2009年09月25日
タータンアーミーがやって来る!?
フェデラーが残念ながら東京と上海を欠場することを発表しました。やっぱり家族を連れての大移動は肉体的にも精神的にも疲れるでしょうね。「僕は長いホリデーが必要」とデ杯のあと言ってましたから。それにしても残念でした。彼の腰が問題との噂ですが、ジュニアのときから具合があまりよくなかったと聞いています。11月はバーゼル、パリ、ロンドンとスケジュールが詰まっていますので、この中でまたどこかがキャンセルとなる可能性が多いですね。
さてこうなるとアンディー・マリーに是が非でも来日してもらわねば。彼の公式サイトを読むと、左手首の故障にもかかわらず、今のところは日本に来てくれる予定。デルポトロとの決勝になる可能性が高まってきました。
10月10日の日に注目しましょう。タータンアーミーTartan Armyがひょっとして有明にやってくるかもしれません。
10月10日はジャパンオープンのSFの日。そしてキリン杯のスコットランドvsジャパンのサッカーの試合の日となります。(キリン杯は夜7時20分に 横浜・日産スタジアムで始まります。)
スコットランドの民族衣装を着て応援するハードコアの応援団があります。彼らの名前はタータンアーミー。
写真:http://newsimg.bbc.co.uk/media/images/43012000/jpg/_43012539_scots2.jpg
キリン杯にタータンアーミーが行くかもしれないという噂を聞きましたので、彼らがどっと有明にもやってきてマリーを応援する可能性がでてきました。たぶん行儀のよい日本のテニスファンは度肝を抜かれてしまうと思いますので、ここでウォーニングをしておきます。
この情報はアンディー・マリーの公式サイトのファンのフォーラムから手に入れたのですが、この三日間、実は私はこの公式サイトで、スコットランドのマリーファンと論争を展開しておりました。
マリーの公式サイトにはフォーラムというコーナーがあり、ここにTokyo 2009のスレッドがあります。 私はそこに「アンディー・マリーが日本にやってくるのを楽しみにしているファンが一杯いますよ。」というメッセージを何度か書きました。また読者の方々にもラヴコールをしてくれるようお願いしましたので、何人かがメッセージを残してくれました。そのおかげで、「日本にはアンディーファンがいるのだ!」と、反響があったのです。
http://www.andymurray.com/forum/showthread.php?t=3558
ここまではよかったのです。
この後スコットランドのサッカーチームが10日にジャパンチームと対戦するという情報がこのスレッドに入りました。ここからこのスレッドはサッカーの話でもちきりとなってしまったのです。
このときにコメント者Lさんが以下の替え歌を投稿したのです。これは捕鯨をやめない日本人を批判した替え歌で、2006年のキリン杯でスコットランドvsジャパンのときに歌ったそうです。
(サッカーの応援団は、どこの国でもよくFootie Chantとよばれる応援歌を歌って応援しています。替え歌のようなもので、あまり害のないものから、相手国を侮辱した劣悪なものまであります。)
Save the Whale
Save the whale
we're the famous Tartan Army and we’re here to save the whale
We can see you nippin' out
we can see you nippin' out
So Japaneasy
this is so Japaneasy
so Japaneasy
You're never gonnae believe us
You're never gonnae believe us
You're never gonnae believe us
We're gonnae wok your dog...
これを読んでむかっときたのです。訳してみますと:
鯨を救おう
鯨を救おう
俺らは有名なタータンアーミー。鯨を救うためにやって来た。
おまえらがあわてて逃げるのが見える
おまえらがあわてて逃げるのが見える
すっごい日本的
これってすっごい日本的
すっごい日本的
おまえらは信じないだろうけど
おまえらは信じないだろうけど
おまえらは信じないだろうけど
おまえらの犬を鍋に入れて食ってやろう・・・
この歌詞を読んでぎょっとしたのです。
アメリカに長い間住んでいますので、politically correctが身に染み付いてしまっているせいか、人種や文化の違いを冗談ぽく公衆の前で歌ったりすることなど考えられないのです。しかしイギリスでは近親相姦の歌詞などもあって、とにかく露骨で耳をふさぎたくなるような歌詞が多いことを知りました。
さて私がムカッときた理由は三つあります。
(1)私はスポーツに政治色をいれるのは絶対反対です。捕鯨の非難は応援歌としてふさわしくありません。(いつも日本が海外から非難されていますので耳が痛いのですが)
(2)nippin の言葉が日本人を侮辱するNipを含んでいないかどうか?(これはNoだそうです。しかし英国ではときどき中国や日本人の細い目をバカにして、Nippie eyeと呼ぶことがありますので気になりました。)
(3)wok your dogwokというのは中国の鍋。これは犬を鍋にいれて食べるという意味。これは中国をからかったジョークですが、この歌では日本も中国もごった煮です。
この応援歌を投稿したLさんは、2006年にキリン杯のスコットランドチームを応援するために来日しています。今年も行くということなので、彼に抗議のコメントを入れました。
tennisnakama「このような応援歌は非常に日本人に対して失礼なもので、止めてほしい。そんなことをしたら、ジャパンオープンではアンディーが悲しむと思う。」
L「この歌はfunnyだと思うけど、それほど失礼にあたるとは思わない。実際2006年に歌ったときは、誰からも苦情がでなかったよ。」
Tennisnakama「苦情がでなかったのは、それを聞いていた日本人が歌の意味を理解できなかったからだと思う。苦情が出なかったからと言って、やっていいという理屈はない。」
私たちの討論にいろんな人が参加し出して、にぎやかに議論が続きました。
どの言葉や表現がoffensive(相手に不快感を与える。侮辱する。)となるのか? これは面白いテーマでした。
アメリカでは人種をからかうエスニックのジョークは公ではすべてペケです。大変きびしい言動のコードがあります。しかしイギリス人の標準はかなり違うようです。私がこの応援歌はoffensiveだと言っているのが理解できない人もおりました。
しかし最後には「タータンアーミーが行くのは面白いけれど、侮辱するような応援歌は差し控えるべきだ。」という意見に落ち着きました。またLさんも理解してくれたようで、このような応援歌は歌わないと約束してくれました。
今回はサッカー文化を知る上でよい勉強になりました。しかもイギリスとスコットランドの関係、イギリスとアメリカのスポーツファンの違い、などいろいろ興味深いことも学びました。
ところでJi-Sung Parkのフットボールのチャント(応援歌の短いもの)をご存知ですか?
Park, Park,
Wherever You May Be.
You Eat Dogs In Your Home Country.
Could Be Worse,
Could Be Scouse. (残り物でつくったまずいシチュー)
Eatin Rats In A Council House.
ひどい内容で、私から言わせれば最悪のチャントですが、人気No.1のチャントなんだそうです。
マンチェスター・ユナイティッドに入った Ji-Sung Park をからかうチャントですが、このような刺激的なチャントがサッカーには沢山あります。日本ではこの手のものはないと思いますが、あれば教えてください。
以下がイギリスでよく歌われているチャントです。
http://vbulletin.thesite.org.uk/showthread.php?t=93362
というわけで、今年のジャパンオープンはにぎやかになりそうですね。
ありがとうございます!
スポーツナビにも同記事を掲載していますが、昨日でヒット数が百万を突破しました。最初はスポーツナビはほとんど野球とサッカーばかりで効果がないからやめた方がよい、というご意見もいただきました。しかしテニスの面白さをできるだけ多くの方に知っていただくというのが、私のミッションでもありますので、とりあえず昨年の12月から掲載させていただくことにしたのです。畑違いのテニスを受け入れていただいて本当に嬉しく思っています。
さて今月で1年9ヶ月を迎えるこのtennis365のブログも、間もなく2百万ヒットとなります。二つ合わせると3百万ヒット。ちょっと想像がつかない数字ですが、応援してくださる読者の方があるからこそ、ここまで続けてこれたのです。心から感謝しております。このヒット数の重みを噛み締めながら、これからも皆様に「やっぱりテニスは面白い」と思っていただけるようがんばりたいと思います。
(追記1)
このタータンアーミーの話がとても面白かったので、皆さんにスレッドを読んでいただきたかったのですが、話題がサッカーに移ってしまったので、私たちの5ページにわたる熱い会話は非公開となってしまいました。テニス以外の話はしない、という原則なのだそうです。当然ですが残念でした。
(追記2)
ここで日本的と訳した Japaneasyの意味を紹介します。普通の人にはできないことが、日本人にはサラッとできるという意味で(ビデオゲームなど)悪い意味ではありません。
“It’s so Japaneasy” (ナカ選手の不可能なゴール)
King Naka Knocked One Pass The 2nd Best Keeper In The World, No.1 (Auther Boruc)
さてこうなるとアンディー・マリーに是が非でも来日してもらわねば。彼の公式サイトを読むと、左手首の故障にもかかわらず、今のところは日本に来てくれる予定。デルポトロとの決勝になる可能性が高まってきました。
10月10日の日に注目しましょう。タータンアーミーTartan Armyがひょっとして有明にやってくるかもしれません。
10月10日はジャパンオープンのSFの日。そしてキリン杯のスコットランドvsジャパンのサッカーの試合の日となります。(キリン杯は夜7時20分に 横浜・日産スタジアムで始まります。)
スコットランドの民族衣装を着て応援するハードコアの応援団があります。彼らの名前はタータンアーミー。
写真:http://newsimg.bbc.co.uk/media/images/43012000/jpg/_43012539_scots2.jpg
キリン杯にタータンアーミーが行くかもしれないという噂を聞きましたので、彼らがどっと有明にもやってきてマリーを応援する可能性がでてきました。たぶん行儀のよい日本のテニスファンは度肝を抜かれてしまうと思いますので、ここでウォーニングをしておきます。
この情報はアンディー・マリーの公式サイトのファンのフォーラムから手に入れたのですが、この三日間、実は私はこの公式サイトで、スコットランドのマリーファンと論争を展開しておりました。
マリーの公式サイトにはフォーラムというコーナーがあり、ここにTokyo 2009のスレッドがあります。 私はそこに「アンディー・マリーが日本にやってくるのを楽しみにしているファンが一杯いますよ。」というメッセージを何度か書きました。また読者の方々にもラヴコールをしてくれるようお願いしましたので、何人かがメッセージを残してくれました。そのおかげで、「日本にはアンディーファンがいるのだ!」と、反響があったのです。
http://www.andymurray.com/forum/showthread.php?t=3558
ここまではよかったのです。
この後スコットランドのサッカーチームが10日にジャパンチームと対戦するという情報がこのスレッドに入りました。ここからこのスレッドはサッカーの話でもちきりとなってしまったのです。
このときにコメント者Lさんが以下の替え歌を投稿したのです。これは捕鯨をやめない日本人を批判した替え歌で、2006年のキリン杯でスコットランドvsジャパンのときに歌ったそうです。
(サッカーの応援団は、どこの国でもよくFootie Chantとよばれる応援歌を歌って応援しています。替え歌のようなもので、あまり害のないものから、相手国を侮辱した劣悪なものまであります。)
Save the Whale
Save the whale
we're the famous Tartan Army and we’re here to save the whale
We can see you nippin' out
we can see you nippin' out
So Japaneasy
this is so Japaneasy
so Japaneasy
You're never gonnae believe us
You're never gonnae believe us
You're never gonnae believe us
We're gonnae wok your dog...
これを読んでむかっときたのです。訳してみますと:
鯨を救おう
鯨を救おう
俺らは有名なタータンアーミー。鯨を救うためにやって来た。
おまえらがあわてて逃げるのが見える
おまえらがあわてて逃げるのが見える
すっごい日本的
これってすっごい日本的
すっごい日本的
おまえらは信じないだろうけど
おまえらは信じないだろうけど
おまえらは信じないだろうけど
おまえらの犬を鍋に入れて食ってやろう・・・
この歌詞を読んでぎょっとしたのです。
アメリカに長い間住んでいますので、politically correctが身に染み付いてしまっているせいか、人種や文化の違いを冗談ぽく公衆の前で歌ったりすることなど考えられないのです。しかしイギリスでは近親相姦の歌詞などもあって、とにかく露骨で耳をふさぎたくなるような歌詞が多いことを知りました。
さて私がムカッときた理由は三つあります。
(1)私はスポーツに政治色をいれるのは絶対反対です。捕鯨の非難は応援歌としてふさわしくありません。(いつも日本が海外から非難されていますので耳が痛いのですが)
(2)nippin の言葉が日本人を侮辱するNipを含んでいないかどうか?(これはNoだそうです。しかし英国ではときどき中国や日本人の細い目をバカにして、Nippie eyeと呼ぶことがありますので気になりました。)
(3)wok your dogwokというのは中国の鍋。これは犬を鍋にいれて食べるという意味。これは中国をからかったジョークですが、この歌では日本も中国もごった煮です。
この応援歌を投稿したLさんは、2006年にキリン杯のスコットランドチームを応援するために来日しています。今年も行くということなので、彼に抗議のコメントを入れました。
tennisnakama「このような応援歌は非常に日本人に対して失礼なもので、止めてほしい。そんなことをしたら、ジャパンオープンではアンディーが悲しむと思う。」
L「この歌はfunnyだと思うけど、それほど失礼にあたるとは思わない。実際2006年に歌ったときは、誰からも苦情がでなかったよ。」
Tennisnakama「苦情がでなかったのは、それを聞いていた日本人が歌の意味を理解できなかったからだと思う。苦情が出なかったからと言って、やっていいという理屈はない。」
私たちの討論にいろんな人が参加し出して、にぎやかに議論が続きました。
どの言葉や表現がoffensive(相手に不快感を与える。侮辱する。)となるのか? これは面白いテーマでした。
アメリカでは人種をからかうエスニックのジョークは公ではすべてペケです。大変きびしい言動のコードがあります。しかしイギリス人の標準はかなり違うようです。私がこの応援歌はoffensiveだと言っているのが理解できない人もおりました。
しかし最後には「タータンアーミーが行くのは面白いけれど、侮辱するような応援歌は差し控えるべきだ。」という意見に落ち着きました。またLさんも理解してくれたようで、このような応援歌は歌わないと約束してくれました。
今回はサッカー文化を知る上でよい勉強になりました。しかもイギリスとスコットランドの関係、イギリスとアメリカのスポーツファンの違い、などいろいろ興味深いことも学びました。
ところでJi-Sung Parkのフットボールのチャント(応援歌の短いもの)をご存知ですか?
Park, Park,
Wherever You May Be.
You Eat Dogs In Your Home Country.
Could Be Worse,
Could Be Scouse. (残り物でつくったまずいシチュー)
Eatin Rats In A Council House.
ひどい内容で、私から言わせれば最悪のチャントですが、人気No.1のチャントなんだそうです。
マンチェスター・ユナイティッドに入った Ji-Sung Park をからかうチャントですが、このような刺激的なチャントがサッカーには沢山あります。日本ではこの手のものはないと思いますが、あれば教えてください。
以下がイギリスでよく歌われているチャントです。
http://vbulletin.thesite.org.uk/showthread.php?t=93362
というわけで、今年のジャパンオープンはにぎやかになりそうですね。
ありがとうございます!
スポーツナビにも同記事を掲載していますが、昨日でヒット数が百万を突破しました。最初はスポーツナビはほとんど野球とサッカーばかりで効果がないからやめた方がよい、というご意見もいただきました。しかしテニスの面白さをできるだけ多くの方に知っていただくというのが、私のミッションでもありますので、とりあえず昨年の12月から掲載させていただくことにしたのです。畑違いのテニスを受け入れていただいて本当に嬉しく思っています。
さて今月で1年9ヶ月を迎えるこのtennis365のブログも、間もなく2百万ヒットとなります。二つ合わせると3百万ヒット。ちょっと想像がつかない数字ですが、応援してくださる読者の方があるからこそ、ここまで続けてこれたのです。心から感謝しております。このヒット数の重みを噛み締めながら、これからも皆様に「やっぱりテニスは面白い」と思っていただけるようがんばりたいと思います。
(追記1)
このタータンアーミーの話がとても面白かったので、皆さんにスレッドを読んでいただきたかったのですが、話題がサッカーに移ってしまったので、私たちの5ページにわたる熱い会話は非公開となってしまいました。テニス以外の話はしない、という原則なのだそうです。当然ですが残念でした。
(追記2)
ここで日本的と訳した Japaneasyの意味を紹介します。普通の人にはできないことが、日本人にはサラッとできるという意味で(ビデオゲームなど)悪い意味ではありません。
“It’s so Japaneasy” (ナカ選手の不可能なゴール)
King Naka Knocked One Pass The 2nd Best Keeper In The World, No.1 (Auther Boruc)