2009年05月31日
進化し続けるデルポトロ
3回戦 Del Potro def Andreev: 6-4, 7-5, 6-4
エラーを恐れない
今までローランギャロスは、昨年の2回戦進出がせいぜいで、その他はすべて1回戦どまりだったデルポトロが、今年は4回戦の進出を決めました。
今日のアンドレエーヴとの試合を観て感じたことは、デルポが苦戦しながらもオフェンスの手を緩めなかったこと。何度もエラーを繰り返しながらアグレッシヴなショットをねらった試合は、今まであまりみられなかったデルポです。今日はいつにもなく33もエラーをおかしましたが、気持ちをあくまでもアグレッシヴに保つための発奮材だったような気がします。
デルポを観ていると、ナダルがディフェンスからアグレッシヴ・ディフェンスに進化していった過程を思い出します。滅多にエラーをしなかったナダルは最近エラーの数が増えています。これは注意力が散漫になったエラーではなく、アグレッシヴなエラーです。
ディフェンス選手は負けそうになると消極的になり、ミスをおそれてガッツのあるショットができなくなります。エラーを恐れずにオフェンスであり続けるためには、ある程度のエラーには目をつぶるメンタルトレーニングが必要です。エラーが起こす気持ちの上でのダウンやイライラを引きずらないトレーニングです。
そして肝心なときに、エースで決められるメンタルの強さも今日のデルポにはみられました。
フェデラーに感謝?
デルポはディフェンスプレーヤーですから、ベースラインから確実にカウンターを決めながらチャンスを待ちます。今日のアンドレエーヴのような強烈なハードヒッターとの試合では、従来ならデルポは深くベースラインから下がって対抗したはずですが、今日のデルポは違っていました。
マドリッドの準決勝ではフェデラーに、 第1ゲームからドロップショットを3回もされたデルポ。それでもベースラインを離れようとしないデルポは、フェデラーからドロップショットの嵐に合い屈辱的な思いをしました。フェデラーは試合後の記者会見で、「ドロップショットは選手によって使い分けるけれど、今日は気持ちよく使わせてもらったよ。」みたいなことを言われては、いつまでもベースラインにへばりついてはいれないことに気がついたはずです。
昨年のRGではデルポのネットアプローチはせいぜい18回どまり。この18回も確実に浮いた球しかネットダッシュをしないため、「相手にプレッシャーを与える」ことがありませんでした。しかしアンドレエーヴとの対戦ではネットアプローチが26回。しかも18回成功していますので、約7割の成功率です。あのハードヒッターのアンドレエーヴに対してこれだけネットにくるのは、かなりの度胸がいったはずです。
しかし第3セットでマッチポイントを5回もミスってしまうあたりは、まだメンタルの修行が必要ですが、でもデルポはまだ20歳。US Openで錦織選手との試合を生観戦したときに「彼はトップ3にいける!」と直感した私の予感が当たる日が近づいてきているように思います。
次はいよいよフィリップ・シャトリエでフランスのアイドル、ツォンガとの対戦です。会場全体がツォンガを応援するでしょうし、しかも初めてのセンターコートです。この試合は今年最大のデルポのメンタルテストになるかもしれません。
(昨年の US Open 『錦織、残念でしたね』の記事参照)
エラーを恐れない
今までローランギャロスは、昨年の2回戦進出がせいぜいで、その他はすべて1回戦どまりだったデルポトロが、今年は4回戦の進出を決めました。
今日のアンドレエーヴとの試合を観て感じたことは、デルポが苦戦しながらもオフェンスの手を緩めなかったこと。何度もエラーを繰り返しながらアグレッシヴなショットをねらった試合は、今まであまりみられなかったデルポです。今日はいつにもなく33もエラーをおかしましたが、気持ちをあくまでもアグレッシヴに保つための発奮材だったような気がします。
デルポを観ていると、ナダルがディフェンスからアグレッシヴ・ディフェンスに進化していった過程を思い出します。滅多にエラーをしなかったナダルは最近エラーの数が増えています。これは注意力が散漫になったエラーではなく、アグレッシヴなエラーです。
ディフェンス選手は負けそうになると消極的になり、ミスをおそれてガッツのあるショットができなくなります。エラーを恐れずにオフェンスであり続けるためには、ある程度のエラーには目をつぶるメンタルトレーニングが必要です。エラーが起こす気持ちの上でのダウンやイライラを引きずらないトレーニングです。
そして肝心なときに、エースで決められるメンタルの強さも今日のデルポにはみられました。
フェデラーに感謝?
デルポはディフェンスプレーヤーですから、ベースラインから確実にカウンターを決めながらチャンスを待ちます。今日のアンドレエーヴのような強烈なハードヒッターとの試合では、従来ならデルポは深くベースラインから下がって対抗したはずですが、今日のデルポは違っていました。
マドリッドの準決勝ではフェデラーに、 第1ゲームからドロップショットを3回もされたデルポ。それでもベースラインを離れようとしないデルポは、フェデラーからドロップショットの嵐に合い屈辱的な思いをしました。フェデラーは試合後の記者会見で、「ドロップショットは選手によって使い分けるけれど、今日は気持ちよく使わせてもらったよ。」みたいなことを言われては、いつまでもベースラインにへばりついてはいれないことに気がついたはずです。
昨年のRGではデルポのネットアプローチはせいぜい18回どまり。この18回も確実に浮いた球しかネットダッシュをしないため、「相手にプレッシャーを与える」ことがありませんでした。しかしアンドレエーヴとの対戦ではネットアプローチが26回。しかも18回成功していますので、約7割の成功率です。あのハードヒッターのアンドレエーヴに対してこれだけネットにくるのは、かなりの度胸がいったはずです。
しかし第3セットでマッチポイントを5回もミスってしまうあたりは、まだメンタルの修行が必要ですが、でもデルポはまだ20歳。US Openで錦織選手との試合を生観戦したときに「彼はトップ3にいける!」と直感した私の予感が当たる日が近づいてきているように思います。
次はいよいよフィリップ・シャトリエでフランスのアイドル、ツォンガとの対戦です。会場全体がツォンガを応援するでしょうし、しかも初めてのセンターコートです。この試合は今年最大のデルポのメンタルテストになるかもしれません。
(昨年の US Open 『錦織、残念でしたね』の記事参照)
投稿者 Tennisnakama 08:22 | コメント(3)| トラックバック(0)
トップ4に話題が集中して、海外でもほとんどデルポトロについて書かれていないのが残念です。パワフルなサーヴとストローク、確実なショットメイキング、最近はネットプレーもうまくなり、これに加えて俊足ときてますからオールマイティーです。欲をいえば、ショットをミックスできる柔軟性と強固なメンタルがあれば言うことなし。これも経験を積むことによって習得するでしょう。来年はトップ4ではなくトップ5が熾烈な戦いを展開していくと思います。