2009年05月31日
クレーの謎、スライディングの謎
「クレーコートではスライディングが決定的な役割を果たします。」とよく言われますが、実際クレーでテニスをしたことがないと理解しづらいですよね。そこでいろいろYouTubeなどでスライドの仕方を説明しているビデオはないものかと探したのですが、みつかりませんでした。結構皆が言う割には資料がほとんどないことに気づきました。
そこで仕方がないので、まずフェデラー、ナダル、モンフィスのスライディングの様子をビデオにおさめてみました。TVのスクリーンから撮ってますので、見辛いと思いますが、まず彼らのすばらしいスライディングをご覧ください。
私はテニス環境に恵まれていて、冬はインドアのハードコート、夏はセントラルパークのグリーンクレー(Har-Truと呼ばれ砂がまかれている)とハドソン・リヴァーパークのレッドクレー(ローランギャロスと同じ)でプレーをしています。ですからサーフェスの違いについての知識は多少なりともありますので、ここで簡単にクレーとスライディングについて説明したいと思います。
リカヴァリーのためのスライディング
アガシのようにハードコートのように走っていく選手は例外で、スライディングをしなければ前後左右に振られた場合、リカヴァリーがききません。つまりいかに速く反対の方向にチェンジできるか、つまりリカヴァリーのためにスライディングが使われます。
ではなぜスライディングが有効なのか?
ハードでしたら、コートとの摩擦があるので急停止できますが、クレーでは土に足が食い込んだり、滑ってしまったりしてバランスを崩して転びやすく、またリカヴァリーに時間がかかってしまいます。一番滑りやすいのは、砂のまかれたグリーンクレーで、私も昔はよく転んで怪我をしていました。
ヒッティングのタイミング
クレーではこのようにスライディングをして打つ場合が多いので、スライドするタイミングが重要なカギとなります。つまりいつからスライドし始め、いつ打って、いつストップするのか? これらの練習を重ねないとヒッティングのタイミングが合わずに、ミスヒットとなります。
クレーでは、ウィナーでポイントをとるよりも、相手のエラーでポイントをとることの方が多いのは、ヒッティングのタイミングのむずかしさと、ボールのバウンスが一定でないことが大きな原因です。
ヘヴィーなスピンボールを打つ理由
ではクレーコートの選手はナダルのようにヘヴィーなトップスピンが多いのはなぜ?
エラーを少なくするには、まずボールを確実にコートの内側に確実に入れなくてはなりません。スピンが多くかかればそれだけコート内に入る確率が高くなります。また山なりになったスピンボールはスピードが減速されますので、その間にリカヴァリーができる特典もあります。
今日のデルポトロの試合の途中で水が撒かれたのは?
日中の温度が高く乾燥していると、クレーも乾燥してきます。そうするとサーフェスは速くなり、滑りやすくなります。ここで問題なのは、クレーの乾燥度によってスライディングが変わってくることです。スライドのスピードと距離はクレーの乾燥度によって微妙に違ってくるのです。デルポが水をまいてほしいとリクエストしたのは、余りにも乾燥しすぎていて、サーフェスが速くなりすぎていたためで、ヘヴィーで遅いサーフェスを得意とするデルポにとっては、乾燥してしまったサーフェスは不利となります。
熱い日は試合の前後に水がまかれるのは、サーフェスのコンディションを一定に保つためですが、毎回微妙に違うので選手は適応能力がないとクレーでは勝てません。ですからアメリカの選手が勝てないのは、このクレーでの経験が圧倒的に少ないためで、これは自然な結果といえます。その中で健闘しているロディックは実に賞賛に値します。
スライディングの仕方
大切なことは、オープンスタンスであろうと、クロスであろうと、スライドしていくときは重心を体の中央におくこと。体の軸は左右にも前後にも傾斜せずスライドしていきます。そして方向を変えるときに、進行方向の足の方に重心を移してその足で踏ん張って方向転換をはかります。
シュテフィ・グラフのスライディングをご覧ください。わかりやすいと思います。
来週から私もいよいよレッドクレーでテニスです。憂鬱なのは靴も靴下もスコートもレンガ色に染まってしまって洗濯が大変なこと。そして普段の2倍も走るので(ボールに追いついてしまうのです)疲労が激しい。でもハドソン河沿いのきれいな公園ですので気持ちがスカッとするかもしれません。
よーし!ナダルのような華麗なスライディングに挑戦です。
そこで仕方がないので、まずフェデラー、ナダル、モンフィスのスライディングの様子をビデオにおさめてみました。TVのスクリーンから撮ってますので、見辛いと思いますが、まず彼らのすばらしいスライディングをご覧ください。
私はテニス環境に恵まれていて、冬はインドアのハードコート、夏はセントラルパークのグリーンクレー(Har-Truと呼ばれ砂がまかれている)とハドソン・リヴァーパークのレッドクレー(ローランギャロスと同じ)でプレーをしています。ですからサーフェスの違いについての知識は多少なりともありますので、ここで簡単にクレーとスライディングについて説明したいと思います。
リカヴァリーのためのスライディング
アガシのようにハードコートのように走っていく選手は例外で、スライディングをしなければ前後左右に振られた場合、リカヴァリーがききません。つまりいかに速く反対の方向にチェンジできるか、つまりリカヴァリーのためにスライディングが使われます。
ではなぜスライディングが有効なのか?
ハードでしたら、コートとの摩擦があるので急停止できますが、クレーでは土に足が食い込んだり、滑ってしまったりしてバランスを崩して転びやすく、またリカヴァリーに時間がかかってしまいます。一番滑りやすいのは、砂のまかれたグリーンクレーで、私も昔はよく転んで怪我をしていました。
ヒッティングのタイミング
クレーではこのようにスライディングをして打つ場合が多いので、スライドするタイミングが重要なカギとなります。つまりいつからスライドし始め、いつ打って、いつストップするのか? これらの練習を重ねないとヒッティングのタイミングが合わずに、ミスヒットとなります。
クレーでは、ウィナーでポイントをとるよりも、相手のエラーでポイントをとることの方が多いのは、ヒッティングのタイミングのむずかしさと、ボールのバウンスが一定でないことが大きな原因です。
ヘヴィーなスピンボールを打つ理由
ではクレーコートの選手はナダルのようにヘヴィーなトップスピンが多いのはなぜ?
エラーを少なくするには、まずボールを確実にコートの内側に確実に入れなくてはなりません。スピンが多くかかればそれだけコート内に入る確率が高くなります。また山なりになったスピンボールはスピードが減速されますので、その間にリカヴァリーができる特典もあります。
今日のデルポトロの試合の途中で水が撒かれたのは?
日中の温度が高く乾燥していると、クレーも乾燥してきます。そうするとサーフェスは速くなり、滑りやすくなります。ここで問題なのは、クレーの乾燥度によってスライディングが変わってくることです。スライドのスピードと距離はクレーの乾燥度によって微妙に違ってくるのです。デルポが水をまいてほしいとリクエストしたのは、余りにも乾燥しすぎていて、サーフェスが速くなりすぎていたためで、ヘヴィーで遅いサーフェスを得意とするデルポにとっては、乾燥してしまったサーフェスは不利となります。
熱い日は試合の前後に水がまかれるのは、サーフェスのコンディションを一定に保つためですが、毎回微妙に違うので選手は適応能力がないとクレーでは勝てません。ですからアメリカの選手が勝てないのは、このクレーでの経験が圧倒的に少ないためで、これは自然な結果といえます。その中で健闘しているロディックは実に賞賛に値します。
スライディングの仕方
大切なことは、オープンスタンスであろうと、クロスであろうと、スライドしていくときは重心を体の中央におくこと。体の軸は左右にも前後にも傾斜せずスライドしていきます。そして方向を変えるときに、進行方向の足の方に重心を移してその足で踏ん張って方向転換をはかります。
シュテフィ・グラフのスライディングをご覧ください。わかりやすいと思います。
来週から私もいよいよレッドクレーでテニスです。憂鬱なのは靴も靴下もスコートもレンガ色に染まってしまって洗濯が大変なこと。そして普段の2倍も走るので(ボールに追いついてしまうのです)疲労が激しい。でもハドソン河沿いのきれいな公園ですので気持ちがスカッとするかもしれません。
よーし!ナダルのような華麗なスライディングに挑戦です。
投稿者 Tennisnakama 12:35 | コメント(10)| トラックバック(0)
スペインの画像の悪いストリーミングでしたので、しっかりと観れませんでしたが、アメリカは5時間遅れの録画ですので、またゆっくりと観戦してみます。マッケンローが解説するのでその様子もお知らせします。
それにしてもこの悲劇によって、フェデラーに14タイトルの大きなチャンスが転がりこんできました。ナダルはフェデラー以外はタイトルを譲りたくないはず。彼のためにも、フェデラーよ!RGは絶対勝ってほしい!
日本では今WOWOWで追っかけ録画で放送しています。
フェデラーにタイトルのチャンスが転がり込んできたといっても、素直に喜べません・・・。ナダルという目標がなくなって、かえって不安です。
Tennisnakamaさん、そうでしょうか?ナダルはフェデラー以外はタイトルを譲りたくないでしょうか?
フェデラーは頑張ってくれるでしょうか・・・。どうしよう。
でも、それがいいプレーに直結するかどうかは見てのお楽しみ・・。
ナダルにとっても、明け渡すとしたらフェデラーに、と思ってるような気がします。ナダルが2007年5月のハンブルクの決勝でフェデラーに負けて、クレーコートでの連勝記録を81で止められたときに、インタビューでナダルは「僕が負けるとしたらフェデラーだと思っていた。」と言ってました。
あまりにもショックで言葉も出ないです。
しかし、ソダーリングの調子が尋常じゃないくらいによかった・・・。
こうなったらフェデラーに優勝してほしいです。
シモンも負けてしまったし、今年の私のローランギャロスは終わった。
やっぱり、フェデラーに勝って貰うしかないですね! HOP ROGER!! これしかない!
彼もツォンガみたいに勢いで決勝まで進めるのかしら・・・?
それにしても試合後のラファの「いつかは負ける日が来る」というコメントはけなげに思えました(涙)
<追伸>先ほど送信時にエラーが出たので、2度投稿するを押したのですが、
同じ内容が2回表示されていましたので、片方を削除して頂いて結構です。