2009年11月18日
フェデラー:ナダルと僕はお互いに必要なんだ
昨日はナダルのインタービューを掲載して、彼の今まで知られなかった一面を紹介させていただきましたが、今日はフェデラーのインタービューを要約してみたいと思います。
フェデラーのインタービューの記事は、イギリスのサンデータイムズに11月15日に掲載されました。ナダルのスペイン紙のインタービューと時を同じくして掲載されたフェデラーの記事ですが、これも大変興味のあるインタービューとなっています。その一部を紹介します。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/columnists/paul_kimmage/article6917213.ece
フェデラー「勝ちたい」vs タイガー「負けたくない」
2007年にタイガーとナイキのCM撮りをやったときに、このシナリオができたんだ。タイガーはhate losing 僕はlove winning。最終ゴールは同じだけれどアスリートには二つのタイプがある。
僕はポジティヴなんだ。だからちょっとネガティヴなhate losingよりも、ポジティヴなlove winningの方が僕は好きだ。
子供の頃、ベッカーとエドバーグのウィンブルドンの決勝をみて感動した。ものすごく憧れたね。彼らのようになりたいと。でもそれが現実に実現するとは夢にも思わなかったよ。勝ち続けるということがいかにむずかしいかを知っていたからね。
(記者:マッケンローは次のように言っています。「ロジャーはどの点をとっても他の選手より優っている。特にテニスへの愛情は誰にもまさって純粋なものだ。そして彼はコートに行って練習したり、テニスにとりまかれていることをこよなく愛している。自分のようにテニスをやっているとき悪魔的にとりつかれたようなことはロジャーにはない。」)
限りなくポジティヴ
勝ちつづけること。ゲームを愛し続けること。この二つはとても大切なことだ。年中旅をしていて、さまざまなことを犠牲しなくてはならず、この二つを守り続けるのは本当に大変なことなんだ。旅をすることが苦痛になってくる。そこで僕は自分にポジティヴに考えようと誓ったんだ。
「旅を楽しもう。いろんな国を訪れて違った文化を学ぶことができる。テニス選手でなかったらできないことなのだから。」
ミルカも旅が好きだ。僕もだ。それじゃ二人で大いにエンジョイしようってね。70歳までこんな生活を続けるわけがないのだから、現在の与えられた機会を楽しもうってね。
ナダルについて:僕たちはお互いに必要な存在なんだ
(記者:マッケンローはまたフェデラーはライヴァル選手と仲がよいのに驚いてました。彼はレンデルやコナーズを嫌ってましたからね。だからあの二人(フェデラーとナダルは)理解できないと。)
僕自身驚いているんだ。ナダルと僕の仲はうまくいっているからね。僕は選手連盟の会長、ナダルは副会長でよく会っていろんな問題について話合う機会がある。
僕たちはテニスではしのぎを削るインテンシヴなライヴァル同士。ナダルのために僕は記録をのばせなかったし、僕のためにナダルは優勝を逸したことがあったのは事実だ。でも僕たちは、結果的には今の自分たちをつくりあげるために助け合ってきたと言える。
本当なら憎み合うはずのライヴァルが仲がよいというのはよいことだと思う。
God, this is killing me!
(記者:今年ナダルにオーストラリアン・オープン決勝で敗れ、トロフィー受賞式のときに‘God, this is killing me’.と言いましたよね。あの言葉は14のタイトルを取れなかった事に対しての言葉だった?)
あの言葉は間違ってとらえられたようだね。僕は泣きながらマイクの前でしゃべらなくてはならなかった。でも涙が出てとまらなくて思うようにしゃべれなかったんだ。「ものすごく辛い」というのは、負けたことに対してではなく、しゃべれない自分に対して言った言葉なんだ。
僕はあのときは自分のプレーは悪くなかったと思っていたので、負けたことに対しては素直に受け入れることができた。もちろん勝ちたかったけれど。
僕は小さいときから負けるといつも泣いていたよ。だからグランドスラムで負けたら泣くのは、僕にとっては普通のことなんだ。でもこんなにいろいろ言われるなんてね。あんまり事実とはちがった話になってしまってちょっと滑稽なくらい。
運を自分の味方にできることを信じる
(記者:今年のウィンブルドン決勝でもしロディックに負けていたら?)
それはものすごく辛いことになっていただろうね。グランドスラムの5セット試合は運に助けられることが多い。僕は運を自分の味方にすることができると信じている。また出来事にはいつもその背後に起こるべき原因があるとも思っている。
だから2008年のウィンブルドンは6年連勝できる運命ではなかったのかもしれない。
昨年のラファの勢いはすばらしいものだった。僕は最初2セットを失ってもまだ現実に何が起ころうとしているのかを把握できなかった。(フェデラーvsナダル:6-4, 6-4, 6-7(5), 6-7(8), 9-7) そして雨が降ってくれたおかげで目が覚めたんだ。
ロディックとの対戦はナダルとの対戦とは違う。
僕はロディックとの対戦歴は圧倒的に僕が勝っているから、絶対負けられない試合だった。(フェデラーは18勝2敗)ウィンブルドンで3回彼に勝っているし、うまくプレーできれば勝つことができると信じていた。だから5セットの16-14まで追いつめられたのは予想以外だったけれど、今まで勝ってきたし勝つことができるという動かない信念があった。
ロンドンオリンピックまでは引退しない
結婚し子供もできてキャリアの中ではパート2に入ったかな。僕は明日のことよりも5年先のことをいつも念頭において行動をしているんだ。2012年のオリンピックにはもちろん出場したいと思っている。その先のことはわからないが、32、33歳まではまだまだ最高のテニスができると思っている。
娘たちが物心がついて、パパの試合を観戦してくれるようになるまではプレーしつづけるよ。
フェデラーのインタービューの記事は、イギリスのサンデータイムズに11月15日に掲載されました。ナダルのスペイン紙のインタービューと時を同じくして掲載されたフェデラーの記事ですが、これも大変興味のあるインタービューとなっています。その一部を紹介します。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/columnists/paul_kimmage/article6917213.ece
フェデラー「勝ちたい」vs タイガー「負けたくない」
2007年にタイガーとナイキのCM撮りをやったときに、このシナリオができたんだ。タイガーはhate losing 僕はlove winning。最終ゴールは同じだけれどアスリートには二つのタイプがある。
僕はポジティヴなんだ。だからちょっとネガティヴなhate losingよりも、ポジティヴなlove winningの方が僕は好きだ。
子供の頃、ベッカーとエドバーグのウィンブルドンの決勝をみて感動した。ものすごく憧れたね。彼らのようになりたいと。でもそれが現実に実現するとは夢にも思わなかったよ。勝ち続けるということがいかにむずかしいかを知っていたからね。
(記者:マッケンローは次のように言っています。「ロジャーはどの点をとっても他の選手より優っている。特にテニスへの愛情は誰にもまさって純粋なものだ。そして彼はコートに行って練習したり、テニスにとりまかれていることをこよなく愛している。自分のようにテニスをやっているとき悪魔的にとりつかれたようなことはロジャーにはない。」)
限りなくポジティヴ
勝ちつづけること。ゲームを愛し続けること。この二つはとても大切なことだ。年中旅をしていて、さまざまなことを犠牲しなくてはならず、この二つを守り続けるのは本当に大変なことなんだ。旅をすることが苦痛になってくる。そこで僕は自分にポジティヴに考えようと誓ったんだ。
「旅を楽しもう。いろんな国を訪れて違った文化を学ぶことができる。テニス選手でなかったらできないことなのだから。」
ミルカも旅が好きだ。僕もだ。それじゃ二人で大いにエンジョイしようってね。70歳までこんな生活を続けるわけがないのだから、現在の与えられた機会を楽しもうってね。
ナダルについて:僕たちはお互いに必要な存在なんだ
(記者:マッケンローはまたフェデラーはライヴァル選手と仲がよいのに驚いてました。彼はレンデルやコナーズを嫌ってましたからね。だからあの二人(フェデラーとナダルは)理解できないと。)
僕自身驚いているんだ。ナダルと僕の仲はうまくいっているからね。僕は選手連盟の会長、ナダルは副会長でよく会っていろんな問題について話合う機会がある。
僕たちはテニスではしのぎを削るインテンシヴなライヴァル同士。ナダルのために僕は記録をのばせなかったし、僕のためにナダルは優勝を逸したことがあったのは事実だ。でも僕たちは、結果的には今の自分たちをつくりあげるために助け合ってきたと言える。
本当なら憎み合うはずのライヴァルが仲がよいというのはよいことだと思う。
God, this is killing me!
(記者:今年ナダルにオーストラリアン・オープン決勝で敗れ、トロフィー受賞式のときに‘God, this is killing me’.と言いましたよね。あの言葉は14のタイトルを取れなかった事に対しての言葉だった?)
あの言葉は間違ってとらえられたようだね。僕は泣きながらマイクの前でしゃべらなくてはならなかった。でも涙が出てとまらなくて思うようにしゃべれなかったんだ。「ものすごく辛い」というのは、負けたことに対してではなく、しゃべれない自分に対して言った言葉なんだ。
僕はあのときは自分のプレーは悪くなかったと思っていたので、負けたことに対しては素直に受け入れることができた。もちろん勝ちたかったけれど。
僕は小さいときから負けるといつも泣いていたよ。だからグランドスラムで負けたら泣くのは、僕にとっては普通のことなんだ。でもこんなにいろいろ言われるなんてね。あんまり事実とはちがった話になってしまってちょっと滑稽なくらい。
運を自分の味方にできることを信じる
(記者:今年のウィンブルドン決勝でもしロディックに負けていたら?)
それはものすごく辛いことになっていただろうね。グランドスラムの5セット試合は運に助けられることが多い。僕は運を自分の味方にすることができると信じている。また出来事にはいつもその背後に起こるべき原因があるとも思っている。
だから2008年のウィンブルドンは6年連勝できる運命ではなかったのかもしれない。
昨年のラファの勢いはすばらしいものだった。僕は最初2セットを失ってもまだ現実に何が起ころうとしているのかを把握できなかった。(フェデラーvsナダル:6-4, 6-4, 6-7(5), 6-7(8), 9-7) そして雨が降ってくれたおかげで目が覚めたんだ。
ロディックとの対戦はナダルとの対戦とは違う。
僕はロディックとの対戦歴は圧倒的に僕が勝っているから、絶対負けられない試合だった。(フェデラーは18勝2敗)ウィンブルドンで3回彼に勝っているし、うまくプレーできれば勝つことができると信じていた。だから5セットの16-14まで追いつめられたのは予想以外だったけれど、今まで勝ってきたし勝つことができるという動かない信念があった。
ロンドンオリンピックまでは引退しない
結婚し子供もできてキャリアの中ではパート2に入ったかな。僕は明日のことよりも5年先のことをいつも念頭において行動をしているんだ。2012年のオリンピックにはもちろん出場したいと思っている。その先のことはわからないが、32、33歳まではまだまだ最高のテニスができると思っている。
娘たちが物心がついて、パパの試合を観戦してくれるようになるまではプレーしつづけるよ。
投稿者 Tennisnakama 01:43 | コメント(0)| トラックバック(0)
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