2009年01月09日
ナダルに勝ったモンフィスとは?
ドーハの大会のQFで、モンフィスがナダルを倒しました。
以前ツォンガが「トップ10の選手は誰でもNo.1になれると思っているよ。」と語っていましたが、13位のモンフィスは、2セットのストレートで世界No.1のナダルを6-4, 6-4で倒して準決勝に進出となりました。
22才のモンフィスは、 2004年に世界ジュニア No.1になっています。その年には、全豪、全仏、ウィンブルドンのGS3冠をとり、ガスケと並んでフランスの輝ける未来の星でした。しかしプロになってからは怪我が頻発し、しかもベースラインから3mほど下がったカウンターパンチャーでは限界があり、なかなか実力が発揮できず、フランスの期待を裏切ってトップ10の仲間入りも実現できないでいます。マッケンローが解説で「なぜもっとベースライン近くで打たない!」とよくこぼしていましたが、長い間50~60位をウロウロするもったいない選手の一人だったのです。
サフィンが一度モンフィスと練習試合をして、彼にコテンパテンに負けてしまったとき、「なんでこんな順位なんだい? 君ならトップ選手になれる実力があるのに!」とびっくりしたという記事を読んだことがあります。
モンフィスの最大の武器 は、あの長い手と長身の体から生まれる220kmの炸裂するミサイルサーヴです。ロディックのスタイルに似て(ジュニア時代にロディックの真似をしていたという噂)、サーヴがよいときはブレークされにくく、そのために試合が長引くこともあり、2006年の全仏では3試合連続5セットにもつれ込んだこともあります。抜群の運動神経と、長い手足によるコートカヴァリングで、どんなに振られても球をコートに返してしまうためか、つい長いラリーになってしまうようです。
そのモンフィスのplaying styleが変わりました。デフェンスプレーヤーだったモンフィスがオフェンスプレーヤーに生まれ変わったのです。今までの武器であった両手バックハンドのクロスコートに、爆発的なフォアハンドのインサイドアウト(日本では逆クロス)が加わって、なんと35ものウィナーを決めました(ナダルのウィナーは10)。ナダルの調子の良い日は、深いショットが入りますが、今日はスピンがかかりすぎたショートボールが多かったせいか、モンフィスから叩かれました。
ナダルのもう一つの問題はサーヴです。上達したとはいえ、まだ武器にはなっていません。ナダルの第1サーヴの確率は73%と高いですが、実はこの数字はあまりあてにならないのです。大切なのはサーヴの質です。ナダルはモンフィスのサーヴがよいために、リターンの得点率はわずか18%、これではなかなかリターンでポイントがとれなかったことを意味しています。ということはブレークできるチャンスが少なかったわけで、ナダルはたったの1回しかブレークポイントを取れておれません。逆にナダルの第1サーヴの37%をリターンの得点に結びつけたモンフィスは、7回もブレークポイントをナダルから奪っています。
フランスの選手はガスケのようなオールラウンダーが多く、いろんなショットを披露してくれるので好きなのですが、今日のモンフィスは攻撃と守備をうまく混合させ、しかも信じられないような超アングルのハーフヴォレーなども見せてくれて、ダイナミックなテニスの醍醐味を味わせてくれました。
「今日は自然なテニスができた。それにものすごくフォーカスできてパーフェクトなスタートを切れた。ラファはラファだよ。僕は十分競争していける自分を信じている。」とモンフィスは自信に満ちて語っています。
「今日は良い出来じゃなかった。チャンスもあったけれど逃してしまったし。今日のモンフィスはすごくアグレッシヴでサーヴもよかった。シーズンの始めはむずかしい。2~3日ドーハにいるけど其のあとはオーストラリアに飛んで、トレーニングをしっかりやるつもりだ。」とナダルは決意をあたらにしました。
(追記)ナダルはシングルスで負けてしまったものの、ダブルスではマークロペスと組んで決勝まであがってしまいました。決勝ではダブルスの世界No.1ペアのネスター/ジモニッチと戦います。これってすごくナダルにプラスですし、気分転換になってよかったと思います。
以前ツォンガが「トップ10の選手は誰でもNo.1になれると思っているよ。」と語っていましたが、13位のモンフィスは、2セットのストレートで世界No.1のナダルを6-4, 6-4で倒して準決勝に進出となりました。
22才のモンフィスは、 2004年に世界ジュニア No.1になっています。その年には、全豪、全仏、ウィンブルドンのGS3冠をとり、ガスケと並んでフランスの輝ける未来の星でした。しかしプロになってからは怪我が頻発し、しかもベースラインから3mほど下がったカウンターパンチャーでは限界があり、なかなか実力が発揮できず、フランスの期待を裏切ってトップ10の仲間入りも実現できないでいます。マッケンローが解説で「なぜもっとベースライン近くで打たない!」とよくこぼしていましたが、長い間50~60位をウロウロするもったいない選手の一人だったのです。
サフィンが一度モンフィスと練習試合をして、彼にコテンパテンに負けてしまったとき、「なんでこんな順位なんだい? 君ならトップ選手になれる実力があるのに!」とびっくりしたという記事を読んだことがあります。
モンフィスの最大の武器 は、あの長い手と長身の体から生まれる220kmの炸裂するミサイルサーヴです。ロディックのスタイルに似て(ジュニア時代にロディックの真似をしていたという噂)、サーヴがよいときはブレークされにくく、そのために試合が長引くこともあり、2006年の全仏では3試合連続5セットにもつれ込んだこともあります。抜群の運動神経と、長い手足によるコートカヴァリングで、どんなに振られても球をコートに返してしまうためか、つい長いラリーになってしまうようです。
そのモンフィスのplaying styleが変わりました。デフェンスプレーヤーだったモンフィスがオフェンスプレーヤーに生まれ変わったのです。今までの武器であった両手バックハンドのクロスコートに、爆発的なフォアハンドのインサイドアウト(日本では逆クロス)が加わって、なんと35ものウィナーを決めました(ナダルのウィナーは10)。ナダルの調子の良い日は、深いショットが入りますが、今日はスピンがかかりすぎたショートボールが多かったせいか、モンフィスから叩かれました。
ナダルのもう一つの問題はサーヴです。上達したとはいえ、まだ武器にはなっていません。ナダルの第1サーヴの確率は73%と高いですが、実はこの数字はあまりあてにならないのです。大切なのはサーヴの質です。ナダルはモンフィスのサーヴがよいために、リターンの得点率はわずか18%、これではなかなかリターンでポイントがとれなかったことを意味しています。ということはブレークできるチャンスが少なかったわけで、ナダルはたったの1回しかブレークポイントを取れておれません。逆にナダルの第1サーヴの37%をリターンの得点に結びつけたモンフィスは、7回もブレークポイントをナダルから奪っています。
フランスの選手はガスケのようなオールラウンダーが多く、いろんなショットを披露してくれるので好きなのですが、今日のモンフィスは攻撃と守備をうまく混合させ、しかも信じられないような超アングルのハーフヴォレーなども見せてくれて、ダイナミックなテニスの醍醐味を味わせてくれました。
「今日は自然なテニスができた。それにものすごくフォーカスできてパーフェクトなスタートを切れた。ラファはラファだよ。僕は十分競争していける自分を信じている。」とモンフィスは自信に満ちて語っています。
「今日は良い出来じゃなかった。チャンスもあったけれど逃してしまったし。今日のモンフィスはすごくアグレッシヴでサーヴもよかった。シーズンの始めはむずかしい。2~3日ドーハにいるけど其のあとはオーストラリアに飛んで、トレーニングをしっかりやるつもりだ。」とナダルは決意をあたらにしました。
(追記)ナダルはシングルスで負けてしまったものの、ダブルスではマークロペスと組んで決勝まであがってしまいました。決勝ではダブルスの世界No.1ペアのネスター/ジモニッチと戦います。これってすごくナダルにプラスですし、気分転換になってよかったと思います。