2009年12月05日
ナダルが圧勝
Twitterでデ杯決勝を実況しています。NY時間で朝の10時に始まりましたが2試合が終わったのは夕方の5時40分。何と私は7時間40分もキーをたたき解説をしていたことになります。指はしびれるは目はかすんでくるはで、集中力と体力の限界への挑戦となりました。
テレビで観戦できなかったテニスファンの皆様に、お粗末な解説ですが楽しんでいただければ幸いです。
2009年12月4日
Davis Cup Final スペインvsチェコ
Nadal def Berdych: 7-5, 6-0, 6-2
ナダルはスペイン国旗カラー、赤の地に黄色のラインの入ったシャツに白のショーツで登場です。バンダナがまたすごい。赤の地にセンターが大きな黄色の正方形にナイキのロゴが。何とも趣味の悪いナイキを象徴するデザインです。ベルディッチはブルーのシャツに赤のショーツ。これもどぎついのですが赤と青はチェコの国旗色だから仕方がないのかも知れません。
二人の対戦成績はナダルの5勝3敗。クレーはナダルの得意なサーフェス。2007年以来ナダルは4連勝していますので、心理的にはホームゲームの利点も手伝ってナダルが有利。もしロンドンの3連敗の悪夢を忘れることができれば、ナダルの勝利が間違いなし。
バルセロナの現地時間4時。始まったばかりで観客はまだ3分の2くらいの入り。しかし切符は売り切れていますので、これからどんどん入ってくるのでしょうね。チェコのテニス協会は1500席をまとめて買ったとか。チェコ応援団は白地のシャツ。スペインは赤のシャツ。笛や太鼓ですでに雰囲気が盛り上がって試合が開始されました。
第1セット
第1ゲーム(0-0):ベルディッチS(サーヴ)
ベルディッチがフォアをネットにひっかけてすでに30-40BP 緊張しています。あの炸裂するフォアがまだ打てないベルディッチが振り切れないでまたもやフォアがネットに。ブレークされてしまいました。
第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ベルディッチがバックハンドのダウンザライン(日本ではストレート)でウィナーを決めました。このショットはすごい武器。このショットでナダルが振り回されそう。ナダルのファオが2度アウトしまいBP(ブレークポイント)となりますが、セーヴして40-40が続きます。ナダルのフォアもバックの不安定でなかなか決まらない。
ベルディッチがネットダッシュ。ヴォレーをベースラインに落としブレークバックとなりました。どうもナダルの自信なさそうなショットが気になります。
第3ゲーム(1-1)ベルディッチS:
クレーですからホークアイなし。ベルディッチの打ったショットがベースラインに。この判定にナダルはちょっと不服そう。ベルディッチの調子が上がり、例の炸裂フォアでナダルを攻めます。ベルディッチの1stサーヴは73%で好調
第4ゲーム(1-2)ナダルS:
ナダルの1stサーヴは69%で悪くはありませんが、2ndサーヴの得点率が100%ですばらしい。ワイドに切れるナダルの2ndサーヴがベルディッチがとれません。40-0でナダルの強いサーヴィスゲーム。
第5ゲーム(2-2)ベルディッチS:ベルディッチがすべてバックハンドで右に左にとナダルを振ります。実にすばらしいバックハンドが両コーナーを。最後はネットダッシュでベルディッチがナダルにプレッシャーを与えてうまい組み立て。しかしベルディッチのファオにエラーが出てきました。
第6ゲーム(2-3)ナダルS:
ナダルが初めてのダブルフォルト。うん。ナダルがディフェンスすぎて、ベルディッチのパワーヒットに苦戦しています。ベルディッチの不安定なファオを攻めてエラーを誘いますが、ベルディッチがまたバックのダウンザラインでBP(ブレークポイント)に。ナダルが危ない。
しかしナダルがエースでBPを免れました。この肝心なポイントでエースが打てるナダルのサーヴは格段の進歩です。せっかくのブレークチャンスをベルディッチは2度ネットにひっかけて見逃してしまいました。肝心なときにポイントがとれない、いつものベルディッチのメンタルの弱点が出ています。
第7ゲーム(3-3)ベルディッチS:
ベルディッチもナダルもベースライナーでラリーの応酬。ネットで処理できるチャンスを二人とも生かさずもったいないゲーム展開。ベルディッチは超ワイドサーヴで2度のサーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。
第8ゲーム(3-4)ナダルS:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーを!そしてまたダウンザライン。このショットが入るようになるとナダルは強い。40-0ベルディッチが弱気(?)になってきた時点でモメンタムがシフト。ナダルが俄然アグレッシヴに。
第9ゲーム(4-4)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしてヴォレーで決めました。サーヴがよいのでネットで処理をするようになれば、ベルディッチのサーヴィスゲームは崩れません。ベルディッチはナダルのショートボールを前進して叩いてウィナーに。
第10ゲーム(4-5)ナダルS:
ベルディッチはナダルのショートボールをフォアのインサイドアウト(日本では逆クロス)でウィナーをとりました。ナダルはまだショートボールを打っています。ベルディッチはベースラインから下がらず、前進するアグレッシヴなプレー。ナダルが少しでもショートボールを打つと叩けるポジションです。緊張したラリーが続きます。
第11ゲーム(5-5)ベルディッチS:
ナダルのフォアのダウンザラインのウィナーが見事に決まりました。懐かしいナダルのショットです。ベルディッチはセンターからファオのインサイドアウトにウィナー。このショットをとられないためにもナダルはディープに打たねば。
ベルディッチのステップが逆方向でカウンターできません。これでBP しかしナダルのバックハンドがワイドに大きくそれて40-40に。ナダルが2ndリターン(2ndサーヴのリターンのこと)のウィナーをとりました。今までリターンウィナーを狙うことのなかったナダルにしてはアグレッシヴな攻撃です。
ベルディッチも負けじ。フォアのダウンザラインでウィナーです。高レベルのテニスが展開します。ベルディッチがドロップショット。しかしナダルに読まれて失敗。BPとなりました。ベルディッチのフォアがロングしてナダルはブレークに成功!ベルディッチは急に守りのショットになってしまったよう。ショットに切れがみられません。
第12ゲーム(6-5)ナダルS:
ベルディッチをブレークしたナダルは、センターからフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。バモース!と拳を握ってパンプアップ!会場が笛や太鼓で大騒ぎです!40-15 セットポイントです。ベルディッチがネットしてナダルが第1セットをとりました!
会場の応援をバックに、モメンタムがナダルにシフトしてしまったような第1セットでした。ベルディッチは自分を信じてアグレッシヴに攻めなければ、このまま押されてしまいます。これからはどれだけベルディッチがメンタルの強さをみせられるかが見所。
第2セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしますが、ナダルがベースラインから3mも離れたところから、フォアのダウンザラインのパッシングショットのウィナーをとりました。どんどん強気になっていくナダル。0-40のBP ベルディッチがネットしてブレークされてしまいます!
第2ゲーム(1-0)ナダルS:
すでにブレークしたナダルはループボールを混ぜながらベルディッチを撹乱。ナダルはサイドライン上に狙うリスキーなショットが入り出しアグレッシヴに攻めます。ベルディッチも負けじ。2ndリターンエースでBPです。ベルディッチはナダルをブレークできるか? できない!
第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
せっかくのブレークチャンスを失ってしまったベルディッチ。このゲームをみていても、なぜ彼がトップ5に入れないのかわかります。肝心なところでポイントがとれない。ナダルの勢いは止まるところがなく、ウィナーに続くウィナー!
もう完全に固くなってしまって振り切れないベルディッチ。フォアのエラーで最悪なシナリオ15-40のBP ショットにもベルディッチの弱気が反映してネット。これでダブルブレーク。ここから這い上がるにはまずサーヴでウィナーをとるしかない。
第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチのフットワークが鈍い。メンタルが硬直。ナダルはリズムにのって超快調。本当に久しぶりにみる自信満々のナダルはやはりナダルらしい。最後はナダルはエースです。
第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
多分ベルディッチは試合前から「僕はどうせナダルに勝てないのだから」という気持ちがあったのでは。3割くらいは勝てるかなあといった気持ちでプレーしているような感じがします。ベルディッチは焦りすぎてエラーが連続して1540のBP ベーグルになってしまいそうな気配。
第6ゲーム(5-0)ナダルS:
ナダルはベルディッチを完全にシャットアウトし、実力の半分も出せないでいます。さすがKing of Clayです。ベルディッチはこのゲームを捨てる覚悟でアグレッシヴに攻めるしかない。ナダルのリズムを崩すことが先決。しかしエラーが気になりアグレッシヴになれないベルディッチ。ナダルは最後にエースをとって第2セットはベーグル勝利です。
サーフェスの違いでこれだけナダルが蘇るとは。ロンドンではさかんにサーフェスが原因で勝てないとこぼしていましたが、まるで水をえた魚のように気持ちよく泳ぐナダル。
第3セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチが勝つにはまずサーヴでイージーポイントを取ること。ナダルをサーヴィスゲームでやっつけてプレッシャーを与えるしかありません。しかしリターンがよいナダルに対してそれがなかなか実現できない状態。
まずい!ベルディッチはダブルフォルトでBP 固くてあのビッグサーヴも決まらない。ナダルはフォアの超クロスがサイドライン上に。ベルディッチはとれず。このアングルショットが出したナダルは全盛期のナダルを彷彿させます。ナダルが蘇った!ベルディッチをブレークしました!
第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ナダルはすでにベルディッチをブレークして余裕があります。2ndサーヴでもエースがでます。40-0 これからベルディッチが挽回するのはほとんど不可能な状況で、ベルディッチはどうしてよいのか分からない。
第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
自信がなくラケットを擦りすぎるベルディッチ。いわゆるpenetrating shotと呼ばれる勢いのあるショットがみられない。0-40で絶対絶命のベルディッチはまたブレークされてしまいました。残酷。
第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチの名誉のためにもダブルベーグルは絶対あってはなりません。でも体が固くて振り切れない。一発ウィナーがとれればこの地獄から這い上がれるのに・・・しかし粘って3040のBPです。ここでナダルをブレークできるか? しかしナダルがエース!
ブレークポイントでエースが出せるナダルはチャンピオンのメンタリティー十分。ベルディッチはどうしてネットに来ない? ベースラインのラリーではナダルに勝てない!またもやブレークチャンスを逃してしまったベルディッチ。
第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
ベルディッチが粘り始めました。ナダルのエラーも手伝って40-15 最後はサーヴィスウィナーでホールド。これでベーグルは免れましたが、どうしてもナダルをブレークできない。肝心のポイントでエラーしてしまうのです。どうしてもベルディッチがトップ選手になれない理由がここにあります。
デルポトロが言ってましたが、肝心なときにポイントがとれるかとれないかは鍛錬して習得できるものではなく、生まれ持ったものだとか。私もそう思います。生まれもった性格は変えられない。
第7ゲーム(5-1)ベルディッチS:
やっとネットダッシュで決めたベルディッチ。前からやっていればこんな結果にはならなかったはず。しかしウィナーを打つときに固くなりエラーをしてしまうベルディッチ。しかし最後はネットダッシュでサーヴィスゲームをホールドしました。エラーをおかしてもよいからネットに来てナダルにプレッシャーを与える必要があります。このままだと全くナダルはプレッシャーなしで自由に振り切ってます。
第8ゲーム(5-2)ナダルS:
満員の会場。応援団がうるさくて楽しい。これくらい自由に応援できればテニスももっと楽しいのに。ナダルがめずらしくネットダッシュしましたが、パッシングショットがとれません。ネットダッシュの意味は一つはポイントを得る。もう一つは相手にプレッシャーを与える。失敗をしてもネットにくる意味がここにあります。
ナダルはサーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)をとりました。本当にナダルのサーヴはうまくなりました。しかもナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーでマッチポイントです!40-15 ヴォレーで決めてナダルの勝利です!
スペインが7-5、6-0、6-2で1勝を上げました。デ杯で負ければナダルのカムバックはますますむずかしいものとなっただけに、この圧倒的な勝利はナダルにとっては最高の自信回復薬となりました。
「これで一勝できたので嬉しい。次の試合(フェレールvsステパネック)もとれると随分楽になる。第1セットで自信が得られたので、第2セットからはラインを狙っていけた。」とナダルの勝利の言葉です。
この試合はまさにナダルの理想的なカムバックとなりました。ベルディッチがまるで200番台レベルの選手にみえてしまうほど、ナダルはみごとにベルディッチの実力を封じて完勝です。
自信とサーフェスがいかに選手にとって大切なものかを知りました。ナダルは膝や背中の具合もよさそうです。久しぶりにダイナミックで生き生きとしたナダルテニスが観れて幸せでした。
テレビで観戦できなかったテニスファンの皆様に、お粗末な解説ですが楽しんでいただければ幸いです。
2009年12月4日
Davis Cup Final スペインvsチェコ
Nadal def Berdych: 7-5, 6-0, 6-2
ナダルはスペイン国旗カラー、赤の地に黄色のラインの入ったシャツに白のショーツで登場です。バンダナがまたすごい。赤の地にセンターが大きな黄色の正方形にナイキのロゴが。何とも趣味の悪いナイキを象徴するデザインです。ベルディッチはブルーのシャツに赤のショーツ。これもどぎついのですが赤と青はチェコの国旗色だから仕方がないのかも知れません。
二人の対戦成績はナダルの5勝3敗。クレーはナダルの得意なサーフェス。2007年以来ナダルは4連勝していますので、心理的にはホームゲームの利点も手伝ってナダルが有利。もしロンドンの3連敗の悪夢を忘れることができれば、ナダルの勝利が間違いなし。
バルセロナの現地時間4時。始まったばかりで観客はまだ3分の2くらいの入り。しかし切符は売り切れていますので、これからどんどん入ってくるのでしょうね。チェコのテニス協会は1500席をまとめて買ったとか。チェコ応援団は白地のシャツ。スペインは赤のシャツ。笛や太鼓ですでに雰囲気が盛り上がって試合が開始されました。
第1セット
第1ゲーム(0-0):ベルディッチS(サーヴ)
ベルディッチがフォアをネットにひっかけてすでに30-40BP 緊張しています。あの炸裂するフォアがまだ打てないベルディッチが振り切れないでまたもやフォアがネットに。ブレークされてしまいました。
第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ベルディッチがバックハンドのダウンザライン(日本ではストレート)でウィナーを決めました。このショットはすごい武器。このショットでナダルが振り回されそう。ナダルのファオが2度アウトしまいBP(ブレークポイント)となりますが、セーヴして40-40が続きます。ナダルのフォアもバックの不安定でなかなか決まらない。
ベルディッチがネットダッシュ。ヴォレーをベースラインに落としブレークバックとなりました。どうもナダルの自信なさそうなショットが気になります。
第3ゲーム(1-1)ベルディッチS:
クレーですからホークアイなし。ベルディッチの打ったショットがベースラインに。この判定にナダルはちょっと不服そう。ベルディッチの調子が上がり、例の炸裂フォアでナダルを攻めます。ベルディッチの1stサーヴは73%で好調
第4ゲーム(1-2)ナダルS:
ナダルの1stサーヴは69%で悪くはありませんが、2ndサーヴの得点率が100%ですばらしい。ワイドに切れるナダルの2ndサーヴがベルディッチがとれません。40-0でナダルの強いサーヴィスゲーム。
第5ゲーム(2-2)ベルディッチS:ベルディッチがすべてバックハンドで右に左にとナダルを振ります。実にすばらしいバックハンドが両コーナーを。最後はネットダッシュでベルディッチがナダルにプレッシャーを与えてうまい組み立て。しかしベルディッチのファオにエラーが出てきました。
第6ゲーム(2-3)ナダルS:
ナダルが初めてのダブルフォルト。うん。ナダルがディフェンスすぎて、ベルディッチのパワーヒットに苦戦しています。ベルディッチの不安定なファオを攻めてエラーを誘いますが、ベルディッチがまたバックのダウンザラインでBP(ブレークポイント)に。ナダルが危ない。
しかしナダルがエースでBPを免れました。この肝心なポイントでエースが打てるナダルのサーヴは格段の進歩です。せっかくのブレークチャンスをベルディッチは2度ネットにひっかけて見逃してしまいました。肝心なときにポイントがとれない、いつものベルディッチのメンタルの弱点が出ています。
第7ゲーム(3-3)ベルディッチS:
ベルディッチもナダルもベースライナーでラリーの応酬。ネットで処理できるチャンスを二人とも生かさずもったいないゲーム展開。ベルディッチは超ワイドサーヴで2度のサーヴィスウィナーをとってゲームをホールドしました。
第8ゲーム(3-4)ナダルS:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーを!そしてまたダウンザライン。このショットが入るようになるとナダルは強い。40-0ベルディッチが弱気(?)になってきた時点でモメンタムがシフト。ナダルが俄然アグレッシヴに。
第9ゲーム(4-4)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしてヴォレーで決めました。サーヴがよいのでネットで処理をするようになれば、ベルディッチのサーヴィスゲームは崩れません。ベルディッチはナダルのショートボールを前進して叩いてウィナーに。
第10ゲーム(4-5)ナダルS:
ベルディッチはナダルのショートボールをフォアのインサイドアウト(日本では逆クロス)でウィナーをとりました。ナダルはまだショートボールを打っています。ベルディッチはベースラインから下がらず、前進するアグレッシヴなプレー。ナダルが少しでもショートボールを打つと叩けるポジションです。緊張したラリーが続きます。
第11ゲーム(5-5)ベルディッチS:
ナダルのフォアのダウンザラインのウィナーが見事に決まりました。懐かしいナダルのショットです。ベルディッチはセンターからファオのインサイドアウトにウィナー。このショットをとられないためにもナダルはディープに打たねば。
ベルディッチのステップが逆方向でカウンターできません。これでBP しかしナダルのバックハンドがワイドに大きくそれて40-40に。ナダルが2ndリターン(2ndサーヴのリターンのこと)のウィナーをとりました。今までリターンウィナーを狙うことのなかったナダルにしてはアグレッシヴな攻撃です。
ベルディッチも負けじ。フォアのダウンザラインでウィナーです。高レベルのテニスが展開します。ベルディッチがドロップショット。しかしナダルに読まれて失敗。BPとなりました。ベルディッチのフォアがロングしてナダルはブレークに成功!ベルディッチは急に守りのショットになってしまったよう。ショットに切れがみられません。
第12ゲーム(6-5)ナダルS:
ベルディッチをブレークしたナダルは、センターからフォアのインサイドアウトでウィナーをとりました。バモース!と拳を握ってパンプアップ!会場が笛や太鼓で大騒ぎです!40-15 セットポイントです。ベルディッチがネットしてナダルが第1セットをとりました!
会場の応援をバックに、モメンタムがナダルにシフトしてしまったような第1セットでした。ベルディッチは自分を信じてアグレッシヴに攻めなければ、このまま押されてしまいます。これからはどれだけベルディッチがメンタルの強さをみせられるかが見所。
第2セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチはネットダッシュしますが、ナダルがベースラインから3mも離れたところから、フォアのダウンザラインのパッシングショットのウィナーをとりました。どんどん強気になっていくナダル。0-40のBP ベルディッチがネットしてブレークされてしまいます!
第2ゲーム(1-0)ナダルS:
すでにブレークしたナダルはループボールを混ぜながらベルディッチを撹乱。ナダルはサイドライン上に狙うリスキーなショットが入り出しアグレッシヴに攻めます。ベルディッチも負けじ。2ndリターンエースでBPです。ベルディッチはナダルをブレークできるか? できない!
第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
せっかくのブレークチャンスを失ってしまったベルディッチ。このゲームをみていても、なぜ彼がトップ5に入れないのかわかります。肝心なところでポイントがとれない。ナダルの勢いは止まるところがなく、ウィナーに続くウィナー!
もう完全に固くなってしまって振り切れないベルディッチ。フォアのエラーで最悪なシナリオ15-40のBP ショットにもベルディッチの弱気が反映してネット。これでダブルブレーク。ここから這い上がるにはまずサーヴでウィナーをとるしかない。
第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチのフットワークが鈍い。メンタルが硬直。ナダルはリズムにのって超快調。本当に久しぶりにみる自信満々のナダルはやはりナダルらしい。最後はナダルはエースです。
第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
多分ベルディッチは試合前から「僕はどうせナダルに勝てないのだから」という気持ちがあったのでは。3割くらいは勝てるかなあといった気持ちでプレーしているような感じがします。ベルディッチは焦りすぎてエラーが連続して1540のBP ベーグルになってしまいそうな気配。
第6ゲーム(5-0)ナダルS:
ナダルはベルディッチを完全にシャットアウトし、実力の半分も出せないでいます。さすがKing of Clayです。ベルディッチはこのゲームを捨てる覚悟でアグレッシヴに攻めるしかない。ナダルのリズムを崩すことが先決。しかしエラーが気になりアグレッシヴになれないベルディッチ。ナダルは最後にエースをとって第2セットはベーグル勝利です。
サーフェスの違いでこれだけナダルが蘇るとは。ロンドンではさかんにサーフェスが原因で勝てないとこぼしていましたが、まるで水をえた魚のように気持ちよく泳ぐナダル。
第3セット
第1ゲーム(0-0)ベルディッチS:
ベルディッチが勝つにはまずサーヴでイージーポイントを取ること。ナダルをサーヴィスゲームでやっつけてプレッシャーを与えるしかありません。しかしリターンがよいナダルに対してそれがなかなか実現できない状態。
まずい!ベルディッチはダブルフォルトでBP 固くてあのビッグサーヴも決まらない。ナダルはフォアの超クロスがサイドライン上に。ベルディッチはとれず。このアングルショットが出したナダルは全盛期のナダルを彷彿させます。ナダルが蘇った!ベルディッチをブレークしました!
第2ゲーム(1-0)ナダルS:
ナダルはすでにベルディッチをブレークして余裕があります。2ndサーヴでもエースがでます。40-0 これからベルディッチが挽回するのはほとんど不可能な状況で、ベルディッチはどうしてよいのか分からない。
第3ゲーム(2-0)ベルディッチS:
自信がなくラケットを擦りすぎるベルディッチ。いわゆるpenetrating shotと呼ばれる勢いのあるショットがみられない。0-40で絶対絶命のベルディッチはまたブレークされてしまいました。残酷。
第4ゲーム(3-0)ナダルS:
ベルディッチの名誉のためにもダブルベーグルは絶対あってはなりません。でも体が固くて振り切れない。一発ウィナーがとれればこの地獄から這い上がれるのに・・・しかし粘って3040のBPです。ここでナダルをブレークできるか? しかしナダルがエース!
ブレークポイントでエースが出せるナダルはチャンピオンのメンタリティー十分。ベルディッチはどうしてネットに来ない? ベースラインのラリーではナダルに勝てない!またもやブレークチャンスを逃してしまったベルディッチ。
第5ゲーム(4-0)ベルディッチS:
ベルディッチが粘り始めました。ナダルのエラーも手伝って40-15 最後はサーヴィスウィナーでホールド。これでベーグルは免れましたが、どうしてもナダルをブレークできない。肝心のポイントでエラーしてしまうのです。どうしてもベルディッチがトップ選手になれない理由がここにあります。
デルポトロが言ってましたが、肝心なときにポイントがとれるかとれないかは鍛錬して習得できるものではなく、生まれ持ったものだとか。私もそう思います。生まれもった性格は変えられない。
第7ゲーム(5-1)ベルディッチS:
やっとネットダッシュで決めたベルディッチ。前からやっていればこんな結果にはならなかったはず。しかしウィナーを打つときに固くなりエラーをしてしまうベルディッチ。しかし最後はネットダッシュでサーヴィスゲームをホールドしました。エラーをおかしてもよいからネットに来てナダルにプレッシャーを与える必要があります。このままだと全くナダルはプレッシャーなしで自由に振り切ってます。
第8ゲーム(5-2)ナダルS:
満員の会場。応援団がうるさくて楽しい。これくらい自由に応援できればテニスももっと楽しいのに。ナダルがめずらしくネットダッシュしましたが、パッシングショットがとれません。ネットダッシュの意味は一つはポイントを得る。もう一つは相手にプレッシャーを与える。失敗をしてもネットにくる意味がここにあります。
ナダルはサーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)をとりました。本当にナダルのサーヴはうまくなりました。しかもナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーでマッチポイントです!40-15 ヴォレーで決めてナダルの勝利です!
スペインが7-5、6-0、6-2で1勝を上げました。デ杯で負ければナダルのカムバックはますますむずかしいものとなっただけに、この圧倒的な勝利はナダルにとっては最高の自信回復薬となりました。
「これで一勝できたので嬉しい。次の試合(フェレールvsステパネック)もとれると随分楽になる。第1セットで自信が得られたので、第2セットからはラインを狙っていけた。」とナダルの勝利の言葉です。
この試合はまさにナダルの理想的なカムバックとなりました。ベルディッチがまるで200番台レベルの選手にみえてしまうほど、ナダルはみごとにベルディッチの実力を封じて完勝です。
自信とサーフェスがいかに選手にとって大切なものかを知りました。ナダルは膝や背中の具合もよさそうです。久しぶりにダイナミックで生き生きとしたナダルテニスが観れて幸せでした。
投稿者 Tennisnakama 14:40 | コメント(0)| トラックバック(0)
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