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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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錦織、残念でしたね

錦織選手、ここまで本当によく健闘したと思います!

実は、試合1時間半前に錦織選手のマネージャーのオリヴァーとミーティングをした際に、彼のコンディションを聞いたのです。

「記者会見で体中が痛いと彼は言ってたけれど大丈夫なの?」

「もう全く問題ないよ。若いからね。プラクティスもバッチリやったしベストコンディションだよ」

「フェレールのとき、私たちものすごい応援をやったんですよ」

「今日の試合もよろしく頼むよ。Kei needs it!」

ということで、応援を頼まれて会場に向かいました。今日は友達のご主人が仕事で抜けて4人となりましたが、Tennisnakama応援団はまたもや一般席の前列から2列を得て、応援態勢が整いました。

tennisnakama

左端のカウガールハットが団長です。

小さくて見えない?まあ雰囲気だけでも感じ取ってください。



会場は日本人のカメラマンが総出といった感じで、日本のメディアの力の入れようが伝わってきます。デルポトロは、前の5セットの試合で、ほとんど動けないほど疲れたと言っていましたし、この試合は体のコンディションがよい方が勝つ、そんな気がしていました。(錦織は日本語の記者会見では、メンタルに疲れていたといってましたが、やはりフェレール戦で心身とも使いきってしまったのかも知れません)

しかし二人がコートに現れたときは、あまりにもサイズの違いにびっくり。デルポトロは198cm。錦織は177cm。21cmの違いはまるで大人と子供のようです。体格もデルポトロは、同じノッポのカルロヴィッチに比べて、はるかに強靭で、まるでサフィンをワンサイズ大きくしたよう。これではボクシングに例えると、ヘヴィー級vsライト級です。明らかに力では負けますので、後は相手のミスまちを狙うしかないのでは。強烈なショットでは、錦織のクリエイティヴなショットをする余裕もなさそうな感じがします。祈るような気持ちで第1セット、錦織のサーヴからゲームが開始されました。

nishikoriboard



第1ゲームは錦織の第1サーヴが入らなかったにせよ、デルポトロのエラーも手伝って、錦織のフォアハンドのクロスコートのウィナーで錦織が勝ち取りました。なかなか調子のよい出だしです。第2ゲームも、デルポトロが固くなっているようで、なかなかポイントが決められず、デュースの後は、錦織がフォアハンドで決めて、もはやブレーク。得点は3-0と快調。しかし、それ以降は、錦織のジャンピングフォアハンド(ジャンピングする必要のないショット)でミスしたり、せっかく浮いたデルポトロのリターンをネットダッシュしないで、ウィナーを決められなく0-40で第5ゲームをブレークされてしまいました。

nishifore1



ここからデルポトルは少し気持ちに余裕が出てきたのか、サーヴに威力が出てきました。125マイルはコンスタントに出しています。角度のついたコーナーに突き刺さる弾丸に、錦織は球を返すのがやっと。浮いたボールをすべてネットダッシュで叩かれて、6ゲーム目は0-40でデルポトロの手に。この先は完全にデルポトロのペースで、錦織の挽回の余地を与えず、6-3, 6-4, 6-3でデルポトロが勝利を収めました。

potroserve



デルポトロはもともとクレーの選手だけあってラリーの展開に粘があります。ウィナーは確実に取れるまでは急ぎません。かといって球をつないでいるのではなく、どんどん錦織を深いペースのあるショットで追いつめていきます。「バックハンドのクロスにミスがなく、ダウンザラインにもっていけなくてどうしてよいか分からなかった」と錦織が記者会見で言ってるように、フォアに回り込んでいく余裕を与えなかったデルポトロは錦織の攻撃を封じてしまったように見えます。

しかもあの体格で足が速い! 錦織がウィナーになりそうな球をサイドラインに打っても追いつきます。しかも確実に返球してくるので、錦織はどうしても、確率の悪い無理なショットを強いられます。

3回戦のフェレールとの試合では、錦織のフォアハンドが恐ろしくサイドラインに決まっていましたが、今日はオーヴァーヒットが目立ちます。しかもバックハンドがネットにひっかかります。いつものバックハンドで組み立てフォアハンドで決めるパターンが今日はほとんど実らず、焦りがでてきました。

nishirest



第2セットでは、錦織はペースを変えたショットをトライしてみますが、デルポトロの猛烈に速くてヘヴィーなストロークでままなりません。二人のラリーの応酬は、あまりにも球が速く、ベースラインぎりぎりに落ち、一瞬の予断もゆるしません。TVの解説者がデルポトロのラリーを観て、「こんな球を打ち返せる選手は見た事がない!」と感嘆の声を上げた理由が分かるような気がします。それにしても錦織もデルポトロに負けていません。もし、錦織の体のコンディションがよければ、フェレールのときのように、5セットマッチまでもっていけたかも知れないと思うと残念です。でもコンディショニングは、技術やメンタルと並ぶビッグスリー要素ですから、今後の錦織の大きな課題ですね。

potrofore2



私たち応援団は、ギアをフルにアップして、「ニシコリ!ガンバレー!」を繰り返します。すると直ぐ後ろの席から、「Vamos Juan!」と返ってきます。こちらが音頭をとって、「ニ・シ・コ・リ(チャチャチャ)」をやると、敵も我らのエールをかき消すために、「オーレ・オーレ・デルポトロ!」の合唱が入ります。口惜しいのなんのって!

今日の試合は、錦織も記者会見でいってましたが、相当疲れていたみたいですね。フェレールの時は疲れても、球をつなぐことができましたが、デルポトロはそれを許してくれませんでした。敵ながら、ミスのないすばらしいテニスを披露してくれました。彼はインジャーリーがなければ、間もなくトップ5に入る選手になるのは間違いないと思います。力だけではなく、ネットダッシュもタイミングの取り方がうまく、確実に決めていました。それに比べて、錦織のネットダッシュは、タイミングがもう一つで、ほとんど足下に落とされて失敗に終わっています。肝心のときにネットに詰めないで、詰めてはいけないときにやるネットダッシュが気になります。彼の決断が鈍ってきているようです。

nishiapproach



錦織選手がこれからトップ50に入るためには、まず体力作りと筋トレが不可欠。本人も怪我が多いので、これからトレーニングをしっかりやっていくつもりだと記者会見で答えてます。18才の彼には他の選手にはない「贅沢な時間の余裕」があります。それに加えて天才的な勝負師の魂を潜めています。錦織の可能性は無限です。

それにしても、あの華奢な体でよくここまで頑張りました。じっくりと休養をとってください。そしてまたあのエキサイティングな試合を観戦できる日を楽しみにしています。

圭君と共に戦った

4日間のすばらしい思い出をありがとう!


shakehands




投稿者 Tennisnakama  00:52 | コメント(24) | トラックバック(0)