2008年06月28日
サフィン生還:Day 5 ウィンブルドン
ウィンブルド天気予報
28日土曜日は時々晴れ 日曜は大会はお休み。
月曜と火曜は時々晴れ 水曜は雨
サフィンよ、蘇れ!
Safin def. Seppi: 7-6(5), 3-6, 7-6(3), 6-4
一番コートは、あの礼儀正しいウィンブルドンが、デ杯の会場に変わりました。黄色い声が飛び、手拍子が鳴り止まない、会場一色がサフィンを応援するロシアのホームゲームのようです。誰もが蘇りつつあるサフィンに興奮を隠せないでいます。
もう28才になってしまったサフィン。ランキングはとどまるところなく、下がりっぱなしで現在75位。コーチを変え、ヘアスタイルを変え、ヒゲをはやし、ネパールの山にも登ってみたけれど、勝てないサフィンは「一体、俺はどうしたらいいんだ!」とよく、記者会見でこぼしていました。最近のインタービューでは、「テニスは俺の仕事だから、仕事をやるまでさ。」なんて、もうすっかり栄光の座を諦めたような言葉を吐いて、ファンを失望させていました。
しかし、ジョコヴィッチを破ったサフィンは確かに違ってきています。まず、フォットワークが軽い。どんなボールにでも食らいついていき、特に片手バックハンドのリターンはデフェンスポジションから、オフェンスに変わるネットすれすれの低空飛行のスライスです。ナダルもよくやりますが、違いはナダルのスライスは、まだまだ未完全でフロートするのに比べて、サフィンはフェデラーに近い完璧なスライスです。これは芝では絶対の武器。そしてボリスベッカーのように、ダイヴィングをしてみせました。楽しいですね。もうあまりハラハラして観なくても、サフィンのストロークは安定してきました。ディープでパワフルです。私はBBCで見ておりましたので、解説者のコメントが大袈裟でまたおかしい。
「Brilliant! (アメリカではExcellent!) Scary! (恐いほどすごい!) What a strike! (何という打球なんざんしょ!)」
期待が少ないとこのように褒めてもらえるのですね。試合は夜の9時17分まで続けられ、サフィンは最後にはほとんどボールが見えなかったとか。エラーをおかしても例の癇癪をおこすことなく、あくまでも冷静に戦ったサフィンは、「下手すると、妹に追い越される!」とやっと目覚めたのでしょうか。ヴァヴリンカを破り、バグダティスかロペスを倒せば、いよいよフェデラーと準決勝です!
Safin vs Seppiのハイライト
イヴァノヴィッチ、お前もか!
Zheng def. Ivanovic: 6-1, 6-4
今年のウィンブルドンは芝の呪いがかかっているようです。次々と優勝候補が倒れていきます。芝がのろくなったおかげで、ラリーが滅法長くなって、まるでクレー戦を観てるような気になります。今日の試合の結果は、ジージェンの「中国の名にかけて」の決意と、アナの「もうフレンチも勝ったことだし・・・」の心の弛みとの違いでしょうか。やることなすこと全て裏目に出て、シャラポヴァの自滅と全く同じパターンで敗退です。アナはインタービューで、健気にもあくまでポジティヴなコメントを残しています。
「私はまだ若いんですもの。これからまだまだ向上できるわ。ある意味ではパンチを食らってよかったのかも。」
あんな可愛いアナにパンチなんて! でも「あのベビー服では勝てないわね」と、テニスウェアのおかげで同情も減ってしまった可哀想なアナでもありました。
Ivanovic vs Zhengのハイライト
フェデラーは感染の恐れなし
Federer def. Gicquel: 6-3, 6-3, 6-1
あの『ウィニングアグリー』の著者、ブラッド・ギルバートがTVで解説してましたが、彼いわく「これは伝染病だね。」つまり、ナルバンディアン、ダヴィデンコに続いて、ジョコヴィッチ、シャラポヴァ、ロディック、そして今日のイヴァノヴィッチの敗退の現象について、彼はこれは伝染病だと断言しました。「敗北」という名のヴィールスにおかされているというのです。これって結構いえてるかも。「彼らが負けちゃったんだから、いいか」内心負けてもよい言い訳に汚染されてしまった。ウーン、なかなか好い事を言ってくれます。
でも、今日の試合を観ていると、フェデラーは全く敗北菌におかされる心配はなさそうです。絶賛するBBCとESPNの放送を同時に観ていましたが、まさに無菌無敵のフェデラーでした。
Federer vs Gicquelのハイライト