2008年07月26日
ロジャーズカップ報告:準々決勝
ジョコヴィッチがマレーに敗れる
ジョコヴィッチの調子はそれほど悪くはなかったのですが、アンディ・マリーのテニスは今までの中でベストといえるハイレベルのパーフォーマンスでした。ミスをしても、落ち着いてフォーカスしつづけ、 6-3, 7-6 (3)で世界3位を破りました。ウィンブルドンでみせたガスケとの4時間にわたる試合で勝利を得たマリーは、この試合によって一皮むけたような気がします。ジョコヴィッチとの違いは、メンタル、つまりどれだけこの試合に勝ちたいか!という熱い想いではなかったかと思います。テニスの技術的なレベルは、トップレベルの選手の間ではほぼ変わりがありませんので、あとはどれだけ勝ちたいのか、内に秘めた情熱が勝敗の要因になるような気がしました。ジョコヴィッチは自分へのプレッシャーが大きすぎるようです。
ナダルの攻撃テニスの勝利
つまらない試合が続き(シモンやキーファーの試合)、ときどき眠ってしまいましたが、やっとテニスらしい面白いゲームがナダルとガスケによって繰り広げられました。今までおとなしかった観客は、二人のスーパーショットに興奮して歓声をあげています。まず、ガスケの第1セットは見事でした。ゾーンに入ってしまった彼は、ナダルに決して引けを取りません。あれほど隙のない、攻撃的なテニスができるのに・・・タイブレークでカウントは10-10。ガスケは2ndサーヴにも拘らず、サーヴ&ヴォレーをしてネットダッシュしてポイントをゲット。このようなアグレッシヴなガスケをみるのは久しぶりです。第1セットをものにしたものの、ガスケは攻撃テニスを止めてしまい、第2、3セットはナダルになぶり殺されてしまいました。
ナダルの攻撃はいわゆるdefensive offenseで、このスタイルが着実に実ってきているようです。最初からネットダッシュやウィナー をきめず、2~3球ラリーを続けチャンスを待って、確実にウィナーを決める、といった確率の高いテニスです。
ナダルは2セット以降、アグレッシヴにネットにくる回数がふえ、 6-7, 6-2, 6-1で圧倒的な強さを見せました。
フェデラーを倒したあのシモンが勝ちました
ジエス・シモン(仏・23才)とマリン・チリッチ(クロアチア・19才)の試合は、二人とも未来のスター選手だけに興味がありましたが、あまり盛り上がることもなく、シモンの我慢大会の勝ちとなりました。フェデラーがイライラしたのがよく分かります。相手のミスを待つテニスは面白くありません。シモンはカウンターパンチャー(攻撃テニスではなく相手のパワーを利用するヒューイットのような選手)ではなくて、もう完全にプッシャー(相手が失敗するまでひつこくボールを返す選手)です。 相手のミスを待つテニスは面白くありません。 チリッチはフェデラーのように、自滅して3-6, 6-2, 6-3でシモンの勝ちとなりました。
キーファーがブレークに快勝
試合が始まったと思ったら、もう終わっていたという試合。ちょうど試合時間は一時間きっかりでした。最年長31才のキーファーは、度重なる 怪我との闘いで苦難の道を歩んできましたが、このロジャーズでは、パワーは20代、作戦は30代、メンタルは昔のような荒々しさがなくなって成熟し、ブレークも手の施しようがなく 6-1, 6-2でもってあっさりと負けてしまいました。ハーヴァードに行けるくらいの頭脳の持ち主なら、もっと頭をつかったテニスをしてよいものなのに・・・と表に出していわなくても、思っている人が多くいます。ある試合であまりワンパターンのテニスなので、解説者がフラストレーションから思わず、「本当に彼はハーヴァードに行ったの?」と叫んでしまったのを覚えています。
ジョコヴィッチの調子はそれほど悪くはなかったのですが、アンディ・マリーのテニスは今までの中でベストといえるハイレベルのパーフォーマンスでした。ミスをしても、落ち着いてフォーカスしつづけ、 6-3, 7-6 (3)で世界3位を破りました。ウィンブルドンでみせたガスケとの4時間にわたる試合で勝利を得たマリーは、この試合によって一皮むけたような気がします。ジョコヴィッチとの違いは、メンタル、つまりどれだけこの試合に勝ちたいか!という熱い想いではなかったかと思います。テニスの技術的なレベルは、トップレベルの選手の間ではほぼ変わりがありませんので、あとはどれだけ勝ちたいのか、内に秘めた情熱が勝敗の要因になるような気がしました。ジョコヴィッチは自分へのプレッシャーが大きすぎるようです。
ナダルの攻撃テニスの勝利
つまらない試合が続き(シモンやキーファーの試合)、ときどき眠ってしまいましたが、やっとテニスらしい面白いゲームがナダルとガスケによって繰り広げられました。今までおとなしかった観客は、二人のスーパーショットに興奮して歓声をあげています。まず、ガスケの第1セットは見事でした。ゾーンに入ってしまった彼は、ナダルに決して引けを取りません。あれほど隙のない、攻撃的なテニスができるのに・・・タイブレークでカウントは10-10。ガスケは2ndサーヴにも拘らず、サーヴ&ヴォレーをしてネットダッシュしてポイントをゲット。このようなアグレッシヴなガスケをみるのは久しぶりです。第1セットをものにしたものの、ガスケは攻撃テニスを止めてしまい、第2、3セットはナダルになぶり殺されてしまいました。
ナダルの攻撃はいわゆるdefensive offenseで、このスタイルが着実に実ってきているようです。最初からネットダッシュやウィナー をきめず、2~3球ラリーを続けチャンスを待って、確実にウィナーを決める、といった確率の高いテニスです。
ナダルは2セット以降、アグレッシヴにネットにくる回数がふえ、 6-7, 6-2, 6-1で圧倒的な強さを見せました。
フェデラーを倒したあのシモンが勝ちました
ジエス・シモン(仏・23才)とマリン・チリッチ(クロアチア・19才)の試合は、二人とも未来のスター選手だけに興味がありましたが、あまり盛り上がることもなく、シモンの我慢大会の勝ちとなりました。フェデラーがイライラしたのがよく分かります。相手のミスを待つテニスは面白くありません。シモンはカウンターパンチャー(攻撃テニスではなく相手のパワーを利用するヒューイットのような選手)ではなくて、もう完全にプッシャー(相手が失敗するまでひつこくボールを返す選手)です。 相手のミスを待つテニスは面白くありません。 チリッチはフェデラーのように、自滅して3-6, 6-2, 6-3でシモンの勝ちとなりました。
キーファーがブレークに快勝
試合が始まったと思ったら、もう終わっていたという試合。ちょうど試合時間は一時間きっかりでした。最年長31才のキーファーは、度重なる 怪我との闘いで苦難の道を歩んできましたが、このロジャーズでは、パワーは20代、作戦は30代、メンタルは昔のような荒々しさがなくなって成熟し、ブレークも手の施しようがなく 6-1, 6-2でもってあっさりと負けてしまいました。ハーヴァードに行けるくらいの頭脳の持ち主なら、もっと頭をつかったテニスをしてよいものなのに・・・と表に出していわなくても、思っている人が多くいます。ある試合であまりワンパターンのテニスなので、解説者がフラストレーションから思わず、「本当に彼はハーヴァードに行ったの?」と叫んでしまったのを覚えています。