2009年02月16日
ナダルが怪我で敗退
ロッテルダムの決勝は、マレーがナダルを6-3, 4-6, 6-0で破り優勝しました。
しかし勝ったマレーは浮かぬ顔をしています。観客もあまり熱狂的には応援できませんでした。それはナダルの怪我がだんだん悪化してきたからです。ナダルは第2セットでメディカルタイムアウトをとり、右膝のテープを剥がしてマッサージを受けました。第2セットは勝つことができましたが、第3セットになると、観ていても速く走れないない様子が明らかでしたが、ナダルは最後までリタイアをせずに戦いました。マレーも心配そうに、優勝の喜びの言葉の代わりに、「ナダルに申し訳ないことをしたよ。今日は残念だった。」とねぎらいの言葉をかけました。
ナダルはなぜ途中でリタイアしなかったのか?
解説者はこのナダルの最後まで諦めない態度に疑問を抱いたようですが、私は立派だったと思います。彼はフェデラーと同じOld Schoolの選手であることを証明しました。解説者は多分彼は10%の可能性であっても最後まで戦いぬいたであろうと言ってましたが、私もそう思います。
「何もそこまで危険を犯してしなくてもよいのでは。観客は納得してくれるだろうし、マレーだって、そんな状態で勝っても面白くないだろうし。」というのが、途中でリタイアするべきだという意見ではないかと解説者は言ってました。確かにそういう見方もあります。
しかし十分に走れないとはいえ、ナダルはびっこをひいているわけでもなく、ときどきウィナーも打ったりできていたのですから、重傷ではないことは確かです。観客の立場としては、3セット目でナダルがリタイアをしたとしても納得したと思います。
しかしナダルは自分を応援してくれるファンのために、そして対戦者マレーのために、誇り高きスポーツマンとして最後まで戦ったのだと思います。サンプラスは試合中に何度も吐きながら、チャンはびっこをひきながら試合を放棄せず勝っています。あの戦士のスピリットがナダルに脈々と受け継がれているのをみて泣けてきました。
第3セットでは、ナダルはできるだけショートゲームにするため、最初からアグレッシヴに攻めまくりました。つなぎのショットはなく、ウィナーを狙ったショットは、集中力が沸騰点に達しているのかライン上によく決まりました。リターンエースもとれています。ネットダッシュもしました。あらゆる手段を使って、速くポイントをとるやり方はナダルらしからぬテニスでしたが、もしナダルの足が悪くなければあのアグレッションはとても有効だと思いました。彼は技があるのですから、これからはあの攻撃的なテニスをみせてほしいと思います。
それにしてもナダルが勝った第2セットは実に不思議な試合でした。ナダルは2-1でタイムアウトをとったのですが、そのあとはマレーの集中力がガタガタと崩れていってしまったのです。これ以降のゲームはまさにブレーク合戦となり、7回連続のブレークをお互いが続けて、辛うじてナダルが勝ちました。今まで攻撃的だったマレーは完全にディフェンスになり、変なテニスをしています。サーヴも43%と確率が落ちてきました。もしナダルの足がひどくなければ、マレーは負けていたかもしれません。
ここで解説者がナダルのテニスのあり方に興味深いコメントをしていました。
「オーストラリアンオープンでべルダスコと5セットをやってすぐ、決勝でフェデラーと再び激しい5セットマッチを行っているのに、なぜこの大会に出場したのか? しかもプラクティスをいつもなぜあれほど激しくやらなければならないのか? フェデラーはその逆で自分の体の管理を重視しているため怪我がない。この質問は誰もが抱く質問なのだが、試合に多く出場しなければ調子が出てこないのかもしれない。絶えず激しいテニスを繰り返すことによってナダルがナダルでありえるのかもしれない。」
しかしもともとよくない膝の状態で、このような激しいスケジュールをこなせる訳がなく、いずれは手術をしなければならない日がやってきます。シャラポヴァもなかなかカムバックできないで苦しんでいます。彼女の肩は、周りが止めろと言っても聞かなかった彼女にも責任があるのです。(医者の誤診もですが) まだ2009年が始まったばかりです。ナダルの試合に出たい気持はわかりますが、その結果伝説の名選手の寿命を縮めてしまうことになれば、スポーツ界にとっては大きな損失です。ナダルには長く長くフェデラーとともに活躍してくれることをテニスファンの一人として願わざるをえません。
しかし勝ったマレーは浮かぬ顔をしています。観客もあまり熱狂的には応援できませんでした。それはナダルの怪我がだんだん悪化してきたからです。ナダルは第2セットでメディカルタイムアウトをとり、右膝のテープを剥がしてマッサージを受けました。第2セットは勝つことができましたが、第3セットになると、観ていても速く走れないない様子が明らかでしたが、ナダルは最後までリタイアをせずに戦いました。マレーも心配そうに、優勝の喜びの言葉の代わりに、「ナダルに申し訳ないことをしたよ。今日は残念だった。」とねぎらいの言葉をかけました。
ナダルはなぜ途中でリタイアしなかったのか?
解説者はこのナダルの最後まで諦めない態度に疑問を抱いたようですが、私は立派だったと思います。彼はフェデラーと同じOld Schoolの選手であることを証明しました。解説者は多分彼は10%の可能性であっても最後まで戦いぬいたであろうと言ってましたが、私もそう思います。
「何もそこまで危険を犯してしなくてもよいのでは。観客は納得してくれるだろうし、マレーだって、そんな状態で勝っても面白くないだろうし。」というのが、途中でリタイアするべきだという意見ではないかと解説者は言ってました。確かにそういう見方もあります。
しかし十分に走れないとはいえ、ナダルはびっこをひいているわけでもなく、ときどきウィナーも打ったりできていたのですから、重傷ではないことは確かです。観客の立場としては、3セット目でナダルがリタイアをしたとしても納得したと思います。
しかしナダルは自分を応援してくれるファンのために、そして対戦者マレーのために、誇り高きスポーツマンとして最後まで戦ったのだと思います。サンプラスは試合中に何度も吐きながら、チャンはびっこをひきながら試合を放棄せず勝っています。あの戦士のスピリットがナダルに脈々と受け継がれているのをみて泣けてきました。
第3セットでは、ナダルはできるだけショートゲームにするため、最初からアグレッシヴに攻めまくりました。つなぎのショットはなく、ウィナーを狙ったショットは、集中力が沸騰点に達しているのかライン上によく決まりました。リターンエースもとれています。ネットダッシュもしました。あらゆる手段を使って、速くポイントをとるやり方はナダルらしからぬテニスでしたが、もしナダルの足が悪くなければあのアグレッションはとても有効だと思いました。彼は技があるのですから、これからはあの攻撃的なテニスをみせてほしいと思います。
それにしてもナダルが勝った第2セットは実に不思議な試合でした。ナダルは2-1でタイムアウトをとったのですが、そのあとはマレーの集中力がガタガタと崩れていってしまったのです。これ以降のゲームはまさにブレーク合戦となり、7回連続のブレークをお互いが続けて、辛うじてナダルが勝ちました。今まで攻撃的だったマレーは完全にディフェンスになり、変なテニスをしています。サーヴも43%と確率が落ちてきました。もしナダルの足がひどくなければ、マレーは負けていたかもしれません。
ここで解説者がナダルのテニスのあり方に興味深いコメントをしていました。
「オーストラリアンオープンでべルダスコと5セットをやってすぐ、決勝でフェデラーと再び激しい5セットマッチを行っているのに、なぜこの大会に出場したのか? しかもプラクティスをいつもなぜあれほど激しくやらなければならないのか? フェデラーはその逆で自分の体の管理を重視しているため怪我がない。この質問は誰もが抱く質問なのだが、試合に多く出場しなければ調子が出てこないのかもしれない。絶えず激しいテニスを繰り返すことによってナダルがナダルでありえるのかもしれない。」
しかしもともとよくない膝の状態で、このような激しいスケジュールをこなせる訳がなく、いずれは手術をしなければならない日がやってきます。シャラポヴァもなかなかカムバックできないで苦しんでいます。彼女の肩は、周りが止めろと言っても聞かなかった彼女にも責任があるのです。(医者の誤診もですが) まだ2009年が始まったばかりです。ナダルの試合に出たい気持はわかりますが、その結果伝説の名選手の寿命を縮めてしまうことになれば、スポーツ界にとっては大きな損失です。ナダルには長く長くフェデラーとともに活躍してくれることをテニスファンの一人として願わざるをえません。