2008年11月21日
スペインの作戦:デ杯決勝
デ杯決勝2008がいよいよ今日、アルジェンチン時間午後1時に始まります。
最初のラバー1はナルバンディアンvsフェレール、そのあとのラバー2にデルポトロvsロペスが続きます。
ニューヨーク時間は朝の10時に生放送がありますが、今日は試合が入っているため残念ながら生では観れません。しかし録画をしておきますので、後ほど報告したいと思います。
「ナダルの欠場でデ杯に関心を失ってしまった」なんて言わないでくださいね。
アルジェンチンとスペインの国をあげての「絶対勝たねばならぬ」デイヴィスカップの盛り上がりを、この3日間できるだけお伝えできるよう頑張ってみますので。
スペインはナダルを失ってアンダードッグになってしまいました。しかしアルジェンチンにとっては安心は禁物です。この機会は絶対に逃すことができないのです。1981年アメリカに負け、2006年はロシアに負け、二度も優勝を逃してしまったアルジェンチンチームに「今年こそは」と国民の悲願がかけられているのです。
フェリシアーノ・ロペスがカギを握る
金曜日から始まるデ杯決勝戦は、アルジェンチンのマール・デル・プラタのインドアコートで行われます。 アルジェンチンはナダルの参加をみこして速いサーフェス(カーペット)を用意しました。しかしスペインはナダルのピンチヒッター探しで根本的な作戦の修正を強いられたのです。
前もって選手たちを確保しておかなかったスペインチームのキャプテン、エミリオ・サンチェスに批判が集まっています。というのは18位のアルマグロ、21位のロブレド、55位のフェレーロがすでにこの決勝戦に欠場の旨を表明していたからです。
残るはべルダスコとロペスです。ではなぜ16位のべルダスコを起用しないで31位のロペスを起用するのか?
ナダルのピンチヒッターとして起用されたフェリシアーノ・ロペスは左利き、ビッグサーヴァー、サーヴ&ヴォレーの選手です。
スペインチームのキャプテン、エミリオ・サンチェスの作戦とは?
スポーツ記者Alberto Amalfi氏は以下のように分析しています。
* ロペスのビッグサーヴはカーペットに向いている。(しかしナダルの欠場でアルジェンチンは、スローなカーペットに変更したらしい)
* ロペスのほうがビッグマッチに強い。(トップ10との対戦成績は、ロペスは4勝6敗、べルダスコは1勝6敗)
* 今シーズンの成績は、べルダスコ(46勝27敗)はロペス(26勝26敗)よりも勝率は高いが、ロペスのシーズンの終わりの勝率は12勝9敗とべルダスコよりも高く、上がり調子にきている。
* べルダスコのほうが、奥行きが深くヴァラエティに富んだテニスができるが、プレッシャーに弱い。
今日のラバー2のロペスvsデルポトロ戦ですが、ロペスがいかに1stサーヴをキープできるかにかかっています。しかし問題はそれだけではなく、ロペスの対戦相手はサーヴィスリターンのベストプレーヤーたちです。ナルバンディアンはブレークポイントの獲得率が46%で第2位、デルポトロは45%で第4位なのです。ですから2ndサーヴが叩かれる可能性が大きく、ロペスのプレッシャーはとてつもなく高いといえます。
「複雑な状況になってきた。デルポトロは今シーズンは試合に勝ち続けてきた驚異的なシーズンで、しかもホームゲームだ。僕にとって失うものがない。全力を尽くすしかない。」シングルスだけでなくダブルスにも出場するロペスの端正な顔立ちに決意が光ります。
以下がスケジュールとドローです。
アルジェンチン vs スペイン
11月21日(金曜)
ラバー1: ナルバンディアン vs フェレール
ラバー2: デルポトロ vs ロペス
11月22日(土曜)
ラバー3: アカスーソ/カリエリ vs ロペス/べルダスコ
11月23日(日曜)
ラバー4: デルポトロ vs フェレール
ラバー5: ナルバンディアン vs ロペス