力を封じて完勝です。

自信とサーフェスがいかに選手にとって大切なものかを知りました。ナダルは膝や背中の具合もよさそうです。久しぶりにダイナミックで生き生きとしたナダルテニスが観れて幸せでした。

投稿者 Tennisnakama  14:40 | コメント(0)| トラックバック(0)

ナダルが圧勝

Twitterでデ杯決勝を実況しています。NY時間で朝の10時に始まりましたが2試合が終わったのは夕方の5時40分。何と私は7時間40分もキーをたたき解説をしていたことになります。指はしびれるは目はかすんでくるはで、集中力と体力の限界への挑戦となりました。

テレビで観戦できなかったテニスファンの皆様への、私からのささやかなクリスマスプレゼントです。お粗末な解説ですが楽しんでいただければ幸いです。


2009年12月4日
Davis Cup Final スペインvsチェコ
Nadal def Berdych: 7-5, 6-0, 6-2

ナダルはスペイン国旗カラー、赤の地に黄色のラインの入ったシャツに白のショーツで登場です。バンダナがまたすごい。赤の地にセンターが大きな黄色の正方形にナイキのロゴが。何とも趣味の悪いナイキを象徴するデザインです。ベルディッチはブルーのシャツに赤のショーツ。これもどぎついのですが赤と青はチェコの国旗色だから仕方がないのかも知れません。

二人の対戦成績はナダルの5勝3敗。クレーはナダルの得意なサーフェス。2007年以来ナダルは4連勝していますので、心理的にはホームゲームの利点も手伝ってナダルが有利。もしロンドンの3連敗の悪夢を忘れることができれば、ナダルの勝利が間違いなし。

バルセロナの現地時間4時。始まったばかりで観客はまだ3分の2くらいの入り。しかし切符は売り切れていますので、これからどんどん入ってくるのでしょうね。チェコのテニス協会は1500席をまとめて買ったとか。チェコ応援団は白地のシャツ。スペインは赤のシャツ。笛や太鼓ですでに雰囲気が盛り上がって試合が開始されました。

第1セット
第1ゲーム(0-0):ベルディッチS(サーヴ)
ベルディッチがフォアをネットにひっかけてすでに30-40BP 緊張しています。あの炸裂するフォアがまだ打てないベルディッチが振り切れないでまたもやフォアがネットに。ブレークされてしまいました。

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ベルディッチがバックハンドのダウンザライン(日本ではストレート)でウィナーを決めました。このショットはすごい武器。このショットでナダルが振り回されそう。ナダルのファオが2度アウトしまいBP(ブレークポイント)となりますが、セーヴして40-40が続きます。ナダルのフォアもバックの不安定でなかなか決まらない。

ベルディッチがネットダッシュ。ヴォレーをベースラインに落としブレークバックとなりました。どうもナダルの自信なさそうなショットが気になります。

第3ゲーム(1-1)ベルディッチS:
クレーですからホークアイなし。ベルディッチの打ったショットがベースラインに。この判定にナダルはちょっと不服そう。ベルディッチの調子が上がり、例の炸裂フォアでナダルを攻めます。ベルディッチの1stサーヴは73%で好調

第4ゲーム(1-2)ナダルS:
ナダルの1stサーヴは69%で悪くはありませんが、2ndサーヴの得点率が100%ですばらしい。ワイドに切れるナダルの2ndサーヴがベルディッチがとれません。40-0でナダルの強いサーヴィスゲーム。

第5ゲーム(2-2)ベルディッチS:ベルディッチがすべてバックハンドで右に左にとナダルを振ります。実にすばらしいバックハンドが両コーナーを。最後はネットダッシュでベルディッチがナダルにプレッシャーを与えてうまい組み立て。しかしベルディッチのファオにエラーが出てきました。

第6ゲーム(2-3)ナダルS:
ナダルが初めてのダブルフォルト。うん。ナダルがディフェンスすぎて、ベルディッチのパワーヒットに苦戦しています。ベルディッチの不安定なファオを攻めてエラーを誘いますが、ベルディッチがまたバックのダウンザラインでBP(ブレークポイント)に。ナダルが危ない。

しかしナダルがエースでBPを免れました。この肝心なポイントでエースが打てるナダルのサーヴは格段の進歩です。せっかくのブレークチャンスをベルディッチは2度ネットにひっかけて見逃してしまいました。肝心なときにポイントがとれない、いつものベルディッチのメンタルの弱点が出ています。

第7ゲーム(3-3)ベルディッチS:
ベルディッチもナダルもベースライナーでラリーの応酬。ネットで処理できるチャンスを二人とも生かさずもったいないゲーム展開。ベルディッチは超ワイドサーヴで2度のサーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。

第8ゲーム(3-4)ナダルS:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーを!そしてまたダウンザライン。このショットが入るようになるとナダルは強い。40-0ベルディッチが弱気(?)になってきた時点でモメンタムがシフト。ナダルが俄然アグレッシヴに。

第9ゲーム(4-4)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしてヴォレーで決めました。サーヴがよいのでネットで処理をするようになれば、ベルディッチのサーヴィスゲームは崩れません。ベルディッチはナダルのショートボールを前進して叩いてウィナーに。

第10ゲーム(4-5)ナダルS:
ベルディッチはナダルのショートボールをフォアのインサイドアウト(日本では逆クロス)でウィナーをとりました。ナダルはまだショートボールを打っています。ベルディッチはベースラインから下がらず、前進するアグレッシヴなプレー。ナダルが少しでもショートボールを打つと叩けるポジションです。緊張したラリーが続きます。

第11ゲーム(5-5)ベルディッチS:
ナダルのフォアのダウンザラインのウィナーが見事に決まりました。懐かしいナダルのショットです。ベルディッチはセンターからファオのインサイドアウトにウィナー。このショットをとられないためにもナダルはディープに打たねば。

ベルディッチのステップが逆方向でカウンターできません。これでBP しかしナダルのバックハンドがワイドに大きくそれて40-40に。ナダルが2ndリターン(2ndサーヴのリターンのこと)のウィナーをとりました。今までリターンウィナーを狙うことのなかったナダルにしてはアグレッシヴな攻撃です。

ベルディッチも負けじ。フォアのダウンザラインでウィナーです。高レベルのテニスが展開します。ベルディッチがドロップショット。しかしナダルに読まれて失敗。BPとなりました。ベルディッチのフォアがロングしてナダルはブレークに成功!ベルディッチは急に守りのショットになってしまったよう。ショットに切れがみられません。

第12ゲーム(6-5)ナダルS:
ベルディッチをブレークしたナダルは、センターからフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。バモース!と拳を握ってパンプアップ!会場が笛や太鼓で大騒ぎです!40-15 セットポイントです。ベルディッチがネットしてナダルが第1セットをとりました!

会場の応援をバックに、モメンタムがナダルにシフトしてしまったような第1セットでした。ベルディッチは自分を信じてアグレッシヴに攻めなければ、このまま押されてしまいます。これからはどれだけベルディッチがメンタルの強さをみせられるかが見所。

第2セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしますが、ナダルがベースラインから3mも離れたところから、フォアのダウンザラインのパッシングショットのウィナーをとりました。どんどん強気になっていくナダル。0-40のBP ベルディッチがネットしてブレークされてしまいます!

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
すでにブレークしたナダルはループボールを混ぜながらベルディッチを撹乱。ナダルはサイドライン上に狙うリスキーなショットが入り出しアグレッシヴに攻めます。ベルディッチも負けじ。2ndリターンエースでBPです。ベルディッチはナダルをブレークできるか? できない!

第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
せっかくのブレークチャンスを失ってしまったベルディッチ。このゲームをみていても、なぜ彼がトップ5に入れないのかわかります。肝心なところでポイントがとれない。ナダルの勢いは止まるところがなく、ウィナーに続くウィナー!

もう完全に固くなってしまって振り切れないベルディッチ。フォアのエラーで最悪なシナリオ15-40のBP ショットにもベルディッチの弱気が反映してネット。これでダブルブレーク。ここから這い上がるにはまずサーヴでウィナーをとるしかない。

第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチのフットワークが鈍い。メンタルが硬直。ナダルはリズムにのって超快調。本当に久しぶりにみる自信満々のナダルはやはりナダルらしい。最後はナダルはエースです。

第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
多分ベルディッチは試合前から「僕はどうせナダルに勝てないのだから」という気持ちがあったのでは。3割くらいは勝てるかなあといった気持ちでプレーしているような感じがします。ベルディッチは焦りすぎてエラーが連続して1540のBP ベーグルになってしまいそうな気配。

第6ゲーム(5-0)ナダルS:
ナダルはベルディッチを完全にシャットアウトし、実力の半分も出せないでいます。さすがKing of Clayです。ベルディッチはこのゲームを捨てる覚悟でアグレッシヴに攻めるしかない。ナダルのリズムを崩すことが先決。しかしエラーが気になりアグレッシヴになれないベルディッチ。ナダルは最後にエースをとって第2セットはベーグル勝利です。

サーフェスの違いでこれだけナダルが蘇るとは。ロンドンではさかんにサーフェスが原因で勝てないとこぼしていましたが、まるで水をえた魚のように気持ちよく泳ぐナダル

第3セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチが勝つにはまずサーヴでイージーポイントを取ること。ナダルをサーヴィスゲームでやっつけてプレッシャーを与えるしかありません。しかしリターンがよいナダルに対してそれがなかなか実現できない状態。

まずい!ベルディッチはダブルフォルトでBP 固くてあのビッグサーヴも決まらない。ナダルはフォアの超クロスがサイドライン上に。ベルディッチはとれず。このアングルショットが出したナダルは全盛期のナダルを彷彿させます。ナダルが蘇った!ベルディッチをブレークしました!

第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ナダルはすでにベルディッチをブレークして余裕があります。2ndサーヴでもエースがでます。40-0 これからベルディッチが挽回するのはほとんど不可能な状況で、ベルディッチはどうしてよいのか分からない。

第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
自信がなくラケットを擦りすぎるベルディッチ。いわゆるpenetrating shotと呼ばれる勢いのあるショットがみられない。0-40で絶対絶命のベルディッチはまたブレークされてしまいました。残酷。

第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチの名誉のためにもダブルベーグルは絶対あってはなりません。でも体が固くて振り切れない。一発ウィナーがとれればこの地獄から這い上がれるのに・・・しかし粘って3040のBPです。ここでナダルをブレークできるか? しかしナダルがエース!

ブレークポイントでエースが出せるナダルはチャンピオンのメンタリティー十分。ベルディッチはどうしてネットに来ない? ベースラインのラリーではナダルに勝てない!またもやブレークチャンスを逃してしまったベルディッチ。

第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
ベルディッチが粘り始めました。ナダルのエラーも手伝って40-15 最後はサーヴィスウィナーでホールド。これでベーグルは免れましたが、どうしてもナダルをブレークできない。肝心のポイントでエラーしてしまうのです。どうしてもベルディッチがトップ選手になれない理由がここにあります。

デルポトロが言ってましたが、肝心なときにポイントがとれるかとれないかは鍛錬して習得できるものではなく、生まれ持ったものだとか。私もそう思います。生まれもった性格は変えられない。

第7ゲーム(5-1)ベルディッチS:
やっとネットダッシュで決めたベルディッチ。前からやっていればこんな結果にはならなかったはず。しかしウィナーを打つときに固くなりエラーをしてしまうベルディッチ。しかし最後はネットダッシュでサーヴィスゲームをホールドしました。エラーをおかしてもよいからネットに来てナダルにプレッシャーを与える必要があります。このままだと全くナダルはプレッシャーなしで自由に振り切ってます。

第8ゲーム(5-2)ナダルS:
満員の会場。応援団がうるさくて楽しい。これくらい自由に応援できればテニスももっと楽しいのに。ナダルがめずらしくネットダッシュしましたが、パッシングショットがとれません。ネットダッシュの意味は一つはポイントを得る。もう一つは相手にプレッシャーを与える。失敗をしてもネットにくる意味がここにあります。

ナダルはサーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)をとりました。本当にナダルのサーヴはうまくなりました。しかもナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーでマッチポイントです!40-15 ヴォレーで決めてナダルの勝利です!

スペインが7-5、6-0、6-2で1勝を上げました。デ杯で負ければナダルのカムバックはますますむずかしいものとなっただけに、この圧倒的な勝利はナダルにとっては最高の自信回復薬となりました。

「これで一勝できたので嬉しい。次の試合(フェレールvsステパネック)もとれると随分楽になる。第1セットで自信が得られたので、第2セットからはラインを狙っていけた。」とナダルの勝利の言葉です。

この試合はまさにナダルの理想的なカムバックとなりました。ベルディッチがまるで200番台レベルの選手にみえてしまうほど、ナダルはみごとにベルディッチの実力を封じて完勝です。

自信とサーフェスがいかに選手にとって大切なものかを知りました。ナダルは膝や背中の具合もよさそうです。久しぶりにダイナミックで生き生きとしたナダルテニスが観れて幸せでした。

投稿者 Tennisnakama  14:33 | コメント(0)| トラックバック(0)

デ杯決勝のみどころ

12月4日金曜からいよいよスペイン対チェコのデ杯決勝が始まります。今朝ドローが発表されました。ベルダスコは故障のせいもあって大事をとってダブルスのみ。シングルスはベルダスコの代わりにフェレールです。

デ杯の公式サイトで無料で生観戦ができます
無料だと思っていたのですが有料でした。一日パスが$4.95 三日間パスが$9.95となっています。登録は以下のサイトになります。

http://www.itfteamevents.tv/page/loginOrBuy/0,,12916,00.html?target=https%3A%2F%2Fsecure-itftennis.premiumtv.co.uk%2Fpage%2Fsub%2FITFTV%2FWatchLive%2F0%2C%2C12916%2C00.html%3F

放送時間は日本時間金曜の午前0時からとなり、日本ではきびしい徹夜の観戦となりますが見応えのある決勝をお見逃しなく。

私はTwitterで実況解説をしていくつもりです。登録しなくても以下のアドレスで読む事ができます。

http://twitter.com/tennisnakama/

決勝のハイライトは第1ラバーのナダルvsベルディッチです。この二人には2006年のマドリッドマスターズでちょっとしたいざこざがあり、それ以来不仲が噂されてきた間柄です。そのちょっとした事件とは?

ベルディッチが指を口にあてて「シーッ!」
2006年のマドリッドではベルディッチがナダルを6-3, 7-6 (6)で破りました。この試合はナダルのホームだけあって、会場が一斉にナダルを応援。ベルディッチのエラーに拍手を送ったり、ヤジをとばしたり、マナー違反が目立つ観客に、頭にきたベルディッチは、勝利の瞬間に会場に向けて指を口にあてて「シーッ!」

このジェスチャーに頭にきたナダルはネットで握手をする際に、Very bad! Very bad!とベルディッチを非難しました。ナダルの非難に「態度の悪い観客にシーっと言ってどこが悪い?」とベルディッチはナダルに食い下がるという一幕をビデオでご覧ください。

ナダルにとってはベルディッチの行為は悪い行為。しかしベルディッチにとっては、マドリッド大会はデ杯ではないのだから、あまりにも不公平な行為が多すぎると反論・・・

このようないきさつがあったので、今だに二人は仲が悪いと噂されているのですが、「僕たちは友だちだよ。」とベルディッチはこの噂を否定。マドリッド以降ナダルは、モンテカルロ(2007)、ウィンブルドン(2007)、マイアミ(2008)、シンシナティ(2009)とベルディッチを4連覇しています。芝、クレー、ハードのすべてのサーフェスでベルディッチに勝っていますので、ロンドンの不調を忘れればベルディッチに勝てるはず。

Berdych def Nadal at Madrid Masters 2006




Davis Cup デイヴィスカップ(デビスカップ)決勝ドロー
開催地はスペインのホームでバルセロナです。1992年のバルセロナオリンピックで、体操競技が行われました。これを設計したのは、磯崎新(いそざきあらた)氏。スペインはこのデ杯決勝のために、床に砂をまきクレーコートのサーフェスにつくりなおして万端の準備が整いました。

12月4日金曜午前0時(日本時間)
ナダル vs ベルディッチ
フェレール vs ステパネック

12月5日土曜午前0時(日本時間)
Fロペス/ベルダスコ vs Dlouhy / Hajek

12月6日日曜夜8時(日本時間)
ナダル vs ステパネック
フェレール vs ベルディッチ


チェコは事実上ステパネックとベルディッチの二人のみで決勝まで戦ってきました。この決勝戦は意地でも29年ぶりの優勝の機会を手に入れなくてはなりません。一方昨年優勝を飾ったスペインは、ナダルが不調とは言え気持ちの上で余裕があります。 ホームゲーム。クレーコート。豊富な戦力。どれをとってみてもスペイン優勝に有利な条件がそろっています。

スペインチーム
ナダル(2位)
ベルダスコ(9位)
フェレール(18位)
ロペス(47位)

Rafael Nadal
ナダルのデ杯デビューは、2004年で偶然にも同じチェコチームです。2004年はスペインが優勝した年。ナダルは初戦のシングルスでノヴァックに負け、ダブルスではロブレドと組んで2敗していますが、最終戦のシングルスでステパネックを倒してスペインが勝利。しかも最後のアメリカとの決勝戦では、ナダルロディックを破ってスペインに優勝をもたらしました。この時のロディックは2位。ナダルは51位です。

デ杯での自信が大きく影響して、ナダルは2005年には一挙に3位へジャンプしています。フレンチオープンに優勝、4つのマスターズ優勝、合計11のタイトルをとりまくったセンセーショナルな年となりました。

ロンドンで背中を痛めたナダルでしたが、痛みもなくコンディションは上々だとか。

David Ferrer
フェレールの初出場は2006年の対ベラルス戦。昨年の決勝ではナルバンディアンに敗退しましたが、今年のデ杯の成績は4勝0敗と好成績。特にジョコヴィッチをストレートセットで倒して、今年のスペインの決勝進出の立役者となりました。

Fernando Verdasco
ベルダスコのデ杯初出場は2005年のスロヴァキア戦。昨年のアルジェンチンとのデ杯決勝でアカスーソに5セットで勝利をおさめ、しかもロペスと組んだダブルスでも1勝を上げ、スペインの優勝の立役者の一人となりました。今年はロンドンで足を故障したベルダスコの回復が心配されましたが、シングルスを貢献者のフェレールに譲って、昨年優勝を遂げたゴールデン・コンビのロペスとダブルスに出場します。彼らはプロきってのイケメン・クールガイだけに目の保養となるダブルス戦。

Feliciano Lopez
デ杯の初出場は2003年と早いですが、ほとんどがダブルスでの出場。ナダルが怪我で欠場した昨年の決勝では、ダブルスでベルダスコと組んで勝利をおさめるだけでなく、デルポトロを破ってスペインを優勝にみちびいた功労者となりました。今年は昨年に引き続きダブルスでスペインファンだけでなく、世界の女性ファンを楽しませてくれるはず。

チェコチーム
ステパネック(12位)
ベルディッチ(20位)
Hajak(102位)
Dlouhy(465位)

Radek Stepanek
ステパネックは31才の大ベテラン。ダブルスからシングルスに転向した遅咲きの選手ですが、ダブルスのテクニックをふんだんに使って華麗なヴォレーで決めるテニスは見応えがあります。デ杯の初出場は2003年。2007年以来ベルディッチと二人でシングルスとダブルスでチェコのために戦ってきました。

Tomas Berdych
アテネのオリンピックでフェデラーを破って、無名の18才のベルディッチがセンセーショナルに登場。ビッグサーヴにビッグフォアでパワーゲームを得意とするこのティーンネージャーの出現は未来のテニスを象徴する出来事でした。しかしメンタルの弱さでなかなかビッグタイトルがとれていませんが、油断できない危険な選手。デ杯の過去の成績は21勝7敗。ダブルスでは一度も負けていないデ杯のエキスパートです。


投稿者 Tennisnakama  23:57 | コメント(0)| トラックバック(0)

Good bye Andy

最近のアンディー・マリー(マレー)Andy Murray がどうも調子がおかしいというか、わけの分からない負けかたをして不思議に思っていたのです。その原因が分かりました。

ガールフレンドのキム・シアーズ Kim Sears との関係がうまくいかず、ついにキムは荷物をまとめてマリーの家をでてしまったのです。二人は4年間の長い付き合い。今年から同居し始めたばかりで、マリーの両親もキムの存在がマリーによい影響を与えていることにハッピーだったのですが・・・

ロンドンのワールドツアー・ファイナルズでは、いつもマリーの母ジュディーの側で慎ましく応援していたキムの姿がありません。彼女はロンドンに住んでいるのですからこれはおかしい。にわかに「アンディーとキム」の関係が浮上し、二人の関係が破綻していることが発覚してしまったのです。

イギリスNo.1のテニス選手を捨てた女性とは?
キムの父親は、ハンチュコヴァのコーチーもしたことのあるベテランコーチ。二人は2005年のUS Openで知り合いました。テニス環境に育ったキムはアンディーのよき理解者であったことはいうまでもありません。アンディーがキムを情熱的に追いかけた結果、アンディーの努力が報われて一年後の2006年から二人はステディーな仲となりました。

キムはWAG*と呼ばれる女性のタイプではなく、ブライトン大学の英文学を専攻する学生。将来は出版関係のキャリアを目指している、言ってみれば普通の真面目な女の子。アンディーが車の運転免許をとるまで運転手をつとめ、ウィンブルドンの間は洗濯、食事を担当。そしてあのむさくるしかったヘアをカットさせたのもキム。

1987年12月生まれですから5月生まれのアンディーとは7ヶ月若いまだ学生気分の抜けないキムですが、歳のわりに落ち着いたキムによって心の安らぎが得られたマリーは、彼女の存在が自分にとってどれだけ重要であるか、今までインタービューで強調してきました。アンディーとキムは、将来結婚して幸せな家庭をもつことに誰もが疑わない、いわば理想的なカップルだったのです。

(*WAGはWives And Girlfriendsの略で、有名なアスリートの妻やガールフレンドに代表される女性をさします。多くはトップモデルのように美しくファショナブルな女性たちのことで、派手好きでメディアに登場することをのぞむ目立ちたがり屋のイメージが強く、言ってみればインテリジェンスに欠ける軽い女性といったニュアンスがあります。)

キムとアンディーとの仲に陰がさしてきたのは今年の6月だと言われています。これはアンディーが地元のウィンブルドンで必死に戦っているときです。二人の不仲の原因はマリーのプレーステーション3だと言われていますが、元コーチだったギルバートは、「アンディーは一日7時間もゲームをやっている」と言っているように、ビデオゲームに夢中なことは知られていました。

(アンディーが中毒症状を起こしているのは、テニスのビデオゲームとCall of Dutyだそうです)

ウィンブルドンの大会中は、アンディーは自宅から通っていましたので、このときにキムは毎日山のような洗濯物や食事の用意をしている傍ら、ゲームに夢中になっているアンディーにムカッときたのかもしれません。いくら大会中でストレス解消が必要といっても、アンディーにとって自分の存在がどういうものであるのか?疑問に思い始めたのでしょう。

普段はなかなか一緒に生活することがほとんどありませんので、この期間の初めての本格的な同居生活で、「こんなはずじゃなかった」とキムは後悔しはじめたのかもしれません。二人に異性関係がなかったことからも、ビデオゲームが原因だとは、現代の若者の関係を象徴する破綻の結末でした。

マスコミもアンディーファンからも愛されていたキムを失ってしまった傷心のアンディーは、12月からマイアミに戻って来シーズンにむけて本格的トレーニングに入ります。



それにしても二人が飼い始めた愛犬マギーはどうなるのでしょう? 豪邸にポツンと残されてしまったマギー(?)キムとアンディーの破局で最大の被害者となったのはマギーでした。(涙)

マギーの写真:
http://www.dailymail.co.uk/femail/article-1030163/Pictured-Marathon-man-Murray-hand-hand-stunning-girlfriend.html




投稿者 Tennisnakama  00:15 | コメント(0)| トラックバック(0)

サフィンよりも僕を応援してほしい

またダヴィデンコ(ダビデンコ)の話ですみません。しかし調べれば調べるほど、彼はイメージとのギャップがあって面白い素材なのです。

ギルバートの予言的中
実は元アガシのコーチのブラッド・ギルバートがダヴィデンコのロンドン優勝を10月にすでに予言していました。さすが伝説の名コーチと言われるだけ読みが深い! 以下のコメントをtennisweek.comに書いています。ダヴィデンコがナダルを7-6, 6-3で上海優勝した直後です。
http://bradgilbert.tennisweek.com/

「最初にダヴィデンコを知ったのは2001年のときだった。(この時のダヴィデンコは70番台をウロウロ) このときは彼のサイズから、ダヴィデンコはせいぜい登れても20位くらいにの選手だと思っていた。これは僕の大きな誤算だったよ。

28歳でオフェンスのテニスをやるダヴィデンコは、フォアとバックの両方のストロークがプロ選手の中でも最強の一人だ。これは彼のサイズから言って驚異的なことだ。このままいけばロンドンのファイナルズのチャンピオンになれると思う。」

例え上海で優勝したからと言って、まさかダヴィデンコがロンドン大会のチャンピオンになるとは、誰も予想していなかったというか、予想する記事は見つかりませんでしたので、この記事を読んだときは、まあ資料としてとっておこうといった軽い気持ちだったのです。

ダヴィデンコがナダルを完敗させたのは、この上海の前にも2008年のマイアミ決勝がありました。あの試合も衝撃的でした。

サフィンはもう終わったんだ。今度は僕の番
ダヴィデンコは10月18日に上海優勝した直後、モスクワ大会に出場するために、その足ですぐモスクワへ飛びました。しかし初戦の対戦相手は何とサフィン。BBCのインタービューでサフィンに対する冗談半分のコメントが面白いのです。

「モスクワ大会は残念だったよ。上海で優勝したから、僕はロシアでは有名になっていると思っていた。きっと多くの人が僕を応援してくれると思っていたんだ。この大会は僕にとってとても大切な試合だったからね。でも観客の8割がマラットを応援しているんだ。これにはちょっとがっかりしたよ。どれだけマラットが皆に愛されていて、彼のテニスをエンジョイしているのか思い知らされた。

もうマラットは今年で終わりなんだからさ。ロシアはこれからは僕を応援してほしいよ。ホント。」

今までは「僕は人気なんかいらないよ。僕は試合に勝ってお金を貯めて・・・」と負け惜しみを言っていた彼でしたが、いつまでたってもスーパースターのサフィンにはかなわない。本音をこんなにスラーっといってのけるなんて、なかなかかわいいところがあります。

名がちょっとは知られるようになったかな
「ロンドンでは誰一人として僕にサインを頼む人はいなかった。(これは嘘です。サインを頼まれているところをみましたから。しかし他の選手にくらべれば、かなり少なかったのでしょうね。)皆フェデラーナダルに注目していたからね。僕は彼らのように有名にはなりたくないけど、でも優勝したから、これからロンドンではちょっとだけど、ほんのちょっとだけど、名前が知られるようになったかなあ。そうだと嬉しいな。」

誰も人気者でありたいと思うのは自然なこと。地味な外見と、無表情のマシーンのようなテニスのために、人気がなかなか得られなかったダヴィデンコでしたが、ロンドンの優勝で一躍脚光を浴びたダヴィデンコは、有名になった嬉しさが隠しきれないみたいです。その無邪気さがいいですね。

こんなに自分の気持ちを正直にいえるなんて、ダヴィデンコは素敵です。あんなに魅力的なイリアーナに思いっきり愛されている理由がここにあるのですね。

調べてみましたが、一度もジャパンオープンに来ていない! 彼はすでに28歳。引退する前にぜひ一度は日本に来てほしいですね。よし!そのために皆でダヴィデンコ来日招聘運動を起こさねば。

僕は走るのが嫌い
2009年6月1日

(Hammer_Kさんからいただいたリンクで面白いインタービュー記事がありましたのでご紹介いたします。http://bit.ly/WDh8V)

【憧れた選手は?】
レンドル。 彼はベストだよ。

【テニス以外で好きなスポーツは?】
釣り。頭を使うシンプルなエンターテイメントだけど、自分にとってはスポーツ。10キロもあるバラクーダを釣ったこともあるよ。

【トレーニングで一番嫌いなエクササイズは?】
走るのが嫌い。

【テニス界で一番仲が良いのは誰?】
イゴール・アンドレエフ。デビスカップのダブルスパートナーだし、いい奴だよ。

【テニスではどこを改善したい?】
体を強くしたいしもっと安定したプレーがしたい。ナダルみたいに!

【寝る前にいつもすることは?】
テレビを観る。ロシアのチャンネルかな。

【最高だったコンサートは?】
アブダビでのニュー・イヤー・パーティで、プレゼンテーションの後にシャキーラのパフォーマンスがあったんだ。最高だったよ。

【ミュージックプレーヤーにはどんな曲を入れてる?】
ScorpionsやBeckなど。ハウスやポピュラーなソングのリミックスも好きだ。

【ダブルスを組むなら誰?】
妻。バケーションのときに組んだことがある。上手くはないけど、ほかの女性をパートナーに選んだら問題だろうね。 (ウフフ。 ダヴィデンコは賢明です)

【ファーストキスはいつ?】
昔のことだから覚えていない。 (上手な逃げ方です)

【2008年で一番好きだった映画は?】
The Transporter

【映画で共演するなら誰?】
The Transporter に主演したJason Statham。

【最近、賞金で買った一番高いものは?】
うん、分からないけど。買い物は妻の役目。そのために僕はまだテニスをやリ続けてる。(冗談っぽいですが、半分真実かも)

【ATPツアーの中で一番のイケメンは誰?】
うん、皆いい奴だからね。フェデラーナダルなんかも。でも一番のイケメンというとフェリシアーノ・ロペス。みんな彼のことをハンサムだと思ってる。青い目にカーリーヘア・・・

(よくダヴィデンコをみれば、整った顔立ちでハンサムなんです。アガシも若はげに悩んで、カツラをしながら試合をしたと告白していますが、もしダヴィデンコがアガシのようにフサフサとしたブロンドのカツラをつければ・・・? ここからの想像は皆様にまかせます。)
投稿者 Tennisnakama  16:58 | コメント(0)| トラックバック(0)

ダヴィデンコはプレーステーション

デルポトロがダヴィデンコ(ダビデンコ)に完敗してしまいました。試合が終わった後、ベンチに座ったデルポトロの目に悔し涙が。しかしこの決勝は誰の目にもダヴィデンコが圧倒的に強かった。

夫はテニスをやり始めたばかりの初心者。その彼が横でごちゃごちゃと感想をのべながら観戦していましたが、彼の目にも明らか。つまりこの試合は作戦を分析する以前の問題でした。ダヴィデンコが強すぎました。

どのレベルにおいても優っていたダヴィデンコ。メンタル、サーヴ、正確なストローク、ネットプレーを含む多角的な作戦。数多くの卓越したテニスのなかで、最大の勝因は「高速フットワーク」と「相手に時間を与えないオンザライズライズのショット」だったと思います。瞬時にヒッティングゾーンに入れる足の速さは驚異的でした。デルポトロの反応が遅いと感じるほど。

特に急停止、急発車、急方向転換のすべての動作が抜群に速い。これは小柄で軽量であることの大きな利点です。この利点を最大限にいかしたのがダヴィデンコでした。

以前にパトリック・ラフターに「日本人がトッププレーヤーになるには?」という質問をしたことがありますが、彼はフットワークを強調していました。小さくて軽いということは、俊敏な動作ができる大きな利点です。ラフターの意見を見事に証明したのがダヴィデンコでした。

(ラフターから質問の答えをもらっているのですが、なかなか掲載できておりません。間もなくまとめてアップする予定です。)

昨日、優勝後のダヴィデンコの記者会見『僕はサフィンじゃないよ』をご紹介しましたが、今日は負けてしまったデルポトロを紹介します。ダヴィデンコがどのようにすばらしいテニスをしたか? デルポトロの言葉です。

2009年11月29日
ロンドン・ワールドツアー・ファイナルズ
デルポトロ記者会見
Davydenko def Del Potro: 6-3, 6-4

Q:今日の決勝についてどう思いますか?

デルポトロ:シーズン最後のトーナメントで、ダヴィデンコという偉大なチャンピオンが決まった。僕はもっと向上しなくてはならないけれど、彼は僕よりずっとうまくプレーしたよ。

Q:決勝でもフットフォルトをとられ、サーヴを失いましたが、このフットフォルトは重要でしたか?

デルポトロ:もちろんさ。ブレークされてしまった。 僕が本当にやったのか、やっていないのか、僕は分からないけれど。ソダーリングのときも、フェデラーのときもとられ、同じラインジャッジだったから。

(デルポがごにょごにょとアンパイアに話かけていたのは、このフットフォルトのことでした。)

Q:そのあとまた赤ちゃんの鳴き声で邪魔されましたね。

デルポトロ:多分赤ちゃんには僕たちの試合が退屈だったんだろうね。(笑)

Q:ダヴィデンコのテニスのクウォリティーについてはどう思いますか?

デルポトロ: Oh, he's very strong. 彼は速くてプレーステーションみたいだ。(笑)コートの隅々まで走りまくるから、彼からウィナーをとるのはむずかしい。彼はすごいチャンピオンだよ。多分誰も今の彼を倒すことができないんじゃないかな。

(プレーステーションとはぴったりの表現でした。デルポはビデオゲームが大好きですが、まるで自分がビデオゲームと戦っているような気分だったのでは? それほどダヴィデンコの動きは非人間的に速かった。)

Q:今は5位ですが、4位との差があまりありませんね。(245ポイントのみ)来年の予想は?

デルポトロ:いろんな点を向上させること。サーヴやフォアハンドを向上させて、好い感じをつかむことができて、ゲームの主導権をとれるようにしたい。これまでマリー、ジョコヴィッチ、フェデラーナダルといったすごい選手たちと戦ってきたので、どのようにやればよいかが分かってきた。

ムムム! I know the way to work. 頼もしいデルポの言葉です。デルポトロが最強4に食い込むことができるか?もしそうなれば誰が5位に転落してしまうのか? 

しかしダヴィデンコが7位から6位に上がってきました。もしダヴィデンコがこの調子を維持することができれば、5位の地位も遠くないはず。そうすると、来年は今年のような最強4ではなく、最強6の混戦時代。ますますテニスが面白くなってきました。

決勝のハイライトです





ロンドン決勝の実況解説

第1セット
第2ゲーム(1-0)デルポS(サーヴ):
ちょっと緊張気味のデルポですが、最後にエースできめました。この集中力が出てい間は大丈夫。

第3ゲーム(1-1)ダヴィS:
しかしダヴィも負けじと最初からエース。攻撃のテンポが相変わらず速いダヴィはフォアのクロスでウィナーを決めました。デルポはチャンスボールをフォアでロングにしてしまい、かなり緊張しています。エネルギーもなく体の動きが固いのはデルポです。

第4ゲーム(2-1)デルポS:
ヴォレー合戦。デルポは目の前のダヴィのスマッシュをよけないで受けています。これはガッツがありますが危ない!しかし体の正面にラケット面を合わせてとりました。さすが。デルポがエースです。ラリーの後、ダヴィがまたフォアのクロスのウィナー。デルポがアウトしてしまってBP(ブレークポイント)です。ギアを上げなければデルポはブレークされてしまいます。ここでデルポはお得意のフォアのインサイドアウトのウィナーでBPをセーヴしました。しかし2度のデルポのエラーで、ついにブレークされてしまいました。

何か主審に文句を言っているようです。多分ある特定のラインジャッジに問題があるみたい。(フットフォルトのコールがされて、それを不満にデルポがプロテストしているのでしょうか。)

第5ゲーム(3-1)ダヴィS:
デルポをブレークしたダヴィは正確なショットでまるでマシーンのようです。エラーなし。デルポはイライラしています。もっと落ち着かなければエラーが増える一方。

第6ゲーム(4-1)デルポS:
デルポのショットが短い。反対にダヴィはコート全面を使ったショット。左右前後にデルポを振ります。デルポがやっとお得意のフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。しかしまだまだ自信のない打ち方にみえるデルポです。どうも体に向かってくるボディーショットが打ち返せない。

第7ゲーム(4-2)ダヴィS:
ダヴィのダブルフォルトで30-40のBP しかしデルポが後ろに下がりすぎて、デフェンステニスでブレークチャンスを逃します。このポジションからは、ダヴィのワイドショットがとれません。デルポがウィナーを狙ってネット。焦っているのか勝ち急ぎが目立ちます。ダヴィが長いラリーのあと見事なフォアのダウンザラインで決めました。

第8ゲーム(5-2)デルポS:
フォアやバックのパワーヒットに自信がないのか、デルポがアグレッシヴに攻められず気持ちが守りです。ショットも守り。反対にダヴィは攻撃の手をゆるめず、対戦相手に時間を与えないオンザライズライズで、デルポのハードヒットを打ち返してしまう。これではデルポはどう攻めてよいのかわからない。ダヴィの信じられないバックの超クロスのウィナー。しかしデルポが少しづつギアをアップしはじめ、やっとネットでバックのスマッシュのウィナーでブレークを逃れました。

第9ゲーム(5-3)ダヴィS:
ダヴィのサーヴは1stサーヴの得点率が89%と非常に高く、デルポがブレークするのが至難の技。40-0でダヴィが簡単にサーヴィスゲームをホールドして第1セットをとりました。

第2セット
第1ゲーム(0-0)デルポS:
どうしてもラインに近いきわどいショットが打てずダヴィに返球されてしまうデルポ。やっとエースです。しかしドロップショットが甘くダヴィに取られてしまいます。ダヴィの足を過小評価してはいけません。

第2ゲーム(0-1)ダヴィS:
ダヴィはネットダッシュでデルポにプレッシャーを与えます。ダヴィのマルチ作戦。やっと出ました!デルポのあのロケット弾のウィナーです。深いポジションからフォアのインサイドアウトのウィナー!このショットがフェデラーを破ったショットです。今度は151kmのフォア。ここからデルポはもっとフリーに振り切れるか?

第3ゲーム(1-1)デルポS:
固さがとれてきたデルポにウィナーが出始めました。その結果ダヴィにプレッシャーがかかってきたのか、ダヴィにめずらしくエラーが。400でデルポはサーヴィスゲームをホールド。モメンタムがデルポにシフトするか?

第4ゲーム(1-2)ダヴィS:
アガシのコーチだったケイヒルが解説しているので、アガシの新しい本について会話に花が咲いています。ダヴィのサーヴは崩れる気配なし。

第5ゲーム(2-2)デルポS:
ダヴィがさかんにネットダッシュしてヴォレーできれいに決めています。このパターンをデルポが見習えばもっと強くなるのに。ダヴィはサイドラインを狙って、スーパフォアハンドが決まります。3040BP しかしBPになるといつもデルポは集中できてエースかサーヴィスウィナーをとることができるのはさすがです。しかしそのあとが問題。ホッとしたのか集中力が散漫になりデルポはエラー。またBP。そしてまたエース。 

エースでいつもBPを免れる集中力があるのなら、なぜ普段にこのエースをいれない?

デルポは最後はベースラインぎりぎりに落ちたダヴィのショットを、バックハンドのハーフヴォレーでウィナー。見事!やっとブレークポイントを免れました。しかしこのインテンシティーを保ち続けることができるか?

第6ゲーム(2-3)ダヴィS:
デルポのフットワークが、ダヴィのダウンザラインの速攻で鈍くみえます。どうしても間に合わない。ダヴィはがんがんと両サイドラインを攻めてデルポを走らせ、エラーを誘っています。ダヴィのポイントはほとんどがサイドライン上という異常な正確さ。しかしダヴィはアグレッシヴすぎてエラーが連続してBP

今まで入っていた不可能なダヴィのショットがわずかながらはずれてきました。これでやっと人間らしくなってきたダヴィのショットです。またBP しかしデルポはエラーでBPをとれない!絶望的な表情で天を仰ぐデルポ。

第7ゲーム(3-3)デルポS:
せっかくのBPを逃してしまったデルポ。しかし焦らず40-0の強いサーヴィスゲームで簡単にホールドしました。

第8ゲーム(3-4)ダヴィS:
エラーが増え危うくブレークされそうになったダヴィは、今までのようなきわどい攻めを減らし40-0。逆にデルポはウィナー狙いでアグレッシヴに攻め始めます。しかしその分エラーも増えてきて攻守のバランスがむずかしい。

第9ゲーム(4-4)デルポS:
ダヴィが振り子のように左右に確実に放つショットをデルポが返球できない。0-40デルポがネットダッシュをはかるが、これもパッシングショットで水の泡。デルポはどうしてよいかわからない。ダヴィに完全に主導権を握られもてあそばれている感じ。

第10ゲーム(5-4)ダヴィS:
ダヴィの一方的な試合になって終わってしまうのか? ダヴィがエースです。優勝を目前に固くなる気配のないダヴィ。やっとデルポが武器のフォアでウィナーをとりました。デルポの方が固くバックハンドがアウトしてしまいます。ダヴィはまたもやエースで4015のマッチポイント! 最後にデルポがネットして、バンザーイ!と両手をあげて狂喜するダヴィデンコ! ストレートでダヴィデンコの優勝です!

ダヴィの妻IrinaがTVのカメラに投げキッス。最近ちょっと太り気味ですが、なかなかチャーミングです。ダヴィが終始主導権を握り、一方的な試合に終わった決勝でした。デルポの目に涙が。自分のテニスができなかった悔いがデルポを襲います。

No.1のフェデラーを倒し、フェデラーを倒したデルポトロに勝って優勝したダヴィデンコは、世界中にメッセージを送りました。「テニスはサイズじゃない!」彼のこの優勝によってどれだけの選手が力づけられたことでしょう。日本人選手も頑張ろう! サイズは言い訳です。



記者会見
http://www.barclaysatpworldtourfinals.com/News/Tennis/2009/Interviews/Finals-Final-del-Potro.aspx

投稿者 Tennisnakama  00:10 | コメント(0)| トラックバック(0)