2009年08月23日
フェデラーがマレーを破り決勝へ
Federer def Murray:6-2, 7-6(8)
フェデラーは終始落ち着いてNo.1の余裕をみせ、今年のなかでは最高のテニスをみせてくれました。
ギルバートが試合の直前のロッカールームの印象を述べていましたが、フェデラーは冗談をとばしてリラックスしていたのと対照的に、マレーは緊張した面持ちで、ボクサーのようなウォーミングアップを真剣にやっていたとか。
このコメントを聞いて、試合が始まる前から「マレーはすでに負けてしまっている」ような予感がしたのです。今やマレーにはイギリス人だけでなく、世界が注目しています。今年のハードコートのトップ4との対戦成績をみてみましょう。何と4勝1敗と圧倒的な強さです。解説者が口をそろえて「ハードはマレー」と賞賛していたことからも、プレッシャーがいかに大きかったか、想像がつきます。
対フェデラー:2勝0敗
対ナダル: 1勝1敗
対ジョコヴィッチ:1勝0敗
試合直前のギルバートの「作戦は何?」という質問に、「同じ球は2度続けて打たない。」「ショットをミックスする。」この2点を強調していました。まさにこの作戦を実行にうつし、マレーにリズムを与えませんでした。そしてフェデラーの特攻隊のようなアグレッシヴな攻撃に、マレーはどのように対応してよいのか分からず、といった中途半端なテニスで気がついたら6-2で負けていた、という一方的なゲーム展開でしたね。
フェデラーは特にフォアハンドがフラット気味で、スピードを増しパワフルで、しかもオンザライズで打ってくるので、マレーとしてはお手上げの状態。クロスとダウンザラインにウィナーをガンガン決めるところなどは、かつてのゴールデン時代のフェデラーを彷彿とさせ、コメンテイターのギルバートとケイヒルは興奮気味で解説していました。
感心したのは、フェデラーの1stサーヴです。第1セットは36%と低いにもかかわらず、ポイント取得率は100%なのです。 つまり22回サーヴするうち、36%の8回しか1stサーヴが入らなかったにもかかわらず、すべて得点につながっています。これは彼のサーヴのクウォリティが大変高いことを示しています。
またフェデラーのリターンもすばらしかったです。マレーはクロスは大変うまいのですが、苦手なのはセンターよりのショット。フェデラーはマレーに角度をつけさせることなく、バックのスライスを効果的に使いながら、最後はフォアかバックのダウンザラインで決めるというパターンがとても有効でした。
フェデラーのフットワークはスピードがあり、絶えず前進する攻撃的なフットワークです。特に今日はリズミックでほれぼれとするフットワークをみせてくれました。
マレーの問題は、ショートボールが多かったこと。フェデラーは必ずこのショートボールを叩いてウィナーにしていましたので、たとえ第2セットのタイブレークを失っていたとしても、フェデラーは問題なく第3セットをものにしていたと思います。
第2セット
4ゲーム目(2-1)では3本も立て続けにエースをとるほど、サーヴの調子がよくなり、リズムをとりもどしたかに見えたマレーでしたが、フェデラーからモメンタムを奪うことはできませんでした。
エースやサーヴィスウィナーをとっても、あとのショットにエラーがでる。イライラしたマレーは、エラーをおかすたびに、ラケットのストリングに拳を叩き付けたため、右手のこぶしが血だらけ。昔ユズニーが怒ってラケットでおでこをたたいて、血が吹き出るという過激な行為もありましたが、それにしても利き手を傷つけるなんて・・・よほど口惜しかったのでしょうね。
ともかくタイブレークまでもちこんだマレーでしたが、8-9のマッチポイントでダブルフォルトをして負けてしまいました。
明日いよいよフェデラーはジョコヴィッチと決勝です。今日ナダルを徹底的にたたきのめしたジョコヴィッチが、果たして同じく高度なレベルで試合ができるかどうか。キーはジョコヴィッチが精度の高いショットが決められるかどうかにかかっていると思います。
フェデラーは終始落ち着いてNo.1の余裕をみせ、今年のなかでは最高のテニスをみせてくれました。
ギルバートが試合の直前のロッカールームの印象を述べていましたが、フェデラーは冗談をとばしてリラックスしていたのと対照的に、マレーは緊張した面持ちで、ボクサーのようなウォーミングアップを真剣にやっていたとか。
このコメントを聞いて、試合が始まる前から「マレーはすでに負けてしまっている」ような予感がしたのです。今やマレーにはイギリス人だけでなく、世界が注目しています。今年のハードコートのトップ4との対戦成績をみてみましょう。何と4勝1敗と圧倒的な強さです。解説者が口をそろえて「ハードはマレー」と賞賛していたことからも、プレッシャーがいかに大きかったか、想像がつきます。
対フェデラー:2勝0敗
対ナダル: 1勝1敗
対ジョコヴィッチ:1勝0敗
試合直前のギルバートの「作戦は何?」という質問に、「同じ球は2度続けて打たない。」「ショットをミックスする。」この2点を強調していました。まさにこの作戦を実行にうつし、マレーにリズムを与えませんでした。そしてフェデラーの特攻隊のようなアグレッシヴな攻撃に、マレーはどのように対応してよいのか分からず、といった中途半端なテニスで気がついたら6-2で負けていた、という一方的なゲーム展開でしたね。
フェデラーは特にフォアハンドがフラット気味で、スピードを増しパワフルで、しかもオンザライズで打ってくるので、マレーとしてはお手上げの状態。クロスとダウンザラインにウィナーをガンガン決めるところなどは、かつてのゴールデン時代のフェデラーを彷彿とさせ、コメンテイターのギルバートとケイヒルは興奮気味で解説していました。
感心したのは、フェデラーの1stサーヴです。第1セットは36%と低いにもかかわらず、ポイント取得率は100%なのです。 つまり22回サーヴするうち、36%の8回しか1stサーヴが入らなかったにもかかわらず、すべて得点につながっています。これは彼のサーヴのクウォリティが大変高いことを示しています。
またフェデラーのリターンもすばらしかったです。マレーはクロスは大変うまいのですが、苦手なのはセンターよりのショット。フェデラーはマレーに角度をつけさせることなく、バックのスライスを効果的に使いながら、最後はフォアかバックのダウンザラインで決めるというパターンがとても有効でした。
フェデラーのフットワークはスピードがあり、絶えず前進する攻撃的なフットワークです。特に今日はリズミックでほれぼれとするフットワークをみせてくれました。
マレーの問題は、ショートボールが多かったこと。フェデラーは必ずこのショートボールを叩いてウィナーにしていましたので、たとえ第2セットのタイブレークを失っていたとしても、フェデラーは問題なく第3セットをものにしていたと思います。
第2セット
4ゲーム目(2-1)では3本も立て続けにエースをとるほど、サーヴの調子がよくなり、リズムをとりもどしたかに見えたマレーでしたが、フェデラーからモメンタムを奪うことはできませんでした。
エースやサーヴィスウィナーをとっても、あとのショットにエラーがでる。イライラしたマレーは、エラーをおかすたびに、ラケットのストリングに拳を叩き付けたため、右手のこぶしが血だらけ。昔ユズニーが怒ってラケットでおでこをたたいて、血が吹き出るという過激な行為もありましたが、それにしても利き手を傷つけるなんて・・・よほど口惜しかったのでしょうね。
ともかくタイブレークまでもちこんだマレーでしたが、8-9のマッチポイントでダブルフォルトをして負けてしまいました。
明日いよいよフェデラーはジョコヴィッチと決勝です。今日ナダルを徹底的にたたきのめしたジョコヴィッチが、果たして同じく高度なレベルで試合ができるかどうか。キーはジョコヴィッチが精度の高いショットが決められるかどうかにかかっていると思います。
投稿者 Tennisnakama 13:17 | コメント(5)| トラックバック(0)
確かにマレーのボールが短く、それをロジャーが思い切り叩いていましたね。それにしても1st サーブの率が低いのに、ロジャーがこれ程までにゲームをコントロール出来るとは思いませんでした。今までにもこういうことはありましたが、リズムでゲームを進めて行くロジャーがマレー戦でそれが出来たことが嬉しいです。
又、正直に言って私はどうしても過去のマレー戦が頭にこびりついているため、ロジャーがいつエラーを連続し始めるか、最後までドキドキしてました。本当に弱気なフェデラーファンです。
ジョコビッチとの決勝も楽しみですが、やはりUSオープンに期待しています。また、御説明をよろしくお願い致します。
やはり、tennisnakama さんがいると、ぴりっとします。
(だからといって、留守したらだめよ、と言うわけではありませんよ)
試合直前のギルバートの「作戦は何?」という質問、選手たちの返答、選手たちの状況を知り得て、ますますテニスって心技体のスポーツなのだと確信しました。
あと1試合が終われば、いよいよUS Open ですね!
今年も勿論、駆けつけられるのでしょうね。現場の声も楽しみにしています。
# 楽しい休暇のお話、とってもワクワクして読みました。
パパさんのバックバンドストローク、とてもお上手ですね!
ゴルフの少年もかっこいいナイスガイですしね!お疲れさまでした。
kirinkoさん、 mihokokさん、
サーフェスがシンシナティは一番速いので、フェデラーのプレースタイルに合っていましたね。あれくらいいつも自信をもって安定してくれるとよいのですが。
bluettiさん、
あの太目のバックハンドの男性は見知らぬ人です。パパさんもあれくらい打てるとよいのですが。本当はもっとアカデミーの練習風景を撮りたかったのですが、何しろ私自身がコートに入ってますので撮るのがむずかしい。今度はボレテリでも行ってみたいですね。
残念ながらモントリオールを1戦も観られず、シンシナティ観戦となりました。今年の勢いからみればマレー勝利が当然の予想ですから、私も「とにかく、粘り強いマレーに最後までプッツンせずに、自分らしいテニスをしてほしい」だけを願っていました。ナダルにもマレーにもジョコとも対戦せずにタイトルを取った全仏、全英です。やはり今日のマレー戦は重要でした。ファデラーは全く落ち着いた調子でマイアミの頃とは別人でした。あのエラーの山だった頃!!FHは遠くに飛んでましたからねぇ。
ロジャーは本当に帰ってきたんだな・・・という思いです(^v^)
Tennisnakamaさんにはブログを続けていく上で本当に色々なご苦労があり、胸が痛みますが、常に更新されなくても 細く長く続けて頂ける事を願っています。ここが私のテニス心の出発点なんです。(それってふるさと?)