2009年03月09日
USオフィシャル応援団とは
今週末はデ杯が世界各国で同時に開催されましたが、いつも不思議に思うのは、母国のチームのために、お揃いのユニフォームを着て、笛や太鼓を叩いて世界中を旅して応援する応援団たちです。彼らの正体は?
今回のスイスvsアメリカ戦では、熱狂的なスイスの応援団がやってきました。彼らは約150名。アメリカファンは1万5千人。しかしわずか100分の1の少人数でありながらスイスの団結は強く、国旗の赤地に白十字のシャツにカウベルを鳴らして壮絶な応援をくりひろげます。そのスイス応援団の威勢のよさに、第1日目はアメリカファンの応援は終始圧倒され気味。そのせいではないと思いますが、ブレイクは最初のラバー1でヴァヴリンカに敗退してしまいました。
1勝1敗のアメリカチームを元気づけるため、USTA(USテニス協会)は「もっと応援を派手にやってくれ」とハッパをかけた応援団があります。彼らの名はネットヘッズNet Heads。特別席をあてがわれ、応援ぶりをTVに放送されることが保証されているオフィシャル応援団なのだそうで、翌日には期待に応えて1万5千人のアメリカ人を見事に統制し、ブライアン兄弟のダブルスの勝利に一役を買いました。
デ杯の開催地、アラバマ州のバーミンガムのローカル新聞、ザバーミンガムニュースの記事で分かったことですが、ネットヘッズが結成されたのは2001年。頭にバスケットボールのフープを真似たネットの帽子をかぶって、初めてデ杯に登場したのは、ノースキャロライナ州でのインド戦。団長のジェイラッシンガー氏は、ロディックの兄のジョンのジョージア大学のテニス部の仲間で、最初はテニス仲間の弟(アンディロディック)のために人肌脱ぐつもりで、友人たちと半ば冗談でネットをかぶって応援したのがきっかけだとか。しかし数人で始めたネットヘッズも現在では300人のメンバーに成長し、アメリカのデ杯チームには欠かせない存在となり、オフィシャル応援団という名誉なタイトルも与えられました。
「ネットヘッズは、僕たちが勝っても負けてもいつも笑顔を絶やさないで応援してくれるすばらしい応援団だ。スペインでは2万5千人の観客に混じってアメリカを応援してくれて、僕たちにとて貴重な存在なんだ」と、アメリカチームのキャプテンのパトリックマッケンローは彼らの存在を高く買っています。そのスペインで行われたデ杯では、ネットヘッズは会場でボトルが投げられ負傷するなど、怖い体験もしてきたそうです。
今年はオーストラリアンオープンで、女性が椅子を投げられ負傷した事件がありましたね。アメリカに住んでいて感心するのは、スポーツの試合における暴力沙汰はあまり耳にしたことがなく、実に健全で安全であること。これはスポーツが子供連れの家族の行事となっているため、ファミリー文化が浸透しているからだと思いますが、それに比べて、ヨーロッパのサッカーファンの態度の悪さ(一部ですが)に驚かされることがあります。
例えば夫の故郷、バーゼルで宿敵チューリッヒのチームとの試合が行われるときは、チューリッヒの応援団は警察の保護のもとに、柵に囲まれた特別セクションで観戦となります。応援団といっても、ブラックリストにのっているフーリガンたちで、バーゼルのフーリガンとの衝突を回避するための隔離作戦ですが、ここまでして観戦しなくてはならないスポーツに複雑な気持ちを覚えます。
サッカーの悪口はこのくらいにして(実は私は3年間、ジュニアのサッカーチームのコーチだったので、残念な思いは人一倍強いのです)今日はとてもすばらしいデ杯を経験することができました。ロディックのラバー4で、めでたくアメリカの勝利が決定し、その勝利の祝いのインターヴューで、アメリカチームがスイスからやって来たテニスファンに向かってお礼を言ったのです。
”Thank you for coming from Switzerland!”
そのときに会場からわーッと盛大な拍手が起こりました。スイスの応援団はとても嬉しそうな顔をしています。 敵チームの応援者に温かい拍手を贈るなんて、アメリカ人もなかなか粋なことを。「試合中は敵でも、試合が終われば皆テニス仲間」これは私のモットーですので、彼らの拍手の嵐は嬉しかったですね。観客無しで強行された悲しいスウェーデンのデ杯に比べて、スポーツマンシップ溢れるすばらしいデ杯を提供してくれたアメリカとスイスのテニスファンに、私からも大きな拍手をおくりたいと思います。
今回のスイスvsアメリカ戦では、熱狂的なスイスの応援団がやってきました。彼らは約150名。アメリカファンは1万5千人。しかしわずか100分の1の少人数でありながらスイスの団結は強く、国旗の赤地に白十字のシャツにカウベルを鳴らして壮絶な応援をくりひろげます。そのスイス応援団の威勢のよさに、第1日目はアメリカファンの応援は終始圧倒され気味。そのせいではないと思いますが、ブレイクは最初のラバー1でヴァヴリンカに敗退してしまいました。
1勝1敗のアメリカチームを元気づけるため、USTA(USテニス協会)は「もっと応援を派手にやってくれ」とハッパをかけた応援団があります。彼らの名はネットヘッズNet Heads。特別席をあてがわれ、応援ぶりをTVに放送されることが保証されているオフィシャル応援団なのだそうで、翌日には期待に応えて1万5千人のアメリカ人を見事に統制し、ブライアン兄弟のダブルスの勝利に一役を買いました。
デ杯の開催地、アラバマ州のバーミンガムのローカル新聞、ザバーミンガムニュースの記事で分かったことですが、ネットヘッズが結成されたのは2001年。頭にバスケットボールのフープを真似たネットの帽子をかぶって、初めてデ杯に登場したのは、ノースキャロライナ州でのインド戦。団長のジェイラッシンガー氏は、ロディックの兄のジョンのジョージア大学のテニス部の仲間で、最初はテニス仲間の弟(アンディロディック)のために人肌脱ぐつもりで、友人たちと半ば冗談でネットをかぶって応援したのがきっかけだとか。しかし数人で始めたネットヘッズも現在では300人のメンバーに成長し、アメリカのデ杯チームには欠かせない存在となり、オフィシャル応援団という名誉なタイトルも与えられました。
「ネットヘッズは、僕たちが勝っても負けてもいつも笑顔を絶やさないで応援してくれるすばらしい応援団だ。スペインでは2万5千人の観客に混じってアメリカを応援してくれて、僕たちにとて貴重な存在なんだ」と、アメリカチームのキャプテンのパトリックマッケンローは彼らの存在を高く買っています。そのスペインで行われたデ杯では、ネットヘッズは会場でボトルが投げられ負傷するなど、怖い体験もしてきたそうです。
今年はオーストラリアンオープンで、女性が椅子を投げられ負傷した事件がありましたね。アメリカに住んでいて感心するのは、スポーツの試合における暴力沙汰はあまり耳にしたことがなく、実に健全で安全であること。これはスポーツが子供連れの家族の行事となっているため、ファミリー文化が浸透しているからだと思いますが、それに比べて、ヨーロッパのサッカーファンの態度の悪さ(一部ですが)に驚かされることがあります。
例えば夫の故郷、バーゼルで宿敵チューリッヒのチームとの試合が行われるときは、チューリッヒの応援団は警察の保護のもとに、柵に囲まれた特別セクションで観戦となります。応援団といっても、ブラックリストにのっているフーリガンたちで、バーゼルのフーリガンとの衝突を回避するための隔離作戦ですが、ここまでして観戦しなくてはならないスポーツに複雑な気持ちを覚えます。
サッカーの悪口はこのくらいにして(実は私は3年間、ジュニアのサッカーチームのコーチだったので、残念な思いは人一倍強いのです)今日はとてもすばらしいデ杯を経験することができました。ロディックのラバー4で、めでたくアメリカの勝利が決定し、その勝利の祝いのインターヴューで、アメリカチームがスイスからやって来たテニスファンに向かってお礼を言ったのです。
”Thank you for coming from Switzerland!”
そのときに会場からわーッと盛大な拍手が起こりました。スイスの応援団はとても嬉しそうな顔をしています。 敵チームの応援者に温かい拍手を贈るなんて、アメリカ人もなかなか粋なことを。「試合中は敵でも、試合が終われば皆テニス仲間」これは私のモットーですので、彼らの拍手の嵐は嬉しかったですね。観客無しで強行された悲しいスウェーデンのデ杯に比べて、スポーツマンシップ溢れるすばらしいデ杯を提供してくれたアメリカとスイスのテニスファンに、私からも大きな拍手をおくりたいと思います。