2008年11月03日
ツォンガが優勝しました!
ツォンガが優勝です 6-3, 4-6, 6-4
おめでとう、ツォンガ! すばらしい決勝戦でした。
(ツォンガの優勝写真)
フェデラーとナダルのいなくなってしまったマスターズでしたので、盛り上がりに欠けることが心配されましたが、どうしてどうして、今年はツォンガの一人舞台となり、フランスをテニス熱狂の渦に巻き込みました。会場は最高に盛り上がり、TVで観戦するテニスファンにとっても、その興奮がスクリーンから伝わってきます。ツォンガの一打ごとに観客は一喜一憂、アレー!アレー!の熱狂的な掛け声に、追い打ちをかけるような激しい太鼓の音。思わずTVの観客と一緒にアレー!と掛け声を上げたのは、私だけではないはずです。
ツォンガのアスレティックでダイナミックなテニスと、ナルバンディアンの絶妙なソフトタッチのテニスは、ヴァラエティーに富んでいて、決勝にふさわしくワクワクするような楽しいテニスでした。
「最初にブレークできたことがよかった。」と、 ツォンガは昨日のブレイク戦の勝因を振り返って語っていましたが、今日も運よく昨日と似たスタートです。第1セットの初っ端からナルバンディアンがダブルフォルトをしてしまい、ブレークポイントを手にしたツォンガは、「これはイケル」という確信がよぎったに違いありません。勢いに乗ったツォンガは32分で第1セットを6-3で終え、このまま第2セットのストレート勝ちにみえましたが・・・
ナルバンディアンのギアがあがってきたのは、第2セットの第3ゲームです。サーヴ&ヴォレーで攻める。サーヴィスエースが決まる。特にネットプレーの超アングルヴォレーのソフトタッチは、魔法がかかったようにボールがネットぎりぎりのサイドラインにストンと落ちていきます。「ムムム、、やってっくれます」実にエレガントな技です。
しかし、ツォンガは勝ちたいという気持ちが優先して、勝ち急ぎに見られるショットが目立ってきました。ウィナーで決めてしまいたい、という気持ちが強すぎると、つい力みがちになりきわどいコースを狙いがちになり、結局エラーにつながってしまいます。ナルバンディアンは反面、ここぞというポイントはしっかりと決め、サーヴも左右にプレースメントが決まって、落ち着いたスマートなテニスで第2セットを6-4で逆転です。
さて、いよいよ第3セットです。観客席は津波のような大きなウェイーヴが起こっています。3セット目を迎え、ますます興奮のヴォルテージが上がってきました。フランスはもう絶対にツォンガに勝ってもらわなくてはなりません。援軍なしの孤島の中で、果たしてナルバンディアンはどう戦い続けていけるでしょう。
フランスの期待に応えて、ツォンガは3ゲーム目ですでにナルビーをブレーク。しかしナルビーは総力を駆使して、予測できないショット(クロスに見せかけてダウンザライン)、ドロップショット、トップスピンロブなど、まるでショットのエクジビションのようです。本当に技の達人ですね。特にジャンピング・バックハンドのアングルヴォレーには惚れ惚れしてしまいました。(今度真似してみようっと)
しかし勢いに乗ったツォンガの壁は固く、ナルビーは9回もブレークチャンスに恵まれながら、1回しかポイントに結びつけることができず、残念ながらタイトル保持は実現しませんでした。
それにしても、ツォンガの25本のサーヴィスエースは驚異的でした。大切なポイントを、しっかりとエースで勝ち取れるメンタルの強さと集中力はフェデラーに似たものがあります。しかも51のウィナーです。(ナルビーは4本のエースに23のウィナー) これだけのウィナーをとるには相当のガッツが必要です。ツォンガが今年のオーストラリアオープンで彗星のごとく登場し、決勝戦まで残って戦ったときのセンセーションが再び蘇ってきました。あのときは残念ながら、ジョコヴィッチに負けましたが、それ以後は膝の調子が悪く期待されたほどの成績が残せなかっただけに、感無量のカムバックです。
「今日の優勝は皆さんのものです! 」おおきなトロフィーを掲げてツォンガが顔をくしゃくしゃにしながら叫びました。チャンピオンシップポイントを取った瞬間、ツォンガは高くラケットを放り投げました。
「僕はフランス、家族、友人、そしてすべて応援してくれる人達のために、上海で精一杯戦ってきます!」泣きべその顔はもはやなく、晴れやかな勝者の自信に満ちたツォンガの声が会場にこだまします。
今年は錦織選手の活躍に始まって、マリー、デルポト、シモン、ツォンガなど、実に様々な選手が活躍しましたね。こんなに選手のレベルが接近している時代は、テニス歴初めてといってもよいのではないでしょうか。面白い大変な時代になりました。テニス戦国時代です。ますます2009年が楽しみです。
おめでとう、ツォンガ! すばらしい決勝戦でした。
(ツォンガの優勝写真)
フェデラーとナダルのいなくなってしまったマスターズでしたので、盛り上がりに欠けることが心配されましたが、どうしてどうして、今年はツォンガの一人舞台となり、フランスをテニス熱狂の渦に巻き込みました。会場は最高に盛り上がり、TVで観戦するテニスファンにとっても、その興奮がスクリーンから伝わってきます。ツォンガの一打ごとに観客は一喜一憂、アレー!アレー!の熱狂的な掛け声に、追い打ちをかけるような激しい太鼓の音。思わずTVの観客と一緒にアレー!と掛け声を上げたのは、私だけではないはずです。
ツォンガのアスレティックでダイナミックなテニスと、ナルバンディアンの絶妙なソフトタッチのテニスは、ヴァラエティーに富んでいて、決勝にふさわしくワクワクするような楽しいテニスでした。
「最初にブレークできたことがよかった。」と、 ツォンガは昨日のブレイク戦の勝因を振り返って語っていましたが、今日も運よく昨日と似たスタートです。第1セットの初っ端からナルバンディアンがダブルフォルトをしてしまい、ブレークポイントを手にしたツォンガは、「これはイケル」という確信がよぎったに違いありません。勢いに乗ったツォンガは32分で第1セットを6-3で終え、このまま第2セットのストレート勝ちにみえましたが・・・
ナルバンディアンのギアがあがってきたのは、第2セットの第3ゲームです。サーヴ&ヴォレーで攻める。サーヴィスエースが決まる。特にネットプレーの超アングルヴォレーのソフトタッチは、魔法がかかったようにボールがネットぎりぎりのサイドラインにストンと落ちていきます。「ムムム、、やってっくれます」実にエレガントな技です。
しかし、ツォンガは勝ちたいという気持ちが優先して、勝ち急ぎに見られるショットが目立ってきました。ウィナーで決めてしまいたい、という気持ちが強すぎると、つい力みがちになりきわどいコースを狙いがちになり、結局エラーにつながってしまいます。ナルバンディアンは反面、ここぞというポイントはしっかりと決め、サーヴも左右にプレースメントが決まって、落ち着いたスマートなテニスで第2セットを6-4で逆転です。
さて、いよいよ第3セットです。観客席は津波のような大きなウェイーヴが起こっています。3セット目を迎え、ますます興奮のヴォルテージが上がってきました。フランスはもう絶対にツォンガに勝ってもらわなくてはなりません。援軍なしの孤島の中で、果たしてナルバンディアンはどう戦い続けていけるでしょう。
フランスの期待に応えて、ツォンガは3ゲーム目ですでにナルビーをブレーク。しかしナルビーは総力を駆使して、予測できないショット(クロスに見せかけてダウンザライン)、ドロップショット、トップスピンロブなど、まるでショットのエクジビションのようです。本当に技の達人ですね。特にジャンピング・バックハンドのアングルヴォレーには惚れ惚れしてしまいました。(今度真似してみようっと)
しかし勢いに乗ったツォンガの壁は固く、ナルビーは9回もブレークチャンスに恵まれながら、1回しかポイントに結びつけることができず、残念ながらタイトル保持は実現しませんでした。
それにしても、ツォンガの25本のサーヴィスエースは驚異的でした。大切なポイントを、しっかりとエースで勝ち取れるメンタルの強さと集中力はフェデラーに似たものがあります。しかも51のウィナーです。(ナルビーは4本のエースに23のウィナー) これだけのウィナーをとるには相当のガッツが必要です。ツォンガが今年のオーストラリアオープンで彗星のごとく登場し、決勝戦まで残って戦ったときのセンセーションが再び蘇ってきました。あのときは残念ながら、ジョコヴィッチに負けましたが、それ以後は膝の調子が悪く期待されたほどの成績が残せなかっただけに、感無量のカムバックです。
「今日の優勝は皆さんのものです! 」おおきなトロフィーを掲げてツォンガが顔をくしゃくしゃにしながら叫びました。チャンピオンシップポイントを取った瞬間、ツォンガは高くラケットを放り投げました。
「僕はフランス、家族、友人、そしてすべて応援してくれる人達のために、上海で精一杯戦ってきます!」泣きべその顔はもはやなく、晴れやかな勝者の自信に満ちたツォンガの声が会場にこだまします。
今年は錦織選手の活躍に始まって、マリー、デルポト、シモン、ツォンガなど、実に様々な選手が活躍しましたね。こんなに選手のレベルが接近している時代は、テニス歴初めてといってもよいのではないでしょうか。面白い大変な時代になりました。テニス戦国時代です。ますます2009年が楽しみです。