2008年11月04日
ツォンガの感動の記者会見
ベルシーからalala特派員の現地報告です!
レキップのウェブサイトが掲載したツォンガの優勝時の記者会見を(フランス語)、alala特派員が完全翻訳してくれました!(記者会見で泣くツォンガのビデオと記者会見)
このインタービューを読んで、彼と共に泣いてしまいました。黒人との混血児というハンディを負いながらも、自分をサポートしてくれる人達への感謝の気持ちを忘れることなく、ひたすら前進を目指してきたツォンガ。人に言えないさまざまな辛いこともあったでしょう。自分を愛し信じてくれる人のために、数重なる不運な怪我も乗り越えて、彼は7年ぶりにフランスにトロフィーをもたらしました。
転んでは起つ。また転んではまた起つ。決して諦めず最後まで戦い続けるツォンガは、私たちに感動と生きる勇気を与えてくれます。そしてそんなヒーローのパーフォーマンスを観戦することができる私達は本当にラッキーです。
alalaさん、テニスファンにすばらしい贈り物をありがとう!
(記者会見)
「ジョー・ウィルフリード・ツォンガ、このタイトルを手にしての感想は?」
どうしようもないくらい、激しい幸せを感じています。この決勝をどうことばで表現したらいいのか、わかりません。今週起こったことはどれもこれも信じられないことばかりです。
大会が始まった時、体中に傷みがありました。腿も痛かったし、ひじも痛かった。あと、どこが痛かったんだっけ?とにかく、どこもかしこも痛かったんです。試合に100%集中できないときや自分のしたいようなプレイができないときには、頭も痛くなったし。だけど何とか踏ん張って、本当に本当にしっかりとがんばった。こうやってコートの上で戦えるんだから、全力を尽くさなくちゃダメだって自分に言い聞かせたんです。何が起こるかなんてわからない。一試合か二試合何とか勝てばそのうち身体が動き出し、安定してくるかもしれない。そうしたら問題はなくなる、そう思おうって。そして実際そうなったんです。今は本当にうれしい。
「最後0-40でリードされた時はどう思いましたか?」
僕の仲間たちを見て、「今だよ、今僕に力をおくれ、今僕を支えて」って言ったんです。僕は一生懸命身体を動かし自分にこう言ったんです。「0-40はまだ終わりってことじゃない。まだやれる」って。一球一球「お前は強い。お前にならできる。毎日お前を支え、お前と一緒に汗をかき、お前のために考えてくれているみんなのためにこのタイトルを取るんだ」って自分に言い聞かせました。
「マッチ・ポイントのとき、関係者席を見ましたね。その時の気持ちは?」
自分について来てくれ、自分を支えてきてくれた人たち、そして自分の家族を確認したのです。みんな、今日僕が勝つために力を貸してくれた人ばかりです。この勝利はこの2週間だけの結果ではなくて、僕のこれまでの人生全ての結果なのです。これまでに指導してくれた何人かのコーチにも感謝しています。彼らは本当にたくさんのことを教えてくれました。家族もそうです。しつけやものの考え方などを教えてくれました。僕のまわりで僕が幸せでいられるように、そして僕が自由な心でテニスができるように支えてくれた人達に感謝します。僕には彼らがいるんだ、って知っています。彼らがいるから、僕の人生は美しいものになるんです。
「ベルシーでの自分のレベルは全豪のときよりも高いと思いますか?」
全豪の時よりうまくプレイできたかはわかりません。大会の始め、僕は満身創痍でした。だけどそれは公表せずに自分の中にしまっておいた。少なくともプレイすることはできるし、そのチャンスを生かすことはできると思ったからです。試合を重ねるにつれ、だいぶん調子があがってきました。全豪の時みたいなありえないようなボレーが決まったりといったものすごいことはできなかったかもしれないけれど、正確なプレイはできました。みんなこうやって勝つんだなと思いました。「ラッキーな」プレイで勝つんじゃなくてね。よく考えた上でのプレイによって人は勝つのだということがわかりました。
「試合の最後に見せた涙の意味は?」
コートに入る前、昼寝をしたんです。自分が試合に勝って、家族に感謝する夢を見ました。本当に勝った時、「信じられない。本当に自分の声を出して何千人という人の前で家族みんなに感謝ができるなんて」と思ったんです。僕が家族や僕の仲間たちをどれだけ愛しているかみんなの前で言えるんだって。
「このタイトルにはどのような意味がありますか?」
たくさんのことです。僕はここ数年、いくつもの山を這い上がってきました。もう一度テニスをするのは難しいんじゃないかといわれた時もあったほどです。うまくプレイできていたかと思うと、突然怪我のならくへと突き落とされてしまったり。そんな時を過ごしているうちに、僕の心は強くなった。だからこの勝利はあらゆるものの結果なんです。そして僕が子供だった時から僕を支えてくれた全ての人達、両親や家族、コーチたち、そして友人たちの勝利でもあるんです。最高の気分ですよ。
「表彰式の直前、椅子に座っているあなたは物思いにふけっているように見えました。あの時何を考えていたんですか?」
たくさんのことです。祖父母が僕のことを見ていてくれたかと思うと(ここでツォンガは涙を流し、しばし黙ってしまう)僕の祖母が…僕のことを見ていてくれた人たちのことを考えてたんです。彼らのことを(嗚咽するツォンガ)。彼らのおかげなんです。僕を支えてくれた人たち。たとえもういない人たちも。困難な時、僕は彼らのことを思い出すんです。すると、前に進めるような気がするんです。
「あなたは信じられないくらいの落ち着きを見せていました。家族からその力を得るんですか?」
僕の性格ということもありますね。両親はいつも、僕がくよくよせずに前を向いて歩く手助けをしてくれました。僕の家族は、元々特にたいそうなものを持っていたわけではありません。僕はいつでも自分の皿をしっかり平らげることで満足してきたんです。(訳注:これはちょっとわからいにくかったんですけど、多分「足るを知る」みたいな意味ではないかと思います…)バカみたいに聞こえるかもしれないけれど、でもこういう小さなことから始まって、人は強くなったり何もあきらめたりしなくなるんじゃないかと思います。
「高揚から落ち着きへどうやって心をコントロールするのですか?」
僕はアフリカのエキセントリックなところと西洋の穏やかさを持っているのです。このふたつが、僕の血の中に流れています。高揚感から穏やかな気持ちへと自分の気持ちを変化させることができるのは、素晴らしいことだと思います。僕が混血児であるということは、小さな町では時に難しい状況になります。どんな小さなことでも、自分が拒絶されているような気分になったりするのです。本当はそんなことは全くないのに、それは自分の肌の色のせいだと思ってしまうのです。子供のころは、それがつらかった。成長すると、そんな風に決め付けることがなくなって、まわりの人に僕のママは白人でパパは黒人だ。自分は良い人間になろうと努力している、と言えるようになりました。
「観客たちとの一体感はどうでした?」
本当に信じられませんでした。大会の前から言っていたことですが、僕は観客のみなさんに僕と共にいてほしいと思っていました。僕を支えて欲しいと思っていました。そうすれば、僕は何か大きなことを成し遂げられると思ったからです。僕はそういう観客のみさなんを待っていたし、僕の期待を超えていました。時々僕を応援してくれるみなさんの声援がものすごくて、震えがしたほどです。みんな本当に僕を応援し、助けてくれました。
「月曜には世界第7位にランクされますね」
トップ10に入る、それは夢のようです。毎週毎週、ナンバー1になってやろうと思っています。ナンバー1になれたら、それは最高だろうなあって。そう考えることで、僕は前進できるんです。より高い場所にたどり着くために、僕はこんな風に考え続けようと思っているんです。
「さて、次は上海でのマスターズ・カップですね。信じられないような急展開を感じていますか?」
ここしばらくの間に起こったことは全て、信じられないようなことばかりです。ほんの2年前、僕は世界250位の選手だった。スニーカーの脚を引きずって、小さなクラブの小さなロッカールームに行き、小さな大会に出ていたんです。当時すでに、今のレベルに到達することを目標にしていました。今、僕はそこにたどり着き、上海に行って世界で最も強い7人の選手達と戦えることを本当に幸せに思います。僕は上海にフランスを、僕の家族を、そして僕の友人達を代表して行きます。最高の自分を出し切りますよ。
レキップのウェブサイトが掲載したツォンガの優勝時の記者会見を(フランス語)、alala特派員が完全翻訳してくれました!(記者会見で泣くツォンガのビデオと記者会見)
このインタービューを読んで、彼と共に泣いてしまいました。黒人との混血児というハンディを負いながらも、自分をサポートしてくれる人達への感謝の気持ちを忘れることなく、ひたすら前進を目指してきたツォンガ。人に言えないさまざまな辛いこともあったでしょう。自分を愛し信じてくれる人のために、数重なる不運な怪我も乗り越えて、彼は7年ぶりにフランスにトロフィーをもたらしました。
転んでは起つ。また転んではまた起つ。決して諦めず最後まで戦い続けるツォンガは、私たちに感動と生きる勇気を与えてくれます。そしてそんなヒーローのパーフォーマンスを観戦することができる私達は本当にラッキーです。
alalaさん、テニスファンにすばらしい贈り物をありがとう!
(記者会見)
「ジョー・ウィルフリード・ツォンガ、このタイトルを手にしての感想は?」
どうしようもないくらい、激しい幸せを感じています。この決勝をどうことばで表現したらいいのか、わかりません。今週起こったことはどれもこれも信じられないことばかりです。
大会が始まった時、体中に傷みがありました。腿も痛かったし、ひじも痛かった。あと、どこが痛かったんだっけ?とにかく、どこもかしこも痛かったんです。試合に100%集中できないときや自分のしたいようなプレイができないときには、頭も痛くなったし。だけど何とか踏ん張って、本当に本当にしっかりとがんばった。こうやってコートの上で戦えるんだから、全力を尽くさなくちゃダメだって自分に言い聞かせたんです。何が起こるかなんてわからない。一試合か二試合何とか勝てばそのうち身体が動き出し、安定してくるかもしれない。そうしたら問題はなくなる、そう思おうって。そして実際そうなったんです。今は本当にうれしい。
「最後0-40でリードされた時はどう思いましたか?」
僕の仲間たちを見て、「今だよ、今僕に力をおくれ、今僕を支えて」って言ったんです。僕は一生懸命身体を動かし自分にこう言ったんです。「0-40はまだ終わりってことじゃない。まだやれる」って。一球一球「お前は強い。お前にならできる。毎日お前を支え、お前と一緒に汗をかき、お前のために考えてくれているみんなのためにこのタイトルを取るんだ」って自分に言い聞かせました。
「マッチ・ポイントのとき、関係者席を見ましたね。その時の気持ちは?」
自分について来てくれ、自分を支えてきてくれた人たち、そして自分の家族を確認したのです。みんな、今日僕が勝つために力を貸してくれた人ばかりです。この勝利はこの2週間だけの結果ではなくて、僕のこれまでの人生全ての結果なのです。これまでに指導してくれた何人かのコーチにも感謝しています。彼らは本当にたくさんのことを教えてくれました。家族もそうです。しつけやものの考え方などを教えてくれました。僕のまわりで僕が幸せでいられるように、そして僕が自由な心でテニスができるように支えてくれた人達に感謝します。僕には彼らがいるんだ、って知っています。彼らがいるから、僕の人生は美しいものになるんです。
「ベルシーでの自分のレベルは全豪のときよりも高いと思いますか?」
全豪の時よりうまくプレイできたかはわかりません。大会の始め、僕は満身創痍でした。だけどそれは公表せずに自分の中にしまっておいた。少なくともプレイすることはできるし、そのチャンスを生かすことはできると思ったからです。試合を重ねるにつれ、だいぶん調子があがってきました。全豪の時みたいなありえないようなボレーが決まったりといったものすごいことはできなかったかもしれないけれど、正確なプレイはできました。みんなこうやって勝つんだなと思いました。「ラッキーな」プレイで勝つんじゃなくてね。よく考えた上でのプレイによって人は勝つのだということがわかりました。
「試合の最後に見せた涙の意味は?」
コートに入る前、昼寝をしたんです。自分が試合に勝って、家族に感謝する夢を見ました。本当に勝った時、「信じられない。本当に自分の声を出して何千人という人の前で家族みんなに感謝ができるなんて」と思ったんです。僕が家族や僕の仲間たちをどれだけ愛しているかみんなの前で言えるんだって。
「このタイトルにはどのような意味がありますか?」
たくさんのことです。僕はここ数年、いくつもの山を這い上がってきました。もう一度テニスをするのは難しいんじゃないかといわれた時もあったほどです。うまくプレイできていたかと思うと、突然怪我のならくへと突き落とされてしまったり。そんな時を過ごしているうちに、僕の心は強くなった。だからこの勝利はあらゆるものの結果なんです。そして僕が子供だった時から僕を支えてくれた全ての人達、両親や家族、コーチたち、そして友人たちの勝利でもあるんです。最高の気分ですよ。
「表彰式の直前、椅子に座っているあなたは物思いにふけっているように見えました。あの時何を考えていたんですか?」
たくさんのことです。祖父母が僕のことを見ていてくれたかと思うと(ここでツォンガは涙を流し、しばし黙ってしまう)僕の祖母が…僕のことを見ていてくれた人たちのことを考えてたんです。彼らのことを(嗚咽するツォンガ)。彼らのおかげなんです。僕を支えてくれた人たち。たとえもういない人たちも。困難な時、僕は彼らのことを思い出すんです。すると、前に進めるような気がするんです。
「あなたは信じられないくらいの落ち着きを見せていました。家族からその力を得るんですか?」
僕の性格ということもありますね。両親はいつも、僕がくよくよせずに前を向いて歩く手助けをしてくれました。僕の家族は、元々特にたいそうなものを持っていたわけではありません。僕はいつでも自分の皿をしっかり平らげることで満足してきたんです。(訳注:これはちょっとわからいにくかったんですけど、多分「足るを知る」みたいな意味ではないかと思います…)バカみたいに聞こえるかもしれないけれど、でもこういう小さなことから始まって、人は強くなったり何もあきらめたりしなくなるんじゃないかと思います。
「高揚から落ち着きへどうやって心をコントロールするのですか?」
僕はアフリカのエキセントリックなところと西洋の穏やかさを持っているのです。このふたつが、僕の血の中に流れています。高揚感から穏やかな気持ちへと自分の気持ちを変化させることができるのは、素晴らしいことだと思います。僕が混血児であるということは、小さな町では時に難しい状況になります。どんな小さなことでも、自分が拒絶されているような気分になったりするのです。本当はそんなことは全くないのに、それは自分の肌の色のせいだと思ってしまうのです。子供のころは、それがつらかった。成長すると、そんな風に決め付けることがなくなって、まわりの人に僕のママは白人でパパは黒人だ。自分は良い人間になろうと努力している、と言えるようになりました。
「観客たちとの一体感はどうでした?」
本当に信じられませんでした。大会の前から言っていたことですが、僕は観客のみなさんに僕と共にいてほしいと思っていました。僕を支えて欲しいと思っていました。そうすれば、僕は何か大きなことを成し遂げられると思ったからです。僕はそういう観客のみさなんを待っていたし、僕の期待を超えていました。時々僕を応援してくれるみなさんの声援がものすごくて、震えがしたほどです。みんな本当に僕を応援し、助けてくれました。
「月曜には世界第7位にランクされますね」
トップ10に入る、それは夢のようです。毎週毎週、ナンバー1になってやろうと思っています。ナンバー1になれたら、それは最高だろうなあって。そう考えることで、僕は前進できるんです。より高い場所にたどり着くために、僕はこんな風に考え続けようと思っているんです。
「さて、次は上海でのマスターズ・カップですね。信じられないような急展開を感じていますか?」
ここしばらくの間に起こったことは全て、信じられないようなことばかりです。ほんの2年前、僕は世界250位の選手だった。スニーカーの脚を引きずって、小さなクラブの小さなロッカールームに行き、小さな大会に出ていたんです。当時すでに、今のレベルに到達することを目標にしていました。今、僕はそこにたどり着き、上海に行って世界で最も強い7人の選手達と戦えることを本当に幸せに思います。僕は上海にフランスを、僕の家族を、そして僕の友人達を代表して行きます。最高の自分を出し切りますよ。