2009年04月18日
激戦:マレー vs ダヴィデンコ
今日4月17日は久しぶりに家に引きこもって、モンテカルロの一日観戦でぐったりです。
準々決勝の結果は:
ナダル d リュービチッチ 6-3, 6-3
ジョコヴィッチ d べルダスコ 6-2, 4-6, 6-3
ヴァヴリンカ d ベック 6-2, 6-4
マレー d ダヴィデンコ 7-6(1), 6-4
ナダル、ジョコヴィッチ、ヴァヴリンカ、マレーは予想通りに勝ち進みましたが、はっきりいって、マレーを除く3試合は「見逃してもまあいいか」といったレベルの試合でした。注目されたジョコヴィッチvsべルダスコでは、べルダスコは一発勝負的なところが魅力ですが、それが足を引っ張って第3セット目を落とし、試合内容はそれほど充実したものではありませんでした。
しかし、マレーvsダヴィデンコ戦は、決勝戦にしてもおかしくないハイレベルの試合で、今までのモンテカルロの試合の中ではベストだっと思います。
別にダヴィデンコのファンではないのですが、彼から一時も目がはなせず、久しぶりに声を上げてダヴィデンコを応援してしまいました。彼は風采がもうひとつで、スター性はありませんが、玄人受けのするショットの達人。特にあの小柄な体型から打ち放されるバックハンドのクロスは、スナイパーのように正確にサイドラインを直撃します。アグレッシヴなテニス展開に、もっと彼のスナイパーショットを見たいと、久しぶりに燃えた観戦となりました。
ダヴィはラインぎりぎりのウィナーを狙いますので、当然ウィナーも多いかわりに、エラーも多くなります。
ウィナーの数:ダヴィ(28) マレー(9)
エラー(unforced errors)の数: ダヴィ(58) マレー(27)
58もエラーをダヴィはおかしましたが、ほとんどがウィナーに近い惜しいショットでした。何もあそこまでして狙わなくてもと思うのですが、どんなショットを打っても、マレーに取られリターンされてしまう状況では、リスクを負ったショットをしなければポイントがとれない、ということでしょうか。
第1セットはお互いいつブレークされてもおかしくない競り合ったスコアで、ラリーの応酬です。ダヴィはベースラインから下がらず、オンザライズで打っていますので、観ていてテンポが速くスカッとします。ネットダッシュもさかんに行い28回のうち23回ポイントをとったそうです。(ちょっとこの数は多すぎるような気もしますが)いずれにしても、これだけネットダッシュして成功率が多いのは、まずマレーの球を浮かせるショット力があること。そしてヴォレーの素晴らしさです。
フェデラーファンに叱られますが、フェデラーがネットプレーをふやして得点をあげるには、このウィナーを打てるショットとヴォレーのレベルアップが必要だと痛感しました。ヴァヴリンカとの試合では、肝心のフェデラーのフォアのクロスが決まらず、ネットダッシュ以前の問題でつまずいています。モンテカルロには、結婚式もあって、ほとんど準備ができていないので仕方がなかったと思いますが、彼のショットメイキングに対するシャープな感覚を取り戻すには、一にもプラクティス、ニにもプラクティスだと思うのです。怪しくなっている彼のマッスルメモリーをリセットして、精度の高いショットを目指すにはターゲットプラクティスしかない!(クウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったシモンは、ストロークのトレーニングを徹底的にやりなおすそうです。)多分誇り高いフェデラーは、何を今さら、という気持ちからそんな基本的なことはやらないでしょうが。でも何事も迷えば「基本に戻れ」といいますよね。これは言い得ているとおもうのですが。
さて、マレーvsダヴィデンコ戦に戻りますが、マレーの勝因は、しぶとくディフェンスをやりながらチャンスを見逃さず、しっかりとポイントを決めるメンタルだと思いました。逆にダヴィは肝心なところがもろかった。
第1セットの7ゲーム目(3-3)など、ダヴィは4回もブレークチャンスを逃しましたし、タイブレークでも、固くなってミスが突然増え出して1ポイントしかとれず、あっさり負けてしまいました。
マレーの見事なのは、うまくサーヴィスウィナーを肝心なブレークポイントでとって、何度も窮地を免れている点です。これはまさにメンタルパワー。彼の1stサーヴは51%と、ダヴィの79%に比べて相当低いのにもかかわらず、ストレート勝ちをおさめています。彼はポイントの取り方がうまい。やっぱり勝負師ですね。派手さはありませんが、いつの間にか勝っていた!というパターンです。
今日のダヴィデンコは神がかったようなプレーをいろいろみせてくれました。あの小柄な体型であのような見事なショットを打つダヴィのテニスを、日本人選手はもっと研究してほしいですね。今日のテニスは、小型選手はパワーで負けてしまいますので、アグレッシヴにオンザライズでショットを決めていかなければ、デルポトロのような大男につぶされてしまいます。でもこのオンザライズは子供のときから始めないと習得するのがむずかしいといわれています。3歳から始めたアガシがよい例ですが、日本のテニススクールも子供たちにぜひトレーニングをお願いしたいですね。そしてダヴィデンコが引退すれば、日本テニス協会の名誉コーチとして招聘して、彼から秘伝を授かるというのはいかがでしょう? (我ながらグッドアイデアだと思っているのですが)
準々決勝の結果は:
ナダル d リュービチッチ 6-3, 6-3
ジョコヴィッチ d べルダスコ 6-2, 4-6, 6-3
ヴァヴリンカ d ベック 6-2, 6-4
マレー d ダヴィデンコ 7-6(1), 6-4
ナダル、ジョコヴィッチ、ヴァヴリンカ、マレーは予想通りに勝ち進みましたが、はっきりいって、マレーを除く3試合は「見逃してもまあいいか」といったレベルの試合でした。注目されたジョコヴィッチvsべルダスコでは、べルダスコは一発勝負的なところが魅力ですが、それが足を引っ張って第3セット目を落とし、試合内容はそれほど充実したものではありませんでした。
しかし、マレーvsダヴィデンコ戦は、決勝戦にしてもおかしくないハイレベルの試合で、今までのモンテカルロの試合の中ではベストだっと思います。
別にダヴィデンコのファンではないのですが、彼から一時も目がはなせず、久しぶりに声を上げてダヴィデンコを応援してしまいました。彼は風采がもうひとつで、スター性はありませんが、玄人受けのするショットの達人。特にあの小柄な体型から打ち放されるバックハンドのクロスは、スナイパーのように正確にサイドラインを直撃します。アグレッシヴなテニス展開に、もっと彼のスナイパーショットを見たいと、久しぶりに燃えた観戦となりました。
ダヴィはラインぎりぎりのウィナーを狙いますので、当然ウィナーも多いかわりに、エラーも多くなります。
ウィナーの数:ダヴィ(28) マレー(9)
エラー(unforced errors)の数: ダヴィ(58) マレー(27)
58もエラーをダヴィはおかしましたが、ほとんどがウィナーに近い惜しいショットでした。何もあそこまでして狙わなくてもと思うのですが、どんなショットを打っても、マレーに取られリターンされてしまう状況では、リスクを負ったショットをしなければポイントがとれない、ということでしょうか。
第1セットはお互いいつブレークされてもおかしくない競り合ったスコアで、ラリーの応酬です。ダヴィはベースラインから下がらず、オンザライズで打っていますので、観ていてテンポが速くスカッとします。ネットダッシュもさかんに行い28回のうち23回ポイントをとったそうです。(ちょっとこの数は多すぎるような気もしますが)いずれにしても、これだけネットダッシュして成功率が多いのは、まずマレーの球を浮かせるショット力があること。そしてヴォレーの素晴らしさです。
フェデラーファンに叱られますが、フェデラーがネットプレーをふやして得点をあげるには、このウィナーを打てるショットとヴォレーのレベルアップが必要だと痛感しました。ヴァヴリンカとの試合では、肝心のフェデラーのフォアのクロスが決まらず、ネットダッシュ以前の問題でつまずいています。モンテカルロには、結婚式もあって、ほとんど準備ができていないので仕方がなかったと思いますが、彼のショットメイキングに対するシャープな感覚を取り戻すには、一にもプラクティス、ニにもプラクティスだと思うのです。怪しくなっている彼のマッスルメモリーをリセットして、精度の高いショットを目指すにはターゲットプラクティスしかない!(クウォリファイアーのベックに初戦で負けてしまったシモンは、ストロークのトレーニングを徹底的にやりなおすそうです。)多分誇り高いフェデラーは、何を今さら、という気持ちからそんな基本的なことはやらないでしょうが。でも何事も迷えば「基本に戻れ」といいますよね。これは言い得ているとおもうのですが。
さて、マレーvsダヴィデンコ戦に戻りますが、マレーの勝因は、しぶとくディフェンスをやりながらチャンスを見逃さず、しっかりとポイントを決めるメンタルだと思いました。逆にダヴィは肝心なところがもろかった。
第1セットの7ゲーム目(3-3)など、ダヴィは4回もブレークチャンスを逃しましたし、タイブレークでも、固くなってミスが突然増え出して1ポイントしかとれず、あっさり負けてしまいました。
マレーの見事なのは、うまくサーヴィスウィナーを肝心なブレークポイントでとって、何度も窮地を免れている点です。これはまさにメンタルパワー。彼の1stサーヴは51%と、ダヴィの79%に比べて相当低いのにもかかわらず、ストレート勝ちをおさめています。彼はポイントの取り方がうまい。やっぱり勝負師ですね。派手さはありませんが、いつの間にか勝っていた!というパターンです。
今日のダヴィデンコは神がかったようなプレーをいろいろみせてくれました。あの小柄な体型であのような見事なショットを打つダヴィのテニスを、日本人選手はもっと研究してほしいですね。今日のテニスは、小型選手はパワーで負けてしまいますので、アグレッシヴにオンザライズでショットを決めていかなければ、デルポトロのような大男につぶされてしまいます。でもこのオンザライズは子供のときから始めないと習得するのがむずかしいといわれています。3歳から始めたアガシがよい例ですが、日本のテニススクールも子供たちにぜひトレーニングをお願いしたいですね。そしてダヴィデンコが引退すれば、日本テニス協会の名誉コーチとして招聘して、彼から秘伝を授かるというのはいかがでしょう? (我ながらグッドアイデアだと思っているのですが)