2009年04月17日
ナダルのプレースタイルに変化?
今日4月16日木曜日。残念ながらモンテカルロは雨が降り、ナダルとマレーの試合が途中で中止となり、明日引き続き行われることになりました。しかしショッキングなことが起こりました。
フェデラーがヴァヴリンカに敗北したのです!スイスの新聞はフェデラーの敗北を痛むよりも、新しいホープ、ヴァヴリンカの誕生をうたっています。「弟子が師匠を超す」いつかはやってくる世代交替。それにしても早すぎる交替です。さぞかしフェデラーはショックだったと思います。(フェデラーファンはもちろんのこと)
最近フェデラーの記事が続いていますので、今日はナダルの2回戦の模様を書いてみたいと思います。今日、頭を冷やして後日フェデラーのこの敗北の意味するところを書いてみたいと思います。
Nadal def Chela: 6-2, 6-3
ナダルは初めて膝のテープを貼らずに登場しました。プラクティスでもいつもあの白いテープを膝の下に巻いていましたので、何もつけない足はちょっと不思議な感じです。(へえー、こういう足の形をしていたんだ。)
トップシードの選手は1回戦がByeとなりますので、2回戦が初戦となります。彼らは初戦は油断できないとよく言います。それは対戦相手はすでに第1回戦を経験し、サーフェスに慣れリズムもつかんできているからです。シモンがクウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったのは、シモンがモンテカルロのクレーに慣れるのに時間がかかり過ぎ、最後までリズムがつかめず、勝ち急ぎの試合をしてしまったところにあります。
ナダルも第1ゲームは、エッ!? これがクレーの王者?と思わせるちぐはぐなテニスでした。エラーも多くブレークポイントを迎えてしまったり、デュースを3回も重ねてしまったりしながらの危ないゲーム展開でしたが、ドロップショットが見事に決まってやっとサーヴィスゲームをホールドしました。
しかし対戦相手のチェラのがんばりもここまででした。第2ゲームのチェラはサーヴィスゲームをホールドしなければというプレッシャーもあり、ミスが続きます。そしてダブルフォルトをしてナダルにブレークされてしまいました。2-0とリードしたナダルに気持ちの上で余裕が出てきたのでしょう。第3ゲームはナダルは40-0と圧倒的に強く、ネットダッシュして、ほれぼれとするアングルヴォレーを見せてくれました。ヴォレーが実にうまくなりました。
ナダルはアグレッシヴに攻撃を続けてチェラを2度ブレークして、スコアは4-0とリード。ここでナダルに心の隙ができたのでしょうか。彼のミスとチェラのパッシングショットのウィナーなどで、あっという間に0-40とナダルがブレークされてしまいました。しかしすぐフォーカスを取り戻し、最後の8ゲーム目ではチェラをブレークして6-2で第1セットは楽勝となりました。
第2セットはいつものパターン。対戦相手はいろんな手を尽くしますがどれも成功せず。普段ならウィナーとなるチェラもフラットなフォアのミサイル球もナダルの足で追いつかれて、メンタルもフィジカルも疲労困憊していきます。
しかし第2セットでも不思議なことがナダルに再び起こりました。フォーカスが途切れるのです。簡単なオーヴァーヘッドをミスしてしまってから、エラーが増え第5ゲームでブレークされてしまいます。しかしナダルのすごいところは集中力の回復の早さです。すぐまたブレークしなおして第2セットは6-2で勝ち取りました。
この試合でナダルはいろんなことをトライしたように思います。
まず「ショットのchange direction」です。ジョコヴィッチのように連続して両サイドのサイドラインぎりぎりに打ち分けらるようになりました。サーヴィスゲームではゲームをホールドするために慎重にラリーを続け、確実にポイントを確保していきますが、リターンゲームではミスを恐れず、 ショットのchange direction を試み、アグレッシヴにアタックしました。
ショットの精度がまし、ウィナーに近いショットをコンスタントに打てるようになったので、浮いてきた球をネットダプレーで処理できる機会が増えてきました。この試合でも、12回のネットダッシュのうち10回ネットでポイントを獲得しています。ダブルスの効果か、ネットプレーが自然になってきました。クレーでもネットダッシュを重ねていけば、芝やハードでも自然にネットプレーができるようになり、all-round playerとなる日も近いかもしれません。
ナダルは昔のようにただ単にバックハンド側を攻めるというような単純な作戦はなく、いろんなレイヤーが加わり、彼のテニスが面白くなってきました。ウィナーを打つためのゲームの組み立ての種類も増えてきました。
ただ欲を言えば、1stサーヴのプレースメントが向上すればよいのですが。ワイドはよいのですが、センター狙いが甘いのでリターンされてしまいます。また2ndサーヴが短かすぎて、リターンウィナーをとられてしまいます。
さて、明日は32歳のエクァドール人のラペンティです。現在96位ですが過去には6位にもなったことがあるヴェテラン。この試合では奥行きが出てきたナダルのゲームの組み立てに留意して観戦してみたいと思います。
フェデラーがヴァヴリンカに敗北したのです!スイスの新聞はフェデラーの敗北を痛むよりも、新しいホープ、ヴァヴリンカの誕生をうたっています。「弟子が師匠を超す」いつかはやってくる世代交替。それにしても早すぎる交替です。さぞかしフェデラーはショックだったと思います。(フェデラーファンはもちろんのこと)
最近フェデラーの記事が続いていますので、今日はナダルの2回戦の模様を書いてみたいと思います。今日、頭を冷やして後日フェデラーのこの敗北の意味するところを書いてみたいと思います。
Nadal def Chela: 6-2, 6-3
ナダルは初めて膝のテープを貼らずに登場しました。プラクティスでもいつもあの白いテープを膝の下に巻いていましたので、何もつけない足はちょっと不思議な感じです。(へえー、こういう足の形をしていたんだ。)
トップシードの選手は1回戦がByeとなりますので、2回戦が初戦となります。彼らは初戦は油断できないとよく言います。それは対戦相手はすでに第1回戦を経験し、サーフェスに慣れリズムもつかんできているからです。シモンがクウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったのは、シモンがモンテカルロのクレーに慣れるのに時間がかかり過ぎ、最後までリズムがつかめず、勝ち急ぎの試合をしてしまったところにあります。
ナダルも第1ゲームは、エッ!? これがクレーの王者?と思わせるちぐはぐなテニスでした。エラーも多くブレークポイントを迎えてしまったり、デュースを3回も重ねてしまったりしながらの危ないゲーム展開でしたが、ドロップショットが見事に決まってやっとサーヴィスゲームをホールドしました。
しかし対戦相手のチェラのがんばりもここまででした。第2ゲームのチェラはサーヴィスゲームをホールドしなければというプレッシャーもあり、ミスが続きます。そしてダブルフォルトをしてナダルにブレークされてしまいました。2-0とリードしたナダルに気持ちの上で余裕が出てきたのでしょう。第3ゲームはナダルは40-0と圧倒的に強く、ネットダッシュして、ほれぼれとするアングルヴォレーを見せてくれました。ヴォレーが実にうまくなりました。
ナダルはアグレッシヴに攻撃を続けてチェラを2度ブレークして、スコアは4-0とリード。ここでナダルに心の隙ができたのでしょうか。彼のミスとチェラのパッシングショットのウィナーなどで、あっという間に0-40とナダルがブレークされてしまいました。しかしすぐフォーカスを取り戻し、最後の8ゲーム目ではチェラをブレークして6-2で第1セットは楽勝となりました。
第2セットはいつものパターン。対戦相手はいろんな手を尽くしますがどれも成功せず。普段ならウィナーとなるチェラもフラットなフォアのミサイル球もナダルの足で追いつかれて、メンタルもフィジカルも疲労困憊していきます。
しかし第2セットでも不思議なことがナダルに再び起こりました。フォーカスが途切れるのです。簡単なオーヴァーヘッドをミスしてしまってから、エラーが増え第5ゲームでブレークされてしまいます。しかしナダルのすごいところは集中力の回復の早さです。すぐまたブレークしなおして第2セットは6-2で勝ち取りました。
この試合でナダルはいろんなことをトライしたように思います。
まず「ショットのchange direction」です。ジョコヴィッチのように連続して両サイドのサイドラインぎりぎりに打ち分けらるようになりました。サーヴィスゲームではゲームをホールドするために慎重にラリーを続け、確実にポイントを確保していきますが、リターンゲームではミスを恐れず、 ショットのchange direction を試み、アグレッシヴにアタックしました。
ショットの精度がまし、ウィナーに近いショットをコンスタントに打てるようになったので、浮いてきた球をネットダプレーで処理できる機会が増えてきました。この試合でも、12回のネットダッシュのうち10回ネットでポイントを獲得しています。ダブルスの効果か、ネットプレーが自然になってきました。クレーでもネットダッシュを重ねていけば、芝やハードでも自然にネットプレーができるようになり、all-round playerとなる日も近いかもしれません。
ナダルは昔のようにただ単にバックハンド側を攻めるというような単純な作戦はなく、いろんなレイヤーが加わり、彼のテニスが面白くなってきました。ウィナーを打つためのゲームの組み立ての種類も増えてきました。
ただ欲を言えば、1stサーヴのプレースメントが向上すればよいのですが。ワイドはよいのですが、センター狙いが甘いのでリターンされてしまいます。また2ndサーヴが短かすぎて、リターンウィナーをとられてしまいます。
さて、明日は32歳のエクァドール人のラペンティです。現在96位ですが過去には6位にもなったことがあるヴェテラン。この試合では奥行きが出てきたナダルのゲームの組み立てに留意して観戦してみたいと思います。
投稿者 Tennisnakama 12:48 | コメント(10)| トラックバック(0)
第2セットに入ってから1stサービスが思うように置けなくなって苦しいですね。
でも、気持ちは強くなってる気がします。
第2セットgame 9thをブレイクされたとき、思わずラケットを叩きつけようとしてその手を止めました。私、それを見ていて「このセット取られても勝つんじゃないか...」という気がしました。あ、第2セットはヴェルダスコが取りましたね。メンタルはまだまだ大丈夫だと思うので、あとはガス欠にならないようジョコには頑張って欲しいっす。
マレーがパッとしないので、この試合は見ごたえありますね。
ナダルは昨日の試合再開はきっちり決めて、また1時間後に試合みたいです。厳しいスケジュールですが、ナダルなら大丈夫でしょうね!やっぱり赤土が似合っています。
このメンタルでナダルと決勝戦が観たいです。
でも、たぶんヴァブリンカが上がってくるから判らないなぁ。
ジョコvsヴァブリンカ戦になったらどっち応援しようか.....悩みます。
あ、それから質問です。
マリア・キリレンコがいつも左足のひざ下にはめてる黒いリングのようなものは何でしょうか。誰か教えてください。お願いします。
ちなみに私の期待してたマルチナ・サンチェスvsマリア・キリレンコ戦は1-4で雨天中断です。サンチェスの調子が上がってきそうなので、いい試合を期待してます。
ルチア・サファロヴァも第1セット取られましたが、データは右上がり。ちと楽しみです。
試合をきちんと観れていないので、どうともいえないのですが、ヴァブリンカがIWの対ナダル戦の集中力を発揮したら、今のフェデラーでは勝つのは難しかったと思います。とりあえず、バックハンドは五分として、フェデラーのフォアのエラーが勝敗を鍵を握ると思っていました。(ストリーミングでは見られなかったんですけど)
フェデラーのサービスゲームで楽に40-0にしても、そこから楽にはキープできないゲームが多かったあたり、フォアの精度はいまいちだったのだろうと思います。今のフェデラーは一朝一夕でどうにかなるとは思っていないので、ファンは耐えるのみです。改善への策は色々あるでしょうが、まずはコーチはつけてほしいですね。。。 と、冷静なふりをして書きつつも悲しいです。。。
勢いに任せて書きましたが、エントリー違いですね。すみません。
黒のリングは私も持っています。膝を固定させるには、ナダルのようにテープをしたり、リングをつけたり、サポーターをしたり、あとはキネシオテープを貼ったり、といろいろ個人の好みによって違いますが、私はあのリングは痛くて好きではありません。
ヴァブリンカとジョコビッチのマッチになりましたね。あ~どっちを応援しようか....悩みます。こうなるとどっちに有利なんでしょうかね。メンタルはどっちも大丈夫そうですが。
集中力上がってきたらヴァブリンカが....??? ぎゃあ~わかりません。このままヴァブリンカが残っても面白いかも。
それでもってマレーが勝ちましたね。内容はダビデンコの方が良かったのに、大事なポイントでミスが出ると勝てないもんなんですね。攻撃的なダビデンコに二度惚れみたいな感が湧きました。クレーでのマレー攻略法か....なんて、マレーの内容がいまいちなんで言いすぎですね。
マレー5-4で最終10thゲーム、デュースのアドバンテージかかったラインの判定にすんごい大声とアクションで、「何言ってんの~!! ちがう、ちがうってば!! これじゃないってば、こっちの痕でしょ!!」と抗議する様は、ちょっと笑えましたね。ダビデンコも思わず失笑(笑) 「気持ちは解るけど、なにもそんな、うぷぷぷ(笑)」って感じだったんでしょうね。その時のダビデンコの笑顔はなかなか可愛かったのが印象に残りました。試合が終わって、バツが悪いのか、ちやんと見てくれた審判に感謝したのか、握手しながら「ありがとう、ほんとありがとう」と言ってましたね。それも笑えましたが、マレーにまた親近感を覚えました。
しかし、雨にたたられますね。サンチェス-キリレンコ戦は仕切り直しって感じのサスペンド。明日はどっちが勝つのやら。
せっかく私が書こうとしたマレーvsダヴィデンコ戦のハイライトをクマさんに書かれてしまいました。ウーン。どうしようかな・・・
あ、ナダルがやってるようなものなんですか。なんか少し長方形にぷくんと出てるんで何が入ってんだろ??? と思ってたんです。へ~そういう形のもあるんですね。キネシオテープとか、固定ではないけれどスパイラルテープなんかは昔バドミントンやってた時に使ってました。そういえば、40歳近くなってからテニスを友達に習い始めたとき、バドミントンの癖で手首を使ってしまう(スナップ)のをずいぶん苦労して矯正した覚えがあります。体格の割りに握力が人並み外れてるのと骨太くんなのでスウィートスポット多少外れてももってっちゃうので、友人もなかば諦め&失笑気味で「わかった、わかった」と少し妥協して手首の使い方を丁寧に教えてくれました。最近は全然練習も出来ない.... たまにはマシン相手でもいいから打ちに行きたいな....
仕事しょっと。
でも、これはtennisnakamaさんからぜひ解説をお願いします。
コメントありがとうございます。ダビデンコすごかったみたいですね!
モンテカルロはストリーミングが重くて重くて>< 私はクレーでナダルを破る選手を期待しているので、まずはヴァブリンカよりもジョコビッチに期待です☆ なんだかんだで彼はナダルといい勝負をしていると思うんですよ! 準決勝からようやくTVで見られるので楽しみです。それにしてもナダル、ジョコビッチ、マレーはほんとうに安定していますね。常にパフォーマンスを出し続けるのは凄いと思います。