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コリアが戻ってきました!

コリアが戻ってきました!

ギエルモ・コリアがグランドスラムに戻ってきました!懐かしい顔です。

2004年のフレンチオープンの決勝を思い出します。コリアは当時自己最高ランキング3位の絶好調時です。44位の無名に近いガストン・ガウディオとのファイナル。6-0, 6-3と圧倒的に優勢に立っていたコリアが、3セット目から崩れ始め(というかガウディオが調子を上げ出し)、逆転優勝をされてしまった、あの劇的な5セット目を思い出します。

フレンチオープンの5セット目はタイブレークはありません。(タイブレークが許されるのは、グランドスラムの中ではUS Openのみ)2ゲームの差をつけなければ、試合は永遠に続くことになります。ついに力果てたコリアが、6-8で優勝を逃してしまったのです。あまりの悔しさにむせび泣いたコリア。誰もがコリアの優勝を疑わなかっただけに、6-0, 6-3, 4-6, 1-6, 6-8で負けてしまった悲劇のファイナルを覚えているテニスファンも多いと思います。

コリアには苦い過去があります。2001年にステロイドのドーピングの疑いで、2年間の選手活動の停止をATPから言い渡されました。このとき、コリアは知らずに飲んだビタミン剤にステロイドが入っていたとし、停止解除の申し立てを行いました。その結果7ヶ月の停止に軽減することができましたが、この嫌疑のために、スポンサーがつかなくなってしまったのです。その損失は10億円にものぼるとして、その損害賠償を求めて製薬会社を訴えました。その判決が出たのは一年前の6月です。この判決の内容は両者公開しないというagreementによって真相は分かりませんが、コリアが何億円かを製薬会社から支払ってもらったことは確かなようです。

身辺のゴタゴタに加えて、肩の手術、リストのケガなど、コリアにとってテニスに集中できない悪条件の重なった状況が続きました。そしてランキングは昨年の9月に最悪の1496位に。アカプルコの崖下ダイヴのように、真っ逆さまに落ちて行くランキングの中で、コリアは何度か引退を真剣に考えたといいます。しかし、今日のロブレド(16位)との試合で、7-5, 4-6, 1-6, 4-6 少なくとも1セットをとったコリアは自信を回復しつつあります。

「引退を真剣に考えました。4月の段階では、とてもこのローランギャロスでテニスをやるなんて考えていなかったから。今日は、ここがボクのホームになったような気がしています。」

「長い間テニスを止めてしまいたいと思っていましたが、3週間くらい前からもっとテニスをやりたいと思うようになったんです。」

「ローランギャロスの思い出は、bitter-sweetですね。あの決勝で(2004年)もし勝っていたら、多分引退していたと思います。でもこのままの状態でテニスから去ることはできないと思ったのです。残された仕事がありますから。(グランドスラムのタイトルをとること)2009年に戻ってきて優勝したいと思います。」

肩の手術で、サーヴがガタ落ちしてしまったコリアです。しかも175cmの小柄な体には、今のパワーテニスは厳しいものがあります。それでも、子供のときから抱きつづけてきたグランドスラムの夢を実現するまでは、ラケットを片付けてしまうことはできない、と記者会見で決意を語りました。

それでこそ、私たちの知っているあのファイターのコリアです。El Mago(魔術師)のニックネームのように、不死身のコリアとなって蘇ってほしいですね。グガが去って行ってしまっただけに、今日は嬉しいローランギャロスの一日でした。


投稿者 Tennisnakama  14:35 | コメント(9) | トラックバック(2)