2008年09月19日
Gaoraのテニス解説
私のブログは、海外からの視点で世界のテニスを伝えることを主な目的としていますので、どうしても日本を海外と比較しなければならない時があります。 しかしただ単に比較したことが、気に入らない読者の方もいて、バッシングされてしまうことが過去に何度もあり、戦々恐々の気持ちで書いています。
今回はテニス報道の違いをTVの解説という点から探ってみたいと思っているのですが、読者の方、特に「あなたはアメリカ大好きの気持ち悪い人ですね」のコメントをくださった方、お手柔らかにお願いします。
さて長い前置きはこれくらいにして、生まれて初めて日本語のテニス解説を聞きました。そしてアメリカやイギリスの解説との違いに驚いたのです。(すでに頬がピクピクしてきた方は、ここで読むのをストップしてください。)
今朝8時半です。東レPPOはニューヨークでは観れないかも、と半分諦めの気持ちでインターネットをサーフしていましたら、出てきました! http://www.justin.tv/zura003 というサイトですが、生放送をstreamingしていたのです。Gaoraの番組がライヴで観る事ができるのです!
私はテニスをアメリカで習い始めましたので、日本のテニスは全く知りません。しかも日本でTVのテニス観戦をしたことが一度もないのです。ですから興奮してコンピューターに食い入るように見始めたのですが・・・
東レPPOは、カネピvsラザーノの対戦で第2セットに入っていました。普段はジョン・マッケンローやジム・クーリエ、ブラッド・ギルバートなどの解説を楽しんでいる私ですが、誰の意見にも左右されずに自分の目で観たいと思ったときは、ヴォリュームをミュートにしてしまいます。しかしボールの音、観客の反応もすべてミュートになってしまうので、手応えのない観戦となってしまうのが難点なのですが、この点コンピューターのstreamingは、カメラだけが回っていることがあり、自分がコート際で観戦しているような臨場感があってもっとも好きな観戦の方法です。
さてこの Gaoraの放送ですが、この解説スタイルは Gaoraだけでなく、Wowowや NHKにも共通するいわゆる「ジャパニーズスタイルの解説」なのだろうなと思いました。
第一印象は、とてもうるさいのです。一つ一つのモーションの後に説明がつきます。 その説明も初歩的なものです。ショットがうまく入れば「すごいですね~!」、入らなければ「どうしたのでしょうね~?」ファーストサーヴが入らなければ、「今、何を考えているのでしょうね。サーヴのフォームのことでしょうか?」などなど。これではせっかくのパーフォーマンスも、過剰なコメントでそのすばらしさが半減してしまいます。
アメリカとイギリスの両国で解説者として活躍するマッケンローは、最も上手い解説者として定評がありますが、解説のタイミングが絶妙です。要点をついた分析は冷静で客観的です。 Gaoraの解説者がよく使う「驚きますね~」「ちょっと考えられませんね~」などの 主観的なコメントはありません。ロッカールームなどの実話も混ぜながら、視聴者の邪魔にならず、鋭い分析をときどき加えて私たちを楽しませてくれます。主役はあくまでも選手であって解説者ではないことをよく心得ています。
耳では聞き流してしまうことでも、活字にすると意外なことを発見するものです。Gaoraのカネピvsラザーノ戦のアナウンサーと解説者(名前は言いません)の会話を記録しましたので、ここで再現してみたいと思います。
(カネピvsラザノは6-4でカネピが第1セットをとりました。第2セットはラザノのサーヴから始まります。)
「ラザノもいろいろやってます。」
「そうですね。気合いが入ってます。」
「このゲームはキープしないといけないですから、力が入っているのでしょうか。」
「あんなに大きくはずれるのは珍しいですね。」
「これはチャンスでした!ラザノはネットにひっかけます!」
「30-30 ひとつ助かったカネピです。」
「先ほどからおかしいですねえ。」
「そうですね。おかしいですねえ。」
「来た!これです!」(ドロップショットに対して)
「球が速すぎましたか!」(ウィナーに対して)
「顔が諦めていませんね。」
「メンタルのゆさぶりをかけています。」
「そうですね。すごいですね。」
「ああ、もったいないポイント!」
「ああ、いい球を打ったのですが。」
「大きな声を上げたラザーノ!」(カモンという言葉に対して)
「思わず唸るほどのすばらしいサーヴです!」
「また唸ってしまいました!」
これってどこが解説なのでしょうね? この二人の会話を聞いてやっぱりミュートボタンを押してしまいました。
今回はテニス報道の違いをTVの解説という点から探ってみたいと思っているのですが、読者の方、特に「あなたはアメリカ大好きの気持ち悪い人ですね」のコメントをくださった方、お手柔らかにお願いします。
さて長い前置きはこれくらいにして、生まれて初めて日本語のテニス解説を聞きました。そしてアメリカやイギリスの解説との違いに驚いたのです。(すでに頬がピクピクしてきた方は、ここで読むのをストップしてください。)
今朝8時半です。東レPPOはニューヨークでは観れないかも、と半分諦めの気持ちでインターネットをサーフしていましたら、出てきました! http://www.justin.tv/zura003 というサイトですが、生放送をstreamingしていたのです。Gaoraの番組がライヴで観る事ができるのです!
私はテニスをアメリカで習い始めましたので、日本のテニスは全く知りません。しかも日本でTVのテニス観戦をしたことが一度もないのです。ですから興奮してコンピューターに食い入るように見始めたのですが・・・
東レPPOは、カネピvsラザーノの対戦で第2セットに入っていました。普段はジョン・マッケンローやジム・クーリエ、ブラッド・ギルバートなどの解説を楽しんでいる私ですが、誰の意見にも左右されずに自分の目で観たいと思ったときは、ヴォリュームをミュートにしてしまいます。しかしボールの音、観客の反応もすべてミュートになってしまうので、手応えのない観戦となってしまうのが難点なのですが、この点コンピューターのstreamingは、カメラだけが回っていることがあり、自分がコート際で観戦しているような臨場感があってもっとも好きな観戦の方法です。
さてこの Gaoraの放送ですが、この解説スタイルは Gaoraだけでなく、Wowowや NHKにも共通するいわゆる「ジャパニーズスタイルの解説」なのだろうなと思いました。
第一印象は、とてもうるさいのです。一つ一つのモーションの後に説明がつきます。 その説明も初歩的なものです。ショットがうまく入れば「すごいですね~!」、入らなければ「どうしたのでしょうね~?」ファーストサーヴが入らなければ、「今、何を考えているのでしょうね。サーヴのフォームのことでしょうか?」などなど。これではせっかくのパーフォーマンスも、過剰なコメントでそのすばらしさが半減してしまいます。
アメリカとイギリスの両国で解説者として活躍するマッケンローは、最も上手い解説者として定評がありますが、解説のタイミングが絶妙です。要点をついた分析は冷静で客観的です。 Gaoraの解説者がよく使う「驚きますね~」「ちょっと考えられませんね~」などの 主観的なコメントはありません。ロッカールームなどの実話も混ぜながら、視聴者の邪魔にならず、鋭い分析をときどき加えて私たちを楽しませてくれます。主役はあくまでも選手であって解説者ではないことをよく心得ています。
耳では聞き流してしまうことでも、活字にすると意外なことを発見するものです。Gaoraのカネピvsラザーノ戦のアナウンサーと解説者(名前は言いません)の会話を記録しましたので、ここで再現してみたいと思います。
(カネピvsラザノは6-4でカネピが第1セットをとりました。第2セットはラザノのサーヴから始まります。)
「ラザノもいろいろやってます。」
「そうですね。気合いが入ってます。」
「このゲームはキープしないといけないですから、力が入っているのでしょうか。」
「あんなに大きくはずれるのは珍しいですね。」
「これはチャンスでした!ラザノはネットにひっかけます!」
「30-30 ひとつ助かったカネピです。」
「先ほどからおかしいですねえ。」
「そうですね。おかしいですねえ。」
「来た!これです!」(ドロップショットに対して)
「球が速すぎましたか!」(ウィナーに対して)
「顔が諦めていませんね。」
「メンタルのゆさぶりをかけています。」
「そうですね。すごいですね。」
「ああ、もったいないポイント!」
「ああ、いい球を打ったのですが。」
「大きな声を上げたラザーノ!」(カモンという言葉に対して)
「思わず唸るほどのすばらしいサーヴです!」
「また唸ってしまいました!」
これってどこが解説なのでしょうね? この二人の会話を聞いてやっぱりミュートボタンを押してしまいました。