2008年11月02日
ツォンガはフランスのヒーロー
フランスに新しいヒーローが誕生しました。 h〓ro〓que(英雄の)という形容詞のタイトルがフランスのメディアを賑わしています。正直いって誰も想像していなかったツォンガの決勝戦に、フランスは大騒ぎです。
“Un Tsonga h〓ro〓que atteint les demies” ル・モンド紙
“Un Tsonga h〓ro〓que s'impose face 〓 Roddick” ル・フィガロ紙
ツォンガのドローはパリマスターズではもっともタフなものでした。
まずtrickyで予想がつかないステパネック、
そしてNo. 3のジョコヴィッチ、
準々決勝では最高レベルの試合をしたロディック、
そして準決勝は速攻戦で攻めまくるブレイクを3セットのタイブレークで破りいよいよ決勝です。
「もうクレージーだよ。昨日は3時間の試合だったけれど、全然疲れてないよ。」ブレイク戦の後で、ツォンガは興奮した面持ちを隠せません。
「今日はラッキーだった。2セットとも最初にクレークできたからね。だからその後は自分のサーヴィスゲームに集中することができたんだ。自分でもこれほどうまくプレーができるとは思わなかったよ。明日の決勝も今日のようにうまくいけばよいのだけど。」あのくったくのない笑顔で本当に嬉しそうです。
昨日のロディックとの戦いは、決勝戦とも思わせる大激戦でした。ツォンガは過去の試合でベストな、完全にソーンに入ったテニスを見せてくれました。
感心したのはロディックです。敵陣の孤島で一人雄々しく戦うロディックには、あの挑戦的ないつものロディックの姿はありません。第3セットの試合を左右する10ゲーム目(4-5)でホークアイにめぐって大混乱がおきたときも、彼は落ち着いて冷静でした。ジミーコナーズがロディックのコーチだった頃は、コナーズスタイルで、いわゆる何でもかんでも突っかかる態度で、フォーカスを失うことが多かったのですが、最近の彼はメンタル的に成熟してイライラした自滅テニスが減ってきています。ネットプレーもうまくなり、ネットダッシュのタイミングも絶妙になってきました。観客全員がツォンガを応援する不可能な状況にあって、ロディックは本当によく健闘しました。
ロディック戦に比べて、今日のブレイク戦はやや慎重でした。ロディック戦では、ツォンガはウィナーが61もありますが、エラー(unforced error)も44と大変多く、いかに攻撃的なアグレッシヴな試合を展開したかを物語っています。ブレイク戦では、ウィナーの数は33と半分に減っていますが、またエラーも17と半数以下に減っています。ツォンガは徹底的にブレイクの2ndサーヴを狙い、65%もリターンでポイントを獲得するスマートなテニスをやりました。
二人とも白人と黒人の混血児です。二つの人種のベストクウォリティーを受け継いだ二人は、アスレティックでダイナミックで、エンターテイメント性の高い試合を展開してくれました。ブレイクに勝った後、ツォンガは“Merci Bercy” の文字の入ったテニスウェアに着替えましたね。多分負けても着たと思いますが、最後まで熱狂的な応援を送り続けた観客に、彼の感謝の気持ちを表したかったのでしょう。なかなかフランス的でお洒落なジェスチャーでした。
フェデラーやナダルがいなくなってしまって寂しくなってしまったパリマスターズですが、チャンピオンタイトル保持を狙うナルバンディアンと、地元のツォンガとの対戦は、トーナメントとしては理想的な組み合わせとなりました。ツォンガが優勝すれば、フランスのマスターズシリーズの優勝は、グロージャン以来7年ぶりという久々のヴィクトリーだけに、フランス中がTVにかじりついて応援でしょうね。このプレッシャーにめげず、ガンガンとあのダイナミックなテニスを披露してほしいと思います。
“Un Tsonga h〓ro〓que atteint les demies” ル・モンド紙
“Un Tsonga h〓ro〓que s'impose face 〓 Roddick” ル・フィガロ紙
ツォンガのドローはパリマスターズではもっともタフなものでした。
まずtrickyで予想がつかないステパネック、
そしてNo. 3のジョコヴィッチ、
準々決勝では最高レベルの試合をしたロディック、
そして準決勝は速攻戦で攻めまくるブレイクを3セットのタイブレークで破りいよいよ決勝です。
「もうクレージーだよ。昨日は3時間の試合だったけれど、全然疲れてないよ。」ブレイク戦の後で、ツォンガは興奮した面持ちを隠せません。
「今日はラッキーだった。2セットとも最初にクレークできたからね。だからその後は自分のサーヴィスゲームに集中することができたんだ。自分でもこれほどうまくプレーができるとは思わなかったよ。明日の決勝も今日のようにうまくいけばよいのだけど。」あのくったくのない笑顔で本当に嬉しそうです。
昨日のロディックとの戦いは、決勝戦とも思わせる大激戦でした。ツォンガは過去の試合でベストな、完全にソーンに入ったテニスを見せてくれました。
感心したのはロディックです。敵陣の孤島で一人雄々しく戦うロディックには、あの挑戦的ないつものロディックの姿はありません。第3セットの試合を左右する10ゲーム目(4-5)でホークアイにめぐって大混乱がおきたときも、彼は落ち着いて冷静でした。ジミーコナーズがロディックのコーチだった頃は、コナーズスタイルで、いわゆる何でもかんでも突っかかる態度で、フォーカスを失うことが多かったのですが、最近の彼はメンタル的に成熟してイライラした自滅テニスが減ってきています。ネットプレーもうまくなり、ネットダッシュのタイミングも絶妙になってきました。観客全員がツォンガを応援する不可能な状況にあって、ロディックは本当によく健闘しました。
ロディック戦に比べて、今日のブレイク戦はやや慎重でした。ロディック戦では、ツォンガはウィナーが61もありますが、エラー(unforced error)も44と大変多く、いかに攻撃的なアグレッシヴな試合を展開したかを物語っています。ブレイク戦では、ウィナーの数は33と半分に減っていますが、またエラーも17と半数以下に減っています。ツォンガは徹底的にブレイクの2ndサーヴを狙い、65%もリターンでポイントを獲得するスマートなテニスをやりました。
二人とも白人と黒人の混血児です。二つの人種のベストクウォリティーを受け継いだ二人は、アスレティックでダイナミックで、エンターテイメント性の高い試合を展開してくれました。ブレイクに勝った後、ツォンガは“Merci Bercy” の文字の入ったテニスウェアに着替えましたね。多分負けても着たと思いますが、最後まで熱狂的な応援を送り続けた観客に、彼の感謝の気持ちを表したかったのでしょう。なかなかフランス的でお洒落なジェスチャーでした。
フェデラーやナダルがいなくなってしまって寂しくなってしまったパリマスターズですが、チャンピオンタイトル保持を狙うナルバンディアンと、地元のツォンガとの対戦は、トーナメントとしては理想的な組み合わせとなりました。ツォンガが優勝すれば、フランスのマスターズシリーズの優勝は、グロージャン以来7年ぶりという久々のヴィクトリーだけに、フランス中がTVにかじりついて応援でしょうね。このプレッシャーにめげず、ガンガンとあのダイナミックなテニスを披露してほしいと思います。