2009年03月17日
ナダルのグランドスラムなるか?
バーゼル紙によると、フェデラーの赤ちゃんの出産予定日はぎりぎりまで発表しないそうです。というのは、出産の時期に重なるトーナメントは欠場という可能性が大きくなってきているからで、これは今の段階では極秘ということになっています。ということはウィンブルドンかUS Openあたりでしょうか?
ナダルのさらなる進化について:
インディアンウェルズ2回戦TV観戦より
フェデラー、ジョコヴィッチなどトップ選手の2回戦を観て、パーフォーマンスが一番安定していたのはナダルでした。それにプラクティス時間にも一番時間をかけていたようで真剣そのもの。驚いたのはプラクティスの後、何百人ものファンに取り囲まれたナダルは全く身動きもできず、思わず解説者も危ない!という声を上げたほど無防備だっとことです。ナダルの取り巻きもさっさと彼を残して去ってしまいましたし、ナダルは一人ぽっち。セキュリティーは二人だけ。とてもハンドルできる状況ではありません。頭のおかしいファンがいて、ナダルに危害を与えることも簡単にできる状態です。モニカ・セレスの刺傷事件が思い出されます。あの無防備なナダルは近づきやすくて魅力がありますが、何が起こっても不思議でない状態はやはり心配です。それにしてもラファは一人でも多くのファンにサインをしてあげようとする心やさしい行動にいつも感心します。
さて対戦相手のベラーBerrerは、ランキング112位のチャレンジャーのサーキットをまわるドイツ選手。インディアンウェルズでは予選を突破したあと、本戦でアンダーソンを破ってナダルとの対戦です。トップ選手の多くは、最初のラウンドはなかなか本調子になれず、デルポのように1セットを落としたり、ジョコヴィッチのように1セットを落としそうになったりと、まだまだ調整中といったプレイが観られるのですが、ナダルだけは違っていました。調整はプラクティスでやってしまうので、試合はいつも真剣勝負です。予想通り6-2, 6-1でナダルの完勝でしたが、ナダルがまたさらに進化しているのを目撃しました。
(1)サーヴィスの向上
解説者の説明では、サーヴが一年前のインディアンウェルズでは平均108マイルだったのが、今は113マイルに速くなっているそうです。この5マイル(8km)は大きな進歩で、しかもプレースメントがよくなったので、サーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)が多くなりました。このようにサーヴ向上で、サーヴィスゲームがチープポイント(簡単にとれるポイントのこと)によって、昔にくらべて比較的楽にとれるようになってきています。
(2)ネットプレーの向上
相手の浮いたボールの処理の仕方が変わってきています。今までは浮いたボールは、一度ボールをコートにバウンドさせてから、ベースラインから打っていましたのでなかなか決められなかったのですが、最近はネットダッシュして、アングルヴォレーで決められるようになりました。ダブルスをやめなかった彼の努力の成果がこのネットプレーに現れ、ネットダッシュのタイミングといい、立つポジションも実にうまくなりました。
(3)フォアハンドの新しい武器
前までは集中的に相手のバックハンドを狙ったフォアハンドのクロスが多く、ナダルの攻撃は比較的予期しやすいパターンが多かったのです。しかし最近のナダルは、相手のフォアハンド側に打つインサイドアウトでも得点できるようになりました。相手のフォアハンドに打つショットですから、どんなに強力なショットでもカウンターを食らってしまいます。しかし角度をつけてサーヴィスラインとサイドラインの交差点あたりに打てば、まずこれは絶対とれない。とれても球が浮いてきます。このアングルインサイドアウトのフォアハンドが確実にきめらるようになって、ナダルの攻撃にバリエーションがでてきました。
(4)予期せぬ速攻スタイル
3月にデ杯でナダルと戦って3セットストレートで敗退したジョコヴィッチが「ナダルは突然攻撃モードになるので予期できない」というコメントを残していました。これはサーヴの向上を始め、以上にあげた進歩があらゆるポジションからの攻撃を可能にする選手に進化した結果だと思います。
このようにナダルの進化は止むところがなく、ますますフェデラーのNo.14のタイトル獲得がむずかしくなってきたように思います。もしフェデラーがUS Openを欠場すれば、ナダルが一番苦手なUS Openに勝つ可能性もあるわけで、そうなると今年はナダルのグランドスラムの年となる可能性が出てきました。
グランドスラムとは、一年の間に全豪、全仏、全英、全米の4GSのタイトルをとることで、正確にはカレンダーイヤー・グランドスラムと呼ばれています。もしナダルのグランドスラムが実現すれば、ロッド・レイヴァー以来で、これはとんでもない偉業となります。サンプラス、フェデラーの彼らでも実現できなかったこのグランド・スラムがナダルによって実現するかどうか! 2009年のテニスはますます面白くなってきました。
(余談)
ところでフェデラー/アレグロのダブルスチームは、あっさりとブライアン兄弟に6-2, 6-0で抹殺されてしまいました。ライヴスコアを観ていましたが、あまりにもあっさりと負けてしまってのでがっかりです。ブライアン兄弟のオリンピックのリベンジの意地があったのか。アレグロが足を引っ張ったのか。フェデラーが赤ちゃんの件で集中できなかったのか。センターコート(スタジアム1)にもかかわらず、どこのTVも放送しませんでしたが、これは今から思えば正解だったかも。いくらダブルスとはいえ、あまりにも簡単に負けてしまうフェデラーの姿は観たくないファンが多いでしょうから。
ナダルのさらなる進化について:
インディアンウェルズ2回戦TV観戦より
フェデラー、ジョコヴィッチなどトップ選手の2回戦を観て、パーフォーマンスが一番安定していたのはナダルでした。それにプラクティス時間にも一番時間をかけていたようで真剣そのもの。驚いたのはプラクティスの後、何百人ものファンに取り囲まれたナダルは全く身動きもできず、思わず解説者も危ない!という声を上げたほど無防備だっとことです。ナダルの取り巻きもさっさと彼を残して去ってしまいましたし、ナダルは一人ぽっち。セキュリティーは二人だけ。とてもハンドルできる状況ではありません。頭のおかしいファンがいて、ナダルに危害を与えることも簡単にできる状態です。モニカ・セレスの刺傷事件が思い出されます。あの無防備なナダルは近づきやすくて魅力がありますが、何が起こっても不思議でない状態はやはり心配です。それにしてもラファは一人でも多くのファンにサインをしてあげようとする心やさしい行動にいつも感心します。
さて対戦相手のベラーBerrerは、ランキング112位のチャレンジャーのサーキットをまわるドイツ選手。インディアンウェルズでは予選を突破したあと、本戦でアンダーソンを破ってナダルとの対戦です。トップ選手の多くは、最初のラウンドはなかなか本調子になれず、デルポのように1セットを落としたり、ジョコヴィッチのように1セットを落としそうになったりと、まだまだ調整中といったプレイが観られるのですが、ナダルだけは違っていました。調整はプラクティスでやってしまうので、試合はいつも真剣勝負です。予想通り6-2, 6-1でナダルの完勝でしたが、ナダルがまたさらに進化しているのを目撃しました。
(1)サーヴィスの向上
解説者の説明では、サーヴが一年前のインディアンウェルズでは平均108マイルだったのが、今は113マイルに速くなっているそうです。この5マイル(8km)は大きな進歩で、しかもプレースメントがよくなったので、サーヴィスウィナー(日本ではタッチエース)が多くなりました。このようにサーヴ向上で、サーヴィスゲームがチープポイント(簡単にとれるポイントのこと)によって、昔にくらべて比較的楽にとれるようになってきています。
(2)ネットプレーの向上
相手の浮いたボールの処理の仕方が変わってきています。今までは浮いたボールは、一度ボールをコートにバウンドさせてから、ベースラインから打っていましたのでなかなか決められなかったのですが、最近はネットダッシュして、アングルヴォレーで決められるようになりました。ダブルスをやめなかった彼の努力の成果がこのネットプレーに現れ、ネットダッシュのタイミングといい、立つポジションも実にうまくなりました。
(3)フォアハンドの新しい武器
前までは集中的に相手のバックハンドを狙ったフォアハンドのクロスが多く、ナダルの攻撃は比較的予期しやすいパターンが多かったのです。しかし最近のナダルは、相手のフォアハンド側に打つインサイドアウトでも得点できるようになりました。相手のフォアハンドに打つショットですから、どんなに強力なショットでもカウンターを食らってしまいます。しかし角度をつけてサーヴィスラインとサイドラインの交差点あたりに打てば、まずこれは絶対とれない。とれても球が浮いてきます。このアングルインサイドアウトのフォアハンドが確実にきめらるようになって、ナダルの攻撃にバリエーションがでてきました。
(4)予期せぬ速攻スタイル
3月にデ杯でナダルと戦って3セットストレートで敗退したジョコヴィッチが「ナダルは突然攻撃モードになるので予期できない」というコメントを残していました。これはサーヴの向上を始め、以上にあげた進歩があらゆるポジションからの攻撃を可能にする選手に進化した結果だと思います。
このようにナダルの進化は止むところがなく、ますますフェデラーのNo.14のタイトル獲得がむずかしくなってきたように思います。もしフェデラーがUS Openを欠場すれば、ナダルが一番苦手なUS Openに勝つ可能性もあるわけで、そうなると今年はナダルのグランドスラムの年となる可能性が出てきました。
グランドスラムとは、一年の間に全豪、全仏、全英、全米の4GSのタイトルをとることで、正確にはカレンダーイヤー・グランドスラムと呼ばれています。もしナダルのグランドスラムが実現すれば、ロッド・レイヴァー以来で、これはとんでもない偉業となります。サンプラス、フェデラーの彼らでも実現できなかったこのグランド・スラムがナダルによって実現するかどうか! 2009年のテニスはますます面白くなってきました。
(余談)
ところでフェデラー/アレグロのダブルスチームは、あっさりとブライアン兄弟に6-2, 6-0で抹殺されてしまいました。ライヴスコアを観ていましたが、あまりにもあっさりと負けてしまってのでがっかりです。ブライアン兄弟のオリンピックのリベンジの意地があったのか。アレグロが足を引っ張ったのか。フェデラーが赤ちゃんの件で集中できなかったのか。センターコート(スタジアム1)にもかかわらず、どこのTVも放送しませんでしたが、これは今から思えば正解だったかも。いくらダブルスとはいえ、あまりにも簡単に負けてしまうフェデラーの姿は観たくないファンが多いでしょうから。
投稿者 Tennisnakama 01:01 | コメント(4)| トラックバック(0)
しかしIWはいかんせん、こちらと時計が逆。
なかなかそうはいきません。
CS録画で我慢がまん・・・。
年間グランドスラム、いまの時代に獲れるとしたら大変価値ありますよね。
今日の記事でますます全仏、全英が楽しみになってきました。
フェデラーは赤ちゃん生まれる時期は試合欠場の可能性?!
そうかぁ~それを考えていませんでした。
フェデラーにベビー誕生はテニス界にとって思わぬ多大な影響がありますね。
フェデラー、ウィンブルドンかUSオープン欠場の可能性大、ですか‥ そりゃあそうですよね、生まれてくる赤ちゃんにとっては誕生の瞬間は生涯に一度、毎年やってくる大会と比較できるものではないですものね。 一ファンとしてぜいたくを言うなら、できたら、休むなら大会直前とかじゃなくて早めに言ってほしいです~ 楽しみにしてた大会が急にガッカリにならないように。心の準備のため(笑) でも極秘、なんですね?いろいろ事情があるんですねぇ。
想像だけど、飛行機等の移動手段やホテルの手配とか、食事のこととか、そんなことをミルカはやってたんじゃないですかね?
フェデラーが全仏で今度はタイトルがとれそうかの質問に、「クレーが問題なのではなく、ナダル が問題」と言ってました。これだけ強くなってきたナダルに対して相当の覚悟ができているようです。ですから今年の打倒ナダル作戦が楽しみです。