2008年10月01日
錦織のプロ意識
「出来るだけ短く」をモットーにしているのですが、なかなか実現できておりません。これは私の記事の話です。ですから適当に飛ばしてください。
10月1日水曜日のセンターコートのスケジュール(OOP)
よだれが止まらないほどおいしい試合が詰まっていますね。これでは昼夜が反対な私は、また徹夜です。(コーヒーとお茶を交互に飲み、その合間にワインを飲んでいるので、訳がわかりません。きっと頭の混乱ぶりが記事に出てると思いますがお許しを。)
第2試合:フェレール vs レヴィーン
第3試合:錦織 vs ガシアロペス
第4試合:ガスケ vs スラナー
第5試合:ロディック vs ミナール
第6試合:デルポトロ vs
第7試合:ゴンザレス vs
生観戦はセンター席から:
今までのテレビだけの観戦では、実際の球のスピード、回転、コートカヴァリングの速さなどがつかみにくいので、生で観戦された方は、そのレベルの高さに驚かれたことと思います。ナダルが初めてUS Openに出場したときは、彼のトップスピンのきいたショットを見たさに、かぶりつきで観戦しましたが、比較的ゆっくり目の球に「なんでこんな球に皆手こずるのか?」と不思議に思っていました。目前で見ても、スピンの量や球のペースは分からないのですから、TV観戦ではなおさらです。 錦織vsフェレール戦は、もうボールが速すぎて目で追いつくのがやっとでしたから、この感じは縦観戦(コートを縦から観る)のTVでは分かりません。ぜひ生は横観戦(センターに座り左右にボールを追う)をトライしてください。違ったテニスがみえてきます。
錦織vsケンドリック: 錦織勝利:7-6, 6-7, 6-2
もうほとんどの方がごらんになっていると思いますので、ここでは詳しい試合の経過は省きます。
US Openで4試合を連続して生観戦したときと比べてみたいと思います。あのときの錦織選手は、最初の2試合はちぐはぐな感じでしたので、ここではベストの試合をやったフェレール戦と比較してみたいと思います。
まず、サーヴがまた一段とうまくなりました。
スピードも増していますが、プレースメントがラインぎりぎりのコーナーを突くエースは見事でした。フェレール戦では4本しかエースが取れていませんが、ケンドリック戦では10本取れています。今までの彼の試合は、サーヴが弱いためにブレークされることが多かったのですが(逆にリターンが得意なので、ブレークしなおしますが)、今回は3セットの5ゲーム目までお互いブレークがなかったという厳しい試合にも拘らず、サーヴィスゲームをホールドできたということは、彼のサーヴに対する自信のあらわれでしょう。
短期間でこれだけ上達できた理由は、解説者の丸山薫氏のおっしゃるいろんなテクニックの改良(グリップ、トスの位置など)もあると思いますが、まず彼の筋トレの成果がそのテクニックを実現させたのではないかと思います。錦織選手は今までに何度か、腰痛や腹筋痛で試合を断念してきていますので、彼自身も筋トレをまず第一のプライオリティにあげていましたが、こんなに速く結果がでるとは驚きでした。ナダルのように体づくりと同時にますますサーヴに磨きがかかっていくようで楽しみです。
フィットネスのレベルが上がる
筋トレと同時にかなり体力をつけるトレーニングを重ねてきたように思います。
USOでは3度のタイムアウトで足やら腰のマッサージをしなければ継続していけなかった体力から比べて、第3セットに入っても疲れをみせない健闘ぶりは、その成果が上がってきているように思いました。
頭の切り替えがうまくなった
錦織選手はもともと感情を表に出すタイプではないので、イライラした感情などは読み取ることがむずかしい選手ですが、USOでは、ミスが重なってきたときに、大丈夫かな?と思わせるメンタル面の動揺が感じられましたが、ケンドリック戦では、第2セットのタイブレークをダブルフォルトで落とすという最悪な状況に陥ったにもかかわらず、それを引きずっていかない頭の切り替えが見事でした。
あれほど天才と叫ばれたサフィンが今だに結果を残せないのは、犯したミスにこだわり、前に進んでいけない性格にあります。一般にはメンタルで片付けられてしまっている多くの要素の中で、最も大切な「過去も未来も忘れて、この一球に賭ける」という集中力です。ナダルがよい例ですね。どんなに苦境に陥っても、冷静さを失わない。失敗しても引きずらない。このチャンピオンスピリットを錦織選手は第3セットで証明してくれました。
トイレットブレークについて
私がUSOで彼が取ったブレークの多さを指摘した理由がやっと皆さんに分かってもらえたようです。トイレットブレークが2回取れないということを知らなかったというのは、これは愛嬌でしょう。ジュニアのレベルでも皆知っていることですから。しかしウォーミングアップのすぐ後のトイレットブレークについては、ほとんどのアンパイアが見過ごしていますので(USOでも錦織選手は2度取ってました)、彼は勘違いしていたのかも知れません。USOでは、ショーツが大きすぎた、帽子を忘れた、ショーツと下着のチェンジなどの理由で、試合中に何度かトイレに行ったことを不思議に思いましたが、この簡単に取りすぎるちょっと常識はずれな部分が指摘されて(これはコーチが指摘してやるべきこと)よかったと思います。
ショーマンシップ溢れるテニス
試合に余裕が出てきました。4位のフェレールをやっつけたというものすごい自信が伺われます。
ついにAir-Kが出ましたね。このショットは辛いときに打つショットではなく、チャンスボールを打つときのウィナーショットですから、彼も第3セットで、勝利を目の前にした5-2で披露してくれました。このあたりがファンにもしっかりとサーヴィスする余裕と、エンターテイナーとしての気質が出て来て大物の雰囲気が漂ってきました。プロとしての意識がそうさせるのでしょう。見せるテニスをますます身につけた「ミニフェデラー」の評判通りのテニスでした。
クルム伊達選手は懐かしのテニス
私は伊達選手が活躍したころは日本におりませんでしたので、彼女のことはほとんど知りません。ですから最初はクルムの名前が彼女のスポンサーの名だと思ってました。(笑)
昨夜、彼女のフォアハンドのフォームを見て、とても懐かしいテニスを見ているような感じがしました。左手を前方に持ってこないであれだけのフォアが打てるのは、マッケンローみたいです。しかしあの打ち方で現代テニスのパワーに対抗できるかどうか? でも試合のセンスはやはりベスト4だった選手だけあって抜群でした。38才で不屈のファイティングスピリットをみせてくれる彼女は、若い選手にとって刺激的存在ですばらしいと思います。
伊藤竜馬選手のフォアハンド
解説者が何度も繰り返して絶賛していた竜馬選手のフォアハンドは、確かにベースラインぎりぎりでツアーレベルに十分対抗していける武器だと思いました。ですから現在のランキング、358位は少し低すぎるような感じがします。では逆になぜ実力が結果として反映しないのか?
これはメンタルとショット選択の少なさではないでしょうか。メンタルでは、2セット目からは、ガタガタともろく落ちて行く、辛抱のないテニスでした。ラリーも自分の思うように運ばなければ、もろくエラーがでます。バックハンドはインサイドアウトは上手いのですが、片手スライスなども入れて、ショットにヴァリエーションをつけながら攻めていく(ナダルがよくやっている)作戦ももっと取り入れてほしいですね。ネットダッシュもほとんどなし。気持ちよく速いテンポで打たせてもらえる選手には強いですが、ペースを変えたり、引き出しの多い選手には弱いような感じがしました。でもまだ若いのですから、これからの選手です。豪快なフォアハンドを武器に、前後のコートを上手く使えるようになれば、好い線をいくのではないでしょうか。
お疲れさまでした! 私も昼夜が逆さまなので疲労困憊です。
10月1日水曜日のセンターコートのスケジュール(OOP)
よだれが止まらないほどおいしい試合が詰まっていますね。これでは昼夜が反対な私は、また徹夜です。(コーヒーとお茶を交互に飲み、その合間にワインを飲んでいるので、訳がわかりません。きっと頭の混乱ぶりが記事に出てると思いますがお許しを。)
第2試合:フェレール vs レヴィーン
第3試合:錦織 vs ガシアロペス
第4試合:ガスケ vs スラナー
第5試合:ロディック vs ミナール
第6試合:デルポトロ vs
第7試合:ゴンザレス vs
生観戦はセンター席から:
今までのテレビだけの観戦では、実際の球のスピード、回転、コートカヴァリングの速さなどがつかみにくいので、生で観戦された方は、そのレベルの高さに驚かれたことと思います。ナダルが初めてUS Openに出場したときは、彼のトップスピンのきいたショットを見たさに、かぶりつきで観戦しましたが、比較的ゆっくり目の球に「なんでこんな球に皆手こずるのか?」と不思議に思っていました。目前で見ても、スピンの量や球のペースは分からないのですから、TV観戦ではなおさらです。 錦織vsフェレール戦は、もうボールが速すぎて目で追いつくのがやっとでしたから、この感じは縦観戦(コートを縦から観る)のTVでは分かりません。ぜひ生は横観戦(センターに座り左右にボールを追う)をトライしてください。違ったテニスがみえてきます。
錦織vsケンドリック: 錦織勝利:7-6, 6-7, 6-2
もうほとんどの方がごらんになっていると思いますので、ここでは詳しい試合の経過は省きます。
US Openで4試合を連続して生観戦したときと比べてみたいと思います。あのときの錦織選手は、最初の2試合はちぐはぐな感じでしたので、ここではベストの試合をやったフェレール戦と比較してみたいと思います。
まず、サーヴがまた一段とうまくなりました。
スピードも増していますが、プレースメントがラインぎりぎりのコーナーを突くエースは見事でした。フェレール戦では4本しかエースが取れていませんが、ケンドリック戦では10本取れています。今までの彼の試合は、サーヴが弱いためにブレークされることが多かったのですが(逆にリターンが得意なので、ブレークしなおしますが)、今回は3セットの5ゲーム目までお互いブレークがなかったという厳しい試合にも拘らず、サーヴィスゲームをホールドできたということは、彼のサーヴに対する自信のあらわれでしょう。
短期間でこれだけ上達できた理由は、解説者の丸山薫氏のおっしゃるいろんなテクニックの改良(グリップ、トスの位置など)もあると思いますが、まず彼の筋トレの成果がそのテクニックを実現させたのではないかと思います。錦織選手は今までに何度か、腰痛や腹筋痛で試合を断念してきていますので、彼自身も筋トレをまず第一のプライオリティにあげていましたが、こんなに速く結果がでるとは驚きでした。ナダルのように体づくりと同時にますますサーヴに磨きがかかっていくようで楽しみです。
フィットネスのレベルが上がる
筋トレと同時にかなり体力をつけるトレーニングを重ねてきたように思います。
USOでは3度のタイムアウトで足やら腰のマッサージをしなければ継続していけなかった体力から比べて、第3セットに入っても疲れをみせない健闘ぶりは、その成果が上がってきているように思いました。
頭の切り替えがうまくなった
錦織選手はもともと感情を表に出すタイプではないので、イライラした感情などは読み取ることがむずかしい選手ですが、USOでは、ミスが重なってきたときに、大丈夫かな?と思わせるメンタル面の動揺が感じられましたが、ケンドリック戦では、第2セットのタイブレークをダブルフォルトで落とすという最悪な状況に陥ったにもかかわらず、それを引きずっていかない頭の切り替えが見事でした。
あれほど天才と叫ばれたサフィンが今だに結果を残せないのは、犯したミスにこだわり、前に進んでいけない性格にあります。一般にはメンタルで片付けられてしまっている多くの要素の中で、最も大切な「過去も未来も忘れて、この一球に賭ける」という集中力です。ナダルがよい例ですね。どんなに苦境に陥っても、冷静さを失わない。失敗しても引きずらない。このチャンピオンスピリットを錦織選手は第3セットで証明してくれました。
トイレットブレークについて
私がUSOで彼が取ったブレークの多さを指摘した理由がやっと皆さんに分かってもらえたようです。トイレットブレークが2回取れないということを知らなかったというのは、これは愛嬌でしょう。ジュニアのレベルでも皆知っていることですから。しかしウォーミングアップのすぐ後のトイレットブレークについては、ほとんどのアンパイアが見過ごしていますので(USOでも錦織選手は2度取ってました)、彼は勘違いしていたのかも知れません。USOでは、ショーツが大きすぎた、帽子を忘れた、ショーツと下着のチェンジなどの理由で、試合中に何度かトイレに行ったことを不思議に思いましたが、この簡単に取りすぎるちょっと常識はずれな部分が指摘されて(これはコーチが指摘してやるべきこと)よかったと思います。
ショーマンシップ溢れるテニス
試合に余裕が出てきました。4位のフェレールをやっつけたというものすごい自信が伺われます。
ついにAir-Kが出ましたね。このショットは辛いときに打つショットではなく、チャンスボールを打つときのウィナーショットですから、彼も第3セットで、勝利を目の前にした5-2で披露してくれました。このあたりがファンにもしっかりとサーヴィスする余裕と、エンターテイナーとしての気質が出て来て大物の雰囲気が漂ってきました。プロとしての意識がそうさせるのでしょう。見せるテニスをますます身につけた「ミニフェデラー」の評判通りのテニスでした。
クルム伊達選手は懐かしのテニス
私は伊達選手が活躍したころは日本におりませんでしたので、彼女のことはほとんど知りません。ですから最初はクルムの名前が彼女のスポンサーの名だと思ってました。(笑)
昨夜、彼女のフォアハンドのフォームを見て、とても懐かしいテニスを見ているような感じがしました。左手を前方に持ってこないであれだけのフォアが打てるのは、マッケンローみたいです。しかしあの打ち方で現代テニスのパワーに対抗できるかどうか? でも試合のセンスはやはりベスト4だった選手だけあって抜群でした。38才で不屈のファイティングスピリットをみせてくれる彼女は、若い選手にとって刺激的存在ですばらしいと思います。
伊藤竜馬選手のフォアハンド
解説者が何度も繰り返して絶賛していた竜馬選手のフォアハンドは、確かにベースラインぎりぎりでツアーレベルに十分対抗していける武器だと思いました。ですから現在のランキング、358位は少し低すぎるような感じがします。では逆になぜ実力が結果として反映しないのか?
これはメンタルとショット選択の少なさではないでしょうか。メンタルでは、2セット目からは、ガタガタともろく落ちて行く、辛抱のないテニスでした。ラリーも自分の思うように運ばなければ、もろくエラーがでます。バックハンドはインサイドアウトは上手いのですが、片手スライスなども入れて、ショットにヴァリエーションをつけながら攻めていく(ナダルがよくやっている)作戦ももっと取り入れてほしいですね。ネットダッシュもほとんどなし。気持ちよく速いテンポで打たせてもらえる選手には強いですが、ペースを変えたり、引き出しの多い選手には弱いような感じがしました。でもまだ若いのですから、これからの選手です。豪快なフォアハンドを武器に、前後のコートを上手く使えるようになれば、好い線をいくのではないでしょうか。
お疲れさまでした! 私も昼夜が逆さまなので疲労困憊です。