2008年06月27日
Day 4: 波瀾万丈の一日
ウィンブルドン天気予報
27日金曜日は雨 土曜日は曇り
優勝候補がどんどん敗退し、ウィンブルドンは波乱の嵐が吹き荒れています。昨日はジョコヴィッチが敗れ、今日は何とロディックとシャラポヴァが敗退してしまいました! ウィンブルドンの芝が波乱を呼ぶのか? 何とも予測のつかないグランドスラムになってきました。
さよならシャラポヴァ
Kudryavtseva def. Sharapova: 6-2, 6-4
このなんとも舌を噛みそうな名前のロシア人にシャラポヴァは簡単に負けてしまいました。しかも負けた相手は154位。シャラポヴァはダブルフォルトが8回、エラー(アンフォースト)が22回。打てば打つほどシャラポヴァの球は、彼女の意思に反してコートから離れて飛んでいきます。典型的な自滅テニス。シャラポヴァのあまりにも情けない負け方に、ある記者は意地の悪い質問を投げました。
「その新しいタキシードが居心地悪かったの?」
ムスッとしたシャラポヴァは、「毎回あたらしいデザインのテニスウェアを着てるのよ。そんなのは関係ないわ。」
「じゃ、なにが原因で?」
「自分でも分からないわ。なすことすべてが悪い方向にいってしまった。彼女はすべての点で優っていた。」
ティファニーの新しいイアリングがキラッと光ります。ファッションもよいのですが、まずは試合に勝ってからゆっくりとそのキラキラ光るものをつければ?と誰か忠告してあげましょう。
さよならロディック
Tipsarevic def. Roddick: 6-7, 7-5, 6-4, 7-6
「勝ちたいという思いが強すぎて固くなってしまった。最悪だよ。」
ロディックは自己嫌悪に陥って当然の貧しいパーフォーマンスでした。27のエース、85%の1stサーヴ得点率にも拘らず、なぜ勝てなかったのか? ブレークする機会が8回もあったのに、一度もブレークチャンスをものにできなかったロディック。肝心なところでミスが続いたロディックとは反対に、ティプサレヴィッチは終始冷静にプレーを続けました。
「頭の中でコーチが言いそうなことを想像したんだ。彼ならきっと落ち着け!というに違いない。ロディックはブレークチャンスが一杯あったのに、それを使わなかった。だから僕はそれほど無理をして打たなくてもよかった。」
哲学が好きという入れ墨だらけのティプシー(ティプサレヴィッチのニックネームで、 英語でほろ酔いのという意味 )は、メガネをはずしてにっこり。抜群の英語とメガネにかくされたハンサムな素顔はなかなか魅力的でした。ジョコヴィッチ、イヴァノヴィッチ、ヤンコヴィッチに加えてもう一人のヴィッチが加わって、これからのドローはセルビア・ヴィッチ族で賑わいそうです。
大丈夫、ナダル?
Nadal def. Gulbis: 5-7, 6-2, 7-6, 6-3
前回にも書きましたが、ナダルのパーフォーマンスには不安があります。緊張してくると、クロスばかり打つようになり、せっかくオープンコートをつくっても、ダウンザラインを使わないのでもったいないですね。相手はナダルのリターンが読めますので、ラリーがクレーのように長くなってしまって、芝らしくないテニスをやってました。それに何度か転んで球が取れず、「芝はやっぱり僕に合ってないみたい」といいたげなナダルで、グルビスに振り回されておりました。しかし第4セットはさずがのグルビスに疲れが見え始め、体力、気力満々のナダルに勝利の女神が微笑みました。
グルビスはそれにしても、未来トップ5には入る選手と太鼓判を押されているだけあって、ダイナミックなサーヴとフォアハンド、それにドロップショットのソフトタッチにもすぐれ、魅力的なテニスをみせてくれました。彼はナダルがドロップショットに弱いと知ってか、ふんだんにドロップショットを使ってナダルをネットダッシュさせ、わざとボールを打たせて、甘いナダルのボールを叩いてました。 今後が楽しみな選手です。
(グルビスについては6月4日号「グルビスって誰」で詳しく紹介しています)