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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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マレーの知られざる素顔

(写真とビデオを付け加えました)

7月31日の記事で『マレーのちょっといい話』でアンディ・マレーのエピソードをご紹介しました。最近の彼をみていると、ティーンネージだった頃のパンクと言われて批判されていたアンディがまるで嘘のようです。

かつてのアンディ

wildmurray



イギリス人が頭に描く理想的なテニス選手といえば、清潔な紳士の代表、ティム・ヘンマンです。しかし当時のアンディは、髪は伸び放題。試合中に汚い言葉(F%#Kなど)でののしったり、コートマナーは生意気で、しかもスコットランド人。どれをとっても、アンディはイギリスにおいて国民のアイドルになるにはほど遠い存在だったのです。

そしてマレーが19歳のときです。犯してはならないタブーをマレーは犯してしまったのです。どのチームがワールドカップの決勝にいくと思いますか?という記者の質問に、「どのチームが決勝にあがっても僕は応援するよ。イングランド以外はね。」


このanyone but Englandの言葉は、マレーとしては単なるサッカージョークのつもりだったのですが、この言葉が一人歩きして、イングランド・ヘイターとして世界に名を轟かしてしまったのです。「イングランドだけは応援したくないね」という言葉がどれだけイギリス人の感情を逆なでしたことか。それでなくても、日頃からパンクと呼ばれているマレーです。このダメージ修復に相当なエネルギーと時間を要したことは言うまでもありません。

一昔前のマレーは負けそうになるとグダグダした態度をとり始め、しかもカウンターパンチャーですのでどうもテニスがネチッこい。ヘンマンのような美しいサーヴ&ヴォレーの伝統ローンテニスはやらず、正直いって私もあまり好きにはなれなかった選手の一人でした。

そのあまり印象のよくないマレーが変わったのは、昨年のウィンブルドンでのガスケとの死闘の第4ラウンドのときでした。

2セットをすでに落としてしまったマレーは3セット目を迎えました。2セットダウンからのカムバックは、ほとんど不可能のようにみえます。それでもあきらめず必死に戦うマレーに、イギリス人たちは割れんばかりの拍手とエールでマレーを応援したのです。

「これだけ多くの人たちが、まだ自分を見捨てないで応援をしてくれてるんだ!」それは意外な驚きでした。今まで経験したことのない感動の嵐がマレーを襲ったのです。

「僕は負けられない!最後の力を振り絞ってイギリスのために戦うぞ!」

3セット目をタイブレークでとったマレーは、奇跡的な2セットダウンからのカムバックを成し遂げ、ついにガスケを破って勝利を勝ち得たのです。盛り上がった力こぶを誇らしげにみせて、観客の拍手に応えたアンディを覚えていらっしゃる方も多いと思います。あの力こぶはまさにアンディのメッセージだったのです。

「イギリスは僕を認めた!僕はイギリスの誇りとなった!」





何度も記者会見で「ウィンブルドンが僕に計り知れない自信を与えてくれた!」と強調するマレーは、確かにあの試合によって新しく生まれ変わったように思います。

アスリートとして人間として、マレーはこの一年間で大きく飛躍しました。

ウィンブルドン以降のマレーの活躍は目を見張るものがあります。

2008年
シンシナティのマスターズでジョコヴィッチを破り優勝。
US Openではナダルを破り決勝進出。
ロシアのSt. Petersburgの優勝
上海マスターズカップでロジャー・フェデラーを破る

2009年
ドーハではフェデラー、ジョコヴィッチを破って優勝
ロッテルダムではナダルを破って優勝
インディアンウェルズではフェデラーを破り決勝へ
マイアミではジョコヴィッチを破り優勝
クウィーンズクラブでブレイクを破って優勝
ウィンブルドンは絶好調のロディックに準決勝で敗退

悲しさと怒りをテニスに
アンディ・マレー(22歳)はイギリスのベスト・シングルス選手、兄のジェイミー・マレー(23歳)はイギリスのトップ・ダブルス選手。このイギリスのテニプリ兄弟の育ってきた環境は、かならずしもバラ色のサクセスストーリーではありませんでした。

アンディが9歳のときに両親が正式に別居、9年の別居生活をへて、18歳のときに正式に離婚しました。

「小さいとき、今週は母の家、来週は父の家と両親の家を行ったり来たり。クリスマスはどちらの家で何日過ごすか、両親はいつも争っていた。言い争う二人の間に挟まって、僕はテニスよりも幸せな家族がほしかった。」

左がアンディ、右がジェイミー

murraylittle1



アンディは両親の争いと別居のなかで、悲しみと怒りに満ちた 少年時代、思春期を過ごしています。トーナメントの前夜に両親が喧嘩するのを見ながら、アンディは怒りの気持ちをテニスにぶつけて戦ってきました。それだけでなく煮え立つ怒りが原動力となり、逞しい選手として成長していったのです。

実はシングルファーザーだった
父親のウィリアム・マレーは7月6日に英紙デイリーミラーに暴露インターヴューを行っています。
http://bit.ly/3RrYAe

左がガールフレンドのキム、右が父のウィリアム。

murrayfather



ジュディ(母親)は現在アンディの活躍とともに、TVや雑誌のインターヴューに登場し活躍をしています。彼女のストーリー「シングルマザーで二人の息子をここまで育てあげた」に我慢できなくなっての激告白です。

「自分が子供を捨てたように思われてしまっているのは心外だ。家を出て行ったのは自分ではなく母親だったのだから。彼女は自分のテニスの野心のために家族を捨ててしまった。 仕事からまっすぐ帰宅して、食事の支度をし洗濯をして、子育てをしてきたのは母親でなく父親だったのだから。」

「でもテニスは彼女の領域。会場のファミリーボックスで応援する彼女の姿がいつもTVに映るので、父親が全く不在なように思われているが、僕だって応援に出かけている。僕は僕なりに一生懸命息子たちを応援している。」

左が母ジュディ、右がキム

judymurray



ジュディ自身も認めているように、彼女のテニスへの野心が夫婦の破局をもたらしたことは明らかでした。彼女がスコットランドのナショナルコーチに就任したのは、アンディが8歳のとき。一年後には別居しています。テニスだけでなく、二人の性格の違い、考え方の違いは、相容れることができないほどに深く、離婚は仕方なかったと父ウィリアムは語っています。

キムとマギーの支え
ウィリアムとジュディは意見の一致をみることのない犬猿の仲ですが、アンディの成功の大きな原因に、ガールフレンドのキムの存在が不可欠であったことは二人とも認めています。キム・シアーズ。同年齢で3年半前に知り合ったキムは、今はアンディの新居に同居中ですがまだ学生の身分。ファミリーボックス席でよく見かけるキムは、父がテニスコーチで、小さいときからテニスの環境で育っていますので、アンディのよき理解者となっています。

kimandmaggie



そして忘れてならないのは愛犬マギー。 マギーの名はロッド・スチュアートの"Maggie May"からとったとか。「トーナメントで疲れて帰ってきても、マギーとフリスビーをして遊んでいると疲れも忘れてしまう」そんなマギーとキムの厚いサポートの中で、アンディ・マレーは得意なハードコートシーズンを迎えます。どんな活躍をみせてくれるか楽しみです。

見事に変身したアンディ

フレッド・ペリーを着てみごとイギリスのジェントルマンに変身しました

murrayfredperry


投稿者 Tennisnakama  21:38 | コメント(7)| トラックバック(0)
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コメント
やはりこちらの方が白地で読みやすいです。写真もビデオも加わって、なにか新しい記事のようです。知られざるマレーの話、ありがとうございます。 ところで、向こう(sportsnavi)に書いてあったボールの話はここではなしですか?あの話もよかったです。
投稿者 bluetti 2009/08/06 22:13
bluettiさん、
スポーツナビの方にもコメントありがとうございました。365の方が写真、ビデオが可能、しかもスポツに関係のない話も掲載できるので、こちらをメインにしています。
スポーツナビでは、スポーツネタ以外は記事にできないので、『ボールがボールに開眼』は、『スイス建国記念日』を載せるために書いた記事でしたので、今では古くなってしまいましたが、ご要望にお応えしてちょっと編集しなおしてアップしてみましょう。
投稿者 tennisnakama 2009/08/06 22:23
さっそくいただいたコメントでしたが、365の故障でこの記事の欄にご紹介できませんでしたので、ちとりさんとmitoさんのコメントを再掲載させていただきます。

by ちとり
大変内容の深い記事をありがとうございました。 マレーというと、身体能力の高さと優れた才能を感じさせるプレーを見せてくれるけれど、なにか(申し訳ないですが)ひねくれたというか、すねている若者という印象がありました。 少年時代、青年時代、満たされずもがいていた彼の悲しさ苦しさは、政治的に不安定な東欧出身の選手たちのそれに比して、質は違いこそすれ より軽いもの 単純なものとはいえませんね。”テニスよりも幸せな家庭が欲しかった” というマレーの言葉も悲痛ですが、今回のお父さんのインタビューにも、複雑な気持ちになりますね( 言いたいことあるんだろうなあ と気の毒になるといいますかーー)。
今回ご紹介くださったガスケとの試合もそうですが、2セットダウンからもり返してゆく負けている選手の戦いぶりは、まさに人生なのだと感じます。もうだめだと誰もが諦めそうになるぐらいの状況を、たたかい乗り越えてゆこうとする姿に、私たちは感動しますし、その選手たちの背後にそれぞれの人生のドラマがあるのですね、それも決して順風満帆とはいえないドラマがです。
先日の記事、コメントにあった ロイヤルバンクオブスコットランドに関するエピソードは感動的でした。人間的に大きく成長したマレーは、必ずやUSオープンでも素晴らしい戦いぶりを見せてくれるでしょうね!楽しみです。 


投稿者 tennisnakama 2009/08/06 22:36
by mito
スポーツナビの『マレーの知られざる素顔』読ませていただきました。あちらにうまくコメントが投稿できなかったようなのでこちらに書かせていただきます。
私の中では優等生としての印象しかなかったマレーですが、幼いころの複雑な家庭環境が彼の強さの礎になっていたのですね。このエピソードを読ませていただいて、マレーにテニスという世界があって本当によかったと思いました。そして、才能が花開いたことがなによりです。両親それぞれのスタンスは違えど、愛する息子を応援する気持ちに違いはないはずですし、キムや愛犬にも支えられながら、イギリス国民の期待をプレッシャーに感じず、ますます飛躍してほしいですね。
投稿者 tennisnakama 2009/08/06 22:41
こちらにも失礼します☆マレーについて更に詳しく紹介して下さってありがとうございます☆
小さい頃に両親の不仲を見てしまったのは 随分心のキズになってしまいましたね… 今姉が子ども達を連れて帰ってきてるので、余計に身近に感じてしまいます。でも、マレー家は家事とかを父親がされてたとは…
それにしても、ティーンエイジの頃は随分ハジけていたんですね!もやもやしてる事を全部表に吐き出してたみたいに見えます。この頃に比べたら、今は本当に紳士的な雰囲気で 彼女と愛犬の支えの賜物ですね!(勿論ご両親や兄、友人らの支えも)
投稿者 みどり 2009/08/06 23:40
Tennisnakamaさん、こんにちは。
やっと復旧してくれましたね。よかった。やはり この感じが落ち着きます。
マレーの最初の写真、強烈ですね(笑) 最後のジェントルマン・マレーと凄い違い!! このWBのマレーは凄くビックリしました。試合が進むに連れて襟元のボタンがオープンになっていくので 「あ 前のマレーに戻っていく・・・」って全然試合と関係ないところを見てました。(「あ 髭が伸びていく・・・」も有り)
マレーの生い立ちを聞くにつれて、そのプレーを観るのが楽しみになってきます。大きなプレーヤーになるには技術だけではない事をいつも感じます。彼女の存在は選手にとって、事に大切なんですね。キムちゃんはいつもかわいく応援してますね。お母さんはちょっと激しい(笑)
投稿者 p.compose 2009/08/07 00:20
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投稿者 jordan shoes 2013/07/04 07:11
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