2009年01月19日
ロペスが史上最長マッチ?
1月19日オーストラリアンオープン第1日目の観戦報告です。
カネピ def 伊達クルム 6-4, 4-6, 8-6
残念の一言です。
この試合はライヴスコアでしか観戦できませんでしたので、詳しい試合の状況はわかりませんが、スタッツを見る限り二人の実力の差はあまりないように見えました。
伊達選手の粘りはすごいものがありますね。ブレークされてもブレーク仕返す。伊達選手の第1サーヴの確率は68%で悪くなかったと思います。でも二人ともエラーの数が多く(伊達選手は46、カネピが55)、ダブルフォルトも伊達10、カネピ7とミスの多い試合だったようですね。今回は残念ながら伊達選手の初勝利とはいきませんでしたが、25位の選手と対等に戦えたことは、「年は言い訳にしかならない」ことを身を以て世界に証明したことになり感動です。次のフレンチ・オープンもぜひ挑戦してほしいと思います。
イヴァノヴィッチ def ゴージス 7-5, 6-3
イヴァノヴィッチのサーヴが変です。
パワーがなくなり、サイドからときどき打っています。トスが決まらないということは、かなり緊張している様子。ショットもミスが多いです。彼女はコーチがいないので細かいフォームの矯正ができていないので、悪い癖が出てきたのでしょうか。第1セットを7-5で辛うじて逃げきったあと、やっと徐々に調子をあげサーヴが安定してきました。最後は2つのサーヴィスエースで勝利です。しかし何度もトスをやり直すのは、ちょっと問題が残ります。
「今日はものすごく暑かったし、初めての対戦相手で調子がでなかった。サーヴ? 始めはちょっとリズムが合わなくて、トスをやりなおしただけよ。」と涼しい顔をしていました。
ロッディク def レンキスト 6-0, 6-2, 6-2
痩せたロディック
ロディックは2000年に、レンキストは1996年にジュニアの全豪オープンで優勝した二人のマッチは、圧倒的な強さでロディックが勝利を得ました。
レンキストはジャーニーマンに属する選手(いつまでたってもチャレンジャーレベルから這い上がれず大会を転戦する選手)で、ジュニアとの対戦のようでした。ロディックは新しいコーチ、ステファンキのもとで、何が変わったか? まわりこんでフォアハンドで打つことが多かったのが、バックハンドで打つ割合が多くなっています。その分攻撃性は減っていますが、リカヴァリーがよくなり、コートカヴァリングが大分よくなってきました。
長時間の試合をこなすには、体重を減らして動きを軽くすること。「まず15ポンド(6.8kg)を減らさないといけない。」という命令を新コーチから受けたロディックは確かに痩せてみえます。しかし本人はお腹がすくことに慣れていないようで、このダイエットがどのようにロディックの試合に反映されるのか興味のあるところです。
デルポトロ def ツヴェレフ 6-3 6-4 6-2
気持ちよくデルポトロはテニスを楽しんでいました。ショットも、フットワークも、サーヴも申し分なく、このままいけばSFくらいいけそうな勢いでした。要マークです。
ジョコヴィッチ def ストピーニ 6-2 6-3 7-5
まだまだ不安定なジョコヴィッチ
ジョコヴィッチのテニスが一段とアグレッシヴになりましたが、相変わらず不安定です。リターンダッシュの練習をかなりしていた、とブラッドギルバートは言っていましたが、練習の成果が現れたのか、リターンウィナーをねらったアグレッシヴなプレイがみられました。第2セットでは5ゲーム目でブレークされましたが、そのあと一発勝負的なフォアハンドで40-0でブレークしなおすなど、徹底したオフェンシヴなテニスは印象的でした。しかしオフェンシヴであればあるほど、エラーが増えるのは仕方がないのかもしれませんが、第3セットで0-4と危うくセットを落としそうになったり、不安定なプレイがあり、もう少しミスを減らし、ヴァラエティに富んだショットがほしかった。
進歩したのはジョコの第2サーヴです。思い切ったワイドを狙うプレースメントがよく決まりました。
試合を終えた二人は、握手を交わし、イタリアとセルビアのサッカー選手のように、シャツを脱いで交換しました。多分これは史上初めての出来事ではないかと思います。なかなか洒落たことをやってくれます。
トミック def スタラーチェ 7-6, 1-6, 7-6, 7-6
未来のオージー(オーストリア人)のスター誕生です。
会場全体が16才のオーストリア人のトミックを応援するのですから、スタラーチェもやり辛かったと思います。まるでデ杯の雰囲気です。トミックは年齢的には少年なのですが、ショートヘアに青のヘッドバンドを巻き、サングラスをかけた姿はちょっとそのへんのあんちゃん的なムードがあってとても16才とはみえないふてぶてしさ。度胸があるというか、ノリにノリまくってました。
サーヴはスピードというよりプレースメントのよさが印象的でした。フォアハンドのショートクロス、バックハンドのダウンザラインは武器でポイントがどんどん決まっていきます。フラット気味の深いショットをFHとBHで打てるのはすごい技術です。それに3つのタイブレークをすべて勝ち取ったメンタルも恐るべきものがあります。トミックのワイルドカードが問題になりましたが、これで誰も文句をいう人はいないでしょう。トミックのスケールの大きいテニスは、圭君のネクストジェネレーションのパワーを象徴しているかのようでした。
ロペス def ミュラー 6-3 7-6(5) 4-6 4-6 16-14
オーストラリアンオープン史上、5時間34分の最長時間を記録しました。
US Open以外の3GSは5セット目はタイブレークではありません。2ゲームの差がつくまで永遠に続けられていく残酷なゲームとなり、結局16-14まで続いたデスマッチでした。32度を超す熱暑の中、歩くのも辛そうな二人です。フェリのあの美しい顔がゆがんでみえます。これだけ死にそうな目にあって負けてしまったロペス。本当にかわいそうでしたが記録男となりました。
(訂正)更新後に分かったことですが、この最長時間に誤りがあったと発表があり、記録係が70分余分に計算していたそうです。ということで、実際は4時間24分のマッチで最長にはなりませんでした。
カネピ def 伊達クルム 6-4, 4-6, 8-6
残念の一言です。
この試合はライヴスコアでしか観戦できませんでしたので、詳しい試合の状況はわかりませんが、スタッツを見る限り二人の実力の差はあまりないように見えました。
伊達選手の粘りはすごいものがありますね。ブレークされてもブレーク仕返す。伊達選手の第1サーヴの確率は68%で悪くなかったと思います。でも二人ともエラーの数が多く(伊達選手は46、カネピが55)、ダブルフォルトも伊達10、カネピ7とミスの多い試合だったようですね。今回は残念ながら伊達選手の初勝利とはいきませんでしたが、25位の選手と対等に戦えたことは、「年は言い訳にしかならない」ことを身を以て世界に証明したことになり感動です。次のフレンチ・オープンもぜひ挑戦してほしいと思います。
イヴァノヴィッチ def ゴージス 7-5, 6-3
イヴァノヴィッチのサーヴが変です。
パワーがなくなり、サイドからときどき打っています。トスが決まらないということは、かなり緊張している様子。ショットもミスが多いです。彼女はコーチがいないので細かいフォームの矯正ができていないので、悪い癖が出てきたのでしょうか。第1セットを7-5で辛うじて逃げきったあと、やっと徐々に調子をあげサーヴが安定してきました。最後は2つのサーヴィスエースで勝利です。しかし何度もトスをやり直すのは、ちょっと問題が残ります。
「今日はものすごく暑かったし、初めての対戦相手で調子がでなかった。サーヴ? 始めはちょっとリズムが合わなくて、トスをやりなおしただけよ。」と涼しい顔をしていました。
ロッディク def レンキスト 6-0, 6-2, 6-2
痩せたロディック
ロディックは2000年に、レンキストは1996年にジュニアの全豪オープンで優勝した二人のマッチは、圧倒的な強さでロディックが勝利を得ました。
レンキストはジャーニーマンに属する選手(いつまでたってもチャレンジャーレベルから這い上がれず大会を転戦する選手)で、ジュニアとの対戦のようでした。ロディックは新しいコーチ、ステファンキのもとで、何が変わったか? まわりこんでフォアハンドで打つことが多かったのが、バックハンドで打つ割合が多くなっています。その分攻撃性は減っていますが、リカヴァリーがよくなり、コートカヴァリングが大分よくなってきました。
長時間の試合をこなすには、体重を減らして動きを軽くすること。「まず15ポンド(6.8kg)を減らさないといけない。」という命令を新コーチから受けたロディックは確かに痩せてみえます。しかし本人はお腹がすくことに慣れていないようで、このダイエットがどのようにロディックの試合に反映されるのか興味のあるところです。
デルポトロ def ツヴェレフ 6-3 6-4 6-2
気持ちよくデルポトロはテニスを楽しんでいました。ショットも、フットワークも、サーヴも申し分なく、このままいけばSFくらいいけそうな勢いでした。要マークです。
ジョコヴィッチ def ストピーニ 6-2 6-3 7-5
まだまだ不安定なジョコヴィッチ
ジョコヴィッチのテニスが一段とアグレッシヴになりましたが、相変わらず不安定です。リターンダッシュの練習をかなりしていた、とブラッドギルバートは言っていましたが、練習の成果が現れたのか、リターンウィナーをねらったアグレッシヴなプレイがみられました。第2セットでは5ゲーム目でブレークされましたが、そのあと一発勝負的なフォアハンドで40-0でブレークしなおすなど、徹底したオフェンシヴなテニスは印象的でした。しかしオフェンシヴであればあるほど、エラーが増えるのは仕方がないのかもしれませんが、第3セットで0-4と危うくセットを落としそうになったり、不安定なプレイがあり、もう少しミスを減らし、ヴァラエティに富んだショットがほしかった。
進歩したのはジョコの第2サーヴです。思い切ったワイドを狙うプレースメントがよく決まりました。
試合を終えた二人は、握手を交わし、イタリアとセルビアのサッカー選手のように、シャツを脱いで交換しました。多分これは史上初めての出来事ではないかと思います。なかなか洒落たことをやってくれます。
トミック def スタラーチェ 7-6, 1-6, 7-6, 7-6
未来のオージー(オーストリア人)のスター誕生です。
会場全体が16才のオーストリア人のトミックを応援するのですから、スタラーチェもやり辛かったと思います。まるでデ杯の雰囲気です。トミックは年齢的には少年なのですが、ショートヘアに青のヘッドバンドを巻き、サングラスをかけた姿はちょっとそのへんのあんちゃん的なムードがあってとても16才とはみえないふてぶてしさ。度胸があるというか、ノリにノリまくってました。
サーヴはスピードというよりプレースメントのよさが印象的でした。フォアハンドのショートクロス、バックハンドのダウンザラインは武器でポイントがどんどん決まっていきます。フラット気味の深いショットをFHとBHで打てるのはすごい技術です。それに3つのタイブレークをすべて勝ち取ったメンタルも恐るべきものがあります。トミックのワイルドカードが問題になりましたが、これで誰も文句をいう人はいないでしょう。トミックのスケールの大きいテニスは、圭君のネクストジェネレーションのパワーを象徴しているかのようでした。
ロペス def ミュラー 6-3 7-6(5) 4-6 4-6 16-14
オーストラリアンオープン史上、5時間34分の最長時間を記録しました。
US Open以外の3GSは5セット目はタイブレークではありません。2ゲームの差がつくまで永遠に続けられていく残酷なゲームとなり、結局16-14まで続いたデスマッチでした。32度を超す熱暑の中、歩くのも辛そうな二人です。フェリのあの美しい顔がゆがんでみえます。これだけ死にそうな目にあって負けてしまったロペス。本当にかわいそうでしたが記録男となりました。
(訂正)更新後に分かったことですが、この最長時間に誤りがあったと発表があり、記録係が70分余分に計算していたそうです。ということで、実際は4時間24分のマッチで最長にはなりませんでした。
投稿者 Tennisnakama 15:55 | コメント(3)| トラックバック(0)
2ndセットはサーブの確立が悪くなって、またまたハラハラさせる展開に・・・ドキドキしましたが、タイブレはやっぱり強いですね。3ndセットはセーブも戻ってきたし、落ち着いた感じでした。
ウイナーを多くとった方が勝つ!という当たり前の事が良く判りました。
とにかく初戦は緊張するので勝てて良かったです(^o^) はぁ~つかれた。
伊達さんの試合を今ビデオで見ています。1セット目は3ゲームめの1ゲームで3つのダブルフォルトがいたかったですね。第2セットは5-1からカネピに迫られましたが、そこで取りきったのはやはりメンタルの強さでしょうか。3セットめ、カネピのマッチポイントをしのいで6-6に追いついたときは、すでに結果は知っていましたが、「勝て~!」と叫んでいました。日本では「アラフォー」という言葉がはやっていますが(around40)、年齢を感じさせない、すばらしい試合でした。私は引退前の伊達さんはあまり好きではなかった(生意気に見えた)ですが、最近の彼女は力がうまく抜けて、テニスを心から楽しんでいるように見えます。約10年前私の所属するテニスクラブに「カモンキッズテニス」(うちの息子のテニス初めはここから)で伊達さんが来たことがあります。その時の彼女の印象はとても華奢で、とても世界4位だったとは思えませんでした。が、今の彼女の身体はそのころからいうと別人ですね。
すばらしい努力に頭が下がります。ここまで来たら勝ってほしかったですが、それは次の試合までのお楽しみにしておくことにします。
ゆとびっちさん、alalaさん、mwさん、そしてmskhtmさん、
伊達選手の試合が観れなくて残念でした。スポーツはヒューマンドラマですから、十分見応えのある試合だったようですね。すばらしいです。
皆さんのコメントのおかげで、伊達選手の試合ぶりが想像でき今さらながら彼女の偉大さに感動します。実は私はよく伊達選手を知らないのです。日本におりませんでしたので。しかし以前、彼女のフォームをみて少し驚きました。いわゆる昔のフォームでよくあれだけの結果が残せることに驚いたのですが、やはり今のパワフルなテニスに勝つためにはさらなるパワーアップが必要で、どのようにこれから彼女のテニスが進化するのか楽しみです。アラフォ(とっても日本的な表現で笑)族にとっては、ものすごい励みになりますね。こういう頼もしい女性がどんどん進出して世界をアッと驚かせてほしいと思います。