2009年05月16日
マドリッド準々決勝
ナダル def べルダスコ: 6-4, 7-5
第2セットが面白かったです。べルダスコは第2セットに入ると、調子をぐんぐん上げてきたのと同時に、ナダルの集中力がフッと途切れてきました。こういう瞬間って結構最近のナダルにみかけます。あれほどインテンスにプレーしているのですから、ときどきそういう気持ちのたるみや、力みすぎのエラーがあって当然だと思うのですが、今日は第2セットで何とナダルが続けて2度ブレークされてしまい、0-4の危機に陥りました。しかしここからです。ナダルの本領が発揮されたのは。ナダルが急にギアアップして、ラインぎりぎりのアグレッシヴなショットをすべて決め、サーヴィスウィナー、スマッシュウィナーと続きます。そして40-0で圧倒的な強さでサーヴィスゲームをホールドして、流れが完全に変わりました。
第6ゲーム(1-4)からべルダスコにミスが目立ち、ナダルは攻守とも確実で得点を重ねていきます。そして5ゲーム連続勝ち取ってスコアを5-5のイーヴンに戻してしまったのでした。焦らず、自信に溢れて、しかもアグレッシヴに攻めていくナダルに、べルダスコは最後は完全に首を絞められたかたちで、0-40でマッチポイントをとられ試合が終了しました。やはりナダルは強いですね。そして無茶苦茶に足が速い。普通ならウィナーになってポイントをとれるショットも、カウンターされてしまうので、最後はどうしてよいのかわからず、べルダスコも自滅の道をたどってしまう結果となりました。
べルダスコのコーチの席にケイヒル(フェデラーのコーチになるかもしれないとささやかれた)の顔が見えます。名コーチによってべルダスコがこれからどのような成長をみせてくれるか楽しみです。
ジョコヴィッチ def リュービチッチ: 6-4, 6-4
準々決勝の4試合の中では、ベストのハイクウォリティーの試合でした。リュービチッチがどうしちゃったのか、と見違えるほど強くなってカムバックです。3年前に3位になったこともあるベテランですが、2年間のスランプで現在は54位。30歳という引退してもおかしくない歳ですが、フットワークも向上し、ショットも一段と鋭くなって、ジョコヴィッチと対抗に戦っていました。昔はサーヴのリュービチッチでしたが、今日は47%と低かったにも拘らず好戦。昨日は好きなシモンを倒してくれちゃったのがちょっと癪にさわりましたが、でもこの高齢でガンガン気持ちよく打ちまくっていたのは、他の選手にとって力強い励ましとなったはず。
ジョコヴィッチは、新しいトレーナーのもとで体力がついてきたのか、フォットワークがしっかりしてきました。フィットしていればメンタルも強く保つことができます。長いラリーもきわどいコースを突くアグレッシヴなテニスを展開しています。今の実力ならナダルとの準決勝は結構いい線をいけそうな気がします。
フェデラー def ロディック:7-5, 6-7(5), 6-1
第1セットの初っぱなからダブルフォルトとフォアのエラーで、フェデラーがブレークされてしまい焦りました。どうもなかなかリズムがとれそうでとれない。フェデラーのすばらしいショットが決まるかと思えば、次は大きなミスヒット。これはいつものフェデラーなのですが、やはり36のエラーは多すぎます。しかアグレッシヴに攻めていますのでウィナーの数も圧倒的に43と多いのですが。問題はタイブレークでロディックにとられてしまった第2セットです。第9ゲーム(4-4)でブレークポイントを3つもとりながらブレークできなかったのは致命的でした。
今日はフェデラーのサーヴの調子がよく、エースを何と15もとっています。そして多くのサーヴィスウィナーをもとっていますので、1stサーヴの得点率はなんと88%の高率。このサーヴが維持できればデルポトロを倒すことができます。
第3セットは、ロディックに勝ち急ぎのエラーが目立ち、粘りのないテニスであっさりと1-6でロディックが負けてしまいました。意外でした。ステファンキのもとで結構いい試合をしていたというのに。新婚早々でいろいろ気の散ることがあるのでしょうね。
デルポトロ def マレー:7-6(4), 6-3
バースデイボーイのマレーが負けてしまいましたね。せっかく22歳になったというのに残念でした。この二人の試合は、準々決勝の4試合の中で一番つまらなかった試合でした。二人ともまだまだカウンターパンチャーの域をでず、どちらかといえばデルポのほうがまだアグレッシヴ。デルポはあの背丈でよく走りサーヴも強かったのですが、まだネットプレーに対して苦手意識があるようで、なかなかネットダッシュしないので、ここがデルポの限界かもしれません。
マレーはデルポ戦の敗北について、作戦が間違っていたと記者会見で答えました。
「1ゲーム中に3回もネットダッシュしてポイントをとられている。これは僕のゲームじゃない。攻守のバランスを考えていなかった。フレンチオープンでは、フェデラーのように自分のゲームを展開してがんばりたい。」
土曜はいよいよ準決勝です。ナダル vs ジョコヴィッチ、フェデラー vs デルポトロ。決勝はナダル vs フェデラーの可能性が濃厚になってきました。楽しみですね!
第2セットが面白かったです。べルダスコは第2セットに入ると、調子をぐんぐん上げてきたのと同時に、ナダルの集中力がフッと途切れてきました。こういう瞬間って結構最近のナダルにみかけます。あれほどインテンスにプレーしているのですから、ときどきそういう気持ちのたるみや、力みすぎのエラーがあって当然だと思うのですが、今日は第2セットで何とナダルが続けて2度ブレークされてしまい、0-4の危機に陥りました。しかしここからです。ナダルの本領が発揮されたのは。ナダルが急にギアアップして、ラインぎりぎりのアグレッシヴなショットをすべて決め、サーヴィスウィナー、スマッシュウィナーと続きます。そして40-0で圧倒的な強さでサーヴィスゲームをホールドして、流れが完全に変わりました。
第6ゲーム(1-4)からべルダスコにミスが目立ち、ナダルは攻守とも確実で得点を重ねていきます。そして5ゲーム連続勝ち取ってスコアを5-5のイーヴンに戻してしまったのでした。焦らず、自信に溢れて、しかもアグレッシヴに攻めていくナダルに、べルダスコは最後は完全に首を絞められたかたちで、0-40でマッチポイントをとられ試合が終了しました。やはりナダルは強いですね。そして無茶苦茶に足が速い。普通ならウィナーになってポイントをとれるショットも、カウンターされてしまうので、最後はどうしてよいのかわからず、べルダスコも自滅の道をたどってしまう結果となりました。
べルダスコのコーチの席にケイヒル(フェデラーのコーチになるかもしれないとささやかれた)の顔が見えます。名コーチによってべルダスコがこれからどのような成長をみせてくれるか楽しみです。
ジョコヴィッチ def リュービチッチ: 6-4, 6-4
準々決勝の4試合の中では、ベストのハイクウォリティーの試合でした。リュービチッチがどうしちゃったのか、と見違えるほど強くなってカムバックです。3年前に3位になったこともあるベテランですが、2年間のスランプで現在は54位。30歳という引退してもおかしくない歳ですが、フットワークも向上し、ショットも一段と鋭くなって、ジョコヴィッチと対抗に戦っていました。昔はサーヴのリュービチッチでしたが、今日は47%と低かったにも拘らず好戦。昨日は好きなシモンを倒してくれちゃったのがちょっと癪にさわりましたが、でもこの高齢でガンガン気持ちよく打ちまくっていたのは、他の選手にとって力強い励ましとなったはず。
ジョコヴィッチは、新しいトレーナーのもとで体力がついてきたのか、フォットワークがしっかりしてきました。フィットしていればメンタルも強く保つことができます。長いラリーもきわどいコースを突くアグレッシヴなテニスを展開しています。今の実力ならナダルとの準決勝は結構いい線をいけそうな気がします。
フェデラー def ロディック:7-5, 6-7(5), 6-1
第1セットの初っぱなからダブルフォルトとフォアのエラーで、フェデラーがブレークされてしまい焦りました。どうもなかなかリズムがとれそうでとれない。フェデラーのすばらしいショットが決まるかと思えば、次は大きなミスヒット。これはいつものフェデラーなのですが、やはり36のエラーは多すぎます。しかアグレッシヴに攻めていますのでウィナーの数も圧倒的に43と多いのですが。問題はタイブレークでロディックにとられてしまった第2セットです。第9ゲーム(4-4)でブレークポイントを3つもとりながらブレークできなかったのは致命的でした。
今日はフェデラーのサーヴの調子がよく、エースを何と15もとっています。そして多くのサーヴィスウィナーをもとっていますので、1stサーヴの得点率はなんと88%の高率。このサーヴが維持できればデルポトロを倒すことができます。
第3セットは、ロディックに勝ち急ぎのエラーが目立ち、粘りのないテニスであっさりと1-6でロディックが負けてしまいました。意外でした。ステファンキのもとで結構いい試合をしていたというのに。新婚早々でいろいろ気の散ることがあるのでしょうね。
デルポトロ def マレー:7-6(4), 6-3
バースデイボーイのマレーが負けてしまいましたね。せっかく22歳になったというのに残念でした。この二人の試合は、準々決勝の4試合の中で一番つまらなかった試合でした。二人ともまだまだカウンターパンチャーの域をでず、どちらかといえばデルポのほうがまだアグレッシヴ。デルポはあの背丈でよく走りサーヴも強かったのですが、まだネットプレーに対して苦手意識があるようで、なかなかネットダッシュしないので、ここがデルポの限界かもしれません。
マレーはデルポ戦の敗北について、作戦が間違っていたと記者会見で答えました。
「1ゲーム中に3回もネットダッシュしてポイントをとられている。これは僕のゲームじゃない。攻守のバランスを考えていなかった。フレンチオープンでは、フェデラーのように自分のゲームを展開してがんばりたい。」
土曜はいよいよ準決勝です。ナダル vs ジョコヴィッチ、フェデラー vs デルポトロ。決勝はナダル vs フェデラーの可能性が濃厚になってきました。楽しみですね!
投稿者 Tennisnakama 15:03 | コメント(27)| トラックバック(0)
昨日のロディックとの試合はストリームで観戦しました。3rd SETでロディックがふんばれなかったのはちょっと残念でした。フェデラーが強くいるためにもロディックは最後までフェデラーを苦しめて欲しかったです。
しかし、ラファの強さって.... 底が知れないなぁ。どこまで強くなるのだろう。ジョコがどこまで対抗するのかなあ...
本日の記事はとても興味深く何度も読み返しています。Tennisnakamaさんの真骨頂みたいなこうした記事は嬉しいです。
お褒めいただいてありがとうございます。ライヴで観れない試合は録画で観たりして結構あわただしくかったのですが、きちんと読んでいただいて嬉しいです。あと1時間でナダルvsジョコヴィッチが始まりますね。最近のジョコヴィッチは技術的には申し分ないので、あとは二人のメンタルの勝負でしょうね。
ところで、Star TrekをIMAX(巨大なスクリーン)で観てきました。なかなかストリーがよくできていて、スクリーンが大きいだけに迫力ものでした。日本でも多分IMAX(万博で使われている)があると思いますのでお勧めします。
STAR TREKは子供の頃からの憧れでした。私は最新シリーズの「ENTERPRISE」が大好きです。戦闘シーンが少ないことの不評などで98話で終わってしまいましたが、私はあれこそが人間があるべき理想の姿だと思いました。他者との差異を認め合う、そのプロセスを信じて諦めない、私がアメリカに対してそうあって欲しい姿でもあります。あのようなドラマを制作できる環境や下地があるアメリカの側面は素晴らしいと思います。子供の頃、60~70年代に多くのアメリカドラマが吹きかえられて日本のテレビで放映されましたよね。私はそれらを食い入るように観ていた世代です。STAR TREKはその最たるものです。今は、「TWENTY Four Hours」、「サラ・コナーズ・クロニクル」、「LOST」、「Numbers」、「スーパーナチュラル」を楽しみに観ております。あ、ラファ-ジョコ戦が始まりますね。
ジョコが6-3で1stセットとりましたね。セカンドでもおしてます。まだブレークアップしてませんが。
tennisnakamaさんが言うように、ジョコのフィジカルがよくなったためか、長いラリーでも崩れず、サイドに散らすプレースメントと、浅いボールに早く追いついて前に出る攻勢で、ラリー戦をものにするケースが多くなってます。
それにしてもナダルの調子が悪すぎる気がする。ここ最近の中では一番ミスが多いように思います。連戦の疲れかな?
現在2セット目序盤、ナダルがメディカルタイムアウトをとってトレーナーに右膝にテープを巻いてもらっています。ひざというのは、膝の上部、腿の最下部です。心配ですね。
ナダル、頑張れ!! うぉ~10game デュースになった。
今期、3回もマスターズの決勝で負けてるジョコなんで(うち2回はvsナダル)、個人的にはここはジョコに勝たせてあげたい。そして勝つ資格があるように思う。
なんて今日はジョコは素晴らしいんでしょう。気持ちに余裕があります。
第3セットはどうなるか目が離せませんね。
これでファイナル突入です。
mitoさん、一緒にジョコに気を送りましょう。
私はお調子者で野心家のジョコが好きです、実は。
プロテニスプレーヤーって、個人競技ですごく体力も精神力も使うせいか、コートでユーモアを発揮する人って少ないけど、ジョコは愛すべきエンターテイナーって感じがします。
3-1upですっ!!
おお・・。
おっと、長いラリーのあと足がつったみたい。ジョコは大丈夫でしょうか。頑張れー!
壮絶な試合、ひたすらスゴかった・・。
どっちが勝ってもおかしくなかったです。
ジョコ、ナダル、お疲れ・・。
それにしてもジョコのパフォーマンスはこれまで私が見た中では一番でした。できれば勝ってほしかったけど、足を万全にして、次の対決でリベンジしてほしいです。
ジョコもナダルも素晴らしい! テニスって素晴らしいですね。
ジョコもナダルもすごすぎます…。
ジョコ、素晴らしかったけど、ナダルの勝利への執念に一歩及ばなかった。
ナダルが膝の手当を始めたときは、
全仏のことを思ったら、ここで負けた方が安心とすら思ってしまいましたが、
そんな浅はかな考えなど彼の頭にはないのですね。
ただ一試合、一試合に勝つこと、それがモチベーションなんだ、というコメントを思い出しながら
最後のタイブレーク見てました。
tennis TVの画像が遅くて、音声とライスコのラジオ観戦状態だったのですが
1ポイント・1ポイントにかける二人の執念が、…8‐8…9‐9と推移していく
スコアの数字にもこもっているような気がする時間でした。
全仏前哨戦の段階なのに、まだ準決勝で明日は決勝が控えているのに、
目前の一勝のために、これだけの試合ができるなんて、二人とも
本当に本当に素晴らしいです。
ジョコもナダルもすごすぎます…。
ジョコ、素晴らしかったけど、ナダルの勝利への執念に一歩及ばなかった。
ナダルが膝の手当を始めたときは、
全仏のことを思ったら、ここで負けた方が安心とすら思ってしまいましたが、
そんな浅はかな考えなど彼の頭にはないのですね。
ただ一試合、一試合に勝つこと、それがモチベーションなんだ、というコメントを思い出しながら
最後のタイブレーク見てました。
tennis TVの画像が遅くて、音声とライスコのラジオ観戦状態だったのですが
1ポイント・1ポイントにかける二人の執念が、…8‐8…9‐9と推移していく
スコアの数字にもこもっているような気がする時間でした。
全仏前哨戦の段階なのに、まだ準決勝で明日は決勝が控えているのに、
目前の一勝のために、これだけの試合ができるなんて、二人とも
本当に本当に素晴らしいです。
ついに、明日(日本は朝なので今日ですが)は待ちに待ったナダルとのファイナルです。
ナダルの膝の状態が心配ですが、いい試合を期待したいです。
Tennisnakamaさんの準決勝解説、楽しみにしています。
デルポとの対戦、すごく緊迫したいい試合だった気がします ってか、今は嬉しいのと明日の試合が楽しみなのと、ピリッとした緊張で胸がいっぱいです~!
対照的な2つの試合、ラファとロジャーそのものです。明日の決勝はどうなるのか・・・今からドキドキです。
フェデラーは録画で観戦しましたが、エラーを簡単に出しているのが気になりますね。ですが、ひさしぶりのナダルvsフェデラー。素直に楽しみです!
のマッチポイントになったとき、 今日は 負けた、と覚悟してました。 勝って、 ほんとに びっくりです。 フレンチオープンがあるんだから、 怪我をしたら たいへん。 ちょっと ゆっくりしてほしいです。 ところで わたしは ボールガールの可愛いのに、 目がいって しょうがなかったんですが、 みなさん 気になりませんでした? 普段 テニスをみない 夫も 少し 見てたのですが、 さすがにすぐに 気がついてました。 ”ガール”と呼ぶには 大人っぽい、 きれいな女の子ばかりでした。
スペインでの試合は この前も かわいい女性が ボールガールでした。
いよいよあと数時間でナダルvsフェデラー決勝ですね。彼らの対決は全豪オープン以来です。次号ではフェデラーvsデルポ戦を力尽き果てて書くことができませんでしたが、(昨晩は5人の泊まり客があり死にそうに大変でした)フェデラーは余裕をもって、第1ゲームではドロップショットを3回もやってましたね。いくらデルポがベースラインが好きだといっても、あまりにもドロップショットが多くて笑ってしまいました。決勝ではナダルはフェデラーのドロップショット攻撃にあって、ますます膝を痛めてしまうのが心配。でもナダルはビッコをひいてまでも戦うでしょうから、今日のような結果になると思います。