2009年11月24日
ナダルが勝つには?
いよいよナダルのソダーリングへのリヴェンジの時がやってきました。膝の故障があったとしても、今年の全仏でボロボロに負けてしまったあのショックは、ナダルファンでなくても記憶にあたらしいはず。二人の対戦成績はナダルの3勝1敗。しかしソダーリングはインドアでは圧倒的に強いと定評があります。 しかしロンドンのコートサーフェスは速くもなく遅くもなく。ナダルは気に入っているとか。
ナダルがソダーリングに勝つには?
(1)ソダリングのサーヴのリターンを浮かせない。
(2)ソダリングの炸裂するフォアハンドを打たせない。
(3)ダウンザラインを多くしラリーに変化をつける。
(4)ベースラインから下がらず、アタックを早めにアグレッシヴなテニス
ではソダリングがナダルに勝つには?
(1)ナダルを走らせリズムを与えない。
(2)ラリーを続けずワン・ツー・パンチで超アグレッシヴにナダルを叩く。
(3)サーヴ力で圧倒的なサーヴィスゲームを展開してナダルにプレッシャーを与える。
(4)アグレッシヴでありながらミスを少なくする。
試合を観た後に一番感じたことは、ソダーリングが全仏のような完璧な試合をしなくてもナダルに勝てたこと。ナダルは決してまずいテニスをしていないにも拘らず勝てなくなってきていること。
ベースラインから下がらずに打つ。サーヴでエースがとれる。スライスやループボールを使ってリズムを崩す。このようにナダルのテニスは進化しています。しかしこれだけでは勝てなくなってきています。他の選手も進化しているのです。
問題なのは、今まで何度も指摘している彼のストロークです。
ジョコヴィッチがナダルと戦ったパリのテニスを思い出してください。チャンスボールでなくても、ジョコヴィッチはあらゆるポジションからフラット系のウィナーを打っています。ここまでいかなくても、今日のナダルはチャンスボールでもウィナーがとれていません。ウィナーでなくても相手から浮いた球を打たすことができていない。
これはスピン過多で相手に追いつく時間を与えてしまっていること。そしてショットのパターンが単純で相手にショットを読まれてしまっていることが大きな原因だと思います。
いくらナダルがメンタルを発揮しても限界があります。もっとゲームの本質を知り、立体的なゲームを組み立てる必要があるのでは?
第2コーチを雇う
コーチトニーはコーチとして優れていても、決定的に足らないものがあります。それは選手としてメジャーなトーナメントに出場した経験がないことです。ナダルにコーチを替えよとはサジェストしませんが、今のナダルに足らないものは、テニスを大きな視点から把握するテニス観です。
ジョコヴィッチはトッド・マーティンが、マリーにはクレーの達人、コレッチャがついています。
適任者に第2コーチとしてツアーに参加してもらい、徹底的にナダルのテニスにメスを入れるときがきたのではないでしょうか。
記者会見が発表された時点で二人のインタービューを要約して追記します。
以下は実況解説です。
ソダーリングは黒一色のウェアで登場。次にナダルの登場です。会場はギャー!と大騒ぎ。やはりナダルはどこに行っても人気者です。いつものルーティンでボクシングのフットワークしたのち、ボトルを2本並べてネットへ。コイントスでナダルがレシーヴを選択しました。
今日のナダルは無地のグリーンのトップに無地の白ショーツ。やっとあの悪評の海パンから解放されて、何かよいことが起こりそうな予感がします。コーチトニーとナダルのお父さんの姿がみえます。でもお母さんの姿が見えなくなってしまったのは寂しく思います。
第1セット
第1ゲーム(0-0)ソダのサーヴ:(ソダはソダーリングです)
典型的なソダのサーヴィスゲームとなりました。ビッグサーヴです。ナダルの浮いたリターンを叩きました。エースをとって40-15。簡単にサーヴをホールドしました。それほど緊張した様子もなく好調なソダの出だしです。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ナダルは相変わらずスピンの多すぎるショットを打っています。高くバウンドした球はソダにとっては脅威とはならず、ソダにファオのインサイドアウトでウィナーをとられてしまいました。このパターンは全仏のパターンです。悪い予感がします。15-40ですでにナダルはブレークされてしまいました。やっぱり。
第3ゲーム(0-2)ソダのサーヴ:
ブレークしたソダは、余裕でさらにウィナーで狙ってきます。ナダルは相変わらず、ペースのないディフェンスのカウンターショットを打っています。どうもナダルは緊張しているのか元気がみられません。40-0でソダの完全ペースです。ナダルはミスをしてもよいので、ラリーを続けないでアタックしていかなければ、ソダの完全ペースになってしまう!
第4ゲーム(0-3)ナダルのサーヴ:
ナダルがネットダッシュを開始しました。コーナーを狙ったきわどいショットでソダのエラーを招きます。ようやくナダルの目が覚めました!ナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーを決めました。ナダルの攻撃テンポが速くなりました。最後はエースです!
第5ゲーム(1-3)ソダのサーヴ:
ソダはきわどいところを狙いすぎでウィナーのエラー。いつもソダに欠けるのはショットの安定性です。ソダのエラーで15-40 ブレークポイントをむかえます。ナダルのバックハンドのダウンザラインが効果を発揮しました。ウィナーではありませんが、ソダの態勢がくずれました。ナダルはブレークに成功。
第6ゲーム(2-3)ナダルのサーヴ:
ナダルがスライス、ショート、ディープ、といろんなショットを混ぜ始めました。そのためにソダのリズムが得られずエラーが続きます。40-0で最後はナダルのエースです。やっとナダルにエネルギーが戻ってきました。
第8ゲーム(3-4)ナダルのサーヴ:
ソダのバックハンドは確実なことに定評があり、ダウンザラインにウィナーを決めます。ソダのフォアのアングルクロスはナダルがとれません。超鋭角のアングルはすばらしい。しかしナダルも着実にポイントを入れ、また最後にナダルはエースでゲームをホールドしました。
第9ゲーム(4-4)ソダのサーヴ:
40-0 相変わらずソダのサーヴィスゲームは強い。しかし1stサーヴの確率はソダは54% ナダルは60%でソダの方が低いのですが、ポイントのとりかたがうまいのです。
第10ゲーム(4-5)ナダルのサーヴ:
ナダルがエースです。すでに4本のエースで今までになく多くのエースをとれるようになりました。サーヴの質が向上したナダルは、アグレッシヴにソダのバックを狙いサイドラインをアタックします。このアグレッシヴなナダルの影響を受けたのか、逆にエラーを恐れたソダはきわどいショットを避け、堅実ディフェンステニスになってきました。手堅くマッチポイントをとってソダがセットをとりました。
第1セットの後半は、ナダルがディフェンスからアグレッシヴに。ソダがアグレッシヴからディフェンスに。二人のテニスの攻守に変化が現れました。しかしナダルは勝ち急ぎでエラーが増え、2つのフォアのエラーでナダルはブレークを許してしまいました。ソダは最後はナダルのエラーを誘う堅実な攻守のバランスがとれたテニスで、確実にポイントをとって勝利です。
第2セット
第1ゲーム(0-0)ソダのサーヴ:
フォアのインサイドアウトで、ナダルはリターンエースをとりました。これは新しいアグレッシヴなナダルのリターンゲームです。セットを落としたナダルはディフェンスになることなく、アグレッシヴなテニスを続けようとしています。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ソダのバックハンドは確実ですが、ファオが狂いだしウィナーが打てなくなってきています。これではナダルは破れません。今のところソダはバックハンドでラリーをしながら、つなぐテニスをやっています。
第3ゲーム(1-1)ソダのサーヴ:
ソダは2度もダブルフォルトをおかしてしまいました。どうもソダの調子がおかしい。ブレークポイントです。ナダルはディフェンシヴなソダをネットで叩きブレークしました。ソダに集中力が欠けてきたのか、サーヴもダメ、フォアもダメとなってしまったソダは一体どうしたのでしょうか?
第4ゲーム(2-1)ナダルのサーヴ:
ブレークしたナダルがここでモメンタムを得ることができるか? しかしソダはリズムをナダルに与えることなく、積極的にナダルを攻めます。今までタイミングがとりにくかったフォアでしたが、強気でナダルをワイドにコートの外に追い出し、ネットで決めてブレークポイントです。0-40。しかしまだフォアに自信のもてないソダは甘いカウンターを繰り返します。ナダルはその甘いショットを攻め30-40まで挽回しました。しかしソダは崩れることなくナダルをブレーク。ソダのポイントのとり方がうまい。
第5ゲーム(2-2)ソダのサーヴ:
ナダルにモメンタムがシフトすることを頑固に拒んだソダは、アグレッシヴにナダルを攻撃します。しかしアグレッシヴになろうとすればエラーが増えるのは必然のこと。ナダルはソダのリズムを崩すため超スピンのループボールを。ソダは攻撃に出れません。ソダはネットダッシュしてヴォレーで決めようとしますが、ヴォレーミス。どうもソダのヴォレーは感心しません。脇が開いてしまっています。ソダはデュースを6回続けてやっとゲームをとりました。しかし1stサーヴは55%と低く、なかなかサーヴィスゲームがとれなくなってきています。
第6ゲーム(2-3)ナダルのサーヴ:
ナダルは今までのようなラリーを続けるのを止め、サイドラインを狙い始めた攻撃テニスを開始しました。ソダを左右に振って40-0。最後はエースです。ソダのサーヴィスゲームと違って、相手にポイントを与えない強いゲーム。なぜこのテニスを今までやらなかったのか?
第7ゲーム(3-3)ソダのサーヴ:
ソダはネットプレーに自信がないので、ナダルの浮いたボールをネットで片付けずに、後ずさりしてウィナーのチャンスを逃しています。もったいないテニスです。ネットプレーが向上すれば、トップ5に入ることができる可能性をもった選手だけに惜しい。
第8ゲーム(3-4)ナダルのサーヴ:
どうもナダルのショットが短い。ラリーを続けながら辛抱強くチャンスを待つソダ。ナダルは逆にアグレッシヴに攻撃をかけています。二人のテニスが似てきました。
第9ゲーム(4-4)ソダのサーヴ:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーでデュースへ。このパターンをナダルはもっと使うべきです。ダウンザラインが少なすぎます。ヴァリエーションを増やすことによって、ソダを惑わせ攻撃させないテニスをもっとやるべき。
第10ゲーム(4-5)ナダルのサーヴ:
ソダは固くならず勝ち急ぎもせず、堂々とナダルをブレークして第2セットを勝ちとりました。最後のマッチポイントはナダルのバックハンドのエラーです。どこで重要なポイントをとるか? ゲームの運び方が巧く、エラーを抑えたソダの勝利です。
(追記)今記者会見がアップされましたので要約します。
ナダルの記者会見
Q:今日の敗因は何だと思いますか?
ナダル:今日はそれほど自分のプレーが悪かったとは思わない。でも平静さがたりなかった。肝心のところでミスをしたり。ソダーリングにこのサーフェス(インドア)で勝つのはむずかしい。完全に冷静にプレーしなければ負けてしまう。
Q:今の自分に欠けているのは自信?それとも技術?
ナダル:今まで100回も言ってるように、休んだあとは自信に欠けていること。また冷静になれていないこと。この二つに欠けていると思うけど、自分の最高レベルに近づいてきているように思う。来年はきっとよいプレーができると思う。
Q:フィジカルの面では100%ですか?
ナダル:全く問題ないです。今年は休んだ期間が長かったので疲れていない。これは初めてなこと。だからシーズンが終わってしまうのが残念なくらい。この後にデ杯をやってマヨルカに帰って1ヶ月プラクティスをする予定。来年にはトップのコンディションでやれるようにね。
Q:ソダーリングに全仏のリヴェンジができなかったことについて。
ナダル:何度も言っているように僕はリヴェンジのためにプレーはしない。毎回試合は違うし、サーフェスも違う。僕は毎回ベストを尽くして戦うだけだ。ローランギャロスのことなど一瞬たりとも思ったことはないよ。
ソダーリングの記者会見
Q: ナダルとプレーする上でどこが好きですか?
ソダーリング:トップのプレーヤーと対戦するのは楽しい。ナダルとは何度か対戦しているけれど、いつもグッドマッチだった。
Q:今日のナダル戦について
ソダーリング:いつも初戦は緊張するからむずかしい。今日も少し緊張したけれど、よいスタートを切れたから助かった。最初はサーヴがよかったが、中盤でサーヴが悪くなってきた。でも最後にはサーヴがもどってきた。僕としてはよいマッチだったと思っている。
Q:ゲームが接近してタイトな瞬間がありましたが、冷静でしたね。これは向上した点ですか?
ソダーリング:今日は特にね。重要なときにポイントをとれたから。トップ選手と戦うときは特に大切なことだ。
Q:今日はクリーンなウィナーが多かったですね。
ソダーリング:今日はよく打てたと思う。ラファと戦うときは、ラリーを続けないで、できるだけショートにポイントをとることに心がけているので、今日はうまくいったと思っている。
ナダルがソダーリングに勝つには?
(1)ソダリングのサーヴのリターンを浮かせない。
(2)ソダリングの炸裂するフォアハンドを打たせない。
(3)ダウンザラインを多くしラリーに変化をつける。
(4)ベースラインから下がらず、アタックを早めにアグレッシヴなテニス
ではソダリングがナダルに勝つには?
(1)ナダルを走らせリズムを与えない。
(2)ラリーを続けずワン・ツー・パンチで超アグレッシヴにナダルを叩く。
(3)サーヴ力で圧倒的なサーヴィスゲームを展開してナダルにプレッシャーを与える。
(4)アグレッシヴでありながらミスを少なくする。
試合を観た後に一番感じたことは、ソダーリングが全仏のような完璧な試合をしなくてもナダルに勝てたこと。ナダルは決してまずいテニスをしていないにも拘らず勝てなくなってきていること。
ベースラインから下がらずに打つ。サーヴでエースがとれる。スライスやループボールを使ってリズムを崩す。このようにナダルのテニスは進化しています。しかしこれだけでは勝てなくなってきています。他の選手も進化しているのです。
問題なのは、今まで何度も指摘している彼のストロークです。
ジョコヴィッチがナダルと戦ったパリのテニスを思い出してください。チャンスボールでなくても、ジョコヴィッチはあらゆるポジションからフラット系のウィナーを打っています。ここまでいかなくても、今日のナダルはチャンスボールでもウィナーがとれていません。ウィナーでなくても相手から浮いた球を打たすことができていない。
これはスピン過多で相手に追いつく時間を与えてしまっていること。そしてショットのパターンが単純で相手にショットを読まれてしまっていることが大きな原因だと思います。
いくらナダルがメンタルを発揮しても限界があります。もっとゲームの本質を知り、立体的なゲームを組み立てる必要があるのでは?
第2コーチを雇う
コーチトニーはコーチとして優れていても、決定的に足らないものがあります。それは選手としてメジャーなトーナメントに出場した経験がないことです。ナダルにコーチを替えよとはサジェストしませんが、今のナダルに足らないものは、テニスを大きな視点から把握するテニス観です。
ジョコヴィッチはトッド・マーティンが、マリーにはクレーの達人、コレッチャがついています。
適任者に第2コーチとしてツアーに参加してもらい、徹底的にナダルのテニスにメスを入れるときがきたのではないでしょうか。
記者会見が発表された時点で二人のインタービューを要約して追記します。
以下は実況解説です。
ソダーリングは黒一色のウェアで登場。次にナダルの登場です。会場はギャー!と大騒ぎ。やはりナダルはどこに行っても人気者です。いつものルーティンでボクシングのフットワークしたのち、ボトルを2本並べてネットへ。コイントスでナダルがレシーヴを選択しました。
今日のナダルは無地のグリーンのトップに無地の白ショーツ。やっとあの悪評の海パンから解放されて、何かよいことが起こりそうな予感がします。コーチトニーとナダルのお父さんの姿がみえます。でもお母さんの姿が見えなくなってしまったのは寂しく思います。
第1セット
第1ゲーム(0-0)ソダのサーヴ:(ソダはソダーリングです)
典型的なソダのサーヴィスゲームとなりました。ビッグサーヴです。ナダルの浮いたリターンを叩きました。エースをとって40-15。簡単にサーヴをホールドしました。それほど緊張した様子もなく好調なソダの出だしです。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ナダルは相変わらずスピンの多すぎるショットを打っています。高くバウンドした球はソダにとっては脅威とはならず、ソダにファオのインサイドアウトでウィナーをとられてしまいました。このパターンは全仏のパターンです。悪い予感がします。15-40ですでにナダルはブレークされてしまいました。やっぱり。
第3ゲーム(0-2)ソダのサーヴ:
ブレークしたソダは、余裕でさらにウィナーで狙ってきます。ナダルは相変わらず、ペースのないディフェンスのカウンターショットを打っています。どうもナダルは緊張しているのか元気がみられません。40-0でソダの完全ペースです。ナダルはミスをしてもよいので、ラリーを続けないでアタックしていかなければ、ソダの完全ペースになってしまう!
第4ゲーム(0-3)ナダルのサーヴ:
ナダルがネットダッシュを開始しました。コーナーを狙ったきわどいショットでソダのエラーを招きます。ようやくナダルの目が覚めました!ナダルはフォアのインサイドアウトのウィナーを決めました。ナダルの攻撃テンポが速くなりました。最後はエースです!
第5ゲーム(1-3)ソダのサーヴ:
ソダはきわどいところを狙いすぎでウィナーのエラー。いつもソダに欠けるのはショットの安定性です。ソダのエラーで15-40 ブレークポイントをむかえます。ナダルのバックハンドのダウンザラインが効果を発揮しました。ウィナーではありませんが、ソダの態勢がくずれました。ナダルはブレークに成功。
第6ゲーム(2-3)ナダルのサーヴ:
ナダルがスライス、ショート、ディープ、といろんなショットを混ぜ始めました。そのためにソダのリズムが得られずエラーが続きます。40-0で最後はナダルのエースです。やっとナダルにエネルギーが戻ってきました。
第8ゲーム(3-4)ナダルのサーヴ:
ソダのバックハンドは確実なことに定評があり、ダウンザラインにウィナーを決めます。ソダのフォアのアングルクロスはナダルがとれません。超鋭角のアングルはすばらしい。しかしナダルも着実にポイントを入れ、また最後にナダルはエースでゲームをホールドしました。
第9ゲーム(4-4)ソダのサーヴ:
40-0 相変わらずソダのサーヴィスゲームは強い。しかし1stサーヴの確率はソダは54% ナダルは60%でソダの方が低いのですが、ポイントのとりかたがうまいのです。
第10ゲーム(4-5)ナダルのサーヴ:
ナダルがエースです。すでに4本のエースで今までになく多くのエースをとれるようになりました。サーヴの質が向上したナダルは、アグレッシヴにソダのバックを狙いサイドラインをアタックします。このアグレッシヴなナダルの影響を受けたのか、逆にエラーを恐れたソダはきわどいショットを避け、堅実ディフェンステニスになってきました。手堅くマッチポイントをとってソダがセットをとりました。
第1セットの後半は、ナダルがディフェンスからアグレッシヴに。ソダがアグレッシヴからディフェンスに。二人のテニスの攻守に変化が現れました。しかしナダルは勝ち急ぎでエラーが増え、2つのフォアのエラーでナダルはブレークを許してしまいました。ソダは最後はナダルのエラーを誘う堅実な攻守のバランスがとれたテニスで、確実にポイントをとって勝利です。
第2セット
第1ゲーム(0-0)ソダのサーヴ:
フォアのインサイドアウトで、ナダルはリターンエースをとりました。これは新しいアグレッシヴなナダルのリターンゲームです。セットを落としたナダルはディフェンスになることなく、アグレッシヴなテニスを続けようとしています。
第2ゲーム(0-1)ナダルのサーヴ:
ソダのバックハンドは確実ですが、ファオが狂いだしウィナーが打てなくなってきています。これではナダルは破れません。今のところソダはバックハンドでラリーをしながら、つなぐテニスをやっています。
第3ゲーム(1-1)ソダのサーヴ:
ソダは2度もダブルフォルトをおかしてしまいました。どうもソダの調子がおかしい。ブレークポイントです。ナダルはディフェンシヴなソダをネットで叩きブレークしました。ソダに集中力が欠けてきたのか、サーヴもダメ、フォアもダメとなってしまったソダは一体どうしたのでしょうか?
第4ゲーム(2-1)ナダルのサーヴ:
ブレークしたナダルがここでモメンタムを得ることができるか? しかしソダはリズムをナダルに与えることなく、積極的にナダルを攻めます。今までタイミングがとりにくかったフォアでしたが、強気でナダルをワイドにコートの外に追い出し、ネットで決めてブレークポイントです。0-40。しかしまだフォアに自信のもてないソダは甘いカウンターを繰り返します。ナダルはその甘いショットを攻め30-40まで挽回しました。しかしソダは崩れることなくナダルをブレーク。ソダのポイントのとり方がうまい。
第5ゲーム(2-2)ソダのサーヴ:
ナダルにモメンタムがシフトすることを頑固に拒んだソダは、アグレッシヴにナダルを攻撃します。しかしアグレッシヴになろうとすればエラーが増えるのは必然のこと。ナダルはソダのリズムを崩すため超スピンのループボールを。ソダは攻撃に出れません。ソダはネットダッシュしてヴォレーで決めようとしますが、ヴォレーミス。どうもソダのヴォレーは感心しません。脇が開いてしまっています。ソダはデュースを6回続けてやっとゲームをとりました。しかし1stサーヴは55%と低く、なかなかサーヴィスゲームがとれなくなってきています。
第6ゲーム(2-3)ナダルのサーヴ:
ナダルは今までのようなラリーを続けるのを止め、サイドラインを狙い始めた攻撃テニスを開始しました。ソダを左右に振って40-0。最後はエースです。ソダのサーヴィスゲームと違って、相手にポイントを与えない強いゲーム。なぜこのテニスを今までやらなかったのか?
第7ゲーム(3-3)ソダのサーヴ:
ソダはネットプレーに自信がないので、ナダルの浮いたボールをネットで片付けずに、後ずさりしてウィナーのチャンスを逃しています。もったいないテニスです。ネットプレーが向上すれば、トップ5に入ることができる可能性をもった選手だけに惜しい。
第8ゲーム(3-4)ナダルのサーヴ:
どうもナダルのショットが短い。ラリーを続けながら辛抱強くチャンスを待つソダ。ナダルは逆にアグレッシヴに攻撃をかけています。二人のテニスが似てきました。
第9ゲーム(4-4)ソダのサーヴ:
ナダルがフォアのダウンザラインのウィナーでデュースへ。このパターンをナダルはもっと使うべきです。ダウンザラインが少なすぎます。ヴァリエーションを増やすことによって、ソダを惑わせ攻撃させないテニスをもっとやるべき。
第10ゲーム(4-5)ナダルのサーヴ:
ソダは固くならず勝ち急ぎもせず、堂々とナダルをブレークして第2セットを勝ちとりました。最後のマッチポイントはナダルのバックハンドのエラーです。どこで重要なポイントをとるか? ゲームの運び方が巧く、エラーを抑えたソダの勝利です。
(追記)今記者会見がアップされましたので要約します。
ナダルの記者会見
Q:今日の敗因は何だと思いますか?
ナダル:今日はそれほど自分のプレーが悪かったとは思わない。でも平静さがたりなかった。肝心のところでミスをしたり。ソダーリングにこのサーフェス(インドア)で勝つのはむずかしい。完全に冷静にプレーしなければ負けてしまう。
Q:今の自分に欠けているのは自信?それとも技術?
ナダル:今まで100回も言ってるように、休んだあとは自信に欠けていること。また冷静になれていないこと。この二つに欠けていると思うけど、自分の最高レベルに近づいてきているように思う。来年はきっとよいプレーができると思う。
Q:フィジカルの面では100%ですか?
ナダル:全く問題ないです。今年は休んだ期間が長かったので疲れていない。これは初めてなこと。だからシーズンが終わってしまうのが残念なくらい。この後にデ杯をやってマヨルカに帰って1ヶ月プラクティスをする予定。来年にはトップのコンディションでやれるようにね。
Q:ソダーリングに全仏のリヴェンジができなかったことについて。
ナダル:何度も言っているように僕はリヴェンジのためにプレーはしない。毎回試合は違うし、サーフェスも違う。僕は毎回ベストを尽くして戦うだけだ。ローランギャロスのことなど一瞬たりとも思ったことはないよ。
ソダーリングの記者会見
Q: ナダルとプレーする上でどこが好きですか?
ソダーリング:トップのプレーヤーと対戦するのは楽しい。ナダルとは何度か対戦しているけれど、いつもグッドマッチだった。
Q:今日のナダル戦について
ソダーリング:いつも初戦は緊張するからむずかしい。今日も少し緊張したけれど、よいスタートを切れたから助かった。最初はサーヴがよかったが、中盤でサーヴが悪くなってきた。でも最後にはサーヴがもどってきた。僕としてはよいマッチだったと思っている。
Q:ゲームが接近してタイトな瞬間がありましたが、冷静でしたね。これは向上した点ですか?
ソダーリング:今日は特にね。重要なときにポイントをとれたから。トップ選手と戦うときは特に大切なことだ。
Q:今日はクリーンなウィナーが多かったですね。
ソダーリング:今日はよく打てたと思う。ラファと戦うときは、ラリーを続けないで、できるだけショートにポイントをとることに心がけているので、今日はうまくいったと思っている。
投稿者 Tennisnakama 04:11 | コメント(0)| トラックバック(0)
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