2008年11月07日
変遷するマスターズカップ
火曜の大統領選挙以来、アメリカのニュースはまだまだオバマ一色の毎日ですが、この辺でそろそろテニスに気持ちをきりかえたいと思います。
いよいよ上海マスターズカップが日曜から始まりますね。スケジュールは以下の通りになります。
今年は上海最後のマスターズカップとなりますが(来年からロンドンです)、8人のうちで何と半分の4選手(マリー、デルポトロ、ツォンガ、シモン)が初出場という下克上の激戦となりました。しかもマリーを除いては、シード6、7、8の3選手が誰になるのか、最後まで分からないスリルのあるパリマスターズでした。
(マスターズカップはATPレース(1月からの成績)のランキング上位8位までが出場権を得ますが、私たちが一般に呼んでいる ATP ランキング(過去一年間)とは違いますが、今年は トップ10の選手は両方のランキングが同じ順位となりました。この二つのランキングは、 http://www.atptennis.com/3/en/rankings/をクリックしてください。)
今年はナダルの膝、デルポトロの足爪、フェデラーの体調の具合によっては、3人全員の欠場も心配されましたが、No.1のナダルの欠場があったものの、最悪の事態を免れることができました。ナダルの代わりにシモンがシード8で出場しますが、まだまだ油断は禁物です。というのは悪夢の2005年の例があるからです。
怪我人続出2005年の最悪マスターズカップ
ヒューストンから上海に移った2005年のマスターズカップは、開催前にすでにロディック、ヒューイット、サフィンが怪我のため欠場を発表するという厳しいスタートをきりました。そして、上海まで来ていながら試合の直前にナダルが足の怪我で欠場のアナウンス。引き続いてアガシがダヴィデンコと試合をしただけで、足首をいためて欠場という史上最悪の事態が生じたのです。選手たちは疲れきっています。3年前に出場資格のある8人のうち5人までが欠場する事態に陥ったにも拘らず、怪我対策が今だに講じられていない現実は、大いに反省されるべきです。
フェデラーの圧倒的な強さ
さてフェデラーが初出場した2002年以降の出場選手リストをみてみましょう。メンバーが激変する中で、驚くべきことはフェデラーの強さです。2002年(準決勝でヒューイットに負ける)と2005年(ナルバンディアンに5セットのタイブレークで惜しくもチャンピオンを譲る)以外は、4度のチャンピオンタイトルを保持しています。そして驚くべきことに、フェデラーのみが今年で連続7回の出場です。
彼の長年のチャンピオンの座は、彼の卓越したテニスの技術とメンタルの強さにもよりますが、インジャリーフリー(怪我のない)選手生活を続けることができたことを忘れてはなりません。Monoという病気がありましたが、怪我らしい怪我もなく選手生活を通してこれた理由は主に(1)試合数が少ない (2)フィジカルトレーニングを重視 (3)体に無理のないフォーム、が上げられると思います。
しかしナダルの出現によって、パワーとアスレティシズムに重きが置かれるようになった現代テニスでは、このフェデラーの3原則を遵守するだけではもはや優位は立てなくなってきていることも事実です。今後も増える肉体負担といかに取り組んでいくかが最大課題となりますが、そんな厳しい状況のなかで、健闘する圭くんを皆で励まし応援し続けていきたいと思います。
( )の数字はシード番号です。グリーンのシードは初出場の選手です。
2003年
ロディックが初出場でシード1で衝撃的なデビュー。
2005年
ナダルはシード2で初出場。資格を得たにもかかわらず怪我で棄権。
2007年
ジョコヴィッチはシード3で初出場。
2008年
フェデラー7年目の連続出場
ナダルは4年のうち2年棄権
2008年度(上海)
(1)フェデラー
(2)ジョコヴィッチ
(3)マリー
(4)ダヴィデンコ
(5)ロディック
(6)ツォンガ
(7)デルポトロ
(8)シモン
2007年(上海) フェデラー優勝
Federer def Ferrer: 62, 63, 62
(1)フェデラー
(2)ナダル
(3)ジョコヴィッチ
(4)ダヴィデンコ
(5)ロディック
(6)フェレール
(7)ゴンザレス
(8)ガスケ
2006年(上海) フェデラー優勝
Federer def Blake: 6-0, 6-3, 6-4
(1)フェデラー
(2)ナダル
(3)ダヴィデンコ
(4)リュビチッチ
(5)ロディック
(6)ロブレド
(7)ナルバンディアン
(8)ブレイク
2005年(上海)ナルバンディアン優勝
Nalbandian def Federer: 67(4), 67(11), 62, 61, 76(3)
(1)フェデラー
(2)ナダル(棄権)
(3)アガシ(途中棄権)
(4)コリア
(5)ダヴィデンコ
(6)リュビチッチ
(7)ガウディオ
(8)ナルバンディアン
(9)プエルタ(ナダルのかわり)
(10)ゴンザレス(アガシのかわり)
2004年(ヒューストン)フェデラー優勝
Federer def Hewitt: 63, 62
(1)フェデラー
(2)ロディック
(3)ヒューイット
(4)サフィン
(5)モヤ
(6)コリア
(7)ヘンマン
(8)ガウディオ
2003年(ヒューストン)フェデラー優勝
Federer def Agassi: 63, 60, 64
(1)ロディック
(2)フェレロ
(3)フェデラー
(4)コリア
(5)アガシ
(6)シュトラー
(7)モヤ
(8)ナルバンディアン
2002年上海 ヒューイット優勝
Hewitt def Ferrero: 75, 75, 26, 26, 64
(1)ヒューイット
(2)アガシ(腰痛で棄権)
(3)サフィン
(4)フェレロ
(5)モヤ
(6)フェデラー
(7)ノヴァック
(8)コスタ
(9)ヨハンソン
いよいよ上海マスターズカップが日曜から始まりますね。スケジュールは以下の通りになります。
11月9日上海現地時間2時
ジョコヴィッチ vs デルポトロ
ダヴィデンコ vs ツォンガ
今年は上海最後のマスターズカップとなりますが(来年からロンドンです)、8人のうちで何と半分の4選手(マリー、デルポトロ、ツォンガ、シモン)が初出場という下克上の激戦となりました。しかもマリーを除いては、シード6、7、8の3選手が誰になるのか、最後まで分からないスリルのあるパリマスターズでした。
(マスターズカップはATPレース(1月からの成績)のランキング上位8位までが出場権を得ますが、私たちが一般に呼んでいる ATP ランキング(過去一年間)とは違いますが、今年は トップ10の選手は両方のランキングが同じ順位となりました。この二つのランキングは、 http://www.atptennis.com/3/en/rankings/をクリックしてください。)
今年はナダルの膝、デルポトロの足爪、フェデラーの体調の具合によっては、3人全員の欠場も心配されましたが、No.1のナダルの欠場があったものの、最悪の事態を免れることができました。ナダルの代わりにシモンがシード8で出場しますが、まだまだ油断は禁物です。というのは悪夢の2005年の例があるからです。
怪我人続出2005年の最悪マスターズカップ
ヒューストンから上海に移った2005年のマスターズカップは、開催前にすでにロディック、ヒューイット、サフィンが怪我のため欠場を発表するという厳しいスタートをきりました。そして、上海まで来ていながら試合の直前にナダルが足の怪我で欠場のアナウンス。引き続いてアガシがダヴィデンコと試合をしただけで、足首をいためて欠場という史上最悪の事態が生じたのです。選手たちは疲れきっています。3年前に出場資格のある8人のうち5人までが欠場する事態に陥ったにも拘らず、怪我対策が今だに講じられていない現実は、大いに反省されるべきです。
フェデラーの圧倒的な強さ
さてフェデラーが初出場した2002年以降の出場選手リストをみてみましょう。メンバーが激変する中で、驚くべきことはフェデラーの強さです。2002年(準決勝でヒューイットに負ける)と2005年(ナルバンディアンに5セットのタイブレークで惜しくもチャンピオンを譲る)以外は、4度のチャンピオンタイトルを保持しています。そして驚くべきことに、フェデラーのみが今年で連続7回の出場です。
彼の長年のチャンピオンの座は、彼の卓越したテニスの技術とメンタルの強さにもよりますが、インジャリーフリー(怪我のない)選手生活を続けることができたことを忘れてはなりません。Monoという病気がありましたが、怪我らしい怪我もなく選手生活を通してこれた理由は主に(1)試合数が少ない (2)フィジカルトレーニングを重視 (3)体に無理のないフォーム、が上げられると思います。
しかしナダルの出現によって、パワーとアスレティシズムに重きが置かれるようになった現代テニスでは、このフェデラーの3原則を遵守するだけではもはや優位は立てなくなってきていることも事実です。今後も増える肉体負担といかに取り組んでいくかが最大課題となりますが、そんな厳しい状況のなかで、健闘する圭くんを皆で励まし応援し続けていきたいと思います。
( )の数字はシード番号です。グリーンのシードは初出場の選手です。
2003年
ロディックが初出場でシード1で衝撃的なデビュー。
2005年
ナダルはシード2で初出場。資格を得たにもかかわらず怪我で棄権。
2007年
ジョコヴィッチはシード3で初出場。
2008年
フェデラー7年目の連続出場
ナダルは4年のうち2年棄権
2008年度(上海)
(1)フェデラー
(2)ジョコヴィッチ
(3)マリー
(4)ダヴィデンコ
(5)ロディック
(6)ツォンガ
(7)デルポトロ
(8)シモン
2007年(上海) フェデラー優勝
Federer def Ferrer: 62, 63, 62
(1)フェデラー
(2)ナダル
(3)ジョコヴィッチ
(4)ダヴィデンコ
(5)ロディック
(6)フェレール
(7)ゴンザレス
(8)ガスケ
2006年(上海) フェデラー優勝
Federer def Blake: 6-0, 6-3, 6-4
(1)フェデラー
(2)ナダル
(3)ダヴィデンコ
(4)リュビチッチ
(5)ロディック
(6)ロブレド
(7)ナルバンディアン
(8)ブレイク
2005年(上海)ナルバンディアン優勝
Nalbandian def Federer: 67(4), 67(11), 62, 61, 76(3)
(1)フェデラー
(2)ナダル(棄権)
(3)アガシ(途中棄権)
(4)コリア
(5)ダヴィデンコ
(6)リュビチッチ
(7)ガウディオ
(8)ナルバンディアン
(9)プエルタ(ナダルのかわり)
(10)ゴンザレス(アガシのかわり)
2004年(ヒューストン)フェデラー優勝
Federer def Hewitt: 63, 62
(1)フェデラー
(2)ロディック
(3)ヒューイット
(4)サフィン
(5)モヤ
(6)コリア
(7)ヘンマン
(8)ガウディオ
2003年(ヒューストン)フェデラー優勝
Federer def Agassi: 63, 60, 64
(1)ロディック
(2)フェレロ
(3)フェデラー
(4)コリア
(5)アガシ
(6)シュトラー
(7)モヤ
(8)ナルバンディアン
2002年上海 ヒューイット優勝
Hewitt def Ferrero: 75, 75, 26, 26, 64
(1)ヒューイット
(2)アガシ(腰痛で棄権)
(3)サフィン
(4)フェレロ
(5)モヤ
(6)フェデラー
(7)ノヴァック
(8)コスタ
(9)ヨハンソン