2009年12月01日
ダヴィデンコはプレーステーション
デルポトロがダヴィデンコ(ダビデンコ)に完敗してしまいました。試合が終わった後、ベンチに座ったデルポトロの目に悔し涙が。しかしこの決勝は誰の目にもダヴィデンコが圧倒的に強かった。
夫はテニスをやり始めたばかりの初心者。その彼が横でごちゃごちゃと感想をのべながら観戦していましたが、彼の目にも明らか。つまりこの試合は作戦を分析する以前の問題でした。ダヴィデンコが強すぎました。
どのレベルにおいても優っていたダヴィデンコ。メンタル、サーヴ、正確なストローク、ネットプレーを含む多角的な作戦。数多くの卓越したテニスのなかで、最大の勝因は「高速フットワーク」と「相手に時間を与えないオンザライズライズのショット」だったと思います。瞬時にヒッティングゾーンに入れる足の速さは驚異的でした。デルポトロの反応が遅いと感じるほど。
特に急停止、急発車、急方向転換のすべての動作が抜群に速い。これは小柄で軽量であることの大きな利点です。この利点を最大限にいかしたのがダヴィデンコでした。
以前にパトリック・ラフターに「日本人がトッププレーヤーになるには?」という質問をしたことがありますが、彼はフットワークを強調していました。小さくて軽いということは、俊敏な動作ができる大きな利点です。ラフターの意見を見事に証明したのがダヴィデンコでした。
(ラフターから質問の答えをもらっているのですが、なかなか掲載できておりません。間もなくまとめてアップする予定です。)
昨日、優勝後のダヴィデンコの記者会見『僕はサフィンじゃないよ』をご紹介しましたが、今日は負けてしまったデルポトロを紹介します。ダヴィデンコがどのようにすばらしいテニスをしたか? デルポトロの言葉です。
2009年11月29日
ロンドン・ワールドツアー・ファイナルズ
デルポトロ記者会見
Davydenko def Del Potro: 6-3, 6-4
Q:今日の決勝についてどう思いますか?
デルポトロ:シーズン最後のトーナメントで、ダヴィデンコという偉大なチャンピオンが決まった。僕はもっと向上しなくてはならないけれど、彼は僕よりずっとうまくプレーしたよ。
Q:決勝でもフットフォルトをとられ、サーヴを失いましたが、このフットフォルトは重要でしたか?
デルポトロ:もちろんさ。ブレークされてしまった。 僕が本当にやったのか、やっていないのか、僕は分からないけれど。ソダーリングのときも、フェデラーのときもとられ、同じラインジャッジだったから。
(デルポがごにょごにょとアンパイアに話かけていたのは、このフットフォルトのことでした。)
Q:そのあとまた赤ちゃんの鳴き声で邪魔されましたね。
デルポトロ:多分赤ちゃんには僕たちの試合が退屈だったんだろうね。(笑)
Q:ダヴィデンコのテニスのクウォリティーについてはどう思いますか?
デルポトロ: Oh, he's very strong. 彼は速くてプレーステーションみたいだ。(笑)コートの隅々まで走りまくるから、彼からウィナーをとるのはむずかしい。彼はすごいチャンピオンだよ。多分誰も今の彼を倒すことができないんじゃないかな。
(プレーステーションとはぴったりの表現でした。デルポはビデオゲームが大好きですが、まるで自分がビデオゲームと戦っているような気分だったのでは? それほどダヴィデンコの動きは非人間的に速かった。)
Q:今は5位ですが、4位との差があまりありませんね。(245ポイントのみ)来年の予想は?
デルポトロ:いろんな点を向上させること。サーヴやフォアハンドを向上させて、好い感じをつかむことができて、ゲームの主導権をとれるようにしたい。これまでマリー、ジョコヴィッチ、フェデラー、ナダルといったすごい選手たちと戦ってきたので、どのようにやればよいかが分かってきた。
ムムム! I know the way to work. 頼もしいデルポの言葉です。デルポトロが最強4に食い込むことができるか?もしそうなれば誰が5位に転落してしまうのか?
しかしダヴィデンコが7位から6位に上がってきました。もしダヴィデンコがこの調子を維持することができれば、5位の地位も遠くないはず。そうすると、来年は今年のような最強4ではなく、最強6の混戦時代。ますますテニスが面白くなってきました。
ロンドン決勝の実況解説
第1セット:
第2ゲーム(1-0)デルポS(サーヴ):
ちょっと緊張気味のデルポですが、最後にエースできめました。この集中力が出てい間は大丈夫。
第3ゲーム(1-1)ダヴィS:
しかしダヴィも負けじと最初からエース。攻撃のテンポが相変わらず速いダヴィはフォアのクロスでウィナーを決めました。デルポはチャンスボールをフォアでロングにしてしまい、かなり緊張しています。エネルギーもなく体の動きが固いのはデルポです。
第4ゲーム(2-1)デルポS:
ヴォレー合戦。デルポは目の前のダヴィのスマッシュをよけないで受けています。これはガッツがありますが危ない!しかし体の正面にラケット面を合わせてとりました。さすが。デルポがエースです。ラリーの後、ダヴィがまたフォアのクロスのウィナー。デルポがアウトしてしまってBP(ブレークポイント)です。ギアを上げなければデルポはブレークされてしまいます。ここでデルポはお得意のフォアのインサイドアウトのウィナーでBPをセーヴしました。しかし2度のデルポのエラーで、ついにブレークされてしまいました。
何か主審に文句を言っているようです。多分ある特定のラインジャッジに問題があるみたい。(フットフォルトのコールがされて、それを不満にデルポがプロテストしているのでしょうか。)
第5ゲーム(3-1)ダヴィS:
デルポをブレークしたダヴィは正確なショットでまるでマシーンのようです。エラーなし。デルポはイライラしています。もっと落ち着かなければエラーが増える一方。
第6ゲーム(4-1)デルポS:
デルポのショットが短い。反対にダヴィはコート全面を使ったショット。左右前後にデルポを振ります。デルポがやっとお得意のフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。しかしまだまだ自信のない打ち方にみえるデルポです。どうも体に向かってくるボディーショットが打ち返せない。
第7ゲーム(4-2)ダヴィS:
ダヴィのダブルフォルトで30-40のBP しかしデルポが後ろに下がりすぎて、デフェンステニスでブレークチャンスを逃します。このポジションからは、ダヴィのワイドショットがとれません。デルポがウィナーを狙ってネット。焦っているのか勝ち急ぎが目立ちます。ダヴィが長いラリーのあと見事なフォアのダウンザラインで決めました。
第8ゲーム(5-2)デルポS:
フォアやバックのパワーヒットに自信がないのか、デルポがアグレッシヴに攻められず気持ちが守りです。ショットも守り。反対にダヴィは攻撃の手をゆるめず、対戦相手に時間を与えないオンザライズライズで、デルポのハードヒットを打ち返してしまう。これではデルポはどう攻めてよいのかわからない。ダヴィの信じられないバックの超クロスのウィナー。しかしデルポが少しづつギアをアップしはじめ、やっとネットでバックのスマッシュのウィナーでブレークを逃れました。
第9ゲーム(5-3)ダヴィS:
ダヴィのサーヴは1stサーヴの得点率が89%と非常に高く、デルポがブレークするのが至難の技。40-0でダヴィが簡単にサーヴィスゲームをホールドして第1セットをとりました。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)デルポS:
どうしてもラインに近いきわどいショットが打てずダヴィに返球されてしまうデルポ。やっとエースです。しかしドロップショットが甘くダヴィに取られてしまいます。ダヴィの足を過小評価してはいけません。
第2ゲーム(0-1)ダヴィS:
ダヴィはネットダッシュでデルポにプレッシャーを与えます。ダヴィのマルチ作戦。やっと出ました!デルポのあのロケット弾のウィナーです。深いポジションからフォアのインサイドアウトのウィナー!このショットがフェデラーを破ったショットです。今度は151kmのフォア。ここからデルポはもっとフリーに振り切れるか?
第3ゲーム(1-1)デルポS:
固さがとれてきたデルポにウィナーが出始めました。その結果ダヴィにプレッシャーがかかってきたのか、ダヴィにめずらしくエラーが。400でデルポはサーヴィスゲームをホールド。モメンタムがデルポにシフトするか?
第4ゲーム(1-2)ダヴィS:
元アガシのコーチだったケイヒルが解説しているので、アガシの新しい本について会話に花が咲いています。ダヴィのサーヴは崩れる気配なし。
第5ゲーム(2-2)デルポS:
ダヴィがさかんにネットダッシュしてヴォレーできれいに決めています。このパターンをデルポが見習えばもっと強くなるのに。ダヴィはサイドラインを狙って、スーパフォアハンドが決まります。3040BP しかしBPになるといつもデルポは集中できてエースかサーヴィスウィナーをとることができるのはさすがです。しかしそのあとが問題。ホッとしたのか集中力が散漫になりデルポはエラー。またBP。そしてまたエース。
エースでいつもBPを免れる集中力があるのなら、なぜ普段にこのエースをいれない?
デルポは最後はベースラインぎりぎりに落ちたダヴィのショットを、バックハンドのハーフヴォレーでウィナー。見事!やっとブレークポイントを免れました。しかしこのインテンシティーを保ち続けることができるか?
第6ゲーム(2-3)ダヴィS:
デルポのフットワークが、ダヴィのダウンザラインの速攻で鈍くみえます。どうしても間に合わない。ダヴィはがんがんと両サイドラインを攻めてデルポを走らせ、エラーを誘っています。ダヴィのポイントはほとんどがサイドライン上という異常な正確さ。しかしダヴィはアグレッシヴすぎてエラーが連続してBP
今まで入っていた不可能なダヴィのショットがわずかながらはずれてきました。これでやっと人間らしくなってきたダヴィのショットです。またBP しかしデルポはエラーでBPをとれない!絶望的な表情で天を仰ぐデルポ。
第7ゲーム(3-3)デルポS:
せっかくのBPを逃してしまったデルポ。しかし焦らず40-0の強いサーヴィスゲームで簡単にホールドしました。
第8ゲーム(3-4)ダヴィS:
エラーが増え危うくブレークされそうになったダヴィは、今までのようなきわどい攻めを減らし40-0。逆にデルポはウィナー狙いでアグレッシヴに攻め始めます。しかしその分エラーも増えてきて攻守のバランスがむずかしい。
第9ゲーム(4-4)デルポS:
ダヴィが振り子のように左右に確実に放つショットをデルポが返球できない。0-40デルポがネットダッシュをはかるが、これもパッシングショットで水の泡。デルポはどうしてよいかわからない。ダヴィに完全に主導権を握られもてあそばれている感じ。
第10ゲーム(5-4)ダヴィS:
ダヴィの一方的な試合になって終わってしまうのか? ダヴィがエースです。優勝を目前に固くなる気配のないダヴィ。やっとデルポが武器のフォアでウィナーをとりました。デルポの方が固くバックハンドがアウトしてしまいます。ダヴィはまたもやエースで4015のマッチポイント! 最後にデルポがネットして、バンザーイ!と両手をあげて狂喜するダヴィデンコ! ストレートでダヴィデンコの優勝です!
ダヴィの妻IrinaがTVのカメラに投げキッス。最近ちょっと太り気味ですが、なかなかチャーミングです。ダヴィが終始主導権を握り、一方的な試合に終わった決勝でした。デルポの目に涙が。自分のテニスができなかった悔いがデルポを襲います。
No.1のフェデラーを倒し、フェデラーを倒したデルポトロに勝って優勝したダヴィデンコは、世界中にメッセージを送りました。「テニスはサイズじゃない!」彼のこの優勝によってどれだけの選手が力づけられたことでしょう。日本人選手も頑張ろう! サイズは言い訳です。
記者会見
http://www.barclaysatpworldtourfinals.com/News/Tennis/2009/Interviews/Finals-Final-del-Potro.aspx
夫はテニスをやり始めたばかりの初心者。その彼が横でごちゃごちゃと感想をのべながら観戦していましたが、彼の目にも明らか。つまりこの試合は作戦を分析する以前の問題でした。ダヴィデンコが強すぎました。
どのレベルにおいても優っていたダヴィデンコ。メンタル、サーヴ、正確なストローク、ネットプレーを含む多角的な作戦。数多くの卓越したテニスのなかで、最大の勝因は「高速フットワーク」と「相手に時間を与えないオンザライズライズのショット」だったと思います。瞬時にヒッティングゾーンに入れる足の速さは驚異的でした。デルポトロの反応が遅いと感じるほど。
特に急停止、急発車、急方向転換のすべての動作が抜群に速い。これは小柄で軽量であることの大きな利点です。この利点を最大限にいかしたのがダヴィデンコでした。
以前にパトリック・ラフターに「日本人がトッププレーヤーになるには?」という質問をしたことがありますが、彼はフットワークを強調していました。小さくて軽いということは、俊敏な動作ができる大きな利点です。ラフターの意見を見事に証明したのがダヴィデンコでした。
(ラフターから質問の答えをもらっているのですが、なかなか掲載できておりません。間もなくまとめてアップする予定です。)
昨日、優勝後のダヴィデンコの記者会見『僕はサフィンじゃないよ』をご紹介しましたが、今日は負けてしまったデルポトロを紹介します。ダヴィデンコがどのようにすばらしいテニスをしたか? デルポトロの言葉です。
2009年11月29日
ロンドン・ワールドツアー・ファイナルズ
デルポトロ記者会見
Davydenko def Del Potro: 6-3, 6-4
Q:今日の決勝についてどう思いますか?
デルポトロ:シーズン最後のトーナメントで、ダヴィデンコという偉大なチャンピオンが決まった。僕はもっと向上しなくてはならないけれど、彼は僕よりずっとうまくプレーしたよ。
Q:決勝でもフットフォルトをとられ、サーヴを失いましたが、このフットフォルトは重要でしたか?
デルポトロ:もちろんさ。ブレークされてしまった。 僕が本当にやったのか、やっていないのか、僕は分からないけれど。ソダーリングのときも、フェデラーのときもとられ、同じラインジャッジだったから。
(デルポがごにょごにょとアンパイアに話かけていたのは、このフットフォルトのことでした。)
Q:そのあとまた赤ちゃんの鳴き声で邪魔されましたね。
デルポトロ:多分赤ちゃんには僕たちの試合が退屈だったんだろうね。(笑)
Q:ダヴィデンコのテニスのクウォリティーについてはどう思いますか?
デルポトロ: Oh, he's very strong. 彼は速くてプレーステーションみたいだ。(笑)コートの隅々まで走りまくるから、彼からウィナーをとるのはむずかしい。彼はすごいチャンピオンだよ。多分誰も今の彼を倒すことができないんじゃないかな。
(プレーステーションとはぴったりの表現でした。デルポはビデオゲームが大好きですが、まるで自分がビデオゲームと戦っているような気分だったのでは? それほどダヴィデンコの動きは非人間的に速かった。)
Q:今は5位ですが、4位との差があまりありませんね。(245ポイントのみ)来年の予想は?
デルポトロ:いろんな点を向上させること。サーヴやフォアハンドを向上させて、好い感じをつかむことができて、ゲームの主導権をとれるようにしたい。これまでマリー、ジョコヴィッチ、フェデラー、ナダルといったすごい選手たちと戦ってきたので、どのようにやればよいかが分かってきた。
ムムム! I know the way to work. 頼もしいデルポの言葉です。デルポトロが最強4に食い込むことができるか?もしそうなれば誰が5位に転落してしまうのか?
しかしダヴィデンコが7位から6位に上がってきました。もしダヴィデンコがこの調子を維持することができれば、5位の地位も遠くないはず。そうすると、来年は今年のような最強4ではなく、最強6の混戦時代。ますますテニスが面白くなってきました。
決勝のハイライトです
ロンドン決勝の実況解説
第1セット:
第2ゲーム(1-0)デルポS(サーヴ):
ちょっと緊張気味のデルポですが、最後にエースできめました。この集中力が出てい間は大丈夫。
第3ゲーム(1-1)ダヴィS:
しかしダヴィも負けじと最初からエース。攻撃のテンポが相変わらず速いダヴィはフォアのクロスでウィナーを決めました。デルポはチャンスボールをフォアでロングにしてしまい、かなり緊張しています。エネルギーもなく体の動きが固いのはデルポです。
第4ゲーム(2-1)デルポS:
ヴォレー合戦。デルポは目の前のダヴィのスマッシュをよけないで受けています。これはガッツがありますが危ない!しかし体の正面にラケット面を合わせてとりました。さすが。デルポがエースです。ラリーの後、ダヴィがまたフォアのクロスのウィナー。デルポがアウトしてしまってBP(ブレークポイント)です。ギアを上げなければデルポはブレークされてしまいます。ここでデルポはお得意のフォアのインサイドアウトのウィナーでBPをセーヴしました。しかし2度のデルポのエラーで、ついにブレークされてしまいました。
何か主審に文句を言っているようです。多分ある特定のラインジャッジに問題があるみたい。(フットフォルトのコールがされて、それを不満にデルポがプロテストしているのでしょうか。)
第5ゲーム(3-1)ダヴィS:
デルポをブレークしたダヴィは正確なショットでまるでマシーンのようです。エラーなし。デルポはイライラしています。もっと落ち着かなければエラーが増える一方。
第6ゲーム(4-1)デルポS:
デルポのショットが短い。反対にダヴィはコート全面を使ったショット。左右前後にデルポを振ります。デルポがやっとお得意のフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。しかしまだまだ自信のない打ち方にみえるデルポです。どうも体に向かってくるボディーショットが打ち返せない。
第7ゲーム(4-2)ダヴィS:
ダヴィのダブルフォルトで30-40のBP しかしデルポが後ろに下がりすぎて、デフェンステニスでブレークチャンスを逃します。このポジションからは、ダヴィのワイドショットがとれません。デルポがウィナーを狙ってネット。焦っているのか勝ち急ぎが目立ちます。ダヴィが長いラリーのあと見事なフォアのダウンザラインで決めました。
第8ゲーム(5-2)デルポS:
フォアやバックのパワーヒットに自信がないのか、デルポがアグレッシヴに攻められず気持ちが守りです。ショットも守り。反対にダヴィは攻撃の手をゆるめず、対戦相手に時間を与えないオンザライズライズで、デルポのハードヒットを打ち返してしまう。これではデルポはどう攻めてよいのかわからない。ダヴィの信じられないバックの超クロスのウィナー。しかしデルポが少しづつギアをアップしはじめ、やっとネットでバックのスマッシュのウィナーでブレークを逃れました。
第9ゲーム(5-3)ダヴィS:
ダヴィのサーヴは1stサーヴの得点率が89%と非常に高く、デルポがブレークするのが至難の技。40-0でダヴィが簡単にサーヴィスゲームをホールドして第1セットをとりました。
第2セット:
第1ゲーム(0-0)デルポS:
どうしてもラインに近いきわどいショットが打てずダヴィに返球されてしまうデルポ。やっとエースです。しかしドロップショットが甘くダヴィに取られてしまいます。ダヴィの足を過小評価してはいけません。
第2ゲーム(0-1)ダヴィS:
ダヴィはネットダッシュでデルポにプレッシャーを与えます。ダヴィのマルチ作戦。やっと出ました!デルポのあのロケット弾のウィナーです。深いポジションからフォアのインサイドアウトのウィナー!このショットがフェデラーを破ったショットです。今度は151kmのフォア。ここからデルポはもっとフリーに振り切れるか?
第3ゲーム(1-1)デルポS:
固さがとれてきたデルポにウィナーが出始めました。その結果ダヴィにプレッシャーがかかってきたのか、ダヴィにめずらしくエラーが。400でデルポはサーヴィスゲームをホールド。モメンタムがデルポにシフトするか?
第4ゲーム(1-2)ダヴィS:
元アガシのコーチだったケイヒルが解説しているので、アガシの新しい本について会話に花が咲いています。ダヴィのサーヴは崩れる気配なし。
第5ゲーム(2-2)デルポS:
ダヴィがさかんにネットダッシュしてヴォレーできれいに決めています。このパターンをデルポが見習えばもっと強くなるのに。ダヴィはサイドラインを狙って、スーパフォアハンドが決まります。3040BP しかしBPになるといつもデルポは集中できてエースかサーヴィスウィナーをとることができるのはさすがです。しかしそのあとが問題。ホッとしたのか集中力が散漫になりデルポはエラー。またBP。そしてまたエース。
エースでいつもBPを免れる集中力があるのなら、なぜ普段にこのエースをいれない?
デルポは最後はベースラインぎりぎりに落ちたダヴィのショットを、バックハンドのハーフヴォレーでウィナー。見事!やっとブレークポイントを免れました。しかしこのインテンシティーを保ち続けることができるか?
第6ゲーム(2-3)ダヴィS:
デルポのフットワークが、ダヴィのダウンザラインの速攻で鈍くみえます。どうしても間に合わない。ダヴィはがんがんと両サイドラインを攻めてデルポを走らせ、エラーを誘っています。ダヴィのポイントはほとんどがサイドライン上という異常な正確さ。しかしダヴィはアグレッシヴすぎてエラーが連続してBP
今まで入っていた不可能なダヴィのショットがわずかながらはずれてきました。これでやっと人間らしくなってきたダヴィのショットです。またBP しかしデルポはエラーでBPをとれない!絶望的な表情で天を仰ぐデルポ。
第7ゲーム(3-3)デルポS:
せっかくのBPを逃してしまったデルポ。しかし焦らず40-0の強いサーヴィスゲームで簡単にホールドしました。
第8ゲーム(3-4)ダヴィS:
エラーが増え危うくブレークされそうになったダヴィは、今までのようなきわどい攻めを減らし40-0。逆にデルポはウィナー狙いでアグレッシヴに攻め始めます。しかしその分エラーも増えてきて攻守のバランスがむずかしい。
第9ゲーム(4-4)デルポS:
ダヴィが振り子のように左右に確実に放つショットをデルポが返球できない。0-40デルポがネットダッシュをはかるが、これもパッシングショットで水の泡。デルポはどうしてよいかわからない。ダヴィに完全に主導権を握られもてあそばれている感じ。
第10ゲーム(5-4)ダヴィS:
ダヴィの一方的な試合になって終わってしまうのか? ダヴィがエースです。優勝を目前に固くなる気配のないダヴィ。やっとデルポが武器のフォアでウィナーをとりました。デルポの方が固くバックハンドがアウトしてしまいます。ダヴィはまたもやエースで4015のマッチポイント! 最後にデルポがネットして、バンザーイ!と両手をあげて狂喜するダヴィデンコ! ストレートでダヴィデンコの優勝です!
ダヴィの妻IrinaがTVのカメラに投げキッス。最近ちょっと太り気味ですが、なかなかチャーミングです。ダヴィが終始主導権を握り、一方的な試合に終わった決勝でした。デルポの目に涙が。自分のテニスができなかった悔いがデルポを襲います。
No.1のフェデラーを倒し、フェデラーを倒したデルポトロに勝って優勝したダヴィデンコは、世界中にメッセージを送りました。「テニスはサイズじゃない!」彼のこの優勝によってどれだけの選手が力づけられたことでしょう。日本人選手も頑張ろう! サイズは言い訳です。
記者会見
http://www.barclaysatpworldtourfinals.com/News/Tennis/2009/Interviews/Finals-Final-del-Potro.aspx
投稿者 Tennisnakama 00:10 | コメント(0)| トラックバック(0)
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