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フェデラーのメンタルは何処へ?

インディアンウェルズの準決勝でフェデラーがアンディー・マレーに敗退しました。3-6, 6-4, 1-6の敗北の結果は、フェデラーの今後に暗い影を残すことになったと思います。

それにしても不思議な試合でした。あれほどメンタルのフェデラーと言われた彼でしたが、肝心のメンタルはロッカールームに忘れてきたような試合となりました。この準決勝で、フェデラーは、やってはいけないテニスのお手本を示してくれました。一体どうしちゃったのでしょう。赤ちゃん誕生の新しい出来事で、フォーカスがどこかに飛んで行ってしまったのでしょうか。

過去8試合のうち、マレーに6試合も負けてしまったフェデラーは、昨日の試合を振り返って以下のように述べています。

「今日の試合はエラーが多すぎた。第1セットで何とかよいプレーをしたかったが出来なかった。」

「今日はリズムがとれなかった。第3セットが特にそうだ。第3セットのアンディーはすばらしいテニスだった。僕はミスが多すぎた。」

「過去の負けた続けた3試合では、試合が進むにつれてアンディーはだんだん強くなってくるテニスだったが、今日のテニスは違っていた。僕は第2セットでよいプレーをできたので、このまま勝てるテニスを続けていこうとして、ショッキングな3セット目になってしまった。」

「今日の試合は、僕もアンディーも多くのアップ&ダウンがあった。結果的はよいプレーをした選手が勝った試合だった。」

フェデラーが言うように、マレーも何かぎくしゃくした浮き沈みのあるパーフォーマンスでした。

しかしフェデラーとの差は、ブレークポイントの取り方です。フェデラーは10回もブレークポイントをとりながら8回もブレークチャンスを逃しています。マレーは6回のうち逃したのは1回のみ。「ここぞという時にみせる集中力」はフェデラーの看板だったはず? 

マレー戦の敗因は、フェデラーも言っているように、一言で言ってエラー(unforced error)が多すぎたことです。

マレーのエラーの19に比べて、フェデラーのエラーの数は何と46もあります。これでは27ポイントもマレーにプレゼントしていることになります。特に第3セットの後半は、やけくそのようなところもみられ、全く冷静なフェデラーが観られませんでした。

今までメンタルのフェデラーと言われたフェデラーの姿はありません。リズムにのれないときはすぐにイライラしてフォーカスがプッツンです。昔の粘りもなくなりました。

フェデラーにぜひがんばってほしいと、今まで打倒ナダルの作戦記事を書いてきましたが、ナダル作戦の以前の根本的問題があるような気がしてきました。

フェデラーは本当に勝ちたいのか? 
燃えるような「勝つ」ことへの執念があるのか?

この私の疑問は以下のフェデラーの「やってはいけないテニス」でお分かりいただけると思います。

絶好のブレークチャンスを逃してしまう
第1セット4ゲーム目(フェデラーvsマレー:2-1)でマレーのサーヴィスゲームの時です。フェデラーは早くも40-0と3ポイントブレークチャンスを迎えます。以下のように5回のフェデラーのエラーの連続で、このゴールデン・ブレークチャンスを失ってしまいました。(unforced errorは長い言葉ですので、ここではエラーとします)

40-0 Fのエラー
40-15 Fのパッシングショットのエラー
40-30 長いラリーのあと、Fのバックハンドのエラー
40-40 Fのバックハンドがネットする
40-Ad Fのファオがアウト

簡単にブレークされてしまう
続いて5ゲーム目(フェデラーvsマレー:2-2)、フェデラーはエラーに続くエラーで、15-40で簡単にブレークされてしまいました。

失った流れを取り戻せない
第2セットはフェデラーらしい試合展開で、アグレッシヴなショットメイキングでマレーをディフェンシヴにとどめます。フェデラーはネットダッシュを積極的に繰り返して16回のうち12回成功。(マレーは3回のうち1回のみ。)ウィナーを決めたときは、フェデラーは拳を握りながらカモーンと叫び、熱がこもってきました。上がり調子で6-4で第2セットを勝ち取りました。このままいけば第3セットはフェデラー優勢で勝利です。しかしマレーの転倒で勝利の流れを失った後は、流れをとりもどすことができず、あせりまくってエラーの連続で第3セットを失ってしまいました。

対戦相手の怪我に動揺してしまう(?)
第2セットまでは、ちぐはぐなテニスをしていた両選手でしたが、第3セットに入るとスコアもタイトな接戦となり、両選手ともサーヴィスゲームをホールドしていきます。4ゲーム目(フェデラーvsマレー:1-2)、フェデラーのサーヴィスゲームのときです。 マレーが逆方向に走ろうとして足をくじいたようなモーションで転倒しました。一瞬ドキッとする転び方でしたので、フェデラーはネットにかけよって心配そうにマレーの様子を伺います。しかしマレーはメディカル・タイムアウトをとらないで試合を続行しました。

そこから不思議なことがフェデラーに起こりました。

マレーの足の怪我が頭から離れないのか、フェデラーのフォーカスがプッツンになってしまったのです。考えられないようなイージーミスの連続で、フェデラーは15-40で簡単にブレークされてしまったのです。

このフェデラーの急激な変化は D〓j〓 vuでした。昨年のナダルとの死闘のハンブルグの決勝がダブってきます。第1セットでフェデラーは5-2とセット獲得を目前にしたときです。ナダルはメディカル・タイムアウトをとりました。ナダルの足にマメができていることは今までの試合で紹介されていましたので、トニーコーチも心配でナダルにリタイアせよというサインを送っています。このタイムアウトのすぐ後にフェデラーのテニスがガラッと変わってしまったのです。しかもナダルは故障があるなど全く想像もさせない快適なフットワークでフェデラーを攻めていきます。一度フォーカスを失ったフェデラーナダルの流れを変えることが出来ず優勝を逃してしまいました。
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以上のように、フェデラーにとって情けない試合となってしまいましたが、フェデラーにはぜひ14個のGSタイトルを獲得してもらうために、応援しつづけようと思います。

そこでぜひとも以下の二点を強調したいと思います。

気持ちの切り替えることの大切さ
勝負の世界は「勝つ」か「負ける」かのどちらかです。前のセットを完勝したとしても、タイになれば試合を決定する第3セットのみがカウントされます。過去のセットは存在しないのです。ナダルとの全豪の決勝でも、このdeciding setの第5セットで、フェデラーがもろく崩れさってしまいました。フェデラーの頭の中はいろんな情報が混じりすぎているような気がします。長い試合の中では必ずups & downsがつきものです。でもそれに引きずられてしまってはなりません。毎回頭と気持ちを真っ白にして、ゼロからスタートする気持ちの切り替えができるかどうか? 考えすぎるフェデラー、こだわりすぎるフェデラーから卒業です。

最後まで粘る気持ちの強さ
最後の粘りに必要なのは、ナダルのように「最後まで自分を信じ続けられる自信」です。それが負け続けている相手にはなかなか持てず、苦手意識が先走って勝てる試合でもまた負けてしまうフェデラー

フェデラーの傷が深まらないうちに、まずはマイアミでナダルに勝つことが先決問題。自分を信じられるテニスができて初めてGS14個が達成です。

最近「ナダルを倒す」記事が増えて、ナダルファンには申し訳ないと思っています。私はナダルのファンですし、もちろん彼には勝ってほしいと思いますが、フェデラーには引退まであと数年しか残されていません。ですから今のうちに早く14個をとって、後はゆっくりナダルの応援をしたいと願っているのです。このへんの微妙なファン心理をご理解お願いします。
投稿者 Tennisnakama  02:19 | コメント(22) | トラックバック(0)