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ナダルのプレースタイルに変化?

今日4月16日木曜日。残念ながらモンテカルロは雨が降り、ナダルとマレーの試合が途中で中止となり、明日引き続き行われることになりました。しかしショッキングなことが起こりました。

フェデラーがヴァヴリンカに敗北したのです!スイスの新聞はフェデラーの敗北を痛むよりも、新しいホープ、ヴァヴリンカの誕生をうたっています。「弟子が師匠を超す」いつかはやってくる世代交替。それにしても早すぎる交替です。さぞかしフェデラーはショックだったと思います。(フェデラーファンはもちろんのこと)

最近フェデラーの記事が続いていますので、今日はナダルの2回戦の模様を書いてみたいと思います。今日、頭を冷やして後日フェデラーのこの敗北の意味するところを書いてみたいと思います。

Nadal def Chela: 6-2, 6-3

ナダルは初めて膝のテープを貼らずに登場しました。プラクティスでもいつもあの白いテープを膝の下に巻いていましたので、何もつけない足はちょっと不思議な感じです。(へえー、こういう足の形をしていたんだ。)

トップシードの選手は1回戦がByeとなりますので、2回戦が初戦となります。彼らは初戦は油断できないとよく言います。それは対戦相手はすでに第1回戦を経験し、サーフェスに慣れリズムもつかんできているからです。シモンがクウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったのは、シモンがモンテカルロのクレーに慣れるのに時間がかかり過ぎ、最後までリズムがつかめず、勝ち急ぎの試合をしてしまったところにあります。

ナダルも第1ゲームは、エッ!? これがクレーの王者?と思わせるちぐはぐなテニスでした。エラーも多くブレークポイントを迎えてしまったり、デュースを3回も重ねてしまったりしながらの危ないゲーム展開でしたが、ドロップショットが見事に決まってやっとサーヴィスゲームをホールドしました。

しかし対戦相手のチェラのがんばりもここまででした。第2ゲームのチェラはサーヴィスゲームをホールドしなければというプレッシャーもあり、ミスが続きます。そしてダブルフォルトをしてナダルにブレークされてしまいました。2-0とリードしたナダルに気持ちの上で余裕が出てきたのでしょう。第3ゲームはナダルは40-0と圧倒的に強く、ネットダッシュして、ほれぼれとするアングルヴォレーを見せてくれました。ヴォレーが実にうまくなりました。

ナダルはアグレッシヴに攻撃を続けてチェラを2度ブレークして、スコアは4-0とリード。ここでナダルに心の隙ができたのでしょうか。彼のミスとチェラのパッシングショットのウィナーなどで、あっという間に0-40とナダルがブレークされてしまいました。しかしすぐフォーカスを取り戻し、最後の8ゲーム目ではチェラをブレークして6-2で第1セットは楽勝となりました。

第2セットはいつものパターン。対戦相手はいろんな手を尽くしますがどれも成功せず。普段ならウィナーとなるチェラもフラットなフォアのミサイル球もナダルの足で追いつかれて、メンタルもフィジカルも疲労困憊していきます。

しかし第2セットでも不思議なことがナダルに再び起こりました。フォーカスが途切れるのです。簡単なオーヴァーヘッドをミスしてしまってから、エラーが増え第5ゲームでブレークされてしまいます。しかしナダルのすごいところは集中力の回復の早さです。すぐまたブレークしなおして第2セットは6-2で勝ち取りました。

この試合でナダルはいろんなことをトライしたように思います。

まず「ショットのchange direction」です。ジョコヴィッチのように連続して両サイドのサイドラインぎりぎりに打ち分けらるようになりました。サーヴィスゲームではゲームをホールドするために慎重にラリーを続け、確実にポイントを確保していきますが、リターンゲームではミスを恐れず、 ショットのchange direction を試み、アグレッシヴにアタックしました。

ショットの精度がまし、ウィナーに近いショットをコンスタントに打てるようになったので、浮いてきた球をネットダプレーで処理できる機会が増えてきました。この試合でも、12回のネットダッシュのうち10回ネットでポイントを獲得しています。ダブルスの効果か、ネットプレーが自然になってきました。クレーでもネットダッシュを重ねていけば、芝やハードでも自然にネットプレーができるようになり、all-round playerとなる日も近いかもしれません。

ナダルは昔のようにただ単にバックハンド側を攻めるというような単純な作戦はなく、いろんなレイヤーが加わり、彼のテニスが面白くなってきました。ウィナーを打つためのゲームの組み立ての種類も増えてきました。

ただ欲を言えば、1stサーヴのプレースメントが向上すればよいのですが。ワイドはよいのですが、センター狙いが甘いのでリターンされてしまいます。また2ndサーヴが短かすぎて、リターンウィナーをとられてしまいます。

さて、明日は32歳のエクァドール人のラペンティです。現在96位ですが過去には6位にもなったことがあるヴェテラン。この試合では奥行きが出てきたナダルのゲームの組み立てに留意して観戦してみたいと思います。


投稿者 Tennisnakama  12:48 | コメント(10) | トラックバック(0)