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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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マイアミ大会トップハーフの4回戦にむけて

いよいよマイアミも終盤戦をむかえました。トップハーフの4回戦、R16の予想を行ってみたいと思います。

Nadal
3回戦:Nadal def Gil: 7-5, 6-3
「いつもベストな試合ができるわけではない。毎試合に対するモチベーションは変わらないけれど、今日のような試合の日もあるんだ。」
ポルトガル選手、73位のギルとの初対戦で、辛うじて第1セットを7-5で勝ち取ったナダルのコメントです。ギルのアグレッシヴなテニスに終始押され気味なナダルは、それでも第3ゲーム(1-1)でギルをブレークしましたが、問題は第6ゲーム(3-2)です。ナダルの2ndサーヴをリターンエースに成功したギルは、ネットダッシュしたナダルのボディーめがけて直撃。あれよあれよという間に0-40のブレークポイントを許してしまったのです。ナダルはサーヴィスウィナーなどで30-40まで挽回しましたが、何とダブルフォルト。鉄のメンタル人、ナダルにもこういうことがあるのですね。

このブレークでスコアはイーヴンになり、ギルはますます過激な攻撃を加えてきます。ナダルはベースラインから下がってディフェンステニスを強いられますが、両選手はサーヴィスゲームをホールドして5-5。しかしここまでがギルの限界でした。多くの選手にみられるように、彼らのベストなテニスを展開しても、エネルギーを維持していくことができず、エラーがふえていきます。ナダルの強烈なスピンに対抗するには、2倍以上のエネルギーを使うそうで、結局は体力負け、ガス欠で負けてしまいます。

第11ゲーム(5-5)がターニングポイントです。ギルに疲れが見えたとき、眠っていたナダル獅子が牙をむき出し始めました。ギルの浮いた球をジャンピングスマッシュで叩き付けたナダルはブレークに成功。大きく握り拳を振り上げナダルが吠えました。もうこれで試合はいつものシナリオ通り。第2セットは完全にナダルのペースになって対戦者は敗北してしまうのです。

さて、アンドレーヴと3セットを行って勝ったヴァヴリンカですが、スコアの上では4-6, 6-3, 6-3ですが、勝敗がどちらに転んでもおかしくない試合でした。アンドレーヴは、アグレッシヴなフォアでヴァヴリンカを攻め続けましたが、最後はブレークポイントの取り方の違いが勝敗を決定しました。ヴァヴリンカは9回もブレークポイントを許しましたが、8回もセーヴしています。アンドレーヴは、ここぞというチャンスをものにできなかった。これもメンタルの領域でしょうね。

4回戦:Nadal vs Wawrinka
この二人の過去の対戦成績はナダルの3勝です。ナダルフェデラーのような片手バックハンドの選手に対しては、執拗にバックハンドめがけて強烈なスピンのフォアで攻めてきますが、ヴァヴリンカも片手バックハンド。しかし彼の武器はフェデラーと違ってバックハンドです。果たしてナダルがどのような作戦で彼を攻めるか? 

Del Potro
4回戦:Del Potro vs Ferrer
残念ながらこの二人の今までのマイアミの試合を観ておりませんので、統計からの分析となりますが、過去の対戦成績はデルポトロの1勝2敗。最も最近の試合は、ジャパン・オープンでの準々決勝で、デルポはフェレールに7-5, 6-1で勝っています。デルポはマイアミでは、2試合ともストレートで圧勝してきていますので絶好調のはず。一方フェレールは2試合とも3セットで、彼のいつもの粘りで勝ち越しています。しかしフェレールはいつものようにベースラインにばかりいては、2mの巨人から炸裂するフォアのストロークに打ち勝つことはできないでしょうね。デルポもベースラインが好きですので、ドロップショットやネットプレーをふんだんに使ってデルポを撹乱してほしいと思います。

Murray
3回戦:Murray def Massu 6-4, 6-4
オリンピックの単複ゴールドメダリストのマスーが見事にカムバックしました。同国のチリのゴンザレスとよく似たプレースタイルで、武器はフォアハンドのみ。
回り込んでファオでウィナーを狙い続けるマスーに、マレーはペースを与えない球で対応。相手のエラーを待つマレー得意のディフェンステニスでマレーが勝利を勝ち得ました。しかしマレーのテニスは賢いテニスですが、チンタラしていてこちらがイライラしてくるテニス。もう少しリスクを負ったウィナーを狙ったテニスをしてくれると観戦しがいがあるのですが。

4回戦:Murray vs Troicki
ナルバンディアンにストレート勝ちしたトロイッキは今ノリにのっています。サーヴが特にすばらしく3回戦の対パウ戦ではエース12本を記録しています。リターンもよいので、ディフェンスのテニスをすればマレーは苦戦するかもしれません。

Verdasco
4回戦: Verdasuco vs Stepanek

湿気の多いマイアミでは、あのモヒカンっぽいヘアスタイルをキープるすために、たっぷりジェルを使って気を使っているべルダスコ。3回戦ではデ杯のダブルスパートナーで親友であるロペスとの対戦で、やりづらそうでしたが、 3-6, 6-3, 6-4 で3回戦をクリアしました。べルダスコは暇をみつけてはラスベガスに飛び、アガシチーム(トレーナーのジル、元コーチのケイヒル)のもとでトレーニングを行っています。ケイヒルはフェデラーのコーチの話が流れてしまいましたが、アディダスのコーチングコンサルタントをしていて、べルダスコは彼からのアドヴァイスを受ける機会が多く恵まれていることも大きなプラスになっているようです。またラスベガスでは、アイドルのアガシに会って直接アドヴァイスも受けられるとか。
「特に役立つのは、やる必要のないこと、を指摘してもらえること。やるべきことと、やるべきでないことが明確になってきたこと」
ラスベガスで毎日4時間のフィジカルトレーニングを積んできたあのたのもしい肉体で、テクニシャンのステパネックを圧倒することができるか? ステパネックのトリックに惑わされないで、あの炸裂するミサイルフォアハンドをみせてほしいと思います。



投稿者 Tennisnakama  00:05 | コメント(5)| トラックバック(0)
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コメント
tennisnakamaさん、こんにちは。
いまちょうどジョコビッチ-バーディッチ戦を観ています。第2セット-3rdゲームをミスってブレークされた時は、「あらあら...」と思いましたが、すぐにジョコビッチのいいテニスに戻って4th、6thゲームをブレイク。7thゲームもデュースからキープして、ちと安心。
女子は昨日ライブスコアを観てたんですが、ウィリアムズ姉妹はなんか変でしたね。セリーナはもっと早く修正してくるのかと思ったら....jie zhengが良かったのかな。ヴィーナスはあぶなっかしいなぁと思ってましたが、まあ調子が出るだろうと安心してたのに昨日の試合は全くヴィーナスらしくなくてびっくりするよりも心配してしまいました。体調なのかなぁ?
(あ、ジョコさん勝ちましたね。) サフィンが引退するらしいし、女子はランキング云々よりも実際は混迷してるのかしら。エナンみたいな選手が出てきたら楽しいと思ってます。
マイアミの大会ってなんだか楽しいですね。あ、でも先日のtsongaの試合は途中で観客が倒れてゲームがサスペンドしたのには驚いた。あんなこともあるんですね。tennisnakamaさんが体験した大会の別の楽しみ方なんかあったらぜひそのうち記事を書いてください。さあ、もうすぐアンディーの試合だ!!
投稿者 クマ太郎 2009/04/01 01:44
tennisnakamaさん
マレーのテニスがチンタラしてて・・・とのコメント、笑いました。tennisnakamaさんらしくストレートな表現で好きです。
私は逆にこのマレーのチンタラぶりが好きです。もちろんリスクを負ってウィナーを狙うテニスも大好きですが、マレーのテニスは自分が最も苦手で出来ないテニスをやってくれてるので、スゴイなあといつも思います。
持久力、フットワークの良さ、ショットの安定性、ショットの多様性、相手との駆け引きができる戦略性、などなどいろんな能力が高い水準で揃って初めて体現できるテニスなので、ほんとに関心します。
長いラリーの結末に、狙い通りに空けておいてオープンスペースに相手が打ってきたウィナー性のボールをカウンターで返して決まったときの爽快さといったらありません。
投稿者 こりお 2009/04/01 12:26
お久です。
ナダルに勝つにはいかに強烈な勝利への欲望を試合の全てを通して維持できるかってことでしょうか。全豪見返していました。ダスコ、最後は自滅でしたものね。フェデラーも。
ナダルの強靭不屈なメンタルを打ち砕く選手が現れるのか、そういうところがこれからの見所でしょうか。
ラファを応援していても、あっとおどろく白熱した試合が見たい私です^^
このラインナップでは、ダスコとステパネクの試合が興味ありますね~。ダスコは強力なアドバイザーを得て益々目を離せない選手になっています。
投稿者 mw 2009/04/01 12:31
Tennisnakamaさん、こんにちは。 mwさん、お久しぶりです!
今日のナダルvsヴァヴリンカを運よく2ndセットから観られました。ラファは本調子でなかったのかもしれませんが、ヴァヴちゃんは凄く頑張っていたと思います。サービスエースもここという時に決まっていました。しかしタイブレを2回落としてしまうのは、やはり残念なところです。IWもジョコ相手にそうでした。惜しいですね。というより苦戦しても「やはりナダル!」って事なのでしょうね。
ここまでくると役者は同じ・・・。フェデラーvs新生ロディックもどきどきですが、マレーvsベルダスコも楽しみです。
投稿者 p.compose 2009/04/01 17:36
クマ太郎さん、
大会観戦の楽しみ方はいろいろあるでしょうが、選手に対する知識が豊富であると理解度も高まり試合がさらに面白くなると思います。選手には得手不得手があり、ウィニングフォーミュラがあります。彼らの勝つパターンが分かるようになれば試合がずっと楽しいものになること請け合いです。

こりおさん、
相手にもう一本打たせて勝つテニスはそれなりの面白さがありますが、マレーはもっとウィナーを打ってくれればスカッとするのに、といつも思ってしまうのです。インタービューでも、自分のテニスはconsistency が武器だと言っているように、確実なテニスへますます磨きをかけていくようですね。しかし本当によく球をとり、とるだけでなく実にプレースメントがよいので感心してしまいます。

mwさん、
今年のべルダスコの登場はテニスがカラフルになって面白くなってきました。彼のダイナミックな攻めのテニスは魅力的です。だんだんと応援する選手が多くなってしまって、試合のときはですから中立です。

p.compose さん、
「ナダルは100%でいつも試合ができるわけではない」といいながら勝ち続けていますね。普段の調子の7割くらいでも勝てるようになってきているので、最近はよりアグレッシヴにオフェンステニスになってきています。そのために昔に比べてエラーが増えていますが、確かに強くなってきています。だんだん調子を上げていく彼は、大会の終盤戦は無敵のナダルになっているかもしれません。

投稿者 Tennisnakama 2009/04/02 04:18
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