2008年08月04日
マリー優勝@シンシナティ
マスターズ・シリーズ、シンシナティ2008はアンディ・マリー がジョコヴィッチに7-6(4), 7-6(5)の2セットストレート勝ちを決めました。
気温35度にもおよぶ炎天下での決勝戦は、まさにメンタルとフィジカルの極限を求められる過酷な試合となりました。
かつてのマリーのコーチ、ブラッド・ギルバートは、試合前に解説で「このサーフェスは、カンターパンチャーにとって有利だ」と断言しました。つまりマリーに有利だと言い切ったのです。シンシナティのハードコートは最も速いコートとして知られ、カウンターパンチャー(相手の攻撃をデフェンスしながら、攻撃のチャンスを待つ)のマリーのほうが有利だと言うのは、常識に反した見解です。アグレッシヴな選手がハードコートに有利で、ディフェンシヴな選手がクレーに有利というのが、テニスの常識なのですから。
ギルバートのコメントに、司会者も、もう一人の解説者、カヒール(元アガシのコーチ)もちょっと不思議な顔(?)をしていました。「アグレッシヴな選手は、うまくいけばウィナーになるが、リスクが多いショットを武器とするためエラーも多くなる。コートが速ければ、ショットメイキングもリスクが大きくなり、エラーが増えてくる」 このギルバートの予想がみごとに的中して、ジョコヴィッチのunforced errorが増えていきます。
マリーのテニスを知り抜いたギルバートの目に狂いはありませんでした。マリーはナダルのようにアグレッシヴ・ディフェンス・プレーヤー(基本はデフェンスですが、オフェンス色の強い選手のことをさす新用語です)として、最近の活躍は目覚ましいものがあります。もともとマリーは引き出しの多い選手と知られ、多種のショットを使い分けられる器用な選手ですが、特に彼のサーヴの種類はプロ選手の中では最多で、ジョコヴィッチもマリーの第2サーヴに悩まされポイントがとれません。また、変化に富んだペースとスピンで敵にリズムを与えず、焦ったジョコヴィッチはリスクの多いショットを打たざるを得ない状況に陥っています。
ジョコヴィッチは肩で息をし出しました。スライドしようとして、転倒してしまったときは心配しましたが、大事に至らず試合続行です。マリーは膝の痛みを押しながらコートを駆け巡ります。二人ともトレーナーにマッサージをリクエストすることなく、正々堂々と戦いました。
ジョコヴィッチは第2セットで4-5となり、マッチポイント5回という大ピンチを耐えぬいて、タイブレークまで持ち越したメンタルの強さはさすがでした。しかし昨日のナダル戦が、精神的に決勝戦となってしまったジョコヴィッチにとっては、昨日と同じレベルの集中力を保つのが難しかったと思います。ホッとしてしまった心の隙が敗因の一つであったかもしれません。
今日の優勝で、マレーは明日からランキングが9位から6位に上がります。そしてオリンピックの開会式ではイギリスの楯を掲げて栄誉の行進です。ウィンブルドンでガスケとの5セットにわたる壮絶な戦いに勝ち抜いた自信が、先週のトロントの準決勝に引き続き、今週の優勝の大きな支えになってるのは明らかです。これからの優勝争いは、フェデラー、ナダル、ジョコヴィッチに新しくマリーが加わり、ますますテニスが面白くなってきました。
気温35度にもおよぶ炎天下での決勝戦は、まさにメンタルとフィジカルの極限を求められる過酷な試合となりました。
かつてのマリーのコーチ、ブラッド・ギルバートは、試合前に解説で「このサーフェスは、カンターパンチャーにとって有利だ」と断言しました。つまりマリーに有利だと言い切ったのです。シンシナティのハードコートは最も速いコートとして知られ、カウンターパンチャー(相手の攻撃をデフェンスしながら、攻撃のチャンスを待つ)のマリーのほうが有利だと言うのは、常識に反した見解です。アグレッシヴな選手がハードコートに有利で、ディフェンシヴな選手がクレーに有利というのが、テニスの常識なのですから。
ギルバートのコメントに、司会者も、もう一人の解説者、カヒール(元アガシのコーチ)もちょっと不思議な顔(?)をしていました。「アグレッシヴな選手は、うまくいけばウィナーになるが、リスクが多いショットを武器とするためエラーも多くなる。コートが速ければ、ショットメイキングもリスクが大きくなり、エラーが増えてくる」 このギルバートの予想がみごとに的中して、ジョコヴィッチのunforced errorが増えていきます。
マリーのテニスを知り抜いたギルバートの目に狂いはありませんでした。マリーはナダルのようにアグレッシヴ・ディフェンス・プレーヤー(基本はデフェンスですが、オフェンス色の強い選手のことをさす新用語です)として、最近の活躍は目覚ましいものがあります。もともとマリーは引き出しの多い選手と知られ、多種のショットを使い分けられる器用な選手ですが、特に彼のサーヴの種類はプロ選手の中では最多で、ジョコヴィッチもマリーの第2サーヴに悩まされポイントがとれません。また、変化に富んだペースとスピンで敵にリズムを与えず、焦ったジョコヴィッチはリスクの多いショットを打たざるを得ない状況に陥っています。
ジョコヴィッチは肩で息をし出しました。スライドしようとして、転倒してしまったときは心配しましたが、大事に至らず試合続行です。マリーは膝の痛みを押しながらコートを駆け巡ります。二人ともトレーナーにマッサージをリクエストすることなく、正々堂々と戦いました。
ジョコヴィッチは第2セットで4-5となり、マッチポイント5回という大ピンチを耐えぬいて、タイブレークまで持ち越したメンタルの強さはさすがでした。しかし昨日のナダル戦が、精神的に決勝戦となってしまったジョコヴィッチにとっては、昨日と同じレベルの集中力を保つのが難しかったと思います。ホッとしてしまった心の隙が敗因の一つであったかもしれません。
今日の優勝で、マレーは明日からランキングが9位から6位に上がります。そしてオリンピックの開会式ではイギリスの楯を掲げて栄誉の行進です。ウィンブルドンでガスケとの5セットにわたる壮絶な戦いに勝ち抜いた自信が、先週のトロントの準決勝に引き続き、今週の優勝の大きな支えになってるのは明らかです。これからの優勝争いは、フェデラー、ナダル、ジョコヴィッチに新しくマリーが加わり、ますますテニスが面白くなってきました。
マリー vs ジョコヴィッチ決勝戦