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問題続きのドバイ大会

しばらくお休みしてしまいました!

実はこの週末に目が真っ赤に充血してしまい、あわてて救急病院へ行くというハプニングがありました。しかし別状なしということで(寝ている間に目をこすったか、くしゃみをしたかでしょう、という診断)、片目で我慢していましたが、火曜日には赤目が目全体に広がり、どう見てもホラー映画の主人公の形相。仕方なく今日も眼のお医者さんに行ってきました。

診断は? 「ほっとけば2週間くらいで充血がひきますから、休養してそれ以後また来てください」、というそっけない言葉。このように訳のわからない赤目と戦っている傍ら、車の故障と闘い、息子の友達の寝泊まりの世話など、ストレスと疲れでアップができませんでした。さて愚痴はこのへんにして、片手間でしたが、ちょこちょこ試合はストリーミングで観戦しましたので、私の感想を簡単に書いてみたいと思います。

欠場選手が続出のドバイ大会

トップシード7の中の5選手が欠場、という異常な事態を迎えたドバイが今日から始まりました。

ナダル(膝)、フェデラー(腰)、ダヴィデンコ(理由は非公開)、ロディック(シャハールピアーの入国拒否に抗議)、べルダスコ(足首)のトップ5人の欠場は前代未聞の出来事です。

女子のドバイ大会でイスラエル選手、シャハールピアーの入国を拒否してケチをつけたドバイでしたが、今回の男子の大会は同じくイスラエル人のアンディーラム選手の入国を許可したため大問題に発展することなく、試合が無事開催されることになりました。

よくやったロディック
まずこのドバイ大会に欠場を発表したロディックですが、彼の勇断を讃えたいと思います。新コーチ、ステファンキを迎えてさっそくメンフィスで優勝をとげたロディックですが、シャハールピアー(イスラエル女子選手)の入国拒否に抗議するため、ドバイ欠場を表明しました。そしてデ杯までの2週間をトレーニングに励み、ベストコンディションでスイス戦に臨みたいとも述べました。これでロディックの株がぐーっと上がったことは言うまでもありません。フェデラーナダルの抜けたドバイでは、調子の上がってきているロディックにとっては絶好のチャンスだったはずです。優勝者に約4千万円、準優勝者に約2千万円の賞金額の大きいドバイ大会は、選手にとっては魅力的な大会ですが、ロディックは自分の信念のためにいさぎよくキャンセルしました。そして一銭にもならないデ杯のためにアラバマ州に向かうロディックはまさに男をあげたのです。

フェデラーに失望したスイス国民
反対に株を下げたのはデ杯を辞退したフェデラーです。腰の予防のためというのが理由ですが、故郷バーゼラーツァィツンクの読者欄は、失望と怒りのコメントが大半を占めました。バーゼルを捨てチューリッヒ近くに引っ越しをしてしまったフェデラーに対しては、もともとバーゼル住民は失望していますし、バーゼルだけでなくスイス国民は、余暇はスイスではなくドバイの別荘で過ごすフェデラーを苦々しく思う気持ちを隠せないでいるようです。

不況のどん底のドバイ大会
世界に不況の津波が押し寄せていますが、ドバイも直撃を受けています。ドバイを世界の観光地にと、壮大な埋め立て計画でホテル、マンションを建築しまくったのはよいのですが、世界の大不況でマンションの売り上げはさっぱり。ホテルも閑古鳥が鳴いています。建築がストップしたビルも多く、そのために大量のインド人の季節労働者が解雇されました。彼らは車の月賦も支払えずにそのまま車を空港に乗り捨ててインドへ。一説によると過去4ヶ月で空港に乗り捨てられた車が3000台にものぼるとか。政治的にも経済的にも危機に立たされたトーナメントになりました。


好調なジョコヴィッチ:Djokovic def Cipolla 63 62
このような経済危機のさなかに、開催されているドバイ男子大会Barclays Dubai Tennis Championships(女子はヴィーナスウィリアムズが優勝しました)ですが、マレーとともに優勝候補にあげられているジョコヴィッチは、問題なく1回戦をイタリアのチポラに63 62で初勝利をおさめました。チポラは予選から上がってきた125位の選手ですので、ジョコヴィッチにとってはよいウォーミングアップになったようです。ジョコは先週のマルセイユでは残念ながら、大好調のツォンガに準決勝で負けていますが、新しいラケットにも馴染み、クリーンな当たりで正確なショットを左右に打ち分けていましたので決勝までいけると思います。

危なっかしいシモン:Simon def Ghareeb 57 64 64
最近のシモンはあの炸裂するフォアのウィナーがみられなくなりました。ウィナーを打とうとするとオーヴァーヒットしてしまうので、打つのを躊躇しているように見えます。しかもポジションがベースラインからかなり下がってしまっていますので、なかなか攻撃的なショットがつくれません。昔のディフェンスのシモンに戻ってしまったようで残念です。今日の試合も第1セットでは、簡単に2度のブレークを469位のガリーブ(クウェート)にとられてしまっているので、これはかなり真剣な問題ではないかと思います。

多くのトップ選手が欠場してしまっていますので、ドバイでは優勝するかもしれませんね、という質問に対して、正直ですがちょっと悲観的なコメントをシモンは残していました。
「最初のスタートが悪かった。今までインドアしか試合をやっていないので、アウトドアの練習が足りていない。ベースラインからもっと安定して打ってゲームのレベルをあげないことには。今の自分が抱えている問題を直さないかぎり試合には絶対勝てないと思う。」

ペースの違ったショットメイキングで相手を翻弄しながら、フォアのミサイル爆弾を打ってウィナーを決めるシモンの姿を早くみたいと願っているのですが、時間がかかるかもしれません。

未来のテニスはダブルスをヒントに
先週のメンフィスとマルセイユの大会では、決勝戦にダブルス選手が残りました。ステパネックは元ダブルスの選手ですし、ロードラはダブルス28位のダブルス選手です。この二人が決勝まで残ったのは単なる偶然とも思えないテニスの進化の過程があると睨んでいます。つまりネットダッシュの有効性です。サーヴ&ヴォレーでなくとも、いかにネットプレーがポイントにつながるかをこの二つの大会は証明してくれました。

サーヴでリターンを浮かす。サイドラインを狙ったショットでカウンターを浮かす。そして浮いた球をネットダッシュして決める。とてもシンプルなのですが、なかなか実行できないのはネットプレーの練習に時間をかけてない選手が多すぎるからだと思います。その点ダブルスの選手はネットプレーが命ですから、ネットダッシュが自然です。私の好きなロードラの試合をみて感動を覚えました。ネットダッシュのタイミングを実によく心得ていて、見事にヴォレーが決まります。ステパネックとロードラのハーフヴォレーはもう芸術の世界です。

30歳のステパネックはデルポトロを下しました。パワーテニスに勝つには、まず相手にラリーをさせないこと。サーヴで相手をコートに追い出し、ネットダッシュでオープンコートにウィナーを決めます。あとはリターンがよいこと。ステパネックとロードラはサーヴとリターンが抜群でした。

巨大な選手のパワーテニスに対抗するには? 
錦織選手の未来の答えを彼らのテニスが教えてくれているような気がします。シングルスプレーヤーがダブルスから学ぶことは無限です。ナダルは今までダブルスの試合でも活躍してきました。フィッシュは先週ダブルスで優勝しています。圭君は今まではチャレンジャーレベルでは結構ダブルスに出場していたように思うのですが、トーナメントレベルが高くなるとやめてしまいました。今は故障しがちですので体への負担が大きくなるのでしょうが、将来はぜひダブルスにも出場してほしいと思います。

さて、デ杯は錦織圭と添田豪がシングルス、岩渕聡と鈴木貴男のダブルスでいよいよ3月6日から大阪で対中国戦が始まります。5勝完勝を目指してRock Osakaです!


投稿者 Tennisnakama  12:14 | コメント(9) | トラックバック(0)