2009年05月05日
ナダルはアンタッチャブル
立て続けに3週間、モンテカルロ、バルセロナ、ローマとクレー大会で少し疲れてきましたね。観戦しているだけで疲れるのですから、毎週移動をしながら試合をしていかなくてはならない選手たちは疲労困憊。特に最後まで残って激戦を続けるナダルのメンタルとフィジカルの疲労度は想像を絶するものがあると思います。
でも何だかんだといいながら、いつものようにナダルが勝ってしまうのは驚異としかいいようがありません。メディアのトーンも従来のKing of ClayからもはやUntouchable Nadalに変わってきています。数年前に無敗を誇ったフェデラーの勢いを感じます。
Djokovicの進化
さてローマ決勝は、ナダルが7-6, 6-2で予想通りの優勝をとげましたが、ジョコヴィッチはフィジカルの両面で大きく進歩したと思います。一ヶ月前にトレーナーを変えてから、今まで肩で息をしていた動作がなくなりました。フットワークも途切れることなく、以前はとれなかったコーナーショットがカウンターできるようになってきました。
フィジカルの向上とともにメンタルも強化も印象に残りました。ときどきショットの選択が甘くナダルにたたかれることがあっても、ダウンされた状況から諦めないでアグレッシヴに挑戦するメンタル力は今までにあまりみられなかったものです。
第1セットの初っぱなからブレークされてしまったジョコヴィッチは、第9ゲーム(ナダルvsジョコヴィッチ:5-3)でもブレークポイントを迎えてしまいます。この肝心なときにベストなショットが打てるかどうか? 2-3のポイントが決定的となるハイレベルの試合では、集中力とガッツが勝敗を左右します。ジョコヴィッチはこの大切なポイントを、サーヴィスウィナーを決めてブレークを免れました。
ブレークの内容
第1セットはお互いに2度ブレークし合ってタイブレークとなりましたが、ブレークされたのが自分のエラーに原因しているのか、相手のウィナーによるものなのか? ブレークの内容が意外に見過ごされているように思います。ナダルがブレークされたゲームは、彼がウィナーを狙ってわずかにサイドラインからアウトしたunforced errorの場合が多く、反対にジョコヴィッチの場合は、ナダルのショットによってforced errorになった場合が多いのです。
ナダルの第1セットはエラーを恐れないで、アグレッシヴにウィナーを狙ってオフェンスの態勢を崩しませんでした。これはとても大切なことで、もしナダルが第1セットを失ったとしても、必ず後の2セットで取り戻せる自信があるからこそ、このラインぎりぎりのショットを打っていけたのだと思います。このナダルの止むことのない攻撃は、ジョコヴィッチにとって一球もミスのできない大きなプレッシャーとなり、つい勝ち急ぎをしたり、無理なショットを打ったりとミスが増えていきました。
「もう少し我慢をしてベースラインからラリーを続け、正しいショットの選択をするべきだった。接戦になったときにエラーをしてしまう。プレッシャーが高くなった決定的な瞬間を、ナダルの方が克服するのがうまい。だから彼はNo.1なんだ。」とジョコヴィッチはナダルを賞賛しています。
プレッシャーに強いNadal
第1セットのタイブレークに、ナダルのメンタルの強さが現れました。ナダルのとった7ポイントのうち、5ポイントがジョコヴィッチのエラーです。勝ち急ぎでロング、狙い過ぎでワイド、2度のドロップショットのミスなど、焦ったジョコヴィッチが如実にでていました。
第2セットでもジョコヴィッチがプレッシャーにうまく対応できなかったため、ブレークされてしまったゲームは第6ゲーム(3-2)です。デュースでジョコヴィッチはネットにひっかけ、ブレークポイントでダブルフォルトをしてしまいます。このダブルフォルトは決定的でした。このブレークで勢いを得たナダルは、次々とスーパーショットのウィナーを打ち続け手がつけられなくなってしまったのです。
Djokovic can’t keep up with Nadal’s intensity! と解説者が叫びました。ジョコヴィッチは必死でナダルに対抗しますが、ナダルのウィナーの嵐にあって崩壊の一途をたどることになります。 そしていつものパターン。対戦者は焦り、ミスを重ね、最後は一発を狙って自滅してしまうのです。
ジョコヴィッチが5月11日に4位に転落、マレーが3位に
私はランキングシステムに疑問があるので、ランキングを気にしないことにしています。というのは過去一年のトータルの成績ですので、いろいろ不思議なことが起こるからです。例えば来週にジョコとマレーの順位が逆転します。ジョコがローマで準優勝しても、初戦で負けてしまったマレーに3位を譲らなくてはならないのです。
ジョコは昨年ローマで優勝しているため来週に1000ポイントを失ってしまいます。たとえ今週のベルグラードで優勝したとしても250ポイントしか入らず、計750ポイントを失うことになります。反対に昨年のクレーで成績のよくないマレーは失うのは70ポイントのみで、ポイント数の総計ではジョコヴィッチを上回ってしまうのです。ローマでクウォリーに初戦で負けたマレーは3位にアップ。準決勝まで行ったジョコヴィッチは4位へダウン。こういうわけのわからないことでアップセットしないためにも、ランキングはほどほどにしておきましょう。What matters is being No.1. フェデラーも言っているように、No.1以外はあまり関係ないということでしょうか。
ボールの色をグリーンに
5月10日からマドリッドマスターズ、そしていよいよフレンチオープンが25日から始まります。これでクレーシーズンが終了、見づらい黄色のコートともお別れです。いつも思うのですが、観客フレンドリーに、クレーだけは見やすい色にボールを変えてもらうと嬉しいのですが。
数年前にピンクボールを買ったことがあります。「乳がんをストップ」の運動で、ボールをピンクにしてその売り上げを基金に寄付した会社がありました。すばらしいアイデアでめずらしいピンクボールはあっという間に売り切れました。テニスボールは昔は白だったのですから、このようにいろんな色があってよいと思います。そこで提案。クレーでは見やすくボールをグリーンにして、売り上げをエコフレンドリー運動に寄付してはどうでしょう?
でも何だかんだといいながら、いつものようにナダルが勝ってしまうのは驚異としかいいようがありません。メディアのトーンも従来のKing of ClayからもはやUntouchable Nadalに変わってきています。数年前に無敗を誇ったフェデラーの勢いを感じます。
Rome Final: Nadal def Djokovic: 7-6, 6-2
Djokovicの進化
さてローマ決勝は、ナダルが7-6, 6-2で予想通りの優勝をとげましたが、ジョコヴィッチはフィジカルの両面で大きく進歩したと思います。一ヶ月前にトレーナーを変えてから、今まで肩で息をしていた動作がなくなりました。フットワークも途切れることなく、以前はとれなかったコーナーショットがカウンターできるようになってきました。
フィジカルの向上とともにメンタルも強化も印象に残りました。ときどきショットの選択が甘くナダルにたたかれることがあっても、ダウンされた状況から諦めないでアグレッシヴに挑戦するメンタル力は今までにあまりみられなかったものです。
第1セットの初っぱなからブレークされてしまったジョコヴィッチは、第9ゲーム(ナダルvsジョコヴィッチ:5-3)でもブレークポイントを迎えてしまいます。この肝心なときにベストなショットが打てるかどうか? 2-3のポイントが決定的となるハイレベルの試合では、集中力とガッツが勝敗を左右します。ジョコヴィッチはこの大切なポイントを、サーヴィスウィナーを決めてブレークを免れました。
ブレークの内容
第1セットはお互いに2度ブレークし合ってタイブレークとなりましたが、ブレークされたのが自分のエラーに原因しているのか、相手のウィナーによるものなのか? ブレークの内容が意外に見過ごされているように思います。ナダルがブレークされたゲームは、彼がウィナーを狙ってわずかにサイドラインからアウトしたunforced errorの場合が多く、反対にジョコヴィッチの場合は、ナダルのショットによってforced errorになった場合が多いのです。
ナダルの第1セットはエラーを恐れないで、アグレッシヴにウィナーを狙ってオフェンスの態勢を崩しませんでした。これはとても大切なことで、もしナダルが第1セットを失ったとしても、必ず後の2セットで取り戻せる自信があるからこそ、このラインぎりぎりのショットを打っていけたのだと思います。このナダルの止むことのない攻撃は、ジョコヴィッチにとって一球もミスのできない大きなプレッシャーとなり、つい勝ち急ぎをしたり、無理なショットを打ったりとミスが増えていきました。
「もう少し我慢をしてベースラインからラリーを続け、正しいショットの選択をするべきだった。接戦になったときにエラーをしてしまう。プレッシャーが高くなった決定的な瞬間を、ナダルの方が克服するのがうまい。だから彼はNo.1なんだ。」とジョコヴィッチはナダルを賞賛しています。
プレッシャーに強いNadal
第1セットのタイブレークに、ナダルのメンタルの強さが現れました。ナダルのとった7ポイントのうち、5ポイントがジョコヴィッチのエラーです。勝ち急ぎでロング、狙い過ぎでワイド、2度のドロップショットのミスなど、焦ったジョコヴィッチが如実にでていました。
第2セットでもジョコヴィッチがプレッシャーにうまく対応できなかったため、ブレークされてしまったゲームは第6ゲーム(3-2)です。デュースでジョコヴィッチはネットにひっかけ、ブレークポイントでダブルフォルトをしてしまいます。このダブルフォルトは決定的でした。このブレークで勢いを得たナダルは、次々とスーパーショットのウィナーを打ち続け手がつけられなくなってしまったのです。
Djokovic can’t keep up with Nadal’s intensity! と解説者が叫びました。ジョコヴィッチは必死でナダルに対抗しますが、ナダルのウィナーの嵐にあって崩壊の一途をたどることになります。 そしていつものパターン。対戦者は焦り、ミスを重ね、最後は一発を狙って自滅してしまうのです。
ジョコヴィッチが5月11日に4位に転落、マレーが3位に
私はランキングシステムに疑問があるので、ランキングを気にしないことにしています。というのは過去一年のトータルの成績ですので、いろいろ不思議なことが起こるからです。例えば来週にジョコとマレーの順位が逆転します。ジョコがローマで準優勝しても、初戦で負けてしまったマレーに3位を譲らなくてはならないのです。
ジョコは昨年ローマで優勝しているため来週に1000ポイントを失ってしまいます。たとえ今週のベルグラードで優勝したとしても250ポイントしか入らず、計750ポイントを失うことになります。反対に昨年のクレーで成績のよくないマレーは失うのは70ポイントのみで、ポイント数の総計ではジョコヴィッチを上回ってしまうのです。ローマでクウォリーに初戦で負けたマレーは3位にアップ。準決勝まで行ったジョコヴィッチは4位へダウン。こういうわけのわからないことでアップセットしないためにも、ランキングはほどほどにしておきましょう。What matters is being No.1. フェデラーも言っているように、No.1以外はあまり関係ないということでしょうか。
ボールの色をグリーンに
5月10日からマドリッドマスターズ、そしていよいよフレンチオープンが25日から始まります。これでクレーシーズンが終了、見づらい黄色のコートともお別れです。いつも思うのですが、観客フレンドリーに、クレーだけは見やすい色にボールを変えてもらうと嬉しいのですが。
数年前にピンクボールを買ったことがあります。「乳がんをストップ」の運動で、ボールをピンクにしてその売り上げを基金に寄付した会社がありました。すばらしいアイデアでめずらしいピンクボールはあっという間に売り切れました。テニスボールは昔は白だったのですから、このようにいろんな色があってよいと思います。そこで提案。クレーでは見やすくボールをグリーンにして、売り上げをエコフレンドリー運動に寄付してはどうでしょう?
投稿者 Tennisnakama 00:18 | コメント(6)| トラックバック(0)
現在tennisnakamaのTwitter仲間は96名。あともう少しで第一目標の100名に達します。サインアップしてくださった方々に感謝します。モチベーションが上がってきます。これからもどんどん仲間を増やしていろんなことを語っていきたいと思います。
では http://twitter.com/tennisnakama にてお待ちしています♪
ラファが一番輝く季節をむかえ、TennisTVにも加入して、テニスライフを楽しんでいますよー。
ローマ決勝戦のラファ、落ち着いていてしかもアグレッシブで強かったですね。ブレイク合戦のようになって「あれあれ…」と思った時もあったけど、Tennisnakamaさんのおっしゃるように、ブレイクの内容が違ったんですね。何となく落ち着いて見ていられました。これから、ローラン・ギャロスに向けて応援のボルテージも上がっていきます!!
ところで、アンタッチャブル・ラファによろこんでいる一方で、私は今、ジル・シモンのことが心配で心配で…。何か面白い記事でもないかとレキップなど探していますが、彼が今何を考えているかわかるようなものになかなか出会えなくて…。シモンだけでなく、フランス勢は最近大会の前半で消えてしまったりすることが多いので、寂しいです。デイヴィス・カップの負けが響いているのかな・・・いや、ジル、あなたのせいだと言っているわけじゃないのよ!!元気出して~!!
彼の突如光る閃光ミサイルのフォアのウィナーが出てこない、というか出せないで悶々としてますね。前のディフェンスの悪い癖が戻ってきてしまっているような気がします。今日もEstoril Openでケンドリックにタイブレークであやうくセットをとられるところでした。かなり皆シモンを研究し出したようで今までのようにはいかないようです。2回戦はローマで対戦したフォグニーニになりそうです。ローマでも勝ってますので、この小さなトーナメントで勝ち越して自信をつけてほしいですね。
テニスボールについて僕も賛成です!クレーではホント見にくいんですよね^^;;
僕も家に友達にもらったそのピンクのボールがあります。
それと一緒にクリスマスの赤と緑のボールももらいました。
ぜひ写真を載せたいですが、コメントでは載せられないっぽいですね^^;;
一度友だちがミックスダブルスでピンクのボールを使おうとしたら、ペアのアメリカ男性が、ピンクなんて打ちたくない、と痛くゴネたとか。男性の心理ってそんなもんなんですかね?
今回かなり善戦していましたね。
ジョコのポイントシーンが他の選手へのラファ研究に役立ってしまうような気がしてなりません。
ラファの連勝を次に止めるのは、誰なんでしょう。
ジョコ?マレー?それとも復活を期したフェデ?
一人がちで面白くないという方も居るとは思いますが、私は次も負けないようにとドキドキしながら
応援していますので、緊迫感のある試合に変わりはありません。
全仏、どうなるんでしょうか・・・・。GSなだけにみんな気合の入れ方は違いますものね、
ラファにおいそれと勝利を譲るとは思えません。
勝利の女神はどこに微笑むのか・・・じっくり観戦したいとおもいます。
alalaさん、お久しぶりです。シモン、スランプなんでしょうか?
何かニュースがあったらこちらでも教えてください。
今日は久々あとで書き込みに行きますね~。